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2020年12月30日 (水)

新型コロナ2020.12 医療危機

 新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」は、2020年8月下旬以降の減少したが高止まりが続く。やがて10月中旬以降になると増加に転じ、「第3波」がやって来た。今度は高齢者の割合が増加傾向にあり、重症者数は過去最多を記録、医療体制は限界に近い。

 12月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.11 重症最多」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】 

【12月1日】

●コロナ対応で看護師不足 大阪の若年がん病棟が一時閉鎖

 「大阪市立総合医療センター」が、がんなどを患う15~30代半ばのAYA世代(思春期と若年成人)の専用病棟を12月上旬に一時的に閉鎖する。新型コロナ患者の治療に当たる看護師が不足し、専用病棟の看護師で補うため。府内で同様に病棟閉鎖をした病院はほかにもあり、一般の患者の治療にも影響が出る深刻な事態。大阪府の感染状況が最も深刻な「ステージ4」(感染爆発段階)に迫り、一般患者の医療の質の確保にも影響が出ている。

 大阪市立総合医療センター 出典:ウィキメディア・コモンズ

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●時短・自粛、7都道府県が要請

 新型コロナ感染拡大を受け、11月から12月にかけて酒を出す飲食店などに営業時間短縮などを要請する動きが、北海道をはじめ、茨城、埼玉、千葉、東京、愛知、大阪など少なくとも7都道府県の指定地域に広がった。師走のかき入れ時を迎えた飲食店には大きな打撃となるが、知事らは年末年始に向けた「正念場」と位置づける。ただし千葉県は、営業時間短縮ではなく、酒類の提供自粛のみを要請。協力金は出さないので、効果を疑問視する声も。

●コロナ解雇7万4千人 失業率3.1%、0.1ポイント上昇

 総務省が1日発表した10月の失業率は3.1%で、前月より0.1ポイント上昇。コロナが影響した解雇や雇い止めは、11月末までに7万4千人を突破。11月分は5193人、5~9月に比べるとペースは鈍っているものの、なお増え続けている。完全失業者は前月より8万人多い2144万人。コロナの影響が長引き、企業が事業を見直して職を失う働き手が増えているとみられる。非正規雇用の働き手は、前年同月に比べて85万人減った。
 
 一方、厚生労働省が発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.01ポイント高い1.04倍。9月まで9カ月連続で悪化していたが、わずかに改善した。宿泊・飲食サービスや卸売り・小売業、生活関連サービス・娯楽業は、前年同月比で3割以上の大幅減が続く。

●給付金搾取容疑 国税OB逮捕

 個人事業主らを支援する国の「持続化給付金」をだまし取ったとして、大阪府警は1日、大阪国税局OBの元税理士の容疑者ら2人を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。府警は会計や税務の専門知識を利用し、ほかにも顧問先の関係者らに指南して計1億円以上の不正受給に関わった疑いがあるとみて調べている。

●1日の死者最多40人 重症者も9日連続で更新

 新型コロナの国内感染者は1日、新たに2028人が確認された。死者は40人で、1日あたりの過去最多を更新。厚労省によると、重症者は11月30日時点で前日より21人増えて493人となり、9日連続で過去最多を更新。死者40人のうち14人を北海道が占めた。

 東京都は新たに372人の感染者を確認したと発表した。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺ECMO(エクモ)を使用」とする都基準の重症者数は62人で、「緊急事態宣言」解除後の最多を更新した前日の70人より8人減った。

【12月2日】

●英国政府、ファイザーのワクチン承認

 英国政府は2日、米製薬大手ファイザーがドイツの企業、ビオンテックとともに開発した新型コロナワクチンについて、安全性や有効性が確認できたとして承認されたと発表。来週から接種を始める。ロシアや中国では接種が始まっているが、大規模な臨床試験(治験)の結果を踏まえて承認されたのは初めて。ファイザーの日本法人は「日本への供給は2021年の上半期を予定している」としている。

●米、再びコロナ深刻化 死者・入院者数、過去最多

 米国で、新型コロナ感染が再び深刻化している。12月に入ってから、1日あたりの死者や入院者数は過去最多を記録。2日の1日あたり死者は過去最多の2804人(ジョンズ・ホプキンス大調査) 。入院者数も2日に初めて10万人を超えた。感染者数増加の一因は、家族や友人同士の少人数の集まりとされる。11月末の感謝祭休暇では多くの人が移動して家族と過ごしており、今後はこの影響も表れるとみられる。

 バイデン次期米大統領は3日、就任後の最初の100日間は、国民にマスク着用を要請する考えを明らかにした。連邦政府の建物や、州をまたぐ交通機関での着用を義務づける大統領令を考えている。

●日本医師会長、「感染者がこれ以上急増すれば医療提供不可能に」

 日本医師会の中川会長は、2日の記者会見で「これ以上、感染者が急増すれば新型コロナと、それ以外の疾病への医療提供の両立が不可能になる」と危機感を示した。また「第1、2波に比べ、現在の「第3波」では新規感染者が中高年に移ってきており、明らかに想定した通り、悪い方向に行っている」「日本が誇る公的医療保険制度、国民皆保険が命と健康を守ってきたが、もうすでに崩れ始めているところもある」と述べた。

●GoTo東京発着、「65歳以上や基礎疾患のある人」自粛を

 政府の観光支援策「GoToトラベル」について、東京都の小池知事は2日、「65歳以上や基礎疾患がある人」に対し、都内発着分の利用を一時「自粛」するよう呼びかけた。対象者を限った「自粛」にとどまったのは、専門家から効果を疑問視する声も上がる。

 「国が判断するのが筋」と主張してきた小池知事が、「国からの回答をみて対応を考える」と軟化したのは先週末の11月28日。庁内でこの週末、幹部で対応を協議。「全都民を対象にトラベルを止めるべき」との意見もあった。だが小池知事ら都幹部は、全世代対象に「停止」すると、苦境にある都内観光業者などに追い打ちをかけ、経済を更に冷え込ませるリスクを懸念。政府側に提示したのが、対象者を限る案だった。
 
 小池知事は前日の1日夕、菅首相と面会、「65歳以上や基礎疾患がある人」に対し、都内発着分の利用の一時「停止」または「自粛」を呼びかけるよう政府側に求めた。だが政府側は、対象者を限っての除外は手続き上困難との声もあり、「停止」案を退けたという。

 ただ北海道と大阪府は、札幌市や大阪市を目的地とする「トラベル」利用を一時「停止」し、両市を出発する旅行については全市民に「自粛」を呼びかけている。今回の都の「自粛」要請に対し、都のある幹部は「高齢者だけを対象にしても全く意味がない。感染者には若者が多く、逆に誤ったメッセージを呼びかけることになり、対策としては極めて中途半端だ」と批判する。
 
●GoToトラベル、6月まで延長検討

 「GoToトラベル」を来年6月ごろまで延長する方針を固めた。旅費の35%を割り引く今の仕組みは春ごろまでは維持、以後は段階的に補助を引き下げていく案などを検討する。8日に取りまとめる緊急経済対策に盛り込む方針。

●国立印刷局員が給付金詐欺容疑

 個人事業主らを支援する「持続化給付金」を国から詐取したとして、警視庁は国立印刷局に勤務する20代の男2人について、詐欺容疑で逮捕状を取った。2日朝から任意で事情を聴いており、容疑が固まり次第、逮捕する方針。

●コロナ感染後、半年は「免疫」 横浜市大が研究成果

 横浜市立大の研究チームは2日、新型コロナに感染した人の体内に感染から半年後、感染を防ぐはたらきのある「中和抗体」が残っているとする結果を発表した。感染して半年ほどは、再感染を防げる可能性があるという。2~5月に新型コロナの感染がわかった20~78歳の376人を調べ、全体の98%の人で「中和抗体」を検出した。軽症者で97%、中等症と重症の人では全員から「中和抗体」が検出できたという。症状が重くなるほど感染を防ぐ力が高まる傾向。

●東京の感染500人

 国内感染者は2日、新たに2434人が確認された。死者は33人。厚労省によると、1日時点の重症者は488人で、前日より5人減った。感染者数は各地で依然として高い水準にある。東京都では500人の感染を確認。北海道では176人が感染。大阪府では、過去3番目に多い427人。群馬県は44人、4月11日の35人以来約8カ月ぶりに過去最多を更新。

【12月3日】

●訪日観光、来春にも実証実験 五輪後見据え「小規模分散ツアー」

 政府は3日の観光戦略実行推進会議で「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を決定。インバウンド(訪日外国人客)の回復に向けた試行的な取り組みとして、「小規模分散型パッケージツアー」を盛り込んだ。一般観光客の入国緩和は、来夏をめざす東京五輪・パラリンピック後とする。ツアーは五輪・パラとその後に向けた「実証実験」と位置づけ。

