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2022年6月の4件の投稿

2022年6月28日 (火)

新型コロナ2022.06 減少鈍化

  新型コロナ第6波は、感染力の強いオミクロン株の「BA.2」系統が主流となった。新規感染者数は2月中旬にピークアウト、「まん延防止等重点措置」は3月21日で全面解除された。行動制限なしの大型連休(4月29日~5月8日)が明け、全国的なリバウンドが懸念された。一部地域を除いて増加傾向は継続せず、5月後半には全国的には減少が続くが、その傾向は鈍化している

 2022年6月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.05 減少傾向」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】


【6月1日】

●上海、封鎖解除 市民が外出 街に人通り

 上海市は1日、約2カ月間続けた都市封鎖(ロックダウン)を解除した。大部分の市民は外出が可能になり、一部の職場では出勤も再開した。店舗内での飲食がまだ認められないなど、感染再拡大への警戒も強く残る。地下鉄や路線バスなどの公共交通機関が全線で運転を再開。本数を減らすが、状況に応じてダイヤを見直す。スーパーやコンビニなど商業施設も営業の再開が相次ぐが、利用には72時間以内に受けたPCRの陰性証明が必要。

 現在、外出が可能なのは人口2500万人の約9割に当たる2200万人超。今後も、一定数以上の新たな感染者が確認された住宅地は、14日間の隔離措置は続く。中国最大の経済都市・上海が機能をほぼ停止したことで、生産や物流などの経済活動が滞り、日本でもトヨタやホンダが国内工場を一時、停止するなど影響は世界的に広がった。今後も世界経済のリスクとなりそう。

●入国者数上限 きょうから2万人に 入国時検査など一部免除

 新型コロナの水際対策をめぐり、政府は、観光目的を除く外国人の新規入国を再開しており国内外の感染状況や空港の検疫体制などを踏まえ、一日当たりの入国者数の上限を3月1日に5千人、14日に7千人、そして4月10日には1万人と、段階的に引き上げてきた。そして、1日から入国者数の上限を2万人に引き上げ、一部の国や地域からの入国者には入国時の検査などを免除する。政府はまた、10日から訪日観光客の受け入れを約2年ぶりに再開する。

●自衛隊大規模接種会場で4回目接種も開始へ6月13日から 防衛省

 自衛隊による新型コロナワクチンの大規模接種について、防衛省は、東京で1か所、大阪で2か所、会場を設けて、3回目の接種を行っている。先月25日から、60歳以上の人や基礎疾患のある人などを対象に4回目の接種が始まったことを受けて、防衛省は今月13日から自衛隊の大規模接種会場でも4回目接種を行うことになった。

●後遺症、1年後も1割 中等以上の入院患者

 新型コロナ感染後に症状が長引く「後遺症」について、中等症以上で入院した感染者のうち1年後も何らかの症状を訴える人が1割超いたことが、日本呼吸器学会の調査でわかった。厚労省に助言する専門家組織の会合で1日、分析結果を示した。研究代表者の高知大の横山教授は、「重症度が高かった人ほど、筋力低下や呼吸困難の後遺症が残る割合が上がった」と話した。主な症状は筋力低下が9.3%、呼吸困難感が6%、倦怠感が4.9%など。

【6月2日】

●北朝鮮、地域封鎖を緩和 農作業の人手確保 意識か

 新型コロナ感染の厳しい地域封鎖を実施していた北朝鮮で、5月下旬から平壌を含む各地で徐々に緩和されている。食料不足の中、封鎖の長期化で「死活問題」の農作業の人手不足を避けたり、梅雨や台風の季節を前に必要な土木工事を終わらせる狙いがある。国営メディアは5月中旬には、連日20万人超の「発熱者」を伝えていたが、最近は10万人前後。29日に「状況は全国的に統制、改善されている」と報じ、状況の安定を強調する報道が目立つ。

 朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は5月31日付の社説で、新型コロナの感染拡大を防ぎながら「5カ年計画」を遂行すべきだと訴え、感染拡大が経済活動に与える打撃を最小限に抑える構え。関係者は「重症化する人や死者はそれほど多くない。オミクロン株は怖くないという認識が広がっている」と、北朝鮮の意識の変化も指摘する。

●北京近郊、住民と警察衝突事故 「ゼロコロナ」移動制限に抗議

 中国の首都北京に隣接するベッドタウンの河北省廊坊市燕郊地区で1日、北京への移動を制限する警察と抗議する住民が衝突する騒ぎが起きた。中国では最近、学生らの抗議活動も頻発している。「ゼロコロナ」政策の過剰なまでの規制により、影響を受けやすい立場の人たちの不満が高まっている。騒ぎを受け、現地当局は、新型コロナの陰性証明を持っていることなどを条件として、住民の北京への移動を認めた。

●マスク氏、「週40時間は出社を」 テスラ社員にメール

 米電気自動車大手テスラのマスク最高経営責任者(CEO)が従業員らに対し、「少なくとも週40時間オフィスにいなければ、テスラを辞めなければいけない」などと求めたことが、明らかになった。リモートワークへの否定的な姿勢は、マスク氏が買収することで合意した米ツイッター社でも、働き方をめぐる議論を引き起こしそう。一方、米ツイッター社は、新型コロナ禍で率先してリモートワークを進め、「永久在宅勤務」を認める方針を打ち出していた。

●東京のコロナ感染状況、「拡大傾向にないが警戒必要」 専門家

 東京都は、新型コロナの都内の感染状況について、専門家による分析結果を公表した。このうち、感染状況については1日時点で、新規陽性者数の7日間平均が2347.6人と、前の週よりも1000人近く減っていて、「拡大傾向にないが警戒が必要」と分析し、4段階のうち上から2番目の警戒レベルを維持。一方、医療提供体制については、警戒レベルを4段階のうち下から2番目を維持、「通常の医療との両立が可能な状況である」と分析した。

 6月1日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●子どもの過度な感染対策 遊び・学びの機会奪わぬように 専門家組織が提言

 厚労省の専門家組織は1日、第6波では子どもの感染者のほとんどが軽症だったことから、子どもに過度な感染対策を強いることで、遊びと学びの機会を奪うことがないように求める提言をまとめた。提言では、マスクに着用を場面で判断するべき、休園や休校は子どもの発育・発達を阻害、学習能力の低下が社会的損失につながるおそれを指摘。医療現場への負担を減らすため、学校や保育所が子どもに検査を求めるのは症状がある場合に限るべきとした。

【6月3日】

●コロナ対策検証 有識者会議、「まん延防止」見直し念頭に整理を

 新型コロナ対策を検証する政府の「有識者会議」(座長・永井自治医大学長)は、これまでの議論を踏まえた論点整理の案をまとめた。▼感染が拡大で都道府県が病床などを確保する計画を立てたものの地域によっては医療人材の確保が難しく十分な体制をとれなかった、▼防護服の不足や保健所業務の逼迫などから医療機関での検査数が増えずに十分対応できなかったなどと指摘。

 また、▼ワクチンや治療薬を速やかに開発できる企業を育成する取り組みが不十分。▼専門家組織メンバーの発言が政府の方針と齟齬があるかのように国民に受けとめられる問題。▼「まん延防止」について全国知事会などから、飲食店への時短要請を柱とする措置を見直すよう求められており、措置を適用する考え方を整理すべきと指摘。▼首相が司令塔となって一元的に対策を行う体制や、専門家組織を強化することも求めている。

●国税職員や大和証券元社員ら「給付金詐欺グループ」 被害総額2億円

 国の持続化給付金を詐取した疑いで1日、警視庁に東京国税局職員(24)と会社員(22)が逮捕された。警視庁はこれまでに2人のほか、東京国税局元職員(24)、大和証券元社員(27)、大学生(21)ら5人を逮捕している。不正申請の名義人らに国から支払われたそれぞれ100万円は、グループが全額を回収。うち2割は手数料としてクループ内で分配、残りの8割は投資資金としてドバイに出国したリーダー格とみられる30代の男が預かっていた。

【6月4日】

●ノババックス、副反応の頻度はファイザーやモデルナより低い

 ノババックスの新型コロナワクチンは、国内で多く接種されているファイザーやモデルナのワクチンよりも、副反応が出る頻度が低いとされている。ファイザーやモデルナのワクチンは、遺伝情報を伝達する物質「mRNA」を投与することで体内で新型コロナのスパイクたんぱく質が作られウイルスに対する抗体ができる仕組み。ノババックスのワクチンは、人工的に作ったスパイクたんぱく質そのものを投与することで免疫の反応を引き起こすという。

【6月5日】

●訪日外国人へのビザ発給、去年は過去最少 ピーク時の1%程度

 去年、日本を訪れる外国人に発給されたビザの件数は、新型コロナの水際対策による入国制限などの影響で、3年前の令和元年の827万件余りのピーク時の1%程度のおよそ9万件まで落ち込み、統計の公開が始まった平成11年以降、最も少なくなった。去年の発給ビザおよそ9万件の多くは、外国人技能実習生や人道上の配慮が必要な人などに対するもので、国籍別では、ベトナムが最多でおよそ1万5千件、次いで中国がおよそ1万2千件。

【6月6日】

●英首相、不信任が4割 与党内投票 求心力低下鮮明

 英国のジョンソン首相が6日、首相官邸でのパーティー問題を発端に行われた与党・保守党の信任投票で過半数の信任を得て、党首と首相の続投が決まった。だが身内からの不信任票が4割を超え、求心力低下は鮮明。政権運営の難航は避けられず、辞任を求める声も、なおくすぶっている。新型コロナ対策で厳しい行動規制が敷かれた期間中に、官邸などでパーティーが繰り返された問題で、責任を追及されてきた。

●北京 飲食店での食事、6日から一部地域除いて解禁

 北京では、新型コロナの感染対策としておよそ1か月にわたって市内全域で禁止されていた飲食店での食事が6日から解禁された。地元当局は、制限の緩和によって地域経済の回復を図りたい考え。官製メディアは感染対策の成果を強調するが、市内の飲食店を訪ねてみると、解禁された喜びよりも、対策への怒りや、先行きへの不安の声が多く聞かれた。

●コロナ飲み薬 22日にも審議 厚労省部会、承認可否

 塩野義製薬が開発中の新型コロナの飲み薬について、厚労省は22日にも部会を開いて承認の可否を審議する。関係者によると、5月に新たに成立した、迅速に審査できる「緊急承認制度」を使って初めて審議される見通し。初の国産飲み薬として期待されるが、現時点ではデータが少ないため、一度で結論が出ない可能性もある。

●大相撲 新型コロナで禁止の出稽古 2年ぶりに解禁

 日本相撲協会は力士たちからの出稽古の解禁を望む声を受けて感染症の専門家などと協議し、PCR検査での陰性を確認することなどを条件に6日から今月22日までの間、およそ2年ぶりに出稽古を解禁することを決めた。次の名古屋場所は来月10日に初日を迎える。

●1月11以来、感染が1万人未満

 新型コロナの国内感染者は6日、新たに9106人が確認された。前週の同じ曜日を下回るのは23日連続。国内の新規感染者が1万人を下回ったのは1月11日以来。死者は24人だった。新規感染者数を都道府県別にみると、最多は東京都で、1013人を確認。24日連続で前週の同じ曜日を下回った。死者の発表はなく、5月9日以来、約1カ月ぶりにゼロだった。大阪府では新たに461人が確認された。

【6月7日】

●外国人観光客受け入れ再開を前に、観光庁がガイドライン公表

 外国人観光客の受け入れが今月10日から再開されるのを前に、観光庁は旅行会社向けのガイドラインを公表し。旅行会社がツアーの参加者に対してマスクの着用をはじめ感染防止対策を徹底するよう、あらかじめ同意を得ることなどが盛り込まれている。

●薬剤師の対面指導なくても抗原検査キット購入 9月までに結論

 規制改革に向けた政府の新たな実施計画は持ち回りの臨時閣議で決定された。実施計画には、440項目余りの規制緩和策が盛り込まれている。医療・介護分野では、新型コロナの抗原検査キットを薬局で買う場合、現在は薬剤師の対面での指導が必要となっているが、この指導がなくても買えるよう検討を進め、9月までに結論を出すとしている。

●5〜11歳の接種、出足そろり コロナワクチン 開始から3カ月

 5~11歳向けのワクチン接種が、3月から全国で本格的に始まり3カ月がたった。6月5日時点速報で全国で1回目接種を終えたのは17.3%。職域などで64歳以下への接種が本格化した昨年6月からの3カ月間で約46%に比べると、あまり進んでいない。感染しても軽症が多いとされるオミクロン株が主流になっていることも背景にある。都道府県では、大阪府6.7%、滋賀県12.9%、千葉県19.3%、栃木県23.3%(5月29日時点)など、ばらつきがある。

●東京都、1800人感染確認 前週より560人余減

 東京都は7日、1800人が新型コロナに感染していることを確認したと発表した。1週間前の火曜日より562人減。前週の同じ曜日を下回るのは25日連続。7日までの7日間平均は1904.1人で、前週の72.4%。1800人を年代別に見ると、20代が最も多く全体の18.7%、65歳以上の高齢者は7.2%だった。また、これまでの都の基準で集計した人工呼吸器かECMO(人工心肺装置)を使っている重症患者は、6日と同じ2人。また80代の男性1人が死亡した。

 6月7日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【6月8日】

●世界2.9%成長に減速予測

 世界銀行は7日公表した2022年の世界成長率が2.9%とし、1月の予測から1.2ポイント引き下げた。2021年の5.7%から大幅に減速する。途上国を中心にコロナ禍からの経済回復が十分でないなか、ウクライナ危機でエネルギーや食料の価格が急騰。企業活動や人々の生活に悪影響が及び、各国のインフレに拍車をかけている。世銀は、石油ショックで景気の後退とインフレが同時に進む「スタグフレーション」に陥った1970年代と類似点があると分析する。

 2022年の国内総生産(GDP)の成長率は主な国や地域で軒並み、1月の予測から下方修正した。ウクライナ危機の影響が大きいユーロ圏は1.7ポイント減の2.5%。米国は2.5%、日本は1.7%で、ともに1.2ポイント減。ゼロコロナ政策が重荷になった中国も減速し、日米欧による経済制裁の打撃を受けるロシアは11.3ポイントの大幅減で8.9%のマイナス成長に沈む。

●GDP、年0.5%減に 1-3月期 上方修正、消費が回復

 内閣府が8日発表した2022年1~3月期の国内総生産(GDP)の2次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期比0.1%減、年率換算で0.5%減だった。5月に公表の1次速報(年率1.0%減)から上方修正された。個人消費が回復に転じた反面、企業の設備投資が1次速報時点の想定より落ち込んだ。新型コロナ感染状況の急速な悪化を受けて、個人消費が伸び悩み、供給制約で自動車が減産を余儀なくされたことなどから景気が悪化したことが改めて確認された。

 また、内閣府が同日公表した5月の景気ウォッチャー調査で、いまの景気の実感を示す現状判断指数(DI、季節調整値)は前月を3.6ポイント上回る54.0だった。景気判断を「緩やかに持ち直している」と2カ月ぶりに引き上げた。ただ、資源高の影響で先行きを不安視する見方もある。

●厚労省の専門家組織、「感染者、減少傾向も夏ごろに増加懸念」

 厚労省の専門家組織の会合が8日に開かれ、現在の感染状況について全国で減少傾向が続き、首都圏や大阪府、愛知県など大都市圏のほか、一部の地方都市でも去年夏の第5波のピークを下回っているほか、人口当たりの感染者数が全国で最も多い沖縄県でもこの3週間、減少傾向が続いている。年代別でもすべての年代で感染者数は減少し、これまで横ばいだった死亡者数も減少に転じた。

