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カテゴリー「ニュース」の86件の投稿

2024年5月 2日 (木)

新型コロナ2024.04 追跡終了

 新型コロナウイルスの感染力の高い新たな変異株「JN.1」が広がって、昨年11月下旬頃からインフルエンザとの同時流行の「第10波」が、緩やかに増加していた。やがて、今年2月初旬からは現在までに、全国的に11週連続で減少、インフルエンザも減少を続けている。

 2024年4月1日から30日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2024.03 全国減少」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】
 

【4月5日】

●全国のコロナ感染者数、8週連続減 前週の0.98倍、インフルも減

 厚労省は5日、全国に約5千ある定点医療機関に3月25~31日に報告された新型コロナの新規感染者数は計2万5179人で、1定点あたり5.10人だったと発表した。前週(5.21人)の約0.98倍で、8週連続で減少。都道府県別の最多は秋田の12.27人で、岩手9.16人、宮城9.07人と続く。東京3.48人、愛知6.39人、大阪3.60人、福岡3.74人だった。26道県で減少した。

 31日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1926人で、前週(1955人)から29人減少。集中治療室(ICU)に入院した患者は79人で、前週(89人)から10人減った。季節性インフルエンザの新規感染者数は、1定点あたり11.18人で、前週(14.08人)の約0.79倍に減少した。

 4月5日発表の定点把握(3月25日~31日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【4月8日】
 
◆昨年度倒産件数、前年度比約30%増 「ゼロゼロ融資」返済本格化

 民間の信用調査会社「帝国データバンク」によると、昨年度、全国で1000万円以上の負債を抱え、法的整理の手続きをとった事業者の数は8881件と、前年度と比べて30.6%増えた。これは、新型コロナの感染拡大を受けたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したことや社会保険料の支払い猶予が終了したことなどが主な要因だとしている。

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 また昨年度、人手不足で事業の継続が難しくなったことを要因とする倒産件数は313件と、前年度の2倍以上に増えていて、業種別では建設業やサービス業、それに運輸業で目立っているという。日銀は、先月賃金と物価の好循環の実現が見通せる状況になったとして、マイナス金利政策の解除を決めたが、今後、貸出金利が上昇した場合の中小企業への影響が注視されている。

【4月9日】

◆「国立健康危機管理研究機構」、来年4月に設立へ 厚労省

 9日、厚労省が関係者や有識者からなる準備委員会の会合を開き、「国立感染症研究所」と「国立国際医療研究センター」を統合、新たな感染症の流行に備えた専門組織「国立健康危機管理研究機構」を来年4月に設立する方針を決定した。機構の略称は「JIHS」。指揮命令系統を強化するため内部に「危機管理総局」を設置して対応にあたるとしていて、平時から国内外の感染症の情報を収集し、厚労省などに定期的に報告するとしている。

 米疾病対策センター(CDC)のように、国内外の感染症や様々な病気のリスクを分析し、感染拡大時には研究開発や医療支援の部門などとも連携し、薬やワクチンなどの開発につなげるほか、診療対応の手引きなども策定する。会合で、武見厚労相は「新たな機構は世界をけん引する『感染症総合サイエンスセンター』であることが求められる。感染症に不安を抱くことのない社会の実現に向けた第一歩となるようにしたい」と述べた。

【4月11日】

◆大型連休中の旅行者、2332万人の見通し 大手旅行会社まとめ

 大手旅行会社「JTB」は、アンケートや経済指標などをもとに大型連休中の旅行の見通しをまとめた。それによると、4月25日から5月5日までに1泊以上、国内や海外の旅行に出かける人は、去年の同じ時期を1.8%上回る、延べ2332万人となる見通し。これは、コロナ禍前の2019年の9割を超える水準まで回復することになる。

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 内訳をみると、国内旅行は、去年とほぼ同じ2280万人と見込まれ、行き先はやや近場が多いものの、去年に比べると分散傾向にある。海外旅行は、52万人と去年より6割以上増える見通し、円安による旅行費用の高騰を受けて近場の韓国や台湾、東南アジアに人気が集まっている。1人当たりの旅行費用は、国内旅行が3万6100円、海外旅行は26万9000円と、いずれも去年より3%から4%程度、増える見通し。

●コロナ雇調金、6.7億円詐欺か 容疑の会社役員ら4人逮捕 警視庁

 コロナ禍での国の雇用調整助成金(雇調金)などをだまし取ったとして、警視庁は会社役員の徳毛容疑者(46)ら男4人を詐欺容疑で逮捕し、11日に発表した。他に逮捕されたのは会社役員の和泉容疑者(53)と会社役員の男(40)、職業不詳の男(42)の3人。

 組織犯罪対策特別捜査隊によると、4人は共謀して2021年5~12月、会社役員の男の不動産コンサルティング会社で、雇調金や緊急雇用安定助成金を東京労働局に計14回申請し、2022年1月までに計約3522万円をだまし取った疑いがある。同隊は、徳毛容疑者らが関与した雇調金などの不正受給額は計15社164人分で計約6億7千万円に上り、一部は暴力団の資金源になっていた可能性があるとみている。

【4月12日】

●全国コロナ感染者、9週連続で減少 定点あたり0.84倍

 厚労省は12日、全国に約5千ある定点医療機関に4月1~7日に報告された新型コロナの新規感染者数は計2万968人で、1定点あたり4.26人だったと発表した。前週(5.10人)の約0.84倍で、9週連続で減少。都道府県別の最多は秋田の10.83人で、宮城8.96人、岩手8.95人と続く。東京2.74人、愛知5.52人、大阪3.26人、福岡2.84人だった。42都道府県で減少した。

 7日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1790人で、前週(2021人)から231人減少。集中治療室(ICU)に入院した患者は80人で、前週(81人)から1人減った。季節性インフルエンザの新規感染者数は、1定点あたり5.10人で、前週(11.18人)の約0.46倍に減少した。

 4月12日発表の定点把握(4月1日~7日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【4月14日】

◆岐阜「春の高山祭」始まる 新型コロナ5類移行後、初の開催

 「春の高山祭」は、江戸時代から続く伝統の祭りで「山・鉾・屋台行事」の1つとしてユネスコの無形文化遺産に登録されている。今回の「春の高山祭」は新型コロナの5類移行後、初めての開催。晴天に恵まれたこともあって外国からも含めて多くの観光客が訪れた。14、15日の2日間で、18万人の人出が見込まれている。

【4月15日】

◆大手デパートの1年間の決算、最終利益は各社コロナ禍前を上回る

 大手デパートの今年2月までの1年間の決算では、外国人旅行者の増加や新型コロナの5類移行を受けて売り上げが伸び、最終的な利益がいずれもコロナ禍前を上回るなど好調な業績が相次いでいる。「高島屋」はことし2月までの1年間のグループ全体の決算で、最終的な利益が前年より13%増の316億円、過去最高を更新した。会社では、人口の増加とともに経済成長が見込めるベトナムで出店を検討するなど海外での売り上げ拡大に力を入れる方針。

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 「大丸松坂屋百貨店」を傘下に持つ「J.フロント リテイリング」は、15日、ことし2月までの1年間のグループ全体の決算を発表し、最終的な利益が299億円で前の年の2倍以上にのぼりコロナ禍前の、4年前を上回った。これは、新型コロナの5類移行で人の流れが回復する中、国内の富裕層向けに高額品の販売が好調だったほか、外国人旅行者が増えて免税品の売り上げが過去最高となったことなどで売り上げが伸びたことが主な要因。

●コロナワクチン廃棄、2億4千万回分 厚労省「無駄とは考えていない」

 厚労省は15日の衆院決算行政監視委員会で、廃棄される新型コロナワクチンが約2億4千万回分になると明らかにした。概算で約6653億円。3月末、全額公費負担の臨時接種の終了に伴い、厚労省は4月以降、速やかにワクチンを廃棄するよう自治体に求めていた。厚労省によると、ワクチン購入の契約量は約9億2840万回分。3月末時点の総接種回数は4億3619万回になるため、海外に供給した分などを除く約2億4415万回分が廃棄対象。

 衆院決算行政監視委員会で、厚労省の担当者は「その時々の状況によって必要なワクチンを購入した。無駄とは考えていない」と説明。一方、武見厚労相は、日本ではmRNAワクチンの研究基盤が育っておらず、海外製品の確保に奔走せざるを得なかったことに言及。「金をかけても作れなかったという、もっと悲惨な状態にあった」と述べた。

【4月17日】

●ワクチン後死亡、遺族ら提訴 「副反応、国は広報せず」

 新型コロナのワクチン接種後に死亡した人の遺族ら13人が17日、被害は国の不適切な対応が原因だとして、1人あたり330万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。原告は、国の予防接種健康被害救済制度に基づき、死亡一時金などの給付認定を受けた遺族8人と、接種後に健康被害が生じて医療費などの給付認定を受けた5人。救済制度では、接種から発症までの時間や他に考えられる原因などを審査し、厳密な医学的因果関係は必要としていない。

 原告側は訴状で、国はワクチン接種を積極的に促す一方、接種による死亡や重篤な症状の副反応報告は広報しなかったと主張。医療行為を自らの意思で選ぶ自己決定権が侵害されたとして、慰謝料などを求めている。また、同居していない子どもを亡くした原告の1人は、死亡一時金の給付対象が「配偶者か、同一生計の遺族」に限られているのは不合理な差別にあたると主張。慰謝料とは別に、約4860万円の損害賠償も求めている。

【4月19日】

●新たな感染者、10週連続減る 新型コロナ

 厚労省は19日、全国に約5千ある定点医療機関に4月8~14日に報告された新型コロナの新規感染者数は計1万8297人で、1定点あたり3.71人だったと発表した。前週(4.26人)の約0.87倍で、10週連続で減少した。北海道や沖縄を除く42都府県で減少した。1医療機関当たりの感染者数が多かったのは秋田8.81人、岩手7.75人、青森7.34人と東北地方が目立つ。少なかったのは愛媛2.28人、広島2.34人、熊本2.35人など。

 14日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1611人で、前週(1809人)から198人減少、前週比0.89倍。集中治療室(ICU)に入院した患者は68人で、前週(80人)から12人減った。

 4月19日発表の定点把握(4月8日~14日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【4月24日】

◆新型コロナ救急搬送訴訟 「許すことはできない」、母親が意見陳述

 3年前の8月、千葉県船橋市の基礎疾患があった当時23歳の男性が、新型コロナに感染して死亡し、両親は国と千葉県、船橋市に合わせて1億円余りの賠償を求める訴えを起こしている。24日、東京地方裁判所で開かれた裁判で、男性の母親が意見陳述を行った。母親は「『搬送先の調整』という名のもとに、何度も行った救急搬送の要請がかき消され、決して許すことはできない。」と述べた。

 一方、国は「患者の搬送などは地方自治体の業務で、国は責任を負わない」などと主張した。入院先の調整などを担った千葉県は「当時は病床が逼迫していた」、保健所などを運営する船橋市は「適切な対応を行った」などとして、いずれも過失は無かったと主張した。

◆感染症対策の「行動計画」改定案、有識者会議で大筋了承

 政府の感染症対策の「行動計画」は、これまで主に新型インフルエンザを念頭に置いていたが、新型コロナの教訓を踏まえ、10年ぶりに改定案がまとまり、24日、有識者会議に示された。改定案では、医療提供体制の整備や、マスクを含めた必要物資の備蓄など、平時の備えを強化していくことが盛り込まれている。また、感染が確認された後は、水際対策などで拡大を遅らせながら病床確保や検査体制の構築を進め、ワクチンや治療薬の供給を急ぐ。

 そして、医療逼迫のおそれがあれば、科学的な知見が不十分な段階でも、「緊急事態宣言」を含めた強い措置を講じることなどを明記している。一方、こうした強い措置は、社会経済活動への影響も考慮し必要最小限の地域や期間、業態に限定し、状況の変化に合わせて機動的に運用するとしている。改定案は大筋で了承され、政府は今後、パブリックコメントを通じて広く意見も聞いた上で、ことし6月にも閣議決定する方針。

【4月25日】

◆成田空港 出入国あすから11日間、去年同期比1.3倍の見込み

 成田空港会社のまとめによると、大型連休を含む今月26日から来月6日までの11日間に成田空港から出入国する人は、83万5200人と去年の1.3倍になると見込まれている。新型コロナ感染拡大前の2019年の同じ時期と比べると、4分の3程度まで回復する見通し。このうち出国する人は43万8500人で、ピークは27日になるという。一方、入国する人は39万6700人で、ピークは来月6日となる見込み。

【4月26日】

◆ANAホールディングス ことし3月までの決算、最終利益が過去最高

 航空大手「ANAホールディングス」が、ことし3月までの1年間の決算を26日に発表した。売り上げが2兆559億円と前年よりも20%、最終的な利益が1570億円と前年よりも75%増加した。これは、インバウンド需要の回復を背景に、国際線の旅客収入が大きく伸びたことなどが主な要因。

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 一方、来年3月までの1年間の業績予想は、国際線で、各社との競争が激化することに加え、旅客機の整備費用が増えることなどから最終的な利益は30%減って、1100億円になると見込んでいる。好調な国際線に比べて、国内線ではコロナ禍からの回復が遅れていることについて、芝田社長は「レジャー層に訴えかける運賃の設定や、プロモーション施策などを打ち出し需要を取り込んでいきたい」などと話している。

◆オリエンタルランド、1年間の決算 売り上げ・最終利益、過去最高

 東京ディズニーランドなどを運営する「オリエンタルランド」のことし3月まで1年間のグループ全体の決算は、前年と比べて売り上げが28%増えて6184億円、最終的な利益が48.9%増えて1202億円となり、いずれも過去最高を更新した。新型コロナの5類移行のほか、円安を背景に外国人の入園者が増加し、全体の入園者数は2751万人と、前の年より24.5%増えた。

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 さらに、混雑する時期のチケットの値上げするなど一部の料金の見直しを去年10月に行ったことが主な要因。一方、来年3月までの1年間の業績予想については、最大規模の拡張工事を行った東京ディズニーシーの新しいエリアがことし6月にオープンすることなどから、入園者数がさらに増えると見込んでいて、売り上げはおよそ10%伸びる見通しだとしている。

■コロナ感染、11週連続減少 前週比0.98倍

 厚労省は26日、全国約5千の定点医療機関から15~21日の1週間に新たに報告された新型コロナの感染者数が、計1万7937人で1医療機関当たりの感染者数は3.64人だったと発表。前週比0.98倍で、11週連続の減少。1医療機関当たりの人数は岩手7.24人、青森7.07人、秋田6.92人と東北地方で多く、少なかったのは愛媛2.10人、広島2.34人、高知2.70人など。

 全国約500の医療機関から報告された新規入院患者数は1487人で前週比0.90倍だった。同じ1週間に定点医療機関から新たに報告されたインフルエンザの患者数は計9105人だった。前週比0.69倍。

 4月26日発表の定点把握(4月15日~21日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【4月29日】

◆「パンデミック条約」、交渉大詰め 途上国と先進国の対立根強く

 「パンデミック条約」は、国際的な感染症対策を強化し、新たなウイルスの流行を予防しようと、各国が2年かけて交渉を進め、5月に開かれるWHO総会での採択を目指している。この条約の策定に向けた、各国間の最後の会合が29日、WHO本部で始まった。会合は非公開で行われていて、条約の草案では、締約国は感染症対策のための包括的な計画を策定し定期的に見直すことや、途上国の対策を支援するため資金を拠出することなどが盛り込まれている。

 さらにワクチンや治療薬を途上国でも生産できるよう、技術の移転を促し、パンデミックの際には、医薬品の製造業者などに対し、特許を緩和したり、妥当な特許使用料を設けたりすることを奨励することも盛り込まれている。会合は、来月10日まで続きるが、交渉関係者によると、医薬品の特許の放棄などを主張する途上国と、製薬会社への影響を懸念する先進国の対立は根強いということで、期間内に合意できるかは予断を許さない状況。

【4月30日】

◆3月の国内宿泊者数、延べ約5486万人 前年同月比8.2%増、過去最高

 観光庁によると、先月、国内のホテルや旅館などに宿泊した人は速報値で延べおよそ5486万人で前年の同月よりも8.2%増加し、この3月としては、過去最高を更新した。このうち、外国人の宿泊者数は延べ1270万人で、前の年の同じ月より68.2%増加、コロナ禍前の2019年の同月を33.4%上回った。また、日本人の宿泊者数は延べ4216万人で、前年同月を2.3%下回ったものの、コロナ禍前の2019年の同月を1.3%上回った。
 

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 新型コロナの感染症法上に位置づけが、いわゆる2類相当から2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ 「5類感染症」に引き下げられ、およそ1年が経とうとしている。2020年3月19日 に最初に投稿した本ブログ記事「新型コロナ2020.01 感染確認」から、およそ4年に渡り新型コロナ感染に関わるニュースを追跡してきたが、これにて終了する。

2024年4月 6日 (土)

新型コロナ2024.03 全国減少

 新型コロナウイルスの感染力の高い新たな変異株「JN.1」が広がり、インフルエンザとの同時流行の 「第10波」は、昨年11月下旬ころから緩やかに増加していた。今年2月初旬からは全国的に7週連続で減少している。一方、インフルエンザは例年3月の終わり頃には患者数はゼロに近づいていたが、今シーズンはいまだに多い。A型ウイルスに代わりB型の広がりが背景にあるとみられ、終息にはまだ時間がかかりそう。

 2024年3月1日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2024.02 第10波出口」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【3月1日】

●新型コロナ感染者 5日間の隔離推奨を見直し 米CDCガイドライン

 米国CDC(疾病対策センター)は1日、新型コロナに感染した場合のガイドラインの改定を公表した。これまでは新型コロナに感染した人に対し、5日間の隔離を推奨していたが、改定された指針では、新型コロナに感染かどうかにかかわらず、発熱などの症状があった際は、熱が下がるなどしてから少なくとも24時間経つまでは自宅待機、その後5日間はマスクの着用など、感染を広げない行動を推奨している。

●政府、地方自治法改正案を決定 重大事態発生時の特例設ける

 2月29日の閣議で決定した「地方自治法」の改正案は、新型コロナの集団感染により県をまたいだ患者の移送が必要となったものの、国の権限が明確化されていなかったことを踏まえたもの。具体的には、大規模な災害や感染症の蔓延など、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合に、個別の法律に規定がなくても、国が自治体に必要な指示を行うことができる特例を設ける。

 この特例をめぐって、自治体側から国との対等な関係が損なわれるのではといった懸念が示され、改正案には国が指示を行う際には自治体に意見の提出を求めるよう努めることが盛り込まれた。このほか、感染症などへの対応でも国が自治体間での職員の応援の要求・指示を行うことや、市区が行う保健所の運営などは、国の指示により都道府県が必要な調整を行うことも盛り込まれた。

●新型コロナの患者数、3週連続で前の週から減少

 厚労省によると、2月25日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前週から1万697人減って3万9124人となった。また、1つの医療機関当たりの平均患者数は7.92人で、前週の0.78倍となった。前週から減少が続くのは3週連続。都道府県別では多い順に、宮城が12.03人、茨城11.7人、岩手11.57人、新潟11.27人、山形11.16人などで、すべての都道府県で前週より減少した。

 3月1日発表の定点把握(2月19日~25日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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 2月25日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2770人で、前週と比べて411人の減少。厚労省は全国の流行状況について「すべての都道府県で患者数が減少していて、ピークは過ぎたと考えられるが、春休みには遠出をする機会も増えると思うので、引き続き対策を続けてほしい」としている。

●インフルエンザ 1医療機関当たりの患者数、2週連続の減少

 国立感染研などによると、2月25日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフル患者数は、前週より1万9091人少ない8万2741人だった。1医療機関当たりでは、全国で16.76人と前週よりも3.88人減り、2週連続の減少となった。都道府県ごとでは、1医療機関当たりの患者数は、石川が24.94人、埼玉24.35人、北海道24.22人、福岡24.13人、熊本21.39人などとなっている。

 1週間の全国の患者数はおよそ50万4000人、去年9月4日以降の累積の患者数はおよそ1547万5000人と推計されている。直近5週間に検出されたウイルスを分析すると、「B型」が55%で、最も多くなっている。昨年12月にピークを迎えた後、一度は減少したが、年明け以降に急増し、1シーズンで2つのピークができる異例の事態となった。専門家は「昨年流行したA型に代わってB型が広がり、2度かかる恐れもある」と警戒を呼びかける。

 インフルエンザ患者数(2月19日~25日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●専門家「コロナもインフルもまだ流行続く しばらく注意を」

 日本感染症学会インフルエンザ委員会の石田委員長(倉敷中央病院の副院長)は、「年明け以降、B型のインフルウイルスが子どもたちの間で広がったことで、2回目のピークとなった。コロナ禍の3年間でB型ウイルスに対する免疫を持たない子どもが多くなっていたためだと考えられる。今後は徐々に減っていくとみられるが、一気に流行が終わるのではなく、しばらく患者が多い状況が続く可能性もあるので、注意する必要がある」と話していた。

 また、石田副院長は「新型コロナもインフルも減少傾向が続いている。新型コロナは高齢者の入院が多くなっていて、前回のワクチンの接種から時間がたち、免疫が落ちていることが背景にあると考えられる。重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患がある人は、ワクチンの接種を進めてほしい」と話していた。休校や学年・学級閉鎖は全国で計3297校で、前週の4570校から1273校減った。

【3月5日】

●塩野義製薬の新型コロナ治療薬、 通常手続きの申請を正式承認

 感染症の流行期などに限って緊急で開発された薬を迅速に承認する「緊急承認」の制度が、一昨年11月に初めて適用されていた塩野義製薬の新型コロナの治療薬について、厚労省が5日、通常手続きでの使用についても正式に承認した。承認されたのは、新型コロナの治療薬「ゾコーバ」。重症化リスクの低い患者でも、軽症の段階から服用できるのが特徴。

 厚労省は、「緊急承認」から1年以内に追加データを提出して通常手続きでの承認を申請することを要請。塩野義製薬は、去年6月に厚労省に申請していた。そして、3月4日夜、厚労省の専門家会議が有効性が確認でき安全性にも重大な懸念はないとして、使用を認めることを了承、厚労省が5日、正式承認した。

●コロナ公費支援、月末終了 治療薬・入院費・ワクチン、自己負担に

 新型コロナの治療や医療機関への公費支援について、厚労省は5日、3月末で終了すると発表した。他の病気と同じように患者負担は原則1~3割の窓口負担となり、入院医療費の支援もなくなる。コロナへの特例的な対応は終わり、4月からは通常の医療体制に移行する。コロナへの公費支援は、昨年5月にコロナが感染症法の5類になったのに伴い段階的に縮小。政府は今年4月から通常医療への移行を目指していた。

 コロナ治療薬は、昨年10月からは負担割合に応じて3千~9千円。入院医療費は高額療養費制度の適用後、公費で最大1万円を補助。しかし、4月以降はこうした公費支援が廃止される。治療薬は1回の治療で5万~19万円で、負担割合に応じた自己負担。医療機関を支援するコロナ病床確保料や、診療報酬の特例も終了する。コロナワクチンも全額公費の接種が終了。新年度からは65歳以上や重い基礎疾患がある60~64歳を対象に、一部を自己負担する定期接種となる。

【3月8日】

●「ゼロゼロ融資」返済ピーク 資金繰り支援策 6月末まで延長へ

 実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」は、コロナ禍で売り上げが大きく減少した中小企業の資金繰りを支援するため、2020年3月に始まった。ゼロゼロ融資の返済は去年7月から本格化し、来月に最後のピークを迎えるが、中小企業の中には、過剰な債務を抱えて事業の継続が危ぶまれるケースも予想されている。このため政府は、今月末までとなっていた資金繰りの支援策を今年6月末まで延長することを決めた。

●新型コロナ患者数、前週の0.88倍 4週連続減少 「引き続き対策を」

 厚労省によると、今月3日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前週から4636人減って3万4488人になった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6.99人で、前の週の0.88倍。前週から減少が続くのは4週連続。都道府県別では多い順に、宮城13.16人、新潟12.93人、山形12.33人、岩手が11.07人、石川が10.31人など、42の都道府県で前週より減少している。

 今月3日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2390人で、前週と比べて410人の減少だった。厚労省は、全国の流行状況について「全国的に減少傾向が続き、冬の感染のピークは過ぎたと考えられる。ただし、感染の拡大は繰り返すので、引き続き感染対策を行ってほしい」としている。

 3月8日発表の定点把握(2月26日~3月3日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフルエンザ患者数、3週連続減少

 国立感染研などによると、今月3日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフル患者数は、前週より1万3858人少ない6万8883人だった。1医療機関当たりでは全国で13.96人と前週よりも2.8人減り、3週連続の減少となった。都道府県ごとで見てみると、1医療機関当たりの患者数は北海道27.35人、石川24.85人、山形20.49人、長崎18.83人、新潟県18.27人など。

 こうしたデータを基に推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ42万1000人で、去年9月4日以降の累積の患者数はおよそ1589万6000人と推計されている。また、直近5週間に検出されたウイルスを分析すると「B型」のインフルが63%で、最も多くなっている。

 インフルエンザ患者数(2月26日~3月3日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●専門家「減少続いているが まだ流行状態にある」

 日本感染症学会インフルエンザ委員会の石田委員長は「インフルは減少が続いているが、新型コロナの流行以前と比べるととても緩やかな減り方だ。これまでであれば3月から4月にかけて急速に減ってゼロに近づくイメージだったが、いまだに『注意報レベル』に相当する定点当たり『10』を超える水準で、まだ流行状態にあるといえる。一度、感染した人も含めて感染対策には十分に注意してほしい」と話していた。

【3月9日】

●新型コロナ影響による「特例貸付」、46%が返済開始できず

 厚労省は新型コロナの影響で失業したり収入が減ったりした世帯に対して、生活費として4年前からおととしまで無利子で最大200万円を貸し付け、その規模は全体でおよそ382万件、総額1兆4431億円にのぼっている。この「特例貸付」は最も早い世帯で去年1月から返済が始まったが、その対象となったおよそ144万件のうち66万件、率にして46%が去年12月末までに返済を始められていないことが社会福祉協議会のまとめでわかった。

 一方で貸し付け全体の29%にあたるおよそ111万件が住民税の非課税世帯などで返済が免除されたほか、3%にあたるおよそ11万件が病気や失業などを理由に返済を猶予されている。厚労省などはコロナ禍以降、現在も収入が回復しない人などに対して個別に生活状況を把握した上で、返済の相談など支援を継続する方針。厚労省は「返済などに困っている場合は地元の社会福祉協議会に相談してほしい」としている。

【3月15日】

●近ツー元支店長ら、有罪判決 大阪地裁 コロナ委託費8.9億円詐取

 新型コロナのワクチン接種のコールセンター業務委託費を過大請求したとして、詐欺罪に問われた近畿日本ツーリストの関西法人MICE支店(大阪市)の元支店長ら3被告の判決が15日、大阪地裁であった。渡部裁判長は「虚偽の報告を繰り返すなど巧妙で悪質」と批判する一方、「不正を是認する会社の風土があり、会社のための犯行だった」とも述べ、3被告に懲役3年執行猶予5年(求刑はいずれも懲役3年)を言い渡した。

 判決によると、3被告は共謀し、2021~22年度に大阪府東大阪市から受託した業務で、コールセンターの稼働人数を実際より多く市に申告。業務委託費約8億9千万円をだまし取り、うち約2億2千万円が過大請求分だった。

●新型コロナ ワクチン定期接種の自己負担額、最大約7000円で決定

 新型コロナワクチンは、4月からは季節性インフルエンザと同様に原則接種費用の一部自己負担が求められる「定期接種」で行われる。「定期接種」では、費用の一部が国の交付税で補助され、厚労省はこれまで自己負担額を最大で7000円程度とする方針だった。しかし、ワクチン価格が想定より3倍以上高額になることがわかり、対応を検討していたが、高くなった差額分も国が追加で補助することを決めた。

 よって来年度から「定期接種」対象者の自己負担額は、最大およそ7000円になることが決まった。自治体の独自の補助がある場合はさらに安くなる。「定期接種」対象者は65歳以上の高齢者と、60歳から64歳の重症化リスクが高い人で、これ以外の人は「任意接種」となるため、自己負担額は7000円を超える見通し。

●新型コロナ 1医療機関当たり患者数、前週の0.93倍 5週連続減少

 厚労省によると、今月10日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前週から2252人減って3万2236人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6.53人で前週の0.93倍。前週から減少が続くのは5週連続となる。都道府県別では、多い順に宮城12.1人、新潟11.94人、山形11.16人、岩手10.9人、青森10.5人などで、31の県で前週より減少している。

 今月10日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2290人で、前週と比べて139人の減少だった。厚労省は、全国の流行状況について「全国で見ると減少傾向が続いているものの、減少幅は緩やかな傾向にある。引き続き感染対策を行ってほしい」としている。

 3月15日発表の定点把握(3月4日~10日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフルエンザ患者数、4週間ぶりに増加

 国立感染研などによると、今月10日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフル患者数は、前週より1万760人多い7万9643人だった。1医療機関当たりでは全国で16.14人と前週から2.18人増え、4週間ぶりに増加に転じた。都道府県ごとの1医療機関あたりの患者数は、石川37.10人、北海道35.01人、新潟31.79、山形28.28人、富山26.21人など。

 こうしたデータを基に推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ47万人で、去年9月4日以降の累積の患者数はおよそ1636万6000人と推計されている。また、直近5週間に検出されたウイルスを分析すると「B型」のインフルが77%で、最も多くなっている。休校や学年・学級閉鎖は全国で計3141校で、前週の2141校から1千校増えた。

 インフルエンザ患者数(3月4日~10日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●専門家「B型に免疫ない人が多く、急には減少しない」

 日本感染症学会の石田インフル委員長は「気温の低い日が全国的に続き、患者の増加に影響しているとみられる。例年であれば今月から来月にかけて減っていく見込みだが、『B型』に免疫がない人が多く急には減少しないと考えられるので、引き続き感染対策を続けてほしい」と話していた。

【3月16日】

●コロナ対策「不適切」、1600億円 51事業 検査院指摘

 2022年度までの国のコロナ対策予算に関して、会計検査院などの指摘で「不適切」な支出と認定された金額が、2月末時点で延べ51事業、少なくとも 約1600億円に上ることがわかった。事業者や世帯に早くお金を配ることを優先したことが一因。専門家からは、途中で制度を見直すことで一部は防げたとの指摘がある。

 厚労省の「病床確保事業」では、55億円が過大に支払われていた。検査院の指摘で厚労省が調査したところ、45都道府県で過大交付は更に449億円あった。同省担当者は「95%は医療機関の解釈のミスで、事務連絡が行き届いていなかった」と説明。また企業が払う休業手当を国が補助する「雇用調整助成金」では、出勤簿など必要な書類がなくても交付した。厚労省が調査を進めているが、昨年12月までの不正受給は532億円(2666件)にのぼる。

●専門家「次の緊急時へコロナ事業の検証必要」 持続化給付金

 コロナ禍で売り上げが落ちた事業者を支援する中小企業庁の「持続化給付金」でも、不正受給が問題となった。ネットで手軽に申請でき、窓口での本人確認もなかった。会計検査院によると、2月15日時点の不正受給は21億円(2110件)、うち5億円が返還されていない。都道府県で無料で受けられたPCR検査でも業者による不正受給が横行。検査院は調査を進めているが、すでに東京都、大阪府などが不正と認定取り消し・返還を求めた金額は約270億円に上る。

 会計検査院OBの星野弁護士は、「明らかになった不正は氷山の一角。単純な制度設計のミスや、早くお金を届けるために要件を緩めたことで、不正や無駄につながった事業が多い」と指摘。そのうえで「多くは途中で制度を見直すことができたはず。この反省を次の緊急時に生かすためにも、コロナ事業をしっかり検証する必要がある」と話す。

【3月19日】

●訪日中国人客、鈍い回復 春節含む2月 コロナ前の6割

 コロナ禍前、訪日客の3割を占めていた中国人客の回復が鈍い。日本政府観光局が19日発表した訪日客統計によると、2月の中国人客は45万9400人で、2019年の6割ほどだった。春節の長期休暇(10~17日)があったが、十分な追い風とはならなかった。

 中国政府は昨年8月、コロナ禍で停止していた訪日団体旅行を解禁した。だが、同時期に福島原発の処理水の海洋放出が始まり、訪日を避ける動きが目立った。2月は訪日客全体でコロナ禍前を7.1%上回ったのに対し、中国人客は36.5%下回った。能登半島地震の影響もあり、短期滞在の中国人向けにビザを免除したタイ、マレーシア、シンガポールに観光客が流れたのも原因。中国の景気減速の影響を指摘する専門家もいる。団体旅行とは対照的に、個人ツアーは好調だった。

