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2020年4月の3件の投稿

2020年4月29日 (水)

新型コロナ2020.02 緊急事態

 2020年3月13日、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(2012年制定)の対象に新型コロナウイルス感染症を追加した改正案が成立、14日に施行された。

 4月7日政府は、この法律に基づき新型コロナウイルスの感染増加に対応する「緊急事態宣言」を東京や大阪などの7都府県に発令。更に4月16日、対象地域を全都道府県に拡大した。事業者への休業要請、施設の使用制限、学校の休校、不要不急の外出自粛、イベント中止等が実施されている。

 4月26日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナウイルスの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.02 感染拡大」の続き。

●4月12日

 星野源と安倍首相のコラボSNS

 歌手・俳優の星野源が外出自粛の中で、ギターを弾きながら歌う「うちで踊ろう」をSNS(インスタグラム)に投稿、「楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼びかけた。これに対し、多数の芸能人がコラボして投稿、大きな反響と支持を集めていた。

 4月12日、安倍晋三首相が星野源の音楽を聴きながら自宅でくつろぐ姿でインスタグラムでコラボ、「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます。」とコメント。

 しかし、首相のこの"コラボ"動画は、多くの様々な批判を浴びることになった。「首相は、貴族か!」。仕事がなくなって首を切られ苦しんでいる非正規労働者、営業自粛で資金繰りに追われる商店主や中小企業経営者、医療従事者は寝る間を惜しんで必死になって働いている時、「国のリーダーが、外出自粛してどうする、もっと働け」。コロナ禍に対する危機感のなさ、国民の苦しさが全く分かってない。確かに民意とズレていると思う。

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●4月14日

 国内感染者が8千人超え

 全国で新たに感染者449人が確認、東京都161人が最多。大阪59人が続く。(国内感染者数は、都道府県合計、クルーズ船などを除く)

 2020年の世界成長率は3%減の見通し

 IMF(国際通貨基金)が世界経済見通しで、2020年の世界全体の成長率は前年比で3.0%減とした。1920~30年代の大恐慌以来最悪の同時不況に直面しているという。リーマンショックの2009年では0.1%減だった。 

●4月15日

 世界の感染者200万人越え

 世界の新型コロナウイルス感染者が15日、200万人を超えた。8割は欧米に集中、各国の検査態勢の充実も反映し、数は増え続けている。新興国や発展途上国も流行が拡大。

 国内各地に集団感染(クラスター)が広がる

 厚生省は3月16日、屋形船、ライブハウス、スポーツジム、ナイトクラブ、医療機関、福祉施設など全国10都道府県、15カ所の集団感染を発表した。1ヶ月後、4月15日の全国感染者は539人、障害者施設、老人ホーム、警察、企業など、集団感染(クラスター)が更に国内各地に広がっている。

 キャバクラの立憲民主議員、党除籍

 立憲民主党の高井崇志衆院議員(50)は緊急事態宣言が出された直後の4月9日、東京・歌舞伎町の性風俗店(セクシー・キャバクラ)に行っていたことがわかり、4月15日に党を除籍処分となった。高井議員は離党届を提出したが、党は受理せず除籍とした。こんなていたらく議員は、自らが進んで議員辞職すべきだ。

 

●4月16日

 緊急事態宣言を全都道府県に拡大

 4月16日、安倍首相は政府対策本部で新型コロナウイルス感染拡大を受けた「緊急事態宣言」の対象地域を、全都道府県に拡大を表明。期間は5月6日まで。感染拡大に歯止めをかけ、医療崩壊を防ぐには、大型連休中を含めた人の移動を全国一斉に抑える必要があると判断したという。

 政府は4月7日、7都府県を対象に「緊急事態宣言」を発令したが、タイミングが遅すぎる。今年1月に国内で感染者が確認されてから3カ月後の 「決断」は、国民の不安を充満させ、同盟国の米国からも「帰国警報」が出される始末となった。感染拡大を受けて東京都や大阪府の知事らが要請しても、直近の世論調査で発令を求める人が8割近くに上っても、安倍政権は「緊急事態宣言」の発令を躊躇し続けた。

 フランスのマクロン大統領、米国のトランプ大統領など主要国トップが相次いで「戦争状態」、「戦時」にあることを強調し、外出制限など強硬対策を打ち出したのは3月中旬、日本政府の対応はあまりに遅い。

