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2021年3月の3件の投稿

2021年3月 9日 (火)

新型コロナ2021.02 先行解除

 新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」は、高齢者の感染割合や重症者数が増加し、医療提供体制が逼迫してきた。年が明けて2021年1月7日、政府は首都圏1都3県に再び「緊急事態宣言」を発出、更に1月13日には11都府県に拡大した。1月中旬以降には新規感染者は減少傾向にあるが、都市部の病床逼迫は長期化している。2月8日、「緊急事態宣言」は栃木県を解除し、10都府県は3月7日まで延長。その後、感染下げ止まりの首都圏4都県を除き、関西・東海・福岡の6府県は2月28日をもって先行解除された。

 2021年2月16日から28日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.02 宣言延長」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【2月16日】

●医療従事者向けワクチン接種、都道府県分は週内にも決定

 新型コロナワクチンの調整を担う河野行政改革相は16日、記者会見を開き、ワクチンの国内接種は最優先とした国立病院機構など100カ所の医療機関の医療従事者向け4万人に、17日から始める。推計約370万人の医療従事者向けの接種について、各都道府県に配分するワクチン量を週内にも決める考えを示した。

 約3600万人の高齢者向けの開始は「4月から」とし、従来の説明のままだった。自治体から準備に必要な情報が十分に共有されないことへの不満が出ているが、河野氏は「日程をなかなか伝えられないことをもどかしく思い、ご迷惑をかけている部分は率直におわびしないといけない」と語った。

 政府が契約する3種類のワクチンのうち、はじめに使われるファイザー製のワクチンは、12日に欧州連合(EU)の域内から6万4350瓶(1瓶5回計算で約32万回分)が国内に届いた。ただ、EUは、域内で生産されたワクチンの域外輸出を管理する仕組みを導入し、日本向けは1便ごとの承認が必要。河野氏は第2便の承認が15日に出たと説明したが、日本に来るワクチンの量は明らかにしなかった。

●ワクチン争奪戦、欧州で明暗

 日本に先駆けて新型コロナのワクチン接種が欧州全域で始まって2カ月近くが経った。順調に接種が進む英国に対して、EUではワクチン供給が遅れ、ロシア製に目を向ける加盟国も出始めた。

 英国では目標の15日を1日前倒しで、高齢者や医療従事者ら1500万人の接種を完了した。昨年5月、ジョンソン首相肝いりの「ワクチン特命部隊」を組織、準備は素早く、綿密だった。英アストラゼネカなど国産ワクチン開発に巨額を投資し優先供給の約束を取り付けた。また巨額を投じた個別交渉で、米ファイザーを含め計7種類、3億6700万回分を押さえた。EU離脱の移行期間中でEU購入枠組みに参加は可能だったが、意思決定の遅れを警戒、実際EUがもたつく間に先行した。

 出遅れたのはEU。欧州委員会が加盟国を代表して確保したワクチンは、承認済みの3種だけで計約12億回分。だが実際に接種が始まると、次々に供給の遅れが出た。とりわけ英アストラゼネカの遅れが目立つ。当社が契約の順番などを理由に「英国優先」の姿勢を示したこともあり、EUは1月末、域内でつくられたワクチンの「輸出管理」に踏み切った。生産が滞れば必然的に輸出に回る量も減る見込み。状況次第では、日本にも影響が及びかねない。

 加盟国の中には、一刻も早いワクチンを求める国内世論に押され、独自確保への動きもある。注目されているのが、ロシア製ワクチン「スプートニクV」。フランスとドイツは、ロシア製がEUで承認されれば導入、また生産する考え。オーストリアもロシア製や中国製が欧州で承認されれば、国内生産する意向。ハンガリーは、独自に承認したロシア製の接種を始め、中国製も近く始めるという。

 「スプートニクV」 COVID-19ワクチンのバイアル 出典:ウィキメディア・コモンズ

スプートニクV COVID-19ワクチン ロシア保健省のGam-COVID-Vacバイアル 出典:ウィキメディア・コモンズ

 ロシアは、ワクチン協力でEUとの交渉を優位に進めたい考え。ただEUで承認されたとしても、ロシア国内の接種が終わる5月か6月以降。また、南米や中央アジア、アフリカなどの20カ国以上が承認しており、欧州の需要にまですぐに応えられるかは不明。

●コロナ患者受け入れ病院の4割超、冬賞与カット

 新型コロナ患者を受け入れた病院の4割超が冬のボーナスを減らしたことが、病院関連3団体の調査でわかった。2020年4~12月の病院経営は前年比で赤字幅が拡大しており、厳しい経営状況が最前線の医療従事者の待遇にも響いている。日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が全国4410病院を対象に調査し、1475病院から回答を得た。

 1475病院のうち、冬のボーナスを「減額した」のは38.1%。「支給なし」も0.3%あった。「満額」は60.7%だった。新型コロナの患者を受け入れる614病院に絞ると、減額は43.3%、支給なしが0.2%、満額は56.0%だった。政府が都道府県を通じて行う医療機関支援向けの補助金の入金状況を昨年12月末時点で調べたところ、医療機関の申請額に対する入金額の割合は、全国で佐賀県が28.5%で最も低く、東京都の87.8%が最も高かった。全国平均は59.7%。

●函館で医療逼迫で入院断られた男性、翌日死亡

 函館市で、新型コロナに感染した70歳の男性が、医療体制が逼迫していたために病院から入院を断られ、その後、症状が悪化して死亡したことが分かった。当時、函館市とその周辺では2つのクラスターの集団が発生していて、医療体制の手薄な地方都市の課題を改めて示している

●全国で1309人新規感染 101人が死亡

 新型コロナの国内感染者は16日、新たに1309人が確認された。死者は101人が確認され、6日ぶりに100人を超えた。東京都の感染者数は350人で、27人が亡くなった。感染者は10日連続で500人を下回った。

 大阪府内では98人が感染。3日連続で100人を下回った。死者は9人。重症の入院患者は133人で、府が確保している重症病床221床の使用率は60.2%になった。また、枚方市の児童施設で、16日までに濃厚接触者も含めて児童と職員の計11人の感染が判明した。愛知県では63人の感染が確認、うち名古屋市は21人。県によると、15日時点の入院患者数は493人で、昨年12月14日以来、63日ぶりに500人を下回った。

 また厚労省はこの日、英国で報告されている変異ウイルスが埼玉・東京・京都・鹿児島・新潟・兵庫の6都府県で計23人から見つかったと発表。京都府と鹿児島県(九州で初めて)で変異株の感染者は初めて。いずれも海外滞在歴や滞在者との接触は確認されていない。新潟県では同じ施設の利用者や関係者13人の感染が確認された。この施設では12日に3人の変異株感染が確認されており、厚労省はクラスターが発生したとみている。変異株の感染確認は、国内と空港検疫を合わせて151人になった。

【2月17日】

●ワクチン先行接種、始まる 医療従事者の約4万人対象

 17日から、薬事承認された米製薬大手ファイザー製のワクチン接種が、全国の国立病院など100カ所で医療従事者約4万人を対象に先行して始まった。厚労省はこのうち約2万人の副反応を追跡調査して結果を公表する。国は65歳以上の高齢者について4月1日以降の接種開始を目指す。

 ワクチン接種スケジュール(2月17日時点) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 国は、その他の医療従事者ら約370万人について3月中旬から接種を始める方針。高齢者約3600万人は4月1日からの開始を目指す。その後、基礎疾患を持つ人などに順次拡大される。ただ、国が確保した大半の注射器では、ワクチン1瓶からの接種回数が当初予定の6回から5回に減ることが判明。先行接種の約4万人分については、6回接種できる注射器の数は足りるが、その後は5回接種の注射器を使わざるを得ない。

●首相も認めるワクチン接種の「遅れ」 専門家の見方は?

 国内でもワクチン接種が17日に始まったが、海外では一足早く接種が進んでいる。最速ペースのイスラエルでは、すでに国民の4割超が少なくとも1回の接種を受けている。感染の拡大が続く英国や米国など欧米で接種が進むほか、中東諸国でも広がっている。菅首相は2日の会見で接種開始の遅れを問われ、「ワクチンの確保は日本は早かったと思うが、接種までの時間が遅れていることは事実だ。日本の手続きの問題もあると思う」と述べた。

 元外務省職員で在外公館勤務を経験した医師は「諸外国の多くはワクチンを国家戦略物資と考え、危機管理体制を敷いている。国内にいると気づきにくいが、残念ながら日本は感染症への備えが大きく遅れているのが現実」と話す。そのうえで、「過剰な不安視や悲観をすべきでない。海外の接種が進むことで、副反応の状況が分かる。ワクチンは安全性が大事であり、冷静に進めるべきだ」と強調する。

 「分科会」メンバーの一人からは、「日本の社会はワクチン開発に積極的ではない。今回のような問題が生じて、改めて問題点が浮き彫りになった」と指摘し、「国内の研究機関にワクチン開発にあたる中立的な専門部門を設けるなど、危機時に対応するための本格的な取り組みが今後は必要」。また「副反応が出ても大騒ぎせずに、冷静に分析することが大切。子どもや妊婦への接種はまだデータが確定していないため、対象者を見極めながら接種を進めていくことが重要」。

 東京慈恵医大の教授は「経済活動や生活を元に戻すには、人口の7~8割がワクチンを接種することが欠かせない」と指摘。「今回のワクチンは短い開発期間だったが、大規模な臨床試験(治験)も経ていて必要な検証はされている」とし、「接種の社会的意義や副反応のリスクなどについて、政府は様々な手法でていねいに国民に説明していくことが重要」と話す。

●島根知事、聖火リレー中止検討 都や政府のコロナ対策批判

 島根県の丸山達也知事は17日、県内の市長会などで構成する聖火リレー県実行委員会の臨時会で、5月に開催予定の東京五輪聖火リレーについて中止を検討すると表明した。理由を「東京都と政府が適切な新型コロナ対策を行っていないため」と説明。今後1カ月程度、都や政府の感染対策を見極め、最終判断する。

 島根県は五輪関係の経費として約9千万円を充て、そのうち聖火リレーには警備費など約7200万円を予算化。県は、予算の執行を止めることで事実上、県の権限でリレーを中止できるとしている。聖火リレーは3月25日に福島県を出発。島根県では5月15、16日に県内14市町村で実施される予定。

●白洲賀議員、自民党離党 深夜に飲食店、週刊誌報道

 自民党の白須賀衆院議員が、「緊急事態宣言」下の2月10日夜に東京都内の高級会員制ラウンジを訪れていたことが分かった。週刊文春の電子版が17日に報じた。これを受け、白須賀氏は離党届を提出。記者団に次期衆院選に出馬しないと表明した。議員辞職は否定した。同党では今月に入り、宣言下の深夜の高級クラブ滞在が明らかになった松本前国対委員長代理ら3人が離党したばかり。

●国内死者79人

 国内感染者は17日、新たに1447人が確認された。2千人を下回るのは11日連続。死者は79人で2日ぶりに100人を下回った。16日時点の重症者は607人で、減少傾向が続く。東京都では378人の感染が確認され、11日連続で500人を下回った。17日までの1週間平均の新規感染者数は353.6人で、前週の69.6%だった。大阪府の感染者は133人が確認され、4日ぶりに100人を上回った。

【2月18日】

●解除判断、来週後半以降に 医療体制、専門家は厳しい見方

 10都府県で続く「緊急事態宣言」について、政府は感染状況の見極めを続けるため、解除の判断を来週後半以降とする方針。新規感染者数は減少傾向だが、ワクチン接種も始まって医療機関の負担はなお大きいとして、首相官邸内では、宣言期間中の早期解除に慎重な声が根強い。厚労省の「専門家組織」が18日に会合を開き、10都府県の医療提供体制を引き続き厳しいと評価した。

 全国の10万人当たりの1週間の新規感染者数は、1月11日には36人だったが、直近では約7人にまで減少。入院者数や重症者数、死亡者数も減少が続く。ただ、60歳以上の新規感染者数の割合が高まっているため、重症者数の減少に時間がかかっているとした。全国の感染者数について、脇田座長は「減少速度が鈍化してきている」と述べ、警戒を促した。

 現在の宣言の期限は3月7日まで。政府は、4段階で示す感染状況で最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」を脱し、少なくとも「ステージ3(感染急増)」相当に改善することを解除判断の目安にしている。新規感染者数は10都府県すべてで「ステージ3」相当になったが、病床の逼迫などを示す指標は「ステージ4」の地域も残る。

 西村経済再生相は入院調整中の患者数が多いことなどを指摘し、早期解除に慎重な姿勢を示す。官邸内でも「焦って解除すればリバウンド(反動)が起こる恐れがある」「(宣言期間中に)やることをやり、中途半端にしない方がいい」との声が強い。解除が判断できる状況になった場合の解除時期として、2月末と3月7日の二つを軸に検討している。

●ワクチン効果薄れる? 新たな変異株、国内で90例以上

 ワクチンの効果に影響する可能性がある新たな変異を持つ新型コロナが、国内で相次いで見つかっている。今回見つかったのは、ウイルス表面のたんぱく質の一部が変わった「E484K」という変異を持つウイルス。国立感染症研究所(感染研)が15日に公表した報告によると、2日までに関東全域で91件、空港検疫で2件検出されていた。また東京医科歯科大も18日、3例のE484K変異を確認したと発表。3例は、主にカナダで検出されている系統で、感染研が報告したものとは異なる。

 同じくE484K変異を持つウイルスで、世界的に警戒される変異株は、英国、南アフリカ、ブラジルから報告される3種類。いずれもウイルス表面のたんぱく質に「N501Y」という変異がある。この変異で感染力が強まると懸念され、各国では実際にこれらの変異株による感染拡大が起きている。国内でもこれらの変異株の監視を強め、空港検疫や国内で確認され次第発表してきた。

 一方、今回の変異株はE484K変異はあるが、ウイルス表面のたんぱく質のN501Y変異ではなく、いまのところ、検出数も限られている。E484K変異が注目されるのは、「免疫逃避」と呼ばれる性質があると考えられている。既存のウイルス感染や既存のワクチン接種により得た免疫が、E484K変異をもつウイルスに対しては十分に効かない可能性が指摘されている。

 アストラゼネカ社のワクチンについては、南アの変異株に対し、「軽~中度の症状を予防する効果が限定的」とする中間的な分析結果をオックスフォード大が発表。南ア政府は、接種開始を見合わせた。ただ、WHOは「間接的な証拠から、重症化を防げると考えることに矛盾はない」とし、同社の接種を勧めている。またファイザー社のワクチンについては、同社などが「変異の影響は小さい」とする論文を発表。しかし実際に、これらの変異株がワクチンの効果にどの程度影響を与えるのか、はっきりしたことはわかっていない。

●「ゼロコロナ」立憲が戦略案 感染防止優先、政権殿と対立軸に

 立憲民主党は、「ゼロコロナ」戦略案を19日の新型コロナ対策を協議する会議に示す。枝野代表は、感染の封じ込めと支援を徹底した後に、経済活動を再開する「ゼロコロナ」を提唱。「コロナ対策と経済の両立」を掲げる政権との対立軸としたい考え。戦略案では、「第4波」の防止を最優先にするとして、①医療現場の支援、②感染者の早期把握と治療で感染を封じ込め、③感染封じ込めまでの暮らしと事業の支援を、戦略の3本柱にすえた。

 感染を封じ込めるまで「徹底して暮らしと事業の支援を続ける」とし、コロナ対応病院への減収の補填や医療介護従事者への慰労金支給、低所得の子育て世帯への臨時給付など支援メニューを並べた。ただ必要な予算額などは記さず、立憲幹部は「詳しい財源の議論はこれからだ」とする。具体的な財源案の提示が、今後の課題。

●ワクチン6回接種の注射器 ニプロ、大幅増産

 医療機器大手のニプロは18日、米ファイザー製のワクチンを、1瓶で6回接種できる特殊な注射器を大幅に増産すると明らかにした。国内に出回る通常の注射器だと5回分しかとれないため、貴重なワクチンを有効活用する手段として、政府から増産を要請されていた。

 増産するのは「ローデッドタイプ」と呼ばれる注射器。液剤を押し出す先端部分が突起状になっているため、薬剤が注射器の中に残らず、最後まで使い切れる。4~5カ月かけてタイの工場の設備を増強し、製造能力を現在の月50万本から、数百万本に引き上げる。増産分は9~10月ごろに国内に届く見通し。ニプロは1月下旬に厚労省から増産の要請を受け、対応を検討していた。

●COCOA不具合、修正版を配布 厚労相「iPhoneも不具合」

 新型コロナ感染者と接触したことを通知するスマホのアプリ「COCOA(ココア)」の不具合をめぐり、厚労省は18日、アンドロイド端末で通知されないなどの不具合を解消した修正版の配布を同日から始めたと発表した。COCOAは、陽性登録した人と1m以内で15分以上接触した利用者に通知される仕組み。厚労省は今月3日、アンドロイド端末については昨年9月末以降、通知が送信されずに事実上、機能しない不具合が続いていたと発表した。

 修正版は、昨年9月末以降アンドロイド端末で通知を受け取れない状態になっていた問題。ただ、正確な動作には1日1回程度アプリを再起動する必要があるなど、引き続き解決できていない問題も多い。そのほか、iPhoneの一部でもOS(基本ソフト)のバージョンによっては感染者との接触が通知されない不具合、iPhoneを中心に一部の端末で利用からしばらくたった後にアプリが初期化されてしまう不具合に対応したという。厚労省は今月3日の発表で、iPhone版で不具合は確認されていないとしていた。

 厚労省は今回、アンドロイド端末を利用している人には修正版にアップデートした上で、通知を受け取るために1日1回程度、アプリを再起動するように求めた。iPhoneを使っている人にはOSを最新版の「iOS14」にアップデートするよう求めている。

 田村厚労相はこの日、報道陣に「まだいろんな不具合が実はある」と述べ、今回の修正でも対応し切れていない問題が残されているとした。こうした改善を含めた今後のCOCOAの運営は、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室と厚労省の連携チームをつくって改善にあたるという。これとは別に、厚労省は「COCOA不具合調査・再発防止策検討チーム」をつくり、3月末をめどに不具合の発生や放置された経緯の検証と再発防止策をとりまとめるとした。

●橋本聖子氏、組織委会長に就任「五輪成功に向け尽力」

 女性蔑視発言で辞任を表明した東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)は、12日に後任に川淵三郎氏(84)(日本トップリーグ連携機構会長・日本サッカー協会相談役)を指名し、川淵氏も受諾した。しかし政府が難色を示し、結局18日に橋本聖子五輪相(56)が就任した。橋本氏はこの日、評議員会で理事に選任され、同日夕の理事会で理事の互選により会長に決まった。

 橋本氏は理事会の場で、「大変大きな重責を担わせていただくことになりました。このたび、大臣を辞職するのは私にとって大変大きな決意でありましたけど、東京大会の成功に向け、尽力したい一心でこの場にいさせていただきました」とあいさつした。大臣規範には「兼職」を禁止する規定がある。橋本氏は、五輪相を辞職。菅首相は後任の五輪相に、自民党の丸川参院議員(50)を再登板させる。