 今後の感染状況について、短期的には大都市部で減少傾向が続くことが見込まれる一方で、3回目ワクチン接種やこれまでの感染によって得られた免疫の効果が徐々に下がっていくこと、来月以降は夏休みの影響もあって人との接触機会が増えること、オミクロン株の新しい系統に置き換わっていく可能性があることから「夏ごろに感染者数の増加も懸念される」として、医療体制への影響などを注視する必要があると指摘した。

●観光回復、険しい道 個人受け入れには課題 中国動向注視

 訪日外国人客(インバウンド)の受け入れが10日から再開される。冷え込んだ観光需要や消費の盛り上がりに期待が集まる一方、本格的な回復へのハードルは高い。5月の世界経済フォーラムの年次総会で発表された観光地の魅力度などのランキングで、日本が初めて首位に立った。しかし1日あたり9万人近くが訪れていたコロナ禍前の水準に戻るには、2万人としている入国者数の上限撤廃や、個人旅行客の受け入れ再開が欠かせない。

 今回は添乗員付きのツアー客に限定しており、観光庁のガイドラインでは、感染対策として参加者にマスク着用や行動履歴を記録することなどを求めている。滞在中や帰国後に感染が判明した場合に、濃厚接触者などを追えるかが課題となる。年間5兆円近いインバウンド消費の中心だった中国の動向も、本格回復の行方を左右する。国内で感染者の封じ込め政策が続いている中で、訪日客がどのぐらい戻るかは見通せない。

●タイ、早々入国緩和 インドネシアと韓国も緩和 米国、どの国からも入国可

 観光がGDPの約2割を占めるタイは、昨年7月から入国制限を段階的に緩和し経済の立て直しに舵を切ってきた。今年2~4月には1日の感染者が2万人を超えたが、重症化の危険性は低いとし、観光客受け入れを続けている。今年6月からはワクチン未接種でも、陰性証明の提出をすれば隔離も不要。インドネシアは今年3月に日本などからの観光客受け入れを再開。6月の新規感染者数は1日当たり300~500人台で、大幅な増加は見られない。

 韓国も6月1日に、約2年間中断してきた観光客への短期ビザ発給を再開。最近は1日の新規感染者数が1万人台で推移しているが、入国者数の上限はなく、8日にはワクチン未接種者に求めていた入国後の隔離義務も解除。米国は各国の感染状況に応じた入国規制を、昨年11月以降はどの国からの旅行者も、ワクチン接種と陰性証明を示せば原則入国可能。旅行などの業界団体幹部は5月末、ホワイトハウスで搭乗前の検査撤廃を訴えた。

●医療・介護現場 対策の軽減提言 専門家組織

 厚労省の専門家組織は8日、医療や介護の現場における感染対策の軽減について提言を公表した。接触感染については当初考えられていたよりリスクは低いと指摘、手すりやドアノブの頻繁な消毒は過剰な対応で必要ないとした。また日常の高性能マスクは不要だとしたほか、感染者と体が密着しなければ、エプロンやガウンも不要。ゾーニングは、同じ部屋で簡易に分ければよい。介護施設ではマスクを着用し、少人数、短時間であれば面会可能とした。

 提言では、ワクチンや治療薬の実用化、感染対策についての知見が蓄積され、重症者が減っていることを踏まえ、「効果的かつ負担の少ない感染対策」を進める狙い。特に負担が大きい医療、介護の現場でどこまで対策を緩めることができるのか、見解を示した。また専門家組織は全国の感染状況についても分析。1週間の新規感染者数は前週比で7割となり、減少傾向が続いている。

●給付金詐欺の男拘束 家族ぐるみ9.6億円受給 インドネシア

 総額約9億6千万円の持続化給付金の不正受給に関わったとされ、詐欺容疑で指名手配の谷口光弘容疑者(47)が、出国先のインドネシアで身柄を拘束された、と警視庁が8日明らかにした。地元の入国管理局が不法滞在容疑で逮捕したという。谷口容疑者については警察庁がインドネシア国家警察に捜査協力を依頼していた。6月中にも日本に移送される見込みという。

 警視庁は、容疑者の家族を中心とするグループが関わった不正申請のうち、少なくとも960件で約9億6千万円が給付されたとみている。谷口容疑者の元妻(45)とその息子2人を5月30日に詐欺容疑で逮捕していた。

【6月9日】

●アストラゼネカ 事前投与のコロナ注射薬、厚労省に承認申請

 新型コロナに感染した人の重症化予防に加え、事前に投与することで発症を防ぐ効果が期待される注射薬について、英国の製薬大手、アストラゼネカが国に承認を求める申請を行ったと発表した。承認を申請したのは新型コロナの働きを抑える抗体を投与する「抗体医薬」で、2種類の抗体を注射で投与することで、感染した人の重症化を防ぐとともに、感染前に投与することで発症を防ぐ効果が期待されるとしている。

●全日空、羽田空港を発着する夏の国内線 約2年ぶりに通常運航へ

 羽田空港を発着する国内線について、航空大手の全日空は、7月と8月の2か月間は新型コロナの影響による減便を行わず、およそ2年ぶりに通常運航に戻すと発表した。感染状況が比較的落ち着いていることで、需要の回復が見込めるとしていて、羽田発着便の通常運航はおととし3月以来、2年4か月ぶり。日本航空も同様の計画を立てていて、国内線の回復が鮮明になってきた。

【6月10日】

●中国新車販売13%減 都市封鎖・移動制限が影響

 中国自動車工業協会は10日、5月の中国の新車販売台数が前年同月より約13%減の186万台だったと発表。上海のロックダウンや北京での移動制限などが重なり、3カ月連続で減った。世界最大の自動車市場で低調な販売が続けば、大手各社の業績にも影響しかねない。

 1~5月でみると販売台数は956万台で、いまだ前年同期を約12%下回っている。日系大手各社も5月の販売台数は依然として低調。トヨタは前年同月より約1割、ホンダは約3割、日産自動車は約4割減らした。中国政府は落ち込んだ販売を刺激しようと、販売奨励策を次々に投じている。6月から年末まで自動車の購入時にかかる税金を半減したほか、各地方都市が好調な電気自動車(EV)の購入にさらに補助金を出し始めた。

●首相、感染症対策の司令塔機能強化へ 厚労相に指示

 これまでの新型コロナ対策を検証する政府の「有識者会議」は、6月中旬にも提言を取りまとめることにしていて、政府は提言内容を踏まえ、感染症危機管理の抜本的強化策を公表する方針。感染症対策をめぐり、岸田首相は後藤厚労相に、司令塔機能の強化に向けた具体的な方策を検討したうえで、取り組みを進めていくよう指示した。

●新型コロナワクチン 5~11歳の接種、「抗体値高く 副反応低い」

 5歳から11歳の子どものワクチン接種はことし3月からファイザーのワクチンを使って本格的に行われていて、9日公表された2回目の接種率は14.9%。厚労省の研究班は、5月24日までにワクチンを接種した子どもを対象に従来株に対する抗体の値や副反応を分析し、10日の専門家部会で説明した。それによると、2回目接種から1か月後の抗体の値を調べたところおよそ15倍まで高くなっていた。

 また副反応について2回目の接種のあとの子どもと20歳以上の大人を比べたところ、38度以上の発熱は大人が21.3%だったのに対し子どもはその1/4の4.8%。全身のけん怠感や頭痛の割合も、大人の1/3~1/4。子どものほうが副反応が出る割合が低かった。 研究班の代表で順天堂大学の伊藤特任教授は、「子どものワクチンは有効成分の投与量が、大人と比べて少ないため、副反応の割合が低く出るとみられ、接種の意義はある」としている。

●「徹底」検証、わずか1カ月 コロナ有識者会議 首相「6月に」

 岸田首相は10日、後藤厚労相に感染症に対応する司令塔機能の強化を検討するよう指示した。新型コロナ対策を検証する政府の「有識者会議」は、15日にも報告書をまとめる見通し。ただ、「有識者会議」の議論はわずか1カ月。内容も拡散し、生煮えの結論になりかねない。政府は「有識者会議」の検証を踏まえ、新たな感染症に備えた「抜本的強化策」を打ち出す方針。参院選に向けたアピールを狙い、首相自身が15日に記者会見で説明する見通し。

●外国人観光客受け入れ、2年ぶり再開 海外から予約も 期待高まる

 新型コロナの影響で停止していた外国人観光客の受け入れが10日、ツアー客に限定する形でおよそ2年ぶりに再開された。ビザの発給手続きなどのため実際に来日が始まる6月下旬以降に向けて、受け入れ準備を進める観光地の期待は高まるが、日本の感染対策に理解を得られるか心配する声もある。受け入れは当面、ツアー客に限定されるため、個人客の再来を待ちわびる関係者も少なくない。

 受け入れの対象は米国や韓国、中国、英国など感染リスクが低いと判断された98の国と地域からの観光客で、ワクチン未接種でも入国時の検査や待機措置は免除。これ以外の国と地域については引き続き入国目的はビジネスや留学などに限定され、観光客は受け入れの対象とはなっていない。ただインドやベトナムなど99の国からの入国者は、3回のワクチン接種で検査や待機措置が免除、パキスタンなど4か国はこれまでどおり検査と待機を求める。

 外人観光客の受入れ国 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト 

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● クチン3回接種の高齢者 発症防ぐ効果、約80% 長崎大など

 長崎大学などのグループは、オミクロン株が広がったことし1月から3月に、10の都県の13の医療機関のデータをもとに、ワクチンで発症を防ぐ効果を分析した。厚労省の専門家組織の会合で示された結果によると、65歳以上の高齢者で、未接種の人と比べた場合の発症を防ぐ効果は、ファイザーかモデルナの3回目の接種を受けてから2週間以降ではおよそ80%。オミクロン株に対しても、3回目の接種によって有効性が上昇するという。

●5〜11歳接種後 1割が37.5度以上 米ファイザー社製

 米ファイザー社製の5~11歳用の新型コロナワクチンについて、厚労省の研究班は10日、接種後に37.5度以上の発熱が出た割合は、1回目後も2回目後も約1割だったとする調査結果を明らかにした。同日開かれた専門家の部会で示した。有効成分が小児用の3倍の20歳以上では、2回目後では、37.5度以上が4割弱というデータがあり、成人よりも小児で発熱の割合が低い傾向がみられた。

●体育・登下校 マスク外し熱中症対策を 文科省改めて呼びかけ

 熱中症による児童生徒の救急搬送が相次ぐ事態を踏まえ、文科省は10日、体育と運動部活動、登下校時についてはマスクを外す指導をするよう全国の教育委員会などに改めて通知した。熱中症は「命に関わる重大な問題」とし、保護者らに理解と協力を求めるよう学校に促した。

 文科省は5月下旬にも、体育や部活中のマスクは不要と通知していたが、6月に入り大阪市、尼崎市、神戸市で複数の児童生徒が体育などの最中に熱中症で搬送される事態が続発。マスクをしていた子どもも多く、外す指導をしていない学校もあった。末松文科相は10日の記者会見で「熱中症は即、命を落としかねない。体育の授業や登下校中はマスクを外すべし、というのが文科省の考えだ」と強調した。

●サッカーJリーグ 「声出し応援」再開 主なプロスポーツで初

 サッカーJリーグは、新型コロナへの感染対策として禁止してきたスタジアムでの声を出しての応援を、6月11日、茨城県鹿嶋市で行われた公式戦から再開した。コロナ禍になって国内の主なプロスポーツで声を出しての応援が行われるのは初めて。

●都民向け旅行補助、1年半ぶりに再開

 10日は、東京都民の都内旅行の費用を補助する都の観光支援事業「もっとTokyo」も約1年半ぶりに再開した。各道府県で旅行費用への補助事業が再開されていたが、都は慎重な姿勢を続けていた。都の補助は事前に登録した約1200の旅行会社や宿泊施設の旅行商品が対象。宿泊の場合が1人1泊5千円、日帰りは2500円など。ワクチン3回接種か、陰性証明が条件。7月末までを試行期間とした。

【6月11日】

●国産コロナ薬の緊急承認は? 塩野義製審議へ データ不足指摘も

 塩野義製薬(大阪市)が開発する新型コロナの飲み薬の承認の是非が22日にも、審議される。迅速に審査を進めるための新たな「緊急承認」制度を初めて適用するかどうかが焦点となる。承認されれば、軽症者も使える飲み薬としては初の国産製品となる。ただ、現時点ではデータが不十分との指摘もある。

【6月12日】

●北朝鮮、コロナ感染発表1か月 国民の6人に1人発熱も強気の構え

 北朝鮮が国内で新型コロナ感染者を初めて確認、発表してから12日で1か月。新型コロナとみられる発熱者の累計は440万人近くと国民の6人に1人の割合に達するが、北朝鮮指導部は感染状況が改善しているとして、国外からのワクチンの受け入れを拒み、強気の姿勢を崩してない。キム総書記は演説で「社会主義の保健制度の優越性を最大限発揮するよう経済事業と保健医療事業をさらに強化し、世界が見たことのない奇跡を実現すべきだ」と述べた。

【6月13日】

●飲食店で食事禁止解除後 北京中心部のバー 160人以上感染

 北京では、新型コロナの感染対策としておよそ1か月間、飲食店の店内での飲食が禁止されていたが、感染者が減少傾向となったため、今月6日に一部の地域を除いて店内での飲食が解禁された。ところが、市内中心部の朝陽区にあるバーで感染が拡大し、北京市当局によると、12日までにバーを訪れた人など合わせて166人の感染が確認され、市当局は市民に感染対策の徹底を呼びかけるとともに、再び警戒を強めている。

●国税職員関与の給付金詐欺 主導役か 容疑者逮捕

 東京国税局職員を含むグループが持続化給付金約2億円を不正受給したとされる事件で、警視庁は13日、住居、職業ともに不詳の松江大樹容疑者(31)を新たに詐欺容疑で逮捕し、発表した。同庁は松江容疑者がグループを主導していたとみて調べている。松江容疑者は今年2月ごろに中東・ドバイへ出国していたが、13日夕に成田空港(千葉県成田市)に帰国したところを同庁に身柄を確保されたという。

 グループは仮想通貨(暗号資産)の投資名目で勧誘した若者ら約200人を名義人とする不正な申請で、給付金計約2億円を国に給付させたと同課はみている。松江容疑者は名義人らが受け取った給付金のうち8割を投資資金として受け取っていたとされるが、実際に投資に充てられたかはわかっていない。

●東京の感染者数、1千人下回る 5カ月ぶり

 新型コロナの国内感染者は13日、新たに7956人が確認された。1週間前(6日)より1150人少なく、30日連続で前週の同じ曜日を下回った。8千人を下回るのは1月11日以来。全国で確認された死者は計21人だった。

 東京都の新規感染者は960人で、こちらも1月11日以来、約5カ月ぶりに1千人を下回った。13日までの1週間平均の感染状況をみると、1日あたりの感染者数は1606.1人で、前週の80.9%だった。新規感染者数は東京都に次いで神奈川県の599人、北海道の536人、沖縄県の493人が続いた。

【6月14日】

●「内閣感染症危機管理庁」設置など、政府の危機管理強化策案判明

 政府は、これまでの新型コロナ対策を検証する政府の有識者会議から15日に提言を受け取ったうえで、感染症危機管理の抜本的強化策を取りまとめることにしていて、その案が明らかになった。それによると、新型コロナ対策にあたる行政組織が内閣官房や厚労省にまたがっていることから、一元的に対策を担う組織として、内閣官房に「感染症危機管理監」を長とする「内閣感染症危機管理庁」を設置するとしている。

 また、専門的な知見を速やかに政策に反映させるため、基礎研究などを行う「国立感染症研究所」と臨床医療を行う「国立国際医療研究センター」を統合し、日本版CDC(疾病対策センター)を創設。このほか、感染症がまん延した時の病床確保に向けて、都道府県知事が病院に対して勧告や指示を行う権限や、国が特定機能病院などの承認取り消しの権限を持つことなどを検討する。政府は、週内にも、こうした強化策を正式に決定することにしている。

