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2021年4月の6件の投稿

2021年4月25日 (日)

新型コロナ2021.04 まん延防止

 新型コロナウイルス感染拡大「第3波」に対する「緊急事態宣言」は、首都圏4都県を最後に3月21日全面解除された。しかし3月中旬頃から、東京都や大阪府、兵庫県などを始め、地方でもリバウンドに向かい、水面下では変異株(ウイルス)も広がっている。4月5日、感染者が急増した大阪府・兵庫県・宮城県に「緊急事態宣言」に準じた「まん延防止等重点措置」が初めて適用。12日から東京都・京都府・沖縄県の3都府県も加わった。


 2021年4月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.03 全面解除」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【4月1日】

●独・ベルリン、買い物客に陰性結果提示義務づけで賛否の声

 ベルリンでは3月31日、生活必需品を販売する店以外で買い物をする際に、当日の抗原検査などで陰性提示を義務づけられた。陰性と証明すれば、これまで必要だった事前の予約なしに買い物できる。ショッピング街の検査場には大勢の人が訪れた。新たな対策について市民からは「より安心できるよい取り組みだ」と評価する一方、「手間がかかるのでやりたくない」という否定的な声も聞かれた。メルケル首相は、より厳しい措置が必要だとしている。

●仏、変異ウイルス拡大 外出・営業の制限全国に 学校も閉鎖へ

 フランスのマクロン大統領は4月3日の夜から住民の外出や小売店の営業を制限する措置を全国に広げるほか、これまで対面での授業を続けてきた学校も5日から閉鎖すると発表した。制限措置は、これまでパリや北部の地域などで行われている。フランスでは変異株の感染が拡大し3月31日の感染者数が5万9000人を超えたほか、5000人以上が集中治療室で治療を受けていて、医療現場からは対策の強化を求める声が上がっている。全土での外出制限は、去年の春と秋に続いて3度目。

●「まん延防止等重点措置」、大阪・兵庫・宮城に適用決定 5日から

 政府は1日の新型コロナ対策本部で、大阪府、兵庫県、宮城県に対し、「緊急事態宣言」に準じた特別措置法の「まん延防止等重点措置」(まん防)の初適用を決めた。対象地域は大阪市、神戸市、西宮市、尼崎市、芦屋市と仙台市の計6市となる。5日から大型連休が終わる5月5日までの31日間、飲食店の午後8時までの時短などに取り組む。菅首相は対策本部で「地域を絞った重点的措置を機動的、集中的に講じて、感染を封じ込めていく」と、適用への決意を語った。

 「まん防」は、「緊急事態宣言」の目安となる感染状況が最も深刻な指標「ステージ4」(感染爆発)に至るのを避けるための予防措置で、その手前の「ステージ3」(感染急増)が適用の目安。政府が対象の都道府県と期間を定める。適用を受けた知事は対象となる市町村を絞り込み、感染対策をとる。知事は時短営業を要請・命令でき、命令に違反すれば20万円以下の過料を科す。時短要請に応じた飲食店には協力金として、中小企業は売上高に応じて1日4万~10万円、大企業は売上高の減少額に応じて1日最大20万円が支払われる。

●3府県、時短前倒し要請へ

 政府が「まん延防止等重点措置」の適用を決めたのを受け、大阪府は1日夜、対策本部会議を開いた。「まん防」の対象地域は大阪市内とし、5日から5月5日まで飲食店などに午後8時までの営業時間短縮を要請することを正式に決定。「マスク会食」の徹底や、感染防止のアクリル板の設置を店に求めることも決めた。

 兵庫県は、井戸知事は1日、「まん防」の要請理由を「この3日間の感染者が200人前後になったこと。大阪との交流圏で、足並みをそろえさせていただくことが基本スタンス」と説明。宮城県の村井知事は1日夜、「まん防」の対象区域について「仙台市をまず抑え込むことが重要」と述べた。2日に市町村長会議を開き仙台市以外の対象を検討、3日に県対策本部会議で正式に決める予定。宮城県は3月18日、県独自の「緊急事態宣言」を出した。25日には仙台市内の飲食店に午後9時までの時短を要請した。

 大阪府 吉村知事、兵庫県 井戸知事、宮城県 村井知事 (出典:府県ホームページ)
Yoshimura_hirofumi_osaka_pref Idoi_hyogopref_t村井嘉浩・宮城県知事 出典:宮城県ホームページ

●吉村知事「大阪市での聖火リレー中止すべき」

 大阪府の吉村知事は1日、4月14日に大阪市で予定されている東京オリンピックの聖火リレーについて、大阪市を「まん延防止等重点措置」の対象地域とすることを踏まえ、中止すべきだという考えを示した。府の大会実行委員会で方針を決定し、大会の組織委員会に提案する方針。一方、大阪市以外の府内の地域で予定されている聖火リレーについては、感染対策を徹底したうえで実施したいという考えを示している。

●製造業景況感、コロナ前に回復 3月短観 非製造業は改善鈍く

 日本銀行が1日発表した3月の「短観」は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が3四半期続けて上向いてプラス5だった。非製造業も小幅に回復したがマイナス1にとどまる。製造業はコロナ禍前の水準へ戻った一方で、非製造業は打撃が残り、業種間の回復の格差が広がっている。DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いた指数。調査期間は2月25日~3月31日で、「緊急事態宣言」が再び出た時期と重なる。

 円安を追い風に輸出が好調な製造業は、昨年12月の前回調査から15ポイントも改善、特に「自動車」が23ポイント改善してプラス10。非製造業の改善幅は4ポイントと小さかった。「宿泊・飲食サービス」は前回マイナス66から今回マイナス81に悪化。「不動産」「情報サービス」などは回復。対面型サービス業のように低迷したままの産業もある。景気回復は二極化が進む。製造業の回復が好感、対面型サービスは苦しいままで、雇用不安が続く。中小企業は製造業マイナス13、非製造業マイナス11と依然低い。大企業と中小企業の差も目立つ。

●政権誤算、しぼむ「攻勢」 「五輪機運で浮揚」、見通せず

 「まん延防止等重点措置」(まん防) を出すのは今回が初めてで、実効性は分からない。大阪では、2月末の宣言解除後も午後9時までの時短営業を継続していたが、繁華街などの人出は増加傾向。「まん防」は、「緊急事態宣言」に比べ国民に行動の変化を促す効果が低いとみられる。政府関係者は「中途半端な制度だ。国民が『まん防慣れ』してしまうと、次に「緊急事態宣言」が出た時の効果が薄れる」と語る。

 「まん防」を4月早々に適用せざるを得なかったのは、政権にとって大きな誤算となった。最大で11都府県に出ていた「緊急事態宣言」が全面解除されたのは、10日前の3月22日。官邸幹部らが「これで内政や外交に力を入れられる」と意気込んでいた矢先だった。政治日程が縛られる可能性もある。首相周辺は「解散は当分ない」と話す。早々に感染再拡大を招いた現状に、政権の責任はないのか。1日夜に記者団に問われた首相は「とにかく感染拡大を阻止することが一番大事だ」と述べ、自らの責任には答えなかった。

● コロナ感染者、2日連続2500人超 全国的に高い水準

 新型コロナの国内感染者は1日で、新たに2606人が確認された。感染者数が2500人を超えるのは3月31日の2843人に続き、2日連続となった。大阪府、兵庫県、宮城県に対して「緊急事態宣言」に準じた「まん延防止等重点措置」(まん防)の初適用が決まる中、感染者数は全国的に高い水準で推移している。

 「まん防」の対象地域では、大阪府で過去4番目に多い616人が確認された。600人を超えるのは、629人だった1月16日以来。兵庫県は199人で、3日連続で200人前後の多さで推移。3月31日に過去最多の200人が確認された宮城県は133人だった。増加傾向が続いている東京都では475人で、3月31日の414人に続き、2日連続で400人を超えた。

【4月2日】

●ファイザー「半年後も効果」 ワクチン 南ア変異株にも有効

 米ファイザーと独ビオンテックは1日、共同開発したワクチンの発症を防ぐ効果が半年後も91.3%だったと発表した。重症化を防ぐ効果についても、95~100%あると確認できたという。また南ア型の変異株にも効果があるという結果も同時に公表した。これまでも2社は有効性のデータを出していたが、ワクチン接種から半年後の詳しいデータを出すのは初めて。短期間で効果がなくなると、再度ワクチン接種が必要になるという懸念があった。

●接種年齢 国が引き下げ検討 12〜15歳でも有効性

 新型コロナワクチンについて、 国内で承認されているファイザー製のワクチンは、16歳以上が接種対象で、承認審査中のモデルナ製とアストラゼネカ製は18歳以上が対象となっている。ファイザーなどが12~15歳でも有効性が確認できたと発表したことを受け、厚労省は、「16歳以上」としている国内の接種対象年齢を引き下げる検討を始める。田村厚労相が2日、記者会見で明らかにした。

 ファイザーなどによると、12~15歳の2260人を対象とした新たな臨床試験(治験)で、有効性は100%だったという。厚労省はデータの提供を受けたうえで、医薬品の審査をする医薬品医療機器総合機構や省内の専門部会に議論を求める。人種の違いなどを評価し、国内でも治験が必要かどうか、判断することになる。

●尾身会長「第4波に入りつつある」 「まん防」使いません

 政府「分科会」の尾身会長は、2日の衆議院厚労委員会で「重大なリバウンド(感染再拡大)の山に向かっていることは間違いなく、いわゆる「第4波」に入りつつあるという言い方で差し支えない」と述べた。また、変異株について「関西で広がる英国株が首都圏に来ることはほぼ間違いない。早晩、東京でも英国株が主流になる可能性がある」と指摘した。

 「まん延防止等重点措置」の略称について、尾身会長は2日の衆院同委員会で、これまで自身も使ってきた「まん防」を今後は用いない考えを示した。『重点措置』と使った方がいいと思う」と述べた。立憲民主党の山井氏が「「まん防」と略するのは良くないという指摘がある」と質問。魚のマンボウを連想させ、「ちょっとゆるいイメージがある」とも指摘した。

●感染飛び火、地方警戒 長野など時短要請 愛媛「第4波入った」

 リバウンドの動きが、東京や大阪といった都市部以外でも加速している。自治体独自の判断で飲食店などに営業時間の短縮や休業を要請するところも出始めた。地方での感染拡大は、病床使用率をすぐに押し上げるリスクがあり、警戒感は高まっている。長野県の阿部知事は先月31日、「飲食店での感染の連鎖が目立つ」と述べ、2日から長野市で酒類を提供する約1300店を対象に、時短営業や休業を要請すると表明。長野市の先月30日の1週間の感染者数は118人、前週比で1.6倍。同市を含む県北部の病床使用率は、約70%に達した。

 愛媛県は、療養・入院者数が2日時点で342人、「ステージ4」に迫る。中村知事は「第4波に入った」と、1日から約1700店に時短営業を要請。松山市のバー・キャバクラで変異株クラスターが発生。感染者は1日時点で197人。知事は「変異株はあっという間に広がる」と危機感を示す。香川県高松市では、プロバスケットチームの選手・スタッフ計10人が感染。クラスターが発生した佐賀のチームと3月に佐賀県で戦った。新年度を迎えるにあたり、大阪や愛媛から転居した学生の感染も判明。浜田知事は、来週以降に時短営業を要請する方針。2日の会見で訴えた。「感染者が増えている都市部の影響が及んでいる。往来を禁止しない限りその影響の遮断は難しい」

 長野県 阿部知事(県ホームページ)、愛媛県 中村知事(同左)、香川県 浜田知事(浜田恵造オフィシャルWebサイト)

Abe_naganopref20200601_hp_governor_photo中村時広・愛媛県知事 出典:愛媛県ホームページHamada_kagawapref04_t

●年度替わり、人の移動響く 都市部と往来、関西では変異株顕著

 第3波で「緊急事態宣言」が出なかった地方でもこれまで経験したことのない「大きな波」に見舞われている。人の移動を端緒に、飲食などを介して広がった可能性が指摘されている。近隣の都市部からの「飛び火」が原因と、東京医科大病院の濱田特任教授(渡航医学)はみる。「転勤や就職、進学などで人が移動。第3波が終わり切らないうちのリバウンドで、地方への飛び火が各地で発生した」と警鐘を鳴らす。引っ越しなどで違う地域から移動した人は一定期間、会食などを避けることも対策の一つ。

 関西では変異株の割合が顕著に増えている。変異株のクラスターが発生した松山市は関西圏と地理的に比較的近い。一方、宮城など東北地方では従来株の拡大が顕著。「首都圏や関西から地方への往来の中でまず繁華街や飲食店に、さらに市民生活へと広がったのだろう」という。市中へと感染が広がる過程で、長野市や宮城県内では院内感染も発生。病床逼迫に拍車をかける。

●変異株急増なら「東京、来月末に再宣言水準」 東大准教授ら推計

 感染力が強い変異株が蔓延すると緊急事態の早期再宣言が避けられないうえ、膨大な経済的損失が生じかねないなどとする推計を東大経済学部の仲田准教授と藤井特任講師がまとめた。変異株の感染力は、従来株の1.5倍と仮定。英国のように急激に変異株が増えた場合、東京都では約4カ月でほぼ変異株に置き換わるという。5月末には1日あたりの感染者が1千人を大きく超え、再宣言が必要な水準になる。宣言解除後も再び波が訪れ、今年末には再度宣言が必要になるという。

 宣言に伴う経済損失も推定したところ、従来株なら7千億~8千億円だが、変異株だと6兆~7兆円と桁違いになった。変異株にはより強い対策が必要となり、経済の落ち込みが大きくなる。また関西と関東の地域差も浮き彫りになった。東京都では今後3~4週間以内の変異株急増は考えにくいが、大阪府では既に変異株の増加の影響がみてとれる。仲田氏は、「関西の変異株リスクが関東より高い現状では、県境を越えた人の動きを推奨すべきではない」と指摘している。

●国内2763人感染 大阪613人 東京440人

 国内の感染者は2日で、新たに2763人が確認された。「まん延防止等重点措置」の適用が決まった大阪府は613人と、2日連続で600人を上回った。宮城県では116人が確認された。村井知事は、接待を伴ったり酒類を提供したりする飲食店について営業時間の短縮を求める範囲を県内全域に広げる方針を示した。これまでは仙台市内に限っていた。

 このほか新たな感染者は、東京都で440人にのぼった。400人を上回ったのは3日連続。2日までの1週間平均の感染者は381.4人で、前週比は115.5%だった。愛知県は145人が新たに感染したと発表。140人を超えるのは1月29日以来となった。沖縄県は103人だった。

【4月3日】

●変異株 欧州再び分断

 変異株が猛威を振るう欧州で、域内の入国規制が再び強まっている。ロックダウン(都市封鎖)に踏み切っても、変異株による第3波が収束する気配がないため。夏の観光シーズンを控え、ワクチンだけが頼みの綱。変異株はフランスで感染拡大を続け、ドイツは3月26日、フランス全域からの入国者に陰性証明を課すことを決めた。

 英国のジョンソン首相は3月24日、フランスとの国境管理強化を検討すると表明。入国者にホテルで10日間の隔離を課し、1750ポンド(約27万円)の費用を負担させる可能性もある。ベルギーは1月末以来、不要不急の出入国はEU域内であっても禁じている。ノルウェーも同月末から、入国者を原則、同国在住の外国人に限っている。EUは夏の観光シーズンをにらみ、接種したことを示すEU共通の「ワクチン証明書」を6月中旬までに実用化させる方針。

●接種済みの旅行 米CDCが緩和

 米国で新型コロナワクチン接種が進み、効果も確認されていることから、米疾病対策センター(CDC)は2日、ワクチン接種を完了した人が旅行した場合のウイルス検査や自主隔離に関する基準を緩和した。CDCが更新した一般向け指針では「ワクチン接種が完了していれば、旅行しても感染したり、感染を広げたりする可能性は低い」となった。

 国外へ渡航する場合は、目的地が求めていなければ事前の検査は必要ない。帰国時は事前の陰性証明が必要で、到着後3~5日の検査も求めるが、自主隔離は必要ないとした。公共交通機関でのマスク着用は引き続き必要だとしている。

●全国で新たに2772人が感染 大阪は過去最多を更新

 国内の感染者は3日、新たに2772人が確認された。「まん延防止等重点措置」の適用が決まった大阪府は666人で、これまでの最多だった1月8日の654人を超えた。5日連続で東京都を上回っている。人口10万人あたりの直近7日間の新規陽性者数は39.27人で、政府の分科会が最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」の目安とする「25人以上」を大きく上回った。

 同様に重点措置が適用される兵庫県は206人、宮城県は136人の感染を確認。仙台市の医療圏の病床使用率は、1日時点で9割を超えているという。東京都は446人の感染を確認。3日までの1週間平均は383.7人となり、前週比111.9%となった。沖縄県は117人で、2日連続で100人を超えた。死者は全国で計8人が確認された。

【4月4日】

●仏、変異株拡大 全土で3度目の外出制限

 フランスでは、1日の感染者数が6万人近くに上る日もあるなど感染が拡大、仏政府はパリなどの外出や小売店の営業を制限する措置を、3日夜から全土に拡大した。全土での外出制限は去年の春と秋に続いて3度目で、4週間にわたって行う。また5日からは学校の閉鎖にも初めて踏み切り、対面授業は3週間行われない。ただ過去2回とは異なり、日中は自宅から10キロ圏内の移動は自由で、効果を疑問視する声も。合わせて集中治療室の病床を現在の7000から1万以上に増やす方針。

●第3波、死者7400人 高齢者施設の感染 2波までの5倍

 国内で新型コロナに感染して亡くなった人は、空港や港湾での検疫やダイヤモンド・プリンセス乗船者を除くと、死者は3月末までに9173人。「第3波」の昨年11月以降で7404人、死者全体の8割を占める。感染が急拡大した北海道、東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫の8都道府県で4分の3を占める。高齢者施設での集団感染が「第2波」までの5倍に増え、医療機関では3倍に増えた。大都市では死者の過半数がこうした場所で感染していた。

 厚労省によると、「第3波」の死者は60代以上が96%。中でも80代以上が多く、67%。死者が急増した要因の一つは、高齢者施設や医療機関で感染が広がったこと。厚労省が公表したデータを集計すると、今年3月末までで、高齢者施設で2人以上が感染した集団感染は1176件、医療機関で992件。昨年10月末までの累計と比べて、高齢者施設で5倍、医療機関で3倍になった。一方、飲食店は1064件で2倍にとどまった。

●コロナ宿泊療養者、投票できず

 宿泊療養中の新型コロナ患者が投票できない事態が、各地の地方選挙で相次いでいる。患者は、発症から10日程度はホテルから外出できず、「不在者投票」などの制度も現実にそぐわないため。感染拡大防止との両立も難しく、今秋までにある衆院選で実質的に投票権を奪いかねないとして、自治体からは法改正を求める声が上がっている。11日に投開票日を控える福岡県知事選。県選挙管理委員会は3月の県議会で「宿泊療養中の投票は現実的に難しい」と説明した。

 総務省は3月10日、コロナ対策として宿泊施設に「期日前投票所」や「不在者投票記載場所」を設けた場合には、投票が可能と、今月25日に衆参の補欠選挙や再選挙を控える県選管に通知した。だが、こうした対応は「コロナ禍では現実的ではない」と、地方選挙の実務を担う自治体の間に広がっている。宿泊療養者が投票できないのは、選挙権が損なわれている状態で、憲法違反の恐れがある。国会は、コロナ特措法の改正時に公選法も見直し、郵便投票など療養中のコロナ患者の投票環境を整えるべきだった。

●COCOA委託先増加 接触アプリ 関連企業7社に

 不具合が相次いでいた新型コロナ感染者の接触通知アプリ「COCOA(ココア)」について、政府は4月1日から、運用の委託先を変更した。委託先は業務を再委託しており、関係する企業は従来の6社から7社に増えた。政府は不具合を防ぐためにも業務体制を見直したが、関係企業を減らすことは出来なかった。厚労省は企業が減らなかったのは、「一つの業者のみで進めると、人件費などが非常にかかり総コストがあがってしまう」としている。

 ココアの不具合は、業務の委託が繰り返され、関係企業が増えたことが一因。政府が事業の全体像を十分把握できず、責任の所在もあいまい。4月2日現在約2659万件がダウンロードされているが、陽性者数のごく一部しか登録されてなく、効果も不透明。厚労省はこれまでの不具合原因を調査しているが、現在もどの企業の作業がどう影響したのか分かっていない。政府が業務を民間に頼る背景には、ITなど専門性を持つ人材が役所に少ないことや、民間のノウハウを生かしてコストを抑える狙いもあるというが・・・。

●大阪593人感染、日曜で最多 全国2471人

 国内の感染者は4日、新たに2471人が確認された。1週間前の日曜日と比べて686人増え、東京や大阪など都市圏を中心に増加傾向が続いている。国内の新たな死者は12人だった。大阪府の感染者は593人。500人を超えるのは5日連続。日曜日に発表された感染者としては過去最多で、1週間前の日曜日(3月28日)と比べ270人増えた。同様に重点措置の対象となる兵庫県は211人で2日連続で200人を超え、宮城県では80人の感染が確認された。

 東京都でもリバウンドの傾向が続いている。4日に確認された新規感染者は355人。「緊急事態宣言」下の最終日だった2週間前の日曜日(3月21日)と比べて99人増え、1週間前の日曜日と比べても42人増えた。都内の4日時点の1週間平均の新規感染者数は389.7人と、前週比で111%。市中感染の広がりを示す検査の陽性率(週平均)も3%台で推移してきたが、2日時点で4.3%まで上昇し、2月中旬の水準まで上がっている。

【4月5日】

●「まん延防止等重点措置」大阪、兵庫、宮城に適用開始

 「まん延防止等重点措置」が5日から、大阪、兵庫、宮城の3府県の計6市で初めて適用される。大阪府は大阪市を、兵庫県は神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市をそれぞれ対象地域として、大型連休が終わる5月5日までの31日間。3府県は対象地域の飲食店などに午後8時までの営業時間の短縮要請を行う。宮城県の営業時間短縮は、仙台市内での営業は午後8時まで、仙台市以外にも拡大して午後9時までとしている。

 大阪府は、飲食店などの時短要請のほか、客への「マスク会食」の呼びかけ徹底、アクリル板や店内が換気されているかを測るセンサーの設置などを求める。対象の全約6万店の見回りを行う。兵庫県は、対象の約1万6千店の見回りを行う。宮城県と仙台市は5日夜、市内の飲食店の立ち入り調査を合同で始めた。対象は市内の約1万店で、事前通告なしに訪問し、対策が不十分な場合は改善を要請する。

 一方、3府県では重症の入院患者が急増。大阪府の吉村知事は5日、「右肩上がり、垂直に近い状態」と危機感を示した。宮城県内でも仙台市とその周辺で病床逼迫に拍車がかかる。村井知事は3日にあった県の対策本部会議で「入院の受け入れ調整に困難をきたしており、極めて厳しい状況」と危機感を口にした。

●マスクで会食、戸惑いも 「義務化」の大阪府、見回り開始

 「まん延防止等重点措置」の適用に伴い、大阪府は5日、「マスク会食の義務化」に乗り出した。飲食店や客には戸惑いが広がるが、感染防止効果はあるのだろうか。5日夕には、府と大阪市の職員40人が2人一組の20班に分かれ、大阪市内の飲食店で感染対策が取られているか見回りに向かった。5月5日まで、市内約4万店を回る。松井市長は出発式で「摘発が目的ではない。協力してくれる店舗を増やして」と呼びかけた。

 大阪・キタの居酒屋松屋は5日、店先に「マスク会食のご協力お願いします」の貼り紙。店の代表は「できる限り行政の要請や指導に従って営業する」、大声で会話している客がいれば「マスクつけて」と注意するつもり。ただ、効果を疑問視する声も。松屋の常連客は「つけたり外したりで、逆にマスクが汚れる可能性もある」と話した。ミナミのおでん屋で、数組いた客はマスクせずに会話していた。20代の男性店長は「マスク会食をお願いするのは、なかなか難しい」と声をひそめた。

●インド、1日の感染者初めて10万人超える

 インドで、1日の感染者が初めて10万人を超え、これまでで最も多くなった。特に感染が深刻な西部マハラシュトラ州では5日から夜間と週末の外出が制限されるなど感染対策が強化されている。インドではことし1月からワクチンの接種が始まっていて、これまでに人口のおよそ5%が少なくとも1回の接種を受けているが、インド政府は接種のペースをあげて感染を抑え込もうとしている。

●北朝鮮が五輪不参加表明 ソウル以来「コロナから選手保護」

 北朝鮮のオリンピック委員会が、東京五輪への不参加を決めた。北朝鮮体育省のウェブサイト「朝鮮体育」が5日付の記事で伝えた。「新型コロナから選手たちを守るため」だとしている。北朝鮮は、新型コロナ感染者は国内に1人もいないと主張し、中国やロシアとの間で人の往来を厳しく制限するなど、国境の封鎖を続けている。北朝鮮が五輪への不参加を決めたのは、ソ連や東欧諸国などの共産圏がボイコットした1984年のロス五輪や1988年のソウル五輪以来となる。

●高齢者のワクチン接種へ 課題抱え始動

 12日に始まる高齢者へのワクチン接種を前に、今週から全国の自治体にワクチンが順次届けられる。政府は初回配布の数量を限定し、接種現場の運用を確認したうえで配布を拡大していく考え。対象となる65歳以上の高齢者は約3600万人。米ファイザー製のワクチンが使われ、3週間の間隔をあけて1人2回接種する。住民票のある自治体で受けるのが原則、接種券などが届く仕組み。会場となる体育館や医療機関などを選び、電話などで予約する。

 今週は、人口の多い東京、神奈川、大阪の3都府県に各4箱、その他の道府県に2箱ずつの計100箱(約10万回、約5万人分)が届く予定。全国の市区町村に少なくとも1箱届くのは26日の週で、本格的な接種はその後、各地で始まる。政府は5月下旬までに半数に当たる約1800万人が1回接種できる量を配送する計画。6月末に2回分すべてを届けるとしている。「第4波」の脅威が指摘されるなか、接種に向けた課題も多い。

●ワクチン効果、時間との闘い

 厚労省によると、コロナ感染時の致死率は60代で1.4%、70代4.8%、80代以上12%。集中治療室の治療や人工呼吸器の導入割合も、60代以上で急激に増える。「第3波」では、高齢者施設などで集団感染が起き、多くの死者が出た。英国での有望な報告がある。今年1月末までに70歳以上に400万回以上の接種が行われた。2月末までの高齢者のコロナ死者数が、6100人少なかったと推計された。米国の報告では、昨年12月中~下旬、接種が行われた介護施設と未実施の同地域の施設を比較した。接種3週間後の感染者数は、未接種の施設より大きく減少したという。

 ワクチンに詳しい北里大の中村特任教授は、「高齢者が重症化しにくくなることが接種の一番のメリットだ」という。ただ、足元では「第4波」が、到来したとの指摘もあり、変異株も脅威。どの段階で「集団免疫」がつくかは不透明で、「時間との闘い」の側面もある。中山教授は「高齢者接種だけでは社会全体の感染を抑えるのは難しく、接種が始まるからといって手放しで喜べる状況ではない」とみる。

●接種と副反応 政府と自治体の連携

 高齢者に先立ち医療従事者に行われた接種をみると、3月21日までに733件の副反応の疑い報告が医療機関からあった。国際基準に照らし重いアレルギー反応を意味する「アナフィラキシー」は47件。100万回当たりにすると81件、米国の4.7件、英国の19.4件より頻度が高くみえる。ただ、国内接種は医療従事者で、アナフィラキシーを起こしやすい中年女性の割合が多いとの指摘もある。接種するかどうかは個人の判断、政府の情報発信を増やして接種への理解を広めていく事が大事。

 政府と自治体の連携にも課題がある。だが、これまで政府方針が何度も変更され、自治体は対応に苦慮してきた側面がある。マイナンバーを使って接種状況を即時管理するシステムもその一つ。厚労省や自治体などが別のシステムをつくるなか、1月中旬に後から浮上した。運用が複雑になることなど、自治体の懸念はいまも根強い。

●接種、医師・看護師の確保が難航 市長会が全国調査

 ワクチン接種の準備状況について全国市長会が、全国の市と特別区にアンケートを実施(3月15日から26日)したところ、回答した過半数で、接種する医師や看護師の確保などが難航していることが分かった。高齢者への接種は12日から始まる予定だが、準備が追いついていないようだ。

 医療機関との調整で支障となっている問題点を複数回答で聞くと、「接種に必要なシステムへの入力事務の調整」が70%、「医師や看護師のスケジュール確保・契約」が55%、「医療機関の協力を得るための報酬」が32%だった。

●大阪341人感染 7日連続東京上回る

 国内の感染者は5日在、新たに1572人が確認された。亡くなった人は19人だった。「まん延防止等重点措置」が同日から適用された大阪府では341人の感染が確認され、7日連続で東京都を上回った。同様に重点措置の対象となった兵庫県では87人、宮城県では55人が確認された。措置の対象外だが、大阪府と隣接する奈良県は過去最多の71人だった。

 東京都は249人で、1週間前の月曜日(3月29日)の234人より15人多かった。5日時点の1週間平均は391.9人で、前週比は109.6%。都基準の重症者数は前日より1人減って46人だった。沖縄県は50人。県によると、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は44.49人で全国最多となった。

  感染予防策のピクトグラム(絵文字) 出典:厚生労働省ホームページ

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【4月6日】

●ワクチン、1回目接種後に感染 すぐ免疫つかず

 厚労省の研究班によると、ことし2月下旬にファイザーのワクチンの接種を受けた20代の女性が、新型コロナに感染したという報告があった。感染の報告は女性が1回目の接種を受けた6日後で、接種後に感染した可能性が高いとしている。症状は改善し、すでに退院しているという。接種後に感染が確認されたのは初めて。研究班は「1回目の接種で一定の免疫がつくまでには14日間くらいかかるとみられる」としている。

●今年の世界成長6% IMF予想 1月から上方修正

 国際通貨基金(IMF)は6日発表した最新の世界経済見通しで、2021年の世界全体の成長率予想を前年比6.0%として、前回1月から0.5ポイント引き上げた。米中の回復に牽引され、前回予想より順調な回復を見込む。ただ、各国の国内や国家間での格差が広がり、「回復の見通しは危険なほど分岐している」状況。空前の財政金融政策に頼った不均衡な回復は、危うさをはらむ。

 世界経済は2020年、前年比3.3%減と戦後最悪の不況に陥った。今年2021年は6.0%と急回復に転じ、2022年も4.4%の成長となる見通し。上方修正の主因は、米国の財政出動。2020年末にトランプ政権下で総額約9千億ドル(約100兆円)の追加経済対策、さらに先月1.9兆ドルもの追加対策を決めた。今年の米国の成長率は従来予想より1.3ポイント高い6.4%、2022年も3.5%の改善が続くと予想。米国のGDPは、今年前半にコロナ危機前の2019年末の水準まで回復する見込み。