 国内の感染者9千人超え

 この日感染者は、新たに578人を確認。国内の感染者は9千人を超え、クルーズ船の乗客や空港検疫などで判明した人を含むと1万人を超え。7都府県で緊急事態宣言が出た7日と比べ、東北や北陸、中国地方では、感染者数が増加し、2倍以上に増えた自治体もあるという。大阪府では感染者数が1千人を超え、千葉県でも600人となった。

 下の写真は、新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真。粒状の粒子の上にコロナウイルス特有の冠状のスパイクタンパク質が観察できる。出典:国立感染症研究所ホームページ

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 国民への給付、政府の朝令暮改

 減収世帯30万円給付を、国民一律10万円に変更する朝令暮改。政府・与党は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国民1人あたり10万円を給付することを決めた。所得制限は設けない。減収世帯に30万円を支給する措置は撤回するという。一律10万円給付は12兆円超の財源が必要になる見通し。

 公明党が世論を背景に野党案への同調もちらつかせて、一律10万円の給付を首相に迫ったという。政府は、条件が複雑で給付までに時間のかかる所得減少世帯に30万円給付を見直し、手続きが簡素な国民1人一律10万円を給付を表明、国会に提出予定だった2020年度補正予算案を組み替える異例の事態となった。早ければ5月中には給付が開始されるそうだ。

 4月16日

 「週刊文春」昭恵夫人、ノーマスクで大分旅行

 安倍首相の昭恵夫人が、新型コロナウイルスへの厳戒ムードか高まる3月15日、約50人の団体とともに大分旅行と、4月16日発売号の「週刊文春」で報じられた。首相が「自らの身を守る行動を」と警戒を呼びかけた翌日のことで、昭恵夫人がツアーで大分県宇佐市の「宇佐神宮」に参拝していた。昭恵夫人は、同行者に「コロナで予定が全部なくなっちゃったので、どこかへ行こうと思っていたんです」と語っていたという。

 「不安と恐怖が、ウィルスに対する愛と感謝に変わった途端、ウィルスは、目の前で、ブラックホールから、突然、喜んで、消え去ります」と持論を公言している医師・松久正氏が主催する「神ドクター降臨 in Oita」というスピリチュアルなツアーと聞いてあきれる。

 昭恵夫人のインスタグラムは2月以降休止中だが、不用意な大分旅行について批判コメントが相次ぎ、炎上となった。「なぜファーストレディのあなたが、模範となる行動を取れないんですか」、「能天気過ぎるのもいい加減にしろ」、「総理の足を引っ張るだけでなく、国民の士気を下げる事はやめてくれ!」と行動をいさめる。

 安倍首相は17日の衆院厚生労働委員会で「事前に本人より聞いていた」と明らかにし、「大分を訪問した3月15日は、都知事による週末の外出自粛要請(3月25日)や自身による不要不急の外出自粛要請(同28日)より前だった」とか、 「団体ツアーと合流したのは参拝のみ、観光はしなかった」、「神社の参拝は密閉ではない。3密が重なったらダメだが・・・」と問題はないと言い訳するが、誰も納得できない。

 安倍首相の昭恵夫人 出典:ウキペディア・コモンズ

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 「週刊ポスト」3月30日発売号でも、3月下旬、安倍首相の昭恵夫人が都内レストランで芸能人を含む10数人で会食・花見と写真付きで報じられた。桜を背景にした記念写真を撮影したのは3月23日。森友学園問題をめぐり自殺した近畿財務局職員の手記が報じられ、疑惑が改めて注目される中の出来事だった。

 首相は「東京都が自粛を要請している公園での花見の宴会ではない、3密ではない・・・」と釈明。そして「レストランに行ってはいけないのか!」と逆ギレ発言。いい大人が、一国の総理が、こんな子供じみた説明しかできないのか。「申し訳ありません。妻にはよく注意しておきました」と、なぜ一言が言えないのだろうか。

 

●4月17日

 アベノマスクの配布開始

 「冗談かと思った」、「4月1日のエイプリルフールか?」・・・ 世界中の市場からマスクが消え、日本でも中国製がほとんど占めているため、入手が非常に困難になった。マスクを願う国民の声に応えようと、安倍首相は4月1日、全国5000万超の全世帯に布マスクを2枚ずつ配布する方針を明らかにした。また、全国の医療機関にサージカルマスク、高齢者や障害者の施設、全国の小学校・中学校向けに布マスクをそれぞれ優先的に配布する。

 4月7日政府は「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」により、布製マスクを一般家庭に配布することを閣議決定。マスクの購入には1枚当たり260円程度かかり、全1億3千万枚の配布には466億円がかかる見通しだという。