 中国や台湾など感染状況が落ち着いているアジアから、入国後待機なしで受け入れる。上限人数などは、今後詰める。旅行会社を責任者とし、添乗員が体温チェックなどの健康を管理。各ツアーが1カ所に集中しないよう分散、貸切バスで移動すつなど感染防止策を徹底。ツアー客には入国前に陰性証明書や活動計画書の提出を求め、医療保険の加入を義務づける。入国後は、公共交通機関の使用を認めず、観光地やホテルで一般客と接触しないよう移動経路などを分けるという。

 インバウンド推進は菅首相の肝いり政策。しかし観光客を入れて感染が広がると、五輪・パラが開けなくなる。五輪前に「小規模分散型ツアー」以外の観光客の入国は認めない。政府は、五輪・パラの観客を全世界から迎えた後、一般観光客の受け入れを段階的に再開する。このため五輪前にツアーを試行し、感染防止策の実効性を検証するのが狙い。ただし今後の感染状況次第では、想定通りに実施できない可能性もある。

●大阪府、「医療非常事態宣言」 重症患者の急増で不要不急の外出自粛要請

 大阪府の吉村知事は3日、新型コロナ対策本部会議のあと記者会見し、重症患者が急増し医療体制が逼迫しているとして、府独自の「医療非常事態宣言」を出した。大阪はこのところ、政府の「分科会」が示した6つの指標の多くが「ステージ4」(感染爆発段階)に該当する状況になっていた。とりわけ多数の医療スタッフを必要とする重症者の数が急増。重症病床使用率は7割に迫る。

 吉村知事は、「全府民には、今から12月15日までの2週間弱、できるかぎり不要不急の外出をお控えいただきたい」「感染拡大を抑え命を守るよう、ブレーキをかけるほうに協力いただきたい」と述べ、府民に理解と協力を求めた。 

●専門家組織「最大限の警戒必要」 通常医療と両立「困難も」

 厚労省に新型コロナ対策を助言する「専門家組織」の会合が3日開かれ、国内の感染状況について「入院、重症患者の増加が続き、医療体制へ重大な影響が生じるおそれがある」として最大限の警戒が必要だとした。死亡者の増加を指摘したほか、会合では比較的若い世代が感染を広げているとの分析結果も報告された。

 政府の「分科会」が11月20日、25日に相次いで、「3週間の集中した対策」を政府に提言したが、病床の逼迫は各地で進んでいる。病床の使用率は12月1日時点で、北海道、大阪府、兵庫県で5割を超えた。「専門家組織」は、北海道など一部地域で入院調整が困難になっている例があり、「通常の医療との両立が困難になり始めている」と指摘した。

 会合では、県を越えた移動歴がある人がほかの人に感染させたケースでは、10~50代が8割以上を占めるなど、比較的若い世代の移動が感染を広げている。脇田座長(国立感染症研究所長)は「こうした世代は無症状、軽症が多く、意図せず感染拡大につながっている可能性がある」「不要不急の移動の自粛や、飲食の場面での基本的な感染対策、マスク徹底などが必要だ」と話した。

●全国で2518人感染 1日あたり感染者数、5県で最多

 国内感染者は3日、新たに2518人が確認。山梨19人、岐阜42人、奈良39人、広島46人、高知15人の5県で、1日あたりの感染者数の最多を更新した。死者は36人だった。厚労省によると、2日時点の重症者は497人で前日より9人増え、過去最多を更新。

 東京都は533人で、2日連続の500人越え。65歳以上の高齢者が89人(17%)で過去最多。死者は2人増えて501人。197人の感染が判明した神奈川県は3日、横浜市と川崎市で酒類を提供する飲食店とカラオケ店に対して営業時間短縮の要請を決めた。7~17日の11日間、営業は午前5時~午後10時。要請に応じる飲食店には、1店あたり1日2万円(最大22万円)の協力金を支給する。対象になるのは約1万3600店舗にのぼる見通しで、予算額は約30億円を見込む。

【12月4日】

●世界のコロナ死者、150万人超える

 新型コロナによる世界の死者が日本時間4日午前、米ジョンズ・ホプキンス大の集計で150万3千人で、150万人を超えた。ワクチンの承認や接種への動きが進む一方で、流行は拡大を続けている。国別の死者は、米国が27万6千人で最も多く、ブラジルの17万5千人、インドの13万9千人、メキシコの10万8千人が続く。日本の死者は2174人。世界の感染者数は、6501万6千人となっている。

●WHO、ワクチン楽観論にクギ
 
 新型コロナワクチンが英国で承認されたことを受け、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は4日の記者会見で「科学の重要な一歩だ」と歓迎した。一方で、「パンデミックは終わったとの認識が広がっていることを心配している」とも述べ、楽観論にクギを刺した。氏は「ワクチンができても、公衆衛生上の決まりは守る必要がある」と語り、人々に「社会全体のことを考えて行動し、注意深く過ごしてほしい」と呼びかけた。

 またテドロス氏は、ワクチンを途上国を含めて公平に分配することが「正しく、賢い選択だ」と強調、先進国が競って大量のワクチンを確保しあう状況に懸念。WHOなどが主導し、189カ国が参加してワクチンを共同調達する国際的な枠組み「COVAXファシリティー」では、すでに3種類計7億回分のワクチンを確保しており、来年中に少なくとも20億回分の確保をめざすという。

●死者は最多の45人

 国内感染者は4日、新たに2442人が確認された。死者は45人、1日あたりで最多だった40人(今月1日)を上回った。死者数は4日連続で30人を超え。都道府県別では北海道13人、東京都8人など。厚労省によると、全国の重症者数は3日時点で505人。前日より8人増え、2日連続で過去最多を更新。東京都は449人の感染を確認。入院患者数は1721人で、記録が残る5月12日以降で最多、医療体制が厳しさを増している。 

●1週間で死者210人 4日まで、初の200人超え

 新型コロナ感染拡大で、死者が急激に増えている。4日までの1週間で亡くなった人は210人、1週間で死者が200人を超えるのは、春の「第1波」、夏の「第2波」でもなかった。厚労省の「専門家組織」は3日、初めて死者の増加にも言及した。脇田座長(感染研所長)は「高齢者にも感染が広がっていることが要因」と話した。

 高齢者が集まる介護施設や医療機関は、市中感染の広がりとともにクラスター(感染者集団)の発生が増えている。厚労省が自治体の発表を元にまとめたデータでは、10月26日から11月30日までの約1カ月間で、医療機関で105件、高齢者福祉施設で133件のクラスターが報告されている。これらはいずれも、10月26日までの2カ月間での報告数を超える。

 こうした結果、70代以上の新規感染者は9月30日から10月28日までの約1カ月間では約1800人だったが、その後の1カ月では2.5倍の約4600人と急増。死者の数は、新たに感染する人や重症者の増加から、少し遅れて増える傾向がある。感染研の脇田所長は「重症者数はすでに4月、8月のピークを超えている。重症者の数を減らしていくことが重要」と話す。厚労省によると、全国の重症者は4日時点で520人で、過去最多。

【12月5日】

●子どもの感染少ないわけ

 子どもは新型コロナ感染症にかかりにくいとされる。厚労省の統計では、10代以下の感染者は11月25日現在10322人、全体の約8%。日本を含む世界の32件の研究を分析した報告によると、20歳以上を1とした場合の20歳未満の感染割合は0.56だった。日本小児科学会が全国の小児科医の報告をもとにまとめたデータによれば、誰から感染したか推定できたケースのうち、8割近くが家族で両親や祖父母がほとんどを占めた。

 新型ウイルスは細胞表面にあるACE2というたんぱく質に取りついて感染する。このたんぱく質が、年齢層が低くなるほど少ないとする報告がある。ただ、理由はまだはっきりしていない。また32件の研究の分析報告によると、10歳を過ぎるくらいの子どもの場合、かかりやすさは大人とさほど差が無いという。子どもが最初に発症した107家族を調べると、子どもからの周囲への感染例は多くはない。

 だが発症した5歳未満の幼児の鼻の奥からは、18歳以上の約10~100倍のウイルスが見つかったとの研究もある。ウイルスが多いのに、なぜ感染を広げていないのかはわかっていない。小児科の専門家は「子どもたちのため、学校での行事は対策をとったうえで、なるべく開いてほしい」と訴えている。

●重症520人、3日連続最多 東京の感染584人も最多
 
 国内感染者は5日、新たに2508人が確認された。死者は22人。厚労省によると、重症者は4日時点で520人と、前日より15人増え、3日連続で過去最多を更新。東京都は新たに584人の感染を確認、2日ぶりの500人台になるとともに、1日あたりの最多を更新。入院患者は1744人となり、記録が残る5月12日以降での最多を2日連続で更新。都基準の重症者は、前日より2人増えて55人。