 中国は強力なコロナ封じ込めと公共投資で、主要国が軒並みマイナス成長に沈んだ2020年は2.3%。2021年も8.4%、2022年も5.6%と順調な回復で世界一の経済大国・米国を追い上げる。日本は昨年末の経済対策を反映して2021年の成長率を0.2ポイント上方修正し、3.3%を見込む。今年後半に危機前のGDP水準に戻る見通し。だが、欧州の回復の勢いは弱く、危機前に戻るのは来年以降になりそう。コロナ禍は、先進国中心の不況だった2008年リーマン・ショックに比べ、発展途上国の打撃は特に大きい。

●大阪最多719人感染 8日連続東京上回る

 国内感染者は6日現在、新たに2657人が確認され、3日ぶりに2500人を超えた。大阪府の感染者は初めて700人超となる719人で、8日連続で東京都を上回った。東京都の新規感染者数は399人。1週間前の火曜日(3月30日)の364人より35人多かった。6日時点の1週間平均は396.9人で、前週比109.8%となった。

 近畿地方では大阪府以外でも感染拡大が顕著となっている。兵庫県では276人の感染が判明し、3月1日に「緊急事態宣言」が解除されて以降で最多。奈良県の感染者数は78人と、2日連続で過去最多を更新した。京都府は、59人が変異株に感染していたと発表。2月5日~4月4日に感染が判明した人たちを調べてわかったという。

【4月7日】

●ワクチン効果か 英は感染者急減

 英国のジョンソン首相は5日の会見で、1月から続く3度目のロックダウン(都市封鎖)の一部緩和に踏み出すと宣言した。英国は、英国型の変異株が最初に確認され、感染状況が欧州最悪の時期もあった。しかし、6日の新規感染者数は2379人と、1月の6万人超から急減。政府発表によると、一時は1日1300人を超えた死亡者数も20人に減った。12日からは大衆酒場パブの屋外営業などが可能になる。劇的に状況が改善した背景には、厳しいロックダウンとワクチン接種の順調な増加がある。

 ワクチンは5日までに、人口の47%にあたる約3162万人が1回目を接種。70歳以上では9割が受けた。人口接種率32%の米国や、14%の欧州連合(EU)を引き離す。他国に先駆けてワクチンを確保するため、英政府は昨年5月、オックスフォード大とアストラゼネカに多額に資金を投資。ファイザーやモデルナなど計8種類、4億5700万回分を押さえた。接種体制を急ピッチで整えるため、大病院だけでなく、町医者や薬局、サッカー場や文化施設も臨時の接種場所に利用。接種方法を訓練したボランティアらも動員した。

●感染不安で「自主休校」、7000人余 家族に基礎疾患など

 NHKが全国の政令指定都市と東京23区に取材したところ、新型コロナの感染への不安を理由に昨年度、学校を自主的に休んだ小中学生が少なくとも7000人余りに上ることがわかった。本人や家族にぜんそくなどの基礎疾患があったり、重症化リスクのある高齢者と同居していたりして、感染への不安が強いことによる。こうした子どもにオンライン授業を実施した自治体は、2割にとどまった。

●東京「まん延防止」検討 感染555人、2ヶ月ぶり水準

 東京都の小池知事は7日、「まん延防止等重点措置」の政府への要請を検討すると表明。8日の都の「モニタリング会議」で、正式に決める。対象は23区と多摩の一部を想定、早ければ8日にも政府に要請する。首都圏1都3県は、3月22日に宣言が解除された後も、4月21日まで飲食店などに午後9時までの短縮要請を継続。解除から2週間しか経っていないこともあり、慎重な姿勢を取っていた。ところが7日の都内の感染者が500人を超え、大阪府で強い変異株が広がっている点を重視。「関西との不要不急の往来を極力控えてもらう」との狙いから表明した。

 政府も東京都への重点措置の適用の検討に入る。菅首相は7日、記者団に「新規感染者数、病床の状況を勘案し、自治体と専門家の意見を伺いながら決定していきたい」と述べた。要請があれば、速やかに対応する考え。政府は神奈川、千葉、埼玉からも要請があれば、検討を進める方針。神奈川県の黒岩知事は7日、記者団に「現時点では要請する段階にはない」と述べた。小池知事から連絡を受けたという埼玉県の大野知事は7日、「現時点で埼玉は動くつもりはありません」と明らかにした。

●大阪府、「医療非常事態宣言」 病床逼迫、医療崩壊のおそれ

 新型コロナの感染が急拡大し、重症患者用の「病床使用率」が66.5%に達するなど、逼迫度合いが高まっている。このままの状況が続けば医療崩壊につながる恐れがあるとして、吉村知事は独自基準「大阪モデル」で非常事態を示す「赤信号」を7日に点灯させ、「医療非常事態」を宣言を出した。赤信号点灯と医療非常事態宣言は、昨年12月に次いで2回目となる。

 今回は、昨年12月の赤信号点灯時を上回るペースで病床が逼迫。医療非常事態宣言を出すことで、不要不急の外出・移動の自粛や、大阪市内の飲食店などに要請している午後8時までの時短営業などの徹底を改めて呼びかける。府は医療従事者の配置を含め、病床の確保を急ぐ。5日には、重症病床での患者受け入れが困難になった場合に備え、軽症・中等症病床がある一定規模の病院に対し、重症化しても2人程度の治療を継続するよう求める通知を出した。

●京都府の西脇知事「まん延防止」、要請も視野に

 西村経済再生担当相が必要に応じて京都などに「まん延防止等重点措置」の適用を検討する考えを示したことについて、京都府の西脇知事は「政府が京都の名前を出すということは感染がさらに広がる懸念を持っているのだと思う。府としても措置の適用を視野に入れて検討を進める」と述べた。そのうえで「すぐに要請とは考えていないが今の感染拡大のスピードは驚異的なので、必要があれば躊躇なく判断したい」と述べ、要請することも視野に対応を検討する考えを示した。

●変異株新たな感染、1ヶ月で14倍に増

 全国の変異株の感染者数は2月22~28日に1週間あたり56人だったが毎週増え続け、直近の3月22~28日は767人、14倍に急増した。特に関西圏が多く、直近は兵庫県が最多の201人、大阪府が次いで180人。厚労省の「専門家組織」は7日、関西圏の感染急拡大に変異株が影響しているとし、不要不急の移動を避けるなど警戒の強化を求めた。一部の感染者に検査をしたところ、兵庫県で75%、大阪府で54%、東京都では3%が変異株。首都圏は今のまま増え続けると、5月1日ごろに変異株の割合が7割を超える可能性を指摘した。

 変異株は、従来のウイルスに比べ10歳未満の子どもの感染割合が高いのも特徴。4月6日時点の年代別の変異株感染者は、40代がもっとも高く15%。10歳未満は10%(従来株では3%)、原因は分かっていない。また、実効再生産数(1人が何人に感染させるか)は、2月1日から3月22日の平均で、変異株は従来株の1.32倍もあるという。

●日本医師会会長「最大の危機」 「まん延防止」、対象 3府県以外にも

 日本医師会の中川会長は7日の定例会見で、2度目の「緊急事態宣言」を解除して間もなく感染が急増している現状について「これまでで最大の危機だ。国民が新型コロナに慣れてしまい、自粛という我慢の限界にあり、感染力の強い変異株が主体になりつつある」と強調した。「この勢いのままいけば、(3度目の)緊急事態宣言も視野に入ってくる」とも述べ、危機感をあらわにした。そして、首都圏にも改めて注意を呼びかけ、「まん延防止等重点措置」の対象地域を、大阪など3府県以外にも拡大すべきだという考えを示した。

●変異株ワクチン、審査簡略化 承認済みと同じ製造方法に限り

 変異株に対応するワクチンについて、国内で承認済みのワクチンと製造方法などが同じ場合は審査を簡略化する方針を、医薬品を審査する医薬品医療機器総合機構(PMDA)が決めたと、5日付で公表した。変異株専用のワクチンは、まだどの国も承認していないが、実現した場合に審査を早める狙いがある。日本ですでに承認済みワクチンの開発企業が、それと同じか類似した製造、管理方法で変異株にも対応できるワクチンを製造する場合を想定。外国の臨床試験(治験)のデータなどがあれば国内治験は必要としない。

 ワクチンが効きにくい恐れがある南ア型の変異株に対応したワクチンについて、アストラゼネカ社は今年中に外国で治験を始める。同社は従来の株向けのワクチンについて、日本向けに承認申請している。

●聖火リレー大阪全域で中止 組織委 万博公園で代替開催    

 大阪府の吉村知事は、今月13日と14日に大阪府内で予定されている東京五輪の聖火リレーについて、公道でのリレーはすべて中止する考えを示した。歩の要請を受け、東京五輪大会組織委員会は7日、大阪府内全域の公道での五輪聖火リレーを中止すると発表した。代わりの措置として、吹田市の万博記念公園を会場に、一般の府民を入れない形で実施できないか、大会の組織委員会と協議していることを明らかに。

●新規感染、5府県で最多 全国3450人、1月30日以来の水準

 国内で7日、新型コロナに新たに感染しているのが確認されたのは、3450人となった。3千人を超えるのは、11都府県に「緊急事態宣言」が発出されていた1月30日以来。現在「まん延防止等重点措置」が適用されている大阪府と兵庫県を含め、全国5府県で、1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新した。

 7日に過去最多を更新したのは大阪府(878人)、兵庫県(328人)、奈良県(81人)、和歌山県(38人)、新潟県(34人)。このうち奈良県は3日連続の最多更新だった。東京都の感染者は555人。2月6日以来初めて500人を超えた。1週間前の3月31日(414人)より141人多く、7日までの1週間でみると、1日あたりの平均感染者は417人となり、前週比115.6%と増加傾向を示している。年代別では、20代が178人と最多で、30代の97人、40代の84人と続いた。

【4月8日】

●東京都が「まん延防止」政府に要請 京都・沖縄も 12日から
 
 東京都は、今後、急速な感染拡大が懸念されるなどとして、政府に対して「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請した。都内では、感染確認の増加が続いているほか、感染力が強いとされる変異株の確認も相次いでいる。8日の都の「モニタリング会議」では、7日以降、都内の1日あたりの新規陽性者数が500人超となっていることに加え、関西圏を中心に広がっている変異株の割合が急増していることなどが報告された。

 政府は8日、東京都からの要請を受け、都に特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固めた。対象区域は23区と八王子・立川・武蔵野・府中・調布・町田の6市の見通し。政府は京都府と沖縄県にも適用する方針。9日に専門家らによる「基本的対処方針分科会」に諮り、政府対策本部で正式決定する。政権幹部によると、東京都への重点措置は12日から5月11日まで、京都府と沖縄県は12日から5月5日までの見通し。飲食店の午後8時までの営業時間短縮を要請し、応じた場合には飲食店の事業規模による協力金が支払われる。店でアクリル板を設置しているかなど、見回りの強化も求める。

 「まん延防止等重点措置」はすでに大阪府、兵庫県、宮城県で適用されている。京都府の西脇知事は8日、重点措置の適用を政府に要請する方針を表明。対象区域は京都市で調整している。沖縄県も適用を要請する見通しで、那覇市などが対象。一方で神奈川、千葉、埼玉の3県の知事は適用要請に慎重姿勢をみせている。菅首相は、東京都以外への適用について「地元の自治体と検討しながら機動的に早急に方向性を出していきたい」と述べた。

 東京都 小池知事(小池ゆりこ事務所ホームページ)、京都府 西脇知事(京都府ホームページ)、沖縄県 玉城知事(ウキメディア・コモンズ)

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●血栓、「ワクチンの副反応」 アストラゼネカ製 EU専門機関

 英アストラゼネカ製のワクチン接種後に血栓ができる症例について、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が7日、年齢や性別、既往症などのリスク要因は特定できておらず、2千万回超の接種実績を考えると「極めてまれだ」としつつも、ワクチンが何らかの免疫反応を引き起こした副反応だとの判断を初めて示した。英国の医薬品・医療製品規制庁の発表では、19人の死亡が確認され、うち11人は50歳未満、3人は30歳未満という。60歳未満の女性に発症が多く、各国で接種を一定年齢以上に限る動きが広がっている。

 EUも英国も「ワクチンを打つメリットはリスクを上回る」と結論づけているが、市民には不安もある。イタリアは7日夜、同社製ワクチンの接種を60歳以上に限定する方針を表明。スペインは60~65歳、ベルギーは当面、56歳以上だけにする。英国も「30歳未満の健康な人には、別の代わりになるワクチンが望ましい」とした。ドイツとフランスは3月下旬から、それぞれ60歳以上、55歳以上に限っていた。EMAは年齢制限について見解を示さなかった。確保したワクチンの種類や量、感染状況などから各国が判断すべきだとの立場。

●高齢者施設から接種 28都道府県

 高齢者向けのワクチンの接種で、今週、都道府県に配布されるワクチンについて、28道府県で高齢者施設の入所者を優先して接種が始まる。6県が一般の高齢者の接種から始め、13都府県は施設入所者と一般接種を並行して始める。ワクチンの供給量が限られる中、まずは集団感染のリスクが高い施設内感染から防ぐ地域が多い。接種の対象となる65歳以上の高齢者は、約3600万人。

 今週は、人口の多い東京、神奈川、大阪の3都府県に各4箱、44道府県に2箱ずつの計100箱が届く予定。1瓶から5回接種するとすれば1箱で975回分で、100箱では9万7500回分、約5万人分になる。全国の市区町村に少なくとも1箱届くのは26日の週で、本格的な接種はその後、各地で始まる。政府は5月下旬までに半数に当たる約1800万人が1回接種できる量を供給する計画で、6月末に3600万人の2回接種分の供給を完了させるとしている。

●コロナ失職者 累積10万人超

 厚労省は8日、昨年2月から集計してきた新型コロナの影響による解雇や雇い止め(見込みを含む)の累積が10万人を超え、10万425人になったことを明らかにした。今年3月の件数が約9千人と前月の約1.7倍に膨らんだため、企業のリストラが年度末に集中したという見方が出ている。企業によるハローワークへの届け出などに基づくため、集計に含まれない失職者も多くいる。

 月ごとにみると、昨年5月に約1万3千人に急増してから減少傾向が続き、昨年11月~今年2月まで5千人台で推移したが、今年3月は9292人になった。4月に入って、増加ペースは鈍化している。

●大阪、感染905人 全国2日連続3000人超

 国内感染者は8日現在、新たに3447人が確認され、2日連続で3千人を超えた。また、大阪、奈良、福島の3府県で、1日あたりの感染者が過去最多となった。大阪府は905人で、3日連続で過去最多を更新。奈良県は88人で、4日連続で過去最多を更新した。福島県は60人。また、愛媛県は8日、県独自の警戒レベルを3段階のうち最高の「感染対策期」に引き上げた。

 東京都では545人の感染が確認され、2日連続で500人を超えた。1週間前の木曜日(1日)の475人より70人多かった。8日までの1週間でみると、1日あたりの平均感染者数は427.0人で、前週比は114.7%だった。

【4月9日】

●「まん延防止等重点措置」 東京・京都・沖縄に12日から適用決定

 政府は9日の新型コロナ対策本部で、東京都、京都府、沖縄県に対し、「緊急事態宣言」に準じた「まん延防止等重点措置」の適用を決めた。期間は12日から東京都は5月11日まで、京都府と沖縄県は5月5日まで。変異株の広がりを受け、菅首相は重点措置期間中、都道府県間の移動を極力控えるよう求めた。今月5日に大阪、兵庫、宮城の3府県に初適用され、今回の決定で6都府県へと拡大する。

 適用地域は、東京都が23区と八王子・立川・町田・府中・調布・武蔵野の6市。京都府は京都市。沖縄県は那覇・名護・うるま・沖縄・宜野湾・浦添・豊見城・糸満・南城の9市。飲食店などへの営業時間の短縮要請は、「緊急事態宣言」時と同じ午後8時までとなるほか、大規模イベントの入場者数の上限を5千人までとする。

●県超える移動、「自粛を」 首相

 菅首相は9日、変異株の広がりを受けて「都道府県間の移動について極力自粛してほしい」と記者団に述べた。政府の「重点措置」適用の決定を受けて、東京都は9日夜に対策本部を開いた。小池知事は都内で対象地域を絞った理由について、「店舗数、人口割りで感染者数が多いところをベースに総合的に判断した」と説明した。「対象外となった地域でも、5月11日まで午後9時閉店の時短要請を継続する。都府県境を越えた不要不急の外出、変異株により感染拡大する大都市圏への往来の自粛を求め、会食時に会話する際のマスク着用の徹底を呼びかけた。

 京都府は9日午前の対策本部会議で「重点措置」の適用を政府に要請することを決めた。西脇知事は府外への移動自粛を要請したことについて、「京都の観光産業は昨年の早い時期から影響を受け、大きな打撃を受けている。観光客もビジネス客も基本的な感染防止策を徹底していただくことで感染リスクはかなり減る」と理解を求めた。沖縄県の玉城知事は9日、「連日100人を超える新規感染者が出ており、この局面を乗り越えるためには『重点措置』の実施やむなしと判断した」と述べた。県は10日夕に対策本部会議で具体策を協議する方針。

●河野担当相、高齢者接種の必要量ワクチン 「6月中に確保」

 河野行政改革相は、4月12日から高齢者へのワクチン接種が始まるのを前に、全国のおよそ3600万人の高齢者が2回接種するのに必要な量のワクチンを6月中に確保できる具体的な見通しがついたことを明らかにした。「来月中旬以降は、欲しいと言われた量を出せる態勢になる予定で、自治体もフルスイングで打ってもらえると思う。人口の少ない自治体は、早いうちに、基礎疾患がある人への接種に移行することになる」と述べた。

●感染 東京537人 大阪883人

 国内感染者は9日現在、新たに3454人が確認された。3日連続で3千人を超えた。新たに「まん延防止等重点措置」が適用された東京都では537人、京都府96人、沖縄県131人と、各地で感染拡大が続いている。国内の累計感染者数は50万人を超えた。40万人を超えたのは2月で、2カ月あまりで10万人が増えた。東京都は3日連続で500人を超えている。大阪府では883人が確認された。また千葉県は、昨年12月から今年3月の感染者数の集計で重複や漏れがあり、患者の累計が79人増えると発表した。

【4月10日】

●英で定期的なウイルス検査始まる 全市民が無料

 英国で9日、ロンドンを含むイングランドで新型コロナの症状がなくても、すべての市民が無料で定期的に検査を受けられる措置が始まった。検査は簡易的な形式で地域の検査センターのほか、自宅でも受けることができ、市民は薬局や自治体などで7回分が入った検査キットを無料で受け取り、これを使って自分で結果を確認する。

●J&Jのワクチン、「接種後に血栓 複数例確認」 EUが調査開始

 EUの医薬品規制当局は9日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発したワクチンについて、接種したあとに血の塊である血栓ができたり、血管が詰まったりしたことが確認された例が複数あったとして、調査を始めたことを明らかにした。血小板の減少を伴う症状の重い血栓の報告が4例あり、1例は臨床試験で、3例は先月接種が始まったアメリカでそれぞれ確認され、このうち1人が死亡したという。一方で「現段階では接種と血栓に関係があるかどうかは不明だ」としている。

●感染者の3割、精神や神経の後遺症か  英オックスフォード大

 新型コロナに感染した人23万人余りの医療データを分析したところ、34%が半年以内に不安障害などの精神や神経の病気と診断されたとする推計結果を、英国のオックスフォード大学のグループが国際的な医学雑誌で発表した。新型コロナの後遺症とみられている。診断された病気は不安障害や気分障害が多く、ほかにも不眠症や脳卒中などがあった。

●国産ワクチン、実用化のめど立たず

 新型コロナワクチンは、日本メーカーも開発に着手はしているものの、実用化のめどは立っていない。開発は、創薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)が先行した。DNAを使った新しいタイプの「DNAワクチン」を大阪大と共同で開発、昨年6月に治験を始めた。現在、500人が参加した第2段階までの治験結果を解析中。予定している最終段階の数万人規模の治験を終える時期は不明。当初は今春の実用化も期待されていたが、予定より遅れている。同社は、「感染症でのワクチン開発の経験がなく、データを積み重ねるのに時間がかかった。海外では政府の援助でDNAワクチンの基本技術ができており、その差は大きい」という。

 高齢者に今回接種される予定のワクチンは、米ファイザー製の「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン」。ウイルスの遺伝情報を使う新しいタイプで、スピード開発が可能になった。「第一三共」は、同じタイプのワクチン治験を今年3月下旬に始めた。男女152人が参加し、今年中に2回の接種を終え、データがまとまる見込み。だが、その後に必要となる大規模な最終治験の見通しが立っていない。ほかにも着手している国内メーカーは複数あるが、実用化のめどは見えていない。

 アンジェスのロゴマーク 出典:アンジェス株式会社ホームページ

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●ワクチン開発、何故遅い ワクチンギャップと危機意識の低さ

 日本のワクチン開発は、海外に比べて、なぜここまで出遅れたのか。ワクチンに詳しい北里大の中山特任教授は、日本でかつてあった「ワクチンギャップ」と、感染症への「危機意識の低さ」を指摘する。日本では1970年ごろから、天然痘ワクチンなど予防接種後の死亡や後遺症が社会問題になり、訴訟も相次いだ。1992年東京高裁で国が全面敗訴。それ以降は、新しいワクチンの開発や海外からの導入などに消極的になり、使えるワクチンが海外に比べて少ない「ギャップ」の状態が続いた。

 ワクチンには高い安全性が求められ、開発には長い時間がかかる。日本は安定した需要が見込める定期接種のワクチンを、国の関与のもとで小規模なメーカーがつくる「護送船団」方式。ワクチンが主に使われる子どもが減って市場が縮む中、国からの支援は乏しく、研究開発が進まない。日本人は副反応への懸念など、ワクチンの信頼度が一般的に低い。川崎医科大の中野教授(小児科)は、「国は、ワクチン開発をどう支援するか、『まず世論の動向を見極めてから決める』という体質になっているのではないか」とみる。

 海外では2000年ごろから、SARS、エボラ出血熱、MERSなど、死亡率の高いウイルス感染症が次々と流行。その対応のため、ワクチン開発が大きな課題となった。「mRNAワクチン」はもともと、がんの治療手段として研究されていたが、新型コロナに応用された。生物兵器テロの対策として研究が進んだ経緯もあり、欧米のワクチン行政は安全保障策としての側面もある。新型コロナを受け、米国はトランプ政権が有望なワクチン候補に1兆円規模の資金を投じた。日本政府もこれまでに、企業の量産体制を支援するなどしてきたが、開発支援のための当初の予算額は100億円、単純計算で100倍ほどの開き。中山教授は「この差が、開発遅れの決定打」という。

●国内感染、新たに3697人 大阪・兵庫は過去最多

 国内感染者は10日、新たに3697人が確認された。4日連続で3千人を超えた。大阪府は918人、兵庫県は351人といずれも過去最多を更新した。大阪府の10日時点の重症病床使用率は、200床以上を確保した昨年10月中旬以降で最も高い81.3%。吉村知事は10日、4月下旬に入っても新規感染者数が減少傾向に転じない場合は、3度目の「緊急事態宣言」を出すよう政府に要請する考えを示した。東京都は570人、神奈川県は180人と、いずれも3月21日の「緊急事態宣言」解除後で最多となるなど、各地で増加傾向が続いている。

 570人の感染が確認された東京都では、1週間前の3日の446人より124人多かった。10日までの1週間平均の感染者は458.6人で、前週比は119.5%。沖縄県では146人が確認され、4日連続で100人を超え。同県は同日、対策本部会議を開き「まん延防止等重点措置」の対象となった県内9市だけでなく全市町村で、12日以降は飲食店の営業時間を「午後8時まで」に短縮するよう求めることを決めた。県は現在、本島中南部の市町村で、飲食店に午後9時までの時短営業を求めている。

【4月11日】

●全国で2777人が感染 大阪府の重症病床使用率、8割超

 国内の感染者は11日、新たに2777人が確認された。死者は17人増えた。大阪府の感染者は760人で、1週間前の4日(593人)と比べて167人多く、日曜日としては過去最多。700人を上回るのは6日連続。50~90代の男女4人の死亡も確認された。入院中の重症患者は203人。初めて200人を超え、過去最多となった。重症病床の使用率は83・9%と、200床以上を確保した昨年10月中旬以降で最も高くなった。

 東京都の新たな感染者は421人だった。5日ぶりに500人を下回ったが、4日の355人と比べると66人多い。11日までの1週間平均の感染者は468.0人で、前週比で120.1%となっている。

【4月12日】

●中東のトルコやイランで変異株、急速に拡大

 中東では、トルコやイランで、変異した新型コロナの感染が急速に拡大していて、厳しい感染状況になっている。トルコでは、1日の感染者が4月10日には5万2600人余りと急増していて感染者のおよそ85%が変異株に感染しているという。イランでも、1日の感染者数が4月11日は2万1000人余りと急増し、政府は変異株が主な原因だと分析している。イランでは4月10日以降、首都テヘランなどで食品や医薬品などの生活必需品を除いて商店の営業が禁止されている。

●ワクチン対応、「遅い」76% 内閣支持率は横ばい

 朝日新聞社は10、11日に全国世論調査(電話)を実施した。菅内閣の支持率は40%(前回3月は40%)で横ばい、不支持率は39%(同39%)だった。ワクチンの政府の取り組みについて聞くと、「遅い」が76%、「順調だ」が17%だった。内閣支持層でも66%、自民支持層でも69%が政府の取り組みを「遅い」と答え、いずれも「順調だ」を上回った。「遅い」は18~29歳は72%、30代は64%だが、年代が上がると高くなり、60代では84%に達した。

 「まん延防止等重点措置」が感染拡大を防ぐ対策として「十分ではない」と答えた人は、76%にのぼった。「十分だ」は16%だった。「十分ではない」は、内閣支持層では66%、不支持層は90%。自民支持層では67%、無党派層では80%だった。政府の新型コロナ対応を「評価する」は29%、「評価しない」は61%。「評価する」は、2月31%から3月35%と、いったん持ち直したが、4月に再び下がった。「評価する」は今年1月の25%が最低で、今回の29%は2番目に低い。

●高齢者へのワクチン接種始まる

 高齢者へのワクチン接種が12日から始まり、菅首相は八王子市の高齢者向けの接種会場を視察した。全国で高齢者接種が本格化するのは5月以降。今回、対象となるのは人口の3割近くに上る65歳以上の高齢者約3600万人。ファイザー社のワクチンを、3週間の間隔をあけて2回接種する。自治体によって、クラスター防止のために高齢者施設を優先したり、先着順の予約にしたりとやり方は異なる。政府は、6月末までに約1億580万回分を供給できるとの見通しを示す。

 医療従事者(約480万人)は、2月17日から接種が始まった。厚労省などによると12日時点で約169万回の接種を終え、うち2回目まで済ませたのは約56万人。約2カ月かけて2回の接種を終えたのは医療従事者全体のまだ1割強程度。政府は高齢者向け接種の完了時期を明らかにしていないが、官邸幹部は「出来れば7月半ば、遅くともお盆の前には終わりたい」と話す。高齢者の次には、持病のある人(約1030万人)や高齢者施設などで働く人(約200万人)、60~64歳の人(約750万人)の優先接種が控え、一般向けは最後。いずれも接種スケジュールのめどは立っていない。

●接種、綱渡りの始動 政権は期待、課題は山積

 ワクチンの確保がなかなか進まず、足元では変異株による感染が拡大する。接種が順調に進みいち早く効果が上がるかどうか、時間との勝負にもなりそう。もし医療提供体制が逼迫するようなことになれば、ワクチン接種にも影響が及ぶ可能性がある。実務を担う自治体では、医療従事者が不足するなど、課題が山積する。接種計画は、綱渡りが続きそう。

 昨年末からの「第3波」の対応が後手に回ったと批判を浴びた政権は、ワクチン接種が「頼みの綱」。東京五輪・パラを「安全・安心の大会」にするためにも、ワクチンを早期に国民に行き渡らせることが「政権の生命線」。しかし、世論の視線は厳しい。世論調査(朝日新聞)では、政府のワクチンへの取り組みが「遅い」が、76%。12日の衆院決算行政監視委員会で野党議員は、接種が全人口の1%にも満たず主要7カ国(G7)で最低だと指摘。首相は「審査・承認手続きを丁寧に行ったことで時間を要している」と説明した。

 大阪府などで医療体制の逼迫が指摘されるなか、注射を打つ看護師の確保も課題。厚労省が、ワクチン接種会場を設ける1391自治体に3月25日時点の状況を尋ねたところ、都市部(532自治体)でも約2割が看護師不足と回答。7%は看護師を1人も確保できず。接種が本格化すれば、更に人手不足は加速する。こうした状況に、自治体は焦りの色が浮かぶ。12日の全国知事会オンライン会議では、「市町村から配分のスケジュールを知りたいと要望が出ている。いつまでに高齢者全員に接種できるか見通せない」などの注文が相次いだ。

●接種後の注意点 当日・翌日は静養 異変感じたら早めに受診

 重症になりやすい高齢者にとって、ワクチンで予防する利点は大きい。ファイザー社が発表した臨床試験(治験)の中間報告によると、2回目の接種から1週間後~半年後について、新型コロナの発症を防ぐ効果が91%、重症化を防ぐ効果が95~100%。年齢や性別、人種などが違っても、有効性はおおむね同等だったという。

 一方副反応が疑われる症状は、2回目接種の後に出ることが多い。国内の医療従事者のうち約2万人を対象とした報告では、37.5℃以上の発熱は1回目3%だが、2回目38%。接種の翌日が最も多く、2回目の後の発熱の半数あまりは38℃以上の高熱だった。倦怠感や頭痛も2回目のほうが多い。ただし高齢者は今のところ、症状が発生する頻度が低い。65歳以上では、2回目の後の発熱は9%。全年齢を通して倦怠感は69%、頭痛は54%に対し、65歳以上ではそれぞれ38%、20%だった。ただ体力が落ちている高齢者は、発熱で体力が大きく損なわれてしまう恐れもあるので注意。

 高齢者の中でも体力が落ち介護を受けている人、心臓や肺に疾患を抱えている人たちは、体調がすぐれないなら無理に接種しない方が良い、2回目はなおさら。また接種した日と翌日は予定は入れず、ゆっくり休めるようにしておく。接種日の夜と翌朝は念のため検温、周囲の人も本人の体温や食欲が落ちていないか、気をつける。熱が辛いなら、自宅にある解熱剤を飲む。ただ熱以外に咳、喉の痛み、息切れなどがあったり、接種から48時間以降も続いた場合は、別の問題の可能性があるので、早めに受診した方が良いそうだ。

●老健局、新たに4人 計10人感染

 厚労省は12日、同省老健局の職員4人が新たに新型コロナに感染したと発表した。このうち2人は先月、職員23人で深夜まで送別会を開いていた老人保健課に所属し、うち1人は送別会に参加していた。3月末まで老健局に所属していた職員の感染は、計10人となり、少なくとも4人が送別会に参加していた。局内にはさらに複数の職員が発熱などの症状が出て検査の結果を待っているという。