 コロナの緊急対策の「いの一番」がマスクだろうか。国民の疑問の声が広がる。このマスクは、安倍首相の経済政策「アベノミクス」になぞらえ「アベノマスク」と呼ばれ、海外メディアでも取り上げられた。マスクの製造・流通・販売を円滑にして、国民がマスクを手に入りやすくするのができないのだろうか。

 大人には鼻と口が出そうな「アベノマスク」。見た目は、小学生の給食当番か。4月17日から都内から配布が始まった。「小さくて、話すとずれて使いにくい、子供用ですか」、「耳がこすれて痛い」、「洗うと縮んだ」など不満の声が寄せられている。また、妊婦あてに先行配布したマスクでは、汚れ、カビ、髪の毛や異物混入の報告が相次いでいるという。

 菅官房長官は24日の記者会見で、政府が配布している布マスクに不良品が混入していた問題で、「回収し、検品するために予定より遅れる」と話した。加藤厚労相は24日の閣議後会見で、「納入企業には衛生面のチェックを要請しており、さらなる徹底をお願いしたい」と述べた。

 東京都の1日の感染者200人を超える

 17日のこの日、東京都は感染者201人を確認、1日の感染者が200名を超えるのは、全国都道府県では初めて。全国感染者数は519人。

 中国のGDPが前年同月比マイナス

 17日に中国の国家統計局が発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価上昇を除く実質成長率が前年同期比マイナス6・8%だった。 

●4月18日

 石川県、10万人当たりの感染者数は全国2位

 石川県の谷本知事は3月27日、国の名勝「兼六園」の無料開放などを公表した後、報道各社の取材に「自粛疲れ」した都民に向けて「息抜きしたければ、無症状の人はお越しいただければ。新幹線もあり、2時間半で来られる」と感染拡大で打撃を受ける県内経済に気配りした。

 無料開放された「兼六園」 出典:ウキメディア・コモンズ

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 県内宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、2015年の北陸新幹線開業効果で好調だった県内経済が急落しかねない状況。3月27日時点で県内の新型コロナ感染の陽性者8人、谷本知事は県内が「収束に向かい始めているか、一定程度に収まってきている地域」に該当すると説明した。首都圏との往来に注意を促す地方自治体が多い中、県民からは戸惑いの声も上がる。国の専門家会議は無症状者からの感染にも注意を呼びかけていていた。

 ところが、4月18日時点の石川県の感染者は173人、全国第11位。しかし10万人当たりの感染者数では、東京都20.3人で1位だが、なんと2位が石川県の14.0人だったので驚く。福井県、富山県などの北陸地方の増加が目立つ。

 国内の感染確認1万人超える

  この日、国内で確認された感染者は1万人越え、10,432人。死者224人。退院者1,713人。ただしクルーズ船を除く、空港検疫、チャーター機含む。国内で1万人の大台に達したということは、確実に感染者が増えていることを意味する。倍になるまでにかかる期間が1週間以上かかっているため、2~3日で倍になるとされる「オーバーシュート」(爆発的感染拡大)には至ってはいないが、瀬戸際の状況が続いている。
  

●4月19日

 東京の感染者数3千人越え
  
 
 東京都は19日、都内で新たに107人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表。このうち、およそ62%にあたる67人は、今のところ感染経路が分かっていないという。これで都内で感染が確認された人は3,000人を超え、合わせて3,082人となった。

●4月20日

 玉井医師、新型コロナ説明書を更新

 ネットで新型コロナウイルスのことを調べていたら、長野県茅野市の「諏訪中央病院」や茅野市のホームページに掲載してある資料を見つけた。

 「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」前編、続編、地方版の3部。

   http://www.suwachuo.jp/info/2020/04/post-117.php

 これは「諏訪中央病院」の総合診療科・玉井道裕医師が手書きしたもので、非常に分かりやすいと言うことで公開。市民やマスコミ、各方面で評判らしい。

 本説明書(続編)によれば、ヨーロッパではイタリアの死亡率が10%、医療の進んでいるドイツでは1%とある。集中治療室(ICU)で比較すると、イタリアは10万人当たり12床、ドイツは30床という差があるそうだ。それが日本では10万人当たり、たったの5床しかない。テレビでは感染した人が、病院を何10カ所もたらい回しされ、重体になったというニュースが流れ、いよいよ医療崩壊にがやってきたのかと心配になる。

