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2021年6月 7日 (月)

新型コロナ2021.05 第4波

 新型コロナウイルス感染は、3月中旬頃から大都市を始め増加傾向、変異株も広がってきた。4月5日、感染者が急増した大阪府・兵庫県・宮城県に「まん延防止等重点措置」が初めて適用。12日から東京都・京都府・沖縄県も加わった。しかし「まん延防止」の効果が不十分だとして、東京・大阪・兵庫・京都の4都府県を対象に4月25日から3度目の「緊急事態宣言」の期間に入った。全国的に「第4波」が押し寄せる。宣言の期限は5月11日だが、5月末迄に延長された。


 2021年5月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.04 三たび宣言」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【5月1日】

●「緊急事態宣言」から1週間 専門家「延長避けられぬ」

 3回目の「緊急事態宣言」が始まって、2日で1週間になる。政府は宣言で感染者を一気に減らそうとしているが、効果はまだ見えない。重症者の急増で医療現場は逼迫するばかり。宣言の期限は11日だが、「延長は避けられない」との見方が専門家の中で強まっている。

 宣言は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県を対象に4月25日から始まった。過去7日間の平均で1日あたりの感染者数をみると、30日は東京で773人、京都で137人、大阪で1111人、兵庫で483人。1週間前と比べ、東京、京都は1割増、大阪、兵庫はほぼ横ばい。新型コロナは感染から5日ほどで発症することが多く、検査、公表までにさらに時間がかかる。宣言の効果はまだ判断できる段階ではない。

 2021/5/1時点の「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」 出典:NHK WEB NEWS

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●感染拡大の福岡 「まん延防止」要請

 福岡県は1日、新型コロナの感染拡大が収まらない状況を受け、国に「まん延防止等重点措置」の適用を要請する方針を決めた。県内では連日300~400人台の新規感染者を確認するなど、感染は4月下旬以降高止まりしており、対策の強化が必要だと判断した。これまで慎重な姿勢を続けてきたが、この日の新規感染者数も350人超だったという状況から「重点措置」の要請を決め、適用地域は福岡市と久留米市を想定。

 県は、飲食店へ午後9時までとする営業時短を福岡市と久留米市で実施。大人数での会食や不要不急の外出の自粛などを呼びかけてきた。それでも、県内での感染の拡大傾向は変わらず、28日には過去最多の440人の新規感染者を確認。29日時点の直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者は41.1人、確保病床数の使用率も52%で、いずれも政府の「分科会」が示す4つの区分のうち、最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」の基準を上回った。

●マラソンテスト大会「なぜ強行」 感染広がる札幌 市民ら懸念

 8月に札幌市である東京五輪マラソン競技の運営体制を検証するためのテスト大会が5日、同じコースを使って開かれる。「ぜひ自宅でテレビなどでの観戦をお願いし、沿道での観戦をお控えいただきたい」。札幌市の新規感染者数が170人と過去3番目の多さを記録した4月28日、秋元市長は記者会見でこう訴えた。

 組織委員会や道、札幌市などでつくる大会実行委は、10Kmの部への市民ランナーの参加を中止。日本代表男女4人ら選手約120人が競うハーフマラソンなどに絞った。沿道ではプラカードを掲げるなどで「密」を防ぐ。スタートとゴール付近は広い範囲を立ち入り禁止。道警も「予行演習」と位置づけ、雑踏警備や交通規制を行う。しかし、主催者側からは十分な検証ができるかを不安視する声が上がり、市民にも「なぜいま強行するのか」と冷ややか。

●感染 大阪1262人、東京1050人

 新型コロナの国内感染者は1日新たに5986人が確認された。大阪府1262人、鹿児島県60人、秋田県25人で過去最多となった。東京都は1050人と、土曜日としては1月23日以来の1千人台になった。

【5月2日】

●余るワクチン 米が譲渡へ 数億回分、どこへ

 米バイデン政権は近く、国内で余った新型コロナのワクチンの他国への譲渡を始める。ワクチン接種が順調に進み、自国民に十分行き渡る見通しが立ったため、「ワクチン外交」に乗り出す。米国内で余剰になりそうなのが、まだ緊急使用許可がされていない英製薬大手アストラゼネカ製。米国は3億回分を購入する契約を結んでいる。米国内では米ファイザー製などが使用され、既に計2億4千万回の接種が終わった。

 ホワイトハウスは3月中旬、カナダとメキシコにワクチンを提供する方針を発表。バイデン大統領は同月、インドのモディ首相と電話協議しワクチンを提供する意向を強調した。

●東京の人出、昨春より大幅増

 3度目となる「緊急事態宣言」が東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に出されて2日で1週間。感染拡大を防ぐカギとなる「人の流れ」はこれまでと比較してどう変わったのか。東京、大阪の主要駅周辺などの午後3時台の人出について、ソフトバンクの子会社が位置情報を活用したビッグデータを使って調べた。

 今月1日までの1週間と、1度目の宣言が出されていた昨年の同時期を比べると、新宿や梅田など7つの駅周辺は、いずれも増えていた。一方で、同じく今月1日までの1週間と、今回の宣言が出る直前の4月24日までの1週間を比較すると、同じ地点ですべて減少していた。短期的にみれば人出は減少しているものの、昨春と比べると宣言の効果が薄れている。

●重症者1050人最多 3月下旬の3倍に増加

 新型コロナ感染症の1日時点の重症者は全国で1050人となり、約3カ月ぶりに過去最多を更新、厚労省が2日発表した。これまでの最多は、1月26日時点の1043人。3月下旬には320~330人台まで減ってきていたが、「第4波」によって約3倍に急増した。国内の感染者は、2日で新たに5900人が確認され、1週間前の日曜日と比べると28%増加。死者は61人だった。北海道では326人と昨年11月20日の304人を超えて過去最多を更新し、岡山県114人、石川県40人も過去最多を更新した。

【5月3日】

●米、沈んだ街が動き出す

 米国では接種が完了して2週間経てば、混雑していない屋外ならマスクは不要。国外から帰国する場合も搭乗前の陰性証明などは必要だが、自主隔離は不要。ニューヨーク(NY)市ではこれまで、疑いも含めて市民の1割以上に当たる92万人が感染。3万2千人以上が死亡した。医療体制が崩壊し、野外病院ができたり、遺体を収容する冷凍トラックが病院前に置かれたりした。

 4月末時点でワクチン接種を完了したのは250万人(米国全体では1億人)。人口の3割ほどで想定より速い。最近は新規感染者数が1日1千人台と減少傾向で、入院患者数も徐々に下がっている。4月29日には、デブラシオNY市長が「トンネルの先に光が見える」と述べ、経済活動を7月までに全面再開する意向を表明した。

●仏、感染高止まりのまま緩和

 仏マクロン大統領は4月末、規制を6月末にかけて段階的に解除する方針を表明。だが、今も1日の感染者数は2万5千人ほどで高止まり、集中治療室の患者数も4月26日に最多を記録。マクロン氏は、5月半ばの緩和を目標とした。来年の大統領選もにらみ、緩和を優先。休業補償が、重い財政負担になっている事情もある。イタリアなども、規制緩和を進めている。欧州委員会も3日、EU域外からの観光客らの入域規制を緩める方針を発表した。EUで承認ずみのワクチン接種などが条件。

 ドイツは1日の感染者数が2万人前後と仏より少ないが、緩和は慎重。3月上旬、政府は新規感染者が少ない地区での規制緩和を認めたが、変異株による感染が急拡大。集中治療病床は8割以上の状態が続く。ドイツでは規制は地方が担っており、地域によってバラバラ。メルケル政権は法改正で政府が一律に規制強化を命じられるようにした。最近はワクチン接種のペースが上がり、1回でも接種済の人は約28%に達した。接種者を対象に制限を緩めることも検討している。

●中国2.6億人移動 5連休、コロナ前の水準に

 中国では1日、労働節の5連休が始まった。延べ2億6千万人余りが移動すると推計されており、コロナ禍前の一昨年に近い水準に戻った。公共交通機関などでマスクの着用や行動記録アプリの登録などが求められるが、生活や経済活動はほとんど平常通り。今年4月に発覚した市中感染者も一地域で集団感染した約80人のみ。大規模なPCR検査と、感染者が出た地域の封鎖を徹底。外国との人の往来も徹底的に管理されており、ウイルスを事実上「制御下」に置く状態が続き、中国の衛生当局は自信を深めている。

●想定の約2倍、横浜のワクチン予約にアクセス集中で受付中止

 3日から高齢者を対象にしたワクチン接種の予約が始まった横浜市で、専用サイトにアクセスが集中したため開始から45分で受け付けを中断、その日の受付を中止した。市は会見を開いて謝罪し、想定のおよそ2倍のアクセスがあり、処理しきれなかったと説明した。早ければ5日中にも予約を再開したいとしている。

●救急隊員の接種進まず 感染の運び手 感染に「不安」

 発熱した患者を救急車で運ぶなど、コロナへの感染リスクを抱える救急隊員へのワクチン接種が進んでいない。現場からは「早急な接種を」との声も上がる。すべての救急隊員と現場で救急活動をする一部の消防隊員は全国で15万3千人。医師や看護師、薬剤師、自衛隊員、検疫所職員などとともに、先行して接種を受ける「医療従事者等」に位置づけられているが、その中でも優先順位が明らかでないことも要因。

●全国で重症者1084人、2日連続で最多 死者48人増

 国内の感染者は3日で新たに4470人が確認され、3日ぶりに5千人を下回った。ただ、徳島県では60人の感染が発表され、過去最多を更新。死者は全国で48人増えた。東京都の感染者は708人(1週間前は425人)。大阪府は847人(同922人)、京都府が121人(同119人)、兵庫県が344人(同310人)だった。2日の重症者は全国で1084人となり、最多だった前日から34人増え2日連続で最多を更新と、厚労省が3日発表した。

 沖縄県の玉城知事は臨時の会見で、大型連休中に県外からの来訪者との食事や県外への帰省を控えるよう県民に要請した。同県では3日、新たに57人の感染が確認され、2日連続で100人を下回ったが、県の集計では、病床占有率は94.2%で依然高い水準。

【5月4日】

●ワクチン売上高 2.8兆円予想 ファイザー、年内供給の16億回分

 米製薬大手ファイザーは4日、今年の新型コロナワクチンの売上高が260億ドル(約2兆8千億円)になる見込みと発表した。年内に供給する予定の16億回分の売上高にあたる。2月時点の予想(150億ドル)から大幅に増えており、今後契約数が増えればさらに金額が増える。ワクチンの売上高が上積みされ、会社全体の売上高は705億~725億ドルと、前年の419億ドルから大幅に増える見込み。

●インド感染2000万人超

 インドで4日、新たに35万7229人の感染者が確認された。1日当たりの新規感染者が30万人を超えるのは13日連続、感染者の累計は米国に次いで2千万人を超えた。在インド日本大使館などによると、40代の日本人女性が感染、3日に亡くなった。インドで日本人の死亡は初めて。インドでは、感染者の急拡大で病床や医療用酸素が不足しており、適切な治療を受けられずに亡くなる人が相次いでいる。

●大阪、「緊急事態」延長要請へ

 「緊急事態宣言」について、大阪府は政府に延長を要請する方向で最終調整に入った。新規感染者数が高止まりし、医療提供体制も危機的状況にあるためで、6日か7日に府対策本部会議を開き、正式に決定する。3度目となる「緊急事態宣言」の期間は4月25日~5月11日の17日間。吉村知事は4日、「現状の認識としては宣言の措置の内容を緩めたり、解除したりするのは難しい」と記者団に述べた。知事はもともと、宣言の期間について「3週間から1カ月程度」を主張していた。

●徳島県 、「まん延防止等重点措置」適用を国に要請

 感染が急速に拡大している徳島県の飯泉知事は今まで以上に強い措置を講じる必要があるとして4日、「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請した。適用地域は徳島市を想定。4月以降、学校や病院でクラスターが相次ぎ、1日あたりの新規感染者数は今月3日に過去最多の60人に達し、4月1か月間の感染者数が773人と3月のおよそ8倍になっている。病床使用率も4日時点で59.6%と高止まり。

 県によると適用されれば、県独自に実施している飲食店への午後9時までの営業時短の要請のうち、徳島市内を午後8時までに繰り上げ、また床面積1千平方m以上の集客施設にも午後8時の時短を求める。徳島県は関西圏に近い。全国知事会長も務める飯泉知事は、要請の理由に大阪を中心に拡大する「変異株の猛威」を挙げ、「これ以上の感染拡大を食い止めなければ、医療崩壊につながる」と訴えた。

●コロナ薬にアビガン 安倍前首相「承認目指す」発言から1年

 新型コロナ治療薬の候補として、注目を集めた抗インフルエンザ薬「アビガン」は昨年5月4日、安倍前首相は会見で「一般の治験とは違う形の承認の道もある」などと述べ、「今月中の承認をめざしたい」と異例の発言をして1年が経つ。アビガンは2014年、従来の薬が効かない新型インフルエンザ向けに承認された細胞に入ったウイルスの増殖を抑える薬。製造元の富士フイルム富山化学が2020年3月に新型コロナ向けの治験を始めた。同社は、10月16日に厚労省に承認申請をした。