●マスク着用など感染対策緩和 「現時点で現実的ではない」 厚労相

 後藤厚労相は、記者会見で、今後の感染状況について「大都市部の短期的予測では減少傾向の継続が見込まれるが、ワクチンの3回目接種や感染により獲得された免疫は徐々に減衰していくこと、来月以降は夏休みの影響で接触の増加が予想されることなどから、夏ごろには感染者数の増加も懸念される」と指摘した。

 そのうえで「マスクの着用も含め、基本的感染対策を緩和することは現時点では現実的ではない。また、どこまで感染者数の減少が続けば緩和できるのかを具体的に答えることは困難だ」と述べた。そして、後藤相はマスク着用などの基本的感染対策の在り方については感染状況や変異株の流行状況などを踏まえ、専門家にも意見を聴きながら検討していく考えを示した。

●東京都医師会会長 コロナ、「二類相当」から脱却したほうがいい

 東京都医師会の尾崎会長は14日の定例の会見で、現在の感染状況について「このままいくと7月に入れば、毎日1000人を割るような感染者数になることも予測される」と述べ、今後感染が増加する可能性も否定できないものの、ワクチンを3回打った人の割合を増やすことで、感染者数を抑えられるという見方を示した。

 また現在、新型コロナは感染症法の扱いで「二類相当」となっていて、感染症の対策が整った医療機関への入院を勧告し、従わない場合は強制的に入院させられるなど強い措置ができる。これについて尾崎会長は「そろそろ『二類相当』から脱却したほうがいいと考えている。柔軟な議論をいろいろな所でしてもらいたい」と述べた。そのうえで、入院の勧告を行わないようにするなど、強い措置を行わない新たな対応を行うべきだという考えを示した。

【6月15日】

●中国ゼロコロナ、打撃鮮明 5月統計 消費・生産低迷

 中国国家統計局が15日に発表した5月の各種統計では、小売総額が前年同月比6.7%減。衣服や飲食店のほか、自動車などの高額消費も大きく落ち込んだ。企業の生産を示す鉱工業生産は同0.7%増と4月からプラスに転じたが、低水準。今回の統計は、上海市全土の都市封鎖と北京市の移動制限の期間と重なり、習近平政権のゼロコロナ政策が人々の消費意欲や企業の生産に悪影響を及ぼしている実態が裏付けられた。

 中国人民銀行が発表した5月の金融統計によると、設備投資や住宅ローンなど期間が1年以上の融資額は前年同月から4割減少。特に個人向けは同76%と大きく減少した。習指導部は共産党大会を秋に控え、今年の経済成長率目標を5.5%前後とすえた。だが、ゼロコロナ政策の影響で経済は急減速。中国政府関係者は「これまでの回復を無駄にしたのは自分たちだ」と述べるなど、政府内にも動揺や不満の声が出始めている。

●医療体制、確保に課題 コロナ検証会議が報告書

 新型コロナ対策を検証する政府の「有識者会議」は15日、会合を開き、報告書をまとめた。確保したはずの病床で患者を受け入れられなかったり、身近な医療機関を受診できる体制の確保に時間がかかったりしたと指摘。病床確保のための法的な措置が十分でなく、医療の逼迫が起きたなどと課題を指摘した。また、感染症による次の危機に備えた司令塔機能の強化を求めた。

●コロナ・物価高対策 重点 首相会見 国会閉幕、参院選へ

 通常国会の閉会に伴い、岸田内閣は15日、参院選について、22日公示、7月10日投開票の日程を閣議決定した。首相官邸で記者会見した岸田首相は、参院選を意識し、新型コロナなどの感染症対策強化や食料品の高騰対策などを打ち出した。「コロナ後」を見すえた平時に近い経済社会を取り戻すための取り組みを強調し、「内閣感染症危機管理庁」の新設を表明。感染症の拡大などが起きた際、関係省庁の職員を指揮下に置き、首相直轄で対応にあたるという。

 国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合する「日本版CDC」の創設も表明。厚労省の組織を見直し、感染症対応や危機管理の担当を統合して「感染症対策部」を新設することも。さらに、国や地方が病床確保に強い権限を持てるよう、自治体と医療機関が結ぶ病床確保の協定を法定化し、地域の拠点病院には義務を課す感染症法改正案を今秋の臨時国会に提出する見通し。

●首相 県民割の対象地域 来月から全国に拡大へ 観光需要を喚起

 岸田首相は、新型コロナの感染状況の改善が確認できれば、旅行代金の割り引きなどを受けられる県民割の対象地域を7月から全国に拡大する方針を明らかにした。政府は、旅行客が休日に集中するのを避ける方策を検討したうえで、「GoToトラベル」に代わる観光需要の喚起策とする考え。

 以下6枚の図は、6月15日時点の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 6月15日時点発表のワクチン接種割合 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年6月23日 (木)

那須の国探訪の旅

 2022年6月12日(日)、栃木県・那須地方の古代を中心に歴史と文化を学ぶ旅。

 

 「那須の国」つまり「那須国」は、那珂川上流地域である太田原市を中心とする那須郡一帯がその領域で、多くの古墳や古代遺跡が存在する。2019年の宮崎県・西都原古墳群、2020年の群馬県・上毛野の古墳群に引き続き、2021年コロナ禍で延期した栃木県・那須地方の古代史を中心に歴史と文化を学ぶ日帰りの旅。

 前日の太田原地方の予報(11日8:00発表)は、降水確率は午前70%(小雨)、午後40%(小雨)、最高気温21℃と、梅雨時期で天気が危うい。小雨決行、しかし当日は最高気温25.1℃の夏日で、小雨の予報が外れ、曇りで予定通リコースを回ることができた。


●那珂川町風土記の丘資料館(9:35~10:40)那珂川町

 東北道を矢板ICで降り、県道161号を東へ20分ほど走る。資料館は田園風景の中にある。このあたりで、国史跡の「那須小川古墳群」(国史跡)や「那須官衙(かんが)遺跡」(国史跡)などなど。多くの史跡が発見されているという。

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 2015年4月より「栃木県立なす風土記の丘資料館」は那珂川町に移管され、「那珂川町なす風土記の丘資料館」となった。常設展示テーマを「よみがえる那須古代文化の軌跡」として、縄文時代から奈良・平安時代にわたり5つのテーマを取り上げ、全体として那須の古代文化を紹介する。学芸員に分かりやすく説明してもらう。

 ロビーに展示されている地形模型。資料館周辺の地形や文化遺産の分布を概観。

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 那珂川やその支流によって出来た河岸段丘上の狭い地域に、遺跡が集中しているのがよくわかる。

 資料室に入ると、いきなり那須縄文人の竪穴式住居の模型。縄文人の食生活や東北地方に見られる「複式炉」を知る。

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 この地域の取っ手のある縄文式土器は、新潟の火炎土器の影響を受けているという。

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 前方後方墳の駒形大塚古墳(全長60.5m)の模型。

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 前方後方墳は、特に東日本の前期古墳に多く存在する。中国・四国にも多いそうだ。前方後円墳と前方後方墳は、被葬者の階層の違いとの説明があるが、他の資料によるといまだ十分解明されてないという。

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 古墳造り模型。

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 那須八幡古墳の鉄製工具類、右側は土器と中国産の鏡「夔鳳鏡」(きほうきょう、複製)。

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 駒形大塚古墳の土器群と右下は中国産の「画文帯四獣鏡」(複製)。

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 川崎古墳の横穴式石室の実物大模型。長さ約8.2m、最大幅約3m、高さ2mで、県内最大の大きさ。

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 「那須官衙(なすかんが)遺跡」は、役所の跡。国の指定史跡。官衙遺跡は、主に古代の政庁である国衙(こくが)や郡衙(ぐんが)の跡を指す。南東上空から見た復元図。

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 「那須官衙」には政庁としての様々な建物があったが、大部分の建物は税としての稲などを収蔵する倉庫「正倉」が数多く立ち並んでいた。手前の「那須官衙正倉」の模型は、高床で朱塗り瓦葺きの大型の正倉と考えられている。古代の那須郡は「租庸調」の調として納税されたカラムシ(麻の仲間)製の古代布の産地で、奈良の大仏に使われた砂金も採れるなど、豊かな土地だったという。

 「那須官衙遺跡」は、那珂川箒川(ほうきがわ)の合流地点の近くの、箒川の形成した段丘上に位置する。昭和の初期より古瓦が散布することから寺院跡だと考えられていたが、発掘により郡衙跡であることが分かった。

 那珂川町の資料館のすぐ近くにある「那須官衙遺跡」。後方に資料館が見える。出典:ウキメディア・コモンズ

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 那須国(なすのくに)は、鬼怒川上流部の東部、那珂川上流地域である那須郡一帯(現在の大田原市を中心とする地域)がその領域であったと考えられている。鬼怒川の西部は下毛野国(しもつけののくに)と呼ばれていたが、那須国は下毛野国 、下野国(しもつけのくに)に編入され那須郡となった。那須統合の時期は明らかではないという。


●上侍塚古墳(10:55~11:10)太田原市

 那珂川町の資料館から2Kmほど先、那珂川水系の箒川(ほうきがわ)に架かる国道294号の長い橋を渡ると、太田原市。そこから「上侍塚古墳」まで3Km。道路左手に立つ「冨士ぼたん園」の看板前で、右手に松林の小山が見える。T字路を右折、狭い道を左手の「上侍塚古墳」の墳丘に沿って進み、古墳を40mほど過ぎたところに、駐車スペースがある。

 車を駐め、右手の小径から墳丘に登る。古墳時代前期の前方後方墳。前も後も方形になっている。長さは、114mある。

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 「侍塚古墳」は、那珂川右岸河岸段丘上に位置する前方後方墳。「上侍塚古墳」から800m北にある「下侍塚古墳」とからなる。1951年、国の史跡に指定。ここの「上侍塚古墳」は、足利市の「藤本観音山古墳」(116.5m)に次ぎ、県内では2番目に大きい。2基とも葺石、墳丘周囲に周濠痕跡、築造は4世紀後半。徳川光圀の命により、「那須国造の碑」の碑主を求めて日本初の学術発掘調査が行われたが、明らかに出来なかった。

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太田原市風土記の丘湯津上資料館(11:20~12:00)太田原市

 「上侍塚古墳」から、更に国道294号を北へおよそ1Kmほど、「太田原市風土記の丘湯津上資料館」に着く。

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 国宝に指定されている「那須国造碑(なすのくにのみやつこのひ)の建立とその発見」をテーマに展示を行う。すぐ近くに、国指定史跡「下侍塚古墳」がある。2012年4月より県から移管、名称変更。入館料は100円だが、この日は栃木県の「県民の日」の無料開放日だった。

 碑が建立された時代背景や江戸時代の徳川光圀による「侍塚古墳」発掘の業績、さらに周辺の遺跡や出土品も紹介。館長から直接、説明を受ける。

 「上・下侍塚古墳」の発掘と国造碑の保存についての展示。

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 水戸光圀は、出土品を絵師に描かせてから松材の木箱に入れて埋め戻させ、盛土の崩落を防ぐため墳丘には松を植えさせた。

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 「那須国造碑」の拓本(右)とレプリカ。

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 碑文は、19字8行、全152字からなる。7世紀末ころに活躍したとされる那須値(なすのあたい)韋提(いで)の業績をたたえた内容。水戸光圀の日本初の発掘調査のきっかけとともなり、現在は「笠石神社」のご神体となっている。高さ148cm、硬い花崗岩(御影石)に彫られている。この石材は、那珂川対岸の八溝(やみぞ)山地で産出するもの。

 碑文の内容から最初、那須の国造(くにのみやつこ=朝廷の地方長官)であったのが評督(こおりのかみ=郡長)になっており、那須国が下毛野国(しもつけぬのくに)、後に下野国(しもつけのくに)に組み入れられたことがわかるという。また、唐の則天武后の時代に使用された年号「永昌」が用いられ、碑の文字が六朝(りくちょう)の書風、中でも北魏の書風に近い。この当時新羅人を下野国に居住させたということが、「日本書紀」に記されていることなどから、渡来人と非常に密接な関係のある資料として注目されるどうだ。

 左から「金井沢碑」(726年建立)、「山ノ上碑」(681年)、「多胡碑」(711年頃)、「多賀城碑」(762年)の古碑の展示。

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 「金井沢碑」、「山ノ上碑」、「多胡碑」の3つの古碑は群馬県高崎市にあり、「上野三碑」(こうづけさんぴ)と呼ばれる。日本各地に点在する古代碑のうち、書道史の上から極めて重要とされている碑(金石文)の「多湖碑」と右端の宮城県多賀城市「多賀城碑」、太田原市の「那須野国造碑」の3つあわせて「日本三古碑」と呼ぶ。

 隣接する「太田原市歴史民俗資料館」(入館無料)は、昭和30年代までの地域の民俗資料を収集・展示する資料館だが、見学は割愛。


●下侍塚古墳
(12:10~12:25)太田原市

 「太田原市歴史民俗資料館」から、国道294号を北へ100mほど先の右手に「下侍塚古墳」がある。

 古墳時代前期の前方後方墳。1951年、国の指定史跡。全長は84mで、「上侍塚古墳」(全長114m)に比べて小ぶり。こちらも松が植えられている。墳丘に登る。

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 侍塚古墳は、「侍塚古墳松守会」という地元のボランティア団体によって、日常的な手入れが行われ、保護されているそうだ。会の名は、「黄門さまが植えた松を守る」という思いから名づけられた。「松守会」による毎年の松のこも巻き・こも外しは、地域に冬や春の訪れを告げる風物詩として定着。また、定期的な下草刈りや枯れ枝の除去も行われているという。地元住民の古墳に対する思い入れと、それによって美観が保たれているは凄い。

 「下侍塚古墳」の北に前方後円墳1、円墳6、方墳1の計8基の古墳群があり、周囲には遊歩道が整備され周遊できる。

 国道294号線を北へ130m先、「下侍塚古墳」の道路を挟んだ反対側に、駐車場、トイレや東屋がある。12:30~駐車場の東屋で、コンビニで買ったランチの昼食。
 

●笠石神社(12:55~13:45)太田原市

 国道294号線を北へ650m先の信号を左折し、すぐに「笠石神社」がある。

 国宝「那須国造碑」(なすのくにのみやつこのひ)は、「笠石神社」にご神体として安置。鳥居の前には、「日本考古学発祥の地」の石碑が建つ。題字は水戸徳川家15代当主が筆を執った。

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 アメリカの動物学者・モースが、大森貝塚を発見したのは、1877年(明治10年)。大森貝塚はこれまで「日本考古学発祥の地」とされていた。徳川光圀の命により、侍塚古墳で行われた日本考古学史上初の学術的発掘調査の事績を顕彰するため、「笠石神社」にあらたに「日本考古学発祥の地」記念碑を建立し、2021年3月28日に除幕式が行われたという。  

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 社務所で拝観料500円を払い、宮司の詳しい解説のあとご神体(石碑)を拝観できる。透塀(すきべい)の奥に、ご神体「那須国造碑」が鎮座する本殿がある。

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 宮司の案内で、狭い本殿の中(内部の撮影は禁止)のご神体を拝観させていただく。

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●那須乃木神社(14:15~15:05)那須塩原市

 国道461号、ライスライン(大田原広域農道)経由して「那須乃木神社」へ。
 
 日露戦争における旅順攻囲戦の指揮で有名な将軍・乃木希典(まれすけ)は、那須野に自ら設計して農家風の質素な別邸を建てた。明治天皇を慕いあとを追って殉死した後、敷地の一部に神社が建立された。

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 乃木希典夫妻の葬儀にあたり、乃木別邸中庭に於て遥拝式が行われた。終了後、神社創立の声がおこり、地元の石林住民を中心にして、1916年(大正5)4月に神社が建立。ちなみに「乃木神社」は、那須(別邸の敷地)のほか東京・赤坂(自刃した邸宅の隣地)、京都市(明治天皇陵の麓)、下関市(幼少時代の旧家跡に隣接)、飯能市(秩父御嶽神社内)など、全国に大小10社ほどある。