 局内で感染者が相次いでいることから、老健局は職員約170人全員とこの春に転出した約10人について、「自主的にPCR検査を受けるよう強く呼びかけている」とした。また、テレワークの比率を高め、出勤者を全体の3割強に絞る措置をとっているという。感染の広がりと先月の送別会に因果関係があるかや、今回の件がクラスターにあたるかについては「保健所が調査をしている」と答えるにとどめた。

●2回接種者、感染 石川の医療従事者

 新型コロナのワクチン接種を2回受けた石川県立中央病院(金沢市)に勤める50代の派遣職員の女性が、新型コロナに感染していたことが県や同病院への取材でわかった。女性は無症状という。厚労省によると、ワクチンを2回接種した人の感染は、今回の件を含め少なくとも9人に上る。県や病院によると、女性は、3月13日と4月3日に医療従事者を対象にしたワクチンの先行接種を受けた。

 その後、女性の同居者の感染が判明し、濃厚接触者として検査したところ、4月10日に陽性が出たという。病院は女性が、患者に接する業務ではないと説明している。県の担当者は「ワクチンは重症化させないためのもので、感染リスクを完全にはなくせない。無症状なので、ワクチンの効果が出ているとも言えるし、そもそも2回目の接種前に感染したかもしれない」と話す。

●東京306人 大阪603人

 国内感染者は12日現在、新たに2109人が確認された。「まん延防止等重点措置」が適用されている宮城、東京、京都、大阪、兵庫、沖縄の6都府県のうち宮城と沖縄を除く4都府県で、1週間前の月曜日を上回った。大阪府では、603人の感染が確認された。341人だった5日と比べて約1.8倍で、月曜日に発表された新規感染者数として過去最多。府は12日、コロナ患者を受け入れている病院に対し、一般医療を一部制限し、病床を追加確保するよう協力を要請した。

 東京都では、新たに306人の感染を確認。249人だった5日より、57人多かった。感染者数が少ない傾向にある月曜日に300人を上回るのは、2月1日(393人)以来。12日までの1週間平均の感染者は476.1人で、前週比は121.5%だった。また、都は12日、新たに61人が変異株に感染していたと発表。1日あたりの発表数では、7日の30人を超えて過去最多で、都内で確認された変異株の感染者は計256人となった。

【4月13日】

●埼玉・愛知「まん延防止」検討

 政府は13日、新型コロナの感染が再拡大している愛知県について、「まん延防止等重点措置」を適用する検討を始めた。重点措置の適用を政府に要請する意向を示した埼玉県についても、県と協議する。

 埼玉県の大野知事は13日の県の専門家会議後に会見し、「変異株がこの数週間で急に拡大してきているので、重点措置を検討せざるを得ない」と述べた。愛知県の大村知事は13日の記者会見で、政府に重点措置の適用を要請する考えを示し、「医療体制は逼迫している状況ではないが、予防的に対処したいと考えた」と述べた。期間は5月の大型連休明けまでを想定している。

 愛知県 大村知事(ウキメディア・コモンズ)、埼玉県 大野知事(大野もとひろ公式サイト)

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●大阪府、重症患者数が病床数超える

 大阪府は13日、新たに1099人が感染したと発表。新規感染者が1千人を超えるのは初。7日間ごとの感染者数も7~13日は過去最多の6283人で、2週前の約3倍に増えた。府が「第4波」と位置付ける3月以降の感染拡大で特徴的なのは、若者の感染状況。3月15日~4月5日の感染者のうち30代以下は55.1%、昨秋以降の「第3波」の45.6%を上回る。重症者に占める50代以下の割合は97.9%。「第3波」の17.5%を上回る。

 大阪府の重症患者は4月13日時点で233人、一方、重症患者がすぐに入院できる病床の数は227床で患者の数が病床の数を6人上回った。吉村知事は「重症の患者が急増していて非常に厳しい状況にある」と述べ、医療の提供体制が深刻な状況に陥っているという認識を示した。大阪府は医療機関に対して追加の病床を確保するよう緊急に要請していて、一部の病院では病床を増やし始めている。

●全国3456人 兵庫、過去最多391人

 国内感染者は13日で、新たに3456人が確認された。うち、「まん延防止等重点措置」が適用されている宮城、東京、京都、大阪、兵庫、沖縄の6都府県の13日の新規感染者数は2258人と、この日の約65%を占めた。

 東京都の新規感染者は510人。この日、都内では1日あたり最多の80人が変異株に感染していたことも確認された。このうち7人が同じ病院で感染しており、この病院での変異株感染者は計12人となった。都は、都内では初の変異株によるクラスターとしている。兵庫県は391人と、過去最多を更新した。

【4月14日】

●神奈川、「まん延防止」要請へ 千葉、打診あれば検討も

 神奈川県内で14日発表の新規感染者数が205人となり、黒岩知事は同日夜、県庁で記者団に対し「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する準備に入る考えを明らかにした。15日に対策本部会議を開いて正式に決める。重点措置の対象地域については、県幹部らによると、横浜市や川崎市など東京都と隣接する地域を念頭に検討している。適用期間について、黒岩知事は「ゴールデンウィークが終わるまでは最低限お願いを続けていくことになる」と述べた。

 一方千葉県は、政府から重点措置適用の打診があれば、適用の受け入れも視野に入れる。県内の新規感染者数は減少傾向か横ばいで推移しているが、熊谷知事は「東京で感染が拡大すると、少し時間をおいて感染拡大していく」と注視する姿勢。東京都との隣接地域を中心に重点措置の対象地域を決めるとみられる。すでに愛知県と埼玉県が適用を政府に要請する方針を明らかにしている。埼玉県も東京都との隣接地域を対象にする方向で最終調整中、15日に対策本部会議を開いて要請を正式決定する方針。

 神奈川県 黒岩知事(黒岩祐治オフィシャルサイト)、千葉県 熊谷知事(千葉県ホームページ)

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●老健局感染、新たに5人 1人は送別会参加

 厚労省は14日、3月末まで同省老健局に所属していた職員5人が新たに新型コロナに感染したと発表した。このうち2人は先月、職員23人で深夜まで送別会を開いた同局老人保健課に所属し、2人のうち1人は送別会に参加していた。3月末時点で老健局に所属していた職員の感染は計15人となり、少なくとも5人が3月24日の送別会に参加していたことになる。局内にはほかに、複数の発熱者がいるという。

●全国で新たに4309人感染 4千人超えは2カ月半ぶり

 国内感染者は14日、新たに4309人が確認された。4千人を上回るのは1月28日の4131人以来で、約2カ月半ぶりの高い水準となった。「まん延防止等重点措置」が適用されている宮城、東京、京都、大阪、兵庫、沖縄の6都府県では、大阪府が1130人で過去最多を更新したほか、兵庫県でも初めて500人を超える507人が確認された。東京都は591人で、3月21日の「緊急事態宣言」解除後では最も多かった。

 愛知県は、216人が確認された1月28日以来の200人超。福岡県も前日から倍増の156人が確認されるなど、各地で感染者は急増している。大阪府に隣接する和歌山、奈良両県でも過去最多に並んだり2番目の多さ。新潟県でも過去最多を記録した。一方、長崎県は14日、3月中旬にワクチン接種を受けた医療機関勤務の60代女性が脳出血で3月下旬に死亡したと発表。副反応を疑わせる症状はなく、基礎疾患もなかったという。今後、国の専門部会が接種と死亡との因果関係について判断する。

【4月15日】

●アストラ製ワクチン、再考の動き デンマークは接種停止 独・仏は年齢制限

 英アストラゼネカ製のワクチンの接種について、欧州連合(EU)加盟国の独自の動きが目立ってきた。デンマーク当局は14日、接種の停止を表明。欧州で全年齢を対象に止めたのは初めて。ドイツとフランスも3月下旬、それぞれ60歳以上、55歳以上に接種を限った。60歳未満の女性に発症が多いことなどが背景にある。また、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンも、米国で血栓の症例が報告され、イタリアやスペインが使用を見合わせている。

  EUの欧州医薬品庁(EMA)は今月7日、同社製ワクチンの接種後に血栓ができるのは「極めてまれ」としつつも、副反応との判断を示した。「ワクチンを打つメリットはリスクを上回る」としたうえで、各国に最終的な判断は任せている。一方、EUは14日、独バイオ企業ビオンテックと米製薬大手ファイザーが共同開発したワクチンについて、2023年までに18億回分の追加供給を受ける交渉を始めた。ファイザーとは既に6億回分の契約を結んでいるが、その3倍の量を追加することになる。

●「まん延防止」、4県追加へ 埼玉・千葉・神奈川・愛知 20日〜5月11日

 政府は15日、感染が再拡大している埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と愛知県について、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する方針を固めた。16日に専門家らによる「基本的対処方針分科会」に諮り、政府対策本部で正式に決める。重点措置の期間は20日から5月11日までとする。重点措置は、5日から大阪、兵庫、宮城の3府県で初適用され、12日から東京、京都、沖縄の3都府県も加わった。

 「まん延防止重点措置」 赤は適用済み、黄色は適用予定 出典:NHK WEB NEWS

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 首都圏3県の対象区域について、埼玉県はさいたま・川口の2市、千葉県は市川・船橋・松戸・柏・浦安の5市、神奈川県は横浜・川崎・相模原の3市で調整している。東京都に近接した区域が多い。また、同日中に政府に要請した愛知県は名古屋市を想定している。14日の厚労省「専門家組織」会合では、神奈川、埼玉は4月から感染者数が増加しており、千葉は横ばいから減少傾向だが東京近辺で感染者数が高水準だと分析。愛知も3月下旬以降、20、30代を中心に感染者が増え続け、増加率も高い水準が続いているとした。

●変異株「N501Y」、5月に主流となる恐れ 厚労省専門家組織

 大阪などを中心に、感染力の強い「N501Y」という英国型の変異株が急速に広がっている。14日にあった厚労省の「専門家組織」の会合では、こうした変異株が従来の株と順次置き換わり、5月中にも全国的に主流となる可能性があることが示された。大阪府と兵庫県、京都府の2府1県ではことし2月から変異株が急増し始め、3月中には半数以上に、4月初めにはおよそ75%、現時点ではすでに80%、5月中にはほぼすべてが変異株に置き換わるとみられている。

 沖縄県は4月下旬、関西圏は5月1日にも新たな感染者の9割以上が変異株になる見通し。首都圏1都3県では、3月中旬以降増え始め、4月初めの時点ではおよそ10%だったが、5月上旬には80%から90%が変異株に置き換わると推定している。

 座長の脇田座長(感染研所長)は、感染力が強いとされる変異株の広がりが現在の感染拡大に影響していると認め、「年度替わりに人が動くなど、「緊急事態宣言」の解除後に人の移動があったことがかなり影響していると思う」と話した。14日の会合には、大阪府の現状も報告された。感染状況の特徴として、以前までよりも発症から重症化までの日数が1日短くなった。重症化数に占める50代以下の割合も高まっている。

●東京でも変異株、2週間で比率9倍に 第3波より大きくなる可能性

 変異株の感染が、東京都内で急拡大している。スクリーニング検査の陽性率でみると、3月28日は3%だったが、4月4日は16%、11日は28%と、2週間で9倍に増えた。15日、都の「モニタリング会議」で専門家は「爆発的な感染拡大への厳重な警戒が必要」と警鐘を鳴らし、人の流れの増加に変異株による新規陽性者数の増加比がさらに上昇することが危惧されると指摘した。そのうえで「第3波より急速に感染が拡大し、波が大きくなる可能性がある」として強い懸念を示した。

 都医師会の猪口副会長は13日の会見で、「大阪は人ごとではない。2、3週間後の東京の姿になることは十分にあり得る」と都内の変異株の感染拡大について危機感を示した。大阪で広がる英国型の変異株は感染力が強いとされ、1人が何人に感染させるかを表す実効再生産数は従来株の1.43~1.9倍。感染力が強いだけでなく、重症化リスクも高い。小池知事は「モニタリング会議」後、「通勤を含め、エッセンシャルワーカー以外で都外の方は可能な限り東京へ来ないでいただきたい。テレワークを徹底し、日中の買い物も最小限に控えてほしい」と呼びかけた。

●二階自民幹事長、東京五輪「感染状況深刻なら中止も選択肢」

 自民党の二階幹事長は、15日午前のTBSの番組収録で、東京五輪・パラについて「国民の同意をえて盛り上げていくことは、日本にとって大事なことであり、大きなチャンスだ。ぜひ成功させたいと思うが、諸準備や解決すべきテーマがあり、一つ一つ解決していくことが大事だ」と指摘した。

 一方で、感染状況がより深刻になった場合の対応を問われたのに対し「その時の状況で判断せざるをえない。『これ以上、とても無理だ』ということであれば、すぱっとやめなければならない。感染症をまん延させたら、何のためのオリンピックか分からない」と述べ、中止することも選択肢として考えざるをえないという認識を示した。菅首相が五輪の実現に強い意欲を示す中、党の実力者の二階氏が表だって中止の可能性に言及したことで、政権内に動揺が広がっている。

●コンビニ3社減収 外出自粛で客足減

 コンビニ大手3社の2021年2月期決算が15日出そろった。コロナ禍による外出自粛で、都心部の店を中心に客足が減少。3社とも減収となり、ファミリーマートは赤字に転落。各社は巣ごもり需要に対応した自宅向けの生鮮品や冷凍食品など、品ぞろえ強化で業績回復をめざす。セブンは2月末までに5千店強で酒売り場を拡大。ローソンは、宅配代行サービスとの連携も進める。

 各社とも住宅地の店は好調だったが、オフィス街や観光地の店は厳しく、1店舗あたりの1日の平均販売額はセブンが64万2千円(前年比1万4千円減)、ファミマが49万3千円(同3万5千円減)、ローソンが48万6千円(同4万9千円減)だった。国内のコンビニは、5万5千店を超え飽和感も指摘されている。

●全国で新たに4576人の感染確認、2日連続で4千人超

 国内感染者は15日、4576人が確認された。2日連続で4千人を超えた。35人が死亡した。「まん延防止等重点措置」が適用されている6都府県では、大阪府で1208人と2日連続で過去最多を更新した。東京都では729人で、2カ月半ぶりに700人を超えた。兵庫県も493人で、過去2番目の多さだった。新たに重点措置が適用される見通しの4県では、神奈川県、愛知県で2日連続で200人超。埼玉県は「緊急事態宣言」の解除後としては最多となる188人。千葉県は前日より5割増の144人。

 4月15日時点の大阪と東京の感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 以下3枚の図は、4月15日時点の国内発生状況 出典:厚生労働省ホームページ

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2021年4月21日 (水)

新型コロナ2021.03 全面解除

 新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」により2021年1月7日、政府は首都圏1都3県に再び「緊急事態宣言」を発出。更に1月13日には11都府県に宣言を拡大した。1月中旬以降には新規感染者は減少傾向にあるが、都市部の病床逼迫は長期化している。2月8日、宣言は栃木県を解除し、10都府県は3月7日まで延長。その後、感染下げ止まりの首都圏4都県を除き、関西・東海・福岡の6府県は2月28日をもって先行解除された。水面下では、変異株(ウイルス)が広がってきているが、「緊急事態宣言」が続いていた首都圏4都県は、3月21日全面解除された。

 2021年3月15日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.03 変異株」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【3月16日】

●首相、ワクチン接種 訪米控え感染対策

 菅首相は16日午前、国立国際医療研究センターで、新型コロナワクチンを接種した。米ワシントンでの日米首脳会談を4月前半に控え、感染対策を万全にするための一環。接種したのは、米ファイザー製のワクチン。3週間あけて1人2回接種する必要があり、首相は4月上旬に2回目を接種する予定。接種後、首相は記者団の取材に「痛そうだったが、そんなに痛くもなかった。スムーズに終えることができた」と語った。感染症対策でワクチンを重要視する考えを改めて示し、「多くの国民に一日も早く届けなければいけないと痛感した」と述べた。

 1回目の接種を受ける菅首相=16日午前、東京都新宿区(代表撮影)出典:日本経済新聞

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●PCR検査すり抜ける新変異株 仏で発見
 
 フランス国内で「新たな変異株」が確認されたと、保健当局が16日記者会見で発表した。発生地の名前をとって「ブルターニュ変異株」と呼んでいるもので、PCR検査をすり抜ける特徴があり、当局が調査に乗り出した。この変異株はフランス西部の病院で確認された。2月22日に院内感染が発生、79人が感染。このうち死亡8人の患者から遺伝子配列を解析して新たな変異株が分かった。8人のうち7人は生前、新型コロナ特有の症状がみられたものの、当初のPCR検査では陰性。抗体検査などで、新型コロナ感が確認されたという。

●変異株の検査体制に課題 国への対応求める声


 変異株への監視強化の必要性が指摘される中、今の検査体制に課題があることが、埼玉県で明らかになった。①変異株の検査にかけるには一定の量のウイルスが必要だが、個人差があって条件を満たさない検体が多い、②民間で検査する仕組みが整っていないことが大きな原因。埼玉県内では、民間検査機関の割合が圧倒的に多く、行政のおよそ10倍。変異株検査を行ったり、行政に検体を提供したりする仕組みが整っていないという。埼玉県は、民間検査機関に対して協力を要請したい考えだが、県単独では難しく国の対応を求めている。

●「子供一1人5万円給付」 首相表明

 菅首相は16日、新型コロナ感染拡大で影響を受けた非正規労働者らへの支援を話し合う関係閣僚会議で、「ひとり親世帯や所得が低い子育て世帯に対し、子供1人当たり5万円を給付する」と表明。子育て世帯向けの給付金は3度目だが、今回はふたり親世帯も対象とする。これまでは第2子以降は1人当たり3万円だった金額も引き上げる。

 収入が減った人向けの特例貸し付け「緊急小口資金」と「総合支援資金」は、3月末までとしてきた期限を延長する。シフトが減るなどした非正規労働者が新たな仕事を見つけやすくするため、月10万円の給付金を受けながら職業訓練を受けられる求職者支援制度の定員を増やすことも表明した。 

●自殺者、11年ぶり増 目立つ女性・若年層

 厚労省は16日、2020年の自殺者数の確定値は、前年より4.5%(912人)多い2万1081人だったと発表した。11年ぶりの増加の背景には新型コロナの感染拡大の影響もあるとみられ、政府は自殺防止に取り組む支援団体への助成を拡充するなど、対策の強化を急ぐ。自殺者の増加は、女性や若い世代で目立つ。男性が前年比0.2%減の1万4055人なのに対し、女性が同15.4%増の7026人。年代別では19歳以下が同17.9%増、20代が同19.1%増だった。

●全国で新たに1133人感染 変異株で死者、国内初確認

 新型コロナの国内の感染者は16日で、新たに1133人が確認された。亡くなった人は57人だった。神奈川県は感染者のうち3人について、変異株への感染が確認されたと発表。うち2人は死亡した。同県によると、変異株への感染で死亡が確認されたのは国内で初めて。死亡した2人は、50代男性は高血圧、脂肪肝などの基礎疾患があり、70代男性は基礎疾患はなかったという。東京都の新たな感染者は300人。16日までの1週間平均の感染者は289.0人で、前週比は110.4%だった。

【3月17日】

●緊急事態21日で解除 首相表明 4都府県

 政府は首都圏4都県で出している「緊急事態宣言」について、21日までの期限通りに解除する方針を固めた。首相は17日午後の厚労省の「専門家組織」(アドバイザリーボード)の議論を踏まえ、田村厚労相や西村経済再生相らと対応を協議する。18日に専門家らによる政府の「諮問委員会」に諮り、対策本部で正式に決める方針。東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県への宣言は2度の延長を経て、2カ月半で解除されることになる。

 飲食店への営業時間の短縮要請やイベントの開催制限などは部分的に緩和するものの、当面は継続するよう4都県に求める。政府は、感染状況などの6指標が最悪の状況の「ステージ4(感染爆発)」を脱し、少なくとも「ステージ3(感染急増)」に改善することを解除の目安にしている。内閣官房のまとめによると、4都県の15日時点の状況は、病床使用率や新規感染者数、PCR検査の陽性率など5つは「ステージ3」以下の水準になった。政府は、病床使用率が改善傾向にあることを解除判断の大きな根拠とする考え。

 1都3県では、東京都の小池知事は宣言解除の是非を明言せず、埼玉県の大野知事は慎重な立場。加藤官房長官は16日の記者会見で「1都3県全体として対応してきた。政府としてはそうした経緯も踏まえて検討していく」としており、政府は4都県一括して解除する方針。専門家ばかりでなく、政府内でも宣言解除後の感染再拡大(リバウンド)を懸念する声が強い。このため、病床の確保や高齢者施設での定期的な検査、変異株対応、無症状者に繁華街などで幅広く行う検査などを強化する方針。

●「自粛疲れ限界」宣言解除 専門家リバウンド懸念

 政府は首都圏4都県の「緊急事態宣言」を、21日で解除する。「自粛疲れ」が広がり、引き締め効果の薄れや飲食店の時短営業も経済的に限界、更なる延長は難しいと判断した。菅首相は17日夜、記者団に18日に「緊急事態宣言」を解除したい考えを示した。解除の理由に「病床使用率の減少」を挙げ、「緊急事態を宣言してから約8割下がってきている」とも指摘。新規感染者数がピーク時よりも減っていることを強調した。首相が言うように宣言を解除する指標の多くは改善している。

 新規感染者数については、首相は15日の参院予算委員会で「ほぼステージ2(感染漸増)の水準だ」と述べたものの、しかし直近1週間の人数を前週と比べると、東京都や埼玉県では微増傾向にある。専門家の間では慎重論もあるが、閣僚の一人は「ここで解除しなかったらいつ解除できるのか。これから増えたら解除できず、打つ手がなくなる」と述べた。感染者数が増え続ければ、やがて病床使用率の再上昇にもつながる。複数の専門家は、すでに感染が再拡大の局面に入っているとみる。

●緊急事態宣言下でも人出増加 4知事、崩れた「ワンボイス」

 「緊急事態宣言」下でも、人出は各地で増えている。ソフトバンクの子会社「アグープ」のデータを用いて、3月12~14日の週末の午後8時台の人出を、1月以降で最も少なかった同じ時間帯の週末と比較したところ、渋谷で35%増、銀座34%増、横浜29%増、新宿26%増だった。政権幹部は「世の中が緊急事態に慣れてしまった」。宣言による経済への悪影響が叫ばれるなか、引き締め効果は薄れ、打開策も見当たらない。

 今回は4都県の知事が、足並みをそろえて延長を迫っているわけでもない。夏の東京五輪・パラリンピックに向けた聖火リレーがスタートする25日より前に、宣言を解除するのが望ましいとの声も、政府与党内から漏れる。不安材料を残し、見通しも不透明なまま解除に踏み切ることに、ある官邸スタッフは「もう仕方がない。これが現実だ」。

 専門家からは懸念の声が上がる。厚労省に助言する「専門家組織」(アドバイザリーボード)は、17日の会合で感染状況を分析。会合後、座長で国立感染症研究所(感染研)の脇田所長は「(先行解除した)近畿圏を含め、都市部では既にリバウンドが生じ始めているのではないか」との指摘を明かした。出席者の一人は「感染者数を下げないといけない。今の対策では不十分だ」と危機感をあらわに。日本医師会の中川会長は17日の記者会見で「まん延防止等重点措置を宣言解除と同時に適用すべきだ」と述べた。

●変異株が仏で猛威、新規感染の7割に 欧州諸国も

 フランスでは英国型、南アフリカ型、ブラジル型と呼ばれる変異株が、新規感染者の7割を占める。1日の感染者数は約3万人、毎日2万人以上が変異株に感染している計算。国内で初めて変異株が確認されたのは昨年末。今年1月半ばには新規感染者に占める割合が1%程度だったのが、2月半ばに4割を超え、瞬く間に広がった。

 マクロン大統領は今月15日、変異株の脅威を前に「数日のうちに新たな決定をしなければならないだろう」と語り、新たな行動規制を課す可能性を示した。危機的なのは、約1200万人が暮らすパリ首都圏。重症患者の受け入れが限界に達したため、13日からヘリや飛行機を使い、国内で空きがある他地域の病院へ搬送を始めた。週内には高速鉄道(TGV)も使って患者の国内分散を加速させる。

 欧州の他の国でも変異株は猛威を振るっており、イタリアでは15日、国土の大半で再びロックダウンを開始。飲食店の店内営業が禁じられ、学校も閉鎖された。欧州で変異株が確認された国々に共通することは、一度国内で感染が確認されると、その後の拡大を防ぐのは極めて難しい。フランスは夜間外出禁止令を全土で課し、欧州連合(EU)域外からの入国を原則禁じる措置までとった。それでも、1日の感染者数は昨年12月の1万人から今月は3万人に達した。

 日本にとってのもう一つの教訓は、ワクチン接種を始めても、感染拡大を防ぐ効果はすぐには生まれないという。欧州では介護施設の入居者など、優先接種対象としている高齢者では死亡率などが下がる効果が各国で表れている。しかし大半の国々では、2回接種を終えた人の割合は全人口の1割未満。フランスでは、4%足らず。感染拡大期はしばらく続くとみられている。ワクチンの供給ペースが劇的に上がらない限り、接種だけで感染をすぐに抑え込むのを期待するのは難しいと言える。

●ベアゼロ、続々 春闘 賃上げ2%割れか

 春の労使交渉(春闘)は17日、大手企業の集中回答日を迎えた。今年はコロナ禍を踏まえ、労働組合の要求も抑えめだったことから、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)はゼロでの妥結が相次いだ。賃上げ率は昨年まで7年連続で2%台だったが、今年は8年ぶりに割り込むとの見方が強い。

●東京400人超 先月18日以来

 国内の新規感染者は17日で、新たに1537人が確認された。1500人を超えたのは2月18日以来。東京都も同日以来の400人超えとなる409人だった。宮城県は過去最多の107人となった。この日の全国の死者は43人。東京都の新規感染者数は1週間前(10日)より69人増えた。17日までの1週間平均の感染者は298.9人で、前週比は112.7%と増加傾向が顕著になっている。

●変異株399人 前週から128人増

 厚労省は17日、変異株について、16日時点で26都道府県で計399人の感染が確認され、前週(9日時点)から128人増えたと発表した。感染研などでゲノム解析して、変異株の種類が確定したものをまとめた。内訳は、英国型が374人、南ア型が8人、ブラジル型が17人だった。変異株は従来の株より感染力が強かったり、ワクチンの効果を低下させたりする可能性が指摘されており、厚労省は検査体制を強化している。

 都道府県別では、兵庫が最多で94人(すべて英国型)。大阪72人(同)、埼玉57人(英国型42人、ブラジル型15人)、新潟32人(すべて英国型)、神奈川28人(英国型24人、南ア型4人)、京都24人(すべて英国型)、東京14人(同)、北海道13人(同)、広島12人(同)など。 これらの国内事例のほかに空港検疫で74人の感染が確認されている。

【3月18日】

●仏3度目外出禁止 変異株猛威 英国型7割

 フランスのカステックス首相は18日、変異株が感染の「第3波」を招いているとして、パリ首都圏を含む16県について、20日から少なくとも4週間の外出を禁じると発表した。2100万人が対象になる。24時間の外出禁止は昨秋の第2波以来で3度目。

 1日の感染者数は17日に3万8千人に達し、感染力が強い英国型変異株が72%を占める。パリ首都圏では集中治療用病床を利用する患者数が第2波のピークを上回り、さらに増える見通し。20日からは食料品店などをのぞいた店舗が閉鎖される。外出は生活必需品の買い物や自宅から10km以内での運動、通学などに限られる。首相は18日、「この危機から切り抜けさせてくれるのはワクチンだ」と強調。接種を1回終えた人の人数を今の575万人から6月半ばまでに3千万人へ増やす方針を示した。

●アストラゼネカ接種再開 EU「血栓と因果関係ない」

 英アストラゼネカ製の新型コロナワクチンの接種後に血栓ができた症例について、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は18日、「因果関係は認められず、ワクチンは安全だ」と表明した。これを受け、フランスやドイツ、イタリアは、見合わせていた接種を19日から再開。スペインも24日の再開を決めた。各国政府は市民の不安の解消に追われている。

 EMAは域外の専門家とも連携した分析を踏まえ、「感染による重症化を防ぐ利点は、副反応のリスクを上回る」と改めて強調した。報告された血栓の事例数は一般に起きる割合より少なく、製造ロットや工場にも問題はみられなかったという。ただ、ワクチンが血栓を引き起こした可能性を完全には排除しきれない「まれな症例」もあるといい、検証を続ける。

 ドイツではアストラゼネカ製ワクチンを約160万回接種して、血栓などの症例が13件あったという。55歳未満の女性の接種で血栓のリスクが通常より高かったため、医師が説明するようにするという。仏カステックス首相は18日、「信頼できる(ワクチンだ)と示すため」として、自ら接種を受けると表明した。

●1都3県、「緊急事態宣言」解除後も外出自粛や時短要請を継続へ

 1都3県の知事は「緊急事態宣言」が解除された翌日の3月22日から31日までの間、不要不急の外出自粛を要請することで一致した。飲食店などに対しては、今の午後8時から午後9時までに緩和するものの営業時間の短縮要請は継続。イベントの制限についても要請を継続し、収容の上限を5000人、もしくは定員の50%以内のいずれか多いほうにしたうえで開催時間は午後9時までとするよう求める。

●東京都、時短要請に応じない店に特措法に基づく命令 全国初

 東京都は、営業時間の短縮要請に応じていない113の飲食店に対してより強い特別措置法に基づく「要請」を出しているが、このうち正当な理由がないと判断した27の店に対して3月18日、同法に基づく「命令」を全国で初めて出した。命令に従わない場合、改正特別措置法では、行政罰として30万円以下の過料を科すこともできる。

●首都圏1都3県の「緊急事態宣言」21日で全面解除 政府、対策本部で決定

 首都圏の1都3県の「緊急事態言」について、政府は、対策本部で期限の3月21日で解除することを決定した。これによって、およそ2か月半にわたった宣言はすべて解除されることになった。菅首相は3月18日夜、記者会見し、「新規感染者数はもちろん、病床の逼迫状況も解除の目安を下回っている」ことから解除を判断したと説明。一方で、「リバウンドが懸念されている」とも指摘。対策として、「5つの柱」の対策を進めていく考えを示した。また、ワクチンについては、ことし6月までに少なくとも1億回分が確保できるという見通しを示した。

 「5つの柱」は、①飲食を通じた感染の防止策継続、②変異株の監視体制の強化、③感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査、④安全・迅速なワクチン接種、⑤次の感染拡大に備えた医療体制の強化、を掲げた。具体的には、変異株感染状況を把握するため、全陽性者の10%程度の抽出検査を、40%程度に引き上げる。無症状者に繁華街などで幅広く行う検査を4月には1日5千件規模に拡大。高齢者施設などへの集中的な検査も今月末までに3万カ所で行うとした。

 4都県での感染防止策について、緩和は段階的とするよう求める。全国的な対策として、観光支援策「GoToトラベル」や外国人の新規入国を停止する措置は、当面続ける。首相は会見で飲食業などの事業継続の支援のため、「金融面の対策を早急にまとめる」ことにも言及。4都県の知事は時短要請を「午後9時まで」として1時間緩和したうえで、22日から31日まで続けることを確認。4月以降は改めて判断する。

