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2021年7月の3件の投稿

2021年7月30日 (金)

新型コロナ2021.07 四たび宣言

   2021年6月21日からは7都道府県は「まん延防止等重点措置」へ移行した。専門家や国民の懸念をよそに、菅首相はワクチン接種の加速と有観客の五輪開催へと強気に進める。しかし首都圏の感染状況は再び増加に転じ「第5波」へ。東京都は7月12日から五輪期間中の8月22日迄、4度目の「緊急事態宣言」を発出した。

 2021年7月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.06 第5波警戒」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】


【7月1日】

◆サッカー欧州選手権、スコットランド約2000人感染確認

 6月中旬から開かれている「サッカーの欧州選手権2020」(コロナで1年延期)をめぐり、英国スコットランドの保健当局は先月30日、ヨーロッパ選手権の試合や関連イベントをめぐり、新型コロナの感染との関連を調査した結果を明らかにした。

 サッカーの欧州選手権2020のロゴ 出典:ウキメディア・コモンズ

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 当局によると、6月11日から28日までに、欧州選手権に関連して感染が確認されたスコットランド在住者は1991人。感染は、6月18日にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたイングランドとスコットランドの試合に関係した人たちに集中していて、感染者の3分の2にあたる1294人は、この試合の前後にロンドンを訪れていた。このうち、397人はスタジアム内で試合を見ていたという。

◆EU域内共通のワクチン接種やPCR陰性の「デジタル証明書」、本格運用始まる

 EU(ヨーロッパ連合)では新型コロナのワクチンを接種し たことなどを示す域内共通の証明書の運用が、7月1日本格的に始まり、域内の往来の活発化に期待されている。EUでは夏の観光シーズンを前に、先月から多くの加盟国で「デジタルコロナ証明書」が試験的に運用されてきた。この証明書にはいつ、どの種類のワクチンかの接種歴や、PCR検査で陰性だったことなどを示す記録が記載、QRコードが表示され、空港などで提示すれば、旅行者は原則として自主隔離や検査が免除される。

◆モデルナワクチン、「デルタ株」にも有効

 米製薬会社モデルナは日本や米国で接種されている自社のワクチンが、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」にも有効であることを示す研究結果が得られたと発表した。モデルナは先月29日、自社のワクチンを接種した人について、ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の値が複数の変異ウイルスに対してどの程度変化するかを実験した結果を発表した。

◆日本が無償提供したワクチン、マレーシアとインドネシアに到着

 新型コロナ感染が拡大しているマレーシアとインドネシアに、日本政府が無償で提供したおよそ100万回分のワクチンが、それぞれ到着した。マレーシアでは人口のおよそ半数にあたる1600万人余りがワクチン接種を希望しているものの、先月末までに1回目の接種をした人は570万人余り、ワクチンの確保が喫緊の課題となっている。日本政府は6月、台湾とベトナムにワクチンを提供し、外務省では今月、フィリピンやタイにも提供するとしている。

●非製造業5期ぶりプラス 6月短観 苦境底打ちの兆し

 日本銀行が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標の大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前回(3月)から9ポイント上向いて14、非製造業が2ポイント上昇して1となった。ともに4四半期続けての改善で、非製造業がプラスに転じたのは5四半期ぶり。苦境が続く対面型サービス業で底打ちの兆しがある一方、これまで堅調だった一部業種は回復に一服感が出ている。

●路線価、39都府県で下落 全国平均6年ぶり減 コロナ影響

 国税庁が1日に発表した2021年分の路線価(1月1日時点)は全国平均が前年比0.5%減と6年ぶりに下落した。これまでの上昇傾向に大きく貢献してきた訪日客が新型コロナの感染拡大で激減し、不動産取引が停滞したことが要因とみられる。今後、景気回復の見通しがたたず地価の大幅な下落があれば、同庁は路線価を下方修正する方針。

◆菅首相、五輪観客「安全安心最優先、扱いは5者協議で決定」

 新型コロナの感染状況をめぐり、公明党の山口代表は東京都内で記者団に対し、再拡大の懸念があると指摘したうえで、東京五輪の観客の扱いは無観客も視野に対応を検討すべきだという考えを示した。これに関連して、菅首相は、「先般『無観客もありうる』と明言している」と述べ、国民の安全・安心を最優先に対応するとしたうえで、大会組織委員会などとの5者による協議で決めることになるという認識を示した。

●感染悪化「第4波より早い」 東京、ステージ4相当

 東京都は1日、新型コロナ対応の「モニタリング会議」を開いた。直近の新規感染者数(週平均)は約503人に上り、前週より約85人増と大きく上昇した。都内の主要繁華街での夜間の人出は3月末ごろの水準に到達したことも報告され、専門家は、「第4波」よりも早いペースで感染状況が悪化する可能性を指摘した。

 都内では7月1日、673人の感染者が確認された。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数は26.49人となり、政府が「緊急事態宣言」の目安としている最も深刻な「ステージ4」相当(25人以上)を超えた。6月30日時点の人口10万人あたりの療養者数も32人で、「ステージ4」(30人以上)を上回る。同日時点の病床使用率は25%で「ステージ3」にとどまるが、都はこれまで「ステージ4」相当になった場合、飲食店での酒類提供を再び自粛する方針を示している。

●酒提供禁止、再び焦点 東京の夜の人出急増

 新型コロナの感染再拡大が続く東京都で、飲食店での「酒類提供の禁止」が再び焦点となっている。「緊急事態宣言」が解除された先月21日以降は午後7時までの酒類提供が解禁され、繁華街での人出が増加。政府と都は危機感を強めており、専門家の意見も聞いたうえで判断する。

●国内1754人感染

 新型コロナの国内感染者は、1日現在で新たに1754人が確認された。死者は新たに24人増えた。東京都では673人が確認され、前週の木曜日(6月24日)と比べ103人増。前週の同じ曜日を上回ったのは12日連続。

 東京都の感染者を年代別で見ると、20代が207人で最多。30代155人、40代95人、50代89人と続いた。65歳以上の高齢者は32人だった。1週間平均の感染者数は523.1人で前週の119.0%だった。死者は2人。沖縄県では63人の感染が確認され、男女4人が亡くなった。県の集計では、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者は31.19人で全国最多。

【7月2日】

●3回目接種、世界は先へ 英「ブースター」違う種類打つ国も

 世界では新型コロナのワクチン接種を1回も終えていない人が多いが、3回目の追加接種で免疫を高める「ブースター」に向けた動きも目立ってきた。7月1日、NHKが「英 9月から3回目のワクチン接種 高齢者や医療従事者など対象に」、TBSが「イギリス 9月にも"ブースター接種"開始へ」と報じた。朝日新聞も2日、「世界で動き出す追加接種ブースター『最強の保護策』」と各国の取り組み状況をまとめている。効果の持続や未知の変異株への対応などが期待されている。

 英政府は6月、英アストラゼネカ製や米ファイザー製、米モデルナ製など7種類のワクチンを、3回目に接種したときの効果を調べる臨床試験を始めた。副反応の有無や、接種後に定期的に血液を採取して免疫反応の変化を調べる。英政府は、3回目の接種を、70歳以上の高齢者や医療従事者など感染のリスクが高い人を対象にことし9月から始める計画を明らかにした。ただ、昨年12月から接種が始まり、新規感染者が増えやすくなる冬には半年を超える人も少なくない。

◆米の複数メディア、東京五輪の行動制限について組織委に抗議

 東京五輪では、海外メディアを含めた大会関係者は、感染対策を定めた「プレーブック」に基づく行動が求められている。組織委員会などによりますと、米ニューヨークタイムズなどおよそ10のメディアが連名で28日、組織委員会やIOCに対し「取材が制約される」として、抗議の書簡を送った。組織委員会は「現下の情勢に鑑みれば、非常に厳しい措置が必要だ」とコメントしている。

 具体的には、記者がマスクをし、ソーシャルディスタンスを守ることを前提に通常の取材を認めることを求めていて、今のルールでは「観客へのインタビューや都内での取材が制約される」という。また、GPSでの行動管理については「記者の個人情報を求める前に、情報をどのように活用するかを明示するべきだ」としている。

●小池氏、「五輪、無観客も軸」 5者協議、8日にも判断

 東京五輪の観客について、政府や東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者はバッハIOC会長が来日予定の8日か翌9日にも代表者会議を開き、最終判断する方向で調整に入った。新型コロナ感染再拡大を受け、大規模会場を「無観客」とする案が浮上している。一方、東京都の小池知事は2日、「感染状況を注視しながら、無観客も軸として考える必要があるのではないか」との認識を示した。

◆ワクチン接種、「したくない」11% 若い世代多く 全国大規模調査

 国立精神・神経医療研究センターなどのグループは、ことし2月インターネットを通じてワクチン接種に関するアンケートを行い、全国の15歳から79歳までの2万3000人余りから得た回答を分析した。「接種したくない」と答えた人は全体の11%。若いほどその割合は高く、15~39歳の女性で15.6%と最も高い。拒否する割合は、政府を信頼していない人が信頼している人の約1.4倍高い傾向がみられた。

 「接種したい」と回答したのは35.9%、 「様子を見てから接種したい」が52.8%、 「接種したくない」が11.3%だった。 「接種したくない」と回答したのは、15歳から39歳までの若い世代ではおよそ15%、65歳から79歳までの高齢者ではおよそ6%。接種したくない理由については、複数回答で、 「副反応が心配だから」が73.9%、「あまり効果があると思わないから」が19.4%。若い世代ほどSNSやデマに影響されやすという。

●東京660人感染

 国内感染者は2日現在で、新たに1777人が確認された。死者は新たに25人増えた。東京都では660人が確認され、前週の金曜日(6月25日)と比べて98人増。前週の同じ曜日を13日連続で上回った。1週間平均の感染者数は537.1人で、前週比118.0%。年代別では、20代が221人で最多。30代113人、40代102人と続いた。65歳以上の高齢者は39人。「緊急事態宣言」が続く沖縄県では、新たに61人が感染。直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者は31.26人と全国最多。

【7月3日】

◆サッカー欧州選手権、英で6万人超観客入れる計画に懸念広がる

 サッカーの欧州選手権をめぐり、新型コロナ感染拡大への懸念が高まっている。欧州選手権はヨーロッパ各国で行われていて、デルタ株の感染が広がり、感染者が2万7000人を超える日もある英国では、7月6日と7日の準決勝、11日の決勝が、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで6万人を超える観客を入れて行われる予定。英国では今大会すでに、試合の観客などおよそ2000人に感染が確認されている。

 ロンドンのウェンブリー・スタジアム 出典:ウキメディア・コモンズ

ロンドンのウェンブリースタジアム 出典:ウキメディア・コモンズ

 メルケル独首相は2日、訪問先のジョンソン英首相との共同会見で「観客数が多くないか、非常に心配で懐疑的に見ている」と強い懸念を示した。一方、ジョンソン首相は「スポーツイベントは注意深く管理しながら徐々に再開している。国内にはワクチン接種によって大きな免疫の壁ができている」と、予定どおり開催する方針。イタリアのドラギ首相は、決勝はほかの国で行うべきだと主張、ドイツの内相も主催のUEFA(欧州サッカー連盟)を「無責任だ」と非難、各国で懸念が広がっている。

●東京716人感染 全国1881人

 国内感染者は3日現在で、新たに1881人が確認された。死者は新たに9人増えた。 東京都では新たに716人が確認され、前週の土曜日(6月26日)と比べて182人増えた。前週の同じ曜日を上回るのは14日連続。1週間平均の感染者数は563.1人で前週の118.3%だった。

【7月4日】

●自公、コロナ逆風 楽観、ワクチン不足で一変

 4日の東京都議選の投開票で、政権与党の自民・公明両党が過半数を確保できなくなった。地域政党「都民ファーストの会」に前回都議選のような勢いがなく、公明党との選挙協力も復活させた好条件もそろっていた。与党内では当初、過半数獲得を楽観する見方もあったが、ワクチン接種の滞りなどで失速。動かないとみられた小池都知事も最終盤に「都民ファーストの会」の応援に動いた。与野党ともに次の衆院選に不安を残す結果となった。

 自民・公明両党で過半数に届かない事態に、議員らが受けたショックは計り知れない。小池氏は二階幹事長に近く、党内で「自民から国政復帰するのではないか」という臆測をくすぶらせている。二階氏自身は周囲に、小池氏の国政復帰について「そう簡単じゃない」と語るが、言葉通りに受け取る人は少ない。

●東京518人感染

 国内感染者は4日現在で、新たに1485人が確認された。首都圏の1都3県で全体の約7割を占めた。東京都では518人の感染が確認され、前週の日曜日(6月27日)より132人多く、前週の同じ曜日を上回るのは15日連続となった。1週間平均の感染者数は582.0人で、前週の121.9%となった。感染者を年代別に見ると、20代が168人で最多。30代118人、40代95人、50代44人と続いた。65歳以上の高齢者は19人だった。

【7月5日】

◆米、ワクチン接種ペース減速「政治的立場で意識に違い」

 米国では7月3日時点で、18歳以上の67.1%が少なくとも1回、ワクチンを接種しているが、バイデン政権が掲げていた「7月4日の独立記念日までに70%に到達する」という目標には未達。1日当たりのワクチンの接種回数は、ピーク時のおよそ6分の1とペースが減速している。

 接種率は、若い人たちや黒人の間で低くなっている。また、東部のバーモント州やマサチューセッツ州、ハワイ州では80%を超えた一方、南部ミシシッピ州は46.3%、ルイジアナ州は49.2%、西部ワイオミング州は50.2%にとどまる。リベラルな考えの人が多い民主党地盤とされる州で接種率が高く、保守層が多い共和党地盤の州では低い傾向。専門家は政治的な立場によるワクチン意識の違いも影響していると指摘している。

◆イスラエル、ワクチン予防効果64%に減少 変異株との関連指摘

 イスラエルの保健省は7月5日、新型コロナのワクチンによる発症を予防する効果が64%に減少したと発表した。5月時点での効果は94%余りだったということで、デルタ株の感染拡大との関連も指摘されている。イスラエルでは、16歳以上の人口の8割余りが製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを接種し、6月中旬までは1日の新規感染者数が1桁となる日もあったが、デルタ株の感染が広がり新規感染者は7月5日には507人に上った。

◆インドネシア、新型コロナの1日の死者最多に 医療用酸素が不足

 新型コロナの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアでは、7月4日、1日当たりとしてはこれまでで最も多い555人が亡くなった。各地の病院では、医療用酸素が不足するなど、医療体制のひっ迫が深刻になっている。

●接種登録煩雑、遅れ続々 ワクチン在庫把握に影響

 ワクチン接種をめぐり、政府が自治体などの接種実態を正確に把握できずにいる。接種回数や自治体の在庫量は、国のワクチン接種記録システム(VRS)でリアルタイムで一元的に管理するが、接種の入力が煩雑で遅れるケースが相次ぐ。VRSの入力遅れは、地域ごとにさまざまな事情で生じており、国がどんどん打てと急がせたことで、自治体の入力が追いつかず現実とシステム上にギャップが生まれている。ワクチン不足を訴える自治体が出ているなか、今後の配送計画にも影響を及ぼしかねない。

 こうした状況にワクチンの調整を担当する河野行政改革相は、7月からVRSへの登録実績に応じてワクチンの一部を配分する方針を表明。登録作業が遅れている自治体は、ワクチンが余っているとした。自治体側からは反発が出ており、7月の自治体へのワクチン配送量が6月より約3割減になるところにこの配分が加わったことで、全国の自治体に「ワクチンが足りなくなる」との懸念が広がった要因の一つとなった

●全国1030人感染
 
 国内感染者は5日現在で、新たに1030人が確認。前週の月曜日(6月28日)より29人多く、前週の同じ曜日を上回るのは13日連続となった。死者は新たに19人増えた。東京都では342人の感染が確認された。5日までの1週間平均の感染者数は585.6人で前週の119.8%だった。全体の感染者のうち、首都圏の1都3県で約7割を占めている。

【7月6日】

◆コロナ感染拡大のインドネシア、在住日本人が11日間で6人死亡

 インドネシアでは6日新たに3万1189人が新型コロナに感染していることが確認されたほか、728人が死亡、いずれも過去最多となった。6月26日から7月5日までに、現地在住の日本人5人が新型コロナに感染して亡くなったほか、7月6日も新たに1人の死亡が確認され、日本人の死者は11日間で合わせて6人になった。医療態勢が逼迫し、症状が悪化しても胸部のCT検査や血液の検査ができず、自宅療養しなければならない人が多いという。

◆茂木外相、台湾へ約113万回分のワクチン追加提供と発表

 新型コロナワクチンの海外への提供をめぐり、茂木外務相は閣議のあとの記者会見で、先月およそ124万回分のワクチンを提供した台湾で、引き続きワクチンの不足が続いていることなどから、8日、およそ113万回分を追加で提供すると発表した。提供されるのはアストラゼネカのワクチンで、台湾には前回分と合わせておよそ237万回分が提供されることになる。

●ワクチン供給、減ったまま 自治体向け8・9月分


 ワクチン接種をめぐり、供給不足の不安から自治体で新規予約の停止が相次いでいる。河野行革相は6日の閣議後会見で、自治体に配送される米ファイザー製ワクチンは、6月は2週間あたり最大1870万回分だったが、8、9月について2週間ごとに約1170万回分(700万回供給減)というペースで配送することを明らかにした。中長期の見通しを示すことで自治体の懸念を払拭する狙いだが、供給量自体は前月から大きく落ちた7月とほとんど変わっていない。

●接種号令、空回り 在庫把握滞る

 ワクチン供給をめぐる混乱が続いている。接種の号令をかけた政府からのワクチン供給量は増えず、自治体や企業は接種スケジュールを延期するなど対応に追われる。田村厚労相は6日の閣議後会見で、「6月末までに約9千万回分は供給され、接種回数は5千万回ぐらい。市中に4千万回ぐらいあり、ミスマッチが起こっている」。米ファイザー製のワクチンを自治体向けに配送したにもかかわらず、「目詰まり」が起きている可能性に言及した。

 供給不足の懸念から新規受け付けを停止する自治体が相次ぐなか、政府は自治体の個別接種を担う診療所などが在庫を抱えている可能性があるとみているが、その実態がつかめない。ワクチン接種記録システム(VRS)の入力が自治体ごとにばらつき、接種状況をリアルタイムで把握できていない。さらにファイザー製の自治体への供給減が混乱に拍車をかけた。

モデルナ不足 河野氏発言、波紋 知ったのは「連休前」

 新型コロナのワクチン供給をめぐり、河野行革相の対応が混乱に拍車をかけている。モデルナ製ワクチンを使う職域接種は、新規受け付けが止まったまま。申請済みの企業や大学でもスケジュールの先行きは不透明。6日の河野氏の記者会見での発言に驚きが広がった。「6月末で供給を受けたモデルナのワクチンは、1370万回分」。これまで伏せてきたモデルナ製ワクチンの実際の供給量を明らかにした。混乱のもととなった職域接種の受け付け休止から、10日以上がたっていた。

 政府は昨年10月、モデルナ社と5千万回分(今年6月末まで4千万回分、9月末まで1千万回分)の供給契約を締結。実際は6月末時点で、4千万回分の約3分の1しか入ってなかった。さらに河野氏は、モデルナ社から6月末までの供給量が減らされることを知ったのは「大型連休前くらい」だったと明かした。河野氏はこれまで、「輸入総量の問題ではなく、1週間ごとの輸入量の上限が限界に来ている」と説明。だが政府関係者は、「モデルナの生産能力が落ちていた」「総量も足りていない」と認める。

 モデルナ製の供給量5千万回分に対しこれまで、職域接種は約3700万回分、自治体の大規模接種は約2400万回分の申し込み。政府は苦肉の策として、自治体の大規模接種向けにファイザー1200万回分を振り分けることにした。一方で自治体では、ファイザーの供給不足への懸念から、新規予約の停止が相次いでいる。もともと自治体は集団接種や個別接種が中心、大規模接種は補助的な役割だった。ある自治体の首長は「モデルナの穴埋めにファイザーを使うのは本末転倒」と批判する。

●重点措置めぐり協議 首相・関係閣僚 感染悪化懸念も

 10都道府県に11日までの期限で出されている「まん延防止等重点措置」の扱いについて、菅首相は6日、田村厚労相ら関係閣僚と首相官邸で協議した。政府は、首都圏4都県については、「重点措置」を1カ月以上延長する方向で調整している。東京では感染再拡大が顕著になっており、6日の新規感染者数は593人、17日連続で前週の同じ曜日に比べて増加。隣接する埼玉・千葉・神奈川の3県も増加傾向で、「少なくとも首都圏の重点措置は解除できない」との見方。

 6日の閣僚会議では、五輪を控える東京などは「重点措置」の延長で対応との意見が出た一方で、「緊急事態宣言」の検討が必要との指摘もあったという。政府は7日に再度、会議を開いて対応を固める方針。8日に専門家による「基本的対処方針分科会」に諮り、了承されれば同日の対策本部で正式に決定する。

●求人、緊急事態宣言で明暗 東京・大阪は悪化、今年対象外地域は回復

 厚労省が毎月発表する「有効求人倍率」をめぐり、「緊急事態宣言」が繰り返される地域とそれ以外の地域で、回復具合に差が出始めている。営業自粛要請などが地域経済の足かせになっていることをデータが裏付けている。求人倍率は、求職者1人に対し、求人が何件あるかを示す。有効求人倍率(季節調整値)の全国平均は2019年12月には1.57倍。これが2020年4~5月に全国が対象の1回目「緊急事態宣言」を経て、同10月には1.04倍まで低下。2020中はほぼ横ばいで推移した。

 2021年の都道府県別の有効求人倍率(就業地別)は、2極化している。1月以降、「宣言」や「重点措置」が断続的に出ている東京都と大阪府。5月を昨年10月と比べると、東京は0.05、大阪は0.03ポイントそれぞれ悪化、まだ底が見えない。同様に対象になった愛知、福岡、沖縄などの地域も回復は小幅。一方、今年に入ってからは宣言の対象になっていない地域、例えば福井県は昨年10月から0.25、秋田県は0.28ポイント改善し、コロナ禍前の水準を取り戻す勢い。

●GDP、コロナ前回復「年内」 政府予想前倒し

 政府は6日、2021年度の実質成長率を1月時点の4.0%から3.7%に下方修正すると発表した。4~6月の「緊急事態宣言」で消費が落ち込んだことなどが影響した。ただ、ワクチン接種の進展などで、年内には国内総生産(GDP)がコロナ前の水準に回復するとし、年度内としていた1月時点の予想より3カ月前倒しした。

 政府がこの日の「経済財政諮問会議」で最新の試算を示した。今回は22年度の見通しも初めて出し、実質成長率は2.2%とした。実現できれば、実質GDPは約558兆円となり、消費増税前の18年度に記録した約554兆円を超えて過去最高になるという。

●都内聖火リレー 公道開催を中止 島嶼部を除く全域

 東京五輪の聖火リレーについて、東京都は6日、島嶼部を除く都内の全地域での公道走行を中止すると発表した。都は既に、世田谷区と多摩地域での実施を中止するとしていたが、対象を全地域に広げた。各日の終着点となる会場で、点火セレモニーのみ行う。

●飲食店に過料25万円 東京で時短応じぬ4店

 東京都は6日、新型コロナ対応の特別措置法に基づき営業時間の短縮命令を出した飲食店の4事業者に、裁判所からそれぞれ25万円の過料決定が出ていたと発表した。命令が出された施設の過料金額が明らかになるのは、全国で初めてとみられる。事業者は今年3月、「緊急事態宣言」中に都が命令を出した飲食店を運営しており、都が命令を出した後も応じず、過料を科すべきだとして裁判所に通知していた。

●全国1671感染

 国内感染者は6日現在で新たに1671人が確認された。増加傾向が続く東京都を中心に、首都圏の1都3県で全国の6割以上を占めた。都のスクリーニング検査では同日、デルタ株の感染が94人で、1日当たりで最多となった。

【7月7日】

●ボルソナーロ大統領 批判集中 コロナ死者50万人 汚職疑惑
 
 新型コロナ感染による死者が50万人を超えた南米ブラジルで、ボルソナーロ大統領への批判が強まっている。新型コロナを軽視する姿勢に加え、ワクチンをめぐる汚職疑惑が明らかになったため。大統領選を1年後に控え、再選を阻もうとする政治の動きも活発になっている。

●東京、緊急事態宣言へ 来月22日まで 首相方針 五輪、都内無観客の公算大

 菅首相は7日、感染再拡大が続く東京都に対し、4度目の「緊急事態宣言」を出す方針を固めた。期間は12日から8月22日まで。また11日期限の沖縄県の「緊急事態宣言」も延長のほか、埼玉・千葉・神奈川・大阪の4府県への「重点措置」も8月22日まで延長する方向で調整。北海道・愛知・京都・兵庫・福岡の5道府県は「重点措置」を解除。政府は8日に「基本的対処方針分科会」に対応方針を諮り、了承されれば国会への報告を経て、同日の対策本部で正式決定する見通し。

 7月11日までの「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」 出典:NHK WEB NEWS

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 首相は7日夜、記者団の取材に応じ、「東京の感染者数は増加傾向にあり、感染者数、病床の状況を踏まえて、万全の態勢をとって感染を抑えていきたい」と述べた。「緊急事態宣言」を8月22日までとしたのは、夏休みやお盆期間の人の流れを抑える狙いがあるとみられる。今月23日開会の東京五輪は「緊急事態宣言」下となり、都内の会場は「完全無観客」となる公算が大きい。

●首都圏「対策の徹底必要」 専門家組織指摘 東京900人超感染

 厚労省に助言する「専門家組織」(アドバイザリーボード)は7日、首都圏で感染者の増加が続き、全国の感染者数の3分の2を占める状況になっているとして、「全国へ波及させないためにも、対策の徹底が必要」と訴えた。五輪の開幕を控えた東京都内の入院患者や重症者数が増えていると指摘。東京都では同日、新たな感染確認が920人に上った。1週間前に比べ206人増えた。都内の感染者が900人を超えるのは、3回目の宣言下にあった5月13日(1010人)以来。

 厚労省によると、6日までの1週間の10万人あたりの新規感染者は、東京都が30.29人、神奈川県16.39人、千葉県15.85人、埼玉県11.28人。「まん延防止等重点措置」がとられているものの、いずれも前週より増加した。東京都は、最も深刻な「ステージ4」となっている。東京都の入院患者数は、6月20日に1270人まで減ったが、7月6日には1677人に増えた。重症者は63人になった。40、50代の重症者が目立ち、第4波並みになっているという。

 デルタ株に感染した人は、PCRスクリーニング検査で5日までに全国で1409人が確認された。前週の842人からさらに増えた。国立感染研は、関東地方ではこうしたデルタ株が感染の30%以上を占めると推定し、「都心部での継続的な流行に移行しつつある」と分析している。強い対策をとらなければ、都内の1日あたりの新規感染者数は7月中に1500人を超えるという試算も示された。

●迫る五輪、4度目宣言 こだわり続けた有観客

 7日夜、首相官邸で関係閣僚による会議を終えた首相は、記者団の前に硬い表情で立った。会議では、東京に出している「重点措置」を「緊急事態宣言」に強化する方針を決めた。だが、政府方針の内容を問われた首相は「あすの専門家会議に諮ることにした。万全の体制をとって感染を抑えていきたい」と述べるのみ。ある自民党の中堅議員は、「復興五輪、打ち勝った証しを強調してこのあり様だ。首相は厳しい状況に追い込まれた」と厳しい口調で語った。 

