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2021年2月 3日 (水)

新型コロナ2021.01 再び宣言

 新型コロナウイルスの感染状況は、2020年の秋には再び増加に転じ「第3波」となって急拡大。高齢者の割合が増加し、重症者数は過去最多を記録、医療提供体制の逼迫も現実のものとなってきた。年が明けて2021年1月、政府は再び「緊急事態宣言」を発出した。

 2021年1月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.12 医療逼迫」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【1月1日】

●東京都、「緊急事態宣言」発出を政府に要請検討

 東京都内では31日、感染の確認が初めて1000人を超えて、これまでで最も多い1337人となり、専門家が「危機的状況に直面している」と指摘する医療提供体制のさらなる悪化も懸念される。このため、感染状況を見極めながら「緊急事態宣言」の発出を政府に要請することも視野に新年早々から今後の対応について検討することになった。

●全国3247人感染 都783人「休みとしては衝撃的」

 新型コロナの国内の感染者は1日、新たに3247人が確認された。死者は49人。厚生労働省によると、12月31日時点の重症者は、前日より35人増えて全国で716人となり、過去最多を更新。東京都では783人の感染者が確認された。前日31日から大きく減ったが、休み期間中としては衝撃的な数字。また都内で死亡が確認された4人のうち、一人暮らしの60代男性は自宅療養中に亡くなった。

 神奈川県では470人の感染が確認。過去最多だった前日の588人から減ったものの、黒岩知事は「感染爆発といった状況が間近」と述べ、「医療崩壊がすぐ目の前に迫っている」と強い危機感を示した。大阪府の感染者数は262人で、1日あたりの新規感染者が300人を下回るのは4日ぶり。また70代~90代の男女9人が亡くなった。入院中の重症患者は165人、過去最多だった12月21日と並んだ。福岡県では新たに158人の感染が確認。

【1月2日】

●「緊急事態宣言」4都県が要請
 
 東京都の小池知事と神奈川、千葉、埼玉3県の知事は2日午後、新型コロナ対策担当の西村経済再生相に「緊急事態宣言」の発出を速やかに検討するよう要請した。西村氏は「検討する」と応じ、時短要請について午後8時に閉店時間を前倒しし、酒類の提供は午後7時までとすることや、午後8時以降の不要不急の外出自粛を呼びかけるよう求めた。

 ”緊急事態宣言 検討を” 1都3県知事が要請 出典:NHK NEWS WEB

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 1都3県の知事は、西村氏に渡した要望書で「1都3県は、年末年始、新型コロナ感染症の急拡大が続き、感染爆発の瀬戸際と言える。医療提供体制は極めて逼迫し、通常医療にも大きな影響を及ぼす危機的な状況」と指摘。「1都3県と国がより一層連携し、直ちに徹底した人流の抑制をはじめとする感染拡大防止対策の強化が必須」として、「緊急事態宣言」の発出を検討するよう求めた。小池知事は2日夕、「宣言の発出に際して、社会生活の混乱を避けるということから一定の周知期間を設けることも要望した」と明らかにした。

●全国3060人感染、5日連続で3千人を上回る

 国内感染者は2日、新たに3060人が確認された。5日連続で3千人を上回った。検査数が少なくなるとされる年始でも、高い水準が続いている。全国の死者数は31人だった。東京都では814人の感染が確認された。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO〈エクモ〉)を使用」とする都基準の重症者数は前日より6人多い94人、「緊急事態宣言」解除後の最多を更新した。入院者(2781人)、自宅療養者(3387人)、入院・療養などを調整中(2756人)の人数もそれぞれ最多となった。大阪府では258人の感染が確認された。

【1月3日】

●1都3県 飲食店20時まで 政府要請受け入れへ

 新型コロナ感染防止策として、酒類を提供する飲食店などに要請している営業時間の短縮について、東京都と神奈川、千葉、埼玉の3県は、現在午後10時までとしている閉店時間を午後8時に前倒ししたうえで、要請期間を延長する方向で調整に入った。都などはこれまで、時短の前倒しは「協力に応じない店が増える」などとして政府の求めに応じてこなかった。だが、1都3県の要望に対し、西村氏が「緊急事態宣言の発出を検討する」と述べたことなどから政府の要請を受け入れる方針を固めた。

●全国3156人感染 東京の重症者101人
 
 国内の新規感染者は3日、全国で3156人が確認された。日曜日としては最も多かった前週(12月27日)を超え、過去最多となった。死者は60人増えた。厚労省によると、重症者(2日時点)は前日から3人増えて714人。

 東京都は、感染者を新たに816人確認したと発表した。日曜としては過去最多を更新。都基準の重症者数は101人で、前日より7人増え、「緊急事態宣言」解除後の最多を更新。感染者816人を年代別で見ると、20代が214人で最多。30代が182人、50代が123人、40代が116人と続いた。65歳以上の高齢者は96人だった。

【1月4日】

●英社製ワクチン接種 アストラゼネカ開発 保管容易に
 
 英国で4日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発したワクチンの接種が始まった。当面はすでに確保した53万回分を、高齢者や医療従事者らリスクの高い人から優先して接種していく。このワクチンは昨年12月30日、英国が世界で初めて承認。米欧などで接種が始まっている米製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンが零下70℃での保存が必要なのに対し、このワクチンは普通の冷蔵庫と同じ2~8℃で保管できる。その扱いやすさから、接種が飛躍的に加速すると期待されている。

 英国では昨年12月末時点で、ファイザー製ワクチンの94万回の接種が実施された。英政府は春までに、50歳以上の人や医療従事者ら優先接種の対象者約2500万人への接種を終えたい考え。英国では感染力が強いとされる変異ウイルスが見つかり、新規感染者が連日5万人を超えるなど、感染の拡大に歯止めがかかっていない。アストラゼネカのワクチンで、事態の改善につながると期待されている。

●大阪・愛知・福岡 要請せず
 
 新型コロナ感染は年末年始にかけて、首都圏以外でも拡大した。大阪府、愛知県、福岡県でも厳しい状況は続くが、現時点では「緊急事態宣言」について消極的な姿勢。大阪府の吉村知事は4日、首都圏のように新規感染者が急拡大していないとして、「緊急事態宣言」発出の要請は見送った。府内での新規感染者数はやや減少傾向にあるが、重症患者は4日に過去最多の171人。すぐに患者を受け入れられる208床の使用率は82.2%と病床の逼迫も続いている。

 愛知県の大村知事は4日の会見で「現段階では緊急事態宣言を要請する状況ではない」と述べた。県内の新規感染者数は昨年12月30日に294人に達したが、今年1月に入ってから200人を下回っており、大村氏は「首都圏とは客観的な感染者の状況の水準が違う」としている。一方で、大村氏は、県全域で11日までとしていた酒類を提供する飲食店などへの時短要請については延長を検討する考えを示した。
 
 福岡県では12月30日に189人、31日に190人の感染が判明し、2日連続で最多を更新。市中感染の広がりの目安となる陽性率は今月1日に13%を超えた。今回は政府に宣言の要請はしていない。福岡県の担当者は4日、「医療体制の状態と、社会経済レベルを落とすかを総合的に判断すると、宣言を要請するような状況にはない」との認識を示した。

●緊急事態宣言、7日にも決定 4都県で1カ月検討
 
 菅偉首相は4日の年頭記者会見で、新型コロナ対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を対象に、7日にも正式に決定する方向で検討に入ることを明言した。期間は1カ月間を想定。今回、政府は飲食店への営業時間短縮などに対策を集中させ、小中高校への一斉休校の要請はしない方針。文部科学省は、今月中旬と下旬の二つの日程で実施される大学入学共通テストは宣言が出た場合も予定通り行う方針。

 政府は、宣言を対象とする区域や期間、具体的な措置など宣言の内容を早急に詰める。宣言するには、前回の宣言解除の際に今後の感染拡大防止策などを定めた「基本的対処方針」の変更が必要で、7日にも感染症や経済の有識者らでつくる「諮問委員会」(正式名称は「基本的対処方針等諮問委員会」) に諮る。同日中に衆参両院の議院運営委員会で報告し、対策本部で正式に決めた後に宣言を開始させる方向。実際に宣言が出れば昨年4月以来、2回目となる。

 首相は昨年12月25日の記者会見では、宣言に否定的な見解を示していた。4日の会見では、年明け後も1都3県の感染者数が過去最多水準で高止まりしているとして、「深刻に捉えて、より強いメッセージを発出することが必要だと判断した」と説明した。また特措法の改正についても言及。休業や時間短縮の要請に応じた店舗などへの支援措置と、応じない店などへの罰則を組み合わせた規定を設けて「より実効的な対策をとる」と述べた。18日召集予定の通常国会に提出するという。

●ワクチン、来月下旬までに接種開始へ準備

 菅首相は記者会見で、できる限り来月下旬までにワクチンの接種を開始できるよう、政府として準備を進めていく考えを表明した。そして「まずは医療従事者、高齢者、高齢者施設の従業員の皆さんから順次開始をしたい。私も率先してワクチンの接種をする」と述べた。

 首相はまた、ワクチン接種について国内治験データを今月中にまとめるよう米製薬大手ファイザーに要請したと説明し、2月下旬にも国内で接種を始められるよう準備していることを明らかにした。1月11日まで全国一斉停止している観光支援策「GoToトラベル」の再開は、「緊急事態宣言」が出た場合「なかなか難しいのではないか」と述べ、一斉停止期間の延長を示唆した。

●緊急事態宣言、「先月出すべきだった」「後手後手、残念」など批判の声

 日本維新の会の馬場幹事長は、記者会見で、菅首相が「緊急事態宣言」の発出を検討する考えを表明したことについて「後手後手に回っており、先月の段階で出すべきだった」と批判した。また立憲民主党の安住国会対策委員長は「知事から促されるようにして後手後手に回って緊急事態宣言を出すことは残念なことだ。なぜここまで出さずに引っ張ってきたのかなど、確認したいことはたくさんある」と述べた。

●都内、新規感染者884人 月曜で最多

 国内の感染者は4日で、新たに3324人が確認された。3千人を超えたのは7日連続。亡くなった人は全国で48人増えた。3日時点の重症者は全国で731人となり、前日より17人増えて過去最多を更新。東京都の新たな感染者は全国で最も多く884人。月曜日としては昨年12月28日の481人を上回り、過去最多を更新。都基準の重症者数は7人増えて108人となり、昨年5月の「緊急事態宣言」解除後の最多となっている。

【1月5日】

●英国、3度目の都市封鎖 独、都市封鎖を強化

 新型コロナの変異ウイルスが猛威を振るう英国で5日、政府がロンドンを含むイングランド全域でロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。2月半ばまで大半の店が閉鎖、飲食店もテイクアウトなどに限る。市民の不要不急の外出も禁止。違反者は罰金が科せられる。英国でのロックダウンは昨年3月と11月に続いて3度目。

