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2021年7月24日 (土)

新型コロナ2021.06 第5波警戒

   2021年4月、全国的に「第4波」が押し寄せる。東京・大阪・兵庫・京都の4都府県は、「まん延防止等重点措置」の効果が不十分だとして、4月25日から3度目の「緊急事態宣言」が発出された。期限は5月11日だが、5月31日に、更に6月20日に延長された。21日からは7都道府県の宣言は、「まん延防止」へ移行。専門家や国民の五輪開催の懸念をよそに、菅首相はワクチン接種の加速と有観客の五輪開催へと強気に進める。しかし首都圏の感染状況は下げ止りから増加に転じ、来月の五輪期間中に「第5波」が襲う懸念が高まっている。

 2021年6月16日から30日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.06 デルタ株」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【6月16日】

●米カリフォルニア州・ニューヨーク州 ワクチン接種進み、ほぼすべての制限解除

 米国西部カリフォルニア州では、新型コロナのワクチンの接種が進み、新たな感染が抑えられているとして、州政府は15日、店舗への入場制限などのほとんどの規制を解除し、経済活動が全面的に再開した。

 ニューヨーク州のクオモ知事は15日、州内の18歳以上の70%がワクチンを少なくとも1回接種したとして、ほぼすべての制限を解除すると発表した。小売りや飲食、エンターテインメントなどの商業施設で、マスクの着用や隣の人との距離をとるなどの制限が解除された。ただ、学校や公共交通機関では引き続きマスクの着用が求められる。

●コロナ禍の外出自粛で筋肉量減少 熱中症のリスク高まる

 コロナ禍で外出を自粛している人は、筋肉の量が減って熱中症になりやすくなっているとして、16日医療従事者でつくる団体が、暑さが本格化する前に運動を始めてほしいと呼びかけた。「教えて!『かくれ脱水』委員会」の富和医師は「熱中症は例年、梅雨明けに急増するが、ことしは外出の自粛が長引いたことで暑さに慣れていない人が多い。体調に気をつけながら運動をしてほしい」と話している。

 令和3年度熱中症予防行動のリーフレット(環境省と厚生労働省) 出典:厚労省HP

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 6月、厚生労働省の新型コロナ感染症「専門家会議」からの提言(5月4日)を踏まえ、新型コロナを想定した「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめた。

●マスク 初の公的規格 ウイルス遮断力など基準

 政府は16日、医療用と一般用のマスクについて、性能基準や試験方法を定めた日本産業規格(JIS)を制定した。コロナ禍で需要が増えるが、これまで公的規格がなかった。

 医療用、一般用ともにウイルスや花粉を遮断する能力や通気性などについて、性能基準などを設ける。基準を満たした製品を業界団体「日本衛生材料工業連合会」(日衛連)が認証する。素材や形状は問わない。一般用では、ウイルスなどを95%以上遮断することなどが要件。製品に「洗濯可能」と表示する場合は、洗濯後にも基準を満たす必要がある。日衛連はJISを取得した製品用のマークをつくるという。

●変異株の感染防ぐ中和抗体 富山大学などが作製に成功

 様々なタイプの変異した新型コロナが、細胞に結合するのを防ぎ、感染を防ぐことができるとする「スーパー中和抗体」を人工的に作ることに成功したと、富山大学などの研究グループが16日会見を開き発表した。製薬会社と連携し、治療薬としての開発を目指したいとしている。

 富山大学杉谷キャンパス(医学部・薬学部) 出典:ウキメディア・コモンズ

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●4月以降の「措置」と「宣言」、大阪で効果も 東京では効果確認できず

 今年4月以降に出された「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」の効果について、国立感染症研究所(国立感染研)などの研究グループが分析したところ、大阪府では重点措置と宣言、どちらも感染者数の減少に対する効果が確認できた一方で、東京都では、効果を明確には確認できなかったとする結果をまとめた。

●大阪府「宣言解除ならまん延防止措置の適用を」 政府に要請

 「緊急事態宣言」の期限が今月20日に迫る中、大阪府は16日対策本部会議を開き、吉村知事は「リバウンドを何としても防がないといけない状況であり、宣言を単純に解除することには反対だ。『まん延防止等重点措置』で感染対策を取っていくことが非常に重要」と述べた。

 そして、府内では新規の感染者数は減少したものの、再び感染が拡大すれば、医療提供体制の逼迫は避けられず、感染を抑え込むため、引き続き、集中的な対策が必要だとして政府に対し、宣言を解除する場合は「重点措置」を適用するよう16日政府に正式に要請した。

●宣言解除後、人出増えれば 五輪中に再び宣言レベルの可能性 京都大

 京都大学の古瀬特定准教授と東北大学、それに国立感染研のグループが、6月20日に「緊急事態宣言」が解除された場合の東京都の感染状況についてのシミュレーションを行い、五輪開催期間中に再び「緊急事態宣言」のレベルまで感染者数が増加する可能性があるとする結果を16日開かれた厚生労働省の専門家会合で示された。

 シミュレーションでは、宣言が今月20日に解除された場合、東京都の1日当たりの感染者数がどう変化するかを試算。その結果、デルタ株の影響が比較的小さいと仮定した場合でも、宣言を解除したあとに人出が10%増えると五輪期間中の人出の増加がなくても8月の前半に再び「緊急事態宣言」のレベルとなる1日1000人を超える結果となった。また、五輪期間中にさらに人出が5%増えた場合は、8月はじめには1000人を超える計算になった。

 京都大学のグループによる感染者数のシミュレーション 出典:NHK WEB NEWS

京都大学のグループによる感染者数のシミュレーション 出典:NHK WEB NEWS

●高齢者のワクチン接種、全国すべての自治体で7月末終了の見通し

 高齢者向けの新型コロナのワクチン接種について、全国すべての自治体が、7月末までに終えられる見通しだと、政府が16日時点で行った最新の調査でわかった。

●大規模接種会場20日まで、予約枠すべて埋まる

 政府が設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」をめぐり、防衛省は16日、東京、大阪の両会場で午後8時までに17~20日接種分の予約枠がすべて埋まったと発表した。キャンセルが出た枠は接種前日まで予約ができる。16日午前0時から18~64歳の人も予約できるようになったことが影響したとみられる。

●子どもへのワクチン接種「個別接種が望ましい」 小児学会などが見解

 子どもに対する新型コロナのワクチン接種について、日本小児科学会は16日、保護者や子ども本人に丁寧な対応が必要だとして、集団接種よりも「できれば個別接種が望ましい」との見解を発表した。感染予防策としてワクチン接種は「意義がある」としたうえで、副反応の説明や接種前後の健康観察を入念にするように求めている。ほかに、子どもに関わる仕事をしている人へのワクチン接種を終えることが重要だと指摘。基礎疾患がある子どもは、健康状態をよく把握している主治医との相談が望ましいとした。

●「緊急事態」、沖縄除き20日で解除 7都道府県、まん延防止へ
 
 菅首相は16日、東京や大阪など9都道府県への「緊急事態宣言」について20日の期限で解除する方針を固めた。解除後、東京や大阪など7都道府県は宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に切り替え、飲食店での酒類の提供は条件付きで午後7時まで認める方向で調整している。一方で病床逼迫が続く沖縄県は宣言を延長する意向。いずれも適用期間は7月11日までの予定。

 今月17日に専門家らでつくる「基本的対処方針分科会」に諮り、了承されれば政府対策本部で正式決定する。7月23日に東京五輪の開会式を控え、政府は東京などでの感染再拡大を警戒する。また、20日に「重点措置」の期限を迎える埼玉・千葉・神奈川の首都圏3県は「重点措置」を延長、岐阜県と三重県は解除する。

 一方、政府は16日、新型コロナ感染症対策「分科会」に新たなイベントの人数制限案を諮り、了承された。「緊急事態宣言」や「重点措置」下での「収容人数の50%を上限に最大5千人まで」は維持する。そのうえで、これまで「重点措置」の適用から外れた地域は「5千人か50%の多い方」としていたが、解除から1カ月程度は「5千人か50%の多い方」に1万人を観客上限とする経過措置を講じる。

●解除後の「第5波」警戒 下がりきらぬ感染者数・変異株

 今回の「緊急事態宣言」の解除方針は、東京などですでに人の流れが増えている地域もあり、変異株の拡大も懸念される。東京五輪まで1カ月を前に対策の判断を誤れば「第5波」を招きかねず、専門家は警戒感を強めている。医療提供体制や感染状況を示す指標で、依然厳しい状況にあるのが沖縄。病床使用率、10万人あたり新規感染者数、療養者数がいずれも最も深刻な「ステージ4」を脱せずにいる。北海道、愛知、大阪も療養者数がまだ多い。

 東京や大阪では3月の2回目の宣言解除時と比べ、感染者数が下がりきっていない。人口10万人あたり新規感染者数(15日までの直近1週間)は東京19人、大阪は9.3人。2回目の解除時はそれぞれ15人、5.7人だった。東京都医学総合研究所の分析によると、東京の主要繁華街の6月初旬の人出は5月初旬に比べて夜で32%、昼で26%増えているという。今回は、解除後に酒類の提供をどうするかが焦点になっているが、提供が再開されれば、夜の人出はさらに増える可能性がある。

●コロナ死者、全都道府県に 東京は下げ止まり?