 政権内では東京の「重点措置」を延長か、宣言に切り替えるか、意見が割れていた。東京への宣言が検討され始めたのは、6日午後の閣僚会議からだったという。コロナ対応を担当する西村経済再生相は、「1都3県に宣言を出すべきだと言っています」と専門家に広がる危機感を首相らに説明、「専門家の意見に添って対応すべきです」と訴えた。一方、加藤官房長官は「病床の指標は宣言の水準ではない」と述べ、宣言を出すことに慎重な考えを示した。議論は翌7日に持ち越された。

 もともと政府内では、首都圏4都県は「重点措置」を1カ月程度延長する案を軸に調整していた。こだわってきたのは、「有観客での五輪」。 23日に五輪の開会式を控える東京に宣言を出せば、首相らが描いてきた「祝祭ムード」の演出に水を差す。首相周辺は「コロナに負けた感じになる。宣言は避けたい」と、ギリギリまで語っていた。 しかし、感染状況の悪化は予想を上回る勢いで進んだ。政府の新型コロナ対策「分科会」の尾身会長ら専門家が懸念を示し、強い対策を求めた。

■医療逼迫の恐れ、指摘 専門家

 政府「分科会」の尾身会長は7日午前の衆院厚労委員会で、「東京都の直近のデータをみると、入院患者数、重症者数が少しずつ増えている兆候がある。4連休、夏休み、お盆、五輪・パラが始まる前に、効果的な対策を打つことが必要だ」と強い対策を講じるべきだと主張した。「専門家組織」メンバーの京都大の西浦教授は、ツイッターで五輪開催への懸念を示した。「世界的に流行状況が悪い。本当に別格サイズの祭典はするのですか」

 専門家は、強い危機感をあらわにした。この日の「専門家組織」に提出された京大ウイルス・再生医科学研究所による試算では、都内の新規感染者数は7月中旬には1千人に達する。強い対策をとらなければ8月初めには4千人を超え、医療逼迫も起きる可能性がある。アルファ株からデルタ株への置き換わりも、大きな懸念材料。国立感染研の推計によると、首都圏では7日時点で感染の約35%がデルタ株とみられ、五輪が開幕する23日ごろには7割程度、8月末には完全に置き換わるとされる。

 「専門家組織」の会合後、メンバーの舘田・東邦大教授は「前回の緊急事態宣言はギリギリだった。2週間遅れていたら大阪のようになっていた。遅れたら絶対だめだ」と述べ、東京都に「緊急事態宣言」を出すべきだとの考えを示していた。日本医師会の中川会長は7日の記者会見で、東京について「さらに感染者が急増するなら、強い措置も必要だ」として、「緊急事態宣言」を再び出す必要性について示唆していた。

●供給不足で政府強調 ファイザー製「2回目、6週間以内で効果」

 米ファイザー製のワクチンの接種間隔について、田村厚労相は7日の衆院厚労委員会で、立憲民主党の長妻議員の質問に、これまで標準としてきた3週間でなくても、6週間以内であれば「効果を維持できる」と答えた。自治体が「ワクチン不足」を訴えて接種計画に遅れが出るなか、2回目の接種が遅れても問題ないことを強調した。首相官邸も公式ツイッターで同じ趣旨の発信。「WHO、米国やEUの一部の国では1回目から6週間後までに2回目を接種することを目安としている」としている。

◆「酒出る3人以上の会食に2回以上参加」で感染リスク約5倍か

 新型コロナの感染リスクについて、国立感染研究所などのグループが発熱外来などを受診した280人余りを分析したところ「酒の出る3人以上の会食」に2回以上参加していた人は、感染の危険性がおよそ5倍高かったという暫定的な解析結果を公表した。この分析結果は、国立感染研の鈴木感染症疫学センター長らのグループが7日の専門家会合で示した。

●6割超が「ワクチン配送日不明」 職域接種の企業・団体、医師会調査

 ワクチンの職域接種で申請が受理されたにもかかわらず、国からワクチンの配送日程を知らされていない企業・団体が6割超にのぼる、とのアンケート結果を日本医師会が7日発表した。ワクチンの配送予定量の連絡を受けていないとの回答も6割超を占めた。政府は6月8日に職域接種の申請を受け付け始めたが、職域接種に用いる米モデルナ社製のワクチンの供給が追いつかない可能性があるとの理由で、25日から新規の受け付けを休止している。

 アンケートは、接種に関わる医師らを紹介する日本医師会などの相談窓口に連絡してきた企業・団体を対象に行われた。日本医師会は、医師や看護師などを紹介する日程の再調整が必要なケースも出ているとして、配送日程や供給量を早く示すように国に求めた。

●国内で新たに2191人感染 約4週間ぶりに2千人超え

 国内感染者は7日現在で新たに2191人が確認された。2千人を超えるのは6月10日以来で、約4週間ぶり。国内の重症者数(6日時点)は480人で、前日から1人減った。重症者数が減るのは16日連続となった。都道府県別の新規感染者は、東京都の920人が最も多く、神奈川県が250人、埼玉県が157人、大阪府が151人と続いた。首都圏の1都3県だけで1466人に上り、全国の約67%を占めた。

 東京は前週の水曜日(6月30日)と比べ206人の増加で、18日連続で前週の同じ曜日を上回った。都内の感染者が900人を超えるのは5月13日(1010人)以来。7日までの1週間平均の感染者数は631.7人で、前週の124.3%だった。また、新たに3人の死亡が発表された。

【7月8日】

◆東京に4回目の「緊急事態宣言」、政府決定 沖縄は延長 8月22日まで

 菅首相は8日、「まん延防止等重点措置」を適用している東京都に、4目の「緊急事態宣言」を出すことを正式決定した。期間は12日から8月22日までで、酒類やカラオケを提供する飲食店には再び休業要請する。7月11日が期限の沖縄県の「緊急事態宣言」と、埼玉・千葉・神奈川・大阪の4府県への「重点措置」も8月22日まで延長する。北海道・愛知・京都・兵庫・福岡の5道府県は「重点措置」を解除する。

 7月12日からの「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」 出典:NHK WEB NEWS

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 8日夜の記者会見で首相は「再度東京を起点とする感染拡大を起こすことは、絶対に避けなければならない」と述べた。さらに海外では全人口の約4割がワクチンを1回接種すると感染者が減る傾向にあると指摘し、「4割に到達することが大事だ。7月中に目指したい」と語った。同席した政府の「分科会」の尾身会長は、デルタ株の広がりについて、「40代、50代の重症者数が増えている。放っておくと医療逼迫の蓋然性がかなり高い」と述べた。

●西村再生相、要請に応じない飲食店に金融機関から順守を働きかける方針

 西村経済再生相は8日夜の会見で「(政府の要請に)応じていただけないお店については、金融機関に対してしっかり情報を共有しながら、順守の働きかけを行っていただく」と述べ、金融機関に協力を要請する考えを示した。

●4都県、五輪無観客 宮城・福島など4県は有観客

 23日開幕の東京五輪の観客の扱いについて、政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者は8日、代表者会議を都内で開き、4度目の「緊急事態宣言」が出る都内の会場は「無観客」とすることを決めた。引き続いて開いた関係自治体との協議会で、「まん延防止等重点措置」が適用されている神奈川・千葉・埼玉の会場の無観客も決まった。

 全42会場のうち34会場が1都3県にある。収容人数の大小や競技時間の昼夜を問わず一律に無観客とする。安倍前首相が大会延期を決める際に表明した「完全な形での開催」はかなわず、「緊急事態宣言」下で開催し、大半の会場が無観客となる異例の五輪となる。宣言や重点措置の対象ではない宮城・福島・静岡・茨城の4県は有観客となった。宮城・福島・静岡は「収容人数の50%か1万人の少ない方」、茨城は学校連携の児童・生徒らのみ入れる。北海道は引き続き調整する。

●首相裏目、宣言下の異例の五輪 ワクチンで抑制、崩れたシナリオ
 
 菅首相が、東京都に4度目の「緊急事態宣言」を発表。前回の宣言解除から3週間もたたない中、東京は「第5波」に見舞われつつある。東京五輪の開催を最優先した菅政権の対応に、政治責任が大きく問われる。「前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、大変申し訳ない思いであります」。8日夜、宣言を決めた対策本部後の記者会見で首相は陳謝した。また、自身が最優先課題としてきた五輪について「緊急事態宣言の下で異例の開催」との認識を示した。

 9月に自民党総裁の、10月に衆院議員の任期を迎える首相は、この夏、コロナの感染拡大を抑え込んで、安心・安全な五輪を実現して衆院解散・総選挙になだれ込み、勝利したい考えだった。だが、そのシナリオは崩れつつある。東京に押し寄せる感染「第5波」を防げず、こだわってきた「有観客」は断念に追い込まれた。政府のコロナ対応や五輪開催に、否定的な世論は根強いまま。先の東京都議選は、自民党が事前の予測を大きく下回る「大惨敗」に終わった。

◆日本提供のワクチン、フィリピンに到着 大統領が出迎え歓迎

 日本政府が無償で提供したおよそ100万回分の新型コロナのワクチンが8日夜、フィリピンに到着し、ドゥテルテ大統領はみずからワクチンのコンテナを出迎えるなど、強い感謝の意を示した。

●全国2246人 2日連続2千人超

 国内感染者は8日現在で、新たに2246人が確認された。7日に続いて2千人を超え、新たな死者は17人増えた。東京都の新たな感染者は896人。前週の木曜日(7月1日)と比べ223人の増加で、19日連続で前週の同じ曜日を上回った。8日までの1週間平均の感染者数は663.6人で前週の126.9%となり、感染拡大が続いている。

 そのほか、神奈川県が322人、千葉県が200人、埼玉県が155人、大阪府が125人だった。49人の感染を確認した愛知県では、県独自の「厳重警戒宣言」が12日から始まり、東京五輪終了後の8月11日まで1カ月間続く見通し。

【7月9日】

◆タイ政府、夜間の外出禁止へ 変異ウイルス感染拡大

 タイ政府は9日、変異した新型コロナの感染が拡大していることを受けて、12日から首都バンコクや周辺の地域で、夜間の外出を原則禁止するなど規制を強化することを発表した。タイではことし3月ごろから、アルファ株の感染が拡大したあと、デルタ株の感染も広がり、9日発表された新たな感染者数は9276人に上っている。

●「ワクチン接種スピード世界一」、首相発言 実は人口比、G20で6番目

 菅首相は8日夜の記者会見で、「自治体や医療などの関係者のご尽力により、いまや世界でも最もスピードで、接種が行われているといわれています」と、日本のワクチン接種のスピードは世界一速いという趣旨の発言をした。加藤官房長官は9日の記者会見で「主要7カ国(G7)の中でも、直近の1週間の数字を見ると、接種回数の累積の伸びが大きくなっている」と説明した。

 実際はどうか、7カ国のデータがそろう7月4日までの1週間の1日ごとの単純な接種回数を調べると、7月4日は約90万回の日本が63万回の米国などを引き離して最多。6月28、29日、7月2日の4回で日本が首位。しかし、米国は人口の5割以上が1回の接種を終え、1~5月には1日100万~400万回超を接種、日本をはるかに上回っていた。昨年12月から接種を始めた英国も1日数10万回を継続し、6割以上が1回目の接種を終え、今はペースダウン。

 接種回数を人口比とし、対象を主要20カ国・地域(G20)に広げると、状況は変わる。人口100人あたりの1日の接種回数(7日間平均)は、最新の7月6日時点で、カナダが1.29で最も多く、中国1.05、トルコ0.95と続く。日本は0.83で6番目。河野行革相は6月27日、100人あたりの1日の接種回数で、早く接種を始めた欧米各国を最近になって、日本が抜いたとツイッターでアピールした。しかし、今頃になってスピード上げたからと言っても、レースはビリだ。

●政府、一転して撤回 酒提供停止「金融機関働きかけを」

 西村経済再生相は8日、「緊急事態宣言」中に飲食店に酒の提供停止などを要請することについて「応じていただけない店舗の情報を金融機関と共有しながら、順守の働きかけを行っていただく。また、メディアで広告を扱う際、順守状況について留意していただくよう、依頼を検討している」と発表した。そんな考えを示した発言に、銀行や与野党から戸惑いや反発の声が広がった。

 これに対し加藤官房長官は9日の記者会見で、飲食店に対する要請をめぐり、金融機関に働きかけを求めるとした政府方針を撤回することを明らかにした。飲食業界などからの批判を懸念する与党も、反発。1日で見直しに追い込まれた。

●五輪チケット95%払い戻し 一般向け、十数万枚程度に

 東京五輪のチケットについて、大会組織委員会は9日、一般販売した全750セッション(時間枠)のうち、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県での716セッションが無観客になったため払い戻すと発表した。首都圏や北海道の会場が無観客となったことで、パラリンピックを含めて900億円を見込んでいたチケット収入の大半はなくなり、組織委は赤字になる可能性が高い。招致時の立候補ファイルではIOCに負担義務がなく、財政措置について都や国と協議する方針。

◆五輪 北海道でのサッカー、無観客」開催を決定 道の意向で一転

 東京五輪は、東京など1都3県の会場で行われる競技はすべて無観客となり、宮城・福島・茨城・静岡の4県は制限付きで観客を入れて開催することが決まった。そして、最後まで扱いを検討中だった北海道の札幌ドームで行われるサッカー競技について、組織委員会は9日夕方、収容定員の50%以内で上限1万人まで観客を入れて開催することを決め、試合終了が午後9時を過ぎる試合は、引き続き検討するとしていた。

 ところがその後、「緊急事態宣言」が出される東京都などとの人の往来を防ぐのが難しいという北海道からの意向を受けて、組織委員会は9日午後11時すぎ、一転して札幌ドームで開催するサッカー競技は、すべて無観客にすると発表した。

●東京822人感染、デルタ株最多

 国内感染者は9日現在で新たに2278人が確認された。死者は20人だった。東京都で822人、大阪府で143人の感染が新たに確認された。東京都ではインドで見つかった変異株(デルタ株)への感染者167人が確認され、1日当たりで最多となった。

【7月10日】

●五輪、福島も無観客 北海道に続き、一転

 福島県で観客を入れて開催する予定だった東京五輪のソフトボールと野球について、内堀知事は10日、全て「無観客」で実施すると発表した。観客の有無を巡っては、北海道が9日夕に有観客と発表した後、深夜に一転無観客と決定しており、有観客から無観客に転じたのは2例目。

●東京感染950人 大阪226人

 国内感染者は10日現在、新たに2458人が確認された。亡くなった人は11人だった。感染の再拡大が続く東京都は950人。10日までの直近7日間を平均すると、1日あたり720.1人。前週の127.9%と再拡大が続いている。大阪府も200人にのぼり、200人以上となったのは、226人だった6月3日以来となった。

 東京都は、950人のうち20代が301人(32%)、30代が186人で、これらの世代が新規感染者数の半数を占めた。65歳以上は48人。都の担当者は「若年層のワクチン接種が進んでいない中、市中にかなり感染者が広まっている状況」としている。また、大阪府の新規感染者226人のうち20代が最多の64人で3割を占め、30代が31人、10代が28人と続いた。

【7月11日】

◆コロナ再拡大の英、大勢の観客入れスポーツイベント

 英国ロンドンでは11日、テニスのウィンブルドン選手権の男子決勝が1万5000人を収容するセンターコートをほぼ満席にして行われ、11日夜にはサッカー欧州選手権の決勝が、6万人を超える観客を入れてウェンブリースタジアムで行われた。英国では、デルタ株の感染が急速に拡大していて、1日の感染者は3万5000人を超える日も出て感染が再拡大している。

 ウィンブルドンのセンターコート(2010年)とエンブレム 出典:ウキメディア・コモンズ

Centre_court_roof_psウインブルドン選手権エンブレム

◆感染再拡大の東京都、重症患者数40~50代で増加

 全国で新型コロナに感染して全国の重症となった患者は、ことし5月26日の1413人をピークに減少が続き、10日時点で428人となっている。一方で、感染が再拡大している東京都では、40代から50代の重症者が増加し、先月26日には37人に減少していたのが、10日時点で63人と増加。専門家は感染対策を続けながら、ワクチンの接種を進める必要があると指摘している。

●全国で2032人が新規感染 大阪は「第5波の入り口」

 国内感染者は11日現在で、新たに2032人が確認された。1日あたりの感染者数が、日曜日に2千人を超えるのは6月6日以来。東京都、大阪府ではリバウンドの傾向が強まりつつある。

 東京都では新たに614人の感染が確認され、前週の日曜日(4日)と比べて96人増。22日連続で前週の同じ曜日を上回った。11日までの1週間平均の感染者数は733.9人。前週比は126.1%に上り、感染拡大が続く。大阪府の感染者は167人で、前週の日曜日よりも79人増。府内では10日に200人が感染。200人以上は6月3日以来だった。吉村知事は11日、全国知事会にオンラインで出席し、府内の感染状況について「第5波の入り口に入っている」との認識を示した。

【7月12日】

◆仏、飲食店などで「ワクチン証明」提示を義務化へ デルタ株の感染広がる

 フランスのマクロン大統領は、デルタ株の感染が広がっていることを受けて、医療機関などで勤務する人にワクチンの接種を義務づけるとともに、飲食店などを利用する際にも接種した証明の提示を義務づける方針を12日発表した。フランスではインドで確認されたデルタ株が広がって新規感染者の60%近くを占め、1日の感染者数は4000人を超えて3週間前の2倍になる日もある。

◆米FDA、J&Jワクチン情報に警告追加 ギラン・バレー症候群受け

 米FDA(食品医薬品局)は7月12日、製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナワクチンを接種した人から手足のまひなどが起きる「ギラン・バレー症候群」が報告されたとして、製品情報に警告を追加した。FDAは「引き続き、ワクチンの接種による利益はリスクを上回る」として、接種の推奨は変えていない。

●背水「4度目」の緊急事態、きょう発出

 東京都で12日、4度目の新型コロナ対応の「緊急事態宣言」が始まった。23日に開幕する東京五輪や、地方との行き来が盛んになる夏休みやお盆を控え、感染状況をどれだけ改善させられるかが焦点。だが、国民の「宣言疲れ」は深まり、政府のコロナ対応に批判も上がる。宣言の実効性が十分上がるかどうか、政府などから不安視する声も出る。

 沖縄県に出ていた「緊急事態宣言」と、埼玉・千葉・神奈川・大阪の4府県の「まん延防止等重点措置」も延長に入った。期間はいずれも8月22日まで。北海道と愛知・京都・兵庫・福岡の各府県への重点措置は、7月11日で解除された。

●初日人出 微減にとどまる

 4回目の「緊急事態宣言」が出された12日朝、都内の主な駅付近での人出を、NTTドコモの携帯電話の位置情報から滞在人口を推計するデータで調べた。通勤時間帯の人出は、1週間前の5日と比べて大きく減ってはいなかった。午前6時から9時までの人出の減少幅は、JR東京駅と銀座では1%未満。JR渋谷駅では1.7%、JR新宿駅では1.3%それぞれ減ったものの、JR新橋駅ではわずかに増えていた。3回目の「緊急事態宣言」が出て最初の平日となった4月26日も、朝の人出は大きくは減らなかった。

●先手の宣言、尽きぬ不安 夏も流行 新味乏しい対策

 五輪を控えた東京都に4度目の「緊急事態宣言」が出た。新型コロナの感染の波は、1~2週間の判断の遅れで非常に高くなることから、先手を打った形。だが、宣言そのものの効果や新たな変異株の広がりなど、不安材料は多い。「感染対策の決め手は、ワクチンの接種であります」。加藤官房長官は12日の記者会見で、今回の宣言はワクチンの効果が表れるまで全国的な感染爆発を防ぐ措置だとした。

 政府の集計によると、12日までに全国で29.6%の人が少なくとも1回接種を受けている。このまま重症化しやすい中高年への接種が進むことを前提に、政府の「基本的対処方針分科会」の尾身会長は8日の会見で、「9月ごろには医療負荷への安心感は、今よりも出てくると思う」と述べた。しかし、問題は目下の感染拡大をどう抑えるかだ。尾身氏は「ワクチン以外はもう感染拡大の要素しかない」と指摘する。

■50代の重症者、東京で急増 未接種・リスク高い変異株、響く

 感染が再拡大する東京都で、50代の入院患者、重症者がともに年代別で最多となっている。ワクチンで高齢者が守られつつある一方で、比較的若い人でも重症化しやすい変異株の脅威が背景にある。東京都に「緊急事態宣言」が出ることが決まった8日夜。小池知事は緊急会見で、「陽性者数にしても入院患者数にしても、高齢者層から50代の方に移ってきている。まさに『50代問題』」と強調した。

 今回の宣言で、都は対策の三本柱の一つに「50代問題への重点的な対応」。ほかは「飲食店対策の強化」と「ワクチン接種の推進」を掲げた。7日時点の都内の入院患者1673人のうち、50代が355人(21%)で最も多く、40代の302人(18%)が続く。重症者でも、62人のうち50代が年代別で最多の23人(37%)。これまで大半を占めた60代以上は、半数の31人となっている。

 第4波で広がったアルファ株は、40~50代は入院するケースと、集中治療室(ICU)に入るケースのどちらも従来より2倍生じやすい、さらにデルタ株は、入院リスクがアルファ株より1.8倍前後高いという報告がある。50代は職場で感染して、家庭内へウイルスを持ち込む恐れもある。都はテレワークを徹底し、打ち合わせや商談はオンラインでと呼びかける。病床を逼迫させないために鍵を握るのが、50代のワクチン接種をいかに早く進めるかだ。

●ワクチン供給減、「改善を」 全国知事会、国へ緊急提言

 「緊急事態宣言」が東京都に出ることを受け、全国知事会は11日、オンライン会議を開いた。ワクチン供給が急減していることについて、政府に「円滑な接種が可能となるよう迅速に改善すること」などを求める緊急提言をまとめた。近く国に提出する。

 提言では、自治体のワクチン接種の現状を、「予約の受け付け停止やキャンセルが生じるなど接種体制を見直さざるを得ない状況」と指摘し、「市区町村は国の方針に基づいてワクチン接種に全力を挙げてきたのにハシゴを外されて混乱していると、政府は厳しく認識すべきだ」と迫った。その上で、希望量のワクチンを必要な時期に確実に供給する、供給スケジュールや配分量を速やかに示す、市区町村の在庫量の情報を共有する、などの措置を求めた。

■官房長官「約4千万回分が未接種」

 加藤官房長官は12日の記者会見で、自治体の接種で使うファイザー製について、「6月末までに輸入は1億回分、そのうち約8800万回分は自治体に供給し、約4800万回接種が行われた」「差し引き約4千万回分は未接種で、各自治体あるいは医療機関がお持ちになっている」とした。「未接種のワクチンをうまく活用していただければ、1日120万回程度のペースで接種を続けていくことは十分に可能」との認識を示した。

 それとは別に、7~9月は毎月約2500万回分を自治体に配ることを強調。供給不足の懸念から、自治体では新規予約の受け付け停止などが相次いでいるが、国は市中に十分な「在庫」があるとの考え。また加藤氏は、接種券がなくても実施できる米モデルナ製のワクチンを使った職域接種について、「8月に入れば多くの自治体で接種券が発行される」としてVRS(接種記録システム)への入力は進むとした。今後、政府はVRSに都道府県も接続可能にし、データを共有することで市区町村間の調整を進めたい考え。

●ワクチン在庫、自治体「ない」

 ワクチン接種の予約受け付けを止める自治体が相次ぐ中、ワクチンの在庫を巡る国の説明に一部の自治体が反発している。国は「4千万回分が自治体側にある」とするが、予約停止に追い込まれた自治体は「在庫なんてない」「国の説明は実態と乖離している」と訴える。

 「国からのワクチン供給量が限られている。国が接種能力を絞りなさいとおっしゃるので、それに見合う形で集団接種を停止する」。接種計画の見直しを12日に発表した大阪市の松井市長は、会見でこう述べた。週30万~35万回接種できる態勢を整えていたという。「急いで接種態勢を整えなさいというのが国からの通達だった。途中で職域接種の話もあったので、ワクチン量は十分あると理解していた」と不満を漏らした。

 国は「全国の自治体に約4千万回分のファイザー製未接種ワクチンがある」との立場。河野行改相は6日の会見で、ワクチン接種記録システム(VRS)で在庫が6週間分を超える自治体は配送量を1割減らす方針を表明した。

●五輪チケット収入 900億円→数10億円見通し

 東京五輪が首都圏1都3県と北海道・福島県で無観客になったことを受け、パラリンピックを含めた大会全体のチケット収入が当初想定していた900億円から数10億円規模に激減する見通しであることが12日わかった。大会組織委員会の収支が赤字になるのは確実で、公金投入は不可避の情勢だが、東京都、国と財政負担について話し合うのは大会後になる見通し。

 組織委の武藤事務総長は11日のNHKの番組で「大会の後に、重い課題について関係者で協議する必要がある」と述べ、大会終了までは財政負担の議論に入らないとの認識を示した。五輪では、東京・神奈川・埼玉・千葉・北海道・福島の6都道県37会場724セッション(96.5%)が無観客となった。有観客は、茨城・宮城(いずれもサッカー)、静岡(自転車)各県の5会場26セッション。パラリンピックについては、新型コロナの感染状況を踏まえ、五輪閉幕後に決める方針。

●抗体カクテル療法、承認へ 治療薬候補 厚労省、月内にも

 厚労省は12日、新型コロナ感染症の治療薬候補の「抗体カクテル療法」について、19日に部会を開いて国内での製造販売を審議すると発表した。部会の判断を受けて月内にも承認する方針。主に軽症や中等症を対象とする国内で初めての薬になる見通し。米製薬企業リジェネロンがつくり、国内での販売などは中外製薬が担う。中外製薬は今年3月から国内治験も実施し、6月に特例承認を求めて申請。政府と2021年分の供給契約を結んでいる。

 国内で承認されている新型コロナの治療薬としては4つ目となる見込み。ウイルスが細胞に感染するのを妨げる二つの中和抗体「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を組み合わせた点滴薬で、海外の臨床試験(治験)では、入院はしていないがリスクが高い新型コロナ患者に対し、入院や死亡のリスクを7割減らすことができたとされる。

●全国で新たに1506人感染 前週月曜より477人増

 国内感染者は12日現在で、新たに1506人が確認された。前週の月曜(5日)より477人多く、月曜の感染者が1500人を超えたのは5月31日以来。死者は全国で計3人が確認された。東京都は12日、新たに502人の感染を確認したと発表した。前週の月曜日(7月5日)と比べ160人の増加で、23日連続で前週の同じ曜日を上回った。12日までの1週間平均の感染者数は756.7人で、前週の129.2%と感染拡大が続いている。

 東京都の感染者502人を年代別で見ると、20代が172人で最多。30代102人、40代91人、50代50人と続いた。65歳以上の高齢者は16人。新たな死者はいなかった。都基準の重症者数は、前日より6人減って55人。重症者の1人は10歳未満の女児。大田区の都中央卸売市場の市場関係者11人の集団感染も発表した。沖縄県の新規感染者数は28人で、前週の月曜と同じ。大阪府では、28人多い105人の感染を新たに確認した。

【7月13日】

3カ国・地域にワクチン追加支援 イランなど15か国にも提供へ

 茂木外相は13日の記者会見で、国内で製造した英アストラゼネカ製の新型コロナワクチンを、台湾、ベトナム、インドネシアにそれぞれ約100万回分追加提供すると発表した。合計で台湾には約330万回分、ベトナムに約300万回分、インドネシアに約200万回分となる。15日に各国・地域に空輸する。