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 希典とともに殉死した静子夫人にちなんで名づけられた「静沼」。乃木別邸のそばの水田跡地に造られた灌漑(かんがい)用の池で、神社境内を流れる蟇沼(ひきぬま)用水から水を引いている。 

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 1892年(明治25年)に自ら設計した建坪53坪の木造瓦葺の乃木希典別邸。

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 乃木将軍は、石林のこの地をこよなく愛し、通算4年間静子夫人と過ごした。自ら鍬や鋤を握って農作業にいそしみ、晴耕雨読の生活を送り、村人とも親しく交わったという。「我が国は瑞穂の国、農は国の大本なり」と、自ら勧農の範を示した将軍は、「農事日記」に日常の出来事や農作物の経過、質素な献立、買い物など詳細に記していたとそうだ。

 別邸前庭の乃木将軍像。その後の建物は納屋。

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 乃木希典は、長州藩の支藩長府藩出身の陸軍大将。後に学習院長も務めたた。日露戦争における旅順攻囲戦の指揮や明治天皇の大喪の際の殉死は国際的にも有名。裕仁親王(昭和天皇)の教育係も務めた。明治24年(1891年)、ここ石林の地に約14haの土地と農家造りの家屋を求め、農家風の質素な別邸を建てた。1966年に栃木県の史跡に指定。内部公開は、なし。所有者は、乃木神社。

 右手は湯沸かし所、中央が井戸、左手は風呂場。

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 愛馬殿号愛育厩舎。大正天皇が皇太子の時、乃木将軍が賜った白馬は、殿(しんがり)号と名付けて愛育した。

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 石蔵庫(現石林文庫)

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 乃木神社の宝物館に入館。料金300円だが、この日は「県民の日」で無料。

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 乃木別邸で夫妻が使用された日用品をはじめ遺品や将軍に関係した資料を展示。

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●那須野が原博物館
(15:15~15:45) 那須塩原市

 県道317号(塩原街道)経由して、「那須野が原博物館」へ。

 那須塩原市域と那須野が原周辺を対象に、地学・植物・昆虫・動物の自然系4分野と、歴史・考古・民俗・美術・文学の人文系5分野を扱う総合博物館。「那須野が原の開拓と自然・文化のいとなみ」をテーマに、活動を展開している。

 道の駅と一体化した「那須野が原博物館」は、地域情報の発信と人々の交流を目的とした文化交流型の「道の駅」。観覧料は300円であるが、「県民の日」のため無料だった。

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 1977年(昭和52年)、前身の「西那須野町郷土資料館」が開館。1993年(平成5年)に焼失した後、2004年(平成16年)「那須野が原博物館」が開館。そして、2005年(平成17)の黒磯市・西那須野町・塩原町の合併により那須塩原市が誕生し、博物館は「那須塩原市那須野が原博物館」として再出発した。

 旧青木家周蔵那須別邸、松方正義別邸、大山巌別邸、山県有朋記念館などの展示。明治の元勲らは大農場方式の入植・開拓を行った。

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 那須野が原開拓地の家の模型。

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 那須野が原は扇状地のため、水が地下に浸透してしまい、江戸時代以前は人があまり住んでない不毛の原野だった。那珂川の水を取水する「那須疎水」の開削は、国の直轄事業としての大プロジェクト。それにより開拓が進み、緑豊かな大地となった。福島県の安積疎水、京都府の琵琶湖疎水とともに「日本三大疎水」と言われている。

 那須疏水取水施設1/2模型(高さ4.5m) 

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 「那須塩原の自然」の展示。地学・植物・昆虫・動物のほか、発掘された化石など。

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 博物館を後にして、県道317号(塩原街道)、国道400号経由、15:50西那須野塩原ICから東北道、帰路へ。

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 梅雨の時期で雨の心配もあったが、天気に恵まれ、快適な歴史探訪ツアーとなった。6月15日が栃木県の「県民の日」。県や市町村、民間施設で、ちょうど12日が無料開放・一部割引の対象の日に当たったところがあって、ラッキーだった。2個所の「なす風土記の丘資料館」で、学芸員や館長から直接の説明をいただき、理解を深めたのは良かった。

 

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 1692年(元禄5)、上侍塚・下侍塚という二つの古墳を水戸藩2代藩主・徳川光圀(1628~1701)が発掘した。2021年(令和3年)、栃木県が進める「いにしえのとちぎ発見どき土器わく湧くプロジェクト」は、「栃木県文化財保存活用大綱」の重点テーマの一つで、光圀が掘ったこの二つの古墳を、現代の技術で再調査しようという。今後、5年程度かけて調査と報告書の作成が行われることになっている。上・下侍塚古墳はいずれも国の史跡に指定されており、文化庁と相談しながら進めるという。

 物語は、水戸藩領の那須郡小口村(現在は栃木県那珂川町)の庄屋だった大金重貞(おおがねしげさだ)が、1676年(延宝4年)旅の僧・円順から「湯津上に高さ4尺あまりの古い碑がある」という話を聞いたことに始まる。重貞は現地を訪れ、草むらに倒れ苔にまみれた碑に刻まれた文章を読み、『那須記』という書物にまとめた。重貞は、古くは佐竹氏の家臣であったが、佐竹氏の秋田転封に際し小口村へ帰農土着したと伝えられる。

 重貞は諸学に精通しており、特に史書・仏典に詳しく『那須記』16巻のほか、多くの文書を残している。1683年(天和3年)、水戸光圀は当時水戸領であった那須郡武茂郷(むものさと、現在の那珂川町馬頭)を訪れた際、大金重貞から自著『那須記』を献上された。光圀は、その『那須記』に記された古碑「那須国造碑」に興味を持つ。

 碑文の内容は、689年に那須評督(なすのこおりのかみ)という官職を授かり、700年に亡くなった、元・那須国造(なすのくみのみやつこ)の那須直韋提(なすのあたいいで)という人物を顕彰したものだった。そこで「碑は那須国造の墓碑ではないか」と考えた光圀は1687年、家臣の佐々宗淳(さっさむねきよ=通称・介三郎、水戸黄門の助さんのモデル)に韋提の墓を見つけるよう命じる。

 碑の下を掘っても何も出土しなかったため、1692年(元禄5年)地元で国造の墓との伝承がある近くの「侍塚古墳」の発掘に取りかかる。しかし銅鏡などの遺物の他、古墳の被葬者の名を記した墓誌は見つからず、なお、これら出土品は、光圀の意向で絵師に命じて記録図を描かせた後、松材の箱に納め、それぞれの古墳に再び埋め戻された。また墳丘保護のため、松を植樹させた。こうした一連の光圀による活動は、今日の文化財調査・文化財保護に通じるものといわれている

 このときの調査の所見は大金重貞が『湯津上村車塚御修理』という書名に記録している。上侍塚の後方部中央を5尺(約1.5m)ほど掘り下げると、石釧、鉄鏃、管玉などが出土したとあり、これらの下には「へな土」(泥土)を塗り、その中には「墨・漆の練り土」「朱少々」があったという。これは、粘土郭の中に木棺を収めた埋葬施設とみられる。下侍塚についても同様に後方部中央を5尺ほど掘り下げると遺物が出土したというが、『湯津上村車塚御修理』は下侍塚の埋葬施設については言及していない。両古墳からの出土品は以下のとおり。

  • 上侍塚 - 銅鏡、石釧(いしくしろ=石製の腕輪)、管玉、鉄鏃、鉄鉾身、鎧破片、鉄刀身破片、高坏
  • 下侍塚 - 銅鏡、鉄斧、大刀柄頭、鉄刀身破片、鎧破片、高坏、壺

 重貞は、「那須国造碑」の保存のため、光圀の命により碑の堂宇を建設する。そしてその功績により銀若干を賜った。この一連の作業は大金重貞が現地指揮をとり、光圀の命は佐々を通じて行われた。重貞は事の経緯を『笠石御建立起』に記している。一方、この堂宇の周囲は水戸藩の飛び地として旗本から買い上げ、管理人の僧(別当)を配置し、碑堂が完成するとすぐに参詣した。なお前述のとおり、「那須国造碑」は、下侍塚古墳の北650mにある「笠石神社」の御神体となり、国宝に指定されている

 下侍塚については、1975年に周濠を主とする調査が実施され、葺石が確認されたほか、発掘記録にあるものと似た土師器壺などが出土している古代の那須郡はカラムシ製の布の産地で、奈良の大仏に使われた砂金も採れるなど、豊かな土地だったという。河川交通の要衝である那珂川のほとりに葬られた下侍塚と上侍塚の主は、一帯を治めた首長だったのだろうか。

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2022年6月14日 (火)

新田氏ゆかりの地・太田市

 5月29日(日)、新田氏ゆかりの新田荘(にったのしょう)、太田市(群馬県)の史跡をめぐる。

●大光院

 9:10、「大光院」駐車場に到着。「大光院」は、徳川家康が始祖・新田義重(よししげ)の菩提寺として、金山(かなやま)南麓に1613年に建立した浄土宗の寺院。

 「開山堂」に参拝。鉄筋コンクリート造りとしては古く、1934年(昭和9年)の再建。

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 こちらが本堂。境内中央には(写真右手)、上人の手植と伝えられる「臥龍の松」がある。

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 本堂の前にある「臥龍の松」は、半分枯れていた。

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 徳川家康は一族の繁栄と天下泰平、さらにご先祖の新田義重(よししげ)の追善供養のため菩提寺を建立計画を立て、芝「増上寺」の観智(かんち)国師に相談した。国師の門弟で四哲の一人といわれた呑龍(どんりゅう)上人が迎えられ、1613年(慶長18年)に創建された。「大光院」に入山した上人は、読経・講義・説法などに力を尽くしす。上人の徳を慕う学僧が「大光院」に多数集まり、周辺農民も上人の教えを守ったので、寺は栄えた。

 当時、太平の世になっても人心は乱れ、天災等で生活は貧しく、多くの捨て子や間引きなどが横行していた。上人は、これらの子どもを弟子という名目で寺に受け入れ、寺の費用で養育した。このため、後世の人々から「子育て呑龍」や「呑龍様」と慕われ、篤い信仰を集めているという。今日も、乳児を連れた母親が、何組も参拝していた。

●金山(かなやま)

 戦国時代の山城「史跡金山(かなやま)城跡」の金山(標高239m)に登る。金山は、太田のシンボルの山。昭和9年(1934)に国の史跡指定。

 9:35 「大光院」を出発。子ども連れのハイキング集団が、別のコースに山に向かって山道を歩く。

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 途中、2個所の東屋で小休憩しながら、10:30駐車場のある展望台に着く。

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 展望台から、現在はSUBARU(スバル)の城下町の太田市街、遠くに関東平野を一望。

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 10:40展望台を出て、「金山城跡」へ向かう。

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●金山城趾

 10:45、「史跡金山城跡」着。

 「金山城」は戦国時代、新田一族の岩松家純によって1469年(文明元年)に築城され、下克上によって城主となった重臣の横瀬氏(のちに由良氏に改姓)の時代に全盛を迎えた。越後の上杉氏や甲斐の武田氏などの有力武将たちに攻められたが、強固な城は落城することはなかったという。その後北条氏の支配となり、豊臣秀吉による小田原攻めによる北条氏の敗北によって、金山城も1590年(天正18年)に廃城となった。

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 「金山城」は、山全体の自然地形を利用して造られた山城。堀切や土塁・石垣などの土木工事を中心とした遺構がよく残されている。金山の山頂を中心として全山にその縄張り(=城の設計)が及ぶ金山城跡は、1934年(昭和9年)に国の史跡指定を受けた。太田市と太田市教育委員会では、1992年(平成4年)から発掘調査を開始し、金山城時代の通路形態の復元を中心とした遺構の保存整備事業を実施。また、2006年(平成18年)には日本城郭協会により、「日本100名城」に選定されている。

・堀切:山城に使われている空堀で、尾根を断ち切って敵の侵入防ぐ曲輪を守る施設。

 西矢倉西堀切と物見台堀切(写真がうまく撮れず、太田市教育委員会のパンフを転載)

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・物見台:金山の周囲の敵の動きを見張る施設。10:30着。

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 物見台から北西の方角:榛名山(1449m)と赤城山(1828m)

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 北の方角:日光白根山(2578m)と男体山(2486m)

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・馬場曲輪(ばばくるわ):大手虎口を守る兵が待機したという曲輪。石垣、石段、建物や柵列があった。

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・月の池:大手虎口の脇にあり、訪れた者に水の豊富さを見せつけるという。

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・大手虎口(おおてこぐち):本丸への侵入を防ぐ一大防御拠点。高く積まれた石垣は、敵を威圧し、城の威厳を示す。11:20着。

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・大手虎口南上段曲輪:手前の井戸跡と石敷建物跡。武器庫や兵の詰め所だったと思われる。

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・大ケヤキ(欅):この先の「新田神社」の参道にも大ケヤキがある。

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・日の池:戦いで勝利や雨乞いなどの儀式が行われたと思われる神聖な池。

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・南曲輪(中島記念公園):休憩所などが整備されて、眺望も良い。空気の澄んだ日には秩父山地の上に顔を出す富士山を望むことができる。

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 広場には、中島飛行機(現在のSUBARU)の創設者である中島知久平の胸像が建てられている。子供たちが大勢いるが、登山開始の時にいたハイキングの集団だろうか。

●新田神社

・金山のシンボル「金山の大ケヤキ」は、樹齢800年ほど。金山の山頂近く、「新田神社」の参道にある。

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 樹高17m、目通り6.79m、枝張りは40mを超え、樹勢良好。石段を登ると、11:40「新田神社」に到着。金山城の本丸跡に鎮座し、新田義貞を祀る。

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 拝殿の右横の説明板「新田神社御鎮座壱百年記念事業 修復奉賛会発足 趣意書」 には、

 「新田神社の創始につきましては、新田公の支族江田行義の十代の孫森下大膳が旧領江田の館(現在の新田町大字上江田)の本丸跡に、藁宮を建てて公及び祖先の遺徳を偲んだのが始めと傅えられて居ます・・・」とあるが、いつの頃の話だろうか。

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 明治になり、義貞の末裔と地元有志らの出願により、1973年(明治6年)神社創立の許可を得て、 1875年(明治8年)社殿を建築、「新田神社」の社号を賜ったという。1934年(昭和9年)、国の史跡に指定。

 社殿の右側には天皇家が腰掛けた腰掛石がある。右から大正天皇、秩父宮殿下、昭和天皇(以上、明治42年)、高松宮殿下(大正4年)、三笠宮殿下(大正14年)。参拝時に腰掛けられたそうだ。

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 境内には、他にも1979年(昭和54年)の高松宮宣仁親王の参拝記念植樹の松がある。

 境内で昼食後、12:05新田神社を出発、登りとは別の南側のジグザグの急坂を下る。

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●史跡金山城跡ガイダンス施設

 12:35、「史跡金山城跡ガイダンス施設」に入館(入場料無料)。金山城跡の歴史を紹介する歴史学習の場、金山来訪者の憩いの場でもある。建物は、隈研吾氏の設計。側面の壁は、金山城の石垣を模したという。

