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2021年9月20日 (月)

新型コロナ2021.09 重症高水準

  東京都は7月12日から8月22日迄、4度目の「緊急事態宣言」。新規感染者数は全国的に過去最大を記録、病床逼迫も危機的状況。「宣言」は8月2日から首都圏3県と大阪府が加わり、東京・沖縄を含め6都府県に拡大。「まん延防止等重点措置」は5道府県に適用、8日からは13道府県。20日から「宣言」は13都府県、「重点措置」は16道県。

 27日から「宣言」は21都道府県、「重点措置」は12県へ。期間は8月31日迄から9月12日迄に延期。更に9月13日から「宣言」は19都道府県で「重点措置」は8県に、期限は9月30日に延長された。全国民の5割がワクチンの2回目接種を終え、新規感染者数も減る傾向だが、重症者数は高止まりの状態で医療は逼迫したまま。

 2021年9月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.08 宣言ドミノ」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【9月1日】

●首相、月内解散を否定 党内の反発強く一転 総裁選、予定通り

 菅首相は1日、衆院解散について、「最優先は新型コロナ対策だ。今のような厳しい状況では解散ができる状況ではない」と述べた。首相は9月中旬の解散も選択肢としていたが、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)の先送りへの党内の反発を受け、「9月解散」を見送る意向を示した。そのうえで。総裁選は予定通り実施する考えを明らかにした。

●10歳未満の感染87%増 4週間前比 10代は79%増
 
 新型コロナの「第5波」では20歳未満の感染が急増している。感染増加が顕著となってきた7月28日と4週間後の8月25日の累計感染者数を比べると、全体では51%増だったのに対し、20歳未満は約8割増えていた。各年代の増加率をみると、10歳未満が87%増と最も多く、次いで10代の79%増、20代の64%増など。ワクチン接種の進む高齢者は60代が24%増、70代以上は10%台にとどまる。

 子どもはコロナに感染しにくいとされてきたが、感染力の強い変異株「デルタ株」に置き換わったことが影響しているとみられる。学校や家庭内、保育所などでのクラスターの報告も増えている。子どもの感染増について、コロナ対策を厚労省に助言する「専門家組織」の脇田座長は「親や兄弟からの家庭内感染が多い」と話す。「教職員から子どもへの感染も多いので、教職員の感染予防への理解が重要になる。ワクチン接種は教職員だけでなく、打てる世代(の子ども)はしっかり進めて欲しい」と述べた。

●学校再開後「警戒を」 専門家組織 再拡大の恐れ指摘
 
 新型コロナの新規感染者数は、直近1週間は全国で10万人あたり116.38人で前週の0.91倍となり、減少傾向となった。一方、人の流れがお盆明けに増え始めてきたなか、9月1日から多くの地域で学校が再開。「専門家組織」は1日の会合で、若者を中心に感染が再拡大する恐れがあるとそて警戒を呼びかけた。

●自衛隊大規模接種センター、10~30代接種枠新設 約2か月延長へ

 自衛隊が運営する新型コロナワクチンの大規模接種センターについて、政府は9月下旬までとなっている設置期間をおよそ2か月延長するほか、接種が進んでいない10代から30代のための接種枠を新たに設ける方向で最終調整していることが関係者への取材で分かった。

●モデルナ、異物はステンレス

 米モデルナ製の新型コロナワクチンから異物が見つかり、使用見合わせとなった問題で厚労省は1日、国内の流通を担う武田薬品工業の調査の結果、異物はステンレスであることが分かったと発表した。製造機器の破片だとしている。武田薬品は同日、ステンレスは心臓の人工弁などに使用されているもので、破片が筋肉に注入された場合でも「局所で反応を引き起こす可能性はあるが、医療上のリスクが増大する可能性は低い」との見解を発表した。

 モデルナ製を巡っては厚生労働省が8月26日、5都県8カ所の接種会場で計39本の未使用状態の瓶から異物の混入が見つかったと発表した。いずれもスペインにある工場で作られた同じロットの製品。

●変異株「ミュー」国内で初確認

 厚労省は1日、空港検疫で、変異した「ミュー株」が検出されたと発表した。国内で確認されたのは初めて。コロンビアで1月に初めて報告され、30か国以上で感染が報告されている。世界保健機関(WHO)が8月末に「注目すべき変異株」(VOI)に分類、ワクチンの効果に影響を与える可能性があると指摘されている。2人のうち40代女性は、6月に成田空港に到着、アラブ首長国連邦に滞在歴。もう1人は50代で7月に羽田空港に到着、英国に滞在歴があった。2人とも無症状。

●名古屋市の河村たかし市長が感染 発熱などの症状は無し

 名古屋市の河村市長(72)が新型コロナに感染していることがわかった。市長はコメントを発表し「発熱などの症状は出ていない」としている。名古屋市によると8月29日、市長の特別秘書の30代男性が新型コロナに感染。市長は、8月30日から自宅待機、翌日PCR検査を受け、9月1日に感染していることがわかった。市長は、すでにワクチンを2回接種していて、現在、自宅療養中。

●国内感染150万人 「第5波」で急増

 新型コロナの感染者が1日、国内で150万人を超えた。去年1月に国内初の感染が確認されてから50万人に達するまで約1年3カ月、そこから100万人まで約4カ月だったが、「第5波」で急増し、さらに50万人が感染するのに26日しかかからなかった。「第5波」は、東京都の1日あたりの感染者が初めて3千人を超えた7月28日から顕著になってきた。この日以降の感染者数は約63万人に上り、これまでの約4割を占める。

●国内で新たに2万31人感染 死者は「第5波」最多の71人

 新型コロナの国内感染者は1日現在、新たに2万31人が確認された。2万人を上回ったのは4日ぶり。大阪府は3004人で1日あたりの新規感染者が3千人を超えるのは初めてで、過去最多。1週間前(8月25日)よりも197人増加した。新たに12人の死亡も確認された。府内の感染者は延べ17万1793人、死者計2801人。東京都は3168人で、前週の同じ曜日を10日連続で下回った。死者は全国で計71人。6月16日(80人)以来の多さとなり、「第5波」では最多となった。

【9月2日】

●菅首相、二階氏へ出馬伝達 総裁選 岸田氏は政策発表 

 菅首相は2日、自民党本部で二階幹事長と会談し、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補する意向を伝えた。首相は6日にも党役員人事を行い、二階氏を含む党4役全てを交代させる方向で調整している。一方、総裁選に立候補を表明している岸田前政調会長は2日、総裁選に向けた新型コロナ対策を発表した。岸田氏は2日、新型コロナ対策をテーマにした記者会見を開いた。数十兆円規模の経済対策や政府のコロナ対応の一元化を掲げ、菅政権との違いをアピールした。

●「ワクチン3回接種が標準の可能性も」 米ファウチ首席医療顧問

 米政府の首席医療顧問をつとめるファウチ博士は9月2日、新型コロナのワクチンの効果を長期にわたり高く維持する上で、現在、2回の接種が標準とされているワクチンについて、将来的に3回の接種が標準となる可能性があるとする見解を示した。

●ワクチン格差が深刻 アフリカの接種に遅れ WHO目標達成は困難

 WHOアフリカ地域事務局のモエティ事務局長は、9月2日の記者会見で「米国やEUの加盟国では国民の半数以上がワクチン接種を終えているが、アフリカでは人口の3%も終えていない」と指摘した。さらに9月末までにあらゆる国で、人口の少なくとも10%が接種を終えるというWHOの目標について「アフリカの54か国のうち、8割近くにあたる42か国が目標を達成できない見通しだ」と述べ、先進国などとの間の「ワクチン格差」がいっそう深刻な懸念を示した。

●抗体カクテル療法、約8割の患者回復 軽症者向けで効果 東京都

 東京都内にある都立と公社の12の病院では、8月上旬から軽症者を対象に「抗体カクテル療法」で薬の投与を行っている。東京都によると、9月1日までにこの治療を受けた102人のうち、82人は症状が回復するか安定したという。残りの20人も重症化した人はおらず。このため、東京都は、より多くの患者がこの治療を受けられるようにする方針。「抗体カクテル療法」は、2つの薬を同時に投与することで、抗体が作用してウイルスの働きを抑える治療法。

●大阪府 宿泊療養施設での「抗体カクテル療法」 拡充へ

 大阪府は、8月から宿泊療養施設となっている1か所のホテルに「抗体カクテルセンター」を設けて、療養中の患者に実施している。吉村知事は9月2日の記者会見で、別の宿泊療養施設1か所でも、医師や看護師でつくる医療チームが訪問する形式で「抗体カクテル療法」を行うことを明らかにした。訪問チームによる治療は、9月7日から開始し、週に5日、一日当たり5人から10人の患者を対象に行う予定だという。吉村知事は「できるだけ多くの人を治療し、重症化を防ぎたい」と述べた。

