新型コロナ2022.08 死者増加
新型コロナ感染拡大「第6波」は、6月下旬には下げ止まりから増加に転じ、7月には「第7波」となって全国的に急増が続く。8月10日の全国の新規感染者は過去最多の25万人超、自宅療養の感染者も10日時点で過去最多の154万人、重症者や死者の増加も始まっている。
2022年8月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.07 全国20万」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】
【8月1日】
●全数把握、見直し検討 木原副長官 コロナ「5類」は否定
木原官房副長官は1日午前の記者会見で、新型コロナ感染者の全数把握といった現状の措置の見直しについて、「時期を見極め、変異の可能性なども判断した上で、専門家の意見も伺いながら丁寧に検討を進める」と述べた。一方、感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザと同じ「5類」に変えることは「現時点で現実的ではない」と否定した。
新型コロナは感染症法上、「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられ、結核などの「2類」以上の強い感染防止策がとれる。全数把握もこの措置の一つ。第7波では感染者数が爆発的に増え、保健所などの業務を圧迫。保健所を持つ政令指定市でつくる市長会は7月29日、感染者の全数を直ちに届け出る扱いを見直すよう国に求める緊急コメントを出していた。
●かかりつけ医とは? 医師ら議論開始 コロナ禍患者と共通認識ないまま
発熱したら、まず「かかりつけ医」に相談を。新型コロナの流行時に自治体は繰り返し、こう呼びかける。厚労省はコロナ前から「一般的な外来はかかりつけ医へ。紹介を受け大病院を受診」と、外来の役割分担を進めてきたが、十分に定着していない。しかし、かかりつけ医がいない人も多い。かかりつけ医とはどんな存在で、何をすべきなのか。
こうした事態を受け、厚労省の医療計画を議論する検討会で7月、かかりつけ医機能とはどうあるべきか、議論が始まった。2023年度末をめどに議論をまとめる予定。日本医師会も7月下旬、かかりつけ医について議論するワーキンググループを設けた。かかりつけ医の捉え方がそれぞれ違う。登録制と言っても、医療費を削減したい財務省側と、機能拡充のためさらなる財政支出を求める医療界の思いは隔たる。議論をまとめるのは容易ではない。
●感染拡大の中、旅行や帰省の予約は前年比大幅増 旅行会社
新型コロナの感染拡大が続く中、都内の旅行会社では一部の予約にキャンセルが入っているものの、行動制限があった去年の夏休みと比べると限定的で、予約の数は大幅に増加している。具体的には近場で短期間の旅行が人気だということで、宿だけを予約し移動手段はマイカーを使うという人が目立つという。また、感染状況を見極めながら旅行するかどうか決める人も多く、直前の予約が多い。
国際医療福祉大学の松本主任教授は、旅行前にPCR検査を受けるなど、万全な体調で出かけることが何よりも大切だという。また荷物には、感染防止に必要なマスクやアルコール消毒液など基本的な感染対策グッズを十分用意すること。さらに、旅行先で体調不良になっても地域によっては発熱外来の予約が取りにくくなっていることなどを踏まえ、簡易検査できる抗原検査キットや、症状を緩和するための市販の薬も用意しておくと安心だという。
●中等症患者で満床近く、重症対応不可能に 埼玉の病院
新型コロナで最も重症の患者の人工心肺装置(ECMO)を使った治療に対応してきた埼玉県内の病院では、今回の「第7波」では重症化する患者が少ないため、ECMOは使われず、夜間や休日に救急搬送されてきた中等症の患者を受け入れるケースが多くなっていて、満床に近くなってきている。この病院の院長は「コロナで持病が悪化し、ECMOなどが必要な患者は出てくると考えられるので、今の状況が続くと私たちが診るべき重症患者に対応できなくなる」と話す。
●特定のたんぱく質濃度が重症度と関係 千葉大学病院
千葉大学病院と千葉大学大学院で作る研究グループが、新型コロナで死亡した患者の肺の血管にできた血栓を調べたところ、「Myl9(ミルナイン)」というたんぱく質が多く付着していることが分かった。そして、新型コロナ入院患者の血液を調べたところ、このたんぱく質の濃度が通常よりも最大で40倍近く上昇していて、濃度と重症度、入院日数の間に相関関係があることが分かった。1日記者会見で発表した。
このため、研究グループは「Myl9」の濃度を測定することで、新型コロナの重症化を予測できるとして、今後血液中のこのたんぱく質を簡単に測定するキットの開発や、新しい治療法につなげたいとしている。千葉大学病院の横手院長は「今後のコロナ、あるいは次の新しい感染症の制圧につながる知見を得られたのではないかと思っている。今後も研究を積み重ねていきたい」と話している。
●感染13万9千人
国内感染者は1日、全国で13万9687人が確認された。前週の同じ曜日(7月25日)の約1.1倍。死者は全国で93人が発表された。都道府県別の新規感染者が最多だったのは東京都の2万1958人。1日までの週平均の感染者数は1日あたり3万2116.3人で、前週(2万5927.0人)の123.9%だった。大阪府は7282人。府内の病床使用率は60.0%で、60%以上になるのは3月14日(62.2%)以来だった。
8月1日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト
【8月2日】
●感染全数把握、中止を提言 尾身氏ら政府に早急な検討を求める
政府の分科会の尾身会長、厚労省の専門家組織、感染症や経済、法律の専門家ら有志18人は2日、「第7波」が拡大する中、政府がとるべき対策について提言をまとめた。提言では、医療と社会経済活動の両立をめざすならば、①感染拡大を招かない一人一人の主体的行動、②オミクロン株の特徴に合わせた柔軟かつ効率的な保健医療体制への移行の二つについて検討が必要。ただし、この二つを実行しても医療逼迫する場合は、行動制限の判断が求められるとしている。
①は大人数での会食を避けるなど基本的な対策の徹底をあげ、②は国や自治体が早急に検討すべきステップ1と法改正なども伴いながら将来的にめざすステップ2の2段階を提示。ステップ1では、感染者の全数把握でなく重症化リスクのある人や死亡者に絞って把握する仕組み、医療機関に必要とされる感染対策をゆるめて患者に対応できる施設を増やすなどをあげた。ステップ2では「5類」への移行も含め、感染症法の扱いの変更も提案した。
●専門家の有志の提言、「今すぐどんな対応が必要なのかまとめた」
尾身会長らの専門家の有志は、午後6時から日本記者クラブで開いた記者会見で提言を公表し、尾身会長は「いま医療機関や保健所の現場が限界にきている緊迫した状況で、一人ひとりが感染リスクを下げる行動を取るとともに、いまのコロナへの対応を見直していくことについて、早急に社会に発信することが専門家の責任だと考えて提言をまとめた」と述べた。提言内容を政策にどう反映するのかは「政府が判断することだと思う」と述べた。
一方、全国知事会の平井会長と日本医師会の松本会長も同日、共同で後藤厚労相に対し、感染者の全数把握が地域の保健医療体制の逼迫を招いているとして、即時の見直しを求める緊急申し入れをした。
●「軽症者は受診控えて」 治療必要な人優先に 4つの医学会が声明