 新型コロナの国内感染者は16日現在、新たに1710人が確認された。死者は80人だった。全国で唯一、感染者の死亡が確認されていなかった島根県が初の死者を発表。これで全47都道府県で死者が出たことになる。重症者は803人(15日時点)で、前日から24人減った。

 感染者が最も多かった東京都は501人で、前週の水曜日(9日)と比べ61人増えた。500人台は今月3日以来で、16日までの1週間の平均感染者数は384.6人と前週の95.8%だった。前週比は12日まで80%台で推移していたが、13日以降90%台となり、日ごとに下げ幅が小さくなっている。都の担当者は「いつ下げ止まってもおかしくない」と警戒する。2番目に感染者が多かった神奈川は210人。沖縄の115人が続いた。大阪府は108人の感染を発表した。

【6月17日】

●日本が無償提供のコロナワクチン、ベトナムに到着

 日本政府がアストラゼネカなどが開発したワクチンおよそ100万回分を台湾に続いてベトナムに無償で提供し、16日夜、首都ハノイの空港に到着した。空港にはロン保健相らが駆けつけた。ベトナムはこれまで厳格な対策で新型コロナの感染拡大を抑え込んできたが、4月末以降、変異株の拡大などに伴って感染者数が大幅に増えている。

●緊急事態20日解除決定 沖縄除き 7都道府県、重点措置へ

 政府は17日、10都道府県に出している「緊急事態宣言」について、沖縄県を除き期限の20日で解除することを正式に決めた。解除後、北海道・東京・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡の7都道府県は「まん延防止等重点措置」に移行する。病床逼迫で宣言を延長する沖縄県とともに、来月11日まで適用する。岡山・広島県は全面解除。また「重点措置」を適用中の埼玉・千葉・神奈川の首都圏3県も、来月11日まで期限を延長。一方、岐阜県・三重県は期限の今月20日で解除する。

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 菅首相は17日夜の記者会見で「(感染)再拡大により、医療逼迫の兆しがみられた場合には、酒類提供の一律停止など対策強化も含め機動的に対処する」と述べた。首相会見に同席した尾身氏は「感染のレベルを上げる要素がかなりある。今までより強いリーダーシップが今この時期に求められている」と警鐘を鳴らした。

 21日からの重点措置地域では、飲食店で酒類の提供を条件付きで認める。感染防止対策がとられていることを示す都道府県による「第三者認証」の取得や、同一グループの入店は原則4人以内など一定要件を満たせば、午後7時まで酒類の提供を認める。営業時間は午後8時までとする。知事判断で提供停止など規制強化もできるとしており、東京都は18日中にも方針を公表する。

●五輪ありきの宣言解除

 4月下旬に始まった「緊急事態宣言」の解除が決まった。だが、首都・東京はここに来て新規感染者数が下げ止まり、専門家から「第5波」への警鐘が鳴る。菅政権は、宣言解除で東京五輪に向けた祝祭ムードを高めるねらいだが、感染再拡大(リバウンド)を加速させるリスクも抱え込んだことになる。

 17日夜、9都道府県の宣言解除を決めて記者会見に臨んだ菅首相は、冒頭から国民への「お願い」を続けた。「何よりも警戒すべきことは、大きなリバウンドを起こさないことだ」。そう語り、酒類の提供やスポーツなどのイベント制限が続くことなどに理解を求めた。

 今回の解除は、とりわけ東京などで異例さが目立つ対応となった。17日の東京の新規感染者数は452人。宣言を出す基準となる「ステージ4(感染爆発)」相当の500人は脱しているが、前回の解除を決めた3月18日よりも120人以上多い。3月は解除後にリバウンドが進み、1カ月余りで再宣言に追い込まれた。

●宣言解除、野党から懸念 衆参議運委 再拡大を不安視

 沖縄県を除いた9都道府県の「緊急事態宣言」解除について政府は17日、衆参の議院運営委員会で報告した。野党からは宣言解除の判断や、感染の再拡大を懸念する声があがった。東京五輪・パラについて「開催ありき」で進む政府の姿勢を批判する声も出た。立憲民主党の吉川氏は、「前回(3月)より新規感染者数が30%以上多いのに、解除に至ったのはなぜか」と指摘した。西村経済再生相は、関連する指標が「ステージ3」相当以下となり、「とくに病床が安定している」と理由を説明した。

 大会中でも感染が拡大すれば、「緊急事態宣言」を出すのかと立憲の吉川氏が尋ねると、西村氏は「必要であれば緊急事態宣言を機動的に発動する」と語った。ただ、共産党の倉林氏が参院議運委で「緊急事態宣言が発令されるような場合、(五輪を)中止するのか」と問いただしたのに対し、西村氏は「国民の命を守ることが最優先だ」と話したが、「東京大会に関する最終的な判断権限はIOCにある」と述べるにとどめた。

●酒対応、知事判断割れる 埼玉「1人飲み」 都は政府の「要件」待つ

 政府は21日以降、「まん延防止等重点措置」へ移行する7都道府県と、重点措置が続く首都圏3県で、条件付きで午後7時までの酒類提供を認めたが、知事の判断で提供を停止できるとした。各地の酒類提供はどうなるのか。

 「重点措置」が継続される埼玉県は17日の対策本部会議で、適用区域を15市町から、さいたま・川口の2市に絞ることを決めた。酒類提供については21日以降、両市の飲食店には午後8時までの時短要請を継続したうえで、感染防止策の県の認証を受けることを条件に、「一人飲み」「同居家族飲み」を認める。重点措置の対象外の地域では午後9時までの時短要請とし、酒類提供は「一人飲み」と「同居家族飲み」に加えて、「1グループ4人以下」も認める。大野知事は16日夜、「感染者が減ってきたので、(飲食店に)光を示す必要があると考えた」と説明した。

 千葉県は県内の感染状況変化を考慮して、重点措置区域を見直す。千葉・市川・船橋・松戸・柏など12市のうち東京寄りの柏・野田・流山・八千代・我孫子・鎌ケ谷の6市を外し、県南の市原・君津・木更津・袖ケ浦・富津の5市を加える。酒類提供も、換気やアクリル板の設置、滞在時間の制限など県の条件を満たせば、午後7時までの酒類提供を認める。熊谷知事は17日、「県内の感染状況は横ばいで下げ止まっている。依然として警戒が必要な状況で、重点措置の継続はやむを得ない」と話した

 政府の「分科会」は17日、重点措置地域での都道府県の具体策を定めた基本的対処方針で、酒類提供について「一定の要件」を満たせば午後7時までの提供を認めるとしたが、「一定の要件」の中身は、政府が改めて示すとした。このため東京都、神奈川県、大阪府、京都府は17日に対応を決めず、18日以降に決めることにした。

●経済立て直し 残る格差 消費の追い風に

 3度目の「緊急事態宣言」は沖縄県を除き、20日の期限で解除される。ワクチン接種も進むなか、夏休みを控えた旅行業界などでは、消費回復の兆しもみられる。ただ、東京五輪を控え、酒類の提供など一定の制約が続き、飲食業には厳しさが残る。非正規労働者がしわ寄せを受ける雇用現場の格差を埋めていく手立ても急務。

 日本観光振興協会は17日、かき入れ時となる夏休みを控え、ワクチン接種の早期拡大と接種歴を証明するワクチンパスポートの導入を求める「緊急アピール」を発表した。政府の観光支援策「GoToトラベル」の再開は秋以降になるとの見方が強いが、ワクチン効果による旅行需要の復活に期待をかける。

●観客最大1万人 政府調整 五輪・パラ

 政府は東京五輪・パラの観客について、「最大で1万人」を入れる案で最終調整に入る。専門家らの意見を踏まえ、週明けにも開く東京都、大会組織委員会、IOCなどとの協議で決めたい考え。政府は17日の対策本部で、「緊急事態宣言」や「重点措置」が解除された場合の大規模なイベントの制限について対応を確認した。これまで「重点措置」から外れた地域は「5千人か収容人数の50%の多い方」としていたが、解除から1カ月程度はこれに「1万人」を上限とする経過措置を新たに加えた。

 五輪の観客も、これに準じた対応とする。東京の「重点措置」が一定時期までに解除されれば上限を「1万人」とし、「重点措置」が適用されていれば「収容人数の50%を上限に最大5千人まで」とする方向。感染状況が悪化して「緊急事態宣言」となれば「無観客」で調整する。

 ただ五輪で観客を入れることに、専門家から厳しい見方も出ている。17日、「基本的対処方針分科会」メンバーの釜萢(かまやち)日本医師会常任理事は、「プロ野球やJリーグの規模とはまったく違う。大きな会場が東京の中でもいくつも同時に開催され、それに対する国民の関心も非常に高い」と述べた。五輪観客をめぐっては、3月に海外の一般観客受け入れを断念。組織委の橋本会長は4月、「無観客という覚悟は持っている」と発言したが、ワクチン接種の進展を背景に、政権や大会関係者に「有観客」を求める声が強まっていた

●64歳以下も接種 自衛隊大規模会場

 政府が東京と大阪に設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」で17日、64歳以下の人の接種が始まった。これまでは対象者を65歳以上としていたが、14~27日の2週間の予約枠が当初埋まらなかったため、対象年齢を引き下げていた。防衛省によると、16日午後8時時点で、17~20日の東京会場(予約枠4万件)、大阪会場(同2万件)は予約枠が埋まった。さらに、17日午後5時時点で、21~27日の東京会場(同7万件)も予約枠が埋まった。大阪会場(同3万5千件)は約1万7千件の空きがある。

●ワクチン「週内には1日100万回か」 河野担当相言及

 ワクチン接種をめぐり河野行政改革相は17日、「今週中には1日100万回(接種)が達成されることになるのではないか」と述べた。菅首相が掲げた「1日100万回接種」が近く実現するとの見通し。接種記録システム(VRS)の高齢者の接種回数が、15日は約57万回だったという。自治体によっては、後日まとめて接種記録を入力するケースもあり、リアルタイムで接種数を把握する仕組みにはなっていない。未入力分は、自治体が入力した時点で更新されるが、15日は計96万回の接種があったと想定されたという。

●国内感染1554人

 国内感染者は17日現在、新たに1554人が確認された。死者は47人だった。重症者は763人(16日時点)で、前日から40人減った。

【6月18日】

●尾身氏ら「五輪、無観客望ましい」「有観客なら基準厳しく」 政府や主催者に提言

 政府「分科会」の尾身会長らは18日、東京五輪・パラ開催に伴う新型コロナの感染拡大リスクに関する提言を政府と大会組織委員会に提出した。尾身氏や厚労省「専門家組織」座長の脇田・国立感染研所長ら26人の感染症などを専門とする「有志」の連名でまとめた。政府宛ては西村経済再生相に、組織委は橋本会長に尾身氏らが手渡した。国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)にも伝えるよう求めた。

 提言では五輪について「規模や社会的注目度が通常のスポーツイベントとは別格で感染拡大や医療逼迫のリスクがある」と指摘。無観客での開催が望ましいとした上で、観客を入れる場合でも①観客数は現行の大規模イベント開催基準よりも厳しく、②観客は開催地の人に限る、③感染拡大・医療逼迫の予兆を探知した場合は無観客に…を求めた。