 森喜朗・元組織委員会会長(ウィキペディア・コモンズ) 川淵三郎・日本サッカー協会相談役(日本トップリーグ連携機構HP)

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 橋本聖子・組織委員会会長 丸川珠代・五輪パラ担当大臣(いずれも首相官邸HP)

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●全国1538人感染 東京、1週間ぶり400人超

 国内感染者は18日で、新たに1538人が確認された。また、76人が亡くなった。東京都の感染者は445人。12日連続で500人を下回ったが、1週間ぶりに400人を超えた。死者は27人増えた。18日までの1週間平均の新規感染者数は355.1人で、前週比76.3%だった。大阪府は89人、愛知県は51人、福岡県では101人の感染が判明した。

 厚労省は18日、変異ウイルスが1都6県の計13人から確認されたと発表した。13人全員が海外への渡航歴はないという。岡山県で変異ウイルスの感染がわかったのは初めて。

【2月19日】

●「ワクチン1回で効果」ファイザー製巡り論文 ファイザー、「保管、超低音以外でもOK」

 米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが開発した新型コロナのワクチンについて、イスラエルの研究者らが、1回だけの接種でも発症を減らす効果があるとする論文が18日英医学誌に公開された。9109人の医療従事者を対象に、ワクチン接種前と接種後の感染や発症状況を調査。接種から15~28日後に、感染率は75%、発症率は85%減ったという。このワクチンは2回の接種が必要とされるが、1回の接種でも効果があれば、より多くの人が早く接種できる可能性がある。

 またファイザー社とビオンテック社は19日、零下80~60℃の超低温での保管が必要としていたが、零下25~15℃の保管が可能だとするデータを米食品医薬品局(FDA)に提出したと発表した。保管方法の変更が認められれば、専用の冷凍庫が必要なくなり、普及が加速しそうだ。これまでは超低温で最大半年間、解凍後は2~8℃で5日間まで保管できるとしていたが、2週間までは零下25~15℃で保管できるという。ファイザーは「承認されれば、ワクチンを接種する場所での柔軟性が高まる」としている。

●高齢者4月接種「試行的」 ワクチン確保、通せず

 ワクチン接種について、河野行政改革相は19日の記者会見で、4月から始める予定の高齢者向けを、最初は試行的に行う方針を示した。優先接種される医療従事者の人数が想定を上回り、ワクチン確保の見通しもはっきりしないため。河野氏は「ワクチンが順調に入ってくればという前提で」と前置きし、医療従事者向けに都道府県に送る計画を発表した。

 3月1日の週と8日の週に送るのは計19万5千瓶。同数を3月下旬から再び送る。1瓶で6回の接種を行い、1人2回接種すると想定すれば、約117万人分になるという。また、EUから輸入するワクチンについては、第2便が今月21日に約22万6千人分届くと発表。第1便を合わせると、42万人分程度を確保したことになる。ただ、第3便については、「どれぐらい来るか分からない」とした。

 一方、優先的に接種する医療従事者の人数は、当初見込みの約370万人から増える見通し。政府関係者によると、500万人近くになるという。河野氏は前日の報道番組で「100万人ぐらい増えるのではないか」と語っていたが、会見では「精査している」と具体的な数字を示さなかった。「自転車操業かもしれないが、しっかりスタートさせたい」とも語った。

 確保の明確な見通しが立たず、優先接種の対象者が増える状況で、高齢者の接種計画への影響は避けられない。河野氏は「医療従事者に配ったワクチンが余れば、次の高齢者の方に回す」と説明。「テスト的に限られた数量のワクチンを配り、配送やシステムを確認したい」として、医療従事者への接種と同時並行で、試行期間を設けながら進める考えを示した。試行の手順については「どれぐらいのワクチンが入ってくると見込まれるかによって変わる」と述べるにとどめた。

●月末の宣言解除、大阪府が要請 京都・兵庫と来週協議

 大阪府は19日の新型コロナの対策本部会議で、「緊急事態宣言」を2月末に解除するよう国に要請することを決めた。同時に宣言を受けた京都府と兵庫県と来週に協議し、3府県一体での解除を求める考え。会議では、直近7日間の新規感染者数の平均が100人前後に減少し、重症病床使用率も「さらに改善が予想される」と判断した。政府は現時点では早期の解除に慎重。感染のリバウンドを考えると、宣言期間中に指標の数値をできるだけ落としたいようだ。

●不具合相次ぐCOCOA、開発費9割超で3社に再委託 「責任あいまい」国会で指摘

  新型コロナ感染者と接触したことを通知するスマホのアプリ「COCOA」をめぐり、厚労省から開発を委託されたIT企業が、契約金額の9割を超える費用で別の3社に再委託していた。不具合が報告されながら長期間放置された背景には、こうした複雑な契約構造で責任の所在があいまいになったとの指摘も出ている。

 COCOAは、昨年5月25日に安倍首相が「利用開始のめどは6月中旬」と発表。短期間での開発を迫られた厚労省が、IT企業「パーソルプロセス&テクノロジー」(パーソル)と随意契約を結び、約3億9千万円でCOCOAの開発を委託。パーソルは、約2200万円を自社の取り分として工程・品質管理を担当し、事業の大半を「エムティーアイ」(MTI)や「日本マイクロソフト」など3社に計約3億6800万円で再委託、さらにMTIは別の2社に再々委託。アプリは昨年6月に提供が始まった。

 厚労省は通知で、再委託契約の金額の比率が委託契約の50%を超えることを原則禁止している。パーソルの再委託比率は9割超にのぼり、この原則から外れるが、厚労省の担当者は「業務が多岐にわたっており、例外的に認めることになった。手続き上も問題はない」としている。パーソルは取材に「委託内容に応じて再委託の方針を決め、厚労省に再委託先や再委託金額について承認を得ながら進めた」と回答した。

 2月19日の衆院予算委で厚労省の正林健康局長は、どの企業の業務が不具合につながったのかを問われ、「3社が共同で提案しているので、現時点でわからない」と説明。再委託、再々委託という契約になった理由について田村厚労相は「(各社は)それぞれ得意分野がある。チームとして対応し、パーソルが全体を統合する形で契約した」と語った。質問した立憲の川内議員は「不明確な契約をしているから不具合が出るのではないか。責任の所在が明らかにできないことが不具合の遠因」と指摘した。

●全国1303人感染 福岡・沖縄の死者が過去最多に

 国内の感染者は19日で、新たに1303人が確認された。死者は66人。東京都の新規感染者は353人で、13日連続で500人を下回った。20代の84人が最多で、30代69人、50代49人と続き、65歳以上の高齢者は68人(19%)だった。19日までの1週間の平均は1日あたり361.7人で、前週比84.7%となった。大阪府の新たな感染者は91人。感染者は2日連続で100人を下回った。

 福岡県では80代~90代以上の男女8人の死亡が確認され、1日あたりの死者数は1月19日と並び過去最多となった。沖縄県でも過去最多となる6人の死亡が発表された。この6人は80~90代で、クラスターが発生した宮古島市の高齢者施設の利用者だった。厚労省は、英国などで報告されている変異ウイルスが神奈川、群馬、新潟の3県の男女計9人から見つかったと発表した。9人に海外渡航歴はないという。

【2月20日】

●PCR資材 世界で争奪 容器や手袋 輸入滞り検査影響も

 新型コロナの感染を調べるPCR検査で、検査に欠かせない資材の不足が目立ってきた。世界的な需要急増で輸入が滞り、国内生産も限られるためだ。検査機関や研究用に使う大学などに影響が出始めている。

 不足が目立つのは、鼻のぬぐい液や唾液の試料などを微量ずつ取り分けるために使うプラスチック製の「ピペットチップ」や、試料をPCR装置にセットするための容器「PCRチューブ」、細かい作業をしやすい「ニトリル(合成ゴム)手袋」など。いずれも使い捨ての消耗品のため、大量に必要。滅菌処理済みで品質の高い製品でなければ、検査の精度が保てなくなるリスクがある。

 業界関係者によると、国内流通量の約半分を占めるとされる輸入品は、海外メーカーが自国需要を優先した影響などで、昨年11月ごろから大きく減少。今年1月には世界大手の米コーニング社の日本法人が、世界的な需要増を理由に「通常プラス2~4カ月」の納期遅れを文書で卸売業者などに通知。市場在庫の激減が表面化した。

 こうした資材の国産メーカーは限られる。ある有力業者は昨年末以降、受注が例年の5倍程度まで増え、生産が追いつかなくなった。さらに1月下旬には滅菌装置が故障し、全製品の受注を一時停止した。コロナ収束後の需要減を考えると、増産のための設備投資も難しいという。全国規模の卸売業者の営業担当は「PCRの資材は世界中で奪い合いの状態だ。日本で入手しにくい状況は、少なくとも年内は続くだろう」と予測する。

●全国感染1234人 東京の減少率鈍化

 国内感染者は20日で、新たに1234人が確認された。死者は78人で、重症者は前日より21人減って526人(19日時点)だった。東京都の新規感染者数は327人で、14日連続で500人を下回った。ただ、20日までの1週間平均の新規感染者数は355.7人で前週比91.6%と減少率が鈍化している。

【2月21日】

●中印、白熱ワクチン外交

 中国は、国境を接して争いの火種だねのインドを安全保障や経済の世界戦略上のライバルとして大国化を警戒、南アジアにとどめたいという思惑がある。新型コロナをめぐり中国とインドが、周辺国へのワクチンの無償提供を始めている。巨大経済圏構想「一帯一路」に重なる中国の動きに、インドが対抗する構図。両大国の勢力圏争いから利益の最大化をはかりたい国々の思惑もからみ、アジアのワクチン外交が熱を帯びている。

 中国は、途上国を中心に53の国・地域にワクチンの無償援助を表明。先行して援助の14カ国・地域のうち9カ国がアジア諸国。カンボジアは10日、中国から無償供与を受けた60万回分の接種を始めた。中国ワクチンは、シノファーム社とシノバック社。2~8℃で輸送や保管ができ、途上国でも受け入れ易い。アジア9カ国には、インドがワクチンを提供するネパールやスリランカ、ミャンマーも含まれ、国境を接したりインド洋に面したりと、中国の安全保障や「一帯一路」で重要な国々。

 インド政府は1月20日以降、近隣国を中心にワクチンの無償提供を始めた。バングラデシュに200万回分、ミャンマー170万回分、ネパール100万回分、スリランカ50万回分、アフガニスタン50万回分、モルディブ10万回分を空輸。これらの国々には「一帯一路」絡みのインフラ整備などで中国から多額の資金が入っている。世界最大規模のワクチン製造能力を誇るインド製薬大手「セラム・インスティテュート・オブ・インディア」(SII)が、英アストラゼネカ社とライセンス契約、インドで製造する。中国製と同じく保存しやすい。

  インドのSII社が製造したアストラゼネカのCOVID-19ワクチンのバイアル 出典:ウィキメディア・コモンズ

COVID-19 Vaccine AstraZeneca インドのセラム・インスティテュート・オブ・インディア社が製造したオックスフォード-アストラゼネカワクチンのバイアル 出典:ウィキメディア・コモンズ

 中国とインドからワクチンの提供を受ける側も、両国のライバル関係を利用する。中国製ワクチンの治験を始める予定だったバングラデシュは費用負担で折り合いがつかず、インドのワクチン提供を受け入れた。ミャンマーではインドやCOVAXからの確保を予定していたが、1月にミャンマーを訪問した王毅外相がワクチン30万回分の提供を表明、「一帯一路」への協力も求めた。共産党政権のネパールや親中国政権とされるスリランカもインドのワクチンが届く。

●ワクチン優先接種、基礎疾患は申告制、診断書不要 政府検討 

 河野行政改革相は21日のNHKの番組で、慢性の心臓病や腎臓病など基礎疾患のある人への優先接種について、「基礎疾患があるかどうか、自治体では恐らく把握できていない」と指摘。自治体が接種券を一斉送付した後、基礎疾患のある人は自ら申告して予約するよう求める方向で検討しているとした。診断書は不要とするという。

 また河野氏は、米製薬大手ファイザーの生産体制増強に時間を要しており、「4月までは非常に供給量が限られてくる」と明らかにした。優先接種する医療従事者の人数が想定を大きく上回ったこととあわせ、「4月から高齢者をスタートしたいが、少しゆっくり立ち上げていきたい」と述べ、接種日程に遅れが生じる可能性を示唆した。

 これまで高齢者への接種は「2カ月と3週間で終える」との目標を示してきたが、「大都市は恐らく、そのようにはいかない。高齢者が早く打ち終わったところは、一般の方がスタートできると考えている」とも語った。そのうえで、日程について「今週中にある程度の決断をしなければいけない」と表明した。

●ワクチン第2便、約22万人分到着

 米製薬大手ファイザー製ワクチンの第2便が21日、工場のあるベルギーから日本に到着した。政府の発表によると、届いたのは約22万6千人分で、第1便とあわせて42万人分程度を確保したことになる。

●東京の感染者数、下げ止まりか「若者の活動増えてきた」

 東京都内で、新規感染者数が下げ止まり傾向を見せ始めている。19日の定例会見で、小池知事は、
「予断を許さない状況で、リバウンドする可能性もある。ここで気を抜かず、感染防止対策を怠らないでほしい」と危機感を示した。都内では18日、445人の感染が確認され、前週の同じ曜日(11日、434人)を約1カ月ぶりに上回った。知事は「緊急事態宣言」を3月7日まで延長した際、前週比が7割以下になれば3月初旬には1日あたりの新規感染者が140人以下まで減らせるとの見通していた。

 「緊急事態宣言」が出た1月7日、東京の感染者は2520人(修正値)と過去最多を記録。不要不急の外出自粛や飲食店の営業時間短縮などで、感染者数は週平均で、前週比7割前後で推移し減少、1月29日には1千人を下回り、今月7日以降は500人以下の日が15日連続で続いている。

 ところが、先週からその減少幅が鈍化し始めた。ここ数日で前週比は9割近くで減少幅が鈍化。20~30代の若者の感染も目立ち始めた。若い人たちが休みの日に会食したり、仲間内で集まったりして感染するケースがあるようだ。さらに会食や不要不急の外出を減らす必要があるという。再び増加に転じないか懸念する。
 
 「緊急事態宣言」の解除へ向け、重要な判断要素になる医療提供体制については、1月に3千人を超えていた都内の入院患者は21日時点で2035人、病床使用率は4割台まで下がった。政府「分科会」の「ステージ4」(感染爆発段階)の目安の50%は下回ったものの、依然として入院患者数は高い水準で推移している。

●全国の感染1032人

 国内感染者は21日で、新たに1032人が確認された。死者は50人だった。厚労省によると、重症者は前日より15人減って511人(20日時点)だった。新規感染者数が100人を超えたのは、東京都272人と、千葉県163人、神奈川県100人の3都県。一方、「緊急事態宣言」下の関西3府県では大阪府60人、兵庫県27人、京都府9人で、計100人を下回った。

【2月22日】

●ずれ込むワクチン日程「4月試行」、首相も認める

 政府が新型コロナ対策の「切り札」と位置づけるワクチン接種の日程に、ズレが生じている。供給見通しが不明確な中で、医療従事者向けの対象者数が当初の想定350万人から500万人と膨らんだためで、4月から予定する高齢者向けは「試行」として始めることに。自民党内からも焦りの声が上がる。
 
 22日の衆院予算委員会で、河野行政改革相が高齢者向けの開始当初を「トライアル(試行)」と位置づけた点を踏まえ手質問は、「4月からと思ったら『いつになるかわからない』などと繰り返される、と心が折れてしまう」と指摘。首相は 「4月から高齢者に、量は別にして接種できる状況というのは事実だ」と返した。首相は「テスト的にという話は聞いていなかった」としつつ、「量は別にして」との表現で河野氏の方針を追認した。

 都道府県向けに3月分として発送予定の医療従事者向けワクチンは、現時点で117万人分。500万人に膨らむとすれば2割程度。医療従事者の2回目の接種は4月以降も続く見通しで、高齢者と同時並行になる可能性もある。河野氏は21日のNHK番組で「今週中にある程度の決断をしなければいけない」と述べ、日程の見直しを示唆した。

●ワクチン、「1回接種」も議論

 国内で当面使われるのはファイザーのワクチン。供給契約先は50カ国以上、米国、日本、中国、EUの4カ国・地域だけで11億回を超える。「争奪戦をしている」のが現状。日本向けはベルギーとドイツの工場で生産され、ベルギーからの出荷は、生産能力アップの改修で1月後半から一時的に減っていた。EUは1月下旬、域外へのワクチン輸出管理策を導入。日本向けは輸出のたびに許可が必要となり、22日までの計2便で国内に届いたのは42万人分程度。3便以降は「どれぐらい来るか分からない」(河野行革相)という。

 1瓶で6回の接種ができる特殊な注射器の確保も課題で、足りなければワクチンの廃棄も出る。与党には危機感が募る。ファイザーのワクチンは1回接種でも発症を85%減らすとの論文をイスラエルの研究者らが発表したことなどを受け、22日の自民党のワクチン対策のプロジェクトチームでは、1回接種が議論になった。

●昨年の死者11年ぶり減 人口動態統計 肺炎が減少

 2020年に死亡した人の数(外国人を含む)は、前年より9373人(0.7%)少ない138万4544人と、11年ぶりに減少に転じたことが22日、厚労省が発表した人口動態統計速報で明らかになった。新型コロナが流行したものの、肺炎による死者数が減ったことが影響したとみられる。一方、出生数は2.9%減の87万2683人と過去最少となった。

 死者数は近年、高齢化の影響で増加傾向にあり、14~19年は平均して年間約2.2万人増えていたが、2020年は2009年以来の前年比減となった。直近で公表されている2020年1~9月の死因別の死者数を前年の同時期と比較すると、肺炎が1.2万人減となるなど、呼吸器や循環器による死者が大きく減少しており、全体の死者数を押し下げたとみられる。

 日本病院会の相沢会長は「新型コロナ対策でマスクをつけ、手洗いを徹底するようになった。そのため肺炎につながるウイルスなどの感染を防ぐことができ、死者数の減少につながったのだろう」と話す。

 出生数(外国人も含む)は2019年の速報値の89万8600人に続いて2年連続で90万人を下回り、少子化に歯止めがかからない。コロナ禍で出産を遅らせる動きも指摘され、2021年は出生数がさらに減るとの懸念が強まっている。

●新規感染740人 緊急事態宣言、各地で解除求める動き

 国内の感染者は22日で、新たに740人確認された。15日(965人)に続き、1千人を下回った。死者は56人だった。「緊急事態宣言」の対象になっている兵庫県と京都府は、大阪府に続き、2月末にも対象を解除するよう政府に求める方針を決めた。3府県で23日に確認する。愛知県の大村知事も、2月末での解除を国に求めたことを明らかにした。県独自の「緊急事態宣言」を出していた茨城県は23日に解除。沖縄県も2月末までとする方針。

