新型コロナウイルス感染拡大「第5波」の「緊急事態宣言」が昨年9月末をもって解除されてから約3カ月、新たな局面を迎えてた。11月下旬、南アフリカで見つかった新たな変異ウィルス「オミクロン株」は、年が明けると「第6波」となってかつてないスピードで拡大。1月9日、沖縄・山口・広島の3県に「まん延防止等重点措置」が適用された。「重点措置」は、21日には13都県が追加され16都県。更に27日から18道府県が追加され、全国の7割以上の34都道府県に拡大した。
2022年1月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.01 第6波」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】
【1月16日】
●新型コロナ、テレワーク・時差出勤実施は限定的 NHK世論調査
新型コロナに対する不安や生活、仕事への影響などについて、NHKは世論調査(昨年11月3日~12月7日 、郵送法)を行った。コロナ対策が長期化するなか、「生活に影響がある」「心身の疲れを感じている」と回答した人がそれぞれ7割にのぼる。一方テレワークや時差出勤を「したことがある」という人は2割~3割程度、働き方の変化は限定的ということが浮き彫りになった。一方でテレワークが広がるIT業界では、住む場所に関する制限をなくす動きが出始めている。
●検疫陽性、アフリカ2%なのに… 米は6割 施設待機に出発国で差
水際対策でこれまで政府は、入国者に対し14日間は自宅などで待機して健康観察に応じるよう求めてきた。昨年11月以来、オミクロン株対策として滞在した国・地域ごとに14日間のうち3、6、10日間の施設待機を求めている。外国人の新規入国は一時停止しているため、この間の入国者はほぼ日本人。空港検疫で確認されたオミクロン株陽性者986人について、最も厳しい「10日間の施設待機」はアフリカ11カ国からの入国者は全体の2%。最多は米国からの入国者で57%。
オミクロン株が最初に報告された南アフリカとその周辺国だけ「10日間の施設待機」が続くことは、説明がつかない。世界各国・地域に広がったウイルスはどこで感染しても同じで、施設待機期間に差をつける意味は薄い。刻々と変わる状況に応じて点検していく必要がある。
●3日連続で2万人超 重症者は235人
国内感染者は16日現在、2万5658人が確認された。2万人を超えるのは3日連続。前週の日曜日(9日)の約3倍となり、日曜日としては最も多かった。厚労省によると、重症者(15日時点)は235人で、前日から2人増えた。死亡者は確認されていない。
西日本の8府県で、1日の感染者数が過去最多(最多タイを含む)となった。大阪府3760人、兵庫県1343人では2日連続、広島県1280人は4日連続、福岡県1290人は昨年8月18日以来の記録更新。東京都は4172人の感染が確認され、3日続けて4千人を超えた。16日までの1週間平均の感染者数は2848.4人で前週の4.2倍。
【1月17日】
●中国成長率4.0%、減速鮮明 ゼロコロナで停滞 出生数最少 習指導部への不満
中国経済の減速感が強まっている。中国国家統計局が17日発表した2021年の10~12月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質成長率が前年同期比で4.0%だった。伸び率は前期(7~9月、4.9%)から0.9ポイント減速した。感染者が出ると移動制限や都市封鎖と厳格な管理の「ゼロコロナ」政策で、中国経済の停滞は当面続きそうだ。また、17日発表の2021年の出生数は1949年の建国以来最少の1062万人に減少。労働力人口が減れば経済成長の鈍化は避けられない。
習近平総書記は17日に開かれたオンラインの国際会議で「国内外の経済環境の変化がもたらす巨大な圧力を受けているが、我々は経済発展に対する自信に満ちている」と強調した。ただ、身内の共産党幹部からは習指導部へ不満が出始めている。政府にとって不都合な数字が明らかにされていないと批判した。日本人アナリストからは「いまの政策と状況が続けば今年の成長率は5%にもいかない可能性がある」との指摘も出始めた。
● 中国・五輪控え、オミクロン警戒 観戦は招待客のみ
中国では、旧正月の春節に合わせた大型連休を前に、17日から出稼ぎ労働者などの帰省が本格化。一方、北京市の当局は、オリンピックの開幕を控え、オミクロン株への警戒を強めていて、感染が確認された地域への訪問は控えるよう呼びかけている。
北京五輪・パラリンピックの観客について、大会組織委員会はこれまで、海外からの受け入れを見送り、中国本土の居住者に限って認めるとしていた。中国でオミクロン株の感染が広がる中、組織委員会は17日夜、計画を変更し一般向けのチケットは販売せず、会場での観戦は招待したグループに限定することを明らかにした。
● まん延防止、11都県適用へ対象拡大、19日に政府決定
政府は17日、オミクロン株の感染急拡大を受け、東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、岐阜、三重の1都6県に、「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固めた。新潟、長崎、熊本、宮崎各県など4県も加え、計11都県とする方向で調整。19日に政府対策本部を開いて決定する見通し。現在、沖縄、山口、広島の3県に適用中の「重点措置」は、大幅に拡大する。期間は早ければ21日に開始、3月13日までとする案が有力。先行する沖縄なども期限を延長するとみられる。
●「コロナ最優先」、国会開会 施政方針演説
第208回通常国会が17日召集され、岸田首相は衆参両院の本会議で初めての施政方針演説を行った。首相は新型コロナ対応を「政権の最優先課題」に位置づけ、「過度に恐れることなく、最新の知見に基づく対応を冷静に進める覚悟」と表明した。重症化しにくいとされるオミクロン株の対応として国内対策に重点を置くことを表明。医療提供体制の強化や3回目のワクチン接種の前倒しなどの対策を挙げた。会期は6月15日までの150日間で、19日から代表質問が始まる。
●感染2万人超、月曜日で最多
国内感染者は17日現在、2万991人が確認された。1日あたりの感染者数が2万人を超えるのは4日連続。前週の月曜日(10日)の約3倍で、月曜日としては最も多かった。奈良県は395人、島根県は118人で、いずれも過去最多。
東京都は3719人で、前週の約4倍。月曜日で3千人を超えるのは、昨年8月16日(3119人)以来。17日までの1週間平均の感染者数は2355.3人と前週の4.2倍になった。病床使用率は17日時点で21.1%となり、都が「まん延防止等重点措置」の要請を検討する基準(20%)を超えた。大阪府は2549人で、月曜日としては過去最多。
【1月18日】
● 政府、「まん延防止措置」13都県に適用へ 今月21日から来月13日
岸田首相は18日夜、後藤厚労相や山際経済再生担当相ら関係閣僚と会談。要請があった首都圏の1都3県や東海3県など、合わせて13都県に、「まん延防止等重点措置」を適用することを、19日に政府の分科会に諮る方針。具体的には東京、埼玉、千葉、神奈川、群馬、新潟、愛知、岐阜、三重、香川、長崎、熊本、宮崎の13都県。方針どおり決まれば、適用中の沖縄、山口、広島とあわせ16都県に拡大される。適用期間は1月21日~2月13日。
1月21日から13都県に「まん延防止等重点措置」 出典:NHK新型コロナ特設サイト
●「ワクチン・検査パッケージ」、一時停止
岸田首相は18日夕、首相官邸で後藤厚労相ら関係閣僚と対応を協議。会議後、記者団に「病床が逼迫する緊急事態になることのないよう、高い警戒感を持って対応する」と述べ、政府分科会メンバーが提言を検討していた通り、「ワクチン・検査パッケージは当面、一時的に停止することを原則とする」と表明した。
パッケージ制度は、昨年11月に政府の「基本的対処方針」に盛り込まれ、会食やイベントなどの人数や行動の制限を緩和する。しかし、オミクロン株は2回接種後でも感染する事例が相次ぎ、専門家から制度の見直しが強まっていた。ただ、知事の判断でパッケージ制度の適用は可能。対象者全員が検査で陰性の証明によって制限緩和も続ける方針で、自治体の裁量を残した。
●国内感染、3万人超
