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2023年5月27日 (土)

埼玉県立自然の博物館

 2023年4月30日(日)、埼玉県立自然の博物館(長瀞町)を見学する。

 当初、秩父鉄道長瀞駅から宝登山を経て長瀞アルプスの山並みを歩き野上駅までのハイキングを予定。しかし前日、雨予報のために計画を変更して「埼玉県立自然の博物館」を見学する。
 
 
 11:58、秩父鉄道・上長瀞駅で下車。

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 駅前に3軒ほど蕎麦屋がある。一番駅に近く花に囲まれた、一見して蕎麦屋らしくない「もみの木」に入店。

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 旬の野菜天ぷらそば(1,800円)を注文。天ぷらの盛り合わせの量がてんこ盛り、食べ応えがある。
 
 南桜通りを歩き、5分ほどで「埼玉県立自然の博物館」。長瀞は、「日本地質学発祥の地」とされ、博物館の前に石碑が建つ。
 
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日本地質学発祥の地

埼玉県知事土屋義彦書

由来の記

 荒川が刻んだ景勝地長瀞は、広い岩畳や色とりどりの変成岩がみられ、早くも大正十二年には国の名勝・天然記念物に指定された。
 ここに分布する変成岩は、三波川結晶片岩と呼ばれ、西日本地域にかけて帯状に分布しており、日本列島の根幹をなすものである。明治十年東京大学に地質学科が創設され近代地質学が初めて日本に導入されると、翌年には、初代教授ナウマン博士が長瀞を調査している。以来、長瀞一帯は、我が国地質学上の重要な研究拠点となり、多くの地質学者を育てて、日本地質学発祥の地と云われるようになった。
 彩の国元年である本年は、日本地質学会が発足して百周年を、さらに、長瀞町が町村合併五十周年を迎えた。折しも、由緒あるこの長瀞の地に、天皇・皇后両陛下が行幸啓された。
 これらを祈念して「日本地質学発祥の地」の碑をここに建立する。

 平成五年十二月

埼玉県
長瀞町

 
 博物館の入口にある「パレオパラドキシア 」の実物大模型。この博物館の目玉。
  
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 13:00、博物館に入館。200円。出典:ウキメディア・コモンズ
 
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●オリエンテーションホール
 
 巨大ザメ「カルカロドン メガロドン」のアゴの復元模型。
 
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 今から2500万年前から400万年前に世界の海に栄えた巨大な肉食性のサメ。1986年(昭和61)春、このサメの歯化石73本が、埼玉県深谷市(旧大里郡川本町)の荒川河床に分布する約1000万年前の地層(比企層群土塩層)から発見された。
 
 巨大ザメ「カルカロドン メガロドン」の模型。大きさ12m。
 
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 さわれるはく製コーナー ニホンイノシシ
 
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 ニホンツキノワグマ
 
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 アライグマ ニホンアナグマ ホンドタヌキ
 
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 秩父鉱山産の鉱物標本。
 
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 下から1列目の左は閃亜鉛鉱、右は黄鉄鉱。2列目の左は黄鉄鉱、右は閃亜鉛鉱・黄銅鉱。3列目は磁鉄鉱。上段右は黄銅鉱、右は閃亜鉛鉱・黄鉄鉱。
 
●地学展示ホール
 
 恐竜「ガリミムス ブラツス」の全身骨格レプリカ。疾走している様子を再現している。
 
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 「ガリミムス」は、白亜紀末期のアジアで生きていた恐竜で、ニワトリモドキという意味。特徴的な長い足と長い首を持ち、小さな頭に大きな目。歯がなくクチバシがあった。草食または雑食性。長い足と骨に空洞が多く軽い身体は、走るのに適していた。映画「ジュラシックパーク」にも登場した。
 
 日本ではこの仲間の化石が、熊本県、福井県、群馬県で発見されているそうだ。秩父の地層には白亜紀の地層が細長く分布しているのが見られその時代の化石が多く発見されているが、説明板には埼玉県で「ガリミムス」が発見されたという記述はない。
 
 「ガリミムス」の 復元モデル 出典:ウキメディア・コモンズ
  
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 250万年~100万年前に昔の日本に棲んでいた「アケボノゾウ」の全身骨格レプリカ。肩までの高さ1.8mで、現代のゾウよりもずっと小さく進化した。
 
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  西武鉄道・元加治駅から徒歩約10分の入間川の河床に、約200万年前のアケボノゾウの足跡化石を見ることができるという。同じ地層からは臼歯や骨格などの化石も見つかっている。500m下流には、メタセコイアの株が多数見つかった化石林があったが、現在は侵食によりほとんど残っていないそうだ。
  
●天然記念物 古秩父湾の地層と化石
 
 埼玉の海に生息した太古生物の「パレオパラドキシア」の骨格見本。
 
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 今から約1700万年前~1500万年前の秩父盆地は、奥秩父の山すそまで海が入りこみ、東に開く入江となっていた。秩父の太古の海「古秩父湾」には、パレオパラドキシアという哺乳類の海獣が生息していた。埼玉県からは、世界で最も多くパレオパラドキシアの化石が発見されている。
 
 中でも、1972年(昭和47)に秩父市大野原で発見された標本と1981年(昭和56年)に小鹿野町般若で発見された標本は体の骨の大部分がそろっている「全身骨格」であり貴重なもので当博物館の代表的な展示物となっている。秩父市で発掘された大野原標本の全長は、2.5m。
 
 「パレオパラドキシア」の大野原標本(実物化石)
 
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●生物展示ホール
 
 埼玉の森を再現した大ジオラマ 初夏の原生林
 
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 ニホンカモシカと絶壁に自生する岩茸(いわたけ)を採る人
 
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●2階企画展示室「自然の色と模様」
 
 鳥やキノコの展示など。
 
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 14:15に博物館を出発。雨は降りそうもないので、次の目的地へ。
 
 上長瀞駅に戻って14:33発熊谷駅行き、野上駅14:39着。
 
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 国道140号線と並行して脇道を北へ進み、萩寺洞昌院を左に見て通り過ぎ、長瀞町消防団第2分団を左折し、長い坂道を登る。山の中にポツンとあるカフェギャラリー「風の丘」に、15:23着。
 
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 野上駅から約2.7Km(40分ほど)。ここは、秩父郡長瀞町野上下郷。
 
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  長瀞町の自然に囲まれた山の中のカフェ。
ホットコーヒーと黒蜜・黒豆のセット(650円)を注文。店の奥様の笑顔と自然豊かな風景に癒されながら、ゆったりとした時間を楽しみ、のんびりと過ごす。
 
 「風の丘」を16:15に出て、再び徒歩で野上駅に16:55着。17:07発熊谷行きに乗車。
 
 警戒した雨は午前中ほんのちょっとぱらついた程度。結果的には、当初の計画通り行けたかもしれなかった。

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