 同社の治験では、偽薬とアビガンを飲んだコロナ患者の経過を比べたが、どの患者がアビガンを飲んだか医師が知る「単盲検」。厚労省の専門部会では厳しい意見が相次ぎ、ほかにも客観性の不備を指摘され承認は見送られた。同社は4月21日、医師も患者も知らない「二重盲検」による治験を新たに始めたと発表。10月末まで有効性や安全性を調べるが、承認のまでの期間は見通せない。「科学的に有効性が示されて初めて薬は承認される。結果が出る前に承認への言及があることがおかしい」と専門家は指摘する。

●減資、コロナで抵抗薄く

 有名企業が相次いで資本金を1億円にして、税制上の中小企業になっている。信用力を示す資本金を減らし節税することはタブー視されてきたが、コロナ禍もあって企業をとりまく環境は変わってきている。大幅減益の百貨店・井筒屋(北九州市)は7月1日付で、就職人気ランキング上位の常連だったJTBは3月末に資本金を1億円に減らし、多くの従業員や取引先を抱える企業でも、相応の税負担が当然視されてきた。

 ポイントをおさえて会食しよう!(ピンク色) 出典:内閣官房ホームページ

ポイントをおさえて会食しよう!(ピンク色)

●重症1083人高止まり

 国内感染者は4日で新たに4199人が確認された。都道府県別では、長崎県が62人と1月9日の60人を上回り過去最多。最も多かったのは大阪府で884人。東京都は609人で、4日までの1週間の平均は前週比約13%増の842.3人だった。死者は、全国で51人増えた。大阪府の20人が最も多く、北海道5人と続いた。厚労省のまとめでは3日時点の重症者は1083人で、最多を更新した前日より1人減ったものの依然として高止まりの状況。

【5月5日】

●五輪開催、消えない懐疑論 「接種遅れ懸念」「公平性は」

 世界では、五輪開催に懐疑的な見方も出ている。英ガーディアンは4月、1回でも接種した人口の割合が英国(当時49%)や米国(同40%)などに比べて、日本が同1.3%と大幅に遅れているとして、「五輪開催に暗雲が立ちこめている」と報道。今月5日には、米ワシントン・ポストでコラムニストが「パンデミックの中で、国際的な巨大イベントを開くのは非合理的だ」と主張。日本が中止を決断できない背景として、IOCが圧倒的優位な「開催都市契約」があると指摘。日本政府に中止を促した。

 ニュージーランドのオタゴ大教授は3日、低収入の国はワクチンの確保が難しく、「公平性とは正反対の状態にある」として、1年間の再延期を訴えた。感染が拡大するインド選手が、渡航制限で五輪予選に出場できない問題も起こっている。ファイザーなどが選手団に提供するワクチンは、感染が拡大している地域などへの供給を優先すべきだとの議論が起きる可能性もある。

 一方で、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は5日、ワクチン接種の遅れを懸念する半面、他の経済大国と比べ死者の割合が低いことから、「日本ならウイルスを抑えながら五輪を無事に開催できる可能性もある」とした。

●カナダ、ファイザー製ワクチンを12~15歳の子どもにも使用許可

 カナダの保健当局は5日、米ファイザーと独ビオンテックの新型コロナワクチンについて、新たに12歳から15歳の子どもにも使用することを許可すると発表。当局は「科学的な証拠を検討した結果、12歳から15歳に対しても安全で効果的だと判断した」としている。米国やカナダでは安全に、対面での授業を再開するために、子どもへのワクチン接種の拡大が課題とされている。

●ワクチン知財保護の免除 バイデン氏「同意」

 米バイデン政権は5日、新型コロナのワクチンの普及に向け、ワクチンにかかわる知的財産(特許)を保護する義務を一時免除する意向を表明した。米通商代表部は声明で「コロナ危機下の非常事態には、特別な措置が必要になる」としたうえで、「できるだけ多くの人々に迅速に、安全で効果のあるワクチンをもたらすことが目的だ」と述べた。

 ワクチンの特許権などは、巨額の開発資金を投じた製薬会社の利益を守るため、WTOの協定で保護されている。コロナ禍を受けた昨年10月、インドと南アフリカが自国でワクチンを製造しやすくするため、知財の開放をWTOに提案していた。米国をはじめ先進国を中心に反対が強く、議論は平行線だった。製薬業界の反対も根強く、各国の製造能力が限られるなかでは供給拡大につながらないとの見方もある。欧州などでは警戒感が強く、議論が一気に進むかは不透明。

●3回接種、変異株へ抗体増 モデルナワクチンで試験

 新型コロナのワクチンを開発した米モデルナは5日、3回目の追加接種によってブラジル型や南アフリカ型の変異株に対する抗体が多くなる、とする臨床試験の初期の結果を公表した。発表によると、モデルナ製のワクチンを2回接種し、6~8カ月が経過した40人の血液を調べると、40人中37人は通常株に対する抗体は高いままだったが、約半数はブ型と南ア型変異株に対する抗体が検出できなかったという。

 この40人を2グループに分け、1、2回目と同じワクチンと、新たに開発した変異株に対応したワクチンをそれぞれ追加接種した。2週間後に血液を調べたところ、変異株に対する抗体が増えたことが全員で確認できたという。変異株に対応したワクチンを打った方がより効果がある傾向も確認した。

●病床限界、自宅療養が急増 関西突出、大阪1.3万人

 「第4波」が拡大し、病院に入院できず、自宅や施設で療養する感染者が急増している。ベッドを増やすなど、各地で改善策がとられているが、とくに関西では、医療現場の深刻さが増すばかり。京都府では4月中旬から重症者が急増、入院調整に時間がかかるようになった。自宅療養者数に呼応して、2月から府と連携する「訪問診療チーム」には、出動要請が増えた。駆けつけた時には、亡くなるギリギリの人も出ている。府によると、確保病床の使用率は7日時点で64.8%。「ステージ4」の目安の50%を超す。病院関係者は「綱渡りの状態」と口をそろえる。

 厚労省のまとめによると、自宅療養者は「第3波」の1月20日時点で全国に約3万5千人。2、3月と全国的に減少し、3月10日時点で2641人まで減った。しかし関西を中心に3月末から増え始め、5月5日時点で全国に2万8823人。4週間で4倍に増えた。うち大阪は1万3423人と最多で、4週間で5.3倍に増えた。京都は5日時点で1009人、4週間で6.6倍になった。

●五輪マラソン、厳戒のテスト大会

 8月の東京五輪マラソン競技のテスト大会となる「北海道・札幌マラソンフェスティバル2021」が5日開かれた。五輪代表は女子3人がそろって、男子代表3人のうち1人が五輪と同じコースを使ったハーフマラソンに出場。出場したのは、ハーフマラソンの部69人、10キロの部25人の計94人。海外からはオランダ、ケニア、マレーシア、ドイツの4カ国から男女6人。札幌市で感染状況が厳しさを増すなか、大会前に北海道の鈴木知事や札幌市の秋元市長が、沿道での観戦自粛を求めた。

 大会組織委員会の森運営局次長はレース後の記者会見で、「沿道の観客は大変少なかった」と評価。「大きな事故の報告もなく、無事開催できた」との認識を示し、全選手を対象にしたスクリーニング検査など新型コロナ対策についても一定の成果があったと振り返った。

●札幌の「まん延防止」指定要請 時短は午後8時まで

 北海道は5日午後、対策本部会議を開き、感染が急拡大している札幌市を対象地域として「まん延防止等重点措置」の対象に指定することを政府に5日中に要請することを決めた。指定までの間、感染拡大を防ぐ独自対策として札幌市内の飲食店へのさらなる時短も要請。営業終了を時刻をこれまでの「午後9時まで」から「午後8時まで」に繰り上げる。時短はゴールデンウィーク(GW)特別対策として11日まで行うが、鈴木知事は延長も視野に検討している。

 道は、札幌市内の入院患者数が4日時点で346人、病床使用率が実質9割になったため、札幌市や道医師会など関係団体とともに「札幌市医療非常事態宣言」を出した。対策本部会議で鈴木知事は「札幌市内でのこれ以上の感染急拡大を抑え、医療提供体制の崩壊を防がなければならない。全道への急速な拡大を防げるかどうかの重要な局面だ」と述べた。

●兵庫知事「宣言延長要請の公算大きい」 7日に最終決定

 「緊急事態宣言」について、兵庫県の井戸知事は5日、報道陣に「今のような感染状況では病院の逼迫度は解消されない。延長を国にお願いしないといけない公算が大きい」と述べた。兵庫県は7日に開く対策本部会議で対応を最終決定する。宣言は11日に期限を迎える。宣言にともない、県内では飲食店での酒類の提供を禁じるなどの措置が4月25日に始まったが、井戸知事は「14日経たないと措置の効果は見えてこない。今の時点では評価しにくい」とも語った。

 県内では5日、新たに331人の感染が確認され、13人の死亡が発表された。病床使用率は約79%と高止まりし、入院待ちの患者は約1750人にのぼっている。

●全国の重症者1114人、過去最多 5月は連日1千人超 国内で4071人感染

 厚労省の5日の発表によると、国内の新型コロナ重症者数は4日時点で1114人となり、過去最多を更新した。これまでの最多は2日時点の1084人、それを30人上回った。重症者数はここに来て急速に増える傾向にある。年明けにピークを迎えた「第3波」では、1月下旬に重症者数が1千人を超えることもあった。だが、新規感染者数の減少に伴い、3月には300人台まで減っていた。「第4波」に入り、4月10日に500人を上回り、5月に入ってからは連日1千人を超える状況が続いている。

 国内の感染者は5日午後8時現在で新たに4071人が確認された。4千人を上回るのは9日連続。「緊急事態宣言」下の大阪府の感染者は668人、兵庫県は331人。東京都は621人で、10~40代が7割超を占めた。死者は全国で60人増えた。うち25人を大阪府が占め、兵庫県は13人だった。

【5月6日】

●EU 域外へのワクチン輸出 全体の4割が日本向けで最多

 新型コロナワクチンの域外への輸出を許可制としているEUは、ヨーロッパ委員会が6日、これまでにおよそ1億7800万回分の輸出を許可し、全体のおよそ4割にあたる7200万回分が日本向けだと発表した。最も多いのが日本で、次いで、英国向けのおよそ1850万回分、カナダ向けのおよそ1840万回分となっている。

●五輪選手に無償でワクチン 各国進む準備

 国際オリンピック委員会(IOC)は6日、新型コロナのワクチンを共同開発した米ファイザー社と独ビオンテック社から、東京五輪・パラに出場する各国・地域の選手団向けに、無償でワクチン提供を受けることで合意したと発表した。「選手優先」の接種を否定してきた国々からは、歓迎の声が上がった。ワクチン接種は大会参加の義務ではないが、「日本の人々を守るため」としてIOCも推奨。豪州やフランスなど「選手優先」で接種を予定する国もある。IOCは、中国製ワクチンの提供も受ける。

 発表を受け、日本オリンピック委員会(JOC)山下会長と日本パラ委員会(JPC)鳥原会長はこの日、丸川五輪相に「優先接種の方や、医療従事者に影響がない前提で、日本選手団への接種をお願いしたい」と要請。丸川氏は報道陣に対し、「政府としても前向きに受け止めて、今後速やかに関係機関などと調整を図りたい」と述べた。

 7月の開幕に向け、各国の五輪委員会は、感染対策も含めた準備を急いでいる。 オーストラリアは数千食分のパック食品やPCR検査機器を持参することを検討。英国はユニホームも発表した。米国は4月、出場選手や候補選手らがメディア対応のオンラインイベントに参加。米国五輪・パラ委員会の会長は「適切な予防策があれば、きちんとした大会が開ける」と信頼感を口にした。バッハ会長は、コロナ禍でも340以上の世界選手権やワールドカップが行われたが、「感染拡大したイベントは一つもない」と自信を示す。

●石川県、「まん延防止」の適用を政府に要請

 石川県は6日午後、対策本部会議を開き、新型コロナの感染拡大に歯止めがかからないことから、政府に対し金沢市を対象地域として「まん延防止等重点措置」の適用を要請した。これに伴い、金沢市内の飲食店には営業時間を午後8時までとするよう求める方針。

●「短期決戦」、効果見えぬまま 対策緩和、反動に不安
 
 「GWの短期集中対策として強力な措置を講じる」。首相がそう掲げて4都府県に出した3度目の「緊急事態宣言」は、「短く強い」対策とした。しかし「17日間」とした期間には、専門家から「感染者数が下がりきらない可能性がある」(日本医師会の中川会長)といった懸念が当初からあった。対策の効果が感染者数の変化などで表れるのに2週間程度はかかるとされ、政府内からも「効果が分からない」といった異論が漏れていた。菅首相は6日夕、関係閣僚と宣言を延長する方針を確認した。