日本救急医学会など救急医療や地域医療に関連する4つの学会は2日、厚労省で記者会見を開き、救急や発熱外来の逼迫によって通常の医療にも影響が出始め「救える命が失われる可能性が高まりつつある」と危機感を示した。そのうえで、オミクロン株では多くの場合数日で症状が軽くなり、重症化する人も数千人に1人程度であることから、「症状の軽い人は受診を控えてほしい」と呼びかけた。
症状の目安として、飲食ができる、呼吸が苦しくないといった場合は、特別な治療は行われないため急いで受診する必要はないとしている。一方で、水が飲めない、呼吸が苦しい、37.5度以上の発熱が4日以上続くといった場合、それに重症化のリスクが高い65歳以上の人や基礎疾患がある人、妊娠中の人は受診が必要だとしている。また、胸の痛みがある、意識に異常があるといった場合は救急車を呼ぶ必要がある。
● 「発熱外来での検査証明求めないで」 総務省が地方自治体に要請
新型コロナ感染の拡大地域では、感染の証明書を求めて多くの患者が発熱外来を訪れ、ほかの患者が診察や検査を受けづらい状態が続いている。総務省はすべての地方自治体に対し、職員が感染して仕事を休む場合、発熱外来での検査証明書などの提出を求めないよう要請。仮に証明書が必要な場合には、職員が自ら検査を行い、その結果を撮影した画像などで確認するよう求める。療養期間が終了し職場に復帰する際は、陰性証明書は必要ない。
金子総務相は記者会見で「感染者数が最多更新を続けており、医療逼迫に最大限の警戒感を持っている。医療機関が重症化リスクの高いほうへの対応に専念できるよう対応していきたい」と述べた。文科省は、学校やスポーツ、文化関係の団体などに対し、教員や児童、生徒、職員らが新型コロナに感染して休む場合に、発熱外来での検査証明書などの提出を求めないよう要請した。
●救急搬送困難、過去最多に 第7波、医療現場が切迫
新型コロナの感染拡大の影響で、救急患者の搬送先がすぐ決まらない「救急搬送困難事案」が、7月31日までの1週間に全国で6307件あり、過去最多となった。総務省消防庁が2日発表した。前週と比べて、272件(5%)増えた。これまでの最多は、第6波のさなかの今年2月14~20日(6064件)。オミクロン株の変異系統「BA.5」の流行による第7波を受け、医療機関の救急患者の受け入れがかつてなく難しくなっていることが浮き彫りとなった。
このうち、コロナ感染が疑われる患者の「搬送困難事案」も2789件と、2週連続で過去最多を更新した。消防庁では全国主要都市の52の消防本部で、救急隊が医療機関に患者を受け入れ可能か4回以上問い合わせ、現場に30分以上とどまった事例の件数を、2020年4月から1週間ごとに調べている。
●救急利用や受診 関連学会が目安
救急や発熱外来の逼迫を受け、日本感染症学会など関連学会は2日、救急利用や発熱外来受診の目安を示した声明を出した。「新型コロナにかかったかも?と思った時にどうすればよいのか」と題し、ポイントをあげた。
オミクロン株について、感染した時の症状の多くは4日程度で軽くなる、重症化する人は数千人に一人程度と記載。だが、水分が飲めないなど症状が重い場合や、発熱(37.5度以上)が4日以上続く場合は、受診が必要とした。救急車を呼ぶ必要がある症状として、顔色が明らかに悪い、息が荒くなった、座らないと息ができないなどを挙げた。
●21万1058人が感染
国内感染者は2日、全国で新たに21万1058人が確認された。過去4番目の多さとなり、13県で1日あたりの感染者が最多を更新した。死者は143人だった。全国の新規感染者が20万人を超えるのは先月30日以来。感染者が最多だったのは東京都の3万842人。ただ、前週の同じ曜日より751人少なく、2日連続で前週を下回った。
【8月3日】
●「すでに重症者や死者の増加始まっている」 専門家組織 感染ペースは鈍化
厚労省の専門家組織は3日、会合を開き、「第7波」による新規感染者数は2日までの1週間の合計で前週比1.16倍となり、1週間前の1.89倍からは増加のペースが鈍化したと分析した。一部地域でピークを越えつつあるとの予測もあり、減少に転じた地域も出てきているが、ほとんどの地域で増加している。夏休みに入り、10代の感染は減少に転じた一方、重症化リスクの高い高齢者などでは増加が継続、重症者や亡くなる人の増加がすでに始まっている。
重症者は3日時点で計478人、1週間前から167人増えた。死亡者数は2日までの1週間でみると1日平均110人、前週の平均58人から約2倍。病症使用率が5割以上に達したのは29都府県で、先週の18府県からさらに増えた。6県は7割を超えた。医療従事者の感染が増えて医療体制への負荷が起きていて、救急搬送が困難なケースも全国的に急増が続く。リスクの高い接触機会を可能な限り減らし、自己検査できる抗原検査キットを安定的に供給することが重要だと指摘した。
●クラスターなど1324件、第6波ピーク時超え過去最多
先月31日までの1週間に全国で確認されたクラスターなどの数は1324件で、第6波のピーク時を超えて過去最多となったことが厚労省のまとめでわかった。厚労省は毎週、報道などをもとに自治体がクラスターと認定した事例や2人以上が感染した事例をまとめている。それによると先月31日までの1週間に全国で確認されたクラスターなどは合わせて1324件。今年3月上旬に記録した第6波のピーク時の1263件を超え、過去最多となった。
施設別で最も多かったのが高齢者福祉施設で515件、次いで医療機関が270件といずれも過去最多。このほか学校・教育施設などが225件、保育所などの児童福祉施設が132件、企業などが97件、障害者福祉施設が62件、運動施設などが10件、飲食店が2件など。
●休園の保育所やこども園101か所 ぎりぎりの対応迫られる園も
新型コロナに子どもや職員が感染し、全面休園となった保育所やこども園は先月28日の時点で全国で101か所に上っている。できるだけ全面休園せずに一部のクラスの閉鎖にとどめるなどの対応が広がっていることを背景に、最大で700か所以上が休園した「第6波」のことし2月よりは少なくなっているが、職員にも感染が広がる中で現場は対応に追われている。
埼玉県内で9か所の保育園を運営している会社では、先月半ばごろから感染が増え始め、およそ140人の職員のうち最大で16人が感染したり、濃厚接触者になったりしたという。子どもの感染も広がり、川口市内の保育園では先月30日には0歳から1歳のクラスで感染者が出て、25人中20人の子どもが濃厚接触者となって登園できなくなった。職員の子どもが感染して看護のため出勤できないケースも相次いで、系列の園から応援職員を派遣してもらい対応しているという。
●東京都、「陽性者登録センター」開設 自主検査しオンライン登録
東京都の「陽性者登録センター」は、新型コロナの感染拡大で検査や受診が集中している医療機関の負担軽減や、感染した人が陽性と診断されるまでの期間を短くして速やかに支援を受けてもらうことなどを目的に都が開設したもので、3日から申請の受け付けが始まった。利用者は自主検査で陽性だった場合、オンラインで申請し、登録した情報をもとに医師によって陽性と診断される。
そしてメールで結果が通知されたあと、都の「自宅療養サポートセンター」=「うちさぽ東京」から健康観察などのサポートが受けられる。また、センターは医療機関を経ずに保健所に陽性者として発生届を提出する。受け付けは一日当たり3000人を上限、3日は受け付けを終了した午後5時までにおよそ1000人から申請があった。都はまずは、感染者数の割合が大きく重症化のリスクが低い20代からの申し込みを受け付け、順次ほかの年代にも対象を広げる。