 医療体制が逼迫している大阪府は、新たに399人の感染を確認した。1日あたりの感染者が300人を超えるのは、5日連続。地方も感染拡大に歯止めがかかっていない。大分県は、新たに18人の感染を確認した。飲食店でクラスターが発生するなど、3日連続で過去最多に並ぶ人数になった。沖縄県では新たに41人が感染し、4日連続の40人台。

【12月6日】

●モスクワ、ワクチンの大規模接種始まる

 ロシアの首都モスクワで5日、70か所の医療機関で医療関係者や教師などに対するワクチンの接種が始まった。今回使われるワクチンは、3段階ある臨床試験が終わっていない。米ファイザーなどが開発したワクチンの接種が、この週前半にも英国で始まるが、プーチン政権としてはそれに先駆けて大規模接種を行うことで、ロシアのワクチンの有効性などを強調するねらい。

●重症519人

 国内感染者は6日で、新たに2025人が確認された。山形、広島、大分の3県で過去最多となった。死者は31人。厚労省によると、5日時点の重症者は全国で519人。前日より1人減ったが、500人超えが続く。北海道では新たに187人の感染を確認。死者は15人で、1日の確認数では今月1日の14人を超えて過去最多。埼玉県では川越市の中学校でクラスターが発生。5日までに男女生徒34人と20代女性教諭の計35人が感染した。

 『感染リスクが高まる「5つの場面」』のポスター 出典:内閣官房ホームページ

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【12月7日】

●自衛隊看護師、派遣向け調整 旭川と大阪

 菅首相は7日の政府・与党連絡会議で「自衛隊を直ちに派遣できる態勢を整えており、政府として最大限の支援を行っていく」と述べた。西村経済再生相も同日夜の記者会見で「北海道、大阪と防衛省・自衛隊との間で事務的な調整がされている」と話した。

 内閣府の資料によると、6日時点の新型コロナ感染者用の病床使用率は全国が31.1%に対して、北海道は52.7%、大阪府は57.6%。特に大阪は重症者用の病床使用率が61.5%と、全国の14.9%の4倍を上回る。

 北海道内でも特に懸念されるのが旭川市で、病院や障害者施設など計8カ所でクラスターが発生。同市の対策本部が7日、道を通じて自衛隊に災害派遣を要請することを決めた。同市によると、自衛隊から市内の病院で2週間、患者の治療支援にあたることで調整中という。大阪府の吉村知事も6日、岸防衛相に看護師の派遣を要請する意向を伝えた。数人の派遣を受ける方向だという。

●病床使用率、実態と違う

 国が新型コロナの感染ステージの指標にしている「病床使用率」について、「実態を表していない」との批判が出ている。病床の数え方は3通りあり、自治体によって認識にもばらつきがある。特に多くのスタッフが必要になる重症者は医療機関側の負担が大きい。

 日本医師会の中川会長は先月25日の会見で、国が示している病床の使用率について 「まだ余裕があるようにみえるかもしれないが、現場感覚と著しいズレがある」と指摘。「すぐに受け入れられる病床」を分母にして計算すべきとの考えを示した。

●10月の景気指数、5カ月連続上昇

 内閣府が7日公表した10月の景気動向指数(速報)は、景気の現状を示す「一致指数」が前月より4.9ポイント高い89.7で、5カ月連続で上昇。5月に記録的な低水準に落ち込んだ後は改善が続き、「緊急事態宣言」が出る直前の3月(89.3)を上回る水準まで回復した。

 10月は小売りや輸出、雇用など速報に使われる各指標が改善し、比較できる1985年以降では、7月(6.0ポイント改善)に次ぐ上昇幅になった。一方、指数の動きに基づく景気判断は「下げ止まり」のまま据え置き。この表現は3カ月連続。判断引き上げの基準を満たさなかった。

●重症者530人、最多更新

 厚労省によると、全国の新型コロナ感染者のうち、6日時点の重症者は過去最多の530人。前日より11人増え、4日連続で500人を超えた。

●豊洲市場、160人感染確認

 東京・豊洲市場では今年8月以降、水産仲卸業者の従業員を中心に感染の確認が相次ぎ、481の事業者で自主的な検査を進めた結果、3111人中、71人の感染が確認された。このほか、散発的に感染が確認された人や濃厚接触者として検査を受けて確認された89人を合わせると、市場全体では、7日までに160人が確認されたと都が発表。市場の業務に影響はないという。都によると「クラスターは起きてない。ただ、対策が甘かったのではないかという声は真摯に受け止めている」と話している。

【12月8日】

●防衛省、旭川市に看護師など10人派遣

 防衛省は8日夕、医療体制が逼迫している北海道旭川市に看護師など10人を派遣すると発表した。早ければ8日にも現地に入り、期間は2週間以内。クラスターが発生した「慶友会吉田病院」と「北海道療育園」にそれぞれ看護師など5人を派遣、入院患者の体調管理などを行うという。

 同じく医療体制が逼迫している大阪府にも、防衛省は看護師らの派遣に向けて調整を進めていて、今月15日に運用が始まる重症患者専用の医療施設「大阪コロナ重症センター」に高いスキルを持つ看護師を派遣することなどを検討している。ただ自衛隊側の医療人材にも余力は乏しく、医官(医師)と看護官(看護師)はそれぞれ約1千人いるが、コロナの患者を受け入れている各地の自衛隊病院で対応などに追われている。

 新型コロナの医療支援で自衛隊が災害派遣されるのは、今回が4か所目。最初は、2月から3月にかけてのクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。この時は自治体からの派遣要請は無く、防衛省が自主的派遣。4月から5月にかけて、長崎港に停泊中のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」。8月は医療体制が逼迫していた沖縄県に看護師など派遣。このほか自衛隊は、航空機を使った離島からの感染患者の輸送や宿泊施設での軽症や無症状の人の生活支援も行っている。

●英国、ワクチン接種始まる

 英国では、ファイザーなどが開発したワクチンの接種が8日朝から各地で始まった。このうち、イングランドのコベントリーの病院では、90歳の女性がワクチンの接種を受けた。女性は、接種について担当者から意思確認を受けたあと接種を受け、見守っていた関係者からは拍手が起こった。英メディアは、この女性がワクチン接種を受けた最初の人だと紹介。

 このワクチンは、一定期間以上保存するためには零下70℃前後の低温管理が必要。ロンドンのあるイングランドでは接種は当面、設備の整った50の病院で行われ、80歳以上の高齢者や高齢者施設の介護職員、一部の医療従事者が優先的に接種を受ける。またワクチンは、2回の接種が必要で、1回目の3週間後に2回目の接種を受けることになっている。英国政府によると、今週中に80万回分が供給される見通し。

●GDP年率22.9%増に上方修正 7~9月期2次速報

 内閣府が8日公表した7~9月期の国内総生産(GDP)2次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で、前期(4~6月)比5・3%増、年率換算では22・9%増だった。11月公表の1次速報(年率21・4%増)から上方修正され、記録的な伸びがさらに広がった。

 プラス成長は消費増税直前の昨年7~9月期以来、4四半期ぶり。コロナ危機で戦後最悪の落ち込みとなった前期からの反動で、大きく伸びた。ただ水準で見れば、取り戻したのは前期に減った分の約6割にとどまり、回復は力強さを欠いている。

●経済対策、国費30兆円支出 閣議決定 コロナ対応・公共事業

 政府は8日、新型コロナ感染拡大を受けた今年度3回目となる経済対策を閣議決定した。国の直接の支出は30.6兆円、財政投融資などを加えた財政支出は40.0兆円となり、民間が使うお金も含めた総額の事業規模は73.6兆円に膨らんだ。

 対策は3本柱で、①新型コロナの感染防止策が6兆円、②コロナ後の経済構造の転換と好循環の実現が51.7兆円、③国土強靱化のための公共事業が5.9兆円。菅首相はこの日の経済財政諮問会議で、今回の対策でGDPを3.6%程度押し上げる効果を見込むとした。必要な費用は、今年度の第3次補正予算案と来年度の当初予算案に計上、年内に閣議決定。当初予算案には、国会の議決を経ずに使える予備費をコロナ用に5兆円計上、使い道のチェックが甘くなる可能性がある。

 コロナの感染対策としては、地方自治体の医療体制の整備にあてる「緊急包括支援交付金」を増額。感染拡大を防ぐため、時短営業をした飲食店への協力金に使える「地方創生臨時交付金」も1.5兆円増やす。コロナで打撃を受けた企業や個人への支援策の延長も多い。「GoToトラベル」と「GoToイート」は来年6月末まで延長。雇用調整助成金の特例措置も2月末まで延長し、3月以降の段階的な縮小をめざす。