 結局、効果が十分に見えないまま、宣言地域を拡大させる。「短期決戦」は、道半ばで修正を迫られた。首相は記者団の取材に、今後の対策について具体的な内容には触れずに、「人流については、間違いなく減少している」と繰り返し答弁。しかし1回目の宣言時に比べ、今回は人出の減少幅が小さい。変異株の影響も懸念されている。そんな中で政府は、大型商業施設やテーマパークなどへの要請を緩和する。対策を緩和すれば、宣言の効果が薄れることへの不安が残る。

●連休で減った検査数、今後感染増も 「専門家組織」

 厚労省「専門家組織」の6日の会合で田村厚労相は冒頭、「感染状況は減っているようにみえるが、連休中で検査件数が減少している影響」と話した。4月の全国の検査数の1日平均に比べ、5月1~4日は3割ほど少ない。一方、全国の1日あたりの新規感染者数は連休前の1週間平均は4923人、連休中は同4886人で高止まり、今後大きく増える可能性がある。東京と大阪の宣言後と前の繁華街の人出は減少傾向にあるが、感染状況の大きな改善には至っていない。

 一方、都市部だけでなく地方への感染の広がりも懸念される。1週間の人口10万人あたりの新規感染者数(4月28日~5月4日)は、北海道28.4人、群馬県25.5人、岡山県33.2人で、「ステージ4」(25人以上)に達した。いずれも前週(4月21~27日)と比べると10人以上増えた。

 5月4~5日時点のまとめで、病床使用率は大阪は85.1%、兵庫や京都でもそれぞれ78.7%や67.6%と逼迫。「専門家組織」は「大阪、兵庫を中心に救急搬送の困難事例も増え、一般医療を制限せざるを得ない状況が続いている」と指摘。関東各地でも病床使用率は、東京38.7%、埼玉45.5%、群馬47.6%など、前週より高くなっている。

●高齢者の副反応調査 不手際で遅れ

 ワクチンを接種した高齢者に対し、厚労省が4月12日に始める予定だった「接種後健康状況調査」が大幅に遅れている。システム調達の遅れで、開始のメドすらたっていない。システムを巡るミスは、不具合が相次いだ接触アプリ「COCOA(ココア)」に続く。

 各都道府県ごとにあらかじめ選んだ会場で接種した人のうち、希望者に接種当日、1週間後、2週間後の体調をSNSに入力してもらう計画。厚労省の担当者は「調査方法などの検討に時間を要した」と説明。システムの調達、開発ともにいまだ準備中で、実施時期は不明。

●フィザー、2〜8℃の冷蔵輸送「影響なし」

 超低温冷凍庫での保管が推奨されているファイザー製ワクチンについて、国立医薬品食品衛生研究所は、2~8℃の冷蔵状態で6時間かけて車で輸送しても、品質に影響はなかったとの試験結果を発表した。超低温ではない輸送について、品質に影響が出る可能性があるとして、一部の自治体から懸念の声が上がっていた。

 ファイザー製ワクチンは壊れやすい「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝物質を使うため、同社は冷凍輸送を推奨。しかし厚労省は、やむを得ない場合、3時間以内であれば2~8度の冷蔵輸送を認めていた。

●厚労省、変異株の検査態勢縮小へ

 新型コロナは西日本を中心に変異株への置き換わりが進み、厚労省は、感染者が多い地域では変異株の検査態勢を縮小する方針を固めた。これまで、陽性者から抽出してスクリーニング検査を実施する割合を、40%とすることを求めていた。厚労省は今後、「ステージ3」以上に相当し、変異株の割合が8割を超える自治体では、陽性者に対する40%のスクリーニング実施を求めず、実施割合は自治体が判断できるようにする。

●「実情踏まえ対策を」興行団体要

 「緊急事態宣言」に伴う休業要請などについて、興行関連の団体が6日、相次いで声明を発表した。宣言延長の方針を受け、実情を踏まえた現実的な対策をとるよう行政側に求めている。

 映画館や演芸場などでつくる全興連は、昨年12月から客席側の感染例は1件もないなどの実績が考慮されないとし、「近県の映画館へのお客様の移動は人流増加につながる」と疑問視。演劇関係の約200団体でつくるネットワークは「現場の努力の実態とエビデンスに基づいた対策」を政府に強く求め、クラシック音楽の協議会は、1年以上にわたる公演自粛にともなう経済的損失は「非常に深刻」とし、「補償金支給の検討」をと改めて要望した。

●渋滞・混雑、去年と違うGW

 「緊急事態宣言」が発出されていた4月29日~5月5日の大型連休について、ソフトバンクの子会社「アグープ」が6日、首都圏と近畿圏でそれぞれの都府県境をまたいだ人の流れについてデータを発表した。今年は2019年のGWに比べて首都圏56%、近畿圏52%と半分程度に下がっているが、昨年に比べると首都圏206%、近畿圏192%とおよそ2倍に上っていた。首相や都知事らが大型連休の前に「ステイホーム」を呼びかけたが、効果は限定的だった。

 JR旅客各社によると、大型連休中の新幹線や在来線特急などの利用客は、前年比5倍超。また、JR東日本は主要駅の利用状況のまとめでは、東京駅は前年比約4倍、成田空港駅は同2倍、東京ディズニーランド最寄りの舞浜駅では、16倍。高速道路は主要区間の1日あたりの平均交通量が昨年の大型連休と比べると2倍近く。空の便では、国内線利用者は全日空、日本航空でいずれも2019年比で3分の1ほどだが、昨年比ではそれぞれ10倍前後と大きく増えた。

●都内、感染拡大の兆し 発熱相談・陽性率、上昇止まらず

 東京都内での感染者数が、GW後に再び跳ね上がる懸念を都関係者が募らせている。感染拡大の予兆をつかむ指標の一つ、都の相談センターに寄せられた「発熱相談件数」や市中感染の広がりを示す検査の「陽性率」は、前回の「緊急事態宣言」が解除された3月下旬に比べ急増。感染者数が急拡大した昨年末の状況と似ているうえ、感染力の強い変異株の広がりも懸念材料となっている。

 6日に開かれた都のモニタリング会議で、6日の新規感染者数は591人。だがGW中の検査件数減少や検査結果の報告遅れが影響しているとみられ、「感染者が減ったと受け取るには注意が必要」という。都健康安全研究センターのスクリーニング検査をもとにした推計では、直近1週間の都内感染者のうち67.9%が英国株と呼ばれる「N501Y」変異株。前々週32.8%、前週59.6%と比べ、さらに変異株への置き換わりが進んだ。

●全国で4375人新規感染 重症者は6日連続で1千人超
 
 国内感染者は、6日で新たに4375人が確認。都道府県別に見ると、最多は大阪府の747人。東京都591人で、6日までの1週間の1日あたりの平均感染者数は736.6人(前週比94.2%)となった。岡山県は、過去最多だった今月2日と同じ114人の感染が確認。死者は全国で65人増え、うち28人は大阪府。次いで北海道で5人、東京、兵庫がそれぞれ4人だった。

 厚労省の6日に発表によると、重症者数は5日時点で1098人。過去最多となった4日の1114人より減ったものの、6日連続で1千人を上回った。また、厚労省が6日に発表した、空港検疫で判明した感染者は29人で、過去最多だった昨年4月11日に並んだ。

【5月7日】

●五輪開催 IOC・組織委、世論に神経質

 国内外の厳しい感染状況を受け、IOCと組織委員会などが4月28日に公表した選手らの行動規範(プレーブック)の第2版では、選手らへの検査体制を強化した。海外選手らの出国前検査は「96時間以内に2回」に、全体の検査頻度も「原則として毎日」に増やした。市民との接触を避けるため、選手らが行動できる範囲は宿泊施設や試合会場などに限定。これにワクチン接種が加わることで、橋本会長は7日の会見で、「安全で安心な大会開催に向けて一歩前進する」と期待した。

 それだけに、大会関係者は「IOCや組織委は世論に神経質になっている」と打ち明ける。国内でも開催に反対する声が強まっており、組織委内には「海外報道は事実に基づいていない」「表現が厳しすぎる」などの声もある。ただ、組織委も大会に必要な医療従事者数の全容などを十分に説明してこなかった。別の大会関係者は「もっと情報をオープンにしなければ、社会の共感は得られない」と指摘する。

●SNS、五輪辞退求める投稿 池江選手「とても苦しい」

 競泳日本代表の池江璃花子選手(20)が7日、自身のツイッターを更新し、「(東京五輪代表を)辞退してほしい」「(五輪の開催に対して)反対に声をあげてほしい」といったメッセージが複数寄せられていることを明かした。池江さんは、「このコロナ禍で五輪中止を求める声が多いことは仕方なく、当然のことだと思っています」「(白血病の)持病を持ってる私も開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています」と投稿した。

 その上で「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません」とコメント。「この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います」などと投稿した。

●モデルナワクチン、12~17歳の臨床試験で有効性96%と発表

 米製薬会社モデルナは6日、12歳~17歳の子どもを対象にした、新型コロナのワクチン臨床試験の初期的な分析の結果を発表し、少なくとも1回、接種を受けた人での有効性は96%だったと明らかにした。

●英政府の諮問委、40歳未満にアストラゼネカのワクチン推奨せず

 新型コロナワクチンに関して7日、英国政府の諮問委員会は40歳未満の人に対してアストラゼネカの代わりに他社ワクチンの接種を勧めると発表した。血栓が生じる極めて小さいリスクへの予防的な措置だとする一方、ほとんどの人にとって接種の利益がリスクを上回るとしている

●インドなど3か国からの入国者に対する水際対策を強化

 感染がインドで急拡大していることを受け、政府は、周辺のパキスタンとネパールも含めた3か国からの入国者に対する水際対策を強化し、14日間の待機期間のうち、入国後6日間は国が確保する宿泊施設にとどめる方針を固めた。政府は、こうした措置を今月10日から運用する方向で調整を進めている。

●大阪、重症患者用の「病床運用率」が2日続けて100%超

 大阪府内のすぐに入院できる病床の数と、それがどれだけ埋まっているかを示す「病床運用率」のうち、重症患者用の運用率は2日続けて100%を超える状態が続いている。6日の時点で、実際に運用されている重症患者用の病床は364床、患者が370人、「病床運用率」が101.6%。また、軽症・中等症の患者用の病床は、実際に運用されている病床が2148床、患者が1717人で、運用率は79.9%と、ともに深刻な状況となっている。

●宮城県、「まん延防止」で飲食店15店舗に全国初「命令」

 宮城県は「まん延防止等重点措置」の適用に伴って、営業時間の短縮要請に応じない飲食店15店舗に要請に応じるよう求める「命令」を7日に出した。県によると重点措置に伴う「命令」は全国で初めて。命令を出した店舗は、キャバクラ店や居酒屋、それにガールズバーなどで、県はホームページで店名を公表した。宮城県は今後、これらの店舗が今後も要請に応じなければ、20万円以下の過料を科す手続きを行う。

●「緊急事態宣言」、延長決定 6都府県、31日まで 大型施設、時短営業に緩和

 首相官邸で7日夕に開いた対策本部で、東京や大阪など6都府県に出している「緊急事態宣言」について、11日までの期限を5月31日までの延長を決めた。12日から愛知、福岡も加えて計6都府県を対象。酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請は継続、酒持ち込みを認める店も休業要請の対象に加える。1千平方m超の大型商業施設への休業要請は、12日から午後8時までの営業へ緩和。無観客のスポーツなどのイベント制限も緩和し、入場者数は収容人数の50%を上限に最大5千人とした。 

 また政府は、「まん延防止等重点措置」の適用地域の拡大と、11日までの期限を5月末まで延長する。要請があった北海道、岐阜県、三重県を9日から新たに加える一方、宮城県は11日で解除。神奈川、千葉、埼玉、愛媛、沖縄の各県は継続し、適用地域は計8道県となる。

 2021/5/7時点の「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」の追加 出典:NHK WEB NEWS

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 首相は7日夜の記者会見で、菅首相は「緊急事態宣言の発出以降、東京や大阪における人流が大幅に減少しており、対策の効果が出始めている。一方、新規感染者数は大都市部を中心に高い水準にあり、大阪、兵庫などでは病床の逼迫が続いている」と指摘。「短期集中」とした大型連休中の効果について、「人流の減少という所期の目的は達成できたと考えている」と説明。そして変異株の拡大により「東京、大阪ともにステージ4を大きく超える水準にあり、愛知や福岡においてもステージ4を超えている」として、今回の宣言延長と適用地域拡大の理由を語った。

●菅首相会見、ワクチン接種「1日100万回」、7月完了目標

 菅首相は7日夜の記者会見で、「私自身が先頭に立って、ワクチン接種の加速化を実行に移す」と強調、「1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に希望するすべての高齢者に2回の接種を接種を終わらせるよう自治体をサポートする」と述べた。官邸幹部は「1日の接種回数を積み上げて出てきた数字ではない」、首相の強い意向の目標だという。 4月中旬から開始した高齢者接種を劇的に加速させ、7月末までに接種を終えることは可能か。接種を担う自治体や医療の現場からは、戸惑いの声も上がる。