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 金山城の歴史解説、出土遺物などが展示されている。

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●金龍寺

 13:20 金龍寺着。「金龍寺」は、1417年(応永24年) 横瀬貞氏が祖父・新田義貞の菩提寺として建立した。

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 本堂に義貞の木像が安置されている。

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●天神山古墳

 「大光院」駐車場に戻り、3Km、車で7分ほどの「天神山古墳」駐車場に13:45に着く。

 墳丘の長さ210m、東日本最大(全国26位、近畿を除けば3位)の前方後円墳の「天神山古墳」。国指定の史跡。

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 「男体山(なんたいさん)古墳」とも呼ばれ、墳丘の周りには二重に堀が巡らされ、北東には付属する陪塚(=ばいちょう、親族や臣下を埋葬した小古墳)や北東に帆立貝型の「女体山古墳」も造られている。円筒埴輪のほか、家、楯、鶏や水鳥(白鳥)の埴輪が発見されていて、古墳が造られた時期は5世紀前半と推定。大型の長持形石棺が使われたことや埴輪の特徴から、古墳に埋葬された人はヤマト王権と強いつながりを持っていた毛野(けぬ)国の大首長とされている。墳丘に登る。

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●世良田東照宮

 天神山古墳から西へ15Km、車で25分ほどで、14:45 「世良田東照宮」の駐車場に着く。

 「世良田東照宮」は、徳川氏発祥の地の東照宮として知られている。国指定史跡、重要文化財。三代将軍家光により、元和年間(1615~1623) に造営された「日光東照宮」の元社殿や宝物などを1640年~1642年(寛永17年~19年)に徳川氏発祥の地である当地・世良田へ移築された。

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 次の写真は、ウキメディア・コモンズより転載した「拝殿」。国の重要文化財。

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 唐門(国の重文)に付随し透塀が本殿を一周している。この奥の本殿(国の重文)は、工事中か。

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 境内の「宝物保管陳列所」(撮影禁止)には、東照宮所蔵の宝物を陳列。展示されている「新田・徳川氏略系図」には、源義家ー源義国-新田義重-新田義季(よしすえ、新田義重の4男)ー世良田頼氏-・・・-松平親氏(松平家へ婿養子)-・・・徳川家康(徳川に復姓)-・・・つながるという。新田義季から数えて家康は、実に17代目となるとしている。拝観料300円。

 今日の学界では、家康によって粉飾された系譜というのが通説になっている。徳川家の系図詐称については、本ブログの次の記事を参照されたい。

 「尾島ねぷたまつり」 2014年8月18日投稿

   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-b26c.html
 

●長楽寺

 「世良田東照宮」に隣接した「長楽寺」に15:20着。

 「長楽寺」は、徳川氏の祖と言われる新田義季が1221年(承久3年)、臨済宗の開祖・栄西の高弟・栄朝を招いて開基した、東国における禅文化発祥の寺。室町時代には関東十刹の一つにも数えられた。

 栄朝は名僧の誉れ高く、徳を慕って集まった全国の僧侶の中からは多くの高僧・名僧が輩出した。かれらは各地に寺院を開いて禅を広め、世良田は全国の僧侶の憧れの地となったという。広大な境内には小寺院が軒を並べ、常時500人もの学僧が研学・修行につとめるなど、関東の優良な寺院として栄えたそうだ。

 徳川家康が関東に入ると、徳川氏祖先の寺として「長楽寺」を重視し、天海大僧正を住職に任じた。さらに三代将軍家光の命を受けて天海は天台宗に改宗し、日光東照宮の社殿を移すなど、「長楽寺」は末寺700余寺を擁する大寺院として再興した。

・三仏堂:1651年(慶安4年)に三代将軍家光によって再建された。現在の建物は、1985年(昭和60年)に改修されたもの。三仏堂の中には、釈迦如来(高さ3m)、阿弥陀如来(3.3m)、弥勒菩薩(2.7m)の三体の木造仏が並んで安置されているという。県の重文。

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 新田義季は、得川(徳川)氏また世良田氏の祖。父・義重からは新田郡(新田荘)の世良田郷を譲られ、世良田郷の地頭となった。これにより世良田と称した。また得川郷をも領有して、得川を称したともされる。

 義季の後は、長子・頼有が得川郷を継承し、次子・頼氏が世良田郷を継承した。のちに家康が清和源氏を詐称する際、新田義季(得川義季)を先祖として、自身は松平から徳川に復姓した。

・忠霊塔:「長楽寺」の三仏堂の左手には、忠霊塔が建っている。

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 忠霊塔は、1877年(明治10年)の西南戦争から太平洋戦争まで245名余りの英霊が祀られ、昭和21年世良田村によって建てられた。

・蓮池と渡月橋:「心」の字を型どっていることから、「心字池」とも呼ばれる蓮池は、鎌倉時代にはすでに存在していたという。この池のほぼ中央には、石造りの太鼓橋「渡月橋」が架けられている。

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・太鼓門:時報や行事の合図のため、楼上に太鼓を置いていたことからこの名があるという。現在、太鼓はなく、明治9年に旧鐘楼から移された鐘も戦時中に供出されてしまっている。1982年(昭和57年)に重要文化財に指定。

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 ほかにも、鎌倉時代の優れた石造美術品として知られ国の重文に指定の「宝塔」、県の重文「勅使門」、本堂(大師堂)、新田一族供養塔 などがあるが、広い境内を回りきれず割愛した。

●新田荘歴史資料館

 「新田荘歴史資料館」(旧・東毛歴史資料館)は歴史公園の中にあり、「長楽寺」、「東照宮」の貴重な文化財をはじめ、新田荘域を中心とする様々な歴史資料を展示。入館料200円。時間の関係で入館は割愛。

 新田の「長楽寺」、徳川の「世良田東照宮」そして「新田荘歴史資料館」の一帯は、「大田市歴史公園」と呼ばれている。歴史公園の西側には芝生広場があり、古くから新田氏一族・世良田氏の館跡(推定)と伝えられているという。


●総持寺

 総持寺は、2町四方(一辺200m)の鎌倉時代の新田氏の惣領(=跡取り)の館がここにあったとされることから、別名を「館の坊」とも呼ばれる。この新田館跡は、西の早川を背にして、三方を堀にした館跡で、東と西の一部に堀の跡が残っている。拝観料なし。時間の関係で割愛する。

 「世良田東照宮」の駐車場を15:30出発、帰路へ。


 ★ ★ ★

 新田荘(にったのしょう)は、上野国(こうずけのくに)新田郡を中心とした地域(現在の群馬県太田市と周辺の桐生市・伊勢崎市・みどり市などの一部)にあった荘園、おもに大間々扇状地の上に立地している。1108年(天仁元年)、浅間山の爆発によって荒廃した新田郡南西部の地を源義重(源義国の子、義家の孫)が開発。1157年(保元2)にこの19郷を鳥羽上皇建立の寺院「金剛心院」に寄進、ここに金剛心院を本家、藤原忠雅を領家、義重を下司職(げししき)とする新田荘が成立した。

 下司(げし)とは、中世日本の荘園や公領において、現地で実務を取っていた荘官のこと。京にいる荘官の上司(じょうし)に対していう。

 新田荘は、1170年までには新たに39郷を荘域に加えて大荘園へと発展。義重の子息らは諸郷の地頭職を分割・譲渡されて世良田氏・額戸氏・山名氏などに分立、それぞれがさらに分立して庶子家(分家)は各郷に根を下ろし、自らの郷名を名字とした。

 新田義貞は、新田氏の惣領(=嫡子、跡取り)であったが、官職すらもたないほど鎌倉幕府からは冷遇されていた。元弘の変(1331)には、初め幕府軍の一員として楠木正成の千早城攻撃に加わったが、その途中帰国。1333年(元弘3・正慶2)、護良(もりよし)親王の令旨(りょうじ)を得て北条氏に背き挙兵する。関東各地で反幕府勢力を結集し、鎌倉に進撃して陥落させ、北条高時らは自害、鎌倉幕府は滅亡した。


 義貞はその功により、後醍醐天皇の「建武の新政」で重用され、越後、播磨守などの国司、武者所頭人、さらに左近衛中将などに任ぜられたが、やがて勲功第一位として優遇された足利尊氏と激しく対立するようになる。建武政権に反旗を翻し、武家政権を再興しようとする足利尊氏に、新田義貞は天皇方の大将として抗争を繰り返す。一時は尊氏を九州に追い落とすが、後醍醐天皇方は楠木正成らを失い、京都を放棄した。

 義貞は、天皇方勢力の再結集を図るため北陸に赴いていた延元3年(1338)、足利氏一門の斯波(しば)氏の軍の流れ矢に当たり、越前藤島(福井県福井市)で38歳の生涯を閉じた。義貞は、鎌倉攻めのため新田荘で兵を挙げたあと、ついに一度も新田の地を踏むことはなかった。

 尊氏とその弟・直義(ただよし)を中心に一族がまとまって行動した足利氏に比べ、新田氏は家格の低さももちろん、山名・岩松氏ら有力な一族が当初から義貞と別行動をとり、わずかに本宗系の庶子家しか動員しえなかったので、すでに義貞の非力さがあった。にもかかわらず義貞は後醍醐天皇によって尊氏の対抗馬に仕立て上げられ、悲劇の末路をたどることになった。


 新田義貞の時代に南朝軍の中核になり、新田氏一族もこれに従うが南朝の敗退とともに没落。その中で、北朝に下った岩松氏が事実上の宗家の地位を占めて新田荘を支配した。だが、戦国時代に入ると岩松氏も家臣の由良氏の下克上によって取って代わられると荘園の実態を失い、やがて豊臣政権の「小田原の役」に由良氏が巻き込まれて所領を失い、新田荘も解体に追い込まれた。


 明治維新の後、新田義貞や楠木正成らの南朝側の武将らは、朝廷のために最後まで尽した「忠臣」「英雄」として再評価されるようになった。義貞が亡くなって540年以上経った1882年(明治15年)、義貞は正一位を贈位された。新田義貞を祀る「新田神社」に天皇家が何故参拝されたのかという理由が分かった。

2022年6月10日 (金)

新型コロナ2022.05 減少傾向

  新型コロナ第6波は、感染力の強いオミクロン株の「BA.2」系統が主流となった。新規感染者数は2月中旬にピークアウト、大都市圏を中心に全国的には漸減傾向となり「まん延防止等重点措置」は3月21日で全面解除された。しかし一部では再拡大している地域もあり、行動制限なしの大型連休(4月29日~5月8日)明けの全国的なリバウンドが懸念された。大型連休以降の増加傾向は継続せず、5月後半には一部の地域を除いて全国的には減少傾向が続く

 2022年5月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.05 中朝急増」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【5月16日】

●上海封鎖、「来月解除」 感染1千人下回る 日程なお慎重

 3月下旬から都市封鎖(ロックダウン)が続く上海市政府は16日、6月に封鎖を全面的に解除する方針を示した。新型コロナの抑え込みに一定のめどが付いたと判断し、行動制限などを段階的に緩和する。当初は8日間の予定だったロックダウンは、解除時期が示されないまま長引き、16日で50日目を迎えた。全面解除のスケジュールを示すことで、市民の不満を和らげるねらいか。ただ、解除日程に幅を持たせるなど、当局の慎重な姿勢が目立つ。

 厳格な行動制限によって、1日あたりの新規感染者は4月中旬の約2万7千人をピークに減少。15日には約2カ月ぶりに1千人を下回り、938人だった。16日からは、スーパーや薬局、商業施設などの実店舗での営業が一部で再開された。ほぼ運行を停止していたバスや地下鉄など公共交通機関も22日から順次運行を再開する。ただ、これまでも示された制限の緩和が徹底されないなどの事態が続いており、解除への見通しは依然、不透明。

●医薬品不足、正恩氏が躍起 コロナ対応 体制へ不満危惧か

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮では15日午後6時までの24時間で、約39万2920人の発熱者と8人の死者が確認された。同通信は、金正恩(キムジョンウン)総書記 が15日の会議で「国家が調達する医薬品が薬局を通じて住民に正確に届いていない」とし、内閣や保健当局を叱責したと伝えた。会議の後には平壌市内の複数の薬局を訪れ、24時間稼働しているか、どんな薬が供給されたか、などを確認したという。

 北朝鮮は医療体制が脆弱で、ワクチンの接種も進んでいない。14日にも正恩氏が「人民と運命を共にする決意」で、自身の家庭常備薬を提供したと報道された。国民のくらしはさらに疲弊し、不満が高まれば体制の安定にまで影響しかねないとの見方も出ている。一方、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は16日、国会で施政方針演説で「ワクチンを含む医薬品など必要な支援を惜しむことはない」と述べた。

●都の時短命令、「違法」 東京地裁 飲食チェーン訴訟 賠償は認めず

 新型コロナ対応の改正特別措置法に基づき、東京都から営業時間の短縮命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」(東京都港区)が「営業の自由を保障した憲法に違反する」などとして都に損害賠償を求めていた裁判で、16日東京地方裁判所は「命令を出す必要があったとは認められず違法だ」とする判決を言い渡した。

 一方、都に過失はなかったとして賠償請求は棄却。命令の違憲性も否定した。時短命令をめぐる判決は初とみられ、同社は憲法判断などを不服として控訴した。飲食店を展開する同社は、2021年1月に出された「緊急事態宣言下」で、都の時短要請を受けたが拒否し、同年3月18日に26店舗が全国初の時短命令を受けた。

● 塩野義製薬 開発中のコロナワクチン、12~19歳の臨床試験開始

 大阪に本社がある塩野義製薬は、開発を進めている新型コロナのワクチンについて12歳から19歳に接種して有効性などを確認する臨床試験を始めたと発表した。塩野義製薬は「組み換えたんぱく質ワクチン」というタイプの新型コロナワクチンの開発を進めていて、大人向けのワクチンについては早ければ来月にも国に承認申請をする方針を明らかにしている。

 また会社では、今後さらに下の年齢層となる5歳から11歳を対象とした臨床試験も始める予定。塩野義製薬は「幅広い年代の方々に新たな選択肢を提供できるよう、早期開発、供給に向けて取り組んでいく」としている。

● 4回目ワクチン接種券、発送始まる 60歳未満は注意を 自治体で配布に違い

 新型コロナワクチンの4回目接種が月内にも始まるのを前に、自治体が接種券の発送を始めている。対象は60歳以上と基礎疾患のある18歳以上の人らに限定されるが、60歳未満の対象者への接種券の送り方は自治体によって異なり、注意が必要。自治体は住民の基礎疾患の有無を把握するのが難しいため、基礎疾患があると事前に申請した住民に送るケースと、3回目から5カ月以上経った18歳以上の全住民に送るケースがある。

 高知市は今月30日から始める新型コロナの4回目のワクチン接種に向けて、16日から接種券の発送を始めた。16日は、3回目の接種を終えてから5か月以上がたつ60歳以上の人、およそ1100人分の接種券が入った封筒が、高知市から発送された。18歳以上の基礎疾患がある人や、医師が重症化リスクが高いと判断した人については、市のホームページや郵送で申告を受け付けたあと、接種券を発送するとしている。

● 全国知事会、「まん延防止等重点措置」の在り方の見直しなど要請

 新型コロナ対策を検証する政府の有識者会議の17日の会合で、経団連や日本商工会議所といった経済団体と、全国知事会や全国市長会など地方団体から意見を聴いた。経済団体からは、飲食店に営業時間の短縮を要請するにあたっては事業者が納得できる基準を示すよう求める意見や、専門家の会議が複数あって政策決定の過程が分かりにくいなどといった指摘が出された。

 また、全国知事会からは、「まん延防止等重点措置」の在り方を見直すなどして、地域の実情に応じて自治体が柔軟に対策を講じられる仕組みを検討してほしいという要請が出された。政府は有識者会議で出された意見なども踏まえ、来月までに感染症危機管理の抜本的強化策を取りまとめることにしている。

●外国人観光客入国、月内に試験的再開 4カ国から 少人数ツアー対象

 観光庁は17日、外国人の観光目的の入国を5月中に試験的に再開すると発表した。新型コロナの感染状況が落ち着いている米国、オーストラリア、タイ、シンガポールの4カ国からそれぞれ少人数のツアーを受け入れ、感染防止対策や感染者が出た場合の対応などを検証する。参加者はワクチンの3回接種が条件で、1グループ4人以下を想定する。旅行会社の添乗員が付き添い、旅行先は都道府県の同意が得られた地域に限定する。滞在中のマスク着用なども呼びかける。

