無料ブログはココログ

« 2020年7月 | トップページ | 2020年9月 »

2020年8月の6件の投稿

2020年8月31日 (月)

すぐ死ぬんだから

 2020年8月29日、内舘牧子の小説『すぐ死ぬんだから』を読み終える。

 小説『すぐ死ぬんだから』は、『小説現代』の2017年12月号~2018年3月号に連載、2018年8月23日に講談社より単行本が刊行された。また、くさか里樹の作画により漫画化され、『WEBコミックトム』で2018年9月~2020年4月に配信されている。

 2020年8月23日から、NHK BSプレミアムとNHK BS4K「プレミアムドラマ」でテレビドラマ化、「人生100年時代の新!終活ドラマ」として三田佳子主演で全5話が放送されている。

 

 お洒落に気づかい、加齢に逆らって、若く見せる努力を重ねる78歳の女性が主人公。いかにして品格のある老後を迎えるかを描いた「終活」小説。人生の終盤におとずれたどんでん返しの荒波に溺れるが、最後は乗り越えて「品格ある老後」を手に入れる。「残りの人生、思い切ってみようかな。すぐ死ぬんだから」と、前を向いて歩き出す。

Sugushinukara
 
 78歳のハナは、夫・忍(おし)岩造と一緒に営んでいた酒店を息子に譲り、近所のマンションで隠居生活をしている。10年前ブティックの店員に、「70ちょっとにしか見えない」と言われ目が覚める。実年齢見られない努力を重ね、気合を入れて老いを遠ざけ、美しさと若さを保つ。10年ぶりに開かれた同期会では、「無理して若作りして」と言う女友達の前で、「年とともにナチュラルという人いるでしょ。あれも危険よねえ。要は面倒くさがりの無精になるということだから」と本音を吐く。

 ただ家に帰ると、娘の苺(いちご)には「その年になると、普通の人より派手な服を着ているだけで奇抜なの。今はいいよ、ちゃんと奇麗。でもここがボーダーライン。ギリだから」と注意されたりする。周囲の視線をよそに、ひとり鼻高々で奔放に生きる。折り紙だけが趣味の真面目な岩造は「ハナと結婚してよかった」が口癖。優しい夫や子供や孫にも囲まれ、まあまあ幸せな老後だと思っていた矢先、岩造が突然亡くなる。

 葬儀を終えた後は、呆然自失で自慢の外見を気にする気力もない。だが、折り紙だけが趣味だった夫のために、せめて個展を開こうと奮起。遺品となった折り紙を整理すると、自宅から遠く離れた外科の診察券と一枚の写真を見つける。日付の書かれた写真は若い男で、そのイケメンはお通夜に来ていたと、孫のいずみが覚えていた。やがて真実を知ることになって、物語は急変、ハナは嵐の中に巻き込まれていく。

 ★ ★ ★

 『週刊朝曰』に、内館牧子の連載「暖簾にひじ鉄」というコラムがある。2020年8月28日号の「すぐ死なないってば」という題で、自著の『すぐ死ぬんだから』についての記事があった。

 この小説は、高齢になるほどに外見を磨く方がいいという物語である。傾向としてだが、人は加齢と共に自分に手をかけなくなる。・・・(中略)・・・「楽だからいいんだよ。どうせすぐ死ぬんだから、楽が一番」。・・・(中略)

 加齢と共に「楽が一番」となり、その証拠が今、町中にあふれている。高齢者のリュック姿だ。高齢者(中には中年も)はどうしてあんなにリュックを背負うのか。どこに行くにもリュックだ。一泊旅行もクラス会も、ちゃんとした集まりにも、散歩にもリュック。大きな理由のひとつは「楽だから」だろう。・・・(中略)

 そんなある日、私は70代後半から80代の男女が集まる会合に、オブザーバーとして出席した。驚くべきことに、出席男女の外見が「リュック系」と「洒落た系」にくっきりと分かれていた。両者の差は大きかった。とにかく、受ける印象がまるで違う。

 「洒落た系」は若く、活発で物おじしない。他者にも気を配る。これは自信のなせるわざだろうと思う。そういう中で、特に「リュック系」の女性たちは同系で話し、どこか不快気だった。これは本音として「同年代なのに私は婆サンだ」と思ったのかもしれない。

 本書は、「リック系」から「洒落た系」に変身した78歳のハナの物語だそうだ。しばらくして、NHKから内館に三田佳子がハナを演じたいと希望しているという連絡があったという。三田は主人公と同じ78歳、願ってもない主演だとしてNHKのBSプレミアムで放送されることになったと明かしている。筆者は、この内舘のコラム記事を読んで、小説の題名「すぐ死ぬんだから」に興味を持った。

 三田佳子は、1996年には子宮体癌が発覚し入院、手術と5度の抗がん剤治療が成功し退院している。また2018年5月には、頸椎(けいつい)硬膜外膿瘍(のうよう)で手術・入院している。そういった病気のこともあってか、次第に出演作品は減少、あまり見なくなった。そんな三田が、連続ドラマに23年ぶりの主演。主人公と同じ実年齢の78歳。久しぶりに見る三田は、正直いって歳を重ねた分、昔よりも老けた感じ。ちょうどこの物語のように、若く見せる努力を重ねるヒロイン、ハナを演じている。

   

 ★ ★ ★

 10年ぶりの同期会にハナは同級生たちは「年なんだから楽が一番」と言い、「どうせすぐ死ぬんだから」と続く。そうか、この言葉はよく聞くフレーズ。これが高齢者が、だんだんいい加減になる「免罪符」。この免罪符と共に生きる男女と、怠ることなく外見に手間をかける男女に、クッキリと二分される現実があるという。しかし高齢者で、あまりにも度が過ぎるお洒落で、ケバケバしいファッションを見ると、痛々しい感じに思えるは筆者ばかりではないだろうが。

 本書は、主人公の女性のファッションや化粧の話しが多い。男性にはあまり知識のない部分が多いが、あとがきに「本書を書くにあたり・・・、さらに多くの美容関係者、服飾関係者のアドバイスにも深く感謝申し上げます。」とある。内館は、1948年生まれの72歳。テレビや写真を見るとやはり有名人、やはり日ごろからファッションに強い関心がありそう。

 「ババくささが伝染(うつ)るよッ」、娘が「ママ、年齢に抗(あがら)うのは痛いよ。アンチエイジングでなく、ナチュラルエイジングにしな」、加齢による老化現象の「ペンギン歩き」、優しい温もりのある夫婦を言う「ベターハーフ」、パパが死んで「セルフネグレクト」・・・などなど、内館の文章に出てくるワードやフレーズが面白い。「セルフネグレクト(自己放任)」と「品格のある衰退(老化)」は、全く別物だとわかってくる。

 本書で「ジーパン」と「デニム」という言葉で歳がわかる、とブティックの店員がハナに言う。「デニム」は生地、「ジーンズ」は「デニム」生地のズボン、「ジーパン」は「ジーンズ」の和製英語。「スパッツ」が「レギンス」になったり、ファッション用語は時代とともに変わる。「背広」はいつのまにか死語になっていて、「スーツ」とか「ジャケット」と呼んだり、「ジャンパー」は「ブルゾン」に変わっている。ちょっと気にしていないと、時代について行けない。

 この小説の中で、ある有名書家の揮ごう「平氣で生きて居る」という掛け軸を、夫・岩造が座右の銘として大事そうに飾っている。これは正岡子規の『病牀六尺(びょうしょうろくしゃく)』に出てくるそうだ。調べてみると病床にあって苦しんでいた子規は、以下のように書いている。

 「余は今まで禅宗のいわゆる悟りという事を誤解していた。悟りという事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思っていたのは間違いで、悟りという事は如何なる場合にも平気で生きている事であった」

 人が窮地に陥ったとき、「頑張れ!」とか「前向きに生きよ!」よりも、「平気で生きよ!」って自分に言うと、死ぬのはやめよう、あきらめるのはやめよう、いかなる場合にも動じずに平気で生きようと思う。そういった意味で、この言葉には重みがあった。
 

 また本書に出てくる良寛の辞世の句とされる「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」は意味が深い。弟子の貞心尼が、良寛との和歌のやり取りをまとめた歌集『蓮(はちす)の露(つゆ)』に出てくる。良寛は、江戸時代の曹洞宗の僧侶。老若男女や身分・貧富によって人を分け隔てする事が無く、誰とでも、優しく温かい気持ちで接したので、人々は皆、穏やかに和み、良寛に親しんだという。

 高齢となり死期の迫ってきた良寛のもとに、貞心尼が駆けつけると、辛い体を起こし貞心尼の手をとり、「いついつと まちにし人は きたりけり いまはあいみて 何か思わん」と詠んだ。

 そして最後に貞心尼の耳元で、「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」と下の句をつぶやいて亡くなったという。

 この歌には「あなたには、自分の悪い面も良い面も全てさらけ出しました。あなたはそれを受け止めてくれました。そんなあなたに看取られながら旅立つことができます」と、貞心尼に対する深い愛情と感謝の念が込められているという。物事には裏と表がある。人間も、表と裏の部分を持ち合わせている。人は表だけで、内側を見せない。内側を見てもらうことで、理解することが出来、本当に支え合うことができるのではないか。良寛は、紅いもみじの美しさは裏と表との双方があって、両方自然にありのままを見せて、受け入れて散っていく。良寛は自然のままに、もっと自然に生きよ、と語っているのだという。

 内館牧子 幻冬舎新書『男の無作法』の帯から引用。

Uchidate_makiko  

 本書の中に出てきた「死後離婚」という言葉を初めて知った。「姻族関係終了届出」というのがあって、夫婦の一方が死亡した場合、もう一方が姻族関係を終了させるために役所に提出できる。法律上、結婚すると配偶者の父母や兄弟などの間に、たとえ血のつながりがなくても、姻族(いわゆる親戚)となる。夫婦の一方が死亡しても、死亡配偶者の血族と生存配偶者との姻族関係が終了することはない。姻族関係を終わりにするかどうかは、本人の意思で決めることができ、配偶者の血族の了解は不要だそうだ。

 だが「姻族関係終了届」を提出しても、戸籍はそのままの状態。戸籍も配偶者の戸籍から別にしたい場合は、「復氏届」を提出しなければならないという。このように、「姻族関係終了届」は、配偶者の血族との親戚関係を終了し、配偶者の父母や兄弟姉妹などの扶養義務もなくなるという。こういった手続きを、いわゆる「死後離婚」と呼ぶそうだ。
 

 「なんとでもなる」という思いは、若者と老人のものだという。若者は「切り拓くからなんとでもなる」と思い、老人は「すぐ死ぬんだから」何とでもなると思うと書いてる。こういった対比は、内館牧子の発想なのか、面白い。

2020年8月27日 (木)

女帝 小池百合子

 2020年8月25日、石井妙子著『女帝 小池百合子』(文藝春秋)を読み終えた。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」は、東京など首都圏1都3県と北海道が5月25日に解除。6月18日には、小池知事の任期満了に伴う東京都知事選が告示(7月5日投開票)された。その告示の直前の5月30日、本書の第1刷が発売された。

 本書の”帯”にあるキャッチコピーは、次のようである。

 「救世主か? ”怪物”か? 彼女の真実の姿。」「彼女は宿命に抗った。そのためには物語が必要だった。」


 日本新党、新進党、自民党と「政界渡り鳥」と揶揄される一方、「女性初の首相候補」とももてはやされる。細川護熙(もりひろ)をはじめとして、小沢一郎、小泉純一郎らの時の権力者に近づき、そして離反し批判する。派手なパフォーマンスで国民を引きつけ、かき乱し、後片付けをせずに去って行く。カイロ大の「学歴詐称疑惑」。東京五輪の会場問題、豊洲市場への移転問題、2017年衆院選での「希望の党」結成によって、政界は混乱、小池の政治手法に疑問視する声は多い。しかし、新型コロナウイルスへの対応でテレビに出ずっぱりで、再び注目され、「時の人」となった。

Jotei_koike_yuriko


●序章 平成の華

 小池百合子は、平成を代表する女性。平成の始まりにテレビ界から転身して政治家になった。政権交代があっても、時の権力者に引き立てられ位を極め、更に男社会を敵にして、階段を登ってきた。ここまで権力を求め、権力を手にした女性はいない。なぜ彼女が、可能だったのか。

 2016年の都知事選挙の街頭演説で、小池は「病み上がりの人」とガンを乗り越えて出馬した鳥越俊太郎氏を批判した。テレビ討論会でそのことを指摘されると、彼女は当初、笑いながら「言っていない、記憶にない」などとしらばっくれる。誰もがテレビで見て知っているのに。

 著者はこのことが、選挙後も忘れられない。彼女の資料を集めて読み始めると、あまりにも話ができ過ぎている、辻褄が合わない、矛盾がある、腑に落ちないところがある。疑念が次々と湧き出てきて、当惑する。

●第1章 芦屋のお嬢さん

 本書の第1章は、小池の生い立ちや、父親のことから始まる。口の悪い人は、父親・小池勇二郎を「あの詐欺師」、「山師」、「政治ゴロ」と呼ぶ。大言壮語、おおぼら吹き、評判の悪い実業家だった。衆議院選挙に1度出馬して落選する。常に、社会的地位の高い人物に取り入り、その懐に飛び込んでいく生き方を良しとしていた。権力者に取り入ろうとする、嘘をつく。娘にもそういう生き方で、人生を開くことを教えたのか。生れながらのDNAか、父親の背中を見て育ったせいか。

 決して裕福ではなく、借金取りに負われる父親だったが、後年「芦屋のお嬢さん」だったと自分を美化する。甲南女子中・高校を卒業すると関西学院大学に進学。1学期だけで退学、カイロへ大学留学ためエジプトに行く。その頃、勇二郎が中東の石油の商売をしようと人脈を築いていたので、娘にアラビア語を習得させようとした。アラビア語は日本人にとって希少価値で、英語より役立つ。イギリスやアメリカに留学するより、日本の私立大学に通うより、エジプトなら金がかからない思ったのだろうか。

●第2章 カイロ大学への留学

 1971年9月エジプトに渡るが、翌年カイロ大学に入学できず。しかし1973年10月父親の口利きで、カイロ大学文学部社会学科に入学、2年に編入した。カイロ時代は、早川さん(仮名)とアパートに同居した。著者は、同居人の彼女に、何度も取材を重ねている。カイロでは、小池は男性たちのアイドルだった。愛嬌の良さで周囲を使役する要領の良さ。学生結婚した夫を踏み台にし、うまく利用するだけして離婚。アラビア語は、英語で言うと中学生レベル。遊んでばかりで、1976年7月進級試験で落第。

 カイロ大学 出典:ウィキメディア・コモンズ

Cairouniv

 1976年10月、サダト大統領夫人が来日。父親の勇二郎は帰国させた娘を、アラブ協会にアテンド役の末席にもぐり込ませる。そして「カイロ大卒の初めての日本人」「芦屋のお嬢さん」とマスコミに売り込む。いつのまにか「中退」が、「カイロ大を首席で卒業」という話が一人歩きする。

 飛行機事故を2度回避という強運の持ち主、と言うのも嘘。「物語」を作るうまさ。一方で、同居人の早川さんにも言わない秘密も多い人だった。

●第3章 虚飾の階段

 評論家・竹村健一に近づき、1979年4月テレビ番組の竹村のコーナーのアシスタントにデビュー。また「トルコ風呂」の名称変更で、小池の顔と名と行動力、中東通という経歴が広く宣伝された。

 愛煙家の小池は、竹村健一とともに嫌煙活動を批判、話がわかる女だとの印象を、男性たちに与える。知名度はまだ低かったが、週刊誌の対談や座談会に招かれた時には、自分の嘘で固めた「物語」を猛烈にアピールした。

 1985年に中川社長に気に入られ、テレビ東京に迎えられる。1988年春「ワールドビジネスサテライト」のメインキャスターに大抜擢。

●第4章 政界のチアリーダー

 1992年5月「日本新党」から、参議院に出馬宣言。ミニスカート姿で党首・細川護熙に寄り添う。細川との交渉で、比例順位は細川に次いで2位。この順位を巡って、党内はもめる。ミニスカートとハイヒールを売りとし、カイロ大の首席卒業、芦屋令嬢、外国語が堪能のイメージが作られ、マスコミには彼女の「物語」を語った。学歴疑惑の噂は、彼女が国会議員になることでうやむやになった。エジプトはコネと金の社会。日本は、エジプトにとって最大のODA出資国。その日本の国会議員という立場は、エジプトにとってどんな意味を持つのか。

 細川護熙  小沢一郎 出典:ウキメディア・コモンズ

Morihiro_hosokawa_19930809 Ichiro_ozawa_cropped_3_yoshitaka_kimoto_

 小池は細川党首に次ぐ地位に見られたが、日本新党の綱領つくりや政策立案、国会対策には関わらず、目立つことが好き。政治のプロには考えもつかない発想で、党の広報を担う。

 作家の島崎今日子は「美女の衣装を着けた野心家の青年」、田嶋陽子元法政大教授は「父親にかわいがられて育った娘は、父親の持つ価値観をそのまま受け入れてしまうので、女だけど男性の価値観を持つ。男性の中で紅一点でいることを好む」、社民党の福島瑞穂は「女性議員が超党派で一緒に解決しよう集まることがあるが、小池はさんはあんまり参加しない」と批評している。

 1993年9月宮沢喜一内閣の不信任案が可決し、解散総選挙。日本新党の細川と小池は衆議院に鞍替え、日本新党は大躍進。細川政権が誕生すると、小池は総務政務次官へ。本人は大臣の座を期待していたという。やがて細川政権が窮地に落ち込むと、小池は細川おろしに加担するようになる。今度は小沢一郎に急接近する。

 小沢の自由党にいた池坊保子は、小池のことを「政治家としてやりたいことことはなくて、政治家をやりたいんだと思う」。細川も小沢も男女関係だと噂を立てられ、「色気でのし上がっていく」。同じく自由党西村眞悟が、小池は「ヤクザの世界の姐さん」。親分の威を借りて、子分よりずっと上に写る。

 小池の地元の阪神淡路大震災の被災者に、冷たい態度をとった。被災者や地方議員の間では、小池は「何もしてくれなかった国会議員」として記憶されている。やがて、小池にとって3回目の衆議院選挙。今度は自民・公明と連立を組む保守党から出馬。小沢と決別した小池は、小沢批判を繰り返す。

●第5章 大臣の椅子

 2001年4月小泉純一郎内閣が誕生、2002年9月小泉は訪朝。小池は、北朝鮮拉致被害者家族の並ぶ中央に並び「いつもテレビに映り込もうとする」と問題になった。12月保守党は解党、小池は自民党に入党。2003年9月、小泉は内閣改造で派閥や慣例を無視し、いきなり小池を環境大臣に任命。51歳の時だった。独身の小泉純一郎を気遣ってか、小池は首相官邸に手作りの弁当を届けていたそうだ。いずれ小泉と結婚するのではないか、とも囁かれた。

 2004年10月水俣病の最高裁判決が下され、国と熊本県の責任を認め、50年の歳月を経て国が敗れた。最高裁判決が出たのに、小池大臣は、苦しみつづけた患者を前にして、5分問だけ謝罪文を棒読みしただけだった。しかも慇懃無礼、被害者に寄り添わない態度に原告団から罵声が飛んだ。

 水俣問題に関心を示さず、そのかわりに「クールビズ」を持ち出して、環境省主催の「クールビズ・コレクション」というファッションショーを開催した。むしろ彼女は、クールビズの発案者としてそのファッションショーに夢中になり、今でもその功績に胸を張り続ける。

 小泉純一郎  安倍晋三 出典:ウキメディア・コモンズ

Junichiro_koizumi_20010426 Shinz_abe_official

 小泉政権が政治生命を懸けた郵政民営化は参議院で否決され、2005年8月郵政解散となる。小泉は民営化に反対する自民党議員を公認せず、刺客を送る(対立候補を立てる)。小池は「機を見るに敏」な本性を発揮し、兵庫六区から東京十区の選挙区替え、民営化反対の小林興起の対立候補となる。小池にとっては、小泉に恩を売り、マスコミに自分を宣伝し、なによりも選挙区が東京都心に移れる。

 2005年6月に持ち上がったアスベスト問題についても、水俣と同様に役人に丸投げし、自らは本腰を入れて向き合おうとしなかった。

 2006年9月安倍政権が発足すると小池は、小泉の進言で5人の側近(首相補佐官)に選ばれ、国家安全保障担当となる。そして小池の暴走が始まる。小池より年下の安倍も周囲もコントロールできない。参議院選挙が近づいているとき、久間章生(きゅうま ふみお)が失言で辞任し、防衛大臣の椅子が空席に。そして、女性初の防衛大臣へ。人気とりのこの人事も、小泉サイドとされる。

 しかし小池の暴走と混乱は続く。自民党の重鎮・山崎拓は「防衛大臣として不適格だ。日本の国益も損なわれる。総理は全く彼女をコントロールできてない。総理の責任も問われる」。小池は、「総理には了解をとっていましたけれど・・・」と、勝手に事務次官の更迭を決めてしまう。防衛大臣として渡米し、アメリカの高官と面会。女性のライス国務長官と会談し、「姉妹の関係を築いた」と得意満面だった。

 テレビ局でキャスターをしていた時から、彼女の姿勢は変わらなかった。トップとつながる。あるいはそのように見せる。一番強い者と親しくなり、虎の威を借りタテ社会の論理を突き崩す。官房長官より総理、総理よりもアメリカの高官。彼女は虎を求め続けていた。党内では小池の言動に対するに対する批判や反発が強まり、突然大臣を辞任すると表明。

●第6章 復讐

 体調不良で安倍首相は、2008年9月辞意を表明。後任の福田康夫は、1年しか持たず、2008年9月辞意を表明。小泉は「結党以来の危機だ。次の総裁選には女性を立てなきゃダメだ」。小池が総裁選に出ることになり、女性初の総理候補となった。結果は、麻生太郎が1位で2位は与謝野薫、小池は3位だった。

 麻生内閣は、1年足らずで衆議院を解散するが、小沢が率いる民主党に自民党は大敗する。2009年9月、鳩山由紀夫内閣が発足した。3年後の2012年12月、自民党は大勝して与党に、安倍晋三が総理の座に返り咲く。小池より若い、後輩の女性が次々と閣僚に選ばれた。小泉が政界を去って以降、安倍内閣は小池に要職を何も用意しなかった。

 小池は、22歳も年下の男性秘書Aと共同で土地を購入。その上に環境を配慮したエコハウスを建て同居するという。結婚かと噂が立つが、Aは家が建つ前にこの計画から降り、小池事務所も辞めてしまう。そしてやはり20歳ほど年少の男性秘書・水田昌宏に譲られた。小池から金庫番を任され、事務所を仕切るようになる。突然やってきた「従弟」として小池に信頼される秘書は、妻子とともに同居し、周囲には不思議がられている。

 石原慎太郎都政は13年も続いたが、4期目の途中で投げ出し国政に復帰。続いて猪瀨直樹と桝添要一はカネの問題、公私混同で辞任に追い込まれる。安倍政権では、若い女性議員にスポットライトが当たり、60代になっていた小池は冷遇されていた。都知事選は2016年7月、自民党の思惑や了解を得ずに出馬の記者会見を開く。「悪のかたまりの自民党、オッサン政治と闘います!」

 石原慎太郎  猪瀬直樹  舛添要一 出典:ウキメディア・コモンズ

Shintaro_ishihara_2006sep1_revNaoki_inoseYichi_masuzoe_governor_of_tokyo_cropped

 小池が知事になれば過去の不正が暴かれ、自民党都議の利権の構図が明らかになると、東京都民は期待した。オリンピック予算が膨れ上がっていると訴え、利権を貪っている人がいると匂わせた。自民党と議連幹事長の内田茂、都連会長の石原伸晃らがその標的だった。元知事の石原慎太郎は、小池を「大年増の厚化粧」と言って、女性有権者に怒りの火が付いた。石原の発言には、うわべを嘘で固めているという比喩も込められていたのだが。