 ドイツ政府は5日、感染拡大の防止のため導入しているロックダウンの強化を決めた。人口比で感染者が多い地区では、半径15キロ以上の移動を制限する。飲食店の営業禁止などの規制も当初の予定から3週間延ばし、31日までは続けることにした。ドイツの1日の新規感染者はここ数日、1万人前後で推移。直近7日平均の人口10万人あたりの新規感染者は130人台で、政府が目標とする50人を大きく上回る。

●WHO中国調査団、足止め


 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日記者会見し、新型コロナの発生源などを調べるため中国を訪れる予定の国際的な調査チームの専門家2人が中国に向かったものの、中国の当局が入国に必要な手続きを終えておらず、入国できなかったと明らかにした。他の参加者は出発を見合わせた。

 テドロス氏は「非常に失望した」と述べ、チームが速やかに入国し、調査を始められるよう中国側に強く要請したという。テドロス氏は中国政府への配慮が厚いと思われていただけに、この批判は各国メディアに驚きをもって受け止められた。

●政府「分科会」が提言「1都3県に速やかに緊急事態宣言を」

 政府の「分科会」は「首都圏の感染状況が沈静化しなければ、全国的に急速に感染がまん延するおそれがある」として、首都圏の1都3県を対象にした「緊急事態宣言」を速やかに出すべきだとする提言をまとめた。飲食店への営業時間短縮のさらなる前倒しの要請など、感染リスクが高い場面を避ける対策を取るとともに、不要不急の外出自粛や在宅勤務(テレワーク)を徹底して出勤する人の7割削減を進めるべきだなどとしている。

●尾身会長「1か月以内でステージ3相当にまで下げるのは至難の業」と強い危機感

 「分科会」の尾身会長は、「今の状況から、「ステージ3」相当にまで下げるのは週単位では難しく、1か月以内では至難の業だと考えている。「緊急事態宣言」そのものによって感染が下火になる保証はなく、うまくいかないこともあり得る。社会を構成するみんながひと事ではなく自分のこととして行動し、対策を実行できるかに成否はかかっている」と訴えた。

 また「強い経済的支援を行うなど、国や自治体が汗をかくという姿勢を示し、市民にも協力をお願いしますというメッセージがないと人々は動かないと思う」としたうえで「要請ベースでの感染対策が難しくなってきていて、営業時間の短縮などに応じた事業者への経済支援なども明確化できておらず、応じない場合の罰則もはっきりとしていない。なるべく早い改正が必要だと思う」と述べ、「分科会」でも議論を進めたい考えを示した。

●国内感染、最多4900人超 東京1278人

 国内の感染者は5日で新たに4917人が確認され、昨年12月31日の4520人を上回り過去最多を更新した。死者も過去最多の76人。4日時点の重症者は771人で、前日より40人増えてこれまでで最多。新たな感染者を都道府県別にみると、最多は東京都の1278人、次いで神奈川県の622人。埼玉369と千葉261の両県と合わせて、全体の半数を超える。この3県に加え、栃木、長野、岐阜、三重、和歌山、長崎、宮崎各県の10県が過去最多を更新。

 東京都の感染者が1千人を超えたのは、最多の1337人(昨年12月31日)に次ぐ。都基準の重症者数は前日より3人増えて111人で、過去最多。関西広域連合は5日、政府が「緊急事態宣言」の発出で調整中の東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県との往来自粛を各府県民に呼びかける行動宣言をまとめた。

●東京都の入院患者3千人超え

 東京都の医療提供体制が限界に近づきつつある。入院患者は12月1日時点の1650人から1月1日時点で2730人に急増。5日時点での入院患者は過去最多の3025人に達し、初めて3千人超え。宿泊療養者870人と自宅療養者は4480人を合わせて8375人にも上る。コロナ患者の病床使用率は86%に及び、重症者も5日時点で過去最多の111人で、医療関係者は危機感を強める。

 コロナ患者の病床について、都は12月に3千床から4千床に増やす方針を示したが、現在、確保できている病床は3500床。重症者の専用病床220床も半分近くが埋まる状態で、小池知事は4日の会見で「極めてクリティカル(危機的)な状況」との認識を示した。都医師会の尾崎会長は「医療機関は第1波から対応を続けていて疲弊している。毎日の感染者を減らすしか方法はなく、病床が逼迫する危機感は相当強い」と強調した。

 一方、神奈川県の黒岩知事は5日の記者会見で、新型コロナ患者の入院を受け入れている医療機関に限り、医師が延期できると判断した入院手術を1カ月ほど延期するよう要請したことを明らかにした。病床逼迫を受けた対応で、救急医療や悪性腫瘍の手術などは通常通り実施する。

【1月6日】

●EU、モデルナの新型コロナワクチン販売許可

 ヨーロッパ連合(EU)は、米製薬会社モデルナが開発した新型コロナワクチンについて使用するための販売許可を出した。ヨーロッパ委員会が新型コロナワクチンを許可するのはアメリカのファイザーなどが手がけたワクチンに次いで2例目で、合わせて1億6000万回分がことし秋ごろまでに順次、EU加盟各国に供給される。先月末に接種が始まったファイザーなどのワクチンは供給に遅れが出ていてEUや各国政府の対応に批判も出ている。

●ファイザー製ワクチン 米で約190万人中21人に激しいアレルギー反応

 製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを先月23日までに全米接種した人はおよそ190万人に上り、そのうちアナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応を示した人は21人に上ったとする報告書を、米CDC(疾病対策センター)が6日、公表した。

 21人のうち17人は、薬や食べ物などで過去にアレルギー反応が出たことがあったという。症状が出るまでの時間は2分から2時間半まで、7割は接種後15分以内で、その後の経過が追跡できた20人は、全員すでに回復しているという。

●英国で拡大の変異ウイルス分離に成功 国立感染症研

 英国で問題となっている変異した新型コロナについて、国立感染症研究所は6日までに、国内の空港の検疫所で感染が確認された人のサンプルから変異したウイルスを分離することに成功し、今後、研究機関に提供していくと発表した。分離した変異ウイルスを国内外の研究機関に提供して、感染力や病原性にどういった変化が起きているかなどの研究に活用してもらうことにしている。また、変異したウイルスをより迅速に検出できる技術の開発を行い、国内での監視態勢の構築を進めていく。

 英国から報告されたSARS-CoV-2の新規変異株VOC-202012/01ウイルス粒子の電子顕微鏡写真 出典:国立感染症研究所

英国から報告されたSARS-CoV-2新規変異株VOC-202012/01の電子顕微鏡観察により確認されたウイルス粒子 出典:国立感染症研究所

●時短協力1日最大6万円 「緊急事態宣言」、7日決定 来月7日まで

 政府は6日、新型コロナ対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の実施期間を8日~2月7日とする方針を固めた。対象区域は首都圏1都4県。感染症の専門家らの「諮問委員会」の意見を聞いたうえで7日に正式決定する。政府は飲食が「急所」とみて、飲食に集中した対策の実効性を高めるため、酒類の提供は午前11時~午後7時に限る。営業時間の短縮要請に応じた飲食店に対する協力金の上限を現在の1店当たり1日4万円から6万円に引き上げる方針。一方、要請に応じない飲食店を公表できるようにする。

 野党などが延長を求めていた中小企業支援の「持続化給付金」や「家賃支援給付金」は15日の期限で申請の受け付けを終え、協力金などで代替させる方針。宣言の解除は、病床の逼迫状況や感染者数などを踏まえ、少なくとも「分科会」が示す感染状況で2番目に深刻な「ステージ3」相当の水準まで下がることを目安にする方針。これを満たさない場合は、感染状況の推移や専門家の分析をもとに宣言の延長も検討する。

 特措法に基づく宣言は、安倍前政権時の昨年4月以来2回目。感染防止策などを定めた政府の基本的対処方針は昨年5月の前回の宣言解除時から変わっていない。今回の宣言に伴い変更する必要があり、7日に「諮問委員会」に諮る。国会で報告した後、対策本部を開いて宣言を正式決定する。

●自宅や屋外などで死亡、122人感染 警視庁調べ 12月に56人急増

 自宅や屋外などで人が亡くなって警察が対応した事案で、新型コロナ感染が確認された死者が昨年12月までに計122人いたことが警察庁へ調べでわかった。うち12月に亡くなったのは56人と急増。内訳は、自宅や高齢者施設、宿泊施設などにいて死亡した人は50人、路上など外出先で死亡は6人。死亡前に感染が確認されていた人は18人、感染の疑いとして死後にPCR検査をして感染判明した人は38人。ただ直接の死因が新型コロナか、わかっていない人も含まれる。

 感染が確認された122人を年代別に見ると、70代の39人が最多。60代は23人、80代22人、50代20人、90代9人。それより若い世代で40代6人、30代2人。年代不明は1人だった。都道府県別では東京が36人で約3割を占め、大阪25人、兵庫11人、神奈川9人、埼玉7人と続いた。
 
 感染症に詳しい医師は、「急死の原因には血栓症による脳梗塞や心筋梗塞が考えられる」と指摘。「心血管疾患のある人や肥満の人は血栓症のリスクが高く、当初の症状が軽くても入院した方がよい」。急激な呼吸状態の悪化に注意し、人工呼吸器などによる集中治療を受けられることが重要。医療逼迫で、自宅療養をする人も増えているが、「容体が急変した場合、最後の砦である地域の基幹病院で治療が受けられる態勢を維持することが大切。そのために軽症者はかかりつけ医の対応など、医療機関の役割分担を進めていく必要がある」と話す。

◆専門家組織「東京、年末までの人の動きは大きな減少見られず」

 厚労省の新型コロナ対策を助言する「専門家組織」(アドバイザーリーボード)の会合が6日に開かれ、東京都では年末まで人の動きの大きな減少が見られず、飲食の場が主な要因となっている感染拡大が周辺の県にも波及しているとして、直近1週間の新たな感染者の数は、東京都だけで全国の4分の1、千葉県、埼玉県、神奈川県を加えた1都3県で、全国の半分を占めていると分析。

 また、東京都では去年11月下旬に飲食店に対して営業時間の短縮要請が出された後も、新宿歌舞伎町や新宿駅での人の動きは減っていない。感染者1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は、東京23区では感染が拡大に向かう「1」を上回る状態が続いているという。そして大都市圏での拡大が、地方での感染の発生にも影響しており、大都市の感染を抑えなければ地方での感染を抑えることも困難になると指摘。新年会や、買い物の際の混雑を避けるなど、感染機会を減らすことが必要だとしている。