国内感染者は18日現在、3万2197人が確認され、過去最多を更新した。1日当たりの感染確認が最も多かった昨年8月20日の2万5990人を大幅に上回った。18府県で過去最多を更新し、前週の火曜日(11日)に確認された6376人の約5倍になった。昨夏の「第5波」を超える速さで感染拡大が続いている。
過去最多を更新したのは大阪府5396人、兵庫県1645人、福岡県1338人、京都府1024人など。大阪府もこれまで最も多かった16日の3760人を大きく上回った。東京都は5185人で、前週の962人の5.4倍に増えた。5千人を超えるのは昨年8月21日以来で、「第5波」で最多の5908人(8月13日)に迫る勢い。新たに1443人が確認された沖縄県は、直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数の全国最多が続き、18日時点で679.07人と過去最多となった。
1月18日時点の東京都の感染者(日別) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

【1月19日】
●英首相、コロナ規制ほぼ撤廃 「ピーク過ぎた」 政権危機打開の思惑も
英国のジョンソン首相は19日の議会下院で、オミクロン株の感染ピークが過ぎたとして、イングランドにおける法的な行動規制をほぼ撤廃すると表明した。今月4日に過去最高の21万人超となった1日の感染者数は、最近は10万人前後に減っている。ただ入院患者数には地域差があり、1日の新規入院患者は2千人前後、死者は260人ほどで推移、医療機関や教育現場からは規制の撤廃に懸念の声も上がる。
発表によると、学校の教室でのマスク着用義務を今月20日に、ナイトクラブなどに導入していたワクチン証明書の提示義務や公共施設でのマスク着用の法的な義務を27日に撤廃する。在宅勤務の推奨は、即日撤廃された。多くは、オミクロン株感染が急拡大中の先月8日に導入されていた。コロナ規制下での官邸パーティー疑惑で政権が揺らぐ中、危機打開を図る狙いもありそう。
● 政府 「まん延防止措置」13都県、追加決定 1月21日から2月13日
政府は19日夕方、首相官邸で新型コロナ対策本部を開いた。感染が急拡大している東京、埼玉、千葉、神奈川、群馬、新潟、愛知、岐阜、三重、香川、長崎、熊本、宮崎の1都12県に、21日から来月13日まで、「まん延防止等重点措置」を適用することが決定した。「重点措置」は、31日期限に適用中の沖縄、山口、広島の3県と合わせ、全国で計16都県が対象。大阪、兵庫、京都の3府県は一体で適用要請に向けて調整している。
一方で分科会の尾身会長は19日、繁華街への人出を減らす「人流抑制」から飲食店などの「人数制限」へシフトすべきと記者団に示し、「オミクロン株の特徴に合ったメリハリのある対策が重要」と述べた。感染経路の調査で、換気が悪い環境で多くの人が集まって飲食、大声を出したりすることで感染が起きているとし、「4人くらいとか、いつもの人と静かに、しゃべる時はマスクといった行動をしていただければ、店を閉める必要はない」と説明した。
● 基本的対処方針変更 「ワクチン・検査パッケージ」、原則適用せず
政府は、オミクロン株の特性について「潜伏期間の短縮、二次感染リスクの増大などが確認、感染拡大のスピードが極めて速い。まず軽症者の数が急激に増加し併せて中等症者も一定程度増加し、その後高齢者に伝播し、重症者数や入院者数も増え医療全体が逼迫し、さらに社会機能の維持も困難になってくることも懸念される」と評価している。
そして、行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」制度については、原則として当面適用しない。ただ、知事の判断で制度の適用もできる。一方で、対象者全員の検査を条件に行動制限を緩和するとした対応は今回も継続された。さらに、オミクロン株濃厚接触者について、宿泊施設や自宅での待機期間を従来の14日間から10日間に短縮、自治体の判断で「エッセンシャルワーカー」は、検査で陰性だった場合に待機解除できるとした。
●10都県は酒提供可 認証店など 時短応じた店に協力金
「まん延防止等重点措置」の適用を受けて、13都県は21日からの飲食店などへの営業時間の短縮要請など具体的な対応を公表した。経済活動と感染対策の両立を模索しつつ、認証店か非認証店か、営業時間を8時までか9時にするか、酒類提供の可否、人数制限などについて各自治体の判断は分かれた。
各都県とも要請に協力する店には協力金を支給する。ただし千葉県は19日、非認証店には支給しないと表明。東京都は店の売上高や規模に応じて、酒類提供せず午後8時までとする店に1日3万~20万円。酒類提供し、午後9時までの店には2万5千~20万円を支給する。酒類提供せず営業終了を早める方に協力金を多く出す。大企業は1日あたり20万円を上限に支給する。
●沖縄、高齢者に広がる感染 症状、重くなる傾向
人口あたりの新規感染者数が全国最多の沖縄県で、軽症の若者が中心だった感染が、高齢者ら全年齢に広がり始めている。高齢だと症状が重くなる傾向もみえてきた。ゼロが続いてきた重症者も19日には6人になった。県の政策参与の高山医師は「家庭や職場を介して、全世代へと感染が広がってきた。高齢者や基礎疾患のある人が感染すれば入院治療が必要になりやすい。このまま高齢者の感染が増加すると、必要な人が入院ができなくなる可能性が高まる」と話す。
感染から発症までの潜伏期間の中央値は3日と短い。家庭内での二次感染例を分析すると、同居者102人中、35%にあたる36人が感染していた。高山医師は「地域連携を深めて病床を効率的に運用することや、ワクチン接種を進めて重症化を防いでいくことが重要だ」と言う。オミクロン株の影響による「第6波」は、深刻さを増している。全国に急拡大する中、他の地域でもこの先、沖縄と同様の事態が起きうる。
●3回目接種、鈍い出足 高齢入所者対象、先月開始の自治体1割
新型コロナワクチンの3回目接種について、昨年12月に高齢者施設入所者らへの前倒し接種を始めた自治体は、全体の1割にとどまったことが厚労省の調査でわかった。3回目の接種率は今月19日時点で全人口の1.3%で、出足の鈍さが浮き彫りとなっている。自治体からは「接種のためのスタッフや会場の準備に時間がかかり、すぐに始められない」との声が上がっている。
厚労省が1741市区町村を対象に14日時点の接種状況を調査した。施設入所者らの前倒し接種は、12月に始めたところが9.8%にとどまり、1月開始が73%。医療従事者らの前倒し接種は12月開始が76%、1月開始が30%だった。一方、一般高齢者の前倒し接種は、当初の方針から1カ月短縮して2月からとなっているが、1月に始める自治体は26%、2月開始が65%となっている。
●5〜11歳の接種、「意義ある」 小児科学会見解 「12以上と同様」
5~11歳へのワクチン接種について日本小児科学会は19日、見解を発表した。基礎疾患がある子どもの重症化を防ぐことが期待され、強く推奨。主治医と接種後の体調管理などを事前に相談することが必要。また健康な子どもも、12歳以上と同様に意義がある。メリット、デメリットを子ども本人と保護者が十分に理解することが大事だとする。対象の米ファイザー社製ワクチンは、20日に専門家による審議会で特例承認される見込み、2月以降に接種が始まる予定。
12歳以上の製剤と比べて抗原量が3分の1で、注射量も異なるため、適正な扱いも求めている。学会理事で長崎大学の森内教授は「保護者が子どもに接種を受けさせやすい態勢づくりを国には求めていきたい」と話した。また、「集団免疫の獲得のため多くの人が接種するように同調圧力をかけるようなものではない。あくまで個人の重症化を防ぐところに重要性がある」とした。
●濃厚接触者への連絡、「感染者本人から」 東京都、保健所に検討求める
東京都は、都内の保健所に対し、濃厚接触者への連絡は感染者本人からしてもらうよう検討を求める通知を19日付で出した。企業や団体が濃厚接触者の自主検査や健康観察を実施することも検討するよう求めている。感染者の急増に伴い、保健所の業務負担を軽減し、感染者への対応を優先するのが狙いで、各保健所には感染者の体調の把握や、急変時に医療機関へつなぐ業務に注力するよう要請した。
●全国で新たに4万1487人感染確認、2日連続で過去最多を更新
国内感染者は19日現在、新たに4万1487人が確認され、初めて4万人を超えた。18日の3万2194人を大きく上回り、2日連続で過去最多を更新した。1日当たりの感染者は前週の水曜日(12日)と比べて約3倍となり、感染の急拡大が続いている。