 一方で首相が旗を振る脱炭素化へ向け、2兆円規模の基金、与党の要望が強い防災などの公共事業も、来年度から5年間で15兆円程度。今回の対策で、今年度の歳出総額は180兆円程度と、昨年度の1.7倍になる。今回も、財源の多くを国債の追加発行でまかなう。新型コロナ前から先進国で最悪レベルだった財政状況は、一層の悪化が避けられない。

●GoToトラベル、6月末まで延長 予備費から3千億円

 自民党の森山国対委員長は8日、国会内で立憲民主党の安住国対委員長と会談、政府が新型コロナに対応するため予備費から約3700億円を支出する方針であることを伝えた。うち約3千億円は6月末まで延期される「GoToトラベル」事業にあてられるという。

 政府によると、3千億円は当面の予算不足に加え、2月から6月末までの延長分の費用となる。1月18日に召集予定の通常国会で議論される今年度3次補正予算の成立を待っていては間に合わないと、予備費で対応することを決めたとみられる。このほか約700億円を使い、生活が苦しい「ひとり親世帯」を支援する「臨時特別給付金」を再支給する。11日に閣議決定し、衆参の予算委員会の理事懇談会で質疑が行われる。

 安住氏は「感染拡大の原因の一つである人の移動を促進することに補助金を出している。菅首相のやっていることは、『GoTo感染拡大だ』」と語った。野党側は「GoTo」事業に予算を使うことに反対。野党は5日に閉会した臨時国会で、新型コロナ対策を議論するよう延長を求めていた。しかし政府・与党は延長に応じず、閉会した後に国会審議なしに使える予備費を使う方針を決めたことになる。

 加藤官房長官は7日の記者会見で、「GoToトラベル」について、「最大で5兆円の経済効果、46万人の就業誘発効果があったという民間の試算もある」と述べ、経済への効果を訴えた。

●消費支出が1.9%増 「GoTo 」も寄与 10月家計調査 1年1カ月ぶり増

 総務省が8日発表した10月の家計調査で、2人以上の世帯の消費支出は前年同月比1.9%増、28万3508円。増加は1年1カ月ぶり。宿泊料は前年同月と比べ31.8%増、外食の食事代は0.7%増。消費増税で落ち込んだ前年からの回復に加え、感染状況が比較的落ち着いていた中で「GoToトラベル」が10月から東京発着が対象に加わり、「GoToイート」でネット予約によるポイント還元が始まったことが、支出を底上げした。

 冷蔵庫などの耐久消費財や自動車関連の支出も軒並み増加した。昨年の消費増税前の駆け込み需要の反動減で、大きく落ち込んでいた。インフルエンザワクチンを早めに接種する人が増えていることから、保健医療サービスも増えた。

●全国で新たに2174人が感染 死者は過去最多の47人

 国内感染者は8日、新たに2174人が確認。亡くなった人は47人で、1日あたりで最多だった今月4日の45人を上回った。厚労省によると、重症者は7日時点で前日から6人増の536人となり、2日連続で最多を更新。死者は17都道府県で計47人が確認された。北海道と大阪府でそれぞれ9人、東京都で6人のほか、新潟県では介護施設の95歳の入所者が死亡、同県では初めての死者。

 東京都では352人の感染が確認された。京都府では63人、香川県では17人は、いずれも過去最多。埼玉県でも最多と並ぶ172人の感染が判明。北海道では204人が確認。最多の50人が確認された旭川市では、国内の医療機関で最大のクラスターとなっている「旭川厚生病院」でさらに感染者が増え、計247人となった。自衛隊派遣が決まった「慶友会吉田病院」のクラスターも計195人に増えた。

 旭川厚生病院 出典:ウィキメディア・コモンズ

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 258人の感染が確認された大阪府では、吉村知事が「年末年始の帰省はできるだけ分散し、できれば今年は控えていただきたい」と呼びかけた。重症患者が146人となり、確保している重症病床206床の使用率が7割を超えた。また府内で初めて、未就学男児の重症者が確認された。男児には基礎疾患があるという。福岡県では、新たに85人の感染が確認。80人台になるのは8月30日以来。うち46人は北九州市の障害者施設の入所者やスタッフで、クラスターが発生した。

【12月9日】

●ドイツ、1日の死者数最多 メルケル首相「厳しい措置必要」

 ドイツでは先月から、全国の飲食店などを原則、営業禁止とする措置がとられているが、1日あたりの新たな感染者数は2万人前後と高い水準で推移していて、9日には死者数が590人と、1日あたりではこれまでで最も多くなった。

 メルケル首相は9日、連邦議会で演説を行い「クリスマスまでまだ2週間ある。再び感染が急拡大しないようできることをすべてしなければならない」と人との接触を極力減らすよう呼びかけた。そのうえで、人々が屋外で一緒にホットワインを飲むというクリスマスの時期の習慣に「心から申し訳ないが、その代償として1日に590人の方が亡くなるようなことは、受け入れられない」と強い口調で述べて危機感を示した。

 また、これまで営業を続けてきた小売店についても営業禁止にするなど、より厳しい措置が必要になると訴えかけた。冷静な対応で知られている首相だが、この日は拳を握りしめたり、懇願するように両手をあわせたりしながら、感情をあらわにした。地元メディアは「必死の呼びかけだ」とか、「おそらくこれまでで最も感情的な演説だ」などと伝えている。

●英でワクチン接種の2人、激しいアレルギー反応

 ファイザーなどが開発したワクチンの接種が始まった英国で8日、接種した人のうち2人が激しいアレルギー反応である「アナフィラキシー」のような症状を示していたことがわかった。2人は過去にも強いアレルギー反応が出たことがあり、その後手当てを受けて回復した。報告を受けて規制当局は、医療関係者に対しこれまで同様な症状が出たことがある人には、予防的な措置としてこのワクチンを接種しないよう勧告した。

●尾身氏、GoTo「停止」求める 衆院厚生委

 「分科会」の尾身会長は9日の衆院厚生労働委員会で、感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」相当の地域について、「人の動き、接触を控えるべき時期だ」と述べ、「GoToトラベル」を一時「停止」すべきとの認識を示した。委員会では「トラベル」を利用した団体旅行で、5人以上のクラスターが8件発生していることを政府が明らかにした。

 尾身会長は11月下旬の段階で、札幌市、東京23区、名古屋市、大阪市が「ステージ3」相当との見解を示している。「高齢者や基礎疾患がある人」に利用の自粛を求めている東京都でも、すべての人を対象に「トラベル」を停止すべきだとし、「早く感染を下火にして「ステージ2」にしてから、しっかりとやる方が経済的にも影響があるし、国民の理解が得られやすいのではないか」と述べた。

 政府は8日、「GoTo」事業の「トラベル」と「イート」を来年6月末まで延長することを決めた。尾身会長はこの決定について分科会は諮問を受けていないと答弁。田村厚労相は「国の決定事項をすべて分科会にかけることはない」と述べた。国交省によると、8日時点で感染が確認されたトラベル利用者は258人、登録宿泊施設の従業員は220人。農水省によると3日時点で、「イート」対象の58店舗の従業員計76人の感染が確認されているという。

●最多2810人感染 重症555人

 新型コロナの国内感染者は、9日で新たに2811人が確認され、過去最多を更新。死者は北海道で1日あたり最多の16人を数えるなど、全国で42人増えた。厚労省によると、重症者は8日時点で555人で、前日より19人増えて3日連続で過去最多となった。

 東京都では過去2番目に多い572人の感染が判明、大阪府は過去3番目に多い427人。愛知県245人、広島県77人、京都府75人など6府県で最多を更新した。同志社大(京都市)のラグビー部で8日に判明したクラスターは新たな感染が13人、計26人になった。病院などでのクラスター発生も相次いだ。三重県伊賀市の病院では60~80代の入院患者4人が感染。和歌山県かつらぎ町の県立医科大病院では看護師8人の感染が判明し、9日から外来や新規入院の受け入れを停止した。

【12月10日】

●ロシア、大規模接種 安全強調 高齢者は対象外

 ロシアが世界で初めて承認した新型コロナの国産ワクチン「スプートニクV」の大規模接種が始まり、10日モスクワで公開された。ロシア製ワクチンには安全性や効果を疑問視する指摘もあるが、関係者らは「全く安全で効果的だ」と強調した。
 
 「スプートニクV」は8月に承認され、政府は感染リスクの高い医師や教員ら10万人以上がすでに接種済みだという。大量生産が軌道に乗ったとして、プーチン大統領は2日、対象者を病院職員など社会福祉分野の従事者にも広げる大規模接種の開始を指示。モスクワでは5日から希望者への接種が始まった。ロシアは、世界に向けて国産ワクチンの売り込みを図っており、大規模接種で品質をアピールする狙いもある。