【3月21日】

●PCR巡り10億円申告漏れ 東京の診療所院長 国税指摘

 新型コロナの無料PCR検査事業をめぐり、東京都荒川区の美容医療診療所の院長が、東京国税局から2022年分の所得約10億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。都から受け取った補助金の一部が委託先の業者に支払われておらず、院長の所得と認定されたという。

 院長は2022年、都内3カ所に検査所を開設。運営は複数の外部業者に委託し、補助金約28億円を受け取ったが、約10億円は委託先に支払われていなかったという。所得税などの追徴税額は過少申告加算税を含め約6億円とみられる。

【3月22日】

●新型コロナ、前週比0.94倍 6週連続減

 厚労省によると、3月17日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前週から1920人減って3万316人となった。また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は6.15人で前週の0.94倍。前週から減少が続くのは6週連続。都道府県別では、多い順に宮城が11.96人、新潟11.36人、岩手11.28人、山形10.51人、秋田10.51人などで、35の都道府県で前週より減少している。

 3月17日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2122人で、前週と比べて171人の減少だった。厚労省は全国の流行状況について、「引き続き減少傾向にあるが一部では増加も見られるほか、春休みで移動をする機会も増えると考えられるので、今後も対策を行って欲しい」としている。

 3月22日発表の定点把握(3月11日~17日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフルエンザ、2週連続増加 前週比1.12人増

 厚労省によると、3月17日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフル患者数は、前週より5519人多い8万5162人だった。1医療機関当たりでは全国で17.26人と、前週から1.12人増え、2週間連続で増加となった。都道府県ごとでは、新潟で38.00人、石川36.69人、北海道33.66人、富山32.79人、山形31.53人などで、30の都や県で、前週より患者の数が増えている。

 日本感染症学会の石田インフル委員長は、「新型コロナ前は、インフルは毎年3月の終わりにかけて患者の数はゼロに近づいていたが、今シーズンはいまだに患者が多い。B型のウイルスの広がりが背景にあるとみられ、収束には時間がかかる可能性がある」と話していた。

 インフルエンザ患者数(3月11日~17日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【3月25日】

●新型コロナ 厚労省の専門家組織、今月末で解散へ

 厚労省の専門家組織「新型コロナ感染症対策アドバイザリー・ボード」は、2020年2月以降、新型コロナの感染状況などの分析を担い、科学的な見地から国に助言してきたが、新型コロナへの支援が今月末での終了にあわせて解散する。会合は、これまで124回開かれた。25日は、厚労省で懇談会が開かれ、武見厚労相が「新型コロナによる死亡者はG7の中で最も少なく、皆さんの知見によって多くの国民の命が救われた」と評価した。

 座長を務めた国立感染研の脇田所長は「ほぼ毎週の会議で、多くの提言が出され対策に役立ててもらえた。次の感染症に備えて新たな専門家の人材育成に力を入れていく必要がある」と話し、今後に備えて体制整備が重要との見解を示した。終了後、メンバーの尾身氏は「これで終わりではなく、理想的な医療体制のあり方やデジタル化の推進など、コロナ禍で出た課題を平時から議論し、準備を進めておくことが大事だ」と話した。

【3月26日】

●東京 PCRなどの検査、補助金不正申請393億円のうち102億円交付

 都は、去年5月までの1年半にわたり、新型コロナのPCRなどの検査を無料で受けられる事業を行っていて、実施した事業者に対し検査の実績に応じて補助金を交付していた。都は、この補助金の申請について不正がないか審査を進めていて、去年6月、途中段階として不正な申請額は183億円でこのうち16億7000万円余りが交付されたと発表した。そのあとも審査を続けていたがこのたび完了し、その結果を26日公表した。

 それによると、最終的に判明した不正な申請額の合計は393億円にのぼり、このうち、102億円が交付されたという。不正な申請をしたのは検査を行った588の事業者のうち21の事業者。都は検査数の水増しなどがあったとして、交付の取り消しや返還命令などの措置を行った。不正を認めて返還に応じる事業者がある一方、不正を認めていない事業者もあるということで、都は、警視庁に情報提供を行うとしている。

【3月27日】

●コロナ委託事業など不正相次ぐ 日本旅行業協会が報告書を公表

 日本旅行業協会は27日、都内で会見を開き、不正が相次いだ原因と再発防止策について、報告書を公表した。報告書は弁護士などによる委員会でまとめられた。それによると、新型コロナの感染拡大の時期にワクチン接種に関連する自治体からの委託事業で過大請求が行われたり、GoToトラベルに関する不正受給が行われたりするなど少なくとも10の会員企業で不正が確認されたという。

 不正が行われた原因としては、利益を過度に指向する風土、コンプライアンスを軽視する姿勢、旅行業と異なる事業に関する認識や知識不足などがあった。感染拡大による経営悪化が背景にあるとみられるケースもあった。再発防止策として協会内にコンプライアンス推進室を設置したうえで研修を拡充。また、コンプライアンスに関する通報相談窓口をすでに設けていて、今後、協会からの除名といった懲戒処分の規定を整備するという。

【3月29日】

●新型コロナの給付金詐取、広島の弁護士の実刑判決確定へ 最高裁

 東広島市の弁護士(49)は、自身が管理する会社の経営実態がないにもかかわらず、新型コロナの影響で収入が減ったと嘘の申請を行い、「持続化給付金」と「家賃支援給付金」あわせて1900万円余りをだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた。1審の広島地方裁判所と2審の広島高等裁判所はいずれも懲役3年6か月の実刑判決を言い渡したが、被告側が上告していた。最高裁判所は、29日までに上告を退け、実刑判決が確定した。

●コロナ無料PCR検査で補助金不正受給、3事業者に返還命令 埼玉県

 埼玉県は29日、令和3年12月から令和5年3月までに行われた無料PCR検査で、3つの事業者が補助金を不正に受け取っていたと発表した。このうち、東京・新宿区の民間検査会社は、同じ名前の人が同じ日に複数回検査を受けたことにするなどの不正があったとして、県は交付の取り消しとともに補助金として交付した8億6000万円余りの返還を求めている。

 県によると、別の2つの事業者と合わせると、不正な補助金の請求額は合わせて9億6000万円余り。県はこの3つの事業者について、補助金の交付決定を取り消すとともに、返還を求める命令を出した。

●新型コロナ 全国の感染状況、「減少傾向も引き続き対策を」

 厚労省によると、3月24日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前週から4589人減って2万5727人となった。一つの医療機関当たりの平均の患者数は5.21人で前週の0.85倍となった。前週から減少が続くのは7週連続。都道府県別では多い順に、秋田が10.12人、宮城9.63人、岩手9.51人、青森9.1人、新潟7.81人などで、45の都道府県で前週より減少している。

 3月24日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1950人で、前週と比べて202人の減少だった。厚労省は全国の流行状況について「患者数は減少傾向にあるが、感染は繰り返し拡大するので、引き続き感染対策を行ってほしい」としている。 季節性インフルエンザの新規感染者数は、1定点あたり14.08人で、前週(17.26人)の約0.82倍に減少した。

 3月29日発表の定点把握(3月18日~24日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●「地方創生臨時交付金」 コロナ交付金の使い道

 「地方創生臨時交付金」は、新型コロナが2020年春に全国に広がり経済活動が急速に縮むなか、地方自治体がコロナ対策に使う財源にするため、国が新たに設けた交付金。当時の安倍政権が4月にまとめた「緊急経済対策」に盛り込んだ。2020年4月に補正予算で1兆円を確保してから、2023年3月までに総額は18.3兆円にのぼる。

 最も多いのは、時短営業に協力した飲食店などの協力金で、2020~2021年度に計8.6兆円の予算。ほかに自治体が原則自由に使える「地方単独事業分」が4.7兆円、物価高対策が2.6兆円など。マスクや消毒液の確保といった感染防止対策をはじめ、リモートワークの環境整備、プレミアム付き商品券の配布による地域振興策など多岐にわたり、都道府県や市町村が原則として自由に使える。

コロナ交付金、花火に消えた? 恐竜・土偶・着ぐるみも

 「地方創生臨時交付金」は、コロナ対策と銘打てば、幅広い事業に使える。自治体のキャンプ関連の事業は少なくとも326件、サイクリング関連の計画は271件、花火関連のイベントは159件。目抜き通りのイルミネーションや、建物などのライトアップに関する計画も129件。事業目的は、「花火でコロナの終息を願う」「自粛生活を強いられた市民に元気を与える」といったもの。

 ほかにも、恐竜や巨大イカのモニュメントをつくったり、土偶の陶製レプリカ、ゆるキャラの着ぐるみ、公用車の購入など。コロナ対策とは理解しがたい、首をかしげるような事例も全国で相次いだ。

●「規模ありき」の経済政策、ずるずる18兆円超 国に重い責任

 2020年4月の経済対策で、交付金の目的を急迫するコロナ対応だけでなく、「地方創生を図るため」と位置づけた。大義名分があいまいになったことで、交付金が、事実上何にでも使えるようになった。政治主導で繰り返される「規模ありき」の経済対策のもとで、巨額の予算が追加される事態を招いた。

  慶応大学土居教授(財政学)は「緊急事態とはいえ、交付金の使い道を自治体任せにしすぎたために、コロナ対策とはほど遠い事業が生じてしまった」と指摘する。効果を精査せずに支出する自治体だけではなく、無駄遣いを防ぐ仕組みを整えぬままずるずると予算を18兆円超にまで膨らませた国の責任は大きい。

●コロナ交付金、甘い検証 自治体、目標達成度の公表2割

 「地方創生臨時交付金」が適切に使われたのか、検証が働いていない。所管する内閣府によると、自治体が成果目標を掲げ、その達成状況を公表していたのは、全体の2割にあたる341自治体。事業の効果や検証結果は自治体の「お手盛り」で、客観的な評価になっていない。内閣府は、「自治体ごとに事情が異なり、一律の方法で検証するのは適当ではない」とし、自治体の検証を集計するだけで、内容のチェックしていない。

 立命館大学の森教授(地方財政)は、「コロナ禍で、国も自治体も財政規律が麻痺した。ずさんな仕組みのまま交付金を配り続けた国に一義的な責任はあるが、自治体も説明責任を果たさないようでは、国民からの信用を失ってしまう」と話す。

●自治体、効果のみ強調 パソコンの大量在庫、検証で触れず コロナ交付金

 交付金の使い道について、会計検査院が「不適切」だと指摘した事業でさえも、自治体の検証では効果のみが強調されている。全国の自治体で、交付金で購入したマスクやガウン、パソコンなどの物品が使われずに放置される事態が相次いでいる。

 検査院の調べでは、少なくとも4県と48市町村で、2020~2021年度に購入したものの、2022年度末になっても半分以上が一度も使われていない物品があった。在庫の価値が50万円以上の品目だけでも、その合計額は6億3千万円強。多すぎる在庫を問題視した検査院は、内閣府に改善を求めた。検査院に指摘された自治体の多くの効果検証では、大量在庫を抱えた事実を記載していない。

●ポイント還元、見えぬ出口 コロナ後も交付金使い消費促進策

 コロナ禍では消費が落ち込み、困窮する個人や事業者を幅広く助けるために、交付金を使って多くの自治体はプレミアム商品券の発行や電子決済の額に応じてポイントを還元する事業などを始めた。しかし、いまだに計画している自治体が相次いでいる。新型コロナが5類になった昨年5月以降に始める事業は、少なくとも11県と924市町村。事業費ベースでは計1200億円を上回る。

 感染が落ち着いてからも続いているのは、交付金の趣旨に物価高対策が途中から加わったため。専門家は「もはや単なる景気対策で、国が借金をしてバラマキの原資を地方に渡している状態。低所得者に対象を絞った政策の方が物価高には効く」と疑問視する。

2024年3月10日 (日)

新型コロナ2024.02 第10波出口

 新型コロナウイルスが感染症法の5類に移行した2023年5月以降の第9波の感染拡大は、9月下旬にはピークアウト、11月中旬には11週連続で減少した。しかし、11月下旬にはおよそ3か月ぶりに増加に転じた後、緩やかな増加を続けた。感染力の高い新たな変異株「JN.1」が広がり、感染流行の「第10波」、インフルエンザとの同時流行との見方も出ている。

 厚労省は2月16日、11日までの1週間に報告された患者数は1定点あたり13.75人と発表。前週(16.15人)の0.85倍で、12週ぶりに減少した。2月26日には、18日までの1週間の患者数が10.10人で、前週の0.73倍。2週連続で減少した。第10波の出口に向かっている。厚労省は「このまま減少傾向が続く可能性があり、ピークは過ぎたと考えられる。例年、春先は感染が落ち着くが、感染は繰り返し拡大するので引き続き感染対策を続けて欲しい」とした。

 2024年2月1日から29日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2024.01 能登地震」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】


【2月1日】

●東京都のコロナ感染者、続く増加 新年度から通常医療に完全移行へ

 東京都は1日、新型コロナの感染状況を発表。1月22~28日の1定点あたりの患者報告数は11.27人(前週8.33人)で増加が続いている。特に10代以下と40代の感染が増えている。オミクロン株の新変異株で、免疫を回避する力が強まっているとされる「JN.1」への置き換わりも進んでいる。都はこの日の感染症対策連絡会議で、国の方針に基づき、発熱などの新型コロナの相談センターや高齢者等医療支援型施設などについて、3月末で終了することを明らかにした。

 都内のインフル感染者は1月28日までの1週間で、1定点あたり18.53人で、前の週の1.14倍で引き続き、注意報が出されている。主に子どもが感染し、発熱などの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は4.11人で、前の週と比べて横ばい。

【2月2日】

●新型コロナ患者数、10週連続増加 「特に若い世代で増加」

 厚労省によると、先月28日までの1週間に全国およそ5千の医療機関(定点)から報告された新型コロナの患者数は、前週から1万3339人増えて7万3607人。また、1定点当たりの患者数は14.93人で前週の1.22倍の増加。増加が続くのは10週連続。このうち、10歳未満の子どもの患者数が4.73人とすべての年代の中で最も多かった。一方、80歳以上の患者数は0.81人で前週より減少した。

 都道府県別では多い順に、福島23.94人、愛知21.24人、茨城県21.15人、栃木21.01人、長野21.01人など、40都道府県で前週より増加している。厚労省は全国の流行状況について「特に若い年代で感染者の増加が目立っている。新たに入院した患者数は3311、前週と比べて151人の減少したが、去年夏の感染拡大時と同じ程度の水準だ。冬休みが終わり学校が再開したことも要因として考えれる」としている。

 2月2日発表の定点把握(1月22日~28日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフルエンザ患者数、1医療機関19.2人 前週からやや増加

 国立感染研などによると、先月28日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフル患者数は9万4694人で、1医療機関当たりでは19.2人、前週よりも1.48人増えた。福岡県と沖縄県は「警報レベル」とされる30人を超えている。この1週間の全国の患者数はおよそ62万7000人、去年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数はおよそ1284万4000人と推計。

 1定点当たりの患者数を都道府県別に見ると、福岡県が最も多く34.89人、沖縄31.83人で、この2県は「警報レベル」とされる30人を超えている。このほか、宮崎が29.86人などと、40の都府県で「注意報レベル」とされる10人を超えている。

 インフルエンザ患者数(1月22~28日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【2月5日】

●米CDC、新たに日本に事務所を開設で記念の式典

 米国で新型コロナの対応を中心的に担ったCDC(疾病対策センター)が、新たに日本に事務所を開設し、5日午後、来日したCDCトップも参加して記念式典が行われた。東京港区の米国大使館の中に新たに開設されたのはCDCの「東アジア・太平洋地域事務所」で、日本や韓国、太平洋島嶼国など、合わせて26か国を担当する。

 CDCが新たな事務所を設けた背景には、新型コロナが当初、中国を中心に感染が広がったことがあり、今後、日本を含めた各国と速やかな情報共有を行うとともに、検査能力やウイルスの変異を調べるゲノム解析の能力について、各国を支援していくという。CDCが米国国外に設ける地域事務所としては、これが6か所目。

【2月7日】

●PCR検査事業装い5千万円詐取疑い、男4人再逮捕 収益隠匿容疑も

 PCR検査事業をかたり出資を持ちかけて現金をだましとったとして、健康関連ベンチャー「ICheck(アイチェック)」(東京都中央区)代表取締役の金子容疑者(44)らが逮捕された事件で、警視庁は金子容疑者ら4人は共謀して2022年8月、別の被害者である会社役員に対し、PCR検査事業への出資名目で「月利8%」などと嘘をつき、5千万円をだまし取った詐欺容疑で再逮捕し、7日に発表した。

 また資金調達役の曽我容疑者(29)を組織犯罪処罰法違反容疑で再逮捕した。同事業への出資名目で2022年4~10月に6人から集めた計3億7300万円について、曽我容疑者が代表の会社「Dave」(中央区)への貸付金と装った。両容疑者らは、2022年3~11月、135人から計32億円超を集めたとみている。

【2月8日】

●法人クレカ、コロナ対策費と偽り私的使用で逮捕 ホンダ元社員

 本田技研工業のサプライチェーン購買統括部に勤務していた小島容疑者(33)は、2019年からおととしにかけて法人契約のクレジットカードをおよそ2000回、私的に使い、会社におよそ2300万円の損害を与えたとして、背任の疑いで逮捕され、8日午前、検察庁に送られた。容疑者は当時、法人契約のクレカを管理する担当で、利用明細を添付しなくても決裁が下りる仕組みを悪用し、「新型コロナ対策費」などと偽って経理処理していたという。

●新型コロナ感染者数、前週から横ばい 入院患者数は増加 東京都

 東京都は、今月4日までの1週間の1医療機関当たりの感染者数などを公表した。新型コロナは11.38人で前の週の1.01倍と横ばいとなった。一方、入院患者数は今月5日の時点で1820人と前の週より221人増えた。また、インフルエンザは20.29人で前の週の1.09倍となっていて、都は、引き続き「注意報」を出している。このほか「溶連菌感染症」の一種A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は4.18人で、前の週の1.02倍と横ばい。

●コロナ対策の助成金1億円をだまし取った疑い 自営業の男を再逮捕

 新型コロナ禍に国が支給した雇用調整助成金をだまし取ったとして、大阪府警は8日、大阪市東住吉区の自営業、小川容疑者(64)を詐欺の疑いで再逮捕し、発表した。再逮捕容疑は2021年1~12月、池田市の土木建築会社が従業員に休業手当を払ったとする虚偽の申請書類などを労働局に提出し、国の雇用調整助成金計約1億400万円を詐取したという。

【2月9日】

●新型コロナ、11週連続で患者数増加 

 厚労省によると、2月4日までの1週間に全国およそ5千の医療機関(定点)から報告された新型コロナの患者数は、前の週から5998人増えて7万9605人。また、1定点当たりの平均の患者数は16.15人で、前週の1.08倍。増加が続くのは11週連続。都道府県別では、多い順に石川が24.52人、福島24.49人、愛知22.55人など、41都道府県で前週より増加している。

 2月4日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された新たな入院患者数は3459人で、前週と比べて135人の増加。厚労省は全国の流行状況について「引き続き増加傾向が続いていて、手洗いや、こまめな換気を行うなど対策を徹底してほしい」としている。

 2月9日発表の定点把握(1月29日~2月4日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフルエンザ、1医療機関当たり患者数22.62人 前週より増加

 国立感染研などによると、2月4日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は11万1501人で、1定点当たりでは22.62人と、前週よりも3.42人増えた。この1週間の全国の患者数はおよそ73万8000人、去年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数はおよそ1358万2000人と推計される。

 1定点当たりの患者数を都道府県別に見ると、福岡が最も多く57.36人、沖縄41人、佐賀40.31人などと、8府県で「警報レベル」の30人を超えたほか、35都道府県で10人を超える「注意報レベル」。34都道府県で前の週より増加している。

 インフルエンザ患者数(1月29日~2月4日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●専門家「新型コロナとインフルエンザの同時流行と考えられる」

 感染症に詳しい東京医科大学の濱田特任教授は、新型コロナの流行状況について「全国の患者数は先月、増加のペースが上がったが、このところ少し緩やかになり、ピークを迎えつつあると考えられる。ただ、高齢者の患者数が増えていることが気がかり。この傾向が続くと、入院患者や重症者が増え、医療が逼迫する懸念もあり、油断はできない」話した。

 一方で「オミクロン株の一種で従来のウイルスよりも感染力がやや高く、過去の感染やワクチンによる免疫を逃れる能力が高い『JN.1』という変異ウイルスが国内でも広がっている。感染拡大の要因になりうるので注意が必要」と話した。また「インフル患者数は年末に一度減ったが、年明けから『B型』のウイルスが増えていることに伴い、第2波のような形で広がっている。しばらくは増加が続くとみられ、注意が必要」と話している。

●石川県 新型コロナとインフルとも患者数増加

 石川県で2月4日までの1週間に報告された1定点当たりの新型コロナの患者数は、県全体で24.52人で、前の週から3.61人増加。インフル患者数は県全体で15.07人で、前の週から1.05人増加した。「注意報レベル」とされる10人を超えている。

 濱田特任教授は「石川県の被災地では、医療機関を受診できず、報告されていない患者も一定数いるとみられ、少なくともこの数以上の患者がいると受け止めるべき。被災地に出入りするボランティアなど支援者は、感染を広げないようマスク着用の徹底など対策を心がけてほしい」と話していた。

●医療機関と協定、目標の6割 次の感染症巡り都道府県 厚労省調査

 新たな感染症の流行時、病床確保や発熱外来設置などに向け都道府県と医療機関が結ぶ協定締結見込みが、国の目標の6割程度にとどまっている。厚労省の専門家部会で9日、調査結果が報告された。新型コロナでの教訓をふまえ4月に施行される改正感染症法では、都道府県は次のパンデミックに備え、病床の確保や発熱外来の設置、自宅や施設で療養する患者への医療提供などについて、事前に各医療機関と協定を結ぶことになっている。

 調査によると、昨年12月15日時点での締結見込みは、病床が国の目標(5万1千床)の約66%、発熱外来が目標(4万2千カ所)の約62%にとどまった。自宅療養者への対応も目標(2万7千カ所)の約61%。医療機関側から、「財政支援が明らかではない」「医療従事者が感染した場合の補償がない」といった懸念が出ている。厚労省は2024年9月末の協定締結完了をめざし、改めて医療関係団体などに協力を要請する。

【2月10日】

新型コロナ、子どもの急性脳症 重症になりやすいタイプ1割以上

 東京女子医科大の高梨教授を中心とする厚労省の研究班が、2022年11月までに、新型コロナに感染し急性脳症と診断された18歳未満の子ども103人を調査した。このうち、発症した急性脳症をタイプ別に分析したところ、インフルなど「従来のウイルスでもよく見られるタイプ」が全体の26%で最も多かった。一方で、新型コロナの流行前には非常に頻度が低かった「重症になりやすいタイプ」が、全体の13%にあたる14人いたことが分かった。

 「重症になりやすいタイプ」の患者14人のうち11人は死亡していた。研究班によると新型コロナによる急性脳症を発症する子どもは希れだというが、「重症になりやすいタイプ」は治療法が十分に確立されていないことから注意が必要。高梨教授は「なぜ重い急性脳症の頻度が高いのかは詳しくは分かっていないが、長く痙攣が続いたり、呼びかけに反応しなかったりなどの症状があるときはすぐに医療機関を受診してほしい」と話していた。

【2月14日】

●コロナ検査キットの単価水増しか 9億円詐取容疑、瑞穂市議ら逮捕

 大阪府の新型コロナ無料検査事業で使った抗原検査キットの仕入れ単価を水増しし、府から補助金約9億円をだまし取ったとして、府警は14日、岐阜県瑞穂市議の松野容疑者(49)ら男女5人を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。ほかに逮捕されたのは、薬局運営会社「StarSeed」(大阪市)会長の中垣容疑者(37)ら。松野容疑者は医薬品販売会社「新日本薬品」(岐阜市)の代表取締役も務めており、同社に抗原検査キットを卸売りしていたという。

【2月16日】

●全国のコロナ感染者数、12週ぶりに減少

 厚労省によると、2月11日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前週から1万1991人減って6万7614人となった。また、1定点あたりの患者数は13.75人で前週の0.85倍、12週ぶりに減少した。都道府県別では多い順に石川が21.91人、愛知20.06人、群馬19.89人など、41県で前週より減少した。

 また、2月11日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たな入院患者数は3257人で、前週と比べて204人の減少。厚労省は全国の流行状況について「11月中旬以降、初めて減少に転じ、都道府県ごとに見ても大半の県で減少となったがこの傾向が続くかは注視が必要。今後も感染対策を続けてほしい」としている。

 2月16日発表の定点把握(2月5日~11日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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インフル 1医療機関当たり患者数、前週より増加

 国立感染研などによると2月11日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフル患者数は11万7652人、1定点あたりでは23.93人と前週(22.62人)のよりも1.31人増、約1.06倍。5週連続で増加している。休校や学年.学級閉鎖は全国で計6064校で、前週の5976校から88校増えた。

 1週間の全国の患者数はおよそ75万6000人となり、去年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数はおよそ1433万8000人と推計。都道府県別にみると福岡が最も多く56.48人で、佐賀38.15人、熊本34.83人などと7府県で「警報レベル」の30人を超えたほか、37都道府県で10人を超える「注意報レベル」。

 インフルエンザ患者数(2月5~11日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●石川 インフル患者数、前週から増 コロナは減も能登中部、高水準

 石川県では、2月11日までの1週間で、1定点当たりの新型コロナ患者数は県全体で21.91人で前週から2.61人減少したが、能登中部では44人と高い水準となっている。インフル患者の数は21人と、前週から5.93人増えた。石川県では地震の影響で、能登北部の医療機関の一部で、インフルや新型コロナなどの患者数の報告が困難になっている。

●専門家「引き続き予防対策の徹底を」

 感染症に詳しい東京医科大学の濱田特任教授は「インフルエンザは『B型』のウイルスの広がりで患者数が増加しているものの、ペースが緩やかになってきており、そろそろピークを迎えるのではないか。ただ、今後もしばらくは拡大する可能性があるので、手洗いや換気の徹底など予防対策を続けていく必要がある」と話している。

 新型コロナの流行状況について「ピークを迎えた可能性はあるが、年齢を見ると重症化しやすい高齢者では下がり方が緩やかで、引き続き注意が必要」とした。その上で、オミクロン株の1種で従来ウイルスよりも感染力がやや高く過去の感染やワクチンによる免疫を逃れる能力が高い『JN.1』という変異ウイルスが広がっていることなどから「ピークを迎えたかどうかはあと1、2週間ほど傾向を見ていく必要がある」と警戒を呼びかけている。

【2月18日】

●中国春節、国内旅行者がコロナ前超え4.7億人 出入国数も9割回復

 中国文化旅行省は18日、春節(旧正月)の大型連休期間中に中国国内旅行をした人は4億7400万人だったと発表した。今年の春節連休は10~17日の8日間。コロナ禍前の2019年の春節と比べて19.0%増。ゼロコロナ政策の影響などで、ここ数年減っていた旅行者が回復。国内旅行者数は前年の春節連休と比べても34.3%増と大きく増えた。また、国内旅行者の消費額は、日本円で約13兆3000億円余り、こちらも2019年の春節と比べて7.7%増となった。

 出入国管理当局によると、連休中の出入国者数は約1352万人で、前年の2.8倍を記録し、2019年の水準の90%まで回復した。行き先は、香港やマカオ、日本、韓国、東南アジアの国が多くを占めたという。中国では、不動産市場の低迷などを背景に景気回復は力強さを欠く状況が続いているが、国営メディアは中国経済が好調だとアピールしている。

●中国の地方政府、GDP水増し横行か 大幅下方修正が続出

 中国の地方政府が、地域ごとのGDPにあたる「域内総生産」の実績を大幅に下方修正する動きが相次いでいる。地方政府の幹部らが、中央政府の掲げる目標を達成して出世につなげようと、水増した可能性がある。中央政府が不正の調査に力を入れたことで、発覚する例が増えたとみられる。国のGDPは域内総生産を積み上げたものではないので、不正があっても直接は影響しないというが、 
中国のGDPなどの統計をめぐっては、国内外から正確性を疑う声があった。

【2月20日】

●地方自治法改正案まとまる 緊急時に国が自治体へ指示行える

 政府は、新型コロナ対応をめぐって自治体との間で調整が難航するなどの課題が明らかになったことから、国と地方の関係を見直すことを柱とした「地方自治法」の改正案をまとめた。それによると、大規模な災害や感染症の蔓延など、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合、個別の法律に規定がなくても、国が閣議決定を経て、自治体に必要な指示を行うことができるとする特例を設けるとしている。

 改正案の作成過程では全国知事会から「国と地方の対等な関係が損なわれるおそれがある」などといった懸念が出された。このため国が指示を行う際には、あらかじめ自治体に現場の状況が分かる資料や意見の提出を求めるなど、適切な措置を講じるよう努めるとする規定が明記された。政府は、いまの国会で改正案の成立を目指す。

【2月21日】

●1月に訪日の外国人旅行者、260万人余 コロナ拡大前とほぼ同水準

 日本政府観光局によると、1月に日本を訪れた外国人旅行者は推計で268万8100人、2か月連続で250万人を超えた。新型コロナの感染拡大前の2019年1月は268万9300人余りで、ほぼ同じ水準となった。国や地域別では、韓国が85万7000人と最も多く、次いで台湾が49万2300人、中国41万5900人、香港18万6300人などとなっている。

 観光局は「韓国や台湾などアジア圏の幅広い国や地域からはコロナ禍前を上回る旅行者が訪れている。米国や豪州からの旅行者も円安の影響もあって増加したことが回復につながった」と分析している。一方で、中国からの旅行者は回復傾向ではあるものの、2019年1月と比べると半数ほど、観光局は「中国は不動産市場の低迷の長期化で景気の先行きに不透明感が広がっていることも影響しているとみられる」としている。

●中国「警察業務拠点」を警視庁捜索 給付金詐取容疑で2人書類送検へ

 コロナ禍で収入が減った事業者らを支援する国の持続化給付金をだまし取ったとして、警視庁は21日、中国籍の女性2人を詐欺容疑で書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。捜査関係者によると、2人は共謀し2020年7月、会社役員の女性(59)が経営する性風俗店を整体院と偽り、持続化給付金100万円をだまし取った疑い。会社経営の女性(44)は店に名義を貸していたという。

 警視庁公安部は2023年5月、中国・福州市の名を冠した一般社団法人が入っていた東京・秋葉原のビルを家宅捜索した。捜査関係者によると、2人は当時、同法人の幹部を務めていた。ビルは、スペインを拠点とする人権NGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年に発表した報告書で、中国が日本に設けた「警察業務拠点」として挙げられていた。同NGOは、中国福建省などが日本を含め50カ国以上に警察業務拠点を設置していると指摘している。

【2月22日】

●新型コロナ公費支援 3月末で終了 4月からは通常の医療体制へ

 厚労省は、新型コロナへの対応をめぐって「5類」となった去年5月以降も、治療薬や入院医療費など患者や医療機関への公費支援を一部継続していたが、4月からは通常の医療体制に移行する。武見厚労大臣は閣議のあとの記者会見で「原則として4月から平時の医療の体制に戻す方針に全く変わりない」と述べ、予定どおり公費支援を来月末で終了し、4月からは季節性インフルなどへの対応と同様の通常の医療体制に移行する方針を示した。

●志村けんさんに「コロナうつした」 投稿者に賠償命じる 大阪地裁

 新型コロナに感染して亡くなったお笑いタレントの志村けんさんに「コロナをうつした」とインターネット上に書き込まれ、名誉を傷つけられたとして、大阪・北新地のクラブに勤める女性が、投稿者2人にそれぞれ約126万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。22日に大阪地裁で「女性が原因かのような印象を与えた」と認定し、2人に12万円ずつの賠償を命じた。

【2月26日】

●新型コロナ患者数、2週連続減少 

 厚労省によると、2月18日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前週から1万7793人減って4万9821人となった。また、1定点当たりの平均の患者数は10.10人で、前週の0.73倍となっている。減少が続くのは、2週連続。都道府県別では、多い順に石川が15.48人、茨城15.46人、岐阜15.16人などとなっていて、45の都道府県で前の週より減少している。

 2月18日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は3150人で、前週と比べて163人の減少。厚労省は「このまま減少傾向が続く可能性があり、ピークは過ぎたと考えられる。例年、春先は感染が落ち着くが、感染は繰り返し拡大するので引き続き感染対策を続けてほしい」としている。

 2月26日発表の定点把握(2月12~18日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフル患者数、20.64人 前週より減少

 全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、2月18日までの1週間で1定点当たり20.64人と、前週よりも3.29人減ったた。今月18日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告されたインフル患者数は、前週より1万5820人少ない10万1832人だったという。