 茂木氏はまた、ワクチンを分配する国際的な枠組み「COVAXファシリティ」を通じて、イランやバングラデシュ、ネパール、それに、太平洋の島嶼国などの15か国に対し、日本で製造したアストラゼネカのワクチン合わせておよそ1100万回分を提供する方針を明らかにした。

●酒取引停止依頼も撤回へ 政府 業界・自民反発受け

 政府は13日、酒類販売事業者に対し、休業要請などに応じない飲食店との取引を停止するよう求めた方針を撤回した。業界団体や自民党内から強い反発が出ていた。金融機関に事業者への働きかけを求めるとした政府方針の撤回に続き、酒類提供停止をめぐる菅政権の迷走が続いている。

 今回の「緊急事態宣言」を決定した8日に内閣官房と国税庁が、酒の提供自粛に応じない飲食店との取引停止について、卸業者を含む酒販などの関係団体に文書で依頼。業界団体などは、自民党に撤回を求め抗議するなどしていた。内閣官房は13日夜、関係団体への依頼を撤回することを発表、団体宛てに撤回文書を出した。自民党の議員連盟は13日、政府に「取引停止」依頼を撤回することや酒類販売業者への支援拡充を求めていた。

■融資先働きかけ、政府で共有

 政府方針は8日夜、西村氏が会見で、休業要請などに応じない飲食店について「金融機関としっかり情報共有しながら、順守を働きかけていく」と表明。金融庁は9日夕にも全国銀行協会へ依頼文書を出す準備を進めていたが、金融機関を通じた「脅し」ともとれる方針に、与野党から批判が噴出。政府は9日に撤回に追い込まれた。

 西村経済再生相は13日の会見で、金融機関に事業者への働きかけを求めるとした政府方針を撤回したことについて、「私の発言で混乱を招き、飲食店の皆様に不安を与えた。反省をしている」と陳謝した。菅首相は13日、首相官邸で公明党の山口代表と会談し、金融機関への政府方針撤回について、「ご心配をおかけしました」と陳謝。会談後、山口氏が記者団に明らかにした。

 また金融機関への働きかけをめぐっては、首相らが7日の関係閣僚会合で事務方から事前に説明を受けていたことも明らかになった。首相は9日、首相官邸で8日夜の西村氏の会見での発言について記者団から問われ、「承知していない」と述べていた。方針は撤回されているが、政府内で方針が共有されていたことで、批判がさらに強まる可能性もある。

●五輪選手村、式典なく静かな開村 村内に発熱外来

 23日に開幕を控えた東京五輪の選手村(東京・中央)が13日、開村した。競技会場が集中する臨海部につくられた選手村は、大会期間中に多くの選手が滞在する生活の拠点となる。村内に発熱外来を設置するなど新型コロナ対策を講じて、選手団を迎え入れる。通常は行われる華やかな開村セレモニーは感染対策のため見送られ、静かなオープンとなった。

 選手村でクラスターを発生させないため、選手たちは今後毎日、検査を受けることになる。村内には基本的に選手やコーチらのほか、運営に携わるスタッフのみ入ることができ、ゲストなどは立ち入ることができない。選手らは行動範囲を宿泊先と競技会場、練習会場に制限。選手らは厳格に行動を管理され、ルールを守らない場合は、参加資格の剥奪や制裁金などの処罰もある。選手村では最大で1万8000人が過ごせ、食事も24時間提供される。

●ワクチン配分、政府見直し 在庫抱える自治体の8月前半分、1割減

 ワクチン接種をめぐり、河野行革相は13日、米ファイザー製の在庫を多く抱えているとして東京都世田谷区や大阪市などの自治体への8月前半の配送量を1割減らすよう計画変更したことを明らかにした。厚労省によると、削減対象となったのは札幌市・仙台市・東京都世田谷区・同大田区・同足立区・名古屋市・大阪市・北九州市などで計約35万回分。

 ただVRSは実際の接種日より遅れて登録されるケースがあり、リアルタイムで在庫の把握ができない。河野氏は早急なVRSへの登録を呼びかけていたが、ワクチンの配分を減らされた自治体からは反発の声も上がりそう。また河野氏は、ワクチンの供給不足から自治体に混乱が広がっていることについて、13日のTBSの情報番組で陳謝した。

●大学のワクチン接種「9月末までに完了」申請済み392校

 ワクチンの大学での接種をめぐり、萩生田文部科学相は13日の記者会見で、すでに政府への申請を済ませた392校については、9月末までに2回目の接種を終えることができるとの見通しを明らかにした。萩生田文科相は「必要なワクチンの総量は確保されている。希望する接種時期の精査を行い、一人でも多くワクチンが届くよう調整を進めたい」と述べた。

 文科省などによると申請済みの392校のうち、今週までに接種を開始するのは計143校。残り249校のなかには、開始時期のめどがたっていない大学もある。そうした大学も8月9日の週以降に開始できる見通しだという。

●東京830人感染

 国内感染者は13日現在で、新たに2386人が確認された。前週の火曜(6日)より715人多かった。亡くなった人は18人だった。東京都では新たに830人の感染が確認された。前週の6日と比べて237人多く、24日連続で前週の同じ曜日を上回った。13日までの1週間平均の感染者数は790.6人で、前週の131.3%だった。

 また、都は新たに2人の死亡を発表した。うち1人は30代男性で、亡くなる前に倦怠感や頭痛を訴え、6日に自宅で倒れているのを妻が発見した。基礎疾患はなく、死因は新型コロナだという。都内で30代の感染者が死亡したのは6人目。

【7月14日】

●酒停止策の発案、誰が 西村氏「具体的な内容は私の責任」

 政府は酒類の提供自粛要請に応じない店に対し、金融機関を通じて融資先の飲食店に働きかけるよう依頼。さらに、酒類の販売業者には提供自粛に応じない飲食店との取引を停止するよう依頼した。いずれも与野党や業界団体から抗議を受け、撤回に追い込まれた。衆院内閣委員会の閉会中審査が14日開かれた。野党側は菅首相が事前に要請の内容を知っていたとみて、政権の責任を追及。政府の混迷ぶりには与党からも厳しい意見が出ている。

 立憲民主党の今井氏は、政府が出した2種類の依頼文書について、西村経済再生相に「こんなこと、いったい誰が思いついたのか」。さらに、依頼文書を出す前日の関係閣僚会議で、要請や働きかけの説明があったことに着目。「首相が責任をもって発出したということで良いか」と問いただした。西村氏は「具体的な内容は私の責任で、関係省庁の調整で決めた」と説明。今井氏は「個人的な問題ではない。首相の責任は非常に重い」と指摘したが、西村氏は「私の責任」と重ねて釈明した。

 これに先立ち、野党4党は14日、西村氏の辞任を求めることで一致し、立憲の安住国会対策委員長が自民党の森山国対委員長に伝えた。しかし、首相は14日午前、首相官邸で記者団に「西村大臣は感染防止のために朝から夜まで頭がいっぱいで、いろんな対策を練ってきている。丁寧に説明していくことが大事かなと思う」と述べ、続投させる意向を示した。

■酒停止の依頼、6月の事務連絡にも

 酒類販売事業者に対し、酒の提供自粛に応じない飲食店との取引停止を政府が求めた問題では、内閣府と内閣官房が6月に自治体向けに出した事務連絡にも、同じような内容があったことがわかった。14日の衆院内閣委員会の閉会中審査などで明らかになり、政府は同日夜にこの事務連絡も撤回した。国民民主党の山尾氏が、指摘した。

 酒類販売事業者には現在、地方創生臨時交付金を通じ、大きく減収した場合に「月次支援金」を支給している。内閣府地方創生推進室と内閣官房の新型コロナ対策室は6月11日に連名で、各都道府県に事務連絡を出した。要請に応じない飲食店とは取引しないよう酒類販売事業者に書面提出を求めることなどを、都道府県側に依頼していた。政府の撤回を受けて東京都はこの日夜、事業者が出す誓約書の関連項目を削除すると発表した。ほかの自治体でも同様の対応が広がりそう。

●インドネシア52人帰国 清水建設が特別便

 新型コロナが猛威を振るうインドネシアから退避した日本人52人を乗せた全日空の旅客機が14日午後、成田空港に到着した。ゼネコン大手の清水建設が依頼した特別便。同社によると、特別便で帰国したのは同社社員とその家族。全日空によると座席数は246席あったが、清水建設以外の乗客はいないという。

 インドネシアでは7月に入り、新型コロナ感染者が急増、14日には約5万4千人と過去最多を更新。医療の逼迫で治療を受けるのも難しく、最近は死者が連日800人を超え。デルタ株の広がりが一因とみられている。在留邦人の感染者数は約340人、死者数は14人と10日余りでそれぞれ70人、6人増えた。入院待ちも約50人に上り、在留邦人の間では危機感が強まっている。ただ今回の特別便は、多くの在留邦人には寝耳に水。政府が帰国便を飛ばすとの期待も膨らんだだけに落胆は大きい。

●医療逼迫なら「五輪期間中でも中止を」 組織委 感染対策の座長

 東京五輪の開幕が迫る中、大会組織委員会で感染症対策にあたる専門家の円卓会議で座長を務める岡部・川崎市健康安全研究所長は、13日夜、取材に対し「新型コロナ感染が拡大し、『第4波』に見舞われた際の大阪府のように、東京都で入院すべき人が入院できないような状況になったら大会の中止も考えるべきだ」との考えを明らかにした。

 岡部氏は、必要な医療が受けられない状況になれば、「五輪をしている場合じゃない」と述べ、会期中であっても政府や組織委に中止を求める考えを示した。都内の病床使用率は14日時点で31.8%の「ステージ3」(感染急増段階)。大会期間中に医療が逼迫する恐れが高まった場合、「時機を逃さずに、また事態の切迫を待たずに、強い対策を躊躇なくとって下さい」と求めていた。

●国内感染3千人超 死者累計1.5万人越す

 国内感染者は14日現在で、新たに3194人が確認された。6月2日以来、3千人を超えた。亡くなった人は20人で、国内の死者は昨年2月13日に初めて確認されて1年5カ月で1万5千人を超えた。新型コロナによる死者は今年1月23日に5千人を突破し、約3カ月後の4月26日に1万人に到達。それから1万5千人超になるまでは約2カ月半だった。ワクチン接種が進む一方で、死者5千人ごとの増加ペースは速まっている。

●東京、新規感染1149人 全国3193人 拡大が加速

 東京都は14日、感染者を新たに1149人確認したと発表した。都内の新規感染者数が1千人を超えるのは5月13日(1010人)以来約2カ月ぶり。第4波のピークだった1121人(5月8日)を超えた。14日までの1週間平均の感染者数は823.3人で前週比130.3%、感染拡大のペースは上昇している。「専門家組織」は14日の会合で、「東京を中心とする首都圏の感染拡大が顕著で、全国への影響が懸念される」との見解をまとめた。関西圏も感染の拡大が明らかで、感染増は全国的な傾向。

 東京の新規感染者1194人を年代別でみると、20代が326人と最も多く、20~30代が全体の47%を占める。65歳以上の高齢者は46人で、若い世代に感染者が集中する最近の傾向を表している。今回の波はその上昇スピードが速いのが特徴。今春の第4波では1月28日に1千人を超えた後、再び1千人を超えるまでに約3カ月を要したが、今回は約2カ月で再び1千人を上回った。

 感染者数が急増したのは感染力の強いデルタ株の流行に加え、高止まりする夜の繁華街の人出が要因とみられる。NTTドコモの携帯電話の位置情報から、主な繁華街6カ所の午後5時から日付が変わるまでの人出を調べたところ、宣言初日の12日と13日の人出の合計は、前週の同じ曜日にあたる5、6日と比べてマイナス6%と、微減にとどま。都内の確保病床使用率は、6月下旬に20%台まで下がっていたが、13日時点で33%に上昇。重症病床使用率も45%に達している。

【7月15日】

●酒取引迷走の 戸惑う自治体 「国は配慮不足」「信頼失う」

 新型コロナへの対応をめぐり、酒類販売事業者に酒の提供自粛に応じない飲食店との取引停止を求めていた政府。その方針が撤回され、自治体に困惑が広がっている。政府が6月に出した通知に基づきすでに対応を始めていた。事業者からも反発の声が上がる。

●酒停止3度目撤回 西村担当相が釈明 「思いが強すぎた」

 政府が酒類販売事業者に支給する支援金に絡み、酒の提供自粛に応じない飲食店とは取引しないよう誓約書を出させることを都道府県に依頼していた問題で、西村経済再生相は15日の参院内閣委員会の閉会中審査で「酒販の関係者は大変厳しい状況にある。そのことを真摯に受け止め、昨夜、撤回した」と釈明した。政府が打ち出した酒の提供自粛に関する対策を撤回するのは3度目となる。

 内閣府地方創生推進室と内閣官房の新型コロナ対策室が6月11日に連名で、各都道府県に事務連絡を出した。支援金の支払いにあたり、要請に応じない飲食店とは取引しないよう、酒販業者に誓約書の提出を求めることなどを依頼していた。

 15日の参院内閣委で、立憲民主党の塩村氏が「誰が起案したのか」とただすと、西村氏は詳細は承知していないとした上で、「(自粛要請に)応じる店とそうでない店の不公平感がある。できるだけ多くの店に協力してもらうように支援策をつくる観点から、事務連絡を出した」と釈明した。西村氏は「協力してほしいという強い思いから、こうした対応になった。思いが強すぎたと反省している」とも語った。

●東京感染「4週間後は2406人」 第3波超えペース 専門家指摘

 東京都は15日、新型コロナ対応の「モニタリング会議」を開いた。いまの増加ペースが続けば、8月11日に1週間平均の新規感染者数が2406人に達し、専門家はこれまで最多だった1月の第3波のピーク時(1816人)を大きく超えると分析した。入院患者数も2千人を超え、このまま急増が続けば「医療提供体制が逼迫の危機に直面する」との危機感が示された。

◆小池知事「20代30代の陽性者数が飛び抜けて多い」

 東京都内では、14日の感染確認が再び1千人を上回って1149人となり、ことし5月の第4波のピークを超えた。これについて小池知事は15日、都庁で記者団に対し「特に20代と30代の陽性者数が飛び抜けて多い。逆に、高齢の方々は重症者数も含めて抑えられていてワクチンの効果だと思う」と述べ、基本的な感染対策やワクチン接種への協力を改めて呼びかけた。

●都内の即応病床5882床、入院急増で「余裕ない」

 新型コロナ感染が急激に広がっている東京都で、医療への負担が増している。15日に開かれた都の「モニタリング会議」では、都医師会の猪口副会長が「医療はやはり赤(最高の警戒レベル)。患者が増えれば増えるほど、医療は苦しくなる」と警戒感を口にした。都内の入院患者は、6月下旬の1200人台から3週間で2千人台にまで急増。保健所で入院先を決めきれず、都に入院調整が持ち込まれる件数は、1カ月前の40件から125件へと3倍に増えた。

 医療が逼迫した昨年末からの「第3波」の反省を踏まえ、都は都立・公社病院を中心に、コロナ患者に対応する病床を1月上旬から2千床以上増やした。7月8日時点で6314床を確保したという。患者を受け入れる準備が整っているとされる「即応病床」は9割超の5582床。14日時点の病床使用率は31.8%。だが、病床の運用に詳しい関係者は「即応病床の数字は絵に描いたモチ」と話す。都の担当者は「患者が急増する場合は、病床に付く人手が足りない場合がある」と説明する。

 「緊急事態宣言」の効果は、発出から2週間程度が経たないと見えてこない。夏休みや五輪開幕を控え、人の移動や接触が増える恐れもある。参院内閣委員会の閉会中審査で15日、政府の「分科会」の尾身会長は、「人々が緊急事態(宣言)に慣れ、行動制限だけに頼るという時代はもう終わりつつある」との認識を示し、ワクチンや検査など、政府による科学技術への投資を求めた。

●「在庫4000万回分」に首長反発 ワクチンめぐり混乱 河野氏は陳謝

 ワクチン供給をめぐり、政府と自治体との間で、意見の食い違いがあらわになっている。問題となっているのは、自治体の接種で使われる米ファイザー製の供給。 河野行革相は15日、「はしごを外した形になってしまいまして、大変申し訳なく思っております」。全国知事会の飯泉会長(徳島県知事)とのオンラインによる意見交換で、ワクチン供給で自治体に混乱を招いたことをわびた。

 加藤官房長官は12日の記者会見で、「約4千万回分は未接種の状況で、自治体あるいは医療機関がお持ちになっている」と、供給は足りているとの認識。納得できないのが自治体側。現場ではVRSへの入力が煩雑で実際の接種日より遅れが生じるため、接種実績はもっと多いと主張。全国市長会は15日、河野氏に提言を提出し「自治体は2回目分のワクチンを確保したうえで1回目の接種を実施してきた」として、「在庫」にはあたらないと反論した。

 1日130万回程度のペースとなったいま、予想以上に打ち手が広がり接種がスピードアップし、ワクチンが足りなくなったというのが実態。ワクチンの供給不足から自治体では、新規予約受け付けの停止や予約キャンセルが広がっている。VRSで在庫が多いと国がみなした自治体には、8月前半から配分量を減らす仕組みが導入され、自治体からはさらに反発の声、混乱は続く。しかもファイザー製の自治体への配分は、6月に比べて7、8月は約4割減る。

●全国3418人感染 2日連続3000人超
 
 国内感染者は15日現在で、新たに3418人が確認された。1日の感染者数が2日続けて3千人を超えるのは、5月29日以来。

 国内の感染状況 以下4枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 東京都では半年ぶりに1300人を超えた。人の往来で東京での感染が他の都市部や地方に広がれば、さらなる感染拡大につながりかねない。1308人の感染が確認された東京は、前週の木曜日(8日)と比べて412人の増加で、26日連続で前週の同じ曜日を上回った。15日までの1週間平均の新規感染者は882.1人で、前週の132.9%だった。

 東京都の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 東京五輪・パラ大会組織委員会は15日、五輪に出場するために来日した海外選手1人が新型コロナ検査で陽性になったと発表した。組織委は「プライバシーに関わる」などの理由から、陽性者の国名、年齢、性別などを公表していない。

 新型コロナワクチンの接種状況 以下2枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2021年7月24日 (土)

新型コロナ2021.06 第5波警戒

   2021年4月、全国的に「第4波」が押し寄せる。東京・大阪・兵庫・京都の4都府県は、「まん延防止等重点措置」の効果が不十分だとして、4月25日から3度目の「緊急事態宣言」が発出された。期限は5月11日だが、5月31日に、更に6月20日に延長された。21日からは7都道府県の宣言は、「まん延防止」へ移行。専門家や国民の五輪開催の懸念をよそに、菅首相はワクチン接種の加速と有観客の五輪開催へと強気に進める。しかし首都圏の感染状況は下げ止りから増加に転じ、来月の五輪期間中に「第5波」が襲う懸念が高まっている。

 2021年6月16日から30日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.06 デルタ株」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【6月16日】

●米カリフォルニア州・ニューヨーク州 ワクチン接種進み、ほぼすべての制限解除

 米国西部カリフォルニア州では、新型コロナのワクチンの接種が進み、新たな感染が抑えられているとして、州政府は15日、店舗への入場制限などのほとんどの規制を解除し、経済活動が全面的に再開した。

 ニューヨーク州のクオモ知事は15日、州内の18歳以上の70%がワクチンを少なくとも1回接種したとして、ほぼすべての制限を解除すると発表した。小売りや飲食、エンターテインメントなどの商業施設で、マスクの着用や隣の人との距離をとるなどの制限が解除された。ただ、学校や公共交通機関では引き続きマスクの着用が求められる。

●コロナ禍の外出自粛で筋肉量減少 熱中症のリスク高まる

 コロナ禍で外出を自粛している人は、筋肉の量が減って熱中症になりやすくなっているとして、16日医療従事者でつくる団体が、暑さが本格化する前に運動を始めてほしいと呼びかけた。「教えて!『かくれ脱水』委員会」の富和医師は「熱中症は例年、梅雨明けに急増するが、ことしは外出の自粛が長引いたことで暑さに慣れていない人が多い。体調に気をつけながら運動をしてほしい」と話している。

 令和3年度熱中症予防行動のリーフレット(環境省と厚生労働省) 出典:厚労省HP

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 6月、厚生労働省の新型コロナ感染症「専門家会議」からの提言(5月4日)を踏まえ、新型コロナを想定した「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめた。

●マスク 初の公的規格 ウイルス遮断力など基準

 政府は16日、医療用と一般用のマスクについて、性能基準や試験方法を定めた日本産業規格(JIS)を制定した。コロナ禍で需要が増えるが、これまで公的規格がなかった。

 医療用、一般用ともにウイルスや花粉を遮断する能力や通気性などについて、性能基準などを設ける。基準を満たした製品を業界団体「日本衛生材料工業連合会」(日衛連)が認証する。素材や形状は問わない。一般用では、ウイルスなどを95%以上遮断することなどが要件。製品に「洗濯可能」と表示する場合は、洗濯後にも基準を満たす必要がある。日衛連はJISを取得した製品用のマークをつくるという。

●変異株の感染防ぐ中和抗体 富山大学などが作製に成功

 様々なタイプの変異した新型コロナが、細胞に結合するのを防ぎ、感染を防ぐことができるとする「スーパー中和抗体」を人工的に作ることに成功したと、富山大学などの研究グループが16日会見を開き発表した。製薬会社と連携し、治療薬としての開発を目指したいとしている。

 富山大学杉谷キャンパス(医学部・薬学部) 出典:ウキメディア・コモンズ

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●4月以降の「措置」と「宣言」、大阪で効果も 東京では効果確認できず

 今年4月以降に出された「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」の効果について、国立感染症研究所(国立感染研)などの研究グループが分析したところ、大阪府では重点措置と宣言、どちらも感染者数の減少に対する効果が確認できた一方で、東京都では、効果を明確には確認できなかったとする結果をまとめた。

●大阪府「宣言解除ならまん延防止措置の適用を」 政府に要請

 「緊急事態宣言」の期限が今月20日に迫る中、大阪府は16日対策本部会議を開き、吉村知事は「リバウンドを何としても防がないといけない状況であり、宣言を単純に解除することには反対だ。『まん延防止等重点措置』で感染対策を取っていくことが非常に重要」と述べた。

 そして、府内では新規の感染者数は減少したものの、再び感染が拡大すれば、医療提供体制の逼迫は避けられず、感染を抑え込むため、引き続き、集中的な対策が必要だとして政府に対し、宣言を解除する場合は「重点措置」を適用するよう16日政府に正式に要請した。

●宣言解除後、人出増えれば 五輪中に再び宣言レベルの可能性 京都大

 京都大学の古瀬特定准教授と東北大学、それに国立感染研のグループが、6月20日に「緊急事態宣言」が解除された場合の東京都の感染状況についてのシミュレーションを行い、五輪開催期間中に再び「緊急事態宣言」のレベルまで感染者数が増加する可能性があるとする結果を16日開かれた厚生労働省の専門家会合で示された。

 シミュレーションでは、宣言が今月20日に解除された場合、東京都の1日当たりの感染者数がどう変化するかを試算。その結果、デルタ株の影響が比較的小さいと仮定した場合でも、宣言を解除したあとに人出が10%増えると五輪期間中の人出の増加がなくても8月の前半に再び「緊急事態宣言」のレベルとなる1日1000人を超える結果となった。また、五輪期間中にさらに人出が5%増えた場合は、8月はじめには1000人を超える計算になった。

 京都大学のグループによる感染者数のシミュレーション 出典:NHK WEB NEWS

京都大学のグループによる感染者数のシミュレーション 出典:NHK WEB NEWS

●高齢者のワクチン接種、全国すべての自治体で7月末終了の見通し

 高齢者向けの新型コロナのワクチン接種について、全国すべての自治体が、7月末までに終えられる見通しだと、政府が16日時点で行った最新の調査でわかった。

●大規模接種会場20日まで、予約枠すべて埋まる

 政府が設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」をめぐり、防衛省は16日、東京、大阪の両会場で午後8時までに17~20日接種分の予約枠がすべて埋まったと発表した。キャンセルが出た枠は接種前日まで予約ができる。16日午前0時から18~64歳の人も予約できるようになったことが影響したとみられる。

●子どもへのワクチン接種「個別接種が望ましい」 小児学会などが見解

 子どもに対する新型コロナのワクチン接種について、日本小児科学会は16日、保護者や子ども本人に丁寧な対応が必要だとして、集団接種よりも「できれば個別接種が望ましい」との見解を発表した。感染予防策としてワクチン接種は「意義がある」としたうえで、副反応の説明や接種前後の健康観察を入念にするように求めている。ほかに、子どもに関わる仕事をしている人へのワクチン接種を終えることが重要だと指摘。基礎疾患がある子どもは、健康状態をよく把握している主治医との相談が望ましいとした。

●「緊急事態」、沖縄除き20日で解除 7都道府県、まん延防止へ
 
 菅首相は16日、東京や大阪など9都道府県への「緊急事態宣言」について20日の期限で解除する方針を固めた。解除後、東京や大阪など7都道府県は宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に切り替え、飲食店での酒類の提供は条件付きで午後7時まで認める方向で調整している。一方で病床逼迫が続く沖縄県は宣言を延長する意向。いずれも適用期間は7月11日までの予定。

 今月17日に専門家らでつくる「基本的対処方針分科会」に諮り、了承されれば政府対策本部で正式決定する。7月23日に東京五輪の開会式を控え、政府は東京などでの感染再拡大を警戒する。また、20日に「重点措置」の期限を迎える埼玉・千葉・神奈川の首都圏3県は「重点措置」を延長、岐阜県と三重県は解除する。

 一方、政府は16日、新型コロナ感染症対策「分科会」に新たなイベントの人数制限案を諮り、了承された。「緊急事態宣言」や「重点措置」下での「収容人数の50%を上限に最大5千人まで」は維持する。そのうえで、これまで「重点措置」の適用から外れた地域は「5千人か50%の多い方」としていたが、解除から1カ月程度は「5千人か50%の多い方」に1万人を観客上限とする経過措置を講じる。

●解除後の「第5波」警戒 下がりきらぬ感染者数・変異株

 今回の「緊急事態宣言」の解除方針は、東京などですでに人の流れが増えている地域もあり、変異株の拡大も懸念される。東京五輪まで1カ月を前に対策の判断を誤れば「第5波」を招きかねず、専門家は警戒感を強めている。医療提供体制や感染状況を示す指標で、依然厳しい状況にあるのが沖縄。病床使用率、10万人あたり新規感染者数、療養者数がいずれも最も深刻な「ステージ4」を脱せずにいる。北海道、愛知、大阪も療養者数がまだ多い。

 東京や大阪では3月の2回目の宣言解除時と比べ、感染者数が下がりきっていない。人口10万人あたり新規感染者数(15日までの直近1週間)は東京19人、大阪は9.3人。2回目の解除時はそれぞれ15人、5.7人だった。東京都医学総合研究所の分析によると、東京の主要繁華街の6月初旬の人出は5月初旬に比べて夜で32%、昼で26%増えているという。今回は、解除後に酒類の提供をどうするかが焦点になっているが、提供が再開されれば、夜の人出はさらに増える可能性がある。

●コロナ死者、全都道府県に 東京は下げ止まり?