28都道府県で過去最多を更新。東京都は7377人を確認し、これまで最多だった昨年8月13日の5908人を大幅に上回った。19日までの1週間平均の感染者は4598.4人で前週(1148.7人)の約4倍に上った。ほかに最多を更新したのは大阪府6101人、愛知県2881人、兵庫県2514人、埼玉県2215人など。亡くなった人は15人だった。
【1月20日】
●8道府県、まん延防止要請へ
新型コロナの感染急拡大を受け、北海道、静岡、大阪、兵庫、京都、福岡、佐賀、大分の8道府県は近く、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する方針。政府は要請があれば適用する方針で、25日にも正式決定する。
●野党、効果を疑問視 「専門家の知見」、首相強調
オミクロン株による感染急拡大を受け、20日の衆院代表質問で野党が政府のコロナ対応への批判を強めている。感染者の重症化率の低さから、社会活動を制限する「まん延防止等重点措置」の効果に疑問を呈した。首相は「専門家の知見」を強調し反論。首相が「専門家」を連発する背景には、菅前首相が時に専門家の進言を受け入れず「根拠なき楽観論」とも批判され、感染拡大を食い止められなかったことが大きいとみられる。
一方で、3回目のワクチン接種の質問では、首相の歯切れが悪くなった。共産党の志位委員長が「OECD加盟国でダントツ最下位。なぜ遅れているのか」と接種の遅れを指摘。20日公表時点での3回目接種率は1.4%にとどまる。首相は「前倒しの加速化を図る」と述べるのみ。木原官房副長官は、この日の記者会見で自治体の準備の遅れをあげ、「大規模接種会場の設置、接種券の前倒し送付を進めていただくよう要請をした」と説明した。
● 子どもへのワクチン接種、対象を5歳以上に拡大 承認方針を決定
ワクチンの接種について厚労省は20日夜、専門家でつくる部会で検討した結果、ワクチンの有効性や安全性が確認できたとして5歳から11歳までの子どもも対象に加える申請を承認する方針を決定した。21日にも正式に承認する見通し。子どもへの接種をめぐっては去年5月に接種の対象が12歳以上になり、11月には5歳から11歳までも対象に加えるようファイザーから承認の申請が行われた。厚労省は今後、公費接種の対象にする手続きを進め、3月以降に接種を始める方針。
● 感染急拡大、高齢者に波及で重症者増加の可能性 専門家会合
厚労省の専門家組織の会合が20日開かれ、オミクロン株への置き換わりで感染者数の急速な増加が続き、特に軽症や中等症の患者への医療提供体制が急速に逼迫し、今後、高齢者に感染が波及することで重症者数の増加につながる可能性もあると指摘した。会合は、現在の感染状況について、「まん延防止等重点措置」が適用の沖縄県、山口県、広島県を始め、首都圏や関西などの都市部だけでなく各地でオミクロン株への置き換わりと同時に「感染者の急速な増加が継続している」と分析している。
● 1週間の感染者16万人余、20代が約3割 子どもの感染増加 厚労省
厚労省が20日公表したまとめによると、18日までの1週間に新型コロナ感染が確認されたのは16万人余りに上り、年代別では20代が全体に占める割合が31.7%で最も高いことがわかった。10代以下の割合は24.3%と、前の週を7.1ポイント上回り、子どもの感染が増えている。30代の割合は13.9%、40代は12.3%、50代8.6%、60代以上8.6%となっている。
●感染拡大の東京、1週間で4倍 来週にも推計1.8万人
東京都のモニタリング会議が20日開かれ、新規感染者数(1週間平均)が19日時点で4555人、1週間で約4倍になった。この水準で感染拡大が続けば、27日には推計約1万8千人に到達すると公表。都が20日発表した新規感染者数は8638人。2日連続で過去最多を更新。入院患者は19日時点で1805人と1週間で倍増。専門家は「第5波の立ち上がりをはるかに上回るスピードで増加している。社会活動の停止を余儀なくされる可能性がある」と警告した。
感染者数の年代別では、全体の9割を50代以下の世代が占め、65歳以上は5.3%にとどまるものの感染者急増に伴い、大幅に増えている。直近1週間の65歳以上の感染者数は1184人と前週の265人の4倍以上。高齢者施設でのクラスターが生じ、80代以上の感染例も多数あったという。一方、入院患者の年代別は70代が最多の18%。重症者の多くも高齢者で、19日時点では10人中7人が60代以上だった。
●全国、連日4万人超
国内新規感染者が、2日連続で4万人を超えた。過去最多を更新するのは18日から3日連続で、感染急拡大の状況が止まらない。20日現在で確認された感染者は前日から4725人増えて4万6198人。前週の同じ曜日(13日)の約2.5倍に膨らんだ。全国の死者は9人、重症者(19日時点)は287人だった。
【1月21日】
● 「まん延防止」、きょうから16都県に拡大 要請の動きも相次ぐ
新型コロナの感染状況が悪化する中、「まん延防止等重点措置」の適用地域が21日から16都県に拡大。関西3府県や北海道、福岡など各地で適用の要請に向けた動きが相次ぎ、政府は要請があれば来週前半にも決定する方針。
1月21日から16都県に「まん延防止」適用拡大 出典:NHK新型コロナ特設サイト

● 全国知事会、尾身会長の「人数制限」発言に懸念の声相次ぐ
政府の「基本的対処方針分科会」の尾身会長は19日、「オミクロン株の特徴にあったメリハリのついた効果的な対策が重要だ。これまでの『人流抑制』ではなく、『人数制限』というのがキーワードになると考えている」と述べた。この発言について、21日の全国知事会の会合で、懸念の声が相次いだ。
会長の鳥取県の平井知事は「政府の基本的対処方針では、混雑する場所やリスクが高い場所への立ち入りの自粛を求めており、『どっちが正しいんだ』という混乱を招くことになる」と指摘。また、京都府の西脇知事が「政府の方針と専門家の発言が食い違っているのは問題」と述べた。知事会として政府に対し、国民が混乱しないよう国と地方、専門家などの関係者が一致した発信を行うよう求める要請をまとめた。
●「若者、受診せず療養も可」 専門家提言「検査せず診断」を修正
政府分科会の尾身会長ら21人の有志は21日、感染が急拡大した場合、若年層で重症化リスクの低い人は「必ずしも医療機関を受診せず、自宅療養を可能とすることもあり得る」とする提言を公表した。オミクロン株の拡大で感染者のさらなる急増が見込まれる中、外来診療の逼迫を防ぎ、高齢者や基礎疾患のある人が確実に治療を受けられるようにする狙いがある。受診だけでなく検査もしないことを想定している。
有志が20日の厚労省の専門家組織会合で示した提言案では、若年層は「検査をせず臨床症状のみで(新型コロナと)診断する」ことも検討すべきとしていたが、会合に出た医師らから「症状だけでの診断は難しい」との指摘が相次ぎ、修正した。またオミクロン株の効果的な対策として、「各知事の判断により『人流抑制』を加味することもあり得る」という一文を加え、「県をまたぐ移動は感染リスクが低く制限は必要ない」との記述は削除された。
●生産・販売、止まる現場 トヨタ主力工場も 郵便窓口も
新型コロナの感染急拡大の影響が、企業活動の現場にも広がっている。働き手に感染が広がり、工場や飲食店、郵便局が閉まるなどしている。トヨタは、主力の堤工場(愛知県豊田市)の操業を21日から全面停止。感染者の発生などにより19日から一部を停止しており、20日までに従業員18人の感染が判明していた。取引先の部品メーカーでも感染者が出るなどして部品の供給も滞っている。トヨタは国内の全14工場・28ラインのうち、21~24日は最大12工場・23ラインを止める。
全国の郵便局は、今月300局超が局員の感染により窓口を一時休止した。飲食店でも従業員が感染、店の消毒が済むまで一時休業などが続出。マクドナルドは今月は300店超が一時休業。企業でも、社員の出張や会食を禁じたり、テレワークを拡大したりと感染防止策を強める。萩生田経産相は21日、経団連やインフラ業界など18団体の代表を集めたオンライン会議で、経済活動の維持のため事業継続計画(BCP)を実行するように要請した。
●茨城・栃木・長野、重点措置要請へ