●医師会長「すでに医療崩壊」

 日本医師会の中川会長は、「緊急事態宣言」について「医療提供体制の逼迫する中、非常に大きな意義がある。1都3県に限定したものだが、今後の感染拡大の状況によっては、全国的な発令も考えなければならない」と述べた。また「まだ医療崩壊の危機ではないのではないかとの声が少なからずあるが、必要な時に適切な医療を提供できない、適切な医療が受けられないことが医療崩壊であり、現実はすでに『医療崩壊』だ」と強調した。

 一方で自民党の森山国会対策委員長が国会議員の会食について、午後8時まで、参加人数は4人以内とすることが望ましいという考えを示したが、「緊急事態宣言下ではすべての国会議員は人数にかかわらず、夜の会食を全面自粛してはどうか」と指摘した。

●愛知県知事「国に緊急事態宣言要請も視野」

 愛知県で1日として過去最多となる364人の感染が確認されたことを踏まえ、大村知事は記者会見で「感染の傾向が変わらなければ、緊急事態宣言の対象に愛知県を加えてもらうよう国に要請することも視野に入れて、検討せざるをえない。感染者の状況をあと数日注視して、どう対応するか速やかに判断したい」と述べた。

●感染最多6000人、東京1591人 重症者最多784人

 国内感染者数は6日現在で6千人となり、1日あたりの最多を記録した。前日から一気に1千人以上増え、2日連続で過去最多を更新した。感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。都道府県別でも最多を記録した地域が相次ぎ、計19都府県にのぼった。東京都で1591人の感染が確認されたほか、大阪府で560人、愛知県で364人、福岡県で316人だった。厚労省によると、5日時点の重症者は全国で784人となり、前日より13人増えて過去最多を更新した。

【1月7日】

●ワクチン接種、遅れる仏

 フランスは、EUが共同で調達したワクチンを使っている。先月27日に、ドイツやイタリアなどと並んで接種を始めたが、今月7日現在の接種数は4万5千回。ドイツ、イタリアは同日までに40万回を超え、英国は3日までに約130万回接種したのと比べ遅れが目立つ。マクロン大統領は今月末までに介護施設に入所している高齢者を中心に100万人に接種するとしているが、その実現も疑問視されている。

 仏メディアは原因として、高齢者への同意手続きの煩雑さや、医師や看護師の人手不足、政府担当部局の対応の遅さなどを指摘。一部の自治体は、独自にワクチンを調達する構えすらみせている。仏メディアによると、マクロン氏は遅れにいらだちを示し、関係閣僚に改善を指示。カステックス首相は7日の記者会見で、「他の国より遅れがあった」と非を認め、ワクチン接種の手続きを簡略化するほか、全国に100設けた接種センターを月内に600まで増やすと約束した。

●「緊急事態宣言」1都3県で2月7日まで 政府方針を「諮問委員会」が了承

 「緊急事態宣言」を出すのを前に、感染症や経済の有識者に意見を聴く「諮問委員会」が開かれ、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、期間を2月7日までとする政府の方針が了承された。菅首相は、夕方に開かれる政府の対策本部で宣言を出す方針。

●菅首相、1都3県に「緊急事態宣言」「1カ月で改善へ全力」

 菅首相は7日、新型コロナ対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県を対象に出した。期間は8日~2月7日。政府は飲食時の感染防止に対策の力点を置くが、宣言を解除するには1カ月間では「十分ではない」と疑問の声も出ている。

  首相官邸で第51回新型コロナ対策本部を開催、発言する菅首相 出典:首相官邸HP

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 首相は7日夕の対策本部で宣言を決め、宣言中は観光支援策「GoToトラベル」の全国一斉停止を続ける。続く記者会見では「何としてもこれ以上の感染拡大を食い止め、減少傾向に転じさせる。そのために宣言を決断した」と説明。「1カ月後に必ず事態を改善させるために、全力をつくし、ありとあらゆる方策を講じる」と語った。 

 4都県は政府方針に合わせ、飲食店とバー・カラオケ店などの遊興施設、劇場、遊園地などの営業は午後8時までと求める。酒類の提供は午前11時~午後7時まで。対象区域の知事が要請した営業時間の短縮に応じない飲食店に、店名の公表もできるようにした。同時に、時短に応じる店への協力金の上限を、現在の1店当たり4万円から6万円に上げた。

 住民に、午後8時以降の不要不急の外出の自粛を徹底するよう要請する。在宅勤務や交代勤務の徹底により、出勤者数の7割削減をめざす。小中高校の一斉休校は求めず、幼稚・保育園なども原則開所。入学試験は予定通り実施。コンサートやスポーツなどのイベント開催要件は厳しくする。大規模イベントは入場者を収容人数の50%を上限に5千人まで。 医療機関支援では、新型コロナ対応病床を増やした病院に対し、1床あたり450万円の補助を上乗せすることも打ち出した。

「緊急事態宣言」の解除の目安は「ステージ2」

 4都県の医療提供体制をみると、最も深刻な「ステージ4」(感染爆発段階)の指標に達しているものも多い。宣言解除の目安について、政府は7日の「諮問委員会」に、「ステージ3」(感染急増)相当に少なくとも下がっていることを踏まえ、「総合的に判断する」との案を諮った。だが、専門家の異論が相次ぎ、解除後の対策の緩和は段階的にし、必要なものは「ステージ2(感染漸増)相当以下に下がるまで続ける」との文言が対処方針の解除の考え方に加わった。

 7日の国内感染者数は7500人を超えた。東京都でも2千人台半ば。西村経済再生相は宣言決定に先立つ国会報告で、指標で機械的に判断しないとしつつも、「東京都に当てはめると1日あたり約500人」を下回ることが解除の目安の一つとした。「諮問委員会」は政府案を妥当としたが、委員からは「1カ月で「ステージ2」までいけるとはなかなか思いにくい」といった声が出ている。

●景気「二番底」懸念

 政府は、2度目の「緊急事態宣言」に踏み切った。外食など消費に近い産業では、営業縮小の動きが広がりそうだ。経済全体への悪影響は、戦後最悪のマイナス成長につながった前回ほどではないものの、落ち込みは避けられない。昨年夏から回復基調にあった景気が腰折れし、「二番底」に向かう懸念も強まっている。

 政府が飲食の場を感染拡大の「急所」とみていることを踏まえ、居酒屋チェーンを含む外食大手はおおむね、1都3県にある店の営業時間を、政府の要請通り午後8時までに短縮する見込み。また、百貨店大手は営業時間を短くし、閉店時間を午後7~8時に前倒しするところが多い。一方、スーパーやコンビニの多くは通常営業を続ける。政府が企業に求める「出勤者の7割削減」を受け、在宅勤務は大企業を中心にこれまで以上に進みそう。

●GDP、再びマイナス成長か

 飲食やレジャーなど、外出を伴うサービスへの支出を控える動きが広がると、国内総生産(GDP)の半分以上を占める個人消費を直撃する見込み。1都3県を対象とする今回の「緊急事態宣言」の影響について、大和総研は、実質GDPを1カ月あたり0.9兆円押し下げると試算。個人消費の落ち込みは0.7兆円で、全国が対象だった前回の宣言時と比べると、6分の1程度という。

 前回は個人消費だけでなく輸出や設備投資にも深刻な影響が及び、昨年4~6月期の実質成長率は年率で30%近いマイナスを記録した。今回は活動が制限される地域や分野が狭いため、落ち込みもそこまでではないとの見方が大勢。ただ、GDPの水準もコロナ前にはほど遠い。専門家からは、2度目の宣言が重しとなり、再びマイナス成長に陥るとの予想が相次ぐ。 

 足元の2021年1~3月期の成長率について、大和総研は年率マイナス0.3%と見込む。三菱UFJリサーチ&コンサルティングはさらに厳しく、マイナス2.5%。今回の宣言について「景気に配慮して決断が遅れ、かえって景気を悪化させることになった」。1カ月で感染拡大を抑え込めず、宣言の延長や地域の拡大に追い込まれることになれば「景気の二番底リスクは急速に高まる」という指摘もある。

 雇用環境も再び厳しさを増す。厚労省によると、コロナの影響で解雇や雇い止め(見込みを含む)にあった人は6日時点で8万121人となり、8万人を超えた。月ごとの人数は昨年10月以降は減少傾向だったが、12月から増加に転じた。第一生命経済研究所では、今回の宣言で失業者数が半年後には8.6万人ほど上積みされると試算。宣言の対象地域や期間が拡大されれば、それだけ職を失う人の数も増える。もっと厳しい影響が出る可能性もあるという。
 
●ビジネス入国、一転継続 「首相に強い思い」

 内閣官房と関係省庁は1月4日、外国人の新規入国を全面的に停止する方向で検討に入った。ところが5日に首相のもとで検討した結果、「変異ウイルスの市中感染が確認された国・地域ごとに停止」とする対応で、中韓を含む11カ国・地域からビジネス関係者などの入国を受け入れている例外は、継続を決めた。背景には、経済界には技能実習生の受け入れ継続を求める声が強く、経済重視の菅首相の意向とされる。与野党の双方からは、即時停止を求める声が出ている。

●「遅きに失した」「説明を」 緊急事態宣言、野党から批判相次ぐ

 「緊急事態宣言」に対し、野党からは菅首相の判断の遅さや説明責任を果たしていないことへの批判が相次いだ。宣言が感染者の増加に歯止めをかけられるかどうか不透明な状況には、与党からも不安の声が出ている。昨年12月から「緊急事態宣言」の必要性を訴えていた立憲民主党の枝野代表は7日、記者団に「遅きに失した」と、このタイミングでの宣言をこう評した。

 この日あった衆参の議院運営委員会での事前報告には、野党側の求めにもかかわらず、首相は出席しなかった。枝野氏は「危機感を感じられない。感染拡大を抑える効果が本当に上がるのか」と批判。共産党の志位委員長も記者会見で、「緊急事態宣言は必要ないと言い続けてきた。これを変えたのだから国民への説明を求めたい」と語り、通常国会で追及していく考え。

 野党は、営業時間の短縮を迫られる飲食店への財政支援を重視する。国民民主党の玉木代表は会見で「浮輪もないまま氷の海に投げ込まれる思いの店舗がたくさんある」と指摘。中小企業支援の「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の申請の受け付けを15日で終え、協力金などで代替する政府方針を「あり得ない」と批判した。

●GoToトラベル停止延長

 国交省は7日、観光支援策「GoToトラベル」の全国停止期間を延長すると発表した。経産省もイベント支援策「GoToイベント」と商店街支援策「GoTo商店街」の一時停止期間を延長する。いずれも昨年12月28日から今月11日まで全国で停止することが決まっていたが、今回の「緊急事態宣言」が終わる2月7日まで全国停止を続ける。

