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2021年2月の4件の投稿

2021年2月26日 (金)

千葉・南房総の日帰り旅

 2021年2月18日(木)、南房総国定公園に指定されている千葉・南房総エリアを巡る。


 深夜出発、東京外環・東関東道・京葉道路・千葉東金を経て、午前3:55圏央道の茂原長南IC出口から高速を降りる。 県道409号を南下、いすみ市方面へ国道465号、御宿町へ県道17号を走り、4:45御宿駅通過、4:55御宿町の海岸に到着。

 5:25まで、御宿町の公営岩和田海岸駐車場で休憩。気温は1℃、ここまで走行距離190Km。御宿には、網代湾を囲む美しい白浜が弧を描くように約2Kmに渡り続き、岩和田、御宿中央、浜の3つの海水浴場がある。海岸沿いにはリゾートマンションなどが林立。童謡『月の砂漠』の舞台としても知られ、海岸には「月の砂漠記念像」も建つ。屋外プール「御宿町営ウォーターパーク」もある。近くに「メキシコ記念塔」と呼ばれる町のシンボルが建つ。

 駐車場から東へ約1km先、道路右手に小さな駐車スペース。藪の中の細い道を海岸へ下る。

●大波月海岸 5:30~7:50

 小さい砂浜と岩場のある景勝地。「ローソク岩」付近の日の出を待つ。

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 日の出は、6:28頃。

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 干潮時刻は午前2時頃、次第に潮が満ちて来て(満潮は8時頃)、波が海岸に打ち寄せる。

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 大月波海岸を離れ、国道128号を南下し勝浦市へ。


●勝浦港 8:20~9:40

 勝浦港の墨名(とな)市営駐車場に車を駐める。「KAPPY ビジターセンター」(勝浦市観光協会)に寄り、勝浦港と「勝浦朝市」を散策。

 勝浦の市域は、1955年(昭和30年)の合併前の行政区から、北東部を総野(ふさの)地区、北西部を上野(うえの)地区、南東部を勝浦地区、南西部を興津(おきつ)地区と呼ばれている。勝浦市は、県下では銚子港に次ぐ水揚げを誇る漁業の町、勝浦港は全国でも有数のカツオの水揚港で関東一。水揚げされているカツオの半数以上は、高知県や宮崎県などの県外所属の中型船も多いという。

 市内には屈指の透明度を誇る守谷海水浴場など、数ヶ所の海水浴場がある、釣りやサーフィンなどが楽しめ、「かつうら海中公園・海中展望塔」、「海の博物館」、「鵜原理想郷」、「尾名浦」など観光スポットも点在、リゾート地としても知られている。

 勝浦港に停泊する千葉県漁業取締船「ふさかぜ」145トン、県勝浦水産事務所の所属。

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 勝浦港に停泊する巡視艇「かつかぜ」26トン、海上保安庁勝浦海上保安署の所属。

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 日本三大朝市のひとつ「勝浦朝市」は、430年続く青空マーケット。1591年(天正19年)、旗本の植村守泰忠によって産業振興のために開設されたのが始まりという。漁港近くの路地で早朝6時から11時まで、水曜を除き毎日行わている。新鮮な魚介類や野菜や民芸品が並び、地元住民と遠方からの訪問者、観光客の人気を集めている。といっても、このコロナ禍の時期では、買物客もパラパラ、露天の並びもまばら。

 朝市で、金目鯛2枚・赤魚2枚の干物(合計1,000円弱)と山菜のフキノトウ(200円)を購入。

 勝浦港の直ぐ近くには、全室オーシャンビュー、絶景スパ(屋外プール)&屋内スパ(プール)の館内設備で知られる「勝浦ホテル三日月」。

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 9:40駐車場を出て、海岸沿いの国道128号を更に南下する。

 10:10~10:30、セブンイレブン天津小湊店(鴨川市天津小湊)に寄り、トーストサンドとんかつ(399円)の朝食。天津小湊(旧天津小湊町)には、古くから漁師町として発展、日蓮の誕生を記念して建立された日蓮宗の大本山「誕生寺」が有名。

 鴨川市の中心街から、海岸沿いを離れて県道34号(長狭街道)を西進、鋸南(きょなん)町の山間部に向かう。

●水仙郷と水仙ロード

 県道34号から湯沢バス停のある分岐を南下、佐久間ダム方面に向かう。11:40、T字路に「をくずれ水仙郷」看板の店があるが、閉まっている。次のURLは、2019年4月撮影のGoogleマップの写真。

 https://goo.gl/maps/UJWWcUK4uczopmf86

 T字路を右折すると、頼朝桜で有名な佐久間ダム親水公園。直進し八雲神社方面に向かう。大崩公民館前まで行くが「をくずれ水仙郷」(鋸南市大崩)が見当たらず。付近の道路脇に咲く水仙の花は、見頃を過ぎているようだ。次のURLは、2011年1月撮影のGoogleマップ「をくずれ水仙郷」の写真。

 https://goo.gl/maps/WPJXPt1oBspLemfHA

 11:50 大崩公民館でUターン、「江月(えづき)水仙ロード」(鋸南市江月)に向かう。湯沢バス停分岐の戻り、更に県道34号を西進。鋸南町の市街地・保田に出て、海岸沿いの国道127号を南下する。「江月水仙ロード」は、国道127号から左折して「水仙ロード」を東進することになるが、時間の都合であきらめ、南下を続ける。次のURLは、2017年12月撮影のGoogleマップ「江月水仙ロード」の写真。

 https://goo.gl/maps/wLtvHXtAhbneS6mWA

 房州の花づくりは安政年間(1854年~1860年)、保田地区に咲く日本水仙が「元名(もとな)水仙」と呼ばれ、船で江戸に運ばれたのが始まりとされる。現在では、越前、淡路と並ぶ日本三大水仙群生地とされ、毎年1,000万本近い水仙がここから市場に出荷されているそうだ。

 鋸南町「水仙まつり」の開催場所は、「江月水仙ロード」(鋸南町江月)と「をくづれ水仙郷」(鋸南町大崩)の2か所の水仙の名所で開催。「江月水仙ロード」では、数千万本の水仙が山の斜面や、休耕田を利用して栽培されているという。

 「をくずれ水仙郷」は、佐久間ダム湖から大崩(おくずれ)地区にかけて広がる水仙郷で、往復で2.2㎞ほどの間に水仙が咲き誇るという。「水仙まつり」は、12月中旬~2月初とある。今年は、コロナ禍の中、開催されたのだろうか。いずれにせよこの時期、花の見頃は過ぎていた。

●原岡海岸 12:40~13:00

 原岡海水浴場(南房総市富浦)の浜辺に出ると「富士見の丘 岡本桟橋 出会いの聖地」の看板。「原岡桟橋」は、通称「岡本桟橋」と呼ばれる。

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 砂浜から海に突き出ている珍しい木製の「厚岡桟橋」はテレビなどで取り上げられ、観光名所に。東京湾越しに見える富士山と美しい夕日を望むことができる絶景スポット。夕暮れになると電灯が光り、どこか懐かしいレトロな雰囲気で、インスタ映えするという。映画、自動車会社やカメラ会社等のCMなどのロケ地として使われた。

 右手に雲に隠れた冠雪の富士山。

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 原岡桟橋を離れ、国道127号を再び南下。


●道の駅とみうら 枇杷倶楽部 13:10~13:50

 道の駅で昼食・休憩。日替り地魚丼(1,078円)。次のURLは、2021年2月撮影のGoogleマップ「道の駅とみうら枇杷倶楽部」の写真。

 https://goo.gl/maps/HVXzNWMSn4BSMrQE8  

 

 国道127号、国道410号を南下し、南房総市白浜へ。左手の山側に「ホテル・ジャングルパレス」がある。次のURLは、2019年5月撮影のGoogleマップの写真。

 https://goo.gl/maps/nNVPkQemo7R2Dkda9

 ここから2~300m離れた右手の海側に、2020年8月に閉鎖されたという旧「白浜フラワーパークOcean’s」がある。千葉県で一番人気のあるキャンプ場だったらしい。閉鎖の理由は、ZOZO前社長の前澤友作氏が、母体の「ホテル・ジャングルパレス」を買収したためという。

 『FRIDAY』2020年9月18日号よると買収の目的は、台風被害やコロナの影響で観光客が激減してしまった南房総地域を、その素晴らしいロケーションや特産物などを最大限に活かした事業などを行うことで、地域活性に繋げることだという。具体的な事業に関してはまだ決まってないそうだ。ホテルは今でも営業してるらしいが、キャンプ場は荒廃している。
 

●根本海岸 14:50~17:50

 旧「白浜フラワーパークOcean’s」の空き地に車を駐め、浜辺に下りる。

 下りる途中に、「南房総の地震隆起段丘」(県指定天然記念物)があるというが、気がつかなかった。房総半島は、関東地震のたびに隆起しているとう。大正の関東大震災でも約2m隆起した。このため海岸付近には、海岸段丘がいくつもあるという。次のURLは、2018年1月撮影のGoogleマップ「南房総の地震隆起段丘」の写真。

 https://goo.gl/maps/b3dMTv1svQ6fSMHm9

 浜辺から見る「ホテル・ジャングルパレス」。

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 洗濯岩にびっしりと緑色の岩海苔。

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 この辺りの地層は、約2500万年~500万年前のもの、「千倉累層畑互層」と呼ばれている。太平洋プレートはユーラシアプレートに向けて押し寄せてきおり、この地層はその力によって大きく押し曲げられ、大きく波のようにうねった「褶曲構造」となった地層の一部であるという。

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 直立した地層は、泥岩と暗灰色の凝灰質砂岩が、10cm前後の厚さで交互に堆積。褶曲構造が侵食され、固い部分が残されたもの。よく観ると、海岸から見て右下がりに傾いている部分と左下がりに傾いている部分がある。後背の山にも直立した地層を見ることができるという。屏風のように直立した地層は、「白浜の屏風岩」と呼ばれる。

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 干潮時刻は14:40ころ。ここに来た頃から潮が満ち始めて来て(満潮は20:50頃)、大波が海岸に打ち寄せ、岩が隠れ始めた。

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  日の入りは、17:26頃。

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 根本海岸を離れ、国道410号、国道127号を北上、再び原岡海水浴場に戻る。

●原岡海岸 18:15~18:30

 再び原岡桟橋に来てみると、夕日は既に沈み、空も雲で覆われて真っ暗。

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 夕日が沈む前後の風景が、一番が美しいらしい。電灯の回りだけが明々としてるが、暗すぎる。

 ここまで、走行距離330km。帰路へ。18:35、富津館山の富浦IC入口。館山道、京葉道路、東京外環と高速を走る。

 21:10、出発地へ帰着。往復の走行距離は、530Km。21:35自宅着。

 

 ★ ★ ★ 

●御宿町のメキシコ記念塔

 「日西墨(にっせいぼく)三国交通発祥記念之碑」は、御宿町岩和田にあるオベリスク型の記念碑で、通称は「メキシコ記念塔」と呼ばれ町のシンボル。鉄筋コンクリート製で高さ17m。

 「メキシコ記念塔」 出典:ウィキメディア・コモンズ

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 1609年(慶長14年)、スペインの前フィリピン臨時総督ドン・ロドリゴの乗船「サン・フランシスコ」号など3隻は、マニラからアカプルコ(当時スペイン領メキシコ)へ航海中、マリアナ諸島附近で暴風雨に遭遇し難破、岩和田附近の岩礁で座礁し、翌朝に沈没した。遭難者たちは、乗組員373名のうち56名が溺死、317名が海岸に泳ぎ着いて村人たちに救助された。近くの寺に収容され、温かい扱いを受けた。

 遭難者の中にいた日本人キリシタンが通訳となり、彼らはその地が日本の大多喜藩領の岩和田村に近い海岸であることを教えられた。数日後、藩主・本多忠朝が岩和田村を訪れて、ロドリゴ一行を見舞い、幕府への報告を約束し、温情な対応をとった。ロドリゴはその後、大多喜城(現・大多喜町)を経由して江戸城に向かい将軍・徳川秀忠、駿河城で大御所・家康に面会した。

 ロドリゴは、家康とスペイン・メキシコとの友好・交易の協定を結んだ。家康からウィリアム・アダムスが建造したガレオン船の提供を受け、「サン・ブエナベントゥーラ」号(日本名:安針丸)と命名。 ロドリゴのほか、家康の使節アロンソ・ムニョス (フランシスコ会日本管区長)、京商人・田中勝介らを乗せ、1610年(慶長15)浦賀を出帆、アカプリコに無事帰還した。

 その後1612 年(慶長17年)、幕府は直轄領に対して、キリスト教の信仰を禁止する禁教令を発布。伊達政宗の家臣・支倉常長らからなる慶長遣欧使節が派遣された3ヶ月後の1614 年には、その法令を全国に及ぼした。そして、1624年(寛永元年)、幕府はスペイン船の来航を全面禁止。スペイン側も1635年、対日交易の永久閉鎖を決定した。

 漂着事故が、日本とスペイン(西班牙)、およびメキシコ(墨西哥、当時はスペイン領)との直接交流を生むきっかけになったことから、漂着と救助を記念する目的で1928年(昭和3年)に建設された。周囲は、メキシコ記念公園として整備されている。ロドリゴの上陸地点は岩和田の田尻海岸とされ、「ドン・ロドリゴ上陸地」として1966年(昭和41年)に千葉県史跡に指定。

●南房総市

 南房総市は千葉県最南端にあり、南房総の観光都市。市域は森林セラピー基地、海岸部は南房総国定公園に指定されている。温暖な気候を生かしたアイリス・キンセンカなど花卉栽培や房州ビワの産地として知られ、それぞれ生産量は日本一。日本酪農発祥の地である峯岡牧を始めとした酪農や、アワビ・テングサなどの漁業も有名。

 2006年(平成18年)3月、内房側の富山町・富浦町、外房側の白浜町・千倉町・丸山町・和田町、館山市の北に隣接する内陸の三芳村の7町村が合併し、「南房総市」が発足した。行政区域は、館山市を取り囲む形となっており、同市を挟んで富山地区、富浦地区、白浜地区、千倉地区、丸山地区、和田地区、三芳地区と呼称される。

 人口が最も多いのは千倉地区で、外房側の地区の中心地ではあるが、各地区からの中心ではない。市役所は当面、内房側の旧富浦町役場が使用されている。南房総市は商業・医療・交通などの面で、館山市への依存し、全域が館山都市圏に属している。ただ和田地区は、鴨川市(天津小湊町と合併)との結びつきも強い。館山市を含めた合併協議会では、新市名や「駆け込み公共事業」 で館山市と周辺8町村が対立して破談となった。このため町村のみで合併せざるを得ず、変則的な行政区域となったという。

2021年2月15日 (月)

森林公園2021梅林と椿園

 2021年2月14日(日)、「武蔵丘陵森林公園」(埼玉県滑川町)の梅林と椿園へ行く。


●梅林

 10時過ぎ、「武蔵丘陵森林公園」南口から入園。徒歩10分ほどの「梅林」では、早咲き、中咲きの白・桃・紅色の梅の花が見頃。

 ひだまりの南斜面に、約120品種・約500本の梅の木が植栽。

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 園内には数本のロウバイの花。

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 ほかにサンシュやマンサクの花木も。

 梅の木の下には、福寿草が満開。2万本も植栽されているというが、開花しているのはそれほどの数は見当たらない。

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 やはり梅の木の下にはスイセンの花も。見ごろはこれからのようだが、ちらほら開花。

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●椿園

 「梅林」から西へ徒歩5分ほどの「椿園」に寄ってみる。展望塔の下から松林の南斜面に、「江戸ツバキ」を始め全国から集めた約400品種・約1000本の椿・山茶花が植栽。

 早咲きのツバキの花が、チラホラ開花。

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 以下に、開花していた珍しいツバキを掲載する。

 植物名ラベルを確認できなかったが、「薩摩」(さつま)という園芸種か?

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 「薩摩」は、鹿児島の島津家の磯庭園に原木がある椿。純白の千重咲きで、大輪の花を咲かせる。「薩摩紅」と呼ばれる真紅の品種もある。

 「天ヶ下」(あまがした)は、関西ツバキ。濃い紅色地に、白い斑が入る中輪一重のラッパ咲き(花弁が反曲)。関西で栽培されてきた古典品種。

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 「菊更紗」(きくさらさ)は、江戸ツバキ 江戸時代に造られた品種で、千重咲きの中輪。白地に赤い線状の模様、いわゆる更紗模様。

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 「珠錨」(たまいかり)は、肥後ツバキ。桃地の花底に淡桃ぼかしが入る、 一重椀咲き(お椀の形)の中輪。細川藩の武士が愛好し、育ててきた「肥後ツバキ」という品種群がある。

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●山田城址

 公園の南口付近に「山田城址」の案内板があるが、これまで行った事がなかった。

 公園敷地内の松林の中、小高い丘を登ってみると、空堀と土塁の跡。

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 土塁を越えると広場のような郭内にも、一部に土塁が設けられ、空堀もある。

 「山田城址」の説明板が立つ。

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 「山田城」は、園内を通る「鎌倉街道」を押さえるた要衝にあり、戦国時代には松山城の支城であった説、また陣城であったという説もあるという。説明板にあるように1590年(天正18年)の豊臣秀吉による「小田原征伐」の際、北国軍の前田利家らの軍勢によって陥落したといわれている。桜のある花木園あたりに、「山崎城」というのもあったようだ。

 14時過ぎ退園。


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  「森林公園の早春ウォーク」2019年3月15日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-d5b0.html

  「森林公園の観梅ウォーク」 2018年3月19日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-ff07.html

  「森林公園の早春の花」 2017年3月15日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-0609.html


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 ツバキは、容易に交配できるために花色・花形に変異が生じやすく、古くから新しい品種が造られてきた植物。徳川幕府が開かれると、江戸に多くの神社、寺院、武家屋敷が建設され、それにともない多くの庭園が造営され、ツバキも植栽されていった。特に徳川秀忠が吹上御殿に花畑を作り、多くのツバキを含む名花を献上させた。これが「江戸ツバキ」の発祥といわれる。

 江戸時代には将軍のほか、肥後、加賀などの大名や京都の公家などが園芸を好んだことから、庶民の間でも流行し、たくさんの品種が作られた。現在、日本では約3000種類を超える品種が栽培され、欧米でも新品種が次々と造られているという。ツバキは、花の形で分類すると、一重咲き、八重(花弁が重なった)咲き、千重(せんえ=花弁が多く、花芯に雄しべがほとんど見られない)咲きなど約10種類の花形がある。


 この日は、ぽかぽかの天気で、4月並みの最高気温18℃。今年一番の暖かさ。「緊急事態宣言」下であったが、巣ごもりに耐えられず外出したが、マスク姿の家族連れなど、意外にも人出があった。毎年のように3月頃になってからこの公園に来ていた、昨年はコロナで中止。少し早めの2月中旬だった生かせいか、福寿草がこんなに群生しているのは初めて見た。

2021年2月10日 (水)

新型コロナ2021.01 重症最多

 新型コロナウイルスの感染状況は、2020年の秋になって再び増加に転じ「第3波」となって拡大した。今度は高齢者や重症者数も増加し、医療提供体制の逼迫も現実のものとなってきた。年が明けて2021年1月7日、政府は首都圏1都3県に再び「緊急事態宣言」を発出、更に13日には11都府県に拡大した。重症者数は過去最多を更新し、高止まり状態が続く。

 2021年1月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.01 再び宣言」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【1月16日】

●ポンペイオ国務長官「WHOは武漢の研究所の調査を」

 米国のポンペイオ国務長官は、中国・武漢にある「中国科学院武漢ウイルス研究所」について声明を発表。「おととし秋に研究所の複数の研究員が新型コロナウイルス感染症やほかの季節性の病気とよく似た症状になったと信じるに足る理由がある。研究所は新型コロナウイルスに最も近いコウモリのコロナウイルスを遅くとも2016年から研究していた。中国軍のための極秘の研究に関わっていた」などと指摘。14日から武漢入りしているWHO(世界保健機関)の調査チームに対し、徹底した調査を行うよう求めた。

●世界の死者200万人 1日で1.3万人 勢い増す
 
 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、新型コロナによる世界の死者が日本時間の16日午後5時時点で200万9595人で、200万人を超えた。中国で初の死者が出た昨年1月以降、9カ月弱で累計100万人に達したが、それから約3カ月半で100万人が上積みされた。感染者は9300万人を超えている。

 累計死者数が100万人を超えた昨年9月下旬は、1日あたり5千人強(7日平均)のペースで増えていたが、最近では1万3千人強(同)のペースとなっていて、勢いが増している。地域別にみると、新たに報告される死者数は昨年10月下旬ごろから、欧州が最も多くなっている。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「ワクチンは高所得国には早く届いているが、最も貧しい国は手にできていない。科学は成功しているが、結束は失敗している」とのコメントを発表した。

●コロナ禍の状況下でも全力で 初の大学入学共通テスト

 初めての大学入学共通テストの第1日程が16、17の両日行われ、全国で約53万5千人が試験に挑む。30、31日には第2日程が設けられている。コロナ禍の異例の状況での実施。共通テストは31年続いた大学入試センター試験に代わるもの。より思考力・判断力・表現力が試され、英語の配点でリスニングの比重が高まる。全体的に難しくなるとみられている。

 大学入試センターによると、濃厚接触者の受験生は自治体など行政のPCR検査を受け、陰性と判定された上で無症状などの条件を満たせば別室で受験できるが、検査を受けていない場合や検査結果が判明していない場合は受験できない。しかし家族の感染などで濃厚接触者と特定された受験生が、行政のPCR検査を受けられない事態も相次いでいる。

●感染拡大、「緊急事態宣言」対象外でも

 新型コロナの国内感染者は16日、新たに7014人が確認され、2日連続で7千人を超えた。死者は56人増えた。厚生労働省によると、15日時点の重症者は全国で965人で、13日連続で過去最多を更新した。「緊急事態宣言」の対象地域では、埼玉県と福岡県で新規感染者数が過去最多を更新。対象外の地域でも、山口県が過去最多となったほか、群馬県と熊本県と沖縄県が2番目、石川県が3番目の多さとなるなど、各地で感染拡大が続いている。

 東京都は1809人で4日連続で1千人を超え、大阪府は過去3番目に多い629人だった。長崎県は、医療体制が逼迫している長崎市を対象に独自の「緊急事態宣言」を出し、同市内の遊技場など、人の集まる施設に営業時間の短縮を求めた。また、県内全域の飲食店に対しては、午後8時までの営業時間短縮を要請した。

 ポスター「5つの場面」に気をつけよう 出典:内閣官房ホームページ

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【1月17日】

●入院先見つからず80代女性が自宅で死亡 京都府知事が再発防止へ

 12月25日に京都市で感染確認された80代女性が、入院先が見つからずその後、容体が悪化して自宅で死亡していた。京都府の西脇知事は17日の記者会見で「自宅療養中の方が亡くなられたことは痛恨の極みで、心からお見舞いする」と述べた。そのうえで「医療現場の逼迫は認識している。府は症状の重い人から入院の調整にあたっているが、今後は自宅などで療養している人のフォローアップと、的確な入院調整を徹底するよう指示した」と述べ、再発防止に努める考えを示した。

●菅内閣「不支持」49%・「支持」39%で初の逆転、コロナ対策に強い不満か

 読売新聞社が15~17日に実施した全国世論調査で、菅内閣の支持率は39%(前回12月26~27日は45%)、不支持率は49%(前回43%)となり、初めて不支持が支持を逆転。支持率の下落は3回連続。新型コロナ対策への強い不満が表れたとみられる。政党支持率は、自民党37%(同38%)、立憲民主党5%(同3%)などの順で、無党派層は46%(同47%)だった。

●救急、決まらぬ搬送先 「困難」件数、先月の2.3倍

 新型コロナの感染拡大に伴い、救急車を呼んでも搬送先の病院がなかなか決まらない事例が急増している。消防庁の集計によると、救急隊が医療機関に患者の受け入れを3度以上断られたうえ、搬送現場に30分以上滞在した事例を1週間ごとに集計している。全国主要都市の52消防本部では、今月17日までの1週間では計3317件あった。昨年12月6日までの1週間の1410件から、約1カ月半で2.35倍に増えた。

 増加のペースも加速している。12月中と年末年始を挟む今月3日までの週は、前週から100~200件台の増加だった。だが、その翌週となる10日までの週では528件増、17日までの週では610件増に。感染者の増加に伴って増えたとみられる。武田総務相は15日の記者会見で「感染者の増加傾向を受け、医療機関の受け入れ態勢が厳しくなっているとの報告が増えており、今後の推移を十分に注視していく必要がある」とした。

●重症972人、14日連続最多
 
 国内感染者は17日、新たに5760人が確認された。亡くなった人は49人増えた。厚労省によると、16日時点の重症者は972人で、前日より7人増えて14日連続で過去最多を更新した。全国の感染者が5千人台になるのは13日以来。一方で大都市圏では、日曜日としては過去最多の感染者数となるところも相次いだ。東京都1592人、埼玉県433人、千葉県429人、福岡県300人など。京都府内でも1日あたり過去最多の154人の感染が確認された。

【1月18日】

●中国成長率2.3% 主要国唯一プラス成長(毎日新聞)

 中国国家統計局が18日発表した2020年の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質で前年比2.3%増だった。新型コロナの影響で、6.0%増だった2019年からは伸び率が大きく縮小したが、感染の抑え込みにほぼ成功した春以降は経済活動が復調。感染拡大に歯止めがかからない日米欧とは対照的に、主要国で唯一のプラス成長となる見通し。2021年は前年比8%程度の高成長を予想する声が市場には多い。
 