 東京都の新規感染者は178人で、200人を下回るのは昨年11月24日以来となる。ただ、22日までの1週間平均の新規感染者数は前週比86.9%。都が目標とする「前週比7割」を上回り、減少幅の鈍化傾向が続いている。大阪府はこの日、入力ミスで昨年11月から今年1月の発表分に重複が13人、計上漏れが49人いたと発表した。修正を反映した感染者数は延べ4万6745人となった。

 厚労省は、英国で報告された変異ウイルスを、大阪府と京都府の計5人で確認したと発表した。大阪での確認は初めて。いずれも海外への渡航歴はないという。変異株の感染は、国内と空港検疫を合わせ、計178人になった。

【2月23日】

●米の死者50万人超える 感染者は2800万人超

 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米国の新型コロナによる死者が22日、50万人を超えた。国別では最多で、世界の死者の2割に上る。ホワイトハウスでは同日、コロナ死者の追悼式が開かれ、バイデン大統領は「ウイルスで亡くなったのは民主党でも共和党でもない。我々の隣人、友人、家族だ。団結して闘わなければならない」と訴え、マスク着用やワクチン接種を求めた。

 米国での新型コロナによる最初の死者は昨年2月初めとされる。以降3度の感染ピークがあり、最悪だった1月初旬には1日4千人が亡くなった。感染者は2800万人を超える。米メディアによると、第2次世界大戦での米軍の死者は推計40万5千人、ベトナム戦争で5万8千人、朝鮮戦争で3万6千人で、新型コロナの死者50万人はこれら三つの戦争での米軍の死者数を超えるという。

 米国の感染状況は現在、改善傾向にある。年末のホリデーシーズンが終わり、雪や寒波などで人の移動が減ったことや、マスクの着用が広がったことの効果とみられる。ワクチン接種も12月半ばから始まった。十分な効果を得るには2回の接種が必要だが、最低1回の接種を済ませた米国民は4400万人に上る。

●WHO 新型コロナ変異ウイルスは「100超の国や地域に拡大」

 WHOが2月23日に発表した報告書によると、変異ウイルスの報告があった国や地域の数は、いずれも増え続けていて、①イギリスで最初に確認された変異ウイルスが101、②南アフリカで最初に確認された別の変異ウイルスが51、③ブラジルや日本で確認された別の変異ウイルスが29となった。WHOは、変異ウイルスの拡大が続いているとして警戒を続けるよう呼びかけている。

●首都圏以外、月末解除で調整 緊急事態宣言 26日にも決定
 

 政府は、10都府県に出している「緊急事態宣言」について、首都圏以外の6府県で先行解除する方向で調整に入った。3月7日までの宣言の期限を前倒しして、2月いっぱいでの解除を想定。専門家の意見を聞いた上で、26日にも決定する方針。

 先行解除が検討されているのは、愛知・岐阜・京都・大阪・兵庫・福岡の6府県。政府は24日に関係閣僚会議や厚労省の助言組織である「専門家会議」会合を開くなどして、感染状況などについて意見を交わす。その上で、早ければ26日に政府の「諮問委員会」に諮り、対策本部で解除を判断する方針。大阪・京都・兵庫の関西3府県は23日に政府に対し、宣言解除を要請する予定。愛知・岐阜、福岡でも解除要請に向けた調整が始まっている。

 政府の諮問委のメンバーら専門家は、新規感染者数や医療提供体制などの判断指標が改善しているとの見方を示す。諮問委メンバーの一人は「解除後にどのような対策を行うかが大事」と指摘。政府の「分科会」は、解除後に感染者数を抑えるための提言づくりの検討に入った。飲食店に対する営業時間の短縮要請の段階的緩和などを想定しているとみられる。一方、政府内には「3月7日まで様子を見てもいいのでは」とする意見もある。

●変異ウイルス、国内にも拡大 17都府県で135人感染

 感染力が強いとされる新型コロナの変異ウイルスが国内でも徐々に広がってきた。検疫を除き、22日までに17都府県で135人の感染者が確認され、3週間で5倍に増えた。変異株かどうか調べられているのは感染者全体の1割に満たず、全体像は見えていない。専門家は「第4波につながる可能性があり、抑え込みが重要だ」と指摘する。

 変異株のクラスターが国内で確認されるようになってきた。新潟県では16日、保育施設の関係者13人の感染が確認。いずれも英国型の変異株。埼玉県では10歳未満の男女6人と、その保護者ら男女4人の英国型変異株クラスターが発生。同じ施設の関係者という。ほかにも感染は東北から九州まで全国各地で報告されている。中には経路が追えず、市中感染とみられる例があり、広がりが懸念されている。

 商用での外国人の入国が止まっており、検疫での感染確認は2月9日以降、ゼロ。すでに国内に入り込んでいた変異株が少しずつ広がっていると考えられる。厚労省の「専門家組織」の座長である国立感染症研究所(感染研)の脇田所長は18日の会見で、今のところは「散発的な感染」との見方を示した。一方で、「専門家組織」のメンバーの一人は「国内でかなり広がっている可能性もあり、相当警戒している」と、現状の見方はさまざま。 

 これまで変異株に感染を見極めるため。各地の自治体から検体を感染研に送り、ゲノム解析の結果が出るまでに2週間近く要していた。そこで感染研は1月、PCR検査で変異株が判定できるよう、特殊な試薬や検査手順を全国の地方衛生研究所(地衛研)に伝達。早ければ数日で判定できるようになった。厚労省は地衛研に対し、感染者の5~10%をめどに変異株であるか調べるように求めている。現在、変異株の感染者は、無症状も含め原則入院。今後変異株の感染者が大きく増えれば、病床の逼迫につながりうる。

●変異ウイルス、「第4波つながる可能性」 専門家

 世界的に感染拡大が懸念される変異株は英国、南アフリカ、ブラジルから報告があった3種類ある。ウイルス表面に突き出たスパイクたんぱく質に「N501Y」という変異があり、感染しやすくなっていると考えられている。国内では22日時点で、検疫を含め英国型161人、南ア型11人、ブラジル型6人の計178人を確認。今のところ英国型が大半を占める。

 英国型は、欧州で全ての国で見つかっている。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の2月中旬の報告書は、「毎週ほぼ倍増しているように見える」と指摘。これまでの流行株と入れ替わりつつあり、日本でも同様の事態が起こらないか懸念されている。12月中旬からロックダウンのデンマークでは、従来の流行株の実効再生産数が0.5~0.7ほどに対し、英国型は1.14という報告がある。変異株が症状や致死率に及ぼす影響は、はっきりしていないが、高い感染性で患者が急増すれば医療を圧迫する。
 
 南ア、ブラジルから報告された変異株と英国型の一部には「N501Y」変異に加え、従来の流行株に感染して得た免疫が効きにくくなる恐れがある「E484K」という変異もある。南アでは、一部のワクチンの効果が低かったという報告もある。ワクチンを開発するアストラゼネカは今秋までに、変異ウイルスに効くようにワクチンを改良するとしている。

 東京医科大の濱田教授(渡航医学)は「日本でも変異株が増えれば、『第4波』につながる可能性がある」と懸念する。今後問題になるのは水際対策。政府は1月の「緊急事態宣言」に合わせて海外との往来制限を強めたが、「世界中に変異株が広がるなか、日本だけ鎖国することができるのか。検疫の強化など緩和に向けた対応の検討が必要だ」と話す。

●関西3府県「段階的緩和」 感染再拡大を警戒 宣言解除要請

 関西の3府県は23日、「緊急事態宣言」を解除するよう政府に要請したが、解除後も、感染再拡大への懸念から飲食店などへの営業時間の短縮要請などは続ける方針。一方、首都圏4都県の知事は23日、3月7日の解除を目標に外出自粛など対策を改めて徹底していくことを確認した。

 背景には感染再拡大への懸念がある。3月や4月は、卒業・入学や転勤で人の移動や宴会などが増える。京都府の西脇知事は「一番怖いのはリバウンド、再拡大。段階的に措置を緩和していくことが重要」と指摘。大阪府は現在、府内全域の飲食店などに午後8時までの営業時間短縮を要請しているが、解除後は大阪市の繁華街に限定して午後9時に緩和する方向で検討。兵庫県の井戸知事は、3月7日までは県内全域で午後9時までの時短を要請すると表明、京都府も時短要請の午後9時までの後ろ倒しを検討する。

 一方、首都圏4都県の知事は23日のテレビ会議で、新規感染者数は減少傾向にあるものの減少のペースが鈍化していることなどを確認。3月7日で終わらせることを4都県の目標とし、外出自粛などの徹底を求める共同メッセージを出した。

 埼玉県の大野知事は会議後、関西3府県の解除要請について「日本全体の流れとして、緩まるような形になると、首都圏ではより強く影響が出てしまう」と懸念を示した。神奈川県の黒岩知事は、「前倒しなんてとても言える状況じゃない」。千葉県の森田知事は「医療もマンパワーも崖っぷち。3月7日まで一生懸命やって結果を待つ」と話した。

●東京275人感染
 
 国内感染者は23日、新たに1083人が確認された。死者は54人だった。東京都の新規感染者は275人で、17日連続で500人を下回った。

【2月24日】

●「緊急事態宣言」、知事から解除の要請受け「諮問委員会」へ

 菅首相は24日夜の記者団の取材に対し、10都府県に出している3月7日期限の「緊急事態宣言」について、「感染者が大きく減少している。(宣言解除を)繰り上げて、という知事からの要望があったことも事実」としたうえで、26日に感染症や経済の専門家らでつくる「諮問委員会」を開く方針を表明。「先生方からさまざまな意見をうかがうなかで、判断していきたい」と述べた。

 首相は記者団の取材に応じるのに先立ち、加藤官房長官や田村厚労相、西村経済再生相らと対応を協議した。

●高齢者ワクチン接種、4月12日開始 最初は5万人分

 菅首相は24日夜、高齢者向けの新型コロナワクチン接種について、4月12日から開始する方針を明らかにした。4月5日の週から各自治体に順次発送する。ワクチン担当の河野行政改革相はこれまで「4月1日以降」と説明し、日付については言及していなかった。 政府はワクチン接種を感染対策の「切り札」と位置付けており、都道府県などと連携して円滑な準備を目指す。ただ、スタート段階で接種可能な高齢者は極めて限定的で、必要なワクチンの数量確保が今後の課題。

 河野行政改革担当相はこの後、内閣府で記者会見し、当面の高齢者向け接種計画を公表した。最初のワクチンは計100箱(1箱195瓶)で、「5万人程度の2回分に相当する」。東京・神奈川・大阪の3都府県に各4箱、それ以外の44道府県に各2箱を割り振る。4月12日の週に約25万人分の500箱を追加発送。19日の週も同様の対応を取る。全国の市町村に行き渡るのは、26日の週からとなる見通し。

 河野氏は「数量を限定してスタートさせ、配送システム、会場運営などの段取りを丁寧に確認しながら、徐々に拡大したい」と強調。「どの市町村で行うか、どう配分するかなどは、各都道府県に調整をお願いしたい」と述べた。また、3月1日に欧州からワクチンの第3便が到着する予定だと明らかに、「4月から5月にかけて医療従事者と高齢者の接種が並行して進む可能性が大きい」と述べた。ワクチン供給の遅れにより、高齢者接種の本格実施は4月下旬以降にずれ込むことになった。その後に予定も見えていない。

 一方、首相は24日、公明党の山口代表と首相官邸で会談し、米ファイザー社製ワクチンの接種回数について「2回接種で準備してきたので、そういう考え方でいきたい」と伝えた。同社のワクチンは、1回接種でも発症率が85%減少したとの事例が海外で報告されている。

●ワクチン接種1回論変浮上、自民から 政府は慎重

 1人2回を前提に始まったワクチンの接種をめぐり、自民党内から多くの人に打てる1回接種を検討すべきだとの意見が出ている。ワクチンが順調に届かない場合の「政治的な判断」も視野に入れるが、政府側は2回接種を維持する構え。医療従事者を対象に17日に始まった国内での接種には現在、ファイザーのワクチンが使われている。このワクチンは1回目から3週間をあけて2回目を接種する用法で、厚労省が14日に承認した。

 十分なワクチンが届くか見通せていないなか、自民党からは1回接種を検討すべきとの声。下村政調会長は24日の記者会見で「英国政府も1回接種で高い効果が得られる旨、発表したと承知している」と言及。最悪の場合の選択肢として、党で検討していく考えを示した。党プロジェクトチーム(PT)の22日会合でも、イスラエル研究者らの論文が取り上げられた。鴨下PT座長も21日のテレビ番組で「できるだけ多くの人に、まず1回目を打っていただくようなことは重要だろう」と語った。

 イスラエルの研究者らによる論文は、1回接種でも85%に発症率を減らす効果が示されたとする。だが、ファイザーが治験結果で示した2回接種の95%よりは低い。論文のデータは医療従事者に限られ、臨床試験(治験)のように同じ条件で接種を受けていないグループと比較したものでもない。厚労省は、科学的に裏付けられたとはいえないとの立場。

 政府側はいまのところ、慎重姿勢を貫く。ファイザーも「3週間あけて2回接種することで、効果が確認できる」としており、1回接種を公式に認めてはない。政府の慎重論の背景には、1回目の接種を優先することにすると、市区町村で始まる接種の計画が大きな変更を迫られる。河野行政改革相は23日のテレビ番組で「田村厚労大臣の権限」としながら、「(1回への変更が)ないとは言えないが、今の時点ではしっかり2回ずつ打っていく前提で計画を作っている」と語った。

●感染減少が鈍化、医療体制なお不安 専門家組織指摘

 厚労省に助言する「専門家組織」は24日、会合を開いた。全国の新規感染者数は減少傾向にあるが、最近はその減少幅が鈍化していると指摘。医療提供体制への負荷、変異ウイルスのリスクなどの不安材料もあげたうえで、「緊急事態宣言の解除がリバウンドを誘発することへの懸念に留意が必要」とした。「(解除した場合に)医療への影響は大丈夫なのか」などと懸念する意見も多く出たという。

 直近1週間(17~23日)の全国の10万人あたりの新規感染者数は6.63人で、前週と比べ15%減った。前々週(11.31人)と前週(7.81人)の比は31%減で、減少幅が鈍ってきているのがわかる。入院者数なども減少。ただし、重症化のリスクが高い60歳以上の新規感染者の割合が3割を超えており、重症者や死亡者数の減少には一定の時間を要するとの見方を示した。

 23日時点の内閣官房のまとめでは、政府の「分科会」が示す新規感染者数などの6指標は全体として改善傾向が続いている。一方、医療提供体制の状況を示す病床使用率と療養者数(10万人あたり)の2指標はまだ厳しい地域もある。東京など首都圏では、最も深刻な「ステージ4」の指標がまだ残る。関西3府県は数値が減少しているものの、大阪と兵庫では病床使用率が依然として高く、「ステージ3」の20%を下回るにはまだ開きがある。

 鈍化の理由ははっきりしていないが、会合では夜間の人出が再び増えていることが一因としてあげられた。ソフトバンクの子会社アグープのデータを分析すると、夜間の繁華街での増加が目立つ。「専門家組織」は、宣言が解除されたとしても、「ステージ2」以下をめざし、「飲食の場面など引き続き感染を減少させるとりくみを行う必要がある」と指摘。年度末と年度初めに増える歓送迎会や謝恩会、卒業旅行、花見の宴会などを避けるよう効果的なメッセージの発信が必要とした。

●東京213人感染 東京で新たに213人感染 都基準の重症者数は8人減

 東京都は24日、新型コロナの感染者が新たに213人確認されたと発表した。同日までの1週間平均の新規感染者数は294.7人で、前週比は83.3%だった。都基準の重症者数は、前日より8人少ない69人。感染者213人を年代別にみると、40代が38人と最も多く、50代が32人、20代が28人、30代が25人と続いた。65歳以上の高齢者は60人(28%)だった。

【2月25日】

●宣言解除後、卒業旅行控え花見は宴会無し 「分科会」が提言案

 「緊急事態宣言」を解除する地域や時期について政府内で検討が進む中、政府の「分科会」は25日、持ち回りの会合を開き宣言が解除後の感染再拡大に焦点をあてた提言を出した。会食などの注意点に加え、繁華街などでPCR検査を集中実施することなどを柱としている。この中では、「緊急事態宣言」が解除されると社会の雰囲気として感染対策がおろそかになる懸念があるとして「リバウンド」=感染の再拡大を防ぐことが最重要課題だとした。

 そのうえで宣言が解除された地域での対策について、同居家族以外との会食は4人まで、卒業旅行や歓送迎会は控え、花見は宴会無しをで行うことなどと場面ごとの具体的なポイントを示している。飲食店に対しては、二酸化炭素の濃度を目安に換気すること、店内の人数を調整すること、会話の声が大きくならないよう音楽の音量を最小限にすることなどを求めた。

 また、国や自治体に対してもリバウンドの予兆を早期に見つけ出すために、感染リスクが高いと思われる集団や場所では無症状者に焦点をあてた幅広い検査を行うこと、高齢者施設の職員への定期的な検査を着実に行うことなどを求めている。そのうえで、リバウンドの予兆が確認された場合には、重点的なPCR検査や営業時間の短縮要請などを行うことや、必要な場合には国が都道府県に対し、集中的な対応が可能な「蔓延防止等重点措置」を適用することなどを求めた。

 「分科会」の尾身会長は25日の記者会見で、「重要なのはリバウンドを防ぐため、解除後に必要な対策を検討することだ」。リバウンドを防ぐ対策の1つとして、自費検査を行う民間検査施設に対し、国が陽性者の検体提出を要請し変異株かどうかを調べるよう求めた。変異株への感染例は国内でも今後数が増して、従来株と変異株が入れ替わっていく可能性が高い。「これからの対策では変異株が重要になるという意識が大事。国には、変異株の検査機関への人的支援を含めモニタリング体制を強化していただきたい」と述べた。

●宣言解除の首相会見、急遽取り止め

 菅首相は「緊急事態宣言」の先行解除に伴う記者会見を見送る方針。当初は26日夕の政府対策本部後に会見を予定していたが、25日に取り止める方向になった。首相は1月の首都圏への宣言や関西など7府県の追加、2月上旬の10都府県での延長の際には、いずれも会見を開いていた。

 複数の官邸幹部らは、首都圏の解除を専門家に諮る予定の3月上旬にも首相会見を想定しているため、急遽見送ることにしたと説明。今回は記者会見ではなく、官邸のエントランスホールで首相が記者団の質問を受ける「ぶら下がり」方式を検討するという。

 政府・与党内では、首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から高額接待を受けた山田真貴子・内閣広報官が会見の司会進行役を務める影響を問題視する声がある。政府関係者は「会見をしない理由は広報官だろう」。別の関係者は「山田氏をめぐって官邸内で意見が割れ、やらないことになったようだ」と話した。首相は宣言を延長した2月2日の会見では「国民にきちんと情報発信し、説明責任を果たしたい」などと語っていた。