●入院待機・酸素投与、ようやく28カ所

 新型コロナのデルタ株の猛威で入院できずに自宅で亡くなる感染者も出るなか、臨時の医療機関の整備がようやく進み始めた。入院待機ステーションや酸素ステーションが、少なくとも12都道府県28カ所で稼働。さらに設置を進める動きもある。宿泊療養施設での抗体カクテル療法も始まっている。入院待機や酸素投与のステーションは、入院治療が必要だが受け入れ先の医療機関が見つからない患者が一時的に入る施設。民間のホテルなどを臨時で使うケースもある。

 東京都が設置しているのは「品川プリンスホテル」(港区)や生涯学習などに使う「都民の城」(渋谷区)、医療機関の敷地内の施設など14カ所で計約300床。大阪府は設置場所は公表しておらず、4カ所で計約20床を運用。ほかに北海道や沖縄県など計10道府県10カ所で稼働している。さらにほかの県でも開設を予定しており、9月中に増える見込み。このほかに市区町村が独自設置しているものも少数だがあるという。

●陸自クラスター、大津で135人感染

 吉田陸上幕僚長は2日の会見で、滋賀県の大津駐屯地で8月23日~9月1日の間に、135人の隊員が新型コロナに感染したと発表した。幕僚長は「自治体、保健所等の関係機関、周辺住民に心配と不安をおかけしたことを心からお詫び申し上げる」と陳謝した。隊員1人が濃厚接触者に認定され、周辺の隊員全員にPCR検査を行ったところ、135人の感染が判明。感染した隊員は20代~40代、ほぼ全員がワクチン接種を受けていなかった。

●パラリンピック 学校連携観戦、引率教諭感染の学校で生徒ら陽性

 東京パラリンピック大会の「学校連携観戦」を引率した教諭などの感染が確認されていた、千葉市の市立中学校で、新たに生徒2人、教諭2人の合わせて4人が検査で陽性となったことが分かった。千葉市は保護者の意向だとして、生徒が学校観戦に参加していたかどうかは明らかにしていないが、いずれも「家庭で感染した可能性は低く、教育活動の中で感染した可能性がある」としている。

●札幌市、小中学校40校余が休校や学級閉鎖の対応

 「緊急事態宣言」が出されている北海道では、札幌市で8月18日に小学校、8月23日に中学校で2学期が始まった。市は9月1日、市内の小学校で感染者のクラスターが発生したと発表、9月1日までに児童9人と教職員1人の合わせて10人の感染が確認され、9月3日まで休校となっている。このほか、9月2日時点で小学校と中学校の合わせて46校61学級が学級閉鎖の対応をとっているという。

 オンラインでの学習環境を確保するため、9月13日から、児童や生徒に配られているタブレット端末を持ちすることにした。このほか、修学旅行などの宿泊を伴う研修は、当分の間見合わせるよう通知しているほか、運動会は無観客を条件に実施を認めるなどの対策をとる。

 北海道教育委員会によると、260近くある道立高校と中等教育学校それに特別支援学校のうち、休校や学年閉鎖、学級閉鎖の対応をとっているのは、9月1日時点で合わせて17校。内訳では、休校が3校、学年閉鎖が2校、学級閉鎖が12校。

●12歳以上ワクチン接種加速へ 「子ども優先枠」新設 鳥取県

 鳥取県は、12歳以上の子どもへの新型コロナワクチンの接種を加速するため「子ども優先枠」を新たに設けることになった。鳥取県の平井知事が9月2日の記者会見で明らかにした。鳥取県内では、8月30日までの2週間に感染が確認された人のうち20代以下がおよそ60%を占めていて、県は12歳以上の児童・生徒、それに大学生などへのワクチン接種を加速するため「子ども優先枠」を設けるとしている。

●第5波 都内の死者、50代が2割

 新型コロナの第5波が本格化して以降、東京都内で亡くなる患者が増加している。8月30日までの直近4週間で発表された死者数は186人で、前の4週間と比べて132人増えた。50代が全体の2割に上るなど30~50代の占める割合が急増しており、死者が若年化する傾向が続いている。

●都、コロナ150病床増 目標7000床まだ届かず

 東京都は2日、新型コロナの入院患者用の確保病床を150床程度上積みする見通しを明らかにした。改正感染症法に基づく要請に都内の医療機関が応じたもので、現状の5967床から6117床体制になるが、目標とする7千床には届いていない。2日の都のモニタリング会議で、1日時点の速報値として報告された。現在392床確保している重症病床は465床に増える見通し。都によると、未回答の医療機関分で全体の病床は最終的にはさらに数百床規模で上積みできる見込みだという。

 コロナ患者の入院を受け入れている病院にはさらなる病床確保、それ以外の病院や診療所には宿泊療養施設など都が指定する施設への医師や看護師の派遣を要請していた。今回の要請に対し、医療機関からは「人手がなく、これ以上の協力は無理」などと困惑の声も上がった。要請に応じない場合には勧告し、勧告にも従わなければ施設名を公表できることになっており、「脅しのようだ」という反発もある。

●お盆明け、夜の人出増

 2日の都のモニタリング会議では、1週間平均の新規感染者数が3290人と前週の75%に減少していたことも報告された。だが、都医学総合研究所の調査によると、繁華街での夜間滞留人口がお盆明けの2週間で16.7%増加したとして、専門家は「これが続くと(増加に)反転する」と指摘した。感染者のうち入院に至った割合(入院率)は13%、宿泊療養の割合は7%にとどまっていることに対し、「極めて低い水準」との指摘が出た。

●重症者2158人、過去最多更新

 国内感染者は2日現在、新たに1万8228人が確認された。死者は65人。厚労省によると、重症者は2158人(1日時点)で過去最多となり、増加傾向が続いている。東京都は3009人の感染を確認。2日までの1週間の感染者数の合計を1日あたりで平均すると3140.0人で、前週の72.1%となっている。

【9月3日】

●菅首相、退陣へ 総裁選立候補を断念 コロナ禍で支持率低迷 党内混乱

 菅首相は3日の自民党臨時役員会で、党総裁選(17日告示、29日投開票)に一転して立候補しないことを表明した。新型コロナ対応が後手に回ったことで国民に不信が募り、内閣支持率が低迷、衆院解散の日程や人事をめぐる党内の混乱が続くなかでの立候補断念となった。総裁選には岸田前政調会長に続き、河野行政改革担当相も立候補する方向。総裁選後に新首相を選出する臨時国会を開くため、衆院選は現職が任期満了となる10月21日以降に投開票がずれ込む公算が大きくなった。

●接種後の対策緩和、提言 尾身氏案 反発受け大幅削減

 政府の「分科会」は3日、ワクチン接種が進む中での新しい感染症対策を提言した。対策を緩和したい首相官邸の強い要請で、尾身会長が提言案をまとめたが、医療が逼迫する中で分科会の専門家らが強く反発、酒の提供に関する部分などを大幅に削除した。提言は、ワクチン接種がさらに進んだ11月頃には、接種を終えた人やPCRなどの検査で陰性が確認された人など、他の人に感染させるリスクが低いことを示す「ワクチン・検査パッケージ」という仕組みを導入する。

 この仕組みで、日常生活での制約を減らしていくことが重要だとしている。医療機関や高齢者施設での面会、県境を越える出張・旅行、大学での対面授業、部活動などでは行動の制限が緩和できると考えられるとした。一方、同窓会、冠婚葬祭や宴会、商業施設やカラオケ、飲食店などについてはこの仕組みをどう適用するか検討が必要、また接種していない人たちの不利益を議論する必要があるとしている。

 西村経済再生相は「分科会」で、「現下の宣言のもとで緩和を行うのではなく、今後、行動制限をどのように考えていくか、政府としても早期に示すことができるよう検討を進めたい」と述べた。尾身会長は報道陣の取材に応じ、「ワクチン接種でなんでも自由にということではない。提言をたたき台として国民的な議論をしてほしい」と述べた。

●兵庫・尼崎、コロナ感染報告せず教諭が授業 児童2人が感染

 兵庫県尼崎市で、小学校の教諭が新型コロナに感染したことを学校に報告せず出勤し授業を行っていた問題で、市はPCR検査を進めたところ、3日この教諭の授業を受けた児童2人の感染が確認されたと発表した。