 とはいえ2020年の成長率は、文化大革命の最終年だった1976年(前年比1.66%減)以来44年ぶりの低水準だった。中国政府は2020年のGDPの規模を10年比で倍増する目標を掲げてきたが、実現に必要とされていた2020年の5%台成長には届かず、目標は達成できなかった。

●緊急事態下の国会開会

 第204回通常国会が18日召集され、菅首相は衆参両院の本会議で初めての施政方針演説を行った。「緊急事態宣言」を再発出した現状について「大変申し訳なく思う」と陳謝しつつ、「まずは一日も早く収束させる」と訴えた。ワクチンに関しては、改めて「2月下旬までには接種開始」と強調。コロナ対策の実効性を高めるため特別措置法など関連連法令を改正し、罰則を設ける方針も示した。
 
 昨年10月の臨時国会の所信表明演説では「コロナ対策と経済の両立」を掲げた。この日の演説では、首相肝入りの消費喚起策「GoToキャンペーン」には触れず、「当面は感染症対策に全力を尽くす」と述べた。今夏に予定される東京五輪・パラリンピックについては、「感染対策を万全なものとし、世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現するとの決意の下、準備を進める」と改めて開催への意欲を示した。

●コロナ改正法案、罰則導入が柱 時短拒否、過料最大50万円

 政府は18日、通常国会で早期成立をめざす新型コロナ感染症対応の特別措置法や感染症法などの改正案をまとめた。政府が18日に自民、公明両党に提示。自民は原案通り了承、公明も大筋で受け入れた。今週中にも閣議決定し、2月上旬にも成立させる方針。

 特措法の改正案では、「緊急事態宣言」下で事業者が休業や営業時間短縮の命令に応じなかった場合、50万円以下の過料を設ける。さらに宣言の前段階でも感染拡大防止のために「蔓延(まんえん)防止等重点措置」を新設。都道府県知事が飲食店などに営業時間の変更について権限の強い「命令」をできると規定。この期間に事業者が命令に違反した場合は30万円以下の過料。また命令を出す場合に立ち入り検査や報告を求めることができることも盛り込んだ。拒んだ場合は20万円以下の過料。

 一方感染症法改正案では、入院を拒否した感染者に対し、刑事罰の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科す規定を新設。保健所の疫学調査を正当な理由無く拒否した人には「50万円以下の罰金」とした。刑事罰の導入については、恐怖や差別を引き起こし対策への協力が得られなくなる恐れがあるなどと反対論があり、罰則を恐れて検査を受けない人や、虚偽の検査結果を報告する人が出て、結果的にコロナ対策が困難になるとも指摘されている。

●ワクチン調整、河野氏が担当

 首相は18日夜、記者団にワクチンの円滑な接種に向けて、政府全体の調整を行う担当に河野行政改革相をあてる考えを明らかにした。「態勢を強化する。みなさんに安全で有効なワクチンがお届けできるよう全力で取り組みたい」と述べた。

●都の時短協力金、大企業にも支給 知事方針

 東京都は現在、飲食店やカラオケ店などに、営業時間を午後8時までに短縮するよう求めている。資本金や社員数などによって国が定める中小企業の定義に入る事業者には協力金を支給する一方で、対象外の大企業からは財政支援がないことに「不公平だ」といった声が出ていた。小池知事は18日、支給対象に大企業も含める方針を明らかにした。金額は中小と同じ、1店舗あたり1日6万円とする方向で調整。週内にも決定する見通し。

 同様の時短要請を出している首都圏の神奈川・埼玉・千葉の3県は大企業も協力金の支給対象にしていた。都によると、現在支給の対象としている中小企業は都内に約8万店ある。大企業を含めた店舗数は現在、集計中という。小池知事は18日、都の調査では8~9割の飲食店が時短に応じているとし、「人流を徹底的に抑える必要があることから、もう一歩協力をいただければ」と述べた。

●茨城県が独自の「緊急事態宣言」を発出

 茨城県は新型コロナの感染が急拡大し、病床の確保が追いつかなくなるおそれがあるとして、18日、独自の「緊急事態宣言」を出した。期間は政府の「緊急事態宣言」と同じ2月7日までの予定。県はこの間、特別措置法に基づいて、県内全域での不要不急の外出自粛や、すべての飲食店を対象に、午後8時から午前5時までの営業の自粛を要請。営業時間の短縮に協力した店には、1店舗当たり84万円の協力金を支給する。

●静岡の3人、変異ウイルス感染 市中感染か

 厚労省は18日、静岡県の20~60代の男女3人が、英国で流行したウイルスの変異種に感染していたと発表した。いずれも英国滞在歴はなく、滞在歴がある人との接触も確認できない。陽性になった人の検体の遺伝情報を無作為に解析する過程で、変異ウイルスへの感染が分かった。3人のうち2人は感染経路が不明で、市中感染が起きたかどうか調べている。国内で感染経路不明の変異種の感染者が確認されたのは初めて。

●重症973人、15日連続過去最多

 国内感染者は18日で、新たに4925人が確認された。死者は58人増えた。厚労省によると、17日時点の全国の重症者は973人で、前日より1人増えて15日連続で過去最多を更新した。「緊急事態宣言」の対象地域では、東京都の新規感染者数が1204人で6日連続で1千人を上回った。死者は3人で、うち1人は自宅療養中。自宅療養は18日時点で9442人と過去最多になっている。

 埼玉県では戸田中央総合病院(戸田市)で発生しているクラスターで新たに職員1人の感染を確認、患者らと合わせて計313人になった。県は「国内の医療機関で最大級」とみている。神奈川県の横浜刑務所のクラスターでは新たに受刑者や職員50人の感染が確認され、計88人になった。

【1月19日】

●ワクチンの拡大、欧州苦戦

 日本に先駆けてワクチンの接種を進める欧州で、問題が次々に明らかになっている。欧州の人口は5億を超し、「変異型」への不安は強い。ドイツは昨年12月末、80歳以上の高齢者や介護・緊急医療の従事者から接種を始めた。感染者が多い介護施設には巡回車が回る。だが、自治体によっては接種の準備や手続きに手間取り、高齢者らにうまく情報が行き渡っていないため、なかなか接種にこぎ着けられない人も多い。予約システムの障害や電話がつながらなかったりもしている。

 フランスは、出遅れが目立つ。年明け時点で接種数は516件、同じころドイツは20万件を超えていた。ワクチンが届いても注射針が届かない不手際も。当初、介護施設に入所する75歳以上の高齢者から接種を開始したが、対象者が各地に分散したため接種数が伸び悩んだ。意思確認が難しかったケースもあった。政府は、対象者を医療従事者や消防士、施設に入らないお年寄りらに拡大、接種数を増やす。

 イタリアでは接種数が18日、約116万回に達した。順調に見えるが、州によっては混乱が起きた。北部ロンバルディア州では1月初め、届いたワクチンの数%しか接種されなかった。同州の保健担当者は「医師が冬休み中だったからだ」と釈明、更迭された。

 英国は、2月半ばまでに70歳以上の高齢者ら高リスクの1500万人に接種を終え、9月までにすべての成人への投与を目指す。既に80歳以上の過半数が終えた。それでも2月半ばの目標達成には週200万人以上の接種が必要で、ハードルは高い。3週間としていた接種の間隔を、より多くの人に1回目接種を受けてもらうため、最大12週間に延ばした。接種場所も、更に病院や診療所や薬局の一部にも広げた。保健当局は17日、「週7日24時間接種」を表明。一部ではボランティアが訓練を受け、ワクチン投与に加わっている。

●「初期段階で中国の対応に遅れ」 WHO独立委

 WHOや各国の対応を検証している独立委員会が、18日に中間報告を公表。おととし12月に武漢で確認された原因不明の肺炎は新型のウイルスによるものだと予測できただけの証拠があると主張。「中国の保健当局が去年1月の時点で、より強力な公衆衛生上の措置を取れたのは明白だ」として、感染拡大の初期段階で中国の対応に遅れがあったと指摘。

 WHOについても、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言が去年1月30日まで出されなかったことを疑問視、各国に警告する仕組みをつくり直す必要があるとしている。

●変異ウイルス対策強化で専門組織設置へ 田村厚労相

 田村厚労相は「変異ウイルスが流行している地域から入国する人に対しては、国が直営する『フォローアップセンター』を作り、1日1回、無料通信アプリのLINEや電話などで健康確認をすることを考えている」と述べ、変異した新型コロナについて専門の組織を立ち上げて健康観察や行動確認を強化する考えを明らかにした。

 政府の水際対策では、原則として外国人の入国を全面的に制限しているが、日本人の帰国者や在留資格のある外国人の再入国などは引き続き認められ、入国時に自宅や宿泊施設での14日間の待機を求めている。

 田村憲久(のりひさ)厚生労働大臣、西村康稔(やすとし)経済再生相(コロナ対策担当)、河野太郎行政改革担当相(ワクチン担当) 出典:首相官邸ホームページ

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●ワクチン担当相、役所の縦割り打破狙う

 ワクチン接種の担当の河野行政改革相は19日の記者会見で「安全で有効なワクチンを一人でも多く、一日でも早く接種できるように全力を尽くしたい」と語った。

 接種を巡っては、縦割りの弊害が指摘されている。官邸幹部が「ワクチンが頼みの綱」と語るほど、政権がかける期待は大きい。接種は厚労省、輸送は国交省、冷凍保管は経産省、都道府県との調整は総務省など複数官庁にまたがる一大プロジェクト。行革相として「役所のケツをたたくのが得意」な河野氏を起用することで、早期に接種の環境を整える狙い。

●ワクチン接種「マイナンバーで管理を」 平井デジタル相

 平井卓也デジタル改革相は19日の記者会見で、ワクチン接種の管理にマイナンバーを活用すべきだと主張した。「国民唯一のIDであるマイナンバーとひも付けると間違いが起きない」という。ワクチン担当の河野太行革相と、同日午後に協議した。

 平井氏は記者会見で、厚労省がワクチンの在庫管理や搬送に関するシステム開発を進めていると述べ、「接種に関する情報管理が重要になる局面では協力する」と語った。特に副作用の管理が重要と述べ「誰にいつ何をうったかを確実に管理するのはマイナンバーしかない」と強調。

 政府はこれまで接種記録を自治体の台帳で管理・保存する方針を示してきた。平井氏は「接種は自治体が管理しつつ、どこかで国として全体管理すべきことだ」と訴え、「使わないのは不作為だ」とも言明。具体的なシステム開発計画は未定としつつ、マイナンバーカードを使ったサービス「マイナポータル」を通した接種予約などの構想に言及した。

●希望退職募る上場企業相次ぐ

 コロナ禍が深刻になるなか、社員を減らそうとする企業がめだつ。東京商工リサーチによると、希望退職を今年募集する上場企業は19日時点で21社。昨年1年間は前年の2.6倍の92社。昨年を上回るペースで募集企業が増える。「緊急事態宣言」が大阪など7府県にも拡大された13日には、女性用下着や化粧品を扱う「シャルレ」(神戸市)が50歳以上の社員らを対象に募ると発表。居酒屋チェーン「かんなん丸」(さいたま市)も14日、80人ほどの募集計画を明らかにした。

 昨年は、リーマン・ショック後の2009年に記録した191社以来の多さ。業種別ではアパレルの18社が最多で、自動車関連や電気機器、外食や小売業にも広がった。企業がもともと効率化を進めていたところにコロナ禍が重なった。募集者数(非公表の企業は応募者数)の合計は、判明分だけで1万8千人を超えた。業績の回復が当面見通せない企業が、雇用の削減へとかじを切り始めている。

●広島県知事、2月から広島市の80万人対象にPCR検査へ

 広島県は、感染者が多い広島市中区、東区、南区、西区の住民とこの地域で働く人たち、およそ80万人を対象にPCR検査を実施する。湯崎知事は「できるだけ早い段階、2月の早いタイミングには始めたい」と述べた。「実施期間は1か月くらいはかかる。場合によっては2か月くらいかもしれないが、そういう想定だ」と述べた。

●沖縄県、独自の「緊急事態宣言」 2月7日まで

 沖縄県内での新型コロナ感染拡大を受け、玉城知事は19日、県独自の「緊急事態宣言」を出すと発表した。期間は、1月20日から2月7日までの19日間で、原則として外出しないよう求め、特に午後8時以降の不要不急の外出自粛の徹底を要請している。また、酒類の提供は午後7時までとし、飲食店などに対しては終了時間を午後8時にし、すべての期間要請に応じた事業者には一律68万円の協力金が支給される。

 7市の飲食店などを対象としていた営業時間の短縮要請を県内全域に広げ、時間を午後10時までから午後8時までに前倒しする。時短要請の期間は22日~2月7日。沖縄県内の19日の新規感染者は113人。県独自の宣言を出すのは、昨年4~5月、8~9月の期間以来、3回目。

●重症者1001人、16日連続で過去最多 初の1千人超 

 19日の国内感染者は新たに5320人が確認された。死者は103人増え、1日に発表された死者数としては過去最多となった。厚労省によると、18日時点の全国の重症者は1001人となり、前日より28人増えて16日連続で過去最多を更新、初めて1千人を超えた。

 国内の重症者数(2020/1/18時点) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

 新規感染者数を地域別にみると、東京都が1240人で、7日連続で1千人を上回った。次いで神奈川県が737人、大阪府が525人、千葉県が487人、埼玉県が422人で、「緊急事態宣言」の対象地域が上位を占めた。東京都の死者数は16人、福岡県は8人で、いずれも過去最多となった。また厚労省は19日、空港検疫で感染が確認されていた30代男性2人から英国の変異ウイルスが新たに検出されたと発表。2人は英国とガーナから10日に成田空港に到着、症状はなかった。国内で変異ウイルス感染が確認されたのは計47人となった。

【1月20日】

●バイデン大統領就任「米国結束に全霊」 パリ協定復帰、WHO 残留
 
 ジョー・バイデン元米副大統領が20日、ワシントンの就任式で宣誓し、第46代大統領に就任した。就任演説では「米国人と我々の国を結束させることに、私は全身全霊を捧げる」と訴え、「米国は同盟関係を修復し、世界に再び関与する」と宣言した。バイデン氏は同日夕、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」への復帰や、WHOからの脱退手続き中止を決定し、トランプ前大統領の「米国第一」から脱却し、国際協調路線に回帰する姿勢を明確にした。

●ドイツ 公共交通機関利用時、医療用マスクの着用を義務化へ

 メルケル首相は19日記者会見し、新たに公共交通機関の利用や買い物の際に、一定の基準をクリアした医療用マスクの着用を義務化することを明らかにした。また1月末までとしていた小売店の営業禁止などの措置を、2月14日まで延長することも発表。ドイツでは、感染者数は減少傾向にあるものの、19日の新たな感染者は1万人を超えていて、依然として深刻な状況が続いている。

●首相、従来答弁なぞる 「緊急事態宣言」後、初の質疑

 菅首相が、「緊急事態宣言」を出してから初となる代表質問が20日始まった。立憲民主党の枝野代表は冒頭、「感染拡大は昨年11月には兆候が表れていた。判断の遅れを認め、反省することから始めるべきだ」と首相に反省を促した。そして「後手」に回る政府に対案を繰り出したが、首相から新たな打ち出しは少なく、従来の政策を説明する答弁が目立った。

 また枝野氏は、消費喚起策「GoToキャンペーン」を例に挙げ、「感染が収まらない中で強行すれば火に油を注ぐことは初めから心配されていた」と指摘。「緊急事態宣言」を出した後に、特別措置法を改正する点についても「順序が逆で泥縄そのものだ」と追及した。首相は「専門家の意見も伺いながら対策の判断を行ってきた」と主張。さらに「根拠なき楽観論に立って対応が遅れたとは考えていない」と反論すると、議場から「えー」と疑問視する声が上がった。

 枝野氏は、感染を封じ込め経済も回復しているニュージーランドや台湾に触れ、経済より感染者をなくすことを最優先させる「ゼロコロナ」を目指すよう方針の転換を迫った。これに対し、首相は「緊急事態宣言を発出し、これまでの経験に基づき、効果のある対象に徹底的に対策を行っている」と述べるのみ。また「持続化給付金」と「家賃支援給付金」の継続と再支給を求めたが、「申請期限を(2月15日まで)延長した」と暫定措置に留まった。医療機関への「全額補填」の提案についても、「現場のニーズをくみ取りながら支援を行っている」と現行の政策を述べるだけだった。

 首相が新たな方向性を示したのは、休業手当を払った企業への雇用調整助成金の特例措置を延長することについて、「雇用情勢などを踏まえ、今月までには示す」と述べたぐらい。

●首相、予算案にかたくなな姿勢

 20日の衆院本会議の代表質問で、今国会で早期の成立を目指す第3次補正予算案についても、首相はかたくなな姿勢。編成された時期が「緊急事態宣言」の前だったため、「GoTo」追加予算などが計上されている。枝野氏は「ピント外れの極み」と批判し、「感染症対策に集中したものへと編成し直すべきだ」と訴えた。しかし首相は「組み替えを行わなくても、拡大防止策に十分な予算を確保している」と主張した。

 特別措置法や感染症法を改正し、営業の時短要請に応じない飲食店への過料や、入院を拒んだ感染者への懲役刑を盛り込む方針に、枝野氏が「懲役刑は行き過ぎ」などと見直しを促した。首相は「与野党のご意見も伺いながら、速やかに法案を国会に提出する」と述べるにとどめた。枝野氏は終了後、「一つとして前向きの首相答弁がなかった」。与党内からも「首相は、追い込まれてから決めることが多すぎる」と不満の声。

●訪日客411万人 前年比87%減

 2020年に日本を訪れた外国人は411万5900人、前年比87.1%減だった。観光庁が20日発表した。訪日外国人は昨年2月から激減し始め、3月以降はほとんどいなくなった。東日本大震災があった2011年(621万人)を大幅に下回り、1998年(410万人)以来22年ぶりの低水準となった。

 日本への入国制限が大幅に強化された昨年3月の訪日客数は前年同月比93%減、4~12月は97~99%減だった。政府は当初、東京五輪・パラ開催を見越し、2020年の目標を4千万人としていたが、目標の約10分の1。訪日客はここ数年で急増し、2019年は3188万人と7年連続で過去最高を更新。市場規模も4.8兆円と、国内旅行市場の5分の1ほどまでに成長したが、新型コロナによって急ブレーキがかかった。

●自宅などで体調悪化し死亡197人に 年明け以降急増

 警察庁によると、新型コロナに感染し自宅などで体調が急に悪化して亡くなった人は、去年3月から今年1月20日までに分かっているだけで197人に上ることが分かった。月ごとの推移では、昨年は死者21人の感染が確認された4月を除けば、11月までは10人以下で推移していた。年明け以降急増して今月は75人と、すでに先月56人を上回っている。

 75人のうち、自宅や高齢者施設、宿泊施設などで倒れているところを発見されたり、通報されたりした死者は71人、外出先で見つかったのは4人。体調が悪くても医療機関を受診するまでに時間がかかるなどして、亡くなってから感染が判明するケースも多いという。

 感染後自宅などで体調悪化 死亡(1/20迄) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 全国で感染者が急増し入院ベッドは逼迫。入院先が決まるまで自宅で療養を続ける人の数も増えている。東京では、1月20日時点で入院や宿泊療養などを調整中の患者数が6799人。4週間前と比較して約6倍、8週間前の11月25日と比較して約12倍になるなど急増。埼玉、千葉、大阪でも調整中の患者が1千人を超える。

 自宅で療養する感染者の急変はどう察知できるのか。厚労省は緊急性の高い症状として、「唇が紫色になる」を挙げる。新型コロナ感染症は症状が出てから1週間ほどの時期に、急に悪くなることが多い。国立国際医療研究センターの忽那医師は「そのころに息切れや息苦しさを感じたら、要注意。保健所に伝えて」と話す。自覚症状がないまま、血中の酸素飽和度が下がることもある。自治体が貸し出すなどしている測定器「パルスオキシメーター」が手元にあれば、早く気づけるという。

●重症者1014人、17日連続で過去最多

 国内感染者は20日、新たに5551人が確認された。死者は92人増えた。厚労省によると、19日時点の重症者は前日より13人増えて全国で1014人となり、17日連続で過去最多を更新。重症者が1千人を超えるのは2日連続。東京都の新規感染者は1274人。10人が死亡、このうち80代男性と60代男性は自宅療養者だった。大阪府は506人で、2日連続で500人を上回った。和歌山県では24人、鹿児島県内では59人が確認され、いずれも最多を更新した。

【1月21日】

●バイデン米大統領、コロナ新戦略「科学重視」

 バイデン米大統領は21日、新型コロナ対策の包括的な国家戦略を公表した。バイデン氏は「この1年、我々は連邦政府に頼ることができず、失敗の悲劇的な代償を見てきた」と、トランプ前大統領の対応を批判、今後は連邦政府が前面に出て取り組む姿勢を示した。ただ「事態好転には数カ月かかる」とも話し、国内の死者数が来月にも50万人に達するとの見通し。

 バイデン氏は200頁にわたる国家戦略について「政治ではなく科学に基づく」と表明。さらに、州をまたぐ列車や飛行機などの公共交通でのマスク着用の義務化、国外から入国した人に一定期間の自主隔離の義務化、「国防生産法」に基づき高機能マスクや防護服、検査試薬など不足物資の生産強化などに向け、計10本の大統領令などに署名し、7項目の対策プランも公表した。

 また、国家戦略の発表に合わせて「世界でのリーダーシップを取り戻す」と発言した。WHOからの脱退の中止に加え、ホワイトハウスに世界の保健安全保障を担当するチームを復活させると明らかにした。

●五輪開催、野党「見直しを」 中止・再延期の声相次ぐ

 各メディアの世論調査でも東京五輪・パラの中止や再延期を求める声が多数になっている。21日の衆院本会議で、共産党の志位委員長は、世界各国でのワクチン接種が五輪までに間に合わないことや、多数の医療従事者を五輪に振り向けることは難しいとして、「今夏の開催は中止し、日本と世界のあらゆる力をコロナ収束に集中すべきだ」と求めた。

 これに対し、首相は、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長と「必ず実現する」と合意したことを強調。「感染症対策をしっかり行うことにより、ワクチンを前提としなくても安全・安心な大会を開催できるよう準備を進めていく」と答弁。20日の代表質問で、立憲民主党の枝野代表は「世界的に感染拡大が収まらない以上、希望的観測だけで走るのは無責任」と指摘。「万一の事態に備えたプランBはどのように準備しているのか」と迫った。

 松井大阪市長も20日記者団に「夏までに日本中すべてでワクチンを接種するのは不可能。4年後ろ倒して2024年の開催を目指し、IOCと交渉すべきだ」と延期論を打ち出している。首相はこれまで、五輪開催について「人類が新型コロナに打ち勝った証し」と主張してきた。内閣支持率が低迷するなか、五輪開催は首相にとって政権浮揚の「切り札」。仮に中止に追い込まれれば、今秋に自民党総裁や衆院議員の任期満了を控え、大きな打撃となる。

●モデルナ製ワクチン、治験開始 5月までの承認目標

 武田薬品工業は21日、米モデルナが開発した新型コロナワクチンの国内での臨床試験(治験)を始めたと発表した。治験には20歳以上の200人が参加する予定で、4週間あけて2回接種する。武田は遅くても5月までに厚労省から承認取得を目指す。今回の治験や製品の国内流通は武田が担う。政府はモデルナと武田との間で、6月までに4千万回分(2千万人分)、その後9月までに1千万回分(500万人分)の供給を受ける契約を結んでいる。

 米国では既に接種が始まっており、英国やEUも使用を許可した。審査をする医薬品医療機器総合機構は「民族的な差が有効性や安全性に影響することも考えられる」として、日本人にも治験を実施するよう求めている。武田は準備が整い次第、米国での治験データを元に承認申請する予定で、国内治験データは追加で提出する。

●警察官ら感染1100人超 警察庁

 新型コロナの感染が判明した全国の警察官・警察職員は21日現在で1167人にのぼる。昨年3月以降、各地の警察で確認されてきたが、このうち約4割にあたる477人は今年になってからで、警察でも感染が急増している状況。

 感染は43都道府県警で確認されている。警視庁234人、愛知県警134人、神奈川県警123人、大阪府警109人の順で多い。警察庁の職員の感染は25人。一方警察で留置されている容疑者の感染も、21日までに14都府県警で71人が確認。うち警視庁が40人を占め、愛知県警8人、大阪府警4人など。全国の警察は、新たに留置する容疑者は一定期間、1人1部屋で留置するなどの対策に取り組んでいる。

●宣言2週間、感染高止まり 4都県、病床逼迫 「ステージ3」、厳しい状況

 東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県に「緊急事態宣言」が出され、21日で2週間となった。新規感染者数は一部で減少傾向もみられるものの高止まりの状態。菅首相は、宣言から1カ月以内に「ステージ4」(感染爆発段階)から「3」(感染急増段階)に下げるとしているが、依然厳しい状況にある。あと2週間、どこまで感染状況を改善できるかは未知数。

 直近1週間(14~20日)の人口10万人あたり感染者数は、東京が76.3人と最も多く、神奈川64.0人、千葉50.7人と続く。前週(7~13日)を1とした場合の比較では、東京が0.87と減少している。ただ「ステージ3」に下げるには、東京だと1日あたりの感染者数を500人未満にする必要があるが、専門家は難しい言う。21日も1471人と大幅に上回っているのが実情。「ステージ2」(感染漸増段階)相当まで下げないと、再燃すると専門家から異論も出ている。