茨城、栃木、長野の3県は21日、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請することを明らかにした。山口県の村岡知事は21日、31日までの「重点措置」の適用期間の延長を要請する方向で政府と協議すると発表した。政府は、山口、沖縄、広島の3県から期間延長の要請があれば受け入れる方針。追加適用の要請も同様に対応する。25日にも正式決定する方向で調整している。なお栃木県は、日光市で24日開幕予定の国体冬季大会を予定通り開催する方針。
●ファイザー3回目接種の副反応、2回目程度か 厚労省報告
米ファイザー製ワクチンの3回目接種後に報告された副反応について、厚労省の専門家部会は21日、中間の調査結果を公表した。昨年12月から3回目接種が始まった医療従事者2179人の接種後症状を分析した。37.5度以上の発熱は39.4%、38度以上は21.0%。大半が接種から2日目に生じており、2回目ファイザー接種後と同様の傾向。一方、モデルナ製の2回接種後では、37.5度以上の発熱は76.8%、38度以上60.1%。ファイザー製3回目接種後の方が発熱は少ない。
ファイザーの3回目接種の前後の抗体価の変化も調べた。年齢が高くなるほど抗体価がわずかに減少している傾向があっが、接種後1カ月経った抗体価を調べたところ、平均約50倍に上がり、年齢にかかわらず最終的に同程度になった。ただ、この抗体価がオミクロン株に対する効果をどの程度持つかはわからない。接種後に副反応として起こる熱の高さと抗体価の上昇率も比較したところ、高い熱が出ても抗体価が大きく増えるとは限らなかった。
●全国4.9万人感染 東京9699人
国内感染者は21日、4万9857人に上り、4日続けて過去最多を更新した。同じ金曜日で見ると、1月7日6203人、14日2万2040人と加速度的に感染者が増えている。重症者(20日時点)は前日から117人増えて404人となった。死者は9人だった。
新規感染者数は25都道府県で過去最多を更新した。東京都9699人、大阪府6254人、神奈川県3412人、愛知県3187人、兵庫県2944人、福岡県2668人の順に多かった。千葉県では過去最多だった第5波の昨年8月20日(1777人)を上回る2215人で初めて2千人を超えた。東京都では21日、自宅療養者が3万3270人となり、2万人を超えた。都が50%で「緊急事態宣言」の要請を検討するとしている病床使用率は同日時点で31.5%となっている。
【1月22日】
● オミクロン株、「肺炎など重い症状は1年前より低い割合」 感染研
国立感染症研究所は、今月19日までに届け出のあった東京都など1都3県の新型コロナの患者のデータをもとに届け出の時点で肺炎など重い症状だった人の割合を感染拡大の時期ごとに分析した。オミクロン株の感染が拡大している今月、肺炎などの重い症状になっている感染者の割合は従来の新型コロナが広がった1年前の10分の1ほどだったほか、アルファ株やデルタ株などが拡大した時期よりも低いとする結果をまとめた。
●国内感染5万人超 東京1万人超
国内感染者数は22日、5万4576人が確認され、初めて5万人を超えた。過去最多を更新したのは5日連続。21日時点の重症者は前日から20人増えて424人となった。1日あたりの新規感染者数は、30都府県で過去最多となった。「まん延防止等重点措置」を巡っては、岡山県が21日に政府に適用を求めたと発表。島根県は24日に要請する方針を表明した。
東京都は1万1227人に上り、初めて1万人を超え。過去最多となるのは4日連続。感染経路が分かっている人のうち家庭内感染が引き続き最も多いほか、自宅で療養している人は21日から約1000人増えて2万4000人余りに。大阪府も7375人で、初めて7千人台になった。
【1月23日】
●感染対策、仏の学校混乱 マニュアルに不満、教員スト
フランスでは学校混乱で、教員によるストライキまで起きている。フランス政府が定めた規則では、クラスに感染者が出たら、親に迎えに来させ、学級全員が薬局などで抗原検査を受けるとの定め。それで陰性なら教室に戻れる決まり。すぐに休校にせず、「学校はなるべく開け続ける」という政府の方針。全土で感染が急拡大し、薬局では検査キット不足。急に呼び出される親、検査できない親も不満が広がる。「こんな調子では授業計画が立てられない」と教員は嘆く。
各地で学級閉鎖や休校が相次ぎ、13日には全土で教員がストライキ。政府はマニュアルの変更に追い込まれ、日中に親は呼び出さず、帰宅後の自宅検査で代用させることにした。教員によるストとデモは20日にも行われ、カステックス首相は同日、「マニュアルが変わり、親や教員に困難をもたらした」と釈明した。ただ基準を緩めれば、感染拡大のリスクも生む。教員労組は、教室に感染者が出たら学級閉鎖とシンプルな運用にするよう求める。
● NYの生徒、対面授業ボイコット
米国では、対面授業への懸念が広がり、感染の不安から生徒が学校をボイコットする動きもでている。ニューヨーク(NY)市では11日、有名校として知られるブルックリン工業高の生徒らが、かばんを持って建物の外へ出ていく動画がツイッターで拡散された。地元メディアによると、オミクロン株が広がる中、オンライン授業を求めた生徒らがボイコットしたという。
NY市の公立校の出席率は現在、75%程度。市は児童・生徒が検査で陽性になった際に、オンライン授業を提供するかを検討中。ただオンライン授業になれば、在宅勤務ができない保護者が働けなくなる。格差の激しいNY市では貧困層への負担が大きい上、経済活動の停滞にもつながりかねない。一方、シカゴでは、市と教職員組合が授業のあり方をめぐって対立。組合側が感染対策に不満を唱え、1週間近く対面授業が行われなかった。
●飲み薬、行き届かぬ恐れ 米メルク製「モルヌピラビル」、発症5日以内に服用
軽症者向けの新型コロナの飲み薬として、米メルク社の「モルヌピラビル」が昨年末から使われ始めた。政府が「切り札」とする飲み薬だが、発症5日以内に飲む必要があるため迅速な診断が不可欠。今後感染が広がれば、行政検査や発熱外来の逼迫が予想され、薬の処方までに時間がかかりかねない。薬を効果的に使うためには早期診断が鍵、そのためには国や自治体は、必要な人が適切に検査を受けられる体制を整える必要がある。
モルヌピラビル 出典:NHK NEWS WEB

供給量も限られ、今後の感染拡大によっては、必要な人に薬が行き届かない事態になりかねない。政府はメルク社からすでに20万人分、2、3月には20万人分ずつ、4月以降には100万人分の供給を受ける。限られた薬を安定的に供給するため、すべて国が買い上げたうえで、無償で登録された医療機関や薬局に配送している。 全国どこでも、誰でも処方できるわけではなく、現状では高齢者や基礎疾患、肥満があるなど重症化しやすい人に限られる。
●沖縄・山口・広島 まん延防止 政府、延長で最終調整
「まん延防止等重点措置」の期限が今月末に迫る沖縄、山口、広島の3県について政府は23日、延長する方向で最終調整に入った。24日に関係閣僚で協議し、25日にも専門家に諮り、政府対策本部で決定する見通し。延長幅は2~3週間程度とする案が浮上している。
沖縄県では、新規感染者数が前週の同じ曜日を下回るなど減少の兆しも見られるが、病床使用率は60%ほどと依然厳しい状況が続く。広島、山口の両県では新規感染者数が増えており、官邸幹部は「いずれも下降局面には入っていない」と説明した。
●PCR検査、数日待ちも 全国で無症状無料 沖縄では高齢者枠
各地で受けられるPCR検査や抗原検査には「行政検査」と「自費検査」がある。発熱などの症状がある人や濃厚接触者は、国が費用を負担する「行政検査」の対象。医療機関や保健所の指示により、無料で受ける。原則、症状がない人が民間検査機関などで受けるのが「自費検査」。費用は数千円から数万円。自費検査の場合には、検査結果を通知するだけのところもあり、「陽性」が出ても医師の診断がなければ、保健所には連絡されない。「陽性」の診断には再検査となる場合もある。
昨年12月下旬以降、無症状で濃厚接触者でもないが感染不安のある人を対象に、PCR検査などが全都道府県(23日現在)で無料検査をしている。民間の検査機関や薬局で受けられるが、感染者の急増で予約が取りにくい状況が生じている。沖縄県は不安のある住民対象の無料検査を県内27カ所(21日時点)で実施。だが希望者が多く、数日待ちも。一方、県内2カ所の「接触者PCR検査センター」では濃厚接触者などを検査。今月中旬、重症化リスクが高い61歳以上の「高齢者枠」を設けた。
● 国内感染、2日連続5万人超 東京9468人