●重症者2221人、2日連続で過去最多を更新

 国内感染者は3現在、新たに1万6739人が確認された。厚労省によると、重症者は2日時点で2221人となり、2日連続で過去最多を更新。死者は63人だった。東京都は2539人を発表。3日までの1週間平均の感染者数は2898.9人で前週の69.3%。週平均が3千人を下回るのは7月31日以来。

【9月4日】

●コロナ治療で…薬足りない 自宅療養中の錠剤、国が通知

 新型コロナの感染拡大で、治療に欠かせない薬も不足が深刻。自宅療養患者が使うステロイド薬は入手が難しくなり、厚労省が通知を出す事態に。血が固まるのを防ぐ薬も使用が急拡大し、流産リスクが高い妊婦の治療への影響が心配されている。厚労省は8月27日に全国の病院や薬局、卸業者向けに出した通知の中で、ステロイド薬デキサメタゾンの買い込みを「厳に控える」よう呼びかけた。

◆新型コロナワクチン 職域接種の申請取り下げ、1000件超に

 新型コロナワクチンの職域接種をめぐって、供給の遅れなどが原因で申請を取り下げる会場が相次いでいた問題で、申請の取り下げがこれまでに1000件を超えたことが分かった。ワクチンの供給が遅れたことで接種計画の見直しを迫られて医師などを確保できなくなったり、職域接種を始める前に自治体による接種が進んで希望者が減少したりしたことなどが理由と見られている。

●コロナ感染1人暮らし50代男性死亡 保健所と連絡とれないまま

 東京・荒川区では新型コロナに感染し自宅で療養していた50代の男性が亡くなっているのが見つかったが、男性は糖尿病で重症化のリスクがあったにもかかわらず保健所が健康状態を把握できていなかったことが分かった。

●重症全国2223人、3日連続更新

 国内感染者は4日現在で新たに1万6012人が確認された。厚労省によると、3日時点の重症者は前日より2人増の2223人となり、3日連続で最多を更新した。確認された死者は60人だった。東京都は2362人の新規感染者を確認。前週の土曜日(8月28日)より1219人減り、前週と同じ曜日を下回るのは13日連続になった。

【9月5日】

●大学 後期授業が開始 ワクチンの職域接種に多くの学生訪れる

 今月から来月にかけて、大学の後期授業が始まる。大学の職域接種はことし6月から始まったが、ワクチン供給の遅れなどで予定を延期し、今月に入って1回目接種を進めている大学もある。

 文科省によると、これまでに職域接種を希望した405大学のうち、5日までに1回目の接種を始めたのは323大学、今週も24大学で始まる予定。またこれらの大学を拠点に、連携して接種を進める大学を合わせると、716大学になる。一方、およそ40大学が、ワクチン供給の遅れや、自治体やほかの大学と連携を進めたことで、職域接種を取り下げたり延期した大学も多くあるという。

●移動式集中治療室「エクモカー」連日出動 重症化で転院相次ぐ

 新型コロナの重症患者数は過去最多の水準が続いていて、東京都内では入院中に重症化し、ECMO(人工心肺装置)を使った治療が必要になって転院を余儀なくされるケースが相次いでいる。転院のためにECMOを使った治療ができる「エクモカー」が出動するケースも相次いでいて、現場の医師は「重症患者がこれ以上増えると対応が難しい」と話している。

 エクモカー 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

Ecmo_car

 新型コロナの重症患者の治療についてまとめている「日本ECMOnet」によると、ECMOを使った治療を受けている患者は、今年になって毎日50人前後で上下していたが、9月5日の時点で全国で165人と、先月中旬から過去最多の水準が続いている。

●重症全国で2207人、前日よりは減少

 国内感染者は5日現在、新たに1万2910人が確認された。死者は30人だった。厚労省によると、重症者数は4日時点で2207人で、前日より16人減っている。東京都は1853人の感染を確認。5日までの1週間の感染者数の合計を1日あたりで平均すると2549.3人で、前週の67.4%となる。大阪の感染者数は、1820人だった。

【9月6日】

●緊急事態、都市部延長へ 期限、政治日程踏まえ判断

 政府は緊急事態宣言について、首都圏の東京・埼玉・千葉・神奈川の4都県などの都市部を中心に、12日の期限を延長する方向で調整に入った。関係閣僚で対象地域や延長幅などを協議し、専門家の意見も聞いた上で、9日にも政府の対策本部を開いて正式決定する方向。首都圏以外でも、中京圏の愛知・岐阜・三重の3県、関西圏の大阪・京都・兵庫の3府県などでも解除は困難な見通し。

●「集団免疫でコロナ収束」限界 デルタ株拡大、接種後に感染も

 新型コロナワクチンの接種率を高め、免疫をもっていない人も感染から守る「集団免疫」の獲得が難しくなっている。感染力の高い「デルタ株」が広がっているため。ワクチンだけでは限界が見えてきた。政府「分科会」が3日にまとめた提言には、「全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても、社会全体が守られるという意味での集団免疫の獲得は困難」との文言が記された。

 当初、新型コロナ感染症に対する集団免疫は、60~70%の接種率で達成できる可能性があると試算されていた。しかし、従来株の約2倍の感染力があるとされるデルタ株が世界的に拡大。接種をいち早く始めて感染者数の減少がみられたイスラエルでは、2回接種を終えた人が6割を超えたが、再び感染者数が増えている。英国や米国も似たような状況。

 イスラエル保健省によると、感染リスクを90%近く下げるとされたファイザーの効果が、デルタ株に対しては64%に下がったという。厚労省の専門家組織によると、日本でも2回接種後に感染した人は7月中に少なくとも2千人あまり。だがワクチンは、重症化を防ぐ高い効果が確認されている。接種者数が増えれば、重症者数も減る。厚労省は、将来的に重症者数が減って医療現場の負担が軽くなり、効果的な治療薬が開発されれば、季節性インフルエンザのように扱うことも視野に入れている。

●ファイザーワクチン、来月中にすべて輸入完了 予定を前倒し

 ファイザーのワクチンについて、河野行政改革相は記者団に対し、「4月から6月で1億回分、7月から9月で7000万回分が供給され、残りはすべて、来月中に輸入が完了することになった」と述べ、来月から12月にかけて予定されていた供給が前倒しされ、来月中には、すべて輸入できる見通しになったと明らかにした。

●立憲「ゼロコロナ」見直し論 名称「誤解招く」 封印の方向

 立憲民主党がコロナ対策として打ち出した「ゼロコロナ」の見直しを迫られている。3日の夜、枝野代表はオンライン配信の番組で「ゼロコロナ」という呼び方を見直す可能性を示唆した。菅政権の感染対策と経済を両立させる「ウィズコロナ」への対抗軸にしていた。しかし、名称が誤解を招くとの指摘があって封印、衆院選に向けた政策発表では、「ゼロコロナ」の言葉は使わない方向。自民党の「次の首相」が出す政策との差別化が今後の課題。

 「ゼロコロナ」戦略は1月20日、枝野氏が菅氏への代表質問で打ち出した。①医療機関への支援を万全にし、医療崩壊を最優先で食い止める。
②感染者の早期把握と隔離を進め感染の封じ込め。③倒産や廃業を防ぐ補償と生活支援の3本柱。こうした政策で、台湾やニュージーランドのように市中感染を徹底的に封じ込める戦略。

 しかし、「ゼロ」という言葉の強さが、「感染者をゼロにする」「ウイルスをゼロにする」と誤解されるという。党のホームページで「ゼロコロナ≠ウイルス0」と注釈をつけたが、党内外から「実現不可能な政策を主張している」などの指摘が相次いでいた。

●ブラジル、3回目のワクチン接種開始

 新型コロナに感染して亡くなった人が世界で2番目に多いブラジルで、感染力の強いデルタ株感染が広がる中、ブラジル政府は、2回のワクチン接種を完了している人に対して、3回目の接種を行うことを決め、人口が最も多いサンパウロ州で6日接種が始まった。中心都市のサンパウロ市内に設けられたドライブスルー形式の接種会場では、最初に対象となった90歳以上の人たちが次々に訪れて接種を受けていた。

 ブラジルでは感染者が累計で2000万人を超え、死者は58万人余りと世界で2番目に多い。当初はワクチンの確保が遅れてたが、ことし6月ごろから供給が増え、これまでに2回接種した人は全人口のおよそ30%。政府は3回目の接種を進めるとともに、2回目を終えていない人に積極的な接種を呼びかけるなどして、経済の正常化に向けて対策を急いでいる。