●重症なお1千人超

 国内感染者は21日、新たに5655人が確認され、死者は93人増。厚労省によると、20日時点の重症者数は1014人で、19日と同数で17日連続で過去最多を更新。重症者が1千人を超えるのは3日連続。新規感染者数は東京で1471人と9日連続で1千人を上回ったほか、神奈川731人、埼玉436人、千葉481人と首都圏4都県で高止まり状態。大阪府は501人、500人を上回るのは3日連続。愛知県270人。大分県では最多となる33人の感染が確認された。

【1月22日】

●英政府、変異ウイルス「死亡率高い恐れ」 WHOは断定避ける

 英国政府は22日、変異した新型コロナは従来のウイルスよりも「速く広がるだけでなく、死亡率が高い可能性がある」と発表した。ただ、今の時点ではデータには不確実な点が多く、さらに調査が必要としている。英国では感染力が強いとされる変異ウイルスの感染拡大が深刻で、連日、1000人を超える人の死亡が報告されている。

 英国の22日の新規感染者は4万261人、死者は1401人。入院患者数は春のピーク時より約8割多い。背景にあるのが、すでに従来型より優勢となった変異ウイルス。英政府のバランス首席科学顧問によると、変異ウイルスは従来のウイルスより30~70%、感染が広がりやすい。検査で陽性になった60代男性の場合でみると、死亡率は従来型は1%だったが、変異型は1.3~1.4%、他の年代層でも同様の傾向がみられるという。顧問は、「死亡率の増加が明らかに懸念される」と語った。

 一方、WHOの感染症専門家は22日、英国の変異ウイルスについて、「重症度が増したとは確認されていない」と述べ、患者が増えて医療機関の負担が増えた結果、死亡率が高くなっている可能性に言及した。同時に「もっと情報が必要だ」と強調し、断定は避けた。

●政府、特措法と感染症法の改正案を閣議決定 刑事罰に反対の声

 新型コロナ対策の実効性を高める必要があるとして政府は22日の閣議で、特別措置法と感染症法などの刑事罰を含む改正案、検疫法改正案を同時に閣議決定。政府・与党は、三つの改正案を一括して審議する方針。2月初旬を目標に成立を急いでいる。刑事罰の適用については、野党や日本医学会連合、日弁連などからは差別や偏見を助長するなどとして反対の声が上がっている。与党は罰則の見直しも含め、野党との法案修正の協議に入る。

 特措法では、「緊急事態宣言」前から命令違反者に行政罰の過料をかけられる「蔓延防止等重点措置」を新たに設ける。営業時間の短縮を含む施設の使用制限やイベントの開催中止など、現行法で知事が行える「指示」を「命令」に変更。命令に違反した場合に30万円以下の過料。命令に必要な範囲で、知事が飲食店などに立ち入り検査、報告を求めることもできる。拒否した場合、20万円以下の過料とする規定も。一方、休業要請などへの支援措置を国などが効果的に「講じること」と明記する。

 感染症法では、入院拒否や入院先から逃亡した場合に懲役1年以下または100万円以下の罰金を科せるようにする。また、保健所が感染経路などを調べるため行う疫学調査を拒んだり、うその回答をしたりした場合に50万円以下の罰金を科せる。病床確保に向けて、医療機関への協力要請に次の段階の「勧告」を加え、正当な理由がなく応じない場合、公表できる改定も盛り込んだ。

●野党、給付法案を提出 子どもの貧困「両親いる世帯も」

 立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党は22日、低所得の子育て世帯に給付金を支給する法案を提出した。これまでに2度の「臨時特別給付金」が支給されたが、対象はひとり親世帯だった。両親がいても貧困に苦しむ子育て世帯にも支援の手を差し伸べるべきだとして、超党派での成立を目指す。ひとり親世帯の支援については、政府が昨年6月に成立した第2次補正予算で1回目の臨時特別給付金を支給。12月にも予備費を使って再給付した。

 今回提出した法案では、両親がいる世帯も含めた住民税非課税相当の子育て世帯などを対象に1世帯5万円、第2子以降1人に3万円を今年1月と3月に2回支給する。対象は159万世帯で2100億円程度を見込む。法案提出後の会見で、立憲の逢坂誠二議員は「年が明けて、卒業入学というお金が必要な時期を迎える。コロナ禍の中、子どもたちにつらい思いをさせたくない」と、法案の必要性を強調した。今回、支給対象を両親がいる世帯に拡大した背景には、子どもの貧困を支援する団体からの要請があったという。

●コロナ対策、野党提案 政府が後追いも

 野党は新型コロナ対策の提案を次々と打ち出している。22日の参院本会議で代表質問に立った立憲の田名部匡代(たなぶ まさよ)議員は「私たちは、医療や介護施設への慰労金を支給する法案を提出した。ぜひ実現を」と求めた。立憲など野党4党は18日、医療従事者らに20万円の慰労金を支給する法案を国会に提出。菅首相は「現場の関係者に支援が行き届くことが重要」とした。

 特に野党が提案に力を入れているのが、政府の対策からこぼれ落ちる人々への支援策。中小企業への休業支援金の拡充、学生支援の法案などをまとめた。また、PCR検査の拡充も不可欠だとしている。医療や介護に従事する人が検査を希望すれば、公費で行うことを提案している。

 22日までの衆参本会議の代表質問では、政府が野党からの提案に前向きに応じる様子は乏しかった。しかし政府が野党の提案を後追いし、結果的に実現するケースも増えている。自民党の世耕参院幹事長は1月22日、「野党の質問も傾聴に値するものがあった」と語り、政府が与野党の枠を超え危機対応に当たるかも焦点。

●「分科会」尾身会長、「緊急事態宣言」解除に3つの条件

 政府の「分科会」の尾身会長は、22日夜、「緊急事態宣言」を解除するための条件について「個人的な意見」として3つの条件を明らかにした。1つ目は感染状況が「ステージ3」まで下がること。2つ目は「ステージ3」になったからすぐに解除というのではなく、感染状況と医療の逼迫状況の改善が継続しているという動きがあること。3つ目には、解除後も「ステージ2」まで下げられるという見通しがある程度つくことが挙げられると述べた。

●石原伸晃氏に「上級国民」批判  会食、感染即入院

 自民党の石原伸晃(のぶてる)元幹事長(63)は21日PCR検査を受け、22日陽性が判明した。発熱や咳などの症状はない無症状感染。だが不整脈などの持病があるため、大事をとって即日入院した。石原氏は18日国会の本会議に登院、21日には自身が率いる派閥総会に出席。さらに同派閥所属の野田毅元国家公安委員長(79)、坂本哲志一億総活躍担当相(70)らと昼食をとった。2m以上離れ、会話の際はマスクを着けていたというが、石原氏はコロナ感染拡大防止を声高に呼びかけていた立場。2人のPCR検査は陰性だった。

 ネット上では「あれだけ会食ダメといっておきながら、自分たちだけは特権かよ」「症状ある人が入院できないのに、なんで無症状で即入院できるんだ」、感染判明前の行動と合わせて「特別待遇」「上級国民」と怒りの声が上がった。自民党関係者は「昼食時に弁当を配るのもやめて、夜だけでなく昼の会食も控えるよう申し合わせていた。派閥の会長がやってどういうことなのか。すぐ入院できてしまうのも議員特権といわれてしまえば、それまでだ」と嘆く。

 国会議員のコロナ感染は9人目で、昨年末には立憲の羽田雄一郎参院議員が53歳の若さで感染の発症からわずか数日で急死する悲劇があったばかり。口では感染防止、自重を呼び掛けながら、結局は他人事。国会内では議員や秘書、衛視の間で感染が広がっていて、クラスターが起きているのではないかと心配の声も出ている。

●聖火リレー、規模縮小も

 東京オリンピック(五輪)の聖火リレーについて、「緊急事態宣言」が延長された場合、車道を走るリレーを取りやめるなど、規模縮小の可能性があることが22日わかった。大会関係者によると、開催を前提に準備は進めるが、予備案として宣言が出ている地域を中心にリレーをやめて聖火到着の式典のみ行うなど複数の案を検討しているという。

 聖火リレーは3月25日に福島県で始まり、全国を巡回していく。28日には現在「緊急事態宣言」が出ている栃木県に入る。大会組織委員会では現在、感染対策のガイドラインを作成中。大会関係者は「緊急事態宣言が続けば、外出しづらい。プランBとして火を継がずに、式典のみ行うことも一案」と話した。

 組織委や自治体は、アイドルや俳優ら著名人に沿道に観客が殺到する恐れがあるため、公道を極力走らせず、観客の入場を制限できる公園や競技場などを走ってもらう考え。大会関係者は「聖火リレーは駅伝などと違って、大会に向けて機運を盛り上げるのが狙い。観客あってこそ」と話し、沿道の無観客は考えていない。沿道の感染症対策として、3密回避、マスク着用、大声での会話禁止などの呼びかけを徹底する方針。

●都内の女の子、変異ウイルス感染 東京都、警戒

 都内に住む10歳未満の女の子が英国で感染が広がっている変異ウイルスに感染していることが22日確認された。厚労省が「市中感染の可能性がある」としていることをうけて、都は今後、変異ウイルスが広がる可能性も視野に入れて、陽性と判定された一部の検体の遺伝子解析を進め、警戒を続ける。都は12月以降、新型コロナへの感染が確認された1400人余りの検体を調べているが、女の子のほかに変異ウイルスは検出されていない。

●死者108人過去最多 重症者1011人、4日連続で1千人超

 国内感染者は22日で、新たに5046人が確認された。死者は108人増え、1日当たりの死者数としては過去最多。21日時点の重症者は1011人で、4日連続で1千人超え。新規感染者は、東京1175人と10日連続で1千人を上回った。神奈川627人、埼玉358人、千葉463人で、首都圏4都県はいずれも前日より減少したが、高止まりが続いている。

 大阪府では450人の感染が確認され、4日ぶりに500人を下回った。三重県では1日当たりでは最多となる54人が確認された。また、東京都で2人と千葉県1人、自宅療養中だった感染者が死亡した。

【1月23日】

●緊急事態前に決定、GoTo事業費 3次補正予算案審議

 「緊急事態宣言」下の通常国会は週明けから、政府が月内の成立をめざす今年度の第3次補正予算案の審議に入る。ただ、宣言前に決定された「GoToトラベル」事業費など、経済対策が多く入っている。野党からは組み替えを求める声が出ており、激しい論戦が予想される。

 政府が補正予算案に盛り込んだ経済対策は総額19兆1761億円。3本の柱からなり、最も規模が大きいのは、コロナ後を見据えて経済の再生・成長を実現する分野。全体の6割にあたる11兆6766億円。菅首相肝いりの「GoToトラベル」事業に1兆311億円、「GoToイート」に515億円を追加。二つ目は首相が宣言した脱炭素化に向けた企業の研究を支援する基金創設の2兆円。自民党の二階幹事長らが推進する防災・減災、国土強靱化についても、三つめの柱として公共事業などに3兆1414億円が振り向けられた。

 一方で、新型コロナの拡大防止策にあてた金額は4兆3581億円。医療機関の感染防止策への支援に1071億円、ワクチン接種体制の整備や実施に5736億円などをあてる。感染症対策よりも経済に軸足が置かれたのは、補正予算案を議論した時期が昨秋だった。当時、落ち込んだ経済の立て直しが大きな課題だった。昨年12月15日に閣議決定された。

 立憲は独自案を準備。衆院予算委で採決が予定される26日にも、組み替え動議を出す方向で調整している。組み替え案では、政府案のうち「GoToトラベル」、国土強靱化推進、脱炭素化に向けた基金創設など計6兆914億円の削除を要求。「コロナ集中対策」として、医療機関・従事者らや生活困窮者らへの支援、感染防止対策の徹底などに充てるため、新たに17.9兆円の計上を求める。

◆新型コロナ死者、全国で5千人超える

 23日新型コロナに感染し、亡くなった人が全国で5064人(クルーズ船含む) となり、5千人を超えた。都道府県別で23日までに亡くなった人は、累計で大阪府で826人、東京都779人、北海道565人、神奈川県398人、愛知県358人など。4千人に達した今月9日から急増し、わずか2週間で1千人増えた。第3波の感染拡大とともに死者の増加ペースも速まっている。

 全国の死者は1千人から昨年11月24日に2千人に達するまで約4カ月かかった。12月22日に約1カ月で3千人に達すると、1月9日に18日間で4千人を超えた。23日の死者は全国で83人。死者の累計は都道府県別に、大阪府826人、東京都779人、北海道565人、神奈川県398人、愛知県358人の順。国内の死者は、すでにコロナの震源地となった中国(23日時点で4083人=米ジョンズ・ホプキンス大調べ)を上回った。

 国内の死者数累計(2021/1/23時点) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●東京1070人感染 11日連続で1千人

 国内の感染者は23日で、新たに4717人が確認された。19日から4日連続で5千人を超えていたが、5日ぶりに4千人台となった。東京都の新たな感染者は1070人。11日連続で1千人を上回り、土曜日では過去3番目の多さとなった。年代別にみると、最多は20代の206人。40代が180人、50代が154人、30代が136人と続いた。65歳以上の高齢者は250人だった。

【1月24日】

●EUでコロナワクチンの供給遅れる 法的措置検討の国も

 EUでは米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンの接種が先月から始まっているが、24日の時点で少なくとも1回、接種した市民は2%未満にとどまっている。EU各国からは製薬会社からのワクチン供給が遅れていると指摘する声が上がっているが、近く使用許可が出る英アストラゼネカも当初の供給量は予定を下回るとコメントしている。

 EUは24日、会社側に契約どおりの供給を強く求める書面を送った。イタリアのディマイオ外相は地元のテレビで「契約を履行させるようあらゆる手段を尽くす」と述べ、製薬会社に対して法的措置も辞さない姿勢を示すなど、EU各国はいらだちを募らせている。

●厳しい行動制限続くヨーロッパ 反発する若者の動き

 ヨーロッパで新型コロナ対策での厳しい行動制限に反発する若者の動きが相次いでいる。オランダでは24日、前日から出されている夜間の外出禁止令に抗議する若者らが暴徒化し、一部のデモ参加者が警官隊に石や花火を投げつけたり新型コロナの検査施設が放火されたりして、警察が放水したり催涙ガスを発射したりした。また、外出が厳しく制限されている英国では24日、およそ300人が参加してロンドンで開かれたパーティーが警察に摘発された。

●「GoToトラベル」、感染者増加の可能性 京都大学グループ

 「GoToトラベル」が当初の段階で感染の増加に影響した可能性がある、とする研究論文を京都大学の西浦博教授らのグループが国際医学雑誌に発表した。去年5月から8月にかけて、24の県から報告された新型コロナ感染者およそ4000人を分析し、およそ20%が、発症前に旅行していたり旅行者と接触したりするなど旅行関連とみられる感染者だった。

 また、「GoToトラベル」が始まった去年7月22日からの5日間では旅行に関連した感染者は127人で、発生率は前の週の5日間と比べて1.44倍。さらに旅行の目的を観光に限定すると、発生率は前の週の5日間の2.62倍になっていた。論文では、少なくとも初期の段階では感染の増加に影響した可能性があるとしていて、グループでは今後、さらに科学的な証拠が必要だとしている。

●内閣支持33%・不支持45% 「緊急事態再宣言」遅すぎた80%

 朝日新聞社は23、24日に全国世論調査(電話)を実施した。菅内閣の支持率は33%(前回12月39%)に下がり、不支持率は45%(前回35%)に増えて支持を上回った。菅首相が新型コロナ対策で指導力を「発揮している」は15%で、「発揮していない」が73%に達した。

 菅内閣の支持率は、発足直後の昨年9月は65%と高かったが、4カ月で急落。女性の支持率は31%で、男性の36%より低い。支持政党別にみると、自民支持層でも昨年9月87%→65%に、無党派層では同51%→16%に大きく落ちた。

 新型コロナ対応への批判が支持率に大きく影響しているとみられる。これまでの政府の対応を「評価しない」は63%(前回12月56%)で、「評価する」は25%(同33%)。内閣不支持層では、87%が「評価しない」と答えた。11都府県に出した2度目の「緊急事態宣言」について、宣言のタイミングは「遅すぎた」が80%。不要不急の外出の自粛や、飲食店の営業時間の短縮要請を中心とする対策も「不十分だ」が54%と多かった。

●東京986人感染、12日ぶり1千人下回る

 国内感染者は24日で、新たに3990人が確認。感染者が3千人台にまで減るのは、4日以来、20日ぶり。19日から4日連続で5千人を超えていた。死者は56人増。23日時点の重症者は1007人で、6日連続で1千人を超えた。東京都の24日の新たな感染者は986人。感染者が1千人を下回るのは12日の970人以来で、12日ぶり。都基準の重症者数は、前日と同じ156人だった。

【1月25日】

●バイデン大統領「夏までには集団免疫の状態に近づく」

 米国のバイデン大統領は25日、ワクチン接種を加速させることで、夏までには「集団免疫」の状態に近づけられるという見方を示した。一部の州ではワクチンの供給が不足し、接種の予約が取り消される事態になっているが、バイデン大統領は、ワクチン供給の態勢を強化するとしたうえで「夏までには、集団免疫にかなり近づくことに自信を持っている」と述べた。そのうえでマスクの着用を改めて呼びかけた。

●モデルナのワクチン「変異ウイルスにも効果」  南ア種には効果薄い恐れ

 米国の製薬会社モデルナは、英国と南アフリカで見つかった変異したウイルスについてもワクチンが効果を示す結果が得られたと25日発表した。ただ、南アフリカで見つかった変異ウイルスについては、ウイルスの働きを抑える抗体の値が、6分の1に減少したということで、効果を高めるための追加試験や新たなワクチンの臨床試験を始めるとしている。

●GoTo予算、撤回せず 衆議院予算委 首相「再開に備え計上」

 今年度第3次補正予算案の審議が25日、衆院予算委員会で始まった。野党側は、「GoToトラベル」事業として1兆円が計上されている点を問題視し、撤回するよう求めた。予算案は、「緊急事態宣言」の発出前に編成された。感染収束後の経済対策や、「コロナ後」の社会を見すえて中長期に取り組む脱炭素化・デジタル化・国土強靱化などの政策に軸足が置かれている。このため、野党は「菅政権の危機意識の薄さを象徴する予算」などと追及した。

 これに対し首相は、「病床の確保、雇用や事業の支援に加え、必要なコロナ予備費を確保している」と説明。現在停止している「GoToトラベル」は「地域経済の下支えに貢献するものだ」と必要性を強調。「GoTo」停止や「緊急事態宣言」発出の判断が遅れたことを問われた首相は、「後手後手と言われていることは素直に受け止める」と述べる一方、「地域経済への影響、感染状況を踏まえて適切に判断をしてきた」として正当性を訴え、撤回を受入れなかった。

 ワクチン接種については、首相は「感染対策の決め手」と期待感を示し、「接種事務を担う市町村と緊密に連携し、必要な情報提供や支援を行っていくとともに、接種状況などの管理システムを構築していく」と説明。「副反応を含めてワクチンに対する正しい理解を広げるべく、科学的知見に基づいた正確でわかりやすい情報発信をしていきたい」と話した。ただ河野行政改革相はスケジュールについて、「まだワクチンの供給スケジュールが決まっていない。できる限り2月下旬からワクチンの接種を始めたい」と述べるにとどめた。

●ワクチン「開始から9週間以内にすべての高齢者に1回目」 厚労省が指示

 厚労省は25日、ワクチン接種開始から9週間以内に、すべての高齢者が1回目の接種を受けられる体制を整備するよう自治体に指示した。2月下旬から医療従事者を先行して接種、3月下旬をめどに高齢者およそ3600万人に接種できる体制を確保することなどを想定している。

 ファイザーのワクチンは3週間の間隔を空けて2回の接種が必要となる見込みで、全員が1回目の接種を終える前に、2回目の接種が始まることを想定。自治体からは、接種を行う医師や看護師などの人手や接種会場を確保するのが難しいといった声が出ている。

●河野氏、突然「マイナンバーで管理」 政府混乱、首長も批判

 政府・与党が、新型コロナ対応の「切り札」として期待を寄せるワクチン接種。その先行きに新たな課題も出てきた。接種の管理手法をめぐり、政府や自治体に混乱や摩擦も生じている。河野行改相がワクチン担当になる前から、厚労省がワクチン管理のシステムづくりを進めてきたが、マイナンバー活用論が突然、出てきた。

 混乱の始まりは19日。平井デジタル改革相が記者会見で、「誰にいつどのワクチンを打ったか、確実に管理する方法はマイナンバーしかない」とマイナンバー活用を唐突にぶち上げた。菅首相も21日の参院本会議で「マイナンバーの活用も含め、効率的に接種記録を把握できる仕組みも検討する」と述べ、後押しした。

 驚いたのは、すでに自治体への流通管理システムづくりに取り組んでいた厚労省。市区町村の予防接種台帳はもともとマイナンバーとひもづけされている。厚労省はマイナンバーを使ったリアルタイムでの管理は想定しておらず、「どう使おうとしているのか分からない」と困惑。システムを作り替える必要があるのか、ただでさえ多忙な医療現場や市区町村の負担が増えるのかも、はっきりしなかった。

 予防接種は原則、住民票がある市区町村で受ける。1回目の接種後に、接種券(クーポン券)をなくしたり、引っ越しした場合に情報が共有されなかったりするケースも想定される。マイナンバーを接種記録とひもづければ、転居に伴う確認作業が確実にできる。河野氏らは紙媒体の接種券をデジタル発行に替えられないか検討。しかし「予防接種台帳のシステムまでいじると混乱を呼んでしまう」などとして、結局、接種券を残すことになった。

 河野氏は25日、マイナンバーを用いて個人の接種記録をリアルタイムで管理できるシステムづくりを国の費用で進める考えを示した。市区町村が使う予防接種台帳のシステムや、厚労省がつくるシステムには影響を与えないとし、医療従事者の次に優先順位が高い高齢者が接種を始める3月ごろまでに運用をスタートさせる方針。政府関係者によると、個人ごとに接種の年月日や場所、ワクチンの種類、住所などを登録して、全国データベースをつくる。接種予約や、接種証明の発行などにも使えないかなどの案もあるという。

●石原伸晃氏入院に「ラッキー」と弟・良純氏
 
 25日午前に放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」にコメンテータとして出演した俳優の石原良純氏(59)は、兄である伸晃議員の感染判明の経緯や入院について触れ、「無症状ですが、既往症があるということでお医者さんに勧められて入院したということで、今の医療状況の中ではラッキーというか・・・」と語った。「ラッキー」という言葉に、国民は違和感を持つ。

 立憲民主党の小川淳也衆院議員は25日の衆院予算委員会で、石原元幹事長に発熱や咳などの症状がないことに関して、国民の間に疑念の声が出ていると紹介した。「症状がある人が入院できないのに何で無症状で即、入院できるんだという声もある」と語った。自宅療養を強いられている感染者の中には、伸晃議員のように既往症がある人も少なくない。

 小川氏は「現実問題として入院できずに亡くなっている人がいる。疑念が生じるのも無理はない」と指摘。石原氏と昼食を取っていた坂本地方創生担当相の更迭を要求。「会食は駄目と言っておきながら、自分たちだけは特権かという声もある」と述べた。菅首相は更迭を否定した。坂本氏は、石原氏の陽性判明の前日に、野田元自治相とともに石原氏と会食した。

●病床逼迫で搬送先見つからず 一般救急患者2人が心肺停止 名古屋

 名古屋市消防局は、医療体制が逼迫する中、救急患者の搬送先が見つからず、市外の医療機関に搬送する途中で2人が心肺停止になったと25日発表した。22日の夜、70代の女性を救急搬送する際、市内の8つの医療機関に「ベッドが満床」などの理由で断られた。市外の病院に搬送されたが救急要請から到着までには1時間余りが経ち、搬送途中に心肺停止になった。また24日夜、60代の男性を救急搬送する際にも市内の10医療機関から断られる同様の事態で、搬送途中で心肺停止になった。河村たかし市長は26日、報道陣の取材に「申し訳なかった」と陳謝した。

●国内感染2764人、4週間ぶり2千人台

 国内感染者は25日で、新たに2764人が確認された。24日の3990人に続き、2日連続で4千人を下回った。2千人台にまで減るのは2398人(修正値)だった12月28日以来、4週間ぶり。東京都の新規感染者は618人。1千人を下回るのは2日連続で、700人を下回るのは481人だった12月28日以来4週間ぶり。今月23日までは11日連続で1千人を超えていた。都内では新たに14人の死者が明らかになったが、うち80~100歳代の男女4人は入院せずにグループホームや特別養護老人ホームで療養していた

 神奈川県は今年に入って最少の351人。県内では年が明けて以降、900人超の感染者が発表される日もあったが、25日は今月3日以来の300人台。愛知県89人、兵庫県80人などでも年明け以降で最少となった。厚労省によると、24日時点の重症者は全国で1017人。前日より10人増え、4日ぶりに過去最多を更新。重症者が1千人を超えるのは7日連続となった。

【1月26日】

●英国、コロナ死者10万人

 英国で26日、新型コロナに感染して亡くなった人が10万人を超えた。死者が10万人を超えているのは米国、ブラジル、インド、メキシコに続き5カ国目で、欧州では初となる。集計によると、26日には1631人が亡くなり、死者は累計で10万162人となった。このうち4分の3は75歳以上の高齢者だった。感染力が強いとされる変異ウイルスの感染が先月から急速に広がり、今月に入り1日当たりの感染者は6万人を超えた日もある深刻な状況が続く。

 死者の半数は昨年11月以降に亡くなった。政府に助言する科学者らは9月の時点で「感染者数を減らすために今行動しないと、壊滅的な結果を伴う大流行になる」と警鐘を鳴らし、早期のロックダウンを求めていた。政府が実際にイングランドで1カ月のロックダウンに踏み切ったのは11月に入ってから。政府の対応の遅れが死者の増加につながったとの見方がある。