 大会主催者に対しては、不特定多数が集まる五輪関連イベントなどの中止を求めた。政府には、感染拡大や医療の逼迫の予兆を察知した場合、五輪開催中でも「緊急事態宣言」などを出せるようにすることを要求。大会主催者や政府はリスクをどう認識し、いかに軽減するのかを早急に市民に知らせる必要があるとした。また、応援イベントで盛り上がる人たちの映像がテレビなどで流れると、「矛盾したメッセージ」となり、「感染対策への協力を得られにくくするリスク」があるとした。

 日本記者クラブでオンライン記者会見した尾身氏は、提言をまとめた理由について「感染拡大のリスクがある中で五輪を開催すれば、どのようなリスクがあるのかをまとめるのがプロとしての責任だと考えた」と強調。五輪開催の可否について脇田氏は「当初は提言の中で、中止推奨も選択肢に入れるべきではないかという議論もあったが、我々が判断すべきではないということになった」と記述を見送った理由を説明した。

●尾身氏らの五輪リスク、政府の認識・軽減策問う

 五輪まで1カ月あまり。尾身会長らの東京五輪・パラの開催に関する提言を、政府がどう対応するのか問われている。18日夕、日本記者クラブで会見した尾身氏は 、「リスクを評価することが我々の責任。その評価をどう採用するかは政府、主催者の責任」と役割の違いを強調し、今後の感染状況について強い懸念を示した。

 五輪がなくても、首都圏では7月にかけて感染が再拡大する可能性が高い。東京では新規感染者が下げ止まり、人出の数が増え続けている。そこに夏休みの旅行、帰省、五輪が重なる。ワクチン接種が進んだとしても8月下旬のパラ開催時期には「重症患者数が増え、医療提供体制への負担が発生するリスクがある」とした。

 これに加え、規模、注目度で「別格」の五輪のリスクを強調する。1日あたりの販売済みチケット数は、4都県の会場でピーク時で約43万人。都道府県を越えた移動が集中し、「人流・接触機会や飲食の機会が格段に増加する」と指摘。政府には、感染拡大の予兆を察知したら、時機を逃さず強い対策をとるよう求めた。「例えば2、3週間後に確保病床が満杯になる予兆がわかれば、最低でも2週間前には強い対策を打ってもらう」。

 メンバーの一人は「最初から無観客が基本的スタンス。それでは相手が受け取らないだろうから、観客を入れる条件を記しただけ」と話す。政府は観客を入れる方向で動き出し、提言が遅すぎたという見方も強い。提言のとりまとめに関わった専門家は「遅くなったのは、決して出し惜しんだわけじゃない。本当にギリギリまで議論していた」と明かす。争点になっていたのは「無観客が望ましい」という文言だった。

■専門家の動き、政権は警戒

 専門家の動きが取り沙汰され始めた5月末ごろから、菅政権は「尾身提言」に神経をとがらせてきた。6月2日の衆院内閣委員会。尾身氏は「リスクをどう軽減するか、我々の考えを示す用意はある」と「提言」の準備を進めていることを明言。この日の衆院厚労委では五輪について「普通は(開催は)ない。このパンデミックで」とも発言し、大きな波紋を呼んだ。政権内からは、「なぜ開幕が迫るこのタイミングに」といった疑念が渦巻いた。

 政権側からは露骨な牽制の声が上がった。田村厚労相は4日の記者会見で「自主的な研究の成果の発表ということだと思う」と語った。丸川五輪相も尾身氏の一連の発言に「全く別の地平から見てきた言葉」と距離を置いた。政権側の反発に、専門家側も慎重になった。専門家の一人は週明け、「今週は出さない。政府は国会の開会中に、これ以上ワーワー言われたくないようだ」と話した。形式も、「分科会」ではなく「有志」となり、一時検討された首相への手渡しも見送りになった。

 この間、政府と専門家の間で事前に調整を続けたという。ある専門家は、「『無観客』をどこまで打ち出せるかが焦点だった」とも語った。18日に尾身氏から提言を受けとったのは、組織委員会の橋本会長と西村経済再生相となった。西村氏への提出後、尾身氏は記者団にこう述べた。「受けとりましたということですから。どう判断されるかは、大臣に聞いてください」

■有観客前提の首相に難題

 無観客の五輪を推奨し、五輪のリスクについて納得のいく説明を求めた「尾身提言」にどう向き合うか。政府や組織委は厳しい注文を突きつけられた。とりわけ深刻なのが観客問題。菅首相は17日の会見で、感染状況が改善した場合のイベント制限を「最大1万人」とする政府方針に触れ、「有観客」の五輪に意欲を示したばかり。その会見に並んで臨んだ尾身氏から、翌日に「無観客」を提言された。

 首相に近い自民党議員は「提言は科学的根拠に基づく。無観客にすべき」と言う。菅政権は昨秋の「第3波」でも、専門家の提言を受け入れずに観光支援策「GoToトラベル」を継続。支持率の急落を招いた。東京ではすでに「第5波」の到来も懸念されている。無観客の推奨に向き合わず、五輪がらみで人の流れが大きく増えて感染の再拡大を招けば、「首相は責任をとらざるを得ない」との見方が政権内でも語られ始めている。

 五輪で国民の一体感を作り出し、政権への追い風にしたい首相にとって、「有観客」は大前提。党内には「有観客」にこだわる議員が多い。「無観客」になると、経済効果が低減する。首相らの視線は、どれだけ多く観客を入れられるかに注がれていた。だが、「尾身提言」や直近の東京の感染状況を踏まえ、政権中枢で「まん延防止が解除できなければ無観客も排除できない」との意見も急浮上している。官邸幹部は「最後は難しい政治判断になる」と話す。

●酒提供 都「客2人、90分まで」 大阪も2人まで

 「緊急事態宣言」が20日で解除されるのを受け、東京都は18日、飲食店に酒類提供を認める要件について、客が同一グループで2人以内の場合とすると発表した。店内の換気などの対策を取った店を対象に、酒類提供は午前11時~午後7時とし、店での滞在時間は90分間に限定する。政府方針の「原則4人以内」よりも厳しい条件を設けることにした。「まん延防止等重点措置」に切り替わる21日から7月11日まで適用する。

 重点措置の対象区域は23区に加えて、奥多摩町と檜原村を除く多摩地域。対象区域内での飲食店には午後8時までの営業時短要請を継続し、区域外には午後9時まで(酒類提供は午後8時まで)の時短を要請。感染状況の悪化で、「ステージ4」相当となった場合は、酒類の提供を再び自粛するよう要請する。百貨店などの商業施設、博物館などに要請している午後8時までの時短要請を21日以降も継続。劇場や映画館などにも現行と同じ午後8~9時までの時短営業を求める。

 神奈川県は18日、現行20市町の重点措置区域を横浜・川崎・相模原・小田原・厚木・座間の6市に縮小する。酒類の提供の要件については「滞在は90分以内」「人数は1組4人以内」とした。首都圏では千葉県が「2人以内」、埼玉県も「1人か同居家族」と条件を課している。大阪府と京都府も18日、重点措置区域での酒類提供の要件について、大阪府は同一グループの「2人以内」(同居家族を除く)、京都府は「4人以内」とすることを決めた。

●重症者775人 18日ぶり増加

 国内感染者は18日現在、新たに1623人が確認された。死者は48人。重症者数は775人(17日時点)で、前日から12人増。重症者数が増えるのは、5月30日以来18日ぶり。

 東京都は453人を確認したと発表した。前週の金曜日(11日)と比べて18人増え、3日連続で前週の同じ曜日を上回った。年代別で見ると、20代が145人で最多。30代93人、40代86人と続いた。1週間平均の感染者数は389.0人で、前週比は100.7%で増加している。大阪府では79人が感染。重症患者は110人。沖縄県は、新たに86人の感染が確認された。人口10万人あたりの17日までの1週間の新規感染者数は約54人と最多で、2番目に多い東京都(約20人)の2.5倍もある。

【6月19日】

●コロナ病床、工夫で捻出したが 2カ月で4800床積み増し

 年末年始に広がった新型コロナの「第3波」で病床不足になったことを踏まえて厚労省は、都道府県別の新しい病床確保計画をまとめた。全国で、3月中旬より約4800床多い約3万5千床を確保した。次の「第5波」が来た時には病床不足に陥らないよう、行政や医療機関の連携がさらに求められる。

●「五輪で感染拡大、防ぐ対策を」 知事会、政府への提言

 全国知事会は19日、「緊急事態宣言」が解除されるのを受けてオンライン会議を開き、東京五輪・パラについて「政府は感染拡大の契機とならないよう万全の対策を」と求める緊急提言をまとめた。近く国に提出する。

 提言では、「感染再拡大による第5波を生じさせないため」として、国に徹底的な感染抑制措置を求めた。そのうえで、選手やメディア関係者の行動管理、ボランティアへのワクチン接種の検討、事前合宿の受け入れの具体的な指針の見直し、などを求めた。参加した41知事からは、大会開催による感染拡大に警戒する発言が相次いだ。

●都主催PV中止 小池知事、首相と会談

 東京都の小池知事は19日、都庁で記者団の取材に応じ、東京五輪・パラ期間中に都内で予定していたパブリック・ビューイング(PV)について、都が主催する全6会場での開催を中止すると明らかにした。新型コロナ感染対策で人流を抑制するためとしている。

 都は大会期間中、都立代々木公園と井の頭公園で、競技の体験ができるコーナーや大会パートナー企業の出店が併設される「ライブサイト」と呼ばれる施設を計画。日比谷公園や上野公園などでもPVを予定していた。

●全国感染1520人

 国内感染者は19日時現在、新たに1520人が確認された。死者は28人だった。重症者は740人(18日時点)で、前日から35人減った。東京都の新規感染者は388人。1週間平均の感染者数は377.7人で、前週比は96.6%だった。大阪府は111人で、入院中の重症患者は109人。沖縄県では新たに97人の感染が確認され、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は49.35人で全国最多。病床占有率は77.3%。

 ゼロ密を目指そう! リーフレット 出典:厚労省HP

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【6月20日】

●米国、台湾にワクチン250万回分提供 当初より大幅に上積み

 米国政府は、新型コロナのワクチンの調達が遅れている台湾に、当初明らかにしていた数を大幅に上回る250万回分を提供することにした。ワクチンを積んだ飛行機は20日夕方ごろ、台湾に到着する予定。