 4月20日には、「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」全国版 を公開した。

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 この(全国版)の最後の方の頁で、玉井医師は「リーダーシップ」について述べている。新型ウイルス禍に対し、攻めのハンマーとなるのは我々「国民」、そのハンマーを振るのは「国」。今、「問われているのは、国のリーダーシップ」とある。

 原油先物価格がマイナス

 ニューヨーク商業取引所で20日(現地時間)、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の枯渇により、原油先物価格が史上初めてマイナスとなった。新型コロナウィルスの感染防止のため、各国でエネルギー需要が低迷しているため、原油余りで貯蔵施設が満杯になりつつある。マイナスというのは、売り手が手数料を払って買い手に引き取ってもらっている状況だという。

●4月21日

 朝日新聞「全国世論調査」結果公開

 朝日新聞社は4月18、19日に全国世論調査(電話)を実施した。新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、安倍首相は指導力を発揮しているかどうかを尋ねると、「発揮していない」は57%で、「発揮している」33%を上回った。

  安倍内閣の支持率は41%(前回3月調査は41%)、不支持率は41%(同38%)。新型コロナをめぐるこれまでの政府対応については、「評価しない」53%(同41%)、「評価する」33%(同41%)だった。

 首相が7日に東京や大阪など7都府県に限定して緊急事態宣言を出したタイミングについて聞くと、「遅すぎた」が77%、「適切だ」18%だった。16日に緊急事態宣言の対象区域を全国に拡大したことは「評価する」が88%で、「評価しない」は9%だった。

 全世帯への布マスク2枚の配布は、「評価しない」が63%で、「評価する」32%を上回った。「評価しない」と答えたのは、自民支持層で50%、無党派層では68%にのぼった。(後略)

 

 「緊急事態宣言」の期限5月6日は延長?

 21日 で「緊急事態宣言」から2週間が過ぎた。政府は感染拡大が収束に向かう「ピークアウト」を目指すとしていたが、人の接触7~8割削減は期待ほど減らず、5月6日までに全面解除できるかどうかは見通せない。専門家や政府関係者の間では「期間の延長は避けられない」との見方が強まっている。

4月22日

 長崎でクルーズ客船 乗員34人陽性

 修繕作業のため1月下旬から長崎市香焼町の三菱重工長崎造船所香焼工場に停泊中のクルーズ客船「コスタ・アトランチカ」(イタリア船籍、8万6千トン、乗員623人)の乗員34人が、新型コロナウイルスに感染したと、22日長崎県が発表。乗員の中で日本人の通訳1名を除く全員が外国籍だという。

 クルーズ客船「コスタ・アトランチカ」 出典:ウキペディア・コモンズ

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●4月23日

 岡江久美子さん、肺炎のため死去

 女優の岡江久美子(本名大和田久美子、63歳)さんは4月3日に発熱して様子を見ていたが、6日に急変して都内の病院に緊急入院。新型コロナウイルスの陽性と判定され、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を装着して治療を続けていた。昨年末に初期の乳がん手術を受け、今年1月末~2月半ばまで放射線治療を続けていたという。事務所の話では、「免疫力が落ちていたため、重症化したのではないかと思われる」そうだ。

 また志村けんに続いて有名人の一人が亡くなった。この日の死亡者は、全国で初めて300人を超し、324人となった。

 また、長崎に停泊しているクルーズ客船「コスタ・アトランチカ」の乗務員の感染者は、更に14人増えて48人となっている。

 トランプ米大統領、根拠なき治療法で波紋

 23日の定例記者会見で、トランプ米大統領が新型コロナウイルス感染症に対して「消毒液の体内注射」「体内への太陽光照射」という医学的根拠のない治療法を提案し、全米中に波紋を広げた。医師や専門家からは、「無責任で非常に危険だ」と軽率な発言に批判が出ている。

 24日になって記者団に「記者に向けて、皮肉を込めてどういう反応になるか言ってみただけだ」と釈明。その後の定例会見では、毎日長時間実施してきた質疑に応じなかった。

 皮肉でも冗談でも、一国のリーダーがこんなことを無責任に発言すべきことではない。リーダーとしての資質がない。

 

●4月25日

 長崎のクルーズ客船の感染者は148人

 長崎県は25日、長崎市の三菱重工長崎造船所香焼工場に停泊中のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」で新たに乗員57人の感染を確認したと発表した。全乗員623人の検査が終了し、船内のクラスター(感染者集団)は合計148人になった。