 ジョンソン首相は26日の記者会見で「失われた全ての命におわび申し上げる。首相として、私には政府がしたすべてのことに責任がある」と陳謝した。新規感染者は減少傾向だが、入院患者の数は春のピークより8割ほど多い状態が続き、死者もさらに増えるとみられている。英国で死者が多いことの考えられる理由として、英BBCは、政府の対応の遅れのほか、検査や接触者を追跡するシステムの準備不足、人口の高齢化、肥満率の高さ、世界的な交通の要衝であること・・・などを挙げている。

●「総理、総理、総理!」 久々の辻本劇場 首相袋叩きにネット「ガースーかわいそう」

 国会では26日も衆議院予算委員会が開かれ、立憲民主党の辻元清美副代表の「総理、総理、総理!」コールが久々に響き渡った。コロナ対応をめぐり、集中砲火を浴びる菅首相は弱々しい声で苦しい答弁。辻元副代表はコロナをめぐる医療体制の不備をとりあげ、「公助によって救えなかった命があるという責任はお感じですか」と追及。菅首相は「責任者として申し訳ないと思います」とかすれ声で答弁した。

 首相への質問に対し、田村厚労相らが答弁しようと手を挙げて立ち上がろうとすると、辻元副代表は「ちょっと待って、ちょっと待って、田村さん、あとで当てますから」「総理!総理!総理!総理!なんかもう...そこで逃げるからダメなんですよ、総理は!だから弱々しい総理に見えるんですよ」とヒートアップした。

 また、立憲民主党の篠原孝議員に支持率低下について聞かれた菅首相は「総じてコロナ対策に対しての批判が多い。国民にご理解いただいていない」などと答弁。篠原議員に「総理は頑固なおじさんになってしまった。『ガー』と上がった支持率が『スー』と下がった」と揶揄されていた。

 翌日のワイドショー番組で出演者からは、「こんなに頑張ってこんなに疲弊しています、という演出が入っているような気がします」「途中、もう目がうつろでした」「野党も、攻撃して気持ちよかったというだけで終わっている気がしました」「今、ネット上では若い子たちから『ガースーかわいそう』と言われているそうです」「国難である今は、あまり菅首相を非難しても仕方ないという気もします」などの声。

●「コロナ後」偏重 3次補正

 「GoToトラベル」延長費など、「コロナ後」を見据えた経済対策を盛り込んだ今年度第3次補正予算案は、26日の衆院本会議で、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。立憲民主党や共産党は「GoTo」事業などを撤回し、医療機関や生活困窮者への支援を強めるよう予算の組み替えを求めたが、与党に退けられた。参院の審議を経て、28日に成立する見通し。

 補正予算案における追加経済対策の総額は19兆1761億円で、「緊急事態宣言」が出される前に編成された。新型コロナ感染症の拡大防止策に4兆3581億円が計上された。一方で、感染収束後の経済対策や「コロナ後」の社会を見据えた政策に軸足が置かれている。コロナ後に向けた「経済構造の転換・好循環の実現」として、11兆6766億円を計上。「GoToトラベル」を6月末まで延長する費用として約1兆円、脱炭素化に向けて企業を支援する基金創設に2兆円などが盛り込まれた。

 このため、立憲民主党などの野党は「現在の危機的な状況に対応していない」と指摘。立憲と共産は衆院予算委員会で、「GoTo」や脱炭素化の基金創設など約6兆円分を削除し、「コロナ集中対策」として医療機関・従事者や生活困窮者らへの支援を盛り込むよう組み替えを求める動議を出したが、与党などが反対多数で否決した。

 この日の衆院予算委では、「持続化給付金」と「家賃支援給付金」について、野党側が繰り返し継続と再支給を求めた。これに対し、首相は「今回は飲食店の協力金や、そうした措置の影響を受ける事業者への一時金を支給することにしている」と応じなかった。また、国民に一律の現金を配る「特別定額給付金」についても、「事業者にとって重要な資金繰り、人件費に対する支援を重点的に行っている。再び支給する考えはない」と述べた。

●入院拒否に懲役 削除へ調整

 新型コロナ感染症に対応する感染症法の改正案について、与党は野党側が導入に強く反対しているため 、感染者が入院措置を拒んだ場合に科せる懲役刑の導入を見送る方向で調整に入った。特別措置法改正案も含めた与野党の修正協議は26日から始まっており、早期の法案成立に向けて、野党側の理解を得たい考え。

 22日に閣議決定された感染症法改正案では、入院拒否や入院先から逃亡した場合に「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」とする刑事罰を新設した。野党側はこの規定について、「懲役刑まで設けるのは容認できない」と特に問題視している。26日には衆院厚生労働、内閣両委員会の与野党の筆頭理事が国会内で二つの改正案を約1時間協議した。

 野党側は筆頭間協議で、「支援と罰則のバランスがとれていなければならない」「私権制限は抑制的にするように」などと修正を要求。与党側は検討する方針を伝えた。与党は29日の審議入りをめざしており、27日までに筆頭間で折り合いがつかなかった場合、幹事長会談を開くことも検討。野党側は罰金を含めた刑事罰自体に厳しい姿勢を見せており、与党側の思惑通りに進むかは不透明。

●ワクチン、いつ私たちに

 菅首相が新型コロナの感染防止対策の「決め手」と期待を寄せるワクチン接種。時間の制約と規模の大きさから「史上最大の作戦」とも称されるなか、国民にスムーズにワクチンを行き渡らせることはできるのか。首相は26日の衆院予算委員会で「円滑に接種を進める見通しを一日も早く国民に示し、スケジュールを明らかにし、安心を与えていくことが大事だ」と強調した。

 厚労省は25日、自治体向け説明会で、医療従事者ら約400万人への接種を2月下旬にも始める方針を示した。次に対象となるのは約3600万人の高齢者。同省は態勢が整えば3月下旬から始め、2カ月と3週間で2回の接種を終えるよう求めた。基礎疾患のある人などは4月以降、段階的に始めるという。

 それ以外の国民の接種はいつになるのか。東京五輪の開幕(7月23日)を念頭に、官邸幹部は「できれば7月上旬までに一般国民に行き渡らせるのが理想」と話すが、具体的な時期は不透明。26日の衆院予算委では、ワクチン接種への質問が相次いだが、ワクチン担当の河野行改相は「供給スケジュールとの兼ね合いになる。確定次第、国民に知らせる」と語るにとどまった。政府が全体スケジュールを示せないのは、臨床試験データの提出や承認、ワクチンの供給量など、未確定の事項が数多くあるため。

●ワクチン接種「マイナンバーカード不要」 転居者を管理

 26日午後の衆院予算委員会で日本維新の会の馬場幹事長が、ワクチン接種の管理にマイナンバーを使うことについて説明を求めた。河野氏は「接種の業務そのものにマイナンバーカードは必要ない。自治体が発行するクーポン券、接種券でやる」と答弁。その上で「引っ越しをされる方、居住地以外で打たれた方を追いかけるために、マイナンバーを活用することを検討している」と述べた。入力作業は自治体で行い、接種者が用意する必要はないという。

●神奈川、コロナ病床数2割余り少なく 「ステージ4」目安超える

 神奈川県は、これまで新型コロナ患者用に最大限確保できる病床「確保病床」を1939床としていたが、1月に患者を受け入れている病院を対象に改めて調査した結果、1555床に変更すると発表した。これまでより380床余り、割合にして2割余り少ない。この結果、国が発表している各県ごとの病床の逼迫率にも影響が出ることになり、1月25日の時点では神奈川県の病床使用率は49%余りが、変更後は61%余りとなり、最も深刻な「ステージ4」の目安の50%を超えることになる。

●死者104人、過去2番目
 
 国内感染者は26日で、新たに3853人が確認された。死者は104人増えた。1日あたりの死者数は、過去最多だった22日の108人に次いで多かった。厚労省によると、25日時点の重症者は全国で996人で前日より21人減。1千人を切るのは17日時点以来、8日ぶり。

 東京都の新たな感染者は1026人。25日は618人まで減ったが、3日ぶりに再び1千人台となった。新たな感染者を年代別にみると、最多は20代の189人。30代164人、40代145人、50代142人と続いた。65歳以上の高齢者は270人。都基準の重症者数は、前日と同じ148人だった。死者の内訳は大阪14人、東京、神奈川で各13人、埼玉9人、兵庫7人など。

 厚労省は26日、空港検疫で感染が確認された30代の女性2人から、英国と南アフリカで報告されている変異ウイルスがそれぞれ検出されたと発表した。国内での変異ウイルスの感染確認は計53人となった。

【1月27日】

●世界感染1億人 世界の78人に1人

 米国のジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、世界全体で感染が確認された人は、日本時間の1月27日午前6時半の時点で1億6万3707人と1億人を超えた。人類の約78人に1人が感染したことになる。昨年6月末に1千万人、11月に5千万人を超えた後、その後の約2カ月半で累計感染者は倍増。 最近は毎日60万人前後(7日平均)の新規感染者が報告されている。感染による死者数は215万人を超えた。

 最も感染者数が多いのは米国で約2538万人。昨年11月ごろから新規感染者数が20万人前後の日が続いていた。インド約1067万人、ブラジル約887万人と続く。欧州では昨年10月以降に感染者が急増し、いまも毎日約20万人の感染者が出ている。

 ワクチンの接種は先進国を中心に進んでいるものの、世界全体からみると一部にとどまっている。また変異ウイルスが英国で見つかり、その後、ヨーロッパや中東、アジアなど世界各地で確認されたほか、南アフリカでも別の変異ウイルスが見つかるなど、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。

●ワクチン、途上国置き去り 接種多い4カ国で世界の7割

 新型コロナの世界の感染者が1億人を超えた。感染拡大に歯止めをかけようと各国のワクチン争奪戦が激しさを増すほど、世界規模での格差が生まれている。「豊かな国々がワクチン接種を進め、貧しい国々は成り行きを見ている。世界で持てる者と持たざる者の格差が日々広がっている」。WHOのテドロス事務局長は25日、危機感をあらわにした。

 WHOによると、少なくとも49の高所得国で3900万回以上のワクチンが接種されたが、最貧国の一つのギニアでの接種は25回だけ。欧米で実用化した米ファイザー・独ビオンテック製のワクチンは85%、米モデルナ製は全てを先進国に確保された。英オックスフォード大などが27日午後7時時点で公表しているデータによると、世界で投与されたワクチンは約7100万回。このうち最も多い米国が3割超、中国が約2割、英国が約1割、イスラエルを含めた上位の4カ国で全体の7割を占める。次にアラブ首長国連邦、インド、ドイツ、イタリアなどが続く。

 人口当たりの接種数で世界トップは、人口の約3割となる約270万人に接種したイスラエル。3月末までには、16歳以上の国民全員への接種完了を目指す。ネタニヤフ首相はファイザーのCEOと直接交渉を重ね、他国に先駆けて大型契約を結んだ。通常価格の1.5倍を支払い、感染や接種状況などの統計データを同社に提供することが契約成立の決め手になったという。

 国の貧富にかかわらず、ワクチンの共同購入で、公平に分配する仕組み「COVAXファシリティー」はWHOなどが主導する。年末までに20億回分を確保し、参加国の人口の最大2割に届ける構想を描く。しかし先進国や中進国が競って製薬会社と直接契約を結ぶため、価格が上がり、COVAXに必要量がまわらない恐れが出ている。

 先進国がワクチン接種で感染拡大を抑えても、貿易相手の途上国の感染が収まらなければ、結局は先進国の経済活動にも悪影響が及ぶ。WHOテドロス事務局長は「ワクチンナショナリズムは短期的な政治目標に役立つかもしれないが、公平な分配はすべての国の中長期的な経済利益にかなう」と訴える。

●インド・中国・ロシアのワクチン、無償や低価格で存在感

 途上国へのワクチン供給が世界的な課題となるなか、自国の存在感を高めようと「ワクチン外交」を展開する動きもある。インド政府は今月、純国産ワクチンと、英アストラゼネカなどが開発したワクチンの2種類を承認。いずれもインドで生産、価格は200~295ルピー(約280~420円)で安い。冷蔵で保存できる。途上国で冷凍管理は難しく、低価格も普及の重要な要素と考慮された。モディ首相は「インドは世界の薬局」と宣伝。バングラデシュやスリランカなど近隣国に無償提供、ブラジルや南アフリカなどへの販売も予定する。

 中国とロシアが開発したワクチンも冷蔵で保存できる。中国外務省の報道局長は20日の会見で、「40数カ国から輸入したいとの申し出があった」と誇った。中国紙「環球時報」によると、中国ワクチンを購入した国だけで20カ国を超え、多くは東南アジアや南米、中東など途上国。中国政府は今月、ミャンマーやカンボジアなどにワクチン計200万回分以上の無償提供も表明。対立する米国などとの違いを際立たせる。
 
 ロシアも、旧ソ連諸国や南米、アフリカなどを中心に輸出や国外生産を広げる。外国での販売は10ドル(約1千円)以下とされる低価格が魅力。科学力や国際社会への貢献をアピールし、欧米との対立で孤立する国際的地位を回復する狙い。ただ、ロシアや中国のワクチン、インドの純国産ワクチンは、国際的に求められる大規模な臨床試験の詳細な結果が公開されていない。安全性や効果の検証が不十分、との指摘もある。

●ワクチン、何割接種で集団免疫? 「60~70%で獲得」の見方も

 ウイルスに対する免疫は自然に感染することでも獲得できる。だが、WHOは「感染の蔓延は、不必要な症例や死者を出す」と警告。人口の一定数が免疫をもつことで感染拡大を抑える「集団免疫」は、ワクチンを広く接種することで達成するべきとし、各国も高い接種率をめざす。人口のどのぐらいの割合が免疫を持てば、集団免疫を獲得できるのか。新型コロナは60~70%ほどとされる。WHOは「ワクチン接種が必要な人口の割合は明らかになっていない」とする。

 ワクチンに詳しい川崎医科大の中野貴司教授は「ワクチンは感染症対策の基本。先進国で導入が進んで患者が減るのに、途上国では多く患者がいるという偏りはあるべきではない」「何割の人が接種したらゴール、などと言える段階ではない」と語る。免疫がどれぐらい続くのか、再感染を防げるのか、わかっていないことも多い。

●首相「最終的には生活保護」

 27日の参院予算委員会で立憲民主党の石橋通宏議員は、「弱い立場の方にも自助を求めるのか」「収入を失って路頭に迷う方、命を落とされる方が多数に上っている。政府の政策は届いているのか」などと質問。その上で、「政府の政策が届いていないことが明らかになれば、首相の責任で届ける約束をしてくれるか」と首相の姿勢をただした。

 これに対し、菅首相は「政府には最終的には生活保護という仕組みもある。しっかりセーフティーネットを作っていくことが大事」と答弁した。首相がめざす社会像「自助・共助・公助」について、野党は競争と効率を重視する「新自由主義」と指摘してきた。第3次補正予算案では、生活に苦しむ人への支援が少ないことから、「持続化給付金」と「家賃支援給付金」の継続、再支給を求めたが、拒まれた。そうした中、首相が「最終的には生活保護」と発言したため、野党は批判を強める。

 午後の参院予算委でも立憲の蓮舫議員が、首相答弁について「生活保護に陥らせないことが、首相の仕事、政治ではないか」と迫った。首相は「自助、共助、公助というなかでの話だ。コロナのなかで必要なことは、重層的セーフティーネットで、生活保護に行く前まできちっとした形で対応するのが国の仕組み、政治だ」と説明した。

 日本の生活保護制度の実態は、受けにくいだけでなく、なるべく受けないように排除するなどの問題がある。この状況でいくら菅首相が「最終的に生活保護がある」と述べても、何ら説得力がない。

●7日に宣言解除「現実的でない」 日本医師会長
 
 「緊急事態宣言」が来月7日に期限を迎えることについて、日本医師会の中川会長は27日の会見で「7日の解除は現実的ではない」と述べ、期限の延長が必要との認識を示した。都がこの日発表した新たな感染者数は1千人を下回ったが、中川氏は「かなり少ないといった印象を受ける方もいるようだが、それはコロナ慣れだ」と指摘。「昨年春の緊急事態宣言時や夏の時期に比べると、数倍の感染者数だ」と述べ、「気を抜ける状況ではない」と強調した。

 この日の参院予算委員会では、西村経済再生相が宣言解除の基準について、病床使用率など6つの指標が、現在の「ステージ4」から「3」に下がることを目安とする考え方を示した。中川氏は西村氏の答弁を引用し、「緊急事態宣言の解除は極めて慎重にすべきだ」と強調。具体的には、6つの指標について「すべてが「ステージ2」の基準になるか、この状況が続けば「2」になる可能性が確実になった時点」で解除を検討すべきだとの考えを示した。

●自宅・宿泊療養中 29人が死亡

 新型コロナに感染した後に自宅や宿泊施設で療養中に亡くなった人が、昨年12月からの約2カ月間に12都府県で29人に上ることがわかった。27日の参院予算委員会で田村厚労相が明らかにした。このうち10人は、入院や宿泊療養などの調整中に亡くなっていた。

 厚労省が昨年12月1日から1月25日の間の事例について都道府県から報告を受けた。内訳は、調整中10人のほか、保健所の判断を経て自宅療養中の人が17人、宿泊療養中が2人。調整中には入院の必要があると判断されたが、入院前に亡くなった事例も含まれる。都道府県別では東京が最多の8人。うち4人が調整中に亡くなったという。神奈川5人、栃木4人、千葉、愛知、京都が各2人だった。

●密避け集団接種訓練 全国初

 厚労省と川崎市は27日、ワクチンの集団接種を想定した訓練を同市内で実施した。全国で初となる試みで、市職員ら約60人が参加。感染のリスクが増す「3密」を避けながら、スムーズに接種を進めていくための流れを確認。新型コロナのワクチンは、一般的なワクチンと異なり、大規模な集団接種になることも想定され、自治体によってはノウハウが十分にあるわけではない。結果は全国の自治体と共有し、ワクチン接種の開始に備えるという。

●ワクチン接種、手探り 情報不足・説明変更 自治体は不安
 
 ワクチン接種の実務を担う全国の自治体が対応に追われている。政府は感染防止の「切り札」と期待するが、人手や会場の確保など課題は山積する。国からの情報も不足し、かつてない大がかりな接種に向け、現場は不安を募らせている。

 横浜市は65歳以上の高齢者だけでも約93万人、国からは9週間で接種を進めるよう求められている。市の担当者は「ワクチンがいつ、どのくらい入ってくるかがわからず、ハードルは高い」という。自治体の不安の要因となっているのが、国からの情報不足や説明の変更。愛知県の大村知事は22日の記者会見で、「どういうスケジュールでどのくらいの量が来るのか、早めに教えてもらいたい」と国に注文をつけた。

 群馬県は昨年12月、国から「1170回分のワクチンを1カ所の医療機関で使い切るように」との説明を受け、医療機関や冷凍庫の設置場所を協議してきた。しかし1月上旬に「小分けにしても問題ない」と変更、協議が振り出しに戻った。さいたま市の担当者は「国は情報を小出しにして伝えてくるが、その時々で本当に正しい情報か分からなくなっている」とこぼす。

 直面する課題は、医療スタッフや会場の確保。三重県の鈴木知事は25日、「診療を止めてまでワクチンを打ちに行くのか。そうなら人件費などの補償もしっかりして欲しい」と訴えた。滋賀県の担当者は「医療従事者はコロナ対応はもちろん、それ以外の治療もある。ワクチン接種のために病院をどう回すか」と話した。

 過疎地の態勢を懸念する声もある。鹿児島県薩摩川内市の担当者は「中山間地で身動きが難しい高齢者への接種は、医師・看護師が現場に出向く必要も出てくる」と指摘し、人手確保は「最大の課題」。福島県いわき市の担当者は「三密の回避のため、体育館などなるべく大きな会場を使いたいが、土日を中心に団体の年間予約が入っている。

 扱いの難しさも絡む。ファイザーは零下75度前後で保管し、解凍後5日以内に使用する必要がある。京都府の市町村からは「3月、4月と外気温が上がる中で体育館で管理できるのか」「冷凍庫のある場所からどうやって接種会場まで搬送するのか」といった不安の声。

 地域事情に応じた様々な課題も。高齢化率が全国で最も高い秋田県。秋田市では、寝たきりや要介護の約1万人が介護施設などで暮らす。市の保健所長は「そうした人たちには施設で接種せざるをえず、医師や看護師らを派遣する必要がある」。離島が点在する長崎県。人口3.5万人以上の市町村に冷凍庫を配備するが、離島の壱岐市や対馬市の人口はそれに満たない。福岡市の高島市長は26日の会見で、ワクチン接種の優先順位は「地域特性に応じて柔軟に対応させてほしい」と国に要望したという。

●高齢者接種「早くても4月」 コロナワクチンに河野氏

 ワクチン接種の調整を担う河野行改相は27日、65歳以上の高齢者への接種の開始時期について「早くても4月1日」とする方針を記者団に明らかにした。この日、全国知事会側に同様の説明をし、3月中は高齢者向けの接種会場の確保などは不要になるとの見通しを伝えたという。

 政府が25日に自治体向けに示した資料では、医療従事者は2月下旬、高齢者は早ければ3月下旬から接種を始める方針。河野氏は「ワクチンの供給スケジュールがなかなか固まらず、正確なスケジュールを伝えるのは難しい。前広(まえびろ)にスケジュールを共有した方が自治体の準備にもメリットがあると思った」と説明した。

●立憲・蓮舫議員「ことばが伝わらない」、首相 「精いっぱい取り組んでいる」と反論

 立憲民主党の蓮舫代表代行は、自宅療養中に亡くなったコロナ患者数が昨年12月以降、全国で29人に上ったことについて質し、菅首相は「大変申し訳ない思いだ」とのみ答弁。 蓮舫氏は、この答弁について「ことばが伝わらないし、国民に危機感が伝わらない。総理大臣としての自覚や責任感を、ことばで伝えようとする思いがあるのか」と指摘した。

 首相は「少し失礼ではないか。去年9月に就任してから、1日も早く日本に安心を取り戻したいと必死に取り組み、できることはしてきている。ことばが通じる、通じないというのは、私に要因があるかもしれないが私自身は、精いっぱい取り組んでいる」と反論した。

 その後、蓮舫氏のこ発言にSNSでは肯定・否定の声があった。蓮舫本人は「想いが強すぎて語気を張ってしまったことを反省する」とツイートしたが、いつも棒読みで愛想のない答弁の首相にイライラしていた国民は、スカッとしたのではないだろうか。

 立憲民主党の辻元清美副代表と蓮舫代表代行 出典:ウキメディア・コモンズ

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●重症者1043人 最多を更新

 国内感染者は27日、新たに3971人が確認。死者は90人増えた。厚労省によると、26日時点の重症者は前日より47人増えて1043人、2日ぶりに過去最多を更新。東京都の感染者は973人で、2日ぶりに1千人を下回った。死者は1日あたりとしては過去最多の18人で、このうち70~90代の男女3人が入院せずに自宅や高齢者施設で療養していたという。都基準の重症者数は、前日より11人増えて159人。357人の感染が確認された大阪府では1日あたりの死者が23人となり、これまで最多。

【1月28日】

●英国の変異ウイルス、69の国・地域で確認 WHO公表

 WHOは、英国で最初に確認された変異ウイルスが、1月25日時点で、日本を含むアジアや欧米、それに中東など世界の合わせて69の国や地域で確認されていると発表した。また、南アフリカで確認された別の変異ウイルスは、日本や中国、オーストラリア、イギリス、フランス、カナダなど25の国や地域で確認されているほか、6つの国や地域で確認中としている。さらに別の変異ウイルスが、日本やブラジル、アメリカなど8つの国や地域で確認されているとしている。

●日本からの渡航 EUが原則禁止

 EUは28日、日本からの渡航を原則として認めない方針を決めた。日本はコロナ禍が落ち着いている国と判断され、去年7月から渡航できるようになっていた。今回、再び「緊急事態宣言」が出され、変異ウイルスへの警戒感もあって規制を強めるEUは、受け入れ可能国のリストから日本を外した。

 日本の除外(但し長期滞在者や医療関係者らの入域は引き続き認める)で渡航が認められる国は、韓国、シンガポール、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、ルワンダの6か国。

●入院拒否に刑事罰、削除 感染症など改正案 自民と立憲、合意
 
 自民党の二階幹事長と立憲民主党の福山幹事長が28日会談し、刑事罰を削除し、行政罰である50万円以下の過料に修正することで合意。保健所の疫学調査を正当な理由無く拒否した人らには「50万円以下の罰金」としていた刑事罰も削除し、30万円以下の過料に修正した。

 時短営業などの命令に違反した事業者に科すことにしていた50万円以下の過料は、30万円以下に減額。「緊急事態宣言」の前から罰則を科せる「蔓延防止等重点措置」の場合も、同様の命令に違反した事業者に30万円以下の過料を科すとしていたが、20万円以下に減額する。同措置を指定した際の国会の関わり方も論点だったが、「速やかな国会報告」を行うよう付帯決議に盛り込むことで一致した。

 合意内容について野党は、立憲と日本維新の会は賛成、共産党は「罰則は感染症対策に逆行する」、国民民主党は「支援が不十分な中で罰則には反対」として、それぞれ反対する方針。合意を受け菅首相は28日夜、記者団の取材に応じ、「政府としてはこの合意を尊重して対応する。感染を縮小させるために全力で頑張りたい」と述べた。2月3日にも成立する見込み。