 自民党からは、議員歴の浅い元検事の若狭勝ただ一人が、小池側についた。小池の言う「東京大改革」、7つのゼロの公約は、真剣に考え抜かれたのか、実現性があるのか、公約を守る気持ちはあったのだろうか。そんな議論が深まることもなく、パフォーマンス優先の小池は291万票でトップ当選。次点は自民党・公明党の押す増田寛也(元岩手県知事)が179万票で、都連はこの大差にショックを受けた。3位の鳥越俊太郎(民進党、日本共産党、社会民主党など推薦) は134万票だった。

 豊洲新市場への移転問題は、環境問題、建設費に絡む利権の問題があるとして延期を発表。世論も小池の姿勢を支持し、小池フィバーが起こった。一方で都知事選挙では小池を支持して活躍した都議の音喜多駿(おときたしゅん)、上田令子を中心に地域政党「都民ファーストの会」を発足、音喜多はその幹事長に就任した。また来夏の都議選のため政治塾「希望の塾」を立ち上げ、多くの塾生を集めた。

 築地市場 出典:ウキメディア・コモンズ

Tsukiji_fish_market

 豊洲新市場 出典:ウキメディア・コモンズ

Toyosu_market_tokyo_2

 オリンピックの3会場(ボート・カヌー、水泳、バレーボール)の移転問題は小池が火を付けて大騒ぎしたが、再検討の結果、3会場とも都内に予定通り新設され、元の鞘に納まった。大騒ぎしてネズミ1匹か、というマスコミの追求に対し「大きな黒い頭のネズミがいっぱいいることがわかった」とはぐらかした。豊洲移転問題については「築地は守る、豊洲を活かす」と明言したが、市場を二つにするのが実現可能なのか、と言う質問には答えなかった。

 20177月の都議会議員選挙では、音喜多は前回より大幅に得票数を伸ばして得票数トップで再選、「都民ファーストの会」は49議席を獲得して圧勝、都議会第一党になった。

●第7章 イカロスの翼

 従弟とされる水田秘書と同世代の特別秘書・野田数(かずさ)は、一般社会を知らずに政治業界に身を置く匂いがする。小池から「都民ファーストの会」の代表と、「希望の塾」の運営も任せられた。一度衆議院に出馬して落選、村山市議を経て自民党公認の都議となった。日本維新の会から衆議院に出馬するも落選。その後都議も落選して、無職となっていたが、小池が都議選の選対本部長を任せ圧勝した。思想的には現行憲法否定論者で、小池の威を借りて高圧的な態度や、お金に不明朗な点もあり、批判や嫌悪する人も多い。

 2017年9月、安倍首相が国会解散を表明する直前、小池は突然臨時記者会見を開き「希望の党」の新党結党を宣言した。結党メンバーには自民党を離党した若狭と民進党を離党した細野豪志が加わった14人。党代表は小池で、自身が先頭に立って選挙を戦うという。「小池新党で、女性初の総理が誕生か」と騒がれた。

 民進党の前原誠司代表は、両議員総会で「希望の党」への合流を発表し、了承された。民進党議員は、全員離党して「希望の党」へ合流するという。しかし小池は、全員を受け入れる積もりはない。安保法制に反対するようなリベラル派は「排除」すると言い切る。前原が、小池にだまされたのか、小池との詰めが甘かったのか。

 旧民進党リベラル派は枝野幸男を党首として「立憲民主党」を立ち上げた。また旧民進党費員の一部は、無所属で出馬。希望の党に移った旧民進議員は、選挙資金や選挙区割りで冷遇された。民進党と希望の党の合流話で危機感を味わった自民党は、これで小池総理はなくなったと安堵した。希望の党は235人を擁立して、当選はわずか50人、大惨敗だった。野党第1党は、立憲民主党の54人。小池の側近の若狭は、落選して政界を引退した。小池は、都政に専念するとして、旧民進党出身の玉木雄一郞に党首を譲る。

 201710月、小池知事・希望の党代表の国政関与は政治姿勢として疑問があるという理由で、音喜多は上田都議とともに、「都民ファーストの会」を離党することを表明し、記者会見を行った。音喜多は「党運営は密室で役員数人で決めるブラックボックスそのもの」と反発、密室体質には都知事特別秘書で野田数前代表や小池氏の意向が働いていたとの認識を示した。

 豊洲移転問題では結局、何か訳の分からないまま、「築地は守る、豊洲を活かす」 ということの根拠や具体案は示されなかった。 追加工事を行うも汚染値が下がらないまま、2018年10月豊洲新市場は開場した。「築地女将さん会」は裏切られ、失望した。「女だからと信じてしまった」と悔やんだ。

 希望の党の失敗後、小池は今まで以上に自民党にすり寄っていった。帰順の証しとして、築地の土地を差し出したのだろうか。なじみの二階俊博幹事長とは密に連絡を取り、自民党都連と都議会自民党を牽制している。メディアは、今までのように小池や都政に関心を示さなくなった。

 マスコミの責任も重い。彼女にどんどん嘘をつかせた。メディアも彼女の共犯者。彼女に「イカロスの翼」を与えたのは誰だろうか 父親か、自分自身か、マスコミか、平成という時代なのか。翼を持った小池はまだ飛び続けている。

 絵画『太陽またはイーカロスの墜落』(1819、ルーヴル美術館) 出典:ウキメディア・コモンズ

Fall_of_icarus_blondel_decoration_louvre

 イカロスは、ギリシア神話に登場する人物の1人。クレタ島の迷宮ラビリンスから脱出するため、父が発明した翼によって自由自在に飛翔する能力を得るが、父の命にそむいて高く飛びすぎ、翼を固めていた鑞(ろう)が太陽の熱で溶けて海に墜死する。人間の傲慢さやテクノロジーを批判する神話として有名。

●終章 小池百合子という深淵

 2020年3月、都議会で自民党に学歴詐称を厳しく追及されたが、「卒業証書は持っている。カイロ大も認めている」と繰り返し答弁して、卒業証書の提出は、「ここ何度も公にしている」として拒んだ。著者によると、彼女は卒業証書を3回、極めて不完全な形で公表しているという。著者は、その不完全な卒業証書を検証し、疑問点をいくつも指摘している。まして「首席」卒業というのは、論外だとしている。

 また語学力についても、彼女がアラビア語で話す動画を専門家に見て貰うとあまりにもお粗末で、英語で言えば中一レベルだそうだ。小池が疑惑を払拭したいと思うなら、堂々と卒業証書なり卒業証明書を進んで提出すべきあるという。また、カイロ大と小池は利害が一致しているので、日本のメディアや政界から寄せられた問い合わせに対してカイロ大側は、在籍記録や成績を口頭で示す程度だけという。エジプトは軍事政権の国。カネやコネで大学内部の記録を書き換えたり、卒業証書を発行することはいくらでも可能らしい。

 彼女が彼女になれたのは、彼女の『物語』に負うところが大きい。本来、こうした『物語』はメディアが検証するべきであるのに、その義務を放棄してきた。そればかりか、無責任な共犯者となっていると著者は、主張している。

 

 ★ ★ ★

 2020年7月5日都知事選挙が投開票され、現職の小池百合子(67)が再選された。任期満了による都知事選は9年ぶり、過去最多の22人が立候補した。無所属で出馬した小池は、1期目の実績や新型コロナ対策の推進などを掲げ、立憲民主・共産・社民の3党から支援を受けた元日弁連会長の宇都宮健児(73)や、都政の刷新を訴えた「れいわ新選組」代表の山本太郎(45)らを破った。小池は366万1371票を獲得。前回の約291万票を上回り、次点の宇都宮に約280万票の大差をつけ圧勝。この得票数は、歴代2位。投票率は55.0%で、2016年の前回都知事選(59.7%)を下回った。

 今回の選挙では、自民党は独自候補の擁立を見送り、事実上、小池の信任投票だった。新型コロナの感染拡大防止を理由に選挙期間中、街頭演説を行わずオンラインで余裕の選挙戦を展開。朝日新聞の出口調査では、知事のコロナ対応を64%が「評価」し、そのうち75%が小池に投票したという。コロナでテレビに出ずっぱりの小池は、究極の選挙活動だった。山本代表は記者会見で、「強かった百合子山、高かった百合子山。百合子山を越えられなかった自分の力不足が悔しい」などと選挙戦を振り返った。

 しかし、前回の選挙(2016年7月)で掲げた「7つのゼロ」の公約は大半が達成されていない。「東京大改革」をキャッチフレーズに、①待機児童、②介護離職、③残業、④都道電柱、⑤満員電車、⑥多摩格差、⑦ペット殺処分などの7項目の公約を列挙。自身が選挙戦で強く訴えた「都政の透明化」「五輪関連予算の適正化」といった主張とともに、当時は有権者から多くの注目を集めたのに。

 4年間の都政の評価として記者からの質問に「有権者が判断してもらえれば・・・」と逃げている。ツイッターでは「『七つのゼロ』は身近な都政の課題について高い目標を掲げることで、生活を改善する効果をもたらした」と答えている。過去の言動と食い違う行動を取った時、小池がこのような「すり替え」や、都合悪くなると「言ってない」としらを切るやり方は、政治家として失格だ。
 

 ★ ★ ★

 著者の石井妙子は、1969年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。白百合女子大学文学部国文科卒、同大学院修士課程修了。お茶の水女子大学の「女性文化研究センター」(現・ジェンダー研究所)に教務補佐員として勤務。大学時代は囲碁部に所属していて、 1997年より毎日新聞の囲碁関連の記事を執筆。2002年NHK「囲碁の時間」に司会として出演。

 石井妙子 出典:文藝春秋BOOKS ホームページ

Img_a03d32588751559e7155e6e59ebf962d5120

 5年にわたる緻密な取材をもとに、上羽秀(うえばひで)を描いた『おそめ』を発表。伝説的な銀座マダムの生涯を浮き彫りにした同書は高い評価を受け、新潮ドキュメント賞、講談社ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞の最終候補となった。女性の一代記を数多く手がける。『原節子の真実』(新潮社)で第15回新潮ドキュメント賞を受賞。他に『日本の血脈』(文春文庫)、『満映とわたし』(共著/文藝春秋)、『日本の天井 時代を変えた「第一号」の女たち』(KADOKAWA)など。

 ★ ★ ★

 小池百合子は、「女帝」なのか。「女帝」は、女性の皇帝、あるいは女性天皇のこと。または女性が皇帝の後見として政治を行う場合に「女帝」と呼ぶこともある。中国史上唯一の女帝・武則天、清王朝の権力を掌握した西太后などは悪女として有名。ポジティブに「歌謡界の女王」とか「スケートの女王」とか比喩されることがあるが、「女帝」とか「女王」はネガティブ的な意味でそう呼ばれることもある。

 「越山会の女王」は、田中角栄の事務所の金庫番で、角栄の愛人とも囁かれた佐藤昭(昭子)。目白に住む角栄が脳梗塞で倒れると、療養のため政界やマスコミから遠ざけられることになった。ここで角栄の代わりに権力を預かっているとして注目されたのが、娘の田中真紀子は「目白の女帝」。三越百貨店社長・岡田茂の愛人で、納入業者・服飾デザイナーの竹久みちは、三越の社内人事にも口出ししているなどが伝えられ「三越の女帝」と呼ばれた。こういった政治または経営の権力を持ち、活躍する女性を「女帝」とか「女王」と呼ぶことがある。

 

 小池は、男性社会のなかで仕事をしていく困難さは、十分味わっていただろう。しかし、そこでの振る舞い方は、きっと父親から教わったか、父親の背中を見て倣ったのだろう。その時々で権力を持つ男性たちに取り入りながら、自らも権力の座を目指すというやり方だった。しかし父親と違うのは、男と女。 小池は女の武器を十分に発揮し、いかにすれば男に喜ばれるかは、少女時代やカイロ時代に身につけたのかも知れない。そのようにして、都知事にまで登り詰めた。しかし平成という時代、彼女が男たちの威を借りて、自らもいわば精神的に男と化すことでしか権力を得ることができなかったということに、まだまだ女性の社会進出には困難さがあり、壁があるということなのだろうか。

 小池は、二世議員のような地盤や看板、カネもない。立派な政治理念や、すばらしい政策も持ち合わせていない。取り巻きに有能なスタッフがいるとも思えない。被災者や被害者のような弱者に、寄り添うこともしない。ただパフォーマンスや横文字のフレーズ、容姿や見た目で人を引きつける。男にうまく媚びを売って、自己をアピールする。権力のある者の懐に飛び込む。それに似た女性は、周囲にもいそうだ。

 女性として、男の縦社会のスキをついて、這い上る。そうまでしないと、女性は上を目指せない。女性が各分野で進出する人数が増えて、裾野ができて、そこから押し上げられるようにして女性リーダーが出てくれば、そのときが真の「女性の代表」だと思うのだが。
 

 このノンフィクションは、立花隆『田中角栄研究─その金脈と人脈』(文藝春秋)を思い出す。田中角栄の内実については、ある程度政界やマスコミ業界でも知られていたことであった。ある程度、断片的な情報として批判的な記事が出回ってはいた。しかし田中角栄人気に押され、それに触れることはタブーであったり、知らぬ振りをしていたとことがあったようだ。それを立花隆は角栄の人脈、関連会社、金の流れを徹底的に調査して書き上げ、国民の大きな反響を呼んだ。

 

 本書は、執筆に3年半かかったという。エッセイや小説などと違って、ノンフィクションは取材や資料の収集など、お金や時間もかかって、つくづく大変だと思う。出版社もスタッフの支援体制が大変で、儲からない、売れないとなると、ノンフィクションから離れてしまうのではないかと心配する。石井妙子が、綿密な調査の元で3年半も年月をかけて執筆したこと、なんとしても真実を世間に伝えようという姿勢に敬意を表したい。

2020年8月13日 (木)

赤城山

 「赤城山」の最高峰「黒檜山」(くろびさん、1,828 m)から、「駒ヶ岳」(1,685 m)を縦走する日帰り登山。
 

 関東地方の北部、群馬県のほぼ中央に位置する「赤城山」は、「榛名山」と「妙義山」とともに、「上毛三山」と呼ばれ、市街地からでも山並みがよく見えることから、群馬県民にはよく親しまれている。「赤城山」と「榛名山」は、いずれも那須火山帯に属し、「赤城山」は、日本百名山の一つ。

 「黒檜山」から「駒ヶ岳」への縦走は、「赤城山」の中では最も人気があるコース。黒檜山の山頂付近からは、富土山、浅間山、苗場山、谷川連峰、至仏山、男体山など、関東甲信越から東北南部の山まで、大展望が広がるという。

   

 関越道を前橋ICで降り、前橋市街地から県道4号線の「赤城大鳥居」を車でくぐって、「大沼」(おぬ、または、おおぬま)の東湖岸の県道251号線へ。赤い橋は、「大沼」に架かり「赤城神社」に渡る「啄木鳥(きつつき)橋」。現在は、老朽化により通行禁止。

Img_3518t

 「大沼」は、正式には「おぬ」と読むらしい。キャンプや水遊び、ボート、散策、サイクリング、冬のワカサギ釣りなど、赤城山エリアのレジャーの中心地。

 「赤城神社」の社殿。「大沼」に突き出た半島形の「小鳥が島」の上に建つ。

Img_3520

 1970年に旧社地の大洞からこの地に遷座して、社殿が再建された。

 「赤城神社」は、山岳信仰に由来する「赤城山」を神体山として祀る神社。全国には関東地方を中心に約300社の「赤城神社」があるという。他の神社と区別するため別名「大洞(だいどう)赤城神社」とも呼ばれる。山腹の「三夜沢(みよさわ)赤城神社」、「二宮赤城神社」または当社の「大洞赤城神社」が、総本宮とされる。

 7:40「赤城神社」の参拝者用駐車場に行くと、開門が9:00からで車は入れない。別の駐車場に車を止め、参拝者駐車場に戻る。駐車場から「啄木鳥橋」を望む。右手の杜が「赤城神社」、その後に「地蔵岳」。正面は、「長七郎山」。左手の山は、「駒ヶ岳」からの尾根の端。

Img_34124

 参拝者駐車場から、「黒桧山」(左のピーク)と「駒ケ岳」(右)を望む。

Img_3411

 「大沼」の周遊道路と赤城山北面に続く道路との分岐点付近に、登山口がある。このあたりは標高1360m、気温は24℃。

 8:25、黒檜山登山口を出発。雑木林に入ると、すぐに急勾配の登山道。大きい石がゴロゴロしていて、登りにくい。

Img_3418 

 登り始めはかなりきつい。ひたすらジグザクの急登。

 高度を上げるとやがて8:42、右下に青い「大沼」と「赤城神社」、「地蔵岳」(標高1674m)の展望が開ける。

Img_3421 

 更にしばらく登ると、8:45岩場の尾根に出る。8:48、「猫岩」の標識がある。

Img_3424

 樹林の中の尾根は、石ゴロゴロ。延々と単調な急登が続く。

Img_3429

 樹林の間から、電波塔の建つ「地蔵岳」の左後方に富士山。

Img_3443

 「地蔵岳」の右手に、八ヶ岳連峰を遠望。

Img_3446

 勾配がゆるみ、10:45再び尾根に出ると「駒ヶ岳」と「黒桧山」の分岐の標識。
 
Img_3454mos

 分岐を左に進み、緩やかな登山道を5分ほど歩く。

Img_3458mos

 10:50、「黒檜山」の山頂(標高1828m)に到着。

Img_3462

 山頂からは、袈裟丸山(けさまるやま)などの日光方面の展望は良いが、更に2分ほど北に行くと、11:00北面の展望が広がる絶景スポットに到着する。

 北東の方角、日光白根山(左)と皇海山(すかいさん、右)。

Img_3468

 北の方角は、双耳峰の燧ヶ岳(左)と会津駒ケ岳(中央)、四郎岳(右のピーク)。

Img_3465

 北北西の方角。(写真をクリックすると拡大表示)

Img_34745n

 北西の方角。中景は、沼田市街地と片品川。

 Img_34767n

 西の方角。中央手前の山は、子持山。遠景中央が、横手山、その左に草津白根山、立山、四阿山などが連なる。

Img_347881

 11:05~11:40、絶景スポットの木陰で昼食。

 山頂から分岐まで戻り、「駒ヶ岳」方面に向かう。尾根をしばらく進むと、11:50「黒檜大神」の石碑がある。

Img_3490

 この先に、「花見ヶ原森林公園」への分岐。ガレ場を過ぎ「駒ケ岳」に向かって、木製の急階段を一気に下る。「駒ケ岳」の山頂が目前に。

Img_3492

 しばらく下りが続き、小ピークを越えると、やっと勾配が緩やかになる。

Img_3494mos

 12:30、ここが鞍部の「大タルミ」(標高1620m)。

Img_3495

 笹原の中を進み、「駒ケ岳」山頂までは、緩やかな登り。そして最後の急階段。

Img_3496

 13:00、「駒ケ岳」の山頂(1685m)に到着。休憩。

Img_3499

 東の方角は、みどり市、桐生市方面か。霞んでいて展望がきかず。

Img_3500

 西の方角は、カルデラ湖の「大沼」。「黒檜山」や「駒ケ岳」、「地蔵岳」などの外輪山に囲まれた「大沼」(標高1350m)は、カルデラ湖。近くに同じく「覚満淵」(かくまんぶち)がある。中央の山は、面白い形の溶岩ドーム「鈴ヶ岳」(1565m)。

Img_3502
      
 13:20「駒ケ岳」を出発。山頂からは、なだらかな尾根道を下る。しばらく行くと、火口湖の「小沼」(こぬ、こぬま)が見える。

Img_3505

 「小沼」は「大沼」の南東にあり、「長七郎山」(標高1579m)の火口湖で、「大沼」より高い標高1470m。

 13:30、ここで尾根道が終わり、休憩。13:35、右に折れて大洞(だいどう)・大沼方面(駒ケ岳登山口)に向かう。

Img_3507

 この先は、手摺りの付いた急勾配の鉄製階段が設置されており、こわごわと降りる。途中で木の階段もあるが、かなり急勾配で、林の中をジグザグに下っていく。体重を支える踏ん張りがきず、膝が笑い出す。

 やがて道路(県道251号線)が見え始め、14:30駒ヶ岳登山ロヘ出る。

Img_3514

 あとは車道を右に歩き、14:35「おのこ駐車場」の土産屋で、休憩。

 15:00、車を置いた駐車場へ戻り、着替えて15:20出発。

Img_3516

 帰りは、前橋市の温泉施設「あいのやま湯」に立ち寄って、汗を流す予定であった。新型コロナの感染リスクもあるので、寄らずに帰路へ。

 

 ★★★

 「赤城山」は「あかぎさん」、「あかぎやま」の2通りの読みがある。国土地理院の地図には当初「あかぎさん」と記載されていたが、地元では「あまぎやま」として親しまれており、これに異議を申し立て「あかぎやま」に改称したという。

 8月11日(火)は3連休明けの平日だが、お盆休みに入っている人も多い。新型コロナウイルスの感染拡大で、各都道府県では「お盆の帰省は控えるように」との呼びかけも出ている。我々のパーティは8名、赤城山には例年よりも少ない方だろうが、老若男女、けっこう多くの登山客が来ていた。帰りの関越道も、渋滞というほどではないが、混んでいた。

 この日の天気は晴れ。関東の下界では猛暑日、各地で気温が40℃を超すところもあったようだ。朝の登山口(標高1350m)で気温は24℃。おそらく正午過ぎでも30℃以下だった。このコースは比較的木陰が多い登山道、汗だくでずいぶん水分補給もしたが蒸し暑さはなく、時折涼しい風も吹いてきて気持ち良かった。

 しかしコロナ禍で、今年初めての登山。昨年8月1泊で「日光白根山」以来の1年ぶり。標高差は、およそ470m、岩がゴロゴロした急登が続く登山道。足腰が弱っているのか踏ん張りがきかない。「駒ヶ岳」から下りも急坂・急階段で、膝が笑い出す。翌日と翌々日は、最近経験のないひどい筋肉痛だった。さすがに登山中はマスクを外したが、熱中症は大丈夫だろうか、マスクしたまま登っている人も見かけた。

2020年8月 9日 (日)

新型コロナ2020.07 最多更新

  2020年5月25日、首都圏と北海道を最後に「緊急事態宣言」が全国で解除された。6月19日には都道府県をまたぐ移動自粛が緩和、また東京都を最後に、接待を伴う飲食店の営業自粛も解除された。しかしその後、首都圏を中心に全国で感染者最多を更新している。

 7月24日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.07 感染最多」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】 

 

【7月24日】 

●感染増加の理由 検査数の増加だけ?