●収束の道筋見えず解除 延長2週間 再拡大の芽積めず

 東京都の感染者数は17日に1カ月ぶりに400人を超え、前週の同じ曜日を9日連続で上回った。感染力が強いとされる変異株の確認数は16日時点で26都道府県の計399人に増えた。専門家からは、リバウンドへの警鐘が相次ぐ。官邸幹部は、解除は経済への打撃や宣言の効果が薄れたことも踏まえた「総合的判断」と認める。首相周辺も「もう仕方がない。これ以上は宣言を続けられない」と語った。東京都幹部も「感染者の増加に歯止めをかけられなかった。都民に宣言が延長された意味が伝わらなかった」と話す。

 首相は、再延長の2週間を「リバウンドを防ぐための防止策をしっかり考える」期間と位置づけていた。専門家らでつくる「諮問委員会」はそのための7項目の対策を提案。政府と自治体に「見えにくい感染源」を特定するため保健所の調査強化や高齢者施設での検査、病床の確保などを求めた。これを受け、すぐに入院できる病床を千葉県は90床、埼玉県は30床増やした。東京都は花見の名所への立ち入りを一部制限。神奈川県も名所での飲食をともなう宴会の自粛を求めるなどした。政府も、感染拡大の予兆を探知するための調査を、首都圏に先立って宣言を解除した栃木を皮切りに7府県などに順次拡大した。

 ただ対策の多くは、昨年秋以降に打ち出されていたものが、ようやく緒に就いたのが実態。首相周辺は「打つ手なし」との見方を示す。宣言の2カ月半をみても、政府の対策にはちぐはぐさも目立った。首相は宣言当初、水際対策の強化に慎重だったが、自民党の保守層の反発を受け方針転換した。解除をめぐる判断でも、病床使用率が「ステージ4」の基準をギリギリ下回ったばかりの福岡県を先行解除した一方で、首都圏はほぼ同じ水準の県があることを理由に再延長した。首相と東京都の小池知事との主導権争いも、随所に垣間見えた。ある諮問委のメンバーは「結局、直感で決めている」とあきれ顔だった。

 18日の都内の感染者は232人。首相は会見で、4都県の感染者は「(ピーク時より)8割以上減少した」とアピールしたが、今回の感染流行が懸念され始めた昨年11月上旬の水準に戻ったに過ぎない。「感染拡大を二度とおこしてはいけない」とも強調した首相。だが、再び感染状況が悪化した場合の責任を問われると、「対策をしっかり行い、一日も早い感染拡大収束に努めていきたい」と述べるにとどめた。

●宣言解除、新味乏しい対策 再宣言も視野に

 首相は会見で「感染者数は横ばい、あるいは微増の傾向が見られ、リバウンドが懸念されている。変異株の広がりにも警戒する必要がある。宣言が解除される今が大事な時期だ」と説明した。「諮問委員会」の竹森慶大教授は「リバウンドに対応できる体制を4月中に作らなければいけない」と話す。首相は、「5つの柱」の対策を掲げた。変異株について、陽性者の10%抽出検査を40%程度に引き上げ、感染状況の把握に力を入れる。ただ「5つの柱」も、これまで掲げられていたものが大半。

 状況は自治体も同様。4都県の知事は18日、テレビ会議で共同メッセージとして「外出時3密回避」「歓送迎会や謝恩会は控えて、花見は宴会なしで」などと打ち出したが、これまでも訴えてきた内容。先に宣言が解除された関西圏では、大阪の夜の繁華街などで人出が増加し、早くも感染者数は上昇している。小池知事は「『解除』という2文字が躍ると、物事が終わったと思いがちだ」と警戒を呼びかけた。

 これから感染状況はどう推移するのか。田村厚労相は18日の「諮問委」後、「4月中にもまた感染拡大の可能性がある」と記者団に語った。「諮問委」のメンバーの中にも同様の指摘があり、多くの専門家が早期リバウンドへの危機感を語る。感染拡大傾向が明らかになれば、政府は2月の法改正で新設した「まん延防止等重点措置」を出し、過料20万円以下の罰則付きの時短命令などで対応する構え。ただ、同措置を出す基準ははっきりしない。そもそも今の宣言下でも感染者数が増えており、措置の効果は未知数といえる。

 来月から高齢者への接種が始まるワクチンへの期待も高まるが、専門家には「効果が目に見えて表れるのは来年以降では」との見方も。首相周辺は「また宣言を出して感染を抑えることも考えなければいけない」と、再宣言の可能性を視野に入れる。だが、3度目の宣言ともなれば、「一日も早い収束」を掲げてきた菅政権にとって打撃となるのは確実。場合によっては、首相が政権浮揚のカギとする東京五輪・パラの開催にも影響しかねない。

●宣言解除、野党は批判 「第4波なら総辞職ですまない」

 立憲民主党の枝野代表は18日、衆院議院運営委員会で、4都県の「緊急事態宣言」解除について、「時期尚早であり、反対せざるをえない」と批判。枝野氏は「東京や埼玉ではすでにリバウンドが始まっている。変異株の拡大を考えると、この状態で解除すれば感染者が急増する可能性が高い」と指摘。「感染が収まらないまま解除して第4波が生じたら、内閣総辞職ではすまない、大きな政治責任が生じる」と迫った。これに対し、首相は「客観的な数値に基づいて、専門家のご意見を踏まえながら判断をした」と説明。

 枝野氏は質疑終了後、記者団の取材に「首相に覚悟がないことが明らかになった。リバウンドの兆候が見えているのに解除することは賛成できない」と改めて批判した。共産党の志位委員長も同日の記者会見で、新規感染者が増加傾向であり、変異株の懸念もあるとして「いま解除することには反対。政府の対策が行き詰まり、破綻したのが現状だ」と指摘。「十分な補償や大規模検査による感染封じ込め」など対策の充実を訴えた。

●海外との再開険しく

 政府は18日、「緊急事態宣言」の全面解除後も、新型コロナの水際対策を継続する方針を決定した。外国人の新規入国は原則停止が続く。日本経済には深刻な打撃だが、国内外ではワクチン接種が進む一方、変異株も拡大しており、往来再開の道のりは険しい。菅首相は同日の衆院議院運営委員会で「水際対策の緩和については慎重に判断する必要がある」と述べた。緊急性のある場合は個別に検討して入国を許可する方針も明らかにした。
 
 入国緩和の枠組みが軒並み停止になっていることから、政府は当面、例外的に入国を認める「特段の事情」の枠で、緊急性や公益性のある新規入国を受け入れる。五輪の準備に携わる大会関係者のほか、テスト大会に出場するスポーツ選手の入国も認める。1日の入国者は、日本人の帰国者や在留資格を持つ外国人の再入国者も含め、最大2千人程度にとどめる方針。

●全国で1498人感染 東京の増加傾向に歯止めかからず

 国内の新規感染者は18日で、新たに1498人が確認された。東京都は323人だった。1週間前(11日)の335人よりは減った。18日までの1週間平均でみると、感染者は297.1人と、前週比108.8%で、増加傾向に歯止めはかかっていない。

 大阪府も141人と、2日連続で100人を超えた。今月に入って感染者が増えている宮城県は18日、独自の緊急事態宣言を出した。来月11日までの間、県全域で不要不急の外出や移動の自粛を求める。

【3月19日】

●リバウンドやワクチン冷蔵輸送、応酬 参院予算委集中審議

 菅首相が4都県に出されていた「緊急事態宣言」を21日で解除するのを受け、参院予算委員会は19日に集中審議を開いた。東京で感染者数が下げ止まり、増え始めていることから、リバウンド対策やワクチンの輸送方法などが論点となった。

 立憲民主党の蓮舫氏は、宣言解除をめぐり、「早く解除してもらいたいと評価する声もある一方、懸念と不安と不信が広がっている」と訴えた。首相は「1月7日に宣言を発し、感染者数は8割以上減少している。総合的対策をして何としてもリバウンドを防ぎたい」と答えた。これに対し、蓮舫氏は「(8割減は)国民の努力だ」とし、すでに東京などでリバウンドが始まっているとの見方を示した。首相は「専門家の会議で意見を拝聴する中で判断をした」と解除の妥当性を強調した。

 一方、営業時間短縮に応じた飲食店に対する1日6万円の協力金について、蓮舫氏は、東京では申請者の9割近くにまだ支給されていないことを指摘した。首相は、事務を担う自治体に改善を求めた。また予算委では、ワクチンの冷蔵輸送についても議論になった。「ファイザーは冷蔵した状態での輸送は推奨していない。冷凍輸送に切り替えるべき」と指摘した。田村厚労相は「振動を与えない中で運んでいただきたい、と自治体には伝えている」と答えた。

 A4チラシ 【政府からのお願い】と【店からのお願い】 出典:厚労省ホームページ

A4チラシ  【政府からのお願い】 出典:厚労省ホームページ A4チラシ  【店からのお願い】 出典:厚労省ホームページ

●サーキットブレイカー、「まん防」念頭に検討へ 一定条件で対策自動化
 
 「2回目の緊急事態宣言を発出せざるをえなかった理由は、いわゆる『サーキットブレーカー』が効かなかったということだ」。宣言解除が決まった直後の18日の菅首相の記者会見で、同席した分科会の尾身会長は指摘した。新型コロナ対応で、一定の条件を満たせば自動的に対策を強める「サーキットブレーカー」の導入を専門家が訴えている。感染再拡大に備えるもので、政府の分科会で近く検討を本格化させる。

 サーキットブレーカーは元々、株式市場などで価格が一定以上大きく変動した場合に混乱を避けるため、自動的に取引を一時停止させる仕組み。尾身氏ら専門家は最近、これを転用しコロナ対応で実効性を高める新たな手法の意味で用いている。背景にあるのは、急激なリバウンドへの危機感。専門家らには、感染状況を4段階で示す「ステージ」が十分に機能しなかったとの反省がある。実際には「様々な理由でなかなか迅速な対応ができなかった」

 ただ、官邸幹部ら政府内では、尾身氏らが想定するサーキットブレーカーに慎重な声が多い。対策を強化する基準が分かりやすくなるなどの利点がある一方で、政治判断の余地を狭めることにつながることに疑問もある。国民の私権制限につながる措置が、自動発動されることへの疑問もある。政府関係者は「経済活動を縛るような指標が一律で設けられるとは思えない」と話す。

●国内1464人感染

 国内の感染者は19日で、新たに1464人確認された。死者は33人だった。15日以降、前週の同じ曜日を上回る状態が続く。「緊急事態宣言」の解除を控えた1都3県は計678人で全体の半数近くを占めた。感染者が急増している宮城県は100で、過去最多107の17日に次ぐ。東京都は303人で、19日までの1週間平均の感染者は297.0人。前週比は108.6%と増加傾向が続いている。

【3月20日】

●五輪・パラ、海外客断念 5者が合意 観客可否4月に

 今夏の東京五輪・パラリをめぐる政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者の代表者協議が20日、東京都内であり、海外在住の一般観客の受け入れ断念で最終合意した。日本側が「安全最優先」として見送りの結論を出し、IOC、IPCが了承した。新型コロナ感染収束が見通せず、今夏に自由な入国を保証するのは難しいと判断した。

 1年前、安倍前首相が大会延期を決める際に表明した「完全な形での開催」は実現しなかった。全体の観客数の上限は4月中に基本方針を出す。複数の大会関係者によると、「50%」を軸に検討を進めるという。5者協議には丸川五輪相、組織委の橋本会長が出席し、東京都の小池知事、IOCのバッハ会長、IPCのパーソンズ会長はオンラインで参加した。

 全体の観客数の上限は、プロ野球などスポーツイベントでの上限を参考に、政府主導で決める。「50%」を軸に検討するが、「感染が広がれば、無観客の可能性もある」と指摘する大会関係者もいる。組織委によると、五輪・パラの海外在住者向け一般チケットは63万枚で、今後、払い戻しなどの手続きに入る。スポンサーの招待客は関係者として入国を認める可能性がある。

●リバウンド対策など要請 全国知事会が緊急提言

 全国知事会は20日、新型コロナの対策本部会議を開き、34府県の知事と副知事がオンラインで参加した。首都圏4都県の「緊急事態宣言」が21日までで解除されることを踏まえ、リバウンドへの対策の徹底と、宣言対象外の地域も含めた経済支援などを求める国への緊急提言をまとめ、公表した。近く国に提出する。

 提言では「変異株が全国に広がり、再拡大の傾向が見られる地域もある」と懸念を示し、感染防止対策の継続、感染状況ステージの指標見直し、ワクチン供給見通しの提示や接種体制の確保、などを求めた。また宣言対象外の地域や、飲食店以外の事業者などにも厳しい影響が生じているとして、コロナ対応の地方創生臨時交付金などの支援を求めた。「GoToトラベル」の再開への要望も上がり、地元住民の利用に絞って再開するなどの弾力運用も求めた。

●東京342人感染

 国内の感染者は20日で、新たに1517人が確認された。1千人を超えるのは5日連続。死者は19人増えた。東京都では342人の感染が確認された。1週間前の13日の330人より12人多かった。20日までの1週間平均の感染者は298.7人で、前週比107.1%となり、増加傾向が続いている。
 感染の再拡大が懸念される宮城県では125人を確認し、1日あたりの感染者数としては過去最多となった。

【3月21日】

●コロナ患者数、想定甘いまま 22都道府県、第3波などで超過

 医療の逼迫などを理由にさらに2週間延長された1都3県への「緊急事態宣言」が、21日をもって解除された。新型コロナの「第3波」では各地で病床不足が深刻化。国内の死者の4分の3が昨年12月以降に集中し、自宅で亡くなる人も相次いだ。背景に何があったのか。朝日新聞の取材で、新型コロナ感染症の「第3波」などで生じた最大の患者数が、22都道府県で想定を上回っていたことがわかった。

 都道府県が必要な病床数を決めるための患者の最大想定数は、早期に「強い対策」を取って患者の増加を抑えることを前提とした厚労省のシナリオに基づいていた。だがそうした対策が取られず、結果的に患者数の見積もりが甘くなり、病床逼迫につながったといえる。東京、千葉、大阪では1月に最大想定数の3倍以上。神奈川や京都などの6府県は1月、沖縄県は昨年8月に2倍を超えていた。想定を上回る患者が生じた原因の一つは、厚労省が示した「シナリオ」と現実にずれがあったため。

 「第1波」収束後の昨年6月、厚労省は次の流行に備えて都道府県に病床確保計画をつくるよう求めた。厚労省は患者数がどう推移するかシナリオを示し、都道府県は患者の最大想定数を計算、必要な病床数とホテルの部屋数を決めた。シナリオは、流行の早期に強い対策をとって、感染拡大を押さえ込むことが前提。だが、計画作成時期と前後して「第2波」が来た。政府は経済再開に重きを置いていて、都市部ではある程度感染を許容する状況に変わっていた。しかし厚労省のシナリオは変わらず、「第3波」に突入した。

 厚労省は近く、「第3波」を上回る感染者を想定した計画作りを都道府県に求める。危機管理に詳しい中央大法科大学院の野村教授は、危機対応がシナリオ通りに進まないことはあるとした上で「国と自治体の間で、病床確保という真の目的がもっと真摯に共有されていれば、計画を臨機応変に修正するための調整や協議が途中で行われたはず。計画作りが仕事の目的になってしまうと、また同じことを繰り返すことになりかねない」と指摘する。

●緊急事態の全面解除「早すぎ」51% 菅内閣支持回復40%

 朝日新聞社は20、21日に全国世論調査(電話)を実施した。首都圏に出していた「緊急事態宣言」の解除のタイミングについて聞くと、51%が「早すぎる」と答えた。「適切だ」は32%、「遅すぎる」11%だった。

 菅内閣の支持率は40%(前回2月は34%)に回復した。不支持率は39%(同43%)だった。支持率を年代別にみると、70歳以上の高齢層で2月33%→3月43%と大きく上がった。新型コロナ対応への評価が支持率の回復に影響しているようだ。政府対応を「評価する」は35%(2月は31%)に持ち直し、「評価しない」は51%(同56%)だった。内閣支持層では、「評価する」が61%で、「評価しない」29%を上回った。不支持層では「評価する」は12%にとどまった。

●ブラジル死者数加速、1日2千人以上 医療崩壊の危機

 新型コロナの感染拡大が止まらない南米ブラジルが医療崩壊の危機に直面している。16日には2841人が死亡し、1日あたりの死者数を更新するなど、連日2千人以上が亡くなっている。変異ウイルスが猛威を振るっているとみられ、WHOは周辺国に波及しないか神経をとがらせている。

 「ブラジルがこのような深刻な状況であり続ければ、近隣国にも影響は及ぶだろう」。WHOのテドロス事務局長は12日、記者会見でブラジルの対策の遅れに懸念を表明した。昨年11月から感染拡大の第2波が始まったブラジルでは、2月下旬から死者が増え始め、3月10日ごろから1日あたり2千人を突破。感染者数も1日あたり7万~9万人規模の高止まりが続く。累計感染者数も1195万人を超え、米ジョンズ・ホプキンス大の集計では、再び世界2位に。WHO米州事務所は、カーニバルなどの連休や変異株が感染拡大の原因と指摘する。

 だが、ボルソナーロ大統領の「経済重視」姿勢は変わらない。11日のライブ中継では自殺者が書いたとされる手紙を読み上げ、「ロックダウンのために全土で自殺者が出ている」と訴えた。「ロックダウンの副作用はウイルスよりも大きな被害をもたらしている」とし、「隔離」を進める州知事や市長を批判した。支持率は下落傾向だ。16日に発表された世論調査によると、不支持率は過去最悪の44%に達した。

●山形の感染過去最多31人

 山形県と山形市は21日、幼児から70代の男女31人が新型コロナに感染したと発表した。一日に公表される新規感染者数としては、昨年12月12日の22人を上回り、過去最多。吉村美栄子知事は20日に続いて臨時の記者会見を開き、感染防止策の徹底を県民に重ねて呼びかけた。感染したのは山形市21人、寒河江市3人、天童市2人ほか。全員、無症状か重症ではない。累計感染者数は646人になった。現在の入院者数は51人で重症者はいない。宿泊療養者12人、在宅療養者1人、入院調整中の人が28人いる。
 
 吉村知事は会見で、最近の感染者が山形市を含む村山地域に集中している現状を説明。「増え続けると、(同地域の)医療現場が逼迫し、通常の医療が難しくなる」と危機感を示した。現在、県独自の「注意・警戒レベル」は「レベル3(警戒)」。重症者がいないことから、「レベル4(特別警戒)」の指標「重症入院患者数3人以上」には達していないが、吉村知事は「感染経路が分からない人が増えており、引き上げも視野に検討しないといけない」と述べた。

●コロナ感染、6日連続で1千人超 東京は256人

 1都3県に出された「緊急事態宣言」の最終日となった21日、新型コロナの国内感染者は新たに1119人が確認された。1千人を超えるのは6日連続。死者は19人増えた。東京都の新規感染者は256人。21日までの1週間平均の感染者は301.1人で、前週比は107.9%だった。

 3月に入ってから感染者が急増している宮城県の新規感染者は112人。県は同日、仙台市全域の接待を伴う飲食店などに営業時間の短縮を要請すると発表した。期間は25日夜から4月12日朝まで、午後9時から翌日午前5時まで営業しないよう求める。県は18日に県独自の緊急事態宣言を出し、4月11日まで県内全域で不要不急の外出を自粛するよう呼びかけている。山形県では31人の感染を確認。1日あたりの感染者数としては、昨年12月12日の22人を上回り、過去最多となった。

【3月22日】

●ワクチンの安全性「信頼していない」43% 1都3県での調査で

 新型コロナワクチンについて国際医療福祉大学が首都圏の1都3県の3200人に行ったアンケート調査で、ワクチンの安全性を信頼しているか聞いたところ、「そう思う」が8.0%、「ややそう思う」が47.5%で、合わせて過半数となった一方、「あまりそう思わない」は33.6%、「そう思わない」が11.0%で合わせて43%余りの人が安全性を信頼していないという結果となった。

●国産のワクチン、新たに製薬会社2社が臨床試験を開始

 製薬大手の第一三共と、熊本市の製薬会社KMバイオロジクスの2社が、それぞれ開発中の新型コロナのワクチンを人に接種し、安全性などを確かめる臨床試験を始めたと発表した。国産のワクチンで臨床試験を行うのは、これで4社に。第一三共などが開発しているワクチンは、ファイザー製と同じウイルスの遺伝情報を伝える「mRNA」を使った仕組みで、KMバイオロジクスなどが開発しているのは、ウイルスを加工して毒性をなくした「不活化」ワクチン。

 第一三共(ウィキメディア・コモンズ)と、KMバイオロジクス(当社ウェブサイト)のロゴマーク

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●感染再拡大の兆し、警戒 宮城急増 山形も独自宣言

 「緊急事態宣言」が21日までで全面解除されたが、全国の新規感染者は増加傾向が続いている。1週間平均の感染者数でみると、最も多かったのは1月11日までの6480.9人。夜の会食を中心とした対策で、3月2日に973.3人(約15%)まで抑え込んだ。しかしその後は下げ止まりから増加基調、21日には1273人となった。感染者数が下落から上昇に転じる再拡大の兆しがみられる。専門家は「『第4波』を起こさないために警戒が必要。解除後の対策が重要」と指摘する。急増地域では独自の「緊急事態宣言」を出すところもある。

 直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が27.2人となり、全国で最も多い宮城県。感染状況が落ち着いてきたことから飲食店に対する営業時間の短縮要請を解除、2月23日には「GoToイート」のプレミアム付き食事券の販売を再開した。だがその後、仙台市を中心にかつてないペースで感染者が増え、宮城県と仙台市は3月18日、独自の「緊急事態宣言」を発出した。仙台市全域で接待を伴う飲食店などに時短を要請することも決まり、村井嘉浩知事は22日の記者会見で、「もう時短要請以外に方法はほとんど残されていない。このままいったら、救える命が救えなくなってしまう」と危機感をあらわにした。

 さらに、飲食店に営業時間の短縮を命令できる「まん延防止等重点措置」の適用を国に求めるか問われ、村井知事は「次のステップとしては考えなければならないと思うが、まずは緊急事態宣言や時短要請の効果を1週間や10日ほどみて、それでもまだ厳しいということであれば、国の力を借りながらという形になっていくだろう」と答えた。

 山形県でも21日、過去最多31人の感染を確認。県と山形市は22日、共同で独自の「緊急事態宣言」を出した。県幹部は「仙台からウイルスが持ち込まれる頻度が増え、県独自の注意・警戒レベルの引き下げや気の緩みもあって感染拡大が速かったのではないか」とみる。ほかにも沖縄県など感染者が急増する地域があり、東京都、埼玉県、千葉県といった首都圏の感染者は引き続き多い。

●夜の人出、各地で増 大阪・梅田2倍、新宿3割増

 感染者の増加を抑え込むためには、酒席や会食での感染をどう防ぐかがポイントになる。全国各地の主要駅周辺や繁華街では、夜の人出が増えている。ソフトバンクの子会社「アグープ」のデータを使い、19~21日の午後8時台の人出を分析すると、1月の宣言発出直後の週末の人出と比べ、梅田(大阪)で100%増、名古屋と京都が83%増、天神(福岡)73%増となっていた。首都圏でも新宿(東京)29%増、渋谷(同)と大宮(さいたま)が23%増など、多くで増加傾向にある。

 宣言が2月末までで先行解除された関西では人出の増加とともに感染者も増えつつある。解除前の1週間(2月22~28日)の人口10万人あたりの感染者数は大阪は5.7人、兵庫3.0人だったが、直近1週間(3月15~21日)は9.7人、7.9人と2倍前後に増えている。

●新型コロナ 「母子感染」の可能性 国内初確認か

 新型コロナ感染した妊婦から、おなかの赤ちゃんに感染する母子感染とみられる事例が国内で初めて確認された。日本小児科学会が22日、公表した。去年8月末までに全国31の施設で、新型コロナに感染した妊婦から合わせて52人の赤ちゃんが生まれ、このうち1人の赤ちゃんが出産直後のPCR検査で陽性となり母子感染とみられる。赤ちゃんの健康状態に問題はなかった。このほかの51人の赤ちゃんはいずれも陰性だった。

 海外の論文では、すでに赤ちゃんに母子感染したという報告がある。また妊婦の胎盤やへその緒からウイルスが検出されたという報告があり、母子感染が起こる可能性は以前から指摘されていた。海外の報告では、母子感染の頻度や新生児の重症度は高くなく、過度な心配の必要はないという。

●全国823人感染

 国内感染者は22日で、新たに823人が確認された。1日あたりの感染者は、695人だった今月15日以来、7日ぶりに1千人を下回った。死者は33人増えた。東京都では187人の感染者が新たに確認された。22日までの1週間平均の感染者は302.9人で、前週比は105.3%となり、増加傾向が続いている。大阪府の新規感染者は79人で、100人以下となるのは6日ぶり。

【3月23日】

●独、変異ウイルス拡大で対策強化 食料品店も営業禁止

 ドイツのメルケル首相は、変異株により感染が再び急速に拡大しているとして、新たな措置を発表。4月1日から5日まで、これまで営業を認めてきた食料品店も含め、店舗の営業を原則として禁止する。メルケル首相は会見で「私たちはいま、新たなパンデミックに直面している」と述べ、理解を求めた。

●公示地価6年ぶり下落 コロナ都市部商業地に打撃

 国土交通省は23日、2021年1月1日時点の公示地価を発表した。住宅地や商業地などを合わせた全用途の全国平均が前年より0.5%下がり、6年ぶりに下落に転じた。前年は1.4%の上昇だったが、新型コロナ感染拡大による訪日客の激減や外出自粛の影響で、都市部を中心に大きく下落した。

 用途別では、商業地が前年の3.1%上昇から0.8%下落となり、7年ぶりに下落。住宅地も0.8%上昇から0.4%下落と、5年ぶりの下落となった。とくに落ち込みが目立つのは、都市部の商業地。前年までは、外国人観光客の増加や大規模な金融緩和による投資資金の流入で、都市部ではホテルや商業施設などの開発需要が高まっていた。ところが、コロナで状況は一変。訪日客の激減と外出自粛でホテルは不振に陥り、都心の繁華街では、時短営業を余儀なくされた飲食店の撤退が相次ぎ、地価が下がっている。

 このため、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の落ち込みが大きく、全用途で0.7%下落となった。商業地に限ると、前年の5.4%の上昇から1.3%下落に急落。地方圏も大都市圏ほどではないが、全用途で0.3%下落と4年ぶりの下落となった。

●4都府県、時短要請延長へ 来月21日まで

 東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏4都県は1月の「緊急事態宣言」に合わせ、4都県全域を時短営業の対象とし、飲食店やカラオケ店に要請している午後8時までの閉店を要請した。宣言解除を受け、3月末までを「段階的な緩和期間」として閉店時間を午後9時までに緩和した。自治体関係者によると、4月以降も引き続き午後9時での閉店を維持する方向で最終調整している。感染のリバウンドを防ぐため、1カ月程度の時短要請を継続する必要があると判断したとみられる。宣言解除に伴い、1日あたり6万円から4万円に引き下げた協力金についても4万円を維持する方針。24日にも4都県知事会議を開き、こうした方針を確認して共同で表明する。

●全国1503人感染

 国内感染者は23日で、新たに1503人が確認された。1日あたりの感染者が1千人を超えるのは2日ぶり。死者は53人増えた。東京都では337人の感染が確認され、1週間前の16日より37人多かった。23日までの1週間平均の感染者は308.1人で、前週比は106.6%だった。感染者が急増している宮城県は121人で、過去最多だった3月20日の125人に次いで多かった。

【3月24日】

●コロナ病床確保 見直し 厚労省 感染急拡大期との二段構え

 厚労省は24日、新型コロナ患者を受け入れる病床の確保計画を見直すよう都道府県に求める通知を出した。コロナ対応で常時備えておく病床確保計画と、「第3波」の2倍程度の感染者が出ることなどを想定した感染急拡大期に使う対応方針の「二段構え」としたのが特徴。計画は5月中に整備し、対応方針は4月中に決定するよう都道府県に求めた。

●東京420人 宮城171人

 国内感染者は24日で、新たに1918人が確認された。東京都は3月で最多となる420人だったほか、宮城県で過去最多の171人を確認。大阪府は262人で、1日で200人を超えるのは2月5日以来となった。亡くなった人は計21人増えた。この日に1日の感染者数が初めて100人を超えた。

 また厚労省は24日、変異株について23日時点で26都道府県で計549人の感染が確認され、前週(16日時点)から150人増えたと発表した。

【3月25日】

●EU ワクチン輸出条件、さらに厳しくする方針

 EUはことし1月から域内で製造されたワクチンを輸出する際には許可を得ることを義務づけているが、この輸出の許可について条件を厳しくする方針を24日発表した。ワクチンの供給が遅れていることを受けた措置。英製薬大手アストラゼネカのワクチンが英国に優先的に供給されているのとの疑念をEUが強めていることが背景にあるとみられている。承認されれば、EU域外の各国へのワクチン供給にも影響が出る可能性がある。EUは「EUの市民のためのワクチンを確保する必要がある」としている。

●独メルケル首相、店舗の営業原則禁止措置 1日で撤回し謝罪

 ドイツのメルケル首相は新型コロナの感染拡大を抑えるため、来月初めに食料品店も含めた店舗の営業を原則として禁止するとした新たな措置についてわずか1日で撤回を表明し謝罪した。かえって店に人々が殺到するとか、物流に支障が出るとして批判が高まったことを受けたもの。「すべて私の間違いだ。混乱を呼んだことを極めて遺憾に思う。すべての市民に謝りたい」と謝罪した。

●中国製ワクチン使われず シンガポール「安全性評価終わらず」

 シンガポール政府が中国のバイオ企業シノバックから購入した新型コロナのワクチンが、到着から1カ月たっても使われない事態になっている。必要なデータがそろわず、承認に向けた安全性や有効性の評価が終わらないため。ワクチンの到着は2月23日。シンガポールの中国大使館は翌24日、「疫病対策を強化しようという両国のリーダーの合意を実践した」とする声明を出した。

 保健相は今月24日の記者会見で、20万回分が届いたものの「使用は認めていない。健康科学庁が、評価のためにより詳細なデータを求めて議論中だ」と語った。シンガポールでは昨年12月に米ファイザー、今年2月には米モデルナのワクチンが承認、接種が進んでいる。承認前にワクチンを受け取ったのは、中国の圧力のせいか。市民にはそんな見方もあるが、政府は、シノバックの場合はデータ提出が遅く到着が先になっただけだと説明。保健当局は24日「追加データが来るまで、承認はできない」と強調した。

●コロナ便乗犯罪、摘発45事件

 コロナ禍に関連し、マスクなどの転売や未承認医薬品の広告、ヤミ金融といった犯罪を各地の警察が昨年、45事件摘発し、13法人、87人を逮捕・書類送検した。警察庁が25日発表した。同庁は「社会不安の高まりや収入が減る人がいる中、悪質商法やヤミ金融などが増えるおそれがあり、取り締まりに力を入れていく」などとしている。