●埼玉県が「BA.5対策強化宣言」 全県で4日から31日まで
埼玉県は3日専門家会議を開き、感染拡大に歯止めをかけ医療機関の負担軽減のため、政府が新たに導入した「BA.5対策強化宣言」を出すことを決めた。対象地域は全県、期間は4日から今月31日まで。この宣言を出すのは、首都圏の1都3県では神奈川県に続き2番目。入院患者の増加で県内の病床使用率が75%を超えているため、専用の病床を新たに158床増やして1760床とすることも決まった。
新型コロナ感染のためオンラインで記者会見した大野知事は、帰省や旅行など県境をまたぐ移動の際は密を避けて、感染防止対策を徹底することや、重症化リスクの低い人は医療機関を受診せず、検査キットを使って県がオンラインで確定診断をするサイトを利用するよう求めた。そのうえで、「県民や事業者の皆さんに今までよりも高い緊張感を持って感染対策を行ってほしい」と話した。
●感染最多24万9830人
国内の感染者は3日午後8時現在、全国で新たに24万9830人が確認された。先月28日を1万6800人あまり上回り、過去最多を更新した。24道府県で、1日あたりの感染者数が過去最多になった。死者数は169人だった。
【8月4日】
● 新規感染者数、日本が2週連続「世界最多」 WHO発表
WHOは新型コロナの世界全体の状況を取りまとめていて、3日、新たな報告書を発表した。それによると、7月25日から31日までの1週間の新規感染者数は世界全体で656万5679人と、前の週より9%減少した。日本は137万9099人と、前の週と比べて42%増え、2週連続世界で最も多くなり、世界全体の新規感染者数のおよそ2割を占めた。
日本に次いで多いのが、米国で92万3366人、韓国が56万4437人などとなっている。WHOは、世界各地で調査方針が変更され、検査数も減少していることから、実際の感染者数はさらに多い可能性もあるとしている。
●患者の全数把握、当面は見直さず 入力項目最小限に 政府決定
医療機関と保健所の負担が大きいとして、発生届による患者の全数把握について、全国知事会と日本医師会が2日、政府に即時見直しを申し入れ、専門家有志も同日、段階的な中止を提言している。後藤厚労相は4日、「見直しの議論もあったが、課題も多い。今後丁寧に検討したい」と述べ、当面は見直さない考えをしました。こうした中で、政府は4日、医療機関が保健所に感染の発生を届け出る際の入力項目を、最小限にすることを決めた。
具体的には、65歳未満で基礎疾患がないなど重症化リスクの低い患者については、ワクチン接種回数や、番地などの詳しい住所といった項目の入力は求めない。これにより患者の情報は7項目となり、8つ少なくなった。ただし、自主検査で陽性となった人が連絡して症状を判断してもらう「健康フォローアップセンター」を都道府県が設置していることが条件。いまセンターは北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、沖縄の9都道府県しかない。
●厚労省、「軽症なら受診避けて」 65歳未満で基礎疾患のない人
新型コロナの感染爆発によって救急医療や発熱外来の逼迫を受けて、後藤厚労相は4日、症状が軽く65歳未満で基礎疾患がなければ、慌てて医療機関を受診することは避けることを検討するように呼びかけた。受診抑制をめぐっては、厚労省は7月22日、無症状で検査だけを目的とした救急外来の受診は控えるように要請していたが、さらに踏み込んだ形。
厚労省は、日本感染症学会など関連学会が2日に公表した救急利用や発熱外来受診に関する声明を引用。目安として、症状が軽く65歳未満で、基礎疾患がなかったり、妊娠していなかったりすれば、検査や薬のために慌てて受診しない。救急車を呼ぶ必要があるのは、顔色が明らかに悪い、意識がない、少し動いただけで息苦しい場合などと示した。都道府県に対し、この目安を参考にして住民に周知するように通知した。
●対策強化宣言、分かれる対応 効果に疑問 都は見送り
政府が7月29日に新設を決めた「BA.5対策強化宣言」は、全国知事会からの要望を受けて設けられた。病床使用率が50%を超えるなどの都道府県が、無症状・軽症者に発熱外来の受診を控えるよう求めたり、事業者にテレワーク徹底を呼びかけたりできる。内閣官房によると、「BA.5対策強化地域」は12府県(4日時点)。行動制限など強い措置は打ち出せない。都道府県ごとに対応が分かれており、宣言済みの自治体からも大きな効果への期待は感じられない。
東京都は、宣言を出す予定はないとの立場。宣言した千葉県は高齢者や基礎疾患がある人、その同居家族には混雑した場所への外出を控えるよう求めた。神奈川県は宣言を出したが、重症化リスクの高い人の外出自粛要請は見送った。東海3県で足並みを揃える愛知県の大村知事は、「状況は厳しいんだとアナウンスをして、行動の変容を促す効果はある」。大阪、福岡、宮崎、沖縄の各府県は「対策強化地域」に指定されたが、吉村知事は「具体的に効果は見えにくい」と述べた。
●コロナ休業へ支給、「重複・不正改善を」 検査院調べ
新型コロナの影響を受けるなどした事業者や従業員に支払われる「雇用調整助成金」(雇調金)と「休業支援金」について、会計検査院が調べたところ、重複支給や不正受給などで計3億1719万円が不適切に支払われていたことが分かった。検査院は4日、厚労省に対し、支給後の確認方法など対応策を定めるよう改善を求めた。
雇調金は、雇用を維持して休業手当を支払った事業者に支給され、休業支援金は休業手当が出ない従業員に直接支給される。いずれもコロナ禍の影響を受けた事業者や従業員のため、原則2週間以内の支給をめざし、申請などが簡素化された。このため、厚労省は不正受給の有無などの確認に取り組んでいる。
●専門家「誰もがいつどこで感染してもおかしくない」 都の会議
東京都は4日、モニタリング会議を開き、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルをいずれも最も深刻なレベルで維持した。新規陽性者の7日間平均は初めて3万人を超え過去最多の3万2921人、前週のおよそ1.1倍。いまの増加のペースが続けば、8月10日時点では3万6213人となる予測が示された。専門家は「これまでに経験したことのない爆発的な感染状況が続いて、誰もがいつどこで感染してもおかしくない状況」として強い危機感を示した。
そのうえで、エアコンの使用中での換気や3密の回避、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策で、自らが身を守る行動を徹底するよう訴えた。知事は会議のあと、政府が新たに導入した「BA.5対策強化宣言」を出す考えがあるかどうか報道陣からの質問に「すでに8月21日までを特別期間として設け、帰省や旅行、職場などでの留意点を示して感染対策を徹底してもらうようにしていて、そちらで対策していきたい」と述べるにとどまった。
●「BA.2.75」を即日で検出できる検査手法、運用開始 東京都
オミクロン株の1種「BA.2.75」は、オミクロン株の「BA.2」系統の変異ウイルス。インドでは今年5月の時点で感染者数や死亡者数が低い水準で推移していたが、その後増加傾向に転じ「BA.2.75」の拡大が影響している可能性も指摘されている。これまでに東京都内では9例の感染が確認されているが、都は発生状況をいち早く把握して感染拡大を防ごうと新たな検査手法を開発、今月から運用を始めたと、4日のモニタリング会議で公表した。