 7月に入り、新型コロナ感染者数が都市部を中心に著しく増加している。政府や東京都がその理由として説明してきたのが、検査数の増加。確かに検査数は一時期に比べて大幅に増えた。だが、検査数が増えれば一般的に下がると考えられる陽性率も上昇している。

 東京都のデータによると、過去7日間平均(移動平均)の検査数は2日に2千人を超え、13日には3千人を超えた。陽性率は「緊急事態宣言」が解除された5月下旬は1%以下だった。その後徐々に上がり、7月1日に3.9%、21日には6.7%。大阪府でも同様な傾向にある。その理由に、接待を伴う飲食店の従業員らの集団検査が、陽性率を押し上げている可能性はあるという指摘もある。一方、感染経路不明や感染者の年齢層が広がってきたことも併せると、次第に市中に感染は広がってきているという。

●風営法で立ち入り

 東京都が警視庁に協力を要請して、都と警視庁は24日、繁華街の接待を伴う飲食店などに対し、風営法に基づき警察官の立ち入り調査を行った。新型コロナ感染拡大防止のため、歌舞伎町(新宿区)と池袋(豊島区)の調査に都職員が同行。「夜の街」で働く従業員に感染を広げないよう呼び掛けた。

 店への調査では、従業員名簿の整備など警察官が風営法上の違反の有無を確認した後、都職員が店の同意を得て、マスク着用や換気などガイドラインに沿った営業を呼び掛けた。風営法は感染症を想定しておらず、対策が不十分でも営業停止などの処分はできない。コロナ対策で警察が立ち入ることは、法的根拠がない。政治主導で警察を動員することの危うさを、指摘する専門家の声もある。

●指針守らず感染 店名公表へ

 西村経済再生相は24日の記者会見で、接待を伴う飲食店などが、感染防止ガイドラインを守らずに感染者が出た場合は、店名を原則として公表する方針を明らかにした。「3密」(密閉・密集・密接)の状況が生まれやすい接待を伴う飲食店や、酒類を提供する飲食店を対象とする方針。「感染症の予防のための情報を積極的に公表しなければならない」と定めている感染症法16条に基づき、同法所管の厚労省が都道府県に通知を出すという。

 多数の感染者を出した店名の公表は、すでに保健所や自治体などの判断で行われている。政府として対応を統一することで、ガイドライン順守の徹底を促す狙いがある。西村大臣は同日、東京都や大阪府など感染者が増加している8都府県の知事と電話で会談、こうした方針を確認した。

●東京都260人 200人超は4日連続

 東京都は24日、新型コロナ感染者が新たに260人確認されたと発表した。感染者数が200人を超えるのは4日連続。20代と30代が計186人と全体の約7割を占める一方、40代と50代も計55人(2割)が感染し、若年層以外に感染が広がっている。接待を伴う飲食店など「夜の街」関連は36人。都内の入院患者は76人増え、1040人に上った。1000人を超えたのは5月17日以来。都が確保している感染者向け病床は2400床で、無症状や軽症者には宿泊施設での療養を求めている。

●大阪府149人 最多更新

 大阪府では149人の感染者が確認され、22日の121人を上回り過去最多を更新。3日連続で100人を超え、府内の感染者累計は2915人となった。愛知県で63人、福岡県で52人、埼玉県で45人の感染が判明するなど、都市部で高い水準が続いている。一方、鹿児島県は新たに確認された感染者14人のうち、11人が与論島(与論町)の住民と発表。同島では22日以降に計23人の感染が確認されており、島内でクラスターが発生した可能性が高い。自衛隊に災害派遣を要請するなどし、感染者の大半を同県の奄美大島や鹿児島市内に搬送した。

●埼玉県 新たに45人 延べ2000人超

 埼玉県内で24日、新型コロナの新規感染者が45人確認された。これで県内の感染者は延べ2012人と、2千人を突破した。また川口市は新規感染者のうち市外在住の90代女性が同日死亡したことも発表。県内の死者は72人となった。

●国内771人感染

 国内の新規感染者は計771人に上った。23日の981人より減ったものの、3日連続で700人を上回った。安倍首相は「緊急事態宣言を出す状況にはない」との認識を示したが、都市部を中心に感染の広がりに歯止めがかからない状態が続いている。死者は埼玉、京都、大阪各府県で1人ずつ増え、累計で1008人となった。

【7月25日】

●丸投げ招く? 民間委託の「経産省ルール」

 政府事業の民間委託をめぐる問題で、経済産業省のルールが他の省庁に比べて、「丸投げ」や「中抜き」を招きやすい仕組みになっている小tが分かった。民間委託は統一ルールがなく、運用は省庁ごとに任されている。農水省のルールでは、再委託は原則として受託額の50%以内。事業の半分超を自前でできる業者に委託先を絞り、「丸投げ」を防ぐ。厚生労働省にも、ほぼ同様のルールがある。

 経産省は「持続化給付金」事業(第1次補正予算分)を、一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」(以下、協議会)に769億円で委託。協議会は749億円で「電通」に業務の大半を再委託し、「電通」は子会社5社へ645億円で外注した。この問題は、「協議会」が受託額の97%に相当する金額で再委託したこと。経産省では、委託額の制限はないのだ。

 事業が「丸投げ」されると全体像が見えにくくなり、受託した企業・団体の責任があいまい。「協議会」は、「電通」が業務を担うための「トンネル団体」になっている。経産省では「中抜き」問題もある。電通が再委託された額と子会社5社に外注した額の差は104億円。その内訳を見ると、「電通」の利益のベースになる一般管理費が68億円あり、これが多額の「中抜き」につながると野党は問題視する。経産省は批判を浴び、ルールの見直しの検討を始めたようだ。

●欧州「緩み」?第2波懸念

 新型コロナの感染のピークを越えたフランスやスペインで感染者数が再び急増し、外出禁止令を出していた4~5月の水準に戻りつつある。フランスでは24日、新たに1130人の感染が確認。1000人を超えるのは2日連続で、5月上旬の水準。5月11日の外出禁止令の解除後にいったん200人以下まで下がったもの、7月に入って再び増加している。死者数は連日10人前後で、ピーク時の数100人を下回っているが、集中治療室への受け入れ患者数も上昇に転じた。検査数の伸びを上回るペースで、感染が広がっている。

 フランスで指摘されているのが「緩み」。夏休みシーズンに入って各地のバーや海岸などで、若者がマスクを着けずに密集して踊り明かす様子が連日報道されている。地下鉄などの公共交通機関では、義務のはずのマスクを着けない乗客も増えたという。第2波を懸念する政府は、マスクの着用や空港での検査を義務づけるなどの対策に乗り出している。

●東京295人 大阪132人

 25日、東京都で新たに295人の感染が確認された。感染者数が200人を超えるのは5日連続。295人のうち20代と30代が計185人で全体の約6割。40代や50代も増えているほか、これまで少なかった多摩地域などでも感染の広がりが見られる。5月下旬の段階で、接待を伴う飲食店で新たな感染拡大の予兆はあったが封じ込められず、7月に連日100人を超える大きな波につながった。「呼びかけ」中心の対応に、都庁内では「都民に危機感を伝え切れていない」との焦りの声も。東京都は累計感染者が、すでに22日に1万人を超えている。

 大阪府では1日当たりの感染者数としては、過去2番目に多い132人が確認された。100人を超えるのは4日連続で、府内の感染者は累計で3047人となった。愛知県では新たに78人の感染が確認、5日連続で50人超。県内の感染者は累計で1019人となり、1000人を超えた。浜松市は新たに30人の感染を確認したと発表した。いずれも接待を伴う飲食店とマジックバーの2店舗でクラスターが発生。沖縄県では、米軍基地で新たに64人感染 過去最多、累計229人。

 国内の新規感染者は808人に上った。クルーズ船の乗船者らを含めた国内感染者の累計は3万人を超え、3万551人。国内の新型コロナ感染者は1月16日に初めて確認され、約3カ月後に1万人を突破した。その約2カ月半後に2万人を超え、3万人に達するまでは約3週間しかかかっておらず、増加ペースが加速している。死者は東京都、大阪府、長崎県で各1人が確認され、累計で1011となった。

●幕内阿炎が休場

 東前頭5枚目の阿炎(あび、26)が、事実上の「懲罰休場」となった。25日の7日目からの突然休場が発表された。師匠の錣山(しころやま)親方(元関脇寺尾)は「数人のお客様と会食に行ったため。大事を取り休場することになった」と説明した。日本相撲協会は場所前に、「基本的に外出禁止とし、不要不急の外出をしない」とのマニュアルを各部屋に配布していた。弟子の失態に師匠は「こういう時期に軽はずみな行動をしてしまった。申し訳ありません」と謝罪した。

  突然の休場から一夜明けた26日、報道陣の取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)は会食場所について、小池都知事が言う「夜の店」と説明。回数についても「場所前と場所中と2回」と話した。しかし関係者によると、実際は接待を伴うキャバクラに場所前から複数回行っていたという。しかも、阿炎とは別の部屋に所属する幕下以下の力士が同席していたという。

 阿炎は場所前の6月24日に一般女性との結婚したばかり。昨年11月、“悪ふざけ”動画の不適切な投稿で厳重注意に続いて、またしてもファンの信頼を損なう結果となってしまった。自業自得」で2人とも今場所の再出場はないという。本場所開催に向けて日本相撲協会が一丸となり、新型コロナウイルス感染防止を徹底してきた中での騒動に、協会内では厳罰を求める声が上がっているという。

【7月26日】

●希望退職募る企業急増

 企業の人減らしが加速している。社員の希望退職を募った上場企業は、東京商工リサーチによると今年上半期(1~6月)だけで41社あり、昨年1年間を上回った。リーマン・ショックの影響が残る2010年上半期以来10年ぶりの高水準。7月は少なくとも4社が公表していて、今後も増えそうだ。

●北朝鮮「初の感染疑い」公表

 朝鮮中央通信が26日、韓国との軍事境界線に近いケソン(開城)市で新型コロナ感染が疑われる事例が発生、24日から同市を完全封鎖したと伝えた。韓国側から越境してケソン市に帰郷した元脱北者の男性だという。韓国国防省は28日、この人物はソウル近郊のキンポ(金浦)市に住んでいた24歳の男性だと発表。2017年に軍事境界線付近の川を泳いで脱北し韓国で暮らしていたが、女性に性的暴行容疑で警察の取り調べを受けたあと行方が分からなくなり、19日に軍事境界線を越え北朝鮮に戻ったという。

 北朝鮮は2月以降、国境を完全封鎖し海外との往来を遮断している。これまで新型コロナ感染者はいないと主張していた北朝鮮が、感染疑いを公表したことについて韓国の朝鮮日報は、「感染発生の原因を韓国に負わせた」との見方を伝えた。

●J1選手ら感染 試合中止

 Jリーグは、26日午後6時から予定していた名古屋グランパスとサンフレッチェ広島の試合の開催中止を発表した。名古屋は25日、宮原和也選手が新型コロナに感染したことを発表。これを受け、選手とスタッフ60人を対象にPCR検査を実施したところ、26日、新たに渡邉柊斗選手とスタッフに陽性判定が出た。Jリーグは、2人の濃厚接触者の特定が試合直前になる可能性があるため、26日の名古屋と広島の試合の中止を決定。代替日は決定次第、発表する。

●東京都 新たに239人感染

 東京都は26日、都内で新たに239人が感染していることを確認したと発表した。1日の感染の確認が200人を超えるのは6日連続で、100人以上は18日連続。239人のうち、20代と30代は合わせて全体の6割、40代と50代は合わせて全体の2割。また239人のうち4割に当たる95人は、これまでに感染確認された人の濃厚接触者。残りの6割の144人は、感染経路が不明。

 濃厚接触者の95人のうち、最も多いのは家庭内での感染で33人、次いで職場内が20人。キャバクラやホストクラブなど、夜間に営業する接待を伴う飲食店での感染確認は14人(感染経路不明の2人を含めると16人)。このほか会食での感染が10人、デイサービスや保育園など施設内での感染が8人。これで都内で感染が確認されたのは、合わせて1万1214人。一方、26日に死亡が確認された人はいなかった。

●東京都 1165人が入院中

 都内で26日までに感染が確認された1万1214人のうち、入院中は25日より60人増えて1165人。このうち重症は、25日より2人増えて18人。
入院中の数は、280人だった今月1日の4倍以上に増えた。26日時点で重症患者向けの病床100床を含めて、都内で2400床の病床を確保していおり、都は現在2800床の確保を目指しているという。

 また自宅で療養している人は、25日より48人増えて452人。都が用意した3つのホテルで療養している軽症や無症状の人は、25日より22人増えて179人。この3つのホテルでは合わせて480人程度を受け入れることができるが、都は今月中にホテルをさらに3つ確保する方針。また医療機関への入院と、ホテルや自宅での療養の選択を調整中の人は966人、25日より49人減った。一方、すでに退院した人や自宅などでの療養が終わった人は、8124人。

 東京都の担当者は「最近、家庭内での感染が増える傾向にあり、家庭内で感染する年代も広がりつつある。今日は同居する孫から高齢の祖父母に感染した例が2ケースあった。夜間営業する接待を伴う飲食店の関係者以外の場面で、徐々に感染が広がっている印象だ」と話している。

●国内感染 3万人超

 全国では26日、福岡県で一日で最多となる90人の新型コロナ感染が確認された。熊本県でも過去最多の21人の感染が確認され、このうち16人は、同じ会社の従業員と取引先の関係者だった。県では、初めてのクラスターが発生したとし、この会社の関係者について引き続き検査を進めている。

 静岡・浜松市では、21人の感染が確認され、このうち18人は、すでにクラスターが発生している市内の2つの飲食店の利用客や従業員などだった。このクラスター関連の感染者は、これまでに61人にのぼっている。このほか大阪府で141人、愛知県80人、兵庫県49人など、全国であわせて835人の感染が確認され、国内の感染者数は3万人を超えた。

●コロナと空調 換気のススメ

 新型コロナウイルスの感染拡大で、建物の「換気」に注目が集まっている。集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号(設計・建造は三菱重工業)の空調システムで、客室に入ってくる空気は新鮮な空気である外気30%と、各客室などから排出された空気70%が混ざったものだという。

 省エネのため、建物内の空気を循環させる換気システムは、国内の商業施設など多くのビルでも広く採用されているといい、専門家の団体は「ウイルスを拡散させるおそれ」を指摘している。

【7月27日】

●GoToトラベル 割引きでの販売開始

 JTBは、観光支援策「GoToトラベル」キャンペーン事業の参加事業者登録の承認を受け、7月27日から割引を適用した旅行商品の販売を開始した。近畿日本ツーリスト/クラブツーリズムなど主要旅行会社も「Go Toトラベルキャンペーン」ページを開設するなど、順次販売・販売準備を開始している。「GoToトラベル」は、旅行商品代金が35%割引され、9月以降は代金の15%分が観光地で使えるクーポンとしてもらえる。これまでは旅行者自身が給付金の還付手続きを行なう必要があったが、事業者が扱う割引適用済み商品を利用することで、割引とクーポンの恩恵を受けて旅行することができる。

 観光庁によると、25日で事業に参加する旅行業者は1201件、宿泊業者は5707件が登録され、リストを公開した。ただ、今も準備が整っていない事業者は多く、割引価格での販売が広がるまでにはしばらく時間がかかりそうだ。観光庁は感染対策の徹底を登録の条件にしているが、現地確認はしていない。事後に対策の不備が判明した場合には登録を取り消すという。

 全国で新型コロナウイルスの感染が広がるなか、東京以外も事業の対象外にするべきだという指摘も出ているが、菅義偉官房長官は27日の記者会見で「現状では東京都以外の地域を除外することは考えていない」と述べた。

●GoTo委託 不透明

 「GoToトラベル」が27日から始まったが、4連休は地方の観光地などで人出が増えるところもあった。一方で、感染者が再拡大しているタイミングだけに、支援策への疑問は根強い。事業は民間委託されていて、業務の実態がわかりにくい。巨額の税金が効果的に使われるのかチェックできるように、透明性の確保が課題。

 国土交通省は「トラベル」の委託先として、7社・団体による「ツーリズム産業共同提案体」(以下、提案体)を選んだ。「提案体」は、JTB、KNT-CTホールディングス、日本旅行、東武トップツアーズと、業界団体の日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会、日本観光振興協会で構成。この組織はトラベル公募のために作ったもので、専用の事務所は今はない。7社・団体の従業員が業務を分担しているという。

 22日の野党合同ヒアリングでは、提案体の準備が十分でないのに、実施を前倒ししたことが追及された。観光庁の担当者によると、仮の事務所をJATAの中に立ち上げていて、正式な事務所は8月からできるという。事務局の人数は8月から400人ほどになり、徐々に増やして1千人ほどの規模になるという。

●東京131人 全国598人

 国内では27日、感染者が新たに598人確認された。東京都では新たな感染者は131人、7日ぶりに200人を切った。全国的に新規感染者が減少したが、連休で検査数が減ったのが要因。都によると、131人のうち20~30代が全体の6割(79人)。また10人は接待を伴う飲食店など「夜の街」で感染したとみられる一方、6割(79人)は感染経路不明。都内の感染者は累計で1万1345人となり、半数近くが7月に発生している。

 大阪府では新たに87人の感染が確認された。100人を下回るのは21日以来で、大阪府の感染者は累計で3275人となった。熊本県では、過去最多となる33人の感染が確認された。職員1人が感染していた山鹿市の介護老人保健施設で、新たに利用者16人と職員6人の陽性が判明。県はクラスターが発生したとみて、接触者らの検査を進めている。このほか愛知県で76人、福岡県で49人の感染が確認されるなどし、国内の新規感染者は598人に上った。死者は京都府で1人増え、クルーズ船の乗船者13人を加え累計で1012人となった。

●WHO「パンデミックは加速し続けている」

 WHOのテドロス事務局長は定例の記者会見で、感染者が過去6週間で2倍近くに増えて1,600万人となり、死者数も64万人に上るとし、「パンデミックは加速し続けている」と述べた。また、感染防止の取り組みによってカナダ、中国、ドイツ、韓国は大規模な感染を抑え込めたと指摘した。

 また会見では危機対応を統括するライアン氏が、日本やオーストラリアなど世界の状況からみて比較的感染者の数が少ない国々について「依然として成功例だ」と述べた。そして、日本などで新たなクラスターが確認されていることについて「クラスターの情報を得て、透明性を持って公開している政府の対応は称賛されるべきだ」と述べたうえで、引き続き一人一人が感染を防ぐ対策を徹底する必要があると訴えた。

【7月28日】 

●コロナ禍 大学運営揺るがす

 コロナ禍の影響で、大学の学生募集や授業の方法に特に大きな影響が出ていることが、朝日新聞と河合塾による緊急調査でわかった。秋以降に経済的理由による退学・休学が増え、経営の悪化を予想する大学も多い。一方、オンラインの普及を機に授業内容を見直す動きも。終息の見えない感染症は、大学の運営や教育を大きく揺るがしている。

●コロナ受け入れ病院減収

 新型コロナ患者を受け入れた病院の方が、受け入れなかった病院より、4~5月の減収が大きかったとする調査結果を、全国公私病院連盟が27日付で公表した。コロナ患者を受け入れると病院経営が圧迫される構図が明白となった。調査は6月、会員の1481病院を対象に行い、743病院が回答した。

●持続化給付金 相談会場6割削減

 中小企業などを支援する「持続化給付金」事業は、民間の一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」に委託されているが、委託先が変わる可能性が出てきた。その上にオンライン申請をしにくい人向けの全国500カ所超ある「申請サポート会場」の利用が減っているとして、今月末までに6割ほどを閉じて223カ所に集約する。

 事業は経済産業省が民間に委託し、会場の運営には約400億円の税金が使われる見込み。会場ごとの利用者数や業務を担う全ての業者名は公表されておらず、運営の実態は未だに不透明。巨額の税金が使われた効果が十分検証されないまま、業務が縮小されようとしている。「持続化給付金」は、コロナ禍で売り上げが急減した中小企業などに最大200万円を出すもので、オンライン申請が原則。サポート会場は、予約制でスタッフが相談に応じ、書類がそろっていれば申請を代行している。

●国内感染者981人 23日と並び最多

 国内で28日、981人の新型コロナ感染者が確認された。今月23日と並び最多。7月下旬はほかにも800人台や700人台の日が目立つ。大阪府はこれまでで最多の155人、愛知県も過去最多で、初の3桁となる110人だった。東京都の新規感染者は266人で、前日の131人から大きく増えた。他の地域でも感染拡大に歯止めがかからず、岐阜県、京都府、沖縄県で最多を更新した。大阪府の吉村知事は「数だけ見れば確実に市中感染が広がっている」と危機感を示した。愛知県は、名古屋市の繁華街などで感染者が増えたとみている。

 大阪府は28日、感染が再び拡大していることを受け、「5人以上での宴会や飲み会を控える」よう府民に呼びかけた。8月1日から20日までが対象。

●国内の死者 1,000人超える(クルーズ船除く)

 28日は、千葉県で2人、鹿児島県で1人の死亡が発表され、国内で感染して亡くなった人が1,002人になった。このほかクルーズ船の乗船者で死亡した人が13人いて、死亡した人は合わせて1015人。

●クラスター発生 店名公表は「同意不要」

 政府は28日、飲食店などで新型コロナ感染症のクラスターが発生し感染経路の追跡が困難な場合には、都道府県が関係者の同意なく店舗名などを公表できるとする通知文書を業界団体向けに出した。感染防止の指針が適切に講じられていなかったことが発生の要因と考えられる場合は、そのことも併せて公表する。

 首都圏や関西を中心に再び感染が拡大する中、飲食店や、若年層・学生が集まる場でクラスターが多く発生していることを受け、各種の業界団体などを通じて対策の徹底を求めるのが狙い。文書は、経済団体などとの取り組み強化策の一つとして、業務後の大人数での会食を避けることも挙げた。飲食店紹介サイトと連携し、店選びに活用できる仕組みも検討中という。

●東京都 飲食店の「感染防止宣言」ステッカー

 小池都知事は29日のインタビューで、新型コロナ感染症対策に取り組む「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示する飲食店や遊興施設などの事業者を支援するため、掲示店舗などを公表しPRする考えを明らかにした。

 事業者向け「感染防止徹底宣言ステッカー」 出典:東京都防災ホームページ

Sticker

 小池知事は、感染防止に取り組む店舗情報を利用者が入手し易くし、そうした店などの利用を促ようにしたいと明らかにした。ステッカーは「手洗いの徹底・マスク着用、できるだけ2mの距離を保つ、体調不良の従業員はすぐに帰宅させている」といった対策項目を満たした場合に、都のホームページからダウンロードできる。小池知事は「きちっと条例で位置付けが明確化されている方が効果が高い。迅速に条例化したい」と方針を示した。

●小池都知事「夏休み、できるだけ外出控えて」

 小池都知事は記者団に対し、夏休みの過ごし方について「検査で陽性が判明する人が、このところ200人台や300人台にものぼっている。感染しない、させないということを徹底していく時期だと思うので皆さんには協力をお願いしたい」と述べた。そのうえで、記者団が「夏休みの旅行は避けてほしいということか」と質問したのに対し、「できるだけ外出を控えていただき、お店に行くときは感染防止対策を徹底していることを知らせる都のステッカーを目印にして、安全なお店を選んでいただきたい」と呼びかけた。

●途上国 長すぎる都市封鎖で疲弊

 新型コロナ対策で、新興・途上国は苦境に陥っている。欧米を中心とした先進国では3~4月に感染が拡大、すでにピークを過ぎた。だが米国のほか、南米や南アジア、アフリカなどの新興・途上国を中心に感染が増え続けている。欧州ではすでに規制緩和が進んでいるが、新興・途上国では規制が4ヵ月たっても続いており、経済的な困難は我慢の限界に達している。途上国の中でも、いち早く検査・追跡の態勢を整えたベトナムなどは成功例だそうだ。

・エジプトの観光は、GDPの1割以上を占める主要産業。マドブリ首相は「経済より命」を優先、ロックダウン(都市封鎖)で観光業界が被った損失は毎月10億ドル(約1070億円)。感染者数も、9万人を超えた。耐えきれなくなった政府は「コロナとの共存」に転換。今月から紅海のリゾート地で国際便を再開し、ピラミッド観光も解禁した。

インド政府は感染者が657人だったまだ早い時期の3月下旬、13億人超の全国民を対象にしたロックダウンを実施。食料など必需品の買い物以外の外出を厳禁し、守らない人には厳しい刑を科した。当時、モディ首相は「コロナとの闘いに21日間の封鎖で勝利する」と発言していたが、4カ月たった現在の感染者は約150万人、衰えをみせない。その間、あらゆる経済が危機に陥った。5月の推計では、約1億2千万人が失職。モディ政権は「命も経済も」として、6月には方針を転換。レストランや工場を再開させた。

 モディ・インド首相 フェルナンデス・アルゼンチン大統領 出典:ウキメディア・コモンズ

Pm_modi_portraitcropped Fernandez

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスは、外出禁止令が出されて4カ月。感染拡大の勢いは増しているが、外出制限の一部緩和された。当初は買い出し以外の外出は認められず、違反すれば逮捕。フェルナンデス大統領は「経済は回復できるが、死者は戻らない」と宣言し、南米で最も厳しい封じ込めを行った。7月27日で感染者は16万7千人。240万人超のブラジルなどと比べ、感染拡大を遅らせることに成功。しかし、5月22日に財政破綻に陥っている。それでも個人事業主や非正規労働者に1万ペソ(約1万5千円)を2度支給。紙幣を増刷したとみられ、インフレへ懸念が強まっている。政府は企業による解雇や強制休業も禁止したため、6万社以上が廃業の危機に直面、今年中に75万~85万人が失業すると試算されている。