●景況感、大企業を中心に大幅改善

 内閣府と財務省が10日発表した10~12月期の法人企業景気予測調査で、3カ月前と比べた大企業製造業の景況判断指数は21.6(前回は0.1)となり、統計を始めた2004年以降で最大になった。非製造業を含めた全産業も11.6(前回は2.0)で過去3番目の高さ。

 今回は11月15日を基準日に全国1万4千社を調査。大企業がプラスになるのは7~9月期に続き2四半期連続。一方、中堅企業は5.5(前回はマイナス8.1)で5四半期ぶりにプラスに浮上したが、中小企業はマイナス15.5(前回はマイナス25.8)だった。「第3波」が広がるなか、マイナス圏に沈んだままの中小企業との差が際立った。

●厚労省方針「ワクチン、住民票の自治体で」

 新型コロナのワクチンについて厚労省は10日、国内の接種は住民票がある自治体で受けることを原則とする方針を示した。医療機関や高齢者施設に入院・入所している人、下宿学生、単身赴任者など接種が難しい場合は、例外として別の自治体でも接種できる。

 自治体は事前に対象者に「接種券」を送付。そのうえで自治体が定めた医療機関や公共施設などで、接種を受けてもらう。ワクチンの種類や接種回数を記載した「接種済み証」を発行する。接種は予約制が基本。接種できる医療機関やワクチンの種類などは、厚労省が準備中のウェブサイトで公開する。ワクチンは超低温での冷凍保存が必要で、厚労省はファイザー(零下70℃前後)対応を3千台、モデルナ(零下20℃)対応を7500台を確保。最低1台以上を自治体に割り当て、地域の拠点医療機関などに年度内の配置を目指す。

●全国で最多2970人感染

 新型コロナの国内感染者は、10日現在で新たに2973人が確認された。2日連続で過去最多を更新。都道府県ごとでも8都県で過去最多となった。厚労省によると、9日時点の重症者は543人で前日より12人減ったものの、過去2番目の高水準で推移。死者は26人増えた。

 東京都では602人の感染が確認され、初めて600人を超えた。大阪府は415人で、2日連続で400人を上回った。愛知県は過去2番目に多い242人。他に新規感染者が過去最多となったのは、埼玉県188人、千葉県152人、岐阜県45人、大分県25人、高知県20人、山形県15人、佐賀県13人。千葉県では、船橋市の高校で男子バスケット部員36人を含め生徒と教員の計46人が感染。クラスターが発生している三重県の病院では入院患者ら12人が新たに感染、病院関連の感染者は計42人となった。

●死亡の8%、陽性判明時は「無症状」

 新型コロナに感染して7月以降に死亡した198人を東京都が分析した結果、7.6%にあたる15人が陽性判明時に無症状だった。陽性判明から死亡までの日数は0~53日で、平均15.3日。いずれも60代以上で、少なくとも13人に糖尿病やがんなどの基礎疾患があった。

 都の担当者は「感染が分かったときに無症状だからといって、命の危険がないわけではない」と話している。また「特に重症化やクラスター発生のリスクが高い高齢者施設では、無症状の段階でも積極的な検査で感染を確認し、医療的な処置につなげることが重要」と強調する。

【12月11日】

●米FDA、ファイザーのワクチン緊急使用許可

 米FDA(食品医薬品局)は11日、米ファイザーとドイツのビオンテックが開発した新型コロナワクチンについて、緊急使用の許可を出したと発表した。最初に供給されるのは290万回分で、人口などに応じて各州に配分。米政府の当局者は、FDAの決定から24時間以内に全米50州や首都ワシントンなどにワクチンの供給が始まるとしている。

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 10日に開かれたFDAの外部の専門家委員会で、英国で接種の2人が激しいアレルギー反応を示した事への対応や対象年齢など、さまざまな課題が話し合われた。委員による投票の結果「科学的な根拠に基づき、16歳以上の人にこのワクチンを接種することで得られる利益は、リスクを上回る」とする結論が賛成多数でまとめられた。ファイザーのワクチンの一般への使用が許可されたのは、英国、バーレーン、カナダ、サウジアラビア、メキシコに続き6カ国目。

●英製薬大手アストラゼネカ社と供給正式契約

 新型コロナワクチンについて、田村厚労相は11日の閣議後会見で英製薬大手アストラゼネカ社と1億2千万回分(6千万人分)の供給を受けることで正式に契約したと発表。来年1~3月にまず3千万回分が供給されるという。供給については、8月に基本合意していた。

●大阪、自衛隊派遣要請 陸自の看護師ら7人が15日から活動

 感染拡大が続く大阪府では、今月15日に重症患者専用の医療施設「大阪コロナ重症センター」の運用が始まるが、必要な数の看護師が確保できないことから、吉村知事は自衛隊に災害派遣を要請する考えを示していた。岸防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、11日、吉村知事から正式に看護師派遣の医療支援を要請されたことを受け、14日に自衛隊に派遣命令を出し、15日から活動を始めることを明らかにした。

 具体的には陸上自衛隊の看護師、准看護師が、「大阪コロナ重症センター」に3人と「府立中河内救命救急センター」4人の2か所7人、およそ2週間、医療支援活動を行う。

●分科会 抜本的対策迫る 感染続く地域 県境越え自粛など

 政府の「分科会」は11日、流行が沈静化しない場合に備え、対策の強化を迫る提言書を政府に出した。感染拡大が続く地域では、「緊急事態宣言を回避すべく、対策の抜本的な強化」を求めた。地方自治体に「今まで以上にリーダーシップを発揮して先手を打つ」よう促し、政府には地方の意思決定の後押しを求めた。

 「分科会」は、11月以降に再び急増した北海道や東京、愛知、大阪の一部の地域は、感染状況が「ステージ3」(感染急増)相当とみる。3週間程度、集中して対策するよう求めてきたが、全国の新規感染者数は9、10の両日で過去最多を更新。「勝負の3週間」とも言われる期間が今月半ばにも終わることから、来週後半にも感染状況の推移を評価する必要がある。その評価は①減少、②高止まり、③拡大継続の3段階に分け、段階に応じた対策を示した。

 ②、③の地域では、「GoToトラベル」と「GoToイート」の一時「停止」。酒を提供する飲食店などに午後9時や10時までの営業時間短縮が要請されているが、②の段階で「午後8時まで」に強化するよう求めた。③では人の動きや接触機会の更なる低減策が必要として、在宅勤務の目標を「例えば5割」などを提示。県境を越える移動の自粛要請や不要不急の外出自粛も求めた。また、年末年始を前に、忘年会・新年会や成人式、帰省などでの注意事項を示し、「静かに過ごす」ことを提案した。

 尾身会長は記者会見で、感染者数が高止まりしている地域があることに改めて危機感を示し、「さらなる(対策の)強化が必要だ。地方と国には国民のために、今まで以上の英断をしてもらいたい」と話した。年末年始の休暇明けに感染が急増する恐れもあり、早期に感染者数を減らす必要があると訴えた。また「分科会」では「地方と国で一体感がない」という意見も出ていたという。

●再三の提言、政府重い腰 GoTo一時「停止」、首相「まだ考えてない」

 菅首相は「分科会」終了後の11日午後、首相官邸で西村経済再生相や田村厚労相、赤羽国交相らから提言の内容について報告を受け、「各地の知事とよく連携をとって対応するように」と指示したという。首相はその後、インターネット動画中継サイトの番組に生出演。「GoToトラベル」で新たに一時「停止」を行うかについて、「まだそこは考えていない」と即答。札幌、大阪両市で行われている一時「停止」や、東京都による「65歳以上や基礎疾患がある人」への自粛呼びかけなど、現行措置の期間延長を検討する考えを示した。

 首相は「経済を壊したら大変なことになる」として、トラベル事業などを継続する必要性を強調。一時「停止」の延長については「この2、3日の間に調整をして次の対策を進めていく」としたが、新たな対策の具体的な考えは示さず。「勝負の3週間」は、今月半ばにも終了する。今月初旬、政府内には「新たな感染者数の伸びは鈍化している」との楽観論もあったが、その期待は裏切られつつある。

 首相周辺は、都内の感染者数が高止まりしている現状に、焦りは徐々に増しつつある。それが「トラベル」などの見直しには、つながってない。官邸幹部は「命が大事だが、トラベルをやめて企業が潰れた後に立ち直れというのは簡単じゃない」と頭を抱える。東京都も、さらなる対策強化には消極的。小池知事も11日の定例会見で、提言の内容について「政府がどのような対応をするのか注視していきたい」と述べるだけ。

●医療従事者に優先接種 高齢者施設職員も

 新型コロナワクチンについて政府は11日、優先して接種する対象を具体的に示した。「医療従事者」は、職種を問わず対象。医療従事者の範囲として、薬剤師など薬局職員、患者搬送の救急隊員や海上保安庁・自衛隊員、患者と接する保健所職員や検疫所職員なども含む。