 飲食店を支援する「GoToイート」も、農水省が昨年11月から感染が広がっている地域でのプレミアム付き食事券の販売見合わせと利用自粛を呼びかけており、これを継続する。今回宣言が出る1都3県を含む23都道府県では、すでに食事券の販売が中断されている。3月以降に予定されていた食事券の追加販売も、感染状況を見極めながら慎重に実施するかどうかを判断するという。

●国会議員会食ルール化 批判受けて見送り

 新型コロナ感染拡大を受けた「緊急事態宣言」下における、国会議員の会食に関するルールに関し、自民党の森山国対委員長は6日、立憲民主党の安住国対委員長と会談した後、議員の会食は「夜8時まで、参加人数4人以下」という案を検討していると述べた。

 ところが、日本医師会の中川会長は6日の会見で、「人数にかかわらず全面自粛してはどうか。国会議員に範を示して頂きたい」と指摘。ネット上でも「国民にお願いするなら、まず議員が控えて」などの批判が相次いだ。7日の衆院議運委理事会では、立憲から「基本的に自粛すべしという申し合わせに出来ないか」と提案。自民は「国会議員としてしっかりと自覚をもって対応することで良い」とし、ルール化を見送った。

国民民主党所属の国会議員、飲食伴う会合を原則禁止に

 国民民主党の玉木代表は7日の記者会見で、党所属の国会議員に対し、飲食を伴う会合を7日から原則禁止とすることを明らかにした。玉木氏は「会合は飲食なしでもオンラインでも可能だ。国民に不都合を強いる立場として、原則、会食を伴う会合を行わないよう徹底したい」と述べた。禁止の対象には、今回の宣言の対象になっていない地域の会合も含めるとしている。

●関西3府県と愛知県も宣言要請へ

 大阪府の吉村知事は7日、新型コロナ感染者が年明けに急増したことを受けて、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を生活圏が同じ京都府と兵庫県と一体となって3府県で政府に要請する方針を明らかにした。その後、京都の西脇知事と兵庫の井戸知事も同様の方向性を記者団に示した。3府県の新規感染者はこの日、そろって過去最多を更新。大阪は607人、京都は143人、兵庫は284人だった。

 大阪の吉村知事は記者団に「大阪府として要請すべきじゃないか。対策本部会議で最終的な判断をしたい」と表明。早ければ9日にも西村経済再生相に要請するという。愛知県も、「緊急事態宣言」の対象に加える要請を視野に入れていることを明らかにした。

●東京五輪 開催危ぶむ声も

 開幕まで200日を切った東京五輪について、大会組織委員会の内部でも「緊急事態宣言が3月までに解除されなければ、大会開催そのものが危ぶまれる」との見方が出ている。組織委は現在、選手や大会関係者向けの新型コロナ対策のガイドラインを作成中で、1月中にも各国・地域のオリンピック委員会などとオンライン面談を始める予定。3月末には福島を皮切りに聖火リレーも始まる予定、同時期に政府主導の調整会議で大会時に観客の入場制限を行うかどうかの結論を出す見通し。

 ある大会関係者は「日々の暮らしに苦しむ人や医療従事者のことを想像すると、大会どころではない」と吐露する。組織委は当初、年明けから職員全員が原則出勤する計画だったが、感染拡大で見送った。「緊急事態宣言」が出た後も、現状で5割ほどの出勤率を維持する方針。組織委幹部は「大会開催が迫り、テレワーク中心は難しい」と話す。

●感染最多7500人超える

 7日の国内感染者数は7516人となり、1日あたりの最多を3日連続で更新。前日から1千人以上増えた。6日時点の重症者は全国で796人で、前日より12人増えて、これまでの最多となった。死者は37人増えた。首都圏の1都3県のほか大阪、愛知、福岡など全国の計19都府県で最多を更新。東京都は、2447人の感染を確認。前日の1591人を大きく上回って初めて2千人超え、3日連続で1千人を超えた。都基準の重症者数は前日より8人多い121人で、過去最多を記録。

【1月8日】

●感染者が入院勧告に反した場合、刑事罰導入も 政府が法改正検討

 政府は感染症法を改正して、入院勧告に反した場合などに刑事罰の導入を検討を始めた。8日、政府・与野党連絡協議会で明らかにした。18日に開会する通常国会で感染症法改正、刑事罰を想定しているという。現在の感染症法では、都道府県知事は新型コロナ感染者に必要がある場合は入院を勧告でき、従わなければ強制的に入院させることができる。ただ、従わなかった場合に罰則はない。

 昨年7月末には埼玉県内で入院していた男性が無断で外出、一時行方不明になったこともある。このほか、保健所による行動歴などの調査に協力しなかった場合の罰則についても検討する。

 政府・与党内には、入院勧告や強制的な入院を拒否した場合、「懲役1年以下か100万円以下の罰金」、保健所の調査に協力しない場合にも「50万円以下の罰金」を科す案も浮上。一方、野党からは罰則に慎重な声もあがった。共産党の田村参院議員は「入院させてほしくてもできない事態があるのに、拒否する人に対する罰則の議論をするのか」と疑問を示した。

 また厚労省は、軽症や無症状者の宿泊療養と自宅療養を感染症法で規定することも改正法案に盛り込む方針。これまで法的な位置づけがなく、通知で対応していた。法律に位置づけることで、宿泊療養や自宅療養の実効性を確保できることが期待される。このほか、保健所設置市の患者の情報を都道府県が把握できない問題などを解消するため、保健所の追跡調査結果を都道府県と市などが共有できる仕組みの導入も検討する。

●クラスターの45% 医療・福祉施設で

 政府の「分科会」が8日開かれ、昨年12月に発生した807件のクラスターを分析した結果が報告された。医療機関や福祉施設での発生が45%を占めた。飲食に関連したものは約2割で、このうち約半数は接待を伴う飲食店。報道された情報にもとづき、5人以上の感染者が出たクラスターを分析したもので、分科会メンバーの東北大の押谷教授から報告された。

 807件(感染者数1万3252人)のクラスターのうち、医療・福祉施設での発生が361件(同8191人)と最も多く、45%を占めた。飲食関連が156件(同1664人)、教育施設123件(同1754人)、職場95件(同1103人)、その他72件(同540人)と続いた。飲食関連のうち、接待を伴う飲食店が77件(同907人)で約半数を占めた。そのほかの飲食店39件(同327人)、カラオケ19件(同245人)、会食16件(同134人)、ホームパーティー5件(同51人)だった。

 今回の「緊急事態宣言」は昨年4月の宣言と異なり、感染拡大の「急所」とする飲食の場に対策の重点を置いている。押谷教授は、医療機関や福祉施設、教育施設のクラスターをきっかけに地域に流行が広がることは少ないと指摘。感染の拡大を抑えるうえでは「飲食の場が重要で、そこを抑えていかないといけない」と話した。

●西村担当相 対応遅れ批判に「反論」

 西村経済再生相は、首都圏4都県に2度目の「緊急事態宣言」が出た7日夜、「11月中旬以降強い危機感を持って「ステージ4」になれば「緊急事態宣言」が視野に入ると何度も申し上げてきました」と自らのツイッターに投稿。宣言を出すタイミングをめぐって「対応が後手に回った」などの批判が出ていることに、担当閣僚として「反論」した。

 西村氏は、11月12日の政府「分科会」後の記者会見ですでに「「ステージ4」になれば緊急事態宣言も想定される」と発言したと主張。ただ、この時点では「GoToトラベル」の見直しは行われておらず、分科会が感染リスクが高いと指摘している5人以上の会食も飲食店支援の「イート」の対象だった。西村氏は翌13日の京都市長との面談では、イートの利用促進を勧めている。
 
 西村氏の「反論」に対しSNSでは、特別措置法改正の議論をせず、政府・与党が臨時国会を昨年12月上旬に閉じたことなどを批判する反応が出ている。

●二階氏、党内に「飲食を伴う会合控えて」

 自民党の二階幹事長は8日、「緊急事態宣言」が発出されたことを受け、飲食を伴う会合への参加を控えることや、午後8時以降の不要不急の外出自粛の徹底を求める文書を所属国会議員に出した。国会議員の会食をめぐっては、昨年12月に二階氏が菅首相らと都内のステーキ店で8人で会食し、批判を浴びた。その後、国会で「夜8時まで」「参加人数4人以下」とする会食ルールが一時検討されたが、日本医師会からやネット上で「全面自粛すべきだ」などと指摘を受けて見送られていた。

●東京都、陽性でも入院先など決まらない人が急増

 東京都では、検査で陽性になっても入院先や療養先が決まらない人が急増、入院が必要な人でも自宅で待機するケースが相次いでいる。また人工透析を受けていて新型コロナに感染した患者が入院できる病床が、ことしに入って満床の状態になっている。

 東京都で入院や療養先が調整中となっている人は、先月5日までの1週間では700人余りだったが、今月2日までの1週間は3000人余りに達しおよそ1か月で4倍に増加。感染の急拡大で陽性者が増加したことに加え、病床や宿泊施設が逼迫し、入院や療養先を確保するのに時間がかかっていることも背景にあるとみられる。このため、本来入院すべき人が自宅で待機せざるをえないケースが相次いでいる。

●国内最多の78人死亡、7882人感染

 8日、全国で7882人の感染が発表され、4日連続で過去最多を更新。また死亡は78人と最多。このうち、大阪府で19人、北海道で10人、愛知県7人、東京都7人、神奈川県7人。 

【1月9日】

●関西3府県、「緊急事態宣言」を要請

 大阪、京都、兵庫の3府県の知事は9日、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の発出を西村経済再生相にオンラインで共同要請した。「年明け以降、感染が急拡大するとともに、医療提供体制は非常に逼迫。さらなる感染防止対策をとることが必要である」としている。西村氏は会議後、「極めて厳しい状況との認識を共有した」と話し、専門家の意見を聞いて判断する考えを示した。

 これを受け、大阪府の吉村知事は記者団に、14日から首都圏と同様の営業時間の短縮要請を行う考えを示した。12日に府の対策本部会議を開いて決める。府は現在、大阪市内の居酒屋などに午後9時までの時短要請をしている。これを14日から2月7日まで府全域で酒を提供していない飲食店にも対象を拡大。時短要請も1時間前倒しして午後8時まで。酒類の提供は午前11時~午後7時。午後8時以降の不要不急の外出自粛の徹底も求める。

 大阪など関西3府県知事 宣言要請前に、全国知事会で感染状況説明 出典:NHK NEWS WEB

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●宮崎県と岐阜県、独自の「非常事態宣言」

 宮崎県は県独自の「緊急事態宣言」を出し、1月9日から22日まで県内全域で通勤・通学や生活必需品の買い出しなどを除いて、原則、外出を自粛することや飲食店の営業時間を午後8時までに短縮するよう要請を始めた。