 米グーグルはスマホの位置情報データをもとに、各国の市民の外出状況をデータ化している。分析結果からは、3月に世界一斉に外出抑制が始まったことが分かるという。欧州では現在、平時に近いレベルにまで人出が回復。一方、中南米や南アジアでは人出の戻りが鈍い。世界各国と比べると、日本は比較的緩やかだったようだ。日本人の外出抑制は最大でも4割減程度にとどまった。日本は、各国に先駆けて規制を強めたが、規制の厳しさレベルは他地域より低いという。

●メッカ大巡礼 国外信者受け入れず
 
 イスラム教最大の聖地、サウジアラビアの「メッカ大巡礼」(ハッジ)が29日始まった。例年200万人以上の信者が集う重要行事だが、今年は新型コロナの影響で1932年の建国以来初めて、国外から巡礼者を受け入れず、異例の規模縮小となった。

 新型コロナの感染拡大により一時は中止もありえたが、サウジは「聖地守護者」の立場から実施を決めた。巡礼者は国内に居住する持病のない65歳未満とし、事前に検査を受けた千人程度に限定。当局は聖モスク周辺を消毒して準備を進めてきた。サウジの感染者は29日までに27万人を超え、湾岸アラブ諸国では最多。

 メッカにあるイスラーム教のモスク「マスジド・ハラーム」 出典:ウキメディア・コモンズ 

The_Grand_Mosque_of_Makkah 

【7月29日】

●感染初の1000人超 岩手で初確認

 29日、全国で新たに1261人の感染が確認され、1日当たりの感染者が初めて1000人を超えた。これまで感染者が確認されていなかった岩手県でも、ついに2人の陽性が判明。感染者は全47都道府県に広がった。クルーズ船の乗客乗員らを合わせた国内の感染者は計3万4159人となった。死者は4人増えて計1019人。

 東京都の新規感染者は250人で、2日連続で200人超、100人を超えるのは21日連続。29日時点の入院者数は前日から103人減って1106人となり、重症者は1人増えて22人になった。都は80代の女性1人の死亡も発表。死者累計は329人になった。他地域でも拡大に歯止めがかかっておらず、大阪府で221人(2日連続の最多)、愛知県167人、福岡県101人、沖縄県44人、京都府41人、岐阜県30人、栃木県16人、三重県10人、徳島県7人の9府県が過去最多となった。また神奈川県70人、千葉県49人も「緊急事態宣言」解除後で最多だった。

●感染最多 首長ら危機感

 岩手県内で初の新型コロナ感染者が確認されたことを受け、達増知事と盛岡市の谷藤市長が会見を開いた。達増知事は「コロナは誰でも感染する可能性がある。岩手県も例外ではないし、県民の皆様方には引き続き冷静に感染対策に努めていただくようお願いしたい」と述べた。

 谷藤市長は市民に向け「皆さんには不安を感じている方もいると思うが冷静に努めていただきたい」、また報道関係者に対しても「プライバシー保護の観点から、患者への配慮をお願いしたい」と呼びかけた。

●野党 臨時国会召集要求

 立憲民主党など野党4党は、憲法53条に基づく臨時国会召集の要求書を、衆議院の大島議長に提出した。要求書で野党側は、「安倍内閣は新型コロナへの初動対応を完全に誤った」と指摘したうえで、臨時国会を召集し、新型コロナや豪雨災害への対策について、安倍総理が説明責任を果たすよう求めた。

 立憲民主党の安住国対委員長は、「国の最高のリーダーが全く国民に説明を果たさないまま、事態の悪化の中で何を考えているのかも分からない状況というのは、ますます政治不信を起こすだけだ」と言う。これに対し、与党側は「議案が何なのか、定かではない」などとして、持ち帰って協議する考えを示しました。政府・与党側は、早期の召集には消極的な姿勢。

●布マスク8千万枚 野党延期要求

 厚生労働は新型コロナ感染防止策としての布マスク(いわゆるアベノマスク)は、全戸向けの配布が6月20日までに完了した。それとは別に介護施設等(障害者施設・児童施設・保育所・幼稚園等を含む)の利用者・職員に向けた配布が、3月下旬から続いている。厚労省によると対象者は約2千万人、これまでに1人3枚ずつ6千万枚を配布した。さらに4枚ずつ配布するとして、7月30日から9月中を目指し約8千万枚を追加で配布し、1人当たり7枚が行き渡って事業が終わる予定だった。

 29日に国会内で開かれた「野党合同ヒアリング」で議員側は、市中で品薄状態が解消されている6月下旬に、新たに約5800万枚もの布マスクを業者に発注していることを追及。配布を中止した場合、浮く予算や生じる違約金などを示すよう求めたが、厚労省側は算定できないと回答。議員側は検証不十分として配布延期を求め、担当者は「持ち帰って検討したい」とし、配布の延期が検討されている。

 介護施設等向け配布事業の契約総額は約247億円。一方6月に完了した全世帯向けは、約260億円だった。ある保育園の園長は、「万が一の時のために備蓄しているが、今のところ出番はない。自分で使うなら、もう少し呼吸しやすい形のマスクを選びます」と困惑気味。大人には小さくて使いにくい、洗う手間がかかる、届くのに時間を要した上に、一部に汚れが見つかる問題が起き批判が出ていた。

【7月30日】

●国内感染最多1301人 東京都最多367人

  新たに判明した全国の新規感染者は1,301人、最多だった29日の1,264人を上回り、3日連続で過去最多を更新した。東京都で新たに感染が確認されたのは、これまでで最も多い367人、すでに感染した人との濃厚接触者は163人(44%)、感染経路が不明な人は204人(56%)だった。東京都では、演劇の稽古中、29日までに2人の陽性が確認され、公演関係者の検査を行ったところ、30日に20人以上の感染が確認された。大阪府では、これまでで2番目に多い190人を確認した。

 沖縄県でも49人の感染が判明し、1日あたりの感染者数は4日連続で最多となり、全体の感染者数は300人を超えた。玉城知事は同日の会見で、那覇市の繁華街・松山のスナックやキャバレーを対象に8月1~15日の休業を要請すると発表。要請に応じた事業者には協力金として20万円を支給する。また岩手県では、新たに40代の男性1人の感染が確認され、これで県内3人目となった。このほか愛知県では160人、神奈川県では76人、埼玉県では57人の感染が確認された。

 達増拓也 岩手県知事 沖縄県 玉城デニー知事 出典:ウキメディア・コモンズ

Tasso_takuya  Denny_tamaki

●東京都「酒類提供店、夜10時まで」

 新型コロナ感染拡大を受け、東京都の小池知事は30日、臨時記者会見で、都内全域の酒類を提供する飲食店と、全カラオケ店を対象に8月3~31日、営業時間を午後10時までに短縮するよう要請した。全面的に要請に応じた中小事業者に協力金20万円を支給する。

 会見で小池知事は「感染爆発も憂慮される極めて危機的な事態」とする一方、「コロナとの長い闘いを見据えた時、完全に営業をやめてもらうのは現実的な選択肢ではない」と短縮要請の理由を述べた。要請は「特別措置法」24条に基づく措置。都内で感染経路がわかった濃厚接触者のうち、会食の割合が21日の7.7%から、28日には22.2%まで上昇しているという。

 協力金の総額は100億円程度になる見込みで、小池知事は「国の予備費の活用もお願いをしたい」として政府に補助を求める考え。また、「これまでは『感染拡大警報』と申し上げていたが、『感染拡大特別警報』である認識だ」とし、「状況がさらに悪化した場合には都独自の「緊急事態宣言」を発することも考えざるを得ない」と強調。「夜間の繁華街への外出や飲酒を伴う会食目的での外出は控えていただきたい」と呼びかけた。

●休業要請 踏み込めぬ自治体

 新型コロナの感染者が増える傾向が全国各地であらわになり、自治体の対応が再び問われている。東京都が協力金を出して営業時間の短縮を要請する対策を打ち出したが、財政事情から協力金負担が重く、宴会の自粛などを呼びかける段階でとどまっている自治体が多い。知事会ではさらに踏み込んだ対応を国に求める声が上がるが、政府の取り組みは進んでいない

●景気拡大 戦後最長届かず

 内閣府は30日、景気に関する有識者研究会を開き、2012年12月から続いた景気拡大期間が18年10月に終わり、後退局面に入ったと認定した。期間は71カ月(5年11カ月)となり、戦後最長の記録には届かなかった。政府はコロナ危機が本格化する今年2月まで景気は緩やかに回復としていたが、消費増税の2019年10月の1年前から下り坂になっていたことが明らかになった。

 なお最長記録は、「いざなみ景気」の2008年2月までの73カ月間。戦後2番目の長さだったが、過去の好景気のような成長率や賃金の伸びは少なく、国民の実感に乏しい。

●日本 20年度成長率4.5%減へ リーマン超え

 政府は30日の経済財政諮問会議で、2020年度のGDPの実質成長率がマイナス4.5%程度になるとの見通しを示した。1月時点では1.4%のプラス成長を見込んでいたが、新型コロナの影響で大幅に引き下げた。リーマン・ショックがあった2008年度のマイナス3.4%を超える落ち込み。マイナス成長は、消費税を8%に上げた2014年度以来6年ぶり。しかし政府の見通しは楽観的だという見方で、民間機関の試算平均はマイナス5.4%となっている。

●尾崎都医師会長「国会開いて特措法改正 」

 30日、東京都医師会は記者会見を開き、尾崎会長が国会から逃げ、しかも別荘で夏休みを取ろうとしている安倍首相に対し「一刻も早く国会を開け」、「コロナに夏休みはない」と吠えた。新型コロナ感染拡大防止に向けて国が金銭的な補償を伴う休業要請を行い、応じない場合は罰則を適用できるよう、一刻も早く国会を開き「特別措置法」の改正を安倍政権、国会議員に向けて提言。

 「良識のある国会議員のみなさん、コロナに夏休みはない。国会をひらき、国がすべきことを国民に示し、国民・都民を安心させてほしい」と早急な対応を強く訴えた。更に会長は、「休業お願いという(従来の)形のままだと日本全体が感染の火だるまに陥っていく。国が「特別措置法」を改正することが、全国の火だねを消す唯一の方法だ」と危機を訴えた。

●米GDP 4~6月の年率32.9%減 過去最悪

 米商務省の経済分析局は30日、今年4~6月期の国内総生産(GDP)について、年率換算で前期比マイナス32.9%、過去最悪の下落率と発表した。今春、新型コロナ感染拡大による封鎖措置を受け、企業活動の停滞を余儀なくされた。米国経済は11年ぶりとなる景気後退「リセッション」に突入し、史上最長とされる景気拡大にも終止符が打たれたという。

 過去5年間の経済成長が、わずか2~3カ月で失われた計算になる。一般に「リセッション」とは2四半期続けてGDPがマイナスに転落することを指す。1~3月期も、年率換算で5%低下していた。4~6月期の下げ幅は、金融危機がピークに達した2008年10~12月期の8.4%減の4倍に迫る。4月に職を失った米国民は2000万人を超え、80年以上前に記録を取り始めてから最悪。失業給付の申請件数は跳ね上がり、現在も感染拡大前の水準には戻っていない。

●米巨大IT企業 4~6月期決算好調

 米巨大IT企業の4~6月期決算が30日に発表された。アマゾンはネット小売りの需要が大きく増え、4~6月期の売上高は前年同期比で40%増、純利益は2倍に達した。アップルの4~6月期決算は、売上高が11%増、純利益は12%増。巣ごもりでiPadやパソコン「Mac」の販売が伸び、当期としては過去最高の売上高になった。新型コロナ感染防止で外出がままならないなか、「巣ごもり」の需要を一気に取り込んだ。

 米下院司法委員会・反トラスト小委員会は、前日の29日に開いた公聴会で、議員らが巨大IT企業と他の多くの企業に資産面で大きな差があると指摘。圧倒的な影響力を乱用してライバル企業をつぶそうとしているのではないかと厳しく追及した。

【7月31日】 

●東京都感染者463人 400人超は初

 東京都は31日、都内で新たに463人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表。1日の感染の確認が400人を超えるのは初めてで、前日に更新した過去最多を一気に100人近く上回った。20代と30代は合わせて72%。幅広い年代で感染が確認された4月に比べ、7月は20~30代が7割近くを占める。

 また463人のうち、38%(174人)はこれまでに感染確認された人の濃厚接触者、残りの62%(289人)は感染経路が不明。濃厚接触者のうち最も多いのが、ホストクラブやキャバクラなど夜間に営業する接待を伴う飲食店での感染で74人。家庭内での感染は29人、職場での感染が27人、会食による感染が16人など。これで都内で7月1か月間の感染者は6466人となり、これまでに確認された1万2691人の半分を超えた。また31日時点で都内の重症の患者は、30日より6人減って16人。一方、50代と70代の男性2人が死亡、死亡した人の累計は332人となった。

 小池知事は、「状況がさらに悪化したら、コロナ対策をしっかり打つという意味で、都独自の「緊急事態宣言」を発することも考えざるをえなくなる」と述べ、強い危機感を示した。そのうえで夏休みについて、「旅行やイベントも計画されていると思うが、今年は残念ながら例年と違う夏になる。今ここで対策を緩めてはいけない」と述べ、感染拡大の防止の徹底を呼びかけた。

 東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト「東京都の感染状況 関連ニュース」

0731_tokyo

●都内の病院 疲弊、減収「限界近い」

 東京都は31日に、前日の感染者数を一気に100人近く上回った463人。最前線で対応にあたる河北総合病院(杉並区)の岡井副院長は、「医療現場はすでに、第2波のまっただ中。受け入れ態勢はもう逼迫寸前。8分目まで来ている」、「感染者を受け入れきれなくなる日が来れば、自宅療養が増えて家庭内感染のリスクが高まる。それが感染爆発、さらに医療崩壊につながる」と警告、切迫した現状を訴えている。

 東京都の感染者数は7月の累計で6466人となり「緊急事態宣言」が出された4月の3748人の1.7倍になった。幅広い年代が感染していた4月に比べ、7月では20~30代が7割近くを占める。しかし直近の傾向では、各世代に広がりつつあり、徐々に4月に近づいているという。

 医療提供体制では、重症患者は31日で16人と「緊急事態宣言」下で最多だった105人(4月28、29日)を下回る。ただ、7月1日で280人だった入院患者数は31日で1197人まで増加。都は2400床の病床を確保しているが、医療現場の負担は重くなりつつある。保健所が自らの管内で入院先を調整できず、都に調整を依頼をする件数は1日100件を超え、特に中等症患者で難航しているという。

 都のモニタリング会議では「1日の新規入院患者が100人を超えることがあり、医療機関への負担は深刻」と言う意見や、「収束の兆しが見えない中、医療従事者の緊張は続いている」訴えている。

●国内感染者1580人 最多を更新

 31日は、全国で合わせて1580人の感染が発表され、一日当たりの感染者としてはこれまでで最多。1000人を超えたのは3日連続。国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め3万6389人、クルーズ船の乗客・乗員を含めて3万7101人。千葉県、福岡県、埼玉県、大阪府でそれぞれ1人が死亡、亡くなった人は国内で感染した人が1013人、クルーズ船の乗船者が13人の、合わせて1026人。

 日本国内の感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト「国内の感染者数・死者数」

0731_domestic_gosei2

 各自治体などによると、国内で感染が確認された人は、累計で次のとおり。( )内は31日の新たな感染者。

 東京都は12691人(463)、大阪府は4057人(216)、神奈川県は2483人(53)、埼玉県は2310人(57)、福岡県は1926人(170)、愛知県は1805人(193)、千葉県は1646人(35)、北海道は1428人(15)、兵庫県は1220人(62)、京都府は787人(29)、沖縄県は395人(71)。東京、新潟、愛知、兵庫、鳥取、福岡、長崎、沖縄の8都県で、1日あたりの最多を更新。また都市部では100人を超える感染者が続いている。7月の感染者総数は、「緊急事態宣言」が出されていた4月の約1.4倍。一方、死者は計39人で4月中の計422人から大幅に減った。

 新たな確認感染者 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

0731_domestic_map

●沖縄県が「緊急事態宣言」

 沖縄県は31日、71人の新型コロナ感染を確認されたと発表。5日連続で過去最多を更新、県内での感染者累計は395人となった。玉城知事は記者会見を開き、感染拡大を食い止めるために県内の警戒レベルを「感染流行期」に当たる第3段階に引き上げた。そのうえで、県独自の「緊急事態宣言」を出した。8月1日から15日まで、沖縄本島全域で不要不急の外出を自粛するよう要請。また県をまたぐ移動については自粛を求め、県外からの訪問者に対しては慎重な判断を求めている。

 このほか、那覇市内の飲食店には営業時間を短縮して午前5時から午後10時までとするほか、イベントの主催者には開催中止か延期、または規模縮小を検討してもらい、実施にあたっては十分な感染防止対策を取るよう求めている。玉城知事は「重大な局面を迎えていることを県民に伝え、感染拡大防止に取り組むため宣言を発出した。県内の医療機関の病床は逼迫していて、何としても医療崩壊を食い止めたい」と述べた。

●大阪府、ミナミに休業要請

 大阪府は31日午前、対策本部会議を開き、感染拡大を受けて大阪ミナミの特定地域にある夜の接待を伴う飲食店、酒類を提供する飲食店について、感染症対策を行っていない店に休業要請、対策を行っている店に午後10時までの営業短縮の要請を行うことを決定した。期間は8月6日から20日の予定。会議によると、夜の繁華街を中心に20代~30代の若者の間で広がりをみせ、それが高齢者にも広がっている現状や、府内ではミナミでの感染者が多いことなどを受け、ミナミの一部エリアの要請を決めた。

 一方岐阜県では、再び拡大していることを受けて古田岐阜県知事は、「第2波非常事態」を宣言し、感染が増えている名古屋市での酒を伴う飲食を避けることなど緊急対策の徹底を呼びかけた。

●埼玉の入院患者 無断で一時外出

 埼玉県は31日、新型コロナ感染し入院していた春日部市の40代会社員男性が、入院先の羽生総合病院から無断で外出、一時行方不明になっていたと発表した。中等症の肺炎だったが、30日午後10時ごろ、病棟の鍵を壊し看護師に嘘を言って外出したという。31日午前10時ごろ、川越市内の温浴施設で、警察が男性の車と男性を発見。春日部保健所職員が、別の病院に入院させた。

 男性は以前にも数度、入院中に外出を試み、病院に制止されていた。無断外出した理由について「仕事の進みが心配だった」と話している。行方不明中に立ち寄った場所の特定と消毒、接触した人の特定と検査を進める。県は今後、入院しない患者には感染症法に基づき、強制的な入院措置に踏み切ることも検討しているという。

●分科会 感染状況4段階で対策

 政府の分科会(尾身茂会長)は31日の会合で、新型コロナの感染状況を4段階に分けた上で、感染防止策として飲食店への休業要請や、「緊急事態宣言」を検討するよう政府に求めることで一致した。4段階の区分けにより、地方自治体の取るべき対策を明確にすることが狙い。4段階は、「感染ゼロ散発」、「感染漸増」、「感染急増」、「感染爆発」。自治体が現状を評価するための指標に関しては、感染者数や60歳以上の新規感染者数、医療提供体制への負荷や重症者向けの病床数などをもと、来週以降に数値を含めて検討を続けるという。

 分科会 感染状況の4段階 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

Img_07_05 

 「感染漸増」に当たるのは、連日多くの新規感染者が報告されている東京都や大阪府、愛知県など。「感染急増」への予兆が出た場合には、飲食店での人数制限、夜間や酒を出す飲食店への外出自粛要請のほか、感染が拡大している地域との都道府県境を越えた移動自粛の徹底などを提案。「感染爆発」の恐れがあれば、「緊急事態宣言」の発出や学校休校、公共施設の閉鎖、イベントの自粛などの強い対応が必要だと示した。

●国立大7割が入試「配慮」

 コロナ禍で学習に遅れが出た高校生に対して、文部科学省は6月、各大学に対して今年度に行う入試の個別試験(2次試験)での配慮を求めた。具体的には、高3で学ぶことが多い教科について、学習指導要領の範囲を超える「発展的内容」を出題しない、解答する問題を選べるよう選択問題を設ける、「発展的内容」を出題する際には補足説明を書く、大学入学共通テストの成績の活用を2科目にせず1科目にすることなどを要請。7月31日までに対応を決めて公表するよう強く求め、各大学の対応を同省ホームページに掲載するとしていた。

 この結果、国立の全82大学の7割が、個別試験で特別な対応をとるが、残りの大学は配慮の必要がないとしている。また大規模な公立・私立の20大学の調査では、配慮の対応が分かれている。

●米製薬会社 ワクチン成功なら6000万人分供給

 厚生労働省は31日、新型コロナのワクチンについて、米製薬大手ファイザーが開発に成功した場合、来年6月末までに6000万人分の供給を受けることで基本合意したと発表した。ファイザーは、ドイツの製薬会社と共同でワクチン開発を進めており、早ければ今年10月に米食品医薬品局(FDA)などに承認申請する。日本での承認手続きについても、厚労省と協議を進めているという。日本への供給を見込んでいるワクチンは、2回の接種が必要なため、1億2000万回分となる。

 ワクチンの開発は世界中で進行しており、日本政府は海外からの輸入と国産ワクチンの開発を同時並行で進める戦略を取っている。加藤厚労相は記者団に対し、「ファイザー以外の会社とも協議を進めている。また国内での開発も支援していく」と述べた。

●ユーロ圏GDP 4~6月で年40%減

 欧州連合(EU)統計局が7月31日発表した、ユーロ圏19カ国の2020年4~6月期の実質域内総生産(GDP、速報値)は、前期比で12.1%減となった。年率換算では40・3%減で、前期(13・6%減)に記録した過去最大の落ち込みからさらに悪化した。新型コロナ感染対策で、各国が3月から実施したロックダウン措置が大きく響いた。

 ユーロ圏は、米国、中国に次ぐ経済規模を持つ。前日発表された米国の4~6月期GDPは年率で前期比32・9%減で、ユーロ圏はさらなる深手を負った格好。

●コロナ対策 臨時国会要求

 立憲民主党など野党4党の国対委員長は29日、国会内で会談し、新型コロナ感染再拡大や豪雨災害を巡って安倍首相が国会で説明責任を果たすべきだとして、憲法53条を根拠とする臨時国会召集を近く要求する方針を決めた。立憲の安住国対委員長が自民党の森山国対委員長と会談し、こうした考えを伝達した。森山氏は会談後、臨時国会の早期召集に否定的な姿勢を記者団に示した。

 安住氏は会談で、30日に野党党首会談で協議し、週内に憲法に基づく召集の要求書を大島理森衆院議長へ提出する方向で調整していると通告。森山氏は臨時国会召集に関し「意見を政府に伝える」と回答した。政府・与党は応じぬ構えのようだ。

●GoToイート開始 遅れる見通し

 購入額に上乗せした金額分が使える食事券の販売やポイント還元を行い、飲食店の利用を促す「GoToイート」キャンペーンについて、新型コロナ感染が再拡大しているため、開始時期が当初想定の8月下旬より遅れる見通し。31日午前の閣議後会見で、江藤農林水産相が明らかにした。キャンペーンは総額約2千億円をかけ、コロナ問題で経営が厳しい飲食店を支援する。

●6月新規求職者18.2%増

 厚生労働省は31日、6月に仕事を探し始めた新規求職者(季節調整値)は前月より18.2%増、1963年に統計を始めてから最大の増加率だったと発表した。今年5月は4.8%増だった。 6月の有効求人倍率は同0.09ポイント低い1.11倍と、6カ月連続で悪化。雇用情勢は厳しさを増している。厚労省は、「緊急事態宣言」下で求職活動を控えていた人が、仕事探しを始めた影響もあるとみている。総務省によると、会社の指示などで休業している人は6月時点で236万人で、5月の423万人より減った。