 新型コロナの国内感染者は16日現在、新たに1710人が確認された。死者は80人だった。全国で唯一、感染者の死亡が確認されていなかった島根県が初の死者を発表。これで全47都道府県で死者が出たことになる。重症者は803人(15日時点)で、前日から24人減った。

 感染者が最も多かった東京都は501人で、前週の水曜日(9日)と比べ61人増えた。500人台は今月3日以来で、16日までの1週間の平均感染者数は384.6人と前週の95.8%だった。前週比は12日まで80%台で推移していたが、13日以降90%台となり、日ごとに下げ幅が小さくなっている。都の担当者は「いつ下げ止まってもおかしくない」と警戒する。2番目に感染者が多かった神奈川は210人。沖縄の115人が続いた。大阪府は108人の感染を発表した。

【6月17日】

●日本が無償提供のコロナワクチン、ベトナムに到着

 日本政府がアストラゼネカなどが開発したワクチンおよそ100万回分を台湾に続いてベトナムに無償で提供し、16日夜、首都ハノイの空港に到着した。空港にはロン保健相らが駆けつけた。ベトナムはこれまで厳格な対策で新型コロナの感染拡大を抑え込んできたが、4月末以降、変異株の拡大などに伴って感染者数が大幅に増えている。

●緊急事態20日解除決定 沖縄除き 7都道府県、重点措置へ

 政府は17日、10都道府県に出している「緊急事態宣言」について、沖縄県を除き期限の20日で解除することを正式に決めた。解除後、北海道・東京・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡の7都道府県は「まん延防止等重点措置」に移行する。病床逼迫で宣言を延長する沖縄県とともに、来月11日まで適用する。岡山・広島県は全面解除。また「重点措置」を適用中の埼玉・千葉・神奈川の首都圏3県も、来月11日まで期限を延長。一方、岐阜県・三重県は期限の今月20日で解除する。

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 菅首相は17日夜の記者会見で「(感染)再拡大により、医療逼迫の兆しがみられた場合には、酒類提供の一律停止など対策強化も含め機動的に対処する」と述べた。首相会見に同席した尾身氏は「感染のレベルを上げる要素がかなりある。今までより強いリーダーシップが今この時期に求められている」と警鐘を鳴らした。

 21日からの重点措置地域では、飲食店で酒類の提供を条件付きで認める。感染防止対策がとられていることを示す都道府県による「第三者認証」の取得や、同一グループの入店は原則4人以内など一定要件を満たせば、午後7時まで酒類の提供を認める。営業時間は午後8時までとする。知事判断で提供停止など規制強化もできるとしており、東京都は18日中にも方針を公表する。

●五輪ありきの宣言解除

 4月下旬に始まった「緊急事態宣言」の解除が決まった。だが、首都・東京はここに来て新規感染者数が下げ止まり、専門家から「第5波」への警鐘が鳴る。菅政権は、宣言解除で東京五輪に向けた祝祭ムードを高めるねらいだが、感染再拡大(リバウンド)を加速させるリスクも抱え込んだことになる。

 17日夜、9都道府県の宣言解除を決めて記者会見に臨んだ菅首相は、冒頭から国民への「お願い」を続けた。「何よりも警戒すべきことは、大きなリバウンドを起こさないことだ」。そう語り、酒類の提供やスポーツなどのイベント制限が続くことなどに理解を求めた。

 今回の解除は、とりわけ東京などで異例さが目立つ対応となった。17日の東京の新規感染者数は452人。宣言を出す基準となる「ステージ4(感染爆発)」相当の500人は脱しているが、前回の解除を決めた3月18日よりも120人以上多い。3月は解除後にリバウンドが進み、1カ月余りで再宣言に追い込まれた。

●宣言解除、野党から懸念 衆参議運委 再拡大を不安視

 沖縄県を除いた9都道府県の「緊急事態宣言」解除について政府は17日、衆参の議院運営委員会で報告した。野党からは宣言解除の判断や、感染の再拡大を懸念する声があがった。東京五輪・パラについて「開催ありき」で進む政府の姿勢を批判する声も出た。立憲民主党の吉川氏は、「前回(3月)より新規感染者数が30%以上多いのに、解除に至ったのはなぜか」と指摘した。西村経済再生相は、関連する指標が「ステージ3」相当以下となり、「とくに病床が安定している」と理由を説明した。

 大会中でも感染が拡大すれば、「緊急事態宣言」を出すのかと立憲の吉川氏が尋ねると、西村氏は「必要であれば緊急事態宣言を機動的に発動する」と語った。ただ、共産党の倉林氏が参院議運委で「緊急事態宣言が発令されるような場合、(五輪を)中止するのか」と問いただしたのに対し、西村氏は「国民の命を守ることが最優先だ」と話したが、「東京大会に関する最終的な判断権限はIOCにある」と述べるにとどめた。

●酒対応、知事判断割れる 埼玉「1人飲み」 都は政府の「要件」待つ

 政府は21日以降、「まん延防止等重点措置」へ移行する7都道府県と、重点措置が続く首都圏3県で、条件付きで午後7時までの酒類提供を認めたが、知事の判断で提供を停止できるとした。各地の酒類提供はどうなるのか。

 「重点措置」が継続される埼玉県は17日の対策本部会議で、適用区域を15市町から、さいたま・川口の2市に絞ることを決めた。酒類提供については21日以降、両市の飲食店には午後8時までの時短要請を継続したうえで、感染防止策の県の認証を受けることを条件に、「一人飲み」「同居家族飲み」を認める。重点措置の対象外の地域では午後9時までの時短要請とし、酒類提供は「一人飲み」と「同居家族飲み」に加えて、「1グループ4人以下」も認める。大野知事は16日夜、「感染者が減ってきたので、(飲食店に)光を示す必要があると考えた」と説明した。

 千葉県は県内の感染状況変化を考慮して、重点措置区域を見直す。千葉・市川・船橋・松戸・柏など12市のうち東京寄りの柏・野田・流山・八千代・我孫子・鎌ケ谷の6市を外し、県南の市原・君津・木更津・袖ケ浦・富津の5市を加える。酒類提供も、換気やアクリル板の設置、滞在時間の制限など県の条件を満たせば、午後7時までの酒類提供を認める。熊谷知事は17日、「県内の感染状況は横ばいで下げ止まっている。依然として警戒が必要な状況で、重点措置の継続はやむを得ない」と話した

 政府の「分科会」は17日、重点措置地域での都道府県の具体策を定めた基本的対処方針で、酒類提供について「一定の要件」を満たせば午後7時までの提供を認めるとしたが、「一定の要件」の中身は、政府が改めて示すとした。このため東京都、神奈川県、大阪府、京都府は17日に対応を決めず、18日以降に決めることにした。

●経済立て直し 残る格差 消費の追い風に

 3度目の「緊急事態宣言」は沖縄県を除き、20日の期限で解除される。ワクチン接種も進むなか、夏休みを控えた旅行業界などでは、消費回復の兆しもみられる。ただ、東京五輪を控え、酒類の提供など一定の制約が続き、飲食業には厳しさが残る。非正規労働者がしわ寄せを受ける雇用現場の格差を埋めていく手立ても急務。

 日本観光振興協会は17日、かき入れ時となる夏休みを控え、ワクチン接種の早期拡大と接種歴を証明するワクチンパスポートの導入を求める「緊急アピール」を発表した。政府の観光支援策「GoToトラベル」の再開は秋以降になるとの見方が強いが、ワクチン効果による旅行需要の復活に期待をかける。

●観客最大1万人 政府調整 五輪・パラ

 政府は東京五輪・パラの観客について、「最大で1万人」を入れる案で最終調整に入る。専門家らの意見を踏まえ、週明けにも開く東京都、大会組織委員会、IOCなどとの協議で決めたい考え。政府は17日の対策本部で、「緊急事態宣言」や「重点措置」が解除された場合の大規模なイベントの制限について対応を確認した。これまで「重点措置」から外れた地域は「5千人か収容人数の50%の多い方」としていたが、解除から1カ月程度はこれに「1万人」を上限とする経過措置を新たに加えた。

 五輪の観客も、これに準じた対応とする。東京の「重点措置」が一定時期までに解除されれば上限を「1万人」とし、「重点措置」が適用されていれば「収容人数の50%を上限に最大5千人まで」とする方向。感染状況が悪化して「緊急事態宣言」となれば「無観客」で調整する。

 ただ五輪で観客を入れることに、専門家から厳しい見方も出ている。17日、「基本的対処方針分科会」メンバーの釜萢(かまやち)日本医師会常任理事は、「プロ野球やJリーグの規模とはまったく違う。大きな会場が東京の中でもいくつも同時に開催され、それに対する国民の関心も非常に高い」と述べた。五輪観客をめぐっては、3月に海外の一般観客受け入れを断念。組織委の橋本会長は4月、「無観客という覚悟は持っている」と発言したが、ワクチン接種の進展を背景に、政権や大会関係者に「有観客」を求める声が強まっていた

●64歳以下も接種 自衛隊大規模会場

 政府が東京と大阪に設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」で17日、64歳以下の人の接種が始まった。これまでは対象者を65歳以上としていたが、14~27日の2週間の予約枠が当初埋まらなかったため、対象年齢を引き下げていた。防衛省によると、16日午後8時時点で、17~20日の東京会場(予約枠4万件)、大阪会場(同2万件)は予約枠が埋まった。さらに、17日午後5時時点で、21~27日の東京会場(同7万件)も予約枠が埋まった。大阪会場(同3万5千件)は約1万7千件の空きがある。

●ワクチン「週内には1日100万回か」 河野担当相言及

 ワクチン接種をめぐり河野行政改革相は17日、「今週中には1日100万回(接種)が達成されることになるのではないか」と述べた。菅首相が掲げた「1日100万回接種」が近く実現するとの見通し。接種記録システム(VRS)の高齢者の接種回数が、15日は約57万回だったという。自治体によっては、後日まとめて接種記録を入力するケースもあり、リアルタイムで接種数を把握する仕組みにはなっていない。未入力分は、自治体が入力した時点で更新されるが、15日は計96万回の接種があったと想定されたという。

●国内感染1554人

 国内感染者は17日現在、新たに1554人が確認された。死者は47人だった。重症者は763人(16日時点)で、前日から40人減った。

【6月18日】

●尾身氏ら「五輪、無観客望ましい」「有観客なら基準厳しく」 政府や主催者に提言

 政府「分科会」の尾身会長らは18日、東京五輪・パラ開催に伴う新型コロナの感染拡大リスクに関する提言を政府と大会組織委員会に提出した。尾身氏や厚労省「専門家組織」座長の脇田・国立感染研所長ら26人の感染症などを専門とする「有志」の連名でまとめた。政府宛ては西村経済再生相に、組織委は橋本会長に尾身氏らが手渡した。国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)にも伝えるよう求めた。

 提言では五輪について「規模や社会的注目度が通常のスポーツイベントとは別格で感染拡大や医療逼迫のリスクがある」と指摘。無観客での開催が望ましいとした上で、観客を入れる場合でも①観客数は現行の大規模イベント開催基準よりも厳しく、②観客は開催地の人に限る、③感染拡大・医療逼迫の予兆を探知した場合は無観客に…を求めた。

 大会主催者に対しては、不特定多数が集まる五輪関連イベントなどの中止を求めた。政府には、感染拡大や医療の逼迫の予兆を察知した場合、五輪開催中でも「緊急事態宣言」などを出せるようにすることを要求。大会主催者や政府はリスクをどう認識し、いかに軽減するのかを早急に市民に知らせる必要があるとした。また、応援イベントで盛り上がる人たちの映像がテレビなどで流れると、「矛盾したメッセージ」となり、「感染対策への協力を得られにくくするリスク」があるとした。

 日本記者クラブでオンライン記者会見した尾身氏は、提言をまとめた理由について「感染拡大のリスクがある中で五輪を開催すれば、どのようなリスクがあるのかをまとめるのがプロとしての責任だと考えた」と強調。五輪開催の可否について脇田氏は「当初は提言の中で、中止推奨も選択肢に入れるべきではないかという議論もあったが、我々が判断すべきではないということになった」と記述を見送った理由を説明した。

●尾身氏らの五輪リスク、政府の認識・軽減策問う

 五輪まで1カ月あまり。尾身会長らの東京五輪・パラの開催に関する提言を、政府がどう対応するのか問われている。18日夕、日本記者クラブで会見した尾身氏は 、「リスクを評価することが我々の責任。その評価をどう採用するかは政府、主催者の責任」と役割の違いを強調し、今後の感染状況について強い懸念を示した。

 五輪がなくても、首都圏では7月にかけて感染が再拡大する可能性が高い。東京では新規感染者が下げ止まり、人出の数が増え続けている。そこに夏休みの旅行、帰省、五輪が重なる。ワクチン接種が進んだとしても8月下旬のパラ開催時期には「重症患者数が増え、医療提供体制への負担が発生するリスクがある」とした。

 これに加え、規模、注目度で「別格」の五輪のリスクを強調する。1日あたりの販売済みチケット数は、4都県の会場でピーク時で約43万人。都道府県を越えた移動が集中し、「人流・接触機会や飲食の機会が格段に増加する」と指摘。政府には、感染拡大の予兆を察知したら、時機を逃さず強い対策をとるよう求めた。「例えば2、3週間後に確保病床が満杯になる予兆がわかれば、最低でも2週間前には強い対策を打ってもらう」。

 メンバーの一人は「最初から無観客が基本的スタンス。それでは相手が受け取らないだろうから、観客を入れる条件を記しただけ」と話す。政府は観客を入れる方向で動き出し、提言が遅すぎたという見方も強い。提言のとりまとめに関わった専門家は「遅くなったのは、決して出し惜しんだわけじゃない。本当にギリギリまで議論していた」と明かす。争点になっていたのは「無観客が望ましい」という文言だった。

■専門家の動き、政権は警戒

 専門家の動きが取り沙汰され始めた5月末ごろから、菅政権は「尾身提言」に神経をとがらせてきた。6月2日の衆院内閣委員会。尾身氏は「リスクをどう軽減するか、我々の考えを示す用意はある」と「提言」の準備を進めていることを明言。この日の衆院厚労委では五輪について「普通は(開催は)ない。このパンデミックで」とも発言し、大きな波紋を呼んだ。政権内からは、「なぜ開幕が迫るこのタイミングに」といった疑念が渦巻いた。

 政権側からは露骨な牽制の声が上がった。田村厚労相は4日の記者会見で「自主的な研究の成果の発表ということだと思う」と語った。丸川五輪相も尾身氏の一連の発言に「全く別の地平から見てきた言葉」と距離を置いた。政権側の反発に、専門家側も慎重になった。専門家の一人は週明け、「今週は出さない。政府は国会の開会中に、これ以上ワーワー言われたくないようだ」と話した。形式も、「分科会」ではなく「有志」となり、一時検討された首相への手渡しも見送りになった。

 この間、政府と専門家の間で事前に調整を続けたという。ある専門家は、「『無観客』をどこまで打ち出せるかが焦点だった」とも語った。18日に尾身氏から提言を受けとったのは、組織委員会の橋本会長と西村経済再生相となった。西村氏への提出後、尾身氏は記者団にこう述べた。「受けとりましたということですから。どう判断されるかは、大臣に聞いてください」

■有観客前提の首相に難題

 無観客の五輪を推奨し、五輪のリスクについて納得のいく説明を求めた「尾身提言」にどう向き合うか。政府や組織委は厳しい注文を突きつけられた。とりわけ深刻なのが観客問題。菅首相は17日の会見で、感染状況が改善した場合のイベント制限を「最大1万人」とする政府方針に触れ、「有観客」の五輪に意欲を示したばかり。その会見に並んで臨んだ尾身氏から、翌日に「無観客」を提言された。

 首相に近い自民党議員は「提言は科学的根拠に基づく。無観客にすべき」と言う。菅政権は昨秋の「第3波」でも、専門家の提言を受け入れずに観光支援策「GoToトラベル」を継続。支持率の急落を招いた。東京ではすでに「第5波」の到来も懸念されている。無観客の推奨に向き合わず、五輪がらみで人の流れが大きく増えて感染の再拡大を招けば、「首相は責任をとらざるを得ない」との見方が政権内でも語られ始めている。

 五輪で国民の一体感を作り出し、政権への追い風にしたい首相にとって、「有観客」は大前提。党内には「有観客」にこだわる議員が多い。「無観客」になると、経済効果が低減する。首相らの視線は、どれだけ多く観客を入れられるかに注がれていた。だが、「尾身提言」や直近の東京の感染状況を踏まえ、政権中枢で「まん延防止が解除できなければ無観客も排除できない」との意見も急浮上している。官邸幹部は「最後は難しい政治判断になる」と話す。

●酒提供 都「客2人、90分まで」 大阪も2人まで

 「緊急事態宣言」が20日で解除されるのを受け、東京都は18日、飲食店に酒類提供を認める要件について、客が同一グループで2人以内の場合とすると発表した。店内の換気などの対策を取った店を対象に、酒類提供は午前11時~午後7時とし、店での滞在時間は90分間に限定する。政府方針の「原則4人以内」よりも厳しい条件を設けることにした。「まん延防止等重点措置」に切り替わる21日から7月11日まで適用する。

 重点措置の対象区域は23区に加えて、奥多摩町と檜原村を除く多摩地域。対象区域内での飲食店には午後8時までの営業時短要請を継続し、区域外には午後9時まで(酒類提供は午後8時まで)の時短を要請。感染状況の悪化で、「ステージ4」相当となった場合は、酒類の提供を再び自粛するよう要請する。百貨店などの商業施設、博物館などに要請している午後8時までの時短要請を21日以降も継続。劇場や映画館などにも現行と同じ午後8~9時までの時短営業を求める。

 神奈川県は18日、現行20市町の重点措置区域を横浜・川崎・相模原・小田原・厚木・座間の6市に縮小する。酒類の提供の要件については「滞在は90分以内」「人数は1組4人以内」とした。首都圏では千葉県が「2人以内」、埼玉県も「1人か同居家族」と条件を課している。大阪府と京都府も18日、重点措置区域での酒類提供の要件について、大阪府は同一グループの「2人以内」(同居家族を除く)、京都府は「4人以内」とすることを決めた。

●重症者775人 18日ぶり増加

 国内感染者は18日現在、新たに1623人が確認された。死者は48人。重症者数は775人(17日時点)で、前日から12人増。重症者数が増えるのは、5月30日以来18日ぶり。

 東京都は453人を確認したと発表した。前週の金曜日(11日)と比べて18人増え、3日連続で前週の同じ曜日を上回った。年代別で見ると、20代が145人で最多。30代93人、40代86人と続いた。1週間平均の感染者数は389.0人で、前週比は100.7%で増加している。大阪府では79人が感染。重症患者は110人。沖縄県は、新たに86人の感染が確認された。人口10万人あたりの17日までの1週間の新規感染者数は約54人と最多で、2番目に多い東京都(約20人)の2.5倍もある。

【6月19日】

●コロナ病床、工夫で捻出したが 2カ月で4800床積み増し

 年末年始に広がった新型コロナの「第3波」で病床不足になったことを踏まえて厚労省は、都道府県別の新しい病床確保計画をまとめた。全国で、3月中旬より約4800床多い約3万5千床を確保した。次の「第5波」が来た時には病床不足に陥らないよう、行政や医療機関の連携がさらに求められる。

●「五輪で感染拡大、防ぐ対策を」 知事会、政府への提言

 全国知事会は19日、「緊急事態宣言」が解除されるのを受けてオンライン会議を開き、東京五輪・パラについて「政府は感染拡大の契機とならないよう万全の対策を」と求める緊急提言をまとめた。近く国に提出する。

 提言では、「感染再拡大による第5波を生じさせないため」として、国に徹底的な感染抑制措置を求めた。そのうえで、選手やメディア関係者の行動管理、ボランティアへのワクチン接種の検討、事前合宿の受け入れの具体的な指針の見直し、などを求めた。参加した41知事からは、大会開催による感染拡大に警戒する発言が相次いだ。

●都主催PV中止 小池知事、首相と会談

 東京都の小池知事は19日、都庁で記者団の取材に応じ、東京五輪・パラ期間中に都内で予定していたパブリック・ビューイング(PV)について、都が主催する全6会場での開催を中止すると明らかにした。新型コロナ感染対策で人流を抑制するためとしている。

 都は大会期間中、都立代々木公園と井の頭公園で、競技の体験ができるコーナーや大会パートナー企業の出店が併設される「ライブサイト」と呼ばれる施設を計画。日比谷公園や上野公園などでもPVを予定していた。

●全国感染1520人

 国内感染者は19日時現在、新たに1520人が確認された。死者は28人だった。重症者は740人(18日時点)で、前日から35人減った。東京都の新規感染者は388人。1週間平均の感染者数は377.7人で、前週比は96.6%だった。大阪府は111人で、入院中の重症患者は109人。沖縄県では新たに97人の感染が確認され、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は49.35人で全国最多。病床占有率は77.3%。

 ゼロ密を目指そう! リーフレット 出典:厚労省HP

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【6月20日】

●米国、台湾にワクチン250万回分提供 当初より大幅に上積み

 米国政府は、新型コロナのワクチンの調達が遅れている台湾に、当初明らかにしていた数を大幅に上回る250万回分を提供することにした。ワクチンを積んだ飛行機は20日夕方ごろ、台湾に到着する予定。

●ブラジル、新型コロナ死者50万人超える 大統領への抗議活動も

 ブラジルで、新型コロナによる死者が50万人を超えた。死者が50万人を超えたのは米国に続いて2か国目で、感染対策に消極的なボルソナロ大統領に対する抗議活動が、多くの都市で起きている。

●北海道・釧路、大規模接種開始 医師の一部は日給17万円余で確保

 北海道釧路市は20日から大規模会場での接種を始めた。会場には、問診に当たる医師7人が常駐するが、市内の医療機関では対応できる医師が集まらず、6月21日から25日と、6月28日から7月2日の平日の10日間は、日給17万5000円で道内外から募集し、必要な延べ70人を確保した。

●五輪「無観客で」53% 菅内閣支持、横ばい34%

 朝日新聞社は19、20日に全国世論調査(電話)を実施した。東京五輪・パラを今夏に開催する場合、「観客なしで行うべきだ」53%が「観客数を制限して行うべきだ」42%を上回った。観客の有無では男女別で違いが出た。「観客なし」は女性57%、男性49%。「観客制限」は、男性45%、女性39%だった。菅内閣の支持率は34%で、最低タイだった前回5月の調査(33%)とほぼ同じ。不支持率は42%(前回5月は47%)。

 開催意義について、菅首相の「人々の努力と英知で難局を乗り越えていく」との発言に、「納得できない」54%、「納得できる」38%だった。政府は東京都などに出されていた「緊急事態宣言」を沖縄県を除き、20日で解除した。解除のタイミングについて「早すぎる」51%、「適切だ」33%、「遅すぎる」10%だった。菅内閣の支持率は5月に比べ、60代で25%→31%、70歳以上で30%→37%と高齢層で上がったが、18~29歳で44%→39%、30代で34%→26%と若年層で下がった。

●五輪開会式の観客、上限「2万人案」も 組織委など なお削減へ調整

 国立競技場(収容人数6万8千人)で行われる東京五輪開会式の観客について、組織委員会などが2万人を上限とする案を検討していることがわかった。競技団体関係者やスポンサー招待客らを大幅に減らすのが難しいという。この案が実現した場合、政府がイベント開催基準としている観客上限1万人の2倍となるため、さらに削減する方向で調整が進んでいる。

 政府、組織委、東京都、IOCなどは21日、5者協議で観客上限の方針を決定する予定だが、関係者の扱いは決まらず議論が継続する可能性がある。観客については、政府は「緊急事態宣言」から切り替わる「まん延防止等重点措置」が東京などで解除された場合、大規模イベントの上限を1万人とする方針で、五輪でも適用される見通し。措置が継続するか、状況が悪化して「緊急事態宣言」が出る状況になれば、「無観客」とすることも検討している。

●「緊急事態宣言」なら五輪無観客も 西村担当相、可能性示す

 西村経済再生相は20日、NHKの討論番組に出演し、東京五輪・パラ期間中に「緊急事態宣言」が出ている場合、「イベント一般のルールが無観客ということもある。そういうルールを基本としながら適切に判断される」とし、無観客開催の可能性があることを示した。また西村氏は、東京五輪の観客のあり方について、政府や東京都、IOCなどが21日に開く5者協議で決める対応を軸に、来月23日開幕の大会直前の状況を見ながら判断されるとの見通しを示した。

●全国感染1308人

 国内感染者は20日現在で、新たに1308人が確認された。死者は20人増えた。重症者は714人(19日時点)で、前日から26人減っている。東京都の新たな感染者は376人で、前週の日曜日(13日)より72人多かった。1週間平均の感染者数は388.0人で、前週比で101.0%となった。感染者は、神奈川県では162人、千葉県は103人、大阪府は106人だった。

【6月21日】

●英国の新規感染者、1日1万人超に

 ワクチン接種で先行する英国で、1日の新規感染者が約4カ月ぶりに1万人を超える水準になっている。感染力が強いデルタ株の増加が原因とみられ、ロックダウンの解除も延期した。接種率が高いのに感染者数が増加している国はほかにもあり、「ワクチンへの過信」を警告する声も出ている。

 英国では1日の感染がピークだった1月の6万人超から、4月下旬には2千人前後に減った。だが、5月下旬に再び増え始め、6月17日は、2月22日以来の1万人を突破。イングランド公衆衛生庁は、新規感染の99%がデルタ型と分析している。原因の一つに、インドからの渡航禁止措置の遅れ。インドでは4月半ばに1日あたりの新規感染者数が20万人超だったが、原則禁止にしたのは4月23日。「遅れる間にインドから少なくとも2万人が入国した」などと政府に批判的な報道も目立つ。

●中国「シノファーム」製のコロナワクチン、ベトナムに到着

 新型コロナの感染が拡大する中、ベトナム政府は中国国有の製薬会社シノファームのワクチン50万回分が到着したと発表した。このワクチンはベトナムで働く中国人や中国での就学や就職を希望するベトナム人などを接種の対象にする。ベトナムはこれまでASEAN(東南アジア諸国連合)の中で唯一、中国からワクチンを調達していなかったが、6月初めにシノファームのワクチンの緊急使用を認めていた。

●インドネシア、新型コロナ感染再拡大 企業や市民活動の規制強化

 新型コロナの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアで感染が再び拡大し、6月21日に新たに確認された感染者数は1万4000人余りと過去最多になった。インドネシア政府は、企業や市民の活動への規制を強化している。

●7都道府県、重点措置に移行

 10都道府県に出ていた「緊急事態宣言」が、沖縄県を除いて20日までで解除され、このうち東京や大阪など7都道府県では、21日から「まん延防止等重点措置」に切り替わった。宣言を延長する沖縄県や、「重点措置」を延長する埼玉・千葉・神奈川の3県とともに来月11日まで適用される。東京五輪の開幕を1か月後に控え、感染の再拡大を防ぐことができるかが焦点となる。

 10都道府県のうち、「重点措置」に移行したのは北海道・東京・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡の7都道府県。岡山・広島県は全面解除となった。また、岐阜・三重県に適用されていた「重点措置」は解除された。「重点措置」地域では21日から、飲食店での酒類提供を「一定の要件」付きで午後7時まで認める。営業時間は午後8時までとする。

●五輪有観客なら上限1万人 感染状況次第で無観客視野

 東京五輪の観客について、政府、東京都、組織委員会、IOC、IPCの5者は21日、代表者会議を開き、「まん延防止等重点措置」が7月11日までに解除されることを前提に「収容人数の50%までで、上限1万人」とすることで合意した。同時に、「緊急事態宣言」が出るか、「重点措置」が延長された場合は「無観客も含めた対応を基本とする」とも合意した。

 東京では「第5波」到来が予見される。五輪が本当に有観客で開かれるのか、いまの感染対策の期限である7月上旬まで不透明な状況が続きそう。21日に示された「上限1万人」は、いま東京都などに出されている「まん延防止等重点措置」が解除されたり、「緊急事態宣言」などが出ていなかったりと、感染状況が改善したケースを想定したもの。最終判断は、現時点で下さなかったとも言える。