●感染増、保険また見直し 日生、制限 損保ジャパン、停止
保険販売の見直しを迫られる会社が相次いでいる。日本生命保険は、コロナ感染時も補償が受けられる医療保険などの販売制限に踏み切った。営業社員から勧誘を受けてない客はこの保険に入れなくなる。コロナ感染に特化した「コロナ保険」では、想定を上回る感染拡大を受け、販売停止や値上げの動きが続いており、商品設計の妥当性も問われている。一方、損保ジャパンは、昨年12月から販売していた「コロナお見舞い金」を4日から販売停止にする。
●23万8千人感染
国内感染者は4日、全国で新たに23万8732人が確認された。前日に次いで過去2番目の多さとなり、11道県で1日あたりの感染者が最多を更新。死者は161人だった。都道府県別の新規感染者が最多だったのは東京都の3万5339人。前週の木曜日(7月28日)より5067人少ないが、3日連続で3万人を上回った。2番目に多かったのは大阪府の2万2371人で、、3日連続で2万人を越えた。このほか愛知県1万6005人、神奈川県1万4007人と続いた。
8月4日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト
【8月5日】
●ノババックスのコロナワクチン、「副反応低い」 厚労省研究班
厚労省の研究班は、ことし5月から接種が始まったノババックスのワクチンを3回目に接種した人、合わせて58人の変異する前の従来株に対する抗体の値や、副反応を分析した結果を公表した。このうち、抗体の値では、3回目を接種してから1か月が経過した7人を対象に、接種する前と比較したところ、平均で31.9倍だったとしています。
一方、副反応が起きた割合は、37.5℃以上の発熱があった人は10.3%、全身のけん怠感は39.7%、頭痛は27.6%。ファイザーやモデルナより、副反応の頻度が低いといえる結果になったという。順天堂大学医学部の伊藤特任教授は、「季節性インフルエンザのワクチンと比べても、副反応の頻度は統計学的に、ほぼ同じ程度か、あるいは少し高い程度で、今後さらに数を集めて詳しく分析していきたい」と話している。
●自宅療養、最多145万人 検査は自分で…キットは不足
新型コロナの感染拡大で、全国の自宅療養者は前週比約1.3倍の約145万人となり、3週連続で過去最多を更新した。厚労省が3日時点の状況をまとめ、5日に公表した。入院や宿泊療養などを含む全体の療養者数は約183万人。現時点では軽症者が多く、療養者の約8割を自宅療養者が占める。
厚労省によると、入院している人は約3万人、療養先を調整中の人が約32万人となっている。都道府県別で自宅療養者数をみると、東京都が約19万人、大阪府が約15万人、神奈川県と愛知県が約10万人などとなっている。感染者が増え続ける状況では、入院が必要なのにできなかったり、自宅療養中に症状が悪化しても対応が遅れたりする恐れがある。
●検査キット、ネット販売解禁の議論も
自治体独自の取り組みが広がるが、いずれも前提となるのは医療用の抗原定性検査キット。だが需要が急激に高まり、入手しづらくなっている。厚労省によると現在、国内に約1億6500万回分の在庫がある。しかし、薬局などから発注数が増え、一時的に納品が遅れているという。厚労省はキットを買い上げ、計約1200万回分を都道府県に送る対応をとっている。
キット不足は昨冬の「第6波」でも起きた。再びキット不足に直面し、7月末からは精度が確認できておらず、国が承認していないキットによる検査、登録も、緊急対応として認めることにした。薬局販売だけでは需要の急増に答えられない。薬剤師がいないドラッグストアやオンラインでも購入できるように、さらなる規制緩和が必要との声も。政府は昨秋、薬剤師がいる薬局でキットを購入できるようにした。ネット販売も議論しているが、まだ実現出来てない。
●行動制限緩和、非製造業が好調 製造業は一転ブレーキ 4~6月期
新型コロナに苦しめられてきたサービス業や交通などの2022年4~6月期決算は業績回復の動きが顕著。コロナ禍がいったん落ち着いた今春以降、客足が戻ったためで、非製造業全体の好業績につながっている。ただ、足元では感染が急拡大し、原材料高や部品不足などが続いている。値上がりを招いている一因のウクライナ情勢は先行きが見通せない。円安の影響も重なり、好業績が今後も続くかは見通しにくい。
売上高は合計で79.6兆円で、前年同期と比べて13.8%増えた。営業利益は5.9兆円で3.6%減、純利益は6.9兆円で22.3%増だった。業績を伸ばした企業が目立ったのが非製造業。純利益を増やした368社の約半数を非製造業が占めた。非製造業全体の純利益は前年同期から77.3%増。一方、2022年3月期決算がコロナ禍前を上回る業績だった製造業は、回復にブレーキがかかった。売上高は10.9%増えたが、営業利益が11.7%減、純利益が1.7%減だった。
●発熱外来の負担軽減狙う
東京都は、3日から自分で検査し自宅で療養する取り組みを始めた。対象は20代で持病がない人。感染疑いのある人は、検査キットを都の専用サイトに配送を申し込み、自分で検査する。陽性なら検査結果や持病などの情報などを「陽性者登録センター」にオンラインで送る。医師が確認、保健所に発生届を出す。重症化リスクがある患者には、医療機関での受診を促す。患者は自宅で体調が悪化した時には、「自宅療養サポートセンター」に連絡する。
また千葉県では7月から、2月に開設した「検査キット配布・陽性者登録センター」を再開した。患者が自宅にとどまったまま医師の診断が受けられる。発熱外来にかからず、自宅療養ができる仕組みを整えた自治体が広がっている。厚労省によると4日時点で、東京、千葉のほか北海道、埼玉、神奈川、京都、大阪、兵庫、沖縄の計9都道府県。他に27自治体が検討中。ただ、この仕組みで使う検査キツトは不足がちだ。
●「帰省前に検査を」 臨時のコロナ無料検査会場、都内6か所に
臨時の無料検査会場は、安心して帰省や旅行をしてもらおうと、人の移動が増えるお盆期間を前に、東京都が5日から、東京駅、品川駅、上野駅、池袋駅、新宿駅、バスタ新宿の6か所に設けた。このうち、品川駅構内の通路に設置された会場では、検査が始まった午前8時ごろから、次々と利用者が訪れていた。
検査を希望する人は事前に専用のウェブサイトで予約し、会場が設置される今月18日までの間、午前8時から午後8時まで抗原検査を受けることができる。その場で検査キットが渡されたあと、みずから15分から30分ほどで判明する結果を確認する。
●夏の全国高校野球、開会式の入場行進はキャプテンのみ
夏の全国高校野球の開会式は当初、各代表校の選手全員が3年ぶりに入場行進する計画だったが、5日午前中に行われたリハーサルは、大会前のPCR検査などで集団感染と判断された4校に加え、新たに複数の選手が体調不良となった2校、合わせて6校が欠席。日本高校野球連盟などは緊急対策本部を開き、多くの選手が同じ場所にとどまるのは避けるべきとして、開会式はプラカードに続いてキャプテンのみが入場行進する形に変更すると発表した。
【8月6日】
●「ロッキン」野外音楽フェスティバル、感染対策とり3年ぶり開催
「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」、通称「ロッキン」は、2000年から毎年夏に茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」で開催されてきたが、新型コロナの影響で一昨年と昨年は中止となり、運営側は、感染対策と両立させるため、密になりにくい千葉市中央区の「蘇我スポーツ公園」に場所を変えて、3年ぶりに開催することになった。イベントは、8月13日までの間で5日間、開かれる。