●五輪観客数、来月に全体像 聖火リレー開始の前後 橋本会長

 今夏の東京五輪・パラの観客数について、大会組織委員会の橋本会長は25日、聖火リレーが始まる3月25日前後に全体像を示す考えを明らかにした。政府は、新型コロナの感染状況を踏まえて今春に判断するとしていたが、18日まで五輪相だった橋本会長は「聖火ランナーが3月25日スタートということになれば、方向性はそのくらいに1回示さないといけない」と述べた。

 一方、国際オリンピック委員会(IOC)で日本側と実務面の調整を担うデュビ五輪統括部長は14日のIOC理事会後、海外からの観客と、国内の観客の2段階で判断する可能性を示した。政府・都・組織委・IOCと国際パラリンピック委員会(IPC)の5者は来週にトップ会議を開く予定で、大会関係者によると観客については、海外からの受け入れについて先行して議論する方針という。

 国内も含めた観客に関する判断時期について、IOC側からは24日、「4月から5月初め」(バッハ会長)、「4月の終わりが適切な時期」(デュビ五輪統括部長)とそれぞれ言及があった。観客に関する判断については当初、官邸幹部は「春ごろ」との見方を示し、3月中にも方向性を出したい考えだった。ただ最近は、「4月まで待ってもいい」などと、政権内でも先送り論が出始めている。東京都の担当幹部も「ぎりぎりまで判断を引っ張るのは妥当かと思う」と話した。

●島根県、聖火リレー協定の是正を要求 費用巡り組織委に
 
 東京五輪聖火リレーの中止検討を表明している島根県は25日、聖火リレーに関して大会組織委員会と結んだ協定の内容と異なることを組織委に求められているとして、是正を求める催告書を組織委に送った。

 リレー中止には協定解除が必要で、手続きを進めた。県関係者によると、催告書で、離島における車両手配や聖火ランナーの輸送、トーチの回収作業などが、本来組織委員会が担うべきなのに県に費用負担などが求められていると指摘。3月下旬までの約1カ月間で是正することを求めている。県は聖火リレーに向け、2021年度一般会計当初予算案に警備費など約7200万円を計上した。リレー中止を決めた場合、協定を解除すると共に、予算の執行を停止する。

 丸山知事は25日、関係省庁を訪れ、首都圏のコロナ対策強化や、島根などの飲食店にも給付金を支給するよう求める要望書を提出。西村経済再生相らへの面会を希望したが、実際に面会できたのは副大臣や担当職員。要望後に知事は記者会見し、「大臣にも会えず、政府からはまだ理解を得られていない。このままでは3月末で飲食業の廃業が多発しかねない。リスクの大きい五輪を開くべきではない」と述べた。

 また丸山知事は、自民党の竹下元総務会長ら県選出議員にも面会し、説明した。会談後に代表取材に応じた竹下元総務会長は、丸山氏に「コロナ対応はものすごく大事だが、それと聖火リレーは次元の違う話だ。」と語った。聖火リレーの判断については「組織委なり、国民全部なり、あるいは世界が決めることであって、知事が決めるこっちゃねえだろう」と語ったと説明した。

 丸山達也・島根県知事 出典:全国知事会ホームページ 竹下亘衆議院議員 出典:ウィキメディア・コモンズ

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●国内で1076人感染、死者74人、変異ウイルスも8人 東京340人

 国内の感染者は25日で、新たに1076人が確認された。亡くなった人は74人だった。東京都では340人を新たに確認した。25日までの1週間平均の新規感染者数は279.7人で、前週比は78.8%だった。都基準の重症者数は前日より2人増えて71人。感染者340人を年代別にみると、40代が65人と最も多く、20代が62人、30代が50人、50代が48人と続いた。65歳以上の高齢者は74人(22%)だった。

 大阪府では82人の感染と、80~90代の男女5人の死亡が確認された。入院中の重症患者は前日より3人減って95人。確保している対象病床(221床)の使用率は43.0%になった。厚労省によると、英国で報告された変異ウイルスが大阪府で6人、神奈川県で1人、鹿児島県で1人の計8人から確認された。いずれも海外渡航歴はなく、うち4人は感染経路がわからない「市中感染」が疑われるという。

【2月26日】

●首都圏以外、週明けにも緊急事態解除 「時短」緩和し継続 GoToも見送り

 菅首相は26日、「緊急事態宣言」について、大阪・京都・兵庫の関西3府県、愛知・岐阜の東海2県、福岡県の計6府県を2月28日をもって解除することを決めた。残る首都圏4都県は3月7日までの期限通りの宣言終了をめざす。先行解除する地域も、飲食店への営業時間の短縮要請などの対策は続ける。

 緊急事態宣言 首都圏除く6府県 解除(2月28日時点) 出典:NHK NEWS WEB

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 首相は政府対策本部で、「新規感染者数は目に見えて大きく減らすことができた。入院者や重症者の数も継続して少なくなっている」とした。解除を見送った東京・神奈川・千葉・埼玉の4都県については、記者団に「医療提供体制の状況が依然厳しい」と説明。変異ウイルス対策をめぐっては、「短時間で検出できる新たな方法の検査」を来月から全都道府県で実施する方針を示した。

 政府は解除にあたり、感染や医療提供体制の状況を示す指標が、2番目に深刻な「ステージ3」(感染急増)相当に下がることを目安にしている。4都県は病床の使用率が高い状態が続いているが、6府県は条件を満たした。対策本部に先立つ専門家による「諮問委員会」は先行解除を了承したが、変異ウイルス対応や感染の再拡大を懸念する声が相次いだ。

 政府は先行解除する6府県に、飲食店への時短要請を続けるよう求める。閉店時間は午後8時迄から、午後9時迄に変更。要請に応じた店への協力金は、午後9時迄までなら1日4万円、それより遅ければ2万円とするが、知事の判断で増減可能。イベント制限の緩和も段階的に進める。宣言下では人数の上限を5千人迄、屋内の場合は収容人数の半分迄としているが、解除後は、5千人か収容人数の半分までの多い方(但し1万人以下)を上限と。「GoToトラベル」の再開は見送り、県内移動に限定するなど段階的な措置を検討する。

●諮問委の尾身会長、6府県解除「もろ手をあげて 無条件で賛成ではない」

 政府の「諮問委員会」の尾身会長は、26日夜行われた記者会見で「きょうの「諮問委員会」の議論では、「緊急事態宣言」を1週間前倒しで解除することについて、端的にいってもろ手をあげて、無条件で賛成と言うことではなかった。懸念がかなり強く表明され、私自身も同じような懸念を示した」と述べた。その理由として「変異ウイルスが従来のウイルスから置き換わるプロセスが始まっていること」と「解除によって首都圏でも感染対策が緩んでしまうこと」を指摘した。

●ワクチン、途上国供給へ一歩 「COVAX」開始、公平な分配に課題

 新型コロナのワクチンを共同調達する国際的な枠組み「COVAXファシリティー」によるワクチンの供給が始まった。先進国がワクチン獲得を競うなか、途上国を取り残さない試みは一歩前進したが、公平な分配への道のりは遠い。COVAXは、WHOなどが主導、日本を含む190の国・地域が参加し、先進国の拠出金などをもとにワクチンを共同調達する枠組み。年末までに少なくとも20億回分の供給を目指し、今年前半には計約3億4千万回分が、中低所得国を中心に145の国・地域に割り当てられる見通し。

 24日には大手アストラゼネカのワクチン60万回分がアフリカのガーナ、26日に50万4千回分がコートジボワールに着いた。今後、医療従事者らへの接種が始まる。他の国にも順次、ワクチンが届けられる予定。WHOのテドロス事務局長は24日、「パンデミックは、全ての場所で終わらない限り終わらない。ワクチンの公平性という共通目標の実現に向け、今日は重要な第一歩だが、始まりに過ぎない」との声明を出した。

 2009年の新型インフルエンザの流行で、先進国が製薬会社からのワクチン買い占めに動き、途上国が置き去りにされかかった。この教訓をもとにCOVAXが設立。途上国の接種が遅れ感染が収まらなければ、先進国との貿易にも影響が出て、世界経済全体の損失となるとの試算もある。

 途上国からは、「COVAXは資金難の国には良い制度だが、必要数の全てはまかなえない」「貧しい国は、先進国が争って獲得するような欧米開発のワクチンには手が届かない。COVAXやアフリカ連合に望みを託すしかない」「COVAXは、中米などの貧しい国がワクチンにアクセスできる唯一の方法だ」の声。

 独自調達で接種を始めた国では、スキャンダルが。アルゼンチン保健相は知人らに優先接種させ辞任。ペルーでは、元大統領ら政界有力者が昨年から国民に先駆け闇接種が明らかに、「ワクチンゲート」として追及される。ブラジルでも、まだ対象ではない富裕層や有力者の割り込み接種。看護師が空の注射器で接種したふり、ワクチンの転売目的の疑惑。問題は公平に分配されるか。 ワクチンをめぐる不正や腐敗が起こる。その混乱は新型コロナと同等の脅威となりうるという。

◆高齢者向けワクチン、6月末までに全国に配送の見通し 河野大臣

 河野行政改革相は閣議のあとの記者会見で、「ファイザー社との交渉の結果、6月末までに65歳以上の高齢者全員が2回接種する分のワクチンを、自治体に配送できるスケジュールで供給を受けることで大枠で合意した」と述べ、高齢者向けのワクチンについて、6月末までに全国の自治体に配送できる見通しとなったことを明らかにした。配送の日程や具体的な数量は、明らかにしなかった。

 政府は新型コロナの基本的対処方針で、6月末までに全国民に提供できる数量の確保をめざすとしている。持病を持つ人や、その後の一般国民の接種時期はまだ示せていない。菅首相は26日夜、記者団に「いずれにしろ接種を一日も早く行うことが大事だ」と述べるにとどめた。

●コロナ倒産、2月126件 昨秋から100件ペースで続く

 東京商工リサーチは26日、2月の新型コロナ関連倒産(負債1千万円未満を含む)が126件となり、昨年2月以降で最多だったと発表した。大半が中小・零細で、累計1108件になる。業種別で多いのは飲食194件、建設97件、ホテル・旅館68件。飲食店の苦境が関連業種に広がっており、飲食料品の卸売りが51件、製造が35件あった。都道府県別では、東京が271件と最多で4分の1を占める。

 これまでは昨年10月の113件が最多で、11月から今年1月は100件ほどで推移。2月は負債10億円以上の倒産が1月の約2倍の9件となるなど、コロナ禍が長期化し、中堅企業の倒産も出ている。調査担当者は「緊急事態宣言で苦しくなった企業の倒産は今春以降に出てくるとみられ、件数はさらに増える恐れがある」と話す。

●子どもの感染、1月急増 重症者ゼロ 半数以上は症状なし

 新型コロナに感染した小中高校生や幼稚園児が昨年6月~今年1月に計1万2482人いたと、文部科学省が26日発表した。全国的な感染者数の増加に比例し、1月上中旬に急増した。学年が上がるほど学校内感染や感染経路不明の割合が増える傾向にある。重症者は報告されていない。

 文科省によると、ほとんどの学校の長期休校が明けた昨年6月1日以降、小学生4164人、中学生2874人、高校生4897人、特別支援学校生172人、幼稚園児375人の感染が各自治体などから報告された。半数以上は症状がなかった。昨年12月31日までに報告があったのは計6394人で、1月だけで約6千人の報告があった。

●新たに1056人が新型コロナに感染 東京は270人

 国内の新たな感染者は、26日で1056人が確認された。死者は80人だった。東京都では、270人の感染が確認された。26日までの1週間平均の新規感染者数は267.9人で、前週比は74.1%。都基準の重症者数は、前日より1人少ない70人だった。感染者270人を年代別にみると、20代が65人と最も多く、30代が46人、40代が36人、50代が30人と続いた。65歳以上の高齢者は60人(22%)だった。

 英国で報告された変異ウイルスの感染も確認された。厚労省は、海外への渡航歴のない兵庫県の20~60代の女性5人の感染を発表。変異株の感染は空港検疫を合わせ、計207人となった。

【2月27日】

●欧州各国、変異ウイルス拡大で規制の強化や延長の動き

 フランスでは、1日の感染者数が3万人を超えるなど去年11月以来の水準にまで再び感染が拡大している。新たな感染の50%以上が英国で最初に見つかった変異ウイルスで、南アフリカやブラジルで見つかった変異ウイルスも合わせて6%程度を占めている。このためフランス政府は感染が特に広がっている地域では、全国での夜間の外出制限に加えて、土曜と日曜に限り日中も外出を制限することにした。

 北欧のフィンランドが3月8日から3週間、緊急事態を宣言して飲食店を閉鎖するなど対策を強化するほか、オランダは現在行っている夜間の外出制限を3月15日まで延長することを決めるなど、各国が変異ウイルスに対する警戒を強めている。

●宣言解除後の防止策求める 知事会が提言

 全国知事会は27日、新型コロナの対策本部会議を開き、40道府県の知事と副知事がWEBで参加した。3月1日から6府県で「緊急事態宣言」が解除されることに伴う感染再拡大防止や、宣言対象外の地域への経済支援などを国に求める緊急提言をまとめた。近く国に提出する。提言では、「4都県で宣言が継続されるなど、予断を許さない状況」と指摘。国が第3波の経験を踏まえて国民に引き続き危機感を伝え、宣言解除後も強力な対策を講じて再拡大防止に努めるよう求めた。

 さらに「宣言対象外の地域や、営業時間短縮要請の対象となった飲食業以外の業種でも、厳しい影響が生じている」として、一時支援金の支給対象の拡大など、経済雇用対策を公平に講じるよう要請した。北海道の鈴木知事は「対象地域と対象外とで格差が生じている」と指摘。島根県の丸山知事は「宣言の対象外で国の支援がないが、わが県の飲食業も悲惨な状況」と述べ、対象地域と同様の支援を求めた。

 また提言ではワクチンについて、供給スケジュールや配分量をより具体的に、速やかに示すよう求めた。福島県の内堀知事は、福島第一原発事故の除染作業などに従事する約1万人が「住民票の所在地ではない双葉郡での接種を希望する可能性がある」とし、作業員が希望に応じて接種を受けられるよう国に求めた。

●全国で新たに1214人感染、3日連続で1千人超える

 国内感染者は27日、新たに1214人が確認された。1千人を超えるのは3日連続。死者は41人だった。東京都の新規感染者は337人。21日連続で500人を下回ったが、1週間前の20日(327人)と比べると10人多い。都基準の重症者数は、前日より2人減って68人だった。感染者337人を年代別にみると20代が77人と最も多く、30代が63人、40代が54人、50代が44人と続いた。65歳以上の高齢者は56人(17%)だった。

【2月28日】

●J&Jワクチン、 「接種1回」米で許可 冷蔵庫で保管可能

 米食品医薬品局(FDA)は27日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した新型コロナのワクチンについて18歳以上に緊急時の使用を許可した。1回の接種で十分な効果が得られるほか、通常の冷蔵庫で保管できるため、接種の加速が期待される。米国で使用許可が出ているのは米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナが開発したワクチン。いずれも十分な効果を得るには2回接種が必要としている。

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 FDAはJ&Jのワクチンについて、1回の接種で新型コロナの発症率を66%減らす効果を確認。重症化率も85%減らす効果があるとしている。副反応としては接種場所の痛みや頭痛、倦怠感だが、ほとんどは軽いという。FDAは「(接種による)利益がリスクに勝る」としている。緊急時の使用許可は一定の条件下で未承認の治療法を広く使えるようにするもので、一時的なものだ。J&Jは米国内で3月末までに2千万回、6月末までに計1億回分を供給するとしている。日本では治験が始まっているが、供給計画は決まっていない。

●国内999人感染 東京329人 6府県先行解除

 国内感染者は28日、新たに999人が確認された。死者は30人だった。10都府県に出されていた「緊急事態宣言」は、首都圏を除く6府県で3月1日に前倒しで解除となった。先行解除される大阪府の新規感染者は54人、愛知県は31人、福岡県は23人とそれぞれ減少傾向。

 以下2枚の図は、2月28日時点の国内発生状況 出典:厚生労働省ホームページ

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 以下4枚の図は、2月28日の国内・東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト 

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 一方、東京都は下げ止まり状態。28日に確認された感染者数は329人。前週の日曜日の21日は272人だったが、それよりも50人以上増えた。1週間平均の感染者数は277.4人で、前週の341.6人より減ったものの、比率では81.2%。都が目標とする「前週比7割」を大きく超えた。都によると、27日午後3時時点の人出は、宣言発出前の昨年12月と比べて新宿で10%、渋谷で5%の減少幅にとどまった。都の担当者は「油断するとリバウンドして感染者が再び増える可能性がある」と危機感を抱いている。

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2021年3月 6日 (土)

武州・越生の梅林

 2021年3月1日(月)、越生梅林(埼玉県越生町)に観梅に行く。

 

 この日は、気温18℃、4月上旬並みの暖かさ。コロナ禍の影響で、今年の「梅まつり」(例年2月中旬〜3月下旬)のイベントなどはすべて中止。入園(300円)は無料、ただし駐車料金500円。土日曜は混むと思って月曜に行くが、案の定いくらか混んでいた。

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 埼玉県入間郡越生(おごせ)町にある約1000本(面積2ha)もの梅が香るという「越生(おごせ)梅林」。水戸偕楽園(茨城県水戸市)、曽我梅林(神奈川県小田原市)とともに「関東三大梅林」に数えられている。曽我梅林の代わりに、熱海梅園(熱海市)とする資料もある。

 「越生」は「おごせ」と読む難読地名、その由来は諸説ある。一つには、この地が関東平野の西端で山地に接し、秩父に向かうにも上州に向かうにも尾根を越して行かねばならず、その「尾根越し(おねごし)」が「尾越し(おごし)」、やがて「おごせ」と変化したと言われている。

 南北朝時代の1350年頃、九州の「大宰府天満宮」から武蔵国小杉村に「小杉天満宮」(現在の「梅園神社」)に分祀した際、菅原道真公にちなんで梅を植栽したのが起源であると伝えられている。江戸時代から梅の産地として生梅を出荷していたことが知られ、また文化文政年間(1804年〜1829年)に編纂された武蔵国の地誌『新編武蔵風土記稿』にも梅を梅干に加工し、江戸に送られたことが記されているという。

 越生梅林入口に立つ越生町教育委員会の説明板。

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 明治になると観光地としても注目されるようになる。1889年(明治22年)に小杉村などの8か村が合併し、梅にちなんだ梅園村が成立。1900年(明治33年)には地元有志らが「古梅林保勝会」を結成し、翌年には越辺(おっぺ)川岸の一画が、奈良の「月ヶ瀬梅林」にあやかって「新月ヶ瀬豊楽園梅林」と命名された。

 絵葉書『武州新月ヶ瀬名所』 越生町教育委員会の説明板より。

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 1901年(明治34)年、歌人で国文学者の佐佐木信綱が来遊、ほかに田山花袋、野口雨情など多くの文人墨客 も訪れたという。歌人・佐佐木信綱の歌碑がある。