●五輪・パラ「無観客開催も」 東京都医師会など意見書提出

 東京都医師会は21日、東京都や都内各地区、それに東京大学など大学の医師会が連名で、新型コロナの収束の見通しが立たない中で大会を開催するのであれば、大会の開催によって通常医療が圧迫されないことを必須条件とし、無観客での開催を探るとともに、観客を入れた場合でも感染状況によって無観客や中止とすることも考えるべきとする意見書を18日付けで、大会組織委員会の会長らに提出したと公表した。

 一方21日、菅首相は記者団に対し、東京五輪・パラの観客の扱いについて大会期間中に「緊急事態宣言」が出された場合は国民の安全・安心を最優先に「無観客」とすることも辞さない考えを示した。

●東京五輪会場での酒類の販売や提供を検討 大会組織委

 観客を入れて開催することが決まった東京五輪会場での酒類の提供について、組織委員会の橋本会長は21日の記者会見で「大声の抑止や安全な誘導の実現の観点、それに現在の一般的ルールを鑑みて検討中だ」と述べた。東京大会は、スポンサーになっている「アサヒビール」が会場内での酒類を独占的に販売できる契約になっていて、組織委員会は、感染防止とスポンサーの権利に配慮するという2つの観点から今後、慎重に判断するものと見られる。

●ワクチン職域接種、17大学で本格的に始まる

 企業や大学などによるワクチンの職域接種が21日から本格的に始まった。文部科学省によると、接種開始は少なくとも11都道府県の17大学。北海道医療大学、東北大学、東京国際大学(埼玉県)、慶應義塾大学、日本大学、日本体育大学、湘南工科大学(神奈川県)、松本歯科大学(長野県)、大阪大学、大阪経済法科大学、関西大学、近畿大学、大和大学(大阪府)、神戸市看護大学、広島大学、徳島大学、長崎国際大学。文部科学省は、大学を拠点に地域の学校の教職員や住民などにも接種を広げていく方針。

●重症者721人 国内感染、新たに868人

 国内感染者は21日現在、新たに686人が確認された。死者は全国で35人増えた。重症者は20日現在で721人で、前日より7人増えた。東京都では236人の感染を確認。前週の同じ曜日を上回った。

【6月22日】

●子どものワクチン、個別接種が基本 「学校で集団接種、推奨しない」文科省通知

 厚生労働省は5月、米ファイザー製ワクチンの接種対象年齢に「12~15歳」を加えることを決めた。これを受け、文科省は22日、学校での集団接種は、接種を受けなかった児童生徒がわかってしまうため推奨せず、かかりつけ医や自治体の接種会場などでの個別接種を基本とするよう全国の教育委員会などに通知した。仮に学校で集団接種をすると判断した場合でも、授業中ではなく、夏休みなどの長期休暇を利用するなど、同調圧力が生じない工夫を求める。

 通知は、学校集団接種を推奨しない理由として、保護者への説明機会が乏しくなる、個々人の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがち、接種後の体調不良に対するきめ細かな対応が難しいを挙げた。萩生田文科相は会見で「学校での集団接種は受ける人と受けない人の差別化につながり、いじめにつながることも心配される。希望する子どもは親の同意のもとで、個別接種を進めていく」と述べた。

●ワクチン供給に懸念、実態調査へ 厚労省 偏在の可能性指摘

 ワクチンの供給不足が起きかねないと自治体から懸念の声が出ているとして、田村厚労相は22日の閣議後会見で、実態を調査する考えを明らかにした。「足りないということは本来ないはずだ」とした上で、「医療機関に在庫がたまっている可能性がある」と述べた。

 同省によると、自治体が接種しているファイザー・ワクチンは、7月5日からの2週間で1万1千箱を全国の自治体に配分する予定。その前の2週間で1万6千箱に比べて大幅に減るが、当初の計画通りという。6月末までにファイザーからは約1億回分届いて十分な供給量になりつつあり、今後も配分量は減るが、田村氏は供給不足にはならないとした。その上で、「心配で、なるべく多く確保したいという気持ちがあるかも分からないが、偏りが出てくると本来必要なところへ行かなくなる」と強調。偏在が起きている可能性を指摘、実態調査に乗り出す方針を示した。

 全国知事会は19日の提言で、ファイザーのワクチン配分が7月以降急減するとして、「接種加速の流れに水を差す」と懸念を表明。必要量を十分に確保することや、自治体での集団接種などでモデルナ社製ワクチンの使用を可能とし、具体的な供給スケジュールを速やかに示すよう求めた。

●東京都のワクチン大規模接種、新たに2か所設置へ 教職員など対象

 東京都は都内で新たにワクチンの大規模接種会場を2か所設置し、夏休みを中心に小中学校の教職員などを対象に接種を進める。都が新たに大規模接種会場を設けるのは、立川市にある立川地域防災センターと府中市にある多摩総合医療センターの2か所。

●デルタ株、感染リスク高 会話はこれまで以上の距離を

 西村経済再生相は、閣議のあとの記者会見で変異株の感染リスクをスーパーコンピューター「富岳」を使って計算した結果を公表し、会話する際は、これまで以上に距離を取り、短時間で済ますことが必要だと呼びかけた。

 より感染力が強いとされるインドで確認された変異ウイルス(デルタ株)の感染力を従来のウイルスの2.25倍と想定し、感染者と大声で会話した場合のリスクを計算。その結果、距離を1mあけた場合、従来のウイルスでは、接近しての会話に比べてリスクが5分の1程度に下がる一方、
変異ウイルスでは、半分程度までしか低減せず、5分の1程度まで下げるには、2m近い距離が必要だとしている。

 また、通常の会話をする時間と感染リスクとの関係を計算したところ、従来のウイルスの感染者と1時間会話するリスクと、変異ウイルスの感染者と27分間会話するリスクが同じ水準となる。西村氏は「1時間の会議を30分以内にすることで、同等のリスクに下げることができる。会議や友達どうしでの話も、これまで以上に距離を置いて短時間にすることが大事だ」と呼びかけた。

●五輪事前合宿で来日のウガンダ選手団、全員がコロナ濃厚接触者に

 東京五輪の事前合宿のため、今月19日に来日したアフリカのウガンダ選手団の1人が新型コロナに感染していることが確認されたことについて、合宿先の大阪・泉佐野市は選手団全員が濃厚接触者に認定されたと発表した。市は、選手団に対して来月3日までホテルで待機するよう求めている。

●小池知事、静養へ 「過度の疲労」

 東京都は22日、小池知事が過度の疲労で静養すると発表した。週内の公務は、多羅尾副知事が代理で務めるという。東京五輪・パラの準備や新型コロナ対策にあたっていた小池知事は、土曜日の19日に菅首相と首相公邸で会談。21日には政府や大会組織委員会などとの5者協議に出席していた。また、都議選の告示を25日に控えている。

●東京の感染者435人、前週より98人増

 国内感染者は22日現在、新たに1437人が確認された。死者は全国で44人増えた。厚労省によると、重症者は21日現在で697人で、前日より24人減った。東京都では435人を確認した。前週の火曜日(15日)と比べて98人増えた。新規感染者数が前週の同じ曜日より増えたのは3日連続。1週間平均の感染者数は405.9人で、前週比は108.0%だった。

 大阪府では107人を確認した。6月18日~20日に50~90歳代の男性計4人が亡くなっていたことも明らかにした。全国で唯一、「緊急事態宣言」が続く沖縄県の新規感染者は98人で、前週の火曜日と比べて9人減った。

 新型コロナウイルス感染拡大防止 リーフレット 出典:厚労省HP

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【6月23日】

●モスクワ、コロナ感染再び急拡大 ワクチン未接種者の生活制限へ

 ロシアの首都モスクワでは、新型コロナの感染が再び急拡大していることから新たな対策が発表され、ワクチンを接種済みなどとする証明がなければ、飲食店を利用できなくなる。

●イスラエル「デルタ株」で再拡大 マスク着用義務再び導入も

 ワクチン接種が進み、感染者が減少していた中東のイスラエルで21日、新規感染者の数がおよそ2か月ぶりに100人を超えた。イスラエル政府は、インドで確認された変異株「デルタ株」の感染が広がっているとして、海外への不要不急の渡航を控えるよう呼びかけるとともに、空港でのマスクの着用義務を再び導入した。

●サッカー欧州選手権 英政府、観客6万人超入場認める 懸念の声も

 英国政府は、ロンドンで行われる予定のサッカーのヨーロッパ選手権の準決勝と決勝について、大規模なイベントの再開に向けた調査の一環として6万人を超える観客の入場を認めると発表した。ただ英国では、デルタ株の感染が拡大し、1日の感染者が1万人を超える日が続いていて、6万人を超える観客を認めることに対しては懸念の声も上がっている。

●英国、G7サミット開催地で感染者急増 多くの人集まったこと関係か

 今月、G7サミット(主要7か国首脳会議)が開かれた英国南西部のコーンウォールで、会議の前後から新型コロナの感染者が急増していることが分かり、専門家などからは会議の開催で多くの人々が集まったことも関係したのではないかと懸念する声もあがっている。

●職域接種受け付け休止 明日ワクチン供給に懸念

 ワクチン接種をめぐり、河野行革相は23日夜に記者会見を開き、企業での「職域接種」の受け付けを25日午後5時から「一時休止する」と発表した。職域接種に用いている米モデルナ社製のワクチンの供給が追いつかない可能性があるため。同社製のワクチンで実施している自治体の大規模接種については、新規の受け付けを23日に休止した。いずれも再開のめどは明らかにしなかった。すでに申請し承認された分の接種は、原則として実施される。

 職域接種は今月8日から首相官邸のホームページ(HP)で受け付けが始まり、21日から本格的な接種がスタートしたばかり。モデルナ製は、9月末までに5千万回分(2500万人分)が供給される見通し。河野氏は、職域接種で約3300万回、自治体の大規模接種で約1200万回と、すでに約4500万回分の申請があることを明らかにした。さらに、1日に配送できる能力の上限に達しているとして、「しばらくの間、目をつぶって綱渡りをするようなオペレーションにならざるをえない」と説明した。

●モデルナワクチン、接種翌日に90代男性死亡

 モデルナの新型コロナのワクチンについて、厚労省は接種を受けた90代の男性が死亡したと発表した。死因はくも膜下出血と見られ、接種との因果関係は評価中だとしている。

●アストラ製60歳以上公費接種

 英アストラゼネカ社製のワクチンについて、厚労省は60歳以上を対象に公費接種を認める調整に入った。このワクチンは高い効果がある一方、海外ではまれに血栓ができる例が報告され、比較的若い人の発症リスクが高いとされる。そのため、年齢を絞る方向。

●事前合宿のウガンダ選手団、さらに1人コロナ感染 大阪・泉佐野

 東京五輪の事前合宿のため来日し、大阪 泉佐野市に滞在しているアフリカ・ウガンダの選手1人が、新たに新型コロナに感染していることが確認された。ウガンダ選手団の感染確認は6月19日に来日した際、成田空港で1人が確認されたのに続き2人目。

●夜間開催「無観客を」 会場抱える自治体懸念 五輪チケット、91万枚を削減

 開幕まで30日。東京五輪・パラの大会組織委員会が条件付きで有観客での実施を決めたことを受け、競技会場を抱える自治体から懸念が噴出している。23日に都内で開かれた連絡協議会で、夜の競技を無観客にすることなど要望が相次いだ。

 埼玉県の大野知事は協議会後、午後9時以降の競技開催について「無観客が望ましい」と提案した。仮に「重点措置」が解除されても夜間イベントの開催自粛要請は続く可能性が高いとし、五輪でも整合性をとるべきだとしている。千葉県の熊谷知事もこの日の会議で「感染状況が劇的に改善されない限り、イベントの時間制限の緩和は困難」と言及。五輪も同様とし、「午後9時以降も有観客の方針は再検討いただく必要がある」と求めた。

 一方、神奈川県の黒岩知事は、夜間競技の観客の有無は「(政府や組織委などの)5者協議の決定に従う」とした。最も多い24会場がある都は現段階で考え方を示していない。

●五輪会場での飲酒取りやめ

 組織委員会は23日、観客向けの感染症対策ガイドラインを公表。会場内での酒の販売・提供を取りやめ、持ち込みも禁じた。人流を抑制するため会場への「直行、直帰」を求め、マスクの着用を義務化した。違反者には退場を求めることも明記している。

 組織委は当初、一定の制限のもとで酒の販売などを認めることも検討したが、批判が殺到していた。大会スポンサーの「アサヒビール」は「感染拡大防止の観点、多くの飲食店での酒類提供が制限されている状況において、今回の意思決定は当然」とのコメントを発表した。ガイドラインではこのほか、会場での検温を求め、大声を出しての応援や指笛、通路などでの飲食の禁止も盛り込んだ。

●専門家会合、「東京、感染増加の動き」

 厚労省に助言する「専門家組織」は23日の会合で、全国的には新規感染者数の減少傾向が続いていると評価した。一方、「緊急事態宣言」を解除した東京都では新規感染者数が「横ばいから増加に転じる動きがみられる」と指摘。田村厚労相は「もうリバウンドの兆候が出てきている」として警戒を求めた。

●東京の新規感染619人

 国内感染者は23日現在で、新たに1779人が確認された。東京都の新規感染者は619人で、前週の水曜日(16日)と比べ118人多かった。前週の同じ曜日より多いのは4日連続。1週間平均の感染者数は422.7人で、前週比109.9%だった。

【6月24日】

●CDC、心筋炎「コロナワクチン接種と関連の可能性」

 米CDC(疾病対策センター)は、ファイザーなどが開発したワクチンとモデルナのワクチンを接種した、主に若い世代で、心臓の筋肉に炎症が起きる「心筋炎」などの症状が報告されていることについて「ワクチンの接種と関連している可能性がある」とする見解を明らかにした。

●ワクチン、日本市場3000億円 世界は今年8兆円資産

 新型コロナワクチンの市場が急拡大している。試算では今年度の日本の市場規模は最大約3千億円、世界では今年は最大8兆円になると見込まれている。開発に成功した一部の製薬会社は、大きな利益を得ている。

 医療情報提供会社のIQVIAが24日、日本の市場規模を発表した。16歳以上の8割が今年度中に接種することを前提とし、2021年度は最大約3千億円になると推計した。日本での1回あたりの接種費用は平均で約1300円と見込んでいる。費用の推計を製薬会社ごとにみると、米ファイザー製20ドル、米モデルナ製30ドル、英アストラゼネカ製8ドルなどとしている。日本政府はワクチンの契約金額は明らかにしていない。

●首相は2週間前に宣言したが、接種1日100万回到達

 ワクチン接種をめぐり、菅首相が掲げる「1日100万回接種」に達したことが24日、分かった。加藤官房長官が同日の記者会見で、今月9日など複数の日で接種者が100万人を超えたと発表した。首相は約2週間前に「達成」したことを宣言していたが、この2人の間の「ズレ」はなぜ生じたのか。

 「ワクチン接種こそが切り札だ。昨日は100万回を超えてきた」と首相がはじめて「1日100万回達成」に言及したのは、9日午後にあった立憲民主党の枝野代表との党首討論だった。同日夜、記者団に根拠を問われ、「どこで100万回というのは分からないが、このところは大体その数字になってきている」などと、言葉をにごしていた。

●「予約なし」ダメに 大規模接種 ルール厳格化

 政府が東京と大阪に設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」をめぐり、防衛省は24日、例外的に認めてきた事前予約なしの接種を28日から行わないと発表した。センターでの接種には、インターネットや電話による予約と自治体から送られる接種券が必要。65歳以上の高齢者に限定されていた当初から、「はるばる来た高齢者を追い返すわけにいかない」と、当日キャンセルされた枠を使い、予約のない来場者に接種することもあった。

 接種対象年齢が引き下げられ、若い世代にも接種券が届くようになったことを背景に、東京会場では今月19日以降、「飛び込み」接種者が徐々に増加。夜中から並ぶ若者も出てきた。それまで1日100人未満だった予約なしの接種は、200~300人になった。夜間に体調不良者が出ても対応できないことや近隣からの苦情もあり、予約のない人への接種は見合わせるよう、ルールを厳格に適用することにした。

●酒類提供、見直し示唆 官房長官 都内感染再拡大をなら

 東京都内での新型コロナ感染症の再拡大について、加藤官房長官は24日午前の記者会見で、「感染状況に高い警戒感を持って注視し、必要があれば対策の強化を含め機動的な対処を行っていく」と述べ、感染状況によっては酒類提供の見直しなどに踏み込む可能性を示唆した。加藤氏は、感染状況が「ステージ4」(感染爆発)相当の状態に悪化すれば、「専門家の意見を聴取した上で直ちに酒類提供、持ち込みの全面停止を要請する旨が東京都から事業者に周知されている」と強調した。

●「天皇陛下、五輪開催で感染拡大 ご心配と拝察」 宮内庁長官

 天皇陛下が名誉総裁を務める東京五輪・パラについて、宮内庁の西村長官は24日の定例会見で、陛下が新型コロナの感染状況を心配しているとし、「開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されていると拝察している」と述べた。五輪の開会式が近づく中での考えを問われ、そう言及した。西村長官は「私が肌感覚として受け止めているということ」とし、「直接そういうお言葉を聞いたことはない」と説明した。

 また、西村長官は「陛下が名誉総裁をお務めになる五輪・パラで、感染が拡大するような事態にならないよう感染防止に万全を期していただきたい」とも述べた。

●IOC委員ら、個室外食可 プレーブック「特別扱い」 立憲指摘

 東京五輪・パラのために来日するIOC委員らの行動ルールを定めた「プレーブック」で、入国後14日間以内でも個室のある飲食店の利用が認められていることが24日、立憲民主党の会合で指摘された。「五輪の特別扱い」で感染が拡大しかねないとして見直しを求めた。プレーブックでは、IOC委員ら「五輪ファミリー」や、報道関係者らについて、宿泊先の食堂などが利用できない場合、コンビニや、感染対策をした個室のある飲食店の利用を認めている。

 立憲の斉木衆院議員は党のコロナ対策本部で、菅首相が「選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにする」と述べたことを踏まえ、「答弁に完全に矛盾する」と指摘。「飲食店クラスターが各地で多発する。店の従業員や店のトイレを使った日本人に感染することは考えなかったのか」と質した。政府の担当者は「日本人の客と交ざる形にならないと承知している」と説明するのみだった。

 大会組織委員会の武藤事務総長はこの日、記者団に、自室での食事が原則としつつ、「必ずしもそうはいかない。一方で、ご指摘の通りなので、決められたところで買い物してもらう。そういうことを一つひとつ丁寧に考えたい」と述べた。

●デルタ株、国内での感染力は従来の1.95倍と推定 京大教授ら分析

 インドで確認された新型コロナの変異株「デルタ株」は、国内での感染力は従来のウイルスの1.95倍と推定されるという分析結果を、京都大学の西浦博教授らがまとめ、23日に開かれた厚労省の専門家会議で示した。

●ウガンダ選手団「デルタ株」感染

 厚労省は24日、東京五輪に出場するため来日し、成田空港の検疫で新型コロナへの感染が確認されていたウガンダ選手団の50代男性が、インドで確認された変異株(デルタ株)だったと明らかにした。ゲノム解析の結果で判明した。

●東京感染増加570人 1回目の接種が高齢者5割超 

 国内感染者は24日現在、新たに1677人が確認された。死者は42人増えた。東京都の新規感染者は570人。前週の木曜日(17日)と比べて118人増えた。1回目のワクチン接種を受けた全国の高齢者は、23日時点で51.1%となり、初めて5割を超えた。

【6月25日】

●日本の関節リウマチ治療薬「アクテムラ」  米、コロナで緊急許可

 米国FDA(食品医薬品局)は24日、日本で開発された関節リウマチの治療薬「アクテムラ」(一般名=トシリズマブ)について、新型コロナウイルスに感染して入院している患者への緊急使用を許可すると発表した。対象となるのは酸素の吸入や人工呼吸器、ECMO(人工心肺装置)による治療が必要で、かつ、ステロイド系の抗炎症薬を投与されている患者。

 FDAによると、4つの臨床試験の結果を分析したところ、アクテムラを投与された患者は、そうでない患者に比べて死亡するリスクが低下したり、入院期間が短くなったりするなどの効果がみられたという。「アクテムラ」は、大阪大学の岸本特任教授らのグループと、中外製薬が開発した関節リウマチの薬で、免疫の過剰な働きによる炎症を抑える効果があると期待されている。

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●職域接種追加、当面は困難 河野氏 申請上限に到達

 ワクチン接種をめぐり、政府内の調整を行う河野行革相は25日に記者会見を開き、受け付けを一時休止した「職域接種」の再開が当面困難であることを明らかにした。米モデルナ社製ワクチンの供給が追いつかず、職域接種の申請上限に達したという。すでに受け付けた自治体の大規模接種で使うモデルナ製の不足分については、市区町村の接種で使っている米ファイザー社製で対応する。

●ワクチン証明書、パスポート必要 当面は国外利用に限定

 新型コロナウイルスのワクチンを接種したことを公的に証明する「ワクチン証明書」について、政府は25日、発行の手続きを、実務を担う市区町村に示した。証明書には、接種者の氏名や生年月日、旅券番号のほか、接種を受けたワクチンの種類やメーカー、接種日を記載する。申請は当面、紙ベースだが、将来的には電子申請を可能にする。

●コロナと五輪、首都の選択 都議選告示 衆院選の前哨戦

 東京都議選(定数127)が25日告示され、新型コロナへの対応や、目前に迫った東京五輪・パラの開催可否をめぐる論戦が始まった。秋までに実施される衆院選の前哨戦とされ、選挙戦初日から各党党首らが演説に繰り出した。投開票日は7月4日。小池知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が都議会第1党を維持できるか、自民・公明両党が過半数を獲得できるのかが焦点となる。共産党、立憲民主党がどこまで議席を伸ばせるかも注目される。

●東京562人感染 前週比109人増

 国内感染者は25日現在で、新たに1709人が確認された。亡くなった人は31人だった。東京都では562人で、前週の金曜日と比べて109人増えた。1週間平均の感染者数は455.1人で、前週比は117%だった。また都のスクリーニング検査では、デルタ株の感染者が68人確認され、1日当たりで最多となった。

【6月26日】

●イスラエル、デルタ株拡大で再び屋内マスク義務化

 ワクチン接種が進み、感染者の減少が続いていた中東のイスラエルでは、インドで確認された変異株(デルタ株)の感染が広がり、イスラエル政府は、25日から再び屋内でのマスクの着用を義務化した。

●デルタ株、猛威 東南アジア、ワクチン確保遅れ 欧州、規制再強化の国も

 インドで確認された変異株(デルタ株)が世界で猛威を振るっている。「ワクチン先進国」や、感染を抑え込んできたコロナ対策の「優等生」の国々でも勢いが止まらず、世界は「変異株」の脅威に直面している。インドネシアは、6月に入って新規感染者数が急増、24日は2万人を突破。5月のイスラム教徒の大祭で人が密集、デルタ株が広がったとみられている。マレーシアでも変異株やワクチン不足を背景に4月後半から感染が拡大。その後1日9千人を超え、6月1日から全国的なロックダウンに追い込まれた。

 ワクチン確保に苦しむのも各国に共通する。インドネシアは来年3月までに人口の3分の2にあたる約1億8千万人に接種を終える方針だが、供給不足などで2回の接種完了は約1300万人にとどまる。コロナ対策の「優等生」とされたベトナムも25日午前現在の感染者数は計約1万4千人。4月下旬から4万人以上増えた。ベトナムも、今月25日で2回接種を終えた割合は0.1%。「COVAX」を中心に確保する戦略が機能せず。日米欧にも提供を求め、中国政府からも支援を受けた。

 新型コロナの規制解除を進めている欧州で、デルタ株の割合が高まっている。夏までに感染者の9割を占めると予想されており、感染拡大で再び規制に踏み切る国も出てきた。オーストラリアの最大都市シドニーでは16日、国際線の客室乗務員を送迎する運転手の感染が判明。デルタ株による感染で、この男性とショッピングセンターで数秒間すれ違っただけで感染したとみられる人もいるという。イスラエルで25日、屋内でのマスクの着用が再び義務づけられた。今月、着用義務をなくしたばかりだった。デルタ株が感染拡大の要因とみられる。

 感染拡大を抑え込んできたタイでも4月下旬以降、アルファ株の流入などでバンコクの歓楽街などで集団感染が連鎖。デルタ株も広がり始め、累計感染者数は、この2カ月で4倍以上に増えた。 プラユット首相は16日、入国者に義務づけてきた隔離措置を、10月にもワクチン接種者に免除する方針を表明、経済立て直しを急ぐ。背景には、GDPの約2割を占める観光業の苦境がある。インドネシア政府も、7月にリゾート地バリ島の観光を再開する方針。

●東京、週末戻る人波

 「緊急事態宣言」が9都道府県で解除後、初の週末となった26日は、各地で人があふれた。東京・渋谷駅前、午後1時半。スクランブル交差点では、横断歩道の外まで広がって歩く人も。ハチ公像前のベンチも人で埋まっていた。センター街のラーメン店の男性店員は「今は外国人観光客をのぞいた日本人の数は、コロナ前くらいに戻ってるんじゃないか」。一方、交差点近くの衣料品店の女性店員は「人が増えるにつれて緊張感が緩んでいる。感染者が増えないか心配」と話す。

●全国で新たに1632人感染 6割が首都圏の1都3県

 国内感染者は、26日現在で新たに1633人が確認された。増加傾向に転じている東京都が534人と最多で、前週土曜日から146人増。前週の同じ曜日を上回るのは、これで7日連続。26日までの1週間の総人数を平均すると、1日あたり476人。前週比126%で、増加傾向を示している。感染者534人を年代別に見ると、20代が159人。続いて30代98人・・・、65歳以上の高齢者は31人。死者は4人増えた。「人工呼吸器かECMO(体外式膜型人工肺)を使用」とする都基準の重症者は前日から1人減の37人だった。

 東京都に続き、神奈川県の231人、千葉県の108人、埼玉県の96人の順に多く、首都圏の1都3県で全体の約6割を占めた。大阪府は88人で、5日ぶりに100人を切った。緊急事態宣言が唯一続く沖縄県は74人。直近1週間の10万人あたりの新規感染者は36.26人で、減少傾向にあるものの、全国で最も多い状況は変わっていない。死者は全国で29人増えた。重症者は前日より13人減って577人だった。

【6月27日】

●デルタ株の流行国 出国前7日間検査 五輪選手巡り対策強化

 東京五輪・パラの新型コロナ対策をめぐり、政府はインドで確認された変異株(デルタ株)が流行する国・地域から来日する選手に対し、自国から出国するまでの7日間、毎日ウイルス検査をするよう求める方針を固めた。

 インド・スリランカ・ネパール・パキスタン・モルディブ・アフガニスタンの6カ国が対象となる。現在は来日する全ての選手に対し、出国前96時間以内に計2回の検査を要求。加えて日本への入国時に1回、入国後は原則毎日検査している。6カ国の選手については、新たに出国までの7日間、毎日検査を求めるほか、出国前の7日間と入国後の3日間は、一緒に来日する選手・コーチ以外と接触しないよう求める。

●五輪、今夏開催するなら「無観客」64%、「観客制限」30% 

 朝日新聞社は26、27日、東京都内の有権者を対象に世論調査(電話)を実施した。東京五輪・パラを今夏に開催する場合、「観客なしで行うべきだ」と答えたのが64%で、「観客数を制限して行うべきだ」の30%を上回った。