 首相は、「緊急事態宣言」を決めた4月23日の記者会見では「7月末を念頭に、各自治体が2回の接種を終えることができるよう政府をあげて取り組んでいく」と、自ら期限を引いた。対象となる高齢者は約3600万人、2回接種で約7200万回。首相周辺は「7月末に接種を終えるには、1日100万回打つ必要がある」と説明。期限を逆算して、100万回をはじき出したという。積算根拠を問われた首相は、「インフルエンザの接種は(1日で)60万回ぐらいできている。接種が本格的になって慣れてくると可能だ」とも語った。

 官邸幹部によると、7日の首相会見の前に「100万回は根拠がない。発表すべきではない」と、表明に反対する意見も出たという。だが、首相はこれを押し切って目標を明言した。首相は会見後、周辺に「100万回の表明は勝負だ」と、自らの政治決断を強調。首相が自ら目標を示し接種を推し進めようとするのは、その成否が政権の評価にも直結するから。秋までには衆院解散・総選挙も控える。7月中に高齢者の接種を終わらせ、東京五輪を無事に開催、衆院を解散する政治シナリオが望ましい。

●ワクチン打ち手・会場不足 700自治体、「7月末までに打てない」

 「1日100万回」接種目標が、田村厚労相に知らされたのは7日の首相会見直前。幹部らは「率直に言って難しい。温度管理も必要になる。市町村がオペレーションをしっかりやってくれないと」と強調。4月12日に始まった高齢者向けの接種では、1日当たりの接種は最大でも5月9日の約3万4千回。これまでの政府の調査に対し、全国の自治体1700のうち700は「7月末までに打てない」と回答している。

 厚労省は4月30日、高齢者の接種を7月末までに終えることを目指し、自治体に接種計画を作り直すよう求める連絡を出した。政府は上積みさせようと躍起。最大の課題の一つが、「打ち手」の確保。厚労省の4月7日時点の調査で、全国の約2割の自治体が、保健所や学校などの特設会場における医師や看護師の数が「不足している」と回答した。

 政府は、1日1万人の接種を予定する大規模接種会場を東京と大阪に設置する。厚労省は7日、各都道府県に対し大規模会場の設置を積極的に検討するよう要請したが、自治体は国に振り回されている。医療・保健の現場からは、「出だし」の遅れを指摘する声が上がる。医療従事者の接種が終わるのは、6月中旬の見込み。自分の接種が終わらなければ人に接種できないという医師もいる中、高齢者の接種が進むか疑問。都内の保健所長は、「予定がこれだけ後ろ倒しになる中では、どうしようもない」と漏らす。

●バッハ会長来日、見送りへ 橋本会長「今月予定「非常に厳しい」

 東京五輪織委員会の橋本会長は7日の定例記者会見で、今月17日からの日程で調整中だったIOCバッハ会長の来日について、「緊急事態宣言」の期間中にお越し頂くのは、「正直申し上げて、非常に厳しいのではないか」と述べ、予定の来日は見送られるとの見通しを示した。大会関係者によると、IOCも東京大会をめぐる世論について敏感になっているという。IOC幹部らが直接、日本側から情報を収集し、来日を見送る方向で検討を始めていた。

 バッハ会長は大会延期の前から、被爆地の広島市の聖火リレーに合わせて来日すると公表していた。広島市を聖火が巡る今月17日と18日の2日間で来日する方向で調整が進んでいた。広島市の平和記念公園を訪れるほか、東京都内で菅首相、小池知事、橋本会長らと面会し、開幕まで2カ月あまりに迫った東京大会の新型コロナ対策などを確認する予定だった。

●変異株 若い世代に猛威

 新型コロナの変異株、国内ではとくに英国型の感染が広がっている。感染力が強いだけでなく、高齢でない人も重症化しやすいとの報告も出ている。ほぼ変異株に置き換わった関西圏は「医療崩壊」に直面している。専門家は「コロナは、活動的な若い人から高齢者に広がる流行パターンが多い。20~30代で3倍も入院が必要になれば、早々に病床が埋まる。若い人も危ない、まったく別のウイルスだと考えた方がいい」と指摘する。

 欧州疾病予防管理センターなどのグループは、従来型約3千人と英国型約1万9千人の感染者のデータを分析。従来型では入院7.5%、0.6%が重症化しICUに入った。英国型は入院11.0%、重症化1.4%と高率。入院患者の平均年齢は63歳、従来型より6歳低い。入院が必要なケースは、従来型よりも20~30代で3倍、40~50代で2倍、ICUに入るケースは40~50代で2倍。子どもと高齢者では、差はなかった。この研究では死亡の差も見られなかったが、分析期間が短い可能性もある。英国では英国型が死亡リスクが高いとの研究も出ている。

 国内でも英国型が急速に拡大した今春以降、重症者の年代に異変が起きている。都の資料によると、「第3波」ピーク前の昨年12月20~30日、都内の重症者の17%は50代以下で、うち1%は30代。20代以下はゼロだった。このころの新規感染者は、8割が50代以下。それが今年4月20~30日になると、20~50代の重症者が34%を占める。

●追加2億回分、供給協議 コロナワクチン 米2社と

 菅首相は7日の記者会見で、新型コロナのワクチンを追加確保できるよう製薬会社と協議していると発表した。全国民分を9月末までに確保できるめどが立ったとしてきたが、厚労省によると、接種後に効果がどのくらい続くのか不透明なため、2億回分を追加で接種できるよう準備するという。

 製薬会社は米国のモデルナとノババックス。モデルナ社製は5千万回分、ノババックス社製は1億5千万回分をそれぞれ2022年初頭までに受けられるよう協議している。これとは別に米国のファイザー社製は5千万回分、9月までの供給をめどに協議中。日本はファイザー社製を承認済み。モデルナ社製は5月中にも承認する見通し。ノババックス社製は未だ承認した国はなく、米英で最終段階の試験を行っている。国内では2月から治験を実施している。

 ファイザー社製とモデルナ社製が「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝物質を使い、冷凍保存が必要なのに対して、ノババックス社製は、ウイルスを模したたんぱく質を使い、冷蔵保存も可能。日本向けには、武田薬品工業(大阪市)が国内製造を行う見通し。

●経済疲弊、追い討ち

 6都府県に5月末まで「緊急事態宣言」が延長。各業界は疲弊の色を強めている。飲食店は、休業するか、酒を出さずに午後8時まで時短営業するかの選択を迫られる。中でも、休業を余儀なくされている居酒屋の嘆きは大きい。百貨店などの大型商業施設は、食品など生活必需品の売り場以外は休業を求められていたが、今回政府は売り場を問わず午後8時まで営業OKとした。一方、東京や大阪などは自治体の判断として、休業要請を続ける。またコンビニ大手3社は、コンビニで買った酒を店の前や公園で飲む「路上飲み」の対応に乗り出した。

 人の移動を主な収益源とする観光業や運輸業は、厳しい状況が続く。旅行大手のJTBは、2021年3月期は約1千億円の経常損失を見込む。大型連休から巻き返したいところだったが、4都府県の「緊急事態宣言」で旅行取り扱い人数は2年前の4分の1。都内の老舗ホテルは、大型連休中の客室稼働率が2割未満。レストランや宴会場で酒が出せないため、結婚式用に高級ノンアルコール飲料を用意するなどの対応も。日本航空も大型連休中の旅客数が、国内線と国際線を合わせて2年前の68%減だった。

●鉄鋼大手2社、黒字へ

 鉄鋼大手2社(日鉄、JFE)は7日、2021年3月期の赤字から大きく改善し、2022年3月期が3年ぶりの黒字になるとの見通しを発表した。自動車や家電など製造業向けを中心に鋼材の需要が戻り、固定費の削減も進む。ただ両社とも、長期の先行きは不透明。鉄鋼業界は日本全体のCO2排出量の13%を占めており、抜本的な削減を求められている。

●高齢者2施設、38人死亡 神戸と門真 入院先なく容体急変も

 神戸市と大阪府門真市の高齢者施設で新型コロナのクラスターが発生し、二つの施設で計38人の入所者が亡くなっていた。大阪府と兵庫県では病床逼迫が深刻化しており、両施設では、多くの入所者が入院先が決まらないまま療養を続けていたという。

 神戸市は7日、市内の介護老人保健施設で、入所者97人と職員36人の計133人が集団感染したと発表。入所者25人が亡くなり、うち23人は施設内で療養を続けていた。市幹部は「満床で入院できなかった人が大部分だと思う」と説明。門真市の有料老人ホームでは入所者40人が感染、男女13人が死亡した。うち8人は、入院先が決まらないまま亡くなった。大阪介護老人保健施設協会によると、これまでも無症状の入所者が施設に留まっていたことがクラスターの発生につながっていたという。

●全国の死者、最多146人 感染者6057人

 国内の死者は7日で146人に上り、今年2月10日の121人を超えて、1日あたりの過去最多を更新。大阪府で50人、兵庫県で39人と、いずれも過去最多となった。死者が100人を上回るのは、2月16日の101人以来の約3カ月ぶり。感染者が全国で最も多かったのは、大阪府の1005人。次いで東京都907人だった。1日の感染者数が過去最多となったのは、福島、石川、岐阜、愛知、岡山、香川、福岡、佐賀、大分の9県に上った。

 感染者は新たに6057人が確認された。6千人を超えるのは、1月16日(7042人)以来、約4カ月ぶり。また厚労省によると、重症者数は6日時点で1131人となり、4日の1114人を超え、過去最多を更新した。

【5月8日】

●ワクチン特許放棄、欧州反発 「供給遅れの解決策にならず」

 新型コロナのワクチンにかかわる知的財産(特許)の一時放棄を米国バイデン政権が認める意向を示したことをめぐり、ドイツやフランスが反発している。「供給拡大」を理由にする米国に対し、ワクチン不足は米英の自国優先によって起こったという不満がある。EUは7~8日の首脳会議でこの問題を議論、短期的には「解決策にはならない」との意見が多数を占めた。WTOは、米国の賛成への転向を「歓迎する」との声明を出したが、WTO加盟164カ国・地域の全会一致で決める原則があり、まとまる可能性は低い。

  米国には原料輸出の規制があり、英国もワクチンをほぼ輸出していないとみられる。一方、EUは域内で生産された4億回分の半分を輸出していると主張。接種ペースで米英に遅れても「我々は世界の薬局」と供給を続ける。特許放棄だけでは高品質のワクチンは生産できず、生産技術の移転などで開発企業の協力が不可欠だという意見も根強い。首脳会議後の会見でEUのミシェル常任議長は「短期的にみて(特許放棄は)魔法のような手段ではないというのが多くの意見だ」と総括した。

 マクロン仏大統領は7、8の両日、「供給増には、ワクチンと原材料の流通が止められてはいけない。現在はアングロサクソンが多くを止めている」などと米英を繰り返し批判。当初、米国の意向に賛同したが、特許放棄の優先順位は低いとの立場。メルケル独首相も8日の会見で「特許の放棄が普及につながるとは思えない」と異を唱えた。日本製薬工業協会も7日の特許の放棄に反対する声明では、「知的財産の放棄によって同等のものができる保証はない」とする。

●休業の線引きに疑問の声 劇場は緩和、継続の映画館

 「緊急事態宣言」の延長決定に伴い、東京都が独自に決めた12日以降の休業要請などの措置で、業種や施設によって明暗が分かれている。無観客を要請され、多くが休業を余儀なくされてきた劇場やイベント開催などは、人数上限5千人かつ収容率50%、午後9時までといった要請に変わる。無観客の要請が解かれる劇場やコンサート関係者らは安堵する一方、休業要請が続く映画館や美術館からは「線引き」への不満が漏れる。

 映画館などで作る全国興行生活衛生同業組合連合会の佐々木会長は、新型コロナ対応の特別措置法の中で同じ「劇場等」に区分されている施設の中で「なぜ映画館とプラネタリウムだけが休業しなければならないのか。他業種と比しても、バランスが取れておらず、全く理屈が通っていない」と憤る。都内の美術館長は「美術館は感染リスクも低いので開けたかった」「人の流れを抑えるためなら、劇場が営業できるのはちぐはぐな感じがする」と戸惑う。

●全国7200人感染 14道県で最多

 国内の感染者は8日で、新たに7244人が確認された。1日あたりの人数としては過去4番目に多く、今回の「緊急事態宣言」の期間中では最多となった。7千人を超えたのは1月16日の7042人以来、4カ月ぶり。地域別では14道県で過去最多となり、東京や大阪だけでなく地方に感染が拡大していることがうかがえる。厚労省によると、重症者数は7日時点で1131人となり、過去最多だった6日と同数だった。

 感染者が最多だったのは東京の1121人、次いで大阪の1021人。東京が大阪を上回ったのは3月29日以来となった。この状況について、大型連休の影響を指摘する声があがった。「外出や旅行をした中で、陽性になった人が出ている」(東京都)、「レジャーで県内を訪れた人が多かったことが影響しているのではないか」(群馬県)。新潟県では連休明けの6日に受診した人が多く、県担当者は「連休中に受診を控えた反動とみられる」と話した。