●ブラジル、新型コロナ死者50万人超える 大統領への抗議活動も

 ブラジルで、新型コロナによる死者が50万人を超えた。死者が50万人を超えたのは米国に続いて2か国目で、感染対策に消極的なボルソナロ大統領に対する抗議活動が、多くの都市で起きている。

●北海道・釧路、大規模接種開始 医師の一部は日給17万円余で確保

 北海道釧路市は20日から大規模会場での接種を始めた。会場には、問診に当たる医師7人が常駐するが、市内の医療機関では対応できる医師が集まらず、6月21日から25日と、6月28日から7月2日の平日の10日間は、日給17万5000円で道内外から募集し、必要な延べ70人を確保した。

●五輪「無観客で」53% 菅内閣支持、横ばい34%

 朝日新聞社は19、20日に全国世論調査(電話)を実施した。東京五輪・パラを今夏に開催する場合、「観客なしで行うべきだ」53%が「観客数を制限して行うべきだ」42%を上回った。観客の有無では男女別で違いが出た。「観客なし」は女性57%、男性49%。「観客制限」は、男性45%、女性39%だった。菅内閣の支持率は34%で、最低タイだった前回5月の調査(33%)とほぼ同じ。不支持率は42%(前回5月は47%)。

 開催意義について、菅首相の「人々の努力と英知で難局を乗り越えていく」との発言に、「納得できない」54%、「納得できる」38%だった。政府は東京都などに出されていた「緊急事態宣言」を沖縄県を除き、20日で解除した。解除のタイミングについて「早すぎる」51%、「適切だ」33%、「遅すぎる」10%だった。菅内閣の支持率は5月に比べ、60代で25%→31%、70歳以上で30%→37%と高齢層で上がったが、18~29歳で44%→39%、30代で34%→26%と若年層で下がった。

●五輪開会式の観客、上限「2万人案」も 組織委など なお削減へ調整

 国立競技場(収容人数6万8千人)で行われる東京五輪開会式の観客について、組織委員会などが2万人を上限とする案を検討していることがわかった。競技団体関係者やスポンサー招待客らを大幅に減らすのが難しいという。この案が実現した場合、政府がイベント開催基準としている観客上限1万人の2倍となるため、さらに削減する方向で調整が進んでいる。

 政府、組織委、東京都、IOCなどは21日、5者協議で観客上限の方針を決定する予定だが、関係者の扱いは決まらず議論が継続する可能性がある。観客については、政府は「緊急事態宣言」から切り替わる「まん延防止等重点措置」が東京などで解除された場合、大規模イベントの上限を1万人とする方針で、五輪でも適用される見通し。措置が継続するか、状況が悪化して「緊急事態宣言」が出る状況になれば、「無観客」とすることも検討している。

●「緊急事態宣言」なら五輪無観客も 西村担当相、可能性示す

 西村経済再生相は20日、NHKの討論番組に出演し、東京五輪・パラ期間中に「緊急事態宣言」が出ている場合、「イベント一般のルールが無観客ということもある。そういうルールを基本としながら適切に判断される」とし、無観客開催の可能性があることを示した。また西村氏は、東京五輪の観客のあり方について、政府や東京都、IOCなどが21日に開く5者協議で決める対応を軸に、来月23日開幕の大会直前の状況を見ながら判断されるとの見通しを示した。

●全国感染1308人

 国内感染者は20日現在で、新たに1308人が確認された。死者は20人増えた。重症者は714人(19日時点)で、前日から26人減っている。東京都の新たな感染者は376人で、前週の日曜日(13日)より72人多かった。1週間平均の感染者数は388.0人で、前週比で101.0%となった。感染者は、神奈川県では162人、千葉県は103人、大阪府は106人だった。

【6月21日】

●英国の新規感染者、1日1万人超に

 ワクチン接種で先行する英国で、1日の新規感染者が約4カ月ぶりに1万人を超える水準になっている。感染力が強いデルタ株の増加が原因とみられ、ロックダウンの解除も延期した。接種率が高いのに感染者数が増加している国はほかにもあり、「ワクチンへの過信」を警告する声も出ている。

 英国では1日の感染がピークだった1月の6万人超から、4月下旬には2千人前後に減った。だが、5月下旬に再び増え始め、6月17日は、2月22日以来の1万人を突破。イングランド公衆衛生庁は、新規感染の99%がデルタ型と分析している。原因の一つに、インドからの渡航禁止措置の遅れ。インドでは4月半ばに1日あたりの新規感染者数が20万人超だったが、原則禁止にしたのは4月23日。「遅れる間にインドから少なくとも2万人が入国した」などと政府に批判的な報道も目立つ。

●中国「シノファーム」製のコロナワクチン、ベトナムに到着

 新型コロナの感染が拡大する中、ベトナム政府は中国国有の製薬会社シノファームのワクチン50万回分が到着したと発表した。このワクチンはベトナムで働く中国人や中国での就学や就職を希望するベトナム人などを接種の対象にする。ベトナムはこれまでASEAN(東南アジア諸国連合)の中で唯一、中国からワクチンを調達していなかったが、6月初めにシノファームのワクチンの緊急使用を認めていた。

●インドネシア、新型コロナ感染再拡大 企業や市民活動の規制強化

 新型コロナの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアで感染が再び拡大し、6月21日に新たに確認された感染者数は1万4000人余りと過去最多になった。インドネシア政府は、企業や市民の活動への規制を強化している。

●7都道府県、重点措置に移行

 10都道府県に出ていた「緊急事態宣言」が、沖縄県を除いて20日までで解除され、このうち東京や大阪など7都道府県では、21日から「まん延防止等重点措置」に切り替わった。宣言を延長する沖縄県や、「重点措置」を延長する埼玉・千葉・神奈川の3県とともに来月11日まで適用される。東京五輪の開幕を1か月後に控え、感染の再拡大を防ぐことができるかが焦点となる。

 10都道府県のうち、「重点措置」に移行したのは北海道・東京・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡の7都道府県。岡山・広島県は全面解除となった。また、岐阜・三重県に適用されていた「重点措置」は解除された。「重点措置」地域では21日から、飲食店での酒類提供を「一定の要件」付きで午後7時まで認める。営業時間は午後8時までとする。

●五輪有観客なら上限1万人 感染状況次第で無観客視野

 東京五輪の観客について、政府、東京都、組織委員会、IOC、IPCの5者は21日、代表者会議を開き、「まん延防止等重点措置」が7月11日までに解除されることを前提に「収容人数の50%までで、上限1万人」とすることで合意した。同時に、「緊急事態宣言」が出るか、「重点措置」が延長された場合は「無観客も含めた対応を基本とする」とも合意した。

 東京では「第5波」到来が予見される。五輪が本当に有観客で開かれるのか、いまの感染対策の期限である7月上旬まで不透明な状況が続きそう。21日に示された「上限1万人」は、いま東京都などに出されている「まん延防止等重点措置」が解除されたり、「緊急事態宣言」などが出ていなかったりと、感染状況が改善したケースを想定したもの。最終判断は、現時点で下さなかったとも言える。

●五輪・パラ「無観客開催も」 東京都医師会など意見書提出

 東京都医師会は21日、東京都や都内各地区、それに東京大学など大学の医師会が連名で、新型コロナの収束の見通しが立たない中で大会を開催するのであれば、大会の開催によって通常医療が圧迫されないことを必須条件とし、無観客での開催を探るとともに、観客を入れた場合でも感染状況によって無観客や中止とすることも考えるべきとする意見書を18日付けで、大会組織委員会の会長らに提出したと公表した。

 一方21日、菅首相は記者団に対し、東京五輪・パラの観客の扱いについて大会期間中に「緊急事態宣言」が出された場合は国民の安全・安心を最優先に「無観客」とすることも辞さない考えを示した。

●東京五輪会場での酒類の販売や提供を検討 大会組織委

 観客を入れて開催することが決まった東京五輪会場での酒類の提供について、組織委員会の橋本会長は21日の記者会見で「大声の抑止や安全な誘導の実現の観点、それに現在の一般的ルールを鑑みて検討中だ」と述べた。東京大会は、スポンサーになっている「アサヒビール」が会場内での酒類を独占的に販売できる契約になっていて、組織委員会は、感染防止とスポンサーの権利に配慮するという2つの観点から今後、慎重に判断するものと見られる。

●ワクチン職域接種、17大学で本格的に始まる

 企業や大学などによるワクチンの職域接種が21日から本格的に始まった。文部科学省によると、接種開始は少なくとも11都道府県の17大学。北海道医療大学、東北大学、東京国際大学(埼玉県)、慶應義塾大学、日本大学、日本体育大学、湘南工科大学(神奈川県)、松本歯科大学(長野県)、大阪大学、大阪経済法科大学、関西大学、近畿大学、大和大学(大阪府)、神戸市看護大学、広島大学、徳島大学、長崎国際大学。文部科学省は、大学を拠点に地域の学校の教職員や住民などにも接種を広げていく方針。

●重症者721人 国内感染、新たに868人

 国内感染者は21日現在、新たに686人が確認された。死者は全国で35人増えた。重症者は20日現在で721人で、前日より7人増えた。東京都では236人の感染を確認。前週の同じ曜日を上回った。

【6月22日】

●子どものワクチン、個別接種が基本 「学校で集団接種、推奨しない」文科省通知

 厚生労働省は5月、米ファイザー製ワクチンの接種対象年齢に「12~15歳」を加えることを決めた。これを受け、文科省は22日、学校での集団接種は、接種を受けなかった児童生徒がわかってしまうため推奨せず、かかりつけ医や自治体の接種会場などでの個別接種を基本とするよう全国の教育委員会などに通知した。仮に学校で集団接種をすると判断した場合でも、授業中ではなく、夏休みなどの長期休暇を利用するなど、同調圧力が生じない工夫を求める。

 通知は、学校集団接種を推奨しない理由として、保護者への説明機会が乏しくなる、個々人の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがち、接種後の体調不良に対するきめ細かな対応が難しいを挙げた。萩生田文科相は会見で「学校での集団接種は受ける人と受けない人の差別化につながり、いじめにつながることも心配される。希望する子どもは親の同意のもとで、個別接種を進めていく」と述べた。