●緊急事態宣言、「必要なら」 西村経済再生相

 西村経済再生相は27日のNHK番組で、感染者が東京で増加傾向であることを受け、「必要となれば、まん延防止等重点措置をやっている地域に緊急事態宣言を発出することも、ちゅうちょすることなくやるべきだ」と述べた。西村氏は「東京、首都圏で減少傾向から増加傾向が明らかに顕著になってきている」と指摘。その上で、「緊急事態宣言」の発出可能性に触れた。

 東京都は宣言解除を受け、一定の要件を満たした店舗に酒類提供を認めている。この措置について、西村氏は「さらに強い対策を検討していかなければいけない」とも述べ、酒類提供の再停止に言及した。「緊急事態宣言」をめぐっては、田村厚労相も25日の閣議後会見で、「感染拡大の可能性があれば、十分念頭に置いている」と述べている。

●医療機関クラスター減 厚労省調査 従事者の接種効果か

 医療従事者へのワクチン接種が進むなか、医療機関でのクラスターの発生が減っている。厚労省の調査によると、先行接種が始まった2月中旬と直近の6月を比べると、発生した全クラスターに占める医療機関の割合は最大10分の1程度に低下。ワクチン接種が進んだためだとみられている。医療従事者らへの先行接種は2月17日に始まり、今月24日時点で2回目の接種を終えた人は460万人を超えた。対象者の9割程度となったとみられる。

●高齢者施設「職員から陽性者が出ると回らない」 集中検査まだ6割

 新型コロナのクラスター(感染者集団)が多発している高齢者施設を対象に、国はワクチン接種と並行して、PCRなどの集中検査の実施を全国の自治体に呼びかけているが、思うように進んでいない。人手不足に悩む高齢者施設は、仮に職員から陽性者が出れば仕事が回らなくなると心配して、検査に及び腰になっているという。

●全国で1283人感染 東京は再び増加、大阪は死者ゼロ

 国内感染者は27日現在で、新たに1283人が確認された。首都圏の1都3県で全体の約6割を占めた。感染が再び増加している東京都が386人と最多で、前週日曜日から10人増えた。前週の同じ曜日を上回るのは、8日連続となった。

 東京都の27日までの1週間の総人数を平均すると、1日あたり477.4人。前週比123%で、増加傾向を示している。感染者386人を年代別に見ると、20代が108人で最多。30代74人、40代68人、50代43人と続いた。65歳以上の高齢者は26人。新たに発表された死者は1人。「人工呼吸器かECMOを使用」とする都基準の重症者は前日と同じ37人だった。一方、96人の感染が確認された大阪府では4月1日以来、約3カ月ぶりに死者がゼロだった。

【6月28日】

●ワクチン接種、ほころび 職域一時休止 配送目詰まり指摘

 ワクチンをめぐり、菅政権が旗を振る接種の加速化にほころびが生じている。申し込みが殺到した企業などの職域接種は、ワクチンの供給不足の懸念から、申請受け付けが一時休止に。市区町村が実施する接種でも、ワクチン配送の「目詰まり」が指摘されている。菅首相は28日、全日空の職域接種会場などを視察後、職域接種の申請申し込みが一時休止した理由を「予想をはるかに超える申し込みがあった」と語った。

●成田空港、「バブル」強化

 東京五輪・パラ選手団や関係者の来日が本格化するのを前に、成田空港は7月1日から、空港内に選手・関係者用の「専用レーン」を設ける。成田国際空港会社(NAA)が28日、明らかにした。一般客との動線を完全に分け、外部との接触を遮断する「バブル」を強化する。

 これまでは、選手らと一般客を時間差で降機させて距離を一定程度離すなどしてきたが、検疫や入国審査などの動線は同じだった。NAAなどによると、選手らは航空機を降りる段階から「リエゾン」と呼ばれる案内役が一般客と交わらないように誘導。検疫や入国審査、税関を経て送迎のバスに乗るまで新設する「専用レーン」を移動してもらう。

●東京都内のコロナ入院者、重点措置期間に入り増加に転じる

 都内で新型コロナに感染し入院している人は、「まん延防止等重点措置」の期間に入ってから増加に転じている。6月27日時点では1449人で重点措置の期間に入る直前より179人増加し、病床に占める割合も3ポイント余り上昇している。

●東京感染リバウンド、9日連続で前週上回る

 7月23日に東京五輪の開幕を控える東京都内で、新型コロナのリバウンドが起きつつある。新規感染者数は28日までに9日連続で前週の同じ曜日を上回った。増加のペースは上がり続け、五輪期間中に「第5波」が襲う懸念が高まっている。「前週の同じ曜日と比較して100人前後増加している。人流がかなり増えている状況からいくと、増加傾向が強まることを危惧している」。26日夜、感染状況を説明した都の担当者は危機感を示した。

●国内1002人感染 7割が首都圏

 国内感染者は28日現在、新たに1002人が確認された。首都圏の1都3県で全体の約7割を占めた。東京都は317人で、9日連続で前週の同じ曜日を上回った。317人を年代別で見ると20代が95人で最多。30代61人、50代49人、40代47人。65歳以上の高齢者は20人だった。大阪府は40人で、前週の同じ曜日を3日連続で下回った。

【6月29日】

●サッカー欧州選手権、新型コロナの感染再拡大 ロシア

 ロシア第2の都市サンクトペテルブルクでは、サッカーのヨーロッパ選手権の試合が始まった6月中旬から新型コロナの感染が再び拡大。6月29日には、1日の感染者数は1374人となり、6月10日時点と比べて60%近く増加し、死者はこれまでで最も多い119人に上った。試合会場では、入場できる観客が半数に制限され、マスクの着用も求められているが、試合後はサポーターに加えて、この時期に学校を卒業した若者などがマスクをつけずに町に繰り出し、カフェなどに押し寄せている。

●サッカー欧州選手権、フィンランドサポーターら300人コロナ陽性

 ロシアのサンクトペテルブルクで行われたサッカーのヨーロッパ選手権の試合を観戦したフィンランドのサポーターらおよそ300人が、帰国後に新型コロナの検査で陽性と確認された。
 
 また、6月21日に行われた試合後におよそ3000人がフィンランドに帰国し、このうち、およそ800人が検査を受けずに入国し、隔離の指示も出されなかった。 サンクトペテルブルクでは、「デルタ株」の感染が増えていることから、フィンランドの当局は、帰国したすべてのサポーターらに対し、検査を受けるとともに陰性が確認されるまで隔離をするよう呼びかけている。

●「違う種類のワクチン接種で強い免疫反応」英研究グループ

 ファイザーなどが開発した新型コロナのワクチンとアストラゼネカなどが開発したワクチンを1回目と2回目で種類をかえて接種したところ、強い免疫反応が得られたとする研究結果をイギリスのオックスフォード大学などの研究グループがまとめた。研究グループは「ワクチンの接種に柔軟性をもたせられる可能性がある」としている。

●職域接種 政府再開断念へ モデルナ製の供給上回る申請
 
 ワクチン接種をめぐり、政府は申請の受け付けを一時休止している企業などの「職域接種」について、再開を事実上断念する方針を固めた。職域接種で使用する米モデルナ製ワクチンの供給を上回る申し込みに、さらなる対応はできないと判断した。モデルナ製は9月末までに5千万回分(2500万人分)が供給される。政府はこのうち3300万回分を企業や大学に割り当てる方針。職域接種の受け付けの一時休止を始めた25日午後5時時点で、上限を上回る約3642万回分の申請があった。

 政府は、企業などが過大に申請していないかなど需給を精査している。ただ、官邸幹部は「モデルナをこれ以上職域接種に用いるのは厳しい」と説明。「仮に余剰が出たら自治体の集団接種に回せばいい」とも話し、職域接種の申請受け付けの再開は、事実上ないとの見方を示した。職域接種は今月8日から受付け、21日から本格的な接種が始まっていた。モデルナ製の残り1700万回分は、自治体の大規模接種に割り当てる。

●感染10日連続前週上回る 東京

 国内感染者は、29日現在で新たに1381人が確認された。亡くなった人は30人だった。東京都の感染者は476人で前週の火曜日(22日)と比べ41人増えた。前週の同じ曜日を上回るのは10日連続。476人を年代別に見ると、20代が136人で最多。30代が83人、40代が81人、50代が69人と続いた。65歳以上の高齢者は33人だった。都基準の重症者数は、前日よりも2人多い43人だった。大阪府は101人の感染を確認した。

【6月30日】

●東京迫る第5波、重点措置解除困難の見方 専門家「再拡大強く懸念」

 「第5波」の感染拡大となるのか。厚労省に助言する「専門家組織」は30日の会合で、新規感染者が増え始め再拡大が懸念される東京都の状況に厳しい声が相次いだ。感染拡大の大きな理由は、人の流れの増加とみられる。宣言を解除した6月21日以降、夜間に繁華街にいる人の数は、18.1%増えた。強い対策のタイミングが遅れると「医療逼迫が起きうる」としている。政府内では、首都圏の「重点措置」を期限の7月11日で解除するのは、難しいとの見方が広がっている。 

 東京で感染状況が改善する兆しは見えず、7月11日に期限を迎える「まん延防止等重点措置」を解除する理由が見当たらない。そんな現状に政権幹部らはいら立ちを募らせる。12日以降のコロナ対応をどうするかは、その11日後に開幕する五輪のあり方に影響する。国民の暮らしを引き続き大きく制限するようなことになれば、菅首相らがこだわってきた有観客開催は難しくなるとの声が、首相官邸内でも上がり始めている。

●中外製薬が新型コロナ治療薬、厚生労働省に承認申請

 中外製薬は米国で緊急使用許可が出ている開発中の新型コロナの治療薬「カシリビマブ」と「イムデビマブ」について厚生労働省に承認を求める申請を行った。中外製薬によると、海外の治験では入院や死亡のリスクをおよそ70%減らす効果が確認されたという。去年11月には入院をしていない患者への治療薬として米国のFDA(食品医薬品局)から緊急使用の許可を取得している。

●合宿時に感染者、全員隔離 五輪 政府、自治体向けに指針

 政府は、東京五輪・パラの事前合宿で海外選手団から新型コロナの感染者が出た場合、全ての選手やコーチを宿泊施設の個室などに一時的に隔離する方針を決めた。受け入れ自治体向けの指針を改訂し、30日に示した。指針では、ホストタウンでの事前合宿中に選手団から感染者が出た場合、練習などの活動を停止するよう求める。また選手団が来日した際の空港検疫で陽性者が出た場合、濃厚接触者の疑いがある人を遠距離のホストタウンには運ばず、ホテルに隔離する方針も盛り込んだ。

●職域接種休止 大学も困惑 「計画立てづらい」「大学間で格差」

 ワクチン接種をめぐり、政府が申請の受付けを一時休止した企業や大学での職域接種。供給量を上回る申し込みにより再開の見通しが立たない中、各大学では対応に追われている。

 6月28日から学生の接種受付けを検討していた同志社大では、ワクチンは届いたが、今後の供給量が不透明、受付け開始を延ばすことにした。広報担当者は「早い者勝ちにすると混乱が生じる」と、計画が立てづらいと話す。申請を準備中の都内の私立大担当者は、「受付けてもらえないのなら、自治体の接種を受けてもらう方が良いのか」「国の言うことや方針がちょくちょく変わる。大学間で格差ができてしまい、学生たちに申し訳ない」と話した。

●待機児童、3分の1に減少 コロナで預け控え・失職、影響か

 認可保育園などに入れなかった今春の待機児童数について、政令指定市や東京23区など61自治体に調査したところ、回答した60自治体の合計で1688人と、昨春(5028人)の3分の1ほどに減少したことがわかった。施設整備が進んだ成果との見方がある一方で、新型コロナの感染拡大で子どもを預けるのをためらったり、仕事を失ったりして、一時的に保育需要が縮んだとの指摘もある。

●小池知事が退院

 東京都は30日、過度の疲労で静養中だった東京都の小池子知事が退院したと発表した。医師の判断で、当面はテレワークで公務に復帰するという。小池知事は22日に静養に入ると発表、約1週間入院した。

●東京都内の感染、高齢者の割合が減少 若者や中高年世代では拡大

 都内では、高齢者へのワクチン接種が進む中、新規陽性者に占める65歳以上の割合が5月5日に11%だったのが、6月27日時点では半分以下の5.4%まで低下。新たに入院した患者も、60代以上の割合はことし1月18日までの1週間は65.9%だったが、6月21日までの1週間は24.7%と大幅に減少した。一方、30代以下は4.8%から21.7%に、40代から50代は29.3%から53.6%に、それぞれ増加している。

●東京714人感染 11日連続で前週上回る

 新型コロナの国内感染者は、30日現在で新たに1821人が確認された。

 国内の感染状況 以下4枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 東京都では714人が確認され、前週水曜日(23日)比で、95人増。前週の同じ曜日を上回るのは11日連続になった。700人を超えるのは5月26日以来で増加傾向が続いている。

 東京都の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 沖縄県は30日、新型コロナの重点医療機関の県立中部病院(うるま市)でクラスターが発生し、5月25日以降に職員と入院患者計50人が感染したと発表。うち16人が死亡した。神奈川県では209人の感染を確認。千葉県は156人、埼玉県は109人だった。兵庫県では19人の死者が確認された。

 新型コロナワクチンの接種状況 以下2枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 急ピッチで進むワクチン接種は、政府は感染拡大を防ぐ期待の「切り札」。医療従事者や高齢者らを含め、首相がシャカリキになった「1日100万回接種」にも到達した。ただ、モデルナの供給が追いつかず、職域接種はストップした。菅政権は、10月~11月にはワクチン接種を希望するすべての人に打ち終わるとしている。

 ワクチンには、接種した本人の感染症や感染や感染しても重症化から守る効果が期待されている。ウイルスに感染すること自体をかなりの確率で防げれば、接種率が高まることで流行は収まっていく。接種していない人も間接的に守られるという「集団免疫」としての効果がある。しかしワクチン接種が進んでいるとされるイスラエルや英国でも、デルタ株の広がりで未だ「集団免疫」の状態には至っていない。

 新型コロナの場合、少なくとも人口の6~7割の接種率が必要と考えられているが、感染力の強い変異株ではさらに高い割合が必要になるという話もある。日本において、免疫をもっていない人にも予防効果が及ぶ「集団免疫」が、いつになったら得られるのだろうか。政府もまだ見通せていない。

 政権が6月20日をもって「緊急事態宣言」の解除に踏み切った。「緊急事態宣言」のもとでは、首相が思うような五輪ができないからだそうだ。そもそも再延長した宣言の期限を20日とした時点で、今回の解除は既定路線だったという。7月23日の東京五輪の開会が迫るなか、国民の暮らしを大きく制限したままでは、五輪への逆風が強まりかねない。政権は「有観客」の五輪にこだわる。何より、前首相が訴えてきた「コロナに打ち勝った証し」を踏襲して五輪を成功させ、国民を熱狂させ、政権を浮上して秋の衆院選、総裁選につなげたい。

 首相ら政権幹部は、5月下旬に再延長を判断した際、五輪に向けた「反転攻勢」の青写真を描いた。五輪1カ月前まで対策を徹底して、感染状況を改善させる。ワクチン接種を加速させ、国民に安心感を広める。五輪開催についてG7サミットで首脳らの「支持」をとりつけ、国内外にアピールする。「俺は勝負したんだ」と、ワクチン接種で陣頭指揮を執ってきた首相は最近、側近議員らに繰り返しそう語っているというが、国民はそんなギャンブルに付き合っていられない。

 首相周辺は、「首相はワクチンの効果で感染状況が改善し、経済が好転する楽観シナリオを信じている」という。そんな首相に政権内からは、「楽観論が過ぎる。何でもベストシナリオで進むと思い込んでいる節がある」と危惧する声が出ているそうだ。ある閣僚は「五輪に関連して大規模クラスターが発生すれば、首相の責任問題になる」とも話しているという。

 「安全・安心と繰り返すのではなく、首相としてのリスク認識、評価を示してほしい」。首相は17日の会見で、五輪についてそう問われた。ただ、これにも首相は「安全・安心な大会を実現する」と壊れたテープレコーダようにいつもの返答。リスク評価などを語ることはなかった。

2021年7月22日 (木)

新型コロナ2021.06 デルタ株

   4月5日、新型コロナ感染症感染者が急増した大阪府・兵庫県・宮城県に「まん延防止等重点措置」が初めて適用。12日から東京都・京都府・沖縄県も加わった。全国的に「第4波」が押し寄せる。しかし東京・大阪・兵庫・京都の4都府県は、「まん延防止」の効果が不十分だとして、4月25日から3度目の「緊急事態宣言」。期限は5月11日だが、5月31日迄に、更に6月20日まで延長された。専門家や野党の五輪開催の懸念をよそに、菅首相はワクチン接種の加速と有観客の五輪開催へと強気に進める。

 2021年6月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.05 ワクチン」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【6月1日】

●WHO、変異ウイルス呼称「アルファ」などを特定国への差別防ぐ

 WHO(世界保健機関)は5月31日、世界でさまざまな変異を遂げている新型コロナの変異ウイルスの呼称について、ギリシア文字を用いる方針を発表した。感染症やウイルスの名称に地域や人の名前などをつけることは、差別や偏見を生む可能性があるとして禁止。一般向けに分かりやすく実用的な名称を新たに決めることで、変異株についての理解が進むことをサポートしたいとしている。

 加藤官房長官は、6月1日午後の記者会見で「厚生労働省で検討した結果、政府としては、WHOの見解を踏まえ、変異株を順次新しい呼称に切り替えていきたい」と述べた。日本では変異株について、変異が最初に確認された国や地域の名称で呼んでいる。英国株は「アルファ株」、南アフリカ株は「ベータ株」、ブラジル株は「ガンマ株」、インド株は「デルタ株」となる。

●ワクチン接種、21日から職場や大学などで始める方針 官房長官
 
 ワクチン接種について1日、加藤官房長官は記者会見で「地域の負担を軽減し、接種の加速化を図っていくため、6月21日から、企業や大学などの職域単位でワクチンの接種を開始することを可能とする」と述べ、職場や大学などでの接種を始める方針を明らかにした。米モデルナ社のワクチンを使用し、国や都道府県による大規模接種と、米ファイザー社製を使う市区町村の接種と合わせて、三つの接種ルートができることになる。

●五輪、海外選手団が来日 豪州 市民と接触避け合宿

 東京五輪に出場するソフトボール女子豪州選手団が1日、来日し、事前合宿地の群馬県太田市に入った。また、この日は五輪日本選手団へのワクチン接種も都内で始まった。「緊急事態宣言」が10都道府県に出され、五輪会場の観客の有無も決まらないまま、開催へ向けた選手の動きが具体化しつつある。

 来日したのは選手20人、スタッフ9人。内閣官房によると、五輪本番に向けた海外選手団の入国は初めて。選手団は1日朝、成田空港に到着。感染対策のための空港検疫では、陰性証明書などを提出した後、抗原検査のために唾液を採取して提出。選手団全員の陰性が確認された。全員新型コロナのワクチンを接種しており、PCR検査は豪州出国前に2回実施した。合宿中も毎日、PCR検査を受ける。

●105自治体、事前合宿・交流の中止 

 丸川五輪相は1日の閣議後の記者会見で、東京五輪・パラリンピックの事前合宿や交流の実施を取りやめた自治体が1日時点で105に上っていることを明らかにした。新型コロナを理由にしたケースが多く、今後も中止の動きが広がる可能性がある。5月14日の記者会見では、45自治体で取りやめになったと説明しており、2倍以上に増えた。

●ベトナムとマレーシアからの入国者、6日間「停留」の措置

 ベトナムとマレーシアで変異株による感染拡大を受け、加藤官房長官は両国からの入国者に対し入国後6日間、国が確保する宿泊施設にとどめる措置をとると発表した。

 現在、インドなど合わせて6か国からの入国者に対し、14日間の待機期間のうち入国後10日間、国が確保する宿泊施設にとどめる「停留」という措置をすでに取っている。 また10日間の停留措置にアフガニスタンからの入国者を追加、過去2週間以内に現地に滞在した外国人は、原則入国を拒否するほか、3日間の停留措置にタイと米国の一部などを追加する

●国産ワクチン、開発支援強化 長期戦略を閣議決定

 政府は1日、国産ワクチンの開発・生産体制の強化に向けた新しい長期戦略を閣議決定した。新型コロナウイルスへの対応で出遅れたことを反省し、「世界トップレベルのワクチン研究開発拠点を形成する」とした。研究や開発への支援を強化する。

●全国2643人感染 国内でこれまで確認されていない変異株、神戸で確認
 
 新型コロナの国内感染者は1日、新たに2643人が確認された。亡くなった人は101人。東京都では471人、大阪府は201人の感染が確認され、いずれも前週の同じ曜日を下回った。神戸市は市内の陽性患者から、これまで国内で見つかっていない変異を持つ変異株を確認したと発表した。英国で広がる変異株がさらに変異したもので、神戸市は感染力や重症化のリスクなどの特徴は変わらないとしている。

【6月2日】

●ワクチン3000万回分提供へ 首相表明 アストラ製、途上国向け

 途上国向けの新型コロナワクチン支援をめぐり、菅首相は2日、世界保健機関(WHO)などが主導し各国が共同調達する枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」などに対し、約3千万回分のワクチンの現物を提供する方針を表明した。英アストラゼネカ製を想定している。8億ドル(約877億円)の追加拠出も打ち出した。2日夜にオンラインで開かれた「COVAXワクチン・サミット」で表明した。

 COVAX(コバックス)ワクチン・サミット 出典:首相官邸HP(ホームページ)

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●途上国「早くワクチンを」 中国製使わず、接種率1% ベトナム

 新興国や途上国が新型コロナのワクチン確保に苦しんでいる。先進国による「買い占め」のあおりを受け、「ワクチンの供給を早めて欲しい」
との悲鳴が上がる。ベトナムのロン保健相は5月31日、「COVAXファシリティー」の代表者らとの会合で訴えた。ベトナムはCOVAXから年内に人口の2割分にあたる約4千万回分を調達する計画。しかし、これまでに届いたのは約260万回分。独自に購入契約を結んだ欧米メーカーからの供給も進んでおらず、接種率は1%にとどまる。

 一方で、感染状況は悪化している。これまで感染者らの隔離や入国制限を徹底し、コロナ対策の「優等生」とされてきたが、4月下旬から感染者が急増。「デルタ型とアルファ型の混合による感染力の強い新たな変異株」が原因との報道もある。2日時点の累計感染者数は約7700人、このうち5月に入ってからの感染者は半分以上の4千人を超える。

 中国からワクチン提供の申し出は、南シナ海問題や歴史的な経緯などの国民感情から受入れていない。だが拠点を置く欧米企業が、従業員への自前のワクチン接種を認めるように要求するなど、政府への圧力も強まる。フック国家主席も5月30日、バイデン米大統領に支援を求める書簡を送付し、ワクチン確保に動いている。

●尾身氏「五輪、最小限に」 開催の場合、管理態勢強化求める

 専門家でつくる政府の新型コロナ感染症対策「分科会」の尾身会長は2日の衆院厚生労働委員会で、東京五輪について「普通は(開催は)ない。このパンデミック(世界的大流行)で」と前置きした上で、もし開催するならば規模を最小化し、管理態勢を厳格化すべきだとの考えを示した。開催に伴う感染の拡大リスクを懸念しているため。「そもそも五輪をこういう状況のなかで、何のためにやるのか。それがないと、一般の人は協力しようと思わない」とも語った。

 尾身氏は同日の衆院内閣委員会で、パブリックビューイングについても「わざわざリスクを高めるようなことをやるのは、なかなか一般の市民には理解ができにくいのではないか」と懸念を示した。

●「1000人以上企業から」職域接種 河野氏が意向

 新型コロナのワクチンを職場や大学などで打つ「職域接種」について、ワクチンの政府内の調整を担う河野太郎行政改革相は2日、「1千人以上の大企業でスタートしたいと思っている」と述べ、大手企業から始める意向を明らかにした。全国知事会(飯泉会長)とのオンラインでの意見交換の場で発言した。河野氏は「その後、中小企業が集まって商工会議所で打つ、工業団地で打つ、トラック協会とかで打つことが始まってくると思う」と語った。

●五輪・パラ会場医療責任者の医師、辞退相次ぐ 業務多忙理由に

 東京オリンピック・パラリンピック(五輪・パラ)で各競技会場の医療責任者を務めることになっていた医師が、辞退するケースが相次いでいる。組織委員会は、大会が7月に迫る中、代わりとなる医師の確保を進めている。

●東京の人流増に危機感 専門家会合 沖縄感染「高い水準」

 厚労省に助言する「専門家組織」の会合が2日、開かれた。新規感染者数は全国的に減少傾向で、直近1週間の10万人あたりの新規感染者が「ステージ4」に相当する25人を超えたのは北海道、東京都、愛知県、広島県、高知県、福岡県、沖縄県の7都道県と前週の14都道府県から半減。沖縄は約120人と突出して多く、「過去に例のない非常に高い水準」と危機感を強めている。大阪府など7府県は「ステージ4」相当から脱した。

 東京都では主要繁華街の人の流れが再び増加し、「専門家組織」はリバウンドへの警戒を強める。5月9日までの1週間と比べて、5月30日までの1週間は夜で25%、昼で19%多かった。「このまま増加傾向が続くとリバウンドの可能性があり、警戒が必要」としている。デルタ株(インド型変異株)の感染者は53人で前週から24人増えた。東京都14人、大阪府9人、千葉県7人だった。

●沖縄県、新型コロナ感染拡大で病床逼迫 診療制限の動き相次ぐ

 新型コロナに感染した患者を受け入れている沖縄県内の病院では、急速な感染拡大に伴う病床の逼迫に対応するため、外来診療や入院患者の受け入れを制限するなどの動きが相次いでいる。

●大阪、感染10万人

 国内感染者は2日、新たに3036人が確認された。前週の水曜日(5月26日)と比べると1497人減った。亡くなった人は113人だった。東京都では新たに487人を確認。20代が146人で最多だった。2日までの1週間平均の感染者数は500.4人で、前週比は82.3%。大阪府では213人の感染が確認され、これまでの感染者数は10万199人となった。都道府県別で10万を超えたのは、東京都に次いで2例目。

【6月3日】

●EU各国、日本からの不要不急の渡航認めることで合意

 EU(ヨーロッパ連合)の各国は3日、域外からの不要不急の渡航を認める国のリストに日本を加えることで合意した。夏の観光シーズンに向け、日本からの観光客を呼び込むねらいもあるとみられる。早ければ今週中にも正式に決まる見通し。これまでリストに含まれていたのはオーストラリアや韓国など8カ国だった。東京や大阪など10都道府県が「緊急事態宣言」下にあるが、欧州諸国と比べて感染状況は悪くない「安全国」と位置づけた。

●尾身氏、対策は「会場だけでは意味がない」 パンデミック中の開催「普通でない」

 政府「分科会」の尾身会長は3日の参院厚労委員会で、東京五輪の感染対策について、「スタジアム内の感染対策はプレーブックでしっかりやろうとしている。ある程度制御するのは可能だ」と述べた一方で、「それだけでは、ほとんど意味がない」と指摘した。観客の移動によって感染拡大のリスクが高くなるとして、対策の強化を求めた。

●五輪「改善続いても無観客が限界」 経済同友会

 東京五輪・パラをめぐって経済同友会の桜田代表幹事は3日の会見で「感染状況に関する5つの指標の改善が続いたとしても、無観客が限界だと思う」と述べ、無観客での大会を目指すべきとの考えを示した。さらに「世の中が新型コロナで疲弊する中で五輪が日本で行われ、世界が団結することの価値は否定しないが、国民が大変不安に思っているのも事実だ」と述べたうえで、開催の判断には具体的な基準を国民に示す必要があるとの認識を示した。