【8月7日】
●「BA.2.75」 感染の広がりやすさ、「BA.5」の1.14倍
京都大学の西浦教授と北海道大学の伊藤教授らのグループは、5月から先月上旬にかけてインドで報告された「BA.2.75」やほかの変異ウイルスのデータをもとに、感染の広がりやすさの違いを分析した。その結果、「BA.2.75」の、1人が何人に感染を広げるかを示す「実効再生産数」は現在、感染のほとんどを占めると推定される「BA.5」の1.14倍、感染の第6波で主流だった「BA.2」の1.36倍と推定されたという。
グループは、日本で「BA.2.75」が急拡大する可能性は低いものの、少しずつ置き換わっていくと分析している。西浦教授はこれまでのウイルスと比べた場合の広がりやすさについて「軽微な程度にとどまっている」としながらも「現状では日本にBA.2.75の感染者がどの程度いるのか把握できない状態なので、警戒感を持って情報収集をしないといけない」と話す。
【8月8日】
●香港 海外からの渡航者のコロナ対策隔離期間、3日間に短縮へ
香港政府トップの李行政長官は8日、記者会見を開き、海外からの渡航者に義務づけている指定ホテルでの隔離期間をこれまでの7日間から3日間に短縮すると発表した。新たな措置は今月12日から適用される。李長官は会見で「リスクと経済のバランスを取り、社会活動を活性化させ、経済に活力を与える」と述べ、感染の拡大をおさえながら、経済的な競争力を維持したい考えを示した。
香港は、中国のいわゆる「ゼロコロナ」政策に合わせて、渡航者の隔離や5人以上の集会の禁止など厳しい措置を続けているが、ビジネス界や市民の間で不満が高まっていて、今回の措置はこうした不満を和らげるねらいがあるとみられる。
●全数把握見直し 厚労省、隔離措置へ影響危惧
全数把握の見直しを求める声は高まっている。後藤厚労相は5日の閣議後会見で、「(医療機関や保健所の)手間がどうか、ということだけで検討できるものとは言えない」と述べた。感染症法の改正も視野に、時間をかけて検討すべきだという考え。厚労省は、全数把握だけなら省令の改正で中止できるとみる。ただ、後藤氏は「全数報告は感染症対応、患者に対するアプローチの起点」とし、隔離措置などほかの感染症対策への影響を危惧している。
さらに、把握できた感染者にしか入院勧告や行動制限ができなくなれば、公平性を欠く。感染者数をもとにした流行状況の分析もやりづらくなる。一方、提言を出した専門家有志らは、第7波が収束する前でも全数把握の見直しは進められる、との考え。発生届が求められる症例を肺炎を起こした疑いがある患者に絞ることや、重症化リスクが低い人らには診断を確定させなくてもよい運用も想定する。
●医師「軽症者にも必要か」 全数把握、見直し進まず 事実上やめた県も
感染症法上の規定で、医師は診断したすべての新型コロナ感染者の情報(発生届)を保健所に提出、保健所は発生届をもとに感染者数を把握、入院措置や健康観察をする必要がある。医療機関や保健所が逼迫するとして、全数把握を見直すように全国知事会、日本医師会、専門家有志が求めている。現場の医師も「いま軽症者が多い中、本当に全員分が必要なのか」と自問している。政府はコロナ対策全般への影響が大きいとして、「第7波」の中では見直さない姿勢。
しかし少なくとも神奈川県と兵庫県では、一部の陽性者について発生届を提出しない仕組みを導入済み。事実上、全数把握はやめている。重症化リスクが低い人は、抗原検査キットなどを使った自己検査で陽性になっても、医療機関を受診せず、自治体にウェブで届けることで「自主療養」を始められる仕組み。診断を確定させないことで発生届の提出は必要なく、結果的に医療機関や保健所の負担が軽くなっている。政府もこの仕組みを黙認している。
●オミクロン接種10月にも 5歳〜11歳努力義務 厚労省方針
新型コロナのワクチンについて、厚労省は8日、オミクロン株に対応した新しいワクチンを10月半ばにも使い始める方針を決めた。2回接種後を前提に、高齢者や基礎疾患がある人に用いるほか、すべての人に使うことも想定して自治体と準備する。ほかに5~11歳の接種に、12歳以上と同じ予防接種法上の「努力義務」を9月上旬にも課すことも決めた。8日の専門家分科会で了承された。
新たなワクチンは、昨冬に流行した「BA.1」と、初期の流行株の二つのウイルス株に対応した「2価ワクチン」と呼ばれるもの。米ファイザー社や米モデルナ社が開発中で、これまでのワクチンより、オミクロン株への感染を防ぐ「中和抗体価」が高くなるとされる。接種間隔は、5カ月程度を見込む。ファイザー社は8日、厚労省に2価ワクチンの承認を申請した。薬事承認がされれば、ワクチンは9月に輸入が可能。
●高校野球 集団感染の県立岐阜商、登録選手10人入れ替え1回戦に
夏の第104回全国高校野球で、代表校で最も多い30回目出場となる県立岐阜商業をはじめ5校が集団感染と判断される中、高野連(日本高校野球連盟)などは選手たちが甲子園球場で試合を行う機会を失わないように、感染対策のガイドラインを改め、集団感染が起きた場合でも登録する選手全員が、試合前の72時間以内にPCR検査で陰性を確認できれば、選手を入れ替えて出場できるという基準を設けた。
県立岐阜商は、大会前にチーム内で感染が広がり、集団感染と判断されたため6日の開会式を欠席、大会4日目の9日に組まれた1回戦に出場できるかどうか危ぶまれていた。ガイドライン改定を受けて、県立岐阜商は当初登録していたメンバー18人のうち10人を入れ替えた。エースや攻守の要の選手などが外れることになったが、高野連なども全員の陰性を確認できたとして、9日の第4試合で兵庫の社(やしろ)高校との1回戦に予定どおり臨む。
●感染13.7万人、20万人下回る
国内感染者は8日、全国で新たに13万7856人が確認された。20万人を下回るのは1週間前の今月1日(13万9572人)以来。死者は全国で150人が発表された。感染者が最も多かったのは東京都の1万7884人で、2万人以下は7月19日(1万1018人)以来。前週の月曜(今月1日)より4074人少なかった。和歌山県は1日当たりの感染者数が過去最多の1686人。
【8月9日】
●コロナ抗原検査キット、ネット販売解禁へ
新型コロナに感染したかどうかを調べる抗原定性検査キットについて、厚労省はインターネットを通じた販売を解禁する方針を固めた。月内にも専門家の会議を開いて決める。感染拡大で需要が急増する一方で、流通に目詰まりが起きてキットが不足しており、購入ルートを増やして入手しやすくする。キットは自宅などで説明書を見ながら使え、15分ほどで結果が分かる。ただ精度はPCR検査より劣り、陰性でも感染対策をする必要がある。
●7日まで1週間の「搬送困難事例」6589件、2週連続で過去最多
総務省消防庁は、搬送が困難な事例が7日までの1週間は6589件あったと9日発表した。前の週を上回り、2週連続で過去最多。これは、第6波で最多だったことし2月の6064件より500件余り多く、新型コロナの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期のおよそ5倍。このうち、新型コロナの感染が疑われるケースも全体の43%の2873件で、過去最も多くなった。