【5月9日】

●立憲枝野代表、五輪開催は困難

 東京五輪・パラについて立憲民主党の枝野代表は9日、支持者らとオンラインで意見交換し、感染拡大が続く中で開けば「世界からの変異株の展示会」みたいにならないかと指摘し、開催は困難だという見方を示した。枝野氏は、「日本政府としてまず決めるべきは国民の命と暮らしを守ることであり、それが最も優先されることだ」と述べた。

●重症者、最多1144人 感染者、北海道506人・福島74人

 国内感染者は9日現在で、新たに6495人が確認された。北海道で506人、福島県で74人、広島県で195人、福岡県で529人と過去最多を更新。変異株の感染が各地で広がるなか、8日時点での重症者は過去最多の1144人に上った。重症者数が1千人を超えたのは9日連続。感染者が過去最多を更新するのは北海道と広島で2日連続、福岡で3日連続。北海道で500人を超えるのは初めて。

 東京都の感染者数は1032人と、2日連続で1千人を上回った。日曜日としては、1月17日の1596人以来の1千人超。感染者1032人を年代別でみると、20代が304人と最も多く、30代と40代がそれぞれ167人、50代が122人。65歳以上の高齢者は103人だった。

 ポイントをおさえて生活しよう!(緑色) 出典:内閣官房ホームページ

ポイントをおさえて生活しよう!(緑色) 出典:内閣官房ホームページ

【5月10日】

●熊本県、「まん延防止」適用を国に要請

 熊本県の蒲島知事は10日夜、記者会見し、県内で新規感染者が急増している現状を踏まえ、西村経済再生相と電話会談し、熊本市を対象地域とした「まん延防止等重点措置」の適用を要請したことを明らかにした。西村大臣は「要請は承った。政府としても熊本県の現状を分析する」と答えたという。

●台湾、「招待状が届いていない」 WHO年次総会

 WHOの5月下旬の年次総会に台湾の参加を認めるよう求める声が欧米などからあがる中、台湾当局は登録の締め切り日10日になっても招待状が届いていないと明らかにし、WHOに参加を認めるよう訴えた。WHOの年次総会は5月24日から開かれ、新型コロナ対策での国際的な協力の強化などを議論する。台湾は、年次総会に2009年から2016年までオブザーバーとして参加していたが、2017年以降は中国の反対で招待されなくなり、米国バイデン政権が今回、WHOに参加を認めるよう求めたほか、主要7か国の外相会合(G7)の共同声明でも参加を支持する意向が表明されている。

●ファイザー製、12歳から接種 米で使用許可

 米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが開発した新型コロナのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)は10日、これまで16歳以上だった緊急使用許可を12歳以上に拡大すると発表した。米疾病対策センター(CDC)が12日に拡大するか検討する会議を開いた後、接種を推奨する。米国内では近く12~15歳の接種が始まる見込み。

 日本では、厚労省がファイザーから臨床試験のデータの提出を受け次第、医薬品の審査をする医薬品医療機器総合機構(PDMA)で安全性や有効性を判断する。データに含まれる人種の差などを評価し、追加の国内治験が必要かどうかを検討する。対象年齢の変更は、ワクチンの使用方法などを示した添付文書の改訂で対応する。新たなワクチンの承認手続きなどよりも迅速に判断できる見通し。

●ワクチン予約、電話制限 NTT、複数自治体でパンク警戒

 高齢者を対象にしたワクチン接種の受け付けが本格化している。10日は多くの自治体で予約の電話がつながりにくくなり、異例の通信制限も行われた。高齢者向けのワクチン接種は、自治体から「接種券」が届いたら、電話やネットで予約する。日時の予約が「早い者順」になっているのが、予約の殺到の原因。市民が役所に詰めかけたところもあり、全国的に混乱が見られた。政府は接種を急ぐとしているが、受け付け方法の見直しが求められる。

 NTT東日本と西日本は約200自治体の番号について、発信を制限する可能性があると9日夜に予告していた。回線が混み合い、影響が通信網全体に広がって警察や消防への通報ができなくなるのを防ぐ。高齢者にはネットに不慣れな人もおり、申請を支援する独自の取り組みをしている自治体もある。また受付範囲を年齢で限定することで、集中を避けるところもあった。政府は自治体に対応を任せ。厚労省の担当者は「予約は市町村の管轄だ。厚労省から予約の仕方までは指示していない」という。

●「緊急事態宣言」の全国拡大「考慮を」 知事会が国に提言

 全国知事会は10日、オンライン会議を開き、変異株の感染が各地で急拡大しているとして、全国での「緊急事態宣言」発令の可能性を考慮するよう政府に求める緊急提言をまとめた。提言では「もはや全国での緊急事態宣言も視野に入りうる深刻な状況」と指摘。医療崩壊の危機が続く深刻な実態を踏まえて、「猛威を振るっている『変異株』に打ち勝つため、従来の枠組みを超えた強力な対策を直ちに実行されるよう強く求める」とした。

 岡山県や滋賀県の知事から「全国的な宣言が必要な時期」と訴えた。知事会の飯泉会長(徳島県知事)は会議後、「緊急事態宣言は国の制度だが、我々の立場から国を押すことも必要」と話した。また政府は、7日に「まん延防止」要請のあった茨城、石川、徳島3県への適用を見送った。提言では「知事の要請に対して適用が見送られたり、協議の段階で適用に国が難色を示したりするケースが生じている」とし、早期に感染を抑えるため、知事の要請で迅速に発動するよう求めた。

●五輪、首相改めて意欲 衆参両院予算委員会集中審議

 菅首相は10日、新型コロナ対策に関する衆参の予算委員会集中審議で、野党は「緊急事態宣言」の解除や延長をめぐる菅政権の判断の甘さを追及、「根拠なき楽観論」と批判した。東京五輪・パラについて首相は、開催実現への意欲を繰り返した。五輪開催をめぐっては、中止を求めるオンライン署名が30万筆を超えるなど、逆風が強まっている。

 立憲の枝野代表は五輪開催の可否を誰が決めるか、「命と暮らしを守るため、政府が独立して判断するものだ。我が国の国家主権そのものだ」と訴えた。首相は「主催者はIOC、IPC、東京都、組織委員会」と繰り返し、判断する立場にないと強調。枝野氏は、「国民の生命、暮らしを守ることと、五輪開催を両立させることは不可能」と述べ、中止の決断を迫った。だが首相は、「国民の生命と健康を守り、安全・安心な大会が実現できるように全力を尽くすことが私の責務」との決まり文句を繰り返す。

 立憲の蓮舫氏から、感染が確認された選手の入院先となる大会指定病院に「(国民と)選手が同時に搬送された場合、どちらが優先されるのか」などと問われても、直接答えなかった。共産の山添氏は「組織委員会が日本看護協会に500人の看護師派遣を求めていた」と指摘。そのうえで「五輪への派遣要請があっても出せないという現場の声に、正面から向き合うべきではないか」「現場の悲痛な声に全然向き合っていない」などと批判した。

●コロナ対策の決意・約束、首相果たせず

 「同じ失敗を繰り返してきた。首相は、なぜ根拠なき楽観論に立てるのか」。立憲の枝野氏は10日の衆院予算委員会で、首相のリーダーとしての責任を追及した。昨年9月の就任以降、首相は国会で強い決意や約束を口にしてきたが、果たされないことが続く。枝野氏は、3月に首都圏の「緊急事態宣言」を解除した際のやりとりで、「解除は時期尚早だ」と指摘したのに対し、菅首相は新規感染者数や病床使用率の低下を強調。「一日も早く収束することに全力を尽くすのが私の責任」と解除に自信を見せていた。

 その後、感染者が増えているのに「大きなうねりとまではなっていない」(4月12日衆院決算行政監視委)と繰り返していたが、再び宣言を出すに至った。枝野氏は10日の審議で、「(専門家の)基準に沿っているというのは言い訳にならない。専門家の知見を踏まえ、総合的に判断する責任は政治にある。それが首相の仕事だ」と語り、重要な場面で「専門家の意見」を繰り返す首相の姿勢を批判した。

 これに対し、首相は「専門家の皆さんに失礼じゃないでしょうか」と強い口調で反論。「判断の責任は全部私にあるが、途中経過は客観的な手続きをとる」とし、政府が宣言解除の目安としている「ステージ3」を見直すことには否定的な認識を示した。一方、神戸市と大阪府門真市の高齢者施設でクラスターが発生し、31人が入院先が決まらず亡くなっている。枝野氏が亡くなった方への言葉を尋ねたが、首相は「療養中に亡くなられた方、自宅待機で亡くなられた皆さんには心からご冥福をお祈りする」と語るのみ。思わず枝野氏は「それだけですか」と漏らした。

●日本の状況は「さざ波」 高橋内閣官房参与ツイート

 内閣官房参与を務める高橋洋一・嘉悦大教授が9日、ツイッターで世界各国の感染者数を比較するグラフとともに「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」と投稿した。日本の感染者数の低さを示すためとみられるが、「一人ひとりの命が失われていくことに対し、笑笑って・・・」などのネット上で反発が広がった。加藤官房長官は10日の記者会見で、首相は同日の参院予算委員会でそれぞれ「個人の主張で・・・コメント(答弁)は差し控える」と述べた。

●IOC、開催へ突進 放映料にらみ

 五輪・パラ開催へ、批判を浴びても開催に突き進むIOCの本音は、テレビ局からの放映権料。IOCは、2032年までの夏冬6大会における米国内での放映権について、米NBCと76億5千万ドル(約7780億円=当時)の契約を結ぶなど、収入の約7割をテレビ局から得ている。そしてIOCは支出の約9割を、アスリート育成や各国の五輪委員会や競技団体へ分配。東京との関係では、組織委員会に850億円の拠出金を支払っている。大会が中止で放映権者が放映権料の返還を求めた場合、組織委は拠出金をIOCに払い戻さなければならない。

 そもそも、日本の感染状況の認識について、国内の受け止めとはズレがあるとの指摘もある。組織委幹部は、「日本の感染者数はIOCの本部がある欧州と比べればはるかに少ない。日本は蔓延を防いでいるのに、なぜそんなに騒いでいるのか、という意識が根強い」と解説する。また、この幹部は「日本国内のワクチン接種が思ったより進んでいないことも、IOCにとっては誤算なのだろう」と話す。

●大規模接種、1日1万人 自民内も懸念

 政府が設置するワクチンの大規模接種センターに対して、接種目標が「1日1万人」と報じられた。自衛隊の医官や看護官の確保が、簡単ではない。センター設置と自衛隊によるワクチン接種は、首相官邸の「鶴の一声」。河野行政改革相は、5日の民放番組で「1万人になるかどうかは自衛隊の検討次第」と述べた。10日午後に開かれた自民党国防部会などの合同会議は「1日1万人」について、小野寺元防衛相が「そのような過重なことが隊員に課せられて大丈夫なのか。自衛隊の本来任務に影響を及ぼすことがないのか」と苦言を呈した。自民党内からも懸念の声が上がっている。

 大規模接種センターは東京、大阪の2カ所に24日開設予定だが、医官と看護官の派遣人数は今も未公表。全国の自衛隊病院や各部隊には医官と看護官が、約1千人ずついる。だが、中核の自衛隊中央病院(東京都世田谷区)は一般患者に開放し、コロナ患者も受け入れている。大規模接種センターに人材を回せるのか、防衛や災害対応など本来の活動に影響しないかどうか、防衛省が調整を進めている。すでに民間看護師200人を確保するため、9日に派遣会社と契約を結んだ。

●入国後の待機違反、1日最大300人

 政府が外国からの入国者に求めている位置情報の報告などをめぐり、指示に従わない人が1日最大約300人に上ることがわかった。位置情報を送信しなかったり、待機場所の自宅から離れたりする例が目立つ。10日の参院予算委員会では、立憲の蓮舫代表代行が、誓約書違反の問題を取り上げ、「300人に連絡が取れなくなって、その人が体調が悪くなったのか、感染したのか、把握できていない。市中感染につながるのではないか」と批判した。

 政府対策本部は7日、こうした入国者向けの対策強化を決めた。誓約書に違反していることを理由に、氏名公表の可能性がある旨の警告メールを送る。また、委託業者が自宅などを訪れて、所在を確認するという。ただ誓約書に違反しても、懲役や罰金などの罰則を科すことはできない。厚労省関係者は「移動の自由は憲法で保障されており、罰則を設けることは難しい」と話す。

●感染者、自宅で死亡 大阪18人 3月以降、急増17人

 大阪府は10日、自宅で亡くなった新型コロナ患者が計18人にのぼると発表した。うち17人は3月以降の「第4波」の時期で、病院で治療を受ける前に亡くなる患者が相次いでいる。病床逼迫が全国で最も厳しい大阪府では自宅療養者が急増しており、今回、府が初めて集計した。公表されたのは、医療の管理下になく、自宅や宿泊施設で亡くなった患者の合計人数のほか、年代や性別、療養状況。酸素投与や投薬治療を受けていた場合は除かれる。

 府の10日までの死者は1730人。そのうち、自宅で亡くなったのは「第3波」(10月~今年2月)は1人、3月以降の「第4波」では17人に急増した(5月7日現在)。今回、高齢者や障害者施設、宿泊施設で亡くなった患者はいない(門真市の高齢者施設の入所者13人が亡くなり、うち8人は施設で療養していたが、今回の集計には含まれない)という。年代別では60代が最多の7人で、次いで80代5人。30代も1人いた。自宅で亡くなった状況をみると、療養中10人、ホテルや入院の調整をしていた人が計8人。