●職域接種への協力 経済団体に求める

 新型コロナのワクチン接種をめぐり、菅首相は3日、経団連など経済3団体の代表と首相官邸で意見交換し、職場などで打つ「職域接種」への協力を求めた。政府は21日から職域接種を始める方針。高齢者接種を担う自治体に加え、企業を足場に一般の人への接種もできるだけ早く進めたい考え。大企業では職域接種の準備が急ピッチで進んでいる。

 意見交換には、経団連の十倉会長、日本商工会議所の三村会頭、経済同友会の桜田代表幹事が参加。政府からは、河野行政改革相らが同席した。意見交換後、中小企業が加盟する日商の三村会頭は記者団に、「我々は産業医や医療資源がない所が大部分。これをどうやって確保するのかが最大の問題だ」と、課題を挙げた。加藤官房長官は3日の会見で、中小企業に対して「国としてどういう支援を行っていけるのかよく連携をとりたい」と述べた。

●全国2832人感染
 
 国内感染者は3日、新たに2832人が確認された。前週の木曜日より約1300人少なかった。死者は111人で、3日続けて100人を上回った。厚労省によると、全国の重症者数は2日時点で1227人。「緊急事態宣言」が出ている沖縄県は3日、県立高校を7~20日に休校にすると発表。10代以下に感染が広がっているためで、小中学校の休校を各市町村教育委員会に求めるという。同県では新たに244人の感染を確認した。

【6月4日】

●台湾にワクチン、120万回分 政府提供方針

 ワクチン調達が遅れている台湾に対し日本政府は4日、国内で製造した英アストラゼネカ製ワクチン124万回分を航空便で送った。その後も複数回に分けて提供する。短期間で届けられるよう国際的な枠組みは使わず、政府主体で行う考え。台湾の要請を受け、政府や自民党が5月から水面下で検討を進めていた。茂木外相は午前の閣議後会見で、2011年の東日本大震災の際、台湾から多額の寄付金が届いたことを振り返り、「重要なパートナーシップ、友情を踏まえた提供だ」と述べた。

 台湾(中華民国)の蔡英文総統 茂木敏充(もてぎとしみつ)外相 出典:ウキメディア・コモンズ

茂木 敏充(もてぎとしみつ)外相 出典:ウキメディア・コモンズ Photo_20210730163401

 日本はアストラゼネカ製を国内向けに1億2千万回分確保しているが、使用を見合わせている。提供する総量は調整中という。茂木外相は3日の参院外交防衛委員会で、台湾では7月以降、ワクチンの生産態勢が整うと見通しを示し、「当面の緊急のニーズがある」と早期の提供を示唆していた。一方、日本の動きについて、中国外務省は5月31日の定例会見で「コロナ対策を政治ショーに利用して中国に内政干渉することは断固反対する」などと批判していた。

●昨年出生数、最少84万人 婚姻数12%減、戦後最小に

 2020年に国内で生まれた日本人の子どもは84万832人と、前年より2万4407人(2.8%)減って過去最少となった。減少は5年連続で、政府の推計よりも3年早く84万人台に入った。婚姻件数は前年より12.3%減の52万5490組と急減し、戦後最少となった。

 新型コロナ感染拡大が、日本の少子化に追い打ちをかける構図が浮かぶ。長引く経済の停滞で将来が見えず、子どもを持つことに踏み出せない状況に、コロナ禍が直撃。感染への不安から妊娠を控える動きだけでなく、出会いの機会や結婚も減り、「緊急事態だ」との指摘があがる。

●専門家の意見、政権「ご都合」利用

 コロナ禍の中での東京五輪・パラのリスクを指摘する専門家の動きに、政権与党が警戒を強めている。五輪で国民の祝祭ムードを高める政権の狙いに、水を差しかねないと見る。感染防止対策で専門家の知見に頼りつつ、「五輪は例外」とするかのような政権の姿勢に批判も出ている。政権与党は、コロナ禍のもとでの五輪に対し万全なリスク管理を求める専門家に、神経をとがらせる。

 4日午前の記者会見で、田村厚労相は政府対策「分科会」の尾身茂会長らの動きに釘を刺した。五輪に伴う感染拡大リスクをめぐり、尾身氏らが「考え方」を示そうとしていることについて、「自主的な研究の成果の発表ということだと思う。そういう形で受け止めさせていただく」と述べた。田村氏の発言は、政府に助言する専門家組織の公式な意見としては受け入れない構え。政府と二人三脚でコロナ対応に取り組んできた尾身氏らの言動に、あらかじめ「枠」をはめた。

●「コロナ疲れ」、7割超 内閣府調査 若者ほど強い傾向

 内閣府は4日、新型コロナがどう影響しているかについての調査結果を公表した。回答した人の7割以上が「コロナ疲れ」を感じており、若年層ほどその傾向が強かった。調査は4月30日から5月11日にインターネットで実施。15~89歳の全国約1万人から回答があった。その結果、コロナ疲れを「感じる」が33.7%、「やや感じる」が37.9%となり、7割以上がコロナ疲れを感じていた。年代別では20代の「感じる」が41.3%と最多で、「やや感じる」の33.5%と合わせると74.8%にのぼった。一方で、60代以上では「感じる」が26%、「やや感じる」は44%だった。

●首相主催の海外要人レセプション中止

 丸川五輪相は4日午前の閣議後会見で、東京五輪の閉会式当日の8月8日に予定されていた菅首相主催のレセプションが中止されることになったと明らかにした。海外の要人やIOC関係者らが出席する予定だったが、新型コロナ感染防止の観点などから中止を決めたという。

 また政府は、来日する首脳クラスやスポーツ大臣の随行員を含めた人数について、政府は当初、原則12人までとしていたものを、必要に応じて最大40人まで認める方針を固めた。コロナ対策で人数を絞り込む方針だったが、各国からの警護態勢の強化を求める要望に応えた。

●新たな変異株4人

 国内感染者は4日現在、新たに2595人が確認された。死者は86人だった。新規感染者は東京都が472人、愛知県が266人、沖縄県が247人などで、大阪府は189人だった。

 国内で初めて神戸市で見つかった新たな変異株について神戸市は4日、市内でさらに4人から発見されたと発表した。いずれも1日に発表された1例目の患者と接点はないという。4人は、40代女性1人と20~40代の同居家族3人。新たな変異株は、英国型に特徴的な「N501Y」の変異と、一部のインド型にみられる「E484Q」の変異をあわせ持つ。いずれも軽症で、海外渡航歴はなかった。市は感染源が複数ある可能性が高いとみている。

【6月5日】

●薬局社長ら接種、「不適切」 栃木23人「医療従事者、広く解釈」

 栃木県を中心に中央薬局などの名称で24店舗を展開している「パワーファーマシー」(宇都宮市)は4日、渡邊社長を含む役員や職員計23人が、医療従事者等として、ワクチンの接種を受けたと発表した。同社はホームページで「医療従事者等の範囲を広く捉え過ぎた不適切な解釈」と釈明。渡邊社長は栃木県薬剤師会の会長を務めている。

 パワーファーマシーのロゴ 出典:同社HP

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 同社によると、渡邊社長ら役職員は常に薬局で業務に従事していないものの、薬品や備品の送配などをしており、「患者に接する可能性があった」と説明。医療従事者等に含まれると考えたとした上で、役職員らについて「実際に弊社の薬局に所属している」として申請し、4月23日~6月3日に23人が接種を受けた。厚労省によると、医療従事者等の対象として「薬局において感染症患者(疑いを含む)に頻繁に接する機会のある薬剤師その他の職員」と定めている。

●全国重症1157人

 国内感染者は5日、新たに2652人が確認された。重症者数は1157人(4日時点)で41人減り、新たに亡くなった人は64人だった。東京都では436人の新規感染を確認。前週の同じ曜日より103人少ない。年代別で見ると、20代が127人と最多で、2番目に多い30代(96人)と合わせると半数を超える。沖縄県は261人と高止まりの状態が続き、山梨県は障害者施設で32人のクラスター(感染者集団)が発生し、過去最多の47人となった。

 人口10万人当たりの4日までの1週間の新規感染者数は、沖縄県が約121人と最も多く、2番目の北海道(約39人)や3番目の愛知県(約26人)の3、4倍の人数となっている。

【6月6日】

●米上院議員が台湾訪問 米政府がワクチン75万回分提供表明

 米議会上院の軍事委員会などに所属する議員3人が、新型コロナの感染が急拡大している台湾を訪れ、米国政府からワクチン75万回分が提供されると表明した。

●新型コロナ、東南アジアで感染拡大 マレーシアでロックダウン

 マレーシアでは5月中旬以降、1日当たりの感染者が連日6000人以上確認されていて、感染の拡大に歯止めがかからない状態となっている。このためマレーシア政府は6月1日から2週間、全土で企業の経済活動などを厳しく制限するいわゆるロックダウンを実施している。東南アジアではワクチンの接種率がシンガポールを除いて1桁台となっている国が多く、欧米などと比べて遅れていて、各国は厳しい外出制限などで警戒を強めている。

●感染2022人 死者は50人

 国内感染者は6日、新たに2022人が確認された。前週の日曜日より855人少ない。亡くなった人は全国で50人で、重症者数(5日時点)は6日連続で減って1131人だった。

 東京都では351人の新規感染が確認された。前週の日曜日より97人少ない。183人だった北海道は32日ぶりに、145人の大阪府は3日連続で、いずれも300人を下回った。一方、神奈川県は249人で、5日連続で200人を超えた。沖縄県の183人は、県によると日曜日としては過去2番目に高い。5日が過去最多の47人だった山梨県はこの日、28人が確認された。

【6月7日】

●尾身氏提言、身構える政権 五輪リスク諮問、拒む

 参院決算委員会で7日、菅首相や「分科会」の尾茂会長が出席し、東京五輪・パラ開催をめぐる論戦が行われた。尾身氏が改めて感染リスクの最小化を訴えるなか、野党側は首相に対し、開催した場合のリスク評価などを専門家に聞くべきだと繰り返し求めたが、首相は応じなかった。尾身氏は近く五輪に対する考え方をまとめる意向で、開催に突き進む政権は神経をとがらせている。

 共産党の小池氏は首相に対し、「分科会」に五輪開催に伴うリスク評価を諮問するよう迫った。これに対し首相は、西村経済再生相が「(尾身氏と)様々な連絡を取り合っている」「国民の命と健康を守ることが大前提」などとして受け入れなかった。小池氏は3回にわたり諮問を求めたが、首相は「分科会は感染拡大や感染状況について対応をするところ。緊急事態宣言をする場合に、分科会に諮って決めている」と述べるのみ。

 立憲民主党の福山氏も、五輪開催について「感染者数とか、医療体制とかの判断基準を早急に示す必要があるのじゃないのか」と質問、また判断基準について「分科会」への諮問を主張した。西村氏は「分科会は五輪開催の可否などを審議する場ではない」と否定。首相は「国民の命と健康を守ることが大前提、そのことを基準としたい」と同じ答弁を繰り返した。

 一方で、首相は今月20日期限の「緊急事態宣言」を解除するかどうか問われると「専門家のご意見を伺う中で判断していく」と答えた。五輪開催の是非については求めないが、宣言解除では分科会の判断を聞くという政権の姿勢に、福山氏は「こんなご都合主義はない」と批判した。

●ワクチン接種加速 知恵絞る自治体

 新型コロナのワクチン接種で、1回目を打った高齢者らの割合は7日の政府発表をもとにした算出で全国で2割を超えた。各地の自治体は接種加速に向け、会場まで往復の無料バスを用意したり、打ち手を「別動隊」として団地に派遣したり工夫を凝らす。今後本格化する65歳未満への接種を見据え、24時間接種を試みる動きもある。

●職域接種の総合サイト開設 官邸HP、今日から受け付け

 政府は7日、職場や大学などでのワクチンの「職域接種」についての総合窓口となる専用サイトを、首相官邸のホームページ(HP)に開設した。8日から、HP上にある申請フォームに入力する形で職域接種の受け付けを始める。HPでは、製造業や金融、運輸、学校など業界別に国への照会窓口を紹介。21日からの接種開始に向けて、企業や大学などからの問い合わせに対応する。

 職域接種は米モデルナ製のワクチンを使用。企業や大学で約1千人分程度を接種できるところから始める。企業などの準備が整えば、21日よりも早く始めることも可能としている。企業や大学には、医療従事者や会場を自ら確保し、接種回数や期間などを接種計画にまとめて都道府県に提出することが求められている。政府はそれに基づき、ワクチンや保管のための冷凍庫、注射器などを配送するという。

●コロナ患者らに郵便投票 都議選に適用見直し

 自宅や宿泊施設で療養中の新型コロナ感染者らが、郵便投票で選挙に参加できるようにする「郵便投票特例法案」が7日、衆院倫理選挙特別委員会で、自民、公明、日本維新、国民の各党による賛成多数で可決した。立憲民主党は「国民への周知が十分にできない」などとして、施行日を公布から「3カ月」後とする修正案を提出したが否決。共産党は「(制度を)知っている者だけが得をする。不正の恐れも払拭できない」と法案に反対した。

 現行の公職選挙法では、不正投票の恐れなどから、郵便投票の対象者は重度の身体障害者らに限定されており、コロナ感染者や濃厚接触者は利用できない。4月の三つの国政選挙では、宿泊療養施設に投票所を設けたり、専用車で個別に送迎したりして対応した。

●全国1278人感染

 国内の感染者は7日、新たに1278人が確認された。前週の月曜日(5月31日)よりも514人少ない。亡くなった人は75人。重症者数(6日時点)は前日から11人減って1120人だった。東京都では235人の新規感染を確認した。前週月曜から25人減った。一方、沖縄県は月曜日としては過去2番目に多く、県の集計では、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者が109.47人と全国最多。病床占有率も92.3%と高い水準が続いている。

【6月8日】

●丸川五輪相「東京大会の延期は困難」

 東京五輪・パラについて、英国の新聞が、五輪スポンサーの一部が水面下で東京大会を9月か10月に延期するよう提案したと報じたことについて丸川五輪相は「組織委員会は『少なくともそういう話は聞いていない』と言っている」としたうえで、日程を変更した場合、会場や宿泊先の確保が難しくなるなどとして、大会の延期は困難だという認識を示した。

●「五輪に観客」強気の政府、一時は「無観客」 ワクチン接種加速で勢い

 今夏の東京五輪・パラで、政府や大会関係者の間で「有観客で開催」との主張が勢いを増している。新型コロナへの懸念から「無観客」との見方もあったが、ワクチン接種への期待感が膨らみ強気に転じつつある。政府は「緊急事態宣言」の期限となる20日ごろに、観客のあり方について判断する見通し。

●東京の男子中学生、デルタ株に感染確認

 東京都は、インドで見つかった「L452R」のデルタ株に、10代の男性と女性の合わせて2人が感染したことを8日、新たに確認したと発表した。都内で、10代の感染が確認されるのは初めて。2人のうち1人は男子中学生で、都によると、この生徒が通う中学校では、ほかにも同級生10人程度と家族5人程度が、新型コロナの検査で陽性であることが確認されたという。

●千葉県、ワクチン1回接種の高齢者ら10人感染確認

 千葉県は8日、旭市の高齢者施設「恵天堂特別養護老人ホーム」で、70代以上の入所者8人と40代と50代の職員2人の合わせて10人の感染が確認されたと発表した。10人は5月19日と26日に1回目のワクチンの接種を終えていて、6月9日以降、2回目の接種を受ける予定だった。

●自衛隊大規模接種センター、予約の空き8〜9割

 政府が設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」をめぐり防衛省は8日、前日から受付を始めた枠の予約状況(8日午後5時現在)を発表した。東京会場(予約枠14万件)で空いているのは約9割の12万2287件、大阪会場(同7万件)で約8割の5万4711件。今回発表されたのは、14~27日の接種分。予約が低調な理由について、岸防衛相は8日の閣議後会見で「自治体の接種が本格化してきていることが要因かもしれない」と話した。

●登録ない外国人にも接種 川口市

 埼玉県川口市は8日、市に住民登録のない外国人にも、ワクチンの接種を行うと発表した。同市や隣接する蕨市には約2千人のクルド人が住んでいるとされ、難民申請中で、住民登録がない人も多いという。市はそうした人たちを念頭に今回の対応を決めた。川口市は支援団体などと相談し、どのような形で周知し、接種を申請してもらうか検討するという。

 自治体向けチラシ 出典:首相官邸HP

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●感染 全国1885人 

 国内感染者は8日、新たに1885人が確認された。亡くなった人は99人だった。重症者数は1099人(7日時点)で、21人減った。福井県はこの日、県内の医療従事者を対象にしたワクチン接種を4日に完了したと発表した。全国知事会のまとめでは、47都道府県で最も早い。対象の約2万8千人が2回の接種を終えた。

【6月9日】

●2年ぶり党首討論 首相答えず、自説延々 内閣不信任案、野党が検討 

 菅首相と野党党首による初めての党首討論が9日に開かれた。秋までにある衆院選を見据え、立憲民主党の枝野代表らが、新型コロナ対策や東京五輪・パラ開催の是非などで説明を迫った。これに対し、首相はワクチン接種と五輪開催を強気に訴える戦略をとった。野党は首相の説明を「ゼロ回答」とみなし、内閣不信任案の提出も視野に対決姿勢を強めている。

 枝野代表は、感染再拡大を繰り返し、「緊急事態宣言」が長引いていることを指摘。「3月の解除が早すぎた。第5波は絶対に防がないといけない。厳しい基準を明確に示すべきだ」と求めた。これに対し、首相は「ワクチン接種が切り札だ」と主張。前日までのワクチン接種が2千万回近くになっていると述べ、「10~11月には必要な国民、希望する方すべてを(打ち)終えることを実現したい」とワクチン接種の推進を打ち出した。

 国会で首相は「国民の命と健康を守っていく。これが開催の前提条件」などと答弁していた。枝野氏がこの発言の真意を問いただすと、首相は質問に答えようとせず、「オリンピックについても、私の考え方をぜひ説明させていただきたい」として、枝野氏の持ち時間である30分のうち、6分超にわたる長広舌をふるった。続けて首相は964年東京五輪について、「当時は高校生だった」などと思い出を2分半も語った。

●党首討論、解散時期・経済・五輪問う 維新・国民・共産

 立憲に続き、日本維新の会、国民民主党、共産党の党首も質問に立った。持ち時間は5分ずつ。維新の片山共同代表は、次期衆院選の時期について、突発的な解散・総選挙は感染拡大につながると主張。首相は「コロナ対策をしっかり取り組んでいくことを優先していきたい」と述べるのみ。国民の玉木代表は、日本経済の回復の遅れを指摘、早期の補正予算の編成を求めた。首相は前年度からの約30兆円を繰り越していることを理由に「状況を見ながら判断する」などと答えた。

 共産の志位委員長は、政府の「分科会」の尾身会長が五輪開催のリスクを指摘していることを挙げ、「新たな感染拡大が起これば、重症者、亡くなる方が増える。そうまでして五輪を開催しなければならない理由は一体何なのか」と迫った。首相は「国民の生命と安全を守るのが私の責務だ。守れなくなったら(五輪を)やらないのは当然」と語った。志位氏は「命をギャンブルにかけるようなことは絶対にやるべきじゃない」と、改めて五輪の中止を求めた。

●米CDC、日本への渡航情報 最も厳しいレベルから1段階引き下げ

 米国務省は、日本に関する渡航情報を4段階で最も厳しい「渡航中止の勧告」から1段階引き下げ「渡航の再検討を求める」に更新した。米国CDC(疾病対策センター)が日本の感染状況を1段階引き下げたことを反映した結果だとしている。

●ことしの「骨太の方針」原案、感染症への対応 より強力な体制で

 政府の経済財政諮問会議でことしの「骨太の方針」の原案が示された。それによると、新型コロナを踏まえた感染症への対応として緊急時はより強力な体制や司令塔のもとで対策を推進し、治療薬やワクチンの速やかな実用化や接種体制の確保に向けて実効性のある対策を講じられるよう法的措置を検討するとしている。

●モデルナワクチン 17人に副反応も「重大な懸念 認められない」

 5月に承認された、モデルナの新型コロナのワクチンについて、厚労省は、国内で接種を受けた17人に副反応が疑われる重い症状が確認されたことを明らかにした。アナフィラキシーは確認されず、厚労省は、現時点で接種を進めていくうえでの重大な懸念は認められないとしている。

●五輪向け追加対策「必要」 尾身氏、厚労委で言及

 政府の「分科会」の尾身会長は9日の衆院厚労委員会で、立憲民主党の長妻氏の質問に、東京五輪向けに追加で新しい感染対策が必要になるとの考えを示した。多くの国民が試合後に会食するなどして、人の流れが増える可能性があるためだという。尾身氏は6月20日が期限の東京都などの「緊急事態宣言」が解除になれば、リバウンドがおきる可能性があると指摘。五輪期間を対象に会場での対策とは別に「恐らく一定程度の感染対策をお願いすることになる」と述べた。具体的な対策の中身には言及しなかった。

●各地で感染減少、変異株警戒続く 専門家組織

 厚労省に助言する「専門家組織」は9日に開いた会合で、全国の新規感染者は減少が続き、感染拡大が続いていた地域でも、おおむね減少傾向にあると評価した。一方、人の流れが増加しつつあり、感染の再拡大を懸念。デルタ株の広がりにも警戒感を強めている。

 厚労省の資料によると、10万人当たりの新規感染者数は、感染拡大が続いていた沖縄県で直近の1週間が103人、北海道は29人。いずれも高い水準だが、これまでより減少に転じた。2道県以外で最も深刻な「ステージ4」(25人以上)相当の地域はなく、東京都は21人、大阪府は14人だった。だが、東京都医学総合研究所の分析では、主要な繁華街で滞在する人が東京都では5月7日ごろから増え続けている。大阪府や愛知県などでも増加傾向にある。

●接種進んでも「東京は医療逼迫」 西浦教授が予測示す

 新型コロナの予防接種が7月に高齢者で完了しても、未接種者を中心に今春の大阪府と同様の感染拡大が東京都で起きれば医療が逼迫する。そんな予測を京都大の西浦教授が9日、厚労省の専門家組織の会合で示した。「緊急事態宣言」が21日に解除された場合、「遅くとも8月中に宣言相当の流行になることを避けられない可能性を十分に想定する必要がある」としている。

 西浦教授は、爆発的に感染が広がった今春の大阪府のデータを調べ、年代ごとの感染の広がり方と重症化率を計算。宣言が21日に解除される前提で、東京都にこれらのデータを当てはめ、重症者の増え方を予測した。すると、高齢者の接種率にかかわらず、7月下旬から重症者が急増。8月前半までに宣言が必要なレベルに達した。主な重症者は、未接種やワクチンが効かなかった高齢者や、まだ接種していない壮年~中年の世代だった。デルタ株(インド株)や、東京五輪・パラ開催の影響は考慮していない。

●首相「接種1日100万回超」発言、官房長官「未達」官邸でズレ

 菅首相は9日午後、立憲民主党の枝野代表との党首討論で、ワクチン接種について「順調に進んでいる。昨日は100万回を超えてきた」と述べた。ただ、加藤官房長官は同日午前の記者会見で100万回は「未達」との見方を示した。首相が1カ月前に掲げた「1日100万回」の目標到達をめぐり、官邸幹部間にズレが生じた。

 首相官邸のホームページ(HP)によると、8日時点の累計でのワクチン総接種回数は前日比で約102万人増えた。ただ、この数字には「過去分」の接種も含んでいると注意書きがある。加藤氏は9日の会見で「1日100万回」に達したのか問われ、「昨日の接種回数プラス一昨日以前で後から報告が上がってきたものも入っている」と説明した。食い違いについて官邸スタッフは9日午後の段階では「長官の説明が事実」と解説する。官邸HPで公表される数字は後日まとめて入力する自治体などがあるため、リアルタイムで接種数を把握する仕組みにはなっていない。

●国産ワクチン、抗体確認 初期治験

 製薬企業アンジェス(大阪府)などが開発中の新型コロナワクチンについて、第1段階の小規模な臨床研究(治験)の結果、接種した人の6~7割で感染を防ぐ「中和抗体」が確認された。創業者の森下・大阪大学寄付講座教授が9日、日本記者クラブの講演で発表した。アンジェスは「DNAワクチン」を阪大と共同開発しており、昨年6月から60人を対象に治験を始めた。解析結果の一部が今回発表された。4週間隔で2回接種した10人中6人、2週間隔で3回接種した10人中7人で中和抗体が確認された。

●医学部のある大学接種先行

 新型コロナのワクチンを職場で接種する「職域接種」について、政府は21日のスタートに向けて各地の大学にも準備を促している。学生や教職員への接種を行うと発表する大学も出始めているが、いまのところ医学部や歯学部を抱える一部の大学が先行している状況。それ以外の大学は打ち手の確保などに悩みながら対応を検討している。

●接種、大規模より近場 政府会場の予約、東京8割・大阪7割に空き

 政府が東京と大阪に設置した新型コロナワクチンの「自衛隊大規模接種センター」の予約が低調。自治体が独自で設置した会場でも接種人数が想定を大幅に下回ったところも。背景には、「近さ」を選ぶ高齢者の心理もありそう。

●デルタ型変異株、クラスター発生 東京の中学11人感染

 国内感染者は9日で、新たに2242人が確認され、3日ぶりに2千人を超えた。新たに440人の感染が確認された東京都は9日、中学校でデルタ型変異株のクラスターが発生し、男子生徒5人とその家族ら6人の計11人の感染が確認されたと発表。沖縄県では、174人の感染が確認された。同県の集計では直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は102.48人で、全国最多のまま。2番目に多い北海道29.48人と差が開いている。

【6月10日】

●米政府、コロナ増殖抑える薬の確保 製薬大手と合意

 米国政府は9日、製薬大手メルクが開発中の新型コロナの増殖を抑える薬について規制当局が使用を認めた場合、およそ170万回分の供給を受けることで合意したと発表した。「モルヌピラビル」は、新型コロナの増殖を抑えることを目的とした飲み薬で現在、発症初期の患者が重症化するのを防ぐ効果を確かめる最終段階の臨床試験が行われている。

●再拡大警戒、酒類の扱い焦点 緊急事態20日期限 政府近く判断

 東京や大阪など10都道府県に出ている「緊急事態宣言」が20日に期限を迎える。五輪の主催都市である東京の感染再拡大(リバウンド)を警戒する政府は、仮に宣言を解除しても何らかの感染対策は続ける構えだ。飲食店で禁じている酒類の提供を解禁できるかどうかが、大きな焦点となる。

 宣言が出ているのは、北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡、沖縄の10都道府県。感染状況は改善傾向にあり、政府は20日の宣言解除をめざす。今後の対策の内容についても検討を進めており、来週にも方針を決める。菅首相は10日、記者団に「感染者数や病床の状況について専門家と相談をしながら、最終的に判断したい」と述べた。ただ、北海道と沖縄は病床使用率などの指標が宣言を出す目安の「ステージ4」にとどまるため、政府は慎重に感染状況を見極める。

●時短は維持、酒類は提供 蔓延防止解除の3県
 
 新型コロナ対応で、群馬、石川、熊本の3県に適用中の「まん延防止等重点措置」が期限の13日に解除されることが正式に決まった。3県とも飲食店への酒類提供の自粛要請は解除するが、営業時間の短縮要請は多くの地域で維持される。石川県では「GoToイート」の食事券販売の再開を目指す動きもある。