 接種は、「医療従事者」約400万人、「65歳以上の高齢者」3600万人、「基礎疾患がある人」820万人の順に優先となる。新たに「高齢者施設で働く人」200万人も優先対象になった。職種は限定しない。接種は、「基礎疾患がある人」と同時期になる。

●GoTo追加支出、密室の説明 医療支援求める野党、政府は応ぜず
 
 政府が「GoToトラベル」に3119億円の追加支出を閣議決定した11日、衆参両院の予算委員会理事懇談会(理事懇)では、今は医療機関への支援が優先ではないか、と野党側が見直しを要求した。理事懇は、正式な審議の場ではなく非公開で議事録も残らない。

 衆院の理事墾では、財務省の矢野主計局長が「12月にも予算が枯渇する。第3次補正予算では間に合わないため、予備費で執行する」と理由を述べると、立憲の辻元議員(野党筆頭理事)は、「GoToの予備費には反対だ。医療支援にギアチェンジすべきだ」と主張した。

 立憲、共産、国民民主の3党の議員は、感染拡大で疲弊している医療機関や医療従事者への支援策を優先するよう見直しを求めた。政府は医療支援について、緊急包括支援交付金で3兆円を支出したことを根拠に「十分支出している」と主張した。しかし、実際に医療機関まで届いているのは6千億円にすぎない。辻元氏が「支援が目詰まりしている。看護師への支援などを早くやるべきだ」と主計局長に迫ったが応じず。

 菅政権は臨時国会中はコロナ対策の補正予算案を示さず、閉会後に審議が要らない予備費の執行に踏み切った。野党側は予算委の理事懇での説明にとどめるのではなく、「きちんと菅首相が出席した予算委の集中審議をすべきだ」と要求。しかし与党側は消極的で、現時点で開催の見通しは立っていない。

●「勝負の3週間」遠い収束 街中では「状況なお悪く」、「自粛いつまで」

 新型コロナ感染拡大を防ぐため、政府の「分科会」が「集中した対策」を呼びかけて3週間。感染拡大に歯止めはかからず、飲食店を対象にした営業時間の短縮要請は各地で続く。いつまで我慢を続ければいいのか、街中では不安や焦りの声が高まっている。

 大阪府は、11日までだった大阪市中心部の飲食店への時短要請を、15日まで延長。吉村知事は、大阪での利用を「停止」している「GoToトラベル」について、「再開すべきじゃない」との考え。東京都は、酒類を提供する飲食店やカラオケ店に対して要請している午後10時までの営業時間短縮は、17日の期限以降も延長の方向で進んでいるという。

 ソフトバンクの子会社アグープのデータによると、都市部の人出の減少幅にはばらつきがある。大阪・梅田では、11月20日から22日の平均の人出と比べると、2週間後の12月4~6日では人出が26%減少。一方、同じ期間では、札幌・すすきので11%減、名古屋・栄で8%減とわずかに下がったものの、東京・新宿では2%減、福岡・天神では1%減とほとんど変わっていない。

●東京595感染、過去2番目 神奈川県の宿泊療養施設で死亡

 国内感染者は11日、新たに2796人が確認された。死者は北海道や東京、岐阜など14都道府県で42人増えた。東京都は595人で、過去2番目の多さ。都の基準による重症者数は67人で、前日より8人増。広島市は平和記念資料館を14日にも、ほかの市施設も近く臨時休館とする。いずれも来年1月3日までの予定。

 神奈川県では12日未明、軽症・無症状者向けの宿泊療養施設に入っていた50代の患者1人が死亡したと発表した。同県の宿泊療養施設の入所者が亡くなったのは初めて。この患者は8日に感染が確認され、9日から同施設に入所。11日午前8時の健康観察で体温37.8℃、血中酸素飽和度
(SpO2)86%、頭痛とだるさあり、せきと息苦しさはなしだった。

 看護師が午後4時ごろから何度か電話をかけたがつながらず、午後8時ごろ室内で心肺停止状態となっているのを見つけ、その後に死亡が確認された。黒岩知事は15日の定例記者会見で「県の対応に問題があったと言わざるを得ない。心よりおわび申し上げる」と謝罪した。

【12月12日】

●5都道府県が「ステージ4」に 医療の提供体制が機能不全のおそれ

 政府の「分科会」が示す4段階の感染状況のうち、最も深刻な「ステージ4」では爆発的な感染の拡大で医療の提供体制が機能不全に陥る恐れがあるとされている。北海道や東京都、大阪府、兵庫県、高知県の5つの都道府県は、12月8日の時点で「ステージ4」の指標を超えた。

 厚労省によると「最大で確保できる病床の使用率」は、12月8日時点の全国の平均が32.7%。1週間で2.6ポイント上昇。都道府県別では、兵庫県が68.9%で最高、次いで北海道55.1%、高知県53.5%と、いずれも「ステージ4」の指標の50%を超えた。また、国の基準の重症患者に限った病床使用率は、大阪府が57.9%、東京都が55%で同様に「ステージ4」の指標を上回る。このほか、病床の使用率が、「ステージ3」の指標20%を超えたのは、19県。実態はもっと深刻。

●新規感染、最多の3千人超 東京621人

 国内感染者は12日、3041人が確認され、初めて3千人を超えた。死者は全国で新たに27人が確認された。厚労省によると、11日時点の重症者は前日から24人増の578人で、3日ぶりに過去最多となった。

 東京都の621人のほか、6県で新規感染者の最多を更新した。大阪府では6人の死亡が判明。12月の死者は計82人となり、11月の78人を上回って月別の最多を更新。吉村知事は12日、大阪市を対象にした「GoToトラベル」の一時「停止」を延長するよう政府に求めたことを明らかにした。延長幅は、現状の15日から25日か28日までになるという見通し。福岡県は、新たに86人の感染が判明。

●福岡県独自の「コロナ警報」発動 医療機関に病床確保を要請

 福岡県は12日、新型コロナ対策本部会議を開き、県内で11日に発表された感染者が122人と、今年8月19日以来100人を超えたことなどが報告された。そして、県が確保できるとしている551床の病床の稼働率も県独自の「福岡コロナ警報」の基準の25%を超えたことなどから、警報を発動した。「福岡コロナ警報」は、8月5日に初めて発動されたが、その後減少したことなどから、10月8日に解除されていた。

 警報の発動はそれ以来2回目で、福岡県は県内44病院に対しては、コロナ患者用の551床のうち「準備病床」としていた239床をすべて「即応病床」に切り替え、患者の受け入れ準備を始めるよう要請した。一方で、現時点では飲食店の休業や東京などとの往来の自粛は求めないものの、県民に対して年末年始に向け、3密の回避やマスクの着用など感染防止対策の徹底を呼びかけることにしている。

【12月13日】

●ドイツ、感染再拡大 小売店の営業禁止や学校閉鎖へ

 ドイツでは11月から、全国の飲食店などを原則、営業禁止の措置をとってきたが、感染拡大に歯止めがかからず。今月11日には、新規感染者数が2万9000人を超え、死者数も598人に上り、いずれもこれまでで最多。部分的ロックダウンが、「十分ではなかった」と認めた。メルケル首相は、より厳しい措置が必要だとして、今月16日から来月10日までほとんどの小売店の営業を禁止し、学校も閉鎖。厳しいロックダウンを余儀なくされた。旅行の自粛のほか、企業にも事業所閉鎖の検討を求める。
 
 さらにドイツではクリスマスを前に、多くの人たちが屋外でホットワインを楽しんでいたが、公共の場での飲酒も禁止される。首相は「クリスマスに向けて買い物をする人たちも増え、人との接触が再び増えているなか、このような措置をとらざるをえない」と述べて、医療システムへの負担を減らすために、厳しい措置が必要だとして理解を求めた。

 一方で厳しい外出規制を敷いてきたフランスは15日から、午後8時までの外出を許可。クリスマスイブも24日は深夜外出も認める。だが、5千人まで下がると見込んでいた新規感染者数はなお1万3千人台。映画館や美術館などの再開は、更に3週間延ばし。

 またイタリアは13日で不要不急の外出を終日禁じる州はなくなったが、午後10時以降の外出禁止などは続ける。新規感染者数が1万人台に下がったが、毎日500人前後が死亡しており、21日からは州をまたぐ移動を全土で禁止。25、26日と元日は、同居人だけで会食することを「強く勧める」とした。

●重症者583人 2日連続で過去最多を更新

 国内感染者は13日、2388人が確認された。死者は全国で新たに20人が確認された。厚労省によると、重症者数は12日時点で583人となり、前日より5人増えて2日連続で過去最多を更新。