 政府は3月から、ビジネス目的や留学生らの入国は人数を制限しながら認めてきた。今回、政府が水際対策の緩和にかじを切ったことを受けて、旅行業界や航空会社からは観光客の受け入れ再開を求める声が上がっている。全国知事会も17日、外国人観光客の受け入れの早期再開などを求める緊急要望を斉藤国交相に出した。

● Jリーグ、「声出し」応援の段階的導入を決定 来月の公式戦から

 サッカー・Jリーグは感染対策として禁止している声を出しての応援について、来月の公式戦から段階的に導入していくことを決めた。具体的には政府の基本的対処方針に基づいて観客数を収容人数の50%に制限したうえで、マスクの着用を条件に声を出して応援できるエリアを設けるという。

●4630万円、「複数のカジノサイトに」 山口・阿武の誤送金

 山口県阿武町が住民の男性(24)に対し、新型コロナに関する「臨時特別給付金」として計4630万円を誤送金した問題で、男性の代理人弁護士は17日、振り込まれた金について男性が「海外の複数のカジノサイトで使った」と話していることを明らかにした。町は、男性の口座から別の銀行の2口座に、誤送金した一部が移されていたことを調査で確認。2口座について仮差し押さえの手続きをしているという。

 阿武町役場庁舎 出典:ウキメディア・コモンズ

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 花田町長は17日、誤送金した金がカジノサイトで使われた可能性があることについて報道陣に問われ、「あれだけの大きなお金がいっぺんに消費されるということは考えにくかった。もし事実であれば、許せないという気持ちだ」と話し、「回収に向けて全力を尽くす」とした。

【5月18日】

● 新型コロナ、米国で死者が100万人超える

 米国で新型コロナに感染して死亡した人が100万人を超えた。米国で初めて死者が報告されたのは2020年2月で、それから2年3か月で100万人以上が命を失ったことになり、現在も1日300人前後の死者が報告されている。すべての州で公共の場でのマスクの着用義務が廃止されるなど社会は、パンデミック前の状態に戻りつつある一方、オミクロン株変異ウイルス「BA.2」などの拡大で感染者や入院者は増加傾向にあり、再び感染の波が来る可能性も指摘されている。

●北朝鮮の発熱増、WHOが「懸念」 データ提供されず

 北朝鮮は国営メディアを通じて発熱者の増加を連日伝えている。18日の報道によると、17日午後6時までの24時間に全国で新たに23万2880人の発熱者が確認、6人が死亡。発熱者が急増し始めたとする4月末以降の累計では発熱者が171万5950人、死者が62人に上る。WHOのテドロス事務局長は17日、WHOが求める感染拡大に関するデータの提供に北朝鮮側が応じていないことを明らかにし、「さらなる感染拡大を深く懸念している」とした。

 WHO緊急対応責任者のライアン氏は17日、「未確認のウイルスによる感染は、新たな変異株を生む可能性がある」と感染の拡大が、更に深刻な事態を引き起こす可能性を指摘。北朝鮮が情報を閉ざしている現状について「各国が支援を受け入れない限り、WHOには対応するすべがない」と懸念を示した。北朝鮮は医療体制が脆弱、ワクチン接種も進んでいない。金正恩総書記は17日の会議で「国家指導幹部の非積極的な態度や緩み」を批判した。

●GDP、2期ぶりマイナス 年1.0%減 オミクロン株響く 1〜3月期

 2022年1~3月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期(2021年10~12月期)比0.2%減、年率換算で1.0%減となった。オミクロン株の感染拡大で個人消費が伸びなかったほか、輸入の増加が数字を押し下げた。内閣府が18日、1次速報を発表した。民間エコノミストの予測の平均値(年率1.36%減)よりもマイナス幅は小さかったが、2四半期ぶりのマイナス成長。コロナ禍以降、四半期ごとにマイナスとプラスを繰り返す状態が続いている。

 2021年度のGDPは実質で前年度比2.1%増。3年ぶりのプラス成長となったが、諸外国に比べるとまだ低い。4~6月期は重点措置の解除で個人消費が増えると見込まれ、民間予測では年率5.18%増とプラス成長になる見通し。ただ、ウクライナ危機による物価高や米国の金融引き締めなどで世界景気の先行きは不安材料が多く、国内の経済への影響も懸念されている。

● オミクロン「BA.2」、 症状を引き起こす力は「BA.1」と同程度か

 現在新型コロナの感染の主流となっているオミクロン株「BA.2」について、東京大学の河岡特任教授らのグループは、症状を引き起こす力は「BA.1」と同程度だとする動物実験の結果を発表した。科学雑誌の「ネイチャー」で発表した。「BA.2」とその前に流行した「BA.1」の実際のウイルスをそれぞれハムスターに感染させ、症状などを詳しく調べた。その結果どちらの場合も体重の変化に異常はみられず肺の炎症もいずれも軽かったという。

● 就学前の子ども、マスク着用一律に求めず 政府方針案

 マスクの着用は基本的対処方針で感染対策の1つとして位置づけられており、諸外国では屋外でのマスクの着用義務を緩和する動きがあるものの、現時点では着用の考え方が変わるような科学的な証拠は得られていない。そのうえでマスクを外してよい場面は、正しく国民に伝わるよう周知内容をより明確化し、リーフレットなどで幅広く周知・徹底を行うという。

 子どものマスク着用について2歳未満の乳幼児は、人との間隔が取れない場合も含めて「着用はすすめない」とする。また2歳以上で就学前の子どもは、オミクロン株を踏まえた対策として、これまで「一時的に着用をすすめる」を見直し、人との間隔が取れない場合も含めて「着用を一律に求めることはしない」とする。政府は19日にこの方針案を厚労省の専門家組織の会合に示して意見を求めたいとしている。

●届出漏れで自宅死 報告書 都「感染急拡大で保健所逼迫」

 東京都内の総合病院で昨年8月、新型コロナ感染が確認された50代女性の「発生届」が都の保健所に提出されず、保健所もそのミスに気づかないまま女性が自宅で死亡した問題で、都は18日、調査報告書を発表した。職員に聞き取るなどしたが、保健所がミスに気づけなかった経緯は明らかにできなかった。都は、問題を受けて、業務が逼迫した保健所への応援を強めたことなどを明らかにした。

【5月19日】

● 米CDC、東部・中西部の人口多い地域でマスク推奨 感染拡大で

 米国では5月19日時点ですべての州で屋内でのマスクの着用義務が撤廃されている。米国CDC(疾病対策センター)は東部や中西部の人口が多い地域で新型コロナ感染拡大が深刻になり、マスクの着用が推奨される水準に達しているという認識を示した。CDCによると、米国で1日に報告される新型コロナ感染者の1週間平均は17日の段階でおよそ9万9000人と増加傾向、自宅でウイルス検査をし報告しないケースを含めるとさらに多くの感染者が出ているとみられている。

●北朝鮮、「発熱」197万人 コロナの実態見えず

 北朝鮮が国内に新型コロナの感染者がいることを公表してから、19日で1週間が経った。国営メディアは防疫の強化を報じ続けているが、PCR検査の態勢も整わないとみられる中で膨大な数の「発熱者の急増」ばかりが伝えられており、感染拡大の実態は明らかになっていない。韓国の専門家からは、体制の指導力に影響しかねない危機だとの指摘も出る。北朝鮮の内情を知りうる関係者は「隔離された住民への食料や薬の供給が不足し、不満が出ているようだ」という。

 朝鮮中央通信によると、4月末からの「発熱者」は18日午後6時までに197万8230人を数え、63人が死亡。74万160人が治療中だという。24時間の発熱者は連日、20万人を超える。人口約2600万人の北朝鮮国内にあって膨大な人数だが、韓国の国家情報院は19日、北朝鮮では4月末より前から腸チフスなどの感染症が広がっており、新型コロナ以外の原因での「発熱者」が多く含まれているとの見方を示した。

● 全国は大型連休で感染急増せず 沖縄は過去最多に 専門家組織

 厚労省の専門家組織の会合が19日開かれ、18日までの1週間の全国の新規感染者は前週の1.07倍と約1カ月ぶりに増加に転じたが、大型連休前の水準より低くなり、 ここ数日の7日間平均は減少傾向、「今後の動向を注視する必要がある」と指摘した。大型連休中は診療や検査の機会が減り、実態の把握には時間がかかるため、「感染状況の正確な評価は難しい状況が続いている」としている。

 また各地で20代が顕著に増加していて、沖縄県では30代以下の若い世代とともに60代以上の高齢者でも大きく増加している。大型連休後に学校での感染の割合が増えているほか、大都市圏を中心に夜間の繁華街の人出が大型連休後に増加に転じた地域もある。医療体制について全国では重症者数が減少、亡くなる人は横ばい。一方、沖縄県では、病床使用率55%、重症病床使用率25%(いずれも18日時点)と他の地域より際立って高く、医療の逼迫が懸念されている。

●新規感染者数の前週比、首都圏は横ばい 各地で増加も

 19日の専門家組織会合で示された資料によると、新規感染者は34都道府県で前週より増えたが、大型連休を経ても全国で感染が急増するような事態にはなっていない。脇田座長は、連休で人が動いたものの、①基本的な対策をしっかりやっている、②ワクチンの3回目接種が進んでいる、③1、2月に感染が多かったことによる自然感染で得た免疫がある程度、感染抑制の方に働いているとの見方を示した。

 首都圏の1都3県の新規感染者数の前週比は、東京都と千葉県で1.00倍、神奈川県1.08倍、埼玉県0.97倍とほぼ横ばいで、去年夏の第5波のピークを下回っている。他の大都市圏の大阪府1.06倍、愛知県1.13倍。人口10万あたりの感染者数が突出して多い沖縄県(直近1週間で1014人、全国平均203人)は、1.13倍だった。前週より新規感染者数が大きく増えたのは、富山県1.48倍、静岡県1.32倍、山形県と山口県が1.29倍、石川県1.25倍、福井県1.24倍、奈良県1.22倍など。

 新規感染者数の前週比(5月18日までの1週間) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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● マスク着用、「屋外で会話少なければ必ずしも必要ない」 専門家組織

 19日の専門家組織の会合では、マスクを外しても感染リスクが高くならない場面について見解をまとめた。飲食の際に食べたり飲んだりするとき以外はマスクをするほか、人混みでは適宜着用することが必要だとした一方、屋外で周りの人との距離が確保できる場合や、距離がとれなくても会話が少ない場合は必ずしも必要ないとした。また、小学校入学前の子どもにはマスクの着用を一律に求めないことを幅広く周知することが必要だと指摘した。

 提言を受けた政府は、熱中症のリスクが高まる季節を前に、マスクの着脱についてどのように国民に呼びかけていくか、改めて検討する。ただ、感染者がなお多い状況が続いており、厚労省幹部は「マスクの着用について、すぐに大きく緩和することは難しい」との見方を示す。「政府から丁寧に発信していきたい」と話す

 マスク着用についての専門家組織の提言 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●ネットカジノ、裏付け急ぐ 山口県警 誤入金 詐欺容疑で男逮捕

 山口県阿武町から誤って入金された金を別の口座に振り替えたとして、山口県警は18日、無職田口翔容疑者(24)を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したと発表した。容疑者の口座からは誤入金された4630万円のほぼ全額が出金されており、「ネットカジノで使った」と供述しているという。県警は使途の裏付けを進めている。阿武町によると、容疑者は山口市内から町に2020年10月に転入。町の「空き家バンク」制度を利用し一戸建てに移り住んだ。

 町は新型コロナに関する「臨時特別給付金」の入金のため4月1日、対象463世帯の世帯主と振込先口座の名簿を記録したフロッピーディスクを町の指定金融機関に持参。手続きはこれで終わっていた。ところが6日、職員の一人が「振込依頼書」を必要な文書と思い込み、金融機関へ別途、提出。依頼書には名簿の一番上の世帯しか印字されず、そこに載っていた容疑者の口座に4630万円を振り込まれた。8日、金融機関の指摘でミスが発覚した。

【5月20日】

● 北朝鮮、新たに26万人余の発熱症状 拡大に歯止めかからず

 北朝鮮で新型コロナによるとみられる発熱者が相次ぐ中、20日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は19日午後6時までの1日で、新たに26万3000人余りに発熱の症状が確認され、2人が死亡したと伝えました。先月下旬以降の発熱者の累計は224万1000人余りとなり、死者は65人に上っているとしていて拡大に歯止めがかからない状況が続く。

 一方、労働新聞は、軍の元帥で金正恩総書記の軍事教育などを担当していたとされるヒョン・チョルヘ(玄哲海)氏が19日、87歳で死去したと伝え、国葬を執り行うと明らかにした。葬儀の委員長はキム総書記が務めるとしていて、キム一族による体制を支えてきた元老の死を国を挙げて追悼することで、感染拡大が続く中でも内部の結束の徹底を図るねらいがあるとみられます。

● 高齢者施設で働く職員も4回目接種の対象に 国に要望書提出

 新型コロナの4回目のワクチン接種は、60歳以上の人と18歳以上の基礎疾患のある人などを対象に早ければ来週にも全国で始まる予定。これに対し19日、全国の高齢者施設で作る3つの団体が厚労省などに対し、施設で働く介護職員や事務職員なども接種の対象に加えるよう要望書を提出した。

 要望書では、高齢者施設での感染は職員によるウイルスの持ち込みによって発生することが多いとして、入所者の安全を守り安心してケアにあたれるよう希望者への接種を強く要望する。また、第6波では職員の3回目接種が済んでいた施設では大規模なクラスターの発生が抑えられたケースが多かったとして、4回目の接種を求める声が寄せられているという。

●8割は検査・待機免除 入国緩和 来月、1日2万人に

 新型コロナの水際対策をめぐり、政府は20日、海外からの入国者に実施している入国時の検査や自宅待機について、一定条件で免除すると発表した。6月1日から実施、1日あたりの入国者数の上限も現在の1万人から2万人まで倍増させる。出国時検査は引き続き求めたうえで、空港などの検疫措置を緩和する。政府は今後、コロナ禍以前のビジネス目的での来日者数の水準だった1日3万人程度までの引き上げをめざす。

 具体的には、各国・地域の感染状況などを総合的に検討し、「流入リスク」の高い順に「赤」「黄」「青」の3グループに分類。「赤」は 入国時検査の実施、検疫施設で3日間待機。3回目ワクチン接種者は入国時検査と3日間の自宅待機。「黄」は入国時検査と3日間の自宅待機だが、3回目接種者は検査も待機も求めない。「青」は、G7などを含め入国者の8割程度の国・地域が対象となる見込みで、検査も待機も免除する。それぞれのグループの国や地域は来週公表する。入国停止中の観光客については、観光庁が今月中に実証事業を行い、旅行会社や宿泊事業者に対するガイドラインを策定する予定。

● 入国緩和、経済界は歓迎「さらに緩和を」 専門家、変異株リスク指摘

 政府が入国者数の上限を倍増させると決めたことを受け、航空業界、観光業界や経済界からは歓迎とともに、さらに緩和を求める声が上がる。一方で、検疫体制や感染急拡大への懸念もある。専門家は、「変異株の流行状況も加味し、少なくとも1カ月に1回といった頻度でグループ分けを更新すべきだ」と指摘。変異株が入り込んだことに気づくのが遅れると「感染拡大の起爆剤になってしまうおそれもある」とみる。国内での変異株の調査も一層徹底していく必要があるという。

●都、飲食店の制限撤廃へ 認証店 利用人数・時間自由に

 東京都は20日、新型コロナ対応の対策本部会議で、都内の「リバウンド警戒期間」を期限の22日で終えることを決めた。都が感染防止策を認めた認証店については、利用人数や時間制限の協力要請を全てやめる。都はこれまで、認証店に対しては、「8人以内」で「2時間以内」の利用とするよう協力要請していた。対策を確認できていない非認証店に対しては、今後も「4人以内」「2時間以内」とするよう協力を要請する。