●大規模接種の対象、全国に

 政府が東京と大阪に設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」をめぐり、防衛省は10日、対象地域を全国に拡大すると発表した。自治体が送付する接種券を持っている65歳以上の高齢者なら予約できる。予約受け付けはインターネットに限っていたが、電話での対応も始める。応募が低調なことを受けて変更した。

 防衛省によると、今月7日に受け付けが始まった14~27日の接種分の予約状況は、10日午後5時現在で、東京会場が予約枠14万件のうち約8割が、大阪会場は7万件のうち約7割が空いている。そのため、東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県、大阪、京都、兵庫の3府県に限っていた地域の縛りをなくした。10日夕から全国から予約できるようにした。

●五輪ボランティア向け、全員接種「恐らく難しい」 組織委事務総長

 東京五輪・パラの大会ボランティア約7万人のうち、約5万人についてワクチン接種のめどが立っていないことが10日分かった。丸川五輪相はボランティア全員を対象にワクチン接種を検討していると明らかにしていたが、大会組織委員会の武藤事務総長は10日、「全員(の接種)はおそらく難しい」と述べた。

 政府関係者によると、選手の近くで活動するボランティア約9千人にはIOCから無償提供されたワクチンを活用する方針。このほか、医療従事者や65歳以上の高齢者約7500人、職域接種が想定できる約4600人については見通しがついている。しかし、残る約5万人は今後の検討が必要という。

●新型コロナ、新たに2046人の感染確認 71人死亡

 国内感染者は10日現在で、新たに2046人が確認された。亡くなった人は71人だった。東京都では新たに439人の感染を確認した。年代別では20代が141人で最多。30代が84人、40代が77人、50代が65人と続いた。65歳以上の高齢者は23人だった。全体では前週の木曜日(3日)と比べて69人少なかった。10日までの1週間平均の感染者数は391.7人で前週比は82.4%。

 大阪府の新規感染者は148人。デルタ株に30代と40代の男性2人が感染していたことも判明した。海外の渡航歴はなかったという。沖縄県では、新たに166人の感染を確認。県の集計では直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は94.05人で全国最多。2番目の北海道26.85と大きく差が開いている。

【6月11日】

●バイデン大統領、ワクチン5億回分を各国に「ひも付きではない」

 米国のバイデン大統領は訪問先の英国で演説し、新型コロナのワクチン5億回分を各国に提供するとしたうえで「これはひも付きではない。何らかの見返りや譲歩を求めるものではない」と述べ、いわゆる「ワクチン外交」を展開する中国などに対抗する考えをにじませた。

●64歳以下の接種、誰を優先 各自治体、独自で判断

 新型コロナワクチンについて、1回目の接種を終えた65歳以上の高齢者らが3割となる中、「64歳以下」への接種に乗り出す市区町村が目立ち始めた。感染拡大を防ぎ、接種ペースを加速させるため、市区町村ごとに独自に優先対象枠を設定する動きも広がっている。ワクチン接種について、政府は当初、供給量が限られることなどから、①医療従事者ら、②高齢者、③基礎疾患のある人、高齢者施設などで働く人、60~64歳の人などと順番を決めていた。だが、ワクチン供給が本格化した5月以降、方針を修正。64歳以下の接種は各市区町村に判断を委ねることとした。

 各市区町村がこれまで明らかにしている方針をみると、政府が当初示した通りの60~64歳や、教育関係者を対象とするところが目立つ。一方で、独自の優先対象枠を設けるところも。大まかに分類すると、「年代」と「職種」に分かれている。接種機会の公平性をどう担保するかなどの課題も多いなか、政府関係者は「自治体ごとに差が生じるとの意見はあるが、できるだけ早く接種を進めるということこそが、一番大事だ」と説明する。

●コロナ対策議論へ G7開幕

 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が11日、英国コーンウォールで開幕した。2年ぶりの開催で、バイデン米大統領と菅首相は対面では初の参加。「民主主義国家」の結束を強調し、新型コロナのパンデミックからの復興や気候変動対策を訴える見通し。権威主義的な傾向を強める中国やロシアに、どんな姿勢を打ち出すのかも焦点となる。

 G7及び招待国首脳との集合写真 出典:首相官邸HP

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 今回の会合には、メンバー国の7カ国に加え、豪州やインド、韓国、南アフリカを招待した。米国がバイデン政権となって国際協調にかじを切る中、国際秩序を支えてきたルールや価値観を共有できる「仲間」との連帯を強める考え。新型コロナ対策では、少なくとも10億回分のワクチンを世界に供給することで合意。アフリカなどにもワクチンの生産拠点を拡大する。菅首相は、今夏の東京五輪・パラ開催への支持を訴える方針。

●河野氏「集団接種、なるべくモデルナを

 ワクチン接種をめぐり、河野行革相は11日の閣議後会見で、市区町村での集団接種について、新たに米モデルナ社製ワクチンの使用を検討する考えを示した。ファイザー社製を用いている個別接種の回数が増え、供給不足が見込まれることから、集団接種にモデルナを充当することにした。河野氏は「自治体から、集団接種のスピードが落ちるのでなんとかして欲しいという問い合わせがあった」と説明。「集団接種になるべくモデルナを使っていきたい」と述べた。

 また、河野氏は企業が職場などで接種する「職域接種」について、全都道府県から申請があったと明らかにした。首相官邸のツイッターによると、11日午後5時時点で1821会場から申請があったという。

●まん延防止措置 加藤氏「選択肢」

 加藤官房長官は11日の記者会見で、東京や大阪など10都道府県に出ている「緊急事態宣言」の対応をめぐり、宣言に準じる「まん延防止等重点措置」への移行も選択肢となり得るとの考えを示した。宣言の期限は20日で、政府は来週中にも期限後の対応をどうするか判断する。加藤氏は新型コロナ対策を定めた基本的対処方針に触れ、「宣言解除後の対策の緩和は段階的に行い、必要な対策はステージ2(感染漸増)相当以下まで続ける」と述べた。

●五輪チケット、販売済みは収容人数の42% 7割が地元

 東京五輪の観戦チケットについて、大会組織委員会は11日、全競技会場の最大収容人数の42%が販売済みと明らかにした。480万枚程度とみられる。一般販売分のほか、小・中学生への割り当てや関係者向けも合わせた数で、組織委は「関係者向けのチケットは大幅に削減した」としている。組織委がコロナ対策の助言を得るための「専門家会議」で明らかにした。

●1カ月半ぶり、重症1000人切る

 国内感染者は、11日で新たに1937人が確認された。1日あたりの感染者が2千人を下回るのは3日ぶり。死者は64人だった。重症者は942人(10日時点)で前日から73人減少。4月29日以来、約1カ月半ぶりに1千人を切った。

 東京都では、新たに435人の感染が確認された。前週の金曜日(4日)と比べて37人少なかった。11日までの1週間平均の感染者数は386.4人で、前週比は84.9%だった。厳しい感染状況の続く沖縄県は145人の感染を発表。直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は88.7人で、全国最多のまま。病床占有率も89.9%で高い水準が続いている。

 内閣官房によると、10日時点で全国の高齢者らに1244万8211回分のワクチンが接種された。1回目の接種を受けた人は30.4%で、初めて3割を超えた。

【6月12日】

●「五輪で沈黙、責任逃れ」 医学誌、WHOなどを批判

 医学界で権威のある英医学雑誌ランセットが11日、東京五輪・パラ開催の是非について、WHOなどが沈黙していることは「責任逃れ」だとする論説を発表した。新型コロナ感染症の流行が続く中、開催のリスクや、リスクを管理する方法は、広く精査して承認を得る必要があるとし、今すぐ世界的な議論を始めるよう呼びかけた。

 前回2016年のリオ五輪では、ジカウイルス感染症(ジカ熱)が問題となり、WHOが緊急委員会を開いてリスクを評価。米CDCも当時の長官が「大会を中止または延期する公衆衛生上の理由はない」と表明した。だが、東京五輪・パラではこうした動きは出ていない。同誌は「五輪に向けて世界的な話し合いが必要」という題の論説で、「WHOは開催するべきか言及を避けている」と指摘。CDCには、同誌が大会への態度を明らかにするよう何度か求めたが、応じていないことを明らかにした。

 論説では、海外の参加者が帰国後に新たな流行を生み出したり、日本国内の感染状況に悪影響を及ぼしたりする可能性を挙げ、「すべての国が新型コロナのパンデミックと、大会の安全性に関心を持っている」と指摘。だが、「IOCと日本政府の間の議論が中心だ」と問題視した。そして、世界的な保健機関が、開催の是非に対して沈黙しているとし、「沈黙は責任逃れ」と批判した。

●時短協力金、支給率に差 1〜3月分 大阪64% 東京84%

 1~3月に出された「緊急事態宣言」の対象11都府県で、営業時間短縮の要請に応じた飲食店などへの協力金の支給率にばらつきが生じている。福岡県が支給をほぼ終える一方で、大阪府は6割強にとどまる。

 11都府県は宣言期間中、感染防止策として飲食店などに時短営業を要請。応じた店には、国の「地方創生臨時交付金」などを財源に協力金を支払う。支給率が9割を超えたのは6府県。99%だったのは福岡県で、約5万7千件の申請に未支給は3件。埼玉県97%、栃木県95%が続いた。申請手続きの簡略化や財務処理ルールの変更などで支給にかかる時間の短縮に取り組んだ。申請が最多の東京は84%。民間委託で300人、都職員300人の600人態勢を組んだ。

 一方で申請が2番目に多い大阪府は、支給率が最も低い64%だった。期間別にみると、「緊急事態宣言」の最初の期限だった2月7日分までは78%で、2月8~28日分は49%にとどまる。民間企業に業務を一括委託したが、「判断に迷う事案が多く発生した」(府担当者)という。対応する府職員は3月末まで2、3人だけだった。

●東京、感染者30日ぶり増 前週比

 国内感染者は、12日現在で新たに1944人が確認された。死者は55人だった。重症者は890人(11日時点)で、前日から52人減った。東京都では新たに467人の感染が確認された。前週の土曜日(5日)と比べ31人増えた。11日までは前週の同じ曜日と比べ29日連続で減少が続いていたが、30日ぶりに増加に転じた。都は「日曜も外出は自粛してほしい」としている。

●沖縄県、入院までの待機施設を開設 コロナで医療体制逼迫

 沖縄県は、新型コロナの感染拡大で医療体制が逼迫する中、入院が必要にもかかわらず受け入れ先が決まらない患者が一時的に待機する施設「入院待機ステーション」を、12日沖縄本島内の体育館に開設した。施設にはベッド20台と酸素を投与する医療機器10台が整備され、医師1人と看護師2人、救急隊員2人が24時間常駐している。全国でも最悪の感染状況が続いている沖縄県では、感染患者向けの病床使用率が、11日時点で89.9%となるなど医療体制が逼迫している。

【6月13日】

●ロシア、新型コロナ感染再拡大 モスクワでは企業を5日間休業に

 ロシアでは、ワクチン接種率が伸び悩む中、感染が再拡大していて、首都モスクワでは15日から5日間、ほとんどの民間企業を休業とするなど、緊急の措置が取られることになった。ロシアでは今月に入って再び感染者数が増加に転じ、6月12日に確認された新たな感染者数はことし2月以来4か月ぶりに1万3000人を超えた。

●全日空職域接種、13日から開始

 全日本空輸は、ワクチンの職域接種を14日の開始日をさらに前倒しして、13日午前から始めた。ワクチンや冷凍庫などの準備が想定より早く整っているという。まずは1日300人の少人数から始め、順次拡大する。もともとは21日から始める予定で、受け付け初日の8日に政府に申請していた。国際線のパイロットや客室乗務員(計約1万人)を優先して接種を始める。日本航空も14日から、羽田空港で職域接種を始める方針。

●この夏 全国の海水浴場の2割、コロナの影響で開設しない見込み

 新型コロナの影響で、この夏、全国の1121か所ある海水浴場の少なくとも2割近くが開設しない見込みであることが海上保安庁の調査で分かった。さらに全体の4割が未定としていて、今後の感染状況を踏まえて判断すると見られる。去年は全国の海水浴場の40%で開設が見送られた。

●全国で1387人の感染を確認 3日連続で2千人下回る

 国内感染者は、13日現在で新たに1387人が確認された。1日あたりの全国の感染者数が2千人を切るのは3日連続。重症者は852人(12日時点)で前日から38人減った。死者は32人だった。

 東京都では304人の感染が確認された。前週の日曜日(6日)と比べて47人少なかった。新たに6人の死亡も発表された。大阪府では96人の感染が確認され、男女6人の死亡が発表された。沖縄県では新たに104人の感染が明らかになった。県の統計では、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は74.58人と全国1位で、病床占有率は97.4%に達している。

【6月14日】

●ワクチン接種、高齢者33%が1回目終了

 ワクチン接種について、政府が14日に公表した最新の実績によると、全国の高齢者のうち1回目の接種を終えた人は33%となった。医療従事者などについては当初対象とされた人数の8割が2回目の接種を終えている。

 国内のワクチン接種状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●17日から18歳~64歳にも接種へ 大規模接種センター 防衛省

 政府が設置したワクチンの大規模接種センターは予約枠に空きがあることから、防衛省は、65歳以上としている対象年齢を大幅に引き下げ、17日から18歳~64歳の人にも接種を行う方針を固めた。

●G7、「台湾海峡」明記 首脳宣言 コロナ終息へ決意

 英国で開かれていたG7サミットが13日、閉幕した。首脳宣言の最初で、パンデミックとなった新型コロナに「打ち勝つ」との決意を表明。「2022年の終息」を目標に掲げた。来年にかけて途上国に10億回分のワクチンを供給する。次のパンデミックを防ぐため、医薬品などの生産能力を増強し、ワクチンや治療薬の開発を100日に縮めることも目指す。ウイルスの起源については、WHOによる透明性の高い追加調査の実施を求めた。

 新疆ウイグル自治区や香港における人権問題に関し専制主義的な姿勢を強める中国を念頭に、「台湾海峡の平和と安定の重要性」の文言も初めて首脳宣言に盛り込んだ。民主主義などに基づいて「全ての人のためによりよい回復を図る」と約束した。気候変動や経済復興などのグローバルな課題の克服に向け、国際社会の議論をリードする姿勢も鮮明にした。東京五輪・パラについては、「安全・安心な形での大会開催を支持」と表明した。

●東京・大阪、重点措置を検討 政府 緊急事態の解除後

 政府は20日を期限に10都道府県に出している「緊急事態宣言」について、解除する方向で検討に入った。東京や大阪は、宣言に準じる「まん延防止等重点措置」に切り替え、飲食店での酒類の提供などは制限を続ける考え。専門家の意見を聴いた上で、了承が得られれば今週後半に決定する。東京の感染状況の指標はすべて、宣言の目安となる「ステージ4」を脱している。ただ、東京の人出は増加傾向にあり、政府は7月23日に開会する東京五輪に向け、感染再拡大を強く警戒する。

 このため、政府は宣言を解除しても、「重点措置」を適用することで一定の感染防止対策を継続する考え。ただ、沖縄県は病床使用率が96%と高止まっているため慎重に判断すべきとの声もある。沖縄県の専門家会議は14日の会合で、宣言の2週間延長を要請すべきだとの意見で一致。県は近く方針を決める。

●コロナ禍、景気「足踏み」61社 停滞感再び増す 100社調査

 全国の主要企業100社を対象にしたアンケートで、今の国内景気について61社が「足踏みしている」と答えた。昨年11月の前回調査で45社あった「拡大」の回答は29社に減少し、国内で停滞感が再び強まっている。一方、世界景気については76社が「拡大」と答えた。内外の格差も広がっている。調査は毎年2回実施しており、今回は5月24日~6月4日に行った。国内の景況感は、昨年6月の前々回調査でリーマン・ショック後並みの低水準に落ち込んだ後、前回調査でいったん回復していた。

 景気判断の根拠(二つまで選択可)で、最も多かったのは「個人消費」で72社。明治ホールディングス(HD)の川村社長は「昨年の緊急事態宣言と比べて(今回は)期間が長期化し、消費の冷え込みが厳しくなっている」と話す。一方、世界の景気については「拡大」が前回より6社増えて8社、「緩やかに拡大」が28社増えて68社。クボタの北尾社長は「米中の経済が回復し、各国政府による経済対策、ワクチン接種の進展に伴う経済活動の再開など、明るい兆しが見られる」とした。

●職域接種、正規・非正規「区別せず」 厚労省が方針

 新型コロナの職域接種が前倒しで始まった。首相官邸のツイッターによると、14日夕までに申請があった職域接種の予定人数は約1072万人になり、1千万人を突破。現役世代への接種が広がれば、東京五輪・パラの開催機運につながるとの期待も政府内にはある。

 厚労省によると職域での接種は、対象がもっとも多い自治体の負担を軽減し接種そのもののスピードを加速させることが目的。自治体での接種に影響が出ないよう、医師や看護師、会場などを自力で確保できて最低1千人(2千回分)の接種ができる企業などを対象とする。零下10℃でモデルナ社製のワクチンを保管できる冷凍庫が貸与され、100回分を1単位としてワクチンが配送される。

 接種対象者は企業の従業員とその家族ら。接種に当たっては正規・非正規、契約・派遣などの雇用形態による区別は望ましくない、また強制することがないよう留意することも求めている。可能な限り、高齢者や基礎疾患のある人を優先する。接種後1~2日間以内に副反応で一定の欠勤者が出る可能性をふまえ、同一部署では何日かに分けて接種することが推奨。会場確保の費用は企業負担だが、ワクチン接種にかかる費用は国が負担する。

●大学接種、準備を加速 打ち手を融通 留学予定者を先行

 ワクチンの職域接種が一部企業で始まるなか、各地の大学も接種の準備を加速させている。医療系学部のある大学が、「打ち手」の確保に悩む近隣の大学に協力して接種を進める動きが出ている。海外留学する学生が多い大学では、接種によって渡航が可能になればと対応を急いでいる。

●全国の感染者936人

 国内感染者は、14日現在で新たに936人が確認された。1千人を下回るのは、3月22日(月)以来で84日ぶり。死者は60人。重症者は849人(13日時点)で、前日から3人減った。

 東京都の新たな感染者は209人で、前週の月曜(7日)と比べて26人少なかった。14日までの1週間の平均感染者数は380.4人で前週比は90.0%。大阪府は14日、今月上旬に確認された感染者のうち10~60代の計11人がデルタ株だった疑いがあることを明らかにした。府内でデルタ型とみられる感染者は計39人になった。

【6月15日】

●与党、野党4党の内閣不信任案を否決

 国会は16日が会期末。立憲民主党など野党4党は、新型コロナの影響が続いていることから、補正予算案の編成が必要などとして、与党側に3か月の会期延長を求めていた。政府・与党は政府が提出した法案は成立のめどが立っているとし、会期延長には応じない旨、野党側に伝えた。これを受け、野党4党は会期延長に応じないのは無責任だとして、菅内閣に対する不信任決議案を15日、国会に提出した。

 趣旨弁明では、立憲の枝野代表が、国会延長を受け入れなかったことについて、「現実に目を背け、論戦から逃げ、国権の最高機関の機能を長期にわたって停止しようとしていることは、有事のリーダーとして失格」と批判。コロナ対策の「失策」や「政治とカネ」をめぐる問題なども指摘。不信任決議案は15日夕の衆院本会議で、自民・公明両党と日本維新の会の反対多数で否決。予定通り、重要法案である土地規制法案を15日夜採決、16日未明に参院で可決し成立した。

●イスラエル「マスクなし」に 生活規制ほぼなくなる

 新型コロナのワクチン接種が進む中東のイスラエルでは、15日から屋内でのマスクの着用義務が解除された。国内で生活するうえでの規制はほぼなくなり、住民は以前の生活を取り戻しつつある。

●英国、インド型変異株拡大でコロナ対策規制撤廃を約1か月延期

 英国政府はインドで確認された変異株による感染が国内で急速に拡大しているとして、新型コロナ対策の規制をほぼ撤廃する計画をおよそ1か月延期すると発表した。

●台湾、日本が提供した新型コロナのワクチン接種始まる

 台湾では5月中旬から新型コロナの感染が急拡大した一方、ワクチンの調達が遅れていて、日本は6月、アストラゼネカのワクチン124万回分を無償で提供した。このワクチンの接種が15日までに台湾全域で始まり、医療従事者などに加えて、新たに75歳以上の高齢者が優先接種の対象となった。

 蔡英文総統は15日、ツイッターに「日本が提供してくれたワクチンの接種が開始されました。ありがとう、日本!」と日本語で書き込んだ。また、茂木外務相が台湾へのワクチンの追加の提供も検討していく方針を示したことに、感染対策を指揮する閣僚の衛生福利部長が15日の記者会見で感謝のことばを述べた。

●ベトナムにあすワクチン約100万回分提供へ 茂木外相

 ワクチンの海外への提供をめぐり、茂木外務相は、16日にベトナムに対しおよそ100万回分を提供することを明らかにした。また、7月上旬にもインドネシアやタイなど、東南アジアの4か国にワクチンを提供したいという考えを示した。

●イベント上限、重点措置解除でも1万人 政府最終調整

 北海道・東京・愛知・京都・大阪・兵庫・岡山・広島・福岡・沖縄の10都道府県で20日期限の「緊急事態宣言」について、菅首相は15日、田村厚労相らと関係閣僚会議を開き、対応を協議した。政府は宣言を解除する方向で、東京や大阪は「まん延防止等重点措置」に切り替える意向。専門家の意見を聴いた上で、17日にも決定する。「重点措置」の期間については、7月23日開幕の東京五輪をにらんだ1カ月程度のほか、五輪・パラを見据えた2カ月程度とする案が出ている。

 政府は「重点措置」解除後のイベント制限についても検討を進めている。「緊急事態宣言」や「重点措置」の期間中は現行の「収容人数の50%を上限に最大5千人まで」のままだが、「重点措置」の適用から外れた場合は、現行の「5千人または50%の多い方」に1万人の観客上限を新たに追加する方向で最終調整している。また東京五輪・パラの観客上限について、「重点措置」に移行後のイベント制限や感染状況などを踏まえて月内をめどに決める予定。

●重点措置「五輪シフト」鮮明

 政府は「緊急事態宣言」を解除し、東京や大阪で「まん延防止等重点措置」に切り替える方針。酒類の提供規制は当面続け、東京五輪に向けて感染が再拡大しないか見極める。イベント制限はいまの「最大5千人」を当面続ける案が有力で、有観客の五輪につなげたい考え。新たなコロナ対策は、菅政権の「五輪シフト」が鮮明になりそう。

 政権は今回のイベント制限の基準を、IOCや東京都など関係5者が近く判断する五輪の観客のあり方の指標としたい考え。首相側近は「五輪で観客がいないと、コロナに負けた感じがする」と言い、有観客の五輪に道筋をつけたいとする。ただ、国民にどう受け止められるか、懸念する声も政府内から出ている。「酒の制限を続けるには期間が長い。協力してもらえるかどうか」「そもそも感染防止を徹底したいなら、宣言を解除しなければいい」との声もある。

●64歳以下も接種 きょう予約開始 自衛隊会場 接種券が条件

 政府が東京と大阪に設置したワクチンの「自衛隊大規模接種センター」をめぐり、防衛省は15日、65歳以上としている接種対象者の年齢制限を改め、18~64歳にも広げると発表した。16日から64歳以下の人も予約できるようになり、早ければ翌17日から打てる。自治体から送付された接種券を持っていて、原則として、今回が1回目の接種であることが条件。センターで使っている米モデルナ製ワクチンの対象年齢に合わせ、18歳以上とした。

●国内1418人感染

 国内感染者は、15日現在で新たに1418人が確認された。2日ぶりに1千人を上回った。死者は全国で67人増えた。重症者は827人(14日時点)で、前日から22人減った。

 国内の感染状況 以下5枚の図の出典は、NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 東京都の新たな感染者は337人で、前週の火曜(8日)と比べて32人少なかった。15日までの1週間の平均感染者数は375.9人で、前週の92.1%。前週比は12日までは80%台が続いたが、13日以降は90%台となり、下げ幅の鈍化がみられる。

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 沖縄県では107人を確認。前週の同じ曜日で比べると、12日連続で下回った。直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は62.42人と減少傾向だが、引き続き全国最多。東京に次いで感染者が多かったのは神奈川県で160人。大阪府は110人、愛知県98人。


 ★ ★ ★

 政府の御用学者か、政府方針の追認役と思われていた「分科会」の尾身会長が、政府に厳しい、踏み込んだ発言をしている。国会で、東京五輪・パラについて「本来は、パンデミックのなかで開催するということが普通でない」「開催するのであれば、政府も組織委員会も、感染リスクを最小化する必要がある」、「厳しい責任を果たすべき」などと発言。尾身氏はさらに、大会を開いた場合の感染リスクなどについて、今月20日までに専門家としての見解をまとめ、関係者に伝える考えを示した。

 かつて総務大臣を務め現在実業家として政府と癒着している?とされる竹中平蔵氏は、読売テレビに出演して「越権行為だ」との批判。また、田村厚労大臣は、「自主的な研究の成果の発表ということだと思う。そういう形で受け止めさせていただく」と述べ、尾身氏らの発言は政府に助言する専門家の公式な意見としては受け入れない。テレビで田村氏のこの発言を聞いて、何言ってんだろうと思った。

 尾身氏一人の発言かと思っていたが、どうも同じ専門家の中に多くの同調者もいて、専門家を代表して発言しているらしい。こういった尾身氏の発言には、多くの国民が理解し共感を得たのではないだろうか。菅首相が「黙らせろ。専門家の立場を踏み越え勘違いしている」などと激怒したらしい。そもそも5月14日、延長される「緊急事態宣言」に北海道などを追加で含めるか否かを協議した時、首相と尾身氏の対立が深まったとされる。首相らの決定を尾身会長にひっくり返され、顔を潰されたという。

 5月7日の対策本部で、東京、大阪などの6都県の「緊急事態宣言」の延長について、業界団体などから陳情を受け百貨店などの休業措置等の緩和を狙う菅首相と、集中的な強い措置継続が必要と主張する尾身会長ら専門家との間で攻防があったという。結果的に今回は菅首相が押し切り、宣言期間は延長しながらも措置は緩和する、というチグハグな判断となったという。

 6月9日、菅首相になって初めて、2年ぶりの党首討論が開かれた。当初、政権内には党首討論を不安視する見方があった。「聴衆に訴えかけるパフォーマンス的な姿は見たことがない」との声も上がり、首相がこういったディベートが求められる場に立つことに懸念があったという。しかし話し下手の菅首相と、弁が立つ枝野代表や小池書記局長ら野党との討論は、官邸の入れ知恵だろうか、首相側の作戦勝ちだった。しかし、まったくかみ合って無く、討論になっていなかった。

 首相側は、用意周到な準備があった。まずは、まともに質問に答えない。論点をずらす。自説を一方的に延々としゃべる。前回の東京五輪の個人的な思い出まで話して、持ち時間を費やす。コロナについては「なっといってもワクチン、ワクチンが切り札・・・」、五輪は、「安全安心、国民の命と健康を守っていく。これが開催条件だ」と強気な言葉だが、何の具体性もない。国会答弁と同じだった。

 この党首討論を聞いて、国民、与野党ともにがっかりした人は少なくないだろう。討論後、枝野氏は記者団に「政権を代えるしかないと確信した」と語り、内閣不信任案を提出する可能性を示唆した。10日に野党党首会談を呼びかけて対応を協議、15日に菅内閣の不信任案が提出されたが、与党により否決された。

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