 東京都では、感染者数が比較的多くない日曜日としては、過去最多の480人に上った。13日までの1週間平均の感染者数は503人で、初めて500人台になった。また、すでに留置されていた18人の感染が確認されている警視庁新宿署では、新たに署員5人の感染が判明した。

 岡山県では、過去最多の38人の感染が判明。27人が確認された倉敷市では、13人がカラオケが出来る飲食店の利用客や経営者。広島市の高齢者施設でも11人の感染が確認され、市内のクラスターは12月に入って11件目。大阪府の感染者は308人で、5日連続で300人を上回った。

【12月14日】

●米国、ファイザーのワクチンの接種始まる

 全米各地に向け290万回分のワクチンの輸送が始まり、ニューヨーク市の病院には14日朝、ワクチンが到着し、新型コロナ感染患者の治療にあたる医師や看護師らを対象に接種が始まった。ファイザーのワクチンは今月中に2500万回分が供給される見通し。またFDAが現在、緊急使用許可を審査中のモデルナのワクチンも近く許可が出され、これとあわせ4000万回分のワクチンが今月中に国内に供給される見通しだという。

 ワクチンは医療従事者や高齢者施設の入所者に優先して接種されることになっていて、一般の人への接種はまだ先になる見通しだが、アザー厚生長官は14日の会見で、来年6月末までに希望する米国民全員にワクチンの接種ができるようにするという目標を明らかにした。

●大企業の景況感、改善 コロナ前水準、なお遠く 12月短観

 日本銀行が14日発表した12月の「短観」の業況判断指数(DI)は、大企業の製造業がマイナス10、非製造業がマイナス5だった。コロナの影響で落ちた6月調査を底に2期連続で回復傾向だが、直近の感染拡大で先行き見通しはほぼ横ばい。「GoToキャンペーン」による消費下支え効果が大きい非製造業では、感染の再拡大が影を落とす。一方、世界的な需要持ち直しで急回復する製造業では、下請けに恩恵が届かない。

 DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」とした割合を引いた指数。
調査期間は11月11日~12月11日。GoToキャンペーンの一部見直しなど「第3波」とも言える感染拡大の影響は限定的だった。DIは依然マイナスで、景気が悪いとみる企業の方が多い。感染拡大前の昨年12月の製造業0、非製造業20と比べ隔たりがある。

 来年3月の先行きは、大企業の製造業が2ポイント改善、非製造業が1ポイント悪化。中小企業の製造業は1ポイント改善のマイナス26、非製造業は8ポイント悪化のマイナス20とより厳しい見通し。

●食事券、上乗せ率引き下げ 「イート」追加販売、利用は6月末まで

 農水省は14日、飲食店支援策「GoToイート」で追加販売するプレミアム付き食事券の概要を発表した。購入額への上乗せ率をいまの25%から20%に引き下げ、一度に購入できる金額も2万円から1万円 に減らす。2020年度第3次補正予算に関連費用515億円を計上し、来年3月中旬の販売開始を見込む。「GoToトラベル」の延長と揃え、利用期限は来年6月末まで。購入方法も抽選式に限定する。利用の集中や終了後の反動減を抑えるためだという。

 新型コロナの感染拡大で、販売を見合わせる地域が相次いでいる。いまは東京や大阪など13都道府県で販売を一時見合わせている。販売を再開するかどうかは感染状況に応じて都道府県の判断に委ねる。いまの食事券の販売期限は、来年1月末を2月末までに1カ月延長。3月末の利用期限も、都道府県の判断で最長6月末まで延長できることにした。

●菅内閣「支持する」42% 先月より14ポイント下落 NHK世論調査

 NHKは、今月11日から3日間、全国の18歳以上を対象に世論調査を行った。それによると、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先月の調査より14ポイント下がって42%、「支持しない」と答えた人は、17ポイント上がって36%だった。

 支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が36%、「人柄が信頼できるから」が21%、「支持する政党の内閣だから」が16%など。支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」が38%、「実行力がないから」が29%、「人柄が信頼できないから」が17%などとなっている。

 毎日新聞の12日の調査でも、内閣支持率は前回調査から17ポイント下落の40%。「トラベルを中止すべきだ」が67%と、「継続すべきだ」の19%を大きく上回った。

●GoToトラベル 、やっと全国「停止」 飲食店の時短要請、東京や大阪延長

 首相は14日夕、政府対策本部で「全国の感染者数は高止まりの傾向が続き、感染拡大地域が広がりつつある」との認識を示した。そのうえで、感染拡大阻止や医療機関の負担軽減を挙げながら最大限の対策を講じるとして、「GoToトラベル」を28日から来年1月11日にかけて、全国一斉に「停止」すると表明。1月12日以降については「その時点での感染状況などを踏まえ、改めて判断する」とした。

 年末年始は、帰省や初詣などのイベントで人が移動したり、集中したりすることが想定されている。政府は、「分科会」の提言を受け、年末年始の休暇の分散取得を業界団体などに促してきた。だが、感染拡大が収まらない状況で年末が迫ってきたため、東京都や名古屋市での「停止」や「自粛」要請を検討していたが、年末年始を集中的に感染拡大を抑える期間と位置づけ、全国一律の「停止」に踏み切った。

 また、首相は飲食店について「営業時間の短縮は、さらに延長をお願いせざるを得ない」との考えを示した。年末年始に自治体からの時短要請に応じた飲食店に支払う協力金については、支援額の単価を最大1カ月当たり120万円に倍増する。首相は対策本部後に、「緊急事態宣言」を再び出すことを検討しているのかと記者団に問われたが、「していません」と否定した。

●野党、感染拡大は人災 専門家、「医療は逼迫、遅すぎ」

 「GoToトラベル」について、野党側は批判を強めていて、立憲民主党の福山幹事長は「菅総理大臣がこだわって全国に感染が広がったことは明白で、人災とも言える。その責任は極めて大きい」と述べた。また与党内からは「感染拡大を防ぐためにはやむを得ない判断だ」という声がある一方、「対応が後手に回っている印象は否めない」といった厳しい見方も出ている。

 感染症の専門家は「医療は逼迫した状態になっており、遅きに失した。もう1カ月ほど前に立ち止まる必要があった」。全国で一斉に「停止」することは評価するものの、28日からの実施となったことには、「すぐに止められないのか」と疑問を投げかける。

 西村経済再生相が11月25日、「3週間が勝負だ」と発言してからも政府の対策は小出しで、12月に入っても感染状況は悪化の一途をたどった。その間、繁華街を抱える都市では、人出が再び増加に転じたところもある。トラベル事業の一時「停止」は打ち出されたが、「GoToイート」は継続中。別の感染症専門家は、「都市部での感染拡大は主に会食が原因で、『イート』にも制限を加えるべきだ」と指摘する。

●観光業界 移動の自粛、警戒
 
 観光庁によると、10月に国内の宿泊施設に泊まった日本人は前年同月比17.2%減。一時は減少幅が8割超に達していたが、10月に東京発着の旅行が割引対象となった効果で、2割を切るまでに回復した。年末年始にかけても予約は好調で、満室の旅館やホテルも多かった。それだけに、観光業界の危機感は強い。航空会社も、トラベルの恩恵で国内便の利用が回復していただけに、業績の低迷に拍車がかかる恐れがある。

 野村総研のエコノミストは、全国でトラベル事業を28日から1月11日まで停止すると、893億円分の消費を押し下げる影響があると試算する。これは年率換算で国内総生産の0.39%分にあたる。ただ、「緊急事態宣言」の影響で4月は10.7兆円、5月は11.7兆円の消費を押し下げたとみており、「「緊急事態宣言」を再び発動するような事態に至る場合は、経済的損失は格段に大きくなる」と指摘。今回の全国での停止は「正しい判断だ」と評価した。

●重症者最多更新 3日連続

 国内感染者は14日、1681人が確認された。死者は全国で新たに47人。大阪府では14人の死亡が確認され、過去最多。厚労省によると、13日の重症者は全国で588人で、前日より5人増え、3日連続で過去最多を更新した。

【12月15日】

●バイデン氏の勝利確定 米大統領選 選挙人投票で選出

 米大統領選で、各州などに割り当てられた「選挙人」(計538人)による投票が14日、一斉に行われた。民主党のバイデン前副大統領(78)が306人、共和党のトランプ大統領(74)が232人を獲得。バイデン氏の勝利が事実上確定した。トランプ氏は敗北を認めない姿勢を崩してない。次期大統領の任期は1月20日から始まる。

●国債、今年度112兆円に コロナ対策の3次補正を閣議決定

 政府は15日、新型コロナ対策など総額21兆8353億円の追加歳出を盛り込んだ今年度第3次補正予算案を閣議決定した。コロナ禍による経済の低迷で税収も予想を下回り、国の借金にあたる国債を追加で22兆3950億円発行して賄う。これにより、今年度の国債の新規発行額は初めて100兆円を超え、112兆5539億円に達する。