 また岐阜県も9日、独自の「非常事態宣言」を発表しし、酒を提供する飲食店を対象にした営業時間短縮の要請を来月7日まで延長するとともに、県民に対して不要不急の外出の自粛などを呼びかけている。営業の終了時間は現在の午後9時まで、から午後8時までに前倒しし、酒の提供は午前11時から午後7時までとしている。

●死者4千人超す 20日弱で1千人増

 新型コロナによる死者は9日、59人増えて4035人(クルーズ船を含む)となり、4千人を超えた。国内では死者が昨年7月20日に1千人に達した。昨年11月22日の2千人超えから3千人に達するまでは1カ月(12月22日)。3千人越えから20日足らずで4千を越えた。感染が拡大し、死者の増加ペースも早まっている。

 国内感染者は9日で新たに7790人が確認、3日連続で7千人を上回った。東京都では2268人の感染を確認。過去3番目の多さで、3日連続で2千人超。神奈川県では999人の感染を確認、3日続けて過去最多を更新。黒岩知事は9日、報道陣の取材に「病床、宿泊療養施設のキャパシティーは限界に達し、入院で30人、宿泊療養施設で80人を超える方に待機して頂いている」と明らかにした。

 「緊急事態宣言」の対象の埼玉県は518人、千葉県は477人で、ともに最多を更新。兵庫県でも324人が感染し、4日連続で最多を更新した。重症者も前日の集計より1人増えて827人で、過去最多となった。

【1月10日】

●ブラジルから新たな変異型

 厚労省は10日、ブラジルから到着し空港検疫で新型コロナ感染が確認された男女4人から、英国や南アフリカで報告されていたものと共通の変異が一部にある新たな変異ウイルスを検出したと発表。4人は10~40代で、2日に羽田空港に到着。うち3人に頭痛や発熱などの症状がある。この新たな変異ウイルスは世界でまだ報告例がなく、国立感染症研究所などが感染力の強さなどを調査中という。

 このほかに、昨年12月22日に英国から入国して発症した男性との濃厚接触者2人と、同月25日に英国から帰国した男性の計3人から英国の変異ウイルスが新たに検出されたことも発表した。

●関西3府県の緊急事態要請 首相「数日状況見る」

 菅首相は10日、感染が急拡大する大阪、京都、兵庫の3府県による「緊急事態宣言」への追加要請について、「必要であれば、すぐ対応できるような準備はしている」と述べた。そのうえで「数日の状況を見る必要があるということだ」とし、専門家らの分析結果を待って判断する考えを示した。

●内閣支持率が急落 支持と不支持が逆転 JNNと共同調査

 菅内閣の支持率の急落が続いている。「JNN」の調査(9~10日実施)では、菅内閣の支持率は12月の前回調査から14.3ポイント減の41%、不支持は14.8ポイント増の55.9%と支持と不支持が初めて逆転した。「共同」の調査(同日実施)では支持率は9ポイント減の41.3%、不支持は10ポイント増の42.8%となった。

 また「JNN」では、政府の対応を「評価しない」が63%で「評価する」の28%を大きく上回った。「共同」では「評価しない」の68.3%に対して、「評価する」は24.9%と安倍政権を含め最も低い結果。政府が1都3県に「緊急事態宣言」を発出したことについて、「遅すぎる」と答えた人は「JNN」で83%、「共同」で79.2%に上った。

 飲食店の時短営業や外出自粛の呼びかけなど政府が柱とする感染防止対策について、「共同」では「期待できない」が72.6%、「JNN」では「不十分だ」が55%。「緊急事態宣言」の期間2月7日までとなっているが、「JNN」では、1カ月で宣言を解除「できると思う」は7%にとどまり、「できると思わない」が87%に達した。

●重症最多852人

 国内の感染者は10日、新たに6095人が確認された。死者は45人だった。厚労省によると、全国の重症者は9日時点で前日より25人多い852人となり、過去最多を更新。東京都は1494人で、4日ぶりに2千人を下回ったが、日曜日としては初めて1千人を超え。都基準の重症者数は過去最多だった前日より1人減って128人だった。

 神奈川県では、県内の即応可能病床の利用率は重症用94%、中等症用(軽症含む)85%。県は「新規感染者の入院受け入れの調整が困難になっており、27日ごろ患者数が病床数を超えそうだ」としている。また、福島県と静岡県では、感染者数が過去最多を更新。

【1月11日】

●コロナ重篤患者、日本で開発の薬投与で死亡率低下 英で研究成果

 新型コロナで重篤となった患者に、日本で開発された関節リウマチの治療薬を投与することで、死亡率が下がったなどとする研究成果を、英国の大学「インペリアル・カレッジ・ロンドン」などのグループが公表した。「アクテムラ」などを使わなかった患者およそ400人では死亡率が35.8%だったのに対し、「アクテムラ」を投与したおよそ350人は死亡率が28%と低くなった。また、いずれの薬でも、集中治療を受ける期間が10日ほど短くなったという。

 「アクテムラ」は、免疫が暴走して自分の細胞を攻撃してしまう「サイトカインストーム」という現象を抑える効果があると期待されている。英国政府は、重症患者に「アクテムラ」などを使うよう推奨する方針をウェブサイトで示した。

●WHO「集団免疫、ことし中に獲得 難しい」

 WHOは、新型コロナのワクチンの接種をめぐって、世界の多くの人が免疫を持つことで感染が広がりにくくなる、いわゆる「集団免疫」の状態をことし中に獲得することは難しいという認識を示した。1月8日の時点で先進国を中心に42か国でワクチンの接種や準備が始まっているが、ワクチンを広く世界に行き渡らせるにはまだ時間がかかり「集団免疫」を獲得できる水準には届かないとしている。「集団免疫」について、WHOは、世界の70%を超える人がワクチンを接種する必要があるという見方を示している。

●WHO調査団、14日訪中 中国、コロナ起源意味せずと強調

 中国政府は11日、新型コロナの起源を調べるWHOの調査団が14日から訪中すると発表した。調査団は5日ごろから中国に出発する予定だったが、中国側からの許可が得られず、入国できずにいた。中国の国家衛生健康委員会が調査団の中国入りの日程をHPで公表、「中国の科学者と共同で科学調査を行う」とした。中国外務省の報道局長は11日の会見で「WHOはほかの国や地域でも同様の調査を行うだろう」と述べ、調査が、中国が起源だということを意味しないと強調した。

 WHO側の不満への配慮もあり、中国側は調査団をできるだけ早く受け入れるべきと判断したようだ。中国側が調査の過程でどこまで透明性を確保し、協力姿勢を示すか注目される。テドロス事務局長は中国の11日の発表を受け、ツイッターに「ウイルスの発生源と人間への感染経路を特定するという重要な使命について、中国側と緊密に協力することを楽しみにしている」と投稿。

 WHOによると、ウイルスや疫学などの各国の専門家10人で構成される調査団は2019年12月に感染者が確認された湖北省・武漢市で、患者が出た華南海鮮卸売市場や病院の記録などを調べる予定。中国側は、すでに武漢周辺の調査を行ったが、感染源はわかっていないとしている。

●コロナ死者、直近では1カ月で全体の4割 人工呼吸器使えない例も

 国内の新型コロナによる死者数が、かつてない勢いで増えている。9日にはダイヤモンド・プリンセスの乗船者を含め、4千人を突破。いまのペースが続けば、今月中には5千人に達する。東京などの都市部では重症患者の受け入れも難しくなりつつあり、治療の優先順位を決める「トリアージ」が始まっている現状がある。

 昨年10月末には、1日あたりの死者数(1週間平均)は8人だったが、11月末22人、12月末53人。今月10日までの直近1カ月で計1500人以上が亡くなり、これまでの新型コロナによる死者の4割を占める。

 重症用の病床が逼迫する中、地域によっては人工呼吸器を使った治療が選択できない患者も出ている。都内では今月5日時点で、人工呼吸器かECMOを使っている「重症患者」は111人。だが、関係者によると、そのほかに、亡くなるおそれがありながらこうした積極的な治療をする予定はない人が、同日時点で75人いたという。日々公表される「重症患者数」以上に、医療現場の負荷は増している。もうすぐ呼吸器が必要になりそうだったり、呼吸器から脱したものの予断を許さない状態だったりする人たちも約170人いた。

●治療の選別、始まった都市部 病床数逼迫、受け入れ困難 入院先決まらぬ高齢者

 新型コロナ感染拡大に歯止めがかからず、医療機関の病床の逼迫の度合いは日に日に厳しさを増している。入院が必要な人を受け入れることが難しくなり、人工呼吸器をめぐる治療の選別が始まっている地域もある。専門家は、今後さらに死者が増えるペースが速まると懸念している。感染すると重症化しやすい高齢者や持病のある人ですら、入院先が見つからない。そんな現実がすでに起きている。

 東京都内の入院患者は今月5日には3千人を超えた。内閣官房の資料によると、入院患者のピーク時に確保する計画となっている「確保想定病床」の利用率は8割に迫る。都の入院調整本部では、入院先を決められず翌日以降に繰り越すために、自宅や入居施設で待機を余儀なくされるケースが連日のように発生。400人以上の入院先が決まらない日も。中には呼吸が苦しいという症状が出ていても、自宅待機になる高齢者もいるという。

●コロナ下の成人式、オンラインで式典 会場分散

 「成人の日」の11日。新型コロナの感染拡大が続くなか、全国各地で成人式をめぐる対応が分かれた。「緊急事態宣言」が出された1都3県では延期や中止、オンライン開催が目立ち、式典が開かれた会場でも感染対策が徹底された。横浜市は、会場を2カ所に増やし、回数を各会場4回ずつに分け、開催時間も例年の35分から15分に短縮したりした。

●全国4876人感染 重症最多864人

 国内感染者は11日、新たに4876人が確認された。東京都の新規感染者数は1219人で、1週間連続の1千人超えとなった。全国の重症者は過去最多の864人(10日時点)になり、死者は48人となった。東京都内の新規感染者数は月曜日としては最多。また、都基準の重症者数は3人増えて過去最多の131人になった。

【1月12日】

●「緊急事態宣言」の要請相次ぐ 各地で危機感

 新型コロナの感染が広がり、大阪・兵庫・京都の3府県に加え、愛知・岐阜、栃木の3県も12日、国に対して「緊急事態宣言」を出すように要請した。政府は13日にも、以上の6府県のほか、福岡をあわせて7府県を対象に、「緊急事態宣言」を出す方向で最終調整している。

●関西・東海などに「緊急事態宣言」の方針

 政府は12日、感染者が急増している7府県に対し、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を発出する方針を固めた。13日に決定する。宣言の区域は、首都圏4都県に出した7日から1週間足らずで、11都府県に広がる。実施期間は、2月7日まで。飲食店の閉店時間を午後8時までとする営業時間の短縮要請や、出勤者数の7割削減をめざした在宅勤務や交代勤務の徹底などを同じように求める。
 