●失業率悪化に向かう恐れ

 有効求人倍率の悪化が続いた一方、総務省が31日に発表した6月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0.1ポイント低い2.8%と7カ月ぶりにわずかに改善した。だが、勤め先の都合で離職した人は5カ月連続で増えるなど、これから失業率は再び悪化に向かうとの見方が強い。

 完全失業者は194万人で、5月に比べて微減(マイナス3万人)した。失業者が増えていない背景について、あるエコノミストによると、新型コロナで失職した人が、フリーランスとして働き始めているのではないかとみる。ただ、働き手の大半を占める雇われて働く人の数は3カ月連続で減っている。フリーランスなど他の働き方は、雇用の受け皿としては限られるため、失業率の見通しについて「再び悪化し、年末までに4%を超える」とみている。

●菅官房長官「再宣言考えていない」

 菅官房長官は閣議の後の記者会見で「現在の感染状況は3月、4月の増加スピードよりもやや緩慢だが、一部地域では感染拡大のスピードが増して、憂慮すべき状況であり、重症者も徐々に増加していると分析されている」と述べた。

 一方で「こうした状況を総合的に判断すると、現時点で「緊急事態宣言」を再び発出し、社会経済活動を全面的に縮小させる状況にあるとは考えていないが、分科会を開催して専門家の意見を伺い、引き続き、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けて取り組んでいく」と説明。また、現状が感染拡大の「第2波」にあたるかどうかについて、「政府として、厳密な定義を置いているわけでない」と答えた。

2020年8月 7日 (金)

新型コロナ2020.07 感染最多

  2020年5月25日、首都圏と北海道を最後に「緊急事態宣言」が全国で解除された。6月19日には都道府県をまたぐ移動自粛が緩和、また東京都を最後に、接待を伴う飲食店の営業自粛も解除された。しかしその後、首都圏を中心に全国で感染者最多を更新している。

 7月15日から23日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.07 再び拡大」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】 


【7月16日】

●GoToトラベル 東京除外
 
 観光関係の業界を支援する「GoToトラベル」キャンペーンについて16日、赤羽土交通相は「東京発着の旅行を対象外」にすると表明した。元々8月上旬から実施予定だったが、4連休が始まる7月22日から前倒しでスタート。しかし東京都では新規感染者が連日3桁。感染拡大を不安視する地方自治体などから、日増しに反発の声が上がっていた。経済を回復させる目玉政策は、高まる慎重論を前に譲歩した。

 「GoToトラベル」の前倒し実施を指示したのは菅官房長官。コロナ禍にあえぐ観光業と地方経済の立て直しは急務、経済界からも強い要請。背景には菅官房長官と小池都知事との遺恨も。突然の方針転換に、利用を見込んでいた旅行者らに混乱が広がる。すでに旅行代金を支払った人からは、キャンセル料が心配。経済回復を期待した観光地も、複雑な思い。

●「追認」分科会 懸念の声

 観光業への支援策「GoToトラベル」は、16日に開かれた政府の分科会(尾身茂会長)で了承された。だが、東京発着の旅行を対象外とする結論に科学的根拠がどれほどあるのか。医学的な助言はどう生かされたのか。専門家からは疑問や批判の声。しかも分科会よりも先に「東京発着を除外」の政府方針が示され、順番が逆だ。だが結局、分科会では異論は出ず、尾身会長は「この事業を新しい生活様式に基づく旅のあり方を国民に周知する契機にしてほしい」とまとめた。

 国土交通省大臣 赤羽一嘉 新型コロナウイルス対策分科会会長 尾身茂 出典:ウキメディア・コモンズ

Kazuyoshi_akaba 250pxshigeru_omi_cropped_2_shigeru_omi_a

 分科会の会合で事業を延期すべきだとの考えを示したメンバーは1人。また「都の隣県を除外しない理由を尋ねたが議論は深まらなかった」、「時間がなくて意見を述べられなかった」などと明かすメンバーもいたそうだ。政府の方針を追認するような結論に、記者会見では質問が相次いだ。尾身会長は、「どこかで線引きをしないといけない。東京を例外としたのは合理的な判断だと思う」と述べた。

 感染症に詳しい医師は、「感染は人の移動で広がる。感染者が増えている今、旅行を推奨するのはおかしい。東京を除外するなら、同じ首都圏も含めるのが自然」。政治学の教授は、「東京除外の根拠が国民に明確に伝わっていない。異論が出なかったというが、反対しない人を政府が選んだとも思える。事務方が用意した筋書きに沿って議論する、いわゆる『審議会』に見えた」。科学技術社会論の名誉教授は、「分科会がどのような議論をしたかを検証しようにも、議事録が公開されない。透明性の担保も課題だ」などと批判。

●専門家「医療体制の圧迫 懸念」

 感染症に詳しい愛知医科大学の三鴨教授は「検査数が増加したことで新たな感染者の数が増えてきているということは事実。しかし、感染者がこれだけのペースで増えれば入院患者や重症の患者も当然増えていき、次第に医療体制を圧迫するようになってしまう。この点を非常に懸念している」と話した。

 更に今後の感染の広がりについては、「今は若い世代が中心だが、40代、50代の患者も増えてきている。この世代は高齢者との接触機会も多く、重症化リスクが高い世代へと広がっていくことを警戒している。また、地域的にも東京やその近郊だけでなく、大阪や愛知など全国に広がりつつあるのが懸念される」と指摘した。対策として、「第1波の経験から、一人一人が3つの密を避け、手洗いや消毒を徹底することである程度リスクを下げられることが分かってきている。もう一度、こうした基本的な感染対策の徹底に立ち返らなければならない。感染が広がってしまえば止めることは難しい。速やかに対策を取ることが非常に重要だ」と話した。

東京都 感染最多の286人

 16日、東京都は新たに286人の感染確認したと発表した。都内で1日に確認された数としては、10日の243人を上回り、これまでで最多。286人のうち、20代と30代は合わせて196人で全体の7割、40代以上は76人で全体の3割。286人のうち48%は、感染経路が不明。

 都によると、286人のうちホストクラブやキャバクラ店など接待を伴う店の従業員と客が67人(うち新宿エリアが51人、池袋エリアが1人)。このほか家庭での感染が25人、職場が21人、新宿区の劇場で行われた舞台公演の客などが9人、介護施設や医療機関などの施設が8人、会食が8人など。これで、都内で感染が確認されたのは、合わせて8640人。

●東京都 感染増加の要因

 NHKの取材によると、東京都内の感染確認が増えている要因は、次の3つが挙げられるという。

① 検査数が増加:4月の1か月検査数の1日平均がおよそ1000件、今月14日までの1週間で1日平均3200件を超えている。増えた要因には、医療機関で検査専用の外来を拡充、検査機器の導入を支援、「夜の街」で働く人たちに対し、地元の区などが積極的に検査を呼びかけていることなど。都が保健所から報告を受け感染確認するのは、検査から3日程度かかる。月曜の検査数が多かったことが16日木曜の感染増加につながったという。

② 陽性率も増加:検査を受けた人のうち陽性の割合、つまり「陽性率」も上昇している。「緊急事態宣言」が解除された5月25日にから6月下旬まで1%~2%台(1週間平均)で推移していたが、7月1日の1週間平均は3.9%、15日の平均は6.2%、ここ最近上昇傾向が続いている。

③ 年代に広がりも:若い世代だけでなく、徐々に中高年に広がっていることも懸念される。7月に入って15日までの2週間余りで感染した人を年代別にみると、50代が130人、60代が70人、70代が37人、80代以上が32人。先月1か月と比べると50代はすでに2倍近く、60代も1.5倍以上に増加している。70代はすでに先月1か月合計とほぼ同数、80代以上は、先月1か月合計をすでに3人上回っている。

 都の担当幹部は、NHKの取材に対して「若い人が比較的多く、軽症者が目立つこの段階で、感染の拡大を食い止めなければ、重症化しやすい高齢者に感染が広がり、医療体制の逼迫につながりかねない」として、今が非常に重要な局面だという認識を示しているという。

●国内感染者 600人超える

 この日は東京都で286人、大阪府で66人、神奈川県で47人など、全国31の自治体と空港検疫の4人を合わせて624人の感染が発表された。1日の感染者が600人を超えたのは4月10日以来。

 埼玉県内で16日、発表された新型コロナ感染者は49人。5月25日に「緊急事態宣言」が解除されて以降、1日の感染者の数としては、7月8日の48人を上回り最多。このうち県内在住の女性3人は、感染が相次いで確認されている東京・新宿区の「新宿シアターモリエール」の客。この劇場に関連する県内感染者はこれで10人。県内で発表された感染者累計は、これで1614人。

【7月17日】

●GoToキャンセル料補償せず

 国土交通省は17日、「GoToトラベル」の対象と参加条件を正式に発表。東京都内への旅行と東京都民は当面対象外。参加する事業者は登録制、感染対策の徹底が登録条件。旅行者にも対策への協力を求め、悪質な旅行者は補助対象にしない。22日からの実施だが、制度の詳細が未定の部分もあり、混乱する可能性もありそう。

 この事業は、国内旅行の費用の一部を国が補助するもので、総額1兆3500億円。赤羽国交相は17日の記者会見で、東京除外は「断腸の思いだ」と述べた。東京をいつから対象に入れるかは、今後の感染状況を踏まえ、専門家の意見を聞いて判断する。東京除外を理由の旅行キャンセル料は、政府は補償しないという。

 キャンペーンに参加するホテルや旅館などの事業者は、旅行者全員の検温と本人確認、浴場の人数制限などの対策を義務づける。若者や高齢者の団体旅行、大人数による宴会旅行などは感染拡大のリスクが高いとして、予約時などに控えるよう周知することも事業者に求める。また旅行者は、発熱がある場合には旅行を控える、検温や本人確認などの事業者の指示に協力するよう求める。こうした対策が不十分だと、事業者登録が取り消され、旅行者も補助を受けられなくなるという。修学旅行は、感染リスクが高くないとして、東京以外は補助対象。

 GoToトラベル 割引となる旅行商品(宿泊旅行の場合) 出典:国交省観光庁ホームページ

Goto_travel4

 しかし団体旅行などで参加者全員の住所をどう確認し、違反者が出た場合にどう対応するのか、事業者の感染対策をどうチェックするのかなど、制度を詳細に詰めることも多い。事務局も17日に立ち上がったばかり、事業者登録もこれから。また東京に遊びに行く個人旅行で隣接県に宿泊した場合や、生活圏が東京都の隣県住民が補助対象になり、感染対策としての効果を疑問の声もある。

●大都市往来し感染 地方急増

 新型コロナの感染者が急増している東京都などの大都市圏と行き来した後、地方で感染が確認されるケースが急増している。都道府県境をまたぐ移動の自粛が6月19日に全面解除されて約1カ月。東京との往来で感染した人が、首都圏の1都3県を除く43道府県のうち少なくとも27道府県で判明した。また大阪府と行き来した後に感染が判明するケースも13府県。いずれも7月に入ってからの拡大が著しいという。

 地域別では愛知県で21人、茨城県で13人に上ったほか、北海道や山梨、京都、大阪、広島、福岡など全国に広がっている。福井県では4月末から感染者が確認されていなかったが、東京出張から帰宅した男性とその家族の感染が7月中旬に判明。また大阪府との往来の後の感染判明も、西日本を中心に相次いでおり、奈良や兵庫、京都などで計44人に上る。愛知や富山、福島でも確認されている。

●東京都 293人感染最多を更新

 東京都は17日、都内で新たに293人が新型コロナに感染していることを確認したと発表した。都内で1日に確認された数としては、16日の286人を上回り、これまでで最多く。293人のうち、20代と30代は合わせて全体の7割余り、40代と50代は合わせて全体の2割近くで増加傾向にあり、ここ1週間は10歳未満や60歳以上にも感染の幅が広がっているという。

 また293人のうち、48%は感染経路が不明。293人のうち、ホストクラブやキャバクラ店など接待を伴う店の従業員と客が69人。このうち、新宿エリアが49人。このほか会食での感染が24人、介護施設や医療機関など施設が10人、家庭で16人、職場で15人、新宿区の劇場で行われた舞台公演の客7人など。中央大学の運動部合宿所でも学生10人が感染。これで都内で感染が確認されたのは合わせて8933人。死亡確認はなし。

 都は、コロナ患者用の病床数を1000床から2800床に増やすことを目指す。しかし実際に確保できているのは、16日で1500床余り。専門家は「感染患者を受け入れるには、専門の看護師などのスタッフの確保や、感染対策の準備が必要で時間がかかる。受け入れられる病床を1床ずつ積み重ねてきてはいるが、患者の増加スピードが上回りそう」と話した。また、「1週間以上たってから重症化するケースも多く、重症患者は感染者増加より遅れて増える。また重症化リスクの高い高齢者に感染が広ってきた。今後、重症患者用の病床が逼迫する恐れは十分にある」と指摘した。

 都の担当者は「接客を伴う飲食店の関係で感染した人は一定数で変わらないが、最近は40代と50代のほか、女性の割合が増えてきていることが全体を底上げしている」と説明。さらに「会食やカラオケを通じて感染するケースが多い。飲食店が実施する感染防止策も重要だが、1つの皿を一緒につついたり、酒を飲んで大声で話すなど客側も十分気をつけてほしい」、「検査数が4000件以上となる日が続いており、あす以降も予断を許さない状況だ」と話している。

●国内595人感染

 新国内感染者は17日、28都道府県で595人が新たに確認された。東京都は293人で、2日連続で過去最多を更新。埼玉県は4月16日以来の50人超えとなる51人。千葉県20人、神奈川県43人を合わせた1都3県の首都圏合計は407人だった。また、大阪府53人は3日連続で50人を超え、兵庫県25人は3カ月ぶりに20人を超えた。長野県では2人、都内から実家に帰省した大学生が陽性だった。

●「神奈川アラート」を発動 

 神奈川県は新たな感染者が43人確認され、直前1週間の感染者数(1週間平均33.43人)が基準(30人)を超えたとして「神奈川警戒アラート」を出した。これに伴い、県は特別措置法に基づいて、県民には感染防止対策が取られていない場所に行かないよう要請、事業者にはテレワークや時差出勤など感染防止対策の再確認や徹底を呼びかけた。

 黒岩知事は「神奈川県はこれまでの『感染観察』から『感染拡大注意』の局面に入った。改めてウイルスが身近にあるという意識をもって徹底と用心をお願いします」と述べた。

●東京女子医大一時金ゼロ見直し検討

 夏の一時金(ボーナス)は支給しないとしていた東京女子医科大学病院が、一転して支給する方向で検討していることが17日わかった。教職員向け文書によると、独立行政法人福祉医療機構からの資金調達で、「手当の支給の原資が確保できる」としている。400人規模の看護師が退職する意向だという指摘については、次年度の募集人員を決める上で、退職見込みの「予測値」を立てている中で出た人数だとしている。

 東京女子医科大学病院 中央病棟(東京新宿区) 出典:ウキメディア・コモンズ

Twmu_hospital_central_ward

 文書では、29日予定の理事会で夏季賞与を支給する方向で審議する。また一部教職員から、施設整備に回す資金を賞与の支給に充てるべき、「彌生記念教育棟」に新たに6億円かけて理事長室を設置することはおかしい、といった批判がある。これに対して、移転するのは本部事務部門並びに理事室で、理事長室だけ移るわけではない、理事長室の設置だけに6億円もの資金を投じることも決してないと主張している。

●五輪、観客削減も検討 IOC会長「一つのシナリオ」

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は17日、2021年夏に延期になった東京五輪で観客数削減をシナリオの一つとして検討する考えを表明した。しかし大会のハイライトである開会式と閉会式の簡素化は、適切なバランスが必要とし、過度な縮小には慎重な見方を示した。

 IOCバッハ会長 大会組織委員会・森喜朗会長 出典:ウキメディア・コモンズ

Thomas_bachMori_yoshiro

 IOCと大会組織委員会は大会の簡素化へ200以上の項目を見直している。観客の削減については渡航制限や検疫などを考慮しながら「精査しなければいけないシナリオの一つ」と話した。ただ、できれば多くの熱狂的なファンで埋まった会場が見たいとして、「決めるのは時期尚早」だとした。

【7月18日】

●イベント緩和見直し 西村担当相「慎重に考える」

 西村経済再生相は18日の記者会見で、8月1日以降のイベント開催制限の緩和(5千人を定員の50%へ緩和)について「慎重に考えないといけない」と述べ、再検討する考えを示した。近く専門家の意見を聞いて判断する。新型コロナ感染者が再び増え、経済活動の制限を緩める流れが変わってきた。

●東京都 連日300人に迫る

 新型コロナ国内感染者は18日で、新たに664人が確認され、「緊急事態宣言」の解除後では1日あたりの最多を更新した。累計は2万4983人。東京は290人で3日連続で200人を超えた。大阪府が86人で、神奈川県49人、とともに宣言解除後の最多を更新。埼玉県48人、愛知県と京都府はそれぞれ25人で、宣言中も含めて過去最多となった。

●世界の死者 60万人超える 

 アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、新型コロナ感染で死亡した人が60万人を超えた。世界全体で死亡した人は6月8日に40万人、29日に50万人を超えたばかりで、感染拡大が続いている。

 この時点で感染者が多い国は、①アメリカが364万8千人、②ブラジルが204万6千人、③インドが103万9千人、④ロシアが75万8千人、⑤ペルーが34万6千人など。死亡した人が多い国は、①アメリカが13万9千人、②ブラジルが7万8千人、③イギリスが4万5千人、④メキシコが3万8千人、⑤イタリアが3万5千人などとなっている。

【7月19日】

●朝日新聞世論調査 GoTo反対74%

 朝日新聞社は18、19日に全国世論調査(電話)を実施した。政府の観光支援策「GoToトラベル」を22日から始めることに、74%が「反対」と答え、「賛成」は19%だった。開始時期や対象地域を決めるまでの安倍政権の一連の対応も「評価しない」が74%を占めた。安倍政権の支持率は33%(前回6月31%)、不支持は50%(同52%)だった。

●ワクチン争奪 自国第一主義

 先進国の間で開発途中の有望なワクチンをめぐる争奪戦が過熱している。各国が競って巨額を投じ、自国第一主義が幅をきかせている。日本も確保に向けて動いている。WHOによると、7月15日時点で世界で163種類のワクチンが開発中、うち23種類が臨床試験(治験)に進んでいる。なかでも開発が先行するのが、英オックスフォード大と英製薬大手アストラゼネカ。共同で開発するワクチンは、開発段階から自国分を確保しようと各国が殺到している。

 英国政府はこのワクチン開発に6550万ポンド(約88億円)の投資をする代わりに、成功すれば1億回分の供給を受ける。うち3千万回分は、9月にも最初の実用化したワクチンの優先提供を受ける。米国も12億ドル(約1284億円)を投じて3億回分を確保、10月にも入手できる見込みという。独仏伊など主導の欧州の枠組み「包括的ワクチン同盟」は、4億回分を確保したという。日本もワクチンの確保に向けてアストラゼネカと協議するほか、独自開発を目指している。日本政府は第2次補正予算で開発と生産の支援のため約1900億円を計上している。

●大相撲7月場所 半年ぶりに観客

 約4カ月ぶりの本場所となる大相撲7月場所が19日、東京の両国国技館で初日を迎えた。新型コロナ感染拡大の影響で3月の春場所は無観客、5月の夏場所は中止。一般客が観戦できるのは1月の初場所以来。7月場所は例年、名古屋場所として愛知県体育館で開かれていたが、力士ら1000人近い相撲関係者の移動に伴う感染リスク防止のため、場所を国技館に移した。国技館には、マスク姿のファンが次々に会場入り、半年ぶりに観客の拍手が館内に響いた。

 日本相撲協会は、感染症の専門家の助言を受けて30頁を超えるガイドラインを作成。力士には、支度部屋でもマスク着用。観客は定員の4分の1に当たる約2500人が上限で、4人定員の升席には座布団が一つだけ。

●国内感染者511人

 新型コロナ国内感染者は19日で、新たに511人が確認された。累計は2万5493人。東京都で確認されたのは188人で、11日連続で100人超え。大阪府は89人で「緊急事態宣言」解除後で最多を更新。福岡県も32人、30以上となったのは4月15日以来で、約3カ月ぶり。

【7月20日】

●GoToキャンセル料補償へ

 「GoToトラベル」事業をめぐり、政府の対応は右往左往。「全国一律」から「東京除外」へと変えたばかりだが、それに伴う旅行のキャンセル料も一転、「補償する」ことになった。政府は当初、「補償しない」としていたが、与野党などから批判が相次ぎ、急遽方針転換。22日の事業開始直前まで制度の中身が定まらないという異例の事態、旅行業者や宿泊業者など関係業界には戸惑いが広がっている。

●133大学病院 313億円赤字 4~5月経営悪化

 新型コロナの影響により、全国133の大学病院で4、5月、合計約313億円の損失(赤字)が出たと、全国医学部長病院長会議が20日、発表した。新型コロナの患者受け入れに伴う負担増と患者減少が大きな要因。

 調査は同会議が6月に国公立、私立計82大学の136病院(分院を含む)を対象に実施。経営状況を回答した133病院の合計で、4月は診療に伴う収入ーかかった費用=191億円の赤字。5月は122億円の赤字だった。患者を受け入れるほど収益を圧迫する構造があり、課題となっている。

●東京都 新たに168人感染 100人超は12日連続

 東京都は20日、新たに10歳未満から90代までの男女合わせて168人が感染していることを確認。1日に確認された人が200人を下回るのは、19日に続いて2日連続だが、100人を超えるのは12日連続。

 感染が確認された168人の中には、家庭内で息子や娘などから感染した60代や70代の人が複数いた。さらに、最近20代や30代に次いで多くなっているが、40代や50代。この世代の男性は、今月9日から17日までの9日間でみると、感染経路不明者の割合がおよそ7割と高くなっている。行動履歴を話してもらえないことも理由の一つ。行動範囲が広いこの世代で、感染経路不明が増えることは問題。

 また300人近い感染者が出ていた先週に比べて168人は少なく見えるが、曜日によって変動があり、今月の月曜日を比べると、6日は102人、13日は119人で、同じ月曜日で比べるとむしろ多いという。

 東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト「東京都の感染状況 関連ニュース」

0720_tokyo

●国内419人感染

 国内感染者は20日、東京都で168人、大阪府で49人、福岡県で32人、埼玉県で29人、京都府で過去最多の27人となったほか、佐賀県で5月16日以来、愛媛県で5月27日以来の感染者が確認され、合わせて419人、累計で2万5912人となった。東京都と埼玉県でそれぞれ1人の死亡が発表、死亡した人はクルーズ船の乗船者を含めて合わせて1000人を超えた。

●日本の死者1千人超 8割強が70代以上

 新型コロナウイルスによる日本の死者が20日、都道府県の発表集計(クルーズ船含む)で1000人を超えた。死者の8割以上を70代以上が占め、特に80代以上は感染した約3割が死亡、高齢者が重症化しやすい傾向。

 都道府県と国が発表する死者は、20日に東京都と埼玉県で1人ずつ増え988人。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号では13人が亡くなり、合計は1001人になった。都道府県別では東京327人、北海道102人、神奈川98人、大阪86人の順に多い。国内で新規感染者は4月10日ごろピークを迎えたが、死者の報告が増えたのはその2~3週間後。最多の5月2日は31人にのぼった。厚生労働省の15日時点のまとめでは、死者981人を世代別にみると80代以上が約57%、70代が約27%と、70代以上が約84%を占める。

 これに対し感染者のうち亡くなった人の割合(つまり致死率)は、80代以上は28.3%、70代は14.2%。60代4.7%、50代1.0%、40代0.4%。30代以下0.1%以下と比べると、高齢世代で顕著に高い。大半の死因である肺炎は、高齢であるほど亡くなる割合が高い。持病のある人は重症化しやすいことや、病院内で感染が広がる院内感染での致死率が高いことも指摘されている。