●株価急騰 総裁選に高まる期待 東証31年ぶり高値

 菅首相が自民党総裁選に出ないと表明した後、株価が急騰している。6日の日経平均株価の終値は、前週末より531円78銭高い2万9659円89銭と、直近2営業日で1100円超も上げた。市場関係者はコロナ禍対応などをめぐる停滞感の打破を期待し、新総裁選びの行方に注目する。

●学童保育の不安と苦悩

 新型コロナの感染が子どもにも広がり、親が働く家庭の子どもが通う学童保育も対応に追われている。各地で学童でのクラスターも発生し、現場は緊張の日々が続く。子どもとのスキンシップにジレンマを感じ、感染者が出た場合の対応の仕方や保証がはっきり決まっておらず、指導員は大きな不安を抱えている。日本小児学会などは、8月26日「学童など学校外の感染対策の徹底も極めて重要」とし、学童の職員に積極的なワクチン接種の検討を求めている。

●国内感染1万人下回る 1ヵ月ぶり、重症者は高水準

 国内感染者は6日現在、新たに8233人が確認された。1日あたりの感染者数が1万人を下回るのは8月2日(8391人)以来約1カ月ぶり。厚労省によると、重症者数は5日時点で2198人。前日より9人減ったが、依然として高い水準にある。東京都は968人の感染を確認。1日あたりの感染者数が1千人を下回るのは7月19日(727人)以来。前週の月曜日(8月30日)より947人減った。

 大阪府の感染者も924人、8月16日(964人)以来約3週間ぶりに1千人を下回った。愛知県では20日連続で1千人を超える1190人の感染が確認された。埼玉県は6日、感染して自宅療養中だった県内の50代男性が健康観察をされずに亡くなったと発表。男性は陽性と判定後、県管轄の春日部保健所の情報管理の不備で健康観察がされなかった。同保健所が担当してから14日後の9月3日、自宅で死亡しているのが見つかった。

【9月7日】

●休校や短縮・分散登校、3割 文部省自治体調査 休校中オンライン指導3割

 「第5波」を受け、1日時点で小中学校を休校した自治体が約12%あり、約23%が短縮授業・分散登校を行っていたことが7日、文科省の全国調査でわかった(実施予定も含む)。文科省が学校や幼稚園を設置する全国の都道府県や市区町村の教育委員会を対象に調査を行い、1757の自治体から回答があった。

 その結果、9月1日時点で、夏休みの延長や臨時休校を実施、または予定していると回答した自治体は、幼稚園12%、小学校で12%、中学校で13%、高校で19%となった。その日数は最も長くて12日、最も短くて1日で平均すると5日前後だった。短縮授業・分散登校をした自治体は、幼稚園12%、小学校で23%、中学校で23%、高校で34%、特別支援学校で9%となった。休校中に家庭学習で情報端末を使った双方向のオンライン指導をしていた自治体は、約3割にとどまった。

●愛知・常滑の野外音楽フェスでクラスター 14人の感染確認

 愛知県は7日、常滑市のイベント参加者の間で新型コロナのクラスターが発生し、10代から20代の男女14人の感染者が確認されたと発表した。関係者によると、このイベントは、感染対策が不十分なまま8月29日に開催されたことが問題になっている野外音楽フェスティバル「NAMIMONOGATARI(波物語)2021」。

 県国際展示場で開かれ、全国から8000人以上が参加。感染防止対策が十分とられず、酒も提供されていたなどとして批判されていた。県と名古屋市は、参加者を対象に郵送によるPCR検査を無料で実施し、これまでに2人の感染が明らかになっている。今回の14人はこの2人とは別。無料検査は現在も実施中で、感染者はさらに増える可能性がある。

●宿泊療養で死亡、遺族に和解金へ 神奈川県「対応方針、不適切」

 新型コロナに感染した男性が宿泊療養施設で死亡したことをめぐり、神奈川県は対応方針に不適切な点があったと認め、遺族に和解金575万円を支払うことを明らかにした。8日に始まる県議会定例会に議案を提出する。県によると、男性は50代で昨年12月8日に感染が確認され、9日に県が宿泊療養施設とした厚木市のホテルに入所。基礎疾患はなく軽症だった。

●国内の感染1万604人 東京の感染1629人、10歳未満も160人

 国内感染者は7日現在で1万604人が新たに確認された。東京都の新規感染者数は1629人と、前週の火曜日(8月31日)より1280人減った。前週の同じ曜日を下回るのは16日連続。東京都の7日までの1週間平均の感染者数は2231.1人で、前週比は63.4%だった。新規感染者1629人のうち、20代が440人で最も多く、10歳未満も160人いた。新規感染者数が最も多かったのは、大阪府で1649人。死者は全国で62人、重症者数(6日時点)は前日より11人増えて2209人だった。

【9月8日】

●宣言下の行動制限緩和、11月ごろ 接種・陰性証明を活用

 政府は、新型コロナのワクチン接種が行き渡る11月ごろをめどに、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が出ている地域でも行動制限を緩和する案をまとめた。ワクチンの2回接種の証明書や検査による陰性証明の活用を想定し、飲食店での酒類提供を認め、イベントの人数制限も緩和する。9日の政府の対策本部で決定する見通し。

●宣言解除指標、医療軸に 政府分科会 感染減の傾向が前提

 政府の「分科会」は8日、緊急事態宣言を解除する際の新たな指標を発表した。感染者の数を考慮しながらも、医療の逼迫状況をより重視する内容になっている。これまでの考え方は、感染や医療の状況で最も深刻な「ステージ4」にあたる場合は「緊急事態宣言」に相当するとされ、解除するには「ステージ3」まで下がり、解除後に「ステージ2」まで下げられるという見通しがついていることが求められるとしてきた。

 第5波では、ワクチンの接種が進む一方で感染力の強いデルタ株が主流になり、重症者より軽症や中等症の患者が増加して医療の逼迫が起き、自宅療養者も増加した。分科会は新たな指標では、こうした状況に対応した。そして、「宣言」の解除を判断する際には、中等症の患者や自宅療養者の人数、救急搬送が困難なケースが減っていることなど、医療が逼迫していないことをより重視する。

 具体的には、「新規感染者数」が2週間ほど継続して安定的に下降傾向にあることが前提。そのうえで医療の状況について①「病床使用率」と「重症病床の使用率」がそれぞれ50%未満、②療養者に占める入院者の割合「入院率」が改善傾向、③「重症者数」や「中等症患者の数」の減少傾向、④「自宅療養者と療養などを調整中の人を合わせた人数」が減少傾向か、適正な規模に保たれているという指標も挙げている。

●19都道府県 月末まで延長へ

 政府は8日、「緊急事態宣言」について、東京・埼玉・千葉・神奈川の首都圏など計19都道府県で12日に迎える期限を今月末まで延長する方針を固めた。宮城県と岡山県は「まん延防止等重点措置」に引き下げる。9日に専門家の意見を聞いたうえで、政府対策本部で正式に決める見通し。菅首相は8日午後、田村厚労相ら関係閣僚と協議。その後首相は記者団に「明日、専門家の分科会に諮る。医療体制の状況などを重視して、判断を行っていきたい」と述べた。

 「コロナ対策に専念する」として自民党総裁選への不出馬を表明した首相の在任中に、再度の解除判断が行われる見通しとなった。政府内では「いまの政権で一定程度めどをつけたい。そこで解除できなければ、さらに延長して次の政権に判断を委ねればいい」と官邸関係者からの意見が出ていた。7日時点で病床使用率は、17都府県で宣言の目安となる「ステージ4」(感染爆発)となっている。

●全国の感染減少、医療体制厳しい局面続く 専門家組織

 厚労省の専門家組織は8日、全国の感染状況について「ほぼすべての地域で減少が続いている」との見解を示した。新規感染者数は、岩手県を除く全都道府県で前週と比べて減少。7日までの1週間と前週比較では、東京都が0.63、大阪府0.83、愛知県0.86、福岡県0.73など。脇田座長は会見で「ピークを越えた地域もあり、ほぼピークに来た所もある」と分析。一方で、重症者数は過去最多が続き、死亡者数もワクチン効果で低い水準だが、増加傾向で医療体制は厳しい局面が続いている。

 現在感染が減少している要因として、多くの市民が感染対策に協力していること、ワクチン接種が進んできていること、緊急事態宣言などが出されている地域で人出の減少、それに医療逼迫などの情報で行動変容が起きたことなどが考えられると分析。しかし、学校再開や連休もあるため、少なくとも一般の医療が制限されない状態になるまで感染状況を改善する対策を継続し、医療機関や保健所への支援の強化を続ける必要があると強調した。