●補正予算成立 GoTo 1兆円など

 「GoToトラベル」の延長に1兆円超が計上されるなど、コロナ収束後の経済対策に重点を置いた今年度第3次補正予算が28日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。「緊急事態宣言」の発出前に編成され、対策の総額は19兆1761億円になる。「GoTo」事業費などを撤回し、医療機関や生活困窮者への支援に組み替えることを求めた立憲民主党、共産党、国民民主党などは反対した。

●大相撲春場所、東京開催に

 日本相撲協会は28日、東京・両国の国技館で理事会を開き、大阪市で開催する準備を進めていた3月14日からの春場所について協議した。その結果、感染症の専門家の意見を踏まえて、「緊急事態宣言」が延長される可能性があることや宿舎などでの感染対策の難しさを理由に、会場を大阪市から東京の国技館に変更して開催することを決めた。そのうえで、国が要請する上限の範囲内で観客を入れて開催する。

●「緊急事態宣言」3週間 重症者数高止まり、都内は高齢者感染減らず

 新型コロナの感染拡大に伴い、政府が「緊急事態宣言」を再発令してから29日で3週間となる。宣言の対象である11都府県の新規感染者数は減少傾向がみられるが、東京や大阪は宣言解除の目安にはほど遠い。重症者数も多く、医療提供体制の逼迫が続く。東京都では重症化リスクの高い65歳以上の感染者数も高い水準で推移し、28日の都の「モニタリング会議」では感染拡大防止策の徹底を求める声が上がった。

 8日の宣言再発令以降、都内の感染者数が減少傾向にあることは曜日ごとの推移に表れており、感染者数の報告が多い木曜日で、7日2447人、14日1502人、21日1471人、28日1064人。7日間平均の陽性率も再発令後の約14%から下がっており、26日時点で8%台。政府の「分科会」が示した「ステージ3」(感染急増)、「ステージ4」(爆発的感染拡大)の目安である10%を下回っている。

 だが都幹部は「まだまだ楽観できる水準にはなっていない」と指摘する。直近7日間の感染者数の平均は28日時点で987.4人となり、今月5日以来の3桁の水準に下がったが、宣言解除の目安の一つとされる「500人未満」を大きく上回る。都幹部は「濃厚接触者も多く、街中の人出も抑えきれていない状況で新規感染者数が急激に減ることは難しいのではないか」との見方。

 関係者内で懸念されるのは医療機関の負担。重症者は入院期間も長期化し、感染者減少よりも遅れる形で減るとみられており、28日時点では過去最多より10人少ない150人。新規感染者数が大きく減る中で、65歳以上の高齢者の7日間平均の新規感染は21日時点で約265人、28日時点で約240人と高い水準で推移し、「モニタリング会議」では感染者に占める割合の増加に懸念が示された。

●死者最多113人 重症者1032人

 国内感染者は28日で、新たに4133人が確認された。死者は過去最多の113人で、20人が亡くなった東京都は最多だった前日の18人を更新した。全国の重症者は1032人(27日時点)で11人減った。東京都の新規感染者数は1064人で2日ぶりに1千人を超えたものの、今年に入ってからの木曜日としては最少。

 神奈川県の新規感染者は433人、千葉県314人、埼玉県292人で、東京近郊の感染者は引き続き高い水準にある。また埼玉県は20代から30代の男女3人が、英国で報告された変異ウイルスに感染していたと発表した。3人とも英国での滞在歴はないが、変異ウイルスへの感染が確認されていた東京都内の男性と同じ職場で勤務していた。県は職場で感染したとみている

【1月29日】

●EU、アストラゼネカなどのワクチンに使用許可 3例目
 
 EUは29日、英国の製薬大手アストラゼネカなどが開発した新型コロナワクチンについて、使用するための許可を出した。EUによるワクチンの許可は、ファイザーなどのものとモデルナのものに次いで3例目。

●EU 新型コロナワクチン「域外への輸出を許可制に」

 EUは、域内の工場で生産された新型コロナワクチンを輸出する際、事前申告と許可を必要とする措置を導入すると発表した。ワクチンを巡っては英製薬大手アストラゼネカが当初の供給量が予定の半分以下になると通告し、EU側が強く反発して予定どおりの供給を求めていた。ヨーロッパでワクチン供給への危機感が高まっていることが今回の措置の背景となった。WHOなどからは、輸出の制限につながるとして強い懸念や批判の声が上がっている。

●WHO、武漢で調査開始

 新型コロナの起源を調べるため中国・武漢に入ったWHO調査団が29日、現地調査を始めた。治療薬開発や次のパンデミック予防につながる成果を目指すが、感染拡大から1年余りが過ぎており、時間と政治の壁を乗り越えられるかが焦点。前日に2週間に及ぶ隔離を終えた調査団は29日午後、数台の車に分乗し拠点としているホテルを出発。

 一行が最初に向かったのは中西医結合病院。2019年12月末、原因不明の肺炎患者が相次いでいることを初めて市の疾病予防コントロールセンターに通報したことで知られる。調査団は医師らから感染拡大初期の患者の特徴や傾向を聞くなどしたとみられる。

 調査団は各国から集まったウイルス学などの専門家のほか、WHOや国際獣疫事務局の代表ら計15人で構成。迎える中国側は専門分野の研究者に加え、政府の国家衛生健康委員会関係者らが対応しているとみられる。

 ただ、調査には感染拡大から1年以上が経過し、現場調査のデータの多くは中国側の提供に頼らざるを得ない。しかし中国政府は、米トランプ政権が主張した「武漢ウイルス研究所」からのウイルス流出疑惑や、「中国責任論」に神経をとがらせる。WHO側は中国側が態度を硬化しないよう、「目的は犯人捜しではない」と強調するなど調査の環境づくりにも腐心している。

●台湾の去年のGDP、前年比2.98%増加 コロナ感染抑えプラス成長

 台湾の去年のGDPは、前の年と比べて速報値で2.98%増加と世界で数少ないプラス成長を記録した。台湾当局は渡航制限や隔離などの対策を素早く厳格に行って域内での感染を抑え込んだうえ、自己負担額の3倍の買い物ができる金券の発行といった振興策が一定の効果をあげ、消費の落ち込みが小幅にとどまった。また、米中対立の影響もあり半導体などの受注が好調だったことや、テレワークの普及によるパソコンなどの需要拡大で輸出が押し上げられた。2.3%だった中国をも上回った。

●米ファイザー、治験データを厚労省に提出 承認、2月に判断

 国内で唯一、新型コロナワクチンの承認申請を行っている米製薬大手ファイザーは、国内で実施している治験のデータを29日、厚労省に提出した。厚労省は、海外の治験のデータと合わせて2月に承認の是非を判断する方針。ファイザーは、日本政府との間で年内に7200万人分のワクチンを供給する契約を交わしている

●失業者2.8% 11年ぶり悪化

 2020年の年平均の完全失業率は2.8%で、前年より0.4ポイント悪化した。総務省が29日発表した。 失業率が悪化したのは、前年にリーマン・ショックがあった2009年以来、11年ぶり。

 失業率は2009~10年に5.1%まで悪化したが、その後は人口減少による人手不足などを背景に、改善が続いてきた。2020年は、就業者数が過去最高だった前年より48万人減り、6676万人に。正規雇用の働き手は増えた一方、非正規雇用の働き手は75万人減っており、なかでも女性が男性の倍、減少した。完全失業者数は、前年より29万人増の191万人。仕事を休まされている休業者数は、最初の「緊急事態宣言」が出た昨年4月に過去最多の597万人にまで膨らんだが、年平均でも前年比80万人増の256万人。

 一方、厚労省が発表した、有効求人倍率の昨年平均は1.18倍で、前年より0.42ポイント低下。オイルショック後の1975年(前年比0.59ポイント)以来、45年ぶりの悪化幅だった。リーマン直後の2009年の悪化幅0.41ポイントを上回った。

●コロナ改正法案審議入り 事業者の支援、どこまで 宣言前でも過料

 特別措置法と感染症法の改正案は29日、衆院本会議で審議入りした。自民と立憲民主両党は、入院拒否などへの刑事罰の削除で合意しており、2月3日にも成立する見通し。ただ、過料の罰則は設けられた一方で、営業の時短要請などに応じた事業者への支援のあり方はこれから。「緊急事態宣言」の前から罰則を科す「蔓延防止等重点措置」の要件も明確でないなど、課題は残ったまま。

 立憲民主党の長妻昭議員は「経済的な補償が十分でないと要請に応じることは困難だ」と述べ、財政支援が十分に担保されていないことを問題視。「事業者に一律の支援ではなく、事業規模に応じた補償が必要」と求めた。自民、立憲両党の28日の合意では、「事業規模に応じた支援の検討」で一致したが、政府の国会答弁などで明確化することになっている。この日の質疑では、首相は「合意を踏まえて適切に対応する」と述べるだけだった。2月1日からの委員会審議で政府がどこまで踏み込むかが焦点。

●感染症改正原案「慎重論軽視」、野党が批判

 野党は、感染症法改正で政府が出した原案には、厚生科学審議会の部会での専門家の慎重論が反映されていなかったと批判を強めている。立憲など野党4党の調査チームは29日、厚労省の担当者に聞き取りをした。担当課長は「刑事罰については、慎重意見と賛成意見は五分五分だった」と説明。専門家の多くが刑事罰に慎重な意見を示したのに法案に反映されなかったことについて、立憲の安住国対委員長は「本来の法案作成のプロセスを壊すものだ」と述べ、今後の法案審議で追及する考え。

 長妻氏は衆院本会議で、部会の議事録の公開が27日だったことなどを踏まえ、「立法府への情報の隠蔽だ」と批判。菅首相は「公開で議論されており、議事録は速やかに公表されている。隠蔽という指摘は当たらない」と反論した。

●深夜の銀座クラブ訪問 党役職辞任で幕引き図る 自公両党

 「緊急事態宣言」下の深夜に銀座のクラブを訪問した自民党の松本純国対委員長代理と公明党の遠山清彦幹事長代理は29日、それぞれ党役職を辞任した。松本氏は29日夕、党本部で二階俊博幹事長に辞意を伝え、受理された。その後、記者団に「国民の皆様が我慢を強いられている状況の中で軽率だったと深く反省している。一から出直して精進したい」と陳謝した。

 一方、公明党の石井幹事長は29日午前の記者会見で、処分しない方針を示していた。しかし、その後に遠山氏が2019年の政治資金収支報告書に、キャバクラなど不適切な飲食費を計上したことが判明。石井氏は29日夜、遠山氏から一連の責任を取ると辞意を伝えられ、受理したことを記者団に明らかにした。

 松本氏は18日、都内の洋食店で午後9時近くまで過ごした後、銀座のクラブ2軒を訪れ、最後の店を出たのは午後11時過ぎだったと週刊誌に報道された。遠山氏は22日深夜、銀座の会員制クラブを知人と訪れたと週刊誌に報じられ、両氏とも26日、事実関係を大筋で認めていた。国民に夜間の外出自粛を求める中での行動は世論の批判にさらされたが、両党は辞任で幕引きを図りたい考え。

 石原伸晃元幹事長 出典:石原のぶてる(伸晃)公式サイト、松本純国対委員長代理 出典:かながわ自民党ホームページ、遠山清彦幹事長代理 出典:ウィキメディア・コモンズ

石原伸晃元幹事長 出典:自民党衆議院議員 | 石原のぶてる(伸晃)公式サイト 松本純国対委員長代理 出典:かながわ自民党ホームページ 遠山清彦幹事長代理 ウィキメディア・コモンズ

●自民党本部全職員PCR検査、大ブーイング

 自民党は29日、党本部に勤務する全職員約200人を対象にPCR検査を実施することを決めた。これが報道されると、ツイッターには「自分たちだけ積極的なPCR検査」「体調不良でもなかなか検査してもらえない一般市民は頭にくる」「国民には自粛を求めて自分らは銀座で遅くまで会食、陽性者が一人出たら全員検査。身内大事にするのも大概にしろ!」などの批判が数多く投稿。また「さすが上級国民。全国民が気軽にPCR検査ができる体制を望んでいます」「上級国民はやっぱり扱いが違うなあ…」といった批判も相次ぐ。

 立憲の泉政調会長は「自民党総裁は、党職員へのPCR検査の重要性を認識しているならば、医療・介護従事者、せめて無症状患者となりやすい若年の医療・介護従事者には、PCR検査を公費で実施すべき」とツイート。同党の原口総務相も「全ての人にPCR検査が無料で受けられる体制を作るべき」と投稿。検査態勢の拡充を求める声が上がる。

●沖縄・宮古島で感染拡大 医師「病棟は患者であふれかえりそう」

 沖縄県宮古島市でコロナ感染が急速に拡大し、沖縄県は市内の病院へ医師や看護師の派遣を進めている。指定医療機関の県立宮古病院では一般外来の受け付けを取りやめ、専用病床を増やして対応しているが病床の逼迫が深刻な状況となっている。派遣されている感染症の専門医は「病棟は患者であふれかえりそうで、隣の病棟まで病床を広げて対応している。今は一般的な医療を切り落としても新型コロナ対応にエネルギーを注がざるをえない危ない状況だ」と危機感を示した。

●死者96人 神奈川・千葉で最多

 国内感染者は29日、3535人が確認された。死者は96人で、18人が亡くなった神奈川県、10人だった千葉県は過去最多。全国の重症者は1014人(28日時点)で前日に比べ18人減。

 東京都は868人で2日ぶりに1千人を下回った。愛知県は164人で200人を下回るのは4日ぶり。医療機関や高齢者施設で新たに3件のクラスターが発生した。沖縄県は新たに63人の感染を発表。うち12人は感染が相次ぐ宮古島市で確認。人口約5万5千人の同市の直近1週間(23~29日)の感染者は143人で、人口10万人あたりで東京都(28日迄の1週間で49.43人)の約5倍に上る。県は29日、自衛隊に災害派遣を要請し、看護師らが応援に入った。

 厚労省は、英国で報告された新型コロナの変異ウイルスが、海外に滞在歴がなく、入国者との接触も確認されていない都内の50代女性から見つかったと発表した。他に英国などから到着した2人の感染も確認。国内で変異ウイルスの感染は計59人となった。

【1月30日】

●入国外国人86%減 コロナ影響で430万人に

 昨年1年間に日本に入国した外国人は430万7千人で、前年より2688万人(86%)減少した。新型コロナの世界的な感染拡大で入国拒否などの水際対策が進み、特に3月以降は激減。出入国在留管理庁が29日発表した。外国人入国者は2019年に過去最多の3118万7千人と急増していたが、一転して1996年424万5千人以来の低水準となった。政府は水際対策を一時緩和したものの、国内での感染状況の悪化や変異ウイルスの発生を受けて年末から再び強化、現在は在留資格のある人を除く新規入国を停止。

 同庁によると、昨年の入国者のうち新規入国者を国籍・地域別にみると、中国の83万6千人が最も多く、次いで台湾64万7千人、韓国43万3千人。在留資格別では短期滞在336万1千人、技能実習8万4千人、留学5万人の順。中でも、ベトナムは、11月には1万4千人、12月は1万5千人に急増。年間9万1千人の3割を超えた。水際対策の緩和により技能実習生が増加した。

●変異ウイルス、国内初のクラスター発生か 厚労働省

 英国で感染が広がっている変異した新型コロナに、埼玉県の同じ職場の関係者3人が新たに感染していたことが分かった。この職場の関係者で感染が確認されたのは合わせて7人で、厚労省は、変異ウイルスで初のクラスターが発生したと見て感染経路を調べている。英国に滞在歴がなく、現地から入国した人との接触もない人で変異ウイルスへの感染が確認されたのは合わせて15人に上る。

●国内3345人感染 死者91人
 
 感染者は30日、全国で新たに3345人が確認され、クルーズ船の乗客乗員らを合わせた国内の感染者数は38万8136人となった。91人が亡くなり、死者は5701人となった。厚労省によると、29日現在の重症者は前日比40人減で974人。26日996人以来、4日ぶりに1000人を下回った。新たに確認された感染者は、東京都769人、大阪府338人、福岡県154人、愛知県126人など多くの地域で前週土曜に比べて大幅に減少。

【1月31日】

●WHO調査団、海鮮市場を視察も十分な調査できるか 中国の対応が焦点

 中国・武漢を訪れているWHOの調査チームは、31日、感染拡大の初期に多くの患者が確認された海鮮市場を1時間ほど視察した。中国の保健当局は当初、この市場で売られていた野生動物から感染が広がった可能性があると指摘していたが、去年1月に閉鎖されたあと高さ3mほどの壁で囲まれ内部が見えないようになっていて外国メディアの立ち入りも認められていなかった。

 一方で、中国政府が感染対策の成果を宣伝する展覧会の会場などの視察により長い時間が割かれていて、発生源をめぐる十分な調査ができるのか、今後の中国側の対応が焦点となっている。

●保健所の体制「十分ではない」、およそ6割  全国知事アンケート

 NHKが1月に全国の知事にアンケートを行ったところ、およそ6割にあたる29の自治体が保健所の体制が「十分ではない」と答えた。特に保健師など専門職の確保が課題となっているという指摘が相次いだ。「新規感染者の急増により業務量が増え、通常業務を一部制限せざるをえない状況だ」という声や、「感染拡大の速度に間に合わず、専門職の人数が不足している」という声があがった。また「人員確保のための法的整備や財政的な措置が必要だ」という指摘も。

●1月の感染者、最多
 
 国内感染者は31日新たに2673人が確認され、2千人台まで減るのは6日ぶり。死者は65人増えた。1月の1カ月間ではそれぞれ15万4247人、2261人に上り、ともに月間で最多となった。30日時点の重症者は973人(前日比1人減)だった。

 以下3枚の図は、1月31日時点の国内発生状況 出典:厚生労働省ホームページ

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 新規感染者の最多は東京都の633人で、3日連続で1千人を下回った。都基準の重症者は140人。大阪府では214人の感染が判明。愛知県は121人で、30日時点で入院患者数が724人と過去最多。

 12月31日時点の東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2021年2月 3日 (水)

新型コロナ2021.01 再び宣言

 新型コロナウイルスの感染状況は、2020年の秋には再び増加に転じ「第3波」となって急拡大。高齢者の割合が増加し、重症者数は過去最多を記録、医療提供体制の逼迫も現実のものとなってきた。年が明けて2021年1月、政府は再び「緊急事態宣言」を発出した。

 2021年1月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.12 医療逼迫」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【1月1日】

●東京都、「緊急事態宣言」発出を政府に要請検討

 東京都内では31日、感染の確認が初めて1000人を超えて、これまでで最も多い1337人となり、専門家が「危機的状況に直面している」と指摘する医療提供体制のさらなる悪化も懸念される。このため、感染状況を見極めながら「緊急事態宣言」の発出を政府に要請することも視野に新年早々から今後の対応について検討することになった。

●全国3247人感染 都783人「休みとしては衝撃的」

 新型コロナの国内の感染者は1日、新たに3247人が確認された。死者は49人。厚生労働省によると、12月31日時点の重症者は、前日より35人増えて全国で716人となり、過去最多を更新。東京都では783人の感染者が確認された。前日31日から大きく減ったが、休み期間中としては衝撃的な数字。また都内で死亡が確認された4人のうち、一人暮らしの60代男性は自宅療養中に亡くなった。

 神奈川県では470人の感染が確認。過去最多だった前日の588人から減ったものの、黒岩知事は「感染爆発といった状況が間近」と述べ、「医療崩壊がすぐ目の前に迫っている」と強い危機感を示した。大阪府の感染者数は262人で、1日あたりの新規感染者が300人を下回るのは4日ぶり。また70代~90代の男女9人が亡くなった。入院中の重症患者は165人、過去最多だった12月21日と並んだ。福岡県では新たに158人の感染が確認。

【1月2日】

●「緊急事態宣言」4都県が要請
 
 東京都の小池知事と神奈川、千葉、埼玉3県の知事は2日午後、新型コロナ対策担当の西村経済再生相に「緊急事態宣言」の発出を速やかに検討するよう要請した。西村氏は「検討する」と応じ、時短要請について午後8時に閉店時間を前倒しし、酒類の提供は午後7時までとすることや、午後8時以降の不要不急の外出自粛を呼びかけるよう求めた。

 ”緊急事態宣言 検討を” 1都3県知事が要請 出典:NHK NEWS WEB

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 1都3県の知事は、西村氏に渡した要望書で「1都3県は、年末年始、新型コロナ感染症の急拡大が続き、感染爆発の瀬戸際と言える。医療提供体制は極めて逼迫し、通常医療にも大きな影響を及ぼす危機的な状況」と指摘。「1都3県と国がより一層連携し、直ちに徹底した人流の抑制をはじめとする感染拡大防止対策の強化が必須」として、「緊急事態宣言」の発出を検討するよう求めた。小池知事は2日夕、「宣言の発出に際して、社会生活の混乱を避けるということから一定の周知期間を設けることも要望した」と明らかにした。

●全国3060人感染、5日連続で3千人を上回る

 国内感染者は2日、新たに3060人が確認された。5日連続で3千人を上回った。検査数が少なくなるとされる年始でも、高い水準が続いている。全国の死者数は31人だった。東京都では814人の感染が確認された。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO〈エクモ〉)を使用」とする都基準の重症者数は前日より6人多い94人、「緊急事態宣言」解除後の最多を更新した。入院者(2781人)、自宅療養者(3387人)、入院・療養などを調整中(2756人)の人数もそれぞれ最多となった。大阪府では258人の感染が確認された。

【1月3日】

●1都3県 飲食店20時まで 政府要請受け入れへ

 新型コロナ感染防止策として、酒類を提供する飲食店などに要請している営業時間の短縮について、東京都と神奈川、千葉、埼玉の3県は、現在午後10時までとしている閉店時間を午後8時に前倒ししたうえで、要請期間を延長する方向で調整に入った。都などはこれまで、時短の前倒しは「協力に応じない店が増える」などとして政府の求めに応じてこなかった。だが、1都3県の要望に対し、西村氏が「緊急事態宣言の発出を検討する」と述べたことなどから政府の要請を受け入れる方針を固めた。

●全国3156人感染 東京の重症者101人
 
 国内の新規感染者は3日、全国で3156人が確認された。日曜日としては最も多かった前週(12月27日)を超え、過去最多となった。死者は60人増えた。厚労省によると、重症者(2日時点)は前日から3人増えて714人。

 東京都は、感染者を新たに816人確認したと発表した。日曜としては過去最多を更新。都基準の重症者数は101人で、前日より7人増え、「緊急事態宣言」解除後の最多を更新。感染者816人を年代別で見ると、20代が214人で最多。30代が182人、50代が123人、40代が116人と続いた。65歳以上の高齢者は96人だった。

【1月4日】

●英社製ワクチン接種 アストラゼネカ開発 保管容易に
 
 英国で4日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発したワクチンの接種が始まった。当面はすでに確保した53万回分を、高齢者や医療従事者らリスクの高い人から優先して接種していく。このワクチンは昨年12月30日、英国が世界で初めて承認。米欧などで接種が始まっている米製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンが零下70℃での保存が必要なのに対し、このワクチンは普通の冷蔵庫と同じ2~8℃で保管できる。その扱いやすさから、接種が飛躍的に加速すると期待されている。

 英国では昨年12月末時点で、ファイザー製ワクチンの94万回の接種が実施された。英政府は春までに、50歳以上の人や医療従事者ら優先接種の対象者約2500万人への接種を終えたい考え。英国では感染力が強いとされる変異ウイルスが見つかり、新規感染者が連日5万人を超えるなど、感染の拡大に歯止めがかかっていない。アストラゼネカのワクチンで、事態の改善につながると期待されている。

●大阪・愛知・福岡 要請せず
 
 新型コロナ感染は年末年始にかけて、首都圏以外でも拡大した。大阪府、愛知県、福岡県でも厳しい状況は続くが、現時点では「緊急事態宣言」について消極的な姿勢。大阪府の吉村知事は4日、首都圏のように新規感染者が急拡大していないとして、「緊急事態宣言」発出の要請は見送った。府内での新規感染者数はやや減少傾向にあるが、重症患者は4日に過去最多の171人。すぐに患者を受け入れられる208床の使用率は82.2%と病床の逼迫も続いている。

 愛知県の大村知事は4日の会見で「現段階では緊急事態宣言を要請する状況ではない」と述べた。県内の新規感染者数は昨年12月30日に294人に達したが、今年1月に入ってから200人を下回っており、大村氏は「首都圏とは客観的な感染者の状況の水準が違う」としている。一方で、大村氏は、県全域で11日までとしていた酒類を提供する飲食店などへの時短要請については延長を検討する考えを示した。
 
 福岡県では12月30日に189人、31日に190人の感染が判明し、2日連続で最多を更新。市中感染の広がりの目安となる陽性率は今月1日に13%を超えた。今回は政府に宣言の要請はしていない。福岡県の担当者は4日、「医療体制の状態と、社会経済レベルを落とすかを総合的に判断すると、宣言を要請するような状況にはない」との認識を示した。

●緊急事態宣言、7日にも決定 4都県で1カ月検討
 
 菅偉首相は4日の年頭記者会見で、新型コロナ対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を対象に、7日にも正式に決定する方向で検討に入ることを明言した。期間は1カ月間を想定。今回、政府は飲食店への営業時間短縮などに対策を集中させ、小中高校への一斉休校の要請はしない方針。文部科学省は、今月中旬と下旬の二つの日程で実施される大学入学共通テストは宣言が出た場合も予定通り行う方針。

 政府は、宣言を対象とする区域や期間、具体的な措置など宣言の内容を早急に詰める。宣言するには、前回の宣言解除の際に今後の感染拡大防止策などを定めた「基本的対処方針」の変更が必要で、7日にも感染症や経済の有識者らでつくる「諮問委員会」(正式名称は「基本的対処方針等諮問委員会」) に諮る。同日中に衆参両院の議院運営委員会で報告し、対策本部で正式に決めた後に宣言を開始させる方向。実際に宣言が出れば昨年4月以来、2回目となる。