 今回の補正で、今年度の歳出は175兆6878億円と、過去最高だった前年度の歳出の約1.7倍に増える。新規国債発行額はリーマン・ショックの影響を受けた2009年度の51兆9549億円が過去最大だったが、その2倍以上に膨らむ。その結果、今年度は歳出の64.1%を借金に頼らざるを得ないという異常事態となる。国の税収も、当初は過去最高の63兆5130億円を見込んでいたが、8兆3880億円下ぶれ、今回の補正で55兆1250億円に下方修正せざるを得なかった。

●GoTo対応、首相に批判 野党「後手後手」、自民「こだわりすぎた」

 菅首相の「GoToトラベル」全国一律「停止」の表明を受け、立憲民主党の枝野代表は15日、党役員会のあいさつで「後手後手の何乗かというぐらい後手に回った」と批判。「年末年始のかき入れ時にあたり、結果的に飲食・観光業により大きな打撃を与えた」と指摘した。泉政調会長も記者会見で、「勝負の3週間」と言いながら政権が国民に強いメッセージを発しなかったとして、「対策や判断の遅れが、この年末年始の一時「停止」につながった。人災と言える状況だ」と述べた。

 今回の判断を内閣支持率の下落による方針転換だとする指摘もある。共産党の小池記局長は14日の会見で、「内閣支持率が急落したので慌てて小出し、後出し、中途半端な対応になっている」と指摘。「政府の決断が1日遅れるごとに感染で苦しむ人が増え、医療現場の逼迫が強まっていく」とも語った。

 一方、加藤官房長官は15日午前の記者会見で、「停止」の決断が遅かったとの指摘に対し、「専門家の意見を聞かせて頂きながら、速やかに判断した」と反論。「「分科会」の提言で、トラベル事業は感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しない、とされている。この認識が変更されたものではない」と強調した。

 政府は判断の正当性を強調するものの、与党内からも首相の対応を疑問視する声が漏れる。自民の閣僚経験者は、「首相はぶれた」と指摘。「これから先、観光業界は大変だ。ここで方針を変えるなら、最初から突っ張る必要はなかった」と突き放した。「首相はGoToにこだわりすぎた。経済が大事なのはわかるが、命あっての経済だ」と中堅議員の一人は漏らす。

●首相「5人以上」会食に苦言 公明・山口氏「国民に配慮を」

 政府が感染防止策として少人数での会食を呼びかけるなか、菅首相は14日夜、銀座のステーキ店で5人以上で会食。自民党の二階幹事長やプロ野球ソフトバンク・王貞治球団会長、俳優・杉良太郎氏、政治評論家・森田実氏、タレント・みのもんた氏、林幹雄幹事長代理が同席した。

 公明党の山口代表は15日の記者会見で「国民に対するメッセージ性もある。そこはよく配慮しながら、今後、検討していただきたい」と苦言を呈した。立憲民主党の福山幹事長も「政治家といえども夜の会食は感染拡大防止の対策をとり、なるべく自粛する。首相として模範となっていただくべきだ」と記者団に語った。

 一方、加藤官房長官は15日の会見で「様々な分野の方々に会い、多様な意見に触れることは、政治家にとって大変重要。個別に適切に判断されていくと思う」と強調。政府の「分科会」は感染リスクが高まる場面の一つとして「大人数、例えば5人以上の飲食」を挙げているが、「一律に決めていくものではない」とした。二階幹事長は会見で、「マスク会食」を実践したかを問われたが、「マスクをとらなきゃ食事できない。みんな十分注意している」と逆ギレ。

●死者最多53人

 国内感染者は15日、2433人が確認された。亡くなった人は53人で1日あたりで最多。死者の内訳は北海道11人、大阪府10人、東京都9人など。火曜日としては、これまで最も多かった12月8日の2173人を超え最多。厚労省によると、14日の重症者は全国で592人で、前日より4人増え、4日連続で過去最多となった。

 東京都の感染確認は460人。都基準の重症者数は前日より5人多い78人で、「緊急事態宣言」解除後の過去最多を上回った。神奈川県と埼玉県は繁華街のある一部の自治体で、酒類を提供する飲食店、カラオケ店に対し営業時間の短縮(午後10時まで)の期間を延長するよう要請した。

 以下4枚の図は、12月15日の感染状況 NHK新型コロナウイルス特設サイトより転載。 

1215_tokyo

1215_domestic

1215_sriou

1215_death

 

★ ★ ★

 政府の新型コロナ対策本部「分科会」が「3週間ほどの期間限定でより強い対策を」と打ち出し、対策メニューを示したのは11月20日。それから3週間後の今月12月の11日、「分科会」が示した提言は、政府や自治体に覚悟を迫る内容だった。

 「勝負の3週間」の結果は、全国の1日の感染者は3千人を上回り。東京都も1000人に達する勢いだ。死者数や重症者数も最多を更新し続ける。だが、政府の取り組みは及び腰、医療界や専門家からは厳しい指摘が相次ぐ。「3密」の回避や手洗い励行の呼びかけだけで、深刻さが伝わっていない。

 年末年始は、医療機関が手薄になる。冬は心筋梗塞や脳梗塞などの重症者が多い。小池知事が言うように、ウイルスはカレンダーを持っていない。クリスマスであれ、年末であれ、年始であれ、どんなときでも襲って来る。医療専門家は、今の感染状況のまま突入すれば、年末年始に「医療崩壊」を来す危機感がある。「GoToトラベル」の即刻「中止」や移動の自粛、「3密」など接触制限の十分な施策を国に求めた。

 政府は、「緊急事態宣言」を解除後の5月下旬以降、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を基本方針としてきた。「トラベル」はその象徴として、首相肝いりの事業。政府はこれまで、GoToが「感染拡大につながっているエビデンスはない」などと逃げていた。首相は、「いつのまにかGoToが悪者になっている」と不満も口にした。

 実際、政府は専門家から上がる危機感に対し、小出しの見直しを続けてきた。「分科会」が、感染拡大が続く地域で「トラベル」の一時「停止」を11月25日に続いて、再び求める提言を出したのは12月11日。「分科会」では、政府の感染拡大防止策が後手に回り、国民に危機感が伝わらないことへの苛立たしさがあった。最近は自民党内からも「政府の対応は方針が定まらず、フラフラしている」と批判が出ていた。

 一番効いたのは、直近のNHKの世論調査の結果。このままでは政権にとって大ダメージになると、始めて気がついたのだ。菅首相は14日夕になって、やっと「GoToトラベル」の全国一時「停止」を含む追加的な見直しを打ち出した。曖昧な対応をしてきた対応に専門家や世論の批判が高まり、方針を大きく転換したのだった。

 全国「停止」方針は、首相や関係閣僚らの間で急遽方針が決まったという。14日午前の段階で、東京や名古屋を停止対象に加えても「トラベル全体は引き続きやる」と述べていた官邸幹部は、「一時的に経済との両立の旗を降ろす」と語ったという。菅首相は、記者団から「トラベルに感染拡大のエビデンスはないとの認識は変わったのか」と問われると、「そこについては変わりません」と、言ってることが矛盾している。

 「勝負の3週間」は大失敗に終わったにもかかわらず、菅首相は国民に対してろくに説明もせず、14日の夜、リスクが高いとされる5人以上の会食に出かけた。国民をバカにしている。公明党の山口代表は苦言を呈したが、西村経済再生相や加藤官房長官は、首相をかばって釈明しかできない。なぜ「首相に代わって申し訳ない」と詫びるとか「首相によく進言しておきたい」と言えないのだろうか。

 16日の夜になって、首相は「国民の誤解を招くという意味においては、真摯に反省している」などと発言。国民は「誤解」などしていない。この期に及んで、国民に責任を転嫁しようとは。5人以上というのが目安であって、一律に制限されるものではないことは分かっている。しかし国のリーダーが、模範を示さなくてどうする。会食は「忘年会」のようなもので、7人もいた。しかも、首相に何の反省もないことは、翌日15日の夜も首相は会食に出かけ、店を「はしご」していたからだ。

 首相は、国民の生命や健康を守るためのビジョンを示して欲しい。そして、この政策がどうしても必要だという理由を、メルケル首相のようによく説明すべきだ。現状は決断を避け、支離滅裂、説得力に欠ける。この先、感染拡大に対して誰が判断して、だれが実行していくのかよくわからない。

 11月から年末にかけての感染拡大は、来年1月になっても収まらないだろう。仮に減少傾向が見えたとしても、高止まりか緩やかな減少で、一段落するのは、春頃だろうか。過去の新型コロナの感染状況を見ると、増加するときは急激であっという間だが、減少は緩やかに時間がかかる。

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