 小池知事は会議後の会見で、「懸念されていた大型連休後の感染拡大は見られなかった。基本的な対策を徹底して感染を抑えるステージに入りたい」と説明。2020年11月から中断していた都内の観光支援事業を6月中に試行的に再開。今後、政府の「GoToトラベル」の動きも踏まえ、全国的な観光振興策とも足並みをそろえる。また新型コロナ患者向けに確保している病床約7200床を、感染者の増加傾向が見られないことから5千床に引き下げる。

●マスク、国が基準 距離2m 多くの場合外しても可

 厚労省は20日、新型コロナ対策のマスク着用について、どんな場面なら外せるのか、基準をまとめ、公表した。人との距離が2m以上あれば、屋内でも屋外でも、多くの場合はマスクを外せるとした。屋内で会話をする時は着用を推奨するものの、十分に換気などをすれば外すことも可能とした。基準は、厚労省の専門家組織の19日の提言におおむね沿った内容。

 人との距離を2m以上確保できるか、屋内か屋外か、会話はあるか、の3要素の組み合わせで8パターンに分け、マスク着用の要不要を示した。人との距離を確保できる場合、屋内で会話する時のほかはマスクを外せる。人との距離を確保できない場合、マスクを外せるのは屋外で会話がない時だけ。外で人とすれ違う通勤時などが想定される。また、一時的に着用を推奨していた保育園などの2歳以上の未就学児について、着用を一律には求めないという。

 屋外・屋内のマスクの着用について 出典:厚労省のホームページ

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【5月21日】

● 中国・上海 4月の貿易総額、前年比約4割減 コロナ拡大で物流混乱

 中国・上海の税関当局によると、管内の港や空港での輸出と輸入を合わせた先月の貿易総額は577億ドル(日本円で7兆3000億円余り)と、去年の同じ月と比べて40.5%の大幅な減少となった。厳しい外出制限によって物流が混乱したことなどが要因。日本への輸出額も57.3%減っていて、自動車メーカーの一部では、中国からの部品の供給が滞ったことで、日本国内での操業を一時停止する事態も起きている。

 また、上海市当局が発表した先月の主要な経済統計では「工業生産」が去年の同じ月に比べて61%減少したほか、消費の動向を示す「小売業の売上高」も48%減少するなど、経済への深刻な影響が浮き彫りになった。当局は、このところ感染の拡大は抑え込みつつあるとし、徐々に外出制限を緩和して来月中には市民生活を正常化させるという方針を示していて、経済活動の再開を進め、影響の一段の長期化を防げるかがカギになっている。

●昨年国内死者、予測上回る コロナで医療逼迫 影響か

 新型コロナの流行が始まった2020年は、国内のすべての死者数が予測よりも少なかったのに対し、大きな感染がみられた2021年は多かったことが厚労省研究班の分析で分かった。2020年は感染対策の徹底でほかの感染症が減ったのに対し、2021年はコロナによる医療逼迫が深刻化したこともあって死者数が押し上げられた可能性がある。

 この分析には、死者が例年と比べてどれほど増えたかをみる「超過死亡」という指標が使われた。2020年は大きな超過死亡がみられず、逆に想定を約6千~約5万人下回る「過少死亡」がみられた。一方、2021年は約1万~約6万の超過死亡がみられた。時期と地域別にみると、2021年春の4波の時期には関西で、同年夏ごろの5波では首都圏で際立っていた。

● 世界の超過死亡、2年で1490万人に

 WHOは今月、世界各国の超過死亡を推計した結果を発表。2020、2021年の超過死亡が計1490万人と、同期間に報告されたコロナの死者数(約540万人)の3倍近くにのぼった。WHOの手法も、報告数が予測値を上回った分を超過死亡としているが、厚労省研究班の手法とは違う部分もある。WHOの公表データで日本の超過死亡を月別に見ると、2021年は多くの月で超過死亡が出たが、2020年は予測を下回る月がほとんどで、厚労省研究班の分析結果とほぼ同じ傾向だった。

 「超過死亡」は、季節性インフルエンザの流行の深刻さを測るため、1973年にWHOが提唱。日本も1998年から国立感染研が推計を始めた。コロナの影響を分析するため2020年、厚労省研究班を立ち上げ、過去5年間の全ての死因による死者数のデータを使い、死者数の予測値を算出。実際の死者数が、この予測値を上回った分を「超過死亡」とする。

● 収入がコロナ前の水準に戻らず、26%余

 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」は、新型コロナの影響を調べるために、企業で働く人など4800人余りに継続的な調査を行っていて、ことし3月の結果をまとめた。それによると、2019年から去年までの年収の推移を聞いたところ、「ほとんど変わらない」が56.1%、「上昇した」が9.9%だった。一方で、「収入が低下傾向」が11.3%、「2019年からおととしにかけて低下し、その後は横ばい」が8.3%など、感染拡大前の水準に戻っていないと回答したのは26.1%に上る。

 同機構の渡邊主任調査員は「コロナ禍で働き方や生活スタイルが変わり、仕事が減ったり働く時間が減少したため、経済活動が再開しても収入が元の水準に戻らない人が出るおそれがある。収入の減少に加えて、物価上昇などで生活に不安を感じる人が増えているとみられる」と話している。

【5月22日】

●岸田内閣支持、最高59% 比例投票先 自42% 維11% 立10%

 朝日新聞社は21、22日に全国世論調査(電話)を実施。岸田内閣の支持率は59%(前回4月調査は55%)で、政権発足以来最高となった。また参院選での比例区投票先は、自民党の42%(同41%)がトップ、日本維新の会11%(同13%)、立憲民主党10%(同12%)を大きく引き離した。内閣支持率は無党派層からは43%、立憲や維新の支持層からも4~5割の支持があった。年代別では70歳以上が69%と高かった。不支持率は26%(同29%)だった。

 新型コロナをめぐる政府対応については、「評価する」62%(同53%)が「評価しない」32%(同42%)を上回り、こちらは歴代政権で最高となった。立憲支持層でも7割が「評価する」と答えた。

●屋外でのマスク、「着けなくもよい」55% 「着けるべきだ」42% 朝日新聞社世論調査 

 21、22日に朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で、人と距離が取れる屋外でのマスクの着用について尋ねたところ、「着けなくてもよい」が55%で、「着けるべきだ」42%を上回った。現状の街なかでは屋外でもマスク姿の人が大半だが、意識の上では条件により許されると考えている人が多いようだ。「着けなくてもよい」とする脱マスク許容意見と「着けるべきだ」とする慎重意見の比率は、男性だと58%対38%と差が開いたのに対し、女性では51%対46%と接近した。

● オミクロン株の後遺症、以前の株の10分の1ほど

 国立国際医療研究センターなどの研究グループは、ことし2月初めまでにオミクロン株に感染して入院した20代から80代の患者53人から、「倦怠感」や「息切れ」、「嗅覚や味覚の異常」などといった後遺症の症状を詳しく聞き取り、2か月以上続いていた人を年齢や性別、ワクチン接種歴などの条件を合わせ、アルファ株やデルタ株など以前に広がったウイルスに感染した人と比較した。

 オミクロン株では「倦怠感」が続いていた人が18人中1人だったのに対し、アルファ株などでは何らかの症状があった人は18人中10人だったという。研究グループは、オミクロン株で後遺症とみられる症状が出るのは10分の1ほどと考えられると分析した。しかし感染者数が格段に多いため、後遺症に悩む人は多くなるおそれがあるとしている。

● 首都圏大手私鉄、運賃値上げの検討相次ぐ コロナ禍で利用客減少

 新型コロナの感染拡大で利用客が減り、業績が低迷している首都圏の大手私鉄の間で、運賃の値上げを検討する動きが相次いでいる。値上げには国土交通省の認可が必要で、京王電鉄は早ければ来年度の後半、京浜急行電鉄は来年度中の運賃の値上げを検討している。新型コロナ感染拡大で鉄道事業が赤字になっているうえ、感染の収束後もテレワークの普及などもあって、以前ほどには業績が回復しないと見ている。

 東急電鉄はすでに認可を受けて、来年3月から普通運賃を平均13%程度、値上げする。東京メトロ、東武鉄道、それに西武鉄道は来年の春から、1回の乗車につき10円程度を値上げする見込み。小田急電鉄と相模鉄道も同じ制度で値上げを検討していて、首都圏の私鉄各社の間で値上げに向けた動きが相次いでいる。

【5月23日】

● WHO、コロナワクチン接種加速を サル痘・急性肝炎にも要警戒

 WHOのことしの年次総会は3年ぶりに対面での開催となり、本部があるスイスのジュネーブで22日に始まった。この中でテドロス事務局長は、新型コロナのワクチンの接種状況について、ことし7月までに人口の70%が接種するという目標を達成できた国は先進国を中心に57か国にとどまっているとしたうえで、「多くの国で規制が解除され以前のような生活に戻っているが、パンデミックはまだ終わっていない」と述べ、接種を加速させるよう改めて呼びかけた。

 また、21日の時点で欧米を中心とした12か国から92人の患者が報告されている天然痘に似た症状の感染症「サル痘」のほか、幼い子どもを中心に報告が相次いでいる原因不明の急性肝炎についても触れ、警戒が必要だという認識を示した。

● コロナ対処方針変更 「屋外で会話ほぼない場合マスク必要なし」

 政府は、新型コロナ対策本部を23日に持ち回りの形式で行い、基本的対処方針を変更した。マスクの着用について、屋内では、2m以上を目安に周りの人との距離がとれ、会話をほとんど行わない場合、屋外では、周りの人と距離がとれる場合や、距離がとれなくても会話をほとんど行わない場合には、いずれも着用の必要はなく、特に夏場は熱中症予防の観点から外すことを推奨する考え方を盛り込んだ。

●傍聴席「1席空け」制限、順次緩和 コロナ対策緩和 最高裁が通知

 新型コロナ対策で「1席空け」になっていた裁判の傍聴席の使用制限が、順次解除される見通しになった。最高裁が全国の裁判所に緩和の検討を促す通知を発出。仙台の高裁、地裁、家裁は23日、全席使用を27日から再開すると発表した。マスク着用は「引き続きお願いする」という。

【5月24日】

●変異株の新系統、市中感染を確認

 厚労省は24日、新型コロナのオミクロン株の変異系統「BA.5」「BA.2.12.1」の市中感染を東京都が確認したと発表した。「BA.5」は南アフリカで置き換わりが進んでいるウイルスで、検疫を除くと、国内で感染が確認されたのはBA.5は初めて。一方、米国で感染が増えているオミクロン株のBA.2.12.1は3例目。いずれも現在主流のBA.2系統よりも感染が広がりやすいとされ、今後置き換わる可能性がある。

 厚労省や都によると、BA.5に感染した70代男性は5月上旬に、BA.2.12.1に感染した50代男性は4月下旬にそれぞれ発症し、いずれも軽症だった。都によると、いずれの変異ウイルスも、感染した場合の重症度は明らかになっていない一方、これまでのオミクロン株に比べて感染力が高い可能性があるということで、発生の動向を注視していくという。

● 体育授業、屋外に限らずプール・体育館もマスク不要 文科省通知

 文部科学省は、感染対策のマニュアルで体育ではマスクの着用は必要ないと示してきたが、慎重な学校もあるとして熱中症のリスクが高まる季節を前に、24日全国の教育委員会に改めて通知した。この中では、マスクを着用する必要がない具体的な場面について、体育の授業の際は屋外の運動場に限らず、プールや屋内の体育館も対象となると明記している。

 また、運動部活動は近距離で接触する運動などは各競技団体が作成するガイドラインを踏まえたうえで、体育の授業に準じてマスクの着用は必要ないとする。登下校についても会話を控えるよう注意しつつ、マスクを外すよう指導するなど熱中症対策を優先する。また政府の基本的対処方針で2歳以上の小学校に入る前の子どもについて、マスクの着用は一律には求めないしたことを踏まえ、改めて、幼稚園でも着用を一律には求めないことを周知した。

● 外国人観光客受け入れ再開へ実証事業 効果的な感染対策を確認

 政府は新型コロナの感染状況が改善していることなどから、現在中止している外国人観光客の受け入れを、来月以降段階的に再開することを検討していて、24日から少人数の訪日ツアーを試験的に始めた。最初の参加者となる米国の旅行会社の社員合わせて7人が成田空港に到着した。

 参加した7人は日本の旅行会社の添乗員とともに、およそ1週間かけて関東や東北などの観光地をめぐる予定で、海外の人たちに検温や消毒、それにマスクの着用など日本の基本的な対策を徹底してもらうための効果的な方法を確認することになっている。観光庁は参加者への聞き取りを進めるなどして改善点を取りまとめ、宿泊施設や旅行会社向けのガイドラインをまとめることにしている。

●9割の4299万円確保 誤入金問題 山口・阿武町 カジノ残金は不明

 山口県阿武町の4630万円の誤入金問題で町は24日、記者会見を開き、約9割にあたる計約4299万円を法的に「確保した」と発表した。入金された一部を別の口座に振り替えたとして電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された無職田口翔容疑者(24)が振り替えた3社から、20日に町の口座に入金されたという。

【5月25日】

● WHOテドロス事務局長の再選を決定 8月から2期目へ 任期は5年

 WHOは去年、エチオピア出身のテドロス事務局長の任期満了を前に、加盟国から次期事務局長の候補者を募ったところ、ヨーロッパやアフリカ、アジアなどの28か国が再任を提案し、ほかの候補者の提案はなかった。これを受けて、スイスのジュネーブで開かれているWHO年次総会は24日、テドロス事務局長を次期事務局長に選出するという決議案を採択し、再選が決まった。2期目の任期はことし8月から5年間。

 新型コロナをはじめとする感染症への対応や、ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナへの医療支援、それに途上国における保健分野の課題などに取り組む。テドロス事務局長は「皆さんの信頼に感謝する。新型コロナのパンデミックは前例がなく、学ぶべき教訓が多くある」と述べ、意欲を示した。一方、WHOの年次総会には、加盟していない台湾がことしもオブザーバーとしての参加を目指したが、中国などが反対し、6年連続で認められない。

●4回目接種、始まる 60歳以上、基礎疾患ある人対象

 新型コロナワクチンの4回目接種が25日、全国各地で始まった。重症化を防ぐことが狙いで、対象は3回目の接種から5カ月が経った人のうち、60歳以上の人、18~59歳で基礎疾患がある人、医師が重症化リスクが高いと認めた人に限られる。接種間隔は3回目から5か月で、ファイザーかモデルナのワクチンを使って医療機関で個別接種を受けられるほか、東京都などでは大規模接種会場も設けられる。

 一部の自治体や高齢者施設でつくる団体などから医療従事者や介護職員も4回目の対象に加えるよう求める声も出ているが、厚労省は当面は対象を変更しない方針で、「重症化リスクが高いと判断されれば接種を受けられるので、かかりつけ医などに相談してほしい」という。

● 4回目接種、重症化防ぐ効果一定程度続くも 感染防ぐ効果続く期間は短く

 イスラエルでは、オミクロン株の感染拡大を受けて2021年12月以降、3回目の接種から少なくとも4か月以上たった60歳以上の人などを対象に4回目の接種が行われている。先行して接種が行われたイスラエルから研究結果が報告されていて、感染や重症化、それに死亡を防ぐ効果が確認されている。ただ、重症化を防ぐ効果は一定程度続くものの、感染を防ぐ効果が続く期間は短くなるという。

 ワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「4回目接種で抗体のレベルが持続する期間は短いが、免疫の記憶は1段高く持ち上げることができる。高齢者の多くは3回目接種による免疫力は下がってきている。高齢者や基礎疾患のある人は重症化を抑えるという意味で4回目接種を受けたほうがいい。感染リスクがある仕事をしている医療従事者や高齢者施設で勤務する人、救急隊員などで希望する人に、4回目接種をする機会を提供する必要もあるのではないか」と話す。