 首相は昨年12月25日の記者会見では、宣言に否定的な見解を示していた。4日の会見では、年明け後も1都3県の感染者数が過去最多水準で高止まりしているとして、「深刻に捉えて、より強いメッセージを発出することが必要だと判断した」と説明した。また特措法の改正についても言及。休業や時間短縮の要請に応じた店舗などへの支援措置と、応じない店などへの罰則を組み合わせた規定を設けて「より実効的な対策をとる」と述べた。18日召集予定の通常国会に提出するという。

●ワクチン、来月下旬までに接種開始へ準備

 菅首相は記者会見で、できる限り来月下旬までにワクチンの接種を開始できるよう、政府として準備を進めていく考えを表明した。そして「まずは医療従事者、高齢者、高齢者施設の従業員の皆さんから順次開始をしたい。私も率先してワクチンの接種をする」と述べた。

 首相はまた、ワクチン接種について国内治験データを今月中にまとめるよう米製薬大手ファイザーに要請したと説明し、2月下旬にも国内で接種を始められるよう準備していることを明らかにした。1月11日まで全国一斉停止している観光支援策「GoToトラベル」の再開は、「緊急事態宣言」が出た場合「なかなか難しいのではないか」と述べ、一斉停止期間の延長を示唆した。

●緊急事態宣言、「先月出すべきだった」「後手後手、残念」など批判の声

 日本維新の会の馬場幹事長は、記者会見で、菅首相が「緊急事態宣言」の発出を検討する考えを表明したことについて「後手後手に回っており、先月の段階で出すべきだった」と批判した。また立憲民主党の安住国会対策委員長は「知事から促されるようにして後手後手に回って緊急事態宣言を出すことは残念なことだ。なぜここまで出さずに引っ張ってきたのかなど、確認したいことはたくさんある」と述べた。

●都内、新規感染者884人 月曜で最多

 国内の感染者は4日で、新たに3324人が確認された。3千人を超えたのは7日連続。亡くなった人は全国で48人増えた。3日時点の重症者は全国で731人となり、前日より17人増えて過去最多を更新。東京都の新たな感染者は全国で最も多く884人。月曜日としては昨年12月28日の481人を上回り、過去最多を更新。都基準の重症者数は7人増えて108人となり、昨年5月の「緊急事態宣言」解除後の最多となっている。

【1月5日】

●英国、3度目の都市封鎖 独、都市封鎖を強化

 新型コロナの変異ウイルスが猛威を振るう英国で5日、政府がロンドンを含むイングランド全域でロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。2月半ばまで大半の店が閉鎖、飲食店もテイクアウトなどに限る。市民の不要不急の外出も禁止。違反者は罰金が科せられる。英国でのロックダウンは昨年3月と11月に続いて3度目。

 ドイツ政府は5日、感染拡大の防止のため導入しているロックダウンの強化を決めた。人口比で感染者が多い地区では、半径15キロ以上の移動を制限する。飲食店の営業禁止などの規制も当初の予定から3週間延ばし、31日までは続けることにした。ドイツの1日の新規感染者はここ数日、1万人前後で推移。直近7日平均の人口10万人あたりの新規感染者は130人台で、政府が目標とする50人を大きく上回る。

●WHO中国調査団、足止め


 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日記者会見し、新型コロナの発生源などを調べるため中国を訪れる予定の国際的な調査チームの専門家2人が中国に向かったものの、中国の当局が入国に必要な手続きを終えておらず、入国できなかったと明らかにした。他の参加者は出発を見合わせた。

 テドロス氏は「非常に失望した」と述べ、チームが速やかに入国し、調査を始められるよう中国側に強く要請したという。テドロス氏は中国政府への配慮が厚いと思われていただけに、この批判は各国メディアに驚きをもって受け止められた。

●政府「分科会」が提言「1都3県に速やかに緊急事態宣言を」

 政府の「分科会」は「首都圏の感染状況が沈静化しなければ、全国的に急速に感染がまん延するおそれがある」として、首都圏の1都3県を対象にした「緊急事態宣言」を速やかに出すべきだとする提言をまとめた。飲食店への営業時間短縮のさらなる前倒しの要請など、感染リスクが高い場面を避ける対策を取るとともに、不要不急の外出自粛や在宅勤務(テレワーク)を徹底して出勤する人の7割削減を進めるべきだなどとしている。

●尾身会長「1か月以内でステージ3相当にまで下げるのは至難の業」と強い危機感

 「分科会」の尾身会長は、「今の状況から、「ステージ3」相当にまで下げるのは週単位では難しく、1か月以内では至難の業だと考えている。「緊急事態宣言」そのものによって感染が下火になる保証はなく、うまくいかないこともあり得る。社会を構成するみんながひと事ではなく自分のこととして行動し、対策を実行できるかに成否はかかっている」と訴えた。

 また「強い経済的支援を行うなど、国や自治体が汗をかくという姿勢を示し、市民にも協力をお願いしますというメッセージがないと人々は動かないと思う」としたうえで「要請ベースでの感染対策が難しくなってきていて、営業時間の短縮などに応じた事業者への経済支援なども明確化できておらず、応じない場合の罰則もはっきりとしていない。なるべく早い改正が必要だと思う」と述べ、「分科会」でも議論を進めたい考えを示した。

●国内感染、最多4900人超 東京1278人

 国内の感染者は5日で新たに4917人が確認され、昨年12月31日の4520人を上回り過去最多を更新した。死者も過去最多の76人。4日時点の重症者は771人で、前日より40人増えてこれまでで最多。新たな感染者を都道府県別にみると、最多は東京都の1278人、次いで神奈川県の622人。埼玉369と千葉261の両県と合わせて、全体の半数を超える。この3県に加え、栃木、長野、岐阜、三重、和歌山、長崎、宮崎各県の10県が過去最多を更新。

 東京都の感染者が1千人を超えたのは、最多の1337人(昨年12月31日)に次ぐ。都基準の重症者数は前日より3人増えて111人で、過去最多。関西広域連合は5日、政府が「緊急事態宣言」の発出で調整中の東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県との往来自粛を各府県民に呼びかける行動宣言をまとめた。

●東京都の入院患者3千人超え

 東京都の医療提供体制が限界に近づきつつある。入院患者は12月1日時点の1650人から1月1日時点で2730人に急増。5日時点での入院患者は過去最多の3025人に達し、初めて3千人超え。宿泊療養者870人と自宅療養者は4480人を合わせて8375人にも上る。コロナ患者の病床使用率は86%に及び、重症者も5日時点で過去最多の111人で、医療関係者は危機感を強める。

 コロナ患者の病床について、都は12月に3千床から4千床に増やす方針を示したが、現在、確保できている病床は3500床。重症者の専用病床220床も半分近くが埋まる状態で、小池知事は4日の会見で「極めてクリティカル(危機的)な状況」との認識を示した。都医師会の尾崎会長は「医療機関は第1波から対応を続けていて疲弊している。毎日の感染者を減らすしか方法はなく、病床が逼迫する危機感は相当強い」と強調した。

 一方、神奈川県の黒岩知事は5日の記者会見で、新型コロナ患者の入院を受け入れている医療機関に限り、医師が延期できると判断した入院手術を1カ月ほど延期するよう要請したことを明らかにした。病床逼迫を受けた対応で、救急医療や悪性腫瘍の手術などは通常通り実施する。

【1月6日】

●EU、モデルナの新型コロナワクチン販売許可

 ヨーロッパ連合(EU)は、米製薬会社モデルナが開発した新型コロナワクチンについて使用するための販売許可を出した。ヨーロッパ委員会が新型コロナワクチンを許可するのはアメリカのファイザーなどが手がけたワクチンに次いで2例目で、合わせて1億6000万回分がことし秋ごろまでに順次、EU加盟各国に供給される。先月末に接種が始まったファイザーなどのワクチンは供給に遅れが出ていてEUや各国政府の対応に批判も出ている。

●ファイザー製ワクチン 米で約190万人中21人に激しいアレルギー反応

 製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを先月23日までに全米接種した人はおよそ190万人に上り、そのうちアナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応を示した人は21人に上ったとする報告書を、米CDC(疾病対策センター)が6日、公表した。

 21人のうち17人は、薬や食べ物などで過去にアレルギー反応が出たことがあったという。症状が出るまでの時間は2分から2時間半まで、7割は接種後15分以内で、その後の経過が追跡できた20人は、全員すでに回復しているという。

●英国で拡大の変異ウイルス分離に成功 国立感染症研

 英国で問題となっている変異した新型コロナについて、国立感染症研究所は6日までに、国内の空港の検疫所で感染が確認された人のサンプルから変異したウイルスを分離することに成功し、今後、研究機関に提供していくと発表した。分離した変異ウイルスを国内外の研究機関に提供して、感染力や病原性にどういった変化が起きているかなどの研究に活用してもらうことにしている。また、変異したウイルスをより迅速に検出できる技術の開発を行い、国内での監視態勢の構築を進めていく。

 英国から報告されたSARS-CoV-2の新規変異株VOC-202012/01ウイルス粒子の電子顕微鏡写真 出典:国立感染症研究所

英国から報告されたSARS-CoV-2新規変異株VOC-202012/01の電子顕微鏡観察により確認されたウイルス粒子 出典:国立感染症研究所

●時短協力1日最大6万円 「緊急事態宣言」、7日決定 来月7日まで

 政府は6日、新型コロナ対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の実施期間を8日~2月7日とする方針を固めた。対象区域は首都圏1都4県。感染症の専門家らの「諮問委員会」の意見を聞いたうえで7日に正式決定する。政府は飲食が「急所」とみて、飲食に集中した対策の実効性を高めるため、酒類の提供は午前11時~午後7時に限る。営業時間の短縮要請に応じた飲食店に対する協力金の上限を現在の1店当たり1日4万円から6万円に引き上げる方針。一方、要請に応じない飲食店を公表できるようにする。

 野党などが延長を求めていた中小企業支援の「持続化給付金」や「家賃支援給付金」は15日の期限で申請の受け付けを終え、協力金などで代替させる方針。宣言の解除は、病床の逼迫状況や感染者数などを踏まえ、少なくとも「分科会」が示す感染状況で2番目に深刻な「ステージ3」相当の水準まで下がることを目安にする方針。これを満たさない場合は、感染状況の推移や専門家の分析をもとに宣言の延長も検討する。

 特措法に基づく宣言は、安倍前政権時の昨年4月以来2回目。感染防止策などを定めた政府の基本的対処方針は昨年5月の前回の宣言解除時から変わっていない。今回の宣言に伴い変更する必要があり、7日に「諮問委員会」に諮る。国会で報告した後、対策本部を開いて宣言を正式決定する。

●自宅や屋外などで死亡、122人感染 警視庁調べ 12月に56人急増

 自宅や屋外などで人が亡くなって警察が対応した事案で、新型コロナ感染が確認された死者が昨年12月までに計122人いたことが警察庁へ調べでわかった。うち12月に亡くなったのは56人と急増。内訳は、自宅や高齢者施設、宿泊施設などにいて死亡した人は50人、路上など外出先で死亡は6人。死亡前に感染が確認されていた人は18人、感染の疑いとして死後にPCR検査をして感染判明した人は38人。ただ直接の死因が新型コロナか、わかっていない人も含まれる。

 感染が確認された122人を年代別に見ると、70代の39人が最多。60代は23人、80代22人、50代20人、90代9人。それより若い世代で40代6人、30代2人。年代不明は1人だった。都道府県別では東京が36人で約3割を占め、大阪25人、兵庫11人、神奈川9人、埼玉7人と続いた。
 
 感染症に詳しい医師は、「急死の原因には血栓症による脳梗塞や心筋梗塞が考えられる」と指摘。「心血管疾患のある人や肥満の人は血栓症のリスクが高く、当初の症状が軽くても入院した方がよい」。急激な呼吸状態の悪化に注意し、人工呼吸器などによる集中治療を受けられることが重要。医療逼迫で、自宅療養をする人も増えているが、「容体が急変した場合、最後の砦である地域の基幹病院で治療が受けられる態勢を維持することが大切。そのために軽症者はかかりつけ医の対応など、医療機関の役割分担を進めていく必要がある」と話す。

◆専門家組織「東京、年末までの人の動きは大きな減少見られず」

 厚労省の新型コロナ対策を助言する「専門家組織」(アドバイザーリーボード)の会合が6日に開かれ、東京都では年末まで人の動きの大きな減少が見られず、飲食の場が主な要因となっている感染拡大が周辺の県にも波及しているとして、直近1週間の新たな感染者の数は、東京都だけで全国の4分の1、千葉県、埼玉県、神奈川県を加えた1都3県で、全国の半分を占めていると分析。

 また、東京都では去年11月下旬に飲食店に対して営業時間の短縮要請が出された後も、新宿歌舞伎町や新宿駅での人の動きは減っていない。感染者1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は、東京23区では感染が拡大に向かう「1」を上回る状態が続いているという。そして大都市圏での拡大が、地方での感染の発生にも影響しており、大都市の感染を抑えなければ地方での感染を抑えることも困難になると指摘。新年会や、買い物の際の混雑を避けるなど、感染機会を減らすことが必要だとしている。

●医師会長「すでに医療崩壊」

 日本医師会の中川会長は、「緊急事態宣言」について「医療提供体制の逼迫する中、非常に大きな意義がある。1都3県に限定したものだが、今後の感染拡大の状況によっては、全国的な発令も考えなければならない」と述べた。また「まだ医療崩壊の危機ではないのではないかとの声が少なからずあるが、必要な時に適切な医療を提供できない、適切な医療が受けられないことが医療崩壊であり、現実はすでに『医療崩壊』だ」と強調した。

 一方で自民党の森山国会対策委員長が国会議員の会食について、午後8時まで、参加人数は4人以内とすることが望ましいという考えを示したが、「緊急事態宣言下ではすべての国会議員は人数にかかわらず、夜の会食を全面自粛してはどうか」と指摘した。

●愛知県知事「国に緊急事態宣言要請も視野」

 愛知県で1日として過去最多となる364人の感染が確認されたことを踏まえ、大村知事は記者会見で「感染の傾向が変わらなければ、緊急事態宣言の対象に愛知県を加えてもらうよう国に要請することも視野に入れて、検討せざるをえない。感染者の状況をあと数日注視して、どう対応するか速やかに判断したい」と述べた。

●感染最多6000人、東京1591人 重症者最多784人

 国内感染者数は6日現在で6千人となり、1日あたりの最多を記録した。前日から一気に1千人以上増え、2日連続で過去最多を更新した。感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。都道府県別でも最多を記録した地域が相次ぎ、計19都府県にのぼった。東京都で1591人の感染が確認されたほか、大阪府で560人、愛知県で364人、福岡県で316人だった。厚労省によると、5日時点の重症者は全国で784人となり、前日より13人増えて過去最多を更新した。

【1月7日】

●ワクチン接種、遅れる仏

 フランスは、EUが共同で調達したワクチンを使っている。先月27日に、ドイツやイタリアなどと並んで接種を始めたが、今月7日現在の接種数は4万5千回。ドイツ、イタリアは同日までに40万回を超え、英国は3日までに約130万回接種したのと比べ遅れが目立つ。マクロン大統領は今月末までに介護施設に入所している高齢者を中心に100万人に接種するとしているが、その実現も疑問視されている。

 仏メディアは原因として、高齢者への同意手続きの煩雑さや、医師や看護師の人手不足、政府担当部局の対応の遅さなどを指摘。一部の自治体は、独自にワクチンを調達する構えすらみせている。仏メディアによると、マクロン氏は遅れにいらだちを示し、関係閣僚に改善を指示。カステックス首相は7日の記者会見で、「他の国より遅れがあった」と非を認め、ワクチン接種の手続きを簡略化するほか、全国に100設けた接種センターを月内に600まで増やすと約束した。

●「緊急事態宣言」1都3県で2月7日まで 政府方針を「諮問委員会」が了承

 「緊急事態宣言」を出すのを前に、感染症や経済の有識者に意見を聴く「諮問委員会」が開かれ、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、期間を2月7日までとする政府の方針が了承された。菅首相は、夕方に開かれる政府の対策本部で宣言を出す方針。

●菅首相、1都3県に「緊急事態宣言」「1カ月で改善へ全力」

 菅首相は7日、新型コロナ対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県を対象に出した。期間は8日~2月7日。政府は飲食時の感染防止に対策の力点を置くが、宣言を解除するには1カ月間では「十分ではない」と疑問の声も出ている。

  首相官邸で第51回新型コロナ対策本部を開催、発言する菅首相 出典:首相官邸HP

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 首相は7日夕の対策本部で宣言を決め、宣言中は観光支援策「GoToトラベル」の全国一斉停止を続ける。続く記者会見では「何としてもこれ以上の感染拡大を食い止め、減少傾向に転じさせる。そのために宣言を決断した」と説明。「1カ月後に必ず事態を改善させるために、全力をつくし、ありとあらゆる方策を講じる」と語った。 

 4都県は政府方針に合わせ、飲食店とバー・カラオケ店などの遊興施設、劇場、遊園地などの営業は午後8時までと求める。酒類の提供は午前11時~午後7時まで。対象区域の知事が要請した営業時間の短縮に応じない飲食店に、店名の公表もできるようにした。同時に、時短に応じる店への協力金の上限を、現在の1店当たり4万円から6万円に上げた。

 住民に、午後8時以降の不要不急の外出の自粛を徹底するよう要請する。在宅勤務や交代勤務の徹底により、出勤者数の7割削減をめざす。小中高校の一斉休校は求めず、幼稚・保育園なども原則開所。入学試験は予定通り実施。コンサートやスポーツなどのイベント開催要件は厳しくする。大規模イベントは入場者を収容人数の50%を上限に5千人まで。 医療機関支援では、新型コロナ対応病床を増やした病院に対し、1床あたり450万円の補助を上乗せすることも打ち出した。

「緊急事態宣言」の解除の目安は「ステージ2」

 4都県の医療提供体制をみると、最も深刻な「ステージ4」(感染爆発段階)の指標に達しているものも多い。宣言解除の目安について、政府は7日の「諮問委員会」に、「ステージ3」(感染急増)相当に少なくとも下がっていることを踏まえ、「総合的に判断する」との案を諮った。だが、専門家の異論が相次ぎ、解除後の対策の緩和は段階的にし、必要なものは「ステージ2(感染漸増)相当以下に下がるまで続ける」との文言が対処方針の解除の考え方に加わった。

 7日の国内感染者数は7500人を超えた。東京都でも2千人台半ば。西村経済再生相は宣言決定に先立つ国会報告で、指標で機械的に判断しないとしつつも、「東京都に当てはめると1日あたり約500人」を下回ることが解除の目安の一つとした。「諮問委員会」は政府案を妥当としたが、委員からは「1カ月で「ステージ2」までいけるとはなかなか思いにくい」といった声が出ている。

●景気「二番底」懸念

 政府は、2度目の「緊急事態宣言」に踏み切った。外食など消費に近い産業では、営業縮小の動きが広がりそうだ。経済全体への悪影響は、戦後最悪のマイナス成長につながった前回ほどではないものの、落ち込みは避けられない。昨年夏から回復基調にあった景気が腰折れし、「二番底」に向かう懸念も強まっている。

 政府が飲食の場を感染拡大の「急所」とみていることを踏まえ、居酒屋チェーンを含む外食大手はおおむね、1都3県にある店の営業時間を、政府の要請通り午後8時までに短縮する見込み。また、百貨店大手は営業時間を短くし、閉店時間を午後7~8時に前倒しするところが多い。一方、スーパーやコンビニの多くは通常営業を続ける。政府が企業に求める「出勤者の7割削減」を受け、在宅勤務は大企業を中心にこれまで以上に進みそう。

●GDP、再びマイナス成長か

 飲食やレジャーなど、外出を伴うサービスへの支出を控える動きが広がると、国内総生産(GDP)の半分以上を占める個人消費を直撃する見込み。1都3県を対象とする今回の「緊急事態宣言」の影響について、大和総研は、実質GDPを1カ月あたり0.9兆円押し下げると試算。個人消費の落ち込みは0.7兆円で、全国が対象だった前回の宣言時と比べると、6分の1程度という。

 前回は個人消費だけでなく輸出や設備投資にも深刻な影響が及び、昨年4~6月期の実質成長率は年率で30%近いマイナスを記録した。今回は活動が制限される地域や分野が狭いため、落ち込みもそこまでではないとの見方が大勢。ただ、GDPの水準もコロナ前にはほど遠い。専門家からは、2度目の宣言が重しとなり、再びマイナス成長に陥るとの予想が相次ぐ。 

 足元の2021年1~3月期の成長率について、大和総研は年率マイナス0.3%と見込む。三菱UFJリサーチ&コンサルティングはさらに厳しく、マイナス2.5%。今回の宣言について「景気に配慮して決断が遅れ、かえって景気を悪化させることになった」。1カ月で感染拡大を抑え込めず、宣言の延長や地域の拡大に追い込まれることになれば「景気の二番底リスクは急速に高まる」という指摘もある。

 雇用環境も再び厳しさを増す。厚労省によると、コロナの影響で解雇や雇い止め(見込みを含む)にあった人は6日時点で8万121人となり、8万人を超えた。月ごとの人数は昨年10月以降は減少傾向だったが、12月から増加に転じた。第一生命経済研究所では、今回の宣言で失業者数が半年後には8.6万人ほど上積みされると試算。宣言の対象地域や期間が拡大されれば、それだけ職を失う人の数も増える。もっと厳しい影響が出る可能性もあるという。
 
●ビジネス入国、一転継続 「首相に強い思い」

 内閣官房と関係省庁は1月4日、外国人の新規入国を全面的に停止する方向で検討に入った。ところが5日に首相のもとで検討した結果、「変異ウイルスの市中感染が確認された国・地域ごとに停止」とする対応で、中韓を含む11カ国・地域からビジネス関係者などの入国を受け入れている例外は、継続を決めた。背景には、経済界には技能実習生の受け入れ継続を求める声が強く、経済重視の菅首相の意向とされる。与野党の双方からは、即時停止を求める声が出ている。

●「遅きに失した」「説明を」 緊急事態宣言、野党から批判相次ぐ

 「緊急事態宣言」に対し、野党からは菅首相の判断の遅さや説明責任を果たしていないことへの批判が相次いだ。宣言が感染者の増加に歯止めをかけられるかどうか不透明な状況には、与党からも不安の声が出ている。昨年12月から「緊急事態宣言」の必要性を訴えていた立憲民主党の枝野代表は7日、記者団に「遅きに失した」と、このタイミングでの宣言をこう評した。

 この日あった衆参の議院運営委員会での事前報告には、野党側の求めにもかかわらず、首相は出席しなかった。枝野氏は「危機感を感じられない。感染拡大を抑える効果が本当に上がるのか」と批判。共産党の志位委員長も記者会見で、「緊急事態宣言は必要ないと言い続けてきた。これを変えたのだから国民への説明を求めたい」と語り、通常国会で追及していく考え。

 野党は、営業時間の短縮を迫られる飲食店への財政支援を重視する。国民民主党の玉木代表は会見で「浮輪もないまま氷の海に投げ込まれる思いの店舗がたくさんある」と指摘。中小企業支援の「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の申請の受け付けを15日で終え、協力金などで代替する政府方針を「あり得ない」と批判した。

●GoToトラベル停止延長

 国交省は7日、観光支援策「GoToトラベル」の全国停止期間を延長すると発表した。経産省もイベント支援策「GoToイベント」と商店街支援策「GoTo商店街」の一時停止期間を延長する。いずれも昨年12月28日から今月11日まで全国で停止することが決まっていたが、今回の「緊急事態宣言」が終わる2月7日まで全国停止を続ける。

 飲食店を支援する「GoToイート」も、農水省が昨年11月から感染が広がっている地域でのプレミアム付き食事券の販売見合わせと利用自粛を呼びかけており、これを継続する。今回宣言が出る1都3県を含む23都道府県では、すでに食事券の販売が中断されている。3月以降に予定されていた食事券の追加販売も、感染状況を見極めながら慎重に実施するかどうかを判断するという。

●国会議員会食ルール化 批判受けて見送り

 新型コロナ感染拡大を受けた「緊急事態宣言」下における、国会議員の会食に関するルールに関し、自民党の森山国対委員長は6日、立憲民主党の安住国対委員長と会談した後、議員の会食は「夜8時まで、参加人数4人以下」という案を検討していると述べた。

 ところが、日本医師会の中川会長は6日の会見で、「人数にかかわらず全面自粛してはどうか。国会議員に範を示して頂きたい」と指摘。ネット上でも「国民にお願いするなら、まず議員が控えて」などの批判が相次いだ。7日の衆院議運委理事会では、立憲から「基本的に自粛すべしという申し合わせに出来ないか」と提案。自民は「国会議員としてしっかりと自覚をもって対応することで良い」とし、ルール化を見送った。

国民民主党所属の国会議員、飲食伴う会合を原則禁止に

 国民民主党の玉木代表は7日の記者会見で、党所属の国会議員に対し、飲食を伴う会合を7日から原則禁止とすることを明らかにした。玉木氏は「会合は飲食なしでもオンラインでも可能だ。国民に不都合を強いる立場として、原則、会食を伴う会合を行わないよう徹底したい」と述べた。禁止の対象には、今回の宣言の対象になっていない地域の会合も含めるとしている。