国内感染者は23日、新たに5万23人が確認された。新規感染者が5万人を超えたのは2日連続で、前週日曜日(2万5640人)からほぼ倍増した。重症者(22日時点)は前日比6人増の430人、死者は14人確認された。東京都では新たに9468人の感染が判明。前週日曜日(4172人)の2倍超となった。9000人を超えたのは3日連続。
都によると、感染者のうち20代が25.5%、10代と10歳未満が合わせて24.3%で、若年層が全体のほぼ半数を占めた。都基準の重症者は、前日から1人増え13。新規感染者は神奈川3794人、千葉2382人、茨城693人、岡山572人、長野502人など9県で過去最多となった。大阪府は6219人、愛知県は3050人だった。
【1月24日】
● 仏、接種証明しか認めない法律施行 飲食店など利用に
フランスでは、飲食店や長距離列車などを利用する際、「ワクチン接種証明」か検査に基づく「陰性証明」の提示が必要だったが、24日から「ワクチン接種証明」しか認めないとする法律が施行された。
●岸田内閣支持、横ばい49% コロナ対応、「評価」45%
朝日新聞社は22、23日に全国世論調査(電話)を実施した。岸田内閣の支持率は49%と昨年12月の前回調査と変わらず、不支持率は21%(前回23%)。内閣支持率は70歳以上が56%と高齢層で高く、また男性51%、女性48%と男女差が小さいのも特徴。新型コロナをめぐる政府の対応を「評価する」は、45%(同51%)にやや下がり、「評価しない」は38%(同36%)。岸田首相のコロナ対策での指導力は、「発揮」37%、「発揮していない」41%と評価が二分した。
●まん延防止、18道府県追加へ
岸田首相は24日、「まん延防止等重点措置」の対象に、新たに18道府県を追加する方針を決めた。期間は27日から2月20日。現在適用中の16都県と合わせ、全国の7割以上の計34都道府県が重点措置の対象となる。新たに対象となるのは北海道、青森、山形、福島、茨城、栃木、石川、長野、静岡、京都、大阪、兵庫、岡山、島根、福岡、佐賀、大分、鹿児島の各道府県。
今月末が期限の沖縄、山口、広島の3県については2月20日まで措置を延長する。25日に専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に政府案を諮り、承認されれば国会への報告を経て正式に決める。
●受診せず検査、自宅療養可 外来逼迫時 重症リスク低い人
厚労省は24日、新型コロナ感染拡大の段階によっては、受診せず自分で検査して自宅療養できるようにすると発表した。「症状があれば原則受診」としてきた方針を転換する。コロナ対策を政府に助言する専門家の有志が21日に提言したことなどを踏まえた。同省は、外来の逼迫度合いを2段階に分け、対応方法を示した。自治体が感染状況に応じて採用する。
逼迫する手前の段階➊を発熱外来の受診に一定の時間がかかる場合と定義。「40歳未満で基礎疾患がなく、ワクチン2回接種済み」などの重症化リスクが低い人には、症状があっても「抗原定性検査キット」などで自ら検査した上で受診する。さらに感染拡大した段階➋の外来の逼迫が想定される場合は、重症化リスクが低く軽症なら受診せず自ら検査した結果を、自治体が設置し医師がいる「健康フォローアップセンター」に連絡。受診不要なら自宅療養することもできる。
●保育所など休園最多、327カ所
厚労省は24日、全国の保育所などの休園が27都道府県の327カ所に達したと公表。20日時点の集計で、コロナ禍では過去最多となった。保育所などの休園は13日時点の集計では14都道府県の86カ所だったが、1週間で4倍近くにまで急増した。これまで最多だった昨年9月2日時点の15都道府県の185カ所を大きく上回った。子どもを預けられなくなることで、働く保護者の勤務が難しくなるなど、家庭や職場への影響が広がりそうだ。保育所は昨年4月時点で全国に2万3896カ所ある。
●感染4万4817人、月曜最多
国内感染者は24日現在、新たに4万4817人が確認された。月曜で最多だった先週(17日)に比べ約2倍に増えた。厚労省によると、23日時点の重症者は前日より9人増えて439人だった。国内で17人の死亡が発表された。
神奈川、埼玉、千葉、山形、秋田、佐賀の6県で最多を更新した。初めて神奈川で5千人を、埼玉で3千人を超えた。東京都は8503人で、前週(17日、3719人)の約2.3倍に。都が50%で「緊急事態宣言」の要請を検討するとしている病床使用率は24日時点で36.7%。4803人が確認された大阪府では病床使用率が51.4%になり、府の独自基準「大阪モデル」で赤信号がともされた。赤信号になるのは昨年9月30日以来。
1月24日時点の東京都の感染者(日別) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

【1月25日】
● 英首相官邸でのパーティーめぐる疑惑、警察が捜査開始
英国で新型コロナの厳しい規制が続く中、首相官邸などでパーティーが繰り返し開かれていた疑惑について、ロンドン警視庁は25日、政府の規則に違反していなかったか、捜査を始めたと明らかにした。ジョンソン首相も一昨年5月に官邸の庭で開かれたパーティーへの参加を認めたほか、翌6月には官邸で首相の誕生日パーティーが開かれたことも明らかになっている。
首相は議会で「何が起こっているのか国民に対しはっきり示すことができる」と、捜査に協力する姿勢を示した。疑惑をめぐっては、政府の高官による調査も進められていて、調査の結果は早ければ1月26日にも明らかになるという。ジョンソン首相に対しては、与党・保守党内からも辞任を求める声が出ていて、政府の調査や警察の捜査の結果次第で、党首として信任するかどうかを問う投票を求める動きが一気に強まる可能性も出ている。
●変異株や米中減速、世界成長4.4%予測 IMF2022年 日本は上方修正
国際通貨基金(IMF)は25日、最新の世界経済見通しを示し、2022年の世界の成長率を前年比4.4%と予測した。コロナ変異株の拡大や米中経済減速を踏まえ、前回(2021年10月)の予測より0.5ポイント減と大きく引き下げた。日本は、2021年の1.6%は先進国では最低水準だったが、2022年は3.3%成長と、0.1ポイント上方修正で回復ペースは上向く。
下方修正は、米国の財政金融政策の縮小による影響が大きい。バイデン政権が目指した総額2兆ドル規模の社会福祉投資法案の見通しが立たず、米連邦準備制度理事会(FRB)も金融引き締めへと動くため、米国の2022年成長率は4.0%(前回予測1.2ポイント減)と引き下げ。中国もコロナ対応の厳しい経済統制や、恒大集団の経営危機と不動産部門の引き締めで、2022年は4.8%(同0.8減)。2021年8.1%から大幅な減速。ユーロ圏でも3.9%(同0.4減)と、回復の勢いは弱まる。
● 「まん延防止」、18道府県追加 沖縄・山口・広島は延長 政府決定
政府は25日、「まん延防止等重点措置」を適用する地域に関西2府1県や北海道、福岡など計18道府県を追加し、期間は1月27日から2月20日までとするとともに、1月31日までとなっている沖縄、山口、広島の3県の期限を2月20日まで延長することを正式に決めた。これにより、「重点措置」の適用地域は全国の7割超となる34都道府県に拡大される。
1月21日から「重点措置」適用を48都道府県に拡大 出典:NHK新型コロナ特設サイト

●3回目接種、職域も伸び悩み 見通せぬ供給・費用など、企業二の足
2月下旬に始まるワクチンの職域接種で、企業などからの申請が伸び悩んでいる。3回目接種がなかなか進まないなか、岸田政権の新たな悩みの種。堀内ワクチン担当相は25日の閣議後会見で、伸び悩みの原因を問われ、「いま働きかけを続けているところだ」などと言葉を濁した。職域接種の申請受付けは、前回で実施した企業を対象に昨年12月13日に始まったが、24日現在でその6割程度にとどまる。前回実施した企業は、3回目を敬遠する動きがみられる。
関西経済同友会が19日に公表したアンケートでも、職域接種を実施した企業の約2割が3回目を「あまり実施したくない」と答え、アンケートに答えた企業の約3割が政府や自治体の対応を評価しなかった。理由として、ワクチンの供給不足や供給スケジュールの不透明さ、医療従事者の確保の困難さ、会場設営や医療従事者の費用がまかなえないなど。昨年6月に始まった前回は、ワクチンの供給が追いつかず、新規受付けが休止に追い込まれるなど、政府の対応は二転三転した。
●救急搬送困難、最多4950件 コロナ病床増 一般病床を圧迫