●一部地域を除き、感染は減少傾向 専門家組織が分析

 厚労省の専門家組織は25日、感染状況について「大型連休後半以降の増加傾向は継続せず、全国的には一部の地域をのぞいて減少傾向が続いている」と分析した。直近1週間の全国の新規感染者は前週の0.91倍。前週より多かったのは6県にとどまり、徳島県の1.09倍が最大。10歳未満をのぞく全ての年代で減少した。ただ沖縄県のように、直近7日間の平均が昨年末からのピークを上回る地域もあり、「引き続き注意が必要」としている。

 5月24日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【5月26日】

●首相、訪日観光解禁表明 来月10日からツアー客想定

 岸田首相は26日、東京都内で講演し6月10日から訪日観光客の受け入れを再開する方針を明らかにした。観光目的の入国解禁は約2年ぶり。「今後も感染状況を見ながら、段階的に平時同様の受け入れをめざす」とも述べた。新型コロナで大きな打撃を受けた観光業や地域経済の回復につながることも期待されるが、年間3000万人を超えていたコロナ前に戻るには時間がかかるとの指摘もある。

 政府は、6月1日から1日あたり入国者数の上限を現在の1万人から2万人まで倍増させる予定、入国する各国を感染状況など3グループに区分し、入国時の検査や待機などを一定条件で免除する。受け入れを再開する観光客もこの2万人枠の中で認める方針で、入国の対象は新型コロナの陽性率による区分けで最もリスクの低いとされる米国や韓国、中国など98の国と地域が対象。さらに、感染拡大を防ぐため当面、添乗員付きのツアー客に限定する。

● 都内の感染状況「緩やかな減少傾向」、「マスクの適切な着用を」

 東京都の新型コロナのモニタリング会議が26日開かれ、都内の感染状況は、4段階のうち上から2番目の警戒レベルが維持された。新規陽性者の7日間平均は、25日時点で、前の週のおよそ92%のおよそ3304人となり、専門家は「緩やかな減少傾向にある」と分析。一方、新規陽性者のうち、30代以下が全体の68.7%を占め、専門家は「これまでの感染拡大時は、まず若年層に感染が広がり、その後、中高年層に波及している」と述べ、警戒を呼びかけた。

 そのうえで「マスクを場面に応じて適切に着用するなど、引き続き基本的な感染防止対策を徹底し、さらに新規陽性者を減らす必要がある」と述べた。また、医療提供体制について専門家は「通常の医療との両立が可能な状況である」として、下から2番目の警戒レベルを維持。専門家は入院患者の数が横ばいで、重症患者も低い値で推移していると分析し「通常医療とのバランスをとりながら、柔軟な病床の運用を行う必要がある」と指摘した。

●後遺症、せき・だるさの割合増 オミクロン株 都が調査公表

 新型コロナ感染症の後遺症について、東京都は26日、オミクロン株感染者はデルタ株以前の感染者より高い割合で「せき」や「倦怠感」を訴えているという調査結果を公表した。都立・公社病院8病院が受け付けた後遺症の電話相談2039人分を、都の調査・助言機関「東京感染症対策センター(東京iCDC)」が分析した。対象は今年1~4月に感染が分かった人。寄せられた後遺症に関する相談を分析したもので、相談者に年齢や持病の有無による偏りはみられないという。

 結果によると、割合が最も高い後遺症は「せき」で相談者のうち38.6%が訴えた。次いで「倦怠感」が34.0%。デルタ株以前の昨年3~10月分について実施した同種の調査では「せき」が22.2%、「倦怠感」が26.0%で、いずれもオミクロン株の方が割合が高くなっている。一方、「味覚障害」は今回が10.6%(デルタ株以前は23.3%)、「嗅覚障害」は9.5%(同30.4%)、「脱毛」は0.8%(同9.4%)などで、オミクロン株の方が割合が低かった。

●コロナ入院給付金支払い、9.5倍 生保4社 2021年度

 26日までに国内の生命保険会社大手4社(日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命)の2022年3月期決算が出そろい、新型コロナに感染した契約者に支払った2021年度の入院給付金額は約500億円で、2020年度の9.5倍に急増したことが分かった。各社とも経営への影響はないとするが、無症状で自宅療養などをしている「みなし入院」の割合が増えていて今後、給付の対象が狭まる可能性も出てきている。

 日生では2021年度のコロナ関連の死亡保険金の支払額が前年度の約2倍の164億円だった一方、入院給付金は10.7倍の226億8千万円となった。他の3社も同様に、入院給付金が10倍近く膨らんだ。ただ、各社とも、業績などに与える影響は小さいとしている。今後もコロナ関連の支払いは高い水準が続く見通しで、今後、自宅療養などのみなし入院の扱いが議論になる可能性がある。

【5月27日】

●中国・学生の就職難深刻 ゼロコロナ・求人減 競争激化

 厳しい「ゼロコロナ政策」が続く中国で、夏の卒業シーズンを前に就職先が決まっていない学生が相次いでいる。中国政府は若者を中心に失業率の低下を重要な政策目標として掲げるが、問題は深刻化している。教育省によると、高学歴化の傾向もあり、今年は大学の卒業生が過去最高の1076万人になるといい、就活競争は厳しさを増している。一方、大学院修士課程の応募者は457万人と昨年から21%増加、大学院の枠は約110万人分と進学も容易でない。

 中国国家統計局が発表した4月の調査失業率は6.1%で、先月から0.3ポイント上昇。統計のある2018年以降では、20年2月のコロナ感染拡大期の6.2%に次ぐ高い数字。うち16~24歳は18.2%と、18年以降で最も高い。同省の報道官は4月の記者会見で「コロナ禍などの多くの要素が重なった影響で、卒業生の就職は厳しく複雑な状況だ」と認め、卒業する8月まで就業支援をしていくと明らかにした。

● 米ノババックスのコロナワクチン、都内の医療機関で接種始まる

 国内で4種類目の新型コロナワクチンとなる、ノババックスのワクチンの接種が27日都内の医療機関で始まった。米国の製薬会社ノババックスが開発したワクチンは先月承認され、今月25日に公的な予防接種に追加された。ノババックスのワクチンは、ファイザーやモデルナとは異なる仕組みで、これまでのワクチンでアレルギー反応が出た人や、2回目まではアストラゼネカを打った人が接種すると想定されている。

 ノババックスのワクチンの接種は、26日から新潟・長岡など各地の自治体でも始まっていて、7月末にかけては500万回分が自治体に配送される予定。30日には、東京都の大規模接種会場でも始まる予定。

●テレワーク導入企業、初の5割超え 総務省調査

 総務省が27日に公表した昨年8月末時点の「通信利用動向調査」で、テレワークを導入したと答えた企業が51.9%となり、初めて5割を超えた。調査は全国から抽出した従業員100人以上の約6千社を対象に行い、約47%から回答があった。導入率は、資本金が多い大企業ほど高くなる傾向が見られ、50億円以上の企業では93.4%となった。

 一方、テレワークを利用する従業員の割合について、「3割未満」が約6割を占めた。全国約4万世帯を対象に行い、約1万7千世帯が回答した個人向けの調査でも「テレワークをしたことがある」と答えた人は22.7%にとどまり、個人単位ではそれほど広がっていない。

【5月28日】

● 上海、厳しい外出制限開始から2か月 先行き見通せない状況続く

 中国の上海で新型コロナの感染拡大を抑え込むため厳しい外出制限が本格的に始まってから28日で2か月。当局は来月中に住民の生活などを正常化させる方針を示しているが、依然として多くの地域では外出が制限されるなど先行きが見通せない状況が続いている。1日に確認される感染者数は、先月は一時、2万人を超えていたが、その後は減少傾向が続いていて、27日はおよそ150人。

 上海市当局は来月中に住民の生活や企業の生産活動を正常化させる方針を示していて、今週からは地下鉄の一部で運行を再開させるなどしている。ただ多くの地域では指定された日に各家庭1人に限って、買い物などのために数時間程度の外出が認められるにとどまる。また、飲食店や小売店などの営業も段階的に再開させるとしているが、大部分の店舗は閉まったままとなっている。

【5月29日】

●第6波、増える女性の感染 介護や保育現場で拡大 自宅療養看病の負担も

 コロナ禍が続くなか、女性の感染者が増えている。年明けから国内で広がった「第6波」では男女別で半数を超え、今も女性が多い傾向が続く。介護や保育といった女性が多い現場での感染が目立ち、専門家は、日本の社会構造が影響していると指摘する。第6波にあたる今年1~4月の感染者は約512万人。これを男女別に集計すると男性が約255万9千人(49.95%)、女性が約256万3千人(50.05%)で、女性が男性を上回った。

 厚労省は2020年冬から男女別の感染者数を公表しているが、女性の比率は第3波(20年11月~21年2月)が46.8%、第4波(21年3~6月)が45.8%。第5波(21年7~9月)が44.5%といずれも男性の方が多く、第6波での女性の感染が際立つ。なぜ女性の感染者が増えているのか。政府の新型コロナ対策分科会で委員を務める武藤香織・東京大教授(医療社会学)は「固定化した『性別役割分業』により、女性の健康上のリスクが生じている可能性がある」とみる。

【5月30日】

● 上海、企業活動の再開認める方針 多くの地域で外出制限続く中で

 中国・上海では、新型コロナの感染拡大による厳しい外出制限が本格的に始まってから2か月がすぎ、一時2万人を超えていた一日の感染者数は、5月28日は100人余りと減少傾向が続いている。こうした中でも、企業活動はこれまで大幅に制限され、半導体や自動車産業など、市の当局が認めた特定の企業を除いて多くは再開していなかった。

 これについて、上海市長は5月29日の記者会見で「経済は巨大な打撃を受け、市場はかつてない苦境に直面している」として、感染対策を徹底していることを条件に6月1日以降、全面的に企業活動の再開を認めるとする方針を示した。

訪日実証ツアー、初の感染を確認

 観光庁は30日、訪日外国人客(インバウンド)の受け入れ再開に向けて試験的に実施しているツアー客が、新型コロナに感染したと発表した。ツアーは中止し、タイ人の参加者は滞在中の大分県内の宿泊療養施設やホテルなどで待機しているという。

 今月からの実証ツアーには、タイのほか米国、オーストラリア、シンガポールの計4カ国から15組、約50人が参加していた。感染の確認は初めてだという。観光庁や大分県によると、タイから4泊5日で参加したツアー客4人のうち1人がのどの痛みを訴え、抗原検査で陽性が判明した。

●J&Jワクチン了承 国内5例目

 米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社製の新型コロナワクチンについて、厚労省の専門家部会は30日、国内での製造販売の承認を了承した。国内で使えるワクチンとしては5種類目。政府は購入契約をしておらず、公費接種では使わない見通し。J&Jのワクチンは、1回の接種で効果が得られるとされる。臨床試験では、中等症や重症になるリスクを、打っていない人に比べて約66%下げることができた。

 細胞内に必要な物質を届ける「ウイルスベクター」を使うタイプで、ごくまれに血栓症が報告されている。厚労省によると、副反応のリスクや他のワクチンが十分に確保できていることから、現時点で追加購入は考えていないという。希望者は、このワクチンを扱う医療機関で自費で打つことが想定される。

●入力なしを「未接種」扱い 厚労省 感染者のワクチン接種歴

 新型コロナの新規感染者のうち、厚労省のシステムにワクチン接種歴の入力がなかった人について、厚労省は「未接種」として集計して公表していた。5月11日公表分から「接種歴不明」に変更して以降、未接種の新規感染者は大幅に減った。データはワクチンの効果を示す分析として扱われたこともあり、取り扱いのずさんさが明らかになった。

 厚労省は新規感染者について、「未接種」「2回目接種済み」「3回目接種済み」「接種歴不明」と分けて集計し、コロナ対策を助言する専門家組織で公表してきた。5月11日以前の公表資料では、10万人あたりの新規感染者は、どの年代も「接種済み」より「未接種」の方が多い傾向だった。専門家組織の脇田座長は4月13日の記者会見で、3回目接種の意義を問われた際、「未接種、2回接種済み、3回接種済みと進むことで新規感染者は減る。感染を防ぐことができる」と説明していた。

●家族で給付金詐欺容疑 父が指示し9.6億円分関与か

 家族ぐるみで新型コロナ対策の「持続化給付金」の不正受給に関わったとして、警視庁は30日、住居不詳の谷口光弘容疑者(47)を詐欺容疑で指名手配し写真を公開したほか、三重県内に住む家族3人を同容疑で逮捕し発表した。光弘容疑者は海外に出国したとみられる。光弘容疑者らの家族を中心とするグループが少なくとも計960件以上の不正な申請をし、計約9億6千万円分の受給に関わったとみている。ひとつのグループによる不正受給額としては過去最大規模。

 光弘容疑者が家族だけでなく複数の知人にも同様の役割を与えるなど十数人からなるグループを作り、不正申請を繰り返していたとみている。光弘容疑者らグループはセミナーを開いたり知人の紹介を受けたりして、全国から計約1780件の名義人を集め、このうち約960件以上について不正に給付金を受け取っていたという。給付金が振り込まれた名義人からは、1件あたり十数万~数十万円の報酬を得ていたとみられる。

【5月31日】

●中国ゼロコロナ、不安や不満次々 日本企業の団体が調査

 中国へ進出している日系企業でつくる中国日本商会は31日、現地の「ゼロコロナ」政策が企業に与える影響に関するアンケート結果を発表した。厳しい移動制限を伴う防疫政策への不満や、中国事業のリスクに対する不安の声が相次いだ。アンケートは5月19~23日に行われ、北京市の企業を中心に85社が回答。各社からは、中国政府による在宅勤務の強制や外出制限、物流の混乱などに直面し、中国事業のリスクを認識したとの指摘が続出。

 「日本の本社をはじめ中国に対する見方が厳しくなることにより、長期的な事業への影響を懸念」「投資を見合わせる案件が続出している」などの声があった。駐在員の生活についても、「長期間、帰国できていない」「帯同家族を呼べない」などの不満い。「防疫措置の名のもとの強制隔離にいつ巻き込まれるか、分からないのが最も大きな不安」との声も。

●失業率、3カ月連続減 コロナ禍前の水準まで改善

 総務省が31日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント低い2.5%だった。3カ月連続で低下し、新型コロナの感染が広がる直前の2020年3月の水準まで改善。求人数も回復が続くが、業種や地域によってばらつきもある。完全失業率は2020年10月に3.1%まで悪化し、その後は改善傾向が続いている。今年4月の完全失業者数は前月より3万人減の176万人だった。

 厚労省が同日発表の4月有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.01ポイント高い1.23倍。新規求人数を業種別にみると、建設業は前年同月比4.4%増の約8万3千人、製造業は21.9%増の約9万1千人、いずれもコロナ前の2019年4月の水準に回復。一方、宿泊業・飲食サービス業は49.6%増の約6万8千人と回復幅は大きいが、同年4月より約2割低い。地域別の有効求人倍率は、東京都と大阪府、沖縄県だけが1倍を下回ったまま、求職者数が求人数より多い。

●国内の新規感染、前週比1万人減

 新型コロナの国内感染者は31日現在、新たに2万2022人が確認された。1週間前の24日と比べて1万350人少なかった。前週の同じ曜日を下回るのは17日連続。新たに亡くなったのは39人、重症者(30日時点)は93人だった。

 以下7枚の図は、5月31日時点の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 新規感染者数を都道府県別に見ると、最多の東京都は2362人で、前週より909人少なかった。31日までの1週間平均の感染者数は2628.4人で、前週分(3453.9人)の76.1%。2番目に多かったのは大阪府で2314人、3番目は愛知県で1600人。

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