●ワクチン供給に懸念、実態調査へ 厚労省 偏在の可能性指摘

 ワクチンの供給不足が起きかねないと自治体から懸念の声が出ているとして、田村厚労相は22日の閣議後会見で、実態を調査する考えを明らかにした。「足りないということは本来ないはずだ」とした上で、「医療機関に在庫がたまっている可能性がある」と述べた。

 同省によると、自治体が接種しているファイザー・ワクチンは、7月5日からの2週間で1万1千箱を全国の自治体に配分する予定。その前の2週間で1万6千箱に比べて大幅に減るが、当初の計画通りという。6月末までにファイザーからは約1億回分届いて十分な供給量になりつつあり、今後も配分量は減るが、田村氏は供給不足にはならないとした。その上で、「心配で、なるべく多く確保したいという気持ちがあるかも分からないが、偏りが出てくると本来必要なところへ行かなくなる」と強調。偏在が起きている可能性を指摘、実態調査に乗り出す方針を示した。

 全国知事会は19日の提言で、ファイザーのワクチン配分が7月以降急減するとして、「接種加速の流れに水を差す」と懸念を表明。必要量を十分に確保することや、自治体での集団接種などでモデルナ社製ワクチンの使用を可能とし、具体的な供給スケジュールを速やかに示すよう求めた。

●東京都のワクチン大規模接種、新たに2か所設置へ 教職員など対象

 東京都は都内で新たにワクチンの大規模接種会場を2か所設置し、夏休みを中心に小中学校の教職員などを対象に接種を進める。都が新たに大規模接種会場を設けるのは、立川市にある立川地域防災センターと府中市にある多摩総合医療センターの2か所。

●デルタ株、感染リスク高 会話はこれまで以上の距離を

 西村経済再生相は、閣議のあとの記者会見で変異株の感染リスクをスーパーコンピューター「富岳」を使って計算した結果を公表し、会話する際は、これまで以上に距離を取り、短時間で済ますことが必要だと呼びかけた。

 より感染力が強いとされるインドで確認された変異ウイルス(デルタ株)の感染力を従来のウイルスの2.25倍と想定し、感染者と大声で会話した場合のリスクを計算。その結果、距離を1mあけた場合、従来のウイルスでは、接近しての会話に比べてリスクが5分の1程度に下がる一方、
変異ウイルスでは、半分程度までしか低減せず、5分の1程度まで下げるには、2m近い距離が必要だとしている。

 また、通常の会話をする時間と感染リスクとの関係を計算したところ、従来のウイルスの感染者と1時間会話するリスクと、変異ウイルスの感染者と27分間会話するリスクが同じ水準となる。西村氏は「1時間の会議を30分以内にすることで、同等のリスクに下げることができる。会議や友達どうしでの話も、これまで以上に距離を置いて短時間にすることが大事だ」と呼びかけた。

●五輪事前合宿で来日のウガンダ選手団、全員がコロナ濃厚接触者に

 東京五輪の事前合宿のため、今月19日に来日したアフリカのウガンダ選手団の1人が新型コロナに感染していることが確認されたことについて、合宿先の大阪・泉佐野市は選手団全員が濃厚接触者に認定されたと発表した。市は、選手団に対して来月3日までホテルで待機するよう求めている。

●小池知事、静養へ 「過度の疲労」

 東京都は22日、小池知事が過度の疲労で静養すると発表した。週内の公務は、多羅尾副知事が代理で務めるという。東京五輪・パラの準備や新型コロナ対策にあたっていた小池知事は、土曜日の19日に菅首相と首相公邸で会談。21日には政府や大会組織委員会などとの5者協議に出席していた。また、都議選の告示を25日に控えている。

●東京の感染者435人、前週より98人増

 国内感染者は22日現在、新たに1437人が確認された。死者は全国で44人増えた。厚労省によると、重症者は21日現在で697人で、前日より24人減った。東京都では435人を確認した。前週の火曜日(15日)と比べて98人増えた。新規感染者数が前週の同じ曜日より増えたのは3日連続。1週間平均の感染者数は405.9人で、前週比は108.0%だった。

 大阪府では107人を確認した。6月18日~20日に50~90歳代の男性計4人が亡くなっていたことも明らかにした。全国で唯一、「緊急事態宣言」が続く沖縄県の新規感染者は98人で、前週の火曜日と比べて9人減った。

 新型コロナウイルス感染拡大防止 リーフレット 出典:厚労省HP

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【6月23日】

●モスクワ、コロナ感染再び急拡大 ワクチン未接種者の生活制限へ

 ロシアの首都モスクワでは、新型コロナの感染が再び急拡大していることから新たな対策が発表され、ワクチンを接種済みなどとする証明がなければ、飲食店を利用できなくなる。

●イスラエル「デルタ株」で再拡大 マスク着用義務再び導入も

 ワクチン接種が進み、感染者が減少していた中東のイスラエルで21日、新規感染者の数がおよそ2か月ぶりに100人を超えた。イスラエル政府は、インドで確認された変異株「デルタ株」の感染が広がっているとして、海外への不要不急の渡航を控えるよう呼びかけるとともに、空港でのマスクの着用義務を再び導入した。

●サッカー欧州選手権 英政府、観客6万人超入場認める 懸念の声も

 英国政府は、ロンドンで行われる予定のサッカーのヨーロッパ選手権の準決勝と決勝について、大規模なイベントの再開に向けた調査の一環として6万人を超える観客の入場を認めると発表した。ただ英国では、デルタ株の感染が拡大し、1日の感染者が1万人を超える日が続いていて、6万人を超える観客を認めることに対しては懸念の声も上がっている。

●英国、G7サミット開催地で感染者急増 多くの人集まったこと関係か

 今月、G7サミット(主要7か国首脳会議)が開かれた英国南西部のコーンウォールで、会議の前後から新型コロナの感染者が急増していることが分かり、専門家などからは会議の開催で多くの人々が集まったことも関係したのではないかと懸念する声もあがっている。

●職域接種受け付け休止 明日ワクチン供給に懸念

 ワクチン接種をめぐり、河野行革相は23日夜に記者会見を開き、企業での「職域接種」の受け付けを25日午後5時から「一時休止する」と発表した。職域接種に用いている米モデルナ社製のワクチンの供給が追いつかない可能性があるため。同社製のワクチンで実施している自治体の大規模接種については、新規の受け付けを23日に休止した。いずれも再開のめどは明らかにしなかった。すでに申請し承認された分の接種は、原則として実施される。

 職域接種は今月8日から首相官邸のホームページ(HP)で受け付けが始まり、21日から本格的な接種がスタートしたばかり。モデルナ製は、9月末までに5千万回分(2500万人分)が供給される見通し。河野氏は、職域接種で約3300万回、自治体の大規模接種で約1200万回と、すでに約4500万回分の申請があることを明らかにした。さらに、1日に配送できる能力の上限に達しているとして、「しばらくの間、目をつぶって綱渡りをするようなオペレーションにならざるをえない」と説明した。

●モデルナワクチン、接種翌日に90代男性死亡

 モデルナの新型コロナのワクチンについて、厚労省は接種を受けた90代の男性が死亡したと発表した。死因はくも膜下出血と見られ、接種との因果関係は評価中だとしている。

●アストラ製60歳以上公費接種

 英アストラゼネカ社製のワクチンについて、厚労省は60歳以上を対象に公費接種を認める調整に入った。このワクチンは高い効果がある一方、海外ではまれに血栓ができる例が報告され、比較的若い人の発症リスクが高いとされる。そのため、年齢を絞る方向。

●事前合宿のウガンダ選手団、さらに1人コロナ感染 大阪・泉佐野

 東京五輪の事前合宿のため来日し、大阪 泉佐野市に滞在しているアフリカ・ウガンダの選手1人が、新たに新型コロナに感染していることが確認された。ウガンダ選手団の感染確認は6月19日に来日した際、成田空港で1人が確認されたのに続き2人目。

●夜間開催「無観客を」 会場抱える自治体懸念 五輪チケット、91万枚を削減

 開幕まで30日。東京五輪・パラの大会組織委員会が条件付きで有観客での実施を決めたことを受け、競技会場を抱える自治体から懸念が噴出している。23日に都内で開かれた連絡協議会で、夜の競技を無観客にすることなど要望が相次いだ。

 埼玉県の大野知事は協議会後、午後9時以降の競技開催について「無観客が望ましい」と提案した。仮に「重点措置」が解除されても夜間イベントの開催自粛要請は続く可能性が高いとし、五輪でも整合性をとるべきだとしている。千葉県の熊谷知事もこの日の会議で「感染状況が劇的に改善されない限り、イベントの時間制限の緩和は困難」と言及。五輪も同様とし、「午後9時以降も有観客の方針は再検討いただく必要がある」と求めた。

 一方、神奈川県の黒岩知事は、夜間競技の観客の有無は「(政府や組織委などの)5者協議の決定に従う」とした。最も多い24会場がある都は現段階で考え方を示していない。

●五輪会場での飲酒取りやめ

 組織委員会は23日、観客向けの感染症対策ガイドラインを公表。会場内での酒の販売・提供を取りやめ、持ち込みも禁じた。人流を抑制するため会場への「直行、直帰」を求め、マスクの着用を義務化した。違反者には退場を求めることも明記している。

 組織委は当初、一定の制限のもとで酒の販売などを認めることも検討したが、批判が殺到していた。大会スポンサーの「アサヒビール」は「感染拡大防止の観点、多くの飲食店での酒類提供が制限されている状況において、今回の意思決定は当然」とのコメントを発表した。ガイドラインではこのほか、会場での検温を求め、大声を出しての応援や指笛、通路などでの飲食の禁止も盛り込んだ。

●専門家会合、「東京、感染増加の動き」

 厚労省に助言する「専門家組織」は23日の会合で、全国的には新規感染者数の減少傾向が続いていると評価した。一方、「緊急事態宣言」を解除した東京都では新規感染者数が「横ばいから増加に転じる動きがみられる」と指摘。田村厚労相は「もうリバウンドの兆候が出てきている」として警戒を求めた。

●東京の新規感染619人

 国内感染者は23日現在で、新たに1779人が確認された。東京都の新規感染者は619人で、前週の水曜日(16日)と比べ118人多かった。前週の同じ曜日より多いのは4日連続。1週間平均の感染者数は422.7人で、前週比109.9%だった。