 この1週間の全国の患者数は、およそ63万3000人となり、去年9月4日以降の累積の患者数は、およそ1497万1000人と推計。都道府県ごとのの患者数は、福岡が37.07人、大分30.47人、熊本29.91人などとなっていて、39都府県で前週よりも減少したが、引き続き患者数が多い地域もある。

 インフルエンザ患者数(2月12~18日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●専門家「入院患者数は高い水準続く、注意必要」

 感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は、新型コロナの流行状況について「患者数は2週連続で全国で減少傾向が続いているが、この1週間の新規の入院患者の数は3000人を超え、この冬、感染が拡大してから最も高い水準が続いている。また、入院患者の半数は80歳以上の高齢者なので、今後、入院患者数の推移も注意する必要がある」と話していた。

 そのうえで「この冬、同時流行となったインフル患者数も減少傾向がみられているが、新型コロナとともに再び増加することがないか注意が重要。また、気温が低く感染症にかかりやすい時期は続くので、基本的な感染対策は、引き続き心がけてほしい」と話していた。

●石川県 インフルや新型コロナの患者、多い状態続く

 石川県で2月18日までの1週間に調査の対象となっている医療機関から報告された新型コロナの患者数は、県全体で15.48人で前週から6.43人減ったが、1定点当たりの患者数は全国で最も多くなっている。特に能登中部を中心に引き続き高い水準が続いている。またインフル患者数は、1定点当たり25.44人で、前週から4.44人増加した。このうち金沢市では前の週から6.35人増加している。

●去年の出生数75万人余で過去最少を更新 「今後さらに減少か」

 少子化対策が進む中、去年1年間に生まれた子どもの数が、さらに減っている。前年より5.1%減少し、75万8631人。統計開始以来、過去最少を更新し、少子化に歯止めがかからない。コロナ禍で結婚する人が減ったことが一つの要因。しかし、コロナ禍から「平時」に移りつつある2023年も婚姻数が大きく減ったことで、専門家は出生数も減少傾向が続くとみる。

 コロナ禍だった2020年の婚姻数は、53万7583組、12.7%減と落ち込んだ。続く2021年も婚姻数は4.3%減。2022年は1.1%増で「底を打った」との見方もあった。ところが今回も5.9%と大きく減少。戦後初めて50万組を割った。少子化問題に詳しい日本総研の藤波上席主任研究員は「若い人たちの結婚意欲がかなり低下している」と指摘。婚姻数が急に戻るのは難しいとした上で、「出生数の減少トレンドはしばらく続きそうだ」と分析する。

【2月28日】

●PCR検査事業への投資詐欺の疑いで逮捕の会社社長 不起訴に

 東京中央区の医療関連会社「ICheck」の金子社長(44)は、一昨年8月ごろ、新型コロナのPCR検査事業への投資をもちかけ、都内の投資家の男性などから現金をだまし取ったなどとして、詐欺などの疑いで警視庁に逮捕された。その後、金子社長について、東京地方検察庁は不起訴にした。不起訴の理由は明らかにしていない。「ICheck」は先月「今回の逮捕は事実無根であると認識している」とするコメントをホームページに公表していた。

【2月29日】

●去年の国内宿泊者数、延べ5億9275万人 前年比31.6%増加

  観光庁によると、2023年1年間に国内のホテルや旅館などに宿泊した人は、延べ5億9275万人と、前年に比べて31.6%増加した。このうち日本人の宿泊者数は、延べ4億7842万人。前年と比べて10.2%増加、2019年の新型コロナ前の99.6%の水準まで回復した。

 一方、外国人の宿泊者数は、延べ1億1434万人だった。前の年に比べ6.92倍と大幅に増加、2019年と比べても98.9%の水準まで回復した。ホテルや旅館などに宿泊した人の数を都道府県別に見ると、前の年と比べて最も増加率が高かったのは沖縄県で66.2%増加、続いて東京都が64.8%、大阪61.7%、京都51.1%、福岡43.1%の増加となった。

2024年2月 9日 (金)

新型コロナ2024.01 能登地震

 新型コロナウイルスが感染症法の5類に移行した2023年5月以降、第9波の感染拡大は9月下旬にはピークアウトし、11月19日までの1週間では平均患者数が1.95人で、11週連続で減少した。しかし、11月26日までの1週間の平均患者数が2.33人、およそ3か月ぶりに増加に転じた。その後緩やかな増加を続け、1月21日までの1週間では、平均患者数は12.23人で9週連続の増加。平均患者数が10人超は、去年9月以来。増加のペースも上がってきた。

 夏と冬に流行する傾向のある新型コロナは、5類移行後に初めて迎えた今季も同様の傾向を示している。海外で急速に拡大しているオミクロン株の新変異株「JN.1」への置き換わりが国内でも進んでいる影響とみられる。1月1日、能登半島で最大震度7の地震が発生、被災地の避難所では3密や断水などでインフルエンザや新型コロナ感染者が増えていることが報告されているが、感染対策や健康管理が難しい状況。

 2024年1月1日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2023.12 増加に転ず」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【1月1日】

●石川県で震度7、能登半島大地震

 1日16時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があった。震源の深さはごく浅く、地震の規模を示すマグニチュードは7.6と推定される。同県能登で震度7、新潟県中越で震度6弱、新潟県上越、下越、佐渡、富山県東部・西部で震度5強を観測した。石川県能登に大津波警報、山形、新潟、富山、石川、福井、兵庫の6県に津波警報、日本海側の広範囲に津波注意報が発令された。

 推計震度分布図 出典:気象庁報道発表(2024年1月1日18:00)

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 地震による火災で被災した輪島朝市(2024年1月6日) 出典:ウキメディア・コモンズ

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 地震による家屋倒壊や土砂災害、津波、火災などにより、死者が200人を超えるなど、甚大な被害が発生した。能登地方では2020年12月頃から活発な群発地震活動が続いており(能登群発地震)、1月1日の地震はその中で発生した。

【1月4日】

●インフルエンザ、患者数減少も再増加の懸念 被災地では対策注意

 厚労省のまとめによると、12月24日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は11万4126人で、1医療機関あたりでは23.13人で、前週(29.94人)の約0.77倍。2週連続で減少した。都道府県別に見ると宮崎が44.43人、宮城39.05人、大分37.67人、北海道36.66人、青森31.05人、山形30.51人と、6つの道県で「警報レベル」とされる30人を超えているほか、すべての都府県で「注意報レベル」の10人を超えている。

 前週と比べると、沖縄県と青森県を除く45の都道府県で減少し、全国的に減少傾向となっているが、専門家は年末年始に人の移動が活発になったことで、再び増加に転じる可能性があるとして、注意を呼びかけている。休校や学年.学級閉鎖は全国で計3153校で、前週の6334校から半減した。

 インフルエンザ患者数(12月18~24日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフル、被災4県は注意報レベル超える 警報レベル超える地域も

 能登半島地震で大きな影響のあった各県では、インフルエンザの患者が多く報告されている地域があり、専門家は避難所での感染症対策に注意してほしいと呼びかけている。12月24日までの1週間に報告された1医療機関あたりのインフル患者数は、それぞれ県全体で、石川県は22.69人、富山県28.13人、福井県18.64人、新潟県25.74人だった。

 4県とも県全体の定点あたりの患者数は前の週から減っていたが、いずれも「注意報レベル」の10人を超え、保健所の管轄する地域ごとに見ると「警報レベル」の30人を超えているところも多くある。

●全国のコロナ感染者、5週連続増 前週比1.10倍

 厚労省は、全国に約5千ある定点医療機関に昨年12月18~24日に報告された新型コロナの新規感染者数は計2万2529人で、1定点あたり4.57人(速報値)だったと発表した。前週(4.15人)の約1.10倍で、5週連続で増加した。都道府県別の最多は北海道の10.69人で、山梨9.73人、長野8.55人、愛知7.06人、大分6.43人などとなっていて、33の都道府県で前の週より増加している。

 12月24日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1597人で、前週の1478人から119人増加。集中治療室(ICU)に入院している患者数は66人で、前週(68人)から2人減った。厚労省は「前の週に続いて緩やかな増加となっている。引き続き対策を徹底してほしい」としている。

 1月4日発表の定点把握(12月18~24日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【1月5日】

●石川県の避難所でインフルやコロナ感染者増加

 5日午前10時から開かれた石川県の災害対策本部会議で、被災地の自治体からは避難所でインフルエンザや新型コロナの感染者が増えていることが報告され、看護師や保健師の支援を求める声が相次いだ。これを受けて馳知事は「一刻も早くインフラを確保するとともに、避難所での生活支援に最大限に対応する必要がある」と述べ、避難所の環境改善に取り組むとともに、お年寄りなど配慮が必要な人のための二次避難所や仮設住宅の設置を急ぐよう指示した。

【1月7日】

●避難所などの感染症対策、専門家のチームが支援 石川・七尾

 今回の地震で多くの人が避難生活を送る中、感染症の専門家で作る学会の支援チームが石川県七尾市の避難所などをまわり、感染症対策について助言するなどの支援を行っている。7日は防衛医科大・防衛医学研究センターの加來教授たち8人が七尾市に入り、公立能登総合病院で市内の避難所の新型コロナの状況などを確認した。また、避難所となっている小学校を訪れ、調理室やトイレなどの衛生状況を確かめた。

 避難所は多くの人が集まっているほか、水やアルコールなどの資材が不足しがちなため衛生管理が難しいということで、加來教授たちは、避難所の担当者に手洗いや換気の徹底を放送などで呼びかけてほしいと伝えていた。支援チームは今後も交代で被災地に入り、感染症の状況の調査やマスクなど不足している資材の配布などに当たるという。

【1月8日】

●石川、避難所で新型コロナやノロなど感染相次ぐ 健康管理難しく

 石川県によると、避難所で新型コロナやノロウイルスなどの感染が出ているが、避難所はいっぱいになっていて感染者を隔離するスペースが確保できなくなっている。このため馳知事は、8日の災害対策本部会議で、感染者が出ている輪島市の避難所から感染していない人を金沢市に移すことができないか検討を進めていることを明らかにした。

 石川県志賀町によると、避難所で発熱などの症状を訴える人がいたことから検査を行ったところ、8日午前10時までに14か所の避難所のうち3か所にいる合わせて13人に新型コロナへの感染が確認された。町では今後、さらに感染が広がらないよう感染している人向けの避難所を準備中だという。町によると、避難所はこまめな消毒やマスクの着用などの感染症対策を進めているというが、人の出入りが多く、断水も続いていることなどから健康管理が難しい状況。

【1月9日】

●東京都 インフルと新型コロナの感染者数増加

 東京都内の感染症について、都は、先月31日までの1週間の1医療機関当たりの感染者数を公表した。それによると、インフルエンザは19.22人と前の週の1.06倍と増え、引き続き注意報の基準を超えている。また、新型コロナは3.39人と前の週の1.08倍となり、6週連続で増加した。

 一方、主に子どもが感染し発熱などの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が4.71人と前の週の0.81倍に、同じく子どもを中心に感染する「咽頭結膜熱」が1.93人と前の週の0.71倍と、いずれも減ったものの引き続き警報の基準を超えている。

●石川 新型コロナ、医療機関で正確な患者数の把握が困難に

 新型コロナやインフルエンザなどの感染症は発生状況を把握するため、石川県では48の医療機関から寄せられた報告をもとに毎週、患者数を集計して国などに報告している。県によると、今回の地震の影響で、調査対象となっている医療機関のうち能登北部の6か所すべてと、能登中部の1か所で施設が被災するなどして報告が困難になっているという。

 このため地震のあった1日以降について、患者数が把握できる医療機関に限って集計、報告するという。県によると、被災地では避難所などで発熱などの体調不良を訴える人が相次いでいて、現場の保健師や災害派遣医療チームなどが対応にあたっている。県保健環境センターは「県外から応援で来ている医療従事者も多く、正確な患者数を報告できる状況にない。できるかぎりすみやかに、感染症の発生状況を報告できる体制づくりを支援していきたい」としている。

【1月10日】 

●新型コロナ患者数、6週連続増加傾向 「感染対策徹底を」 厚労省

 厚労省によると、12月31日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から5458人増えて2万7987人となった。また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は5.79人で、前の週(4.57人)の1.27倍。前の週から増加が続くのは6週連続。都道府県別では多い順に北海道12.28人、長野10.65人、愛知9.19人、岐阜9.15人、大分9.1人などとなっていて、44都道府県で前の週より増加している。

 能登半島地震の影響で、新型コロナ患者数を報告する石川県の48の医療機関のうち、5か所からは報告がなかったが、石川県は5.42人で、前の週より増加。また、12月31日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1942人で、前の週と比べて326人の増加。厚労省は、全国の流行状況について「前週に続いて全国的に緩やかな増加傾向となっている。手洗いや換気など引き続き対策を徹底してほしい」としている。

●専門家「インフルピークと重なるおそれも 避難所で感染対策を」

 東邦大学の舘田教授は新型コロナの感染状況について、「感染者の数は爆発的ではないが、去年の秋の終わり頃から緩やかな増加傾向が続き、入院患者も増えている。前回の感染拡大のピークが去年の9月頃だったことを考えると、免疫が低下してくる人が増え、これからさらに感染が広がりやすくなると考えられる。インフルエンザのピークと重なる可能性もあり、今後、どう推移するのか、医療体制の状況も含めて注意する必要がある」と述べた。

 「高齢者や免疫不全の患者で、前回のワクチン接種から4か月以上たっている場合は重症化を防ぐため、できるだけ早くワクチンを接種、感染を感じた場合は早く医療機関を受診して検査や治療薬の処方を受けてほしい」と呼びかけた。また「避難所は狭いスペースに多くの人が密集し、断水で十分な感染対策が難しいが、マスクやアルコール消毒など、できる限りの対策を取ってほしい。避難所に検査キットや治療薬を備えておくことも必要な支援」と話す。

 1月10日発表の定点把握(12月25~31日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【1月12日】 

●避難所で感染症拡大 「市立輪島病院」、1週間以内に満床のおそれ

 石川県輪島市の「市立輪島病院」は、地震後はけが人の対応を優先していたが、今は感染症の患者を中心に診療にあたっている。病院を訪れた患者のうち、発熱などの症状を訴えた人は、10日は15人ほどだったが、11日はおよそ70人にまで増え、新型コロナやノロウイルス、それにインフル患者が多いという。また、12日の時点で入院患者はおよそ40人いて、その半数が感染症の患者だという。このままでは1週間以内に満床になるおそれがある。

 長引く避難生活で被災者の健康管理が課題となる中、石川県珠洲市の避難所では、全国から被災地に入って活動する看護師「災害支援ナース」が対応にあたっているが、人手が足りず、態勢の整備が課題になっている。日本看護協会などによると、能登地方の被災地では11日の時点でおよそ90人の「災害支援ナース」が活動しているが、ほとんどは病院に派遣され、避難所で対応にあたるのは10人程度しかおらず、態勢の整備が課題だという。

●新型コロナ、医療機関当たり平均患者数6.96人 7週続けて増加

 厚労省によると、1月7日までの1週間に全国およそ5千医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から6048人増えて3万4035人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6.96人で、前週の1.2倍。増加が続くのは7週連続となる。都道府県別では多い順に岐阜15.23人、長野12.61人、愛知12.4人、茨城12.27人、福島11.29人などとなっていて、40の府県で前の週より増加している。

 能登半島地震の影響で、石川県の48医療機関のうち、5か所からは報告がなかったが、石川県は8.44人で前の週より増加した。また、1月7日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2336人で、前の週と比べて394人の増加。

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【1月15日】

●新型コロナ、国内で初確認から4年 「JN1」と「後遺症」への対策が課題

 国内で新型コロナは、2020年の1月15日に国内で初めての感染が確認されてからで4年。新型コロナで亡くなった人は、人口動態統計からの算出で去年8月までに9万5830人に上っている。去年5月に感染症法上の位置づけが5類に変更されて以降、国は患者や医療機関への公費での支援を縮小してきた。現在もワクチンの無料接種や高額コロナ治療薬への一部公費負担、入院医療費の補助、医療機関への支援などは続けているが、これらは今年度末までが期限となっている。

 新型コロナは次々変異を繰り返しながら流行を続けてきているが、現在は、オミクロン株の1種の「JN.1」という変異ウイルスが世界的に増加しつつあり、WHOが監視している。さらに、新型コロナに感染したあとに倦怠感などが続く「後遺症」の相談も各地の医療機関に相次いでいる。新型コロナが今後、季節性インフルエンザなど他の感染症と同様の扱いに移行される中で、今後も感染対策とあわせて、後遺症への対策をどう進めていくかが課題になっている。

●専門家 新型コロナの「流行はまだまだ年単位で続く」

 東京医科大学の濱田特任教授は、「最初に中国で新型コロナが発生した当初は、流行がこんなに長期にわたるとはあまり考えていなかった。しかし、実際に流行は起こり、多くの人命が失われ、今も流行が続いている。最初の1年間はウイルスにあまり大きな変化はなく、その時点では変異ウイルスがこんなに出てくることは予想できなかったと思う。これだけ流行が長期化しているのは、ウイルスが変異していることも大きな要因だと思う」と話した。

 そして、「免疫がついたかと思うと、その免疫をかいくぐる新しい変異ウイルスの派生型が出てきている状況で、流行はまだまだ年単位で続くと考えたほうがいいと思う。新型コロナは、インフルエンザと同じように次の冬に流行する株をある程度予測して、秋にワクチンを接種していく状況になると考えられる。第2のインフルのような存在として、地球上に残るのではないか」と話した。

●112の高齢者施設に被害 断水や停電続く施設も

 石川県によると、県内の輪島市や珠洲市、能登町など15の市と町では、15日午後2時のまとめで112の高齢者施設に建物の一部損壊やインフラなどの被害が出ていて、今も断水や停電が続いている施設も多くあるという。風呂やトイレが利用できず衛生環境が悪化する中で、発熱など体調の急変で病院に搬送される人や新型コロナなどの感染症にかかる人、災害との関連は分からないものの、体調を悪化させて亡くなる人も出てきている。

 一方、職員の中には被災した人が多く、出勤できない人もいるため、限られた人員で入所者のケアにあたらざるをえない。このため入所する高齢者を他の介護施設に移す動きが本格化している。ただ、受け入れ先が見つからない高齢者も多く厳しい状況が続いているほか、職員一人一人の負担や疲弊の度合いも日ごとに高まっている。厚労省は、全国の福祉施設から応援の介護職員などを募り、15日から被災した施設や金沢市の「1.5次避難所」に派遣する。

【1月17日】

●訪日客の消費額、初の5兆円超え 昨年、円安で割安感

 2023年の訪日外国人の旅行消費額が5兆2923億円となり、コロナ前の2019年の4兆8135億円を上回って、政府目標の5兆円を超えた。観光庁が17日発表した。訪日客数は2506万6100人で2019年の78.6%にとどまったが、円安を追い風に消費額は膨らんだ。政府観光局によると、訪日客数は韓国が695万8500人(2019年比24.6%増)が最多で、次いで台湾420万2400人(14.1%減)。一方、コロナ前は3割を占めていた中国は、242万5千人(74.7%減)。

 訪日客の旅行消費額は1人平均21万2千円となり、2019年より5万3千円増えた。円安によって国内のサービスや商品の割安感が強まったことで、滞在日数が延び、宿泊やレジャーにより多くのお金が使われている。全体では、宿泊費が1兆8289億円(34.6%)で最も多く、買い物代は1兆3954億円(26.4%)。2019年は買い物代がトップだったが、「爆買い」に象徴される中国人客が減り、消費構造が変化している。

【1月18日】

●PCR検査装い詐取 6000万円詐欺容疑 男ら逮捕

 東京・中央区の医療関連会社「ICheck」の社長、金子容疑者(44)と港区の投資コンサルタント会社社長・入江容疑者(50)ら6人は、新型コロナのPCR検査事業への投資の名目で都内の男性などから、およそ6千万円をだまし取ったなどとして、詐欺などの疑いがもたれている。これまでの調べで容疑者らは「国の補助金を使って、無料のPCR検査場の運営などで利益を上げる」などと投資を勧誘し、全国のおよそ130人から32億円余りを集めていたとみられている。

 さらに、集めたとされる数億円をPCR検査キットの仕入れ代として、別の会社に送金した記録を出資者に見せていた。しかし数日後には、送金先の会社から元の口座に戻されていて、検査キットの仕入れは実際には行われていなかった。警視庁は集めた金が事業に使われているように信じ込ませるため、取り引きを偽装したとみて調べている。

●雇調金詐取の疑い、元幹部ら本格捜査へ 水戸京成百貨店 茨城県警

 新型コロナ禍に国の雇用調整助成金(雇調金)をだまし取った疑いが強まったとして、茨城県警は、京成電鉄の子会社でデパートなどを展開する水戸京成百貨店の当時の幹部ら複数人を詐欺容疑で本格的に捜査する方針を固め、18日にも元幹部らを取り調べる。元幹部らは共謀し、コロナ禍の2020年以降、実際には出勤していた従業員の勤務データを改ざんして休業したように偽装する方法で、のべ2万3795人分の約3億円の雇調金をだまし取った疑い。

【1月19日】

●新型コロナ感染状況「着実に感染者増加 対策徹底を」 厚労省

 厚労省によると、今月14日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から1万143人増えて4万4178人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は8.96人で、前週の1.29倍となった。増加が続くのは8週連続となる。都道府県別では多い順に、岐阜が14.29人、茨城14.21人、愛知14.17人、長野14.05人、佐賀13.82人などとなっていて、43の都道府県で前の週より増加している。

 石川県の48の医療機関のうち、能登北部の4か所からの報告は含まれないが、石川県は10.48人で前の週より増加した。今月14日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2846人で、前の週と比べて489人の増加。厚労省は全国の流行状況について「例年、冬は感染が拡大する時期であり、引き続き対策を徹底してほしい」としている。季節性インフルの新規感染者数は、1定点あたり12.99人で、前週の約1.03倍だった。

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●専門家 インフルエンザと新型コロナの感染傾向

 岩手医科大学元教授で感染症に詳しい櫻井医師は「インフル感染状況が減少傾向にある一方、新型コロナは増加傾向で、2つの波が少しずれている。しかし、どちらも感染経路は同じなので、どちらも増える可能性がある。新型コロナで重症化するケースは減っているとはいえ、家族や高齢者施設の中に患者がいる場合、強い対策を取らなければあっという間に広がってしまう。3密を避けることや、手洗いやマスクといった対策が大切」と述べた。

 また、被災地での感染状況について「被害の大きかった奥能登では定点把握ができない状態で、避難所や地域ごとにも流行状況が違うようだ。学会でチームを派遣して避難所の状況を調べたところ、当初は下痢などの症状が目立ったが、いまは、インフルのような呼吸器症状の患者が多く見られる避難所もあった。症状があっても検査もできない状況にあるので、避難所ごとに状況を細かく確認して、支援していく必要がある。」と話した。

●新型コロナ変異株、急速に置き換わる 新規感染、8週連続で増加

 昨年秋ごろから海外で急速に拡大しているオミクロン株の変異株「JN.1」の国内での増加が、感染拡大に影響しているとみられる。JN.1はオミクロン株の亜系統「BA2.86」のウイルス表面の「スパイクたんぱく質」に一つ変異が入っている。東京大学医科学研究所などのチームが英科学誌に発表した研究などによると、変異により免疫を回避する能力が高くなっているという。今後、置き換わりが進めば、さらに感染者が増える可能性がある。

 東京都のゲノム解析によると、昨年12月4~10日に8.2%だったJN.1の割合は、25~31日には45.1%となり、それまで優位だった「EG.5」の割合を上回った。国立感染研によると、国内で昨年12月25~31日時点で解析された181検体のうち、JN.1の割合は24.9%。1月22~28日の週には、57%を占めると推計されている。WHOは昨年12月、JN.1を「注目すべき変異株」に指定したが、重症化しやすいというデータは見られていない。

【1月20日】

●孤立解消地区から2次避難 感染症で移動できない人も 石川・珠洲

 珠洲市の沿岸部にある大谷町地区は、今回の地震で道路が損傷を受けて通行が難しくなり、150人余りが孤立したが、今月16日に道路の復旧作業が進んで、ようやく孤立状態が解消された。石川県はより安全な場所で過ごしてもらう2次避難を進めていて、大谷町の地区の避難所となっている大谷小中学校では、希望した人のうち、高齢者を中心とした44人が20日、富山市の宿泊施設へ移動することになった。

 一方で、2次避難を希望していても新型コロナやインフルに感染したり感染した人の濃厚接触者になったりして、およそ20人が移動できなかった。こうした人たちの避難をいかに早く進めるかが課題となっている。

●石川 避難所などの感染症患者数、連日100人超

 石川県によると、19日に新たに確認された、主に避難所での新型コロナなど感染症の患者数は111人で、公表を始めた今月10日から10日連続で1日100人を超えている。県は予防対策として、保健師による避難所の巡回や消毒用品の配付を進めているほか、感染が疑われる場合にはほかの被災者との隔離も実施している。

 羽咋市の「国立能登青少年交流の家」は地震の一時的な避難所となっていて、輪島市の障害者施設から家族を含め28人が避難している。20日までに避難してきた12人が新型コロナに感染したことが確認されたが、症状は比較的軽いという。感染が確認されたあとは施設内の大部屋のテントに分かれて生活していて、今月30日に2次避難先の愛知県へ移動する予定。施設の理事長は、「長引く避難生活による免疫力が落ちていたことが原因かもしれない。」と話している。

【1月21日】

●新型コロナ4年 「後遺症」、苦しみ続く せき・息切れ・だるさ…収入激減

 国内で新型コロナ感染者が2020年1月に初確認されてから4年。昨年5月から感染症法では季節性インフルなどと同じ扱いとなったが、感染後の「後遺症」に悩まされる人は多い。疲労感や呼吸困難、集中力の低下など、症状は様々で、続く期間は人によっても違う。後遺症に悩む患者や家族らは昨年12月、後遺症に対応できる医療機関の拡充や治療法の確立などを求める要望書を厚労省に提出。治療が長引くことも多く、傷病手当や休業手当の支給期間の延長も求めている。

 コロナ後遺症は、コロナ感染後、誰でもなる可能性がある。2020~21年に欧州では、1700万人以上が後遺症を経験したと推計される。日本国内でも成人感染者の1~2割ほどに症状がみられたとの報告がある。WHOは「症状が少なくとも2カ月以上続き、ほかの病気の症状として説明がつかないもの」で、通常はコロナ発症から「3カ月たった時点にもみられる」と定義。後遺症が起きる仕組みについては、持続感染や、免疫機能の異常などが指摘されている。

●後遺症の起きる仕組み、研究進む

 コロナ後遺症の仕組みの一端などが、明らかになってきた。米エール大の岩崎教授(免疫学)らの研究チームは昨年9月、免疫機能に関わる物質に変化が生じていたとする論文を発表した。後遺症が1年以上続いている人の血液成分を解析したところ、ホルモン「コルチゾール」の量が半減していた。コルチゾールが減ると、低血糖や低血圧になり、集中力の低下や疲労感・倦怠感につながる。免疫を担うリンパ球の一種が増加、体内に潜むヘルペスの活性化も確認された。

 コルチゾールの減少が症状の一因となり、体内に残ったコロナやヘルペスが後遺症の引き金になっている可能性がある。また、後遺症により、認知機能障害やアルツハイマーのリスクが上がるという海外の報告も相次ぐ。米CDCの2022年調査では、コロナ感染の米国成人6.9%に何らかの後遺症が3カ月以上続いていた。男性より女性、35~49歳が高かい。日本の研究でも41~64歳の割合が高く、基礎疾患のない人も後遺症になることがわかっている。

【1月26日】

●インフル患者数17.72人 前週の1.36倍

 国立感染研などによると、1月21日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は8万7318人で、1医療機関当たりでは17.72人と前の週よりも4.73人増え、1.36倍になった。推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ61万7000人。去年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数はおよそ1221万7000人と推計されている。

 1医療機関当たりの患者数を都道府県別にみると、沖縄県が最も多く32.33人で「警報レベル」の30人を超えた。また、宮崎27.81人、福岡25.85人となっているなどと、41の都府県で10人を超える「注意報レベル」となった。前の週と比べると、兵庫1.7倍、佐賀1.67倍、京都1.66倍などと、42の都府県で増えていて、全国的に増加傾向となっている。

■専門家 インフル「全国的に増加傾向に転じた」

 東邦大学の舘田一博教授は、インフルエンザの感染状況について、「前回や前々回の集計では正月の影響で減少傾向となっていたが、全国的に増加傾向に転じている。例年は、1月末から2月にかけて感染拡大のピークを迎えることから、今後も増加傾向が続き、子どもや高齢者の患者も増えてくると考える必要がある」と話している。

 能登半島地震で大きな揺れを観測した各県では、1月21日までの1週間で1医療機関当たりのインフル患者の数がいずれも前の週を上回り、「注意報レベル」の10人を超えている。

 インフルエンザ患者数(1月15~21日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●新型コロナ、インフルエンザともに患者数増加

 厚労省によると、1月21日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1万6090人増えて6万268人。1つの医療機関当たりの平均の患者数は12.23人で、前週(8.96)の1.36倍。増加が続くのは9週連続で、1医療機関当たりの平均患者数が10人超は、去年9月以来。都道府県別では多い順に福島18.99人、茨城18.33人、愛知17.33人、大分17.16人、佐賀17.05人など、すべての都道府県で前週より増加している。

 能登半島地震の影響で、石川県48の医療機関のうち、能登北部の4か所からの報告は含まれていないが、石川県は14.33人で前の週より増加した。1月21日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院患者の数は3462人で、前の週と比べて600人増加。入院患者数は、現在の集計方法を始めた去年9月下旬以降最多となった。

●専門家 新型コロナ「増加のペース上がった インフル同時流行も心配」

 東邦大学の舘田教授は、新型コロナの感染状況について、「今回の集計で、かなり増加のペースが上がった印象を受ける。今後、1、2週間で患者の数がどう増加するか、いつ感染拡大のピークを迎えるのか、注意する必要がある」と話した。また、「患者の数は、去年夏の『第9波』のピークに及ばないが、入院患者の数は『第9波』のピークとほぼ同じ水準になっている。感染していても検査を受けない人がいて実際の感染者はもっと多い可能性がある」と指摘した。

 その上で、「インフルとの同時流行も心配な状況で、2月にかけてはいま一度、気を引き締めて、できる範囲の感染対策に当たって欲しい。特に高齢者や免疫不全の患者は重症化しやすく、入院につながってしまうので、最後のワクチンの接種から4か月以上たった人はできるだけ早めに追加接種を受けるべきだ。また、若い人たちも高齢者などに感染を広げてしまうリスクを考えてワクチン接種を検討することが大事だ」と話していた。

 1月26日発表の定点把握(1月15~21日) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【1月27日】

●コロナ禍の教訓は、新たな感染症にどう備える 専門家フォーラム

 東京都のコロナ対策に助言や提言を行っている「東京iCDC」の専門家が、この4年間の教訓について話し合うフォーラムが開かれ、それぞれの立場からコロナ禍の取り組みや課題などについて意見を交わした。「東京iCDC」は、都の感染症対策の司令塔として2020年に設置され、医師や研究者などで構成する専門家ボードの9つのチームが、医療提供体制や感染制御などの分野ごとに調査研究や提言などを行っている。

 専門家からは「当初考えた以上のスピードで感染が広がり、対策が後手に回った」とか「検査の精度が低かった」といった課題が指摘された。東京iCDCでは、この4年間の取り組みを教訓に、次の新たな感染症への備えに生かすことが重要だとして、今後さらに検証を進めていく方針。

【1月31日】

●新型コロナ感染男性死亡、賠償訴訟始まる 東京地裁

 2021年8月、千葉県船橋市の基礎疾患があった当時23歳の男性が新型コロナに感染して死亡した。両親は繰り返し救急搬送を要請したのに、受け入れ先の病院が決まらないなどと搬送を断られたとして、国と千葉県、船橋市に合わせておよそ1億300万円の賠償を求める訴えを起こした。31日、東京地方裁判所で始まった裁判で、男性の父親が意見陳述を行った。

 父親は「息子が治療を受けられず、苦しみながら死へと向かうのを見るのは非常につらく苦しい時間だった。搬送の要請に真摯に耳を傾けてもらっていたら助かる命だったので悔しい」と振り返った。「息子の代わりに真実を知りたい。救える命を救える国になってほしいという思いで裁判を起こした」と訴えた。両親の弁護士によると、新型コロナ患者の救急搬送をめぐって国を訴える裁判は初めて。

2024年1月11日 (木)

新型コロナ2023.12 増加に転ず

 新型コロナウイルスが感染症法の5類に移行した2023年5月以降、第9波の感染拡大は9月下旬にはピークアウト。以後、感染者数は11週連続で減少し、11月24日の厚労省発表では、11月19日までの1週間では平均患者数が1.95人で、前週の0.97倍。11週連続で減少し、移行後で最少を更新した。