「搬送が困難な事例」を地域別にみると、東京が2900件、大阪市が552件、横浜市が456件、千葉市が270件、さいたま市が238件などとなっている。コロナの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期と比べると、それぞれ5.5倍、3.52倍、9.91倍、4.35倍、7.21倍など。このほか、大都市と比べると件数は多くないものの、全国各地で搬送困難な事例が増えている。
●抗原検査キット、ドライブスルーなどで直接配布 兵庫14自治体
兵庫県は、感染の急拡大で逼迫する医療機関の負担を軽減しようと、発熱などの症状がある人を対象に抗原検査キットを無料で郵送しているが、申し込みが殺到していて連日、受け付けの開始から30分以内に予約枠が埋まる状況が続いている。このため、できるだけ多くの人に検査を受けてもらおうと、一部の自治体では県を通じて確保した検査キットを直接市民に配布する取り組みが始まった。
このうち芦屋市では9日、専用サイトから予約した市民が車で市役所を訪れ、ドライブスルー方式で職員から検査キットを受け取っていた。兵庫県によると、9日までに県内14の自治体が取り組みを始めていて、今後、神戸市を除くすべての自治体で直接の配布を予定しているという。予約枠や配布の方法は自治体によって異なるということで、詳しい情報は各自治体のホームページで確認してほしいとしています。
●新型コロナ 重症化に関わるたんぱく質を研究グループが確認
新型コロナで重症になった人では、免疫の制御に関わる遺伝子が作るたんぱく質の量が少なくなっていたとする分析結果を、慶応大学などの研究グループが発表した。このたんぱく質を活性化する薬剤が見つかれば、新たな治療法になる可能性があるという。グループは、ゲノムワイド関連解析という手法で新型コロナ感染者の遺伝子データを分析した結果、免疫制御に関わる「DOCK2」と呼ばれる遺伝子の領域に変異があると重症化のリスクが高いことを確認した。
実際に重症の患者では、重症化しなかった患者に比べてこの遺伝子の発現が低下していた。また、重症化して亡くなった人の肺の組織を調べたところ、この遺伝子が作るたんぱく質の量が少なかった。そのうえで、新型コロナ感染のハムスターでこのたんぱく質の働きを抑える実験を行った結果、体重が減少したり、重い肺炎にかかったりして重症化したという。研究グループは、このたんぱく質の働きの低下が重症化に関わっていることが確認できたという。
●感染21.2万人、2日ぶり20万人超
国内感染者は9日、全国で新たに21万2550人が確認され、2日ぶりに20万人を超えた。死者の発表人数は278人で、第7波で最多だった今月5日の214人を大きく上回った。感染者が最も多かったのは東京都の2万9115人。3日連続で3万人を下回り、1週前の同じ曜日(2日)より1727人少なかった。2番目に多かった2万5296人で、過去2番目の多さ。
【8月10日】
●外国人観光客受け入れ再開2か月、観光客は8000人余にとどまる
政府は、受け入れを停止していた外国人観光客の受け入れをことし6月に再開し、10日で2か月となる。受け入れは、一日当たりの入国者数の上限2万人の範囲で行われ、入国の対象は米国や韓国、中国など102の国と地域。感染拡大を防ぐために、添乗員付きのツアー客に限定されている。出入国在留管理庁によると、先月末までに入国した外国人観光客は8000人余りにとどまった。6月は252人で、7月はおよそ7900人。
また観光庁によると、今月5日から今月31日までに入国すると申請した外国人観光客は8500人余りで、一日平均でおよそ310人。その理由は、中国では海外への渡航が厳しく制限され、またすべての国や地域でビザの取得やコロナ陰性証明の提出が必要で手続きに時間がかかる、ツアー客に限定し個人旅行を好む欧米からの観光客の入国が低調なことなど。円安を背景に観光客の増加に期待する声が出ていて、感染対策と経済活性化をどう進めていくのかが課題。
●専門家会合「最も高い感染レベル続く お盆帰省前に検査を」
厚労省の専門家組織の会合が開かれ、新規感染者数の増加幅は小さくなってきているが最も高い感染レベルが続き、いったん減少しても急増する地域もあり、夏休みやイベントによる接触機会の増加が影響していると分析した。感染者数の増加は重症化リスクの高い高齢者で継続していて、亡くなる人は第6波のピークに近いレベル、今後さらに増加が懸念される。救急搬送が困難なケースが増加するなど、医療提供体制に大きな負荷が生じている。
また、オミクロン株対応のワクチン接種を10月中旬以降に開始する準備を進めることや、3回目接種や高齢者の4回目の接種を促進していくことが必要。特にお盆や夏休みの帰省で高齢者との接触や大人数での会食がある場合は、事前に抗原検査キットなどで陰性を確認するよう推奨。さらに、自分で抗原検査キットを使って医療機関に行かなくても迅速に健康観察につながる体制を進めること、検査キットを安定的に供給することが重要だと指摘した。
●新規感染者、前週比1.05倍 増加続く
厚労省の専門家組織の会合で示された資料による、9日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.05倍で、過去最多レベルの感染が続く中で増加が続いている。首都圏の1都3県では東京都が0.97倍、神奈川県0.94倍、埼玉県1.01倍、千葉県1.00倍とほぼ横ばい。関西では大阪府が1.01倍、兵庫県が1.09倍、京都府が1.03倍、東海でも愛知県が1.07倍、岐阜県が1.20倍、三重県が1.17倍と、横ばいから増加となっている。
また人口当たりの感染者数が最も多い沖縄県は0.96倍。広島県1.41倍、高知県1.36倍、和歌山県1.30倍などと、39の道府県では前の週より多い状態が続いているが、2倍を超えた地域はない。人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、沖縄県が2261.7人と2000人を超え全国で最も多く、次いで大阪府が1596.1人、福岡県1577.2人、宮崎県1553.0人、東京都1540.0人、熊本県1504.1人など、29の都府県で1000人を超え、全国で1194.3人。
8月9日まで新規感染者数の前週比 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト
● 5~17歳ワクチン「推奨」 日本小児学会 基礎疾患のない子も
日本小児科学会は10日、オンラインで記者会見を開き、5~17歳の新型コロナワクチンについて、基礎疾患の有無にかかわらず「推奨する」との見解を示した。重症化や発症を防ぐ新たなデータが集まったことや、「第7波」で入院する子どもが増えていることから、健康な子どもにも推奨の対象を広げた。10代以下の子どもへの感染が広がり、7月は新規感染者のうち約3割を占める。一方、5~11歳の2回目接種率は8日時点で18.5%にとどまる。
子どもは新型コロナに感染しても95%以上は軽症だが、感染者が増えたことで、急性脳症やけいれんなどで入院する例が増えている。20歳未満の死亡は、オミクロン株の流行から7カ月で14例報告されている。8日の厚労省の専門分科会では、9月以降、5~11歳にも予防接種法上の「努力義務」を課すことが決まっている。学会は2回目の接種から5カ月が経過した12~17歳に対しては、3回目を早期に打つことを推奨している。
●看護職員の賃金月8千円増、10月からコロナ対応医療機関など 患者負担は増加