【6月24日】

●CDC、心筋炎「コロナワクチン接種と関連の可能性」

 米CDC(疾病対策センター)は、ファイザーなどが開発したワクチンとモデルナのワクチンを接種した、主に若い世代で、心臓の筋肉に炎症が起きる「心筋炎」などの症状が報告されていることについて「ワクチンの接種と関連している可能性がある」とする見解を明らかにした。

●ワクチン、日本市場3000億円 世界は今年8兆円資産

 新型コロナワクチンの市場が急拡大している。試算では今年度の日本の市場規模は最大約3千億円、世界では今年は最大8兆円になると見込まれている。開発に成功した一部の製薬会社は、大きな利益を得ている。

 医療情報提供会社のIQVIAが24日、日本の市場規模を発表した。16歳以上の8割が今年度中に接種することを前提とし、2021年度は最大約3千億円になると推計した。日本での1回あたりの接種費用は平均で約1300円と見込んでいる。費用の推計を製薬会社ごとにみると、米ファイザー製20ドル、米モデルナ製30ドル、英アストラゼネカ製8ドルなどとしている。日本政府はワクチンの契約金額は明らかにしていない。

●首相は2週間前に宣言したが、接種1日100万回到達

 ワクチン接種をめぐり、菅首相が掲げる「1日100万回接種」に達したことが24日、分かった。加藤官房長官が同日の記者会見で、今月9日など複数の日で接種者が100万人を超えたと発表した。首相は約2週間前に「達成」したことを宣言していたが、この2人の間の「ズレ」はなぜ生じたのか。

 「ワクチン接種こそが切り札だ。昨日は100万回を超えてきた」と首相がはじめて「1日100万回達成」に言及したのは、9日午後にあった立憲民主党の枝野代表との党首討論だった。同日夜、記者団に根拠を問われ、「どこで100万回というのは分からないが、このところは大体その数字になってきている」などと、言葉をにごしていた。

●「予約なし」ダメに 大規模接種 ルール厳格化

 政府が東京と大阪に設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」をめぐり、防衛省は24日、例外的に認めてきた事前予約なしの接種を28日から行わないと発表した。センターでの接種には、インターネットや電話による予約と自治体から送られる接種券が必要。65歳以上の高齢者に限定されていた当初から、「はるばる来た高齢者を追い返すわけにいかない」と、当日キャンセルされた枠を使い、予約のない来場者に接種することもあった。

 接種対象年齢が引き下げられ、若い世代にも接種券が届くようになったことを背景に、東京会場では今月19日以降、「飛び込み」接種者が徐々に増加。夜中から並ぶ若者も出てきた。それまで1日100人未満だった予約なしの接種は、200~300人になった。夜間に体調不良者が出ても対応できないことや近隣からの苦情もあり、予約のない人への接種は見合わせるよう、ルールを厳格に適用することにした。

●酒類提供、見直し示唆 官房長官 都内感染再拡大をなら

 東京都内での新型コロナ感染症の再拡大について、加藤官房長官は24日午前の記者会見で、「感染状況に高い警戒感を持って注視し、必要があれば対策の強化を含め機動的な対処を行っていく」と述べ、感染状況によっては酒類提供の見直しなどに踏み込む可能性を示唆した。加藤氏は、感染状況が「ステージ4」(感染爆発)相当の状態に悪化すれば、「専門家の意見を聴取した上で直ちに酒類提供、持ち込みの全面停止を要請する旨が東京都から事業者に周知されている」と強調した。

●「天皇陛下、五輪開催で感染拡大 ご心配と拝察」 宮内庁長官

 天皇陛下が名誉総裁を務める東京五輪・パラについて、宮内庁の西村長官は24日の定例会見で、陛下が新型コロナの感染状況を心配しているとし、「開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されていると拝察している」と述べた。五輪の開会式が近づく中での考えを問われ、そう言及した。西村長官は「私が肌感覚として受け止めているということ」とし、「直接そういうお言葉を聞いたことはない」と説明した。

 また、西村長官は「陛下が名誉総裁をお務めになる五輪・パラで、感染が拡大するような事態にならないよう感染防止に万全を期していただきたい」とも述べた。

●IOC委員ら、個室外食可 プレーブック「特別扱い」 立憲指摘

 東京五輪・パラのために来日するIOC委員らの行動ルールを定めた「プレーブック」で、入国後14日間以内でも個室のある飲食店の利用が認められていることが24日、立憲民主党の会合で指摘された。「五輪の特別扱い」で感染が拡大しかねないとして見直しを求めた。プレーブックでは、IOC委員ら「五輪ファミリー」や、報道関係者らについて、宿泊先の食堂などが利用できない場合、コンビニや、感染対策をした個室のある飲食店の利用を認めている。

 立憲の斉木衆院議員は党のコロナ対策本部で、菅首相が「選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにする」と述べたことを踏まえ、「答弁に完全に矛盾する」と指摘。「飲食店クラスターが各地で多発する。店の従業員や店のトイレを使った日本人に感染することは考えなかったのか」と質した。政府の担当者は「日本人の客と交ざる形にならないと承知している」と説明するのみだった。

 大会組織委員会の武藤事務総長はこの日、記者団に、自室での食事が原則としつつ、「必ずしもそうはいかない。一方で、ご指摘の通りなので、決められたところで買い物してもらう。そういうことを一つひとつ丁寧に考えたい」と述べた。

●デルタ株、国内での感染力は従来の1.95倍と推定 京大教授ら分析

 インドで確認された新型コロナの変異株「デルタ株」は、国内での感染力は従来のウイルスの1.95倍と推定されるという分析結果を、京都大学の西浦博教授らがまとめ、23日に開かれた厚労省の専門家会議で示した。

●ウガンダ選手団「デルタ株」感染

 厚労省は24日、東京五輪に出場するため来日し、成田空港の検疫で新型コロナへの感染が確認されていたウガンダ選手団の50代男性が、インドで確認された変異株(デルタ株)だったと明らかにした。ゲノム解析の結果で判明した。

●東京感染増加570人 1回目の接種が高齢者5割超 

 国内感染者は24日現在、新たに1677人が確認された。死者は42人増えた。東京都の新規感染者は570人。前週の木曜日(17日)と比べて118人増えた。1回目のワクチン接種を受けた全国の高齢者は、23日時点で51.1%となり、初めて5割を超えた。

【6月25日】

●日本の関節リウマチ治療薬「アクテムラ」  米、コロナで緊急許可

 米国FDA(食品医薬品局)は24日、日本で開発された関節リウマチの治療薬「アクテムラ」(一般名=トシリズマブ)について、新型コロナウイルスに感染して入院している患者への緊急使用を許可すると発表した。対象となるのは酸素の吸入や人工呼吸器、ECMO(人工心肺装置)による治療が必要で、かつ、ステロイド系の抗炎症薬を投与されている患者。

 FDAによると、4つの臨床試験の結果を分析したところ、アクテムラを投与された患者は、そうでない患者に比べて死亡するリスクが低下したり、入院期間が短くなったりするなどの効果がみられたという。「アクテムラ」は、大阪大学の岸本特任教授らのグループと、中外製薬が開発した関節リウマチの薬で、免疫の過剰な働きによる炎症を抑える効果があると期待されている。

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●職域接種追加、当面は困難 河野氏 申請上限に到達

 ワクチン接種をめぐり、政府内の調整を行う河野行革相は25日に記者会見を開き、受け付けを一時休止した「職域接種」の再開が当面困難であることを明らかにした。米モデルナ社製ワクチンの供給が追いつかず、職域接種の申請上限に達したという。すでに受け付けた自治体の大規模接種で使うモデルナ製の不足分については、市区町村の接種で使っている米ファイザー社製で対応する。

●ワクチン証明書、パスポート必要 当面は国外利用に限定

 新型コロナウイルスのワクチンを接種したことを公的に証明する「ワクチン証明書」について、政府は25日、発行の手続きを、実務を担う市区町村に示した。証明書には、接種者の氏名や生年月日、旅券番号のほか、接種を受けたワクチンの種類やメーカー、接種日を記載する。申請は当面、紙ベースだが、将来的には電子申請を可能にする。

●コロナと五輪、首都の選択 都議選告示 衆院選の前哨戦

 東京都議選(定数127)が25日告示され、新型コロナへの対応や、目前に迫った東京五輪・パラの開催可否をめぐる論戦が始まった。秋までに実施される衆院選の前哨戦とされ、選挙戦初日から各党党首らが演説に繰り出した。投開票日は7月4日。小池知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が都議会第1党を維持できるか、自民・公明両党が過半数を獲得できるのかが焦点となる。共産党、立憲民主党がどこまで議席を伸ばせるかも注目される。

●東京562人感染 前週比109人増

 国内感染者は25日現在で、新たに1709人が確認された。亡くなった人は31人だった。東京都では562人で、前週の金曜日と比べて109人増えた。1週間平均の感染者数は455.1人で、前週比は117%だった。また都のスクリーニング検査では、デルタ株の感染者が68人確認され、1日当たりで最多となった。

【6月26日】

●イスラエル、デルタ株拡大で再び屋内マスク義務化

 ワクチン接種が進み、感染者の減少が続いていた中東のイスラエルでは、インドで確認された変異株(デルタ株)の感染が広がり、イスラエル政府は、25日から再び屋内でのマスクの着用を義務化した。

●デルタ株、猛威 東南アジア、ワクチン確保遅れ 欧州、規制再強化の国も

 インドで確認された変異株(デルタ株)が世界で猛威を振るっている。「ワクチン先進国」や、感染を抑え込んできたコロナ対策の「優等生」の国々でも勢いが止まらず、世界は「変異株」の脅威に直面している。インドネシアは、6月に入って新規感染者数が急増、24日は2万人を突破。5月のイスラム教徒の大祭で人が密集、デルタ株が広がったとみられている。マレーシアでも変異株やワクチン不足を背景に4月後半から感染が拡大。その後1日9千人を超え、6月1日から全国的なロックダウンに追い込まれた。