 しかし12月1日発表では、11月26日までの1週間で1医療機関当たりの平均患者数が2.33人で、前の週の1.19倍となり、およそ3か月ぶりに増加に転じた。その後、毎週連続して緩やかな増加が続いている。厚労省は「年末年始で高齢者など人に会う機会が増える時期なので、引き続き感染対策を徹底してもらいたい」としている。

 2023年12月1日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2023.11 移行後最少」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【12月1日】

●新型コロナ患者数、約3か月ぶりに増加  「今後も対策を」 厚労省

 厚労省は1日、11月26日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1851人増えて1万1499人と発表。1つの医療機関当たりの平均患者数は2.33人で前の週の1.19倍、およそ3か月ぶりに増加に転じた。都道府県別では多い順に、北海道6.61人、長野5.82人、山梨3.95人、福島3.15人、新潟3.09人などで、38の都道府県で前の週より増加している。

 11月26日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は938人で、前の週と比べて154人の増加。厚労省は、全国の流行状況について「多くの都道府県で患者数が増えていて、来週以降も増加が続くか注視する必要がある。毎年冬は感染が拡大する時期であることから、今後も対策を続けてほしい」としている。

 12月1日発表の定点把握(11月20日~26日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフル流行、23道県で「警報」レベル

 一方、季節性インフルエンザの新規感染者数は、前週の約1.31倍の28.30人だった。44都道府県で増加し、23道県で「警報」レベルの「30人」を超えた。前年同時期の0.11人を大きく上回っており、休校や学年.学級閉鎖は全国で計6174校で、前週の3954校から約1.56倍に増えた。

【12月2日】

●新型コロナワクチンで感染者数や死者数大幅減か 京都大が試算

 京都大学の西浦教授らのグループは、国内で新型コロナのワクチン接種が始まった一昨年2月から11月までの10か月間について、感染者数や死亡者数などを数理モデルを使ってシミュレーションした。シミュレーションでは無症状感染などを含めた実際の感染者数が報告の4倍だったと想定し、人の移動状況のデータや変異ウイルスの性質、それにワクチンの接種状況などの要因を実際のデータに合致するよう数式化した。

 そして、仮にワクチンが無かった場合を試算すると、この期間の感染者数はおよそ6330万人、死者数がおよそ36万4000人に上るという計算結果になった。実際には、感染者数の推計がおよそ470万人、死者数がおよそ1万人で、大幅に少なかったという。ワクチン接種が進んだことで接種しなかった人も感染から守られる「集団免疫」の状態が生まれたことが効果を高める一因になったと分析している。

【12月5日】

●コロナ感染も救急搬送されず死亡 両親が国などを提訴

 2021年8月に新型コロナに感染して死亡した千葉県船橋市の当時23歳の男性の両親は、国や千葉県などに対し訴えを起こし、5日に都内で会見を開いた。基礎疾患があった男性はコロナ感染後、発熱などのため繰り返し救急搬送を要請したが、受け入れ先病院が決まらないなどとして搬送を断られた。5回目の要請で男性は自宅から救急車に乗せられたが、およそ1時間半にわたって搬送先が決まらず、そのまま車内で心肺停止、病院に搬送後に肺炎で死亡した。

 両親は、保健所を運営する船橋市と、搬送先の病院を調整していた千葉県に加え、国に対しても「都道府県に必要な指示を行う権限があった」などとして責任があると主張、合わせて1億300万円の賠償を求めている。弁護士によると、新型コロナ患者の救急搬送をめぐって国を訴えるのは初めて。

●NHKに放送倫理違反 BPO意見 コロナ報道巡り

 NHK報道番組「ニュースウオッチ9」の5月15日放送の約1分のVTRで、新型コロナのワクチン接種後に家族が亡くなったと訴える遺族3人を、コロナ感染で亡くなった人の遺族のように取り上げた問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の検証委員会は5日、「放送倫理違反があった」とする意見書を公表した。意見書を受けNHKは5日、「視聴者の信頼を裏切り、遺族の心情を大きく傷つける結果を招いたという指摘を真摯に受け止める」とのコメントを発表した。

 意見書は「適切な取材を怠って事実と異なる内容を放送するという問題が数年おきに繰り返されている」と指摘。ただチェック体制の強化よりも「ジャーナリズムを担う者として当然備えているべき現実社会についての知識や関心、問題意識の低下という事態が進行しているのではないか」とし、「ジャーナリズムに関わる感度の底上げ」を求めた。

【12月7日】

●緩和1年、「ゼロコロナ」の爪痕 中国、今季も肺炎流行

 中国政府がゼロコロナ政策を転換してから、7日で1年となった。市民の生活はもとに戻ったが、3年近く続いた厳しい行動制限や、突然の政策転換による爆発的な感染拡大は、今も市民社会に深い傷痕を残している。この冬、中国では子どもを中心にインフルエンザや肺炎などが流行している。11月22日にはWHOが中国側に詳細な報告を求めた。中国の情報統制によって感染が拡大したと不信感を持たれているが、当局の情報公開に後ろ向きな対応は今も続いている。

 ゼロコロナ転換は、市民の間では「解放」とも言われ、経済はV字回復するとの期待があった。しかし現実は、生活が「さらに厳しくなった」といった声がネットでは目立つ。大きな原因は、経済回復が想定通りに進んでいない。不動産不況に見舞われ、空前の規模で進められたPCR検査などコロナ関連の出費や、店舗や企業活動の停止で地方経済は疲弊。コロナ禍を通じて学んだことは、「政府にも限界はある。自分の命は自分で守るしかない」。

●社会保険料滞納、差し押さえ2.6万社 コロナ禍の猶予後、倒産も増

 厚生年金などの保険料滞納で、預金や土地、建物などの資産を差し押さえられる企業が増えている。日本年金機構によると、今年度上半期(4~9月)は約2万6300社で、前年度1年分(約2万7800社)に達する勢い。コロナで猶予した保険料の徴収が本格化したため。差し押さえがきっかけで倒産も増えている。年金機構が徴収しているのは、厚生年金や協会けんぽ保険料、介護保険料など。

 帝国データバンクが7日発表した統計によると、差し押さえで資金繰りに行き詰まるなど社会保険料や税金の負担を理由にした倒産は、今年1~11月で111件だった。前年同期の1.7倍。全体の倒産も全国的に増加傾向だが、増加ペースは全体を上回る。サービス業の中でも人件費が大きいソフトウェア開発の会社が目立つ。

【12月8日】

●新型コロナ後遺症に悩む患者らの会発足 国に支援強化など要望

 新型コロナに感染したあとに、けん怠感などの症状が続く、いわゆる「後遺症」に悩む患者や、その家族らは、後遺症について理解を広め対策につなげようと、患者やその家族らが11月に「全国コロナ後遺症患者と家族の会」を立ち上げた。8日、その会の9人が厚労省を訪れ、武見厚労相に要望書を手渡した。

 要望書では、後遺症に悩む患者が質の高い医療を受けられるよう、治療法の確立や医療費の公費負担を求めているほか、働くことができず、経済的に困窮するケースもあるとして、休業手当や傷病手当を受け取れる期間を延長するなど、セーフティーネットの拡充が必要だとしている。このあと記者会見を開き、後遺症が1年以上続いているという50代の女性は「後遺症によって人生を諦めるようなことがないよう、しっかりと対策をしてほしい」と話した。

●新型コロナ、2週連続で増加 インフルは微減も17道県で「警報」

 厚労省によると、11月27日~12月3日に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から2084人増えて1万3583人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は2.75人で、前の週の1.18倍。前の週から増加が続くのは2週連続となる。都道府県別では最多の北海道が6.82人、山梨6.39人、長野5.78人、新潟4.33人、福島4.04人と続く。41都道府県で増加した。

 今月3日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された新規入院患者数は1022人、前の週と比べて76人の増加。厚労省は「全国的に感染が広がり2週連続で増加傾向となった。冬になり感染拡大の時期であることから、感染対策を続けてもらいたい」。一方、季節性インフルの新規感染者数は、前週(28.30人)の約0.94倍の26.72人の微減。17道県で「警報」レベルの「30人」を超えた。休校や学年・学級閉鎖は全国で計4690校で、前週の6174校から減った。

 12月8日発表の定点把握(11月27日~12月3日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【12月12日】

●年末年始の新幹線予約、コロナ感染拡大前と比べ10%増 JR各社

 JR各社は、今年12月28日から来年1月4日までの新幹線の指定席について、12月11日時点での予約状況を発表した。それによると、予約済みはおよそ290万席で、前の年と比べて45%増えたほか、感染拡大前の2018年度と比べても10%増えた。JRは、需要が感染拡大前と同じ水準まで回復したことに加え、今回の年末年始から東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で、自由席がなくなり、すべての席が指定席になることが影響したとしている。

【12月13日】

●国産初の新型コロナワクチン、接種始まる

 製薬大手の「第一三共」が開発したmRNAワクチンは今月から全国で接種が始まった。新型コロナワクチンはこれまで、ファイザーやモデルナなど海外の製薬会社のものが使われていたが、このワクチンが先月承認されたことで、国産として初めて接種に使えるようになった。このワクチンは新型コロナのオミクロン株の派生型「XBB」系統に対応していて、3回目以降の追加接種を行う12歳以上が対象となっている。

【12月15日】

●新型コロナ感染状況、前週から全都道府県で増加

 厚労省によると、12月4日~12月10日の1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から3796人増えて1万7379人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は3.52人で、前の週の1.28倍となった。前の週から増加が続くのは3週連続。都道府県別では多い順に、北海道が7.82人、山梨7.76人、長野6.64人、岐阜5人、愛知4.8人などで、すべての都道府県で前の週より増加している。

 10日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1468人で、前の週と比べて445人の増加。厚労省は全国の流行状況について「3週連続の増加で、前の週と比べるとすべての都道府県で患者が増加した。例年冬は感染が拡大する傾向にあることから、感染対策を続けてほしい」としている。

 12月15日発表の定点把握(12月4日~10日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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●インフル流行、「警報」レベル 全国平均は5季ぶり

 厚労省は15日、全国約5千の定点医療機関に今月4~10日に報告された季節性インフルエンザの新規感染者数は計16万6690人で、前週の約1.26倍の33.72人となったと発表した。全国平均で、今シーズン初めて大流行の発生・継続が疑われる「警報」レベルとされる「30人」を超えた。

 全国で「警報」レベルとなったのは、新型コロナが流行する前の2018~2019年シーズン以来。例年は1~2月に「警報」レベルに達することが多く、大流行した2009年に次ぐ早さで「警報」を超えた。全都道府県で前週より増加、33道県で「警報」を超えた。例年、インフルの流行は春までにおさまるが、今年は昨年12月からの流行が続いたまま今シーズンに突入。10月に「注意報」レベルの「10人」を超え、感染拡大が続いていた。

【12月16日】

●子どもの感染急増で病児保育逼迫 オンライン授業を活用する学校も

 首都圏で病気になった子どもの保育サービスを行う千代田区に本部を置くNPO法人「フローレンス」には依頼が殺到し、予約を受け付けても十分に対応できない状態になっている。会員の自宅に保育スタッフを派遣、発熱や病気で学校に行けない子どもの看病を仕事を持つ保護者に代わって行うサービスを展開している。利用の予約は半年前ごろから多い状態が続き、特に今月に入ってからはインフルやかぜの子どもの保護者からの依頼が殺到している。

 東京・葛飾区の小学校は1年生から6年生まであわせて13クラスあり、児童数はおよそ430人。学校などによると、10月に6年生1クラスが最初に学級閉鎖になったあと、学年やクラスを変えながら断続的に続いていて、これまでに11クラスが学級閉鎖になった。今週は、4年生1クラスでおよそ3分の1の児童がインフルエンザで2日間学級閉鎖になった。このクラスでは休み中もタブレット端末を使ったオンラインの授業が行われ、希望した児童10人余りが参加した。

●インフルエンザ、コロナ前と比べておよそ3.5倍

 国立感染研などによると、今月10日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は16万6690人で、1医療機関当たりでは33.72人となった。新型コロナの感染が拡大する前の2019年のほぼ同じ時期では、患者数は4万7200人、1医療機関当たりでは9.52人で、今回発表された数はおよそ3.5倍となっている。

 都道府県別でも、今月10日までの1週間で「警報」レベルとされる「30人」を超えたのは、33の道県だったが、新型コロナの感染拡大前の2019年のほぼ同じ時期では「警報」レベルを超えている都道府県はなかった。子どもを中心にインフルの流行が続いていることについて川崎市健康安全研究所の岡部所長は「インフルについては去年までのコロナ禍では感染者が少なく今の時期は免疫をもっている人が少ないことが流行の要因の1つと考えられる」と話す。

【12月19日】

●WHO 新型コロナワクチンの公平分配目指す「COVAX」、年内終了

 「COVAXファシリティ」は、先進国などの資金拠出をもとに、途上国に対して無償で新型コロナのワクチンを分配する国際的な枠組みで、新型コロナが世界的に感染拡大した2020年に、WHOなどが立ち上げた。この枠組みについて、WHOは19日「これまで146の国と地域に対し、およそ20億回分のワクチンを提供し、少なくとも270万人の命を救った」と指摘したうえで12月31日で終了すると発表した。

 ワクチンを必要とする途上国は、今後2年間は途上国でのワクチン接種に取り組む国際団体「Gaviワクチンアライアンス」から供給を受けられるという。「COVAX」について、WHOは、グローバル・サウスと呼ばれる途上国や新興国で「新型コロナの苦しみを緩和するのに大きく貢献した」と評価する一方、当初、資金不足やワクチンの輸出制限で供給が計画通りに進まなかったことで「ワクチンの不公平さを完全に克服することはできなかった」と指摘している。

●コロナ新変異株「JN.1」、「注目すべき株」に WHOが注意呼びかけ

 WHOは19日、オミクロン株の亜系統「BA2.86」から派生した「JN.1」を「注目すべき変異株」(VOI)に指定したと発表した。欧米などで置き換わりが進んでいおり、今後感染拡大を引き起こす可能性もある。「JN.1」は、「BA2.86」系統と比べて、免疫を逃れやすく、感染しやすく変化する可能性がある。WHOは、現時点では「世界的な公衆衛生上のリスクは低い」と評価。日本を含む各国で行われているXBB株対応のワクチン接種が有効な可能性があるとしている。

 国内でも「JN.1」は検出されている。国立感染研によると、11月20~26日の感染確認例を解析した169検体のうち、「JN.1」は2.96%だった。最も多いのはXBB系統の「HK.3」で、21.3%を占める。12月18~24日には、いずれもXBB系統の「HK.3」が46%、「EG5.1」が19%となり半数以上を占める一方、「BA2.86」は24%にとどまると推定されており、国内では依然、XBB系統の優位が続くとみられている。

●「セミナー」開きグループ拡大 コロナ給付金10億円詐欺事件、捜査終結

 会社役員やその家族らのグループが新型コロナ対策の持続化給付金の不正受給を繰り返したとして逮捕された事件で、警視庁は12月、会社役員ら2人を詐欺容疑で書類送検し、1年半以上続いた捜査を終えた。警視庁は、グループによる国の被害は5カ月間で約960件(計約10億円)あり、コロナ禍後で最悪の給付金詐欺事件とみる。捜査関係者らへの取材で、協力者の勧誘に応じて報酬が支払われる「ねずみ講」のような仕組みでグループが急拡大した経緯が浮かんだ。

【12月21日】

●コロナ対応踏まえ、国が緊急時に指示 法改正検討へ 岸田首相

 政府の地方制度調査会の市川会長は21日、首相官邸で、国の新型コロナ対応の課題を踏まえ、新しい国と地方のあり方について検討した答申を岸田首相に提出した。答申では、令和2年2月に発生したクルーズ船での集団感染で、県をまたいで患者を移送する際に、国と自治体との間で調整が難航したことなどに触れ、緊急時に迅速に対応できるよう、関係を見直す必要があるとしている。

 そして、国民の安全に重大な影響を及ぼす感染症や災害が発生した場合には、感染症法など個別の法律に規定がなくても、国が自治体に必要な指示を行えるよう、地方自治法に新たな規定を盛り込む。指示の際は、関係大臣が判断し、閣議決定を経ることが適当とする。岸田首相は「具体化に向けて、法制上の措置も含め、早急に対応を考えたい」と述べ、地方自治法の法改正を行う方向で検討を進める考えを示した。2024年の通常国会に改正案を提出することを目指す方針。

【12月22日】

●コロナワクチン、自己負担7千円に 来年度、高齢者ら対象の定期接種

 65歳以上の高齢者らが対象の来年度の新型コロナワクチンの定期接種について、政府は22日、標準的な自己負担を7千円とする方針を決めた。低所得者が無料になるよう、接種費用の一部を助成する。季節性インフルエンザワクチンと同様に、自治体が独自に補助する場合など、実際の自己負担額は7千円より低額となる可能性もある。定期接種の対象でない人は任意で受けられるが、助成の対象からは外れ、原則全額自己負担となる。

 今年度のコロナワクチンは、生後6カ月以上の全世代を対象に、費用の全額を公費で負担している。来年度からは、65歳以上や重い基礎疾患がある60~64歳を対象にした定期接種となり、秋から冬に年1回接種する。費用の一部は原則、接種を受ける人が負担する。こうしたことから、希望者が接種できる負担軽減策を求める声が全国知事会から出ていた。

●年末年始の航空国内線予約 大手2社はコロナ感染拡大前の約85%

 国内の主な航空会社11社のまとめによると、年末年始の期間中(12月28日~1月3日)、国内線の予約数は、12月22日の時点でおよそ215万人。これは前の年と比べておよそ99%で、ほぼ横ばい。このうち、全日空と日本航空の2社の予約数はおよそ158万人で、新型コロナの感染拡大前の4年前と比べると、およそ85%まで回復した。また、国際線の予約数は、国内の航空会社6社のまとめでは、およそ36万人と、前の年と比べおよそ144%となった。

●新型コロナ感染状況、4週連続の増加 厚労省「年末年始、対策徹底を」

 厚労省によると、12月11日~17日の1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から3132人増えて2万511人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は4.15人で、前の週の1.18倍。前の週から増加が続くのは4週連続となる。都道府県別では多い順に、山梨県が9.63人、北海道9.31人、長野8.49人、愛知6.09人、岐阜5.97人などとなっていて、40の都道府県で前の週より増加している。

 12月17日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1320人で、前の週と比べて176人の減少。厚労省は全国の流行状況について「緩やかな増加傾向が続いていて、4週連続の増加となった。年末年始で高齢者など人に会う機会が増える時期なので、引き続き感染対策を徹底してもらいたい」としている。一方、季節性インフルの新規感染者数は、1定点あたり29.94人で、前週の0.89倍。23道県で「警報」レベルの「30人」を超えた。

 12月22日発表の定点把握(12月11日~17日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【12月25日】

●ノババックスのワクチン、有効期限で国内接種終了へ 厚労省

 新型コロナのワクチン接種は現在、米国の製薬会社のファイザーとモデルナ、それに第一三共が開発したオミクロン株の派生型「XBB」系統に対応したワクチンと、米国の製薬会社ノババックスが開発し、武田薬品工業が国内で生産した従来株ワクチンの合わせて4種類で行われている。このうち、ノババックスのワクチンについて厚労省は、25日で購入したすべてのワクチンが有効期限を迎えるため、国内での接種を終了すると発表した。

 厚労省によると、ノババックスのワクチンは去年5月から使用され、ファイザー、モデルナ、第一三共とは異なる仕組みでアレルギー反応が出た人などに使うことを想定していた。これまでおよそ824万回分が購入、このうちおよそ110万回分が自治体に配送されて接種に使用された。配送されなかったおよそ714万回分については、廃棄される予定。厚労省は「希望する国民全員に接種の機会を提供するため、廃棄は発生したがむだではなかった」としている。

【12月26日】

●コロナ補助金、元派遣社員が情報不正持ち出しか 会社側が被害届

 コロナ禍で中小企業を支援する補助金をめぐり、10月に補助金の対象に採択された事業者に対し、必要な事務手続きを有料で支援するという不審なメールが届いた。補助金の事務局業務を受託する人材サービス会社「パソナ」が調べたところ、この会社の元派遣社員が在籍していた当時、およそ7万5千の事業者のデータを保管していた業務用パソコンから何らかのデータを不正に持ち出していた疑いがあることが分かり、今月中旬、警察に被害届を提出した。

●ワクチン未接種の職員隔離 第三者委「人権保障に問題」

 2021年、甲賀広域行政組合消防本部が、新型コロナワクチンを接種しなかった職員をほかの職員から離れた廊下脇のスペースで勤務させる「業務区別」の対応をとった問題で、第三者委員会は中間報告をまとめた。職員はおよそ4か月後に退職し、第三者委員会が聞き取りを行うなどして調査を進めていた。

 26日、消防本部に報告した中間報告書の中で、第三者委員会は、ワクチンを接種しない職員に上司などが面談や電話で接種を執拗に求め、精神的な苦痛を与えたと認定したほか、「業務区別」の対応は職員に不利益な取り扱いで、許されるものではないとしている。そのうえで、消防本部の一連の対応は、組織としてのコンプライアンスの確保や人権保障において問題があったなどと指摘している。

【12月28日】

●インフルワクチン接種に来た4人、コロナワクチン誤接種 山口

 山口県光市で今月2日、市内の診療所でインフルのワクチンを接種に来た30代夫婦と7歳の女の子、5歳の男の子の家族4人に、誤って新型コロナのワクチンを接種するミスがあった。本来、11歳以下には小児用のワクチンを打たなければならないところを、2人の子どもにも12歳以上用のワクチンを接種していた。接種の直後にミスに気付き、家族に謝罪するとともに、当日、光市に電話で報告し、家族の健康状態の確認を定期的に続けているという。

●東京都内の感染症 溶連菌感染症と咽頭結膜熱 減少も、「警報」続く

 東京都内の感染症について、都は今月24日までの1週間の1医療機関当たりの感染者数を公表した。それによると、主に子どもが感染し発熱などの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が5.79人と前の週の0.96倍。同じく子どもを中心に感染する「咽頭結膜熱」が2.72人と前の週の0.81倍と、いずれも減ったものの、引き続き「警報」の基準を超えている。

 また、インフルエンザは18.08人と前の週の0.88倍と減ったものの、引き続き「注意報」の基準を超えている。一方、新型コロナは3.13人と前の週の1.21倍、5週連続で増加した。都はこまめな手洗いや、せきやくしゃみが出る場合はマスクなどの感染対策を呼びかけている。

【12月29日】

●年末年始も発熱や救急患者受け入れ 都内の病院には多くの患者

 この年末年始は休診とする医療機関が多い中、年末年始を休まずに発熱や救急の患者を診療する都内の病院には多くの患者が訪れている。品川区の「東京品川病院」は、この年末年始も休まずに発熱外来を受け付けていて、29日も午前中から多くの患者が訪れていた。午前中に受診した38人のうち、新型コロナは5人、インフルエンザは8人だったという。

 副院長は「新たな変異株の影響なのか、ここ数日、新型コロナの感染も再び増えている」と話していた。この病院は救急も通常と同じ体制で受け入れることにしていて、29日は昼までに14人が運ばれてきた。

2023年12月16日 (土)

新型コロナ2023.11 移行後最少

 新型コロナウイルスが感染症法の5類に移行した5月以降、第9波の感染拡大が続いていたが、9月下旬にはピークアウト。10月以降は毎週連続で減少している。24日、11月19日までの1週間では一つの医療機関当たりの平均の患者数が1.95人で、前の週の0.97倍だった。11週連続で減少し、移行後で最少を更新した。

 厚労省は、「例年冬は感染が拡大する傾向があることから今後も対策を続けてほしい」としている。一方で、インフルエンザ患者は増加傾向にあり、新規感染者数は前週の約1.25倍の21.66人。

 2023年11月1日から30日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2023.10 ノーベル賞」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【11月4日】

●新型コロナ後遺症「ブレインフォグ」 発症の仕組み研究へ

 新型コロナの後遺症の1つで、「ブレインフォグ」と呼ばれる症状について、横浜市立大学の研究グループが、発症の仕組みを解明するための臨床研究を始めることになった。「ブレインフォグ」は、記憶障害や集中力の低下など、脳にフォグ=霧がかかったような感覚になることから名付けられた。

 研究グループでは、記憶や学習をする際に脳内で活発に働く「AMPA受容体」と呼ばれるたんぱく質を可視化する独自の技術を持っている。臨床研究では、ブレインフォグの症状を訴える30人について、AMPA受容体の分布などを計測し、発症との関連を調べるとしている。グループの高橋教授は「新型コロナが脳に与える影響はまだブラックボックス状態。発症の仕組みを解明して治療法の開発に役立てたい」と話している。

【11月6日】

●中小企業の支援に向け 総合的対策取りまとめへ 経産省と金融庁

 中小企業をめぐっては、コロナ禍の資金繰り支援のために実施された、実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済がこの夏から本格化しているほか、物価高にも直面するなど、取り巻く環境が厳しさを増している。こうした中で、経産省と金融庁は、6日、中小企業の支援策を話し合う会合を開き、総合的な対策を今年度中に取りまとめることを確認した。

 具体的には、中小企業が民間の金融機関に経営改善計画の作成を支援してもらう際、国の補助金を受けられるよう制度の運用を見直すほか、融資の保証を行っている、信用保証協会が中小企業の経営改善に主体的に取り組むよう、監督指針の改正を検討していくなどとする。会合の中で、西村経産相は「時代の変わり目の今、中小企業の皆様には人手不足や物価高などの課題を乗り越えて果敢に挑戦し、引き続き地域を支えてほしい」と述べた。

●コロナ感染者数、8週連続で減少

 厚労省によると先月29日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から1950人減って1万4125人。1つの医療機関当たりの平均患者数は2.86人で前の週の0.88倍となった。前の週から減少が続くのは8週連続。都道府県別では多い順に北海道が7.08人、長野が6.39人、山梨が4.56人、石川が4.38人、愛媛が4.3人などと続き、35の都府県で前の週より減少している。

 11月6日発表の定点把握(10月23日~29日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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 先月29日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1074人で、前の週と比べて71人の減少でした。厚労省は、全国の流行状況について「8週連続で減少しているが、これまで冬になると、コロナの感染は拡大する傾向にある。引き続き、感染対策は徹底してほしい」としている。

●インフル患者数 1医療機関当たり19.68人、前週から増加

 国立感染研などによると、先月29日までの1週間に、全国およそ5千の医療機関から報告された季節性インフル患者数は9万7292人で、1医療機関当たりでは前の週から3.3人増え、1.2倍の19.68人となった。このデータをもとに推計されるこの1週間の全国の患者数は、前の週から13万人多いおよそ67万4000人となっていて、ことし9月4日以降の累積の患者数はおよそ291万5千人と推計されている。

  インフルエンザ患者数(10月23日~29日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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 愛媛県が51.46人、埼玉県33.08人と2つの県で「警報レベル」とされる30人を超え、山梨県29.56人、千葉県29.25人、福島県28.93人、愛知県26.35人など40の都道府県で、「注意報レベル」の10人を超えた。東京都と千葉県、沖縄県を除く、すべての都道府県で前の週より患者の数が増加している。また、年齢別では患者全体の6割が14歳以下の子どもだという。休校や学年・学級閉鎖は全国で計4706校、前週の3751校から約1.25倍に増えた。

●インフルの流行状況 専門家「感染者増加のスピード上昇」、「流行が前倒し」

 インフルの分析を担当している国立感染研・感染症疫学センターでは「感染者の増加のスピードは最近になって上がっている。過去の流行では2009年のシーズンの動向に似ていて、このシーズンと同じような流行となる場合、ピークの時期が早まる可能性は考えられる。手洗いやマスクの適宜着用などの基本的な感染対策は個人個人が取り組める重要な対策だ」としている。

 感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は、「全国的に増加傾向がみられ、警報レベルを超えたり、その水準に近づいたりの地域が増えている。愛媛県のように、例年のピークと同じ程度の数の患者が報告された地域もあり、流行が前倒しで起きている。また、通常のシーズンのように、ここから年明けにかけて更に患者が増え、大きな波を作る可能性もあるので、今後の患者の増え方に注意し、その兆候を捉える必要がある」と話す。

【11月7日】

●政府系「ゼロゼロ融資」、1兆円が回収困難 検査院指摘

 会計検査院が2020年3月以降の日本政策金融公庫(日本公庫)と商工組合中央金庫(商工中金)によるコロナ関連の貸し付けについて調べた。 コロナ下で導入された中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」で、政府系金融機関が実施したうちの約1兆円が回収不能または回収困難な不良債権になっていることが、会計検査院の調べでわかった。総額約19兆円で、ゼロゼロ融資が大半を占める。

 2022年度末時点の貸付残高は14兆3085億円(約98万件)。うち回収不能もしくは回収不能として処理中は1943億円、回収が困難な「リスク管理債権」(不良債権)が8785億円。計1兆728億円で、総額の約6%にあたる。背景には中小企業の経営悪化。東京商工リサーチによると、コロナ関連の倒産は2022年度は2599件、前年度の1155件から大幅に増加。景気は回復傾向にあるが、物価高や人手不足で一部の飲食店や建設業の倒産が相次いでいる。

●国費の無駄使い、580億円

 会計検査院が7日に公表した2022年度の決算検査報告では、国費の無駄遣いや不適切な経理など344件(前年度310件)、計580億円(同455億円)についての指摘があった。新型コロナ対策の持続化給付金では、2020年12月までに給付金を受け取った個人事業者263万人のうち1万1千人を無作為抽出して調査。一定数の事業者が給付金を収入として計上していない申告漏れが疑われたという。

 また新型コロナの影響で家計が急変した学生の支援目的で、文科省が2020年度に85大学に交付した約48億円のうち、2021年度末で77%にあたる約36億9千万円が使われずに翌年度に繰り越されていた。まったく使われなかった大学も8大学あった。文科省は「コロナで先が読めない状況の中、学生を手厚く支援するためだった。指摘を受けて今後、返還していく」としている。

●せき止め薬、追加増産を要請 厚労省 「まだ足りない」 製薬24社に

 供給不足が続くせき止め薬やたんを切る去痰(きょたん)薬について、厚生労働省は7日、製薬企業24社に増産を要請した。武見厚労相は製薬企業の幹部と省内で面会、今冬の感染症の流行に備え、安定供給に向けた「あらゆる手立てを講じていただくことを改めてお願いしたい」と呼びかけた。

 厚労省は10月にも主要8社に対し、増産を要請。他の医薬品の製造ラインからの融通や在庫の放出により9月末時点から1割以上の供給増となる見込みだ。だが、医療現場などから「薬がまだ足りない」との声が寄せられており、今冬に新型コロナや季節性インフルエンザなどの流行が拡大するおそれがあることから、幅広い企業を対象に改めて増産を要請した。企業側からは「要請を踏まえできる限りの増産を検討する」との意見が出たという。

【11月8日】

●コロナ5類移行半年、相次ぐ「後遺症」の相談

 新型コロナが5類に移行されて半年。感染者は減少傾向にあるが、感染したあとの「後遺症」の相談が相次いでいて、国や自治体では対策を強化している。症状は、倦怠感や集中力低下、脱毛、嗅覚・味覚障害など多様で、詳しい原因や患者数もわかっていない。国の研究班がことし9月に公表した調査報告では、3つの自治体で感染した成人の1割から2割余りが「倦怠感などの症状が2か月以上続いた」と回答、働き盛りや若い世代が多いという。

 新型コロナの後遺症では、長引く症状で学校や仕事に行けなくなるケースもあり、日常生活への影響は深刻。厚労省は、多くの医療機関に患者の受け入れを促すため来年3月までは後遺症の診療にあたる医療機関に支払われる診療報酬を加算している。各地の都道府県では、診療にあたる医療機関の情報をホームページに掲載していて、先月末時点で、全国およそ9千か所のクリニックや大学病院などの医療機関で、患者を受け付けているという。

【11月10日】

●コロナ 1医療機関平均患者、移行後最少 厚労省「冬の拡大懸念」

 厚労省によると、11月5日までの1週間に、全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から2060人減って、1万2065人となった。1つの医療機関当たりの平均の患者数は2.44人で、前の週の0.85倍。前の週から減少が続くのは9週連続。都道府県別では多い順に、北海道が6.51人、長野5.84人、山梨4.78人、岐阜4.28人、愛知3.51人などとなっていて、42の都道府県で前の週より減少している。

 11月10日発表の定点把握(10月30日~11月5日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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 11月5日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された、新たに入院した患者の数は1074人、前の週と比べて4人の減少。厚労省は全国の流行状況について、「医療機関当たりの平均の患者数は、新型コロナが法律上5類に移行されてから最も少なくなり、減少傾向にある。ただ、冬には感染拡大が懸念されるので、今後も対策を続けてほしい」としている。一方、季節性インフルの新規感染者数は、前週の1.07倍の21.13人で、37道府県で前週から増加した。

