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2023年3月20日 (月)

岩槻の「まちかど雛めぐり」

 2023年2月26日(日)、埼玉県さいたま市岩槻区のひな祭り会場をめぐる。

 

 埼玉県は、ひな人形の出荷額が日本一。岩槻、鴻巣、越谷、所沢が主な生産地。3年前にコロナで中止した「岩槻&鴻巣ひな祭りめぐり」の企画を実現。良い天気だったが、風が強くて寒かった。参加者は14名。最寄りの駅前をマイクロバスで出発。

 9:45、「岩槻城趾公園」に到着。

 
●流しびな

 例年、3月3日直前の日曜日に「岩槻城址公園」内の菖蒲池周辺で「流しびな」のイベントが開催。「流しびな」は、子どもたちの無病息災をひな人形の原型とも伝わる「さん俵」(桟俵、米俵の丸い蓋を模したもの)に託して池に流す春の行事で、ひな祭りのルーツともされている。新型コロナウイルス感染防止のため、例年のイベント内容を変更して開催。 

 主催者の挨拶や宮司のお祓いの後、さいたま市の観光大使「さいたま小町」の流し初め。

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 来場者が並んでいて、順に「流しび」なを菖蒲池に流していく。

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 流しびなの「さん俵」は、1個600円で会場で販売されていた。

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 コロナ前は、十二単衣着付実演、琴&鼓笛隊演奏、甘酒&飲み物サービス、模擬店、人形相談、流しびなの無料進呈(先着順)、岩槻特産品の販売もあったそうだが、会場もこじんまりして、やや寂しい。

 1時間ほど見学。岩槻駅前までマイクロバスで移動して、11:00~市街地のひな祭りの見学。
 

●東玉・人形博物館

 駅前にある「東玉(とうぎょく)」岩槻総本店の店内を覗く。「東玉」は人形の町・岩槻で170年続くという人形専門店。多彩な収蔵品は、ひな人形、御所人形、羽子板、五月人形、さらに現代作家名匠の逸品にまで及ぶという。

 「東玉」の店の向かい、東玉総本店ビル4階にある「東玉・人形の博物館」に入館。入館料100円。

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 巻藁(まきわら)に挿した人形の顔。

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●愛宕神社

 東武野田線の岩槻駅東口から徒歩5分の場所にある「愛宕神社」に「大ひな壇飾り」。27段の石段に、約300体の雛人形が展示されている。

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 愛宕神社は、北条氏が豊臣秀吉の小田原攻めに備えて築いた周囲8Kmにわたる土塁と堀に囲まれた大構(おおがまえ)の遺構が唯一残っている場所。愛宕神社は、その土塁の上に建っているという。

●料亭「ほてい家」

 12:00~12:40、老舗料亭「ほてい家」に入店。2階にある御殿飾りと「裃(かみしも)びな」が勢揃い。和菓子店の菓子も供えられている。

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 「裃びな」は、裃を着て童顔で両手を袴のところに行儀良く組んでいる。岩槻でつくられ、明治から大正にかけて関東で流行した。通常のひな人形に比べ作りが簡素で衣装は綿繻珍(めんしゅちん)でつくられているため安価で求めやすいそうだ。 

 予約していた「ほてい家」で、豪華な「ひなまつり膳」をいただく。これに天ぷらと赤だしがプラス。税込み1,870円、全国旅行割りの対象。

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 午後からは、再び市街地のひな祭りをめぐる。

●東玉大正館

 中井銀行岩槻支店として大正後期に建築された、煉瓦造2階建ての洋館建築。2007年、国登録有形文化財(建造物)。

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 ひな祭りの期間、江戸から昭和の人形展が開催されている。

