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2021年4月13日 (火)

春の秩父路花めぐり

 2021年3月29日(月)、春の花を訪ねて秩父路を車で巡る。

 29日(月)の天気予報は、週末に雨を降らせた低気圧が本州の東の海上に移動し、西日本や東日本では天気が回復。関東は日差しがたっぷりと届き、気温がぐんぐん上昇し、特に関東では最高気温が25℃の夏日になるところもあるという。ただ、大陸から黄砂が飛来して霞んだ空になる可能性があるので、花粉とともに注意が必要だとか。

 この日の秩父地方の天気は、未明からの雨は止み、晴れのち曇り。最低気温は9℃、最高気温は24℃。昼間は上着を着ていると汗ばむようだ。

 

●花桃の郷(東秩父村大内沢)10:30~11:15

 「花桃の郷」に着くと、ピンク色の花桃は見頃を過ぎていた。展望台そばの駐車場を利用、協力金として300円。

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 展望台への急階段には黄色いレンギョウの花。

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 展望台から大内沢の集落を望む。満開の頃はピンク色の花桃が広がるが、白く見える桜が満開。

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 かろうじて見つけた花桃畑。

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●青雲寺の枝垂れ桜(秩父市荒川)12:20~

 若御子山のふもとに建つ岩松山「清雲寺」には約30本の桜の木が植えられており、その中でも目を引くのが1420年(応永27年)「清雲寺」創建の折に植えられたと伝えられる樹齢600年の枝垂れ桜。

 「青雲寺」周辺の駐車場は混み合っていて、やっと空きを見つけて駐車(300円)。

 境内には薄桃色と紅色に染まる枝垂れ桜は、やや見頃を過ぎているが、観光客が多い。

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 境内の近くに咲いていた花桃。ここで花桃を見られるとは。東秩父村の「花桃の郷」ではピンク色だったが、これは真っ赤な花桃。

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 桜と思ったが、これも源平花桃という品種の赤と白が混じった花桃のようだ。

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 レンギョウの花が密になって咲いている。

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 桃の木には食用の「実モモ」と、花を楽しむ園芸用品種の「花桃」の2種類がある。桃の原産地は中国、花を観賞するために改良されてきたという。日本でも江戸時代より改良が進み、数多くの品種が生まれているそうだ。桜や梅の花と間違いやすい。

 

●若御子神社(秩父市荒川)13:10~

 「青雲寺」に隣接する「若御子(わかみこ)神社」に行ってみる。

 「若御子神社」は、天平年間(730)頃に若御子山の頂に、神日本盤余彦尊(かむやまと いわれひこのみこと、後の神武天皇)を祀ったことが始まりとされる。

 階段を上がって左手に、拝殿がある。

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 拝殿の前から、鳥居と神楽殿を見下ろす。ソメイヨシノが満開。

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 拝殿へ向かう階段を上がって、そのまま真っすぐ歩いたところに、奥社参道入口があった。

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 奥社のある若御子山(標高735m)へは、ここから左手に山道を登っていくことができる。この先は、「クマ出没注意」の看板がある。このような注意看板は、秩父の人里でもよく見かける。

 5分ほど徒歩で登ったところに、県指定天然記念物「若御子断層洞」という断層面が露出している洞があるそうだ。洞内への一般の立ち入りはできないそうだ。次に来た時にでも登ってみたい。

 境内にカタクリが群生していて、ちょうど目の高さの石垣の上にも咲いていたので撮影しやすかった。

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●白砂公園(秩父市吉田)14:35~13:35

 近くの公園駐車場(無料)に車を止め、悪魔払いの獅子舞で知られるという「諏訪大神社」の境内を抜け、裏山の遊歩道を登る。

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 「白砂公園」には、遊歩道(木橋)が整備され北向き斜面1,000平方mの広さに、約5,000株のカタクリの花が咲くという。

 群生するカタクリの花は、ちょうど見頃。

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 木橋の遊歩道を更に登ると、南向き斜面に砂岩が露出した小高い丘の頂上に出る。眺めも良く、正面に三角形の「武甲山」がよく見える。

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 滑らないように注意しながら、砂岩の斜面を下るとやがて、諏訪大神社に戻る散策コースとなっていた。

 公園の説明板によると、

 「この公園は医師石川貞蔵氏が私財を寄付し、憩いの場として整備した公園です。県内でも珍しい奇岩で白砂砂岩と呼ばれ、第三紀牛首峠層に属する花崗岩砂岩です。松・ツツジ・カタクリなど園内全体が県の自然環境保全地域に指定されています。」

 とある。

 カタクリ(片栗)は、山地の林間に群生する小さな春の野草。中部地方以北に多く、九州・四国ではあまり見られないようだ。昔は球根で片栗粉が作られていたという。

 