 ワクチン確保に苦しむのも各国に共通する。インドネシアは来年3月までに人口の3分の2にあたる約1億8千万人に接種を終える方針だが、供給不足などで2回の接種完了は約1300万人にとどまる。コロナ対策の「優等生」とされたベトナムも25日午前現在の感染者数は計約1万4千人。4月下旬から4万人以上増えた。ベトナムも、今月25日で2回接種を終えた割合は0.1%。「COVAX」を中心に確保する戦略が機能せず。日米欧にも提供を求め、中国政府からも支援を受けた。

 新型コロナの規制解除を進めている欧州で、デルタ株の割合が高まっている。夏までに感染者の9割を占めると予想されており、感染拡大で再び規制に踏み切る国も出てきた。オーストラリアの最大都市シドニーでは16日、国際線の客室乗務員を送迎する運転手の感染が判明。デルタ株による感染で、この男性とショッピングセンターで数秒間すれ違っただけで感染したとみられる人もいるという。イスラエルで25日、屋内でのマスクの着用が再び義務づけられた。今月、着用義務をなくしたばかりだった。デルタ株が感染拡大の要因とみられる。

 感染拡大を抑え込んできたタイでも4月下旬以降、アルファ株の流入などでバンコクの歓楽街などで集団感染が連鎖。デルタ株も広がり始め、累計感染者数は、この2カ月で4倍以上に増えた。 プラユット首相は16日、入国者に義務づけてきた隔離措置を、10月にもワクチン接種者に免除する方針を表明、経済立て直しを急ぐ。背景には、GDPの約2割を占める観光業の苦境がある。インドネシア政府も、7月にリゾート地バリ島の観光を再開する方針。

●東京、週末戻る人波

 「緊急事態宣言」が9都道府県で解除後、初の週末となった26日は、各地で人があふれた。東京・渋谷駅前、午後1時半。スクランブル交差点では、横断歩道の外まで広がって歩く人も。ハチ公像前のベンチも人で埋まっていた。センター街のラーメン店の男性店員は「今は外国人観光客をのぞいた日本人の数は、コロナ前くらいに戻ってるんじゃないか」。一方、交差点近くの衣料品店の女性店員は「人が増えるにつれて緊張感が緩んでいる。感染者が増えないか心配」と話す。

●全国で新たに1632人感染 6割が首都圏の1都3県

 国内感染者は、26日現在で新たに1633人が確認された。増加傾向に転じている東京都が534人と最多で、前週土曜日から146人増。前週の同じ曜日を上回るのは、これで7日連続。26日までの1週間の総人数を平均すると、1日あたり476人。前週比126%で、増加傾向を示している。感染者534人を年代別に見ると、20代が159人。続いて30代98人・・・、65歳以上の高齢者は31人。死者は4人増えた。「人工呼吸器かECMO(体外式膜型人工肺)を使用」とする都基準の重症者は前日から1人減の37人だった。

 東京都に続き、神奈川県の231人、千葉県の108人、埼玉県の96人の順に多く、首都圏の1都3県で全体の約6割を占めた。大阪府は88人で、5日ぶりに100人を切った。緊急事態宣言が唯一続く沖縄県は74人。直近1週間の10万人あたりの新規感染者は36.26人で、減少傾向にあるものの、全国で最も多い状況は変わっていない。死者は全国で29人増えた。重症者は前日より13人減って577人だった。

【6月27日】

●デルタ株の流行国 出国前7日間検査 五輪選手巡り対策強化

 東京五輪・パラの新型コロナ対策をめぐり、政府はインドで確認された変異株(デルタ株)が流行する国・地域から来日する選手に対し、自国から出国するまでの7日間、毎日ウイルス検査をするよう求める方針を固めた。

 インド・スリランカ・ネパール・パキスタン・モルディブ・アフガニスタンの6カ国が対象となる。現在は来日する全ての選手に対し、出国前96時間以内に計2回の検査を要求。加えて日本への入国時に1回、入国後は原則毎日検査している。6カ国の選手については、新たに出国までの7日間、毎日検査を求めるほか、出国前の7日間と入国後の3日間は、一緒に来日する選手・コーチ以外と接触しないよう求める。

●五輪、今夏開催するなら「無観客」64%、「観客制限」30% 

 朝日新聞社は26、27日、東京都内の有権者を対象に世論調査(電話)を実施した。東京五輪・パラを今夏に開催する場合、「観客なしで行うべきだ」と答えたのが64%で、「観客数を制限して行うべきだ」の30%を上回った。

●緊急事態宣言、「必要なら」 西村経済再生相

 西村経済再生相は27日のNHK番組で、感染者が東京で増加傾向であることを受け、「必要となれば、まん延防止等重点措置をやっている地域に緊急事態宣言を発出することも、ちゅうちょすることなくやるべきだ」と述べた。西村氏は「東京、首都圏で減少傾向から増加傾向が明らかに顕著になってきている」と指摘。その上で、「緊急事態宣言」の発出可能性に触れた。

 東京都は宣言解除を受け、一定の要件を満たした店舗に酒類提供を認めている。この措置について、西村氏は「さらに強い対策を検討していかなければいけない」とも述べ、酒類提供の再停止に言及した。「緊急事態宣言」をめぐっては、田村厚労相も25日の閣議後会見で、「感染拡大の可能性があれば、十分念頭に置いている」と述べている。

●医療機関クラスター減 厚労省調査 従事者の接種効果か

 医療従事者へのワクチン接種が進むなか、医療機関でのクラスターの発生が減っている。厚労省の調査によると、先行接種が始まった2月中旬と直近の6月を比べると、発生した全クラスターに占める医療機関の割合は最大10分の1程度に低下。ワクチン接種が進んだためだとみられている。医療従事者らへの先行接種は2月17日に始まり、今月24日時点で2回目の接種を終えた人は460万人を超えた。対象者の9割程度となったとみられる。

●高齢者施設「職員から陽性者が出ると回らない」 集中検査まだ6割

 新型コロナのクラスター(感染者集団)が多発している高齢者施設を対象に、国はワクチン接種と並行して、PCRなどの集中検査の実施を全国の自治体に呼びかけているが、思うように進んでいない。人手不足に悩む高齢者施設は、仮に職員から陽性者が出れば仕事が回らなくなると心配して、検査に及び腰になっているという。

●全国で1283人感染 東京は再び増加、大阪は死者ゼロ

 国内感染者は27日現在で、新たに1283人が確認された。首都圏の1都3県で全体の約6割を占めた。感染が再び増加している東京都が386人と最多で、前週日曜日から10人増えた。前週の同じ曜日を上回るのは、8日連続となった。

 東京都の27日までの1週間の総人数を平均すると、1日あたり477.4人。前週比123%で、増加傾向を示している。感染者386人を年代別に見ると、20代が108人で最多。30代74人、40代68人、50代43人と続いた。65歳以上の高齢者は26人。新たに発表された死者は1人。「人工呼吸器かECMOを使用」とする都基準の重症者は前日と同じ37人だった。一方、96人の感染が確認された大阪府では4月1日以来、約3カ月ぶりに死者がゼロだった。

【6月28日】

●ワクチン接種、ほころび 職域一時休止 配送目詰まり指摘

 ワクチンをめぐり、菅政権が旗を振る接種の加速化にほころびが生じている。申し込みが殺到した企業などの職域接種は、ワクチンの供給不足の懸念から、申請受け付けが一時休止に。市区町村が実施する接種でも、ワクチン配送の「目詰まり」が指摘されている。菅首相は28日、全日空の職域接種会場などを視察後、職域接種の申請申し込みが一時休止した理由を「予想をはるかに超える申し込みがあった」と語った。

●成田空港、「バブル」強化

 東京五輪・パラ選手団や関係者の来日が本格化するのを前に、成田空港は7月1日から、空港内に選手・関係者用の「専用レーン」を設ける。成田国際空港会社(NAA)が28日、明らかにした。一般客との動線を完全に分け、外部との接触を遮断する「バブル」を強化する。

 これまでは、選手らと一般客を時間差で降機させて距離を一定程度離すなどしてきたが、検疫や入国審査などの動線は同じだった。NAAなどによると、選手らは航空機を降りる段階から「リエゾン」と呼ばれる案内役が一般客と交わらないように誘導。検疫や入国審査、税関を経て送迎のバスに乗るまで新設する「専用レーン」を移動してもらう。

●東京都内のコロナ入院者、重点措置期間に入り増加に転じる

 都内で新型コロナに感染し入院している人は、「まん延防止等重点措置」の期間に入ってから増加に転じている。6月27日時点では1449人で重点措置の期間に入る直前より179人増加し、病床に占める割合も3ポイント余り上昇している。

●東京感染リバウンド、9日連続で前週上回る

 7月23日に東京五輪の開幕を控える東京都内で、新型コロナのリバウンドが起きつつある。新規感染者数は28日までに9日連続で前週の同じ曜日を上回った。増加のペースは上がり続け、五輪期間中に「第5波」が襲う懸念が高まっている。「前週の同じ曜日と比較して100人前後増加している。人流がかなり増えている状況からいくと、増加傾向が強まることを危惧している」。26日夜、感染状況を説明した都の担当者は危機感を示した。

●国内1002人感染 7割が首都圏

 国内感染者は28日現在、新たに1002人が確認された。首都圏の1都3県で全体の約7割を占めた。東京都は317人で、9日連続で前週の同じ曜日を上回った。317人を年代別で見ると20代が95人で最多。30代61人、50代49人、40代47人。65歳以上の高齢者は20人だった。大阪府は40人で、前週の同じ曜日を3日連続で下回った。

【6月29日】

●サッカー欧州選手権、新型コロナの感染再拡大 ロシア

 ロシア第2の都市サンクトペテルブルクでは、サッカーのヨーロッパ選手権の試合が始まった6月中旬から新型コロナの感染が再び拡大。6月29日には、1日の感染者数は1374人となり、6月10日時点と比べて60%近く増加し、死者はこれまでで最も多い119人に上った。試合会場では、入場できる観客が半数に制限され、マスクの着用も求められているが、試合後はサポーターに加えて、この時期に学校を卒業した若者などがマスクをつけずに町に繰り出し、カフェなどに押し寄せている。

●サッカー欧州選手権、フィンランドサポーターら300人コロナ陽性

 ロシアのサンクトペテルブルクで行われたサッカーのヨーロッパ選手権の試合を観戦したフィンランドのサポーターらおよそ300人が、帰国後に新型コロナの検査で陽性と確認された。
 