 新型コロナの全体の致死率は4・4%。SARSの致死率約10%、MERSの約35%と比べれば低いが、国内で2009~10年に流行した新型インフルエンザの0.001%に比べると大幅に高い。感染者が5月半ばごろから少なかったため、死者はこのところ少ない。ただ若者を中心に感染者が再び増えており、重症化しやすい高齢者に感染が広がれば死者が再び増える恐れがある。

●迷惑系YouTuber「へずまりゅう」

 日本各地を移動して、様々な迷惑行為を行うことで知られていた20代のYouTuber「へずまりゅう」こと原田将大容疑者は、5月29日愛知県岡崎市内のスーパーで魚の切り身を会計前に食べたとして、窃盗の疑いで7月11日に山口県内で逮捕された。店内で食べる様子を撮影し、「YouTube」で公開していた。容疑者は、13日に発熱し15日に新型コロナ感染が確認、16日に愛知県内の医療機関に入院した。

 男は6月29日から逮捕されるまでに愛知の他に、東京・千葉・静岡・広島・山口の1都4県に滞在。山口県の村岡知事は7月17日の記者会見で、「へずまりゅう」の山口県で濃厚接触した2人の感染を明らかした。知事は「一体なんてことをしてくれるんだ。マスクも着けずに多くの人と接触を繰り返していたようだ」と激しく非難し、県内での新型コロナの感染拡大の要因として警鐘を鳴らした。

 愛知県の大村秀章知事は20日、岡崎署に逮捕後に感染確認された「へずまりゅう」容疑者との関連で、感染した人が県内で7人いることを明らかにした。男に同行した20代の友人男性、山口県から護送車両に同乗した男性警察官3人、岡崎署の留置されていた男性容疑者2人、警察官の妻らの7人。

 山口県・村岡嗣政知事(出典:山口県ホームページ) 愛知県・大村秀章知事(出典:ウキメディア・コモンズ)

Muraoka_tsugumasat Omura_hideakit

 容疑者は、”1人クラスター”状態でコロナをばらまいていたが、その後の調べで11人に感染させてたという情報がある。しかしそれ以外にも各地の飲食店、「夜の街」や風俗店でも濃厚接触者がいるはずとの話もあり、”迷惑”では済まされない問題となっている。

【7月21日】

●GoToトラベル見切り発車

 7月22日から始まる「GoToトラベル」のキャンセル料について、政府は一転して補償することを表明した。補償の対象となるのは10日から17日までに予約された旅行。旅行者は予約をキャンセルした時に旅行業者からキャンセル料を請求されることはなく、すでにキャンセル料を支払っている場合は返金を求めることができる。旅行業者から見るとキャンセルは、すでに用意した料理の材料や手配した航空券があれば、国に報告。国は実損分の補償を行うとしているが、どれだけ補償が行われるかは、これから検討するという。

 混乱が大きくなっている中、さらに拍車をかける大臣の発言があった。赤羽国交相は17日、「若者の団体旅行」「高齢者の団体旅行」「大人数の宴会を伴う旅行」も支援対象から除外すると表明した。しかし若者と高齢者の線引きが明確ではないとの批判が集まり、21日の会見で「これらの旅行は控えてほしいが、一律に対象外にはしない」と訂正した。

 旅行会社や宿泊事業者を対象の「GoToトラベル」事業者向け説明会が、いまだに制度の具体的な仕組みがはっきりしないまま全国7か所(札幌、仙台、東京2カ所、名古屋、大阪、福岡)の会場で、7月21日~開催される。対応のサイトもメルアドの明示もこれからだという。困っている観光業者らを助け、景気をよくするという謳い文句で、コロナ禍が収束後に始めるはずだった。なのに、今やることことだろうか。観光や景気を支える効果も疑問視されている。

●東京都再び200人台 累計1万人に迫る

 東京都は21日、新型コロナ感染者が新たに237人確認されたと発表した。感染者が200人台になるのは3日ぶりだが、13日連続で100人を上回った。都の1日当たりの感染者数は、今月に入りほぼ連日3桁で推移し、17日には最多の293人を記録。19日は188人、20日は168人だった。累計感染者数は9816人となり、1万人に迫っている。

 愛知県では最多更新の53人、18日の25人を大幅に上回る規模となり、大村知事が21日夜、緊急記者会見で「衝撃的な数値だ。大変厳しい状況に至っており、危機感を持って受け止めている」と表明。東京方面への不要不急の移動自粛も求めた。県では2月に初めて感染者が確認され、4月10日に県独自の「緊急事態宣言」を出した。同月下旬にいったん感染拡大が収まり、7月上旬まで感染者数ゼロの日も続いたが、7月15日ごろから感染者が2桁台に急増した。
 
 国内全体では21日、大阪府で72人、埼玉県で47人など、計632人の感染者が確認された。死者は埼玉県で1人増え、累計で1002人となった。31都道府県の感染者増加。福岡県の愛知県と同数で、過去最多となる53人の感染者が確認された。石川県では3人の感染が判明。いずれも金沢大学付属病院(金沢市)で臨床実習していた学生の濃厚接触者で、県はクラスターと認定した。

【7月22日】

●GoToトラベル始まる 

 「GoToトラベル」は、旅行代金を割り引く形や、観光施設や土産物店などで使えるクーポンが発行される観光需要の喚起策。この日から旅行から代金割り引きが先行して始まった。キャンペーンの実施によって、感染が拡大することを懸念する声も上がる中でのスタートとなった。

 菅官房長官は記者会見で「感染防止と社会経済活動の段階的な再開を両立させることが政府の基本方針だ。今回の『Go Toキャンペーン』も、こうした経済の段階的再開の一環だ」と述べた。そのうえで、「Go Toトラベル」の利用者や事業者に対し、宿泊施設へのチェックイン時の検温や浴場や食事の際の「3つの密」の回避、それに旅行を申し込む際の接触確認アプリの積極的なインストールといった感染防止対策の周知に努める考えを示した。

●首相「経済再開方針 変わりない」

 安倍首相は22日午前、首相官邸で記者団の取材に応じた。東京など都市部で新型コロナ感染者が再び増えるなか政府の観光支援策「GoToトラベル」が始まったことを問われ、「3密を避け、感染予防を徹底していただく。国民のみなさまの協力をいただき、慎重に経済活動を再開していく方針に変わりない」と述べた。

 首相は通常国会閉会翌日の6月18日の記者会見を最後に、1カ月余りにわたり国会答弁や記者会見の場に立っていない。、官邸でのぶら下がり取材で、首相自らが国民に説明する考えについて問われると、「こういう(ぶら下がり取材の)機会にも説明している」と主張。新型コロナ対応担当の西村経済再生相や菅官房長官が定例会見などでほぼ毎日説明しているとした上で、「丁寧に説明をさせていただきたいと思っている」と語った。

●東京都1万人超 都知事「4連休は外出控えて」

 東京都の感染者数は238人、100人を超えるのは14日連続。東京都では感染者の累計が1万人を超え、7月の感染者数が4月の感染者数を上回った。小池知事は臨時の記者会見で、現在の感染状況は引き続き「感染拡大警報」の状況にあり、「第2波」という心構えを持って一層の警戒が必要だという認識を示したうえで、都民に対して23日からの4連休は外出をできるだけ控えるとともに、特に高齢者や基礎疾患がある人は気をつけてほしいと呼びかけた。

 238人のうち、感染経路が不明の人は138人(6割)。家庭内感染が28人で、接待を伴う飲食店関連での感染21人を上回った。年代別にみると20代、30代で144人と全体の6割を占めた。一方で、40代が31人、50代が20人、60代が14人、70代が10人、10代が9人、10歳未満が8人と幅広い世代で感染が広がっている。重症者は18人で前日よりも4人増えた。

●全国で795人感染 大都市圏で拡大 年代も幅広く

 国内感染者数は22日、新たに全国で795人に上り、「緊急事態宣言」下を超えて過去最多を記録。東京・大阪・愛知などの大都市圏で感染が広がっている。政府は22日対策本部を開き、安倍首相は「4月の緊急事態宣言時とは大きく状況が異なっている」と述べた。検査体制の拡充や医療提供体制の整備が進んでいることや、感染者が主に若い世代で重症者は少ないことを根拠に挙げた。

 大阪府では121人の感染が確認され、「緊急事態宣言」下で最多だった4月9日の92人を上回り、初めて100人を超えた。吉村知事は定例会見で、40代以上が占める割合が徐々に高まっているとして、「今、抑え込まないと亡くなる方が増える」と危機感を示した。ただ、外出自粛要請については求めないという。

 埼玉県では過去最多の62人の感染を確認。神奈川県68人や千葉県40人、兵庫県30人は、5月25日の「緊急事態宣言」解除後として最も多くなった。

●「我慢の4連休」外出自粛を 日本医師会長が呼びかけ 

 日本医師会の中川会長は記者会見で、「今の感染者の『急増』が『激増』になってしまうと、通常医療も含めた医療提供体制の崩壊につながる確率が高い」と述べた。そのうえで「あすからの4連休が山場で『我慢の4連休』としていただきたい。国民の皆さんには初心に帰って、県境を越えた移動や不要不急の外出を避けてほしい」と呼びかけた。

●イベント制限緩和 先送り

 政府の専門家は新型コロナ感染拡大を受けて、来月1日に予定していた大規模イベントの人数制限の緩和を先送りすべきという結論を出した。政府は当初、最大5000人としてきたイベントに参加できる人数の制限を来月1日に撤廃する予定だった。しかし、東京都などで感染の拡大が続いていて、政府は専門家の意見を踏まえ、来月いっぱいは屋内、屋外ともに最大5000人まで、屋内は収容率の50%以内という今の制限を維持する方針。

【7月23日】

●東京都 366人感染確認 過去最多

  東京都は都内で新たに10歳未満から90代までの366人の感染を確認したと発表。1日あたりの感染者が300人を超えのは初めて。200人を超えたのは3日連続。100人以上となるのは15日連続。

  東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト「東京都の感染状況 関連ニュース」

0723_tokyo

 都によると、20代と30代が計約6割を占める一方、40代と50代も計2割を超えた。若年層の会食や、保育園の施設内での感染例などが新たに確認された。全体の6割を超える225人の感染経路が分かっていない。都は新型コロナに対応する病床を2400床確保し、軽症や無症状の患者を受け入れるホテルも新たに一つ開設するなど、受け入れ態勢の整備を進めている。

 小池知事は記者団に対し「検査数も過去最高で、ほぼ5000件に達している。検査体制も整えてきているという証左と思う」と述べた。そのうえで「366人は非常に大きな数字。20代30代が6割と最も多いが、40代50代をはじめとする世代にも広がりがあり、地域的にも23区内にとどまらず多摩地域にも広がっている」として危機感を示した。

●国内981人最多

 国内では23日、新たに981人の感染者が確認された。前日の795人を大きく上回り、2日連続で過去最多を更新。

0723_domestic_gosei2

 このうち、東京都は366人と最多を大幅に更新。大阪府は104人で、過去最多だった22日の121人に続き100人超。愛知県97人、福岡県66人と両県とも過去最多を3日連続で更新。埼玉県64人、滋賀県17人なども最多の感染者が確認された。兵庫県35人は「緊急事態宣言」解除後で最多。

 大阪府でも、新規感染者数が100人を超えた。20日までの1週間で感染者が1人も出なかったのはわずか6県にとどまる。22日の政府の分科会は感染状況をより正確に示す発症日ごとの感染者数で比較した場合、増加速度は4月の「第1波」より緩やかとする。都は夜の繁華街などで幅広く検査を実施することで封じ込めを狙うが、検査数を増やせば増やすほど感染者が増える状況。

 愛知県の新規感染者は4月下旬から1日5人以下で推移していたが、今月中旬から急増。大村知事は記者会見し、「第2波がやって来たと受け止めざるを得ない」と述べた。

●医療体制逼迫の懸念

 全国で新規感染者数が900人を超え、過去最多を更新するなど感染拡大に一向に歯止めがかからない。収束の兆しは見えず医療体制も逼迫の度合いを強めている。7月上旬まで余裕があるとしていた医療体制も逼迫し始めている。埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県の入院患者数は2週間前の2~4倍に増えた。感染者の大半を20~30代の若者が占めるため重症者は少ないものの、埼玉県では22日時点の入院者数が444人とピーク時に確保する602床の7割に達する。

 東京都も2800床を確保すべく都内の医療機関に増床を要請し、すでに2400床を確保するなど急ピッチで医療体制を増強。契約期間満了で不足に陥った宿泊療養用のホテルも2千室超を確保した。病床確保はすでに入院している患者の転院の手配や医師や看護師の配置換えなど一定程度の準備期間が必要。4連休で都市部から医療体制が脆弱な地方への感染拡大も懸念されるだけに、医療体制の増強が急務となっている。

●4連休 各地で「密」警戒

 23日は、「GoToトラベル」キャンペーンが始まって、4連休の初日。全国の観光地では人出が増加し、東京近郊の日光や箱根でも訪れる人の数は増えていた。各地は感染予防の対策をとりながら観光客を迎えている。

 連休ということで空港は混雑していたが、全日空によると沖縄便や北海道便が一部満席になっているものの、担当者は「GoToキャンペーンで大幅に客足が伸びたとの印象はない」と話している。再びの感染拡大が影響を与えているものとみられるそうだ。

●海水浴場 4割が中止

 新型コロナの感染リスクのため、全国の海水浴場の4割がこの夏、オープンを見合わせる。5府県ではすべての海水浴場が開かない見通し。海上保安庁は全国1156カ所の海水浴場に問い合わせ、7月中旬時点の状況を確認した。それによると、開設を中止する(方針を含む)のは469カ所(全体の41%)。千葉県68カ所、神奈川県27カ所、茨城県18カ所、徳島県6カ所の各県と大阪府4カ所ではすべて見合わせ、宮城県は28カ所のうちオープンは1カ所のみ。

 オープンを見合わせる主な理由は、感染防止策が十分にとれないこと。ただ砂浜が使えなくても、遊泳など海辺でのレジャーを楽しむために訪れる人は予想される。開設を取りやめた海水浴場では、自治体が雇ったライフセーバーを配置しないために、海難事故が増える可能性があり、海保は自治体などと協力し警戒する。

●世界の感染者 1,500万人超 増加ペース加速

 アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、世界全体の感染者は23日午前3時の時点で、1,501万6千人と、1,500万人を超えた。死亡した人は61万人に上る。

  1月14日、WHOが原因不明の肺炎の患者から新型のコロナウイルスが検出されたと発表して以降、感染者は最初に報告のあった中国以外でも増え続けた。感染者が500万人に達したのはWHOによる最初の発表から4か月余り後の5月21日。1,000万人に達したのは6月28日で、1か月余りで500万人増加。その後、増加のペースはさらに加速し、1か月足らずで1,500万人を超えた。特に7月は、新たに報告される1日当たりの感染者数が過去最多を更新する日が相次ぎ、16日には25万人を超えた。

  ★ ★ ★

 感染拡大は続き、歯止めがかからない。感染者は「夜の街」から市中へ、大都市から地方へ、若者から高齢者へと広がってきている。「緊急事態宣言」が出て、ピークだった感染者数を多くの各都道府県で越えている。

 自治体のPCR検査体制や患者受け入れの医療体制は、以前よりも整えつつあるが、「3密を避けて、手洗い消毒を…、感染対策を…」とかけ声やお願いばかり。国民は、まだ収束していない中の「GoToキャンペーン」の「実施は反対」、政府のコロナ対応に「評価せず」が多数を占めている。

 自治体は、感染拡大への対応に苦慮しているが、政府は現状を「第2波」と呼ぶことも否定し、医療体制が十分なので「緊急事態宣言」の発出の状況にはないと言う。国会が閉会した後、首相は「巣ごもり」でもしているのか、国民にもっと対応を説明する責任がある。後になって、政府の対応は「手遅れ」だったと批判されることのないように、願いたい。

2020年8月 3日 (月)

新型コロナ2020.07 再び拡大

  2020年5月25日、首都圏・北海道を最後に「緊急事態宣言」が全国で解除された。6月19日には都道府県またぐ移動の自粛が緩和、また東京都を最後に、接待を伴う飲食店の営業自粛も解除された。しかしその後、首都圏を中心に感染者が徐々に増加しつつある。

 7月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.06 全面解除」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 
【7月1日】

6月の日銀短観 11年ぶり低水準

 日銀が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の業況判断指数(DI)が3月の前回調査から26ポイント下落のマイナス34となった。リーマン・ショック後の2009年6月(マイナス48)以来、11年ぶりの低水準。消費増税で進んだ景気悪化に、新型コロナ感染拡大が追い打ちをかけ、長期悪化への不安を残す。

 大企業・製造業のDI悪化は6四半期連続で、全16業種がマイナス。自動車がマイナス72、汎用機械、業務用機械はそれぞれ過去最低のマイナス29。宿泊・飲食サービスがマイナス91、遊園地やゴルフ場などを含む対個人サービスがマイナス70、交通機関など運輸・郵便がマイナス43。スーパーなど小売りは、唯一プラス2だった。

●東京都67人感染 「緊急事態宣言」解除後最多

 東京都は1日、都内で新たに67人が新型コロナに感染していることが確認されたと発表。5月25日に「緊急事態宣言」が解除されて以降、最も多くなり、50人以上は6日連続。67人のうち、20代と30代は合わせて49人で全体の73%。また67人のうち、47人(70%)はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、20人(30%)は感染経路が不明。

 また67人のうち27人は、「夜の街」に関係。このうち豊島区の繁華街では、13人の感染が確認された。11人は同じ接待を伴う飲食店で感染したとい。新宿区の繁華街では10人の感染が確認され、このうち9人はホストクラブを対象に行った区の集団検査で、確認されたという。これで都内で感染が確認された人は、合わせて6292人。

西村大臣「引き続き高い緊張感で対応」

 西村経済再生担当大臣は記者会見で、「週単位でも新規陽性者の数は増加しているし、感染経路がわからない人の割合も5割程度、数字だけで見ると3月下旬ぐらいの水準になってきている。当時のように急増していく感じではないが、じわじわ増加しており、専門家会議の尾身副座長とも懸念を共有している。引き続き、高い緊張感をもって対応し、分析を急ぎたい」と述べた。

●米で1日5万人感染

 米国で新型コロナ感染の再拡大が止まらない。ワシントン・ポストの集計によると、7月1日の新規感染者数は5万2770人となり、初めて1日で5万人を超えた。9740人の感染が確認されたカリフォルニア、テキサス、アリゾナなどの州で、最多を更新している。

 ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米国の感染者数は約268万人、死者数も12万8千人でともに世界最多。最近は全米で1日に約60万件の検査が行われているという。新しい感染者数は4月半ばをピークに減少傾向となったが、各州が経済活動を再開したこともあり、6月に再び上昇。6月以降だけで、感染者が新たに80万人以上確認されている。

トランプ大統領、一転してマスク着用

 トランプ米大統領は1日、テレビインタビューで、新型コロナ感染予防のためのマスク着用について「私は大賛成だ」と述べ、軌道修正した。ただし、全国的にマスク着用を義務化する必要はないと言う。一方、ウイルスについては「消えて無くなるだろう」と、楽観する姿勢は変えてはいない。

 しかし、新型コロナが終息しない中で6月20日に米オクラホマ州で開催されたトランプ氏の大規模選挙集会では、本人はもとより、支持者のほとんどがマスクを着用せず、批判が高まった。共和党内からも「すべての人々はマスクを着けるべきだ」などと、圧力が強まっていた。
 
【7月2日】

●東京都 新たに107人感染

 東京都は2日、都内で新たに107人が新型コロナに感染していることが確認されたと発表。都内で一日の感染の確認が100人以上となるのは、大型連休中の5月2日以来2か月ぶりで、5月25日に「緊急事態宣言」が解除されて以降最も多くなった。これで、都内で感染が確認された人は合わせて6399人。

 都内で新たに107人の感染が確認されたことについて、新型コロナ治療の中心的役割の国立国際医療研究センター忽那(くつな)医師は、「現在、感染しているのは若い世代が中心で軽症や無症状の人が多いため、医療体制が逼迫する状況では無い。ただ、このペースで感染者が増えていくと、第1波の時のような状況に戻ってしまいかねない。さらに若い人が無症状のまま出歩いてしまい、高齢者や持病のある人に感染を広げる心配がある」と指摘。「他の地域への移動やクラスターが出ている「夜の街」など、何らかの対応をとる時期が来ている。社会活動の緩和についてはいま一度熟慮すべきだ」と話した。

●米 6月失業率11.1%

 米労働省が2日発表の6月の雇用統計は、失業率(季節調整済み)が11.1%となった。前月(13.3%)よりやや改善したが、3カ月連続で戦後最悪の水準が続く。経済活動再開でコロナ危機後の最悪期は脱したもの、新たな感染者が増え続けており、世界経済を牽引する米国経済に再び急ブレーキがかかりそうだ。6月の失業率は市場予想よりも低かったが、リーマン・ショック後の不況期の最悪水準(2009年10月)の10.0%よりなお高い水準にある。

●厚労省2日発表 コロナ禍失職3万人超
 
 新型コロナの影響で解雇や雇い止め(見込み含む)にあった人が、7月1日時点で3万1710人と厚生労働省が2日、明らかにした。増加ペースはやや遅くなったが、「緊急事態宣言」が解除された後も、雇用への打撃は収まっていない。4月末の時点では4千人弱だったが、その後は急増、3週間後の5月21日に1万人を突破。その2週間後の6月4日に2万人を超えた。そこから7月1日に3万人を超えるまでは、約4週間かかった。ただし、各地の労働局が把握できた分に限られており、実際はさらに多いとみられる。

 直近で内訳が分かる6月26日時点の失業者2万8173人をみると、業種別では宿泊業(5613人)が最も多く、飲食業(4194人)、製造業(4133人)が続いた。地域別では東京都(4571人)、大阪府(3248人)、北海道(1348人)の順に多かった。1週間で増えた人数の約65%を非正規の働き手が占めていた。また5月に失業手当を受け取り始めた人は14万3696人で、前年同月より13%増えた。新型コロナが影響しているとみられる。

●南アフリカで感染者急増

 世界保健機構(WHO)アフリカ地域事務局のモエティ事務局長は記者会見で、アフリカ大陸全体での感染者が41万人を超え、亡くなった人が1万人を超えたと明らかにした。「国によって違いはあり、ガーナやナイジェリアでも増加が続いているが、最も深刻なのが南アフリカだ」と指摘。管轄するサハラ砂漠以南を中心とした47か国のうち、南アフリカが感染者のおよそ3分の2を占めているほか、最近は新規の感染者のおよそ半数を占め急増しているという。

 南アフリカでは3月下旬以降、国境を事実上封鎖した上で外出制限を続けているが、景気が悪化し、貧困層の暮らしが困窮する中、レストランの店内飲食やカジノの営業再開を認めるなど制限緩和を進めていた。それと共に感染者が増えていて、最近は連日6000人以上確認されている。モエティ事務局長は「制限が緩和され、より多くの人が移動する中、保健分野を強化する必要がある」と述べ、警戒を呼びかけた。

【7月3日】

●分科会 専門家会議から8人、会長に尾身氏

 政府は3日、2月から医学的見地から助言を行ってきた「専門家会議」を廃止し、政府の役割分担を明確にする必要があるとして、新型コロナの「特別措置法」に基づく新たな「分科会」を設置することを決めた。分科会は6日にも初会合を開き、東京都を中心に感染状況の分析などを始める。

 分科会の名称は「新型コロナウイルス感染症対策分科会」で、感染症、病院、経済、弁護士、マスコミ関係の18人で構成。専門家会議の副座長だった尾身茂氏が分科会長に就く。12人でつくっていた専門家会議からは、座長の脇田隆字氏や尾身氏ほか公衆衛生やリスク・コミュニケーションの専門家8人が移る。