 府内には10日時点で自宅療養者が1万4504人いるほか、宿泊施設での療養者が1547人、入院・療養を調整中が3302人。感染者のうち、入院しているのはわずか約1割にとどまる。一方、府が確保するコロナ病床の8割超が埋まり、特に重症病床では病床を上回る患者が発生している。

●入国時感染、インドなど3カ国が過半数

 日本に入国する際の空港や港湾の検疫で、4~5月に確認した新型コロナ感染者のうち、感染拡大が深刻なインドと隣国のネパール、パキスタンの3カ国から入国し、検疫で感染を確認した人は4月に176人(感染者の57%)、5月8日までに81人(80%)の計257人で、過半数を占めた。田村厚労相が10日、参院予算委員会で立憲の蓮舫氏の質問で明らかにした。

●重症、最多更新1152人

 国内感染者は10日現在、新たに4940人が確認された。死者は71人だった。9日時点での重症者数は過去最多だった前日を8人上回る1152人で、2日連続で最多を更新した。重症者が1千人を上回るのは10日連続。

 東京都の新規感染者は573人で、年代別では20代が148人と最も多く、30代が103人、40代102人と続いた。「人工呼吸器かECMO〈エクモ〉を使用」とする都基準の重症者数は78人で前日より5人多かった。この日の感染者数は、1週間前の大型連休中の3日の780人より少なかったものの、2週間前の4月26日425人より35%増えた。10日までの1週間平均の感染者数は779.1人で前週比は89.2%だった。大阪府では新たに668人の感染が確認され、15人が亡くなった。

【5月11日】

●ワクチン便宜「支援のお返し」 

 新型コロナワクチンの接種で、愛知県西尾市の近藤副市長がスギ薬局を展開する「スギホールディングス」(スギHD、愛知県大府市)創業者で西尾市に住む杉浦会長(70)、昭子相談役(67)夫妻の予約枠を優先確保するよう便宜を図った。市は11日、記者会見を開き、中村市長が「公平性を欠き、市民の信用を著しく損ねたことに心からおわびします」と謝罪した。

 市によると4月12日、スギHDの女性秘書から健康課に電話があり、会長夫妻の接種を「高齢者入所施設の枠でできないか」「夫妻は薬剤師なので医療従事者枠でできないか」と再三依頼があった。その後も電話は続いたので、健康福祉部長が近藤副市長に相談。副市長は便宜を図るよう指示し、高齢者の集団接種が始まる5月10日の予約を仮押さえした。だが10日に「中日新聞」から指摘を受けて、副市長が予約を取り消した。

 副市長は、スギHDからスポーツジムの無償貸与やまちづくりの包括連携協定など、「様々な形で市に支援を頂いており、何らかのお返しができないかと思った」と話した。中村市長は「通常の働きかけより重い圧力というか、プレッシャーがあったという認識」と説明。スギHDは11日午後、経緯を説明する文章を公表。肺がん手術を経験した昭子相談役を秘書がおもんばかり、早く接種できないか市に相談したことを認め、「全国の皆さまにとって不快な行為だった。深くお詫び申し上げる」と謝罪した。

●「接種予約代行」勧誘にご注意

 高齢者向けのワクチン接種の受付けが各自治体で本格化する中、「予約を代行する」という勧誘の電話を受けたといった相談が、各地の消費生活センターに寄せられている。詐欺の可能性もあり、消費者庁は注意を呼びかけている。

 消費者庁によると、全国の消費生活センターに「市の関係者を名乗る人物から『お金を出すと接種の希望日が選べる』という電話が来た」などの相談が、これまでに85件寄せられたという。優先的にワクチン接種が受けられるとして、5千円を支払ったケースもあるという。

●大規模接種37億円契約 防衛省、日本旅行などに運営委託

 自衛隊の医官、看護官が中核を担う大規模接種センターは、24日に開設する予定。菅首相の「鶴の一声」で決まった想定外の業務。民間の力に頼らざるを得ないところもあるようだ。岸防衛相が11日の閣議後会見で、民間3事業者と計36億8千万円で契約したことなどを明らかにした。

 東京会場は「日本旅行」(契約額19億5千万円)、大阪会場は「東武トップツアーズ」(9億7千万円)に会場運営などを委託。民間看護師200人の確保は、人材派遣会社「キャリア」(7億6千万円)で契約。東京会場が大阪会場よりも高くなったのは、床やトイレの改修、クーラーの設置などが改修がかさむため。

 日本旅行によると、同社はイベントの事務局や会場の手配・準備を請け負っており、140以上の自治体からワクチン接種のサポート事業を受注しているという。岸防衛相は「自衛隊は接種に専念する。受付、予約、接種記録の管理などの周辺業務は、できるだけ民間を活用することが効率的だ」と説明した。センター設置は自衛隊にとって「寝耳に水」の話。省内からは戸惑いの声も出ている。

●治療受けず死亡、3~4月で76人

 新型コロナに感染したが治療を受けずに死亡した人が全国で3月に29人、4月に47人いたことがわかった。救急搬送の行き先となる医療機関が決まらず、現場に1時間以上滞在したケースも相次いでいる。

 立憲民主党の岡本議員の質問主意書に、政府が11日に答弁書を閣議決定。都道府県別では東京で3月に10人、4月に9人。大阪で3月1人、4月15人。埼玉で3月1人、4月3人。千葉で3月2人、4月2人・・・などだった。厚労省によると、死亡後に感染が判明した場合や、感染が判明していても医療機関で治療を受けていなかった場合などが含まれるという。

●大阪死者最多55人 全国の重症者1176人最多

 国内感染者は11日現在、新たに6240人が確認された。重症者は10日時点で1176人と、3日連続で過去最多を更新した。また、大阪府で55人の死亡が確認され、1日あたりの発表数としては7日の50人を上回り、過去最多となった。全国の死者数は113人だった。感染者数は、新潟、愛知、熊本の3県で過去最多を更新。東京都の感染者は925人で、火曜日に900人超となるのは1月26日以来、約3カ月半ぶり。大阪府では974人の感染が確認された。

【5月12日】

●「緊急事態宣言」、6都府県に拡大 「まん延防止」、8道県に拡大 出口は見えず 

 東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に出ている「緊急事態宣言」は、12日から愛知・福岡両県も加わり、期限が5月末まで延長された。4月25日の宣言開始から2週間余りが過ぎたが、感染状況に大きな改善はみられず、各地で新たな感染者が増えている。解除に向けた「出口」も見通せない状態。菅首相は12日夜、首相官邸で記者団に「延長は大変心苦しい思いだが、GWが終わったいま、一番大事な時期なのでご協力をお願い申し上げます」と述べた。

 「まん延防止等重点措置」については、北海道・千葉・神奈川・埼玉・岐阜・三重・愛媛・沖縄の8道県は5月31日まで適用が続く。感染が落ち着いた宮城県は11日で解除されたが、群馬・岡山・香川の3県が12日、新たに「重点措置」の適用を求めるなど自治体から政府への適用要請が相次いでいる。

 2021/5/12時点の「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」の追加 出典:NHK WEB NEWS

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 厚労省の「専門家組織」は12日の会合で、感染拡大が改めて地方でも広がってきたことへ懸念を示した。特に「緊急事態宣言」や「重点措置」の対象となっていない岡山、広島と九州各県の名前を挙げ、「新規感染者数が高い水準にあり、かつ急激に増加・継続している」と警告。5月5日から11日の人口10万人あたりの新規感染者数では、東京都などのほかに、最も深刻な「ステージ4」相当(25人以上)が相次ぎ、群馬など14道県に。変異株への置き換わりも進み、国立感染症研究所(感染研)の推計によると、全国的に9割以上が英国型の「N501Y」に置き換わったという。

 東京五輪・パラの開催も近付く中、政権内では「長く続ければ経済への打撃が大きくなる」と、5月末に宣言を解除すべきだとの意見も根強い。 「分科会」の尾身会長は7日の記者会見で「(新規感染者数などが)下げ止まったからとすぐに解除すると、必ずリバウンドがくる。2、3週間はぐっと我慢することが時間稼ぎになる」と述べ、感染者数が下げ止まった後も、一定期間の宣言の継続が望ましいとの見方を示す。

●「まん延防止」の望み、自治体から要請相次ぐ

 「まん延防止等重点措置」適用を求める自治体が後を絶たない。12日にも、群馬・岡山・香川3県が新たに適用を要請した。適用を求める自治体の多くは、すでに酒類を提供する飲食店などへの時短要請などを独自に実施しており、「重点措置」適用を受けても実態は変わらないとの指摘もある。全国知事会の飯泉会長は12日、西村経済再生相とオンラインで話し合い、「重点措置」について「緊急事態宣言に至らないためという原点に立ち返り、空振りを恐れず知事の要請があれば応えてほしい」と訴えた。政府は13日にも関係閣僚会議を開き、新たに「重点措置」の適用を検討する

 岡山県は、病床使用率や10万人当たりの新規感染者数など、国が示す4つのステージの目安となるすべての指標で最も深刻な「ステージ4」相当に該当。伊原木知事は12日、「大型連休中の人の往来をもっと止めるべきだった」と述べた。県幹部によると、事前に国側に相談した際、県独自の対策強化などの「自助努力」を求められた。これを受け、実施中だった岡山市中心部の飲食店などへの時短要請などについて強化を検討。知事は「岡山が安全、安心という誤解で(隣県などから人が)流入してくるのを防げる」と、適用を期待する。

 香川県の浜田知事は「依然として新型コロナの感染の落ち着きが見られず、かなり高い水準で続いている。あす以降改善するかもしれないが、今の事態でそれを待っている訳にはいかない」と述べた。石川県は適用を一度見送られたが、今も「要請中」だとする。「重点措置」が適用されれば、飲食店などに時短営業が命令でき、拒否した場合は20万円以下の過料を科すことができる。石川県は、こうしたより強い措置が必要と判断。県幹部は「まん延防止が目的なのに、まん延してからしか発出されない」と不満を漏らす。

 熊本県の蒲島知事は10日に要請。この日から熊本市全域の酒類を出す飲食店を対象に午後8時までの時短営業を要請した。知事は「重点措置が適用されれば、県民へのメッセージにもなる」と述べた。10日に要請した長崎県の幹部は狙いについて、「重点措置は県独自の施策の延長線上にあるものだが、県の施策との『合わせ技』で効果が出てくることを期待する」と話す。

●政府、慎重姿勢崩さず 「後手」批判を警戒 

 政府内では12日まで、「重点措置」の拡大に慎重な声が多かった。自治体からの要請があっても、まずは独自に飲食店への時短要請などの対策に取り組むよう求めていた。西村経済再生相は全国知事会との意見交換でも、「知事判断で重点措置と同等の要請ができる。先取りした形で対応できる」と強調した。その姿勢が変化したのは12日夕方にあった厚労省の「専門家組織」の会合。分析の結果、今後状況の悪化が懸念されるのであれば、早い段階で強い措置がとれる「重点措置」にした方が良いというのが合意事項だったという。

 過去最多を更新する各地の新規感染者数の情報が、次々と政府にもたらされ、官邸幹部らに一気に危機感が広がった。対応が遅れて感染状況がさらに悪化すれば、またも「後手」批判を招きかねない。自治体の「自助」努力の必要性を訴えていた官邸幹部は12日夜、「もっと感染者が増えるようであれば、適用は十分ある」と一転。13日の感染状況もみて、必要があれば週内にも適用対象を広げる可能性を示唆した。地方への感染拡大が懸念される中、国の姿勢も変化しつつあるのだろうか。

●ワクチン接種後20人死亡  “因果関係 評価できずか評価中”

 厚労省は、新型コロナのワクチンの接種を受けた人のうち、新たに20人の死亡が確認されたと発表した。接種との因果関係については評価できないか、評価中だとしている。5月6日までに高齢者や医療従事者などに行われた接種は合わせて423万回余りで、接種後に死亡したのは39人となった。

●インドなど3カ国からの外国人、原則入国拒否 14日から実施

 政府は12日、感染が急拡大するインドと隣国のパキスタン、ネパールから入国する外国人について、在留資格を持っていても原則拒否する、と発表した。入国前14日以内にこの3カ国の滞在歴のある人が対象。14日午前0時から実施する。1日の新たな感染者数が連日30万人を超えるインドでは、要因の1つとして変異株の影響が指摘され、政府は水際対策を強化している。

 外務省によると、「日本人の配偶者」といった在留資格を持っていても、原則として入国を拒否する。日本人はこれまで通り、入国できるという。ただ、再入国の許可を持って13日までに出国した「日本人の配偶者」や「永住者」などの外国人は例外とする。3カ国からの入国者については、今月10日から検査回数を増やす強化策を導入していた。政府は12日、自民党の会合で3カ国からの入国者が、4月で約4千人に上ると明らかにした。