【11月15日】

●GDP3期ぶりマイナス 7~9月期 内需弱まる

 2023年7~9月期の国内総生産(GDP)は、内閣府が15日、1次速報を発表。物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期(4~6月)より0.5%減、年率換算で2.1%減った。3四半期ぶりのマイナス成長で、個人消費や設備投資などの内需が弱い。物価高がコロナ禍からの景気回復の動きに水を差している。実質GDPは年額555兆円で、前期より3兆円減。GDPの半分以上を占める個人消費は前期より0.04%減り、2四半期連続のマイナスだった。

 輸入が前期より1.0%増えたことも、GDPを押し下げた。輸出は0.5%伸びた。欧米向けの自動車が好調。ただ、インバウンド消費は高い水準にあるものの、前期より5.0%少ない4.1兆円。経済専門家は「景気が緩やかに回復する中でのスピード調整の動きだ。10~12月期はプラス成長に戻るだろう。ただ物価高による消費の押し下げ効果は意外に大きく、回復は力強さに欠ける」と指摘した。

●訪日251万人、コロナ前越す 10月 円安背景に急回復

 日本政府観光局は15日、10月の訪日外国人客(インバウンド)が251万6500人となり、コロナ感染拡大前の2019年同月(249万6568人)を0.8%上回ったと発表した。月別の訪日客数がコロナ前を超えるのは初めて。円安を追い風に急速な回復が鮮明となっている。国・地域別では、韓国が63万1100人(2019年同月比3.2倍)、台湾が42万4800人(同2.7%増)で続いた。アジアや欧米の多くの国が、コロナ前の水準を大きく上回っている。

 コロナ前に首位だった中国は、8月に訪日団体旅行が解禁されたばかりで、3位の25万6300人(同64.9%減)にとどまる。福島原発の処理水放出を受け、控える動きも影響している。訪日客の急回復の主な要因が円安。2019年は1ドル=110円程度が、最近は150円前後。訪日客にとっては商品やサービスの割安感が強まり、「訪れやすい国」となっている。訪日客は今後も伸びが見込まれる。コロナ前は全体の3割を占めていた中国の回復基調が続いている。

●旅行大手5社に立ち入り検査 新型コロナ業務入札で談合か

 青森市が昨年度発注した新型コロナ患者の移送業務の入札で、旅行大手など5社が談合を繰り返し、独占禁止法に違反した疑いがあるとして、公正取引委員会が15日、5社の青森市内の支店に、立ち入り検査に入った。コロナ禍で旅行需要が落ち込む中、利益を分け合うねらいがあったとみて詳しい経緯などを調べるものとみられる。

 立ち入り検査を受けたのはJTB、近畿日本ツーリスト、東武トップツアーズ、名鉄観光サービス、日本旅行東北の青森市にある支店。入札は昨年度5件行われ、いずれの業務も近畿日本ツーリストが受注しているが、その後ほかの4社に業務を再委託する形で仕事を割りふっていた。コロナ禍で大きく傷ついた旅行業界での業績を自治体の委託業務で穴埋めしようと、利益追求に走る企業の姿勢が背景にあるとの指摘もある。

●コロナ感染拡大で業務増加 消毒作業に従事の会社員、過労死認定

 新型コロナの感染が拡大していた一昨年3月、消毒作業を行う会社に勤めていた40代の男性が自殺したのは、長時間労働が原因の過労死だったとして、労災認定されたことが15日にわかった。遺族からの申請を受けて労働基準監督署が調査した結果、亡くなる前の3か月間、月100時間前後の時間外労働が続いていて、長時間労働が原因でうつ病を発症していたとして過労死と認められた。

 労災が認められたのは、都内に本社がある店舗の消毒などを行う会社で働いていた当時43歳の男性。遺族の弁護士によると、男性はコロナの感染が拡大していた時期に神奈川県内の支店長代理として勤務、横浜港に入港し集団感染したクルーズ船関連の消毒作業にも従事。それ以降も、以前からの消毒業務や部下の管理業務に加え、新たにコロナ対策として深夜や休日に飲食店やスーパーなどの消毒作業にあたっていた。

【11月17日】

●第一三共開発の新型コロナワクチン、承認後140万回分購入 厚労省

 製薬大手「第一三共」は、ことし9月に新型コロナのオミクロン株の派生型「XBB」系統に対応するワクチンの承認申請を行い、厚労省は、今月11月27日に開かれる専門家部会での議論を経たうえで正式に承認する方針。厚労省がこのワクチンについて承認後に、140万回分を購入することで会社と合意したと17日発表した。

 第一三共のワクチンは米ファイザー、モデルナと同じタイプのmRNAワクチン。今年8月に国産で初めて国内での製造販売が承認。ただ、従来株向けだったため、全世代を対象にした9月からの秋接種には使われなかった。今回の「XBB」系統対応ワクチンが承認されれば、早ければ来月上旬から自治体に配送、国産ワクチンが初めて実際の接種で使える。秋接種は、自治体による接種の勧奨は65歳以上の高齢者ら重症化リスクの高い人に限られる。

●新型コロナ患者数、5類移行後に減少続くも対策を 厚労省

 厚労省は17日、11月12日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から2124人減って9941人と発表した。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は2.01人で前の週の0.82倍、10週連続で減少。5月に定点把握に移行して以来、過去最少となった。都道府県別では、多い順に北海道が5.87人、長野県が5.0人、山梨県が3.39人、岐阜県が3.01人、愛知県が2.79人などとなっていて、40の県で前の週より減少している。

 11月12日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は816人で、前の週と比べて258人の減少でした。厚労省は全国の流行状況について「患者数は5類移行後減少が続き、今週も最も少なくなったが、例年、冬は感染が拡大する時期であることから今後も対策を続けてほしい」としている。季節性インフルの新規感染者数は、前週の約0.82倍の17.35人。昨季からの流行が途切れず、8月下旬から増加が続いていたが、初めて減少した。

 11月17日発表の定点把握(11月6日~12日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【11月20日】

●今年度補正予算案、衆参審議入り 首相「コロナ禍の税金を還元」 

 一般会計の総額が13兆1000億円余りとなる今年度の補正予算案は20日、衆参両院で審議入りし、鈴木財務相の財政演説と各党の代表質問が行われた。立憲民主党の鎌田さゆり氏は、所得税などの定額減税について「岸田首相は過去2年間の増収分を国民に還元すると表明したが、鈴木財務相は『すでに使っている』と答弁した。首相と財務相で言っていることが違う。根拠がなく誤りだったと認め、訂正すべきだ」と追及した。

 これに対し岸田首相は「国民から見れば、コロナ禍の際に納めた税金が戻ってくるという意味で還元そのものだ。鈴木相は国の財政構造について説明したもので、全体を通して見れば、税金の一部を国民にお返ししている」と述べ、理解を求めた。

【11月21日】

●コロナ感染対策、ウイルス進化引き起こしたか 名大・北大など研究

 3密回避や早期の隔離などの感染対策が、新型コロナの「進化」を呼び起こしたかも知れない。名古屋大や北海道大などの研究チームが、変異株ごとに違ったコロナ患者の症状をAI(人工知能)などで解析したところ、人間の感染対策をかいくぐるようにウイルスの性質が変化した可能性があることがわかった。成果が21日、科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された。

 北大の山口助教(進化生物学)らのチームは、コロナの変異株と症状の変化に着目。患者計274人の体内のウイルス量などを調べた。さらに、AIの一種・遺伝的アルゴリズム(進化計算)を用いて、ウイルスがどう進化して感染を拡大するのかを分析。その結果、人間側の対策によってコロナウイルスの変化が引き起こされた可能性があると結論づけた。現在まで2年近く流行が続くオミクロン株についてはウイルス量が減っており、症状が出づらい状態で感染が続いていく「ステルス型」に変化した可能性もあるという。

【11月22日】

●新型コロナのワクチン接種費用、来年度から原則一部自己負担に

 新型コロナのワクチン接種は来年3月までは、全額公費で負担が決まっている。来年度以降の費用負担について、厚労省は季節性インフルなどと同様に、原則費用の一部自己負担を求める「定期接種」とする案を22日に開かれた専門家会議に示し、了承された。具体的には、65歳以上の高齢者と、60歳から64歳で基礎疾患がある重症化リスクの高い人について、国の交付税で接種費用の3割程度を補助したうえで、接種を受ける人に原則、費用の一部自己負担を求める。

 接種の時期は年に1回、秋から冬の間に行う予定。また、65歳未満で重症化リスクが高くない人については国の補助がなく、全額自己負担や自治体からの補助を受けて接種する「任意接種」とすることにしている。一方、22日に出席した委員からは「自己負担が高額になることについて対策を考えてほしい」という意見があがった。厚労省は今後、企業からワクチンの価格を聞き取ったうえで、対応を検討することにしている。

【11月24日】

●一般病院、昨年度収支は黒字 コロナ患者受け入れ補助金含めて

 医療機関に支払われる診療報酬の改定に向けて、厚労省は昨年度・令和4年度の医療機関の経営状況を調査し、24日開かれた中医協(中央社会保険医療協議会)に報告した。それによると、病床数が20床以上の「一般病院」の収支は平均で2億2424万円の赤字で、光熱費など物価高騰の影響で前の年度と比べ4231万円、赤字が増えた。ただ、新型コロナ患者の受け入れに協力した医療機関などに支給された国の補助金を含めると、4760万円の黒字となった。

 経営主体別に見ると、国公立病院は平均で7億8135万円の赤字で、補助金を含めても2億2969万円の赤字。一方、医療法人が経営する民間病院は平均で2548万円の赤字だが、補助金を含めると6399万円の黒字。このほか病床が19床以下の「一般診療所」は、補助金をのぞいても、医療法人経営の診療所で1578万円、個人経営の診療所で3070万円のいずれも黒字。厚労省は物価の高騰によって、特に一般病院の収益は厳しい結果となった。

●「引き続き患者数減少も、冬は拡大の時期」 厚労省 5月以降最少更新

 厚労省は24日、全国に約5千ある定点医療機関に13日~19日に報告された新型コロナの新規感染者数は計9648人で、1定点あたり1.95人だったと発表した。前週(2.01人)の約0.97倍で11週連続で減少、5月の定点把握に移行してからの最少を更新した。都道府県別では多い順に北海道が5.98人、長野4.97人、秋田3.12人、岐阜2.77人、山梨2.76人などとなっていて、28の都府県で前の週より減少している。

 11月19日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された、新たに入院した患者の数は784人で、前の週と比べて34人の減少でした。厚労省は、全国の流行状況について「患者数は減少が続いていて、今週も最も少なくなったが例年冬は感染が拡大する傾向があることから今後も対策を続けてほしい」としている。季節性インフルの新規感染者数は、前週の約1.25倍の21.66人だった。

 11月24日発表の定点把握(11月13日~19日)出典:NHK新型コロナ特設サイト

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【11月26日】

●中国北部で増加の呼吸器疾患、「インフルが中心」 保健当局

 中国北部では先月中旬以降、呼吸器の疾患が増加している。中国の保健当局、国家衛生健康委員会は26日の記者会見で「インフルエンザが中心」と説明した。その一方で、インフル以外の病原体による疾患も確認されたとして、1歳から4歳では通常のかぜのウイルスの「ライノウイルス」が、5歳から14歳では発熱やせきなどの症状が特徴の「マイコプラズマ肺炎」が、15歳から59歳では新型コロナなどが、それぞれ一定程度みられるとしている。

 保健当局は、こうした複数の病原体が呼吸器疾患の増加に関わっているとして、国民に対しワクチンの接種やマスクの着用など感染対策の徹底を呼びかけている。中国では子どもたちの間で肺炎が増加しているとして、WHOが22日、情報提供を求めたのに対し、中国当局は「新たな病原体は検出されていない」などと報告していた。

【11月27日】

●金融庁、資金繰り支援から事業再生支援への移行 金融機関に要請

 新型コロナ対策の実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、中小企業の中には過剰な債務を抱えて事業の継続が危ぶまれる例も出てきている。金融庁は27日、鈴木金融担当相も出席して金融機関の代表らと意見交換会を開いた。鈴木氏は「コロナ禍での資金繰り支援に注力した段階から、経営改善と事業再生支援に取り組む新しい段階へ移行する必要がある」と述べ、金融機関に対し支援の軸足を、従来の資金繰りから事業再生に移行するよう要請した。

 これに対し、全国銀行協会の加藤会長は「中小企業にとっては物価高や人手不足といった厳しい環境が続くが、経営環境が悪化する前の早期の段階から事業再生に取り組んでいく」と応じた。金融庁としては、各金融機関が取り引き先の経営悪化の兆候をできるだけ早く把握し、事業再生に向けた提案などを行うよう促したい考えで、こうした方針を金融機関向けの新たな「監督指針」にも明記することにしている。

●国産の新型コロナワクチン、実際の接種で初使用へ 厚労省

 製薬大手の「第一三共」が開発した新型コロナワクチンについて、27日に開かれた厚労省の専門家部会は、使用することを了承した。厚労省の正式な承認を経て、早ければ来月上旬から自治体に配送され、国産のワクチンが初めて実際の接種で使えるようになる。使用が了承されたのは、製薬大手の「第一三共」が開発した、オミクロン株の派生型「XBB」系統に対応するワクチンで、ことし9月、厚労省に承認申請が行われた。

【11月28日】

●mRNAワクチン「レプリコンワクチン」、国内承認

 海外で開発された新しいタイプのmRNAワクチンが、28日、国内で承認された。承認されたのは、製薬会社の「Meiji Seika ファルマ」が申請していた、従来株の新型コロナに対する「レプリコンワクチン」と呼ばれるタイプのワクチン。このワクチンは海外で開発されたもので、接種した新型コロナのmRNAが体内で複製される新たな技術を使っているため、少量で効果が長続きするという。会社などによると、このタイプのワクチンが承認されるのは世界で初めて。

 会社では今後、変異ウイルスに対応したこのタイプのワクチンを開発した上で、来年の秋や冬の接種での供給を目指すということで、製造は福島県南相馬市の工場などで進める計画だという。会見した「Meiji Seika ファルマ」の小林社長は、「今後、変異ウイルスに対応させる必要はあるが、世界に先駆けて新世代のワクチンの実用化の道が開けたと考えている」と話していた。

【11月30日】

●ワクチン接種直後に女性死亡、遺族が市を提訴 愛知

 去年11月、愛知県愛西市の集団接種会場で、新型コロナワクチンの接種を受けた直後に息苦しさを訴え容体が急変して死亡した女性(42)の遺族が、30日、愛西市に対し4500万円余りの損害賠償を求める訴えを起こした。現場の医師が重いアレルギー反応のアナフィラキシーを起こした可能性を疑わず、治療薬のアドレナリンを投与しなかったことや、看護師が容体の変化を正確に医師に報告しなかったことが死亡につながったとしている。

 この問題で、愛西市がことし9月に公表した専門家による「医療事故調査委員会」の報告書では、「早期にアドレナリンが投与された場合、救命できた可能性を否定できず、投与されなかったことの影響は大きい」などと指摘されている。

2023年11月 3日 (金)

新型コロナ2023.10 ノーベル賞

 新型コロナウイルスが感染症法の5類に移行した5月以降、第9波の感染拡大傾向が続いていた。9月下旬にはピークアウトして、10月は毎週連続で減少している。一方で、インフルエンザ患者は増加傾向にあり、休校や学年・学級閉鎖が全国に広がっている。冬に備え、引き続き感染対策を続ける事が必要。

 そんな中で、今年のノーベル生理学・医学賞に、新型コロナの「mRNAワクチン」の開発で大きな貢献をした米国ペンシルベニア大学の研究者カリコ氏ら2人を選んだと発表があった。

 2023年10月1日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2023.09 第9波減少」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【10月2日】

●新型コロナワクチンにつながる技術 2氏にノーベル生理学・医学賞

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、今年のノーベル生理学・医学賞を、独バイオ企業ビオンテック顧問のカタリン・カリコ氏(68)と、米ペンシルベニア大のドリュー・ワイスマン教授(64)に贈ると発表した。新型コロナに対する「mRNAワクチン」の実用化につながる新たな技術を開発したことが評価された。カリコ氏らは人工的に合成した遺伝物質のmRNAをワクチンとして使うための基礎となる方法を開発した。

 ハンガリー出身で米国に渡ってmRNAの研究をしていたカリコ氏は、米国のワクチン研究者ワイスマン氏とともに、mRNAの一部を別の物質に置き換えて「飾り」がついたような状態にすると、免疫反応を回避できることを発見。2005年、米国の免疫学専門誌に論文を発表した。これを発展させたものが、新型コロナに対するワクチンとして使われ、パンデミックが始まってから、わずか11カ月という驚異的なスピードで実用化に至った。

【10月4日】

●海外で感染症発生 省庁の役割明確化 政府、初動方針

 政府の新型インフルエンザ等対策推進会議が4日開かれ、感染症が海外で発生した際の初動方針が示された。国内での発生に備え、テレワークや時差出勤、出入国時の検疫、検査能力の確保などの対応を速やかに実施できるように各省庁の役割を明確化。初動対応は、指定感染症や急速に広がる恐れのある新感染症が海外で発生した段階を想定。厚労省が情報を収集し、司令塔の内閣感染症危機管理統括庁に報告、状況に応じて関係省庁による対策会議を開く。

 WHOが新型インフルの発生を宣言したり、新型コロナのように急速に広がる可能性のある感染症の発生を公表したりした段階で、政府に対策本部を設置する。厚労省は国のコールセンターを設置。統括庁は他省庁と連携し、感染症が起きている国や地域へ国立感染研の専門家の派遣を検討したり、感染が疑われる人への休暇取得や、テレワークの準備を企業に呼びかけたりする。推進会議は来年6月ごろに新たな政府行動計画をまとめる。

【10月5日】

●コロナ給付金「性風俗業は対象外」、憲法に違反せず 東京高裁

 関西地方の性風俗事業者は、新型コロナの影響を受けた事業者に国が支給する「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の制度の対象から外されたことについて、「職業差別で法の下の平等を定めた憲法に違反する」と主張、国などに賠償と給付金の支給を求めた。1審の東京地方裁判所は去年、「性風俗業の特徴は、大多数の国民の道徳意識に反するもので、異なる取り扱いをすることには合理的な根拠がある」として、憲法には違反しないと判断、訴えを退けた。

 5日の2審の判決で、東京高等裁判所は「給付対象とすると、国民の理解を得るのが難しいと判断した理由には合理性がある。性のあり方に関する価値観は多様化しているが、性風俗業を公的に認めるのは相当ではない」として、1審に続いて憲法に違反しないと判断、事業者の訴えを退けた。弁護団の亀石弁護士は「なぜ性風俗事業者を給付対象としないことが正当化されるのか、最高裁にはきちんと向き合い検討してほしい」と述べ、上告する方針を明らかにした。

【10月6日】

●新型コロナワクチン「すべての小児に接種推奨」 日本小児科学会

 厚労省の審議会がことし秋以降の新型コロナワクチン接種について、接種を勧める対象を重症化リスクの高い人に限定したことなどを受け、日本小児科学会は、子どもへの接種を推奨するかどうか改めて検討し、その結果を公表した。それによると、現在国内で主流となっているオミクロン株のXBB系統や、さらに変異した「EG.5」と呼ばれる変異ウイルスが広がり、今後流行の拡大が想定されるとしている。

 その上で、この秋以降接種されるワクチンは、従来のワクチンよりも変異ウイルスに対して発症を予防する効果が高いと考えられることから、引き続き「すべての小児に接種を推奨する」としている。安全性については、膨大なデータにもとづき、信頼性の高い安全性の評価が行われているとする。学会は「小児に対する新型コロナの脅威は依然として存在し、感染や重症化を予防する手段としてワクチン接種は有効だ」としている。

●コロナ感染者数、前週比0.8倍 北海道以外は減少 インフル、注意報に迫る

 厚労省は6日、全国に約5千ある定点医療機関に9月25日~10月1日に報告された新型コロナの新規感染者数は計4万3705人で、1定点あたり8.83人だったと発表した。前週の約0.80倍で、北海道をのぞく46都府県で減少した。都道府県別の最多は愛知の12.40人で、熊本11.30人、茨城10.73人と続く。定点医療機関に報告された新規入院患者数は2011人だった。厚労省は「全国的に減少傾向にありピークアウトしたと考えられるが、引き続き感染対策を行って欲しい」としている。

 10月6日発表の定点把握(9月25日~10月1日)出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 一方、季節性インフルエンザは、前週の約1.35倍の9.57人に増加、注意報レベルの「10人」に迫る。昨冬からの流行が続いており、例年より患者が多い状態で推移している。前年同時期は0.01人だった。39都道府県で前週から増加、14都県が注意報レベルを超えた。休校や学年・学級閉鎖は全国で計2204校にのぼる。

 インフルエンザ患者数(9月25日~10月1日)出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月11日】

●「コロナ禍企業向け補助金、縮減や効果検証を」 審議会で意見

 財務相の諮問機関「財政制度等審議会」は、11日の会合で財務省の担当者は新型コロナの感染拡大のあと、中小企業対策費が急増していて、事業者の状況をみきわめながら早期に正常化する必要があると提起した。この中では感染拡大を受けて設けられた新たな業種に転換する企業などを支援する「事業再構築補助金」は、これまでにおよそ2兆4000億円の予算が計上された一方で、先月末時点で5600億円程度が具体的な使いみちが決まっていない状況だと説明された。

 委員からは、新型コロナの感染症法の位置づけは、5類に移行していて膨らんだ中小企業対策費を縮減するのは当然ではないかという意見や「事業再構築補助金」について企業の構造転換に、どこまでつながったのか検証が必要だという意見が出された。「財政制度等審議会」の土居部会長代理は、会議のあとの記者会見で「国民の税金が使われていることを踏まえると、コロナ禍で未曽有の水準に達した中小企業対策費は平時に戻していくべきではないかと考えている」と述べた。

【10月13日】

●コロナ感染、全都道府県で減少 インフル、注意報に迫る

 厚労省は13日、全国に約5千ある定点医療機関に2~8日に報告された新型コロナの新規感染者数は計2万5630人、1定点あたり5.20人と発表。前週の約0.59倍で、全都道府県で減少。厚労省は「全国的に減少しており、感染拡大のピークは過ぎたとみられるが感染対策は引き続き行ってほしい」としている。前の週から減少が続くのは5週連続で47の都道府県で減少。都道府県別では最多が北海道8.19人、沖縄県7.52人、石川県7.42人、愛知県7.11人、茨城県6.84人。

 今月8日までの1週間に、全国およそ5千の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1431人で、前の週と比べて580人減少した。一方、季節性インフルエンザは前週の約1.04倍の9.99人で、注意報レベルの10人に迫っている。休校や学年・学級閉鎖は全国で計2275校にのぼる。

 10月13日発表の定点把握(10月2日~10月8日)出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月15日】

●新型コロナ後遺症「血液中物質に特定の変化」 米研究チーム発表

 米国イエール大学の岩崎教授らの研究チームは、新型コロナに感染したあと倦怠感や息苦しさなど何らかの症状が長引く「後遺症」が1年以上ある人と、後遺症がない人、感染しなかった人など、合わせて268人の血液成分を分析した。その結果、後遺症がある人たちでは、血液中にあるB細胞やT細胞と呼ばれる特定の免疫細胞が増加していたほか、体内で潜伏していたヘルペスウイルスが活性化するなどの変化が確認されたという。

 さらに、後遺症がある人では、体の状態を一定に保ちストレス反応に関わる「コルチゾール」というホルモンの量が、後遺症がない人や感染しなかった人と比べ、半減していた。チームは、こうした変化を指標にすることで、新型コロナの後遺症の正確な診断や、治療法の開発につながるとしていて、科学雑誌「ネイチャー」に発表した。岩崎教授は「後遺症があることを周りに理解されず悩み続ける人も多いので、原因の解明を目指して研究を進めたい」と話す。

【10月17日】

●新型コロナ変異分析機器 交付金整備の21台 ほとんど使用されず

 厚労省は、全ゲノム解析によってウイルスの変異を調べられる分析機器「次世代シークエンサー」を、都道府県が地方衛生研究所や民間検査機関に整備した際に交付金を出していて、導入された機関は自治体から依頼を受けた際に、ウイルス変異の動向の監視などのため使用する。この機器について、会計検査院は2020年度と2021年度に18道府県が導入した63台の使用状況を調査した。

 その結果、8つの道府県が民間検査機関に整備した21台がほとんど使用されていなかった。21台で合わせておよそ5億8600万円の国の交付金が支出されていた。厚労省は新型コロナの位置づけが「5類」に移行されたあとも、変異状況を確認するよう要請していることから、会計検査院は使い方を自治体に検討させることなどを求めた。厚労省は「事業目的に沿って機器が使われるよう改めて周知する」としている。

【10月18日】

●訪日客消費、コロナ前超す 円安追い風、19年比17%増 7~9月

 観光庁は18日、7~9月の訪日外国人の旅行消費額が1兆3904億円だったと発表。2019年同期より17.7%増、コロナ前の水準を上回った。円安で国内の商品やサービスの割安感が強まり、富裕層の消費も活発になっている。旅行消費額は日本に滞在中の宿泊や交通、買い物、飲食などの合計。中国2827億円で最も多く、台湾2046億円、韓国1955億円で続く。中国は8月に団体旅行が解禁されたが訪日客数は回復しておらず、消費額はコロナ前の6割。

 独立行政法人日本政府観光局(JNTO) が18日発表した9月の訪日外国人客数は218万4300人となり、2019年同月の96.1%に回復した。コロナ前に最多だった訪日中国人は32万5600人で、19年同月の39.8%にとどまった。東京電力福島第一原発の処理水放出を受けて訪日を避ける動きが影響したとみられる。

●倉庫で眠るマスク・ガウン コロナ交付金で自治体が購入 検査院が調査

  コロナ対応の地方創生臨時交付金を使って自治体が購入したマスクや医療用ガウンなどの一部が、活用されないまま残っていることが、会計検査院の調べでわかった。2020~21年度に20府県と505市町村が433億円(交付金397億円)を使い、6674品目を購入。しかし秋田、福島、茨城、熊本の4県と横浜市などの48市町村では、22年度末で、半分以上が使われず在庫の残高が50万円以上になっている物品が90品目(購入額6億円、交付金4億円)あった。

 マスクや医療用ガウン、パーティション、消毒液などだった。購入直後から倉庫で保管され、使用期限が迫っている物品もあるという。検査院は「コロナ拡大の初期段階ではマスクの在庫が逼迫するなどやむを得ない状況もあったが、配布対象者の意向確認をして必要な分量を確保するべきだった」としている。検査院は交付金を所管する内閣府と総務省に対して、「自治体の物品配布事業の見直しを行い、在庫の有効活用を行うべきだ」としている。

【10月19日】

●新型コロナワクチン 新たに1000万回分を追加購入 厚労省

 オミクロン株の派生型「XBB」系統に対応するワクチンは、先月20日から希望する生後6か月以上のすべての人を対象に接種が行われている。厚労省はワクチン廃棄ができるだけ少なくなるよう、接種希望者数の状況を確認しながらメーカーから購入、ことし7月に2500万回分を購入したほか、先月には1000万回分を追加購入。一方、一部の自治体や医療機関では、希望者が当初の見込みよりも多く、接種予約が取りづらい状況が続いている。

 感染が拡大する冬を前に、今後も接種が滞りなく行えるよう厚労省は、ファイザーのワクチン900万回分とモデルナのワクチン100万回分を追加購入したことを19日発表した。ワクチンは来月から年内にかけて自治体や医療機関に配送される予定。厚労省は「打ちたい人が滞りなくワクチンを打てるよう、今後も確実に供給していきたい」としている。

【10月20日】

●コロナ感染者数 香川県以外減少

 厚労省は20日、全国に約5千ある定点医療機関に9~15日に報告された新型コロナの新規感染者数は計1万8587人で、1定点あたり3.76人だったと発表した。前週(5.20人)の約0.72倍で6週連続で減少した。都道府県別では、香川県を除く46都道府県で減少。最多は北海道の6.61人で、岐阜6.13人、石川5.58人と続く。東京2.33人、愛知5.12人、大阪2.77人、福岡2.83人だった。

 また、今月15日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1245人で、前の週と比べて265人の減少だった。厚労省は全国の流行状況について「ピークを過ぎて6週連続減少しているが、インフルエンザの患者は増加傾向にあるほか、冬にコロナの感染が拡大することからも引き続き、感染対策は続けてほしい」としている。

 10月20日発表の定点把握(10月9日~15日)出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●インフル患者数 注意報レベル超

 厚労省は20日、全国約5千カ所の定点医療機関から9~15日に報告された季節性インフルエンザの患者数が計5万4709人にのぼり、1医療機関あたり11.07人だったと発表した。10月に注意報レベルの「10人」を超えたのは、新型インフルが流行した2009年を除けば、今の集計方法が始まった1999年以降で初めてという。

 例年なら春までにおさまってきたが、今年は昨年12月からの流行期が続いたまま、次のシーズンに突入する異例の事態。9~15日の患者数は前週の約1.11倍。37道府県で前週から増加し、17都県が注意報レベルを超えた。

【10月23日】

●「感染症や災害 規定なくても国が指示を」地方制度調査会素案

 首相の諮問機関である地方制度調査会は、コロナ禍で浮き彫りになった課題を踏まえ、新しい国と地方の在り方について議論を進めていて、23日の会合で答申の素案を示した。それによると、2020年2月に発生したクルーズ船での集団感染で、県などをまたいで患者を移送する際に、国と自治体との間で調整が難航したことなどに触れ、緊急時に迅速に対応できるよう関係を見直す必要があるとしている。

 このため、国民の安全に重大な影響を及ぼす感染症や災害が発生した場合には感染症法など個別の法律に規定がなくても、患者受け入れの調整などを念頭に、国が自治体に必要な指示を行えるようにすべき、指示する際には関係大臣が判断し、閣議決定を経ることが適当だとしている。地方制度調査会はさらに議論を進め、年内をめどに岸田首相に答申することにしている。

【10月27日】

●全国のコロナ感染者、7週連続減 インフルは注意報、沖縄以外で増加

 厚労省は27日、全国に約5千ある定点医療機関に16~22日に報告された新型コロナの新規感染者数は計1万6075人で、1定点あたり3.25人と発表した。前週の約0.86倍、7週連続で減少した。都道府県別の最多は北海道6.79人で、長野5.17人、福島4.93人と続く。22日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1138人だった。前週の1271人から133人減った。集中治療室(ICU)に入院している患者数は41人、前週の68人から27人減。

 厚労省は「新型コロナの患者数は7週連続で減少し、新たに入院した患者も減少傾向であるが、例年、冬になるとコロナの感染が拡大傾向にあることから引き続き感染対策は続けてほしい」としている。一方、季節性インフルエンザは、前週の約1.48倍の16.41人で、沖縄をのぞく46都道府県で前週から増加した。休校や学年・学級閉鎖は全国で計3751校にのぼり、前週の1772校の約2倍となった。

 10月27日発表の定点把握(10月16日~22日)出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2023年10月 5日 (木)

新型コロナ2023.09 第9波減少

 新型コロナが感染症法の5類に移行した5月以降、感染拡大傾向が続いている。加藤厚労相は9月11日、現状を「第9波」だと事実上認めた。9月3日までの1週間に報告された新規感染者数は1つの医療機関あたり平均20.50人で、5類移行後で最多となっていた。3週間後の9月24日までの1週間では、1つの医療機関あたりの平均11.01人で、前の週の0.63倍となった。厚労省は「減少傾向が続いていてピークアウトの可能性がある。今後も感染対策を続けてほしい」としている。

 2023年9月1日から30日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2023.08 EG.5系統」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】


【9月1日】

●感染症危機、次への備え 「危機管理統括庁」、きょう発足

 政府の感染症対応の司令塔となる「内閣感染症危機管理統括庁」が9月1日発足した。新型コロナ対応の反省をふまえ、省庁や関係機関とのやりとりを一元化。次の感染症危機に備えた行動計画を策定、訓練などを通じ、次の感染症危機に備える。新組織は、平時は38人の専従職員で構成。有事には各省庁から職員が加わり、101人に増員される。トップの内閣感染症危機管理監には栗生内閣官房副長官、事務総括の内閣感染症危機管理対策官には厚労省の迫井医務技監が就く。

 新型コロナの初動対応では様々な問題が明らかになった。検査が十分に受けられなかったり、保健所に電話がつながらなかったりする事態が発生した。専門的な治療が必要な重症者が入院できない事例も少なくなかった。ワクチン開発も海外から大きく後れをとった。このほか、空港での水際対策や一斉休校による混乱、緊急事態宣言などに伴う飲食店への休業要請などでも関係者は振り回された。