 首相は今月7日の会見で「現時点において、そうした状況にはないと思う」と首都圏以外への宣言に否定的だったが、各地で感染が広がって知事から相次いで要請を受ける状況となり、追加に踏み切った。首相官邸で12日に開かれた政府与党連絡会議では、首都圏以外でも感染者が急増する地域があるとして、「宣言の対象地域の拡大について検討に入る」と述べた。

●宣言前に「予防的措置」 特措法改正原案 命令違反は過料

 政府は12日、新型コロナ感染症対応の特別措置法の改正原案を自民党会合で示した。政府は、「蔓延防止等重点措置」について、「緊急事態宣言」を出す前の予防的な措置として導入を目指す。政府対策本部長(首相)が、「蔓延防止等重点措置」を実施する期間と区域を指定する。対象となった都道府県の知事は、事業者に対して営業時間の変更を要請でき、正当な理由なく応じなかった場合には「命令」できると規定。立ち入り検査や報告を求めることができ、これを拒んだ場合の過料も設ける。

 現行法では、宣言下でも知事要請に応じない場合の罰則は規定されていない。過料の導入には野党から批判があり、金額などについて今後さらに検討する。一方、野党側が罰則導入の前提として求めた支援措置については「事業者に対する支援を講ずるよう努める」との表現にとどまった。

 会合では、感染症法を改正し、新型コロナ感染症をこれまでの「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」に分類する方針も示された。コロナ感染症は現在、「指定感染症」に位置付けられる。期限は2年間、以降の分類を決める必要がある。同法では、エボラ出血熱などの1類から季節性インフルなどの5類まで危険度に応じた分類のほか、新型インフルを想定した分類もあり、それぞれ入院措置などのとるべき対策を決めている。新型コロナは、1~5類に当てはめるのが困難、柔軟な対応が可能な「新型インフルエンザ等感染症」に追加する。

 また、検討項目のうち、保健所による行動歴などの調査を拒否した場合などの罰則について、対象を感染者に限り、濃厚接触者は含まない方向で調整する。そのほか入院中に逃げ出したり入院を拒否したりした場合に罰則を設ける。また、都道府県知事が軽症者や無症状者に宿泊・自宅療養の協力を要請できる規定も設け、応じない場合には入院を勧告できるとした。

●全国で新たに4539人感染 重症者881人は最多更新

 国内感染者は12日、新たに4539人が確認された。亡くなった人は64人増えた。厚労省によると、11日時点の重症者は全国で881人となり、前日より17人増えて過去最多を更新した。東京都では970人が確認され、8日ぶりに1千人を下回った。一方、都基準の重症者数は前日から13人増えて144人となり、最多を更新。13日に「緊急事態が宣言」される大阪府で374人、京都府108人、兵庫県161人がそれぞれ確認された。

 横浜刑務所(横浜市)でクラスターが発生し、これまでに受刑者28人と職員7人の計35人の感染が確認された。感染者や濃厚接触者を個室に移し、刑務作業や面会を全面的に中止とした。

【1月13日】

●7府県に「緊急事態宣言」追加、合わせて11都府県に

 政府は13日夕、新型コロナの感染が拡大している7府県に対し、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を出した。対象地域は大阪、京都、兵庫の関西3府県と、愛知、岐阜の東海2県、栃木、福岡の両県。宣言の対象地域はすでに出されている1都3県と合わせて11の都府県になる。

 政府は同日午後、感染症や経済の有識者らでつくる「諮問委員会」に7府県への宣言発出について意見を聴いたうえで国会に説明。その後、政府の対策本部で正式に決定。期間は2月7日まで。飲食店の営業時間を午後8時までとする短縮要請や、出勤者数の7割削減をめざした在宅勤務や交代勤務の徹底などを求める。政府は、追加地域の知事が飲食店などへの時短要請を強化すれば、協力金の上限を1店当たり1日4万円から、4都県と同じ6万円に引き上げる。

●尾身会長「時短だけでは下火にできず、昼夜問わず外出控えて」

 「緊急事態宣言」の11都府県への拡大直後の13日夜、「諮問委員会」の尾身会長は「今回、緊急事態宣言の対象となったような地域では、飲食店の営業時間短縮だけでは感染を下火にはできないと思う。外出の自粛や人の移動制限、テレワークの推進、イベントの入場制限など総合的な対策が必要だ。仮に最悪の事態になりそうな場合は休業要請などより強い選択肢もありえる」と述べた。

●緊急事態「全国も選択肢」 日医会長「医療崩壊進んでいる」

 新型コロナ感染者が急増している7府県に対し、政府が「緊急事態宣言」の対象に加えることを受け、日本医師会の中川会長は13日の会見で「感染が全国に蔓延して手遅れになることがないよう、早め早めの対策を講じることが大切。全国的な「緊急事態宣言」も選択肢の一つだ」と述べた。今後の感染状況を踏まえ、宣言の対象を全国に広げることも視野に入れるべきだとの考えを示した。

 中川氏は現在の医療提供体制について「全国的に医療崩壊がすでに進行している」と述べ、必要な時に適切な医療を受けることができない事態が広がっていると指摘。「首都圏など宣言対象地域において、通常の患者受け入れを断るなど、すでに医療崩壊の状態になってきている。心筋梗塞や脳卒中で倒れた患者の受け入れ機関が見つからない、がんの手術が延期された、ということが現実化している」と訴えた。そのうえで、「さらに感染者数の増加が続くと、医療壊滅につながる恐れがある」とした。

 さらに、これまでの政府の対応を念頭に「(感染の広がりを示す)データがすべて基準を上回ってからというのは手遅れ感が否めない」とも述べ、先手の判断を促した。また、中川氏は前回の「緊急事態宣言」時と比べ、新規感染者の報告数が大幅に増えているとして「強制力を持った行動制限も必要ではないか」と言及した。

●西村経済再生相、宣言の全国拡大には否定的な見解

 「緊急事態宣言」の対象地域の追加を前に、衆議院内閣委員会で閉会中審査が行われた。西村経済再生担当相は、今後、宣言の対象地域を全国に拡大する可能性を問われ「最初から幅広く宣言を出して一気に抑えることは一般的な危機管理の手法としてはありえるが、法律では私権の制約を最小限にするよう規定されている。たとえば、東北などかなり感染を低く抑えている地域まで対象とするかは慎重に考えなくてはならない」と述べ、否定的な見解を示した。

●外国人入国、一転全面停止 宣言期間中 ビジネス客含め

 菅首相は13日夜の記者会見で、中韓を含む11カ国・地域からビジネス関係者などを受け入れている入国緩和策について、一時停止にすると表明した。与野党の双方や世論の批判を受け、首相は方針転換した。停止は14日から「緊急事態宣言」の解除までとしている。これにより、外国人の新規入国は事実上、全面的に止まる。すでに査証(ビザ)を発給済みの人については、21日午前0時まで原則として入国を認める。

●「緊急事態宣言」解除急ぐと4月に再宣言の恐れ 西浦教授計算

 今回の「緊急事態宣言」について、京都大学の西浦教授がシミュレーションを公表。東京都内の感染者数が1日500人になった段階で対策を緩和すると、2か月以内に再び感染が拡大したとしている。一方、1日100人以下になってから緩和した場合には4か月以上たっても1日の感染者が1000人を超えなかったという。結果は13日にあった厚労省の「専門家組織」の会合に提出された。
 
 計算では、感染者1人が感染させる人数を示す実効再生産数を使った。1未満なら感染が収まっていく。東京では12月下旬は平均1.1ほど。宣言後に実効再生産数が2割減の0.88まで下がれば、2月24日に500人未満を達成。その直後から対策を宣言前に戻して1.1ほどに戻ると、4月14日には宣言時と同水準まで感染者が増えるという結果になった。

  西浦教授は「緊急事態宣言では、感染者数を思い切り減らしたほうが、効果は大きくなる。長期的な見通しを考えながら宣言の在り方や解除の基準を考えるべきだ」とコメント。実効再生産数は接触機会の頻度に大きく影響され、刻々と変動するが、今回のシミュレーションは、特定の数値がそのまま続いたと仮定して感染者数を計算している。2月以降に接種開始が見込まれるワクチンや季節の影響も今回の試算には加味されていないという。

 西浦教授のシミュレーション 出典:2021年1月13日放送「news zero」(日テレNEWS24)

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●国内感染30万人超 3週間余りで10万人増

 国内で確認された新型コロナの感染者(大型クルーズ船の乗客らを含む)が13日、累計で30万人を超えた。20万人を超えたのは昨年12月下旬。国内で初めて感染者が確認されてから間もなく1年になるが、総数の3分の1が3週間余りで上積みされたことになる。国内で感染者が確認されたのは昨年1月15日で、10万人を超えたのは9カ月半後の10月29日。52日後の12月20日に20万人超となってから24日で10万人が加わり、増加ペースが加速している。

●全国の重症者900人 死者97人は最多

 国内感染者は13日、新たに5870人が確認された。死者は97人で、8日の78人を上回り、過去最多を更新。東京、神奈川、大阪が各13人だった。また、厚労省によると、12日時点の重症者は全国で900人となり、前日より19人増加。10日連続で過去最多を更新した。

 東京都の感染者は1433人。12日時点で入院患者は3427人に上り、過去最多を更新。東京の死者13人のうち、50代女性と80代男性は自宅療養者だった。独居していた50代女性は高血圧などの基礎疾患があったが、発熱などの症状が比較的軽かったため自宅療養していた。80代男性は感染が判明した翌日8日に保健所が入院先を調整。だが搬送先が見つからず症状が収まってきたため、自宅で様子を見ることにした。11日朝に家族から「症状が悪化してきた」と連絡があり、医療機関に搬送されたが同日に死亡した。男性は糖尿病を患っていた。

【1月14日】

●中国、9カ月ぶり死者発表

 中国の国家衛生健康委員会は14日、河北省で新型コロナ患者1人が亡くなったと発表した。中国本土での死者の確認は約9カ月ぶり。香港などを除く死者数は累計で4635人となった。 今年に入って約700人の感染が確認された同省をはじめ各地で市中感染が増加傾向にあり、当局は大都市で全住民対象のPCR検査や厳しい移動制限を実施するなど、再び緊張が高まっている。

 同省では今月2日に経路不明の感染者1人が確認された後、周辺に拡大。多くの感染者が出た村々が封鎖され、650人前後の感染が確認された省都・石家荘市では市外へ出る車の通行や鉄道への乗車も禁じられた。人口約1千万人の同市などで住民全員のPCR検査を実施しているほか、13日から同市内では約3千人を収容できる隔離施設の建設も始まった。