 さらに、今後対策の緩和を検討する場合は、感染の再拡大が早期に起きないよう段階的な緩和が必要で、中長期的には冬に向けて厳しい感染状況となる可能性もあり、ワクチン接種を進め、抗体カクテル療法を活用するなどの対策を進めるよう求めている。そのうえで、専門家組織は引き続き「自分や家族の命を守るために必要な行動を」という表現で、すでにワクチンを接種した人も含めて外出をなるべく控え、混雑した場所など感染リスクが高い場所を避けるなど、個人でできる対策を取るよう呼びかけた。

●雇用調整助成金の財源逼迫、保険料率引き上げの検討開始

 新型コロナ感染拡大の影響が長期化する中、雇用を守る雇用調整助成金の支給額が急増。財源が逼迫している。厚労省の審議会は、来年度からの雇用保険の保険料率について、8日から引き上げなどの検討を始めた。

●ワクチン接種、感染者10万人と死者8千人を大幅抑制 厚労省が効果を推定

 厚労省は、感染者の情報を集約するシステム「HER-SYS」のデータを使って、感染の第5波の時期の感染者数の増加率などをもとにワクチンの効果を分析した。それによると、7月の感染者数は6月と比べて、ワクチン接種が進んだ65歳以上では0.86倍と減ったのに対して、65歳未満は2.95倍と大幅増。これをもとに、高齢者でもワクチン接種が進まず若い世代と同じ増加率だったなどと仮定、7月と8月の2か月間で感染者数は合わせておよそ13万8千人と推定。

 実際にはシステムに入力されたこの2か月間の感染者数はおよそ3万人。ワクチンによって、高齢者の感染を10万人以上抑えられた可能性があるとしている。さらにワクチン接種が進む前のことし1月から5月までの高齢者の致死率を掛け合わせて計算したところ、7月と8月の2か月間で高齢者8千人以上の死亡を防いだ可能性があるとしている。厚労省は「あくまで仮定での試算だが、ワクチンの効果で高齢者を中心に感染者数や死亡者数の増加抑制が期待できる」と説明している。

●国内の感染1万2396人 10代感染し死亡 大阪

 国内感染者は8日現在、新たに1万2396人が確認された。死者は89人。東京都は1834人の感染を発表。前週の水曜日(1日)より1334人減り、前週の同じ曜日を17日連続で下回った。また30代から100歳以上の男女17人の死亡も確認された。都基準の重症者数は、前日から8人減って252人。大阪府では、10代男性の死亡が確認された。20歳未満の死者は全国初とみられる。男性は成人に近い年齢で基礎疾患があり、ほかにも重症化リスクを抱えていたという。

【9月9日】

●「医療確保できず反省」 退任する首相、会見で表明

 菅首相は9日、首相官邸で記者会見に臨み、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補しない考えを改めて表明した。12日が期限の緊急事態宣言の解除が難しく、「コロナ対策と公務があり、出馬はとてつもないエネルギーが必要だ。全体像を考える中で不出馬の宣言をした」と説明した。総裁選後に首相は退任する見通し。

 菅首相は9日の記者会見で、政府の新型コロナ感染症対策の問題点を問われて「医療体制をなかなか確保することができなかったのは大きな反省点だ」と認めた。一方で、ワクチン接種の進展や抗体カクテル療法の導入などを成果と訴え、緊急事態宣言下で行われた東京五輪・パラリンピックについても「開催国としての責任を果たした」と述べた。

●緊急事態宣言、19都道府県で延長を決定 今月30日まで

 菅首相は9日、9月12日が期限となる21都道府県の「緊急事態宣言」について、このうち北海道・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・広島・福岡・沖縄の19都道府県で9月30日まで延長することを決定。宮城県と岡山県の2県は、「まん延防止等重点措置」に移行させることを決めた。

 また、「重点措置」が適用されている12県のうち、富山・山梨・愛媛・高知・佐賀・長崎の6県は12日までで解除される。そのほかの福島・石川・香川・熊本・宮崎・鹿児島の6県は、9月30日まで期限が延長される。

 NHK「おはよう日本」9月10日放送 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト 

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●宣言下でも酒提供・旅行可 ワクチン・検査で制限緩和、11月にも 政府基本方針

 政府は9日の対策本部で、ワクチン接種の進展を見据え、行動制限緩和に向けた「基本的方向性」を決定した。希望者へのワクチン接種完了を目指す11月ごろを念頭に、接種証明やPCR検査などの陰性証明を活用し、緊急事態宣言下でも飲食店の酒類提供や県をまたぐ移動を容認。大規模イベントの人数制限も緩和する。制限緩和は段階的に行い、「国民的な議論を踏まえ具体化を進めていく」とした。

 菅首相は9日の記者会見で、「宣言地域であってもワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用し、制限を緩和していく」と表明した。飲食店では、接種・検査証明だけでなく、第三者の認証制度も組み合わせ、宣言やまん延防止等重点措置の対象地域での営業時間短縮や酒類提供、「4人まで」とする会食人数の制限を緩和。イベント開催についても、QRコードによる感染経路の追跡などの対策を講じた上で、人数制限の緩和を検討する。

 都道府県間の移動では、接種済みなどの場合は自粛を求めない。ワクチン接種への動機付けを念頭に、観光振興策の実施を検討。大学などの部活動も接種・検査証明を使うことで可能とした。当面の経過措置として、重点措置の適用地域で行動制限を部分的に緩和する方針。緩和策の実証実験で、人出や感染状況にどのような影響があるか検証する。一方、新たな変異株の出現・拡大などにより、医療提供体制が危ぶまれる事態となれば、再び強い行動制限を取る可能性もあるとした。

●入国者の待機期間、ワクチン接種で14日間から10日間に短縮検討

 新型コロナの水際対策をめぐり、政府は、ワクチンを接種していることを条件に、日本への入国者に求めてきた自宅などでの待機期間を、14日間から10日間に短縮する方向で検討を進めている。政府は、この措置を早ければ今月末から始める方向で調整を進めている。

●変異株「イータ」国内検疫で18件 昨年12月以降

 変異株「イータ株」が昨年12月以降、国内の検疫で18件見つかっていたことがわかった。厚労省が9月3日までの集計として公表した。イータ株は昨年12月に複数の国で初めて確認され、今年3月にWHOが「注目すべき変異株」(VOI)に指定した。警戒度合いはアルファ株やデルタ株などの「懸念される変異株(VOC)」より低い。日本国内で国立感染研でVOCやVOIに指定しておらず、8月末までは公表対象になっていなかった。

●自宅療養中2人死亡 健康観察できず 千葉

 新型コロナに感染した千葉県内の男性2人(50代と60代)が自宅療養中に死亡したと、県が9日発表した。県は、保健所の引き継ぎミスや業務の逼迫で適切な健康観察が行われなかったなどとして謝罪した。

 県によると、60代男性は8月13日に陽性が判明し自宅療養となった。17~24日の8日間、本人や家族に電話がつながらなかったが、保健所の業務が逼迫し自宅訪問ができなかった。25日も電話がつながらず、保健所担当者が訪れ死亡が確認された。50代男性は保健所から県庁への引き継ぎができておらず、8月28~30日、健康状態の確認ができていなかった。31日に電話したがつながらず、9月1日に自宅で亡くなっているのが見つかった。

 県内の自宅療養者は8月23日時点で約1万人。1カ月間で約10倍に膨れ上がっている。熊谷知事は「感染者が急増し、保健所業務が逼迫した中で適切な健康観察等が行えず申し訳ない。保健所の事務手順を再確認し再発防止する」と謝罪した。

●子ども園79人感染 マスクつけない職員も 熊本

 熊本市のこども園で、職員14人と園児65人の計79人が新型コロナに感染し、クラスターと認定された。市によると、同園については昨年8月~今年5月、保護者から「職員がマスクをしていない」などと指摘する連絡5件が市にあった。市が電話で確認したところ、園側は「子どもの発達のためには、表情を見せることが大事」など、マスクを着けない理由を説明。マスク着用の必要性については「分かりました」などと答えていたという。

 しかし、8月24日以降、同園で感染者が確認されたことを受け、市が同月31日に職員を派遣したところ、マスクを着けていない職員や、体調不良でも出勤していた職員がいたこと、雨の日は窓を開けての換気をしていなかったことなどが確認された。市は「様々な要因が複合的に重なって大規模(なクラスター)になった」として、感染対策を改めて指導した。