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 歌碑には、「入間川高麗川こえて都より 来しかひありき梅園のさと」のほか、2首。

 1942年(昭和17年)、梅園村の大字堂山字前河原を中心とする約2haが、埼玉県指定名勝に指定され、関東屈指の観梅の名所へと発展する。1955年(昭和30年)に梅園村は越生町と合併、「越生梅林」と改称した。写真は、 「埼玉県指定名勝 越生梅林」の記念碑。

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 梅の木の足元には福寿草。園内をめぐるミニSLのレール。

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 本物の石炭で走るミニSLが、「梅まつり」の期間中の土・日曜、祝日には、人を乗せて一周253mを運行。ミニSLは、かつてJR八高線で走っていた国鉄9600形蒸気機関車の10分の1モデル。また期間中、舞台では和太鼓など郷土芸能も披露されるという。

 「越生野梅」(おごせやばい)などの保存古木(樹齢200年超)が、100本以上ある。

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 保存木の「紅梅」(べにうめ)。原種の「越生野梅」の系統らしく、花は白い。後述の梅干し「越生べに梅」と同じものか不明。

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 樹齢約650年を超えるという古木「魁雪」(かいせつ)は、「越生野梅」。梅の幹のねじれは、古木になると現れるという。

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 屋台エリアには、屋台が数軒並んでいた。

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 面積2haの「越生梅林」には、「白加賀」「紅梅」「越生野梅」など約1,000本の梅の木が植えられている。梅林周辺を含めると、2万5000本(栽培面積40ha)が咲き誇る。生産用の梅が主体のため、大半が白梅。園内のほとんどが私有の生産梅林で、6月に梅の実を収穫。「白加賀」(しろかが)は、1960年代の梅酒ブームを背景に植栽された梅。

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 早春の花のロウバイ(蝋梅)のほかに、サンシュユ(山茱萸)も咲いていた。

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 梅の特産品の土産屋のほか、梅の盆栽も販売されている。

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 白梅が多く、紅梅は少ないが目立つ。梅林の中央付近には枝垂れ梅が植えてある。

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 近年では梅干しのブランド化のため、越生町に受け継がれ栽培されてきた固有の梅「越生べに梅」が増えているという。「白加賀」より花が小さく、少しピンク色、完熟するとフルーティな香りで表面に紅色がさすことから「べに梅」(「紅梅」ではない)と呼ぶ。薄皮で果肉が厚いという。県内外から、梅干しファンには人気の越生の特産品。

 梅干し「べに梅」(300g・1000円)、練り梅「おにぎり梅」(150g・480円)、梅干しをつくる際に抽出されるウメエキス「梅ひとしずく」(30ml・800円) 出典:農林水産省Webサイト https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1404/spe1_04.html

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2021年3月 5日 (金)

新型コロナ2021.02 宣言延長

 新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」は、高齢者の感染割合や重症者数が増加し、医療提供体制が逼迫してきた。年が明けて2021年1月7日、政府は首都圏1都3県に再び「緊急事態宣言」を発出、更に1月13日には11都府県に拡大した。1月中旬以降には新規感染者は減少傾向にあるが、都市部の病床逼迫は長期化している。2月8日、「緊急事態宣言」は栃木県を解除し、10都府県は延長された。



 2021年2月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2021.01 重症最多」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【2月1日】

●自民・公明の4衆議院議員が離党、議員辞職 深夜クラブ問題 

 「緊急事態宣言」のさなかに東京・銀座のクラブを訪れていた自民・公明両党の衆院議員4人が、議員辞職や離党に追い込まれた。コロナ禍の対応で菅政権の支持率が急落し、各地の地方選で与党側に厳しい結果が相次ぐなか、政権にとっては大きな打撃。

 自民党の松本議員(元国家公安委員長)が深夜に銀座のクラブを訪問していたとして、党国会対策委員長代理を辞任したが、当初は閉店後のクラブに1人で行き、陳情を聞いただけと説明していた。しかし、1日になって当日は大塚国会対策副委員長、田野瀬文部副大臣も同席していたとわかり、党内からは「うそをついたのは重い」との声が噴出、3氏は二階幹事長の勧告を受け離党した。田野瀬氏は、菅総理大臣から副大臣を更迭された。また公明党の遠山議員(前財務副大臣)も同様に、銀座のクラブを訪れていたことなどが明らかになったのを受け1日、議員を辞職した。

●宣言3週間、新規感染減少 高齢者の割合は増加 都市部の病床は逼迫

 首都圏の「緊急事態宣言」が出されてから3週間が経過し、新型コロナ対策を厚生労働省に助言する「専門家組織」は1日、全国の新規感染者数は「1月中旬以降減少傾向になっている」と評価した。だが依然都市部では病床が逼迫。高齢者施設や医療機関でのクラスター発生が増加し、重症化リスクの高い高齢の感染者が増えるなど、楽観できない状況が続いている。政府は2日にも宣言の延長を判断する。

 全国の新規感染者数は、1月8日をピークに減少傾向にある。8日から「緊急事態宣言」が続く東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県でも、1週間あたりの新規感染者数は、直近の1週間でピーク時の5~6割にまで減少。だが、重症者数は13日に900人を超え、1月27日に1043人と最多を更新。その後も1千人程度の重症者が入院中。

 病床の逼迫と共に懸念されるのが、重症化リスクの高い高齢者の割合が増えている。1月3日からの1週間では全国の新規感染者数のうち30代以下の割合が5割を超え、60代以上が2割程度だった。だが、1月17~23日の1週間では60代以上が3割。東京都では、70代以上の割合が直近の1週間では、2割にまで高まっている。背景には、老人ホームなどの高齢者施設でのクラスター発生件数の増加があるという。

●コロナ特措法・感染症法 改正案 衆院通過

 新型コロナに対応する特別措置法と感染症法、検疫法の改正案は1日の衆院本会議で、自民、立憲民主両党などの賛成多数で修正案を可決し、参院に送付された。2日の参院本会議で菅首相が出席して審議入りし、3日に成立する見通し。

 本会議に先立つ衆院内閣委員会で与党と立憲民主、日本維新の会の4党が改正案を修正した。共産党と国民民主党は改正案に反対し、野党内の賛否が割れた。共産党はかねて過料を含めた罰則導入に反発していた。国民民主は「罰則は緊急事態宣言下に限定すべきだ」と主張した。

●東京10万人越す 1カ月半で倍増

 新型コロナの国内感染者は1日、新たに1792人が確認された。感染者が2千人を下回るのは42日ぶり。死者は80人。東京都では新たに393人の感染者が確認され、400人を下回ったのは昨年12月21日以来。累計の感染者数は、全国で初めて10万人を超えた。昨年12月18日に5万人を超えたあと、1カ月半で倍増した。大阪府は、新たに178人の感染を確認。200人を下回るのは、昨年12月28日以来。死者が多かったのは兵庫県で11人、東京都と神奈川県でそれぞれ8人、埼玉県が7人、福岡県が6人。

【2月2日】

●緊急事態宣言、10都府県は来月7日まで延長 栃木県は解除

 政府は2日夜、官邸で新型コロナ対策本部を開き、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、菅首相は栃木県は解除し、東京や大阪などの10都府県は3月7日まで延長することを表明した。一方、感染状況などが改善した場合は、期限の前でも解除する考えを示した。

  緊急事態宣言(2月2日時点) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 「緊急事態宣言」の延長に合わせて「基本的対処方針」も変更された。宣言の対象地域で要請してきた外出や移動の自粛について「日中も含め」と新たに明記したほか、都道府県をまたいだ移動や感染が拡大している地域への移動は極力控えるよう促すとしている。また、飲食店に対しては引き続き営業時間を午後8時までに短縮、テレワークについてはさらに徹底。一方、病床のひっ迫により自宅療養する人が増えていることから、血液中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」の貸与を行うなど、患者の症状の変化を迅速に把握できるよう、環境整備を進める。

●ワクチンの接種 首相「今月中旬から」
 
 菅首相は記者会見で、新型コロナに対するワクチンについて、「有効性、安全性を確認したうえで、2月中旬に接種をスタートしたい」と述べた。最も早い医療従事者への接種開始を「2月下旬」としてきたスケジュールを前倒しした。首相は、接種について「医療関係者から始め、高齢者は4月から接種を進める」と説明。接種費用については「すべてを国が負担する」とした。

 会見で他国に比べて接種が遅れていると指摘されると「ワクチンの確保は日本は早かったと思うが、接種までの時間が遅れていることは事実だ」と認めた。一方で「(接種が)始まったら、日本の組織力で多くの方に接種できるようにしたい」と語った。

●消費、さらに逆風 1〜3月期 成長率3.1ポイント下振れも

 「緊急事態宣言」の延長で、飲食やレジャーなど外出を伴う消費の手控えが各地で続き、経済への下押し圧力はさらに強まりそう。景気について、政府は「持ち直しの動きがみられる」との見方を昨年夏から維持してきたが、1~3月期の国内総生産(GDP)は3四半期ぶりにマイナス成長に陥る見通しで、景気回復が腰折れする懸念が強まっている。

 民間エコノミスト9人の予測平均で、GDPの落ち込みは従来の1.7兆円から、さらに1.5兆円膨らむという。1~3月期の成長率は、年率換算で前期比マイナス7.4%と、延長前の予測より3.1ポイント下がる。

●2020年ユーロ圏、GDP6.8%減 落ち込み最大 都市封鎖ひびく

 欧州連合(EU)統計局が2日発表したユーロ圏19カ国の2020年の実質域内総生産(GDP、速報値)は、前年比6.8%減で、1995年に現行の統計を始めて以来、最大の落ち込みとなった。各国が度重なるロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったことが響いており、主要経済圏の中でも景気の悪化ぶりが際立っている。

 通年のGDPをすでに発表した国では、経済規模で域内最大のドイツが5.0%減。犠牲者数が多いスペインが11.0%減となったほか、欧州では英国も2ケタのマイナス成長が見込まれる。

●コロナ倒産1000件

 東京商工リサーチは2日、新型コロナ関連の倒産(準備中や負債1千万円未満も含む)が1千件に達したと発表した。「緊急事態宣言」の1カ月延長が決まり、公的支援などでつないできた零細企業にとって、苦しい状態がさらに続くことになる。1件目のコロナ関連倒産は昨年2月下旬に発生し、500件に達したのは約7カ月後の9月中旬。その後4カ月余りで1千件になった。9月以降は月100件前後で高止まりしており、2日に計1千件になった。

 業種別にみると、最も多いのは飲食の182件。建設83件、ホテル・旅館62件と続く。訪日観光客の減少や外出自粛の影響が大きいサービス業が打撃を受けている。都道府県別では東京247件、大阪94件、神奈川55件の順に多い。

●死者119人、最多更新 全国2324人感染、重症937人

 国内感染者は2日、新たに2324人が確認。死者は113人だった1月28日を上回り、過去最多の119人。東京23人、千葉14人、長崎3、秋田2人、愛媛2人の5都県で、これまでの最多を更新。全国の重症者は、1日時点で937人(前日比38人減)だった。

 東京都の新たな感染者は556人で、5日連続で1千人を下回った。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用」とする都基準の重症者は、前日より4人減って129人。大阪府では、新たに211人の感染が確認。1日あたりの感染者が200人を上回るのは2日ぶり。また、死者は、東京に次いで多い16人。

【2月3日】

●渦中の武漢・研究所 WHOが調査

 中国・武漢を訪れているWHOの国際的な調査チームは3日、「武漢ウイルス研究所」を訪問した。調査チームのメンバーの1人は、研究所に到着した際、記者団に対し「聞くべきことは全て聞きたい」と述べた。

 この研究所をめぐっては、トランプ前政権が、新型コロナに近いコウモリのコロナウイルスの研究が行われていたなどとして、ウイルスが流出した可能性があると主張してきたが、中国側は強く否定している。

●アストラゼネカのワクチン 高齢者への接種可否、欧州各国の対応分かれる

 EUの当局は1月29日、英製薬大手アストラゼネカなどが開発したワクチンの18歳以上の使用に販売の許可を出した。しかしヨーロッパでは65歳以上の高齢者に対する有効性のデータが不足しているとして当面、高齢者への接種を控えるよう求める勧告が相次いでいる。

 フランスでは、当面65歳以上の高齢者への接種を控える方針、スウェーデンでも2日、同様の勧告が出た。またドイツ政府は専門家による委員会の勧告を受けて65歳以上の高齢者への接種を控える方針。一方で、英国では高齢者にも接種が行われているほか、イタリアでも政府の専門家委員会が高齢者にも接種をすべきだと結論づけるなど、対応が分かれている。

●ファイザーの副反応割合は0.24% 国民約3割接種のイスラエル

 イスラエル政府は、先月下旬までに接種した国民のおよそ3割にあたる276万人のうち、副反応が出た割合は0.24%だったと発表した。イスラエルではファイザーなどが開発したワクチンを中心に接種を進めている。1回目を接種した276万8200人のうち、副反応があったのは6575人で割合にして0.24%、2回目では137万7827人のうち、報告は3592人と割合にして0.26%だった。 

 副反応のほとんどが痛みや腫れなどの軽い、一時的な副反応だった一方で、入院が必要になったのは100万人に対し、1回目で17人、2回目でおよそ3人だったという。また、若い人や女性で副反応が出やすい傾向にあったと指摘している。

●新型コロナ特措法など改正案、参院本会議で可決し成立 13日施行

 新型コロナ対策として事業者や感染者への罰則などを盛り込んだ特別措置法などの改正案は、自民、立憲民主両党が政府提出法案から刑事罰などを削除するなどの修正を行ったうえで、参議院で審議が行われた。3日、参議院本会議での討論のあと採決が行われ、賛成多数で可決され、審議が4日間というスピード成立になった。13日に施行される。採決では、自民、公明、立憲、日本維新の会の各党が賛成、共産、国民民主が反対した。

●接触アプリCOCOA、通知届かず 昨年9月以降、アンドロイド版

 田村厚労相は3日記者会見し、新型コロナ対策のスマホ向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」について、利用者の約3割に当たるアンドロイド版で昨年9月28日以降、陽性者との接触通知が届かない不具合があったと明らかにした。田村氏は「信頼を損ねた。心からおわびする」と謝罪した。不具合解消は今月中旬の見込み。昨年9月28日にアンドロイド版のバージョンアップをした際に不具合が発生したという。

●個人PCR検査 受け付けや発送開始 SBグループと楽天

 ソフトバンク(SB)グループは、去年9月から企業や自治体などの申し込みを受け、唾液によるPCR検査を行ってきたが、3日から個人の申し込みの受け付けを始めた。料金は1人当たり最大5500円で送料は別。楽天も1月28日から個人への対応を始め、1人当たり送料込み7980円。検査結果について相談したい場合、両社とも医療機関を紹介するなどの対応をとる。

●PM2.5、コロナ重症化危険も 京大マウス実験 ウイルス侵入容易に

 PM2.5(微小粒子状物質)といった大気汚染物質を取り込んだマウスの肺は、新型コロナに感染しやすい状態になることを、京都大などのチームが突き止めた。大気汚染が感染や重症化のリスクになることを、細胞レベルで示した。研究成果は3日、米科学誌に掲載された。欧米や中国の研究では、新型コロナ感染症の重症率や死亡率は、大気汚染が深刻な地域ほど高いと報告されている。しかしこうした報告は、実際に大気汚染物質が細胞にどのような影響を及ぼすかはわかっていなかった。

 チームは、大気中のPM2.5などの粒子を採集。500μgをマウスの肺に注入し、1日後の細胞の変化を調べた。その結果、肺の表面の細胞では、ウイルスがくっつくたんぱく質の量と、ウイルスが細胞に入り込むのに使われる酵素の量が、数十倍に増えていることがわかった。PM2.5などを取り込むことで、肺の細胞が、ウイルスが侵入しやすい状態になることが明らかにされた。

●死者、累計6千人越す

 国内の死者が3日、新たに120人確認され、1日あたりの過去最多を更新。累計では6千人を超え、6085人(クルーズ船含む)になった。5千人に達した1月23日から11日間で1千人増えており、死者の増加ペースが速まっている。全国の死者は、昨年7月20日に1千人を超え、2千人に達するまでに約4カ月かかった。その後約1カ月間で3千人、18日間で4千人、2週間で5千人を超えた。

 この日の新規感染者は2631人。東京都は676人で、6日連続で1千人を下回ったが、死者は1日あたりとしては過去最多の32人だった。

【2月4日】

●英国で異なる2種類のワクチン接種する臨床試験実施へ

 現在、接種が進められているワクチンは、同じ種類のものを2回接種することになっているが、供給量の確保が課題になっているため1回目と2回目で異なる種類のワクチンを接種して安全性や有効性を確かめる臨床試験を英オックスフォード大学などが中心となって始めることになった。1回目にアストラゼネカなどが開発したワクチン、2回目にファイザーなどが開発したワクチンを接種する。今月中旬から接種を開始し、最初の結果は夏ごろに判明する見通し。

●接触アプリCOCOA障害、「お粗末」 菅首相、予算委で認める

 新年度予算案の実質的な審議が4日、衆院予算委員会で始まった。新型コロナ感染者との接触を通知する厚労省のスマホ用アプリ「COCOA」は、陽性登録した人と1m以内に15分以上接触した利用者に通知がされる仕組み。昨年9月末のバージョンアップに伴って障害が発生し、アンドロイド端末では4カ月間、陽性の登録があっても通知されない状態になっていた。

 予算委では立憲民主党の玄葉議員が、障害によって「(感染者と接触した人が)動き回って感染を拡大させた可能性がある。失礼な言い方かもしれないが、かなりお粗末な事態だ」と指摘した。首相は「失礼じゃなくて、やはりお粗末なことだった。二度とこうしたことがないように緊張感をもって対応したい」と答えた。

●休業支援金、大企業に拡大 首相表明 パート・バイトなど対象

 コロナ禍で勤務シフトが減るなどしたのに休業手当を受け取れないアルバイトらの支援をめぐり、4日の衆院予算委員会で自民党の下村政調会長の質問に菅首相は、「大企業でも、休業支援金の対象とすることとし、検討を進めさせている」と答えた。正式に決まれば、大企業が営む飲食チェーン店で働くアルバイトで、コロナ禍でシフトが激減したのに休業手当が払われていない人などが申請できる。働き手にお金を行き渡らせるのを優先させる。

 仕事が減るなど会社側の都合で働き手を休ませた場合、企業は休業手当を払う義務がある。しかし昨春以降、シフト制のパートやアルバイト、日雇いなど非正規の働き手を中心に「職場が休業手当を払わない」との声が上がった。政府は、そうした場合に働き手が国に直接申請できる休業支援金を昨夏に新設したが、企業の義務違反を追認することになりかねないため、対象は中小企業の働き手に限ってきた。