地域で新型コロナ対応などを担う医療機関に勤める看護職員の賃金引き上げについて、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は10日、原資を入院料への上乗せで確保することを了承した。対象の看護職員は10月から賃金が2%(月8千円)程度上昇する一方、入院患者の窓口負担は増えることになる。
●コロナ患者搬送、最長で35時間超 東京消防庁 病床逼迫で
東京消防庁は10日、新型コロナ感染者の救急搬送で、救急要請を受けてから病院に搬送するまでの時間が過去最長となる約35時間47分かかった例を明らかにした。過去最長になったのは今年夏に要請があった70代男性の搬送。足を負傷して入院する際に陽性が判明、転院するために搬送の要請があったが、コロナの診察と整形外科の両方を担当できる医療機関が見つからなかった。これまでの最長は「第5波」中だった昨夏の搬送で約23時間35分。
●感染、最多25万人超
国内感染者は10日、全国で新たに25万403人が確認された。前週の同じ曜日(3日)を631人上回り、過去最多を更新した。死者は251人だった。北海道や宮城、愛知、兵庫、長崎など20道県で過去最多を更新。
都道府県別では、東京の3万4243人が最多で、大阪の2万3730人が続いた。一方3日と比べて東京は4697人、大阪は308人、それぞれ減少した。大阪府の吉村知事は記者会見で「経験上、収束に向かっていると推測している。しばらく横ばいが続くかも知れないが、その後は減少する可能性が高い」と話した。
8月10日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト
【8月11日】
●新規感染者数、日本が3週連続世界最多 WHO発表
WHOは8月10日、新型コロナの世界全体の状況について新たな報告書を発表した。それによると8月1日から8月7日までの1週間の新規感染者数は、世界全体で698万516人と前の週より3%増加した。このうち、日本は、149万6968人と、前の週と比べて9%増え、世界全体の新規感染者数のおよそ2割を占め、3週連続で世界で最も多くなった。
また、同じ期間の日本の1週間の死者の数は1002人と、前の週と比べて53%増え、米国やブラジル、イタリアに次いで世界で4番目に多くなっている。WHOは、一部の国では検査の方針の変更に伴って検査数自体が減少していることから、実際の感染者数や死者数はさらに多い可能性もあるとしている。
●北朝鮮 金正恩総書記、「防疫大戦に勝利」と宣言
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、「全国非常防疫総括会議」が首都ピョンヤンで8月10日に開かれ、金正恩総書記が演説したと伝え、会議の映像を放送した。この中で総書記は「全国の感染者は12日間連続でゼロを記録している。われわれの領土を悪性ウイルスがない、清潔な地域にするという目標が達成された」と述べ、「防疫大戦に勝利した」と宣言した。
北朝鮮は、2022年5月、新型コロナの感染者が初めて確認されたと発表し、一日当たりの発熱者はピーク時には39万人を上回ったが、7月29日からはゼロだと主張していた。また、総書記は都市の封鎖などの措置を緩和するとしていて、9月の建国記念日を前にみずからの成果としてアピールする思惑もあるとみられる。
●感染累計1500万人
新型コロナの国内感染者は11日、新たに24万205人が確認され、累計で1500万人を超えた。20万人を超えたのは3日連続。前週の木曜日(4日)より1534人増え、過去3番目の多さだった。死者は、全国で206人が確認された。
【8月12日】
●米CDC、コロナ感染者の接触者は隔離不要 高性能マスク着用に
米国では7月中旬以降、一日に報告される新型コロナ感染者は平均で10万人余り、死者は400人ほどで推移している。CDC(疾病対策センター)は11日、新型コロナへの対応を示したガイドラインを更新した。この中で感染者と接触した人には、これまでワクチン接種状況によっては一定期間、隔離を求めていたが、隔離を不要とし、代わりに最後に接触してから5日間空けて検査を受け、10日間は高性能のマスクを着用するよう推奨する内容に変更した。
一方、検査で陽性が確認された人は少なくとも5日間の隔離を推奨し、症状があるものの検査結果が出ていない人は結果が出るまでは隔離を求める。今回の変更について、CDCは「ワクチンや治療法など、重症化を防ぐ手段はいくつもあり、リスクは大幅に減少している。パンデミックはまだ終わっていないが、新型コロナによって日常生活が大きく混乱することがないよう、今回の変更を行った」としている。
●コロナ対策司令塔、難局続く中の交代
8月10日の内閣改造で、コロナ対策を担う厚労相が交代した。12日に就任会見を開いた加藤厚労相は「(対策の)段階的な見直しを行い、一日も早い経済社会活動の正常化を目指していくことが重要」と強調した。新型コロナの「5類」緩和を求める声が上がっているが、こうした見直しについては、首相が「時期をしっかり見極めながら、引き続き丁寧に検討を進めるよう示された」と具体的な日程は明言せず、専門家や地方自治体、医療関係者からの意見を踏まえて検討するとした。
加藤勝信・厚生労働大臣と後藤茂之・前大臣 出典:ウキメディア・コモンズ
加藤氏は2020年9月まで厚労相を務めたが、「当時と比べると感染者数、ウイルスも変化してきているが、検査のキャパシティー、ワクチン接種、医療提供体制もそれぞれ強化がされてきたと思う」との見方を示した。一方、交代した後藤前厚労相は同日の会見で、抗原検査キットが不足したことを反省点としてあげた。感染症対応の司令塔となる「内閣感染症危機管理庁」や国立感染研と国立国際医療研究センターを統合した「日本版CDC」創設など課題が山積している。
●検査証明不要、戸惑う企業 外食・宿泊業界「変更難しい」
厚労省は経団連や日本商工会議所などに、療養開始時や復帰時に検査結果の証明書を求めないよう要請した。10日には都道府県などにもこの要請を周知するよう求める通知を出した。背景には検査のための受診者が増え、本当に治療が必要な人への対応が遅れかねないとの危惧がある。厚労省によると、1日あたりの発熱外来の相談件数は7月25日に21万件超となった。症状が重くても希望通りに診てもらえない状況が各地で起きている。
一方で、顧客と接する機会が多い宿泊や外食関連などでは従来通り提出を求める企業もある。上司らの指示に従わざるを得ず、検査のために診察を受ける人は少なくない。某大手ホテルは、発熱などがある従業員にPCR検査を受けるよう指示している。このホテルは陽性者や濃厚接触者が増えており人手不足が深刻。担当者「運用を変えることは難しい」と話す。洋食店の運営会社も医療機関などでのPCR検査を求める。「お客様に不安を抱かせないためにも必要」との立場。
●台風に備え 都内自治体、コロナ自宅療養者の避難所受け入れ準備
台風8号が東海や関東甲信にかなり接近し、上陸するおそれがある中、東京都内の自治体では、新型コロナに感染して自宅で療養している患者も、避難所などで受け入れられるよう備えている。このうち江戸川区では、11日の時点で、新型コロナに感染して自宅で療養している患者はおよそ1万8600人いて、第6波のピーク時に比べ30%ほど多くなっている。
こうした中災害時は、自宅で療養している患者も含め、すべての住民に対し、まずは安全な地域に暮らす親戚や知人などのもとへ広域に避難することを呼びかけている。そして避難所に来ざるをえない状況も想定し、検温や消毒など感染対策を徹底したうえで、患者やその家族、濃厚接触者の疑いがある人の専用のスペースも設け、受け入れる体制を整えている。
【8月13日】