 中国政府は感染者の早期発見と徹底した隔離を進め、中国本土では昨年9~11月の3カ月で新規の市中感染者(無症状を含む)が500人を割っていた。しかし、12月から再び増加傾向に入り、今月13日までの間に河北省や北京市、東北地方などを中心に20以上の都市や地域で計1千人近い新規感染者が見つかった。

●WHO調査チーム、武漢に到着 新型コロナ発生源など調査

 新型コロナの発生源などについて調べるWHOが組織した各国の専門家10人からなる調査チームが、14日午前、湖北省武漢の空港に到着した。当初今月上旬に開始される予定だった調査は、調査チームが中国への入国を拒否されたことで遅れていた。数カ月にわたるWHOと中国の交渉の末、待ち望まれていた新型ウイルスの発生源調査が行われることとなった。一行は、武漢市内で2週間の隔離を終えたあと、本格的な調査を行う予定。

 中国政府の専門家は、感染拡大当初はウイルスの発生源について、中国に生息するコウモリに由来するなどとしていたが、最近では海外から持ち込まれた可能性も否定できないなどと主張している。WHOのベンエンバレク氏は「論理的には中国で発生したと考えるのが妥当だ」と述べた。今回の調査では、中国政府が調査チームの要望に十分応じるかに加え、トランプ大統領が、ウイルスが流出した可能性があると主張する武漢の研究所の調査を認めるかなどが焦点。

●インドネシア、中国製ワクチンの接種が始まる 東南アジア各国も

 新型コロナ感染者と死者が東南アジアで最も多いインドネシアで、中国の製薬会社「シノバック」が開発するワクチンの接種が始まった。13日、ジョコ大統領が国内で初めて接種を受けたのに続き、14日からは医療従事者らを優先して各地で接種。

 インドネシアのほかにも東南アジア各国では中国の製薬会社のワクチンを調達する動きが進んでいる。中国は、途上国を中心に、ワクチンの提供を積極的に行っていて、国際社会からは、対外的な影響力の拡大を図る「ワクチン外交」だと指摘されている。

◆韓国、感染者減少へ “会食の人数制限が効果” 継続検討

 韓国では去年12月から今年1月初めにかけて、1日当たりの感染者数が1000人を超える日が相次いでいたが、今週は4日連続で500人前後に減少。これについて韓国政府は会食の人数を制限した措置などが「効果を上げている」として、この措置を継続するかどうか検討している。韓国では人が集まる場所でのマスクの着用が義務付けられ、5人以上の集まりや会食も禁止、違反した場合には本人や飲食店などにそれぞれ過料が科されている。

●入院勧告拒否で懲役や罰金など刑事罰検討

 新型コロナ感染者が、宿泊療養を求める自治体の要請に応じなかったり、保健所の調査を拒否したりするケースが相次いでいることから、政府は、来週召集される通常国会で、感染症法の改正を目指している。感染者が、宿泊療養などの要請に応じず、入院勧告にも反した場合には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を、保健所の調査を拒否したり虚偽の申告を行ったりした場合には「50万円以下の罰金」を科す案を検討中。

 一方、新型コロナ対策の特別措置法を改正し、営業時間の短縮などの命令に応じない事業者に対して、行政罰としての過料を科す方針で来週にも改正案を閣議決定する。これらについて野党側からは、慎重な声や反対の意見が出ている。

●医学会連合、罰則反対の緊急声明

 新型コロナ患者が入院を拒んだ場合などに罰則を設けることを盛り込んだ感染症法改正を政府が検討していることについて、日本医学会連合は14日、門田(もんでん)会長名で緊急声明を発表した。入院強制や検査・情報提供の義務に罰則を伴う条項を設けることに反対している。

 日本医学会連合は、医学系136学会が加盟する学術団体。緊急声明では、かつてハンセン病などで、「科学的根拠が乏しいにもかかわらず患者・感染者の強制収容が法的になされた歴史的反省のうえに成り立つことを深く認識する必要がある」と説明。入院を拒むのにはさまざまな理由があるかもしれず、「感染者個人に責任を負わせることは、倫理的に受け入れがたいと言わざるをえない」とする。日本公衆衛生学会と日本疫学会も同日、連名で同様の声明を出した。

●「爆発的な感染拡大を疑わせる水準」専門家が都内の状況に危機感

 14日、東京都の「モニタリング会議」が開かれ、専門家は「新規陽性者数が経験したことのない速度で増加している。爆発的な感染拡大を疑わせる水準だ」と非常に強い危機感を示した。7日間平均の感染確認が、先週の1029人から今週は1699人になったことを挙げて、この増加比のままだと1日の新たな感染確認が1週間後には1.7倍になり、2週間後には新たな入院患者だけで、都が確保している4000の病床を上回ると見込まれると指摘。専門家は「入院治療と宿泊療養の受け入れの限界を超え、通常の医療も逼迫、極めて深刻な感染状況だ」と述べた。

●都立・公社3病院、コロナ専門へ

 新型コロナ感染者の急増を受け、東京都は14日の会議で、都立・公社の計3病院を実質的に「コロナ専門病院」にする方針を明らかにした。都の幹部によると、3病院で計720床を確保し、うち都立広尾病院(渋谷区)では新型コロナ以外の入院や診療をすべて休止するという。

 こうした方針の背景には、コロナ患者用の病床が切迫し、保健所に入院相当と判断されても受け入れ先がなかなか決まらない「待機者」が増えている現状がある。都内の入院患者は13日時点で3266人に上り、確保する4千床のうち81.7%が埋まっている。都は今月1~13日に、自宅療養中に3人が亡くなったと発表。担当者は13日、「適切に入院できていたら、こういう事態を招かなかったかもしれない。リスクの高い感染者はできる限り、入院できるよう調整していきたい」と話していた。

●病床逼迫で救急患者の搬送困難事例が急増 12月の2倍に

 新型コロナ感染が急速に拡大して病床が逼迫する中、急病の患者の受け入れ先がなかなか決まらないケースも急増していることが消防庁のまとめで分かった。患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」としていて、これが1月10日までの1週間で2707件と、12月上旬と比べて2倍近くに増え、調査を始めた去年4月以降で最も多くなった。新型コロナの感染拡大が救急医療に深刻な影響を与えている。

●自宅療養中に悪化し死亡、相次ぐ 東京・神奈川など4都県で7

 新型コロナへの感染が確認された当初は入院の必要がないと判断され自宅で療養していて、急に症状が悪化して死亡する人が相次いでいる。NHKが関東の1都6県の自治体に取材したところ、新型コロナに感染したあと自宅療養中に症状が悪化して死亡した人は12月以降で、東京都で3人、栃木県で2人、神奈川県と群馬県で1人と、4つの都県で7人にのぼっていることがわかった。急速な感染拡大に伴って、東京都内では自宅で療養している人が増え続け、13日時点で8000人を超えている。

●コロナ、地方でも急拡大 熊本・宮崎・沖縄「緊急事態」並み

 新型コロナの感染状況を測るため、政府「分科会」が示した6つの指標で、「ステージ4」の基準値を4つ以上で超えている自治体が14あることがわかった。「緊急事態宣言」の対象になっている11都府県のほか、熊本、宮崎、沖縄の3県も該当。地方でも感染が急拡大し、医療が逼迫している。

 「分科会」による指標は、①病床の使用率、②療養者数(10万人あたり)、③PCR陽性率、④直近1週間の新規感染者数(10万人あたり)、⑤新規感染者数の前週比、⑥感染経路不明割合。12日時点の数値を中心に各自治体に取材したところ、千葉、東京、兵庫、福岡が「ステージ4」の基準値を6つの指標すべてで超えていた。栃木、神奈川、大阪、熊本は5つ、埼玉、岐阜、愛知、京都、宮崎、沖縄は4つで上回った。

 「ステージ3」でみると、24自治体が4つ以上、32自治体が3つ以上の基準値を超えていた。今回の「緊急事態宣言」で、政府は「ステージ3相当」になることが解除の基準。だが、「ステージ3」でも医療にかなり負荷がかかった状態にあり、政府は解除後も「ステージ2相当」以下になるまで必要な対策を続けるとしている。

 政府の「分科会」による感染状況の4段階(ステージ)と6つの指標 出典:NHK WEB NEWS

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●熊本県が独自の「緊急事態宣言」を発令

 感染が急拡大していることから、熊本県は14日、独自の「緊急事態宣言」を発令し、県民に不要不急の外出自粛などを要請した。今月18日からは県内すべての飲食店に対し、酒類の提供を午後7時までとし、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請する。要請に全面的に応じた飲食店には1日当たり4万円の協力金を支給する。

 また三重県も、県独自の「緊急警戒宣言」を出し、愛知県に近い県北部にあり、感染状況が悪化している桑名市と四日市市、鈴鹿市の3つの市で、1月18日から酒を提供する飲食店などの営業時間を午後9時までに短縮するよう要請した。すでに宮崎県が独自の「緊急事態宣言」を出していて、各地でこうした動きが相次いでいる。

●西村経済再生相、広島市に宣言対象地域と同様の財政支援

 西村経済再生相は記者会見で、感染状況が悪化している広島市について「緊急事態宣言」の対象地域に準じた措置が必要だとして、宣言の対象地域と同様の財政支援を行う方向で最終調整を進める考えを明らかにした。これによって政府は、営業時間の短縮要請に応じた飲食店への協力金を1日あたり6万円に引き上げることなどへの財政支援を行う。

 政府は、感染が急速に拡大し「ステージ4」に近づきつつある場合は、「緊急事態宣言」が出されていない地域でも同様の措置として財政面での支援を拡充することにしている。西村氏は参議院内閣委員会の閉会中審査で、「緊急事態宣言」の対象地域について「今後、状況次第では追加もあるが、全国に拡大するかは慎重に考えなければいけない」と述べ、全国拡大に否定的な考えを示し、一方で状況次第では対象地域のさらなる追加もありうるという認識を示した。

●吉村府知事、宣言解除「目安は1日の感染者数300人以下」

 大阪府の吉村知事は、現在出されている「緊急事態宣言」の解除について「安定的に『ステージ3』の状況に早くなることが1つの国の解除基準だ。大阪での1つの目安としては、1日の感染者数が300人を安定的に下回ることがめどだ」と述べ、府内の日々の感染者数が300人以下に減少することが1つの基準になるという認識を示した。

●官房長官、宣言解除基準めぐる専門家試算 「一定の仮定」認識

 「緊急事態宣言」をめぐり、専門家が、東京の感染者数が1日当たり500人を下回った段階で対策を緩和すれば、再び感染が拡大しかねないと指摘したことについて、加藤官房長官は「シミたュレーションは、一定の仮定を置いたうえで試算されたものだと承知しており、今後の感染者数の見通しは、どうしても一定の仮定を置かざるをえないと思う」と述べ、今後の対応を慎重に判断していく考えを強調した。