●東京都 124人感染 2日連続100人超

 東京都は3日、新たに124人が新型コロナ感染が確認されたと発表。1日の感染の確認が100人以上となるのは、2日の107人に続いて2日連続。124人のうち、20代と30代は合わせて97人で、全体の78%。124人のうち、40人(32%)は今のところ感染経路が不明。124人のうち58人は、ホストクラブなど近い距離での接客を伴い夜間に営業する飲食店の関係者で、新宿エリアが48人、池袋エリアが3人。このほか福祉施設と医療機関での感染が5人、家庭内での感染が2人、友人などとの飲み会を通じての感染が9人、職場内での感染が6人など。これで都内で感染が確認された人は、合わせて6523人。

 感染者数の増加に伴って、新宿区のPCR検査スポットでは、かかりつけ医からの紹介を受けて1日あたり100件から140件ほどのPCR検査を行っているが、陽性になるケースが増えているという。先月22日からの1週間の平均で、陽性率は20%を超えて22.5%とその前の週より5ポイント以上高くなった。新宿区のPCR検査では4月ごろのもっとも高い時は、陽性率が40%まで上がったが、その後大型連休が明けた5月上旬には0.7%まで下がっていた。

 一方、都内のほかの地域のPCR検査センターでは陽性率は新宿地域ほど上がっておらず、検査体制にも余裕はあるとしている。陽性率が高くなっているということは、「夜の街」だけではなく市中に感染が広がってきている可能性があるという。

●鹿児島県 新たに30人の感染者

 3日、鹿児島県内で新たに30人の新型コロナ感染者が確認された。うち28人は、クラスターが発生した鹿児島市内のショーパブの客らと判明。同店での感染は合計36人となった。このショーパブでは7月1~2日、従業員の男女8人の感染が判明していた。県と市が、関係者のPCR検査を進めている。これで鹿児島県の感染者累計は、51人となった。

●国内感染者 2か月ぶり200人超

 3日はこれまでに東京都で124人、鹿児島県で30人、埼玉県で26人、神奈川県で24人、大阪府で11人の感染が確認されるなど、各地で合わせて250人の感染が新たに発表された。

 1日に発表される感染者の数が200人を超えるのは、2か月前の5月3日以来。国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め1万9340人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて2万52人。また、亡くなった人は、国内で感染した人が977人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて990人。

【7月4日】

●東京都 新たに131人感染

 東京都は4日、都内で新たに131人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。都内で1日の感染の確認が100人以上となるのは3日連続。5月25日に「緊急事態宣言」が解除されて以降では最多となった。131人のうち20代と30代は、合わせて98人で、全体のおよそ75%。131人のうち、35%は今のところ感染経路不明。

 131人のうち62人は、ホストクラブやキャバクラ店など近い距離での接客を伴い、夜間に営業する飲食店の関係者で、このうち新宿エリアが52人、池袋エリアが2人。このほか介護施設での感染が7人、職場内が6人、友人などとの飲み会を通じてが6人など。また、家庭内での感染が6人で、親が飲み会で感染し子どもにうつしたとみられるケースもあるという。これで都内で感染者累計は、合わせて6654人。

 都は、不要不急の他県への移動は控えるとともに、感染の確認が相次いでいる「夜の街」では、適切な感染防止策を講じている店を選ぶなど、十分に注意するよう強く呼びかけている。

●鹿児島県 新たに34人感染

 鹿児島県と鹿児島市は4日、県内で新たに34人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表した。34人のうち少なくとも30人は感染者の集団(クラスター)が発生した鹿児島市のショーパブ「NEWおだまLee男爵」の客や従業員の接触者などだったという。鹿児島県内の感染者はこれで85人となった。

●国内感染者274人、宣言解除後最多

 東京都で131人、鹿児島県34人、埼玉県27人、神奈川県20人、大阪府17人、千葉県15人、京都府9人、福岡県9人などの感染が確認されるなど、全国で新たに274人の感染が確認され、5月25日に「緊急事態宣言」が解除された後、最多となった。

 各自治体などによると、国内で感染が確認された人は累計で、東京都は6654人、大阪府は1879人、神奈川県は1563人、北海道は1276人、埼玉県は1215人、千葉県は998人、福岡県は868人・・・鹿児島県は85人。国内感染者の累計は、1万9612人。

 厚生労働省によると新型コロナの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、4日の時点で国内で感染した人などが32人、一方、症状が改善して退院した人などは4日の時点で、国内で感染した人は1万6959人。クルーズ船の乗客・乗員が658人の合わせて1万7617人。

【7月5日】

●東京都 111人感染

 東京都は5日、都内で新たに111人が新型コロナ感染していることが確認されたと発表した。都内で1日の感染の確認が100人以上となるのは4日連続。5月25日に「緊急事態宣言」が解除されて以降、最も多かった前日の131人からは減少したが、都内で1日の感染の確認が100人以上となるのは4日連続。これで、都内で感染が確認された人は合わせて6765人。

●国内感染者208人、埼玉県・神奈川県いずれも21人、

 新型コロナ感染者は5日、全国で新たに208人が確認された。新規感染者が200人を超えたのは3日連続。死者はいなかった。国内の感染者は計1万9820。

 東京都周辺でも新たな感染が確認されており、埼玉県、神奈川県はいずれも21人、千葉県は7人だった。鹿児島県の新規感染者13人は、クラスター(感染者集団)が発生した鹿児島市の繁華街・天文館地区にあるショーパブ「NEWおだまLee男爵」の利用客やその濃厚接触者で、この店に関連した感染者は計81人に上っている。

●東京都知事選、小池氏再選

 東京都知事選挙が5日投開票され、現職の小池百合子氏(67)が再選された。任期満了による都知事選は9年ぶり、過去最多の22人が立候補した。小池氏は、1期目の実績や新型コロナ対策の推進などを掲げ、立憲民主・共産・社民の3党から支援を受けた元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)や、都政の刷新を訴えた「れいわ新選組」代表の山本太郎氏(45)らを破った。小池氏は366万1371票を獲得。前回の約291万票を上回り、次点の宇都宮氏に約280万票の大差をつけ圧勝。投票率は55.0%で、2016年の前回都知事選(59.7%)を下回った。

 今回の選挙では主要政党は独自候補の擁立を見送り、事実上、小池氏の信任投票だった。初当選時と同様に政党推薦を受けず無所属で出馬した小池氏は、感染拡大防止を理由に選挙期間中、街頭演説を行わずオンラインで余裕の選挙戦を展開。新型コロナ対策では国に先駆けて外出自粛を要請し、協力金を設け経済対策に力を入れたことなどを強調。継続して事業者への支援を進めることなどを訴えた。朝日新聞の出口調査では、知事のコロナ対応を64%が「評価」し、そのうち75%が小池候補に投票したという。

 小池氏は同日「新型コロナは次の第2波に備える重要な時期だ。しっかりと対応したい」と述べた。2期目は、全国最多の感染者の抑制と、経済対策の両立という重い課題への手腕が問われる。また、2021年に延期された東京オリンピックでは、追加費用の分担や大会の簡素化に向け、国や大会組織委員会との協力関係を築けるかも焦点の一つ。

 西村康稔経済再生大臣(出典:西村やすとしオフィシャルサイト)、小池百合子東京都知事(出典:小池ゆりこ事務所ホームページ)、吉村洋文大阪府知事(出典:吉村洋文後援会事務所ホームページ) 

Nishimura_yasutoshi_officil_sitetf Koikephototf Yoshimurat

●西村大臣、予定通り10日にイベント開催緩和
 
 新型コロナ対策を担当する西村経済再生相は5日のNHK討論番組で、10日に予定されているイベント開催の制限緩和について、予定通り実施する意向を明らかにした。プロスポーツなどはこれまでの無観客から、入場者数の上限を施設の定員の50%の範囲内で5千人まで認められるようになる。政府は5月25日に全国で「緊急事態宣言」を解除した際、約3週間ごとの感染状況に応じて、イベント開催などの制限を段階的に緩和していく方針を決定。7月10日からは全4段階のうち「ステップ3」に移行するとしていた。

 西村大臣は緩和の判断について「東京都や全国の感染状況を見ても、いま蔓延、あるいはこれから蔓延しそうという状況にはないと専門家の意見もいただいているので、方針に変わりはない」と述べた。その後の記者会見では、6日に初会合を開く公衆衛生などの専門家からなる分科会で議論し、最終的に判断する考えを示した。また、東京都の新型コロナ感染者数が連日100人を超えていることについては、医療提供体制に余裕があることなどを理由に、「今の時点で「緊急事態宣言」を発出することは考えていない」と改めて強調した。

【7月6日】

●分科会初会合 イベント緩和で一致

 政府は6日、「改正新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき新設された「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の初会合を東京都内で開き、10日に予定しているイベント開催の制限を緩和することで一致した。感染防止対策を講じることを前提に、入場者数の上限を施設の定員50%のなかで5千人まで認められる。

 分科会は尾身氏がトップを務め、感染防止と社会経済活動の両立に向け、感染の有無やリスクに応じた検査態勢の構築、感染拡大に対するメリハリのついた戦略の構築、データ共有やリスク評価、偏見・差別への対処、水際対策-を政府に提言した。次回は今月中旬に開く。

●東京都感染者 5日連続100人超

 東京都は6日、都内で新たに102人が新型コロナに感染していることが確認されたと発表した。都内で1日の感染の確認が100人以上となるのは5日連続。 これで都内で感染が確認されたのは合わせて6867人。

●国内感染者176人

 6日は、東京都で102人、埼玉県で16人、神奈川県11人、鹿児島県は12人の感染が確認されるなど、各地で合わせて176人の感染が新たに発表された。2桁の感染者は、埼玉県8日連続、神奈川県5日連続、鹿児島県は4日連続。鹿児島県の12人のうち、8人はショーパブのクラスター。これでショーパブ関連は89人、鹿児島県内の累計は110人。また埼玉県で1人が死亡した。

【7月7日】

●ブラジル大統領、新型コロナ感染

 ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領(65)が、新型コロナに感染していることが7日判明した。高熱を含む症状を発症したため、6日に4度目のウイルス検査を受けていた。自分の感染をテレビ・インタビューで明らかにした。高熱は下がり、「調子はとても良い」と話した。ボルソナロ氏はこれまで繰り返して、新型ウイルスの危険は大したことがないと主張、「ちょっとした風邪やインフル」に過ぎないものに自分は深刻な影響を受けないと述べていた。

 ボルソナロ大統領は、トランプ米大統領が新型ウイルス治療薬として推奨した抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」や、抗生物質「アジスロマイシン」を飲んでいると述べた。どちらも、新型ウイルスへの効果は認められていない。

 ドナルド・トランプ大統領、ジャイル・ボルソナロ大統領 出典:ウキメディア・コモンズ

375pxdonald_trump_official_portrait 375pxjair_bolsonaro_2020_cropped_2

 ロックダウン(都市封鎖)より経済活動を重視するボルソナロ氏は、各州知事に規制を緩和するよう呼びかけている。大勢が集まる公共の場でもマスクをつけようとしない大統領に、連邦地裁はマスク着用を命じていたが、着用義務化の法案にボルソナロ氏は拒否権を行使しているという。コロナ軽視、経済優先、マスクが嫌いなトランプは、世界に何人かいる。

●東京6日連続100人超

 東京都で7日、新たに新型コロナウイルスの感染者106人が確認された。これで都内での1日あたりの感染者数は6日連続で100人を上回り、1週間平均の1日の新規感染者数も100人を超えた。都内で再び感染者数が増加していることを受け、小池知事は4日に都民に対し、不要不急の都外への移動自粛を要請していた。

●世界の新規感染者 3日連続20万人

 WHOへ加盟国から報告される新型コロナの新たな感染者の合計は、6日まで3日連続で1日あたり20万人を超えた。4日には過去最多の21万2326人を記録している。このうち米大陸が約6割を占める。ブラジルなど中南米で感染拡大の勢いがやまず、米国も州によって再拡大が指摘されている。6月中旬から南アジア、中東でも増加が顕著で、ウイルスの封じ込めができていない現状が明らかになった。WHOは最近、検査と隔離などの保健対策と住民啓発などの社会対策を合わせた「包括的な取り組み」の実行を訴えている。

【7月8日】

●埼玉48人感染 宣言解除後で最多

 埼玉県で8日に確認された新型コロナ感染者が48人、「緊急事態宣言」解除後最多だった。40人を超えるのは4月16日以来。うち、さいたま市では22人感染。このうち10人が大宮区のホストクラブ従業員で、このホストクラブでは今月1日に1人の従業員の陽性が判明したため、全従業員の検査が行われていた。大野知事は、感染対策が十分でない「夜の街」の利用を避ける、東京由来の感染に注意を呼びかけた。

●東京都75人感染確認

 東京都は、8日、都内で新たに75人が新型コロナに感染したことを確認したと発表。都内で1日の感染の確認が100人を下回り、2桁となるのは7日ぶり。重症者はいなかった。6月24日以降の死亡者はゼロ。

 新型コロナに関連して、政府が、一律の移動自粛を求めないとしている一方で、東京都の小池知事は、今月4日「都民のみなさまには不要不急の他県への移動は控えていただきたい」と発言している。政府と都の微妙な方針の違いが見える。

●国内感染 新たに207人確認

 8日、東京都で75人、埼玉県で48人、神奈川県で23人の感染が確認されるなど、合わせて207人の感染を新たに発表。また、山形県と神奈川県でそれぞれ1人が死亡した。国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め2万413人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて2万1125人。亡くなった人は、国内で感染した人が982人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて995人。

【7月9日】

●東京都 新規感染224人、過去最多

 東京都は9日、都内で新たに224人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。都内の感染者はこれまで4月17日の206人が最高で、今回224人は過去最多となった。この日の感染者のうち、20代と30代が合わせて169人で全体の約7割。また、感染経路が不明な人は約4割を占めている。これで都内で確認された感染者の合計は7272人、「東京アラート」を解除し休業要請などの規制を緩和した6月11日以降は1852人となった。

 東京都では6月に入り徐々に感染者の数が増え出し、6月下旬から50人を超える日が続き、7月2日から6日間連続で100人を超えるようになっていた。昨日8日は75人と2桁に下がったが、この日3桁に戻り、しかも過去最多の感染者数を記録するようになった。小池都知事は、9日午後に行われた新型コロナ感染症対策本部会議で、過去最多の感染者数となったことを受けて「感染者の動向については、さらなる警戒が必要だ」と述べた。また、PCR検査が3400件に上った中での数字だとしたうえで、「夜の街」関連が一定数あるなか、若年層の友人とのパーティや会食で感染がみられるとも指摘した。

 連日100人を超える感染者が確認される背景として、新宿・歌舞伎町のホストクラブなど接待を伴う飲食店が従業員に対して集団検査を受けさせていることもあるが、PCR検査の陽性率は5月21日の0.8%から徐々に増え出しており、昨日の時点で5.8%となっており、感染第2波が懸念されている。感染状況をチェックするモニタリング指数は、過去1週間の新規陽性者数の平均が108人、新規陽性者に占める感染経路不明者の割合が40.5%、週単位での陽性者の増加比が1.9となっている。

●国内356人感染 宣言解除後で最多

 国内では9日、新たに355人の新型コロナ感染者が確認された。300人以上は5月2日以来、「緊急事態宣言」解除後初めてで、最多を更新した。国内で感染が確認された人の累計は、空港の検疫などを含め2万0768人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて2万1480人。亡くなった人は、国内で感染した人が982人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて995人。
 
 東京では過去最多の224人となったが、大阪府は30人、神奈川県は25人、千葉県と埼玉県は各22人、空港の検疫で5人、和歌山県は2人、青森県は1人。青森での確認は5月7日以来。各自治体などによると、国内で感染が確認された人は累計で次のとおり。( )内は9日の新たな感染者数。

 東京都は7272人(224)、大阪府は1945人(30)、神奈川県は1651人(25)、埼玉県は1349人(22)、北海道は1283人(1)、千葉県は1056人(22)、福岡県は902人(4)、このほか空港の検疫で351人(5)、中国からのチャーター機で帰国した人と国の職員や検疫官などの感染は合わせて173人。

 また、厚生労働省によると重症者は8日の時点で、国内で感染した人などが35人、クルーズ船の乗船者が1人の合わせて36人。一方、症状が改善して退院した人などは、国内で感染した人が1万7331人、クルーズ船の乗客・乗員が658人の合わせて1万7989人。

●空気感染、WHO「可能性排除できない」

 WHOはこれまで、咳やくしゃみなどの飛沫感染か、物の表面を触った手にウイルスが付き、鼻や口に伝わる接触感染が主な感染経路だとしている。空気感染は、立証されていないとしてきた基本的な考えは変えていないが、空気感染の可能性を示す複数の研究に新たに言及。医療現場以外でも、合唱の練習、レストラン、フィットネスジムといった場所で「混雑して換気が悪いなどの特定の室内環境で、感染者と長時間一緒にいた場合」に、近い距離の空気感染が起こる可能性を排除できないとした。また、この分野ではさらなる研究が必要だとしている。

 空気感染をめぐっては、各国の専門家が6日に公開書簡を発表し、飛沫が微細になると長く空気中を漂って遠くへ運ばれると指摘。「予防的な措置が取られるべきだ」と注意を促していた。

【7月10日】

●東京都243人感染 連日最多更新
 
 東京都は10日、都内で新たに243人が、新型コロナに感染していることを確認したと発表した。1日に確認された数としては、9日の224人を上回り、これまでで最多。また、2日連続で200人を超えるのは初めて。

 243人のうち110人はホストクラブやキャバクラ店など近い距離での接客を伴う店の従業員や客で、地域別に見ると新宿エリアが93人、池袋エリアが1人だという。このほか、家庭内の感染が17人、友人や職場の同僚との飲み会を通じての感染が12人。また10人は、先月30日から今月5日に行われた舞台公演の客や関係者で、この公演では、これまでに出演者も含めて合わせて14人の感染が確認されている。

 243人の中には重症の人はおらず、症状のない人は48人だという。これで、都内で感染が確認されたのは合わせて7515人になった。一方、10日都内で死亡が確認された人はいない。

 東京感染者(日別) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

0710_tokyo

●国内の新たな感染者 400人超

 10日、東京都で243人、神奈川県で32人、埼玉県と大阪府でそれぞれ22人など、全国であわせて402人の感染発表があった。400人を超えるのは4月24日以来となる。

 日本国内の感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

0710_domestic_gosei

●プロ野球 観客最大5千人まで入れ試合開催
 
 プロ野球は、10日午後6時から各球場では観客を最大で5000人まで入れ、ナイトゲーム6試合が開催。このうち千葉市のZOZOマリンスタジアムでのロッテ対西武は、首都圏で唯一開催された試合。観客は球場に入る前に、各ゲートで体温を小型のサーモグラフィーでチェック。またスタッフが観客に十分な距離を置いて並ぶことや、消毒液を使って手を消毒するよう呼びかけた。

 また観客席は、前後左右に間隔をあけて6席に1人の割合になっていて、試合中は係員およそ120人体制で警備。また各球場では、飛沫感染を避けるため大声を出したり応援歌を歌ったりしないこと、密集・密接を避けるためファウルボールを取りに行かないことなど、新たな応援ルールを知らせる貼り紙や大型ビジョン、場内アナウンスでルールを守るよう呼びかけたりした。

●Jリーグも観客入れて試合開催

 サッカーJリーグは、先月から無観客試合を行ってきたが、イベントの開催制限を緩和したことを受け、10日からは最大5000人までの観客を入れて試合を開催した。その最初の試合となるJ2の試合が、岡山市のスタジアムで午後7時から行われ、3500枚余りのチケットが用意された。会場にはマスク姿のサポーターが大勢訪れて列を作り、午後5時に開門されると、全員が入り口で検温と手の消毒を行って、続々とスタジアムの中に入っていった。

 飛沫や接触による感染を防ぐため応援が制限され、大声を出したり歌を歌ったりすること、ハイタッチや肩を組むこと、タオルや旗を振り回すことなどが禁止されている。

●藤田医科大 アビガン効果確認できず

 藤田医科大学は10日、新型コロナ感染症に対して新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の効果を検証した結果について「有効性は確認できなかった」と発表した。アビガンは富士フイルム富山化学が臨床試験(治験)を進めており、新型コロナ治療薬として承認を申請するかどうか改めて判断する。

●GoToキャンペーン、観光分野を22日から先行開始

 新型コロナの影響で急減した消費を喚起する政府の「GoToキャンペーン」のうち観光分野の補助制度について、赤羽国土交通相は10日、7月22日から一部を先行して始めると発表した。まず宿泊代金の割引から行い、旅行先での飲食や買い物に使えるクーポン券の発行は9月からにする。事務手続きを委託する事務局も、JTBなど旅行大手や日本旅行業協会など7者でつくる「ツーリズム産業共同提案体」を選んだことを明らかにした。委託費用は1895億円で提案があったという。赤羽大臣は「感染状況を踏まえながら準備を進める」などと述べた。
 
 「GoToキャンペーン」をめぐっては、予算額1兆3500億円のうち事務委託費の上限が約16%の2300億円と巨額になるとして、野党などから批判が出ていた。委託先の公募には5事業者が応募し、有識者を含む選考委員会を設けて検討したという。

【7月11日】

●沖縄の米軍61人感染、基地内外で拡大懸念

 沖縄県の玉城知事は、11日夕方に記者会見を開き、新たにアメリカ軍関係者の新型コロナ感染が多数確認されたという連絡があったことを明らかにした。普天間基地やキャンプ・ハンセンなどで合わせて50人以上に上り、基地内で感染が拡大しているという。

 これまでも2つの基地では、合わせて10人以上の感染者が確認されていて、県は感染者の集団(クラスター)が発生しているとして、副知事が沖縄防衛局長に対し、感染者数の公表や基地を閉鎖することなどを求めた。玉城知事は「報告内容に衝撃を受けており、県民が一丸となって感染防止に取り組む中、アメリカ軍関係者の感染が短期間で多数発生しているのは誠に遺憾だ。これまでの感染防止対策に強い疑念を抱かざるをえない」と述べた。

 また沖縄県は、埼玉県から沖縄を訪れていた10代と20代の会社員の男性2人が11日、感染していることが確認されたと発表。2人は、10日感染が確認された埼玉県の30代の男性と一緒の団体旅行に参加していて、9日から沖縄を訪れていたという。ほかの参加者は陰性だった。2人に症状は出ていないが、現在、指定医療機関に入院している。これで県内の感染確認は148人となり、4日連続の感染者確認となった。

●東京都 3日連続200人超

 東京都は11日、新たに新型コロナ感染者が206人確認されたと発表した。1日当たりの感染者が200人を超えたのは3日連続。都内の累計感染者は7721人となった。国内全体では新たに計393人の感染者が判明した。

●神奈川県34人感染 「緊急事態宣言」解除後で最多

 11日、神奈川県内で34人の感染確認が発表された。10日の32人を上回り、5月25日に「緊急事態宣言」が解除されて以降、最多。東京由来の感染者も目立つ。

 横浜市では、20代から70代の男女合わせて12人。このうち、30代の男性は警視庁の警察官で、20代の女性は東京都内の接待を伴う店の従業員。また川崎市によると、10日医療機関で死亡した70代の女性がその後の検査で新型コロナウイルスに感染していたことが分かったという。川崎市では、この女性を含めて20代から70代の男女合わせて9人の感染確認を新たに発表、このうち20代の男性は東京都内のホストクラブで働いているという。このほか、相模原市で3人、横須賀市で3人、藤沢市で1人、大和市や平塚市などで6人の感染が新たに確認された。神奈川県内で発表された感染者はこれで1717人となり、このうち98人が死亡している。

●圧倒的に東京問題

 東京を中心に新型コロナウイルスの感染者が急増している状況を巡って、菅義偉官房長官と、小池百合子都知事が言葉の応酬を繰り広げた。

 菅官房長官は11日、北海道千歳市内での講演で、「この問題は圧倒的に東京問題と言っても過言ではないほど東京中心の問題」と発言した。 これに対し小池知事は13日、「圧倒的に検査数が多いのが東京。陽性者には無症状の方もかなり含まれている」と指摘。政府が今月22日から前倒しして実施予定の観光支援策「GoToキャンペーン」に触れ、「整合性を国としてどう取っていくのか、冷房と暖房と両方かけることにどう対応していけばいいのか。体調不良の方は『都外へお出かけにならないでください』と伝えているが、無症状の感染者も出ている中で、どう仕切りをつけるのか。これは国の問題だ」と述べた。