 マスクなどの品薄を受け、国民生活安定緊急措置法施行令で、昨年3~8月転売が規制された。その間に転売したとして、警察はマスク関連で10事件、消毒用アルコール関連で9事件を摘発した。コロナへの効能・効果をうたって薬を広告したなどとする医薬品医療機器法違反では14事件を摘発した。

●全国で新たに1917人が感染 山形、愛媛で過去最多

 国内感染者は25日で、新たに1917人が確認、2日続けて2月6日(2277人)以来の2千人台に迫った。山形県で49人と愛媛県で59人と、過去最多を記録。臨時記者会見を開いた愛媛県の中村時広知事は「感染状況は第4波に入った。危機的状況だ」と訴えた。

宮城県は161人で、過去最多の171人の前日に次いで2番目に多かった。仙台市の感染者数は県内最多の101人で、2日連続で100人を超えた。

 新規感染者が最も多かった東京都は394人。6日連続で前週の同じ曜日を上回り、同日までの1週間平均は319.9人と前週比107.7%。大阪府は266人で、2月5日(209人)以来2日連続で200人を上回り、兵庫県も100人と前日に続き100人台となった。

 感染拡大を受け、山形県と山形市は同市内の飲食店などに27日から営業時間を短縮するよう要請している。愛媛県も松山市内の繁華街の酒類を提供する飲食店に対し、午後9時までの営業時間短縮を要請する方向で調整。25日に判明した県内の感染者59人のうち47人が、同市内の繁華街で発生している変異株のクラスターという。仙台市は25日、市有施設の多くを4月11日まで休館することを決めた。市主催のイベントも原則中止。

 村井嘉浩・宮城県知事(県ホームページ)、中村時広・愛媛県知事(同左)、吉村美栄子・山形県知事(吉村みえこオフィシャル・ウェブサイト) 

Murai_yoshihiro Nakamuratokihiro_1吉村美栄子・山形県知事 出典:吉村みえこオフィシャル・ウェブサイト

【3月26日】

●106兆円予算成立 新年度過去最大

 一般会計の総額が過去最大の106兆6097億円となる2021年度予算が26日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。「緊急事態宣言」下で始まった今国会の審議は、新型コロナ対策と並び、総務省幹部の接待問題が焦点になった。後半国会でも野党は引き続き追及する方針。立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の各党は「コロナ対策が極めて手薄である一方、カットすべき従来型の予算が膨張している」(立憲)などとして反対した。

 コロナ対策などを盛り込んだこともあり、総額は9年連続で過去最大を更新した。一方、税収は新型コロナの影響で落ち込み、国債の新規発行額は43兆5970億円。当初予算としては11年ぶりに増える。菅政権は、観光支援策「GoToトラベル」に1兆円を計上した20年度の3次補正予算も1月末に成立させており、新年度予算と合わせ「15カ月予算」として一体的な執行を目ざす。

●インフル、懸念の流行なし 過去3年間平均の1000分の1

 今冬は、新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念されていたが、インフルの流行はないまま流行期が終わりそう。患者数は過去3年間の平均の1千分の1未満にとどまる。なぜこれほど患者が少なかったのか。感染研の資料によると、全国約5千カ所の定点医療機関から報告された昨年12月~今年3月上旬の平均は0.01人。流行入りの目安とされる1人に遠く及ばない。この冬の患者数は、最も多かった2月1~7日でも0.02人にとどまる。

 北里大学の中山特任教授(ウイルス感染制御学)は、「今年はライバルのコロナが強すぎた」と話す。あるウイルスに感染していると、他のウイルスに同時感染しにくくなる「ウイルス干渉」という現象が起きているのではないか、と指摘する。新型コロナもインフルも、鼻やのどを通じて感染する例が多い。また世界的にインフル患者が少ない上、海外からの人の流入がかなり制限されたことで、日本にインフルがほとんど入ってこなかったと考えられるという。

●1瓶で5回、5月中に

 高齢者向けのワクチン接種について、政府内の調整を担う河野行改相は26日の記者会見で、5月中にワクチン1瓶から6回接種できる特殊な注射器に切り替えられるとの見通しを示した。米製薬大手ファイザー社のワクチンを使う高齢者接種は4月12日から始まるが、当初は5回分しか接種できない一般的な注射器を使うことになる。

 河野氏は、「製造業者と調整をして前倒しのお願いをしている」と説明したうえで、「数量がそろった段階で切り替える。(医療従事者と高齢者の)9割ぐらい6回接種で打てたらいい」と述べた。

●重いアレルギー47人 厚労省公表 ワクチン接種後

 米ファイザー社製の新型コロナのワクチン接種について厚労省は26日、専門家の部会で、国内でこれまでに47人が、重いアレルギー反応の「アナフィラキシー」と国際基準に照らして判断されたと公表した。アナフィラキシーの症状がなかった20代の女性が接種後に死亡したことも報告された。接種後に亡くなったのは2人目。接種との因果関係は評価不能としている。

 医療従事者の先行接種は25日までに延べ77万5122人が受け、このうち3万7450人が2回目を受けている。24日までに医療機関から報告があったアナフィラキシー疑い事例は計237人。うち、21日までに報告のあった181人を国際的な基準で分析した。この基準によると、アナフィラキシーの判断には、二つ以上の症状が突然現れ、急速に進行することが必須条件。さらに皮膚や循環器、消化器別に起きた症状をチェックし、症状の組み合わせで判断する。47人が該当し、女性は44人、男性が3人だった。全員が軽快・回復しているという。

 部会では、先行接種を受けた人に対する健康調査の中間報告も公表された。2回目を受けた3933人では、37.5℃以上の発熱が35.6%で1回目(1万9035人)の3.3%より高かった。だるさ67.3%(1回目23.2%)、頭痛49.0%(同21.2%)といずれも1回目より高い。

●全国で新たに2025人感染 死者数、累計9千人超える

 国内の感染者は26日で、新たに2025人が確認された。死者は新たに33人確認、累計で9千人を超えて9016人(クルーズ船を含む)。全国の死者は、8千人を超えた今月2日から、25日間で991人増えた。死者の増加ペースは、7千人超から8千人超が16日間だった。

 宮城県では4日連続で100人を超え、沖縄県は今月最多を記録した。宮城県と沖縄県は25日時点で、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数と、人口10万人あたりの療養者数が、それぞれ「ステージ4(感染爆発)」の水準に達した。兵庫県では同日時点で、医療提供体制の状況を示す病床使用率が「ステージ4」となった。

 東京都の新たな感染者数は376人。1週間前の19日の303人と比べて73人多く、7日連続で前週の同じ曜日を上回った。都内では、コロナのリバウンドが鮮明になりつつある。大阪府は300人で、300人を超えるのは1月30日以来。小池知事は26日、「2週間後は東京の場合、(1日あたりの感染者が)1千人にいってもおかしくない流れ」と危機感を示している。

【3月27日】

●ブラジルの死者、連日3000人超 医療体制崩壊の危機

 ジョンズ・ホプキンス大学によると、ブラジルの1日当たりの感染者は2月から増加傾向が続き、3月27日の時点で平均9万人以上に、また、1日に報告される死者数も、連日3000人を超え世界でも最悪の状況となっている。ワクチンの接種は3月27日の段階で人口の1.9%にとどまっていて、専門家は「ブラジルは医療崩壊の寸前だ」として、この状況が続けば7月には死者は50万を超え、アメリカを超えると予測している。

●マスク非着用で雇い止め 皮膚炎の男性 KDDI子会社提訴へ


 職場でマスクを着用しないことを理由に、雇用を打ち切られたのは違法だとして、近畿地方の40代の男性が、KDDIの子会社「KDDIエボルバ」(東京)を相手取り、雇用契約の確認などを求める訴訟を近く大阪地裁に起こすことがわかった。男性はマスクを着けないのは持病のアトピー性皮膚炎を悪化させないためだとし、2回にわたって医師の診断書を提出。「大型フェースシールドを着ける」などの代替案を提案した。会社側は、就業規則違反を理由に雇用打ち切りは正当だと反論する。

●全国の感染者、2日連続で2千人超 リバウンド顕著に

 国内の感染者は27日で、新たに2071人が確認され、2日連続で2千人を超えた。東京都や大阪府、兵庫県などでリバウンドの傾向が顕著になっている。東京都では430人が確認され、8日連続で前週の同じ曜日を上回った。27日までの1週間平均の感染者は342.9人で、前週比は114.8%だった。27日に確認された感染者は、年代別では20代が107人で最も多かった。

 大阪府は27日、新たに386人の感染を確認したと発表した。前日を86人上回り、2日連続で300人を超えた。350人以上が確認されたのは、397人だった1月28日以来となる。また、70代と80代の男性2人の死亡も確認された。府内の感染者は延べ5万700人、死者は計1175人となった。兵庫県では164人が確認され、約2カ月ぶりの高い数値となった。宮城県では129人、埼玉県では124人の感染が確認、いずれも5日連続で100人を超えた。

【3月28日】

●全国で1785人感染を確認 東京・大阪「第2波」超え
 
 国内の感染者は、28日で、新たに1785人が確認。死者は30人だった。花見や歓送迎会シーズンを迎えるなか、各地でリバウンドの傾向が見られる。東京では313人の感染が確認され、6日連続で300人を超えた。週平均の新規感染者数は、28日時点で351.0人、昨年夏の「第2波」のピーク346.1人(8月5日)を上回った。都内では約2週間前からリバウンドの傾向が現れ、週平均(27日時点)でみると、1カ月で70人超増加した。「緊急事態宣言」解除後の人出が感染者数に反映されるのはこれから。

 大阪府では、28日の感染者数は323人で、3日連続で300人以上となった。11月24日以来約4カ月ぶりに東京の感染者数を上回った。1週間の感染者の合計は、27日時点で1576人で前週の1.87倍と急増。昨夏の「第2波」のピークだった1365人(8月4~10日)をすでに超えている。直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は17.88人(27日時点)で、政府分科会が定める指標で「感染急増」段階にあたる「ステージ3」の数値(15人)を上回っている。

 沖縄県では68人の感染が新たに明らかになった。26、27日には1日あたりの新規感染者が約2カ月ぶりに80人を超えた。県によると、直近1週間の人口10万人あたり新規感染者は30.71人で、宮城県に次いで2番目の多さ。玉城知事は26日の記者会見で、県民への外出自粛要請や飲食店に対する再度の営業時間短縮要請などの新たな対策を検討するという。また、飲食店で感染したとみられる事例が増えていることから、県は4月11日まで那覇市内の繁華街で接待を伴う飲食店の従業員を対象に無料のPCR検査を実施する。

【3月29日】

●ワクチン接種、第4波には効果限定的 筑波大グループが試

 筑波大学のグループがAI=人工知能を使った試算で、仮に東京都で去年夏の第2波と同じペースで感染が再拡大する場合、ワクチンの接種を急いでも次の流行を抑える効果は限定的だとする結果をまとめた。試算を行った倉橋教授は「第4波にはワクチンの効果は期待できないことが分かった。流行を抑える効果が現れ始めるのは、順調に行っても7月以降。引き続き会食時の飛沫対策などを続けることが重要だ」と話している。

●コロナ再拡大鮮明 全国で増加

 新型コロナ感染再拡大が鮮明になっている。全国の感染者数を1週間の平均でみると、今月2日に1千人を切ったが、28日時点で1713人に増加。34都府県で前週より増加した。「緊急事態宣言」の対象となっていた都市部で感染が増えているだけでなく、地方でも急増しているところがある。

 政府は今回の「緊急事態宣言」の解除にあたり、「必要な対策は政府分科会の指標で『ステージ2』以下になるまで続ける」と決めたが、状況は逆戻り。感染者数が落ち着いてきていた関西などでは、リバウンドしている。内閣官房の28日時点の資料によると、政府分科会の「6指標」のうち、大阪府は新規感染者数やその前週比など5つが「ステージ3(感染急増)」以上。療養者数は、「緊急事態宣言」が検討される段階の「ステージ4(感染爆発)」。東京都も4つの指標で「ステージ3」。一方、これまで感染者が少なかった東北や四国でも急速に増加。宮城県、沖縄県の感染者数は「ステージ4」に達し、山形県も「ステージ3」。

 順調に下がってきた病床使用率も、悪化の兆しが見える。千葉県、愛知県、大阪府などで病床使用率が上がり、変異株の検出が相次ぐ兵庫県では「ステージ4」の54%に達している。全国の感染者数は、政府分科会が「ステージ3」相当の地域に強い対策を求めた昨年11月20日とほぼ同じ水準。ただ当時、東京都、大阪府では飲食店などに時短営業の要請はしていなかった。

●「まん延防止措置」大阪府要請へ

 大阪府の吉村知事は29日、府内での感染拡大を受け、感染の「第4波」に入ったという認識を示したうえで、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する考えを示した。週内に対策本部会議を開いて、正式に決定する。同措置は、2月に施行された「新型コロナ特別措置法」で新たに設けられた。「緊急事態宣言」下でなくても、知事が飲食店へ営業時間の短縮を命令し、違反者に過料を科せる。菅首相も29日、関係閣僚との会合を開き、大阪府の要請に備えた協議を行った。

 また愛知県と兵庫県は、今月末までとしていた飲食店などへの時短営業要請を、4月21日まで延長することを決めた。沖縄県は、那覇市など20市町村の飲食店を対象に4月1日から3週間、時短営業を求めることを決めた。また全国知事会は29日、山本厚労副大臣とウェブ会議を開き、感染再拡大を避けるための緊急提言として、大規模なPCR検査の実施など対策の徹底を求めた。

●夜の人出、首都圏3割増 週末 大阪・名古屋・福岡も増加傾向

 「緊急事態宣言」が解除されて初めての週末を迎えた首都圏の1都3県では、主要駅周辺の夜の人出が前週に比べて大幅に増えた。ソフトバンクの子会社「アグープ」のデータを使い、26~28日の午後8時台の人出を分析。前週の同時間帯と比べ、銀座(東京)で47%増、新宿(同)、大宮(さいたま)、横浜、千葉周辺で3割前後の増加だった。
 
 2月末までで「緊急事態宣言」が先行解除になった地域では、京都23%増、名古屋20%増となった。両駅と梅田(大阪)の人出は、宣言が出る前の昨年12月に最も多かった週を上回っている。天神(福岡)はほぼ同水準に達している。

●時短応じぬ4店 都が過料手続き 特措法、全国初

 東京都は29日、新型コロナ対応の特別措置法に基づく営業時間の短縮の「命令」に違反したとして、飲食店4店舗を対象に、過料を科すべきだとする通知を裁判所に出した。裁判所が認めれば、4店舗には30万円以下の過料が科せられる。2月の特措法改正で罰則が設けられて以降、都道府県が過料を求めるのは全国で初めて。

 都は1月の「緊急事態宣言」を受けて、午後8時までの時短への協力を飲食店やカラオケ店に「要請」。時短に応じていないことが確認できた32店舗について、宣言下で適用できる45条に基づく「命令」を19日までに出した。過料通知対象の4店舗は「命令」に応じず、宣言が終わる21日まで午後8時以降も営業を続けていたことを都職員が確認したという。ただ、都は人が集まって感染リスクが高まったり店舗への風評被害の恐れがあるとして、4店舗の店名は公表していない。

●国内で1345人が感染 月曜に1千人超は7週ぶり

 国内の感染者数は29日で、新たに1345人が確認された。1週間前の22日の823人と比べ、522人増。感染者が少ない月曜日に1千人を超えるのは7週ぶり。死者は13都道府県で計29人増。東京都では234人が確認され、10日連続で前週の同じ曜日を上回った。月曜日としては2月15日(266人)以来の200人台となり、リバウンドの傾向が続く。29日までの1週間平均の感染者は357.7人で、前週比は118.1%だった。大阪府は213人が確認され、月曜日の発表で200人を超えるのは、1月25日以来となった。

【3月30日】

●「まん延防止等重点措置」、適用なら会食でのマスク義務化 吉村府知事

 吉村知事は30日、「まん延防止等重点措置」が適用された場合の対応について「大きな柱として飛沫感染を防ぐことに力を入れたい。マスク会食の義務化やアクリル板の設置、CO2センサーの設置による換気の徹底を義務化できないか検討している」と述べ、会食の際のマスク着用や店内でのアクリル板の設置などを政令で義務化したいという考えを示した。

●研究所で流出「可能性低い」コロナ起源 WHO、報告へ

 WHOは30日、新型コロナの起源について中国湖北省武漢市で行った現地調査の報告書を発表し、その起源や発生場所を特定するには至らず、「武漢の研究所から流出した可能性は極めて低い」と結論づけた。日本や米国など14か国の政府は「国際的な専門家による調査が大幅に遅れ、完全なデータやサンプルにアクセスできなかったことに懸念を表明する」とする共同声明を発表。米バイデン政権は報告書の中立性に疑問を呈し、調査をめぐる米中の対立が続いている。ホワイトハウスのサキ報道官は、中国について「透明性がなく、十分なデータを提供しておらず協力的だとは言えない」と批判した。

 報告書は新型コロナのヒトへの感染経路をめぐる4つの主要な仮説を検証した。その結果、①元々ウイルスを持っていた動物から別の動物「中間宿主」を経ての感染は、可能性が高いもしくは可能性が非常に高い。②元々の動物からの直接感染は、可能性があるもしくは可能性が高い。③冷凍食品などに付着したウイルスからの感染は、可能性がある。④研究所からの流出は、可能性が極めて低いと評価した。仮説④「研究所からの流出説」は、研究所はいずれも高い安全性を備えていた。ウイルスが間違って流出する危険性は、極めて低いとした。

 中国側から提供された2019年12月の新型コロナ発症者のデータや、10~12月に武漢市内の病院にかかった7万人以上の患者の診療記録からは「12月以前に感染が拡大していたとする根拠は見つからなかった」としている。ただ一方で、2019年12月当時のウイルスの遺伝情報(ゲノム)を分析した結果、動物からヒトへの感染は早ければ9~11月ごろに起きた可能性があると推察した。また、世界で最初の集団感染が確認された華南海鮮卸売市場が、動物からヒトへの最初の感染場所とは限らないとした。

 調査団は、今回の武漢での調査を全体の「第1段階」と位置づけ、その結果をもとに「第2段階」を進めていくとし、調査範囲は中国国内に限らず世界各地が対象になるという。調査団は中国人17人、多国籍の17人の専門家で構成。1月14日から2月10日まで共同調査を武漢で実施した。隔離期間を除く約2週間の現場調査について、調査団のベンエンバレク団長は「大量のデータを得ることができた」と評価。メンバーからも「行きたい場所にはすべて行けた」との声が出ていた。報告書の公表は当初2月に予定されていた。

●求人倍率1.09倍、悪化 2月失業率2.9%で横ばい

 新型コロナ禍で「緊急事態宣言」が続いた2月の雇用統計が30日、公表された。失業率は横ばいだった一方、有効求人倍率は5カ月ぶりに悪化。打撃の大きい宿泊・飲食業を中心に、雇用への影響が続いている。

 総務省が発表した2月の完全失業率(季節調整値)は2.9%、完全失業者数は203万人で、ともに前月と同じだった。仕事を休まされるなどした休業者は228万人で、3カ月連続で200万人を超えたが、前月よりは16万人減った。一方、パートやアルバイトなど非正規雇用の働き手は、前年同月より107万人少ない2052万人(原数値)。新型コロナの影響が出始めた昨年3月以降、12カ月連続で前年を割り込んでいる。同省は「宿泊・飲食サービス業への影響が続いている」とみる。

 また厚労省が発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.01ポイント低い1.09倍で、昨年9月以来の悪化だった。企業の足元の雇用意欲を示すとされる新規求人が、前月より2.8%減った。ただ業種別にみると、宿泊・飲食サービス業は前年同月比41.0%減(原数値ベース)だった一方、リフォーム工事などが増えている建設業は同10.0%増と、雇用意欲が高い業種もある。

●厚労省23人深夜まで会食 時短営業要請中 課長更迭へ

 厚生労働省の職員23人が、深夜まで送別会を開いていたことが明らかになった。時短営業の要請が出ている東京都内で深夜まで営業している店を選び、マスクなしで会食をしていた。厚労省は30日、会合を提案した老健局老人保健課長を減給1カ月とした上で大臣官房付として事実上更迭するなど、出席者22人のうち出向者を除く19人を訓告などの処分にすると発表。田村厚労相も給与を2カ月間、自主返納する。

 田村厚労相は30日の閣議後会見で「国民の皆さまの信用を裏切る形になりました。深くおわび申し上げます」と頭を下げた。省内では2~3人が受話器にかかりきりになるほど抗議の電話が鳴り続けている。立憲民主・共産・国民の野党3党は31日の衆院厚労委員会で集中質疑を行うよう与党側に求めた。31日に予定されていた医療法改正案の審議を見送り、野党側による質疑をすることになった。

●持続化給付金 競艇の211人も

 ボートレーサー(競艇選手)が「持続化給付金」を不正受給した疑いがある問題で、競技運営を担う日本モーターボート競走会と選手会は30日、東京都内で記者会見し、選手211人が制度の趣旨を理解しないまま安易に受給していたと明らかにした。日本中央競馬会(JRA)の騎手ら約160人に続き、同じ公営競技の競艇でも不適切な受給が判明した。

●抗体の保有率 東京は1%超
 
 厚労省は30日、新型コロナ感染歴を調べる抗体検査を昨年12月14~26日に5都府県の計約1万5千人に実施した結果、東京都は1.35%、愛知県で0.71%、大阪府で0.69%から抗体が検出されたと発表した。2月に速報値を発表しており、その後追加の分析をして結果を確定した。

 宮城県の抗体保有率は0.14%、福岡県は0.42%だった。感染研で追加の分析を行ったことで、複数の地域で速報値よりも保有率が上がったが、厚労省は「欧米と比べても少なく、依然として多くの人が免疫を持っていないと分かった」と説明している。

●全国で新たに2087人感染 「第4波」へ懸念高まる

 国内の感染者は30日で、新たに2087人が確認された。大阪府で400人を超えるなど、感染再拡大の傾向が顕著な地域が目立ち、「第4波」への懸念が高まっている。大阪府の新規感染者は432人。400人を上回るのは421人だった1月24日以来。感染経路の不明割合は63.2%に上っている。府が確保している病床(224床)の使用率は、およそ1カ月ぶりに40%を超えた。東京都の新規感染者は364人、11日連続で前週の同じ曜日を上回った。都内では初めて変異株の死者も確認された。

 3月30日時点の東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 内閣官房がまとめた今月29日時点の資料で感染状況や医療の逼迫具合を示す「6指標」を見ると、宮城、山形、東京、大阪、兵庫、愛媛、沖縄の各都府県では、「ステージ3」(感染急増)以上の項目が4つ以上あった。山形県では新たに療養者数が「ステージ4」(感染爆発)相当に達した。

【3月31日】

●大阪府「まん延防止等重点措置」、国に要請 全国で初

 大阪府は、31日、「緊急事態宣言」が出されていなくても集中的な対策を可能にする「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請した。本点措置の要請は、全国の都道府県で初めて。府では、遅くとも来月5日から3週間程度の期間で、集中的な措置を講じたい考え。

 まん延防止要請決定 出典:NHK WEB NEWS

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 政府は同日、「まん延防止等重点措置」を大阪府に適用する方針を固めた。4月1日の政府対策本部で正式決定する。適用されれば全国初。菅首相は西村経済再生担当相ら関係閣僚と対応を協議した。感染が再拡大する宮城、兵庫両県も対象とする方向で最終調整。山形、沖縄両県の意向も確認している。大阪、宮城、兵庫の期間は、5日から5月5日で検討する。吉村府知事は大阪市域を対象とすると表明した。

 新型コロナ感染状況の悪化に歯止めがかからず、関西での「緊急事態宣言解除」から1カ月での対策強化を余儀なくされた。政府や自治体では感染「第4波」到来への危機感が高まっている。

●変異型感染者、34都道府県に拡大…前週比152人増の計801人に
 
 厚労省は31日、遺伝子解析で確定した変異株の新型コロナ感染者数(30日時点)が、34都道府県で678人、空港検疫で123人の計801人だったと発表した。前週の23日時点から、愛知、福井、三重、奈良、和歌山、高知、福岡、大分の8県で新たに変異型の感染者が確認されるなど計152人増えた。厚労省の「専門家組織」は31日、「今後も感染拡大が予想される」とし、人の移動に伴って変異株が広がることをできるだけ防ぐことを求めた。

 都道府県別では、兵庫県が最多で前週比20人増の181人、次いで大阪府が25人増の130人、埼玉県が1人増の59人、北海道が25人増の38人だった。一方、簡易検査での変異型の陽性者は、30日時点で累計1200人(速報値)だった。これらの検体は順次、遺伝子解析され、確定値として計上される。都道府県はこれまで、新型コロナの感染が確認された人の5~10%をめどに、PCR検査で変異株かどうか調べ、ゲノム解析で確定させる。政府はこの割合を40%に高める方針。

 ゲノム解析で確定した人を年代別で見ると、40代が16%で最多。一方10歳未満が12%、10代が11%と、子どもも比較的多かった。変異株は地方での拡大も目立つ。松山市では繁華街の複数の飲食店でクラスターが起こり、20人以上が感染。札幌市のスナックでは40~80代の従業員と利用客5人が感染。全員が変異株とみられている。東京慈恵医大の浦島教授(予防医学)は、感染力が強くなると、感染者の増え方も変わるとして、「変異株の割合がいま少なくても、ある値を超えると、あっという間に『うなぎ登り』に広がる」と懸念する。

●厚労省の大会食、誰も止めず 午後9時以降も注文 マスク外したまま

 厚労省の職員23人が深夜まで送別会を開いていたことが明らかになり、関係する職員ら22人が処分された。新型コロナの感染拡大防止のため国民に自粛を求める立場だった厚労省の職員が、なぜ大人数で長時間の会食を開いたのか。誰も止める人はいなかったのか。ある元官僚は「縦割り組織のため、同じ厚労省内でもコロナ対策の当事者意識が欠けていた」と指摘する。親睦会費が充てられることで「参加しないと損」という考えが働いた可能性もあるという

 「仕事が一段落して、一緒に頑張った仲間へ感謝の気持ちを表したい」。老健局老人保健課の課長が、送別会の開催を提案したのは、2回目の「緊急事態宣言」の最中の3月8日。同課は、3年に1度の介護報酬改定を終えたばかり。24日の夜に開くことになり、職員が東京・銀座の居酒屋を予約。仕事終わりが遅い参加者が出ることを見越し、午後11時まで営業している飲食店を探したという。

 21日に宣言が解除され、予定通り開催するのか職員がたずねると、課長は「宣言が明けたのでやってもいいのでは」とゴーサインを出した。24日、会合が始まったのは午後7時過ぎ、23人が参加した。東京都は宣言解除後も、飲食店に営業を午後9時までと求めていたが、会は午後9時を過ぎも続いた。参加者はマスクをはずしたままだった。最後の職員が店に現れたのは、午後10時半だった。

 政府は感染者を再び増やさないため、花見や歓送迎会、5人以上が集まる会食の自粛を呼びかけてきたが、中止を言い出した職員はいなかった。田村厚労相は「課長が職場を離れる人の慰労で催した。そういう雰囲気を壊すのはどうなのかということもあったようだ」(31日の衆院厚労委員会)と説明する。課長は午後11時20分まで店に残っていた。野党からは「課長より先に帰れないという雰囲気があったのではないか」(立憲民主党の長妻昭氏)との指摘も出た。午前0時直前の散会まで、10人前後が残っていた。

●5人以上の会食 他に2件

 厚労省では、老健局の問題を受け、「緊急事態宣言」が出た今年1月7日以降、本省と中央労働委員会事務局で「職員5人以上の会食」が開かれていないかを調べた。その結果、職業安定局で管理職含む5人、子ども家庭局で6人の会食があったという。いずれも「緊急事態宣言」が解除された後の3月下旬で、東京都が飲食店の時短要請の午後9時までに終わったとしている。厚労省は30日、全職員にメールで「歓送迎会等の会合は控え、自覚ある行動をとること」と指示した。

●県職員8人、送別会で感染 鳥取

 鳥取県は31日、職場の送別会に参加した農林事務所の職員8人が新型コロナに感染したと発表した。送別会の2次会でクラスターが発生したとみている。県によると、同事務所の職員14人が3月26日夜に送別会を開催。1次会はコロナ対策を講じている県の協賛店で飲食し、2次会はカラオケのある接待を伴う飲食店で開いた。8人はいずれも2次会に参加していた。

 感染者数が全国最少の鳥取県では飲食店の時短要請などはしていない。職員に対してもマスク会食や3密回避を徹底しながら少人数で会食することは認めていたが、今回の8人はほとんどマスクをせず、カラオケで大声を発していたという。

●国内感染2843人 2カ月ぶり2500人超

  国内感染者は31日で、新たに2843人が確認された。感染者数が2500人を超えるのは2月4日以来。宮城県や青森県で過去最多の感染者数が確認されるなど、感染拡大は地方でも顕著になってきている。宮城県では200人の感染が新たに確認され、これまで最多だった3月24日の171人を超えた。同県では3月に入ってから感染者が急増し、100人を超す感染者が確認される日が続いていた。青森県の感染者は81人で、最も多かった2月10日の40人を大幅に上回った。68人が、青森市内の障害者施設の入所者と職員。

 東京都の感染者は414人で、31日までの週平均の感染者は360.7人で前週比は116.5%にのぼる。年代別でみると、20代が115人と最多、65歳以上の高齢者は71人。大阪府は、599人の感染者を確認。過去5番目に多く、最多の第3波ピーク654人(1月8日)に近づいた。重症患者は前日から2人増え92人、府が確保している病床(224床)の使用率は41.1%。兵庫県では211人の感染が確認され、1月28日以来、約2カ月ぶりに200人台となった。

 3月31日時点の大阪感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 都道府県別 感染者数(2021/3/31時点) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 以下3枚の図は、3月31日時点の国内発生状況 出典:厚生労働省ホームページ

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2021年4月18日 (日)

新型コロナ2021.03 変異株

 新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」。年が明けた2021年1月7日、政府は首都圏1都3県に再び「緊急事態宣言」を発出、更に1月13日には11都府県に拡大した。1月中旬以降には新規感染者は減少傾向にあるが、都市部の病床逼迫は長期化している。2月8日、宣言は栃木県を解除し、10都府県は3月7日まで延長。その後、感染下げ止まりの首都圏4都県を除き、関西・東海・福岡の6府県は2月28日をもって先行解除された。水面下では、変異株(ウイルス)が広がってきた。

 2021年3月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.02 先行解除」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】


【3月1日】

●ファイザー製、普通の冷凍庫程度可 自治体のワクチン保管容易に
 
 米製薬大手ファイザーは1日、新型コロナのワクチンについて、日本での保管条件に「零下25℃~零下15℃で2週間」を追加したと発表した。これまでは超低温冷凍庫が必要な零下75℃前後での保管を求めていた。通常の冷凍庫と同程度の温度でも保管できるようになり、自治体などでの管理がより容易になる。