●都内病床、目標7000床届かず

 東京都は9日、改正感染症法に基づいて国とともに都内の医療機関に新型コロナ患者の病床確保を要請した結果、9月末までに約190の医療機関で6651床(重症503床)確保できる見通しになったと発表した。改正感染症法に基づく要請に、コロナ入院患者を受け入れるすべての医療機関から回答があり、今後段階的に増やす。要請前の5967床から684床増え、このうち重症者用は111床増えて503床になる。ただし、都が目標としていた7000床には届かなかった。

●コロナ感染、20代最多 20歳未満も全体の20%超 7日までの1週間

 9月1日から7日までの1週間に、新型コロナの感染が確認された人を年代別にみると、20代の割合が最も高くなっていて、20歳未満も全体の20%余りを占めていることが、厚労省のまとめでわかった。

●国内感染、3日連続1万人超

 国内感染者は9日現在、新たに1万397人が確認され、3日連続で1万人を超えた。88人が死亡し、重症者数(8日時点)は前日より38人減って2173人だった。東京都は1675人で、前週の木曜日(2日)より1424人減った。前週の同じ曜日を下回るのは18日連続となった。40~80代の男女19人が死亡した。沖縄県の感染者は336人で、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は199.31人と全国最多。重症者の病床使用率は75.7%と高い水準が続く。

【9月10日】

●学校再開割れる判断 苦渋の簡易給食 パンや牛乳中心

 19都道府県で緊急事態宣言が月末まで延長されるなか、学校を全面的に再開するかどうか、自治体の判断が割れている。休校や分散登校を続ける地域がある一方で、当初、宣言が解除予定だった13日から対面授業を再開するところも。子どもたちの学校生活が、収束の見えないコロナ禍に振り回されている。

 コロナ下の学校で、メニューをパンと牛乳などに絞った簡易給食を取り入れる動きが相次いでいる。「量が足りない」といった批判もあるが、教育現場では、感染リスクが高まる給食の時間をいかに安全なものにするか、試行錯誤が続いている。

●国内で「イータ株」、18人感染 国内で感染判明は初

 厚労省は、去年12月から9月3日までに国内に到着した人のうち、検疫の検査で陽性となった人の検体を国立感染研で遺伝子解析した結果、合わせて18人が変異ウイルス「イータ株」に感染していたと公表した。国内でイータ株への感染が判明したのは初めて。

 「イータ株」は去年12月に英国で最初に確認され、欧米を中心に70か国以上で感染が報告されている。WHOは、ことし3月、感染力やワクチンの効果に影響を与える可能性などがあるVOIに指定した。注目すべき変異株には、南米を中心に感染が広がっている「ラムダ株」や、南米や欧州で報告されている「ミュー株」、インドで見つかった「カッパ株」など合わせて5種類が指定されていて厚労省が監視を続けている。

●埼玉の民間病院、新型コロナ専門病院に移行 全国でも最大規模

 埼玉県戸田市にある「公平病院」は、民間のコロナ専門病院としては全国でも最大規模だという。埼玉県の支援を受けてことし3月、プレハブの新型コロナ専用病棟を建てたほか、その後も順次、病院内の病床を転用し、合わせて44床を新型コロナの患者向けに確保していた。しかし、入院が必要な新型コロナの患者が今後も増えると見込まれることから、病院は先月末、新型コロナの専門病院に移行した。

●全国で新たに8895人感染 4日ぶりに1万人を下回る

 国内感染者は10日、午後8時現在で新たに8895人が確認された。金曜日に1万人を下回ったのは、7月23日(4225人)以来。69人が死亡し、今月9日時点の重症者数は前日から48人減って2125人だった。東京都では新たに1242人の感染者を確認。前週の金曜日(3日)より1297人減り、前週の同じ曜日を下回るのは19日連続となった。10日までの1週間平均は1651.9人で、前週比は57.0%だった。

【9月11日】

●「行動制限緩和、事前協議を」 知事会 対象地域の精査も要望

 緊急事態宣言が19都道府県で今月末まで延長されることを受け、全国知事会は11日、オンラインで会議を開いた。政府が打ち出した行動制限の緩和などの出口戦略について、国が知事会など自治体と協議する場をつくるよう求める緊急提言をまとめた。酒類提供などでの行動制限を緩める政府方針に対し、提言は「行動制限の緩和のみが目立つことにより、国民を楽観視させるとすれば、不適切」と指摘し、内容や地域を精査するよう求めた。

 また、緩和のためのPCR検査や陰性証明にかかる費用を国費負担、感染再拡大に備えた立法措置、防疫を一元的に担う組織の創設、なども求めた。会議では「前提条件の議論が不十分。緩和は慎重に」(古田岐阜県知事)などの懸念が相次いだ。一方で「経済は回すべきだ」(長崎山梨県知事)など前向きな意見もあった。 

●18歳未満の患者、ほとんど軽症 デルタ株影響も調査

 国立成育医療研究センターなどの研究グループは、ことし2月までに新型コロナに感染して、全国各地の医療機関に入院した18歳未満の子どもの症状や入院期間などを調べた。それによると、発熱やせきなど、何らかの症状があった730人中、およそ2%に当たる15人が酸素投与を受けていた。うち6人は2歳未満だった。

 また、38度以上の発熱や味覚や嗅覚の異常が一部に見られたが、入院していてもほとんどの子どもは軽症。一方で、入院期間は長期に及ぶケースが多く、両親の入院で行き場がく長引くとみられる。調査した庄司医長は「子どもは重症化しにくいことを国内のデータで示すことができた。現在は、デルタ株の影響で感染者数自体が多くなっているので、酸素投与が必要な子どもも増えるおそれがある。デルタ株で子どもが重症化しやすいか、引き続き分析していきたい」と話している。

●全国の感染8808人 2日連続1万人下回る

 国内感染者は11日現在、新たに8808人が確認され、2日連続で1万人を下回った。56人が死亡し、今月10日時点の重症者数は前日から68人減って、2057人だった。東京都では新たに1273人の感染者を確認。前週の土曜日(4日)より1089人減り、前週の同じ曜日を下回るのは20日連続となった。

【9月12日】

●デルタ株猛威でも感染者減少 厚労省専門家組織の見解

 新型コロナの感染者数が減り始めた。感染力の強いデルタ株の影響もあり、新規感染者数は一時、全国で1日2万5千人を超えていたが、半分程度になった。ここに来て減少に転じたのはなぜか。8日の厚労省の専門家組織の会合後、座長の脇田座長は会見で「増加要因がある一方で、低下させる要因もある。そのバランスのなかで低下のほうが強くなると(感染者数が)下がっていく」。こう話した。

 感染が爆発的に広がった大きな要因は、従来株の約2倍の感染力があるとされるデルタ株。国内では6~7月にかけて全国で急速に置きかわりが進んだ。同じ時期に沖縄県を除き緊急事態宣言が解除されて人出が増えた。7~8月には東京都などに再び宣言が出たが、7月下旬の4連休や夏休みがあり、人出が思うように減らずに感染が広がる要素が多かった。

 こうした増加要因よりも減少要因の効果が上回った。一つはワクチン接種。東京都内では65歳以上の高齢者の2回目接種率は7月上旬の40%程度が、いまは85%を超える。これまでは若者で感染が広がり、重症化しやすい高齢者(60歳以上)の感染者の割合は、3月1日時点で1週間平均で30%に対し9月7日時点は8%。脇田氏は「若者で感染が増え、若者で終わるようになった」といい、これが感染拡大が長びかない一因だとした。

●変異ウイルス「ミュー株」、抗体の効き目7分の1以下に 東大など研究

 WHOが新たに監視対象にした変異ウイルス「ミュー株」には、ワクチンの接種でつくられる「抗体」が効きにくい可能性がある。そんな研究結果を、東大医科学研究所などのチームが報告した。従来の株に比べて、抗体が感染を防ぐ効果が7分の1以下になったという。インド由来のデルタ株や南アフリカ由来のベータ株より効果の低下が大きかったという。

 実験では、本物の新型コロナウイルスではなく、扱いやすい別のウイルスの表面にスパイクだけをつけた「偽ウイルス」を用意。これが実験用の細胞へ感染するのを、ワクチン接種者の「中和抗体」でどのくらい防げるかを調べた。

●全国で新たに7212人が感染、前週比で44%減

 国内感染者は12日現在で、新たに7212人が確認された。前週の同じ日曜日から5698人(44.1%)減り、3日連続で1万人を下回った。41人が死亡し、11日時点の重症者は2010人だった。東京都では1067人の感染が判明した。20代の254人が最多で、10歳未満も111人に上った。死者は50~90代の21人と全体の半数余りを占めた。感染者が全国で最も多かったのは大阪府の1147人。入院中の重症者は前日より6人減の271人で、確保する最大病床(605床)の44.8%。