新型コロナの感染拡大の影響で、救急車を呼んでもすぐに搬送先が決まらない「救急搬送困難事案」が、23日までの1週間で4950件と過去最多となったことが、総務省消防庁の25日のまとめでわかった。オミクロン株の流行による「第6波」を受けてコロナ患者向けの病床が増えた一方、救急患者の受け入れが可能な一般病床が減少する傾向が強くなっているためとみられる。
●検査、一気に逼迫 キット不足想定下回る実施数
新型コロナの検査が、感染急拡大に追いついていない。短時間で結果がわかる「抗原検査キット」は各地で不足し、政府も自治体も確保に追われる。無症状の段階から感染者を把握し、感染抑止と早期治療につなげる体制は機能不全に陥り、抜本的な見直しを迫られている。厚労省はメーカーに増産を要請したが、必要な人に行き渡るかどうかは見通せない。昨年末から政府の方針で、感染不安を抱く無症状者が受けられる「無料検査」も、目詰まりが起き始めている
● 診療、高リスク者に重点 キット不足がネック
厚労省は、検査の逼迫や発熱外来の混雑対策として、若くて低リスクの人は必ずしも受診しなくてよい、という道をもうけた。すべての感染者に手厚い対応を取ってきたやり方から転換した。主眼は、感染者が多い若年層に自分で検査してもらうこと。ただ、自分で検査するためのキットは、需要の急増で地域によってはすでに不足している。それに拍車をかけかねない。厚労省は自治体に、キット配布の窓口を設けることなどを求めているが、必要な人に必要なときに届けられるかは不透明。
●オミクロン、肺で増えにくい傾向 東大などのグループ、動物で研究
東大医科学研究所や国立感染研などのグループは、デルタ株やオミクロン株などをハムスターに感染させ、ウイルスの増え方や症状を調べた。オミクロン株は従来株に比べて肺であまり増えず、呼吸器の症状も悪化しにくいとする結果をまとめた。21日付で、科学誌ネイチャーに発表した。オミクロン株は昨年11月に初めて報告され、世界中に広がった。論文では、オミクロン株の肺での増えやすさや、病気を発症させる病原性が「減弱していることが示された」とした。
●全国感染、初6万人超
国内感染者は25日現在、新たに6万2602人が確認され、1日あたりの感染者数として初めて6万人を超えた。これまで最多だった22日から8千人以上増加し、前週の火曜日(18日)の約2倍となった。亡くなった人は前日より26人増えて43人で、昨年10月8日以来約3カ月半ぶりに40人を上回った。24日時点の重症者は前日より5人増の444人だった。
自治体別の新規感染者数は、29都府県で過去最多だった。このうち、1万2813人の東京都は3日ぶりに1万人を超えた。都が50%で「緊急事態宣言」の要請を検討するとしている病床使用率は、25日時点で39.8%。また、大阪府は初の8千人台となる8612人、愛知県は4120人だった。
【1月26日】
●韓国感染者、最多1.3万人
韓国疾病管理庁は26日、同日午前0時までの新型コロナの1日あたり新規感染者が1万3012人で、過去最多だったと発表した。韓国では23日までの1週間で、感染のうちオミクロン株が50.3%と半数を超えた。同庁の関係者は「オミクロンが大勢となったことで相当期間、感染者数の増加は避けられないだろう」と語った。一方で、オミクロン株はデルタ株と比べて感染力は2倍ほど強いが、死亡率は0.16%とデルタ株の5分の1ほどだと分析している。
こうした状況を受け、韓国保健当局が26日から、大量のPCR検査と感染者の早期発見・隔離を柱としてきた防疫体制を転換した。医療体制への負担を軽減することが狙い。感染者や濃厚接触者の自宅隔離期間は10日から7日に短縮する。
● 5歳~11歳のワクチン接種、保護者の「努力義務」か意見分かれる
5歳から11歳の子どもへのワクチン接種について厚労省は26日、無料で受けられる公的な予防接種に位置づける方針を決めた。専門家でつくる分科会では、接種を保護者の「努力義務」とするかどうかは意見が分かれ、引き続き議論することになった。「努力義務とすることで保護者が仕事を休み易くなるなどが期待できる」「努力義務としない場合『子どもは打たなくていい』と受け取られかねない」という意見が出された。一方で「オミクロン株に対して感染を防ぐ効果が、子どもに対しても期待できるのか明確ではない」「妊婦を適用除外にしたのと同じように、十分なデータがそろうまで待つべき」という意見も相次いだ。
●進まぬ3回目接種 今月末までの対象者のうち16%
ワクチンの3回目接種が進んでいない。3回目接種が始まった昨年12月~今年1月末までに約1470万人(医療従事者らが576万人、高齢者が650万人、65歳未満が244万人)が接種対象となっているが、実際に接種を終えたのは全国で約236万人で、24日時点で約16%にとどまることが厚労省の調査でわかった。厚労省は「年明けから自治体での接種が本格化する」とみていたが、1月もペースは上がっていない。
日本の全人口でみるとまだ3回目の接種率は2.3%に過ぎない。世界では、イスラエルが54.3%で、英国54.2%、ドイツ50.4%、韓国50.3%、フランス46.2%、米国25.5%などとなっている。
●首相「全然進んでいないじゃないか」 自治体準備追いつかず 交互接種忌避
3回目接種がなかなか進まないことに、岸田首相は焦りを募らせている。1月中旬の首相執務室。事務方から進捗状況の報告を受けた首相は、珍しく声を荒らげた。動きが鈍いのには二つ理由がある。一つは、原則8カ月としていた接種間隔を先月になって政府が短縮すると方針変更したことで自治体の接種券の発送、スタッフや会場の手配などの準備が追いつかないこと。
二つ目が、2回目までと異なる種類を打つ「交互接種」への忌避。3回目として確保しているワクチンはモデルナ製が6割近くを占め、2回目後に副反応報告が目立った同社製が敬遠されている。首相は24日、「3回目はモデルナ社のワクチンを接種したい」と記者団に表明。2回目までは米ファイザー製を接種したとし、交互接種の有効性や安全性をアピールする。しかし、3回目接種の数値目標は掲げておらず、野党は「一生懸命さが見えない」と批判する。
●追試、コロナ関連は463人 共通テスト
大学入試センターは26日、新型コロナに感染したり、濃厚接触者になったりした計463人が大学入学共通テストの本試験(15、16日)を受けられず、追試験(29、30日)の受験を認められたと発表した。昨年の224人から倍以上となり、オミクロン株が受験生にも影響を与えたとみられる。追試が認められたのは全国で計1658人。コロナの感染者が211人、試験当日に症状があるなどの理由で別室受験が認められなかった濃厚接触者が252人いた。
●沖縄、感染者増 全体は減 専門家組織
新型コロナ対策を厚労省に助言する専門家組織の会合が26日あり、全国に先駆けてオミクロン株による流行が拡大した沖縄県の最新状況が報告された。25日時点の集計では、人口10万人あたりの1週間の新規感染者数は沖縄県が554人で最多。直近1週間と前週を比べると、沖縄県だけ新規感染者数が前週より減った。沖縄で1月10~16日に感染が確定したのは9355人。翌週の17~23日は8289人に減った。県は、18日ごろに感染のピークを迎えたとみている。
全体の新規感染者数は減少に転じたが、高齢者に限れば増えており「留意が必要」とした。1~24日に診断確定した2万5172人を分析すると、26日までに入院した割合は、40代は2.4%。70代は約20%、80代は約38%。高齢者の割合が増えたことで急速に病床が埋まり始めている。24日時点の沖縄県の病床使用率62%、重症病床使用率も68%に及ぶ。
●感染7万人超す
国内感染者は26日現在、新たに7万1644人が確認され、2日連続で過去最多を更新した。1日あたりの感染者数は初めて7万人を超えた。亡くなった人は34人、重症者(25日時点)は470人となっている。感染者数は前週の同じ曜日(19日)の約1.7倍、前々週(12日)の約5.4倍で、33都道府県で過去最多となり、全国で拡大している。
東京都は1万4086人の感染を確認し、前週(19日)の約1.9倍。26日までの1週間平均の感染者数は1万633.4人で、前週(45948.4人)の約2.3倍となった。50%で「緊急事態宣言」の要請を検討するとしている病床使用率は同日時点で42.8%となり、40%を超えた。過去最多の9813人となった大阪府は初めて9千人を超え、北海道も2091人で初の2千人台となった。
【1月27日】