 菅氏は13日の会見で、同キャンペーンについて「感染状況を注視しつつ、適切に実施していきたい」としつつ、小池知事の発言には「政府の立場でコメントすることは差し控えたい」と避けた。「東京問題」と述べた真意については、「全国の新規感染者の中で東京都が半数以上を占めていることなどを踏まえて発言した」と説明した。

【7月12日】

●東京都 新たに206人感染確認

 東京都は12日、都内で新たに乳児を含む10歳未満から90代の男女合わせて206人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。都内で200人以上となるのは、今月9日の224人、10日の243人、11日の206人に続き、4日連続。206人のうち、20代と30代は合わせ全体のおよそ65%。また45%は今のところ感染経路が不明。いずれも症状は重くないという。これで都内で感染が確認されたのは合わせて7927人。

 新たに感染が確認された206人のうち、44人がホストクラブやキャバクラ店など近い距離での接客を伴う店の従業員や客。また保育園や介護施設などでの感染が27人、家庭での感染が16人、同僚との会食などでの感染が10人。地域別にみると新宿エリアが45人、池袋エリアが5人。

 都は、不要不急の他県への移動は控えるとともに、感染の確認が相次いでいる「夜の街」では、適切な感染防止策を講じている店を選ぶなど、十分に注意するよう強く呼びかけている。

●千葉県31人感染 宣言解除後最多

 千葉県では12日、県内で新たに感染が確認されたのは31人で全員、軽症か、症状はないという。 

 このうち浦安市の「タムス浦安病院」では看護師3人と入院患者6人の感染が確認された。この病院では、すでに20代の看護師の感染が確認されていて、この日の感染者と合わせると、感染が確認されたのは合わせて10人。県は、クラスターが発生したとみている。濃厚接触者となる職員と患者84人については、今後検査を行うとともに病院では、一時的に新規の入院患者の受け入れや患者との面会も中止しているという。

 また船橋市によると、市内に住む20代の学生の女性が県内の飲食店で8人と会食をしたあとに感染が確認された。同席した数人もすでに体調不良を訴えていて、今後検査が行われる予定。12日感染が発表された人で、浦安市の病院関係者を除いた22人のうち、都内との往来があったのは16人、勤務したり食事に出かけたりしていたことが分かっている。これで千葉県内で感染が確認された人は、合わせて1112人となった。

●神奈川・埼玉・千葉の感染状況

 感染者は東京周辺の神奈川、埼玉、千葉の各県でも広がりを見せている。3県の最近の特徴は、以下の通り。

 神奈川県によると、県内で新型コロナに新たに感染した人は12日までの1週間は合計158人で、1日平均22.57人。このうち感染経路が不明な人は60%。この1週間に感染拡大が続いていることが確認されている医療・福祉施設のクラスターは川崎市川崎区の「川崎協同病院」で、12日までに16人に上っている。県は「最近は20代や30代の若い世代の感染者の増加が目立っている。感染者が増えている地域の接待を伴う飲食店の利用は控える一方、飲食店などを利用する場合には感染防止対策を行っているかを確認してほしい」としている。

 埼玉県内での11日までの1週間の感染者は213人。感染経路については都内に関係するケースが21%、キャバクラ店やホストクラブなど接待を伴う飲食店の関係が14%、このほか感染経路が推定可能なケースは32%で、感染経路不明が33%。県内では、先月下旬以降、キャバクラ店とホストクラブの合わせて4つの店舗でクラスターが発生し、従業員と客、合わせて53人の感染が確認されている。また、未就学の子どもが通う施設でも職員や園児合わせて7人の感染が確認した。県は「都内や県内の繁華街で感染するケースも多くこのまま続けば高齢者への感染拡大も懸念される。病床にはまだ余裕がある状況だが、早めに手を打ちながら感染の広がりを防ぎたい」としている。

 千葉県内では今月に入って12日までに、新たに感染確認が発表されたのは155人。居住地別に見ると船橋市や市川市など東京に近い県北西部の自治体が62%を占めている。さらに48%は感染経路が不明。県によると、直近の1週間の1日平均の新たな感染者数は15.6人、PCR検査の陽性率はおよそ4.4%。一方、「緊急事態宣言」が解除されてから千葉県では3つのクラスターが発生した。12日までに、松戸市の「北原学院歯科衛生専門学校」で、茨城県や東京都の検査で判明した人も合わせて学生14人、松戸市の特別養護老人ホーム「松戸陽だまり館」で女性入所者2人と男性職員3人の合わせて5人、浦安市の「タムス浦安病院」で入院患者6人と女性看護師4人の合わせて10人の感染が確認されている。

 黒岩祐治神奈川県知事(出典:黒岩祐治オフィシャルサイト)、大野元裕埼玉県知事(出典:大野もとひろ公式サイト)、森田健作千葉県知事(出典:森田健作後援会ホームページ)

Kuroiwa_yuji_official_sitet Ono_motohiro_official_sitet Morita_kensaku_office_sitet

● 「大阪モデル」黄色信号を点灯へ

 大阪府によると12日、32人が新たに新型コロナに感染していることが確認された。このうち、感染経路不明が21人(66%)にのぼるという。これによって、府が独自に設けた「大阪モデル」で、府民に警戒を呼びかける黄色信号を点灯する基準に達した。

 「大阪モデル」では、①新たな陽性者が直近の1週間で120人以上、かつその半数以上が週の後半の3日間に出ていること、②感染経路が不明な人が直近の1週間の平均で前の週より2倍以上に増加、③その人数が10人以上であることという3つの基準にすべて達した場合は、黄色信号を点灯することになっている。

 府内では、新たな感染者が10日は22人、11日は28人と、若い世代を中心に増加傾向にあるほか、感染経路が不明な人も増えていて、府は警戒を強めていた。「大阪モデル」で、黄色信号の基準に達したのは初めて。大阪府は12日夜、対策本部会議を開き、吉村知事は「夜の街の関連で、若者の感染が広がっているのが見えてきている状況なので感染の震源地をピンポイントで抑えていく」。そのうえで、「事前に行動計画を定めているので、それを基本としながら府民、事業者にどういったことをお願いするのかその方針を明確に定めていきたい」と述べた。大阪府では、府民に改めて「3密」を避けるなど新たな生活様式を呼びかけるとともに、施設などに対し感染防止のガイドラインの順守の徹底などを求めていくことにしている。 

●国内感染408人確認

 12日は東京都で206人、大阪府で32人、埼玉県で31人など全国で合わせて408人の感染者の発表があり、2日前の10日に続き、400人を超えた。国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め2万1992人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて2万2704人。亡くなった人は国内で感染した人が983人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて996人。各自治体などによると、国内で感染が確認された人は累計で次のとおり。( )内は12日の新たな感染者。

 東京都は7927人(206)、大阪府は2027人(32)、神奈川県は1741人(23)、埼玉県は1459人(31)、北海道は1294人(4)、千葉県は1112人(31)。このほか、空港の検疫で394人(20)、中国からのチャーター機で帰国した人と国の職員や検疫官などの感染は合わせて173人。

 また、厚生労働省によると重症者は、12日時点で国内で感染した人などが32人、クルーズ船の乗船者が1人の合わせて33人。一方、症状が改善して退院した人などは、国内で感染した人が1万8003人、クルーズ船の乗客・乗員が658人の合わせて1万8661人。※沖縄県の米軍の感染者は含めていない。

●立憲枝野代表「東京都に緊急事態宣言を」

 立憲民主党の枝野代表は12日、千葉市の福祉施設で新型コロナ感染防止の取り組みなどを視察した。このあと記者団に対し、東京都で新たな感染者が連日200人を超えていることについて、「検査数も増えているが感染者数の増加とは比例関係になく、何もせずに放置している状況は許されない」と述べた。

 そのうえで、「少なくとも東京都には「緊急事態宣言」を出すべき客観的な状況があり、そうでないなら政府と東京都は具体的に説明する責任がある。さらに感染が拡大すれば、政治の不作為による失敗だということになる」と述べた。また菅官房長官が、11日「東京問題と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になってきている」と発言したことについて、「感染を拡大させない責任は政府にあり、責任逃れとしか言いようがない」と批判した。

●世界の感染者 24時間で最多の23万超

  1日に報告される新型コロナウイルスの感染者数は世界全体でも増え続けている。WHOの発表によると、ヨーロッパ時間の12日午前までの24時間に新たに感染が確認された人は世界全体で23万370人にのぼり、1日の数としてはこれまでで最多。とりわけ、南北アメリカで感染者が急増。アメリカが全体の28%、ブラジルが19%を占め、この2か国だけで世界全体の半数近くを占める。またインドでは1日の感染者数が2万人を超えているほか、南アフリカでは1万人を超えている。一方、4月上旬にかけて感染が急拡大したヨーロッパでは感染者数が減少している。

●南アフリカ大統領「嵐がやって来た」

 AU(アフリカ連合)によるとアフリカ大陸全体の新型コロナ感染者は12日までに57万人を超え、このうち南アフリカは26万人余りと全体の46%が集中している。ラマポーザ・南ア大統領はテレビ演説し、「かねてから予測されていたとおり感染者が急増し嵐がやって来た」と危機感をあらわにした。また、「医療体制がひっ迫し、医療機関に受け入れを拒まれた感染者も出ている」と懸念を示した。

 南アフリカでは貧困層の困窮を受けて外出制限の緩和を進めてきたが、それと共に感染者が急増し、1日に報告される感染者数はおよそ1万2000人と、アメリカ、ブラジル、インドに次ぐ規模になっている。 

【7月13日】

●大相撲7月場所は有観客

 大相撲7月場所の開催が、7月13日に決定した。国技館内に収容人数の4分の1程度、約2500人の観客を入れての15日間となることが発表された。大相撲は力士の多くが相撲部屋で寝泊まりしており、屋内で行われる格闘技、対戦力士と接触不可避のスポーツ。プロスポーツで唯一、現役選手がコロナの犠牲者となって死亡した。亡くなった勝武士(しょうぶし)は当時28歳だが、糖尿病を患っていた。力士は、こうした持病を持つことが多いため、重症化のリスクも高い。

 五輪の柔道やレスリング、ボクシング、空手なども同様で、強化合宿でこれまでと同じように大勢の選手が宿泊し、実戦的な練習や稽古を数多くこなすことは難しいそうだ。イメージ・トレーニングやメンタル・トレーニング、それに動画を見て動きの研究に力を入れることなどが検討されているが、関係者には本当に悩ましい限りだ。大相撲という格闘技のプロ競技において、他のスポーツよりも感染リスクが高いことを相撲関係者も観客も十分に認識する必要があるだろう。

●東京都の感染者119人、累計8000人超

 東京都は、12日まで4日連続で200人超の感染が判明したが、この日は119人の感染を確認。200人を下回るのは5日ぶり。この1週間合計では1179人となった。これで都内で確認された感染者合計は8046人と8000人を突破。「東京アラート」を解除し休業要請などの規制を緩和した6月11日以降の感染者は2383人となった。

 この日確認された感染者のうち、20代と30代が合わせ全体の70%、また感染経路が不明な人は57%。ただ、接待を伴う飲食店など「夜の街」で若年層が中心だったクラスターが、劇場や高齢者施設でも判明し、感染は広がりつつある。

 新宿区の劇場「新宿シアターモリエール」で開催された舞台の集団感染では、出演者や観客を含め計30人の感染が確認され、主催者は13日、約800人の観客全員が保健所から濃厚接触者に指定されたと明らかにした。舞台は6月30日から7月5日まで催された「THE★JINRO イケメン人狼アイドルは誰だ!!」。主催者はウェブサイトで観客に対し、保健所などへの相談を呼び掛けた。

●全国261人 熊本へ派遣の保健師感染

 新型コロナの国内感染者は13日、261人が新たに確認された。感染者の総数は2万2318人となった。北海道では90代の女性1人が亡くなり、死者は984人となった。

 豪雨で被災した熊本県に、香川県から派遣された男性保健師1人の感染が分かった。8~11日、人吉保健所管内で避難所の運営に関わっていたという。大阪府では、18人の感染が確認された。高知県では、プロ野球独立リーグ「高知ファイティングドッグス」に所属する選手1人が感染した。選手ら約30人と濃厚接触したとみられ、球団は今月末までの全試合を中止にした。山形県では2人が感染し、うち1人は東京都の男子大学生だった。運転免許取得のため宿泊施設の1人部屋で生活しており、教習所外に広がった可能性は低いとみられる。

●WHO「多くの国が誤った方向に」事態悪化を警告

 WHOのテドロス事務局長は13日、スイスのジュネーブで開いた定例の記者会見で、12日までの24時間で世界各国から報告を受けた新たな感染者の数は23万人だったと明らかにした。そのうえで「多くの国が誤った方向に向かっている。感染を抑制し、命を救うことに焦点を当てた包括的な戦略を取らなければ、感染状況は悪くなるばかりだ」と述べ、人と人との間に距離を取ることなど基本的な感染防止対策を各国で徹底しなければ、事態はさらに悪化すると強く警告した。さらに「近い将来、『オールド・ノーマル』に戻ることはできないだろう」と述べ、感染拡大前の社会生活に戻ることは、当面は困難だという認識を示した。

 テドロス・アダノム WHO事務局長とWHOの旗 出典:ウキメディア・コモンズ

800pxtedros_adhanom_ghebreyesus__ai_for_ 1200pxflag_of_whosvg 

 また危機対応を統括するライアン氏は、感染状況が深刻なアメリカ大陸について「感染が制御できていない地域に限って、ロックダウンが必要かもしれない」と述べ、再度の外出制限も検討すべきだという考えを明らかにした。一方ライアン氏は、ウイルスがどのように広がったか調査するため中国に派遣している2人の先遣隊について「中国で隔離しながら保健当局と連絡を取り合っている。今後、数週間、数か月間かけて国際的なチームが中国側と協力して調査すべき事柄を計画するための派遣だ」と述べ、まずは調査内容について中国側と協議するとしている。

【7月14日】

●新宿の劇場 37人集団感染

 東京・新宿区の劇場「新宿シアターモリエール」で行われた舞台公演で発生した新型コロナ集団感染について、主催者は、観客や出演者など合わせて37人が13日までに新型コロナウイルスに感染していることを明らかにした。保健所はすべての観客など、合わせておよそ850人が濃厚接触者にあたるとして、PCR検査を受けるよう呼びかけている。東京都によると、今回の集団感染で観客およそ800人全員が濃厚接触者と判断されたのは、実際に感染した客が複数出ていることで、同じ空間にいた客全員について感染する可能性があると保健所が判断したため。

●埼玉 42人感染確認 1人は新宿の劇場のスタッフ

 埼玉県内では、14日新たに42人が新型コロナに感染していたことが確認され。40人を超えるのは今月10日以来4日ぶり。そのうち、さいたま市で男女合わせて5人が感染、このうちの男性は、出演者や客などの感染確認が相次いでいる東京・新宿区の「新宿シアターモリエール」のスタッフだという。また、川口市では市内に住むアルバイト女性と会社員男性、会社員女性の合わせて3人。越谷市でも市内に住む会社員女性、アルバイト男性の合わせて2人の感染が確認された。埼玉県内で発表された感染者はこれで1527人となった。

●東京は、1週間で1200人、4月上回る勢い、

 東京都内で14日、新型コロナウイルスの感染者が新たに143人確認された。ここ1週間の新規感染は1216人に上り、4月の感染拡大期を上回るペースで「夜の街」以外の職場や会食でにも広がっている。感染拡大に歯止めがかからない中、再び休業要請を出すことに慎重な都の方針に区市町村からは不満の声が上がっている。

●東京女子医大 看護師多数退職

 看護師などの夏のボーナスを2019年より引き下げた医療機関が、およそ3割にのぼることがわかった。日本医療労働組合連合会の調査によると、全国338の医療機関のうち、およそ3割にあたる115の医療機関が、この夏のボーナスを2019年より引き下げたと回答したという。

 多くの医療機関が、新型コロナの影響で病院経営が悪化したことを原因に挙げており、医療現場で経営の危機が起きている。このうち、東京女子医科大学病院は、全職員の夏のボーナスを全額カットしていて、退職を希望している看護師は400人以上にのぼるという。

全国で感染330人

 新型コロナの国内感染者は14日、新たに333人が確認された。東京都が143人で高止まり、首都圏の1都3県が238人と7割を占めた。首都圏の感染者の内訳は、東京都143人、埼玉県42人、神奈川県28人、千葉県25人だった。西日本でも大阪府で20人、京都府で12人、兵庫県で9人。接待を伴う飲食店が中心だったが、劇場でも集団感染、友人との会食や職場、家庭など感染の場は広がっている。地方では、移動先の大都市圏で感染した可能性が相次いでいる。

 愛知県では新たに5人の感染が判明した。名古屋市の女性は、今月2~4日の3日間、クラスター(感染者集団)が発生したとみられる東京都新宿区の「新宿シアターモリエール」を訪れた。川崎市でも、「市立川崎病院」に勤務する看護師女性の感染が判明。同シアターで上演された舞台を、7月1~5日に計5回観覧していた。埼玉県では、同シアターで舞台に出演していた俳優男性らが感染したことも判明した。

 岐阜県では男女3人の感染がわかった。大垣市の男性は9日、愛知県内の感染者と同県内で食事をしたという。岐阜市の無職女性は、感染が確認された名古屋市の男性の濃厚接触者で、6日にJR東海道線で同市に行き、男性に会ったという。

 広島市では、陸上自衛隊海田市駐屯地に所属する30代男性事務官の感染がわかった。男性は同市在住で、今月3~5日に私用で大阪府を訪問した。市は、男性が大阪府で感染した可能性が高いとみて、濃厚接触者などの特定を進めている。

【7月15日】

●東京都 新たに165人感染

 東京都は15日、都内で新たに165人が感染していることを確認したと発表した。都内では、新たな感染の確認が今月12日までの4日連続で200人を超えていた。その後200人は下回ったが、15日で3日連続、100人台になった。

 都によると165人のうち、20代と30代は合わせ全体のおよそ64%、40代以上はおよそ30%。165人のうち、53%は今のところ感染経路不明。また165人のうち、ホストクラブやガールズバーなど接待を伴う店の従業員や客などが13人、職場内が18人、保育園など施設内が14人、家庭内が14人、会食が8人、新宿区の劇場で行われた舞台公演の客などが3人だった。これで都内で感染が確認されたのは合わせて8354人。

 この日、90代の男性1人が死亡したことを明らかにした。都内で死亡した人が確認されるのは6月24日以来で、これで合わせて326人。都の担当者は「年齢の幅が広がっていて、感染経路も多岐にわたっている。高齢者の感染もみられ、地域的にも少し広がりがみられる。90代の方が亡くなっていて、高齢者が感染するとリスクが高いことが事実として出ている。基本的な感染防止対策をとり、家族などに感染させないよう努めていただきたい」と述べた。

●東京都「感染拡大警報」レベル

 連日3桁に上っている東京都内の感染状況について、15日に開かれた東京都モニタリング会議では、7日間移動平均値で見た新規陽性者数が168.4人と先週の約1.5倍に増加し、「緊急事態宣言」下での最大値に達したことが確認された。会議では、①新規陽性者数、②発熱等相談件数、③新規陽性者における接触歴等不明者、④検査の陽性率、⑤救急医療の状況、⑥入院患者数、⑦重症患者数の7つの指標について現状を分析した。

 その結果、感染状況は、都が定める4段階ある警戒レベルのうち最も深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げられた。医療提供体制については、重症患者数が増加していないことから、先週と同じ「体制強化が必要であると思われる」の段階に留められた。夕方に記者会見に臨んだ小池都知事は「現状は『感染拡大警報』を発する状況にある」と宣言、都民にさらなる感染防止の徹底を求めた。

 都は今後、感染の早期把握のために検査数を1日1万件まで拡大するとともに、業務が増えている保健所を支援する拠点を設けて感染経路の調査や入院や宿泊療養の調整などにあたる方針。都は、再び全面的な休業要請を行うことは避けたいとして、都民には無症状であっても不要不急の都外への外出を控えることなどを、また、事業者にはガイドラインを守ることなどを要請した。

●全国で452人感染、大阪では宣言の解除後最多

 新型コロナの国内感染者は15日、新たに452人が確認された。首都圏の1都3県で計273人増えたほか、大阪府では「緊急事態宣言」の解除後最多となる61人に上った。感染確認地域は前日より4県多い、28都道府県に広がっている。

 大阪府によると、61人は小学生から80代の男女で、60人を超えるのは4月20日以来。感染経路不明は66%だった。府はこれまで、若い世代と「夜の街」関係者を中心に感染が広がっているとみていたが、「年齢の高い世代へ感染が広がる傾向にある」と警戒を強めている。また北海道の感染者13人のうち11人は、札幌市の歓楽街ススキノのキャバクラ店の従業員10人と客1人。この店に由来するクラスターは、計12人になった。

 東京への移動歴がある感染例も目立つ。埼玉県の女性3人、神奈川県でも女性2人、長野県の女性1人もクラスターが発生した「新宿シアターモリエール」の舞台を鑑賞していた。兵庫県の女性2人は今月4~5日に一緒に上京し、新宿にも寄ったという。静岡市の20代女性は今月、新幹線で都内に行き、感染者が出た飲食店などを利用していた。

●沖縄米軍基地で36人感染、計136人

 沖縄県は15日、米軍キャンプ・ハンセン(金武町など)で、新たに36人の新型コロナ感染を確認したと米側から連絡があったと明らかにした。県によると、キャンプ・ハンセンでの感染確認は計58人となり、在沖縄米軍で計136人となった。県は米軍関係者を県内の感染者数に計上してない。県によると、米国の独立記念日に当たる4日の前後に北谷町の飲食店で開かれたパーティーで米兵と接触した可能性のある店舗従業員ら130人が臨時のPCR検査を受けたが、全員陰性だった。

●GoToトラベル逆風

 東京都を中心に新型コロナ感染が拡大する中、政府の観光支援策「GoToトラベル」事業を行うことについて、国会で15日、野党側から強い懸念が示された。自治体首長や医療界からも異論が相次ぎ、対象地域の段階的拡大といった折衷案も提案されたが、政府は予定通り22日から始める姿勢を崩していない。

●4月の医療機関13%減収

 厚労省が明らかにした今年2~4月の医療機関の収入となる診療報酬の全国状況によると、医療機関全体では3月に前年同月比3.0%減となった後、4月に同13.0%減と落ちこみが広がった。4月の診療科別では、耳鼻咽喉科が前年同月比44.1%減で最もマイナス幅が大きい。小児科が同39.2%減、眼科が同25.2%減だった。一方で内科は同16.4%減、産婦人科が同10.6%減と、比較的落ち込みは小さかったようだ。

 日本病院会など病院団体の調査では、有効回答があった1203病院の4月の利益率は、マイナス8.6%と大幅赤字。うち新型コロナの患者を受け入れた339病院は、利益率がマイナス10.8%だった。コロナ禍での大幅減収などを理由に、東京女子医大病院は夏のボーナスを支給しないと労働組合側に伝達。看護師らの大量退職になれば、感染の第2波に備える医療体制に悪影響が及ぶ恐れがある。日本医師会の中川会長は15日の会見で、このままでは「秋までもたない」医療機関も出るとして、公的支援を訴えた。

 

 ★ ★ ★

 新型コロナの感染状況は、「緊急事態宣言」の解除以降、全国的に再び拡大傾向にある。自治体はその対応に苦慮しているが、「かけ声」だけで、政府は経済を優先して無策のまま時が経過するばかり。感染収束の気配は、全く見えない。

« 2020年7月 | トップページ | 2020年9月 »

2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

最近のトラックバック