●昨年度の医療費、46兆円 2年連続で過去最高更新

 厚労省のまとめによると昨年度の2022年度の医療費は、概算で46兆円で、前の年度から1兆8000億円、率にして4%増加し、2年連続で過去最高を更新した。このうち、主な病名が新型コロナと診断された人の医療費は推計でおよそ8600億円で、前の年度の2倍近くに増えた。1人あたりの医療費は、前の年度より1万6000円増えて36万8000円となり、年代別では75歳未満が24万5000円、75歳以上は95万6000円となっている。

 厚労省は、医療費が増加した主な要因について、オミクロン株の流行で新型コロナの患者数が増えたことに加え、2020年度の受診控えの反動で医療機関を訪れる人が増えたことなどを挙げている。

●コロナ「XBB」対応ワクチンを承認 20日からの追加接種で使用

 厚労省は1日、新型コロナのオミクロン株の亜系統「XBB」に対応する米ファイザー社製のワクチンを承認したと発表した。全世代を対象に20日から始まる追加接種では、このXBB対応のワクチンが使われる。今春からの65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人らを対象にした追加接種では、オミクロン株「BA.5」などに対応したワクチンが使われていた。今回承認されたワクチンはXBB.1系統に対応、現在増え始めているEG.5系統にも効果があるとしている。

 20日からの追加接種は全世代が対象だが、予防接種法上の「努力義務」や「接種勧奨」は高齢者や基礎疾患のある人に限られる。費用は引き続き全額公費となる。国立感染研の報告によると、8月14~20日に流行している株のうち、XBB.1系統は低下傾向で、EG.5系統が増え始めている。XBB対応のワクチンについては、米モデルナ社も厚労省に製造販売の承認申請をしている。厚労省は自治体を通じ、接種希望者に早めの予約を呼びかけている。

●一昨年の日本人の死亡率、10年ぶり増加 コロナが影響か

 国立がん研究センターのグループは、国が公表している2021年までの27年間の「人口動態統計」をもとに年ごとの死亡率の変化について統計学的な手法で調べた。その結果、2021年の死亡率は人口10万当たり989.6人で、前の年の人口10万当たり968.4人に比べて2.2%増加した。日本人の死亡率はこの数年、減少傾向が続いていて、前の年より増加するのは東日本大震災の影響を受けた2011年以来、10年ぶりだという。

 死因別で、前年から増加が大きかったのは、いずれも人口10万当たりで新型コロナの感染の11.8人、老衰の93.8人、心不全などの心疾患の145.2人。グループでは、新型コロナの流行やコロナ禍で診療体制が制限されたことなどが影響した可能性があるとしている。研究員は「コロナ禍の影響が死亡率にも表れる結果となった。ほかにもがん治療の先延ばしや検診の受診控えなどが今後、がんの死亡率に影響してくる可能性があり、注視していく必要がある」としている。

●新型コロナ 全国の感染状況 前週の1.07倍 2週連続の増加

 厚労省によると、8月27日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から7036人増えて9万3792人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は19.07人で前の週の1.07倍となった。前の週から増加が続くのは2週連続となる。都道府県別では多い順に、岩手が31.71人、青森31.3人、宮城29.54人、茨城26.8人、秋田26.73人と、28の都府県で前の週より増加している。

 このほか、8月27日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万3501人で、前の週と比べて168人の減少となった。厚労省は全国の流行状況について「お盆期間も終わり、減少していた患者数が再度緩やかな増加に転じている状況にある。夏休みが終わり、今後は学校が再開されたことによる影響も懸念される状況にあるので、体調管理に留意するなど基本的な感染対策を徹底してほしい」としている。

 9月1日発表の定点把握(8月21日~27日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●専門家「子どもたちでの流行 さらに広がる可能性」

 現在の感染状況について、感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は「全国的に微増傾向が続いている。年齢別に見ると10歳未満の子どもたちが一番多い状況で、9月に入り学校が本格的に始まると子どもたちでの流行がさらに広がる可能性がある。また、高齢者でも一定の増加が見られているので引き続き注意していく必要がある」としている。

 その上で「かぜのような症状があった場合は、コロナの可能性を考えて無理して出勤や通学などをせず、自宅で療養してほしい。また、高齢者や、基礎疾患があって不安だという人は早めに医療機関を受診してほしい」と述べた。また、ワクチンの接種から時間がたつと発症を予防する効果などが下がってしまうとした上で「高齢者や基礎疾患がある人など重症化のリスクの高い人は今後、必要に応じて次の接種をすることが大事になると思う」と話していた。

【9月4日】

●厚労相「コロナ公費負担継続 知事会の考え聞きながら検討」

 加藤厚労相は4日、全国知事会で新型コロナ対策を担当する鳥取県の平井知事と厚労省で会談し、知事会からの提言を受け取った。提言では、今月末までとなっている高額なコロナ治療薬の費用と入院費用の一部などに対する国の公費負担について、患者が増加傾向であることを踏まえ、継続するよう求めている。また、自治体が医療機関や高齢者施設で実施する検査費用などで負担が生じないよう、国が引き続き全額を負担することも求めている。

 会談では平井知事が、来月以降の公費負担の在り方について、政府と全国知事会との間で協議の場を設けるよう求めたのに対し、加藤大臣は「厚労省として応じていきたい」と述べ、全国知事会などの考えも聞きながら、今後の方針を検討する考えを示した。会談後、平井知事は記者団に対し「コロナ治療薬の自己負担があまりにも高くなると、医師が処方できない事態になるおそれがあるのではないか。負担を常識的な範囲に抑える配慮が最低限必要だ」と述べた。

【9月7日】

●PCR補助、詐取未遂容疑 コロナ検査虚偽、5.3億円 6人逮捕

 新型コロナ検査の無料化事業で補助金の不正申請が相次いだ問題で、警視庁は7日、「大洋商事」(東京都渋谷区)の代表取締役の上嶋容疑者ら男6人を詐欺未遂容疑で逮捕、発表した。6人は共謀し、「東京都PCR等検査無料化事業」の補助金をだまし取ろうと2022年9月中旬ごろ、医療法人「華風会」(大阪市)名義で実施した2022年8月分のPCR検査などの精算額について、約5億3千万円とする虚偽の実績報告書などを都に提出、補助金を交付させようとした。

 都が不正を見抜き、交付されなかった。大洋商事は、華風会に持ちかけて業務委託を受け、事業に参入。逮捕容疑も含め22年6~11月の検査分として、計約12.8億円(約17万件分)を都側に申請していた。捜査2課は8~9割が架空とみている。同課によると、大洋商事は都内4カ所の検査場の運営業務を不動産販売「YELL合同会社」(東京都世田谷区)など4法人に委託。4法人の従業員らのつばや水を入れるなどした検体を大洋商事側が回収し、うその実績報告書を作成していたという。

【9月8日】

●無料臨時接種、今年度末まで コロナワクチン 来年度からは高齢者などに年1回

 新型コロナのワクチン接種について、厚労省の専門家部会は8日、全額公費負担の臨時接種を今年度末で終了する方針を了承した。来年度からは65歳以上の高齢者など重症化リスクの高い人を対象に、秋から冬に年1回の接種にする方向。来年度以降は、高齢者らは季節性インフルエンザなどと同じ一部自己負担が生じる可能性がある定期接種とし、対象者以外は原則自己負担を視野に検討を進める。今年の秋冬の接種は20日から始まる。生後6カ月以上のすべての世代が対象。

●新型コロナ「空床補償」病院への補助金、500億円超過大に支払い

 新型コロナの入院患者を受け入れる病院を支援するため、厚労省は患者の受け入れに備えて病床を空けた場合に、確保しながら患者が入らず空いた病床や、コロナ患者の受け入れで休止した病床に対して、「病床確保料」として1日単位で補助金を支払う、いわゆる「空床補償」を行ってきた。これについて、会計検査院が去年11月、不適切な支出があったと指摘し、その後、厚労省が都道府県に点検するよう求めていた。

 その点検結果によると、2020年度から2021年度までの2年間に「病床確保料」を受け取った医療機関のうち、岩手県と徳島県を除く45の都道府県ののべ1536の医療機関に対して過大に補助金が支払われ、その額はあわせて504億7000万円あまりにのぼるという。厚労省は、過大に補助金を受け取った医療機関に対して、返還手続きを行うよう求めている。

●新型コロナ全国の感染状況、前週の1.07倍 5類後最多に

 厚労省は8日、今月3日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から7497人増えて10万1289人と発表した。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は20.50人で、前の週の1.07倍。前の週から増加が続くのは3週連続となる。都道府県別では、多い順に岩手が35.24人、宮城32.54人、秋田30.61人、千葉県28.68人、茨城27.74人などとなっていて、37の都道府県で前の週より増加。

 このほか、今月3日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万2842人で、前の週と比べて1130人の減少。厚労省は全国の流行状況について「お盆明けから緩やかな増加傾向が続いている。20歳未満の人たちで増えていて学校再開の影響も懸念されることから、引き続き基本的な感染対策を徹底してほしい」としている。

 9月8日発表の定点把握(8月28日~9月3日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●専門家「学校が始まってさらに拡大するおそれ」 学級閉鎖も

 感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は、「全国的に緩やかな増加傾向が続いている。お盆の時期は医療機関を受診する人や検査を受ける人が少なくなり、見かけ上、感染者が少なくなっていたが、人々の移動に伴って感染が広がっている」と話す。そのうえで「年代別では10歳未満の子どもたちで最も多くなり、学校が始まってさらに拡大するおそれがある。その結果、家庭でも感染が広がって、重症化リスクが高い高齢者の感染者が増えないように注意する必要がある」と指摘した。

 そして「9月の新学期早々、学級閉鎖や休校が相次いでいる。新型コロナもインフルも広がりやすいウイルスなので、発熱やのどの違和感、鼻水が出るなど体調が悪い場合は、感染を疑って無理をせずに自宅療養し、不安があれば医療機関を受診して検査を受けたり、薬を処方してもらったりすることが大事だ」と話していた。

●インフルエンザ 1医療機関当たり2.56人 前週より増加 初の「収束せず」

 季節性インフルの流行が、昨年末から継続したまま、次のシーズンに入ることになった。厚労省が8日発表した。発表によると、全国約5千カ所の定点医療機関から報告された最新1週間(8月28日~9月3日)の季節性インフルの患者数が1医療機関あたり、前の週の1.40人から2.56人になった。「1人」を超すと「流行」とされ、昨年12月19~25日に流行期入りしたあと、これまで一度も下回っていない。

 厚労省はインフルの発生状況について、9月4日以降の週からは新シーズンとして集計。流行が収束しないまま次のシーズンに突入するのは、現在の方法になった1999年以来、初めてという。日本感染症学会インフル委員会の石田委員長は流行が続いている背景として、3年間インフルの流行がなかったことや昨年のワクチン接種から時間がたったことで、1人が感染すると周囲に広がりやすい状況があると指摘する。

【9月11日】

コロナ「第9波」 加藤厚労相、注意呼びかけ

 新型コロナの国内の感染状況について、加藤厚労相は11日、大阪市内での講演で「第9波と言われているものが今回来ている」と述べた。コロナが感染症法の5類に移行した5月以降、感染拡大傾向が続いているが、現状を「第9波」だと事実上認めた。全国約5千の定点医療機関からの報告では、3日までの1週間に報告された新規感染者数は1定点あたり20.50人(速報値)で、5類移行後で最多となっていた。

 加藤厚労相は講演で「政府では1波、2波、3波と波を数えていない」としつつも「一般的に言えば第9波が来ている」と指摘。例年は夏に感染が拡大し、お盆の時期にピークを迎えるが、今年はまだ「ピークアウトという状況ではない」と注意を呼びかけた。

【9月12日】

●米FDA、更新版の新型コロナワクチンを承認 XBB.1.5対応

 米食品医薬品局(FDA)は11日、更新版の新型コロナワクチンを承認した。オミクロン株の亜系統「XBB.1.5」に対応した1価ワクチンで、今秋以降に米国で接種される。日本国内でもすでにこのワクチンは承認され、20日から始まる全世代を対象にした追加接種で使われることになっている。FDAはモデルナとファイザーがそれぞれ製造する新たなワクチンについて、12歳以上に対しては正式に承認、生後6カ月から11歳以下に対しては緊急使用許可を出した。

 米疾病対策センター(CDC)によると、8月下旬現在、新型コロナによる新規入院者数が1週間で約1万7千人。10万人を超えていた2021年1月や2022年1月に比べると大幅に少ないが、6千人台に減った今年6月に比べると増加している。9月初旬の段階で流行しているのは、「EG.5」や「FL.1.5.1」といった系統。新たなワクチンが対応する「XBB.1.5」の割合は減少しているが、FDAは新たな現在流行している系統に対する効果もあるとしている。

●コロナ新変異株、免疫逃れやすく EG.5に置き換わり進む

 国内で感染者の緩やかな増加が続く中、新たな変異株「EG.5」系統への置き換わりが進んでいる。過去には新たな変異株の流行により感染者が急激に増えた事例もあり注意が必要。オミクロン株XBB系統から派生した「EG.5」系統は2月に初めて報告され、WHOが8月に「注目すべき変異株」(VOI)に指定。現時点で重症度が高まっているという知見はないが、これまでのXBB系統と比べて、免疫を逃れやすく、感染しやすくなる可能性がある。

 国立感染研によると国内でも7月ごろから広がり、EG.5系統の一つ「EG.5.1」は8月7~13日時点で200検体のうち29%だったが、9月11日の週には58%を占めると推計。東京都は7日、都内で初めて多数の変異がある「BA.2.86」を8月24日にPCR検査検体から確認したと発表。2022年に主流となったBA.2系統から派生、ワクチンや感染でできた免疫から逃れる可能性があり、WHOは8月24日に「監視下の変異株」(VUM)に指定した。

●新型コロナ感染「ピークアウトしているとは言えず注視」 加藤厚労相

 厚労省によると、新型コロナの患者数は、今月3日までの1週間で1つの医療機関当たりの平均の患者数が20.50人と3週連続で増加した。これについて、加藤厚労相は閣議の後の記者会見で「まだピークアウトしているとは言えず、注視していかなければならない。厚労省としても医療機関の逼迫やウイルスの変異についての状況を、しっかりおさえて必要な対策をとっていきたい」と述べた。

●都医師会「第9波に入っている」 感染対策呼びかけ

 新型コロナの患者数の増加傾向が続いていることを踏まえ、東京都医師会の尾崎会長は記者会見で、感染者の増加傾向が続き医療が逼迫しているとして「5類への移行でもう終わったように思っている人もいるが、今は都内だけで毎日、新たに1万5000人ほどが感染しているような状況だ。第9波に入っており、第8波のピークに近づきつつある」と述べた。

 そして「重症化する人は減っており、以前のように規制をかける必要はないが、コロナとの戦いはまだまだ続いている」とした上で「新たな変異株にも効果があるとされるワクチンの接種が来週20日から始まるので、できるだけ接種して欲しい」と述べ基本的な感染対策の実施を呼びかけた。

●XBB系統対応 モデルナ製承認 厚労省

 厚労省は12日、新型コロナのオミクロン株の亜系統「XBB」に対応する米モデルナ社製のワクチンを承認したと発表した。既に承認されている米ファイザー社製のワクチンとともに、全世代を対象に20日から始まる追加接種で使われる。同社は25日の週から各自治体に配送を始める。

 モデルナ社製のXBB対応ワクチンの対象年齢は6歳以上。同社は、XBB対応ワクチンについて、現在流行しているEG.5.1系統や、東京都で今月初めて確認されたBA.2.86系統に対して細胞への感染を防ぐ力を示す「中和活性」を確認したと発表している。20日からの接種は6カ月以上の全世代が対象だが、予防接種法上の「努力義務」や「接種勧奨」は高齢者や基礎疾患のある人に限られる。費用は引き続き全額公費。

【9月14日】

●尾身氏ら専門家3人 退任にあわせ3年半を総括

 14日、都内で開かれた記者会見で、政府の「新型インフルエンザ等対策推進会議」を退任した尾身前議長をはじめ、専門家3人が出席した。尾身氏は、新型コロナ対策に当たった3年半の活動を振り返り、感染対策と社会経済活動の両立を図りながら提言をまとめることの困難さに触れ、「正解がない中で大切にしてきたのは科学的に合理性があり、多くの人が納得できる提言をまとめ、その意図を市民に発信することだった」と述べた。

 また、川崎市健康安全研究所の岡部所長は「日本の死亡者の数は海外よりも低く抑えられ、やるべきことはやれた自負があるが、コロナ対策が教育など社会に深刻な影響を及ぼしたことも事実。こうした課題を乗り越えていくことが必要」と述べた。そして尾身氏は、「第9波と言われる状況でまだピークは見えず、コロナは完全に終わったわけではない。これからも社会活動を維持しながら、高齢者などを感染から守る取り組みが必要」と訴えた。

【9月15日】

●新型コロナの患者支援、10月から見直し

 新型コロナは、ことし5月に「5類」になったが、厚労省はその後も患者や医療機関への支援を一部継続してきた。厚労省は15日、10月から行う支援の縮小の具体的な内容を公表した。このうち、患者への支援の見直しでは、現在、全額公費で負担している高いもので9万円を超える高額なコロナ治療薬について、来月からは一部自己負担を求めることになった。

 年齢や所得に応じて、3000円~9000円の自己負担を求めるという。また、入院医療費については、これまで、1か月当たりの医療費が高額になった場合、「高額療養費制度」を適用したうえで、さらに最大2万円を補助してきたが、来月からは補助額を半額の最大1万円にする。

●医療機関への支援見直し

 一方、医療機関への支援の見直しでは、これまで医療機関が新型コロナ入院患者の受け入れに備えて病床を空けた場合、「病床確保料」として補助金を支払う、いわゆる「空床補償」をしてきた。来月からは感染状況が一定の基準を超えて拡大するまで支給しない。このほか、特例で加算していた診療報酬や、高齢者施設への支援についても見直す。厚労省は、新型コロナへの支援策を、来年4月からは季節性インフルなどの感染症と同様の対応とする方向で見直しを行うことにしている。

 厚労省の感染症部会の委員も務める国立国際医療研究センターの大曲国際感染症センター長は「新型コロナの患者を受け入れる医療機関は、十分に増えているとは言えない。さらに来月から、病床確保料などの支援策が削減され入院患者を受け入れる医療機関が減り、ベッドを探すのが難しくなるおそれがある。新型コロナの患者を受け入れる医療機関の労力は今でもとても大きいので、それに見合う支援策のあり方を今後も検討するべきだ」と指摘した。

 10月以降の患者支援と医療機関支援の見直し 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●コロナ予備費3.7兆円繰り越し 検査院「経緯示すべきだ」 2020、21年度

 会計検査院が2020年度と21年度に政府が新型コロナ対策としてあてた予備費を調べ、15日に公表した。2020年度は7兆9819億円のうち4兆7964億円が翌年度に繰り越された。2021年度は新たに4兆6185億円がついたが、国交省など6府省18事業に配分された約3兆7千億円の全額が翌年度に繰り越されていた。

 検査院は各省庁に予備費の執行状況を公表するよう求めるとともに「全額を翌年度に繰り越した場合は、決定時の想定や繰り越しに至った経緯を丁寧に示すべきだ」と指摘している。予備費は自然災害など「予見しがたい予算の不足」に対応するため、使い道を決めずに計上する予算。国会の事前審議なしで政府が自由に使えるため、「不透明」との批判が出ている。

●コロナ自然感染、高齢者は「4人に1人」 厚労省、年代別の抗体保有率公表

 新型コロナに自然感染した後にできる抗体を保有している人の割合(抗体保有率)について、5~29歳は7割前後で、高齢者は2~3割弱であることが分かった。15歳以下や70歳以上の抗体保有率が明らかになったのは初めて。厚労省が15日に調査結果を公表した。コロナに感染後、体内には抗体ができ、しばらく残る。ワクチンによる抗体と自然感染による抗体は区別でき、抗体保有率を調べれば、どれくらいの人が感染した経験があるのか分かる。

 調査では、今年7~8月の22府県4235人分の血液を調べたところ、全体の抗体保有率は45.3%だった。小中学生にあたる年代の子どもの7割が感染を経験した可能性がある一方で、70歳以上は、4人に1人程度しか自然感染の経験がないことになる。

●新型コロナの感染状況 前の週の0.98倍

 厚労省によると、今月10日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1545人減って9万9744人。また、1つの医療機関当たりの平均患者数は20.19人で前の週の0.98倍でほぼ横ばい。都道府県別では、多い順に宮城が32.47人、岩手29.87人、千葉27.45人、埼玉26.95人など、25の府県で前の週より増加。このほか、今月10日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万1566人で、前の週と比べて1744人減少。

 9月15日発表の定点把握(9月4日~10日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 厚労省は、全国の流行状況について「新型コロナの5類移行後、緩やかな増加傾向が続いていて、前の週からは減少したもののほぼ横ばいだといえる。年齢別では20歳未満が増加している一方でそれ以外は減少していて、学校再開などの影響が続いているとみられる。引き続き、感染対策を徹底してほしい」としている。

●専門家「新型コロナ、減少に転じるか注意して見る必要」

 感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は、新型コロナの現在の感染状況について「この夏にかけて感染者数は増加傾向が続いていたが、直近では横ばいとなっていて、ピークが見え始めているように見える。これまでの3年間は8月から9月にかけて感染拡大が続き、その後、収束したが、ことしも同様に横ばいから減少に転じていくのか、これから1週間か2週間は注意して見ていく必要がある」と話した。

 また、インフルエンザが同時に流行している状況については「新型コロナとの同時に検査できるキットが普及し、インフルが以前より見つかりやすくなったことも関係していると考えられるが、コロナ対策でここ数年、流行が抑えられ、免疫を持たない人が多いことが影響している。今の時期、冬のシーズンのように爆発的に患者が増加するリスクは低いと考えているが、流行状況に注意する必要がある」と話していた。

●新型コロナの病床使用率 6つの県で5割上回る

 厚労省は、入院している新型コロナの患者数や、確保されている病床の数、その使用率などを都道府県別に1週間ごとにまとめ、毎週公表している。病床使用率は、最新の今月6日の時点で最も高いのが、福岡で65%、神奈川59%、宮城58%、山形57%、栃木51%、兵庫50%と6つの県で5割を超えている。また、重症患者用の病床の使用率は、和歌山44%、山梨40%、岡山、愛媛、高知、熊本が33%などとなっている。

●オミクロン株の1種「EG.5.1」、最も多い

 国立感染研によると、国内で検出される新型コロナの変異ウイルスの割合はオミクロン株の1種「EG.5.1」が最も多く、来週の時点で63%になると推定されている。そのほか「XBB.1.16」が16%、「XBB.1.9」が9%などと推定されている。EG.5.1を含む系統は、WHOがVOI(注意すべき変異ウイルス)に指定して監視していて、世界的にも先月13日までの1週間で26.1%を占めている。

 東京大学医科学研究所の佐藤教授らのグループが発表した論文によると、EG.5.1は、細胞を使った実験で、細胞への感染力自体は一時、感染の主流となっていた従来の「XBB」系統のウイルスよりも下がっていた一方で、ワクチンの接種や感染によってできる中和抗体が効きにくかったということで、グループは「免疫を逃れる能力が高くなっている」と指摘している。また、世界的には「BA.2.86」という変異ウイルスへの警戒も高まっている。

●インフルエンザ 1医療機関当たりの患者数、前週より増加

 厚労省によると、今月10日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフル患者数は2万2111人で、前の週から9473人増えた。1医療機関当たりでは4.48人で、前の週から1.92人増えている。前週の2.56人から1.75倍に。コロナとの同時流行により、学級閉鎖は全国で627校に上った。国立感染研によると、このデータを基に推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ15万1000人だという。

 都道府県別では、いずれも1医療機関当たりで、沖縄が13.43人と最も多く、注意報レベルとされる「10」人を超えたほか、長崎8.8人、千葉8.58人、福岡7.56人、宮城7.34人などとなっていて、全国の44の都道府県で前の週より増加した。厚労省では例年この時期からインフルの集計を発表し、1医療機関当たりの患者が1人を上回ると全国的な「流行期入り」の目安としていたが、今年は、去年12月から1人を一度も下回らないまま新たなシーズンとなった。

【9月18日】

●新型コロナ19万人余調査、成人1~2割が「後遺症」  厚労省研究班

 新型コロナのいわゆる「後遺症」について国の研究班が3つの自治体で19万人余りを対象に行ったアンケート調査の結果、成人の1割から2割余りが咳や倦怠感など何らかの症状が感染から2か月以上続いたと答えたことが分かった。調査は厚労省の研究班が東京・品川区、大阪府八尾市、それに札幌市の住民を対象に行った。

 この中で、去年9月までに新型コロナに感染し、咳や倦怠感などが2か月以上続くいわゆる「後遺症」とみられる症状があると答えた人の割合は、成人では札幌市で23.4%、八尾市で15.0%、品川区で11.7%ととなった。一方、5歳から17歳の小児を調査した札幌市と八尾市ではいずれも6.3%と、成人より低い割合。また感染前にワクチンを接種した人は接種していない人に比べて、成人と小児のいずれも症状が続いた人の割合がおよそ25%から55%低かったという。

【9月20日】

●オミクロン株派生型対応ワクチン、全世代で接種開始

 新型コロナは、ことし5月に法的位置づけが5類に変更されたが、厚労省は今年度末まで自己負担なしで接種することができる特例接種を続けている。20日から冬に懸念される感染拡大に備え、希望する生後6か月以上のすべての人を対象にした接種が始まった。全額公費での特例接種は今年度末までで終了することが決まっている。厚労省は、来年度以降の接種については、一部自己負担が生じるケースもある「定期接種」に移行することも含めて、検討している。

 厚労省は自治体が住民に接種を勧める「接種勧奨」や、接種を受けるよう努めなければならないとする「努力義務」について、今回の接種からは高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い人にのみ適用し、それ以外の65歳未満の健康な人には接種勧奨や努力義務を適用しないことになった。また、多くの自治体で来月から始まるインフルと新型コロナのワクチンを同時に接種しても、安全性や有効性に問題はないとしている。

●「XBB.1.5」対応ワクチンとは  「EG.5.1」への効果は

 20日から接種が始まるワクチンは、オミクロン株の一種「XBB.1.5」対応の成分が含まれたワクチン。国立感染研によると現在、流行の主流となっているのはXBB系統からさらに変異した「EG.5」と呼ばれるウイルスで、今週の時点でこのうち「EG.5.1」が63%を占めると推定されている。「XBB.1.5」対応ワクチンを開発した米製薬会社2社は、臨床試験などで「EG.5」や「BA.2.86」など、新たな変異ウイルスに対しても免疫反応がみられたとしている。

 また、東京大学医科学研究所の佐藤教授が主宰する研究グループによると、培養細胞を使った実験から「EG.5.1」は、感染力がこれまでの「XBB」系統より下がっていた一方で、免疫を逃れる能力は高くなっている可能性があるとしている。また、感染症に詳しい東京医科大学の濱田特任教授は「ワクチンの効果には、重症化予防と感染予防があるが、XBB.1.5対応のワクチンはEG.5に対しても重症化予防の効果は十分に期待できる」と話していた。

●ワクチン接種 これまでに4億700万回余

 政府のまとめによると新型コロナワクチンの接種は、9月17日までの時点で合わせて4億700万回余り行われた。このうち、42%にあたる1億7400万回余りが65歳以上の高齢者に対する接種。また接種した回数別にみると「初回接種」にあたる2回目の接種を終えている人は79.8%、3回目の接種を終えている人は68.8%。一方で高齢者の接種率は高く、3回目の接種を終えている人は91.5%にのぼる。

 国内のワクチン接種人数(9月19日公表) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●これまで使用の従来型対応ワクチン、廃棄へ

 オミクロン株の派生型に対応した新型コロナワクチンの接種が始まるのに合わせて、厚労省は、これまで使っていたワクチンの廃棄について発表した。このうち、従来株に対応したファイザーのワクチンは、購入したおよそ2億7480万回分のうち、使用しなかった830万回分を廃棄する。

 また、オミクロン株に対応した2価ワクチンについては、ファイザーのおよそ1億2510万回分のうち21%余りにあたるおよそ2650万回分と、モデルナのおよそ7000万回分のうち73%余りにあたるおよそ5150万回分は、有効期限を迎えたものから順次廃棄する予定。厚労省は「感染が拡大する中で色々な可能性を視野に入れて必要なワクチンの量を確実に確保できるよう購入を進めてきたので、廃棄されるものもあるが購入した行為自体は無駄ではないと考えている」としている。

【9月22日】

●新型コロナの感染状況 前週の0.87倍

 厚労省によると、今月17日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1万3234人減って8万6510人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は17.54人で、前の週の0.87倍となった。都道府県別では、多い順に埼玉が24.98人、千葉23.99人、宮城22.77人、愛知22.74人、岩手21.44人などとなっている。このほか、今月17日までの1週間に新たに入院した人は全国で8920人で、前の週と比べて2905人の減少となった。

 厚労省は、全国の流行状況について「緩やかな増加傾向が続いたのち2週連続で前の週から減少したものの、ピークを越えたかどうかは注視が必要だ。特に10代は増加しており、夏休みが明け学校再開の影響が続いているとみられる。引き続き感染対策を徹底してほしい」としている。

 9月22日発表の定点把握(9月11日~17日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●新型コロナ 夏の感染拡大の波はピークを越えたとみられる

 感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は、新型コロナの現在の感染状況について「前の週から2週間連続で減少傾向が続き、入院患者の数も減少していることから、この夏の感染拡大の波はピークを越えたとみられている。ただ、人の動きは活発でマスクを着けていない人も増えている中で、ここから急に感染者の数が減少するとは考えにくい」と指摘している。

 また、今月20日からオミクロン株の派生型「XBB」系統に対応するワクチンの接種が始まったことについて「高齢者や基礎疾患のある人たちで、最後にワクチンを打ってから4か月から6か月が経過した人たちは重症化リスクも考えワクチン接種を早めに進めることが大事。ワクチンの接種には感染後に続く『後遺症』を抑える効果があるという報告もあるので、若い人でも重症化リスクのある人と接する機会のある人は接種を検討してもらいたい」と話していた。

●「インフル、4週間以内に大流行の可能性 対策を」小池都知事

 インフルエンザについて、東京都は21日、統計を取り始めた1999年以降、最も早く「流行注意報」を出した。これについて、小池知事は22日の記者会見で「今後4週間以内に、大きな流行が発生する可能性が高いことを教えてくれているので、十分な注意を行ってほしい」と述べ、新型コロナへの感染予防のためにも、換気や手洗いなどの対策を心がけるよう呼びかけた。また、新型コロナについては「若干、落ち着きつつあるのではないか。ただ10代の感染が伸びているという状況」と述べた。

●インフルエンザ患者数、前週の約1.5倍

 厚労省によると、今月17日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告されたインフル患者数は3万4665人で、前の週からおよそ1.5倍に増えている。1医療機関当たりの患者数は全国で7.03人で、都道府県別では、沖縄が20.85人と最も多く、千葉14.54人、愛媛12.07人、佐賀11.95人、東京11.37人などとなっている。このうちこのうち7つの都県では、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを示す「注意報レベル」の基準値10人を超えている。

 感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は、「しばらくは感染拡大が続く兆候がみられている。近く、全国で『注意報レベル』の10人を超える可能性もあり、来週や再来週の推移は特に注意する必要がある」と話している。そして「マスクを必要に応じて使うことや換気、3密を避けることなど基本的な感染対策が、コロナだけでなくインフルエンザの予防にも有効。深刻な同時流行を起こさないために対策を取ってもらいたい」と話していた。

●コロナ患者、労災申請低調 経路不明でも認定例、周知に課題

 業務中の新型コロナ感染で労災認定を受けたあとに、後遺症が続いて傷病補償年金を支給する事例が出てきた。ただ、コロナで労災が認められることへの認知が広がっていない可能性があり、医療関係者は周知する必要を訴える。厚労省によると、コロナ感染に伴う労災は、8月末までに約21万件の申請があり、約20万件が支給された。だが、感染者は全数把握されていた5月までに3300万人超に上り、申請した人は、このうちの0.6%程度にとどまる。

 労災が認められれば、治療費が全額支払われるほか、仕事を休んだ場合は4日目から賃金の8割相当を給付される。死亡時には遺族に補償金が支払われる。さらに治療から1年6カ月が経過しても症状が治らないと、傷病補償年金が受け取れる可能性がある。コロナの後遺症のクリニック院長は「後遺症で倦怠感などが続き、仕事を失う人もいる。経済的負担が大きく、労災保険はまさに『命綱』だ」と説明する。