●検査キット、医療機関最優先 厚労省、順位決め供給要請 需要・用途が拡大
抗原定性検査キットが品薄になっていることから、厚労省は27日、検査の優先順位を決め、それに沿った供給を卸業者らに要請した。検査需要は1月中旬から急拡大している。全国の発熱外来を受診した人は17日、10万3184人と第5波の水準を超え、医療現場で検査逼迫が起き始めた。行政検査が最優先で、一般の薬局での販売分を減らして回すことになるが、どの程度不足が解消されるかは不明。
最優順位は、➊医療機関への供給。➋高齢者施設での集中検査や、有症状者が外来受診前に自分で検査のためのキット配布。➌「エッセンシャルワーカー」が濃厚接触者になった場合、待機期間を短縮のための検査。➍無症状だが不安を持つ人に自治体の無料検査。➎一般薬局で個人が買うケース。そもそも検査需要が急激に増えたのは、診断に使うだけでなく、不安な人が自ら検査、濃厚接触者の待機短縮に使われたり、用途も拡大しているため。
●安倍氏「布マスク希望2.8億枚」 配布、「もっと早ければ」
安倍元首相は27日昼、自身が会長を務める自民党安倍派の会合で、政府が大量に保管している「アベノマスク」について、「7900万枚の在庫があり、廃棄する決定があったが、希望者を募ったところ、2億8千万枚の希望があった」と明らかにした。その上で「もっと早くやってもらっていたらと思う」と語った。布マスクの保管には年間6億円がかかっていると指摘され、岸田首相は希望者に配布した残りを年度内をめどに廃棄するよう指示していた。
●自宅療養者の健康観察、縮小 都、重症化リスクの高い人を優先
新型コロナの感染急拡大を受け、東京都は27日、保健所や看護師が対応するフォローアップセンターが自宅療養者に実施している健康観察の範囲を縮小すると明らかにした。31日から、健康観察の対象を入院のおそれがある人や基礎疾患がある人、50歳以上に絞り、40代以下の自宅療養者は自ら健康観察し、体調に変化が生じた場合は電話相談窓口に連絡する緊急時体制に転換する。27日の都のモニタリング会議で説明した。
●「家で、自分で」に都が転換 自宅療養5万人、高リスク者優先
連日1万人以上の新規感染者が続く東京都で、27日の記者会見で国際感染症センター長の大曲医師は「社会機能のさらなる低下は避けられない。自ら身を守るようお願いしたい」と述べ、「自宅療養や待機で外出できない場合を想定し、生活必需品を準備することなど呼びかける必要がある」と警鐘を鳴らした。都の自宅療養者は5万人超に急増、小池知事は、自宅療養者の無症状者らが体調が悪化した際に自ら電話して相談する自宅療養サポートセンターの開設を明らかにした。
都は今後の重症化リスクの高い人を宿泊療養施設で受け入れることを想定。小池知事は「残念ながら、できるだけ軽症・無症状の方々はおうちにいていただく」と説明。病床使用率も27日時点で44.4%と日々上昇、都が「緊急事態宣言」要請を検討する目安50%に迫る。感染者が急増する中、27日の都の会議では、救急医療への影響が出始めていて20分以上経過しても搬送先が決定しなかった事案が急増していることが報告された。
●東京1.6万人 全国7.8万人
国内感染者は27日現在、新たに7万8920人が確認され、3日連続で過去最多を更新した。全国で亡くなった人は47人、重症者(26日時点)は前日から67人増えて537人だった。今月1日から27日までに確認された全国の新規感染者は70万4600人で、先月1カ月間の合計と比べると100倍超となっている。この日は27都道県で新規感染者数が過去最多だった。東京都は1万6538人で、3日連続で最多を更新した。
1月27日時点の東京都の感染者(日別) 出典:NHK新型コロナ特設サイト

【1月28日】
●濃厚接触者の隔離、海外では 米仏英、ワクチン条件に不要
世界各国では人手不足が懸念され、相次いで隔離期間の短縮や撤廃をしている。米国では、CDC(米疾病対策センター)が先月下旬、医療関係者を対象に無症状であれば、7日後に陰性確認して職場に復帰。また人手不足であれば、隔離期間はさらに短縮できる。また、医療関係者以外も、濃厚接触者となっても追加接種をしていれば、隔離は必要ない。
フランスではワクチン接種済みならば、感染者は最短で5日、濃厚接触者は隔離は不要。英国では、ワクチン接種済みや18歳以下の場合には隔離を求めないよう、昨年8月に制度改定。イスラエルでは今月27日から、18歳以下の濃厚接触者を対象に、自宅隔離の措置を撤廃。また成人の濃厚接触者はワクチン接種済みの場合は隔離せず。韓国は26日から、感染者や濃厚接触者の自宅隔離期間を10日から7日に短縮。シンガポールでは、以前から濃厚接触者に隔離を求めていない。
●厚労相「リスクを許容」、濃厚接触7日に エッセンシャルワーカーも短縮
濃厚接触者の待機期間について厚労省は28日、現在の10日間から7日間に短縮すると発表した。「エッセンシャルワーカー」の待機は、これまでは最短で6日目に解除を1日縮め、抗原定性検査キットで4、5日目に続けて陰性ならば5日目の出勤から可能。無症状の感染者の療養期間も、従来は検体採取から10日間としていたが、8日目以降は他人への感染リスクは低いとして、7日間経過後に解除。水際対策とし入国者に求めていた10日間の待機も7日間に短縮する。
国立感染研によると、濃厚接触者の発症リスクは感染者に接触して10日経過後なら1%未満、7日だと5%程度まで上がる。後藤厚労相はこの日記者団に、「5%のリスクを許容して、社会的機能の維持を図れるように考えた」と述べた。政府に助言する感染症専門家らは14日、「健康状態の確認などを続ければ、7日間に短縮しても14日間待機したのと同程度までリスクを下げられる」と提言。与野党などからも早急に短縮するよう求める声が強まっていた。
●自宅療養、最多26万人 第5波の倍
新型コロナの感染で、自宅療養を余儀なくされる人が全国で26万4859人に達した。厚労省が28日、発表した。第5波に見舞われた昨年9月の約13万1千人の2倍を超え、過去最多。全国の自宅療養者は5日時点で約1200人だったが、オミクロン株の第6波で急激に増え、12日は約1万9千人、19日は約10万4千人。保健所による健康観察が行き届かない事態も起きており、自分で重症化の兆候をとらえたり、家族への感染を防いだりする必要に迫られている。
厚労省によると、26日時点の全国の療養者は過去最多の約41万5千人で、自宅療養者が約6割を占める。入院者は約1万7千人、宿泊療養は約2万3千人となっている。療養先を調整中の人が約10万9千人いる。自宅療養者を都道府県別に見ると、東京都が約4万3千人で最も多く、神奈川県が約2万9千人、大阪府が約2万7千人で続く。
● 5~11歳子どもへのワクチン接種 2月下旬から290万回分配分へ
5歳から11歳へのワクチン接種をめぐり、堀内ワクチン担当相は28日午後、記者団に対し来月下旬から都道府県に合わせて290万回分の子ども用ワクチンの配分を始める計画を明らかにした。内閣官房によると、5歳から11歳の子どもは全国に741万人いる。2回接種することになっていることから今回の計画ではおよそ20%に当たる145万人分の接種が可能となる。
●在日米軍 外出制限、月内で終了
在日米軍施設や周辺で新型コロナの大規模な感染が相次いだことに伴い、在日米軍が実施していた外出制限について、外務省は28日、米軍から31日で終了すると連絡があったと発表した。沖縄県などの米軍施設や周辺で感染者が急増したことから、10日から2週間、外出制限を実施。さらに1週間延長していた。制限では、在日米軍関係者は午後10時から午前6時まで外出禁止。軍施設・区域外への外出は、公務や通院、通学など「必要不可欠な活動のみ」に限っていた。
●感染8万人超は初めて
国内感染者は28日現在、新たに8万1816人が確認された。8万人を超えるのは初で、過去最多となるのは4日連続。死者は47人、重症者(27日時点)は697人と増加傾向が続いている。新規感染者が過去最多となったのは23都府県。東京都は1万7631人で4日連続で最多を更新した。病床使用率は28日時点で46.1%。都が「緊急事態宣言」の要請を検討するとしている50%に近づいている。大阪府は1万13人で初めて1万人を超え、重症と軽症中等症を合わせた病床全体の使用率は60.6%となった。
【1月29日】
● オミクロン株「BA.2」 英「ワクチンの発症予防効果、違いなし」