●全国で新たに6606人感染 大阪の死者が全国最多に

 国内感染者は14日、新たに6606人が確認された。全国で66人が亡くなった。厚労省によると、13日時点の全国の重症者は前日より20人多い920人となり、過去最多を11日連続で更新した。

 11人の死亡が確認された大阪府では、死者の合計が714人となった。東京都の707人を上回り、大阪府が最も多くなった。東京都の新たな感染者は1502人。2日連続で1千人を超えた。また、都基準の重症者数は、前日から6人減って135人となった。このほか神奈川県が985人、大阪府が592人、愛知県が312人、福岡県が341人だった。千葉県では488人、宮城県は87人となり、両県とも過去最多となった。

【1月15日】

●仏、外出禁止を午後6時に前倒しへ コロナ変異ウイルス拡大

 フランス政府は変異した新型コロナの感染者が連日数100単位にのぼるとみられることから、感染が再び拡大しかねないとして夜間の外出禁止の開始時間を、これまでの午後8時から午後6時に2時間前倒しすることを決めた。さらにEUの域外からの渡航者に対して7日間の自主隔離を求めるなど対策を強化している。

 フランスの首都パリ近郊で、イギリスに渡航歴のない人が変異した新型コロナに感染していたことが1月上旬に確認され、地元の自治体は、およそ4万人の住民のうち希望者全員にPCR検査を行うと発表。1月9日から13日にかけて、人口およそ4万のうち希望した住民2100人余りにPCR検査を実施。変異ウイルスへの感染が疑われるケースが2例見つかった。

●コロナ病床増「勧告」可能に 感染症法改正案 病院へ要求を強める

 厚労省は15日、感染症法を改正する方針を「専門家組織」に示し、了承された。新型コロナ患者を受け入れる病床を確保するため、医療機関への協力「要請」を「勧告」に強める。正当な理由がなく応じない場合、厚労相や都道府県知事が機関名を公表できるようにする。また、入院措置に従わない人や保健所の疫学調査を拒否した人に対して同法で罰則を設ける方針も示した。

 この「要請」から「勧告」に強め、医療機関に協力を迫る背景には、患者を受け入れる病床が思うように増えない現実がある。厚労省の調査では、公立病院の約6割がコロナ患者を受け入れているのに対し、民間病院では2割程度。民間病院は医療機関全体の7割を占めており、政府はより多くの民間病院に協力を得たい考え。ただ、病院側には規模が小さいと感染対策が難しいといった事情があって法改正の効果は見通せない。

 医療機関への勧告には目立った異論はなかったが、入院措置に従わない人らへの罰則については議論になった。厚労省の担当者は「入院を拒否したり、入院中に逃げ出したりした例が多く報告されている」として、罰則の必要性を強調した。政府は刑事罰として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を設ける方向で最終調整している。

 感染経路を追う保健所の疫学調査を拒否したり、虚偽の回答をしたりした場合にも罰則を設ける。対象は患者や感染の疑いがある人で、濃厚接触者は対象外とした。これに対し、委員からは雇用主など周囲からの圧力で入院や疫学調査を拒否するケースもあるとして、「よく考えなければ、検査を受けないことが最善の選択となりかねない」との意見が出た。政府は改正案を18日に開会する通常国会に提出する予定で、早期の成立をめざす

●コロナ感染者の“入院拒否”に刑事罰 学会が反対声明

 政府が、感染症法を改正し、入院勧告を拒否した感染者に対する刑事罰を検討していることについて、医学関係の学会で作る日本医学会連合は、刑事罰や罰則を伴う条項を設けないよう求める緊急声明を出した。罰則を伴う強制によって恐怖や不安、差別を引き起こすことにつながり、対策への協力が得られなくなるおそれがあるほか、刑事罰や罰則を恐れて検査を受けなかったり検査結果を隠したりして対策が困難になると想定されると指摘している。

●首都圏の病床・看護師不足 通常医療も圧迫 入院・手術の延期要請

 首都圏1都3県に2度目の「緊急事態宣言」が出て1週間余り。新型コロナの感染拡大に歯止めはかからず、医療提供体制の逼迫ぶりは深刻さを増している。各都県とも病床の確保を急ぐが、通常医療の患者らにも影響が及び始めている。
 
 神奈川県は、今後の医療提供体制について、「今月27日ごろに患者数が病床の数を超える」という危機的な予測を立てている。県が14日に明らかにしたデータによると、新型コロナの重症者をすぐに受け入れられる108床のうちすでに9割超の病床を使用。中等症・軽症者向けの847床も9割が使用。ピーク時には計1939床を確保する想定だが、実際に確保できている病床とは984床の差がある。

 県は感染が拡大し始めた昨年11月下旬、入院させる人の絞り込みに着手。65歳以上の高齢者や基礎疾患がある患者は軽症や無症状でも入院させていたが、症状が軽い高齢者や基礎疾患のリスクが低い患者は、自宅や宿泊療養施設でも療養できるようにした。それでも感染者が急増、年明けには感染者を受け入れている医療機関に対し、延期できると判断した入院・手術は1カ月ほど延期するよう要請した。

 埼玉県でも14日現在、コロナ患者用に確保した1267床の使用率は7割に迫る。病床の確保は難航し、重症患者向けに200床の確保を目標とするが、めどがついたのは7割程度。14日時点の使用率は5割を超え、重症患者の増加でさらに高まる傾向が続く。これまで重症患者を受け入れていなかった病院でも高度な治療をせざるを得ず、県は人工呼吸器の扱いを訓練する看護師ら向けの研修を開くなど、人材養成を急ピッチで進めている。
 
 千葉県医師会の入江会長は、「ベッドがあっても看護師が足りない。現場はぎりぎり」と訴える。14日時点の重症患者は、1カ月前と比べて2倍超の40人。重症患者は病院への負荷がより大きい。特に高齢の重症患者は、複数の看護師でケアが必要な場合もあり、「看護に加えて、介護も必要だ」という。

 東京都内の入院患者は14日時点で3133人に上り、確保した4千床の8割近くが埋まる。急増しているのが、自宅療養者や入院・療養先が調整中の感染者。14日時点で自宅療養が8837人、調整中が6575人、合計数はこの1カ月で7.6倍。都内では昨年末以降、自宅で療養していた50~50代の男女3人が死亡した。都医師会の猪口副会長は14日の都の会議で、いまのペースで感染者が増えれば、1週間後には入院患者が約4600人、2週間後には約7千人に上るとの試算を公表。「医療提供体制は破綻の危機に直面する」と強調した。

●全国の重症者、最多更新12日連続

 新型コロナの感染が国内で初めて確認されてから15日で1年になった。しかし、収束の兆しは見えず、15日は全国で7千人を超え、新たに7133人が確認された。6日ぶりに7千人を超えた。死者は全国で78人増。15日までに亡くなった人は4400人を超えている。厚労省によると、14日時点の重症者は前日より14人増えて全国で934人と、過去最多を12日連続で更新した。

 以下4枚の図は、1月15日の感染状況 NHK新型コロナウイルス特設サイトより転載。 

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20210115_serious
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 東京都の感染者は2001人で、9日の2268人以来、6日ぶりに2千人を上回った。

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 千葉県では、過去最多の504人の感染が確認された。茨城県の大井川知事は、独自の「緊急事態宣言」を出すと発表。県内全域の飲食店に午後8時~午前5時の営業自粛を求める。期間は18日~2月7日。政府への「緊急事態宣言」の要請については「もう少し様子を見る」とした。厚労省は15日、新たに10~40代の7人が変異ウイルスに感染していたことがわかったと発表した。

 

 ★ ★ ★

 とうとう政府は「緊急事態宣言」発出に追い込まれた。経済への影響を最も懸念していた菅首相だが、感染者は急増し医療は逼迫、後手・後手に回った対応に医療専門家や野党のみならず、自民党・政権内部や自治体からも批判の矢。菅首相は「緊急事態宣言」これまで消極的だった。宣言の7日夜の記者会見では、表情が険しかった。「緊急事態宣言」を出した7日は、国内の感染者数は7500人を超えた。昨年4月に「緊急事態宣言」が出た際の約20倍だそうだ。

 昨年11月20日以降3回にわたり、政府「分科会」はトラベルなどの運用見直しを強く提言した。医師会の等の専門家からの医療危機の訴えもあったが、耳を貸さなかったのか。「感染拡大防止と経済の両立」を掲げ、経済に打撃を与える宣言に否定的だった菅政権のコロナ対応は、「アクセル」と「ブレーキ」のかけ方を間違えたのだ。

 政府が打ち出した「勝負の3週間」が終わる2日前の12月14日。この頃には政府のコロナ対応を批判する声が高まり、内閣支持率も急落、やっと目が覚めたのだろうか。しかし「GoToトラベル」の全国一時停止を表明したその日の夜、多人数での食事の自粛を呼びかけながら、 都内の高級ステーキ店で二階幹事長ら8人で会食、国民の不評を買った。

 二階氏は「会食を目的に会っているのではない」などと開き直ったが、政権の言動と世論とのズレは大きい。国民に行動変容を呼びかけながら、その当事者である政権幹部らが相反する。首相らは、周囲が見えなくなっている。

 「緊急事態宣言」で休業要請に実効性を備えるため、政府が早期成立をめざす特別措置法の改正、1月18日から開会する国会に提出する。野党が、昨年の臨時国会の会期延長で求めていたものだった。だが、政府・与党は政権批判から逃げるためか、閉会してしまった。今になって自民党幹部からも、第3波が来ると言われていたんだから、あのときの臨時国会を開いて改正すべきだったと・・・。

 政府は「長期間、コロナ対応を強いるのは無理」と1カ月での宣言解除を期待する。生活や経済に大きな影響がある「緊急事態宣言」は、対策と解除の条件の適切な設定が重要だという。政府の「諮問委員会」で異論が噴出したのは、宣言解除の条件だった。政府案では、感染状況のうち、2番目に深刻な「ステージ3」をゴールとしていた。

 今の東京都は、最悪レベルの「ステージ4」。「ステージ3」でも感染者は多く、医療現場は逼迫している。「ステージ2」で、ようやく医療公衆衛生が通常運転になりうる状況。「ステージ3」での解除は早すぎる。対策の効果が確認できる時期を考えると、1カ月後に解除する判断するのは無理だ。尾身会長も7日の会見で、「確かに1カ月未満に、ステージ3に近づけるということは簡単ではありません」と認めた。

 そもそも宣言を出すタイミングが「遅すぎた」。思い切った対策を取らないと、波はまたやってくる。だらだら感染が続くのは、最もダメージが大きいという。第1波からもうすぐ1年になろうとしている。これまでの政府の感染対応の経験は、活かされているのだろうか。昨春から、何も進歩ががないのではないかと思わざるを得ない。

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