 零下20℃度前後でのワクチンの安定性を調べた試験データを、医薬品の審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出し、保管温度の条件緩和が認められた。米国では、米食品医薬品局(FDA)が2月下旬に認めていた。解凍後の保管条件は「2℃~8℃で5日間」のまま変わらない。

●首相、7日全面解除に意欲 緊急事態宣言、感染対策に「成果」

 新型コロナ対策をめぐり、菅首相は1日の衆院予算委員会で、「宣言によって苦労をかけたが、新規感染者数が8割以上減少した。見える成果を出すことができた」と述べ、対策の手応えを強調し、首都圏の4都県に出されている「緊急事態宣言」を期限の7日で解除することに意欲を示した。その上で「3月7日(まで)に予定通りすべての地域で宣言を解除すべく、飲食店の営業時間短縮をはじめ、これまでの対策をしっかり徹底する」と語った。

 野党側は、専門家が「リバウンド」を警戒する意見を出していることなどから、慎重な対応を求めた。これに対し、首相は「1都3県は、ほとんどの指標で(解除の基準を)クリアしている。最終的には私の判断で判断する」と述べた。首相は昨年、感染対策と経済復活の両立を重視するあまり、目玉政策に掲げた観光支援策「GoToトラベル」の停止や水際対策で判断が遅れた。

●繁華街、夜間に人出増 週末比較、感染再拡大懸念

 首都圏の1都3県を除く6府県で1日、「緊急事態宣言」が先行解除されたが、主要都市の駅周辺や繁華街の人出は増加傾向にある。特に夜間の増加が顕著で、専門家らが指摘する「解除後の感染再拡大(リバウンド)」が懸念される。

 ソフトバンクの子会社アグープのデータを使って、2月26~28日の週末の午後9時台の人出を分析した。1月に始まった今回の宣言後、最も少なかった同時間帯の週末の人出と比べると、梅田(大阪)で42%増、横浜39%増、渋谷36%増、天神(福岡)35%増などとなっており、前週と比べても増えたところが目立った。「緊急事態宣言」が出た直後の週末を「100」とした場合の4都市(東京・新宿、大阪、名古屋、福岡)の人出の推移を見ても、すべてで増加傾向がみられる。

●千葉感染 東京上回る 知事、解除に慎重姿勢

 1日に全国で新たに確認された感染者は699人。死者は51人だった。首都圏4都県に出ている「緊急事態宣言」について、千葉県の森田知事と埼玉県の大野知事は1日、期限の7日で解除するには慎重な判断が必要との認識を示した。

 千葉県では1日、128人の感染が確認された。東京都内の121人を上回った。森田知事は記者会見で「100人を超える状況が続けば、7日の解除は難しい」と述べた。また埼玉県の大野知事も「解除できるかどうかの確信にはまだ至っていない。慎重に判断をしたい」と県庁で語った。2月28日に県内で発表された感染者数が97人、1週間前より増加しており「下げ止まり、あるいは鈍化している状況にある」と指摘した。

【3月2日】

●米国、全成人接種2カ月前倒し

 バイデン米大統領は2日、新型コロナのワクチン接種を2カ月前倒しし「5月末までに米国の全ての成人に十分な量のワクチンを供給できる」と述べた。米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の開発したワクチンの製造を米大手メルクが支援することで、接種を加速させるという。世界トップクラスの製薬企業が競合他社の製品の製造をするのは異例。政権は、国防生産法を使い、メルクが優先的にワクチン製造のための資機材を確保できるようにし、同社の米国施設の2カ所をJ&Jのワクチン製造にあてる。

●調査検体の約15%で英の変異株 神戸市が独自調査

 神戸市は、ことし1月1日から先月18日までの間に市内で新型コロナの感染が確認された人のうち1000人余りの検体を独自に調査した。その結果、1月1日から1月28日の間に感染が確認された677人からは英国の変異ウイルスは確認されなかったが、1月29日からの1週間の感染者173人のうち4.6%にあたる8人。2月5日からの1週間では105人の感染者のうち10.5%にあたる11人。そして2月12日からの1週間では79人のうち15.2%にあたる12人から英国の変異ウイルスが確認された。感染の割合が増える傾向にある。

●予算案、年度内成立へ コロナ対応 過去最大106兆円

 一般会計の総額は過去最大の106兆6097億円となる2021年度予算案が2日、衆院本会議で採決され、自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送付された。憲法の規定により年度内の成立が確実となった。立憲民主など野党は「感染拡大防止の予算が少ない」などとして反対した。政府・与党からは早くも、「緊急事態宣言」解除後を見越して、新たな経済対策を求める声が出ている。

 新年度予算案には、新型コロナ対策やデジタル庁設置経費などが盛り込まれたほか、国会の議決なしで政府が使途を決められるコロナ対策の予備費に5兆円も計上されている。災害などに備えた通常の予備費は5千億円で、その10倍の規模。立憲と共産は共同で、生活困窮者への給付金や持続化給付金の再給付などの追加対策を行う組み替え動議を提出。国民民主党も独自の組み替え動議を出したが、いずれも与党などの反対で否決された。

 政府・与党には、予算成立後を見すえて、早くも新たな経済対策をつくる動きが出始めている。中身はまだ具体化していないが、与党の意見や今後のコロナの感染状況なども踏まえて調整する。ある党幹部は「追加の経済対策はやらざるを得ない。地域はダメージを受けたままだ」と語るなど、疲弊する地域経済への配慮が必要との声が強まっている。

●緊急事態宣言、延長か解除か 首都圏知事ら懐疑的な見方

 「緊急事態宣言」の期限が7日に迫る中、首都圏4都県の知事から解除に慎重な声が相次いでいる。政府は予定通りの解除をめざすが、新規感染者は下げ止まり、病床使用率も高い水準で推移する。専門家からも解除に懐疑的な意見も根強く、政府は難しい判断を迫られている。首都圏4都県の知事は3日に会議を開き、「緊急事態宣言」の延長を政府に要請することも視野に協議するという。要請する延長期間は2週間程度を想定している。

 千葉県の森田知事は2日、「感染の増減がでこぼこで、7日の宣言解除は非常に難しい」、埼玉県の大野元裕知事も1日、「正直、緊急事態宣言が解除できるか確信にはまだ至っていない」と7日の解除に懐疑的な見方を示した。東京都の小池知事は2日、宣言解除について「皆さんにはもう一段ギアをあげてもらわないと間に合わない事態が生じている。1都3県で連携しながらどういう方法がいいかまとめていくことが必要」、神奈川県の黒岩知事は2日夜、「緊急事態宣言の解除、継続は基本的に政府が決めることだが、1都3県は一致していきたい」と述べた。

●コロナ下、休業244万人 1月雇用統計 打撃、限定的か

 新型コロナ禍で「緊急事態宣言」が出た1月の雇用統計が2日、公表された。営業時間の短縮要請で仕事を休まされるなどした休業者は、前月より42万人多い244万人に増えたが、1回目の「緊急事態宣言」時597万人の4割ほど。「緊急事態宣言」で懸念されていたほど、失業率は悪化しておらず、雇用への大きな打撃まではみられていない。

 総務省が発表した1月の完全失業率(季節調整値)は2.9%で、前月より0.1ポイント低下した。昨年7月以来6カ月ぶりの2%台。ただコロナ禍前の昨年1月は2.4%で、総務省は「改善したとまでは言えない」とする。「緊急事態宣言」の影響がみられたのは、職場から休むように求められるなどした休業者数。1月は244万人で、前年同月より50万人多かった。完全失業者数は、前月より7万人減の203万人(季節調整値)。仕事量に打撃があっても、企業がすぐに働き手を解雇せず、失業者の増加が抑えられたことがうかがえる。

 厚労省が発表した、求職者1人に何件の求人があるかを示す有効求人倍率(季節調整値)は、1月は前月より0.05ポイント上昇して1.10倍。ただ、「緊急事態宣言」下で仕事を探す人が減った面もあるといい、厚労省も「雇用情勢が回復したとまでは言えない」としている。

●コロナ回復者の血液用いた治療、臨床開始 血漿を投与、抗体に期待

 国立国際医療研究センターは2日、新型コロナに感染し、回復した人の血液成分「血漿」を患者に投与する臨床研究を始めたと発表した。対象は60歳以上か基礎疾患があり発症5日以内の軽症患者200人。血漿を使うグループと既存の治療をするグループの二つに無作為に振り分け、効果などを比べる。回復者の血漿には、ウイルスや細菌が再び体内に入ってきたときに排除する「抗体」がある。患者の体内にこの血漿を入れることで回復につながることが期待されている。

 海外では複数の研究が進んでいるが、有効性についての評価は定まっていない。センターによると、ハムスターを使った動物実験では、回復者の中でもウイルスを排除する抗体の能力には個人差が大きいことが確認されており、こうしたことが影響している可能性があるという。研究代表者は、「将来的に有効性が示されれば、治療の重要な選択肢となりうる」と話した。

●ファイザー製ワクチン空輸、羽田から那覇へ 国内初

 羽田空港では2日夜、新型コロナのワクチンが入った保冷コンテナが、ANA479便に積み込まれ、那覇空港に飛び立った。国内でのワクチンの空輸は初めて。このワクチンは米製薬大手ファイザー社製で、ベルギーから成田空港に到着した。厚生労働省と沖縄県によると、同県には今月初旬にワクチンが7箱(6825人分)届けられ、医療従事者が接種する。来週も同じ量が届き、今月下旬には2回目の接種のためのワクチンが到着する予定という。

●国内感染死者 8千人超す

 新型コロナの国内感染者は、2日で新たに888人が確認された。死者は新たに65人確認され、累計で8千人を超えて8026人(クルーズ船を含む)になった。死者が7千人を超えた2月15日から、15日間で970人増えた。死者の増加ペースは、6千人超から7千人超(971人増)が12日間だった。

 「緊急事態宣言」が出ている4都県の感染者数は、東京232人、埼玉102人、千葉87人、神奈川84人。東京は1週間前の2月23日の275人を下回ったが、2日までの1週間平均の新規感染者数は263.1人で前週比は82.7%だった。

【3月3日】

●EU ワクチン接種証明書、法案を月内提出 移動制限緩和目指す

 EUのフォンデアライエン委員長がツイッターで、ワクチンを接種した人にEU共通のデジタルの証明書を発行するための法案を3月中に提出すると発表した。移動制限の緩和を求める声が高まっていることを受けた措置。EUは夏の観光シーズンまでの導入を念頭に置いているが、証明書に盛り込む情報の共有やセキュリティの確保など技術面の整備だけでも3か月かかるとしているほか、フランスなど一部の加盟国からは慎重な声も上がっている。

●欧州高齢者 ワクチン効果 優先接種感染下がる

 昨年末から新型コロナのワクチン接種を進めている欧州の国々で、高齢者の感染者数が下がるといった効果が表れ始めた。国民全体の接種率は1割に満たない国が大半だが、老人ホームなどの入居者を優先接種してきたため。

 AFP通信は3日、スペインの高齢者施設でコロナに感染した人が、1月~2月にかけて95%減少したと、政府機関が2日公開の報告書で明らかになったと伝えた。1月18日~1週間で、国内の高齢者施設で感染した人は4439人だったのが、2月15日~1週間では215人にまで激減。施設でコロナで亡くなった人も、673人から157人と77%減った。スペイン政府は昨年12月末以来、施設の入居者を優先的に接種。約35万2千人いる高齢者施設の入居者では94%が1回の接種を終え、2回接種した人は82%に上る。

 ベルギーは昨年12月中旬時点で、入院患者の2割近くが老人ホームなどの施設利用者だったが、接種が本格化した1月から比率が低下。現在は5%にまで下がった。85歳以上の死者も2月下旬は、昨年末の4分の1。英国では保健当局が今月1日、1回目の接種の3~4週間後に、80歳以上の入院を防ぐ効果が80%を超えたという結果を明らかにした。イタリアやフランスでも2月以降、高齢者の感染率が下がり、入院者に占める75歳以上の人の割合が減るなどの効果が確認されている。

●変異株対策 新たに13の国や地域からの入国者に待機要求へ

 厚労省は、変異ウイルスの水際対策として、現在5つの国と地域からの人に対して行っている入国後の待機措置に、新たに合わせて13の国や地域を加える方針を決めた。対象となる国や地域からの人たちには入国後も検疫所が確保した宿泊施設で待機してもらい、3日後に改めて検査するとともに陰性でも14日間は自宅などで待機するよう求める。現在、対象はイギリスや南アフリカ、イスラエル▽アイルランド、それにブラジルのアマゾナス州などだが、これにイタリア、ドイツ、フランス、オーストリアなどを加える。

●日本医師会 中川会長「緊急事態宣言 7日の期限を延長すべき」

 首都圏の1都3県で続く「緊急事態宣言」について、日本医師会の中川会長は3日の記者会見で「徹底的に感染者を抑え込んだうえで解除しなければ、4月以降に第4波を招くおそれがあり、本格化する全国の新型コロナのワクチン接種の妨げになりかねない」と述べ、今月7日の期限を延長すべきだという考えを示した。

●1都3県の「緊急事態宣言」、2週間延長の方向で検討 首相表明、病床逼迫挙げ

 首相は3日夕、首相官邸で田村厚労相、西村経済再生相ら関係閣僚と感染状況を分析した。首都圏の1都3県で続く「緊急事態宣言」について菅首相は3日夜、総理官邸で、7日の期限を2週間程度延長する方向で検討する考えを示した。「私としては国民の皆さんの命と暮らしを守るために、2週間程度の延長が必要ではないかと考えている。これから専門家や関係者の意見を伺ったうえで、最終的には判断したい」と述べた。4都県では2度目の延長となる。

 政府は5日に対策本部を開くなどして、期限の延長に必要な一連の手続きを行う方針。首相は4都県の現状について「感染防止対策の極めて重要な局面だ」としたうえで、病床の逼迫などの改善が十分でなく、「(国の解除の目安)ぎりぎりの指標もある」と判断の理由を語った。首相は延長幅を「2週間程度」と考える根拠や、延長に伴う追加の感染防止策や支援措置などについては触れなかった。
 
 4都県では、1月上旬のピーク時より新規感染者数は大きく減ったものの、2月中旬以降、減少ペースが鈍っている。医療現場への負荷も2月上旬より改善したが、4都県の病床使用率の指標は、2番目に深刻な「ステージ3」。こうした現状に、日本医師会の中川会長は、首相の延長表明に先立つ3日の会見で「緊急事態宣言を延長すべきだ」と発言。政府分科会の専門家も解除後のリバウンド(再拡大)を懸念し、与党内で延長容認論も出ていた。
 
●五輪・パラ、海外から観客は月内に可否 「受け入れ困難」見方強まる

 今夏に延期された東京五輪・パラリンピックの開催に向けたの5者の代表者協議が3日、東京都内であり、海外からの観客を受け入れるかどうか、3月中に判断することで合意した。協議は政府から丸川五輪相、大会組織委員会の橋本会長が出席、東京都の小池知事と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長、国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長はオンラインで参加した。日本の関係者の間では、新型コロナの感染状況などから、受け入れは難しいとの見方が強まっている。

 協議では、国内も含めた全体の観客数の上限は4月中に決めることも合意した。海外からの観客について、丸川五輪相は「変異株の影響を予測できない中で、この先の状況は非常に予測することが困難であるので、慎重な判断が必要だ」と発言した。海外観客の受け入れの判断時期について、橋本会長は協議後、記者団に「具体的には、聖火リレーがスタートする今月25日までには決めたいと考えている」と語った。

 観客数に上限を設けるかや海外観客の取り扱いについては、日本側は昨年末、「国主体で今春(2021年春)に決める」と整理していた。首相官邸の幹部は3日、「なかなか外国人客を入れるのは難しい」と語った。五輪を担当する政府関係者も「国内外の新型コロナの状況をみれば、結論は見えてくる」と話した。

●武田薬品、週内承認申請へ 米モデルナ製ワクチン

 武田薬品工業は、米バイオ企業モデルナが開発した新型コロナのワクチンについて、今週中にも厚労省に製造販売の承認を申請する方針を固めた。国内での申請は米ファイザー、英アストラゼネカに続く3例目。日本政府はモデルナと武田との間で、今年6月までに4千万回分(2千万人分)、その後9月までに1千万回分(500万人分)の供給契約を結んでいる。

 モデルナCOVID-19ワクチンと武田薬品工業のロゴ 出典:ウィキメディア・コモンズ

モデルナCOVID-19ワクチンが入ったバイアル 出典:ウィキメディア・コモンズ

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 モデルナのワクチンの日本国内での臨床試験(治験)や販売、流通は武田が担当している。武田薬品は今週中にも海外での治験データをもとに厚労省に申請する。1月から実施している日本人200人を対象にした国内治験の結果は追加で提出する。武田薬品は5月中の承認取得を目指している。モデルナが米国で実施した治験には約3万人が参加し、新型コロナの発症を防ぐ効果は94.1%だったという。

●全国で888人の感染確認 コロナ死者、累計8千人超に

 国内感染者は、2日で新たに888人が確認された。死者は新たに65人確認され、累計で8千人を超えて8026人(クルーズ船を含む)になった。死者が7千人を超えた2月15日から、15日間で970人増えた。死者の増加ペースは、6千人超から7千人超(971人増)が12日間だった。

 「緊急事態宣言」が出ている4都県の感染者数は、東京232人、埼玉102人、千葉87人、神奈川84人だった。東京は1週間前の2月23日の275人を下回ったが、2日までの1週間平均の新規感染者数は263.1人で前週比は82.7%だった。

【3月4日】

●東大グループ 「東京新規感染者 7月再び1日1200人超」の分析

 東京大学の経済学者のグループが、「緊急事態宣言」を解除した場合のシミュレーションを行い、宣言解除後の気の緩みなどで再び感染が拡大すれば、7月には東京都の新規感染者数が再び1日1200人を超えるとする計算結果を公表した。

 シミュレーションを行ったのは、東京大学大学院経済学研究科の仲田准教授と藤井特任講師のグループ。2月28日までのデータをもとに、感染の広がりを予測する数理モデルと経済学の予測モデルを組み合わせ、首都圏の1都3県で「緊急事態宣言」が解除されたあとの感染状況や経済への影響を分析した。

 仲田准教授は「宣言解除までに感染者の数がしっかり減ることが前提なので感染状況によってはその後の結果は変わる。今回のシミュレーションによって宣言を解除したあとに段階的に経済活動を進めることで、感染者数の増加を大幅に抑えることができることが分かってきた。こうした結果を政策の参考にしてほしい」と話す。またグループでは、神奈川県、埼玉県、千葉県の3県でも、「緊急事態宣言」を解除した場合の感染状況と経済への影響についてシミュレーションを行っている。

●ワクチンの工場、神戸に建設へ アストラゼネカ委託のメーカー

 英製薬大手アストラゼネカから新型コロナの製造を請け負う兵庫県芦屋市に本社がある製薬メーカー「JCRファーマ」は3月4日、新たなワクチンの製造工場を神戸市に建設すると発表した。新工場は、神戸市から取得した工業用地に総工費およそ116億円をかけて建設され来年10月に完成する予定で、稼働するのは再来年になる見通し。

 JCRファーマのロゴ 出典:JCRファーマ株式会社ホームページ

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●ワクチン輸出不許可 豪州向け イタリアが管理強化

 イタリア政府は4日、英製薬大手アストラゼネカなどが開発し、イタリア国内で製造された新型コロナのワクチン約25万回分について、豪州への輸出を不許可とした、と発表した。欧州連合(EU)が1月にEU域外へのワクチン輸出の管理を強化する措置を導入して以来、初めてのケースとみられる。イタリア外務省は、不許可の理由として、豪州がワクチン供給の点で「脆弱な国」でないこと、同社製ワクチンの供給計画がEUやイタリア国内で遅れていることなどを列挙した。

 EUは今年1月末、EU域内でのワクチン供給が計画通りに進んでいないことから、域内で生産されたワクチンを域外に輸出する際には、製造した国の政府の許可を必要とする「輸出管理」の強化措置を導入。イタリアのドラギ首相は2月末のEU首脳会談で、EU加盟国との契約を尊重しない企業の域外へのワクチン輸出を止めるべきだと主張していた。

 一方、豪州のハント保健相は5日に、「EUに再考を求めたが、これまでに回答はなかった」と述べた。豪州は同社製のワクチン5380万回分を確保し、うち5千万回分は国内生産する計画で、今後の接種計画には影響が出ないとしている。ただ、EUによるワクチンの「囲い込み」とも取れる動きが加速すれば、地域間のワクチン格差が広がったり、ワクチン確保をめぐって国際的な緊張が高まったりする懸念がある。

●東京279人感染

 国内感染者は、4日で新たに1170人が確認された。1日あたりの感染者が1千人を超えるのは2日連続。死者は新たに67人確認された。東京都の新規感染者は279人で、2日ぶりに300人を下回った。1週間前の2月25日の340人より減少したものの、4日までの1週間平均は269.1人で、前週比は96.2%にとどまった。死者は23人だった。

【3月5日】

●首都圏1都3県の緊急事態宣言、2週間延長決定 菅首相

 政府は5日夜、首相官邸で新型コロナ対策本部を開き、菅総理大臣が首都圏の1都3県の「緊急事態宣言」について3月7日の期限を2週間延長し21日までとすることを表明した。

●東京都、時短要請応じない飲食店などに理由聞く手続き開始

 東京都は、営業時間の短縮要請に応じていない飲食店などに対して「命令」を出すこともできる、より強い「要請」を出しているが、4日までにこれに応じた店はない。このため「要請」を出した複数の店に対し、応じない理由を聞くための手続きを始める通知を出した。今後、店側の主張を聞いたうえで「命令」を出すかどうか検討する。特別措置法では最終的には行政罰としての過料を科すこともできると定められている。5日の時点で「要請」を出した店は113に上っている。

●新型コロナワクチン接種でアナフィラキシー、国内初

 厚労省は、新型コロナのワクチンの接種を受けた医療従事者の30代の女性に、重いアレルギー反応の「アナフィラキシー」が確認されたことを明らかにした。女性は5日、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナのワクチンを接種したところ、5分以内にせきが出て呼吸が速まり、まぶたの腫れや全身のかゆみなどの症状が見られたという。女性はその場で救急処置を受け、症状は軽快しているとしている。全国で接種を受けた医療従事者は5日午後5時までに合わせて4万6000人余りで、アナフィラキシーが報告されたのは初めて。

●ワクチン3例目申請 モデルナ製、政府契約3社でそろう 

 武田薬品工業は5日、米モデルナが開発した新型コロナワクチンについて、製造販売の承認を厚労省に申請したと発表した。これで米ファイザー、英アストラゼネカとともに日本政府が供給契約を結ぶ3社のワクチンすべてが申請または承認された。契約数は計3億回分(1億5千万人分)超と日本の人口を超えるが、日本がいつ、どれぐらいの量を実際に確保できるかは不透明さが残る。

 政府はモデルナ製を計5千万回分(2500万人分)調達する契約を結んでいる。すべて輸入で、今年6月までに4千万回分(2千万人分)、その後、9月までに1千万回分(500万人分)が供給される計画。輸入や販売を担う武田は5月中の承認取得を目指している。

●注射器なく、当面1瓶5回 コロナワクチン

 高齢者向けの新型コロナワクチン接種をめぐり、調整を担う河野行政改革相は5日、ワクチン1瓶から6回接種できる特殊な注射器の調達が4月12日の接種開始に間に合わない、と発表した。当面は1回分を廃棄することになる。医療従事者向けも同様の理由で、少なくとも3月中は廃棄が出るという。国内で現在使用する米ファイザー製ワクチンは、一般的に使われている注射器では5回しか接種できない。

 また、当初想定の約370万人から増えると見込まれた医療従事者の対象人数は「約480万人」と明らかにした。自治体向けのワクチン接種の予算を約532億円上積みすることも発表した。

●東京301人感染 週平均増加に転じる

 国内感染者は、5日で新たに1149人が確認され、死者は55人増えた。1日あたりの感染者が1千人を超えるのは3日連続。全国最多となる301人の感染が判明した東京都は、同日までの1週間平均が273.6人となり、前週比102.1%と増加に転じた。

 「緊急事態宣言」の再延長が決まった4都県の新規感染者は千葉県の137人、神奈川県の131人、埼玉県の90人と合わせて計659人となり、全体の6割近くを占めた。死者も埼玉県が過去最多に並ぶ13人など計37人だった。

 一方、厚労省は5日、英国やブラジル、南アフリカで報告された新型コロナの変異ウイルスが、1府7県の計17人から確認されたと発表した。石川県での確認は初めて。埼玉県の1人を除いて海外への渡航歴はないという。変異株の感染は、国内20都府県と空港検疫を合わせ、計251人になった。

【3月6日】

●WHO、ワクチン生産拡大へ「知的財産権の保護を一時停止にすべき」

 WHOのテドロス事務局長は、新型コロナワクチンの供給が依然として十分でないとして世界各地で広く生産ができるようワクチンに関する知的財産権の保護を一時的に停止し、世界各地でより広く生産できるようにすべきだと訴えた。ワクチンに関する知的財産権の扱いはWTO(世界貿易機関)で議論されていて、南アフリカとインドが一時的な停止を提案して途上国の支持を集める一方、製薬会社を抱える先進国が反対し、協議は難航している。

●変異株、国内でも発生か 慶大など発表 「免疫の働き弱まる」おそれ

 新型コロナの変異ウイルスについて、免疫の働きが弱まるおそれのある遺伝情報の変異が国内でも起きていた可能性があるとする分析結果を慶応大学のグループが発表した。

 グループでは国内の感染者から検出され、遺伝情報が公開されているおよそ4400人分のウイルスの遺伝子を詳しく分析た結果、「E484K」と呼ばれる変異を持ったウイルスが64人分見つかり、このうち2人分の変異ウイルスについては国内で変異が起こった可能性が高いことが分かった。「E484K」の変異は南アフリカやブラジルで広がった変異ウイルスでも見つかっているが、今回分析されたウイルスは、いずれもこれらとは異なり、感染性が高まるような変異は起こっていないという。

●東京、感染293人 下げ止まり傾向続く

 国内の感染者は6日で、新たに1054人が確認された。1日あたりの感染者が1千人を超えるのは4日連続。亡くなった人は40人だった。東京都では、293人の感染が確認された。6日までの1週間平均の感染者は267.3人。対前週比は99.3%で、感染者の減少が下げ止まる傾向が続いている。都基準の重症者数は前日より2人多い51人だった。

【3月7日】

●新型コロナワクチン接種でアナフィラキシー 国内2人目の報告

 厚労省はワクチンの接種を受けた20代の医療従事者の女性に「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー症状があったことを明らかにした。接種後のアナフィラキシーの報告は2人目で、女性はすでに回復しているという。ファイザー社のワクチンを接種したところ、25分程度でじんましんがあらわれ、その後せきや発熱、血圧の低下、息苦しさなどの症状が確認された。女性は投薬治療を受けて回復したが、医療機関は「接種と関連がある」と報告している。

●宣言再延長の4都県、592人感染 

 国内の感染者は7日で、新たに1065人が確認された。1日あたりの感染者が1千人を超えるのは5日連続。死者は25人増えた。7日が期限だった首都圏4都県を対象とする「緊急事態宣言」は、21日まで2週間、再延長された。4都県では7日、東京都237人、埼玉県123人、神奈川県119人、千葉県113人の計592人の感染が確認され、全体の半数以上を占めた。東京都の7日までの1週間平均の新規感染者数は254.1人で、前週比91.6%だった。

【3月8日】

●1都3県の変異ウイルス検査、感染者の1割にとどまる

 変異したウイルスの拡大が懸念される中、首都圏の1都3県では先月末までの1週間に418人に対して変異ウイルスの検査が行われたことがわかった。これは、この期間に発表された新規感染者数の1割ほどにとどまる。専門家は「検査などの監視体制をさらに強化する必要がある」と指摘している。

●コロナ病床、拡充計画 厚労省 感染者ピークの2倍想定

 新型コロナ感染拡大で病床が逼迫したことを受け、厚労省が病床確保計画を見直すよう都道府県に求める方針であることが8日、わかった。地域の医療機関の役割分担を明確にすることで強化を図り、昨年末から続く第3波のピークの2倍程度の感染者数に対応できる体制をめざす。ただ、医師会なども含めて関係者の連携が不可欠で、実効性のある計画を作るには地域で十分な議論が必要となる。

 新型コロナ患者の入院者は年末年始に急増。東京都では1月、確保した病床の使用率が8割を超えた。こうした状況を受けて厚労省は2月、大学病院などが重症者、公立など中核的な医療機関が中等症の患者を担当するなど、医療機関の役割を明確にするよう都道府県などに求める通知を出した。だが、第3波では医療機関の役割分担がうまく機能せず、病床逼迫が相次いだ。

 厚労省は次の感染拡大に備えるため、近く病床確保計画を改めて作成するよう都道府県に求める。具体的には、地域の医療機関や自治体が話し合い、コロナ患者を診る医療機関を症状別に分類。その上で、感染状況に応じた病床数を決める。コロナ患者を受け入れることが難しい中小病院などは退院基準を満たした患者の受け入れを担う。自宅や宿泊施設で療養する軽症や無症状の人の健康管理は診療所や訪問看護ステーションが支援する仕組みを強化する。

●NHK世論調査 内閣支持40%、不支持37%

 NHKは今月5日から3日間、全国の18歳以上2120人を対象に調査し、58%にあたる1237人から回答を得た。菅内閣を「支持する」と答えた人は、先月より2ポイント上がって40%。「支持しない」と答えた人は、7ポイント下がって37%で、去年12月以来、3か月ぶりに支持が不支持を上回った。

 支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が41%、「支持する政党の内閣だから」が22%、「人柄が信頼できるから」が20%などとなりました。逆に、支持しない理由では、「実行力がないから」が34%、「政策に期待が持てないから」が33%、「人柄が信頼できないから」が16%などとなりました。

 新型コロナをめぐる政府の対応について、「大いに評価する」が6%、「ある程度評価する」が41%、「あまり評価しない」が37%、「まったく評価しない」が10%。政府は、首都圏の1都3県の緊急事態宣言を今月21日まで延長した。2週間の延長期間をどう思うか聞くと「適切だ」が39%、「短すぎる」が41%、「長すぎる」が5%、「宣言は解除すべきだった」が6%だった。

●1月景気判断、上方修正 動向指数「下げ止まり」から「局面変化」

 内閣府は8日に公表した1月分の景気動向指数で、景気の基調判断を「下げ止まり」から「上方への局面変化」に引き上げた。コロナ危機で昨年春に指数が急落した後、上昇基調が続いているためで、指標上、景気はすでに底を打ち、拡大に転じた可能性が高いとの見方を示した。ただ、足元では2度目の「緊急事態宣言」の影響で消費が落ち込み、本格回復には遠い状況。

 景気動向指数は、政府が景気の拡大・後退時期を認定する際のデータとして使われる。1月分では景気の現状を示す一致指数(速報値)が前月より3.5ポイント高い91.7と、3カ月ぶりに上昇。有効求人倍率や鉱工業生産など指数を構成する各指標が改善に寄与した。