●埼玉、妊婦のコロナ感染急増でNICUほぼ満床 県外に搬送も
埼玉県産婦人科医会によると、県内で新型コロナに感染した妊婦は、7月に入って急増、7月31日から8月6日までの1週間で399人にのぼっている。感染した妊婦から生まれた赤ちゃんは、陰性が確認されるまで一時的に新生児集中治療室(NICU)などで隔離しているが、県内の医療機関のNICUは、ほぼ満床の状態が続いているという。
8月7日には、県内のクリニックに入院した切迫早産の妊婦の新型コロナへの感染がわかったが、赤ちゃんを受け入れる県内のNICUが見つからず、産婦人科医会の担当医師などが調整を行い、翌日になって東京都内の医療機関に受け入れ先を確保できたという。受け入れ先の確保にあたった埼玉県産婦人科医会の服部医師は「今までは、なんとか無理をしてでも県内の医療機関で対応できたが、それもきかなくなったと感じた」と話していた。
【8月14日】
●高齢者、やむなく施設内療養 第7波 中等症も入院困難に
厚労省によると、高齢者施設のクラスターの発生件数は、8月1~7日に587件。1週間あたりでは前週の502件から85件増えた。「第6波」のピークだった2月14~20日の479件を上回り、最多を更新した。高齢者施設では利用者が中等症でも入院できないケースがある。多くの施設が高齢者は重症化リスクがあるとして「軽症でも原則入院」を求めてきたが病床逼迫に直面。施設内療養の対応に追われている。
全国老人福祉施設協議会の田中副会長は「原則入院は変わらずに求める。ただ、医療が逼迫して入院先が見つからない現状のなかで、全員入院とは言えない。症状が重い人や、基礎疾患のある人は入院させてほしい。軽症者は施設でみていくしかない」と話す。
●新型コロナ病床使用率、沖縄本島で100%超 入院できない状況も
沖縄県によると、県内の人口10万人当たりの新規感染者は、13日までの1週間で1821.13人と全国で最も多くなっている。14日現在入院しているのは、13日より17人多い728人で、国の基準での重症は22人、中等症は395人。
新型コロナ患者用の病床使用率は県全体で95.5%、このうち沖縄本島では101.3%と100%を超え、県によると特に沖縄本島の中南部では、13日からコロナ専用の病床に空きがなくなり、感染者が入院できない状況がたびたび発生しているという。入院を受け入れている病院では病床を空けるため、本来は入院に向けて調整中の感染者に一時的に待機してもらう那覇市内の「入院待機ステーション」に、入院中の感染者を移動させる状況になっている。
●「BA.5」感染の免疫 、「BA.2.75」には効きにくい 東大発表
オミクロン株の1つで、国内でも検出されている「BA.2.75」は、現在、ほぼすべてを占める「BA.5」に感染してできた免疫が効きにくいとする動物実験の結果を、東京大学などのグループが公表した。グループで、「BA.5」に感染したハムスターの血液を使ってウイルスを抑える中和抗体の働きを調べたところ、「BA.2.75」に対しては「BA.5」と比べて12分の1に下がった。一方で、ワクチンの効果については、「BA.2」と同じ程度だった。
グループの佐藤教授は「BA.5に感染してできた中和抗体が、BA.2.75には効果を示さない可能性がある。置き換わりが進むことで、今の感染が十分減らない可能性がある」と話す。
●感染、前週下回る
国内感染者は14日、新たに17万8352人が確認された。1週間前の日曜日(7日)より2万8070人少なかった。新規感染者数が前週の同じ曜日を下回るのは3日連続。新たに確認された死者は153人だった。新規感染者数が最多だったのは東京都の2万2740人。ただ、前週の同じ曜日よりも3573人少なく、14日までの週平均の感染者数は、1日当たり2万5629.0人で前週(3万1732.7人)の80.8%だった。山口県は、2585人で過去最多を更新した。
【8月15日】
●中国、消費・生産停滞続く 7月統計 ゼロコロナ足かせに
中国の今年1~6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年同期比2.5%にとどまった。今月6日には観光客でにぎわう海南省三亜で事実上のロックダウンが始まり、約8万人が足止めされるなど、移動制限が各地で断続的に続いており、今後も中国経済の足かせとなりそう。中国国家統計局が15日に発表した7月の各種統計は、消費や生産など景気の停滞が依然として続いていることを示した。習近平指導部はゼロコロナ政策を堅持すると強調。
統計によると、消費の状況を示す小売総額は前年同月比で2.7%増にとどまり、6月の3.1%増から減速した。企業の生産状況を示す7月の鉱工業生産は前年同月比3.8%増で、6月の3.9%増から減速した。冷え込みが続く不動産市場では1~7月の住宅販売額が前年同期比で31.4%減り、回復の兆しが見られない。若年層の就職難も深刻で、16~24歳の7月の失業率は19.9%となり、過去最高水準が続く。
●GDP、やっとコロナ前水準 第7波前の4〜6月 年2.2%増
内閣府が15日、1次速報を発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を除いた実質で前期(1~3月期)比0.5%増、年率換算で2.2%増となった。年換算でのGDPの規模は542兆円と、新型コロナ前(2019年10~12月期)の540兆円を上回った。ただ、海外と比べると日本のコロナ禍からの回復のペースは遅い。2022年1~3月期の実質成長率も今回、年率でプラス0.1%に上方修正されたため、4~6月期は3四半期連続のプラス成長となった。
GDPを項目別にみると、半分以上を占める個人消費が前期比で1.1%増えた。3月で「重点措置」が全面解除され、5月の大型連休は3年ぶりに行動制限がない状態で迎え、宿泊や外食といったサービス消費が伸び、衣料品などの売り上げも好調だった。設備投資は、企業のデジタル化に伴うソフトウェア投資が増えるなど1.4%増。輸出も鉄鋼や船舶などが伸びて0.9%増だった。
●自宅療養者、過去最多の154万4096人(8月10日時点)
厚労省によると、新型コロナに感染して自宅で療養している感染者は、5日前の8月10日の時点で全国で合わせて154万4096人だった。前の週から10万5991人増え、4週連続で過去最多。都道府県別では、東京都が最も多く17万8700人、次いで大阪府が14万7373人、愛知県が10万9746人などとなっている。
現在流行しているオミクロン株は感染力が強いものの、重症度はこれまでの株より低く、自宅療養になる人が多い傾向がある。「第7波」では、新型コロナに感染したあとに搬送先が見つからず自宅で死亡した高齢者もいて、厚労省は全国の自治体に医療提供の体制などを強化するよう求めています。
●東京2.3万人感染
国内感染者は15日、全国で新たに13万8613人が確認された。4日連続で20万人を下回ったが、前週の月曜日(8日)より796人多かった。死者は204人だった。感染者が最も多かったのは東京都の2万3135人。前週の月曜日より5251人多く、10日ぶりに前週を上回った。病床使用率は59.8%。都が30~40%で「緊急事態宣言」の要請を判断するとしている「重傷者用病床使用率」は37.4%だった。
8月15日時点の国内と東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト
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