●英国型の変異株、感染者の9割

 12日の衆院厚生労働委員会で共産党の宮本氏の質問「なぜ全国各地で感染が再び広がっているのか」。「分科会」の尾身会長は「多くの県で感染が増加すると同時に、一部の県で感染が下火になって『二極化』している。感染者数が増える圧力は変異株の問題」と答えた。大阪府や兵庫県で猛威を振るう変異株が、急速に広がっている。

 国立感染研は、全国的に9割以上が英国型の「N501Y」に置き換わったと推計。変異株の感染力は従来株の1.3~1.9倍強いとされる。尾身氏は「マイクロ飛沫感染が感染の伝播としては重要」と述べ、飲食店などでの換気を訴えた。厚労省の「専門家組織」が12日開いた会合では、「まん延防止等重点措置」がとられていない広島県や岡山県の名前が挙がり、対象とすべきだと意見が相次いだ。

●前統幕長、「危機管理として失敗」 ワクチン対応を批判

 河野・前統合幕僚長は12日、日本記者クラブでオンラインで記者会見し、ワクチン接種をめぐる政府の対応について「危機管理として失敗」と批判した。河野氏は、自衛隊制服組トップの統幕長を2014年10月から歴代最長の約4年半務めた。

 菅首相が高齢者接種の終了目標を「7月末」と宣言した後、自衛隊に大規模接種センターを担当させ、運営が民間委託となった経過を紹介。そのうえで、「最悪の事態を考えて、そこに至らないように手を打っていくのが危機管理。その場、その場で後追いでやっている」と指摘した。自衛隊の活用については「国家安全保障会議で協議をしてやるべきだ」と語った。

 さらに、首相が東京五輪を「人類が新型コロナに打ち勝った証し」と位置づけていることに「『打ち勝った証し』という設定をしたのであれば、もっと早めに手を打ってやっていくべきだった。危機管理として失敗だった。五輪を開催する国が、クーデターでゴタゴタしているミャンマーと同レベルという話だ」とも語った。

●決算、コロナで二極化 3月期「巣ごもり需要」で差

 企業の3月期決算が発表ラッシュを迎えている。新型コロナの影響が業種などで異なり、明暗が二極化しているのが特徴。新型コロナで人の流れが消え、需要の多くを失ったのが運輸・観光や百貨店。外出自粛に苦しむ業界は長期戦になる恐れが強まっている。

 一方で「巣ごもり需要」や海外経済の回復などで利益を伸ばした企業がある。「勝ち組」が目立つのは、製造業。特に巣ごもりが特需になったのがゲーム業界。それに家電業界。在宅時に使う、エアコンや空気清浄機なども、よく売れた。テレワークなどでパソコンや周辺機器が売れているほか、冷蔵庫や調理家電を買い替える動きも出ているという。パソコンや家電の売れゆきにあわせて、電子部品の需要も伸びた。なかでも半導体は、需要急増で世界的に不足。メーカーが生産能力を引き上げたため、その製造装置メーカーも特需に沸いた。

●高齢者接種7月完了、「できる」自治体85%

 高齢者向けのワクチン接種準備状況について、政府は12日、自治体への調査結果を公表した。政府が掲げる7月末までの接種完了が「できる」と答えたのは、全国の1490自治体(85.6%)、「できない」と答えたのは251自治体(14.4%)だった。

 個別の自治体名は公表していないが、7月末までにできないとした251自治体のうち、完了が「8月中」は185自治体、「9月以降」は66自治体。東京は20自治体、大阪は4自治体が7月末までに「できない」とした。全自治体が「できる」と答えたのは岩手、新潟、富山、石川、福井、岐阜、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、山口、徳島、愛媛、長崎、大分の17府県。

●全国7058人感染 大阪、今月死者379人

 国内感染者は12日現在、新たに7058人が確認された。重症者は11日時点で1189人と、4日連続で過去最多を更新した。大阪府では50人の死亡が確認され、5月に発表された死者数が計379人となり、月別では最多となった。これまで最も多かった1月の347人を、半月足らずで上回った。東京都の感染者数は969人で、2日連続で900人を超えた。感染者数は、12日から「緊急事態宣言」の対象地域となった愛知県で679人、福岡県で635人といずれも過去最多を更新。北海道と福島・岐阜・広島・鹿児島の4県でも過去最多を更新した。

【5月13日】

●変異株、重症化リスク1.40倍 報告書まとめる 感染研

 感染力が強い変異した新型コロナに感染したケースについて、国立感染研が分析したところ、届け出があったときに重症であるリスクは、従来のウイルスなどと比べて1.40倍だったとする報告書をまとめた。この結果だけで重症化リスクを正確に評価するのは難しいとしているが「現時点では、重症度が高くなっていることを想定して対策を取る必要がある」としている。

●10万人あたりのコロナ感染者数、21都道府県で「ステージ4」相当

 新型コロナの感染状況を判断する指標の1つとなっている「新規感染者数」について、直近1週間の人口10万当たりの感染者数が「ステージ4」相当の25人を超えている都道府県は、5月12日の時点で21に上っている。このうち12の県は、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などの対象とはなっていない。

 2021/5/12時点の人口10万人あたりの感染者数(直近1週間) 出典:NHK WEB NEWS

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●北海道、感染最多712人 鈴木知事、札幌市限定で「緊急事態宣言」求める

 北海道などは13日、道内で過去最多の712人の感染を確認し、6人が死亡したと発表した。新規感染者のうち499人と死者のうち5人は、札幌市。鈴木知事は感染拡大を受け、現在は都道府県単位で発令されている「緊急事態宣言」を札幌市に限定して国に求める意向を道議会で明らかにした。道内の感染確認は、この1カ月間で急増。5月2日から12日まで連続して、「緊急事態宣言」の目安とされる「ステージ4」に該当する直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数25人を上回る。

 鈴木知事は13日夜、西村経済再生相と電話で会談し、札幌市を対象として「緊急事態宣言」を出すよう求めた。西村氏は「政府として対応を検討したい」と応じたという。また札幌市は「重点措置」が9日から適用されており、道は適用地域を小樽市や旭川市などにも拡大する方向で検討している。

●「まん延防止」、5県追加へ 群馬・石川・岡山・広島・熊本 札幌市限定の「緊急事態宣言」は見送り

 政府は13日、「まん延防止等重点措置」の対象地域に、群馬・石川・岡山・広島・熊本の5県を追加する方針を固めた。14日に専門家らによる「分科会」に諮り、政府対策本部で正式決定する。期間は16日から6月13日までとする方針。「重点措置」は現在、北海道・千葉・神奈川・埼玉・岐阜・三重・愛媛・沖縄の計8道県に適用されている。政府から適用を受けた都道府県の知事は、対象の市町村を絞り込む。

 10日時点で、直近1週間の10万人あたりの新規感染者数は群馬で27人、石川29人、岡山47人、広島32人、熊本29人で、「ステージ4」の基準25人を超えていた。前週比での増加傾向も続いている。病床使用率は群馬65%、石川83%、岡山69%、広島51%、熊本51%と、やはり同基準の50%を超えた。 

 「重点措置」が適用されながら感染状況が急激に悪化している北海道は、札幌市限定の「緊急事態宣言」を求めたが見送られた。菅首相は、13日夜、記者団に対し「先般、『まん延防止等重点措置』が適用されたばかりなので、現在の措置が有効なのか、そうでなければどのような対策が必要なのかを判断したうえで対応することが大事だ」と述べた。

 ほかにも、福島や長崎など複数の県が「重点措置」適用を要請していたが、適用は見送られた。官邸幹部は「適用しても、実際に時短への協力や、見回り体制がなければ効果はない。まずは県独自で取り組むべきだ」と話す。

●国産ワクチン、大規模治験の壁 未接種者が減り対象不足

 国産ワクチンの実用化に向け、世界中でワクチン接種が進み、未接種の参加者が集めにくくなっている。治験は、ワクチンや薬の承認を得るために必要な臨床試験で、第1~第3相試験の3段階ある。課題となるのが、未接種の人に対し、ワクチンをうつグループと、「偽薬」をうつグループに分け、効果を比較するため、数万人単位の参加者が必要な承認前の大規模治験(第3相試験)が大きな壁になっている。

 政府は対応を急ぐ考えだが、壁を乗り越えるのは簡単ではない。厚労省はほかの方法も検討しているが、科学的な知見がまだ足りておらず、難しさがある。菅首相は治験の方法だけでなく、10日の衆院予算委員会では「より速やかに承認できるような承認制度の見直しを検討する必要がある」と明言した。しかし現状では後発のワクチンの有効性を証明するには困難さがぬぐえず、最低限の安全性を確認するためにはみんなが納得できる科学的なエビデンスがなければならない。

 一方、新型コロナの流行がこのまま収まるかもわからず、既存のワクチンが効きにくい変異のおそれもある。新しく出てくる感染症にも、外国からの輸入に頼ることになく国産ワクチンの開発を迅速に対応できる技術基盤を持っておく必要がある。

●五輪・パラ期間来日 関係者9万人以下 組織委見通し

 今夏の東京五輪・パラ大会期間中に海外から来日する競技団体などの大会関係者の規模について、組織委員会の武藤事務総長は13日、9万人以下となる見通しを明らかにした。延期前は約18万人と試算していたが、私見として「18万人の半分以下を見込んでいるが(コロナ禍を踏まえ)さらに下がってもおかしくない。相当少ない数字になるのではないか」と述べた。五輪・パラに参加が見込まれる選手約1万5千人はこの人数には含まない。

 コロナ禍による延期を受け、組織委は大会を簡素化するため、国際オリンピック委員会などを通じて海外各国に大会関係者の削減を要請していた。国内では、大会開催による医療体制への影響を懸念する声が強い。地方会場を持つ茨城県、千葉県の知事らからは選手や関係者向けの病床確保に難色を示す声が上がっている。武藤総長は「専用の病床を空けて欲しいと言っているわけではない」と述べ、地域医療に負担がかからないような形で協力を求めていく姿勢を強調した。

●職場接種 接種休暇を 河野行革相、経団連に要望

 ワクチン接種をめぐり、政府内の調整を担う河野行革相は13日、経団連の冨田副会長(JR東日本会長)と意見交換した。河野氏は、企業の診療所や産業医を活用した職域での接種や、接種時の従業員の休暇取得などに協力を求めた。河野氏は、ワクチンの接種を早めるために、産業医による職場での接種や接種に伴う休暇の導入、職域接種を地域に住む高齢者が利用できるようにすることの検討も求めたという。

 また、河野氏は職域で接種する場合は、承認申請中の米モデルナのワクチンを使用する考えを伝え、EUなどで検討されているワクチンの接種証明書についても意見交換した。終了後、冨田副会長は「企業にとっても非常に重要な課題で、最大限協力したいと申し上げた」と述べた。そのうえで接種休暇については「できる限りの配慮をするように(企業に)お願いする」と語った。

●高齢者接種の完了「9、10月も」 首相「え、そんなに遅れるの!」

 公明党の石井幹事長らが13日、首相官邸で菅首相と会談し、ワクチン接種について緊急提言をした。首相は7月末までの高齢者の接種完了を掲げるが、公明の地方議員らの情報として「9月、10月までかかる自治体がある」と伝えると、首相は「え、そんなに遅れるの!」と驚いたという。会談後、党のワクチン接種対策本部の桝屋事務局長が記者団に明かした。

 政府が12日に公表した自治体への調査結果では、政府が掲げる7月末までの接種完了について、全国の251自治体(14.4%)が「できない」とし、うち66自治体が完了は「9月以降」。公明はこうした自治体に対して、個別の課題をよく把握し、支援策を展開することを要望した。

●首長の「優先接種」 高齢者より前にワクチン

 自治体の首長らが一般の高齢者らに先駆け「優先接種」を受けた例が13日、各地で次々にわかった。厚労省担当者は「首長は、一般的には医療従事者には当たらない」との見解。厚労省の接種の手引にはキャンセルで余ったワクチンについては、自治体に委ねられている。「首長自身が接種理由を丁寧に説明すること」「キャンセルによる急な接種なら事後に公表すべき」という指摘もある。

 茨城県城里町の上遠野(かとうの)町長(42)は、4月28日に接種を受けた。医療従事者に接種予定の12人分が直前にキャンセルになった。「自身が接種会場の設置者で医療従事者に準ずる。実質的に病院長と同じような立場」「接種会場で連日陣頭指揮にあたっている」と強調した。

 兵庫県神河町の山名町長(62)はキャンセル分の接種を受け、「危機管理を担う立場から接種した。町民に事前に伝えておらず信頼を裏切った」と陳謝した。13日に接種を受けたのは、兵庫県三田市の森市長(69)。市によると、医療従事者向けワクチンに余りが出たとの連絡があり、感染で市政運営に支障が出ないようにするために受けたとしている。

 岐阜県下呂市は、山内市長(63)が4月30日に接種を受けたと発表。医療従事者の集団接種でキャンセルが出たためという。大阪府河南町の森田町長(64)は今月6日に、大阪府千早赤阪村では4月30日に南本村長(66)が接種を受けた。埼玉県寄居町の花輪町長(76)は、「医療従事者など」の枠で接種を2回受けた。町によると、職員約100人が少なくとも1回受けたという。町長は取材に「接種は私が先頭に立って取り組まなければいけない。私が感染して接種される方にうつしてはいけないということで、打たせていただいた」と説明した。