●関西3府県と愛知県も宣言要請へ

 大阪府の吉村知事は7日、新型コロナ感染者が年明けに急増したことを受けて、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を生活圏が同じ京都府と兵庫県と一体となって3府県で政府に要請する方針を明らかにした。その後、京都の西脇知事と兵庫の井戸知事も同様の方向性を記者団に示した。3府県の新規感染者はこの日、そろって過去最多を更新。大阪は607人、京都は143人、兵庫は284人だった。

 大阪の吉村知事は記者団に「大阪府として要請すべきじゃないか。対策本部会議で最終的な判断をしたい」と表明。早ければ9日にも西村経済再生相に要請するという。愛知県も、「緊急事態宣言」の対象に加える要請を視野に入れていることを明らかにした。

●東京五輪 開催危ぶむ声も

 開幕まで200日を切った東京五輪について、大会組織委員会の内部でも「緊急事態宣言が3月までに解除されなければ、大会開催そのものが危ぶまれる」との見方が出ている。組織委は現在、選手や大会関係者向けの新型コロナ対策のガイドラインを作成中で、1月中にも各国・地域のオリンピック委員会などとオンライン面談を始める予定。3月末には福島を皮切りに聖火リレーも始まる予定、同時期に政府主導の調整会議で大会時に観客の入場制限を行うかどうかの結論を出す見通し。

 ある大会関係者は「日々の暮らしに苦しむ人や医療従事者のことを想像すると、大会どころではない」と吐露する。組織委は当初、年明けから職員全員が原則出勤する計画だったが、感染拡大で見送った。「緊急事態宣言」が出た後も、現状で5割ほどの出勤率を維持する方針。組織委幹部は「大会開催が迫り、テレワーク中心は難しい」と話す。

●感染最多7500人超える

 7日の国内感染者数は7516人となり、1日あたりの最多を3日連続で更新。前日から1千人以上増えた。6日時点の重症者は全国で796人で、前日より12人増えて、これまでの最多となった。死者は37人増えた。首都圏の1都3県のほか大阪、愛知、福岡など全国の計19都府県で最多を更新。東京都は、2447人の感染を確認。前日の1591人を大きく上回って初めて2千人超え、3日連続で1千人を超えた。都基準の重症者数は前日より8人多い121人で、過去最多を記録。

【1月8日】

●感染者が入院勧告に反した場合、刑事罰導入も 政府が法改正検討

 政府は感染症法を改正して、入院勧告に反した場合などに刑事罰の導入を検討を始めた。8日、政府・与野党連絡協議会で明らかにした。18日に開会する通常国会で感染症法改正、刑事罰を想定しているという。現在の感染症法では、都道府県知事は新型コロナ感染者に必要がある場合は入院を勧告でき、従わなければ強制的に入院させることができる。ただ、従わなかった場合に罰則はない。

 昨年7月末には埼玉県内で入院していた男性が無断で外出、一時行方不明になったこともある。このほか、保健所による行動歴などの調査に協力しなかった場合の罰則についても検討する。

 政府・与党内には、入院勧告や強制的な入院を拒否した場合、「懲役1年以下か100万円以下の罰金」、保健所の調査に協力しない場合にも「50万円以下の罰金」を科す案も浮上。一方、野党からは罰則に慎重な声もあがった。共産党の田村参院議員は「入院させてほしくてもできない事態があるのに、拒否する人に対する罰則の議論をするのか」と疑問を示した。

 また厚労省は、軽症や無症状者の宿泊療養と自宅療養を感染症法で規定することも改正法案に盛り込む方針。これまで法的な位置づけがなく、通知で対応していた。法律に位置づけることで、宿泊療養や自宅療養の実効性を確保できることが期待される。このほか、保健所設置市の患者の情報を都道府県が把握できない問題などを解消するため、保健所の追跡調査結果を都道府県と市などが共有できる仕組みの導入も検討する。

●クラスターの45% 医療・福祉施設で

 政府の「分科会」が8日開かれ、昨年12月に発生した807件のクラスターを分析した結果が報告された。医療機関や福祉施設での発生が45%を占めた。飲食に関連したものは約2割で、このうち約半数は接待を伴う飲食店。報道された情報にもとづき、5人以上の感染者が出たクラスターを分析したもので、分科会メンバーの東北大の押谷教授から報告された。

 807件(感染者数1万3252人)のクラスターのうち、医療・福祉施設での発生が361件(同8191人)と最も多く、45%を占めた。飲食関連が156件(同1664人)、教育施設123件(同1754人)、職場95件(同1103人)、その他72件(同540人)と続いた。飲食関連のうち、接待を伴う飲食店が77件(同907人)で約半数を占めた。そのほかの飲食店39件(同327人)、カラオケ19件(同245人)、会食16件(同134人)、ホームパーティー5件(同51人)だった。

 今回の「緊急事態宣言」は昨年4月の宣言と異なり、感染拡大の「急所」とする飲食の場に対策の重点を置いている。押谷教授は、医療機関や福祉施設、教育施設のクラスターをきっかけに地域に流行が広がることは少ないと指摘。感染の拡大を抑えるうえでは「飲食の場が重要で、そこを抑えていかないといけない」と話した。

●西村担当相 対応遅れ批判に「反論」

 西村経済再生相は、首都圏4都県に2度目の「緊急事態宣言」が出た7日夜、「11月中旬以降強い危機感を持って「ステージ4」になれば「緊急事態宣言」が視野に入ると何度も申し上げてきました」と自らのツイッターに投稿。宣言を出すタイミングをめぐって「対応が後手に回った」などの批判が出ていることに、担当閣僚として「反論」した。

 西村氏は、11月12日の政府「分科会」後の記者会見ですでに「「ステージ4」になれば緊急事態宣言も想定される」と発言したと主張。ただ、この時点では「GoToトラベル」の見直しは行われておらず、分科会が感染リスクが高いと指摘している5人以上の会食も飲食店支援の「イート」の対象だった。西村氏は翌13日の京都市長との面談では、イートの利用促進を勧めている。
 
 西村氏の「反論」に対しSNSでは、特別措置法改正の議論をせず、政府・与党が臨時国会を昨年12月上旬に閉じたことなどを批判する反応が出ている。

●二階氏、党内に「飲食を伴う会合控えて」

 自民党の二階幹事長は8日、「緊急事態宣言」が発出されたことを受け、飲食を伴う会合への参加を控えることや、午後8時以降の不要不急の外出自粛の徹底を求める文書を所属国会議員に出した。国会議員の会食をめぐっては、昨年12月に二階氏が菅首相らと都内のステーキ店で8人で会食し、批判を浴びた。その後、国会で「夜8時まで」「参加人数4人以下」とする会食ルールが一時検討されたが、日本医師会からやネット上で「全面自粛すべきだ」などと指摘を受けて見送られていた。

●東京都、陽性でも入院先など決まらない人が急増

 東京都では、検査で陽性になっても入院先や療養先が決まらない人が急増、入院が必要な人でも自宅で待機するケースが相次いでいる。また人工透析を受けていて新型コロナに感染した患者が入院できる病床が、ことしに入って満床の状態になっている。

 東京都で入院や療養先が調整中となっている人は、先月5日までの1週間では700人余りだったが、今月2日までの1週間は3000人余りに達しおよそ1か月で4倍に増加。感染の急拡大で陽性者が増加したことに加え、病床や宿泊施設が逼迫し、入院や療養先を確保するのに時間がかかっていることも背景にあるとみられる。このため、本来入院すべき人が自宅で待機せざるをえないケースが相次いでいる。

●国内最多の78人死亡、7882人感染

 8日、全国で7882人の感染が発表され、4日連続で過去最多を更新。また死亡は78人と最多。このうち、大阪府で19人、北海道で10人、愛知県7人、東京都7人、神奈川県7人。 

【1月9日】

●関西3府県、「緊急事態宣言」を要請

 大阪、京都、兵庫の3府県の知事は9日、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の発出を西村経済再生相にオンラインで共同要請した。「年明け以降、感染が急拡大するとともに、医療提供体制は非常に逼迫。さらなる感染防止対策をとることが必要である」としている。西村氏は会議後、「極めて厳しい状況との認識を共有した」と話し、専門家の意見を聞いて判断する考えを示した。

 これを受け、大阪府の吉村知事は記者団に、14日から首都圏と同様の営業時間の短縮要請を行う考えを示した。12日に府の対策本部会議を開いて決める。府は現在、大阪市内の居酒屋などに午後9時までの時短要請をしている。これを14日から2月7日まで府全域で酒を提供していない飲食店にも対象を拡大。時短要請も1時間前倒しして午後8時まで。酒類の提供は午前11時~午後7時。午後8時以降の不要不急の外出自粛の徹底も求める。

 大阪など関西3府県知事 宣言要請前に、全国知事会で感染状況説明 出典:NHK NEWS WEB

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●宮崎県と岐阜県、独自の「非常事態宣言」

 宮崎県は県独自の「緊急事態宣言」を出し、1月9日から22日まで県内全域で通勤・通学や生活必需品の買い出しなどを除いて、原則、外出を自粛することや飲食店の営業時間を午後8時までに短縮するよう要請を始めた。

 また岐阜県も9日、独自の「非常事態宣言」を発表しし、酒を提供する飲食店を対象にした営業時間短縮の要請を来月7日まで延長するとともに、県民に対して不要不急の外出の自粛などを呼びかけている。営業の終了時間は現在の午後9時まで、から午後8時までに前倒しし、酒の提供は午前11時から午後7時までとしている。

●死者4千人超す 20日弱で1千人増

 新型コロナによる死者は9日、59人増えて4035人(クルーズ船を含む)となり、4千人を超えた。国内では死者が昨年7月20日に1千人に達した。昨年11月22日の2千人超えから3千人に達するまでは1カ月(12月22日)。3千人越えから20日足らずで4千を越えた。感染が拡大し、死者の増加ペースも早まっている。

 国内感染者は9日で新たに7790人が確認、3日連続で7千人を上回った。東京都では2268人の感染を確認。過去3番目の多さで、3日連続で2千人超。神奈川県では999人の感染を確認、3日続けて過去最多を更新。黒岩知事は9日、報道陣の取材に「病床、宿泊療養施設のキャパシティーは限界に達し、入院で30人、宿泊療養施設で80人を超える方に待機して頂いている」と明らかにした。

 「緊急事態宣言」の対象の埼玉県は518人、千葉県は477人で、ともに最多を更新。兵庫県でも324人が感染し、4日連続で最多を更新した。重症者も前日の集計より1人増えて827人で、過去最多となった。

【1月10日】

●ブラジルから新たな変異型

 厚労省は10日、ブラジルから到着し空港検疫で新型コロナ感染が確認された男女4人から、英国や南アフリカで報告されていたものと共通の変異が一部にある新たな変異ウイルスを検出したと発表。4人は10~40代で、2日に羽田空港に到着。うち3人に頭痛や発熱などの症状がある。この新たな変異ウイルスは世界でまだ報告例がなく、国立感染症研究所などが感染力の強さなどを調査中という。

 このほかに、昨年12月22日に英国から入国して発症した男性との濃厚接触者2人と、同月25日に英国から帰国した男性の計3人から英国の変異ウイルスが新たに検出されたことも発表した。

●関西3府県の緊急事態要請 首相「数日状況見る」

 菅首相は10日、感染が急拡大する大阪、京都、兵庫の3府県による「緊急事態宣言」への追加要請について、「必要であれば、すぐ対応できるような準備はしている」と述べた。そのうえで「数日の状況を見る必要があるということだ」とし、専門家らの分析結果を待って判断する考えを示した。

●内閣支持率が急落 支持と不支持が逆転 JNNと共同調査

 菅内閣の支持率の急落が続いている。「JNN」の調査(9~10日実施)では、菅内閣の支持率は12月の前回調査から14.3ポイント減の41%、不支持は14.8ポイント増の55.9%と支持と不支持が初めて逆転した。「共同」の調査(同日実施)では支持率は9ポイント減の41.3%、不支持は10ポイント増の42.8%となった。

 また「JNN」では、政府の対応を「評価しない」が63%で「評価する」の28%を大きく上回った。「共同」では「評価しない」の68.3%に対して、「評価する」は24.9%と安倍政権を含め最も低い結果。政府が1都3県に「緊急事態宣言」を発出したことについて、「遅すぎる」と答えた人は「JNN」で83%、「共同」で79.2%に上った。

 飲食店の時短営業や外出自粛の呼びかけなど政府が柱とする感染防止対策について、「共同」では「期待できない」が72.6%、「JNN」では「不十分だ」が55%。「緊急事態宣言」の期間2月7日までとなっているが、「JNN」では、1カ月で宣言を解除「できると思う」は7%にとどまり、「できると思わない」が87%に達した。

●重症最多852人

 国内の感染者は10日、新たに6095人が確認された。死者は45人だった。厚労省によると、全国の重症者は9日時点で前日より25人多い852人となり、過去最多を更新。東京都は1494人で、4日ぶりに2千人を下回ったが、日曜日としては初めて1千人を超え。都基準の重症者数は過去最多だった前日より1人減って128人だった。

 神奈川県では、県内の即応可能病床の利用率は重症用94%、中等症用(軽症含む)85%。県は「新規感染者の入院受け入れの調整が困難になっており、27日ごろ患者数が病床数を超えそうだ」としている。また、福島県と静岡県では、感染者数が過去最多を更新。

【1月11日】

●コロナ重篤患者、日本で開発の薬投与で死亡率低下 英で研究成果

 新型コロナで重篤となった患者に、日本で開発された関節リウマチの治療薬を投与することで、死亡率が下がったなどとする研究成果を、英国の大学「インペリアル・カレッジ・ロンドン」などのグループが公表した。「アクテムラ」などを使わなかった患者およそ400人では死亡率が35.8%だったのに対し、「アクテムラ」を投与したおよそ350人は死亡率が28%と低くなった。また、いずれの薬でも、集中治療を受ける期間が10日ほど短くなったという。

 「アクテムラ」は、免疫が暴走して自分の細胞を攻撃してしまう「サイトカインストーム」という現象を抑える効果があると期待されている。英国政府は、重症患者に「アクテムラ」などを使うよう推奨する方針をウェブサイトで示した。

●WHO「集団免疫、ことし中に獲得 難しい」

 WHOは、新型コロナのワクチンの接種をめぐって、世界の多くの人が免疫を持つことで感染が広がりにくくなる、いわゆる「集団免疫」の状態をことし中に獲得することは難しいという認識を示した。1月8日の時点で先進国を中心に42か国でワクチンの接種や準備が始まっているが、ワクチンを広く世界に行き渡らせるにはまだ時間がかかり「集団免疫」を獲得できる水準には届かないとしている。「集団免疫」について、WHOは、世界の70%を超える人がワクチンを接種する必要があるという見方を示している。

●WHO調査団、14日訪中 中国、コロナ起源意味せずと強調

 中国政府は11日、新型コロナの起源を調べるWHOの調査団が14日から訪中すると発表した。調査団は5日ごろから中国に出発する予定だったが、中国側からの許可が得られず、入国できずにいた。中国の国家衛生健康委員会が調査団の中国入りの日程をHPで公表、「中国の科学者と共同で科学調査を行う」とした。中国外務省の報道局長は11日の会見で「WHOはほかの国や地域でも同様の調査を行うだろう」と述べ、調査が、中国が起源だということを意味しないと強調した。

 WHO側の不満への配慮もあり、中国側は調査団をできるだけ早く受け入れるべきと判断したようだ。中国側が調査の過程でどこまで透明性を確保し、協力姿勢を示すか注目される。テドロス事務局長は中国の11日の発表を受け、ツイッターに「ウイルスの発生源と人間への感染経路を特定するという重要な使命について、中国側と緊密に協力することを楽しみにしている」と投稿。

 WHOによると、ウイルスや疫学などの各国の専門家10人で構成される調査団は2019年12月に感染者が確認された湖北省・武漢市で、患者が出た華南海鮮卸売市場や病院の記録などを調べる予定。中国側は、すでに武漢周辺の調査を行ったが、感染源はわかっていないとしている。

●コロナ死者、直近では1カ月で全体の4割 人工呼吸器使えない例も

 国内の新型コロナによる死者数が、かつてない勢いで増えている。9日にはダイヤモンド・プリンセスの乗船者を含め、4千人を突破。いまのペースが続けば、今月中には5千人に達する。東京などの都市部では重症患者の受け入れも難しくなりつつあり、治療の優先順位を決める「トリアージ」が始まっている現状がある。

 昨年10月末には、1日あたりの死者数(1週間平均)は8人だったが、11月末22人、12月末53人。今月10日までの直近1カ月で計1500人以上が亡くなり、これまでの新型コロナによる死者の4割を占める。

 重症用の病床が逼迫する中、地域によっては人工呼吸器を使った治療が選択できない患者も出ている。都内では今月5日時点で、人工呼吸器かECMOを使っている「重症患者」は111人。だが、関係者によると、そのほかに、亡くなるおそれがありながらこうした積極的な治療をする予定はない人が、同日時点で75人いたという。日々公表される「重症患者数」以上に、医療現場の負荷は増している。もうすぐ呼吸器が必要になりそうだったり、呼吸器から脱したものの予断を許さない状態だったりする人たちも約170人いた。

●治療の選別、始まった都市部 病床数逼迫、受け入れ困難 入院先決まらぬ高齢者

 新型コロナ感染拡大に歯止めがかからず、医療機関の病床の逼迫の度合いは日に日に厳しさを増している。入院が必要な人を受け入れることが難しくなり、人工呼吸器をめぐる治療の選別が始まっている地域もある。専門家は、今後さらに死者が増えるペースが速まると懸念している。感染すると重症化しやすい高齢者や持病のある人ですら、入院先が見つからない。そんな現実がすでに起きている。

 東京都内の入院患者は今月5日には3千人を超えた。内閣官房の資料によると、入院患者のピーク時に確保する計画となっている「確保想定病床」の利用率は8割に迫る。都の入院調整本部では、入院先を決められず翌日以降に繰り越すために、自宅や入居施設で待機を余儀なくされるケースが連日のように発生。400人以上の入院先が決まらない日も。中には呼吸が苦しいという症状が出ていても、自宅待機になる高齢者もいるという。

●コロナ下の成人式、オンラインで式典 会場分散

 「成人の日」の11日。新型コロナの感染拡大が続くなか、全国各地で成人式をめぐる対応が分かれた。「緊急事態宣言」が出された1都3県では延期や中止、オンライン開催が目立ち、式典が開かれた会場でも感染対策が徹底された。横浜市は、会場を2カ所に増やし、回数を各会場4回ずつに分け、開催時間も例年の35分から15分に短縮したりした。

●全国4876人感染 重症最多864人

 国内感染者は11日、新たに4876人が確認された。東京都の新規感染者数は1219人で、1週間連続の1千人超えとなった。全国の重症者は過去最多の864人(10日時点)になり、死者は48人となった。東京都内の新規感染者数は月曜日としては最多。また、都基準の重症者数は3人増えて過去最多の131人になった。

【1月12日】

●「緊急事態宣言」の要請相次ぐ 各地で危機感

 新型コロナの感染が広がり、大阪・兵庫・京都の3府県に加え、愛知・岐阜、栃木の3県も12日、国に対して「緊急事態宣言」を出すように要請した。政府は13日にも、以上の6府県のほか、福岡をあわせて7府県を対象に、「緊急事態宣言」を出す方向で最終調整している。

●関西・東海などに「緊急事態宣言」の方針

 政府は12日、感染者が急増している7府県に対し、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を発出する方針を固めた。13日に決定する。宣言の区域は、首都圏4都県に出した7日から1週間足らずで、11都府県に広がる。実施期間は、2月7日まで。飲食店の閉店時間を午後8時までとする営業時間の短縮要請や、出勤者数の7割削減をめざした在宅勤務や交代勤務の徹底などを同じように求める。
 
 首相は今月7日の会見で「現時点において、そうした状況にはないと思う」と首都圏以外への宣言に否定的だったが、各地で感染が広がって知事から相次いで要請を受ける状況となり、追加に踏み切った。首相官邸で12日に開かれた政府与党連絡会議では、首都圏以外でも感染者が急増する地域があるとして、「宣言の対象地域の拡大について検討に入る」と述べた。

●宣言前に「予防的措置」 特措法改正原案 命令違反は過料

 政府は12日、新型コロナ感染症対応の特別措置法の改正原案を自民党会合で示した。政府は、「蔓延防止等重点措置」について、「緊急事態宣言」を出す前の予防的な措置として導入を目指す。政府対策本部長(首相)が、「蔓延防止等重点措置」を実施する期間と区域を指定する。対象となった都道府県の知事は、事業者に対して営業時間の変更を要請でき、正当な理由なく応じなかった場合には「命令」できると規定。立ち入り検査や報告を求めることができ、これを拒んだ場合の過料も設ける。

 現行法では、宣言下でも知事要請に応じない場合の罰則は規定されていない。過料の導入には野党から批判があり、金額などについて今後さらに検討する。一方、野党側が罰則導入の前提として求めた支援措置については「事業者に対する支援を講ずるよう努める」との表現にとどまった。

 会合では、感染症法を改正し、新型コロナ感染症をこれまでの「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」に分類する方針も示された。コロナ感染症は現在、「指定感染症」に位置付けられる。期限は2年間、以降の分類を決める必要がある。同法では、エボラ出血熱などの1類から季節性インフルなどの5類まで危険度に応じた分類のほか、新型インフルを想定した分類もあり、それぞれ入院措置などのとるべき対策を決めている。新型コロナは、1~5類に当てはめるのが困難、柔軟な対応が可能な「新型インフルエンザ等感染症」に追加する。

 また、検討項目のうち、保健所による行動歴などの調査を拒否した場合などの罰則について、対象を感染者に限り、濃厚接触者は含まない方向で調整する。そのほか入院中に逃げ出したり入院を拒否したりした場合に罰則を設ける。また、都道府県知事が軽症者や無症状者に宿泊・自宅療養の協力を要請できる規定も設け、応じない場合には入院を勧告できるとした。

●全国で新たに4539人感染 重症者881人は最多更新

 国内感染者は12日、新たに4539人が確認された。亡くなった人は64人増えた。厚労省によると、11日時点の重症者は全国で881人となり、前日より17人増えて過去最多を更新した。東京都では970人が確認され、8日ぶりに1千人を下回った。一方、都基準の重症者数は前日から13人増えて144人となり、最多を更新。13日に「緊急事態が宣言」される大阪府で374人、京都府108人、兵庫県161人がそれぞれ確認された。

 横浜刑務所(横浜市)でクラスターが発生し、これまでに受刑者28人と職員7人の計35人の感染が確認された。感染者や濃厚接触者を個室に移し、刑務作業や面会を全面的に中止とした。

【1月13日】

●7府県に「緊急事態宣言」追加、合わせて11都府県に

 政府は13日夕、新型コロナの感染が拡大している7府県に対し、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を出した。対象地域は大阪、京都、兵庫の関西3府県と、愛知、岐阜の東海2県、栃木、福岡の両県。宣言の対象地域はすでに出されている1都3県と合わせて11の都府県になる。

 政府は同日午後、感染症や経済の有識者らでつくる「諮問委員会」に7府県への宣言発出について意見を聴いたうえで国会に説明。その後、政府の対策本部で正式に決定。期間は2月7日まで。飲食店の営業時間を午後8時までとする短縮要請や、出勤者数の7割削減をめざした在宅勤務や交代勤務の徹底などを求める。政府は、追加地域の知事が飲食店などへの時短要請を強化すれば、協力金の上限を1店当たり1日4万円から、4都県と同じ6万円に引き上げる。

●尾身会長「時短だけでは下火にできず、昼夜問わず外出控えて」

 「緊急事態宣言」の11都府県への拡大直後の13日夜、「諮問委員会」の尾身会長は「今回、緊急事態宣言の対象となったような地域では、飲食店の営業時間短縮だけでは感染を下火にはできないと思う。外出の自粛や人の移動制限、テレワークの推進、イベントの入場制限など総合的な対策が必要だ。仮に最悪の事態になりそうな場合は休業要請などより強い選択肢もありえる」と述べた。

●緊急事態「全国も選択肢」 日医会長「医療崩壊進んでいる」

 新型コロナ感染者が急増している7府県に対し、政府が「緊急事態宣言」の対象に加えることを受け、日本医師会の中川会長は13日の会見で「感染が全国に蔓延して手遅れになることがないよう、早め早めの対策を講じることが大切。全国的な「緊急事態宣言」も選択肢の一つだ」と述べた。今後の感染状況を踏まえ、宣言の対象を全国に広げることも視野に入れるべきだとの考えを示した。

 中川氏は現在の医療提供体制について「全国的に医療崩壊がすでに進行している」と述べ、必要な時に適切な医療を受けることができない事態が広がっていると指摘。「首都圏など宣言対象地域において、通常の患者受け入れを断るなど、すでに医療崩壊の状態になってきている。心筋梗塞や脳卒中で倒れた患者の受け入れ機関が見つからない、がんの手術が延期された、ということが現実化している」と訴えた。そのうえで、「さらに感染者数の増加が続くと、医療壊滅につながる恐れがある」とした。

 さらに、これまでの政府の対応を念頭に「(感染の広がりを示す)データがすべて基準を上回ってからというのは手遅れ感が否めない」とも述べ、先手の判断を促した。また、中川氏は前回の「緊急事態宣言」時と比べ、新規感染者の報告数が大幅に増えているとして「強制力を持った行動制限も必要ではないか」と言及した。

●西村経済再生相、宣言の全国拡大には否定的な見解

 「緊急事態宣言」の対象地域の追加を前に、衆議院内閣委員会で閉会中審査が行われた。西村経済再生担当相は、今後、宣言の対象地域を全国に拡大する可能性を問われ「最初から幅広く宣言を出して一気に抑えることは一般的な危機管理の手法としてはありえるが、法律では私権の制約を最小限にするよう規定されている。たとえば、東北などかなり感染を低く抑えている地域まで対象とするかは慎重に考えなくてはならない」と述べ、否定的な見解を示した。