 写真は、江戸時代後期に町人文化が反映したという豪華な「古今びな」。

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 「古今びな」は、女びなは五衣(いつつぎ)・唐衣(からぎ)・裳(も)、いわゆる十二単(じゅうにひとえ)。男びなは束帯と上級公家の正装を模すが、必ずしも古来の礼式に則さず華麗に仕立てている。女びなが単の袖を長く出し、垂髪に宝冠を被るのが特徴。目には水晶やガラスを入れ、人間的な面相でリアルになり豪華な衣裳で人気になった。現代のひな人形の素になったという。

●藩校「遷喬館」(せんきょうかん)

 「岩槻藩遷喬館」は、1799年(寛政11)に、岩槻藩に仕えていた儒者・児玉南柯(こだま・なんか)が開いた私塾。後に藩校となり、岩槻藩の武士の子弟が勉学や武芸の稽古に励んだという。

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 1871年(明治4)に藩校が廃止になった後は、民家として使用されていたが、1939年(昭和14)に埼玉県の史跡に指定。2003年(平成15)から2006年にかけて解体修理・復原工事を行い、公開。埼玉県内では唯一現存する藩校の建物。

 昭和20年代の壇飾り。

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●時の鐘 

 藩校「遷喬館」から「岩槻人形博物館」に行く途中、行き過ぎて岩槻区本町、渋江交差点近くの住宅地にあった「時の鐘」。

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 岩槻城の鐘楼で、1671年(寛文11)当時の岩槻城主阿部正春が領内の人々に時刻を知らせるため渋江口に設置した。以来、1720年(享保5年)の改鋳を経て、現在に至るまで、毎日、朝夕の6時と正午の3回、時を告げる。さいたま市指定の有形文化財。

 10カ所以上あったと言われる幕府公認の江戸の鐘を含め、現在も一日に複数回の時を知らせ続けているのは、上野の「寛永寺の時の鐘」、「川越の時の鐘」、「岩槻の時の鐘」の3カ所だけだそうだ。この中で現存する鐘としては岩槻の鐘が一番古いという。
 

●岩槻人形博物館

 13:30~14:10「岩槻人形博物館」を観覧。

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 「御所人形」 立子(たちご)男子 江戸時代

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 「御所人形」は、観賞用の人形として江戸時代中期に大成され、宮中の慶事や出産、あるいは結婚など、様々な祝事の際に飾られてきた人形。

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 「古今びな」、十七人揃え。

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 「享保びな」は、将軍徳川吉宗の時代(江戸時代中期頃)に京都で生まれた。各地で作られるようになり、明治時代まで広く作り続けられていた。

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 面長の顔に、女びなは唐衣、五衣に似せた意匠で袴は、綿で膨らませてある。男びなは束帯に似た衣装で、袖が横に張っているのが特徴。

 「次郎左衛門びな」。江戸時代。「第20回人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり」パンフから転載。

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 「次郎左衛門びな」は、江戸時代中期に雛屋次郎左衛門という人形師が創始したことからこの名があり、団子のような丸顔に引目鉤鼻という、源氏物語絵巻に描かれるような面貌が特徴的。本流として流行に左右されず、公家や大名家に好まれたという。

 「次郎左衛門頭(じろうえもんがしら)」が付けられた「立雛(たちびな)」。

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 「立雛」は、最も古い形式のひな人形とされ、紙で作られた「ひとがた」や形代が変化したものといわれている。江戸時代に描かれたものをみると、屏風などに立て掛けて飾っていたようだ。

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 企画展「描かれた雛祭り」のパンフ。

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 当館が所蔵する人形が描かれた絵画(浮世絵)コレクションの中から特に、ひな祭り、ひな人形が描かれたものを「企画展」として展示されていた。

 

 14:10、「岩槻人形博物館」を出発。このあと鴻巣市に移動して、15:00~15:40「花久の里」の吊しびなを見学。この記事は、本ブログの「鴻巣にひな祭り」に続く。

 当初の交通手段は自家用車の予定だったが、参加者多数によりマイクロバスにして参加費を変更した。今回の旅行費は、3月末迄の「全国旅行割り」が適用できて、マイクロバス代、食事代、入館料が2割引となり、休日1000円の電子クーポンが付いた。

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