【9月13日】

●緊急事態宣言 きょうから延長期間に

 東京や大阪など19の都道府県に出されている緊急事態宣言は13日から延長の期間に入り、今月30日が期限となる。政府は期限で宣言を解除できるよう、引き続き自治体とも連携してワクチン接種など対策の徹底を図ることにしている。全国民の5割がワクチンの2回目接種を終え、新規感染者数も減る傾向だが、重症者数は高止まりの状態で医療は逼迫したまま。集中治療を担う全国の専門医が支援のため東京入りし、救命活動が続いている。

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 加藤官房長官は13日午前の記者会見で「引き続き多くの地域で厳しい局面が継続しており、強い警戒感を持って対応していくことが必要。政府としては、これまでも国民の命と暮らしを守ることを最優先に医療提供体制の構築と感染防止、ワクチン接種の3本柱で、各自治体と連携をとりながら進めてきている」。そのうえで「全体として感染者数は減少傾向にあるが、宣言の解除や感染の水準そのものの抑止、医療提供体制の逼迫状況の解消に向けて努力をしていく」と述べた。

●ワクチン接種2回、5割越す 64歳以下まだ3割 専門家「集団免疫は困難」

 13日に更新の首相官邸ホームページによると、12日時点で2回目の接種を終えた割合は50.9%。1回目の接種を終えたのは、63.0%。65歳以上の高齢者は、88.0%が2回接種を終えていた。ただ64歳以下でみると2回接種を終えたのは29.5%、1回接種は43.6%。なお、全人口には接種の対象年齢に満たない子どもも含む。

 6~7月にかけてワクチン供給不足が顕在化し、職域接種では申請が停止するなど混乱もあったが、「1日100万回」ペースは維持している。今後は、若年層の接種ペースが焦点。接種が先行した欧米では、2回目接種率が5~6割程度で頭打ちとなる傾向。若年層への接種が進まない 。11日時点で、2回接種を終えた割合は英国約64%、フランスが約62%、米国が約53%。

 ただ、ワクチン接種後に感染する「ブレークスルー」感染や、ワクチンの効果が落ちるとされるデルタ株の広がりが懸念材料。当初、期待された集団免疫について、政府の分科会は「すべての希望者が接種を終えたとしても集団免疫の獲得は困難」との見方を示す。厚労省は、3回目の接種の必要性について検討している。

●ブースター接種「必要性示されていない」 WHO専門家らが意見論文

 新型コロナワクチンの3回目接種(ブースター接種)について、WHOの専門家らは13日、「現在、入手可能な証拠では、広く行う必要性は示されていない」とする意見論文を英医学誌ランセットに発表した。感染力の強いデルタ株が世界的に流行。時間の経過とともにワクチンの予防効果が低下するおそれが指摘される中、ブースター接種はイスラエルなどで始まり、日本でも検討されている。

 論文は、重症化を防ぐ効果が大幅に低くなっているという証拠はないと指摘。デルタ株に対しても、現状の規定回数を接種すれば、重症化を防ぐ効果は高く保たれている、としている。ワクチン供給に世界的な偏りがあり、ブースター接種を広く進めるよりも、「これまで接種を受けていない人々に使われるほうが、より多くの命を救える」と主張。ブースター接種で重い副反応が出れば、ワクチン全般への信頼性に影響しかねないとした。

●チリ、6歳以上の子どもに中国製ワクチン

 南米のチリでは、中国製ワクチンを中心に接種が進み、18歳以上の接種率は80%を超えていて、ことし6月からは12歳以上の子どもに対しても接種を進めている。しかし、感染力の強い「デルタ株」やコロンビアで最初に確認された「ミュー株」の影響で、このところ子どもの感染者が増えていることから、チリの保健当局は13日、6歳以上の子どもに対してもワクチンの接種を始めた。

 ワクチンは中国製のもので、チリの感染症対策の専門家は「中国で得られたデータから十分な安全性や効果が確認され、これまで国内でもほとんど問題が起きていない」という。子どもへのワクチンの接種について南米では、ウルグアイも12歳以上に対してファイザー製ワクチンの接種を進めている。また、カリブ海のキューバでは先週から2歳以上の子どもに国産ワクチンの接種を始めている。

●愛知「密」フェス、感染計44人に 「感染対策徹底を」知事呼びかけ

 新型コロナ対策が不十分な野外音楽フェスティバル「NAMIMONOGATARI2021」が愛知県常滑市の中部空港島で開かれた問題で、愛知県は13日、クラスターが26人(12日午後6時時点)になったと発表した。また、ほかの都道府県の発表などもあわせると、フェス関連の感染者は計44人になった。県や名古屋市がフェス参加者に実施している無料PCR検査は計1154人が申し込み、658人の検査結果が判明。陽性者が計8人確認されている。

 大村知事は13日の記者会見で、フェス開催から2週間過ぎたことから「陽性になる人は、もうあまり増えない感じがする」との認識を示した。「クラスターの発生は重く受け止めないといけない。感染対策をしっかりやらないと、音楽イベントはやめろとなってしまう。対策するほかの主催者、参加者には悲しいことだ」と述べた。また、第三者委員会を立ち上げ、9月末をめどに事実関係や原因などをまとめ、政策提言につなげる考え。

●「抗体カクテル療法」、外来患者への日帰り投与始まる 長野・松本

 長野県の松本市立病院では、当初は入院患者だけを対象に行っていた新型コロナの軽症患者などの治療に使われる「抗体カクテル療法」を、13日からは宿泊施設などで療養する人に日帰りでの投与を始めた。病院では、1日に最大6人まで対応できる体制を整えていて、日帰り投与の導入で、病床の不足を防ぐことができるほか、入院の負担がなくなるなど患者にもメリットがある。

●「ワクチンカー」で地域に出向いて接種 大阪・豊中

 ワクチンの接種を若い世代でも進めようと、医師や看護師が「ワクチンカー」と名付けたキャンピングカーに乗り込み、地域に出向いて接種する取り組みが、大阪・豊中市で始まった。これは豊中市が13日から始めたもので、接種を希望するグループが24人以上であれば「ワクチンカー」を市内のどこでも無料で派遣。初日の13日は、市内のお寺に「ワクチンカー」が到着し、近くにある2つの商店街でつくるグループ合わせて48人が車の中で接種を受けた。

 ワクチンカー 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 接種のあとは、寺の本堂に設けられた待機所で体調に変化がないか確認した。豊中市によると、こうした取り組みは全国でも珍しく、市は、ことし11月までに合わせて24回運用する予定で、すでに17回分が予約で埋まっている。 豊中市ワクチン接種対策チームの中根総括は「接種の機会を増やすことで、若い世代にもワクチンを広げていきたい」と話す。

●「デルタ株」患者から検出のウイルス量 従来型の4倍以上か

 感染力の強いデルタ株では、患者から検出されるウイルス量が、従来の新型コロナの少なくとも4倍以上になると推定されることが、PCR検査を一日最大で2万件余り行っている大手の民間検査会社「ビー・エム・エル」のまとめで分かった。PCR検査では、検体に含まれる遺伝子を増幅させてウイルスの有無を調べる。増幅の回数が少ないのに検出されれば、ウイルスの量が多いことを示す。増幅する回数(Ct値)が40以内の場合には「陽性」とされている。

 政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田教授は「デルタ株は非常にウイルス量が多く、のどや唾液の中に多く存在する。ちょっとした会話でも出てくるマイクロ飛まつの中に相当量のウイルスがあると考え、不織布マスクを使うことに加え、換気を徹底するなどが必要だ」と話す。

●東京・台東区 路上生活者など対象にワクチン集団接種

 東京・台東区は、今月10日から区内の路上生活者、いわゆるホームレスの人たちやインターネットカフェで寝泊まりをしている人などを対象にしたワクチンの集団接種を始めた。 こうした人たちは、ワクチンの接種券が手元に届いていないため、これまでは支援団体などから相談があった際は、区が個別に本人に名前や生年月日などを聞き取って、接種につなげてきた。

●国内で新たに4171人が感染 7週間ぶりに5千人を下回る
 
 国内感染者は13日現在で、新たに4171人が確認された。5千人を下回るのは、同じ月曜だった7月26日(4690人)以来7週間ぶり。死者は50人、12日時点の重症者は1975人だった。東京都では新たに611人の感染を確認。前週の月曜から357人減り、前週の同じ曜日を22日連続で下回った。700人を下回るのは7月12日(502人)以来だった。