●コロナ後遺症で傷病年金 初事例か 老人ホーム勤務の女性

 新型コロナに業務中に感染して労災認定を受けた後、後遺症が続いているとして東京都内の女性に傷病補償年金が支給された。女性を支援するNPO法人「東京労働安全衛生センター」が22日に会見を開き、明らかにした。コロナによる労災はこれまでに約20万件が認定されているが、その後の後遺症で傷病年金の支給につながるのは珍しい。同センターは「初めての事例ではないか。国にも今回の先行事例をもとに積極的な認定を考えてもらいたい」と語る。

 女性は、老人ホームの事務職として勤務していた2021年1月に施設内でコロナに感染し、高熱などで一時入院した。退院後も呼吸困難の症状が改善せず、仕事は休職し、在宅で酸素吸入が必要な状態が続いた。青梅労働基準監督署で労災認定されたあとも、在宅で酸素療法を続けざるを得ない状態という。今年5月になって労基署が傷病等級3級に認定し、年金支給を決定したという。

【9月23日】

●7~8月の山岳遭難、統計開始後最多738件、死者・行方不明者61人に

 新型コロナの5類移行を受けてひさしぶりに登山を楽しむ人が増えていることなどから、全国で山岳遭難が増えている。今年7月と8月の山岳遭難は統計を取り始めてから最も多くなり、合わせて738件、809人。死者・行方不明者は61人。9月に入っても死亡事故などが相次いでいて、警察が注意を呼びかけている。

 長野県警山岳安全対策課は、「新型コロナの制限緩和を受けてひさしぶりに登山を再開する人が増える中、難易度が高くない一般登山道でも遭難が相次いでいる。特に加齢や体力不足に伴う疲労で下山中に足下がふらつき、滑落したり転倒したりする事故が多いので、日頃からトレーニングを行い、自分の体力にあった山を選んで登山を楽しんでほしい」。また登山指導者は「いつも行っている山より少しレベルを下げて登り、体調の変化を感じたら早めに下山すること・・・」と話す。

【9月25日】

●北朝鮮、外国人の入国を許可 中国国営テレビが報道 国境開放進む

 中国国営中央テレビ(CCTV)は25日、北朝鮮が同日から外国人の入国を許可したと伝えた。入国後に2日間の隔離を義務づけるという。北朝鮮は8月下旬、新型コロナ対策を理由に約3年7カ月にわたって封鎖した国境の限定的な開放に乗り出したが、外国人の扱いについては明らかにしていなかった。

 長期間、国境を封鎖したことで、北朝鮮の慢性的な食料・物資不足はさらに悪化した。北朝鮮は8月に国外からの自国民の帰国を認めたのに続き、今後は外国人ビジネス関係者らの往来も増やし、経済状況の改善につなげたい考えがあるとみられる。ただ、すぐに観光客を含めた外国人をコロナ禍前と同じ水準で受け入れるのかどうかは不明。

【9月26日】

●ロンドン近郊の空港で管制官が相次ぎコロナ感染 欠航も 

 英国のロンドン近郊にあるガトウィック空港が25日に発表したところによると、管制塔に勤務する管制官のうちおよそ30%が新型コロナに感染するなどして体調を崩し、勤務できない状態となった。その結果、発着便の数を1日800便に制限することになり、10月1日までに合わせて164便の欠航が決まったという。英国政府によると、イングランドでは一時1日に200人程度にまで減っていた新型コロナの新規感染者数が、今月は連日1000人を超えるようになっている。

●人工透析患者 新型コロナ「5類」移行後も感染時の致死率 約2%

 人工透析を行う医師などで作る日本透析医会は、新型コロナが「5類」に移行したあとの透析患者の感染状況について独自に調査を行った。その結果、ことし5月から9月12日までに全国の61の透析施設から報告された新型コロナの感染者257人のうち、亡くなった人は6人で、致死率は2.3%となっていた。また、感染が確認された時点で重症になっていた人は全体の7.4%。

 日本透析医会によると、これらは去年からことしにかけての流行の「第8波」の際とほぼ同じ水準だという。医会では透析を受けている人は「5類」以降後も、引き続き感染に注意が必要だとしている。医会の菊地理事は「5類移行後は感染を気にしなくなった人も増えているが、腎不全や透析の患者など基礎疾患がある人は今も重症化リスクが高いので、ワクチン接種など対策に努めてほしい」と話していた。

●愛知、コロナワクチン接種直後に死亡 調査委が検証結果公表

 去年11月、愛知県愛西市の集団接種会場で、新型コロナワクチンの4回目の接種を受けた女性が接種直後、息苦しさを訴えたあと容体が急変し、死亡した。愛西市は専門家による「医療事故調査委員会」で原因の調査を進め、26日、報告書を公表した。報告書では当時の女性が接種後の経過観察中にせきが出始め、その後、息苦しさを強く訴え、症状が出始めてから10分後に心停止となっていることから、「アナフィラキシーを起こしていた可能性が高い」としている。

 そして、当時、医師がアナフィラキシーの治療薬のアドレナリンを投与しなかったことは標準的ではないと指摘したうえで、「早期にアドレナリンが投与された場合、救命できた可能性を否定できず、投与されなかったことの影響は大きい」としている。また、接種会場の体制について、接種を始める前に、医師と看護師が集まって、急変時の対応の確認などが行われず、救命のためのチームワークが十分実行されなかったと指摘し、再発防止策を提言している。

【9月27日】

●医療費1回7841円、コロナ禍急増 報酬抑えたい財務省、医療界は反発

 財務省は27日の財政制度等審議会の分科会で、全国にある診療所の1回の受診あたりの医療費が2022年度に7841円だったとの試算を発表した。コロナ前の2019年度比13%増と、コロナ禍で急増した。物価上昇率を上回る伸びとなり、「診療単価のあり方などの見直しが必要」と提言した。財務省によると、高齢化が進んだことや、医療の高度化で医療費のかかる処置が増えたとみている。今回の試算では、新型コロナの補助金に関わる費用は除いた。

 2024年度は医療サービスを受ける時の料金である診療報酬の改定年にあたり、年末の決定に向けて日本医師会などは、物価高を診療報酬に反映させるよう求めている。だが、財務省は診療所の売上高は伸びていると主張しており、診療報酬を抑えたいねらいがある。財務省が慎重なのは、診療所の医療費が増えていることに加えて、新型コロナ対策による病床確保料やワクチン接種など 補助金で病院の利益が増えていることがある。

埼玉県内の新型コロナ感染者数、前週の約半分に減少

 埼玉県が27日発表した新型コロナの感染状況によると、今月18日から24日までの1週間に定点把握の対象となっている261の医療機関から報告のあった新たな感染者数は3268人。1医療機関当たりでは12.62人で、24.98人だった前の週と比べておよそ半分に減少した。

 世代別にみると、10代が844人と最も多く、10歳未満が521人と続いているが、すべての世代で前の週よりも減少したという。県は感染者数が減少傾向に転じているものの、高齢者や基礎疾患がある人にとっては重症化リスクが高いとして、体調が悪いときは外出を控えるなど引き続き感染対策を徹底するよう呼びかけている。

【9月28日】

●東京都の新型コロナ感染者数、前週より大きく減少も基本的対策を

 東京都は28日、都内の新型コロナの感染状況について、モニタリング項目を発表した。それによると、定点把握の対象になっている都内419の医療機関のうち、415か所から報告があり、9月24日までの1週間の感染者数は合わせて3688人で、1医療機関当たり8.89人。これは前の週の16.04人のおよそ55%となり、大きく減少した。また、9月25日時点での入院患者数は1769人で、前の週より483人減った。

 専門家は「祝日に伴い定点医療機関の診療日数が減り低めの数値となっている可能性があり注意が必要だ。インフルエンザなどの受診者が増加してきており、医療提供体制への負担が長期化している」などと指摘し基本的な感染対策の継続を呼びかけた。

【9月29日】

●新型コロナ感染状況 全都道府県減少、前週比0.63倍 「ピークアウト可能性」

 厚労省によると、9月24日までの1週間に全国およそ5千の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から3万2164人減って5万4346人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は11.01人で前の週の0.63倍。前の週から減少が続くのは3週連続で、すべての都道府県で減少した。

 都道府県別では多い順に、愛知16.61人、岐阜15.24人、茨城14.53人、千葉14.43人、熊本12.74人などとなっている。このほか、9月24日までの1週間に新たに入院した人は全国で7685人で、前の週と比べて2288人の減少。厚労省は全国の流行状況について「3週連続で前の週から減少しているほか、今回はすべての都道府県で減少していてピークアウトの可能性がある。引き続き感染対策を続けてほしい」としている。

 9月29日発表の定点把握(9月18日~24日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●専門家「都市部でも明確に減少 ピーク超えたといえる」

 感染症に詳しい東邦大学の舘田教授は、新型コロナの現在の感染状況について「感染者の数は東京都など都市部でも明確に減っていて、減少傾向が9月以降続いていることから、ピークを超えたといえる状況」。そのうえで「現在、主流となっているのはオミクロン株のXBB系統となる『EG.5』で、新たな変異ウイルスが広がっている状況ではないので、減少傾向はしばらく続くと考えられる。ただ、いつまで減少が続くか注意して見る必要がある」と話していた。

 そのうえで「この冬にコロナとインフルエンザの感染拡大が重なって、同時流行が起きないかが懸念される。10月からはインフルワクチンの接種が始まり、コロナでは、XBB系統に対応するワクチンの接種がすでに始まっている。特に高齢者や基礎疾患があり重症化しやすい人は、いずれのワクチンも接種し、そのほかの人も希望する人は早めに接種を済ませてほしい」と話していた。

●インフルエンザ感染広がる 「ワクチン積極的な接種推奨」 日本感染症学会

 日本感染症学会は、インフルワクチンなどの接種についての文書をウェブサイトで公開した。2020年以降、インフルの大きな流行がなかったことから子どもや高齢者を中心に抗体の量が減って感染しやすい状態の人が増えている可能性があると指摘。ことしは、例年の流行しやすい時期に限らず流行し、規模も大きくなる可能性があること、新型コロナとの同時流行が懸念されることから、「インフルワクチンの積極的な接種を推奨する」としている。

 また、ワクチンの供給量は例年以上となる見込みのため、子どもや高齢者、それに基礎疾患がある人など重症化のリスクが高い人だけでなく、リスクが低い人も含めてより積極的に接種の推進が可能とした。一方、高齢者や基礎疾患がある人などについてはインフルにかかった後の肺炎の予防も重要だとして、肺炎の原因となる肺炎球菌ワクチンの接種も推奨するとしたほか、新型コロナワクチンの接種も推奨するとした。

2023年9月 4日 (月)

新型コロナ2023.08 EG.5系統

 厚労省は8月18日、全国に約5千ある定点医療機関に8月7~13日に報告された新規感染者数は計6万7070人で、1定点あたり14.16人だったと発表。4月上旬から緩やかな増加が続いていたが、 前の週の約0.90倍で2週連続の減少となった。一方、世界的に広がり、WHOが9日に「注目すべき変異株」に指定した「EG.5.1」が、国内でも増えている。

 ところが8月25日、14~20日までに報告された患者数は、前の週から1万9686人増え8万6756人。1定点当たり17.84人、前の週の1.26倍の増加に転じた。厚労省は「お盆期間に人に会う機会が増えた影響などもあり、緩やかな増加に転じた。例年、お盆が明けた時期に感染拡大のピークを迎える傾向があり、増加傾向が続くかどうか注視したい」とした。


 2023年8月1日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2023.07 漸増続く」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【8月1日】

●コロナワクチン、「定期接種」に変更するか本格検討へ厚労省

 新型コロナワクチンの接種については、接種費用を全額公費で負担する「特例臨時接種」で行われ、ことし5月に感染症法上の位置づけが5類に変更されたあとも、今年度の接種については、無料で受けることができる。来年度以降の接種について、厚労省は「特例臨時接種」ではなく、はしかや季節性インフルエンザなどと同様に「定期接種」に変更するかどうか、今月から本格的に検討を始める方針。

「定期接種」には、費用を自治体が負担し実質無料となるケースもあるが、一部自己負担となるケースもある。厚労省は、今月開催予定の専門家の会議で議論を始め、ワクチンの効果が継続する期間などを見極めた上で「定期接種」として実施する場合の費用負担のあり方や、接種の対象者などについて、検討していくことにしている。

【8月3日】

●東京都の感染者数、前週の1.19倍 6週連続で増加

 3日、東京都庁で感染症の対策会議が開かれ、都内の新型コロナの感染者数が公表された。定点把握対象の都内419の医療機関のうち、415か所から報告があり、先月30日までの1週間で合わせて4613人で、1医療機関当たりでは11.12人となった。これは、前の週の1.19倍と、6週続けて増えていて、このうち60歳以上は1.82人と前の週の1.36倍。

【8月4日】

●新型コロナ専門家組織「夏の間、感染者数が増え続ける可能性」

 厚労省の専門家組織の会合が4日、7月7日以来およそ1か月ぶりに開かれ、最新の感染状況の分析結果が示された。それによると、新規患者数は全国的には4月上旬以降、緩やかな増加傾向が続き、5類移行後も11週連続で増加している。地域別では、先行して感染が拡大した沖縄県で減少傾向がみられるものの、42の都府県で前の週より増えている。

 新たな入院患者や重症患者は全国的に増加傾向が続いているものの、医療提供体制の逼迫はみられていないという。ただ、救急搬送が困難なケースは増加が続いているとしている。また、オミクロン株のうちの「XBB系統」が大部分を占めていて、中でもより感染を広げやすいとされる「EG.5.1」が増加しているという。

●脇田座長「重症者数の増加の詳細の解析必要」

 厚労省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は現在の感染状況について「感染者数は11週連続で増加していて、感染が拡大していることは間違いない。夏休みで人出が増え、ふだん会わない人と接する機会が多くなることは流行が広がるきっかけになる」と述べた。

 そのうえで、先月中旬以降、重症者数が増えていることについて「免疫を逃れやすい新たな変異ウイルスの割合が増えてきている。重症者数の増加が、ウイルスのタイプが変わったからなのか、感染が拡大して入院者数自体が増えたからなのか、詳しい分析はできていない。モニタリングをしっかりして、研究や解析をすることが必要ではないか」と述べた。

●42都府県で前の週より増加

 厚労省によると、先月30日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナ患者数は、前週から9901人増えて7万8502人となった。1つの医療機関当たりの平均患者数は15.91人、前週の1.14倍。17週連続の増加。都道府県別では佐賀31.79人、長崎30.29人、宮崎27.21人、鳥取25.52人、熊本24.66人など、42の都府県で増加。先月30日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万1146人で、前の週と比べて1751人の増加。

 8月4日発表の定点把握(7月24日~7月30日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 厚労省は全国の流行状況について「全国的に緩やかな増加傾向が続いているほか、夏の間に感染が拡大する可能性もあり、医療提供体制への負荷が増えることも懸念される。定期的に換気するほか必要な場面でマスクを着用するなど基本的な感染対策を行って欲しい」としている。また、今後の医療の逼迫を防ぐため、厚労省は各都道府県が住民への注意喚起を行う際に参考にしてもらうための目安を作成する方向で検討することになった。

 夏の感染対策のポイント 出典:厚生労働省ホームページ

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【8月5日】

●東京 じわり入院増、身構える 「1カ月で倍」「既に第8波の半分」

 7月末現在、都内には約1750人の入院患者がいる。直近3回の流行の波のピーク時には、都内の入院患者は約4千~4500人。この水準が都内のベッド数の限界とされる。連日の猛暑で熱中症患者も増える中、医療現場はコロナ感染者の急増に警戒を強めている。都立多摩総合医療センターは7月からコロナ入院患者が増え始め、いまは1カ月前の約2倍の20~30人。高齢者は発熱や倦怠感、基礎疾患の悪化などの症状が多く、若い人も喉の痛みで食事できない人がいる。

 東京医科歯科大病院には、3日時点で重症2人、中等症11人が入院。同病院の植木室長は「7月に入ってじわじわ入院が必要な患者が増えてきた」と話す。熱中症患者が増えたこともあり、救急車は1日に平均30台ほど受け入れる。室長は「前回の第8波が急峻な山だったのに対して、今はゆっくりとじわじわ。現状は(第8波)ピーク時の半分ぐらいではないか」。過去3年の夏の流行は一気に感染者が増え、医療の逼迫につながった。

【8月7日】

●委託費詐取容疑、社員2人追送検 近ツー、新たに1.7億円

 近畿日本ツーリストによる新型コロナワクチンの業務委託費をめぐる詐欺事件で、大阪府警は7日、新たに2自治体から計約1億7千万円をだまし取ったとして、関西法人MICE支店(大阪市浪速区)の元支店長と元グループリーダーを詐欺容疑で追送検したと発表した。別の社員3人も詐欺容疑で書類送検した。府警は同支店と静岡支店の計7人を立件し、2支店で詐取したとされる総額は約12億8800万円となった。

 捜査2課によると、容疑者らはそれぞれ共謀してワクチン接種などのコールセンターの業務委託費を過大請求。大阪府から2022年4~11月に約9370万円、同府羽曳野市から2021年10~11月に約7690万円をだまし取った疑いがある。

【8月9日】

●コロナワクチン、定期接種検討 厚労省で協議、年内に結論

 新型コロナワクチン接種の位置づけについて、厚労省が9日、議論を始めた。全額を公費でまかなう現在の「臨時接種」から、自己負担が生じる可能性がある「定期接種」への移行を視野に、年内に結論を出す予定。オミクロン株が流行し、重症化率が低下したことなどから、昨年11月の財務省の財政制度等審議会が定期接種化を検討すべきだとしていた。だが、流行の継続を理由に、今年度末までは期限を延長し臨時接種が続けられている。

 9日に開かれた厚労省の専門家分科会では、「費用対効果なども考える時期」といった意見が出た。今後、別の専門家部会でウイルスの重篤性やワクチンの有効性、費用対効果などについて議論を進める。また、分科会では、9月20日からの全世代を対象にした接種についても議論。現在主流のオミクロン株XBB系統に対応したワクチンの製造販売が承認されれば、これを使用する方針を了承し、「生後6カ月以上」を接種対象とすることを決めた。

●コロナ感染拡大時「注意喚起の目安」 4指標作成 厚労省

 「定点把握」を行っている季節性インフルエンザのように都道府県が「注意報」や「警報」を出すための指標はない。厚労省は、自治体からの求めに応じて感染拡大時に都道府県が住民に注意喚起したり医療提供体制を強化したりする際の参考にしてもらうための目安として、4つの指標を作成し、9日自治体に示した。

 指標は、医療機関が受診者数などを報告するシステムに「外来が逼迫している」と回答した割合が25%を超えたとき、感染者数が直近の感染拡大時に「外来が逼迫している」と回答した割合がピークとなる2週間前の数を超えたとき、入院者数がこれまでのオミクロン株による感染拡大時の半数を超えたとき、それに確保病床の使用率が50%を超えたときの4つ。

【8月14日】

●コロナ後遺症 シニアご注意 うつ・介護リスク

 新型コロナ感染症の後遺症のリスクについて、医療法人「徳洲会」のチームが発表した。1期(2020年1月~2021年6月)、デルタ株が流行した2期(2021年7~12月)、オミクロン株が流行した3期(2022年1~6月)に分け、新型コロナ感染症と診断された約12万人の電子カルテを解析した。診断から2週間以降の「慢性期」の症状を後遺症とした。

 解析の結果、60歳以上は若い人に比べてうつ傾向になる率が高く、要介護度が上がる傾向もわかった。今井プロジェクトリーダーは「高齢者は生活の質の低下につながる後遺症のリスクが高いので、慎重に経過をみてほしい」と話した。

●全国の感染状況、前週比わずかに減少も ほぼ横ばい

 厚労省によると、今月6日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から565人減って7万7937人。また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は15.81人で前の週の0.99倍となり、5月8日に5類に移行してから11週連続で増加が続いていたが、初めて減少となったが微減であり、ほぼ横ばいの状態といえる。

 都道府県別では多い順に佐賀34.69人、長崎28.46人、宮崎25.84人、大分24.86人、石川24.1人、前週比では青森(約1.65倍)など23都道県で増加。最も減ったのは沖縄の約0.60倍だった。このほか、今月6日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万1801人で、前の週と比べて167人の増加。厚労省は「例年、お盆明けは感染拡大のピークとなるので、高齢者と一緒に過ごす際には体調に留意し、マスクを着用するなど引き続き感染対策を行ってほしい」としている。

 8月14日発表の定点把握(7月31日~8月6日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●専門家「今月末に向けて再び増加も」

 感染症に詳しい東京医科大学の濱田特任教授は「1週間前に比べてやや減少しているが、夏休み期間で10代の学校での感染が減ったことが要因として考えられる。一方で、60代以上の高齢者は引き続き増加が続いていて、横ばいの状況」と話す。今後の見通しは、お盆で人の移動が活発になっていることで、人と人との接触が増え、感染が広がりやすい状況になっているとして「今月末に向けて再び増加に転じる可能性が高い」と指摘した。

 また現在、オミクロン株のうち、EG.5という変異ウイルスが増加傾向にあることについて「EG.5は従来のオミクロン株よりやや感染力が強いのではないかと懸念されていて、世界的にも感染が拡大している。WHOは病原性は高くないのではないかとしているが、感染力がどの程度なのか注視していく必要がある」と述べた。

【8月16日】

●7月訪日客、コロナ前の77%に回復 中国団体旅行解禁、さらに増か

 日本政府観光局は16日、7月の訪日外国人客が232万600人だったと発表した。コロナ拡大前の2019年同月(299万1189人)の77.6%に回復。中国本土からを除くと、2019年同月を3.4%上回り、コロナ前の水準を初めて超えた。国・地域別では、韓国が62万6800人で最も多く、台湾が42万2300人。中国は31万3300人で、昨年10月の水際対策緩和以降初めて上位3位に入った。2019年同月の3割ほどにとどまるが、今後は大きく回復するとみられる。

 コロナ前は中国の訪日客の約3割を団体客が占め、100万人が訪日する月もあった。2019年に比べると2割ほど円安、来年夏にはその水準に回復するという予測がある。一方で、海外旅行代金はコロナ前より高く、比較的安い団体ツアーを選ぶ客層は中国内旅行に流れるという。日本では人手不足で訪日客の受け入れ態勢が課題。中国からの団体客がコロナ前のように来日すれば、高騰している宿泊料金はさらに上がるとみられる。

【8月18日】

●全国感染状況、前週比減少も「引き続き対策を」

 厚労省によると、今月13日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナ患者数は、前の週から1万867人減って6万7070人。また、1つの医療機関当たりの平均患者数は14.16人で前の週の0.9倍で2週連続減少。都道府県別では佐賀24.59人、石川21.06人、鳥取20.76人、愛知20.7人、大分20.45人など、12道県で前の週より増加している。このほか、今月13日までの1週間に新たな入院患者は全国で1万1696人、前の週と比べて585人の減少。

 厚労省は全国の流行状況について「定点当たりの患者数は減少したものの、例年、お盆明け以降に感染が拡大する傾向がある。お盆期間の接触機会の増加がどのように影響してくるか今後も感染者数の推移には注意が必要だ。体調に留意し、引き続き感染対策を行って欲しい」としている。

 8月18日発表の定点把握(8月7日~13日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●専門家「ピークアウトと考えるのはまだ早い」

 感染症に詳しい東京医科大学の濱田特任教授は「全国の定点の感染者数は2週連続で減少しているが、学校が夏休みに入り、子どもたちの学校での感染が減ったことやお盆で休みの医療機関が増え、診断を受ける人が少なかったことなどが影響していると考えられる。ピークアウトしたと考えるのはまだ早いのではないか」と分析している。今後は、「お盆で人が一斉に移動し、人と人との接触が増えたためお盆休み明けに感染者が増加することが予想される」とする。

 その上で「引き続き人の移動が活発な時期が続くほか、部屋を閉めきって冷房をかけることで換気が不十分になることも考えられる。今月いっぱいは感染者が増加する可能性があるので、感染状況に注意していく必要がある」と話す。その上で「感染の拡大を防ぐためにもお盆の休み明けに体調不良を感じたら無理して出勤せず、検査を受けたり、自宅で療養したりすることが大切だ」と注意を呼びかけている。

●注目すべき変異株「EG.5.1」

 世界的に広がり、WHOが9日に「注目すべき変異株(VOI)」に指定した「EG.5.1」が国内でも増えている。国立感染研の報告によると、7月下旬時点でEG.5系統が国内で最も多い23.6%となった。EG.5系統は、XBB.1.9系統にさらに変異が入ったタイプで、WHOの報告では、現時点ではこれまでのXBB系統と比べて、重症度は高くなっていないが、免疫を回避する傾向にあり、今後蔓延する可能性はあるという。

 また、WHOは17日、多数の変異がある変異株「BA.2.86」についても「監視下の変異株」に指定した。まだ日本以外の数カ国でしか見つかっていない。現時点でウイルスの性質はわかっていない。

【8月20日】

●成田空港、帰国ラッシュピーク お盆休みの出入国者、去年の3.6倍

 成田空港では、お盆休みを海外で過ごした人たちの帰国ラッシュがピークを迎え、20日は午前中から大きな荷物を持った家族連れなどで混雑している。空港会社によると、ことしは新型コロナの5類移行後初めてのお盆休みとなり、8月10日から20日までに成田空港から出入国する人は77万人余りと、去年の同じ時期の3.6倍に上ると見込まれているが、新型コロナ感染拡大前の2019年と比べると7割弱にとどまっているという。

●中小倒産、「5類」でも増 コロナ支援終了、「ゼロゼロ」返済本格化

 中小企業の倒産が、コロナ下を上回るペースで増えている。新型コロナが5類移行後も、業界によっては期待されたほど業績が戻っていないため。手厚い公的支援は打ち切られ、物価高が追い打ちをかける。中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済も本格化しており、今後さらに増える可能性がある。電気、ガス料金の値上げや物価高などの負担も重しになっている。

 東京商工リサーチによると、5月の中小企業の倒産件数は704件(前年同月比34.3%増)、ゼロゼロ融資の返済開始がピークを迎えた7月は758件(53.7%増)だった。7月に倒産件数が最も多かった業種は、「サービス業他」で262件(69.0%増)。全体の34.5%を占めた。そのうち飲食業が71件(73.1%増)と増加が目立った。5類移行後、インバウンド需要の盛り上がりなどを受け、サービス業のうち宿泊業などは回復傾向にあるが、飲食業は厳しい状況が続く。

【8月21日】

●観光庁長官「訪日旅行者、年内にもコロナ前水準回復の見通し」

 日本政府観光局のまとめによると、先月日本を訪れた外国人旅行者は232万人余りと推計され、新型コロナの感染拡大前の2019年との比較で77%の水準まで回復している。

 今月10日に中国から日本への団体旅行が解禁されたことについて、観光庁の高橋長官は「10月の国慶節の時期には中国からの団体旅行客が本格化すると想定。ひと月当たりの訪日客数が年内にもコロナ前の水準に戻ることも視野に入れている」。一方で「観光需要の急速な回復で宿泊施設などで人手不足が顕著になり、宿泊施設では稼働を落とさざるをえない状況も生じている」と述べ、今後、宿泊や旅行業界の人手不足の解消に向けて国として支援を強化する考えを示した。

◆コロナワクチン接種後に死亡、新たに9人に死亡一時金など支給へ

 厚労省は21日、新型コロナワクチン接種後に脳梗塞や呼吸不全、気管支ぜんそくなどで亡くなった49歳から96歳の男女9人について、予防接種法に基づいた健康被害の救済制度で、国が因果関係が否定できないと認定し、新たに認定することを決めた。厚労省は、このほか7月31日にも、21歳から90歳の38人を認定していて、新型コロナのワクチン接種で死亡一時金などの支給が認められたのは、今回の9人を含めて、10代から90代までの合わせて156人となった。

【8月24日】

●尾身会長、退任へ 組織見直しで分科会廃止、内閣感染症危機管理統括庁、発足

 政府は、有識者による「新型コロナ感染症対策分科会」と「基本的対処方針分科会」を廃止する方針を固めた。両分科会は、政府の「新型インフルエンザ等対策推進会議」の下に置かれている。会議の議長、両分科会の会長を務める尾身茂氏は退任する。来月9月1日の「内閣感染症危機管理統括庁」の発足に伴う対応で、近く発表予定。発足に合わせて分科会を廃止し、推進会議に機能を集約する方向。

 「内閣感染症危機管理統括庁」は新型コロナ対応をめぐり、病床確保の遅れなど課題が指摘されたことを教訓に、感染症対策を一元的に担う司令塔として来月1日に発足する。政府は、この新たな組織の担当相に後藤新型コロナ対策担当相を充てることを発表した。また、組織のトップとなる「内閣感染症危機管理監」には、事務の官房副長官の栗生俊一氏を起用するとしている。この人事は来月1日付けで発令される。

 尾身茂分科会会長と後藤茂之新型コロナ担当相 出典:ウキメディア・コモンズ

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【8月25日】

●尾身氏「コロナ禍、葛藤の連続」 分科会長退任 活動、書籍に

 新型コロナ対策を専門家の立場からリードした尾身氏が、政府の感染対策の一線から退く。氏は2020年2月に厚労省にできた専門家会議に参加。密閉・密集・密接の「3密」回避を世界に先駆けて呼びかけ、「第1波」のコロナ政策を主導した。新たに対策分科会の会長に就任、対策のとりまとめを担ってきた。一方で東京五輪を控えた2021年6月、「無観客での開催が望ましい」との提言するなど、政府と対立も辞さない姿勢に政府内には反発もあった。

 尾身氏は25日、取材に「コロナ禍の3年半は葛藤の連続だった。ようやく肩の荷が下りた」と振り返った。「専門家として最も大事なことは、感染状況を分析し、政府に提言すること。提言の根拠は何か、どう考えてつくったのか。これだけ大変な危機を経験したのだから、『次』に少しでも役立てないといけない」とも述べた。この間の活動などを書籍にまとめるという。

●成田空港 お盆休みの国際線利用者、コロナ禍前の76%まで回復

 東京出入国在留管理局成田空港支局によると、8月10日から20日までの11日間に成田空港の国際線を利用した人はおよそ80万3000人だった。お盆の時期に成田空港の国際線を利用した人は、コロナ禍前の2019年は過去最多のおよそ105万7000人だったが、2020年にはおよそ2万2000人と大きく減っていた。今回、コロナ禍前の76%まで回復したという。

 このうち、日本人の利用者は31万7600人でコロナ禍前の5割程度だったのに対して、外国人の利用者は48万5100人で、ほぼ同じ水準にまで回復したという。出国先では韓国が最も多く、16%を占めていて、次いで米国、台湾が多くなっている。

◆全国感染状況、前週比1.26倍 緩やかな増加に転じる

 厚労省によると、今月20日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1万9686人増えて8万6756人となった。1つの医療機関当たりの平均の患者数は17.84人で、前の週の1.26倍となった。これまで2週連続で前の週から減少が続いていたが、今回、増加に転じた。都道府県別では多い順に、岐阜31.03人、岩手30.42人、秋田28.48人、茨城27.42人、石川26.69人などとなっていて、41の都道府県で前の週より増加している。

 このほか、今月20日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万3135人で、前の週と比べて554人の増加となった。厚労省は「お盆期間や祝日に人に会う機会が増えた影響などもあり、緩やかな増加に転じた。例年、お盆が明けた時期に感染拡大のピークを迎える傾向があり、このまま増加傾向が続くかどうか注視したい」としている。

 8月25日発表の定点把握(8月14日~20日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●専門家「さらに感染広がるか抑えられるのか 注意が必要」

 新型コロナ対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田教授は、お盆明けとなった現在の感染状況について「先週は35の地域で減少していたが、今回は九州の一部などを除き、すべてで増加している。これまでもお盆で帰省してふだん会わない人と会ったり食事をしたりすることで感染が広がることがあったが、今回も同じ状況だ。さらに感染が広がるのか、抑えることができるのか、注意して見ていく必要がある」と述べた。

そして「多くの人はかぜ症状で済むが、高齢者や基礎疾患のある人を守るという意識で、できる範囲で感染対策を行うことが大切だ。夏休みも終盤となり、8月最後に予定が入っていて、出かけたいかもしれいないが、喉の調子が悪いとか少し熱っぽいといったかぜの症状がある場合はコロナかもしれないと考えて、無理をせずに自宅で療養してほしい。飲み薬もあるので、心配な場合は医療機関を受診してほしい」と述べた。