●龍生会館(秩父市吉田)15:43~16:45

 帰りに、近くの「龍勢会館」に寄る。

 「白砂公園」から徒歩15分、車で5分ほどの所の道の駅「龍勢会館」がある。道の駅には、神事として継承されてきた手作りロケットの「龍勢祭り」を展示した「龍勢会館」、「井上伝蔵邸」と「龍勢茶屋」がある。


 「龍勢茶屋」は休憩・食事がとれ、農産物直売所となっている。

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 中央と左の建物が「龍勢祭り」を展示した「龍勢会館」、右の建物は、秩父事件の映画「草の乱」を撮影した「井上伝蔵邸」、秩父事件の資料館を公開(入館料200円)している。

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 「井上伝蔵邸」はスキップして、「龍勢会館」に入館(入館料350円)。大型スクリーンによる「龍勢祭」の映像を視聴(約15分)。

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 龍勢の製法の展示。

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 龍勢の先端部分。先端部分には、ショイモノ(背負い物)が取り付けられている。唐傘、吊し笠などで、これらは龍勢が上空に昇りつめた時、ひらひらと落ちてくるように仕掛けられる。

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 龍勢の筒の構造。松の丸太を縦に割って中をくりぬく。割った松材を合わせて竹のタガを嵌め、火薬を詰める。

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 打ち上げやぐらの実物大模型。傘のような物は、龍勢に仕込んで上空に昇りつめた時、開く落下傘。

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 本ブログの関連記事

  「春の秩父路」2019年4月7日投稿

   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-3438.html

 

 ★ ★ ★

●若御子断層洞

 秩父市の荒川上田野にある「若御子神社」の境内から急な山道を登っていくと、神社から南に100mの場所に、「若御子断層洞」という洞窟があるそうだ。洞窟内部は、立ち入り禁止になっているという。断層洞の開口部のすぐ正面の岩壁に、テカテカした「鏡肌(かがみはだ)」を観察できる。鏡肌は、断層がずれたときに、岩石の割れた面が擦り合わされてできたもので、表面には線状のすり傷がある。洞窟はこの断層面にそって延びている。

 1958年(昭和33年)に調査開発されたこの断層洞は、秩父帯の硬いチャートが断層の動きによって破壊され、断層破砕帯の角礫・粘土が、地下水により運ばれて洞窟となったと考えられる。この断層は秩父山地と秩父盆地との境界を通る「日野断層」のうちの一つ。「若御子断層洞」の他にも、大小いくつかの断層洞があるという。これらは、「若御子断層洞及び断層群」として、埼玉県指定天然記念物に指定されている。

 「若御子断層洞」は、NHKテレビ「ブラタモリ」#79秩父 ~秩父はず~っと 日本を盛り上げた!?~ で、2017年7月15日(土)に放送された。視聴したが、非常に興味深いものだった。日野断層自体の落差は1,000m以上におよび、他にその例を見ない断層洞窟であり、秩父盆地の地質学的歴史をみる上で貴重なものとなっているという。


●龍勢祭り

 龍勢は、秩父市下吉田 の「椋(むく)神社 秋の大祭」に奉納する神事として、代々伝承され続けてきた「手作りロケット」。火薬の噴射によって約500mの高さまで上昇するもので、土地の古老より構造や火薬の取り扱い方などを伝承した若衆が製造する。

 伝承技術の相違によって27流派がある。松の木の丸太をくり抜き火薬を詰めた筒には、ショイモノ(背負い物)が取り付けられる。唐傘、吊し笠、発煙筒などで、これらは龍勢が轟音とともに天高く打ち上げられ、上空に昇りつめた時、ひらひらと落ちてくるように仕掛けられる。各流派がそれぞれが秘伝と独特の工夫をこらすため、各龍勢も個性的なものに仕上がり、打ち上げられると独創性の仕掛けを披露する。

 観客が打ち上げの成功を一喜一憂する中、朝から夕方まで10数分おきに30数本の龍勢が打ち上げられる。毎年10月の第2日曜日に実施される。「龍勢会館」での祭りの映像を見ると、最近では大きな落下傘で矢柄を吊り下げる「矢柄止め」などが多く見られ、煙火も派手になって来ているようだ。

 「龍勢」の名の由来は諸説あるが、一つには打ち上げられたロケットがまるで龍の如き勢いであったことから、そう呼ばれるようになったという。通称、農民ロケットとも呼ばれている。1997年、埼玉県の無形民俗文化財に指定。2018年には、「秩父吉田の龍勢」として正式に国の重要無形民俗文化財に指定された。

 「龍勢」生の打ち上げの様子 出典:ウィキメディア・コモンズ

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