●外国人入国、一転全面停止 宣言期間中 ビジネス客含め

 菅首相は13日夜の記者会見で、中韓を含む11カ国・地域からビジネス関係者などを受け入れている入国緩和策について、一時停止にすると表明した。与野党の双方や世論の批判を受け、首相は方針転換した。停止は14日から「緊急事態宣言」の解除までとしている。これにより、外国人の新規入国は事実上、全面的に止まる。すでに査証(ビザ)を発給済みの人については、21日午前0時まで原則として入国を認める。

●「緊急事態宣言」解除急ぐと4月に再宣言の恐れ 西浦教授計算

 今回の「緊急事態宣言」について、京都大学の西浦教授がシミュレーションを公表。東京都内の感染者数が1日500人になった段階で対策を緩和すると、2か月以内に再び感染が拡大したとしている。一方、1日100人以下になってから緩和した場合には4か月以上たっても1日の感染者が1000人を超えなかったという。結果は13日にあった厚労省の「専門家組織」の会合に提出された。
 
 計算では、感染者1人が感染させる人数を示す実効再生産数を使った。1未満なら感染が収まっていく。東京では12月下旬は平均1.1ほど。宣言後に実効再生産数が2割減の0.88まで下がれば、2月24日に500人未満を達成。その直後から対策を宣言前に戻して1.1ほどに戻ると、4月14日には宣言時と同水準まで感染者が増えるという結果になった。

  西浦教授は「緊急事態宣言では、感染者数を思い切り減らしたほうが、効果は大きくなる。長期的な見通しを考えながら宣言の在り方や解除の基準を考えるべきだ」とコメント。実効再生産数は接触機会の頻度に大きく影響され、刻々と変動するが、今回のシミュレーションは、特定の数値がそのまま続いたと仮定して感染者数を計算している。2月以降に接種開始が見込まれるワクチンや季節の影響も今回の試算には加味されていないという。

 西浦教授のシミュレーション 出典:2021年1月13日放送「news zero」(日テレNEWS24)

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●国内感染30万人超 3週間余りで10万人増

 国内で確認された新型コロナの感染者(大型クルーズ船の乗客らを含む)が13日、累計で30万人を超えた。20万人を超えたのは昨年12月下旬。国内で初めて感染者が確認されてから間もなく1年になるが、総数の3分の1が3週間余りで上積みされたことになる。国内で感染者が確認されたのは昨年1月15日で、10万人を超えたのは9カ月半後の10月29日。52日後の12月20日に20万人超となってから24日で10万人が加わり、増加ペースが加速している。

●全国の重症者900人 死者97人は最多

 国内感染者は13日、新たに5870人が確認された。死者は97人で、8日の78人を上回り、過去最多を更新。東京、神奈川、大阪が各13人だった。また、厚労省によると、12日時点の重症者は全国で900人となり、前日より19人増加。10日連続で過去最多を更新した。

 東京都の感染者は1433人。12日時点で入院患者は3427人に上り、過去最多を更新。東京の死者13人のうち、50代女性と80代男性は自宅療養者だった。独居していた50代女性は高血圧などの基礎疾患があったが、発熱などの症状が比較的軽かったため自宅療養していた。80代男性は感染が判明した翌日8日に保健所が入院先を調整。だが搬送先が見つからず症状が収まってきたため、自宅で様子を見ることにした。11日朝に家族から「症状が悪化してきた」と連絡があり、医療機関に搬送されたが同日に死亡した。男性は糖尿病を患っていた。

【1月14日】

●中国、9カ月ぶり死者発表

 中国の国家衛生健康委員会は14日、河北省で新型コロナ患者1人が亡くなったと発表した。中国本土での死者の確認は約9カ月ぶり。香港などを除く死者数は累計で4635人となった。 今年に入って約700人の感染が確認された同省をはじめ各地で市中感染が増加傾向にあり、当局は大都市で全住民対象のPCR検査や厳しい移動制限を実施するなど、再び緊張が高まっている。

 同省では今月2日に経路不明の感染者1人が確認された後、周辺に拡大。多くの感染者が出た村々が封鎖され、650人前後の感染が確認された省都・石家荘市では市外へ出る車の通行や鉄道への乗車も禁じられた。人口約1千万人の同市などで住民全員のPCR検査を実施しているほか、13日から同市内では約3千人を収容できる隔離施設の建設も始まった。

 中国政府は感染者の早期発見と徹底した隔離を進め、中国本土では昨年9~11月の3カ月で新規の市中感染者(無症状を含む)が500人を割っていた。しかし、12月から再び増加傾向に入り、今月13日までの間に河北省や北京市、東北地方などを中心に20以上の都市や地域で計1千人近い新規感染者が見つかった。

●WHO調査チーム、武漢に到着 新型コロナ発生源など調査

 新型コロナの発生源などについて調べるWHOが組織した各国の専門家10人からなる調査チームが、14日午前、湖北省武漢の空港に到着した。当初今月上旬に開始される予定だった調査は、調査チームが中国への入国を拒否されたことで遅れていた。数カ月にわたるWHOと中国の交渉の末、待ち望まれていた新型ウイルスの発生源調査が行われることとなった。一行は、武漢市内で2週間の隔離を終えたあと、本格的な調査を行う予定。

 中国政府の専門家は、感染拡大当初はウイルスの発生源について、中国に生息するコウモリに由来するなどとしていたが、最近では海外から持ち込まれた可能性も否定できないなどと主張している。WHOのベンエンバレク氏は「論理的には中国で発生したと考えるのが妥当だ」と述べた。今回の調査では、中国政府が調査チームの要望に十分応じるかに加え、トランプ大統領が、ウイルスが流出した可能性があると主張する武漢の研究所の調査を認めるかなどが焦点。

●インドネシア、中国製ワクチンの接種が始まる 東南アジア各国も

 新型コロナ感染者と死者が東南アジアで最も多いインドネシアで、中国の製薬会社「シノバック」が開発するワクチンの接種が始まった。13日、ジョコ大統領が国内で初めて接種を受けたのに続き、14日からは医療従事者らを優先して各地で接種。

 インドネシアのほかにも東南アジア各国では中国の製薬会社のワクチンを調達する動きが進んでいる。中国は、途上国を中心に、ワクチンの提供を積極的に行っていて、国際社会からは、対外的な影響力の拡大を図る「ワクチン外交」だと指摘されている。

◆韓国、感染者減少へ “会食の人数制限が効果” 継続検討

 韓国では去年12月から今年1月初めにかけて、1日当たりの感染者数が1000人を超える日が相次いでいたが、今週は4日連続で500人前後に減少。これについて韓国政府は会食の人数を制限した措置などが「効果を上げている」として、この措置を継続するかどうか検討している。韓国では人が集まる場所でのマスクの着用が義務付けられ、5人以上の集まりや会食も禁止、違反した場合には本人や飲食店などにそれぞれ過料が科されている。

●入院勧告拒否で懲役や罰金など刑事罰検討

 新型コロナ感染者が、宿泊療養を求める自治体の要請に応じなかったり、保健所の調査を拒否したりするケースが相次いでいることから、政府は、来週召集される通常国会で、感染症法の改正を目指している。感染者が、宿泊療養などの要請に応じず、入院勧告にも反した場合には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を、保健所の調査を拒否したり虚偽の申告を行ったりした場合には「50万円以下の罰金」を科す案を検討中。

 一方、新型コロナ対策の特別措置法を改正し、営業時間の短縮などの命令に応じない事業者に対して、行政罰としての過料を科す方針で来週にも改正案を閣議決定する。これらについて野党側からは、慎重な声や反対の意見が出ている。

●医学会連合、罰則反対の緊急声明

 新型コロナ患者が入院を拒んだ場合などに罰則を設けることを盛り込んだ感染症法改正を政府が検討していることについて、日本医学会連合は14日、門田(もんでん)会長名で緊急声明を発表した。入院強制や検査・情報提供の義務に罰則を伴う条項を設けることに反対している。

 日本医学会連合は、医学系136学会が加盟する学術団体。緊急声明では、かつてハンセン病などで、「科学的根拠が乏しいにもかかわらず患者・感染者の強制収容が法的になされた歴史的反省のうえに成り立つことを深く認識する必要がある」と説明。入院を拒むのにはさまざまな理由があるかもしれず、「感染者個人に責任を負わせることは、倫理的に受け入れがたいと言わざるをえない」とする。日本公衆衛生学会と日本疫学会も同日、連名で同様の声明を出した。

●「爆発的な感染拡大を疑わせる水準」専門家が都内の状況に危機感

 14日、東京都の「モニタリング会議」が開かれ、専門家は「新規陽性者数が経験したことのない速度で増加している。爆発的な感染拡大を疑わせる水準だ」と非常に強い危機感を示した。7日間平均の感染確認が、先週の1029人から今週は1699人になったことを挙げて、この増加比のままだと1日の新たな感染確認が1週間後には1.7倍になり、2週間後には新たな入院患者だけで、都が確保している4000の病床を上回ると見込まれると指摘。専門家は「入院治療と宿泊療養の受け入れの限界を超え、通常の医療も逼迫、極めて深刻な感染状況だ」と述べた。

●都立・公社3病院、コロナ専門へ

 新型コロナ感染者の急増を受け、東京都は14日の会議で、都立・公社の計3病院を実質的に「コロナ専門病院」にする方針を明らかにした。都の幹部によると、3病院で計720床を確保し、うち都立広尾病院(渋谷区)では新型コロナ以外の入院や診療をすべて休止するという。

 こうした方針の背景には、コロナ患者用の病床が切迫し、保健所に入院相当と判断されても受け入れ先がなかなか決まらない「待機者」が増えている現状がある。都内の入院患者は13日時点で3266人に上り、確保する4千床のうち81.7%が埋まっている。都は今月1~13日に、自宅療養中に3人が亡くなったと発表。担当者は13日、「適切に入院できていたら、こういう事態を招かなかったかもしれない。リスクの高い感染者はできる限り、入院できるよう調整していきたい」と話していた。

●病床逼迫で救急患者の搬送困難事例が急増 12月の2倍に

 新型コロナ感染が急速に拡大して病床が逼迫する中、急病の患者の受け入れ先がなかなか決まらないケースも急増していることが消防庁のまとめで分かった。患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」としていて、これが1月10日までの1週間で2707件と、12月上旬と比べて2倍近くに増え、調査を始めた去年4月以降で最も多くなった。新型コロナの感染拡大が救急医療に深刻な影響を与えている。

●自宅療養中に悪化し死亡、相次ぐ 東京・神奈川など4都県で7

 新型コロナへの感染が確認された当初は入院の必要がないと判断され自宅で療養していて、急に症状が悪化して死亡する人が相次いでいる。NHKが関東の1都6県の自治体に取材したところ、新型コロナに感染したあと自宅療養中に症状が悪化して死亡した人は12月以降で、東京都で3人、栃木県で2人、神奈川県と群馬県で1人と、4つの都県で7人にのぼっていることがわかった。急速な感染拡大に伴って、東京都内では自宅で療養している人が増え続け、13日時点で8000人を超えている。

●コロナ、地方でも急拡大 熊本・宮崎・沖縄「緊急事態」並み

 新型コロナの感染状況を測るため、政府「分科会」が示した6つの指標で、「ステージ4」の基準値を4つ以上で超えている自治体が14あることがわかった。「緊急事態宣言」の対象になっている11都府県のほか、熊本、宮崎、沖縄の3県も該当。地方でも感染が急拡大し、医療が逼迫している。

 「分科会」による指標は、①病床の使用率、②療養者数(10万人あたり)、③PCR陽性率、④直近1週間の新規感染者数(10万人あたり)、⑤新規感染者数の前週比、⑥感染経路不明割合。12日時点の数値を中心に各自治体に取材したところ、千葉、東京、兵庫、福岡が「ステージ4」の基準値を6つの指標すべてで超えていた。栃木、神奈川、大阪、熊本は5つ、埼玉、岐阜、愛知、京都、宮崎、沖縄は4つで上回った。

 「ステージ3」でみると、24自治体が4つ以上、32自治体が3つ以上の基準値を超えていた。今回の「緊急事態宣言」で、政府は「ステージ3相当」になることが解除の基準。だが、「ステージ3」でも医療にかなり負荷がかかった状態にあり、政府は解除後も「ステージ2相当」以下になるまで必要な対策を続けるとしている。

 政府の「分科会」による感染状況の4段階(ステージ)と6つの指標 出典:NHK WEB NEWS

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●熊本県が独自の「緊急事態宣言」を発令

 感染が急拡大していることから、熊本県は14日、独自の「緊急事態宣言」を発令し、県民に不要不急の外出自粛などを要請した。今月18日からは県内すべての飲食店に対し、酒類の提供を午後7時までとし、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請する。要請に全面的に応じた飲食店には1日当たり4万円の協力金を支給する。

 また三重県も、県独自の「緊急警戒宣言」を出し、愛知県に近い県北部にあり、感染状況が悪化している桑名市と四日市市、鈴鹿市の3つの市で、1月18日から酒を提供する飲食店などの営業時間を午後9時までに短縮するよう要請した。すでに宮崎県が独自の「緊急事態宣言」を出していて、各地でこうした動きが相次いでいる。

●西村経済再生相、広島市に宣言対象地域と同様の財政支援

 西村経済再生相は記者会見で、感染状況が悪化している広島市について「緊急事態宣言」の対象地域に準じた措置が必要だとして、宣言の対象地域と同様の財政支援を行う方向で最終調整を進める考えを明らかにした。これによって政府は、営業時間の短縮要請に応じた飲食店への協力金を1日あたり6万円に引き上げることなどへの財政支援を行う。

 政府は、感染が急速に拡大し「ステージ4」に近づきつつある場合は、「緊急事態宣言」が出されていない地域でも同様の措置として財政面での支援を拡充することにしている。西村氏は参議院内閣委員会の閉会中審査で、「緊急事態宣言」の対象地域について「今後、状況次第では追加もあるが、全国に拡大するかは慎重に考えなければいけない」と述べ、全国拡大に否定的な考えを示し、一方で状況次第では対象地域のさらなる追加もありうるという認識を示した。

●吉村府知事、宣言解除「目安は1日の感染者数300人以下」

 大阪府の吉村知事は、現在出されている「緊急事態宣言」の解除について「安定的に『ステージ3』の状況に早くなることが1つの国の解除基準だ。大阪での1つの目安としては、1日の感染者数が300人を安定的に下回ることがめどだ」と述べ、府内の日々の感染者数が300人以下に減少することが1つの基準になるという認識を示した。

●官房長官、宣言解除基準めぐる専門家試算 「一定の仮定」認識

 「緊急事態宣言」をめぐり、専門家が、東京の感染者数が1日当たり500人を下回った段階で対策を緩和すれば、再び感染が拡大しかねないと指摘したことについて、加藤官房長官は「シミたュレーションは、一定の仮定を置いたうえで試算されたものだと承知しており、今後の感染者数の見通しは、どうしても一定の仮定を置かざるをえないと思う」と述べ、今後の対応を慎重に判断していく考えを強調した。

●全国で新たに6606人感染 大阪の死者が全国最多に

 国内感染者は14日、新たに6606人が確認された。全国で66人が亡くなった。厚労省によると、13日時点の全国の重症者は前日より20人多い920人となり、過去最多を11日連続で更新した。

 11人の死亡が確認された大阪府では、死者の合計が714人となった。東京都の707人を上回り、大阪府が最も多くなった。東京都の新たな感染者は1502人。2日連続で1千人を超えた。また、都基準の重症者数は、前日から6人減って135人となった。このほか神奈川県が985人、大阪府が592人、愛知県が312人、福岡県が341人だった。千葉県では488人、宮城県は87人となり、両県とも過去最多となった。

【1月15日】

●仏、外出禁止を午後6時に前倒しへ コロナ変異ウイルス拡大

 フランス政府は変異した新型コロナの感染者が連日数100単位にのぼるとみられることから、感染が再び拡大しかねないとして夜間の外出禁止の開始時間を、これまでの午後8時から午後6時に2時間前倒しすることを決めた。さらにEUの域外からの渡航者に対して7日間の自主隔離を求めるなど対策を強化している。

 フランスの首都パリ近郊で、イギリスに渡航歴のない人が変異した新型コロナに感染していたことが1月上旬に確認され、地元の自治体は、およそ4万人の住民のうち希望者全員にPCR検査を行うと発表。1月9日から13日にかけて、人口およそ4万のうち希望した住民2100人余りにPCR検査を実施。変異ウイルスへの感染が疑われるケースが2例見つかった。

●コロナ病床増「勧告」可能に 感染症法改正案 病院へ要求を強める

 厚労省は15日、感染症法を改正する方針を「専門家組織」に示し、了承された。新型コロナ患者を受け入れる病床を確保するため、医療機関への協力「要請」を「勧告」に強める。正当な理由がなく応じない場合、厚労相や都道府県知事が機関名を公表できるようにする。また、入院措置に従わない人や保健所の疫学調査を拒否した人に対して同法で罰則を設ける方針も示した。

 この「要請」から「勧告」に強め、医療機関に協力を迫る背景には、患者を受け入れる病床が思うように増えない現実がある。厚労省の調査では、公立病院の約6割がコロナ患者を受け入れているのに対し、民間病院では2割程度。民間病院は医療機関全体の7割を占めており、政府はより多くの民間病院に協力を得たい考え。ただ、病院側には規模が小さいと感染対策が難しいといった事情があって法改正の効果は見通せない。

 医療機関への勧告には目立った異論はなかったが、入院措置に従わない人らへの罰則については議論になった。厚労省の担当者は「入院を拒否したり、入院中に逃げ出したりした例が多く報告されている」として、罰則の必要性を強調した。政府は刑事罰として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を設ける方向で最終調整している。

 感染経路を追う保健所の疫学調査を拒否したり、虚偽の回答をしたりした場合にも罰則を設ける。対象は患者や感染の疑いがある人で、濃厚接触者は対象外とした。これに対し、委員からは雇用主など周囲からの圧力で入院や疫学調査を拒否するケースもあるとして、「よく考えなければ、検査を受けないことが最善の選択となりかねない」との意見が出た。政府は改正案を18日に開会する通常国会に提出する予定で、早期の成立をめざす

●コロナ感染者の“入院拒否”に刑事罰 学会が反対声明

 政府が、感染症法を改正し、入院勧告を拒否した感染者に対する刑事罰を検討していることについて、医学関係の学会で作る日本医学会連合は、刑事罰や罰則を伴う条項を設けないよう求める緊急声明を出した。罰則を伴う強制によって恐怖や不安、差別を引き起こすことにつながり、対策への協力が得られなくなるおそれがあるほか、刑事罰や罰則を恐れて検査を受けなかったり検査結果を隠したりして対策が困難になると想定されると指摘している。

●首都圏の病床・看護師不足 通常医療も圧迫 入院・手術の延期要請

 首都圏1都3県に2度目の「緊急事態宣言」が出て1週間余り。新型コロナの感染拡大に歯止めはかからず、医療提供体制の逼迫ぶりは深刻さを増している。各都県とも病床の確保を急ぐが、通常医療の患者らにも影響が及び始めている。
 
 神奈川県は、今後の医療提供体制について、「今月27日ごろに患者数が病床の数を超える」という危機的な予測を立てている。県が14日に明らかにしたデータによると、新型コロナの重症者をすぐに受け入れられる108床のうちすでに9割超の病床を使用。中等症・軽症者向けの847床も9割が使用。ピーク時には計1939床を確保する想定だが、実際に確保できている病床とは984床の差がある。

 県は感染が拡大し始めた昨年11月下旬、入院させる人の絞り込みに着手。65歳以上の高齢者や基礎疾患がある患者は軽症や無症状でも入院させていたが、症状が軽い高齢者や基礎疾患のリスクが低い患者は、自宅や宿泊療養施設でも療養できるようにした。それでも感染者が急増、年明けには感染者を受け入れている医療機関に対し、延期できると判断した入院・手術は1カ月ほど延期するよう要請した。

 埼玉県でも14日現在、コロナ患者用に確保した1267床の使用率は7割に迫る。病床の確保は難航し、重症患者向けに200床の確保を目標とするが、めどがついたのは7割程度。14日時点の使用率は5割を超え、重症患者の増加でさらに高まる傾向が続く。これまで重症患者を受け入れていなかった病院でも高度な治療をせざるを得ず、県は人工呼吸器の扱いを訓練する看護師ら向けの研修を開くなど、人材養成を急ピッチで進めている。
 
 千葉県医師会の入江会長は、「ベッドがあっても看護師が足りない。現場はぎりぎり」と訴える。14日時点の重症患者は、1カ月前と比べて2倍超の40人。重症患者は病院への負荷がより大きい。特に高齢の重症患者は、複数の看護師でケアが必要な場合もあり、「看護に加えて、介護も必要だ」という。

 東京都内の入院患者は14日時点で3133人に上り、確保した4千床の8割近くが埋まる。急増しているのが、自宅療養者や入院・療養先が調整中の感染者。14日時点で自宅療養が8837人、調整中が6575人、合計数はこの1カ月で7.6倍。都内では昨年末以降、自宅で療養していた50~50代の男女3人が死亡した。都医師会の猪口副会長は14日の都の会議で、いまのペースで感染者が増えれば、1週間後には入院患者が約4600人、2週間後には約7千人に上るとの試算を公表。「医療提供体制は破綻の危機に直面する」と強調した。

●全国の重症者、最多更新12日連続

 新型コロナの感染が国内で初めて確認されてから15日で1年になった。しかし、収束の兆しは見えず、15日は全国で7千人を超え、新たに7133人が確認された。6日ぶりに7千人を超えた。死者は全国で78人増。15日までに亡くなった人は4400人を超えている。厚労省によると、14日時点の重症者は前日より14人増えて全国で934人と、過去最多を12日連続で更新した。

 以下4枚の図は、1月15日の感染状況 NHK新型コロナウイルス特設サイトより転載。 

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 東京都の感染者は2001人で、9日の2268人以来、6日ぶりに2千人を上回った。

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 千葉県では、過去最多の504人の感染が確認された。茨城県の大井川知事は、独自の「緊急事態宣言」を出すと発表。県内全域の飲食店に午後8時~午前5時の営業自粛を求める。期間は18日~2月7日。政府への「緊急事態宣言」の要請については「もう少し様子を見る」とした。厚労省は15日、新たに10~40代の7人が変異ウイルスに感染していたことがわかったと発表した。

 

 ★ ★ ★

 とうとう政府は「緊急事態宣言」発出に追い込まれた。経済への影響を最も懸念していた菅首相だが、感染者は急増し医療は逼迫、後手・後手に回った対応に医療専門家や野党のみならず、自民党・政権内部や自治体からも批判の矢。菅首相は「緊急事態宣言」これまで消極的だった。宣言の7日夜の記者会見では、表情が険しかった。「緊急事態宣言」を出した7日は、国内の感染者数は7500人を超えた。昨年4月に「緊急事態宣言」が出た際の約20倍だそうだ。

 昨年11月20日以降3回にわたり、政府「分科会」はトラベルなどの運用見直しを強く提言した。医師会の等の専門家からの医療危機の訴えもあったが、耳を貸さなかったのか。「感染拡大防止と経済の両立」を掲げ、経済に打撃を与える宣言に否定的だった菅政権のコロナ対応は、「アクセル」と「ブレーキ」のかけ方を間違えたのだ。

 政府が打ち出した「勝負の3週間」が終わる2日前の12月14日。この頃には政府のコロナ対応を批判する声が高まり、内閣支持率も急落、やっと目が覚めたのだろうか。しかし「GoToトラベル」の全国一時停止を表明したその日の夜、多人数での食事の自粛を呼びかけながら、 都内の高級ステーキ店で二階幹事長ら8人で会食、国民の不評を買った。

 二階氏は「会食を目的に会っているのではない」などと開き直ったが、政権の言動と世論とのズレは大きい。国民に行動変容を呼びかけながら、その当事者である政権幹部らが相反する。首相らは、周囲が見えなくなっている。

 「緊急事態宣言」で休業要請に実効性を備えるため、政府が早期成立をめざす特別措置法の改正、1月18日から開会する国会に提出する。野党が、昨年の臨時国会の会期延長で求めていたものだった。だが、政府・与党は政権批判から逃げるためか、閉会してしまった。今になって自民党幹部からも、第3波が来ると言われていたんだから、あのときの臨時国会を開いて改正すべきだったと・・・。

 政府は「長期間、コロナ対応を強いるのは無理」と1カ月での宣言解除を期待する。生活や経済に大きな影響がある「緊急事態宣言」は、対策と解除の条件の適切な設定が重要だという。政府の「諮問委員会」で異論が噴出したのは、宣言解除の条件だった。政府案では、感染状況のうち、2番目に深刻な「ステージ3」をゴールとしていた。

 今の東京都は、最悪レベルの「ステージ4」。「ステージ3」でも感染者は多く、医療現場は逼迫している。「ステージ2」で、ようやく医療公衆衛生が通常運転になりうる状況。「ステージ3」での解除は早すぎる。対策の効果が確認できる時期を考えると、1カ月後に解除する判断するのは無理だ。尾身会長も7日の会見で、「確かに1カ月未満に、ステージ3に近づけるということは簡単ではありません」と認めた。

 そもそも宣言を出すタイミングが「遅すぎた」。思い切った対策を取らないと、波はまたやってくる。だらだら感染が続くのは、最もダメージが大きいという。第1波からもうすぐ1年になろうとしている。これまでの政府の感染対応の経験は、活かされているのだろうか。昨春から、何も進歩ががないのではないかと思わざるを得ない。

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