【8月27日】

●北朝鮮、自国民の帰国認める コロナ規制を一部解除 経済活動活発化のためか

 北朝鮮がコロナ対策を緩和し、国外に滞在していた国民の帰国を認めた。「国家非常防疫司令部」が26日付で発表。朝鮮中央通信が27日に伝えた。コロナ対策を理由に約3年7カ月前に国境を封鎖した北朝鮮は、今月、自国民の帰国を受け入れ始めていたが、公式に発表した。貿易など経済活動を活発化させたい意向がうかがわれる。北朝鮮で世界的なコロナの感染状況の改善を受けた措置だといい、帰国した人は1週間、施設で隔離される。

 北朝鮮では国境の封鎖後、貿易量が減り、慢性的な食料・物資不足が深刻化した。昨年9月に中国の丹東と北朝鮮の新義州を結ぶ貨物列車の運行が正常化したが、ごく一部の例外を除いて人の往来は厳しく制限してきた。しかし、8月22日以降、北京やウラジオストクと平壌との間で、国営の高麗航空の運航を再開し、自国民を帰国させていた。今回、入国を認めたのは自国民のみ。外国人の入国がコロナ禍前の水準に戻る時期は明らかでない。

【8月28日】

●不適正申請、新たに39.1億円 コロナ無料検査補助金 大阪府

 新型コロナのPCR検査や抗原検査の無料検査事業で不適正な補助金申請が見つかった問題で、大阪府は28日、新たに府内5事業者で計39.1億円の不適正申請があったと発表した。事業者には全額返還を求めており、応じなければ警察への被害届提出などの措置をとる。これまでの発覚分と合わせ、不適正申請は、計81.9億円。府は今年6~8月に355事業者を対象に調査を実施。書面で申請内容の再確認を求め、立ち入り調査、検査の受検者へ電話での聞き取りを進めた。

 府によると、不適正申請では、事業者が登録した検査所以外の福祉施設などで集めた検体を実績として報告したり、検査を受けていないのに受けたように書類を作成したりして、検査数を水増ししていた。

【8月30日】

●コロナ病床補助金 一定の感染拡大まで支給なしで検討 厚労省

 医療機関が新型コロナ患者受け入れに備えて病床を空けた場合、「病床確保料」として国は補助金を支払ってきた。補助金の額は病床の種類によって異なり、1病床あたり1万6千円~43万6千円の空けた日数分。5類移行後も、半額に減らして支給。厚労省は、段階的に通常医療体制に戻すため、10月以降は感染状況が一定の基準を超えて拡大するまで補助金を支給しない、支給する場合も酸素投与や人工呼吸器が必要な重症患者の病床に限ることを検討している。

 病床確保料は2020年度から昨年度までの3年間で、全国医療機関に対して4兆8千億円余りが支払われていた。患者を受け入れなくても支払われるため、仕組みを疑問視する声の一方で、廃止すれば急激な感染拡大時の病床確保が困難になり、医療機関側は継続を求めていた。このほかこれまで全額公費でまかなっていたコロナ治療薬について、一定の自己負担を求める方向。今後、自治体や関係団体と調整をすすめたうえで来月中旬にも、正式決定する方針。

【8月31日】

●新型コロナ感染拡大 仕事休む人が増え、身近なところにも影響

 お盆休みを挟んで全国でも新型コロナの感染が拡大していて、東京や神奈川など首都圏でも先週の定点当たりの感染者数は5類に移行してから最多を更新している。こうした中、感染して仕事を休む人が増えることで身近なところにも影響が広がっている。川崎市にある診療所では、8月中旬ごろから患者が増えていて、一日当たり40人と7月の2倍近くの患者が訪れている。30日も発熱などの症状を訴える患者が相次ぎ、検査した人の7割ほどが新型コロナに感染していた。

 患者は幅広い年代に及んでいて、高齢者も増えているというが、重症化する人はほとんどおらず、人数は多いものの、以前のような切迫感はないという。診療所の院長は、「数だけでいうと第8波と変わらない感じですが、うつりやすいかぜのような感覚で診察できるようになった。ただ、かなり感染しやすいウイルスで、うちのクリニックでも今3人休んでいるが、会社を休む人が増えるなど社会活動への影響は出ていると思う」と話していた。

●バス会社、感染相次ぎ運休 郵便局、職員の感染で休業

 感染の影響は、身近なところにも広がっている。都内では8月、複数のバス会社で運転手の感染による人手不足で路線バスを一部、運休している。このうち、都内などで路線バスを運行する小田急バスではお盆休み明けから運転手の感染が相次ぎ、29日から一日当たり200本近くバスの本数を減らして対応している。31日も24人が欠勤した。

 このほかに、郵便局でも複数の職員の感染で休業を余儀なくされるケースがある。日本郵便によると、都内では8月に入って臨時休業する郵便局も出ていて、24日には10か所が休業、31日も4か所が臨時休業している。

●東京都 新型コロナ感染者数、2週連続増 「感染拡大に警戒を」

 都は31日、都内の新型コロナの感染状況についてモニタリング項目を発表した。それによると、定点把握の対象の都内419の医療機関のうち410か所から報告があり、8月27日までの1週間の感染者数は合わせて5956人で、1医療機関当たり14.53人。これは前の週の10.96人の1.33倍で、増加したのは2週連続。8月28日時点での入院患者数は、前の週とほぼ変わらず2684人だった。

 専門家は「感染者を年代別に見ると、10歳未満や60歳以上の増加が目立っており、特に重症化リスクが高い高齢者などの感染拡大を警戒する必要がある」として、場面に応じたマスク着用や換気などとともに、体調が悪い時は外出を控えるよう呼びかけています。

●東京都 注意喚起の際の参考数値を公表

 新型コロナの感染拡大時に、住民に注意喚起する際の参考にしてもらう目安として国が作成した4つの指標について東京都は31日、都に当てはめた数値を公表した。それによると、①医療機関が「外来が逼迫している」と回答した割合が25%を超えるとき、②感染者数が、1医療機関あたり19.78人を超えるとき、③入院患者数が2230人以上のとき、④確保している病床の使用率が50%を超えるときとしている。

 31日に発表された都のモニタリング項目では、入院患者数が2684人と国の目安を超えているが、都の担当者は「数値はあくまでも参考であり、都内の病床は逼迫している状況ではない。注意喚起にあたっては専門家による医療現場の状況確認や、数値の増加スピードなどを踏まえて総合的に判断していく」としている。

●日本人の死亡率、10年ぶり増加 2021年、新型コロナが影響

 新型コロナ感染症の感染が拡大した2021年は、日本人全体の死亡率が前年と比べ2.2%増えた、と国立がん研究センターの研究グループが発表した。増加は、東日本大震災のあった2011年以来10年ぶり。研究グループは、厚労省が公表する人口動態統計の死亡データをもとに、主要な死因別の死亡率について1955~2021年の推移を調べた。高齢者のほうが一般的に死亡リスクは高くなるため、死亡率は各年の人口構成がそろえられている。

 死亡率は、生活習慣の改善や医学の進歩によって長期的には減少傾向にあったが、2011年の1.4%増に続いての増加となった。2021年は、新型コロナ感染者が149万人で、前年の23万人から大幅に増え、死因別の死亡率にも影響が見られた。新型コロナが前年比380%増で、老衰が9.3%増、心疾患が1.4%増だった。これらが死亡率引き上げの主要因となっていた。コロナ禍で高齢者の衰弱が進んだほか、診療が制限されたことも影響したとみられる。

2023年8月 6日 (日)

新型コロナ2023.07 漸増続く

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが、5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。7月7日、厚労省の専門家組織は移行後2回目の会合が開かれ、全国的に緩やかな増加傾向が続いていて、特に沖縄県で感染拡大がみられると指摘した。今後、夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性があるとして、基本的な対策が重要だとしている。

 7月28日厚労省は、全国に約5千ある定点医療機関に17~23日に報告された新規感染者数は計6万8601人で、1定点あたり13.91人だったと発表した。前週の約1.26倍で、香川と沖縄をのぞく45都道府県で前週より増え、4月上旬からの緩やかな増加傾向が続いている。

 2023年7月1日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2023.06 第9波入口」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】
 

【7月1日】

●沖縄で新型コロナ急拡大 状況把握し対策検討 厚労省

 厚労省によると、新型コロナの全国の感染状況は先月25日までの、1週間の医療機関1つあたりの平均患者数が6.13人と前の週の1.09倍となり、12週連続で増加した。このうち沖縄県が39.48人と全国で最も多く、ことし1月の第8波のピークを超える水準で感染が急拡大していて、岸田首相は30日、加藤厚労相や後藤新型コロナ対策担当相らに、沖縄県と連携しながら必要な対策を取るよう指示した。

 厚労省は、今後、沖縄県内の医療提供体制が十分かどうか、県や医療関係者などから聞き取りを行うなど状況の把握に努め、対策を検討する方針。また去年、夏の間に全国で感染が拡大したことも踏まえ、換気の徹底など基本的な感染対策を呼びかけるとともに、沖縄県をはじめ各地で高齢者などへのワクチン接種を進めていきたいとしている。

【7月5日】

●「第9波と判断が妥当」日本医師会

 日本医師会の釜萢(かまやち)常任理事は記者会見で、新型コロナの感染が沖縄県で急拡大していることなどを踏まえ、「現状は第9波と判断することが妥当」と指摘した。この中で、「5類への変更後、一貫して全国で徐々に増えているのは変わらない。ほとんどの県で、5月よりも6月のほうが報告数が増えており、沖縄県の感染者の増加が非常に著しい」と述べた。

 そのうえで、「これまで一時下がって、最も低いところになって、もう一度上がる状態がずっと持続している場合には、新しい波と考えてきた。現状は、第9波という状況になっていると判断することが妥当ではないか」と指摘。そのうえで、沖縄県では、リスクの高い高齢者などへの感染を防ぐ取り組みが最も求められるとし、ほかの地域についても、今後の感染状況を注視していく必要があるという考えを示した。

●詐欺容疑、計9億円に 近ツー元支店長ら再逮捕

 近畿日本ツーリストの支店長ら3人が新型コロナワクチンの業務委託費を詐取したとされる事件で、大阪府警は5日、3人を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。3人は2022年5~10月、東大阪市から委託されたワクチン接種のコールセンター業務で、オペレーター数を水増しし市に約7200万円を過大請求、約3億500万円をだまし取った疑い。府警は過大請求分だけでなく、うその請求に基づいて支払われた委託費全体を詐取したと判断した。

 近ツーの親会社によると、過大請求は静岡支店などが担当していた静岡県焼津市や同県掛川市でもあり、総額は約14億7千万円に上る。府警は静岡支店も家宅捜索しており、過大請求の経緯を調べている。

【7月7日】

●米製薬会社 新型コロナ「XBB.1.5」対応ワクチン 厚労省に申請

 米製薬会社、ファイザーとモデルナは、それぞれが開発したオミクロン株の「XBB.1.5」に対応した成分を含むmRNAワクチンについてそれぞれ厚労省に承認を申請した。先月開かれた厚労省の専門家分科会で示された資料によると、モデルナのワクチンは米国で行われた臨床試験で「XBB.1.5」や「XBB.1.16」といった「XBB」系統の変異ウイルスに対して免疫の反応が確認できたという。

 またファイザーのワクチンもマウスを使った実験で「XBB」系統の変異ウイルスに免疫の反応が確認されたとしている。接種の対象となる年齢はファイザーは生後6か月以上、モデルナは12歳以上を想定している。厚労省は、ことし9月から5歳以上の人を対象に行われる予定の追加接種で「XBB.1.5」を含む「XBB.1」系統に対応する、ワクチンを使う方針を示している。

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●「現時点では「第9波」に当たらない」 後藤新型コロナ対策相

 日本医師会の釜萢常任理事は、5日、沖縄県で感染が急拡大していることなどを踏まえ「第9波」と判断するのが妥当だと指摘した。これについて後藤新型コロナ対策担当相は閣議のあとの記者会見で「全国的に少しずつ感染が拡大しているが、数字の伸び方はまださほど大きいという認識は持っていない」と述べた。

 その上で「政府として今の段階で新しい流行の波が発生しているとは特に認識していない」として、現時点では感染の「第9波」には当たらないという認識を示した。一方で沖縄県には職員を派遣するなど、必要な支援を行っているとした上で「今後ともできるかぎり注意しながら基本的な感染対策をとるようお願いしたい」と呼びかけた。

●専門家組織「夏の間に一定の感染拡大生じる可能性」

 厚労省の専門家組織の会合が7日に行われ、現在の感染状況について、全国的に緩やかな増加傾向が続いていて、地域別では46の都道府県で前の週より増えていて、特に沖縄県で感染拡大がみられるとしている。今後、夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性があるとして、手洗いや換気、マスクの効果的な場面での着用などの基本的な対策が重要だとしている。専門家会合は、5類に移行後、6月16日以来2回目の開催。

 新規入院者数や重症者数も増加傾向で、医療提供体制は全国的に逼迫はみられていないものの、沖縄県では入院者数の増加や病院内でのクラスターの発生で医療への負荷が増大していると指摘。また、検出されるウイルスの種類はオミクロン株のうちの「XBB系統」が大部分を占めていて、特にインドなどで拡大し免疫を逃れやすい可能性が指摘されている「XBB.1.16」の割合が増加傾向だという。

 7月7日発表の定点把握(6月26日~7月2日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●脇田座長「九州や西日本でも増加続いている 注視する必要」

 専門家組織の会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は現在の感染状況について、「全国でみると沖縄県が突出して感染が広がっている状況だが、九州や西日本でも増加が続いているので、注視する必要がある。沖縄県ではかなりの規模での感染拡大が続き、医療体制も逼迫していると、沖縄県の医師から報告があった」と指摘した。その上で「夏を迎え暑くなり、人々が密閉空間に集まる機会が増えたことで、増加傾向になっていると考えられる」とした。

 「沖縄県で突出しているのは、去年の夏の『第7波』で大きな感染の波があった一方で、この冬の『第8波』は全国に比べると大きくはなく、感染から時間がたっている人が多いことや、ワクチンの接種率が全国と比べて低いこと、観光地であることなどが影響している可能性がある」と話している。一方、現在の感染状況が「第9波」にあたるかどうかについては「いずれ、感染拡大が落ち着いた時に波がどうだったのか評価をすることになる」と述べた。

【7月11日】

●コロナ禍を経験した5歳、平均で4か月余り発達遅い 京大など調査

 新型コロナの流行による生活の変化が幼い子どものに与える影響について京都大学などのグループは、2017年から2019年に1歳と3歳だった首都圏の認可保育所に通う子どもおよそ890人を対象に2年後の発達状況を調べた。運動やことば表現、それに社会性などのおよそ140項目の指標で分析。コロナ禍を経験した5歳の子どもはコロナ禍前に5歳になった子どもに比べて発達が全体で平均4.39か月遅かった。特に運動や言語表現、しつけなどの分野で遅れが大きい。

 グループでは、5歳のころの発達に重要な人との交流が制約を受けたことが遅れにつながったのではないかという。一方、3歳の子どもは明確な差はなかった。逆にコロナ禍を経験した方が、部分的には発達が進んでいた。在宅勤務で親との接触が増えたことが要因ではないかとしている。調査した佐藤助教は「こうした影響はその後の成長で十分に取り返せる。周囲の大人のコミュニケーションのほか、保育環境もコロナ前に戻していくことが大切」と話す。

【7月13日】

●東京都、コロナ感染者3週連続増 「高齢者と接触の場合は対策を」

 13日、都庁で感染症の対策会議が開かれ、この中で都内の新型コロナの感染者数について公表された。それによると、定点把握の対象になっている都内419の医療機関のうち、416か所から報告があり、感染者数は7月9日までの1週間で合わせて3152人で、1医療機関当たりでは7.58人となった。これは前の週の6.85人の1.1倍と、3週続けて増えている。

 東京都医師会の猪口顧問は「感染者数は緩やかに増加している。夏休みは人の往来が増える時期で、高齢者への感染の機会を減らすことが重要」として、重症化リスクの高い高齢者に接触する場合は状況に応じてマスクをつけるなど、基本的な感染対策をとるよう呼びかけた。このほか会議では、幼い子どもがかかりやすいウイルス性感染症のヘルパンギーナやRSウイルスについても、感染が広がっていると報告があり、換気や手洗いなどの徹底が呼びかけられた。

●コロナ検査不正227億円 5都府県、補助金取り消し

 新型コロナ検査の無料化事業で不正な申請があったとして、6月下旬までに東京や大阪など5都府県が総額約227億円の補助金交付を取り消していたことが分かった。うち約29億円は交付済みで、受給した事業者に返還を命じている。12都府県が不正の調査を始めたり、検討したりしており、金額はさらに膨らむ可能性がある。5月の「5類移行」に合わせて各種のコロナ関連事業が終了したが、こうした不正事案への対応が今後、焦点となる。

 無料化事業は、PCR検査などを希望者が無料で受けられるように、2021年12月~2023年5月に全国で実施された。国の地方創生臨時交付金を財源に都道府県が実務を担当。医療機関や医療関係会社などの事業者から報告された検査件数などをもとに、検査経費などを補助。事業者側が検査件数を水増し、補助金を過大に申請するなどの不正でこれまでに取り消された補助金交付申請は、東京都が計183億円(11事業者)、大阪府計42億8千万円(7事業者)など。

【7月14日】

●全国の感染状況 、45都道府県で前週比増加

 厚労省によると今月9日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から9361人増えて4万5108人。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は9.14人で前の週の1.26倍となった。前の週から増加が続くのは14週連続。今月8日で、5類に移行して2か月がたったが、今回発表された今月9日までの1週間と、5類移行直後の5月14日までの1週間を比べると3.48倍となった。

 全国の感染者数は、4月上旬からの緩やかな増加傾向が続く。都道府県別では、沖縄41.67人、鹿児島17.18人、宮崎16.0人、佐賀15.33人、熊本11.99人などと、青森、沖縄両県を除く45の都道府県で前の週より増加。厚労省は「全国的に緩やかな増加傾向が続き、特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多く、また沖縄県では前週よりは減少したものの依然として高い水準。引き続き感染状況を注視したい」としている。

●コロナ入院、2カ月で2.5倍
 
 9日までの1週間に新たに入院した人は 全国の新規入院患者数は6096人で、前週(5494人)の約1.11倍。5類移行直後(5月8~14日分)の2489人の約2.45倍で増加が続く。感染拡大に備え、厚労省は14日、重症者を優先的に入院させるなどの体制を確認するよう都道府県に事務連絡を出した。

 集中治療室(ICU)に入院している全国の重症患者数は7日間平均で87人で前週(93人)から6人減った。ただ、14日に公表されたコロナ患者の療養状況調査では、12日午前0時時点でICUへの入室や人工呼吸器が必要な全国の重症患者数は208人いた。5類移行直後の5月10日の99人の約2.10倍となっている。

●専門家「8月にかけ感染拡大のリスク高まる」

 政府分科会のメンバーで、東邦大学の舘田教授は、現在の感染状況について「深刻な状況となっていた沖縄では少しピークアウトした様子が見られるが、感染者の数は依然として高いレベルが続いている。全国でも感染者の増加が続き、西日本を中心にはっきりとした増加傾向が見られる地域も増えていて、8月にかけて沖縄のような感染拡大が起きるリスクが高まっている」と指摘した。

 そのうえで「これから夏休みに入り、特にお盆の時期にはふだん会わない人との接触の機会が増えたり、暑さで換気が徹底できなかったりするため、感染が拡大しやすい時期が続く。私たちの周りにウイルスが潜んでいることを思い出してもらって、できる範囲で基本的な感染対策をとってもらうことが大事」と話している。

 7月14日発表の定点把握(7月3日~9日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●ワクチン接種後に死亡 新たに6人に死亡一時金など支給へ

 新型コロナワクチンの接種後に死亡した人については、「予防接種法」に基づいた健康被害の救済制度で、国が因果関係が否定できないと認定した場合には死亡一時金などが支給されている。厚労省は14日、接種後に急性循環不全や急性心筋梗塞、急性心不全などで亡くなった、53歳から89歳の男女6人について、新たに認定することを決めた。

 このうち、5人が高血圧症や慢性心不全などの基礎疾患があったということで、厚労省は、死亡診断書やカルテの記載などを踏まえて、因果関係が否定できないと判断した。厚労省は、このほか、6月26日にも15歳から99歳の31人を認定していて、新型コロナのワクチン接種で死亡一時金などの支給が認められたのは、今回の6人を含め、合わせて109人になったという。

【7月17日】

●コロナで祭りなく、しぼむ暴力団 支援金不正受給容疑、組員24人立件

 東京の下町を縄張りにしてきた「老舗」の暴力団が警視庁に詐欺容疑で捜査され、組員全体の4分の1の24人が立件された。夏祭りなどに露店を出す「テキ屋」を稼業にしてきたがコロナ禍で細り、暴力団員であることを隠し、2020年3月~2021年11月に国のコロナ対策の支援金計約5300万円を不正受給したとして、全員が起訴された。しぼむ暴力団の象徴的な姿と受け止められている。

【7月19日】

●上半期、訪日1071万人 コロナ前の64% 円安追い風に回復、ホテル料金は高騰

 日本政府観光局(JNTO)は19日、1~6月の訪日外国人客が1071万人だったと発表。コロナ前の2019年同期比で64.4%まで戻った。国・地域別では、韓国が最多で約55万人、台湾約39万人、米国約23万人。2019年に訪日客の3割(959万人)を占めていた中国は、約21万人。中国政府が日本行き旅行商品の販売を禁止しているため。円安も追い風に東南アジアや米国、豪州からの訪日客は、コロナ前を上回った。中国以外はコロナ前の水準まで回復している。

 一方、国内旅行の宿泊者数はコロナ前に戻り、予約状況も好調。観光庁の調査では、5月の日本人の延べ宿泊者数は4115万人で、2019年同月と同水準だった。旅行大手JTBによると、夏休みに国内旅行をする人は前年比16.9%増の7250万人となり、2019年並みになる見通し。国内客と訪日客の増加があいまって、都市部の観光地は混雑し、ホテルなどの料金も高騰。人手不足が高騰に追い打ちをかけている。

●羽田第2、国際線再開 コロナ休止後3年超ぶり

 新型コロナの影響で休止していた羽田空港第2ターミナルの国際線施設が19日、営業を再開した。2020年3月のオープン後、わずか13日で休止となって以来、3年3カ月ぶりに国際線が飛び立った。施設を利用する全日本空輸(ANA)では、羽田発着の国際線便数が7月末時点でコロナ前と同水準に回復。第3ターミナルだけでは足りなくなっていた。第2では、台北、上海、香港、ロンドン行きの4路線で1日計5便を運航させる。

 国際線施設は、国内線専用だった第2ターミナルを増築して設けた。同じターミナルで国内線に乗り継ぎできることから、インバウンド(訪日客)を地方に呼び込みたい考え。海外旅行の需要も回復しつつあり、国際線の便数はさらに増える見込み。

【7月20日】

●東京都 新型コロナ感染者数、前週比1.08倍で4週連続増加

 都は、20日、新型コロナの感染状況について、モニタリング項目を発表した。それによると、定点把握の対象になっている都内419の医療機関のうち、413か所から報告があり、感染者数は今月16日までの1週間で合わせて3407人で、1医療機関当たりでは8.25人となった。これは前の週の7.58人の1.08倍と、4週続けて増えている。また、今月17日時点での入院患者数は、前の週より157人増えて1333人となり、こちらも4週続けて増えている。

【7月21日】

●全国の感染状況 43都道府県で前の週より増加

 厚労省によると、今月16日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から9042人増えて5万4150人となった。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数が11.04人、前の週の1.21倍。前の週から増加が続くのは15週連続。都道府県別では多い順に、沖縄31.83人、佐賀23.05人、宮崎20.79人、鹿児島19.08人、長崎16.66人などとなっていて、43の都道府県で前の週より増加した。

 7月21日発表の定点把握(7月10日~16日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 このほか、今月16日までの1週間に新たに入院した人は全国で6952人、前の週と比べて632人の増加。厚労省は全国の流行状況について「感染者数の伸び幅は横ばいで、全国的には緩やかな増加傾向が続いている。特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多い。一方で、沖縄県では2週連続で減少。各都道府県には夏の感染拡大に備えて医療機関の間の連携などの準備を進めるよう呼びかけていて、引き続き感染状況を注視したいとしている。

●専門家「5類に移行して緩やかな増加続いている」

 新型コロナ対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田教授は現在の感染状況について「5類に移行して2か月近くの間、全国的にみると緩やかな増加が続いている。沖縄以外の地域ではそれほど急激な増加とはなっていない。東京では新型コロナで医療の逼迫が迫っている状況ではないが、小児の感染症やお年寄りの熱中症が重なって、救急医療の現場では少し負荷がかかっている」と分析した。

 夏休みになって人が移動することやクーラーで換気を行いにくいことなど、夏場は感染が広がりやすい状況が重なるとし、「過去3年間、夏に大きな流行があり、この夏も注意が必要。これまでの夏は新しい変異ウイルスが出てきてその急激な増加で感染拡大したが、いま流行しているXBB株は全く新しい変異ウイルスというわけではない。第8波から時間がたって免疫も下がっているので、どこまで感染が広がるか、慎重に見ていく必要がある」と指摘した。

●喉の痛み 水分とれず脱水に注意

 感染症に詳しい新潟大の斎藤教授(公衆衛生学)は「国内はまだコロナに感染した経験がない人が半数近くいるため、ウイルスから見れば、付け入ることができる環境にある。さらに、夏はイベントや旅行など、人の活動性が高まるため、今後も流行が広がる可能性は高い」と指摘する。夏休みで帰省する人が増えると、高齢者世代にも感染が広がるおそれがある。「人が密集する場面でのマスク着用や、冷房をつけながらも適度な換気が効果的」と訴える。

 斎藤氏によると、現在主流の「XBB」というオミクロン株亜系統は、肺より喉に感染しやすいため、喉の痛みで飲食が難しく、脱水で体調不良となるおそれがある。気温も高く、熱中症患者が増える季節と重なることから、患者が医療機関で治療を受けられない懸念もある。「スポーツドリンクや、熱やのどの痛みを抑える市販薬を自宅に備蓄しておくことも重要」と話す。

【7月25日】

●新型コロナ 入院患者や重症者数も「定点把握」へ 9月下旬から

 新型コロナの流行状況をより正確に把握するため、厚労省は新たに入院患者や重症者の数について全国およそ500の指定医療機関から報告を受け、毎週金曜日に公表することになった。新たな入院者数や人工呼吸器を使用しているなどの重症者の数については、すべての医療機関から報告が今も行われているが、9月下旬から指定した医療機関からの報告をもとにした「定点把握」を始める予定。

 入院者数や重症者数の「定点把握」は季節性インフルエンザでも行われていて、厚労省は、1つの医療機関あたりの平均の患者数などとあわせて推移を分析していくことで流行の状況をより正確に把握していくとしている。

【7月26日】

●「すべての人への積極的接種呼びかけは不要」 釜萢常任理事

 ワクチンの無料接種は現在、高齢者と基礎疾患のある人などが対象で、9月からは5歳以上のすべての人を対象にした接種が再開する。日本医師会の釜萢(かまやち)常任理事は記者会見で「65歳以上の人や基礎疾患がある人以外が重症になる割合はそれほど高くはない。全体の感染を抑えるために無理をして接種してもらうよりも、個人で選択してもらう時期に入った」と述べ、すべての人に積極的に接種を呼びかける必要はないという認識を示した。

【7月28日】

●コロナワクチン接種後死亡の女性 「因果関係否定できず」 2例目

 ワクチンの副反応を検討する厚労省の専門家部会は28日、去年8月ファイザーの3回目の新型コロナワクチンを接種した2日後に、心臓の筋肉や膜に炎症が起きる「心筋心膜炎」で亡くなったとされる14歳の女性について、接種との因果関係は「否定できない」とした。女性はアレルギーや別のウイルスの感染がなく、接種後、短い間に心臓を含む多くの臓器で炎症を起こしていることから、ワクチン接種によって、心筋心膜炎が生じたと考えて矛盾しないとしている。

 これまでにワクチン接種後に死亡した事例として2000件以上が部会に報告されている。国の「副反応疑い報告制度」で報告された接種後の死亡例で、接種との因果関係が「否定できない」と評価されたのは去年11月に亡くなった愛知県の女性に続いて2例目。部会では、現時点ではワクチン接種に影響を与える重大な懸念は認められないとしたうえで、厚労省に接種後に胸の痛みや呼吸困難などの症状がある場合は早期の受診を勧めるなど、改めて注意喚起するよう求めた。

●コロナ、5類移行後の死者初公表 5月に死亡診断書など記載1367人

 新型コロナの死者数については、国が全国の死者数を毎日公表してきたが、ことし5月に「5類」に移行してからは行われなくなり、厚労省は、死者数の動向を迅速に把握するため、死亡診断書などに「新型コロナ」と書かれたケースを分析する新たな集計を始めた。28日はことし5月の死者数が公表され、それによると、新型コロナが最も死亡に影響した死者は610人で、前の月と比べて50人増えた。

 また、新型コロナが、死因となった病気の経過に影響を及ぼした人も含めた死者は1367人で、前の月と比べて58人減った。新型コロナが「5類」に移行してから死者数が公表されるのは初めて。厚労省は引き続き動向を注視するとしている。

●新型コロナ感染者数、45都道府県で増加 前週比1.26倍 厚労省

 厚労省は28日、全国に約5千ある定点医療機関に17~23日に報告された新型コロナの新規感染者数は計6万8601人で、1定点あたり13.91人(速報値)だったと発表した。前週(11.04人)の約1.26倍で、香川と沖縄をのぞく45都道府県で前週より増え、4月上旬からの緩やかな増加傾向が続いている。

 都道府県別でみると、最多は佐賀の27.44人で、宮崎24.47人、長崎22.94人と続く。感染が拡大していた沖縄は3週連続で減少、前週比約0.70倍の22.43人だった。前週比では新潟1.65倍、鳥取1.57倍、福井1.56倍と一部の地域で急増した。全国の新規入院患者数は8983人で、前週(7702人)の約1.17倍。集中治療室(ICU)に入院している全国の重症患者数は7日間平均で68人で前週(50人)から18人増えた。

 7月28日発表の定点把握(7月17日~23日) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【7月29日】

●療養後の未返却、30万個 血中酸素測定機器、都道府県が貸与

 新型コロナの自宅療養者向けに都道府県が無料で貸し出した血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターが、全国で少なくとも約30万個返されていないことが分かった。未返却の割合は約17%、試算すると計約15億円。貸し出しは市なども実施しており、実際の未返却数はさらに多そう。貸し出し事業は2020年4月に始めた国の新型コロナ感染症緊急包括支援交付金が充てられた。今年5月に原則終了した。

 厚労省担当者は、自宅療養者の健康管理を目的としていた点を踏まえ、「コロナ対応として適切に使われたなら問題ない」。元厚労官僚の教授(行政学)は、急増した自宅療養者の安全確保を優先させたため十分な制度設計の時間がなく「仕方ない部分もある」としつつ、「公共財産。なし崩しに未返却を認めてしまっているのはミス」と指摘する。

【7月31日】

●第一三共が開発のワクチン、国内製薬会社で初承認へ

 新型コロナのワクチンは、ファイザーやモデルナなど海外の製薬メーカーのものが使われているが、ことし1月、第一三共が厚労省に承認申請を行っていた。このワクチンについて、31日に開かれた厚労省の専門家の部会で検討が行われ、有効性や安全性が確認できたとして、使用を認めることを了承した。今後、厚労省の手続きを経て、国内の製薬会社の新型コロナのワクチンとして初めて正式に承認される。

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 開発されたワクチンは、変異ウイルスではなく従来型の新型コロナに対応したもの。人工的に作った遺伝物質mRNAを投与することにより、ウイルスが細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質の一部を体内で作り出し、免疫を高める。また31日は、塩野義製薬が開発した新型コロナワクチンについても検討が行われたが、有効性を評価するためのデータが十分でないなどとして、継続審議となった。

●国産ワクチンの開発、迅速に進まず

 新型コロナワクチンは、2020年以降、国内外の製薬会社が開発に乗り出した。ファイザーやモデルナ、アストラゼネカなどの海外製薬会社が開発したワクチンはおよそ1年後には実用化され、国内でも承認、接種が始まった。日本では複数の製薬会社が国産ワクチンの開発を進め、日本医療研究開発機構が研究開発を補助、厚労省が研究や生産体制の整備を支援するなど、国を挙げて開発を後押した。ただ、早期の実用化はかなわず輸入に頼った。

 専門家は「これまで新しいワクチンを作るには、5年~10年はかかってきた。3年での承認は、かなり速いスピード」と述べた。海外に比べ、開発が迅速に進まなかった理由として2021年に政府がまとめたワクチン開発に関する長期戦略では、▽研究機関の機能や人材、産学連携の不足、▽戦略的な研究費配分の不足、▽最終段階の臨床試験を行う難しさなどの課題を挙げ、「平時からの研究開発・生産体制を強化する必要がある」などと指摘している。

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