●アストラ製など20日に承認判断の方針

 米モデルナ製と英アストラゼネカ製のワクチンについて、厚労省は20日に部会を開いて承認を判断する方針を固めた。部会の了承後、厚労相が承認する。モデルナ製は24日から東京都と大阪府に設置する大規模接種センターで使う。二つのワクチンはいずれも対象は18歳以上で、2回の接種が必要。

●医師ユニオン、五輪中止を要請「新たな変異株生む恐れ」

 勤務医でつくる労働組合「全国医師ユニオン」は13日、都内で記者会見し、東京五輪・パラの中止を内閣府や厚労省に求めたことを明らかにした。世界から数万人の選手や関係者が集まれば、新型コロナの新たな変異株を生む恐れがあることなどを理由としている。植山代表は、組織委員会などが無観客開催を示唆していることについては、「大きな津波が来ているのに『2階に逃げれば大丈夫』と言っているようだ」とたとえ、対策として不十分だと主張した。

 また大会への医師や看護師の派遣要請には「医療者に求められているのは医療態勢の確保とワクチン接種への協力で、スポーツ大会への協力ではない」と語り、足元の対策に注力できる環境を整えるべきだと訴えた。参加選手に対し、原則として毎日PCR検査を実施する考えが示されていることも、「検査拡充が言われてきたのに、医療や介護の従事者の定期的な検査さえできていない」と批判した。

●重症1214人 最多 感染6876人

 国内感染者は13日現在、新たに6876人が確認された。亡くなった人は101人増えた。大阪府の死者は33人だった。厚労省によると、12日時点の重症者数は1214人となり、5日連続で過去最多を更新した。重症者が1200人を超えるのは初めて。

【5月14日】

●ワクチン接種予約殺到 河野行革相「失敗だった」

 ワクチン接種で予約電話がつながりにくいケースが出ていることについて、河野行革相は「自治体が、平等性に重きを置いていると気付かなかったのは失敗だった」と述べた。「大勢の方が殺到すれば、パンクするのが見えていたため『段階的に接種券を出してください』と申し上げたが、『公平性重視だ』と言って接種券を一斉に出してしまった」と指摘した。

 国が大規模な接種センターを東京と大阪に開設することについて、 練馬区の前川区長は「非常に困惑している」というコメントを出した。「練馬区では年齢別・段階別に予約を受けるなど工夫をしてほしいとの国からの要請を踏まえて、まずは75歳以上の高齢者に接種券を送付したが、国の大規模接種が65歳以上を対象にしたため、区からの接種券が届いていない高齢者から多くの苦情が寄せられている」としている。そのうえで「17日に向けてさらに混乱することは避けられず、国の要請も踏まえ対象者を細分化したにもかかわらず、唐突に接種会場を設置すると言われても対応できない」としている。

●政府案一変、「緊急事態」 分科会が反対、北海道・岡山・広島を追加

 政府は14日、「緊急事態宣言」を新たに北海道・岡山・広島の3道県に出すことを決めた。期間は16日から5月末まで。これにより宣言は東京・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡を含む9都道府県に拡大。政府が14日の「分科会」に諮った案は、群馬・石川・岡山・広島・熊本の5県に「まん延防止等重点措置」を新たに適用する内容だった。北海道は、知事が札幌市限定の「緊急事態宣言」を求めていたが、当初案に含まれなかった。

 2021/5/16からの「緊急事態宣言」と「まん延防止」の追加 出典:NHK WEB NEWS

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 「分科会」では、北海道や岡山・広島両県への宣言適用を求める意見が出るなど了承が得られず、西村経済再生相が菅首相と相談。その後、北海道を含む3道県への宣言を再諮問し、了承された。「分科会」で政府が示した案が了承されず、変更となるのは初めて。群馬・石川・熊本の3県は「重点措置」の対象とすることが認められ、期間は16日から6月13日まで。「重点措置」の適用は10県に拡大する。適用中の千葉・神奈川・埼玉・岐阜・三重・愛媛・沖縄の7県は期限が5月末まで。

 首相は宣言の追加などを決めたこの日の政府対策本部で「北海道・岡山県・広島県においては、新規感染者数が極めて速いスピードで増加しており、専門家の議論を踏まえ、「緊急事態宣言」に追加することとした」と述べた。一方、「分科会」の尾身会長は14日夜の記者会見で、インドなどで広がる変異株について「英国で徐々にインド株が増えてきている。国内でもインド株が時々見つかっており、インド株が英国株を凌駕していくことは可能性としてあり得る」と指摘した。

●変異株への危機感背景 宣言拡大

 「緊急事態宣言」や「まん延防止」の対象地域が広がった。その背景には、変異株の全国的な拡大がある。宣言対象の3道県では、新規感染者数が極めて速い速度で増加しているのが特徴。14日朝に開かれた政府「分科会」のメンバーの一人は「(拡大理由の)一番は変異株への危機感。今までの経験が通じない印象だ」と話した。感染力が強く、飲酒を伴う会食を中心とした従来の対策では、思うような効果が得られない恐れがある。

 国立感染研によると、全国の大半の地域で、5月9日には感染の90%以上が変異株に置き換わったとみられる。多くは英国型で、従来と比べて感染力が1.3~1.5倍ほど高く、重症化リスクも1.4倍ほど高い。高齢ではない人も重症化しやすいという。変異株が流行すると、人流が抑えられても、感染はなかなか減らない。大阪府では、4月に入るころから繁華街の人出は減っていた。しかし、現在も感染者の減少傾向ははっきりせず、治療を受けられずに亡くなる人が相次ぐ深刻な事態が続いている。

●死亡で発見、感染96人 4月急増

 自宅や高齢者施設などにいた人が亡くなり、警察が事件性の確認などの対応をした事案のうち、4月中に感染が確認された人は16都道府県で96人いたことがわかった。3月の31人から3倍以上に増えており、背景に「第4波」の感染拡大があるとみられる。都道府県別でみると、大阪の39人が最も多く、兵庫21人、東京10人と続いた。年代別では、30代1人、40代7人、50代13人、60代17人、70代22人、80代29人、90代7人だった。

●全国6270人感染

 国内感染者は14日現在、新たに6270人が確認された。6千人を超えるのは4日連続。岐阜県で155人、熊本県で124人、大分県で102人の感染が確認され、過去最多。亡くなった人は81人増えた。東京都の14日の新規感染者は854人。14日までの週平均感染者数は926.3人で、前週比は120.9%だった。厚労省によると、13日時点の重症者は1209人だった。過去最多だった前日より5人減ったが、1200人を超える高い水準が続いている。

【5月15日】

●コロナ死者数、大阪で突出 4月以降、全国の3割 重症者急増

 大阪府で新型コロナ感染者の死者が急増している。1日あたりの発表死者数は2月中旬以降、1桁が続いていたが、4月下旬から急増。5月に入って15人以上が続き、11日には過去最多の55人にのぼった。府が「第4波」とする3月以降、府内の死者数は全国の2割超、4月以降では3割を超える。府は感染者の急増が死者増加の要因とみるが、病床逼迫の危機的状況も背景にあるとみられる。

 府の分析では、昨年10月10日~今年2月末の「第3波」の死者の平均年齢は78.0歳、第4波では50代以下の死者が増え、75.2歳になった。府は死者増加の要因に、感染者の急増を挙げる。4月13日~5月2日の20日間で、1日あたりの新規感染者数は4月19、26日を除き、1千人を上回った。感染者数に占める死者数の割合(死亡率)は第4波は1.0%で、第3波の2.6%より低いが、感染者数の急増に伴い死者数が増える結果になっているという。

 府は、変異株の広がりが第4波につながったとみている。重症者数の増加スピードも第3波の約3倍。病床確保が追いつかず、療養中の感染者のうち入院している人の割合を示す「入院率」は、わずか10%にとどまる(12日時点)。変異株は全国に広がり、大阪以外でも医療提供体制の逼迫が生じている。「入院率」は、大阪に隣接する兵庫県で17%、京都府で20%にとどまるほか、東京都では33%となっている。

●重症1231人最多 3道県も緊急事態

 国内の感染者は15日現在で、新たに6425人が確認された。重症者は14日時点で1231人となり、過去最多を更新した。「緊急事態宣言」の追加となる3道県のうち、広島県は238人で、12日の219人を上回って過去最多を更新。北海道は566人で、感染状況が厳しい札幌市や旭川市などでは大型店に休日の休業を求めるなど、新たな感染防止対策を決めた。岡山県は158人だった。

 5月15日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 東京都の新規感染者は772人。前週の同じ曜日は千人を超えていた。15日までの1週平均の感染者数は876.4人、前週比112.9%だった。20代が234人で最多、30代135人、40代125人、50代97人と続く。都基準の重症者数は85人で、前日より1人増。大阪府では、新たに785人の感染を確認。2日ぶりに700人を超えた。また、42人の死亡が確認された。

 岐阜県は15日、政府に「緊急事態宣言」を要請すると正式に決めた。新規感染者は9日連続で100人を超え、この日は139人の感染を確認。過去2番目の多さだった。

 5月15日時点の東京と大阪の感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 ★ ★ ★

 菅政権は「短期集中」を掲げた「緊急事態宣言」を終わらせることができず、5月7日に期限の延長と対象地域の拡大を決めた。一方で業界の圧力を受け、百貨店などの大型商業施設を緩和した。東京都や大阪府はその緩和策に応じず、国との温度差が浮き彫りになった。延長した5月末までの宣言期間で、感染状況は改善するのだろうか。

 菅首相は、17日間という宣言期間の妥当性について問われて、正面から答えずに「人流は減少している」と繰り返した。ちょうど昨秋のGoToトラベル中止の要求に対して、「移動では感染しないと提言いただいた」と繰り返した。このような説明で、コロナ禍に苦しみ様々な我慢を強いられ、また医療の現場で苦闘する人たちから、理解を得られると考えているのだろうか。

 「短期決戦」を掲げた今回の宣言では、どの程度の感染状況の改善をめざしたのか。大型商業施設も含む休業要請で感染防止の効果が上がったのか、具体的な説明は語られていない。今年1月に出した2回目の「緊急事態宣言」でも延長を繰り返した。今回の宣言では、政権内部からも2週間余では効果が分からないとの指摘が出ていたという。「短期決戦」の総括も曖昧なままの宣言の延長に、この2週間は、いったい何だったんだろうか。国民は、政権の言うことを信用できなくなっている。

 首相は7日の会見で解除の判断を、感染状況や病床使用率の指標が、『ステージ4』の脱却を目安に「総合的に判断したい」と曖昧だ。尾身会長は「『ステージ3』になり『2』の方向に下降が認められることが非常に重要だ」と厳しい。月内に、こうした目標を達成できるのか。首相は「感染対策の決め手がワクチン」とも述べ、接種を加速させる考え。だが、ワクチンを高齢者に打ち始めてから重症者を減らす効果が出るには数カ月かかるそうだ。

 一方で首相は、東京五輪開催については「人類が新型コロナに打ち勝った証し」と繰り返し強調していたが、もう言わなくなった。最近は「安全・安心の大会が実現できるように全力を尽くすことが責務だ」として開催に突き進む。五輪開催を意識するあまり、コロナ対応が後手に回り、中途半端になっているのではないか。「安全・安心の大会」よりも、感染症の脅威にさらされた「国民の命と暮らし」を守ることが最優先だ。

 政府は、新しい政策を立案する際に専門家の意見を聞くが、最終案の了解を得る段階で基本方針を変えることはなかった。「分科会」は、政府案にお墨付きを与える単なる「追認機関」と見られていた。しかし14日、菅首相が決めた方針が一夜にして変わり、北海道・岡山・広島の3道県に「緊急事態宣言」が出ることになった。専門家の危機意識が、政権の認識を変えた。このようなドタバタの政権の対応で、各地の感染拡大を抑え込めるのだろうか。

 専門家はもともと、猛威を振るう変異株の感染状況に強い危機感を持っていた。前週の7日に開いた「分科会」や、12日の「専門家組織」の会合で、北海道などで感染予防策を強化すべきとの意見を出て、政府の慎重姿勢に対し専門家の間では不満が募っていたという。14日夜の記者会見で、「見通しが甘かったのでは」と問われた首相は、いつものように正面から答えず「専門家からより強いメッセージを出すことが必要という意見があり、判断した」と語っただけだった。

 ★ ★ ★

 芥川賞作家の平野啓一郎氏が18日、ツイッターに新規投稿。菅義偉首相の政権運営について「末永く訓話として伝えられるべき」と記した。

 「能力が無いのに人事パワハラでのし上がった首相が、国家の危機に直面して、結局誰もまともな助言をしてくれる人がおらず、利権と政権維持欲と「思い」とカンだけで対処し、甚大な被害を出した、というのは、末永く訓話として伝えられるべきだと思う。彼が嘘つき前首相の後継だというのも漏れなく。」と安倍晋三前首相についても触れた。

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