 コロナ危機の影響が深刻化した昨年5月が「景気の谷」だったとの見方。水準はまだコロナ前には届いていないが、回復局面にあるようだ。ただ、昨年夏以降の回復は直前の急落からの反動の側面が強い。景気動向指数は、生産や輸出など製造業関連の動きに反応しやすいとも指摘される。製造業は、サービス業より早く回復しており、「緊急事態宣言」下で「景気拡大」の可能性が示された背景には、こうした要因もある。

●黒岩知事発言、波紋 宣言延長「小池氏側が事実と違う説明」

 神奈川県の黒岩知事は、「緊急事態宣言」延長に向けて小池東京都知事に事実と異なる説明をされたと主張。7日のテレビの報道番組に出演し小池知事とのやり取りを明らかにした。黒岩知事は、1日に小池知事から電話があり、「延長せざるを得ないでしょう」と言われ「ちょっと待ってください。もうちょっと数字が見たい」と伝えた。すると小池知事は翌2日、4都県知事で西村経済再生相と面会することを提案。面会に出す文書案をみると、2週間の宣言延長を要請する記載があった。

 黒岩知事が「他の知事は大丈夫なのかな」と尋ねると、森田知事と大野知事も賛成していると答えたという。黒岩知事が森田知事に電話で確認したところ、森田知事は「『黒岩さんが賛成するから』って言うから、俺も賛成しようとなった」。大野知事にも問い合わせると、同様の回答だったという。黒岩知事は憤り、西村氏との面会はなくなったという。黒岩知事は、3日の4都県知事のオンライン会議で「こういうことをやられると信頼関係が薄れる」と抗議。小池知事は「ちょっと先走って、ごめんなさい」と謝罪したいう。

 1月7日に出た「緊急事態宣言」の前も、小池知事ら4都県の知事が西村氏に宣言を出すよう働きかけ、菅首相は「後手」に回ったと批判された。今回の延長に関しても、菅首相は当初慎重だった。小池知事の望みどおりに知事側が再延長を要請すれば、政府に再び決断を迫る構図になり、小池氏の働きかけで決まったとアピールすることになる。官邸側はこうした動きを察知。知事らの足並みはそろわず、3日夕に機先を制する形で、菅首相が宣言の再延長を表明した。コロナ対策でワンボイスを強調してきた首都圏4都県の足並みが乱れる実態が波紋を呼んでいる。

●糖尿病注射器なら1瓶7回 京都の病院発表

 新型コロナのワクチンについて、宇治徳洲会病院(京都府宇治市)は8日、糖尿病患者に使われるインスリン用の注射器を使うことで、1瓶あたりの接種回数を、国が通知している1瓶5回から、7回に増やせると発表した。

 注射器 出典:NHK News Web

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 ファイザー製ワクチンは、1瓶で6回分接種できるとされる。だが、通常の注射器では内部に薬剤が残り、特殊な注射器が普及するまでは5回しか接種できない。国は2月、全国の自治体に1瓶5回分で準備するよう通知した。

 徳洲会病院の末吉院長は、インスリン用の内部に薬剤がほとんど残らないため、7回分接種できる。この注射器は皮下注射に使われ、針の長さが、筋肉注射をするワクチン用の注射器の半分程度と短い。しかし日本人は欧米人よりも皮下脂肪が薄く、超音波検査で皮下脂肪の厚さを確認した上で、職員への接種を始めた。7回打つ方法について、厚労省担当者は「現時点では調査中」としている。ファイザーの広報担当者は「添付文書で6回分を接種できるとしている通りです」と説明した。

●国内600人感染

 国内の感染者は8日、新たに600人が確認された。検査数の関係で発表が少ない傾向のある月曜日としても昨年11月2日(487人)以来の水準。死者は45人増えた。愛知県は8人で、新規感染者が1桁になるのは昨年9月22日(9人)以来。大村知事はこの日、14日までとしている県独自の「厳重警戒宣言」の解除を「今週半ばに判断したい」と述べた。東京都は116人で、1週間前の3月1日(121人)よりは減ったが、ほぼ同水準だった。

【3月9日】

●五輪、海外の一般客断念へ IOC、スポンサー枠要望

 東京五輪・パラで、海外在住の一般客について、政府・東京都・組織委員会が受け入れを見送る方針を固めたことが、複数の大会関係者への取材でわかった。一方、IOCはスポンサー関連の招待客らが入国、観戦できるよう要望しており、日本側が検討を続けているという。

 海外在住の一般客受け入れ断念については、政府、都、組織委、IOCと国際パラリンピック委員会(IPC)を交えた5者の代表者協議を経て、聖火リレーが福島で始まる25日より前に正式表明する方向で調整している。菅政権は東京大会で海外観客を受け入れ、新型コロナで激減したインバウンド(訪日外国客)回復のきっかけにする考えだった。だが、現在は外国人の新規入国を原則認めておらず、変異株も広がるなど、世論の不安も大きいことなどから、断念へと傾いたという。

●自前ワクチンなし 日本は「冷蔵」支援 25カ国に45億円拠出

 政府は9日、途上国で新型コロナワクチンの保冷設備などを整えるため、東南アジアなど25カ国に45億円を緊急無償資金協力として拠出することを決めた。日米豪印の4カ国で進めるアジアでのワクチン配布計画でも、日本が冷蔵輸送支援などを担う方向だ。中国のワクチン外交に対抗する狙いだが、自前のワクチンがない日本外交の弱みも露呈している。

 「ワクチンを一人一人に届けるラストワンマイル支援。かつてないスピードで実施していきたい」。茂木外相は9日の記者会見で力を込めた。計画では東南アジア、南西アジア、太平洋島嶼国に保冷設備や運搬車を供与し、低温でワクチンを運ぶ「コールドチェーン」整備を支援する。

 一方、中国やロシアは独自に途上国へワクチンを配り、影響力を拡大している。これに対し、12日にもオンライン形式で開かれる予定の日米豪印の4カ国(QUAD)による初の首脳協議では、アジアへのワクチン配布が話し合われる見通し。ただ、製造能力をもつ米印に比べ、日本にできることは限られる。

●世界経済5.6%増予測 OECD前年比 ワクチン普及で

 経済協力開発機構(OECD)は9日に発表した経済見通しで、2021年の世界の実質経済成長率を前年比5.6%増と予測し、昨年12月の前回予測より1.4ポイント上方修正した。新型コロナワクチン普及や各国の経済対策の進展で、以前より力強い景気回復を見込む。

 主要国では、米国が前年比6.5%増で、前回予想から3.3ポイントの上方修正。バイデン政権が総額1.9兆ドル(約200兆円)の追加経済対策を打ち出したことなどを評価。ユーロ圏は3.9%増(前回予測より0.3ポイント増)。ただ、コロナ対策の移動制限措置などが長引いているフランスとイタリアは、小幅に下方修正。ワクチン普及で一歩先を行く英国は5.1%増(同0.9ポイント増)。日本は2.7%増(同0.4ポイント増)。一方、中国は7.8%増(同0.2ポイント減)。

 OECDは今後のカギは「ワクチン普及を早めることだ」と指摘。遅ければ新たなワクチンを必要とする変異ウイルスが広がる恐れがあり、その場合は2021年の世界成長率は1ポイント近く下がる可能性があるとした。

●GDP年11.7%、堅調維持 10〜12月期2次速報 足元の勢いは失速

 2020年10~12月期の国内総生産(GDP)2次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期比2.8%増、年率換算で11.7%増だった。先月公表の1次速報(年率12.7%増)から下方修正されたものの、年率22.8%増を記録した7~9月期に続き、堅調な回復を保ったことが確認された。内閣府が9日公表した。2次速報では最新の統計を反映し、一部の個別項目の数値を修正した。

 GDPの下方修正の主な要因は、民間在庫の下ぶれ。原油・天然ガスや自動車などの在庫が減った。設備投資も、4.5%増から4.3%増に下方修正。個人消費は前期比2.2%増、輸出は11.1%増で1次速報と同じ。実質GDPの実額は年換算541兆円。水準で見ると、コロナ危機が深刻化した4~6月期に落ち込んだ分の9割をその後の2四半期で回復した計算。ただ「第3波」を受けて、1月に「緊急事態宣言」が大都市圏で出たため、今年に入って回復の勢いは失速。この影響で、GDPの半分以上を占める個人消費が再び落ち込んでいる。

 総務省が9日公表した1月分の家計調査では、2人以上世帯の消費支出は26万7760円。実質で前年同月を6.1%下回った。中でも外食の飲酒代が9割減、鉄道運賃は7割減など、サービス消費の冷え込みが鮮明。消費支出は前月比(季節調整値)でも7.3%減に急落した。

●ワクチン1瓶7回接種注射器 テルモ生産へ

 医療機器大手のテルモは、米ファイザー製のワクチン1瓶から7回接種できる注射器を開発した。3月末から生産を始める。国内で使う通常の注射器では1瓶から5回しか接種できず、6回打てる特殊な注射器も不足している。ワクチンの供給が限られる中、接種回数をどう増やすかが課題となっている。

 テルモのロゴ 出典:ウィキメディア・コモンズ

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 一般的な注射器は針の取り外しが可能だが、今回の注射器は針と直接つながっているため、注射器内に残って無駄になる溶液を最小限に抑えられる。厚労省が5日に製造販売を承認。注射器は、2009年の新型インフルエンザが流行した際に開発したワクチン向けのものを改良した。

 ファイザーのワクチンは針を垂直に深く刺す筋肉注射が必要。テルモは針の長さを13mmから16mmに伸ばして、筋肉まで確実に到達できるようにした。甲府工場(山梨県昭和町)で、2021年度には2千万本製造する見込み。

●1瓶7回接種、河野氏前向き 厚生省「否定はしないが・・・」

 ファイザー社製ワクチンについて、宇治徳洲会病院がインスリン用の注射器を使えば1瓶あたりの接種回数を7回に増やせると発表したことを受け、河野行政改革相は9日の閣議後会見で「こういう創意工夫はどんどんやっていただきたい」と前向きな姿勢を見せた。

 一方、田村厚労相は同日の閣議後会見で、インスリン用の注射器は皮下注射に使われ、針が短いことから「脂肪が少なくて筋肉まで届く人じゃないと使えない」と指摘。徳洲会病院のように超音波検査などを行い、必要な量を筋肉内に注射できることを前提に対応するよう求めた。

 厚労省担当者は、針を皮膚にまっすぐ刺さないと筋肉に届かないなど「技術的な注意点があるので、否定はしないが推奨するものでもない」としている。ファイザー社製ワクチンの使用方法を説明した添付文書によると、1瓶で6回接種できる。だが、特殊な注射器でなければ5回しか接種できず、国の通知は1瓶あたり5回としている。

●全国1128人感染 死者は58人増

 新型コロナ感染者は9日、全国で新たに1128人確認された。死者は58人増えて計8379人。8日の重症者は前日より1人多い381人となった。東京都では新たに290人の感染が確認された。死者は21人増え、都が確認した死者は計1500人となった。

【3月10日】

●ワクチン接種 女性17人にアナフィラキシー

 厚労省によると、9日午後5時までに国内でワクチンの接種を受けた医療従事者は10万7558人で、このうち女性17人に「アナフィラキシー」と呼ばれるアレルギー症状が報告されている。ワクチン接種を担当する河野行政改革相は10日、「欧米のこれまでのファイザー製のワクチンに関するアナフィラキシーの状況と比べると、数は多いように思われる」と述べ、状況を注視していく考えを示した。

●政府分科会 尾身会長「変異株が主流に 監視体制強化を」

 政府の分科会の尾身会長は衆議院厚生労働委員会で、変異株について「間違いなく既存株に取って代わるプロセスが始まっていて、早晩、変異株が主流になると考えておいたほうがいい」と述べ、監視体制を強化する必要性を強調した

●変異株、1カ月前から4倍超 9日時点 21都道府県で計271人確認

 厚労省は10日、変異ウイルスについて、9日時点で21都府県で計271人の感染が確認されたの調査結果をまとめた。1カ月前から4倍以上に増えた。変異株は従来の株より感染力が強い可能性が指摘されており、同省は検査や行動歴の調査を強化している。国立感染研などでゲノム解析して、変異株の種類が確定したものをまとめた。内訳は、英国型が260人と96%を占め、南アフリカ型が8人、ブラジル型が3人だった。

 都道府県別では、大阪が最多の62人(すべて英国型)。次いで埼玉41人(英国型40人、ブラジル型1人)、兵庫38人(すべて英国型)、新潟32人(同)、神奈川22人(英国型18人、南ア型4人)、京都19人(すべて英国型)、東京14人(同)と続く。これらの国内事例とは別に、空港検疫で74人(9日時点)の変異株感染が確認されている。

 変異株の感染は、すでに世界中に広がっている。WHOの9日時点の報告書によると、英国型は111カ国で確認されている。南ア型は58カ国、ブラジル型は32カ国。英国型は、従来のウイルスに比べて感染力が1.36~1.75倍になっているとされる。感染しやすくなることで患者が増え、医療体制にさらに負荷がかかることが懸念されている。

●全国で1316人感染 東京・埼玉、3月では最多 

 国内の感染者は10日で、新たに1316人が確認された。1300人台に増えるのは2月19日以来。「緊急事態宣言」が続く東京都340人、埼玉県135人は3月で最多となった。死者は13都道府県で計54人だった。

 東京都は1週間前の3日の316人より24人多く、10日までの1週間平均の感染者は、265.1人で前週比は95.4%。都は「緊急事態宣言」期間が終わる21日までに、医療提供体制の状況を示す指標で「ステージ2(感染漸増)」の水準まで下げることを目標としている。北海道は、道内で初めて変異株(英国型)の感染者13人が確認された。

【3月11日】

●「米国内、7月にも正常に」 バイデン氏、ワクチン接種拡大へ

 バイデン米大統領は11日夜、ホワイトハウスから国民向けの演説を行った。この1年間で、米国内で新型コロナによって50万人以上が亡くなるなど、多くの苦しみが続いたことに触れたうえで、5月1日までには、国内の全成人をワクチン接種の対象とするよう、各州に指示したと明らかにした。さらに、7月4日の独立記念日までに国内をなるべく平常に戻し、「ウイルスからの独立」も目指すと語った。

 バイデン氏は約20分の演説で、この1年間について「我々全員が何かを失った」と振り返り、死者のほかに多くの人が職を失ったことに触れた。また、新型コロナが国内を分断させていることにも言及し、アジア系市民へのヘイトクライムが増加しているのは「間違っており、止めなければならない」と強い口調で訴えた。

 そのうえで、世界の中でも米国のワクチン供給が進んでおり、予定よりも早く行き渡っていると発言。5月末までには全成人に接種するワクチン量が確保できる見通しで、5月1日には全成人を接種対象とすることを明らかにした。国民にはマスク着用やワクチン接種を繰り返し呼びかけ、「私はあなたたちを必要としている。すべての米国人がそれぞれの役割を果たして欲しい」と求めた。

●経済策200兆円、成立 バイデン氏「歴史的な法律」

 バイデン米大統領は11日、コロナ危機からの復興に向けた総額1.9兆ドル(約200兆円)にのぼる追加経済対策の法案に署名し、同法が成立した。バイデン氏は1月20日の就任以来、同法の成立を最優先課題として取り組んできており、政権発足以来で最大の政治的勝利といえる。氏は記者団に対し、「この歴史的な法律は国の背骨を再建し、労働者や中間層らこの国の人々に戦うチャンスを与えるものだ」と成果を強調した。

 同法は年収7万5千ドル(約810万円)までの個人に1人当たり1400ドル(約15万円)を配る直接給付金が柱。9月まで失業保険を週300ドル上乗せする措置や、子育て世帯向け減税の拡充のほか、ワクチン普及の加速化や学校再開に向けた対策も盛り込んだ。コロナ禍で世界最悪の53万人超の死者数を出す中、米国民は同法を評価。10日発表のCNNの世論調査によれば、同法に「賛成する」と答えた人は61%にのぼり、「反対する」は37%にとどまった。

 ただし経済対策法案は通常、超党派による成立を目指すが、巨額の財政出動を伴う今回は共和党の賛成を得ることができず、民主党単独でかろうじて成立させた。同法は上院では50対49、下院では220対211の賛成多数とわずかな差で可決されたが、共和党議員は一人も賛成せず、党派的な分断が鮮明となった。バイデン氏が次に進めようとしているインフラ整備法案などをめぐっても、党派対立がさらに強まる恐れも強い。

●ワクチン輸出管理 EU、6月まで延長

 EUは11日、新型コロナワクチンの域外への出荷を許可制にした輸出管理策を3カ月間延長し、6月末まで続けることを決めた。製薬会社からの供給不足が解消せず、EUが契約した数量の確保につなげるため、輸出管理策は1月末に導入した。

 EUが調達契約を結んでいる製薬会社のワクチンを対象に、数量や仕向け先の報告を義務づけ、生産国と欧州委員会の承認を受ける仕組み。ワクチンの生産遅れ、供給遅れのしわ寄せが、EUだけに偏らぬようにする狙いと説明している。これまでに日本への270万回分を含め、31カ国向けに249件、計3400万回超分の輸出を認めた。ただし、英アストラゼネカ製の豪州向け輸出約25万回分は、イタリア政府が不許可とし、欧州委も異を唱えずに追認した。

 EUは「多数の懸念が寄せられたが、貿易の混乱は起きていない。大量のワクチンがEUから輸出されている」としたうえで、「すべての製薬会社がEUへの供給契約を守っているわけではない」と指摘、輸出管理策の必要性を主張した。

●NY株3万2000ドル台、終値で市場初

 米ニューヨーク株式市場で10日、主要企業でつくるダウ工業株平均が、史上初めて終値で3万2000ドルの節目を突破、3万2297.02ドル。巨額の経済対策が固まってインフレ懸念もいったん和らぎ、4日連続で上昇した。ただ、金融市場の過熱への警戒感は依然として根強い。

 バイデン米政権が早期成立を目指してきた総額1.9兆ドル(約200兆円)の追加経済対策は、米下院が10日に関連法案を再可決し、成立が確実になった。1人最大1400ドルの現金給付を含んでおり、個人消費がさらに刺激される見込み。昨年の米大統領選以降、バイデン政権による経済対策への期待から株式相場は上げ足を強めた。

 だが、巨額の財政支出が現実味を増すにつれ、逆にインフレ加速と金融緩和縮小への懸念が強まり長期金利が急上昇して株価を抑え込んでいた。10日発表の2月の消費者物価指数は市場予想の範囲内で、インフレへの警戒感がいったん和らいだため、一段の株高につながった。ただ、市場では「長期金利はまだ上がる。ここから先は、株価の上値も限られる」(米アナリスト)との見方も出ている。

●変異ウイルス、監視強化 厚労省

 新型コロナの変異ウイルス(変異株)について、厚労省は監視体制を強化することを決めた。自民党の小委員会に11日、対策を示した。国内外で報告されている英国型、南アフリカ型、ブラジル型の3種類だけでなく、これ以外のものも素早く見つけられるように、ゲノム解析などの体制を整備する。

 3種類は、「N501Y」と呼ばれる変異をもち、感染力が強まると懸念されている。すべての都道府県の地方衛生研究所でPCR検査ができる体制が整っている。一方、「E484K」と呼ばれる変異をもつタイプも確認されている。ワクチンなどで獲得した免疫の一部が十分に効かないおそれが指摘されていて、国内で394例(3日時点)が確認されている。新たな変異株が発生する可能性もある。

 こうした現状を踏まえ、厚労省は、現在は国立感染症研究所(感染研)で行われているゲノム解析を、大学や研究機関でも実施する。民間検査機関への委託を進め、解析数を増やし、新たな変異株をなるべく早く見つけられるようにする。変異株に感染した患者のゲノム情報や症状などは国立国際医療研究センターと感染研が連携しデータベース化。変異株の感染力やワクチンの効果などを検証できるようにする。

●インスリン注射器でワクチン7回可能…河野太郎氏一転「推奨せず」 

 ワクチンの接種をめぐり、河野行政改革相は11日、糖尿病患者用の注射器を使い、米ファイザー社のワクチン1瓶から7回分接種できるようにする手法について、「政府としては推奨はしない」と述べた。9日の記者会見では「大いにやっていただきたい」と前向きな姿勢を見せていたが、修正した。

 河野氏は11日夕、報道陣の質問に答えた。インスリン用注射器の生産や在庫量が限られ、糖尿病患者から懸念の声があることに触れ、「当初の目的に足りなくなるようなことがあってはいけない」と慎重な対応が必要との認識を示した。一方で、「余剰があれば使ってもかまわない」とも語り、医療機関が判断できる余地は残した。政府としてはインスリン用は調達せず、6回接種できる注射器の確保を急ぐ。

●ワクチン、2回目接種開始

 新型コロナワクチンの2回目の医療従事者向け接種が11日、東京都目黒区の国立病院機構東京医療センターで始まった。このワクチンは3週間隔で2回接種することになっている。センターでは全国で最も早い2月17日に1回目の先行接種を始め、前日までに800人が1回目を受けた。

 対象の医師らは会場となった会議室で、1回目と同様に体調などを確認する予診票を記入し、問診を受けた後、接種を受けた。新木院長は「2回目の接種が終わったので、効果が出るころにはさらに安心して仕事ができる」と話した。先行接種の対象は、全国100カ所の医療機関の約4万人。うち約1万9800人が接種後の症状の変化や体温を日誌に記録する。

●東京、1週間平均の感染増加

 国内の感染者は11日で、新たに1319人が確認された。また、全国で計45人の死亡が発表された。「緊急事態宣言」が再延長された4都県のうち、東京都は新たに335人の感染を確認。11日までの1週間平均の感染者は273.1人となり、前週比は101.5%と再び増加に転じた。ほかの3県のうち埼玉県では126人、千葉県122人、いずれも1週間前よりも増えた。

 沖縄県は、県内で初めて変異株の感染者8人を確認した。うち2人は感染力が強まったおそれのある「N501Y」だという。残る6人は、国立感染研が新規変異株として発表し、ワクチンの効果が弱まる可能性が指摘されている「E484K」だという。

【3月12日】

●日米豪印で初の首脳協議 アジアへのワクチン供給加速へ

 日米豪印の4カ国(QUAD=クアッド)による初の首脳協議が12日夜、オンラインで開かれた。アジアなどにワクチンを供給する方針を確認した。4カ国で連携し、「ワクチン外交」を通じて影響力拡大を図る中国に対抗する狙いもある。菅首相は協議後、記者団に「インド太平洋地域の途上国へのワクチン支援で協力していくことで一致した」と述べた。

 中国を「最も重大な競争相手」と位置づけるバイデン政権は、対中戦略の枠組みとしてQUADを重視している。協議の冒頭、バイデン大統領は「『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』の実現が、各国の将来にとって不可欠。新たな共同パートナーシップを立ち上げ、ワクチン生産を拡大する」と表明した。中国は、「インド太平洋版の北大西洋条約機構(NATO)をつくる企て」と反発している。

 協議では、台頭する中国を念頭に日本が提唱するFOIPの実現に向けた連携を確認。コロナ対策と気候変動問題についても話し合った。ホワイトハウス高官によると、ワクチン支援をめぐっては、インドでのワクチン増産を支援し、アジアの途上国を含めた世界へのワクチン供給を加速させる。ワクチンに関する4カ国の専門家グループを立ち上げる。気候変動問題でもワーキンググループを設置する見通し。

●ワクチン、5月中に2150人分 河野担当相が確保見通し

 新型コロナのワクチンをめぐり、政府内の調整を担う河野行政改革相は12日の記者会見で、5月中に約2150万人分(1人2回、1瓶から6回接種で換算)を確保できると発表した。6月分は5月に入る量を上回る見込みだという。いずれもEUが輸出を承認することが前提。

 米製薬大手ファイザー社のワクチンをめぐり、政府は先行接種が始まっている医療従事者約480万人分と、高齢者約3600万人分のワクチンを6月末までに確保する方針。医療従事者向けについて、河野氏は5月10日の週に2回目の接種分の配送が完了する見通しを示した。現状の確保計画について「かなりの量になる」としつつ、「承認問題があり、しっかりEUと(交渉を)やっていきたい」とした。

 一方、ワクチン1瓶から6回接種できる注射器をめぐり、医療従事者向け接種で4月中旬以降の接種に対応する数量を確保できたと発表した。調達に限りがあるため、4月12日に数量限定で始める高齢者向けについては、1瓶から5回分しかとれない一般的な注射器で接種を始めるという。

●低所得のふたり親世帯にも給付金 第2子以降も5万円

 政府・与党は12日、新型コロナ感染拡大で困窮する子育て世帯に「臨時特別給付金」を配る方針を固めた。支給は3度目で、過去2回はひとり親世帯が対象だったが、今回はひとり親・ふたり親に関係なく低所得の子育て世帯を対象とし、子ども1人の場合は5万円を支給。第2子以降は1人当たり3万円から5万円に引き上げる。

 臨時特別給付金は、昨年6月に成立した第2次補正予算で最初の支給をした後、昨年12月にも予備費を使って2度目の支給を決めた。いずれも、児童扶養手当の受給者や感染拡大の影響で家計が急変したひとり親世帯が対象で、子ども1人の場合は5万円、第2子以降は1人当たり3万円を配った。

 ただ、コロナ禍が長引き、2度目の「緊急事態宣言」でひとり親だけでなく、ふたり親の子育て世帯も困窮しているとして、支援団体はふたり親も含めて3度目の支給をするよう政府に要望。野党4党が、ふたり親も含めた貧困状態にある子育て世帯向けの給付金支給法案を提出したほか、与党内からも支給を求める声が出ていた。田村厚労相は12日の記者会見で再給付について「緊急事態宣言を延長した状況、それぞれの家庭の状況を見ながら最終的に判断する」と語った。

●重いアレルギー疑い ワクチン接種後36人 専門家部会「重大な懸念ない」

 米ファイザー社製のワクチン接種について厚労省は12日、専門家による部会を開き、11日までに重いアレルギー反応の「アナフィラキシー」が起きた疑いがある事例が36人報告されたと公表した。海外より頻度が高いが、本当にアナフィラキシーに該当するかは詳しく調べる必要があり、引き続き情報を集め精査する。部会は「重大な懸念は認められない」と評価。

 医療従事者への先行接種では11日までに18万741人、2回目も含め接種回数は計18万1184回にのぼる。36人は20~50代の女性35人、男性1人。約30人にぜんそくなどの持病、食物・医薬品アレルギーなどがあった。せきや息苦しさ、全身のかゆみ、しびれ、じんましんなどが接種後5~30分以内に出たが、全員が回復したという。

 国内の報告件数は100万回接種あたりで204件。米国で報告されたアナフィラキシーは100万回あたり4.7件。米国でも女性が94%を占める。英国は18.6件。海外では報告に一定基準を設けていることなどから、単純比較は難しいという。3月9日までに報告された国内17例を専門家が同様の基準で評価すると、10例は判断できないかアナフィラキシーでない。また、60代の女性が接種から3日後に死亡したことについては、詳細を調査中で今後評価するとした。

●全国で1271人が感染 フィリピンから新たな変異株

 国内の感染者は12日、新たに1271人が確認された。また、全国で計58人の死亡が発表された。「緊急事態宣言」が再延長された4都県のうち、東京都は新たに304人の感染を確認。12日までの1週間平均の感染者は273.6人で、前週比は100%だった。ほかの3県では埼玉県が155人で、1週間前よりも増えた。大阪府では新たに111人の感染を確認。1日の感染者が100人を超えるのは3日ぶり。

 厚労省は12日、フィリピンから2月25日に成田空港に到着した60代男性から新たな変異ウイルス(変異株)が検出されたと発表。英国や南アフリカ、ブラジルで報告されているものと共通の変異を持っているため、英国型などと同様に感染力が強い可能性がある。国立感染症研究所によると、この変異株はフィリピンではすでに34例が報告されているが、同国以外での確認は初めて。感染力が強まると懸念される「N501Y」という変異と、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘される「E484K」という変異を持つことが確認されている。

【3月13日】

●緊急事態、解除か延長か18日にも判断 再拡大懸念も

 首都圏4都県に出ている「緊急事態宣言」は、1週間後の21日に期限を迎える。病床使用率は改善傾向にあるが、新規感染者数は増加もみられる。花見や歓送迎会など春の行楽や行事による感染再拡大を懸念する声もあるなか、政府は18日にも諮問委員会や対策本部などを開き、首都圏で1月8日から続く宣言解除の是非を判断する。菅首相は13日午後、首相公邸で厚労省や内閣官房の幹部らから感染状況の報告を受けた。

 11日に開いた厚労省の専門家組織は、首都圏の医療提供体制の逼迫は改善してきていると分析。一方で新規感染者数の下げ止まりが続き、変異株が国内で広がりつつあることへの危機感を確認した。宣言の再々延長については、「十分な効果があるか分からず、国民の理解が得られない」などと、複数人が難色を示したという。東京の直近1週間の新規感染者数は11日から前週を上回る。政府は、解除の目安として病床使用率を重視。官邸幹部らは経済への打撃を懸念し、感染状況が大きく悪化しなければ21日で解除したいようだ。

 一方、専門家の間ではリバウンドへの懸念が根強い。昨年はこの時期に行楽や行事などで人出が増え、その後の4~5月の「緊急事態宣言」の要因にもなった。従来のウイルスより感染力が強いとされる変異株も、大きな不安要素。厚労省の9日時点の集計では、21都府県の271人で変異株感染が判明。260人は英国型だが、感染力の高さに加え、従来のウイルスに対する免疫が効きにくくなる恐れもある南ア型とブラジル型も計11人確認されている。

●宣言解除、首都圏は「感染症対策が困難な地域」

 変異株が国内でどの程度広がっているのか、現状でも新型コロナの感染者の1割ほどしか、変異株の検査はされていない。全体像はいまだ不明だという。日本医師会の中川会長は10日の会見で「全国で(検査を)強化すると、かなりの変異株が発見されるのではないか」、「現在の第3波の下げ止まりの状況には、変異株の関与も指摘されている」とも述べ、検査体制の強化を求めた。

 国立感染研の3日付報告では、変異株感染者の大半は渡航歴がなく、地域によっては変異株の感染が「持続している」という。ウイルスの感染性が高まれば、患者や重症者も増え、医療・公衆衛生体制を急速に圧迫するおそれがある。

 東京を中心に多くの歓楽街があり、社会と人とのつながりが複雑でクラスターの追跡調査も難しい。尾身氏は、3月5日の記者会見で「首都圏は感染症対策を打つ上で困難な地域」と指摘。無症状者らや変異株対応の検査強化など、リバウンド防止策を整えるよう政府・自治体に提言した。政府は昨秋、専門家が停止を訴えるなか「GoToトラベル」を続け、世論の批判を浴びた。解除後にまた「緊急事態宣言」を出すようなことになれば、東京五輪に影響しかねないとの声もある。仮に宣言を解除する場合でも、十分な感染防止策が求められる。