【9月14日】

●日経平均終値、バブル崩壊後の最高値3万670円 接種進展で経済活動へ期待

 14日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比222円73銭高の3万670円10銭で、1990年8月1日以来、約31年ぶり、バブル崩壊後の最高値をつけた。ワクチン接種を2回終えた人が国民の半数を超え、経済活動が正常化するとの期待から、買い注文が優勢。景気の動きに敏感な海運や石油を始め、幅広い銘柄が買われた。景気回復の恩恵を受けやすい半導体株の上昇も目立つ。

 日経平均は2月に3万円の大台に乗せたが、新規感染者数が増加し、8月下旬には2万7千円台まで下落した。今月3日の菅首相の退陣表明を受けて、新政権が経済対策を打ち出すという期待から、株価は急激に上昇している。日本株はコロナ禍からの景気回復で先行した米国株に比べ、上昇が遅れていた。東証1部の売買代金で7割を占める海外投資家を中心に、買い注文が目立っているようだ。

●受験生のワクチン優先接種、大学や自治体に要請へ 萩生田文科相

 入学試験を控えた受験生へのワクチン接種をめぐり、萩生田文科相は14日、接種を実施する大学や自治体に対し「速やかに接種を受けられるよう特段の配慮をお願いしたい」と述べ、希望する受験生には優先接種を行うよう、要請する考えを示した

 学校関係者などからは、高校や大学などの入学試験を控えた受験生に対するワクチンの優先接種を求める声が出ている。こうした状況を受け、文科相は閣議のあとの記者会見で「接種を希望する受験生が速やかに受けられるよう、入試の時期も踏まえつつ、特段の配慮をお願いしたい」と述べた。そのうえで、受験生へのワクチン接種を促進するため、先行して取り組んでいる自治体の事例を全国の自治体に通知することも明らかにした。

●大阪大学に感染症の研究拠点 日本財団が230億円を助成

 大阪大学に感染症の基礎研究を行う研究拠点が設けられ、日本財団が230億円を助成すると、14日発表した。国内で、民間の財団が大学に対してこれほどの規模の助成を行うのはほとんど例がなく、大学では、パンデミックに備える基礎研究を進めるとしている。

●厚労省、コロナ病床確保見直しを都道府県に要請へ 感染再拡大に備え

 厚労省は14日、新型コロナ患者を受け入れる医療体制を強化するよう都道府県に通知した。病床の確保計画を再び見直すことを近く求めることも示した。自宅療養中に亡くなる感染者が相次いでいる現在の「第5波」を踏まえ、次の感染拡大期に備えて臨時の医療施設の整備などを重視する。

 現在の計画は今年6月に改定。1日当たりの新規感染者が冬の「第3波」で最多だった約8千人の倍になっても対応できることを目指した。全国で3月中旬より約4800床多い約3万5千床を確保したが、7月末からの第5波では病床が足りなくなった。入院できず、自宅療養中に体調が悪化しても治療を受けられないまま死亡する例も相次ぐ。

 田村厚労相は閣議後の会見で「臨時医療施設や入院待機施設を、病床を補完するような形で整備していくのが非常に重要だ」と強調した。新型コロナに対応できる病床を既存の医療機関でさらに大きく増やすと、一般医療の制限が続き、他の疾病の患者への影響が大きいため。臨時の医療施設の整備を重視していく考え。

●厚労省、交差接種を限定的に認める検討 1回目に強い副反応なら

 ワクチン接種をめぐり、1回目と2回目で違うメーカーのものを使う「交差接種」について、田村厚労相は14日の閣議後記者会見で、17日の有識者による審議会で検討を始めることを明らかにした。1回目の接種後に重いアレルギー反応「アナフィラキシー」などの強い副反応を起こした人を対象とする。月内にも決める方針。現在は同じ種類のワクチンを2回打つことになっており、1回目に重い副反応が出た人は、2回目は受けられない。

 認めることになれば、ファイザーやモデルナ製のワクチンとタイプが異なるアストラゼネカ製が選択肢になるとみられている。アナフィラキシーは8月下旬までに米ファイザー製で接種1億180万9021回のうち439件、米モデルナ製で1650万1085回のうち25件報告されている。8月に接種が始まったアストラゼネカ製は集計期間の接種が35回にとどまり、副反応報告はない。

●国内感染6277人 都内で初の宿泊療養中の死者

 国内感染者は14日現在で新たに6277人が確認された。前週の同じ火曜日と比べて41%減り、全国的に減少傾向が続いている。東京都の感染者は1004人で、前週の火曜日から625人減少。また、都は14日、宿泊療養中だった60代男性が死亡したと発表した。都内で新型コロナの宿泊療養者が亡くなったのは、初めて。

【9月15日】

●第5波、50代以下の現役世代の死亡割合が増加

 新型コロナの感染の第5波では、50代以下の現役世代で亡くなった人が占める割合がおよそ17%と、それ以前の感染拡大時より高くなっていることが分かった。専門家は、ワクチン接種の効果で高齢者の死亡が抑えられてきたため、接種が進んでいない50代以下の割合が増えているとしている。

 分科会メンバーの東邦大学舘田教授は「接種が進んでいない50代以下の世代では、亡くなる人の実数は大きく変わらないものの、割合が増えている。今後、接種が進んで亡くなる人は減っても、再び感染して広げてしまうリスクもあるので、しばらくは対策を継続することが重要だ」と話す。

●シンガポール、接種率8割でも感染急増 「コロナ共存」へ試練

 人口約570万人のシンガポールでは、ワクチン接種完了率は8割を超えたが、新規感染者は12日まで3日連続で500人を超えた。人口比で考えると日本で1万人超に匹敵。ワクチン接種者を対象に1組5人までの外食を認めるなど、厳格だったコロナ制限を一部緩和したのが響き、感染者が8月下旬から急増し始めた。

 経済への打撃が大きいコロナ根絶戦略から、「コロナとの共存」に向けて行動制限緩和に切り替えたところ、早くも試練に直面した。それでも、ワクチン接種浸透により重症化リスクは着実に低下。政府は、感染者が出ても重症者が増えなければ規制を緩めていく出口戦略を描く。

●ワクチン、浮遊物は製品由来 ファイザー「安全性に問題ない」

 国内各地で米ファイザー製の新型コロナワクチンの瓶の中に、白い浮遊物が見つかった問題で、同社の日本法人は17日、回収した白い浮遊物を調査した結果、いずれも製品由来のもので「安全性に問題がないことを確認した」と発表した。ファイザー製ワクチンを巡っては13日以降、3市などで相次いで白い浮遊物が見つかっている。ロット番号はいずれも同じ「FF5357」だった。

 同社によると、希釈する前の液に浮遊物が見つかっても、希釈して溶かせば問題なしとしている。まれに瓶を反転させても溶けずに残ることがあるという。

●尾身氏、コロナ収束「2、3年はかかる」

 政府の「分科会」の尾身会長は15日の衆院厚労委員会で、新型コロナの感染について「一生懸命ワクチンを接種してもゼロにすることはできない。ウイルスとの闘いは続く」と指摘した。その期間については「2、3年プラスかかると思う」と述べた。立憲民主党の尾辻議員への答弁。

 政府がワクチン接種の進展を条件に検討している行動制限の緩和については、「接種率が上がったからといって、制限を急に緩めると必ずリバウンドが来る」と指摘。緊急事態宣言下でも飲食店での酒類提供や大規模イベント開催を認める方針には「宣言を解除した後、感染が落ち着いてきた時に徐々にやっていくのがこれから取る道だ」と、あらためて宣言解除後に実施するべきだとの考えを示した。

 2回のワクチン接種を終えた人を対象にした「ブースター接種」に関しては、有効性を示すデータがあるとして、政府に早期検討を求めた。その上で、ワクチンが行き届いていない国への配慮として、日本から台湾への無償提供を例に「国際社会の一員として、余裕があればそういう貢献も同時に考えるべきだ」と話した。

●国内で新たに6806人感染 前週水曜日から45%減

 国内感染者は15日現在で新たに6806人が確認された。前週の水曜日(8日)と比べて45%減った。死者は74人、重症者は1834人。

 以下5枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 東京都の感染者数は1052人。前週の水曜日から782人減り、前の週の同じ曜日を24日連続で下回った。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用とする都基準の重症者数は、前日から10人減って198人。重症者が200人を下回るのは8月11日以来。

20210915_tokyo

 西村経済再生相は12日のNHK番組で、ワクチン接種について「半数以上の方が2回目接種を終えていると思う」と指摘、現状のペースなら9月末には6割を超え、今の欧州並みの水準になるとの見通しを明らかにした。

20210915_vaccine_total

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