 一方で、勤め先が大企業チェーンという理由だけで申請できない働き手から「大企業も対象に」と求める声が強まってきた。菅首相は「安易に大企業まで認めると、休業手当を払って雇用を維持する取り組みが行われなくなる懸念がある」とも述べた上で、「困っているとの声が寄せられている。雇用と暮らしを守っていくことは政治の責任だ」と方針転換の理由を説明した。

●東京都の感染状況、高齢者層へ拡大続き厳重警戒必要

 東京都内の感染状況などを評価・分析する「モニタリング会議」が4日開かれた。専門家は、新規陽性者数は減少したものの、高齢者の感染拡大が続いていて厳重な警戒が必要だと指摘し、対策を緩めず徹底することでさらに減少させなければならないと訴えた。

●国内感染40万人超 4日は2578人

 国内感染者は4日、新たに2578人が確認された。クルーズ船乗船者を含む累計では40万人を超えたが、1日あたりの新規感染者は5日連続で3千人を下回った。4日の死者は104人で、過去最高だった3日の120人から減少した。厚労省によると、3日時点の重症者は全国で892人で、3日連続で減っている。

 東京都では4日、新たに734人の感染者が確認され、7日連続で1千人を下回った。4日までの1週間平均でみると、1日あたりの新規感染者数は661.3人になり、前週の987.4人の7割弱だった。都基準の重症者数は前日より10人減って115人だった。一方で、4日にあった都のモニタリング会議では、新規感染者のうち65歳以上の高齢者が占める割合は1日までの1週間で26%となり、前週より4ポイントほど増えたことが報告された。

【2月5日】

●入院待ち、解消できるか 厚労省、定員超過を容認 コロナ回復しても退院できず→病院に転院促す

 新型コロナで医療現場が逼迫する中、厚労省は、症状の改善後もリハビリなどが必要となる患者を受け入れる医療機関に対し、定員を超えた受け入れを認める緊急対応を始めた。転院が進まないために重症者らが入るベッドが空かず、自宅待機中に亡くなる例も報告されている。転院を促すことで、こうした現状を改善させるねらいがある。

 厚労省の集計によると、病院やホテル・自宅で療養している感染者は、昨年12月2日時点で2万1千人。それが1月20日までに3.3倍の6万9千人に増えた。同じ期間で、入院患者は1.7倍しか増えなかった。一方で自宅療養は、5.6倍に増えた。感染者が回復後が退院できず、ベッドが空かない状況が問題視される。特に高齢者はリハビリや他の病気治療で入院を続けることが多い。地域の医療機関に転院させ、コロナ用ベッドを空けることが求められているが、院内感染を懸念して受け入れに消極的なところも少なくない。

 転院を促すため、厚労省は昨年12月以降、こうした患者を受け入れた医療機関に対し、診療報酬を増額。さらに2月2日付の全国の自治体に出した文書で、定員を超えて入院させたり、会議室など病室以外の場所に入院させたりすることも認めた。ただ、すでに転院患者を受け入れている医療機関はベッドを増やす可能性はあるが、院内感染を懸念する医療機関が対応するかはわからず、効果がどこまであるかは見通せない。

●ワクチン、「個別接種」も柱 自民党PT

 政府は、ワクチン接種は住民票がある市区町村での「集団接種」などを想定、自治体に準備を進めるよう求めている。ワクチン接種体制を議論する自民党のプロジェクトチーム(PT)の政府への提言案が、5日明らかになった。提言案によると、65歳以上の高齢者への接種について、地方自治体が設ける大規模会場での「集団接種」と並び、身近な診療所などでの「個別接種」も中心的な接種ルートとするよう求める。

 接種を迅速に進められるだけでなく、基礎疾患がある人も多い高齢者は、「個別接種」がリスク把握の観点からは「集団接種」よりも望ましいという。また健保組合を通じた職場の接種ルートなど、「オフィスやその近傍などで接種を受けることができるようにすべきだ」と指摘。健康診断の情報を活用することで副反応のリスクを把握し易いとした。ただ会場や医療従事者の確保などが各地で課題になっており、「個別接種」は新たに混乱を招く恐れもある。

●アストラゼネカのワクチン、国内2例目の申請 

 英製薬大手アストラゼネカは5日、新型コロナワクチンの製造販売について、厚労省に承認申請したと発表した。ワクチンの国内での承認申請は、米製薬大手ファイザーに続き、2例目。アストラゼネカは厚労省に、医薬品の審査期間を短縮する「特例承認」の適用を求めた。厚労省は3月以降にも可否を判断する。

 アストラゼネカ 英国ケンブリッジの本社 出典:ウィキメディア・コモンズ

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 アストラゼネカは、国内でも18歳以上の256人が参加する臨床試験を行っており、結果を3月中にはまとめる。政府は昨年12月、同社とワクチン1億2千万回分(6千万人分)の供給を受ける契約を結んだ。うち9千万回分以上は国産になる。同社のワクチンは冷蔵保存(2~8℃)が可能で、ファイザーやモデルナのワクチンのように冷凍保存する必要がない。

●宣言いつ解除 衆院予算委「東京感染500人」焦点

 「緊急事態宣言」をどの段階で解除するのか。目安として菅首相が2日の記者会見で「ステージ3」に改善することを当面の目標に掲げ、例示した「東京都の新規感染者数1日500人」が、5日の衆院予算委員会の議論となった。立憲民主党の2議員が研究者のシミュレーションを示し、「もっと下げてからにしては」と迫った。

 立憲の岡本議員は、東京大学大学院の仲田准教授(経済学)らによるシミュレーションを示しながら質問した。シミュレーションは3月からワクチン接種が始まることも織り込み、500人を下回った時に解除と、250人の場合の感染者数の推移を示した。500人なら5月に1日あたり約2千人となり3度目の「緊急事態宣言」が必要、250人なら6月に約1千人をピークに減少と試算される。

 東京対象の新規感染者数シミュレーション 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 岡本議員は「500人を下回った時に解除すると、再び感染者が増える。もっと減らして、病床の余裕をつくってから解除をする考えはないか」と尋ねた。首相は「最終的には、専門家の意見をうかがい、政治が判断したい」。また立憲の泉議員も「もう一度、感染拡大することを想定しているのか」と質問。首相は解除後に感染拡大する恐れは否定しなかったが、「ワクチンの接種も始まるなかで、それを抑えていくのは国の仕事だ」と訴えた。

●家庭が使うお金、コロナ禍で変化 家電ほしい・旅行控える

 コロナ禍で家庭が使うお金が減り、使い道も大きく変わった様子が、総務省が5日公表した2020年分の家計調査で浮かび上がった。感染症との共存を迫られる「新しい日常」の姿が見て取れる。2人以上世帯の消費支出は月平均で27万7926円、年間では333万5114円。物価変動の影響を除いた実質で、前年より5.3%少ない。

 とりわけ減少が大きいのはレジャーや外食、飲酒。ファッションに使うお金も減った。逆に支出が増えた項目は、マスクなどの保健用消耗品、パソコン、家具や家電への支出も増えた。「巣ごもり」需要とみられるゲームソフト、冷凍食品、自宅用のお酒などの伸びも目立った。

●抗体検査、陽性率1%以下

 新型コロナに感染し、抗体をもっている人の割合について、厚労省は5日、2度目の調査結果を発表した。昨年12月時点で、東京都が0.91%、大阪府が0.58%、愛知県が0.54%、福岡県が0.19%、宮城県が0.14%で、いずれも1%を下回った。抗体はどれほど持続するのかなど、わかっていないが、人口の60%~70%が免疫を持てば、感染の収束につながる集団免疫が得られるとされる。調査では、多くの人が抗体をもっていない状況が明らかになった。

 抗体検査は、ウイルス感染後に体内にできるたんぱく質(抗体)を、血液検査で調べる。今回は20歳以上の住民が対象で、5都府県の計1万5043人を検査した。昨年6月の初回調査では、陽性率は東京都が0.10%、大阪府が0.17%、宮城県が0.03%。今回よりもいずれも低かった。

●1都3県の知事 「対策緩めれば、医療崩壊の懸念」

 東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事がオンラインで意見交換し、新たな感染確認は減少傾向にあるものの、重症者数は高止まりし、医療提供体制の逼迫は長期化していて、今、対策を緩めれば医療体制の崩壊や社会経済活動の長期にわたる悪化が懸念されるとする認識で一致した。そのうえで、国に対して、医療機関や保健所などへの支援、それに、自治体への財政措置などを求める要望を行うことなどを決めた。

●変異株11人感染 埼玉

 国内感染者は5日、新たに2373人が確認された。死者の発表は全国で106人で、4日連続で100人を超えた。厚労省によると、全国の重症者数は4日時点で877人で、4日連続で前日より減少した。 東京都は577人の新規感染を確認したと発表。5日までの1週間平均は619.7人となり、1週間前の3分の2程度となっている。一方、22人の死亡が確認され、死者数は4日続けて20人を超えた。

 埼玉県は、これまでに感染が確認されていた11人について、英国で報告された変異ウイルスへの感染が判明したと発表した。いずれも英国の滞在歴はなかった。このうち10人は、同じ施設に通う人を含む10歳未満の男女6人と、その保護者や職員の40~60代の男女4人。厚労省は、変異ウイルスのクラスターが発生したとみている。この10人の濃厚接触者は計61人いるという。県内の変異ウイルスの感染者は計22人となった。

【2月6日】

●中国、国内の製薬会社「シノバック」のワクチン承認

 中国政府は、国内の製薬会社シノバックが開発したワクチンを承認したと発表した。中国政府がワクチンを承認したのは国有の製薬会社シノファームが開発したワクチンに続いて2例目。シノバックのワクチンは、中国ではすでに緊急使用が認められ、去年7月から接種が進められているほか、インドネシアやトルコ、ブラジルなどでも同様に接種が進められている。

 シノファーム社とシノバック社のCOVID-19ワクチン 出典:ウィキメディア・コモンズ

 BBIBP-CorV シノファーム社が開発した不活化ウイルスCOVID-19ワクチン 出典:ウィキメディア・コモンズCoronaVac(コロナバック) シノバック社が開発した不活化ウイルスCOVID-19ワクチン 出典:ウィキメディア・コモンズ

●EU域内で生産のワクチン、日本への輸出を許可

 EUのヨーロッパ委員会の関係者によると、5日に域内で生産されたワクチンを日本に輸出する許可を決定したという。許可を受けたのは、米製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックが開発したワクチンとみられるが、詳細は明らかにされていない。EUでは、これまでに3つのワクチンに販売許可を出しているが当初の供給量は予定を大幅に下回っている。このため域外に輸出する際には、事前に許可を得ることを義務づける措置を先月からことし3月までの予定で導入していて、WHOなどから懸念や批判の声が上がっている。

 ファイザー世界本社 出典:ウィキメディア・コモンズ

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●東京の死者1千人越す 2カ月で倍増 男性が6割

 国内感染者は6日、新たに2279人が確認された。亡くなった人は94人だった。1日あたりの感染者数は7日連続で3千人を下回った。東京都では639人が確認され、9日連続で1千人を下回った。大阪府の新たな感染者は188人で、300人を下回るのは7日連続。

 東京都の死者は21人で、累計では1千人を超えて1017人となった。都内の死者が500人を超えたのは昨年12月3日で、約2カ月で倍増。死者を年代別にみると、最も多いのが80代で402人。70代242人、90代213人、60代96人、50代36人と続く。また男性が6割を占める。都が11月に発表した死者は34人だったが、12月は138人、1月は259人と急増、2月は6日までで131人。また、1月に死亡が発表された259人のうち病院や高齢者施設で感染した人は、121人と約半数を占めた。

【2月7日】

中国当局、批判徹底封じ「レッドラインを踏むな」

 中国・武漢で新型コロナの感染拡大にいち早く警鐘を鳴らして処分され、自らも感染した李文亮医師(33)が亡くなって、7日で1年になる。感染の抑え込みが進む中国では、最前線で対応した医療従事者らが「英雄化」され、武漢で当局が開く展覧会「新型コロナウイルスとの闘い」で、その奮闘ぶりが称賛されている。その一方で、当局は当時の現場で何が起きていたのか語ることを禁じられており、政府の対応への批判や疑問の声は徹底的に封じられる状況が続いている。

 武漢市に住む女性医師(46)の携帯電話に、市の当局者から「絶対にレッドライン(紅線)を踏んではならない」と告げられた。医師は救急科が専門で、2019年12月の新型コロナ感染拡大当初の状況をよく知る立場にあった。当局から電話が入ったのは、日本の新聞記者との取材前夜で、記者と会う約束はキャンセルされた。なぜ当局が取材の予定を把握できたのかは、医師も「分からない」と言う。

 「レッドラインを踏む」とは、組織の規定・規則から逸脱する行為を意味し、処分の対象になる。医師の勤務する病院では、1月に入ってから「新型コロナに関するいかなる取材も受けないように」との通知が出回っていた。当局の描くストーリーにそぐわない言論を抑え込む動きは、この1年でより強まっているという。

●中国・武漢訪問のWHO調査チーム、視察ほぼ終える。

 日本を含む各国の専門家で作るWHO調査チームは、1月29日から武漢での本格的な調査を行っているが、初期に多くの患者が確認された「華南海鮮卸売市場」や、コウモリのコロナウイルス研究で知られトランプ前政権がウイルス流出の可能性があると指摘した「武漢ウイルス研究所」などを視察し、関係者から聞き取りを行った。視察はほぼ終えたが、WHOによると、調査対象は中国側が手配した場所や人に限られていたという。

●アストラゼネカのワクチン、南アで接種一時見合わせ

 英製薬大手アストラゼネカなどが開発した新型コロナのワクチンについて、南アフリカの保健当局は7日、近く開始する予定だった接種を一時的に見合わせると発表した。南アで確認された変異ウイルスでは、軽度から中程度の症状を防ぐ効果が低い可能性があることを示す初期段階の臨床試験の結果が出たためだとしている。一方、アストラゼネカは「重症化を防ぐ効果があると確信している」としている。

●世界のワクチン接種者、1億人超え

 新型コロナのワクチンを少なくとも1回接種した人の数は、7日の時点で世界で1億157万人と、1億人を超えた。英オックスフォード大学の研究者らが、各国の発表などに基づいて世界の状況をまとめているウェブサイトによるデータ。世界の感染者の累計に迫る数字。ワクチンを少なくとも1回接種した人の数が最も多いのは、米国で3158万人、次いで中国で3120万人、英国で1201万人となっている。

●国内感染2千人割れ 東京429人

 国内感染者は7日で新たに1631人が確認され、1日あたりの感染者が6日ぶりに2千人を下回った。「緊急事態宣言」が出されている都市部でも減少傾向にあり、東京都では429人と6日ぶりに500人を下回った。全国の死者は52人増えた。

 東京都で1千人を下回るのは10日連続。7日までの1週間の平均新規感染者数は572人で、前週比で67%。ただ、7日の感染者429人を年代別でみると、重症化のリスクが高い65歳以上の高齢者は123人にのぼり、全体の3割弱を占めている。117人が確認された大阪府は、8日連続で300人を下回わり、150人以下となるのは昨年12月28日以来。72人が確認された愛知県では、80人を下回るのは昨年11月16日以来となった。

【2月8日】

●緊急事態、10都府県きょうから延長 解除判断、綱渡り

 「緊急事態宣言」が8日、10都府県で約1カ月の延長期間に入った。栃木県は同日解除されたが、飲食店への営業時間の短縮要請は当面続ける。政府は12日に政府対策本部などを開く方針で、感染状況などによっては一部地域で解除の判断を行う可能性もある。延長されたのは、東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏4都県、大阪・京都・兵庫の関西3府県、愛知・岐阜の東海2県と福岡県。新たな期限は3月7日まで。

 栃木県は飲食店への午後8時までの時短要請を1時間緩和し、9時までとする。応じた店への協力金は1日6万円から4万円に引き下げる。今月13日に改正特措法が施行される。宣言中でなくても時短命令を出せる「蔓延延防止等重点措置」が新設され、命令違反は20万円以下の過料となる。改正法の内容を基本的対処方針に反映させるため、12日に専門家らの諮問委員会と対策本部が開かれる見通し。

 政府は10都府県について期限前の解除もあり得るとしており、状況次第では12日に解除を検討する可能性も。岐阜県が対象に浮上しているが、隣接する愛知県と一体的に判断する方針。一方、宣言の期間が2カ月を超えるのは現実的ではない、とみる。「国民はすでにさまざまな我慢をしている」。宣言を延長する大きな目的は医療体制を整えるためだと指摘。「行政はこの間に回復者の転院支援や、軽症者らの自宅療養も含む医療体制を完成させる必要がある」と強調する。

●ワクチン、いつ、どう接種?

 菅首相は8日の衆院予算委員会で、ワクチン接種の開始が欧米諸国に比べて遅れている理由について「有効性・安全性に配慮した結果」と述べた。そのうえで「ワクチンを一日も早く国民にお届けしたい」と語り、今月中旬から始める方針の医療従事者向けを皮切りに、接種体制の構築を急ぐ考えを改めて示した。

 米ファイザー社製ワクチンは、厚労省が12日に部会を開き、承認の可否を審査する。米モデルナ社や英アストラゼネカ社製のワクチンに先行して手続きが進む。河野行政改革相は、4月1日以降に始める高齢者向け接種について「ファイザー社のワクチン1種類を使う予定」と述べた。アストラゼネカ社製ワクチンは65歳以上の治験データが少なく、高齢者への効果をめぐっては各国で解釈が分かれ、接種対象の年代の判断にもばらつきがある。

 また、河野氏はワクチンの変異ウイルスへの効果について「一定の変異に対しては一定の有効性が保たれているという調査結果もある」と紹介したうえで、「しっかりと情報収集をしながら、最新の情報を国民に伝えていきたい」と答えた。南アフリカで最初に確認された変異ウイルスについて、アストラゼネカ社製の効果を「限定的」とする英大学などの分析結果も出ており、南ア政府は7日、月内にも始める予定だった同社製の接種を見合わせると発表した。

●ワクチン「個別接種」急浮上 「密」避けられるが弱点は?
 