●変異株、水面下で脅威 12月初旬には拡大を示すデータ

 従来よりも感染力が高いとされる変異株は、死亡率が上がるなど、変異株の特徴を示す報告も海外から相次いでいる。神戸市で11日にあった会見で、保健所の担当者は「英国型の感染力が強い可能性を感じる」と危機感を話した。検体を採った日で見ると、市内の英国型の感染者は4日までに64人。4割にあたる26人は4日までの1週間に集中している。神戸市では1月29日以降、市内で新たに感染がわかった人の「60%」で変異株の検査をしてきた。

 厚労省が2月に自治体に求めた変異株の検査の目安は、感染者が確認された「5~10%」。神戸市では、多くは変異株の感染が確認された人の濃厚接触者。検査数の多さで、変異株の存在が見えてきた面もある。厚労省の専門家組織メンバーは「(変異株の検査が)都内でもせいぜい10%ぐらいと考えると、今見えている数の何倍かになることは間違いない」と話す。厚労省は監視を強めるため、感染経路が追えていない自治体には「5~10%」よりも更に高い割合で変異株の検査をするよう求める方針。

 データもある。北海道大の北島助教らが、国内のある地域で昨年12月4日に採取された下水を分析したところ、検出された新型コロナの遺伝物質の5.9%が変異株由来だった。厚労省が、変異株の感染確認を初めて公表したのは12月25日。北島助教は「12月4日にこれだけの数値が出ているということは、すでに国内で感染が広がっていたと考える」と、水面下での広がりをうかがわせる。今年1月7日の分析では、変異株由来は12.4%に上がっており、「変異株の感染者が増えている傾向がわかる」と話す。

■変異株3種、感染力強く/免疫・ワクチン効果減

 変異株が懸念されている理由は大きく二つある。一つは感染力。WHOによると、英国型は従来型に比べ感染しやすさが1.36~1.75倍とされる。ウイルス表面の「スパイク」と呼ばれるたんぱく質に「N501Y」という変異があり、これが関連しているという。英国型は、従来型より死亡リスクが1.64倍とする9日付論文や、ほかにも類似の報告がある。英国の専門家組織は英国型について「入院や死亡のリスクの増加と関連があると考えられる」と2月11日付報告書で指摘している。

 二つ目の懸念が、一度感染したりワクチンにより得た免疫の効果が弱まる可能性。再感染したり、ワクチンの効果が落ちたりする恐れがある。南ア型とブラジル型には、スパイクたんぱく質に「E484K」という変異があり、これが関連していると考えられている。感染が急拡大しているブラジルでは、ブラジル型の変異株の再感染が影響ではないかと注目されている。

 英アストラゼネカは、ワクチン治験の予備解析で、南ア型に対して軽~中等度の発症予防効果が限定的になるとした。ただし、WHOは「重症化を予防する効果はあると考えられる」とする。同社や共同開発のオックスフォード大は、変異株に対応したワクチン開発に着手。米ファイザーや米モデルナのワクチンも、この変異株に対しては一定程度効果が弱まるとされる。

 新型コロナワクチンがインフルエンザと同様に毎年接種が必要になるかは、見通せない。WHOが9日に発表した週報によると、変異株が確認されている国・地域が増えていると指摘。各国に対し、変異株への監視体制を強めることを求めている。

●全国で1321人感染 東京は4日連続の300人超え

 国内の感染者は13日、新たに1321人が確認された。亡くなった人は51人だった。東京都では、330人の感染を確認。4日連続で300人を超えた。13日までの1週間平均の感染者は278.9人。対前週比は104.3%だった。120人の感染が確認された大阪府は2日連続の100人超え。大阪市の高齢者施設では計5人、富田林市の高齢者施設では計11人の感染が確認された。府によると、クラスターが起こったとみられる。

【3月14日】

●全国で989人感染 東京の週平均279人、前週より増

 国内の感染者は14日、新たに989人が確認された。亡くなった人は21人増えた。東京都が確認した新たな感染者は239人で、5日ぶりに300人を下回った。しかし、14日までの1週間平均の感染者数は279.1人で、対前週比で109.8%となっている。埼玉県は77人。千葉県106人、神奈川県109人、大阪府92人だった。埼玉県庁では、14日午前に庁内でインターネット障害が起き、集約作業が遅れた。ほかに約20人の新規感染者がいるとみられ、確認のうえ、15日以降に計上される見込み。

 3月14日時点の東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【3月15日】

●アストラゼネカ、接種中断 欧州各国、一部で血栓疑い

 英製薬大手アストラゼネカの新型コロナワクチンについて、フランスやドイツ、イタリアなどの欧州各国が15日、使用を中断すると決めた。一部の国で接種後に血栓ができる副反応の疑いが報告されたため。欧州10数カ国に加え、インドネシアやベネズエラがこれまでに接種見合わせを決めた。
 
 欧州の国々は欧州医薬品庁(EMA)が18日に出す見解を待ち、再開を判断する方針。欧州では、オーストリアで49歳の女性看護師が接種後に血液凝固障害で死亡。デンマークやノルウェーでも症例が報告された。EMAは15日に出した声明で、同社製ワクチンの接種者で血栓塞栓症が生じた割合は、一般的に血栓塞栓が起こる確率より高くなさそうだと指摘。EU域内やノルウェーなどで10日までに500万人近い人が同社のワクチンを受け、血栓塞栓が報告された例は30件だったという。
 
 WHO担当者も15日、これまで各社のワクチン3億回分が世界で投与され、接種との関連が証明された死亡例はないと指摘。アストラゼネカ社製ワクチンの接種を続けるよう促した。同社のワクチンは日本政府も1億2千万回分調達する契約を結んでいる。

●ビザ緩和、中国ワクチン条件 在日大使館発表 日本政府は未承認

 在日中国大使館は15日、中国製ワクチンを接種した証明書を持つ入国希望者について、ビザの発給条件を緩和すると発表した。ただ、中国政府が承認している4種類の中国製ワクチンを日本政府は承認しておらず、当面は中国や第三国で接種した人が対象になる見込み。また、日本が承認しているファイザー製のワクチンなどを接種した人は対象外。

●東京の感染者再び増「再拡大」懸念も 解除に割れる3県知事

 「緊急事態宣言」の期限が21日に迫る中、都内の新規感染者数が再び増加に転じている。新規感染者数は15日時点で前週の同じ曜日を7日連続で上回り、週平均でみると1割増になった。小池知事は14日、「下げ止まり、ならぬ、少し上がっております」と語った。従来のウイルスより感染力が強いとされる変異株の懸念が示され、専門家からは「急激な再拡大のおそれもある」との指摘も出始めている。

 都内の感染者数は2月25日頃から、下げ止まり傾向。その後250~270人台で推移してきた週平均の感染者数は、3月9日から増加傾向が続き、15日時点で287.6人。前週比は113.5%、2月以降初めて1割以上の増加。12日の都のモニタリング会議で専門家は、「一部の繁華街では宣言発出直後よりも人の流れが増加している」と指摘。都の幹部は「『緊急事態』と叫び続けて2カ月以上。いまの状態が『日常』になってしまって、気の緩みを生んでいるのではないか」と危機感を強める。

 都は、宣言の期限の21日までに医療提供体制を政府分科会の指標「ステージ2(感染漸増)」まで下げることを目標としている。15日時点では療養者数は2628人で、「ステージ2」水準の2088人には大きく及ばない。ただ入院患者数は1270人で「ステージ2」水準の1261人と近接。国基準の重症患者数は251人で「ステージ2」の255人を下回った。ただ、12日の会議では「入院患者数は減少傾向にあるものの、その速度は緩やか。1月初旬から依然として高い水準で、通常医療への影響が長期間続いている」との指摘も出た。

●解除は、割れる3県知事

 東京以外の宣言対象の3県は、新規感染者の前週比では神奈川、千葉が減少する一方、埼玉は増加している。3県の知事の解除をめぐる意見も割れている。

 新規感染者数は、埼玉県は14日までの1週間で847人(前週711人)1.19倍と増えた一方、千葉県は724人(同844人)で0.86倍、神奈川県は718人(同775人)0.93倍と減少。一方、病床使用率(14日時点)は、埼玉は39%、千葉は41%で「ステージ4」(感染爆発)の50%は脱したが、なお高い水準で推移。神奈川は25%で「ステージ2」(20%未満)に近づきつつある。

 首都圏 3月14日時点の直近1週間の新規感染者数 出典:NHK News Web

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 首都圏における3月14日時点の直近1週間の病床全体の使用率 出典:NHK News Web

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 埼玉県の大野知事は15日、「下げ止まりどころか、リバウンドの兆候すら示している」、「残念ながら解除の要請を行う段階ではない」との見方。一方、神奈川県の黒岩知事は同日、「街の雰囲気を見ていても我慢しきれないという状況になっていて、緊急事態宣言の効果が薄れてきている。解除の方向が良い」。千葉県森田知事は同日、まだ感染者の減少が足りないとし、「やっぱり2桁、できれば50人。解除しても再拡大を考えなくてはいけない」とした。

●全国695人感染

 国内の感染者は15日で、新たに695人が確認された。700人を下回るのは7日ぶりだが、検査数の関係で発表が少ない傾向の月曜日で比べると、1週間前の8日より95人多い。亡くなった人は38人。

 3枚の図は、3月15日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト 

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 東京都の新規感染者は175人、7日ぶりの100人台だった。月曜としては8日の116人より59人多い。15日までの1週間平均の感染者は287.6人で、前週比は113.5%で増加傾向が続く。また感染が判明の60代女性から変異株が検出、変異株と確認された合計は25件。

 3月15日時点の東京 新規感染者数の推移 出典:NHK News Web

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 大阪府では67人と2日連続で100人を下回ったものの、前週比でみると微増傾向となっている。埼玉県が15日に発表した感染者数は72人。庁内で起きたインターネット障害のため、14日に発表予定だった約20人分が含まれている。

2021年4月16日 (金)

森林公園2021春の花

 2021年4月14日(水)、春の花を求めて国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県滑川町)に行く。


 14日の天気予報は、関東の南岸を低気圧が東へ進み、南から暖かく湿った空気が、上空には寒気が流れ込むため、関東付近は大気の状態が非常に不安定になるとのこと。

 この日は朝方小雨だったが、9時頃には止んでいた。11時頃にもパラパラ小雨もあって心配したが、11:40入園前には雨は止む。念のため折りたたみ傘を持って入園。

●中央口の花壇

 中央口のチュリップやパンジーの花壇。

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 中央口の花壇のチュリップ。

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●カエデ園

 植物園に行く手前、新緑のカエデの林に赤いヤマツツジが引き立つ。

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●植物園展示棟前の花壇

 都市緑化植物園 の「植物園展示棟」前の花壇。

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 ユキモチソウはサトイモ科の多年草。花の中央に雪のように白い餅に見える丸い玉があることから雪餅草と呼ばれる。

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 クリスマスローズは、キンポウゲ科の多年草。

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 クリスマスローズは、クリスマスよりも暖かい春に見かける。ヨーロッパでは花の少ない12月、クリスマスの頃に白い花を咲かせるヘレボルス属原種の1つヘレボルス・ニゲルのことを「クリスマスローズ」と呼んでいる。クリスマスローズは、バラでなくキンポウゲ科で、「クリスマスに咲くバラのような花」に由来する。

 日本で流通しているのは、ヘレボルス属のオリエンタリスなど春に花を咲かせる種類、またはヘレボルス属全体を指してクリスマスローズと呼んでいるそうだ。花に見える部分は、植物学上では「花弁」ではなく「がく(萼)片」という部分で、そのため鑑賞期間が比較的長い。

●ハーブガーデン

 都市緑化植物園の「ハーブガーデン」に咲くチューリップ。

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●ボーダー花壇

 都市緑化植物園の「ボーダー花壇」の西洋シャクナゲ

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 各所で咲くチューリップは、もうすぐ見頃を終わる。

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●こもれび花畑

 公園・庭園樹園の「こもれびの花畑」の斜面に咲く4万本のルピナス。

 まだ一部は、咲き始めというところ。全体が満開になるのは4月下旬頃か。

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 ルピナスは、マメ科ルピナス属の総称。ルピナスの名はオオカミ(狼)に由来し、どんな土地でも育つたくましさがが貪欲な狼にたとえたとされる。和名はハウチワマメ属(葉団扇豆属)。また、花の様子がフジ(藤)に似ており、花が下から咲き上がるため、ノボリフジ(昇藤)とも呼ばれる。

 「こもれびの花畑」の10年以上前に植えたというクリスマスローズ。もうすぐ見頃を終わる。

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●西口花畑

 西口ひろばの「西口花畑」には、一面のネモフィラがちょうど満開。10万本の花が咲く。

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 別名は「瑠璃唐草」。秋に種をまき、小さな株の状態で冬を越し、春になると一斉に花開く。

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 ネモフィラは、ムラサキ科ネモフィラ属に分類される植物の総称。花は4月-5月に開花し、花径2cmくらいで、白に空色または青紫色で中心部に黒い点が5つある。白色花もある。

 雲は多いが最高気温は21℃、上着は不要。ネモフィラ畑の西口ひろばから、中央口と南口の中間にある運動広場の「ポピー畑」(アイスランドポピーが70万本)に行く予定にしていたが、あちこち歩き疲れたので省略。

 15:45頃、退園。

 帰る途中の16時前頃、ザっと雨が降りだした。ポピー畑に行かずに良かった。


 本ブログの関連記事

  「森林公園の春の花」 2017年4月26日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-fd4d.html

  「森林公園の新緑と花-その1」 2018年4月28日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-417e.html

  「森林公園の新緑と花-その2」2018年4月29日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-56a7.html

2021年4月15日 (木)

比企・金剛寺と川島堤防

 2021年4月11日(日)、埼玉県比企郡川島町にある「金剛寺」の見学と川島堤防のウォーキング。

 前日の天気予報では、11日(日)も高気圧に覆われ、各地とも晴れて日差しがたっぷり届くという。最低気温はこの時期としては低くく、10℃を下回り、最高気温は、おおむね平年並みで、15~18℃くらいの予想。風も穏やかで、昼間は過ごしやすくなりそう。

●金剛寺・比企館跡(埼玉県川島町中山)

 9:35、比企氏館(やかた)跡の「金剛寺」に車で到着。この寺は、真言宗智山派・清月山元光院「金剛寺」と称する。

 住職が直々に案内、説明していただく。

 鎌倉幕府の比企能員(よしかず)ら比企一族は、北条時政、義時・政子親子らとの対立が深まり能員は謀殺された。その子・時員(ときかず)は戦って自害、一族のほとんどが戦死や自害して果て、滅亡した。生き延びた時員の妻は懐妊しており、比企岩殿山で員茂(かずしげ)を生んだと伝えられる。員茂は上京し順徳天皇に北面の武士として仕えるが、天皇崩御の後にその子・員長(かずなが)を伴って、密か比企郡に帰り岩殿山に潜居したという。

 その後の子孫たちは、比企郡のこの地から離れたのだろうか。安土桃山時代・天正(1573年~)の頃、員長から数えて10数代後の比企左馬助 則員(のりかず)の代になって、代々この寺の一帯に居館を構えるようになったという。寺の創建は不詳だが、天正年間に則員が中興したと伝えられる。

 幕末の1852年(嘉永4)に建造された山門(2016/9/23、筆者撮影)。

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 10年ほど前の2010年(平成22)に新築された金剛寺の本堂。

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 本堂前に建つ「本堂新築記念碑」の石碑に刻んである勧募者御芳名を見ると、比企家9人が金100万円~金1,000万円、合計5,200万円を寄進している。

 本堂の祭壇(2016/9/23、筆者撮影)。中央の本尊の阿弥陀如来像は、鎌倉時代の作とされる。

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 本尊のこの阿弥陀如来坐像は、則員の父政員(まさかず)の持仏として、かつて阿弥陀堂に安置されていたものを本堂に遷座したものだという。現在、川島町の有形文化財・彫刻に指定。

 本堂の右手に建つ「大日堂」(比企氏位牌堂)。建立は江戸時代とされる。東日本大震災で影響で建物が傾いているままだそうだ。今年3月、金剛寺山門とともに「大日堂」は国の登録有形文化財に登録された。

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 「本堂の右手に建つ「大日堂」(比企氏位牌堂)。建立は江戸時代とされる。

 堂内には獅子や鳳凰を描いた壁画や、龍の天井画が残されている。写真は、狩野派の画風と伝えられる「天井の龍」(冊子「金剛寺と比企氏」平成10年7月1日改編より転載)。

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 「大日堂」裏の竹林には、比企氏館の堀割らしい跡。

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 竹林の中を進むと、比企氏歴代の墓地(2016/9/23筆者撮影)がある。右端が則員(1616没)の墓石。義久(1642没)、久員(1684没)、雅久(1701没)らの墓が並ぶ。

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 昭和、平成の比企家の墓(2016/9/23、筆者撮影)。

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 本堂でお茶まで頂き、住職に御礼を述べて、10:40「金剛寺」を後にする。

 車で「落合橋」の北詰河原に移動する。


●落合橋
(おちあいばし)

 国道254号が、埼玉県西部を流れる荒川水系の越辺川(おっぺがわ)と小畔川(こあぜがわ)と合流点の上流で、入間川(いるまがわ)との3本の川を跨ぐが「落合橋」ある。川島町下伊草と川越市福田を結ぶ。3つの川を渡る治水の要衝に位置し、付近には治水に関する記念碑がある。なお、「落合橋」というありふれた名前の橋は、全国各地にあるそうだ。

 上下線で別々の橋になっており、上り線は1968年(昭和43年)、下り線が1977年(昭和52年)に架設された。橋長は562.60m、幅員は上り線9.50m、下り線9.75m。

 その北詰(川島町側)の河原に車を駐め、11:00堤防のウォーキング開始。

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 越辺川の左岸堤防を下流へむかう。舗装してあって歩き易い。時たまサイクリング車が通り過ぎる。河川敷には、樹木が多い。

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 後方の「落合橋」を振り返る。

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 20分ほど舗装された堤防上を歩き、下流に県道12号線に架かる「釘無橋(くぎなしばし)」が見えると、河原に下りる細い道を進む。

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 この「釘無橋」の手前の河原側の土手に地蔵菩薩が祀ってあり、「角泉(かくせん)の渡→釘無の渡」の標柱が立つ。江戸時代には「角泉の渡し」という渡船場があったという。

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 資料によると、1738 年以前~天保年間(1830 年ころ)、「角泉の渡し」は、川島町角泉と川越市府川を結ぶ(現在の釘無橋のやや上流)があったようだ。地蔵菩薩は水難除けで、1738 年の川越祭に行こうとして遭難した死者の冥福を祈って立てられたものらしい。渡船場は、その後天保年間に「釘無の渡し」に移ったそうだ。

●釘無橋(くぎなしばし)

 「釘無橋」は、入間川と越辺川に架かる県道12号線(川越栗橋線)の橋。川島町角泉と川越市府川を結ぶ。1973年(昭和48年)に架設。橋長:561.95m、幅員:8.00m。

 11:30「釘無橋」の歩道を歩く。橋の歩道から、越辺川下流の上尾市方面を見る。越辺川は、橋の下流500mほど先で入間川と合流する。

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 ここは、江戸時代は「釘無の渡し」という渡し場であった。「第一釘無橋」、「第二釘無橋」という冠水橋があったが、「釘無橋」の完成により撤去された。「釘無橋」の中央付近から、県道12号線を横断する。

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 右手に越辺川を見ながら、越辺川の右岸を上流に向かって進む。

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 正面は「落合橋」、左手は入間川。堤防の上は、舗装されていない。

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 右側は、越辺川と小畔川の合流点。堰がある。

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 更に小畔川の右岸堤防を上流(西)へ進み、11:55「落合橋」にぶつかり、国道254号線を横断する。写真は、橋を横断後に振り返った。

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 小畔川の右岸堤防を上流側に進む。

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 進行方向(南西の方角)の中央に奥多摩の御前山(標高1405m)と左手に大岳山(1266m)。

 三角形の赤い屋根はグループホーム施設。その前の白い屋根は、障害者支援施設。

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 西の方角、秩父の武甲山(標高1304m)。

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 更に小畔川右岸を進み冠水橋の「鎌取橋」の手前の空き地で、12:10~12:35休憩・昼食。

●鎌取橋(かまとりはし)

 「鎌取橋」(川越市平塚新田)は、小畔川に架かる小さな冠水橋。全長約20m、幅2.7m、欄干なし、鋼桁橋、橋面は木製、橋脚はコンクリート。「鎌取橋」は古くからある橋で、1847年(弘化4年)には既に存在していたという。同年に長さ7間(12.6m)、幅6尺(1.8m)、橋脚数4基の土橋(木造の橋で橋面には土を盛って舗装)に架け替えられた記録が残っているそうだ。

 12:45「鎌取橋」を通過。今度は下流に向かって、小畔川の左岸を「落合橋」に向かって進む。

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 堤防の左手にある朝日航洋(株) 川越メンテナンスセンターと朝日ヘリコプター(株)

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 13:10、「落合橋」へ戻る手前に、治水記念碑がある。石碑には、建設大臣・中村梅吉謹書の「原次郎先生治水彰功碑」が刻まれている。

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 原次郎は、1895年(明治28)埼玉県入間郡三芳野村紺屋(現在、坂戸市紺屋)の村の庄屋の家に生れた。入間川や越辺川の氾濫で、集落や耕地はたびたび水害に見舞われ、村は貧しかった。原は、戦前・戦後を通じて県会議員、入間川水系改修期成同盟会長として、長年にわたり入間川水系の治水に熱い情熱を注ぎ、入間川、越辺川、小畔川の国の直轄改修工事河川に指定や、三川分流工事の実現など治水に尽力したという。

 13:15「落合橋」着。橋の歩道を歩き、北詰に戻る。

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13:30、「落合橋」北詰河原の駐車場に到着。

 川島堤防コースマップ (マップをクリックすると拡大表示します)

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 小畔川は、「落合橋」の下流で越辺川と合流、越辺川は「釘無橋」の下流で入間川に合流。入間川はやがて、国道16号線に架かる「上江橋(かみごうはし)」の下流で南下してきた荒川と合流する。

 この日は風もなく春の暖かさ、最高気温19℃。約8Km、およそ2時間のウォーキング。堤防には一面、菜の花が広がり、とても気持ちの良い春の日和だった。

2021年4月13日 (火)

春の秩父路花めぐり

 2021年3月29日(月)、春の花を訪ねて秩父路を車で巡る。

 29日(月)の天気予報は、週末に雨を降らせた低気圧が本州の東の海上に移動し、西日本や東日本では天気が回復。関東は日差しがたっぷりと届き、気温がぐんぐん上昇し、特に関東では最高気温が25℃の夏日になるところもあるという。ただ、大陸から黄砂が飛来して霞んだ空になる可能性があるので、花粉とともに注意が必要だとか。

 この日の秩父地方の天気は、未明からの雨は止み、晴れのち曇り。最低気温は9℃、最高気温は24℃。昼間は上着を着ていると汗ばむようだ。

 

●花桃の郷(東秩父村大内沢)10:30~11:15

 「花桃の郷」に着くと、ピンク色の花桃は見頃を過ぎていた。展望台そばの駐車場を利用、協力金として300円。

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 展望台への急階段には黄色いレンギョウの花。

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 展望台から大内沢の集落を望む。満開の頃はピンク色の花桃が広がるが、白く見える桜が満開。

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 かろうじて見つけた花桃畑。

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●青雲寺の枝垂れ桜(秩父市荒川)12:20~

 若御子山のふもとに建つ岩松山「清雲寺」には約30本の桜の木が植えられており、その中でも目を引くのが1420年(応永27年)「清雲寺」創建の折に植えられたと伝えられる樹齢600年の枝垂れ桜。

 「青雲寺」周辺の駐車場は混み合っていて、やっと空きを見つけて駐車(300円)。

 境内には薄桃色と紅色に染まる枝垂れ桜は、やや見頃を過ぎているが、観光客が多い。

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 境内の近くに咲いていた花桃。ここで花桃を見られるとは。東秩父村の「花桃の郷」ではピンク色だったが、これは真っ赤な花桃。

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 桜と思ったが、これも源平花桃という品種の赤と白が混じった花桃のようだ。

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 レンギョウの花が密になって咲いている。

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 桃の木には食用の「実モモ」と、花を楽しむ園芸用品種の「花桃」の2種類がある。桃の原産地は中国、花を観賞するために改良されてきたという。日本でも江戸時代より改良が進み、数多くの品種が生まれているそうだ。桜や梅の花と間違いやすい。

 

●若御子神社(秩父市荒川)13:10~

 「青雲寺」に隣接する「若御子(わかみこ)神社」に行ってみる。

 「若御子神社」は、天平年間(730)頃に若御子山の頂に、神日本盤余彦尊(かむやまと いわれひこのみこと、後の神武天皇)を祀ったことが始まりとされる。

 階段を上がって左手に、拝殿がある。

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 拝殿の前から、鳥居と神楽殿を見下ろす。ソメイヨシノが満開。

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 拝殿へ向かう階段を上がって、そのまま真っすぐ歩いたところに、奥社参道入口があった。

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 奥社のある若御子山(標高735m)へは、ここから左手に山道を登っていくことができる。この先は、「クマ出没注意」の看板がある。このような注意看板は、秩父の人里でもよく見かける。

 5分ほど徒歩で登ったところに、県指定天然記念物「若御子断層洞」という断層面が露出している洞があるそうだ。洞内への一般の立ち入りはできないそうだ。次に来た時にでも登ってみたい。

 境内にカタクリが群生していて、ちょうど目の高さの石垣の上にも咲いていたので撮影しやすかった。

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●白砂公園(秩父市吉田)14:35~13:35

 近くの公園駐車場(無料)に車を止め、悪魔払いの獅子舞で知られるという「諏訪大神社」の境内を抜け、裏山の遊歩道を登る。

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 「白砂公園」には、遊歩道(木橋)が整備され北向き斜面1,000平方mの広さに、約5,000株のカタクリの花が咲くという。

 群生するカタクリの花は、ちょうど見頃。

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 木橋の遊歩道を更に登ると、南向き斜面に砂岩が露出した小高い丘の頂上に出る。眺めも良く、正面に三角形の「武甲山」がよく見える。

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 滑らないように注意しながら、砂岩の斜面を下るとやがて、諏訪大神社に戻る散策コースとなっていた。

 公園の説明板によると、

 「この公園は医師石川貞蔵氏が私財を寄付し、憩いの場として整備した公園です。県内でも珍しい奇岩で白砂砂岩と呼ばれ、第三紀牛首峠層に属する花崗岩砂岩です。松・ツツジ・カタクリなど園内全体が県の自然環境保全地域に指定されています。」

 とある。

 カタクリ(片栗)は、山地の林間に群生する小さな春の野草。中部地方以北に多く、九州・四国ではあまり見られないようだ。昔は球根で片栗粉が作られていたという。

 

●龍生会館(秩父市吉田)15:43~16:45

 帰りに、近くの「龍勢会館」に寄る。

 「白砂公園」から徒歩15分、車で5分ほどの所の道の駅「龍勢会館」がある。道の駅には、神事として継承されてきた手作りロケットの「龍勢祭り」を展示した「龍勢会館」、「井上伝蔵邸」と「龍勢茶屋」がある。


 「龍勢茶屋」は休憩・食事がとれ、農産物直売所となっている。

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 中央と左の建物が「龍勢祭り」を展示した「龍勢会館」、右の建物は、秩父事件の映画「草の乱」を撮影した「井上伝蔵邸」、秩父事件の資料館を公開(入館料200円)している。

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 「井上伝蔵邸」はスキップして、「龍勢会館」に入館(入館料350円)。大型スクリーンによる「龍勢祭」の映像を視聴(約15分)。

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 龍勢の製法の展示。

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 龍勢の先端部分。先端部分には、ショイモノ(背負い物)が取り付けられている。唐傘、吊し笠などで、これらは龍勢が上空に昇りつめた時、ひらひらと落ちてくるように仕掛けられる。

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 龍勢の筒の構造。松の丸太を縦に割って中をくりぬく。割った松材を合わせて竹のタガを嵌め、火薬を詰める。

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 打ち上げやぐらの実物大模型。傘のような物は、龍勢に仕込んで上空に昇りつめた時、開く落下傘。

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 本ブログの関連記事

  「春の秩父路」2019年4月7日投稿

   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-3438.html

 

 ★ ★ ★

●若御子断層洞

 秩父市の荒川上田野にある「若御子神社」の境内から急な山道を登っていくと、神社から南に100mの場所に、「若御子断層洞」という洞窟があるそうだ。洞窟内部は、立ち入り禁止になっているという。断層洞の開口部のすぐ正面の岩壁に、テカテカした「鏡肌(かがみはだ)」を観察できる。鏡肌は、断層がずれたときに、岩石の割れた面が擦り合わされてできたもので、表面には線状のすり傷がある。洞窟はこの断層面にそって延びている。

 1958年(昭和33年)に調査開発されたこの断層洞は、秩父帯の硬いチャートが断層の動きによって破壊され、断層破砕帯の角礫・粘土が、地下水により運ばれて洞窟となったと考えられる。この断層は秩父山地と秩父盆地との境界を通る「日野断層」のうちの一つ。「若御子断層洞」の他にも、大小いくつかの断層洞があるという。これらは、「若御子断層洞及び断層群」として、埼玉県指定天然記念物に指定されている。

 「若御子断層洞」は、NHKテレビ「ブラタモリ」#79秩父 ~秩父はず~っと 日本を盛り上げた!?~ で、2017年7月15日(土)に放送された。視聴したが、非常に興味深いものだった。日野断層自体の落差は1,000m以上におよび、他にその例を見ない断層洞窟であり、秩父盆地の地質学的歴史をみる上で貴重なものとなっているという。


●龍勢祭り

 龍勢は、秩父市下吉田 の「椋(むく)神社 秋の大祭」に奉納する神事として、代々伝承され続けてきた「手作りロケット」。火薬の噴射によって約500mの高さまで上昇するもので、土地の古老より構造や火薬の取り扱い方などを伝承した若衆が製造する。

 伝承技術の相違によって27流派がある。松の木の丸太をくり抜き火薬を詰めた筒には、ショイモノ(背負い物)が取り付けられる。唐傘、吊し笠、発煙筒などで、これらは龍勢が轟音とともに天高く打ち上げられ、上空に昇りつめた時、ひらひらと落ちてくるように仕掛けられる。各流派がそれぞれが秘伝と独特の工夫をこらすため、各龍勢も個性的なものに仕上がり、打ち上げられると独創性の仕掛けを披露する。

 観客が打ち上げの成功を一喜一憂する中、朝から夕方まで10数分おきに30数本の龍勢が打ち上げられる。毎年10月の第2日曜日に実施される。「龍勢会館」での祭りの映像を見ると、最近では大きな落下傘で矢柄を吊り下げる「矢柄止め」などが多く見られ、煙火も派手になって来ているようだ。

 「龍勢」の名の由来は諸説あるが、一つには打ち上げられたロケットがまるで龍の如き勢いであったことから、そう呼ばれるようになったという。通称、農民ロケットとも呼ばれている。1997年、埼玉県の無形民俗文化財に指定。2018年には、「秩父吉田の龍勢」として正式に国の重要無形民俗文化財に指定された。

 「龍勢」生の打ち上げの様子 出典:ウィキメディア・コモンズ

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