オミクロン株のうち、流行の主流となっている「BA.1」とは異なる系統の「BA.2」と呼ばれるウイルスは、デンマークなどで感染が拡大し、英国でも「調査中の変異ウイルス」と位置づけられている。 英国の保健当局は、ワクチンを接種した場合の発症を予防する効果は「BA.1」は63%、「BA.2」は70%で大きな違いは確認できないとする初期分析を明らかにした。
●発熱外来、募る危機感 患者急増 検査なし診断「難しい」
新型コロナの感染拡大が止まらない中、発熱外来を設ける医療機関に患者が押し寄せている。感染者と濃厚接触者の増加、スタッフの人繰りの厳しい状況が続けば、診療態勢を維持できない。現場の医師らは危機感を募らせる。厚労省は、外来の逼迫や発熱外来の混雑対策として、感染者の同居家族など濃厚接触者で症状が出た人については検査なしでも医師が感染を診断できるとする方針を示している。
だが、医療関係者は「臨床症状だけで判断するのは難しい」と不安視。検査がなくても事前にスクリーニングをしたうえで、専用の動線の確保などが必要で、「現時点で検査を省くことが必ずしも負担軽減になるわけではない」という。また「一年中発熱外来」とも言われる小児科の診療所でもコロナ患者が急増している。子どもの場合、発熱でも胃腸炎やRSウイルスといった他のウイルスが原因のことも少なくない。「検査をせずに症状だけでコロナと診断するのは難しい」。
● 全国で8万人超、5日連続過去最多
国内の感染者は29日、新たに8万4941人確認され、5日連続で過去最多を更新した。1日当たりの新規感染者が8万人を上回るのは2日連続。重症者(28日時点)は前日より37人増えて734人。死者は39人だった。新規感染者数は前週の土曜日(5万4559人)から約1.5倍となった。過去最多となったのは、北海道3002人、神奈川県8699人、愛知県5613人、大阪府1万383人など。東京都の新規感染者は1万7433人で、5日連続で1万人超となった。
【1月30日】
●感染の波、高齢者に 弱毒と言われるが強烈な肺炎
新型コロナの感染再拡大が、高齢者にも及び始めた。25日までの1週間で、全国の60代以上の新規感染者は約3万6千人。前週の2.5倍で、昨年8月末の約1万人を大きく上回る。オミクロン株でも年代が上がるほど重症化しやすい傾向は変わらない。オミクロン株の重症化リスクはデルタ株の半分程度という報告があり、ワクチン接種による重症化予防効果も期待できる。それでも一部の人は重症化し、リスクは高齢になるほど上がる傾向は変わらない。
爆発的に感染者が増えている状況では、重症者の総数は増えていき、医療の逼迫につながっていく。26日時点で全国のコロナ病床は4万3千床確保されている。すぐに使える病床は3万6千床とされるが、入院患者はここ2週間で1万人以上増え、すでに1万7千人が入院。3回目の接種をすれば感染や発症を防ぐ効果は高まるとされるが、28日時点で医療従事者らを含む約342万人にとどまる。高齢者の追加接種対象者は約3300万人で、「第6波」には間に合わない。
●欧州ワクチン義務化、陰る自由 未接種なら罰金・権利制限も
市民の自由を重んじてきた欧州では、健康上の理由がある場合などをのぞき、ワクチンを義務化しようとする動きが相次ぐ。職業や移動の自由を限定し、義務づけた国では罰金を科す。ただ、権利を制約するに足る効果があるのかといった問題は残る。オーストリアでは20日、EUで初めて18歳以上に義務づける法律が成立、3月半ば以降、最高€3600(ユーロ=130円)の罰金。50歳以上に義務化のイタリアでは2月から€100。60歳以上が対象のギリシャでは毎月€100。
フランスは24日、飲食店や長距離列車などの利用を接種者に限る法律が施行された。ワクチンを巡る国民感情は割れている。未接種だったためにテニスの全豪オープン出場断念に追い込まれたジョコビッチ選手(セルビア)。5月の全仏オープンへの出場が難しくなる可能性が出ている。ドイツは幅広い年齢層への義務化について議会で審議している。世論調査でも半数以上は義務化に賛成だが、議員の間では意見が割れる。WHOは「義務化は最後の手段」との立場。
●7.8万人感染 日曜で最多
国内感染者数は30日現在、新たに7万8121人が確認された。1日あたりの感染者数は前週の同じ曜日(23日)の約1.6倍、日曜としては過去最多。厚労省によると、重症者(29日時点)は前日より33人増えて767人。また、31人の死亡も発表された。都道府県別の最多は東京都の1万5895人。都が50%で「緊急事態宣言」の要請を検討するとしている病床使用率は48.5%。続く大阪府は9135人、神奈川県は6141人だった。山形、茨城、埼玉、千葉、岡山の計5県で最多を更新した。
【1月31日】
●首相「現時点、検討ない」 東京の緊急事態宣言 重症病棟の使用率考慮
岸田首相は31日、衆院予算委員会の集中審議で、新型コロナ対応の「緊急事態宣言」について「少なくとも現時点での発出は政府として検討はしていない」と述べた。昨夏の「第5波」に比べて病床が逼迫していないことなどを理由に挙げた。
● 最大250万円給付金申請開始 売り上げ大幅減の中小企業など対象
新型コロナの感染拡大で売り上げが大きく減った中小企業などに、最大で250万円を支給する国の給付金について、経産省は31日から申請の受け付けを始めた。
● 自衛隊によるワクチン大規模接種始まる 首相が会場視察
3回目の接種に自衛隊によるワクチンの大規模接種が、東京と大阪で行われる。東京では大手町の合同庁舎を会場に31日午前8時から接種が始まった。モデルナのワクチンが使われ、18歳以上で3回目の接種券を持っていて、2回目の接種から6か月以上が経過している人が対象。来月13日までの予約は、31日午後6時から専用ウェブサイトなどで受け付け。一方大阪では、中央区の「八木ビル」を会場に来月7日から接種開始予定で、予約は来月4日から受け付け。
岸田首相は31日午前、大手町の会場を視察した。医官や看護官らから要望や課題などを聴き取りした後、「現時点では全国の97%の自治体が2月末までに高齢者の方々への接種を予定どおり完了する見込みとなっている。今後ペースアップしていくと考えている」と述べた。そして「3回目の接種の必要性、交互接種の有効性、安全性について、国民一人一人に丁寧にお知らせしていきたい。接種券が届いたならばスピードを優先で3回接種をお願いしたい」と呼びかけた。
● 自分で健康観察 自宅療養サポートセンター」、運用開始 東京都
東京都は、50歳未満で無症状か軽症の自宅療養者は自分で健康観察を行う仕組みに31日から切り替え、こうした人たちから体調が悪くなった時に連絡を受ける「自宅療養サポートセンター」の運用を始めた。
●休園644カ所、最多 保育所など 1週間で倍増 もう限界、保育所も保護者も
オミクロン株による急速な感染拡大で、休園する保育所が急増している。子どもの預け先がなくなった保護者からは困惑の声。厚労省は31日、1月27日時点の集計で全面休園している保育所などが、37都道府県の最多の644カ所と公表した。1月6日時点では7カ所だったが、その後は急増。20日時点では327カ所、昨年9月2日時点の最多185カ所を大きく上回った。1月27日までの1週間でも2倍近くに増えた。保育所は昨年4月時点で全国2万3896カ所ある。
濃厚接触者への連絡や休園のあり方といった判断が保育現場に委ねられ、保育所や保護者の困惑はかつてないほど広がっている。政府や自治体には保育士らが検査を迅速に受けられる仕組み作りが求められる。以前から保育士は不足しており、現場では休みたくても休めない。コロナ禍で出勤できない保育士が出たことで、問題が明るみに出たと言える。保育士の待遇や人員配置の基準をはじめ、抜本的な改善に今こそ取り組むべき。
●国内感染6万843人、前週月曜より1万6千人増 都の病床使用率49.2%
国内感染者は31日現在、新たに6万843人が確認された。前週(24日)から1万6046人増え、月曜日として最多。30日時点の重症者数は16人増えて783人。48人の死亡が確認。
以下5枚の図は、1月31日時点の国内感染状況 出典:NHK新型コロナ特設サイト



都道府県別で最多だったのは東京都の1万1751人。都が50%で「緊急事態宣言」の要請を検討するとしている病床使用率は31日で49.2%となった。都内では65歳以上の高齢者の感染が急増していて、今月は30日までの1週間だけで第5波の去年8月1か月間を上回った。


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