 新型コロナのワクチン接種をめぐり、身近な医療機関で受けられる「個別接種」を軸とする案が政府・与党内で急浮上している。「集団接種」より、「個別接種」の方がきめ細かに対応できるが、「個別接種」にも問題もある。厚労省は当初、「集団接種」を軸に想定。昨年12月の自治体向け説明会では、ファイザー製のワクチンは零下70℃前後での保存が必要で管理が難しい、一度に接種できる人数を「可能な限り多くする必要がある」と説明。「集団接種」に対応できる会場の確保を求めた。1月27日には、川崎市で集団接種の訓練も開いた。

 国の方針に沿ってワクチン接種の準備を進めている自治体に、「個別接種」が注目されるようになったのは1月29日。厚労省が、約250カ所の診療所での「個別接種」をメインとする方針の東京都練馬区を先行事例として全国自治体に紹介した。厚労省が「練馬モデル」を紹介したのは、昨年12月時点でファイザーワクチンは1170人分を単位とする前提で対応を検討したが、その後小分けして運ぶことができるとの回答を受けたからだという。

 自民党のプロジェクトチームは8日、「個別接種」をもう一つの中心的なルートと位置づけ、政府への提言をまとめた。とくに高齢者には「集団よりも望ましい」と指摘、「自治体の状況に応じた支援を行う必要がある」と求めた。政府は党の提言を受けた後、自治体向けに接種体制の方針などを改めて示す方向。インフルエンザなど通常の予防接種は現在、「個別接種」が基本。医師らの確保が課題だった自治体は、公共施設などに設備を持ち込んで医師・看護師を集める必要がなくなり、「何倍も準備が楽になる」「個別接種の方が時間もかからず、密も回避できる」という。

 ただ、自治体からは2カ月後にも高齢者向け接種が始まろうとする段階で、今さら個別を推奨する方針が示されたことに、困惑の声も上がる。個別にすることで、品質への影響を指摘する声もある。練馬区は小分けしたワクチン輸送にバイク便を使うことも想定しているが、ファイザー関係者は運ぶ際の振動などの影響について、そんな実験はしていないので分からないという。8日の衆院予算委員会で、田村厚労相は、バイク便輸送は推奨しない考えを明らかにした。今後、輸送時の扱いを指針で示すという。

●国内感染、2日連続2000人下回る

 国内感染者は8日、新たに1216人が確認された。2日連続で2千人を下回った。一方で全国の死者は83人増えた。大阪府では新たに11人の死亡が確認され、累計の死者が1009人となり、東京都に次いで1千人を超えた。東京都の新規感染者は276人。昨年12月7日299人以来約2カ月ぶりに300人以下となった。都基準の重症者数は、前日より7人減って104人となった。

 大阪府では新たに119人の感染を確認。直近7日間の平均が300人以下となり、「緊急事態宣言」の解除を政府に要請するために府が設けた独自基準を満たした。府は実際に解除を要請するかどうかを判断する。また厚労省は、英国で報告されている変異ウイルスが、兵庫県と埼玉県で新たに8人から見つかったと発表した。

【2月9日】

●WHO 武漢調査チーム 「研究所からウイルス流出可能性低い」

 中国・武漢を訪れているWHOの調査チームは現地での活動を終えるのを前に記者会見し、コウモリのコロナウイルスの研究で知られた「武漢ウイルス研究所」からのウイルスの流出について、「極めて考えにくい」と述べた。理由については、研究所でのウイルスの管理状況を調査した結果だなどと説明。これについて中国の主張にそったものだとして、疑問の声も上がっている。

●知事命令、違反者に過料 「蔓延防止措置」、消毒環境整備など 政令閣議決定
 
 政府は9日、新型コロナ対応の改正特別措置法を運用するための政令を閣議決定した。「緊急事態宣言」の前後の段階でも私権制限できる「蔓延防止等重点措置」について、営業時間の変更のほかに、店やイベント会場などの施設の消毒、手指の消毒環境の整備などを要請・命令できると明記した。いずれも命令違反者には過料を科すことができる。

 改正特措法の13日施行を前に、実施要件などを政令で決め、9日の「分科会」に説明。都道府県知事が実際に要請・命令する事業者の範囲は、例えば飲食店などの業態ごとに感染者数やクラスターの発生状況や動向などを踏まえ、定めるとした。知事が取れる措置として、従業員に検査を受けるよう推奨すること、店やイベント会場などへの入場時の感染を防ぐための整理・誘導、マスクの着用などの感染防止を講じない人の入場禁止など。正当な理由なく命令に応じない場合は、20万円以下の過料が科される。

 高齢者へのワクチン接種に絡み、4月第1週に始まり、週400万人ペースで6月末までに接種が終われば、死者数は6千人以上減り、経済損失も抑えられるなどとする試算も「分科会」に提出された。

●ファイザーのワクチン 1瓶からの接種回数 6回から5回に変更へ

 米製薬大手ファイザーが開発したワクチンについて、田村厚労相は、これまで1つの瓶から6回接種できるとしていたのを5回に減らすことを明らかにし、自治体に体制を整備するよう求める考えを示した。田村氏は「ファイザーからは『特殊な注射器の筒を使うと1つの瓶から6回取れる』という話で、医療機器メーカーから注射器を集めている。ただ、普通に日本で使われているものだと5回しか取れない」と説明した。

●PCR検査 繁華街で1日1万件 政府負担 東京・大阪など

 新型コロナ感染症の拡大の予兆を探るためとして、政府は東京都や大阪府などの繁華街で、不特定多数の人を対象に1日計1万件以上、PCR検査を始める。10都府県で継続中の「緊急事態宣言」を解除した後を想定し、繁華街にある施設などで、来場者らに観察のためのPCR検査を行う。検査費用は政府が負担する。

 また、SNS上の様々な投稿を人工知能(AI)で分析し、感染拡大の前触れを把握できるか検証する。例えば、ある地域で「熱がある」との発信が増えたり、「飲み会に行こう」との話題が盛り上がったりしている状況を分析するという。西村経済再生相は9日の閣議後会見で「大都市部から地方に広がるので、東京・大阪などの繁華街で一日も早くモニタリング検査を開始できるよう早急に体制を整えたい」と話した。

●ワクチン接種、自治体に不安 参院自民、全国調査

 参院自民党は9日、新型コロナのワクチン接種の実務を担う全国の市区町村にヒアリング調査を行い、寄せられた要望の中間集計を発表した。医療従事者の不足や、不確定なワクチンの供給日程などに対する現場の不安が浮き彫りとなり、政府にも対応を促していく方針。

 自民の参院議員が、全国の市区町村の首長らに電話などで聞き取った。3~8日に集まった45都道府県の計約1千自治体からの複数の要望を「情報提供」「会場設定・確保」「副反応への対応」など11項目に分類した。最多の項目は「医療関係者など人員の確保」(延べ817自治体)。地方を中心に、医師・看護師の確保を「困難」と答えた例が多い。

 「ワクチンの確保・分配」(延べ813自治体)のほか、政府・与党で身近な医療機関での「個別接種」方式が急浮上している「接種ルート」(延べ140自治体)への不安も多かった。世耕参院幹事長は9日の記者会見で「政府には、円滑にワクチン接種を行えるような寄り添った対応をお願いしたい」と強調。中間集計を同日、ワクチン接種の調整を担う河野行改相に手渡した。

●西村経済再生相 「依然 医療提供体制逼迫 対策徹底を」

 西村経済再生相は政府の「分科会」で、全国の直近1週間の新規陽性者数は前の週と比較して65%程度となるなど、減少傾向が続いている一方、依然として医療提供体制は逼迫している状況だとして、対策を徹底する必要があるという認識を示した。

●変異株、9県で確認

 国内感染者は9日で新たに1570人が確認された。3日連続で2千人を下回った。全国の死者は94人増えた。東京都の新規感染者は412人で、3日連続で500人を下回った。大阪府は155人で、4日連続で200人を下回った。厚労省によると、8日時点の重症者は全国で759人。8日連続の減少で、前日より14人減った。

 厚労省は9日、英国や南アフリカで報告されている変異ウイルスが、9県で新たに20~50代の男女計13人から見つかったと発表した。このうち11人は英国の変異株の感染が確認され、同じ施設を利用した職場の関係者だった。厚労省はクラスターが発生したとみている。残る2人は南アフリカの変異株の感染が確認された。変異株の感染は、国内と空港検疫を合わせて105人になった。

【2月10日】

●WHO、中国に限らず「起源」の調査継続

 中国・武漢市で新型コロナの起源について調べていたWHO調査団は10日、約2週間の現場調査を終え、帰国の途についた。調査団は「起源を探るには長い時間がかかる」とし、ヒトへの感染を媒介した動物の特定などを目指し、範囲を中国に限らず調査を続けたい考え。

 WHOロゴマーク 出典:ウィキメディア・コモンズ

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 調査団は9日の記者会見で、今後、ヒトへの感染経路となった動物を特定するために各地の疫学データを収集したいとした。また、中国で採取したコロナ禍以前の血液データの検証を続け、最初に集団感染が起きた「華南海鮮卸売市場」で取引されていた動物の搬入元など中国での調査を継続したいとの意向を示した。一方、今後の調査に「地理的制限はない」とし、世界各地が対象となるとの考えも強調した。

●中東欧にワクチン、中国が協力表明

 中国と中・東欧やバルカン半島の17カ国による経済協力首脳会議(通称:「17+1」)が9日、オンラインで開かれた。中国外務省によると、習国家主席は冒頭の演説で、新型コロナの中国製ワクチンについて「中東欧諸国にワクチン協力のニーズがあれば、前向きに考慮したい」と表明。欧州でもワクチン提供を進めていく考えを示した。だが、参加各国の受け止めには温度差が出ている。

 中国政府は、中国製ワクチンを積極的に海外に流通させる戦略。「17+1」参加国では、セルビアがいち早く導入。1月中旬には欧州で初めてとなる約100万回分が届き、軍関係者らを皮切りに人口の約8%が接種を終え、欧州で接種率は3番目。中国製ワクチンは、EUでは未承認だが、EU加盟のハンガリーも、独自に購入する。ボスニア・ヘルツェゴビナも、人口約330万人の20%分のワクチンをすでに注文。欧州でのワクチン供給の遅れもあり、中国製ワクチンが一部の国の期待を集めている。
 
 一方で、これまでインフラ投資などを通じて中国との関係が深まっていた「17+1」参加国の間に変化も見られた。リトアニアやエストニアなどは首脳の出席を見送り、閣僚が出席。習氏は「『ウィンウィン』となる経済発展を実現する」とうたったが、一部の国には、巨大経済圏構想「一帯一路」に対する警戒心があるとみられる。

●アストラゼネカ製ワクチン 18歳以上の全年齢にWHOは接種推奨
 
 WHOは10日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発したワクチンの接種を推奨する見解を示した。専門家グループの助言を踏まえ、接種の対象を高齢者も含めた18歳以上の全年齢とし、間隔を空けて2回接種することを勧めている。このワクチンをめぐっては、高齢者を対象にした臨床試験(治験)のデータが限られるため、各国の判断が割れている。フランスやドイツなど、欧州では65歳以上は接種の対象から外す国が相次いでいる。

 WHOは、高齢者の接種について治験のデータが少ないことを認めつつ、「ワクチンで誘発される免疫反応は高齢者の間でも十分に立証されており、高齢者にも有効である可能性が高い」と判断。65歳以上にも接種を推奨。また、南アフリカで最初に確認された感染が広がりやすい変異ウイルスに対しては、オックスフォード大が「軽~中度の症状を予防する効果は限定的」とする分析結果を発表。南ア政府はこのワクチンの接種開始を見合わせた。
 
 WHOは、南ア型の変異ウイルスへの効果については継続中の治験の結果を待たなければ断定できないとしつつ、「間接的な証拠から、重症化を防げると考えることに矛盾はない」とし、「変異ウイルスが存在する国でも接種を勧める」。また開発元は2回行う接種の間隔を4~12週間としているが、WHOは間隔は長くした方が効果が上がるとして8~12週間を推奨。

●緊急事態解除週内は決めず 10都府県、病床なお逼迫

 10都府県で続く「緊急事態宣言」については、2月8日から延長期間に入っているが、政府は新規感染者数や病床使用率などが好転する地域があれば、先行解除する方針を示していた。菅首相は10日夕、首相官邸で関係閣僚と対応を協議、官邸幹部は「病床はまだ逼迫しており、各知事からの強い解除要請も出ていない」と説明。 政府は一部地域での先行解除の判断を、今週末は見送る方針を固めた。 

 「緊急事態宣言」中でなくても営業時間の短縮命令を出せる「蔓延防止等重点措置」を新たに盛り込んだ改正特措法が13日に施行されるため、政府は12日、対処方針改定のための諮問委員会や対策本部を開く方針。これに合わせ、新規感染者数が減少傾向にある愛知・岐阜の東海2県を先行解除し、重点措置の地域に移行させる案も政府内で浮上していた。ただ、愛知県では9日も確保想定の病床使用率が51%となり、宣言対象となる「ステージ4」(感染爆発段階)の数値(50%)を超えた。政府は、同じ生活圏は一体的に判断する考え。

 政府「分科会」の尾身会長は9日夜の記者会見で、解除の指標として新規感染者数よりも「医療の負荷」を重視する。官邸内でも「焦って解除すればリバウンド(反動)して、医療体制に跳ね返る恐れがある」との声が出ている。首相は10日の政府与党連絡会議で、新規感染者数の減少が続いているとしつつも、「多くの地域で病床の逼迫が続いている。飲食を中心にしたこれまでの対策を徹底し、新規の感染をさらに減らし、入院者・重症者の減少につなげていきたい」と語った。

●「蔓延防止」残る危惧 野党「私権制限するのに要件あいまい」
 
 改正特別措置法で新たに「蔓延防止等重点措置」(以下、「蔓延防止措置」)が設けられ、「緊急事態宣言」の前後の段階でも私権を制限できる 。感染の度合いによって、①特措法24条にもとづく知事の協力要請、次に②「蔓延防止措置」、③「緊急事態宣言」へと事態が「3段階」になった。10日の衆院予算委員会では、野党から政府の実施要件に「わかりにくい」などと批判。改正特措法は13日に施行される予定で、今後「蔓延防止措置」が実施される可能性もあるが、課題は残ったまま。

 立憲民主党の今井議員が「栃木県は「緊急事態宣言」からポーンと正常なところへ三段跳びだ。どういう基準でどういう段階に移行するのかがわからない」と疑問を投げかけた。政府側は、法改正が成立した後に定める政令に基準を書き込むとしていた。9日に閣議決定した政令には、「都道府県において感染が拡大するおそれが認められ」「医療の提供に支障が生ずるおそれがあると認められる」場合と規定した。野党側は、こうした政令でもあいまいさが残ると指摘している。

 政令には、「蔓延防止措置」のもとではマスクを着用しない客の入場禁止などが盛り込まれた。国民民主党の山尾議員は特措法が「罰則を受ける行動が、リスト化されて増えていく」と批判。改正法の審議から、「蔓延防止措置」のもとでの支援も問われてきた。共産党の田村議員が「「緊急事態宣言」と同様に、「蔓延防止措置」でも支援はするのか」と尋ねると、政府側は「経営への度合いが異なることがある。適切に対応する」と述べた。

 「蔓延防止措置」を決める際の国会報告のあり方も問われた。与野党協議で野党が国会の関与を求め、付帯決議に「国会に速やかに報告すること」が盛り込まれた。この国会報告については、10日に与野党の国対委員長が会談し、「緊急事態宣言」と同じく公開の議院運営委員会で報告することになった。

●トヨタ 営業利益2兆円に拡大 3月期予想 世界販売 急回復

 トヨタ自動車は10日、2021年3月期通期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正したと発表した。営業利益は前期比16.6%減の2兆円となる見通し。従来は1兆3000億円を見込んでいたが、新型コロナ感染拡大の影響からの回復が想定より早く進んでいるためで、グループ全体の世界総販売計画も31万台上積みした。通期の上方修正は、昨年11月の中間決算に続き2度目。

 通期純利益は前期比6.7%減の1兆9000億円となる見通し、売上高(営業収益)は前期比11.3%減の26兆5000億円の見通しで、いずれも従来予想を引き上げた。営業利益は昨年4-6月期は前年同期比約98%減の139億円まで落ち込んだが、7-9月期は約23%減の5060億円に急回復、10-12月期は54%増の9879億円と四半期だけで1兆円近くを稼いだ。
 
 他社で問題となっている半導体不足による生産・販売への影響は、同社広報によると修正後の通期業績予想や世界販売計画に「リスクとして織り込んでいるが、その規模は限定的」という。

●「3種類の変異ウイルス世界で拡大」WHOが報告書

 WHOは3種類の変異ウイルスの感染が世界で拡大し、ウイルスを攻撃する抗体から逃れる変異も共通して確認されるようになっているとする報告書を公表した。英国で最初に報告された変異ウイルスは9日の時点で83の国や地域で、南アフリカで最初に報告された別の変異ウイルスも37の国や地域で、ブラジルや日本で報告された別の変異ウイルスも14の国や地域でそれぞれ確認されたという。また抗体から逃れる「逃避変異」と呼ばれる変異が、この3つの変異ウイルスで確認されるようになっていると指摘している。

●防止策反し感染「休業中は無給」 東京女子医大が通知

 東京女子医科大学が1月28日、系列病院の医師や看護師を含む職員に対し、学内や院内でのゴーグルなど感染防護具の着用や1人での食事の徹底を職員に要請。翌29日には、職員が新型コロナに感染したり、発熱などで自宅待機を命じられたりした場合の原因が「法人の自粛要請に反した行為によるもの、また明らかに不適切な行為によるものであった場合は、休業中の期間の給与は無給とする」などと通知した

 大学の労働組合は「罹患(りかん)した職員への『懲罰』とも取れる」と、今月10日に抗議文を提出し、自粛要請への違反や不適切行為の認定方法が不明だと指摘。「職員の間では『院内での感染以外はほとんど不適切な行為になるのでは?』との不安と疑問が広がっている」「『コロナ罹患による休業や発熱による自宅待機は、特別有給休暇として扱う』という運用規定を、なぜ今急に変更するのか」と反発している。

 取材に対して大学は、「感染防止策の徹底の要請に明らかに反し、感染リスクを高めた職員のみを対象として無給とする方針を掲げた。罹患したことのみをもって無給とする方針を掲げたものではない」と回答した

●死者5日ぶり100人超

 国内の感染者は10日、新たに1887人が確認された。1日あたりの新規感染確認数が2千人を下回るのは4日連続。死者は121人増え、5日ぶりに100人を超えて過去最多となった。新たな死者が最も多かったのは東京都25人。千葉県16人、埼玉県13人、神奈川県12人と続き、東京近辺で計66人と全体の半数以上を占めた。大阪府は10人、愛知、福岡両県はともに5人だった。

 新たな感染者も東京都の491人が最多。同日までの1週間平均では508.3人で前週より3割近く減った。大阪府は127人で5日連続で200人を下回る一方、愛知県は4日ぶり、福岡県は6日ぶりに100人を超え、それぞれ114人、103人だった。青森県では病院でクラスターが発生した影響で、過去最多の40人の感染が判明した。

【2月11日】

●感染減一部で鈍化 専門家組織指摘 高齢者の割合上昇

 厚労省に助言する「専門家組織」は11日、会合を開いた。全国の新規感染者数は減少傾向だが、その傾向が鈍っている地域があると指摘。高齢者の感染割合が高まり、重症者や死亡者が減るのに時間がかかる可能性もあるとし、医療機関の負荷を減らすために対策の徹底を続ける必要があるとした。

 全国の10万人当たりの新規感染者は、1月11日までの1週間の約36人から直近では約11人に減少。1人が何人に感染させるかを表す実効再生産数は、「緊急事態宣言」が続く東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏と、大阪・京都・兵庫の関西圏はともに0.76。愛知・岐阜の中京圏は0.73と、感染者が減ることを示す1を下回った。全国は0.76。