 また、6月21日に行われた試合後におよそ3000人がフィンランドに帰国し、このうち、およそ800人が検査を受けずに入国し、隔離の指示も出されなかった。 サンクトペテルブルクでは、「デルタ株」の感染が増えていることから、フィンランドの当局は、帰国したすべてのサポーターらに対し、検査を受けるとともに陰性が確認されるまで隔離をするよう呼びかけている。

●「違う種類のワクチン接種で強い免疫反応」英研究グループ

 ファイザーなどが開発した新型コロナのワクチンとアストラゼネカなどが開発したワクチンを1回目と2回目で種類をかえて接種したところ、強い免疫反応が得られたとする研究結果をイギリスのオックスフォード大学などの研究グループがまとめた。研究グループは「ワクチンの接種に柔軟性をもたせられる可能性がある」としている。

●職域接種 政府再開断念へ モデルナ製の供給上回る申請
 
 ワクチン接種をめぐり、政府は申請の受け付けを一時休止している企業などの「職域接種」について、再開を事実上断念する方針を固めた。職域接種で使用する米モデルナ製ワクチンの供給を上回る申し込みに、さらなる対応はできないと判断した。モデルナ製は9月末までに5千万回分(2500万人分)が供給される。政府はこのうち3300万回分を企業や大学に割り当てる方針。職域接種の受け付けの一時休止を始めた25日午後5時時点で、上限を上回る約3642万回分の申請があった。

 政府は、企業などが過大に申請していないかなど需給を精査している。ただ、官邸幹部は「モデルナをこれ以上職域接種に用いるのは厳しい」と説明。「仮に余剰が出たら自治体の集団接種に回せばいい」とも話し、職域接種の申請受け付けの再開は、事実上ないとの見方を示した。職域接種は今月8日から受付け、21日から本格的な接種が始まっていた。モデルナ製の残り1700万回分は、自治体の大規模接種に割り当てる。

●感染10日連続前週上回る 東京

 国内感染者は、29日現在で新たに1381人が確認された。亡くなった人は30人だった。東京都の感染者は476人で前週の火曜日(22日)と比べ41人増えた。前週の同じ曜日を上回るのは10日連続。476人を年代別に見ると、20代が136人で最多。30代が83人、40代が81人、50代が69人と続いた。65歳以上の高齢者は33人だった。都基準の重症者数は、前日よりも2人多い43人だった。大阪府は101人の感染を確認した。

【6月30日】

●東京迫る第5波、重点措置解除困難の見方 専門家「再拡大強く懸念」

 「第5波」の感染拡大となるのか。厚労省に助言する「専門家組織」は30日の会合で、新規感染者が増え始め再拡大が懸念される東京都の状況に厳しい声が相次いだ。感染拡大の大きな理由は、人の流れの増加とみられる。宣言を解除した6月21日以降、夜間に繁華街にいる人の数は、18.1%増えた。強い対策のタイミングが遅れると「医療逼迫が起きうる」としている。政府内では、首都圏の「重点措置」を期限の7月11日で解除するのは、難しいとの見方が広がっている。 

 東京で感染状況が改善する兆しは見えず、7月11日に期限を迎える「まん延防止等重点措置」を解除する理由が見当たらない。そんな現状に政権幹部らはいら立ちを募らせる。12日以降のコロナ対応をどうするかは、その11日後に開幕する五輪のあり方に影響する。国民の暮らしを引き続き大きく制限するようなことになれば、菅首相らがこだわってきた有観客開催は難しくなるとの声が、首相官邸内でも上がり始めている。

●中外製薬が新型コロナ治療薬、厚生労働省に承認申請

 中外製薬は米国で緊急使用許可が出ている開発中の新型コロナの治療薬「カシリビマブ」と「イムデビマブ」について厚生労働省に承認を求める申請を行った。中外製薬によると、海外の治験では入院や死亡のリスクをおよそ70%減らす効果が確認されたという。去年11月には入院をしていない患者への治療薬として米国のFDA(食品医薬品局)から緊急使用の許可を取得している。

●合宿時に感染者、全員隔離 五輪 政府、自治体向けに指針

 政府は、東京五輪・パラの事前合宿で海外選手団から新型コロナの感染者が出た場合、全ての選手やコーチを宿泊施設の個室などに一時的に隔離する方針を決めた。受け入れ自治体向けの指針を改訂し、30日に示した。指針では、ホストタウンでの事前合宿中に選手団から感染者が出た場合、練習などの活動を停止するよう求める。また選手団が来日した際の空港検疫で陽性者が出た場合、濃厚接触者の疑いがある人を遠距離のホストタウンには運ばず、ホテルに隔離する方針も盛り込んだ。

●職域接種休止 大学も困惑 「計画立てづらい」「大学間で格差」

 ワクチン接種をめぐり、政府が申請の受付けを一時休止した企業や大学での職域接種。供給量を上回る申し込みにより再開の見通しが立たない中、各大学では対応に追われている。

 6月28日から学生の接種受付けを検討していた同志社大では、ワクチンは届いたが、今後の供給量が不透明、受付け開始を延ばすことにした。広報担当者は「早い者勝ちにすると混乱が生じる」と、計画が立てづらいと話す。申請を準備中の都内の私立大担当者は、「受付けてもらえないのなら、自治体の接種を受けてもらう方が良いのか」「国の言うことや方針がちょくちょく変わる。大学間で格差ができてしまい、学生たちに申し訳ない」と話した。

●待機児童、3分の1に減少 コロナで預け控え・失職、影響か

 認可保育園などに入れなかった今春の待機児童数について、政令指定市や東京23区など61自治体に調査したところ、回答した60自治体の合計で1688人と、昨春(5028人)の3分の1ほどに減少したことがわかった。施設整備が進んだ成果との見方がある一方で、新型コロナの感染拡大で子どもを預けるのをためらったり、仕事を失ったりして、一時的に保育需要が縮んだとの指摘もある。

●小池知事が退院

 東京都は30日、過度の疲労で静養中だった東京都の小池子知事が退院したと発表した。医師の判断で、当面はテレワークで公務に復帰するという。小池知事は22日に静養に入ると発表、約1週間入院した。

●東京都内の感染、高齢者の割合が減少 若者や中高年世代では拡大

 都内では、高齢者へのワクチン接種が進む中、新規陽性者に占める65歳以上の割合が5月5日に11%だったのが、6月27日時点では半分以下の5.4%まで低下。新たに入院した患者も、60代以上の割合はことし1月18日までの1週間は65.9%だったが、6月21日までの1週間は24.7%と大幅に減少した。一方、30代以下は4.8%から21.7%に、40代から50代は29.3%から53.6%に、それぞれ増加している。

●東京714人感染 11日連続で前週上回る

 新型コロナの国内感染者は、30日現在で新たに1821人が確認された。

 国内の感染状況 以下4枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 東京都では714人が確認され、前週水曜日(23日)比で、95人増。前週の同じ曜日を上回るのは11日連続になった。700人を超えるのは5月26日以来で増加傾向が続いている。

 東京都の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 沖縄県は30日、新型コロナの重点医療機関の県立中部病院(うるま市)でクラスターが発生し、5月25日以降に職員と入院患者計50人が感染したと発表。うち16人が死亡した。神奈川県では209人の感染を確認。千葉県は156人、埼玉県は109人だった。兵庫県では19人の死者が確認された。

 新型コロナワクチンの接種状況 以下2枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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★ ★ ★

 急ピッチで進むワクチン接種は、政府は感染拡大を防ぐ期待の「切り札」。医療従事者や高齢者らを含め、首相がシャカリキになった「1日100万回接種」にも到達した。ただ、モデルナの供給が追いつかず、職域接種はストップした。菅政権は、10月~11月にはワクチン接種を希望するすべての人に打ち終わるとしている。

 ワクチンには、接種した本人の感染症や感染や感染しても重症化から守る効果が期待されている。ウイルスに感染すること自体をかなりの確率で防げれば、接種率が高まることで流行は収まっていく。接種していない人も間接的に守られるという「集団免疫」としての効果がある。しかしワクチン接種が進んでいるとされるイスラエルや英国でも、デルタ株の広がりで未だ「集団免疫」の状態には至っていない。

 新型コロナの場合、少なくとも人口の6~7割の接種率が必要と考えられているが、感染力の強い変異株ではさらに高い割合が必要になるという話もある。日本において、免疫をもっていない人にも予防効果が及ぶ「集団免疫」が、いつになったら得られるのだろうか。政府もまだ見通せていない。

 政権が6月20日をもって「緊急事態宣言」の解除に踏み切った。「緊急事態宣言」のもとでは、首相が思うような五輪ができないからだそうだ。そもそも再延長した宣言の期限を20日とした時点で、今回の解除は既定路線だったという。7月23日の東京五輪の開会が迫るなか、国民の暮らしを大きく制限したままでは、五輪への逆風が強まりかねない。政権は「有観客」の五輪にこだわる。何より、前首相が訴えてきた「コロナに打ち勝った証し」を踏襲して五輪を成功させ、国民を熱狂させ、政権を浮上して秋の衆院選、総裁選につなげたい。

 首相ら政権幹部は、5月下旬に再延長を判断した際、五輪に向けた「反転攻勢」の青写真を描いた。五輪1カ月前まで対策を徹底して、感染状況を改善させる。ワクチン接種を加速させ、国民に安心感を広める。五輪開催についてG7サミットで首脳らの「支持」をとりつけ、国内外にアピールする。「俺は勝負したんだ」と、ワクチン接種で陣頭指揮を執ってきた首相は最近、側近議員らに繰り返しそう語っているというが、国民はそんなギャンブルに付き合っていられない。

 首相周辺は、「首相はワクチンの効果で感染状況が改善し、経済が好転する楽観シナリオを信じている」という。そんな首相に政権内からは、「楽観論が過ぎる。何でもベストシナリオで進むと思い込んでいる節がある」と危惧する声が出ているそうだ。ある閣僚は「五輪に関連して大規模クラスターが発生すれば、首相の責任問題になる」とも話しているという。

 「安全・安心と繰り返すのではなく、首相としてのリスク認識、評価を示してほしい」。首相は17日の会見で、五輪についてそう問われた。ただ、これにも首相は「安全・安心な大会を実現する」と壊れたテープレコーダようにいつもの返答。リスク評価などを語ることはなかった。

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