 一方、いくつかの自治体で感染者数は「下げ止まり」の状況。高齢者施設でのクラスター発生も続いている。9日時点の内閣官房のまとめでは、宣言が続く10都府県で、政府の分科会が示す病床使用率などの6指標の数値は下がりつつある。だが病床使用率と療養者数(10万人あたり)は、東京と大阪で宣言対象となる「ステージ4」の基準値を上回る。政府は宣言を先行解除する判断を、今週末は見送る方針を固めている。

●東京、週平均500人割る

 国内の感染者は11日、新たに1704人が確認された。1日あたりの確認数が2千人を下回るのは5日連続。死者は78人増えた。東京都の新規感染者は434人で、5日連続で500人を下回った。11日までの1週間平均の新規感染者数は465.4人(前週比70.4%)。政府が「緊急事態宣言」解除の目安とする「ステージ3」の500人を切った。ただ死者は東京21人、埼玉・千葉で各9人と、首都圏で依然として多い。大阪府の新規感染者は141人で、6日連続で200人を下回った。

【2月12日】

●ファイザーワクチン承認へ 17日にも接種開始

 米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが開発したワクチンについて、厚労省の専門部会は12日、製造販売の承認を了承した。早ければ14日に正式に承認、17日にも国立病院機構など100カ所の医療機関の医療従事者1万~2万人程度を対象に先行接種を始め、接種後の健康状態や副反応について調べる。ワクチンの第1便は12日午前、ベルギー・ブリュッセルから、約36万5千回分が成田空港に到着した。

 ファイザー・ビオンテック COVID-19ワクチン 出典:ファイザーHP

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 海外での治験では、発症率を95%減らす効果が確認された。国内の治験結果でも海外と同様に免疫がつき、副反応については痛みや頭痛、関節痛などはあったが海外との差はなく、重篤なものはなかったという。対象は、米国やEUなどと同じ16歳以上となる。筋肉内への接種となり、1回目から3週間を空けて2回目を接種する。

 3月にその他の医療従事者への接種を始め、次に優先順位が高い高齢者の接種は早くても4月1日以降となる。その後は基礎疾患がある人、高齢者施設の職員などと続く予定。対象は全国民で、強制ではなく、あくまで希望者が接種することとしている。費用は国が負担する。 妊婦については、医師が有益性が危険性を上回ると判断した場合に接種できる。過去にこのワクチンの成分で重いアレルギー症状が出たことがある人は接種を避けることとする。

●基本的対処方針を改定、「蔓延防止措置」を追加 時短命令違反に過料

 政府は12日の新型コロナ感染症対策本部で、「基本的対処方針」を改定した。「緊急事態宣言」が出ていないときでも営業時間の短縮が命令でき、違反者に過料が科せる「蔓延防止等重点措置」を加えた。指定の際の範囲は市区町村単位などを念頭に置いた「一定の区画」。期間や対策を取る業態も含め、都道府県知事が原則、判断する。

 重点措置は13日の改正特別措置法の施行に伴い、新設された。対処方針では、「分科会」が提言する4段階の感染状況のうち、2番目に深刻な「ステージ3」(感染急増段階)相当を目安に、政府と都道府県が総合的に判断して実施するとした。知事は時短命令などへの違反に対して、正当な理由がなければ、20万円以下の過料を科せる。「適用は慎重に行う」ことも対処方針に明記した。西村経済再生相によると、重点措置の時の「時短協力金」の水準は「引き続き検討を進めている」という。

●雇用調整助成金の特例措置、感染拡大地域に限り6月末まで継続

 政府は12日、新型コロナ対応の雇用対策を拡充すると発表した。 雇用を維持した場合に休業手当などの一部を助成する「雇用調整助成金」の特例措置について、現状では4月末までとなっているが、感染が広がっている地域で営業時間の短縮に協力した飲食店などを対象に、少なくともことし6月末までは続けるとした。ことし7月以降は雇用情勢が大きく悪化しないかぎり、特例措置を縮減する方針。

●外食、追加閉店や債務超過 決算や業績予想、赤字相次ぐ

 コロナ禍で、居酒屋やファミリーレストランなどの外食大手が苦しくなっている。12日までに発表された2020年12月期決算や2021年3月期の業績予想は、赤字が相次いだ。債務超過の解消や追加の閉店など対応に追われる企業も出ている。一方で、「ケンタッキーフライドチキン」をの日本KFCHDや、日本マクドナルドHDの売上高は伸びている。コロナ下での「巣ごもり」を追い風に、持ち帰り需要を取り込んでいる。

 「ガスト」や「バーミヤン」のすかいらーくホールディングス(HD)は2020年12月期決算で、172億円の純損失。感染が再び広がった昨年12月の既存店売上高は前年比21%減。不採算店約200店を年末までに閉め、宅配や持ち帰りを強化する方針。ペッパーフードサービスの純損失は3年連続、12日主力の「いきなり!ステーキ」をさらに18店閉めると発表。114店の閉店を昨夏に発表していたが、さらなる閉店に追い込まれた。

 居酒屋「塚田農場」のエー・ピーHDは、昨年末時点で13億円の債務超過。食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地との資本業務提携を10日発表した。オイシックスや投資ファンドなどから合計25億円の出資を受ける。レストランやバーを運営するダイナックHDは昨年末時点で48億円の債務超過に陥った。親会社のサントリーHDは、完全子会社化をめざした株式公開買い付け(TOB)を決定。

●コロナ抗体「3〜6カ月維持」東大など発表

 新型コロナに感染した後にできる抗体は、体内で3~6カ月間は維持されるという研究結果を東京大などのチームが12日、発表した。海外の論文で「抗体はすぐに消失し、再感染が起きるのでは」とする報告もあったが、持続していることが確かめられた。ただ、どのぐらいの抗体があれば再び感染しないのかはわかっていない。研究結果は英医学誌に掲載された。

 抗体はウイルスが体内に入ると作られるたんぱく質で、異物を排除する働きをする。新型コロナに感染した国内の39人から採血し、血中に含まれる抗体量の変化を調べた。発症10日目ごろにウイルスに対する抗体が検出され、20日目ごろをピークに緩やかに減少していったという。抗体がすぐに消えたとする海外の研究は、実際には抗体が持続しているにもかかわらず、検出感度が低く消えたように見えてしまったのではないかという。

●自宅で死亡の感染者1月で132人 警察庁

 自宅や高齢者施設などにいた人が亡くなり、警察が対応をした事案のうち、1月中に新型コロナの感染が確認された死者が20都道府県で132人いることがわかった。昨年3月から今月10日までに感染が確認された死者は261人に上るが、1月だけで半数を占めた。感染が確認された死者を月ごとでみると、昨年は21人が確認された4月を除けば、11月までは10人以下で推移。12月に56人と急増し、今年1月は132人に倍増。2月は10日までに感染確認された死者は7人。

 1月の死者を都道府県別でみると、東京の46人が最多。神奈川19人、千葉15人、大阪10人、埼玉9人と続く。年代別では、80代37人、70代36人、60代25人、90代16人、50代11人・・・。発見場所では、自宅や高齢者施設、宿泊施設で倒れているところを発見されるなどは123人、勤務先など外出先で見つかったのは9人。死亡前に感染が確認されていた人は56人、搬送先の病院で感染の疑いがあるとして死後にPCR検査をした結果、感染が判明した人は76人だった。

●全国1290人感染

 国内の感染者は12日、新たに1290人が確認。2千人を下回るのは6日連続。死者は63人増えた。厚労省によると、11日時点の重症者は全国で701人で、前日より12人減った。東京都の新たな感染者は307人で、6日連続で500人を下回った。都基準の重症者数は前日より1人減り、102人。大阪府は89人の感染を確認、1日あたりの感染者が100人を下回るのは、73人だった11月16日以来、約3カ月ぶり。愛知県の新たな感染者は53人、福岡県は87人だった。

 厚労省は、ブラジルで報告された変異株が、山梨県で確認されたと発表した。ブラジルの変異株が空港検疫ではなく国内で見つかるのは初めて。同国への渡航歴がある男性1人という。また英国で報告された変異株の感染が新潟県で3人、兵庫県で2人、滋賀県で1人確認された。

【2月13日】

●世界全体の新たな感染者数が減少傾向に WHO

 新型コロナの新たな感染者数が世界全体で減少傾向にあることが、WHOのまとめでわかった。WHOが13日時点のまとめによると、世界全体の新たな感染者数は、1月4日から10日までの1週間の合計がこれまでで最多の504万5658人となった。しかし、翌週の先月11日からの1週間では485万8913人と前週に比べておよそ4%減り、先月18日の週では426万8573人と、前週に比べておよそ12%減るなど、2月1日の週まで4週連続で前の週を下回り、世界の新たな感染者数は減少傾向にあるという。

●WHOの新型コロナ調査に米政府が「懸念と疑問」中国に情報開示求める

 WHOが中国で行った新型コロナウイルスの調査をめぐってアメリカ・ホワイトハウスで安全保障問題を担当するサリバン大統領補佐官は「深い懸念と疑問がある」とする声明を発表した。声明では「調査の報告は中国政府による介入や改ざんを受けない専門家の調査結果に基づき、独立したものでなければならない」と強調。そのうえで「中国は感染拡大の初期からのデータを利用できるようにしなければならない」と中国に対してWHOにより多くのデータを開示すべきだと迫った。

●改正特措法施行13日施行

 新型コロナ対策の改正特別措置法が13日、施行された。政府は、感染防止措置で影響を受けた事業者への支援をさらに進めるとともに、飲食店に対する営業時間短縮への協力要請などで、より実効性を高めていきたい考え。

●感染1362人 重症693人

 国内感染者は13日、新たに1362人が確認された。2千人を下回るのは7日連続。12日時点の全国の重症者は前日より8人減って693人。重症者の減少幅は新規感染者に比べて緩やかで、医療体制は依然厳しい水準だ。死者は東京、千葉、大阪など18都道府県で65人増えた。東京都の新規感染者は369人で、7日連続で500人を下回った。

【2月14日】

●ファイザー製ワクチン、国内初の正式承認 17日にも医療従事者に接種

 米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが開発したワクチンについて 、厚労省は14日午後、正式に製造販売を承認したと発表。新型コロナウイルス・ワクチンが、承認されたのは国内初。政府はファイザーと年内に7200万人分の供給を受ける契約を結んでいる。

●内閣支持 横ばい34% ワクチン対応「評価」71%

 朝日新聞社は13、14日、全国世論調査(電話)を実施した。菅内閣の支持率は34%(前回1月は33%)で、横ばい。不支持率は43%(前回45%)。支持率は男性が36%(前回36%)に対し、女性は32%(前回31%)。年代別でみると、18~29歳は支持と不支持がほぼ並んだが、30代以上は不支持が支持を上回った。無党派層の支持は18%(前回16%)。

 新型コロナをめぐるこれまでの政府の対応を「評価しない」は56%(前回63%)。昨年10月をピークに前回調査まで減り続けていた「評価する」は、31%(前回25%)と上昇した。新型コロナのワクチン接種に関する政府の取り組みは、「大いに」と「ある程度」を合わせた「評価する」が71%に上った。「あまり」と「全く」を合わせた「評価しない」は26%だった。

 一方、「緊急事態宣言」下の東京・銀座で、自民党と公明党の国会議員が深夜にクラブで飲酒したことは、78%が「大きな問題だ」と答えた。新型コロナ対策の法改正で、飲食店が営業時間の短縮命令に応じなかったり、感染者が入院を拒否したりした際、罰則を科すことについては、「賛成」43%、「反対」46%で割れた。

●COCOAアプリ障害、スピード開発あだ 首相会見後に余裕なくす

 新型コロナ感染者との接触を知らせるスマホアプリ「COCOA」の一部で肝心の通知が届かなくなっていた問題で、外部から不具合の内容や原因が昨年11月には指摘されていたにもかかわらず、厚労省が把握するまでに2カ月かかっていた。短期間での開発を迫られたうえ、プライバシー保護のために障害情報の収集が不十分なまま利用が始まったことが背景。

 COCOAは、感染者から1m以内に15分以上いた場合に接触を知らせるアプリ。約2500万件ダウンロードされ、うち約770万件のアンドロイド版で、接触しても通知されない不具合が昨年9月末から続いていた。iPhone版に問題は指摘されていない。厚労省が不具合を委託先から知らされて把握したのは、今年1月25日。だが2カ月前の昨年11月25日、COCOAの開発者らが公開していたサイトに、不具合を指摘する書き込みがあった。

 5月25日、当時の安倍首相が「利用開始のめどは6月中旬」と会見で発表。1カ月半のスピード開発になり、厚労省は「公募して選ぶ余裕もなく」、随意契約で開発を委託した。不具合は、9月28日のスマホの基本ソフト(OS)のバージョンアップが原因。アプリでは、事前に問題なく機能するかの確認が必須、厚労省は不具合の指摘を確認するのは委託先業者の責任としている。

 またCOCOAは、プライバシー保護のために不具合情報を端末から集める設定になっていなかった。公開直後からほかにも複数の不具合があり、障害情報を集められるようになったのは12月3日から。今回の不具合を厚労省が把握したのは、不具合発生から4カ月も経っていた。外部任せの運用で対応を誤り、国民ニーズとかけ離れた行政サービスを生んでいる。

●宣言10都府県の感染者「減少が鈍化」 西村氏が懸念

 西村経済再生相は14日のNHK番組で、「緊急事態宣言」の対象の10都府県の新規感染者数の状況について「減少の度合いが鈍化している」と懸念を示した。今後は医師らがワクチン接種も担うことを踏まえ、「医療機関への負荷をかなり下げていく必要がある」とも語った。また1人が何人に感染させるかを表す「実効再生産数」が、「0.7ぐらいまで落ちたものがまた0.8ぐらいまで上がってきている」と指摘。休日も含めた不要不急の外出自粛など、「もう一段のご協力を」と呼びかけた。

 宣言が出ていないときでも営業時間の短縮を命令でき、違反者に過料が科せる「蔓延防止等重点措置」をめぐっては、「宣言を解除した後、何かただちに蔓延防止等重点措置を使うということではない」と説明。「宣言のもとでしっかりと感染を抑え、病床も安定的に確保できるという状態を作り上げていきたい」と述べた。

 感染症や経済の専門家らでつくる「分科会」の尾身会長は同番組で、変異ウイルスの感染について「日本国内でもだんだん増えていくことはほぼ間違いない」と指摘。変異ウイルスの感染経路の調査などを進めるためにも、全体の感染者数を減少させることが「非常に有効」と述べた

●新規感染、全国で1364人 8日連続で2千人を下回る

 国内感染者は14日で、新たに1364人が確認された。2千人を下回るのは8日連続。死者は全国で38人増えた。感染者が全国最多だった東京都は371人の感染を確認し、8日連続で500人を下回った。東京都は14日、新型コロナウイルスの感染者が新たに371人確認されたと発表した。8日連続で500人を下回った。14日までの1週間平均の新規感染者数は380人で、前週比66.4%だった。

 2月14日の東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【2月15日】

●WHO武漢調査チームの研究者「中国から詳細データ提供されず」

 新型コロナの発生源などの解明に向けて中国・武漢を訪問した調査チームメンバーのオーストラリア研究者・ドワイヤー教授がNHKのインタビューに応じた。「おととし12月に報告された174人の感染者に注目したが、中国側が提供したのは全体的な情報のみで、私たちが関心を持っていた患者の詳細なデータは提供されなかった」と述べ、調査で求めた情報が提供されていなかったことを明らかにした。そのうえで「中国の研究者は、われわれの求めに対し協力的ではあったが、もしデータが隠蔽されていても私たちにはわからない」と述べた。

●愛知・大村知事、宣言解除「医療現場の負荷変わりなく厳しい」

 特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が出されている愛知県の大村知事は「医療現場に相当の負荷がかかっている状況に変わりはない」と述べ、現段階では宣言を解除するのは厳しい状況だという認識を示した。愛知県によると2月14日夜の時点で、新型コロナに感染して県内の医療機関に入院している患者は502人にのぼっていて、このうち重症患者は36人。

●GDP12.7%増 10〜12月

 2020年10~12月期のGDPの1次速報は、実質(季節調整値)で前期(7~9月)より3.0%増、年率換算では12.7%増だった。内閣府が15日公表した。プラス成長は2四半期連続。コロナ危機からの反動があった前期(年率22.7%)より減速したものの、比較可能な1994年4~6月期以降では2番目の高さで、堅調な回復ペースを保った。

 「GoToキャンペーン」拡大などの影響で個人消費が前期より2.2%増え、輸出も自動車を中心に11.1%増と大きく伸びた。実質GDPの実額は年換算で542兆円。4~6月期に急落した分の9割余りをその後の半年間で回復した。ただ、2度目の緊急事態宣言の影響で今年1~3月期は再びマイナス成長に陥る見通し。2020年通年は前年比4.8%減。リーマン・ショック翌年の2009年(5.7%減)以来のマイナス成長だった。

●東証終値3万円超、30年ぶり 緩和マネー流入

 15日の日経平均株価の終値は前週末比564円高の3万0084円で、1990年8月以来、約30年6カ月ぶりに3万円超となった。「緊急事態宣言」が続くさなかだが、15日公表のGDPが市場の事前予想より良く、コロナ禍からの経済回復への期待が高まった。

 史上最高値の3万8915円をつけたのがバブル経済期の89年12月。30年余りを経て8割の水準を回復したが、高値警戒感も強い。日経平均は昨年3月に1万6千円台半ばに落ち、1年足らずで約1.8倍に。コロナ禍の中で進む株高の要因は、中央銀行による金融緩和マネーや財政出動の下支えだ。低金利で、あふれたお金が投資先を求めて株へ流れている面がある。製造業を中心に2021年3月期決算の上方修正が続き、ワクチン接種が17日にも始まる見通しで先行き警戒感が和らいだ。

●新規感染、全国で965人 3カ月ぶりに1千人を下回る
 
 国内感染者は、15日で新たに965人が確認された。1日あたりに確認された感染者数は、約3カ月ぶりに1千人を下回った。死者は新たに73人確認、累計で7千人を超えて7056人(クルーズ船を含む)になった。6千人を超えた今月3日から12日間で971人増。死者の増加ペースは、5千人超から6千人超(1008人増)が11日間だった。

 また厚労省は15日、英国などで報告されている変異ウイルスが、福島3人、埼玉9人、滋賀1人の計13人から見つかったと発表した。

 以下3枚の図は、2月15日の感染状況 NHK新型コロナウイルス特設サイトより転載。 

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 東京都の新規感染者は266人で、9日連続で500人を下回った。15日までの1週間平均の新規感染者数は378.6人で、前週比68.2%だった。一方都は15日、11月18日~1月31日の感染者数に計838人分を追加すると発表した。感染者数の急増に伴い、感染者数を報告する保健所の業務量が多くなり、2ヶ月あまりで報告漏れが生じたという。これにより都内で1日の感染確認が最も多い1月7日は、73人増えて2520人。都内の感染者数の合計は、15日時点で10万7609人となった。

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