 国内では25日、新たに310人の新型コロナウイルス感染者が確認された。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と「コスタ・アトランチカ」の乗船者を除く(空港検疫、チャーター機含む)累計は1万3千人を超え、1万3,079人。東京都では103人の感染が判明し、累計では3,836人となった。

4月26日

 全国高校総体は中止、各地で落胆の声

 全国高校体育連盟は26日、8月開催予定の全国高校総合体育大会(インターハイ)の夏季大会を中止すると決めた。当初、東京五輪と日程が重なったため、今年は30競技を21府県で分散開催する予定だった。

 秋に開催の「かごしま国体」は、どうなるのか。延期決定から1ヶ月経った来夏の「東京オリンピック」も前途多難で、開催を危ぶむ声も。

 世界の死者、26日で20万人を超える

 新型コロナウイルスの感染者の数は世界全体で289万9830人。死亡した人は20万3044人と20万人を超え、10日に10万人を超えてから2週間余りで倍増しており、感染拡大に歯止めはかかっていない。

 国別の感染者数と死亡者は、以下の通り。27日朝日新聞朝刊(日本時間26日午後5時現在、米ジョンズ・ポプキンス大の集計から)

  国・地域 感染者数 死者数
1 アメリカ 93万9249人 5万3934人
2 スペイン 22万3759人 2万2902人
3 イタリア 19万5351人 2万6384人
4 フランス 16万1644人 2万2648人
5 ドイツ 15万6513人 5877人
6 イギリス  14万9569人 2万0381人
7 トルコ 10万7773人 2706人
8 イラン 8万9328人 5650人
9 中国 8万3909人 4636人
10 ロシア  7万4588人 681人
11位以下 省略
世界合計 289万9830人 20万3044人

 ドイツの死亡数が感染者数に比べて目立って少ないのは、医療設備や医療技術の高さを物語るのか。

 更に28日(日本時間)の感染者数は304万人、300万人(米ジョンズ・ポプキンス大の集計)を超えた。今月3日には100万人、15日には200万人に達し、12,13日ごとに100万人づつ、特に欧米を中心に増加が続いている。


 ★ ★ ★

 政府のコロナ対策は、国民の意識とかけ離れている。

 「モリ・カケ・桜」隠し、これだけの問題を抱えても、国民の批判に真剣に対応してなかった安倍首相。それでもこれまで政権を維持して来れたという自信。しかし今度は、国民の生命・財産に関わるコロナ危機。こんなリーダーに、今度こそ国民はついて行けない。

 森友学園問題をめぐる財務省の公文書改ざん問題について、自殺した近畿財務局職員の手記が公表された。政府がこの問題を「再調査しない」としているが、前出の朝日新聞「全国世論調査」では「再調査するべきだ」が72%となっている。
 
 

 新型コロナの感染拡大は、いつ頃どうやって終息するのかが、今のところ見通しはなし。

 終息の1つは、ウイルスの感染拡大をしないように、中国・武漢市のように完全な「都市封鎖」という方法がある。これは社会、経済活動が完全にストップしてしまい、市民生活はかなりの犠牲を払うことになる。

 2つめは、イギリスのジョンソン首相の計画で、国民に「集団免疫」を形成するというもの。イギリス国民6600万人の60%にあたる3600万人に、軽いウイルスに感染させるというもの。「集団免疫」は、ウイルスの抗体を持つ人が増えると、いずれ感染症が流行しなくなる現象。つまり抗体を持つ人が人口の6割に達すると感染が終息するという。かつて天然痘の予防法として行われていた種痘に近い対策だが、今回のケースはかなり時代錯誤で危険な対策、ジョンソン首相は批判を浴びてすぐにこの計画を撤回した。

 3つ目は、ワクチンと治療薬の開発、しかしワクチンの開発に1年以上はかかるとか。しかも国民全体にそのワクチンが行き渡るのに、またその後数ヶ月かかるだろう。

 ジョンソン首相の計画でなくても、子供や若者はすでに感染(抗体を持っている)しているのではないかと思われる、症状が出ない、またはコロナと気がつかないほど軽い症状の人が、国内に相当数いるのかもしれない。もしこういう人たちが増えてくると、「集団免疫」が形成されるのではないだろうか。こういった人は、抗体検査という血液検査をすれば分かるという。

 ノーベル賞受賞の山中教授も、「ワクチンと治療薬の開発に全力で取り組み」のほか、感染の拡大を全国規模で把握するため、「無作為抽出サンプルのPCR検査や抗体検査の体制強化」を提言されている。

 新型コロナについての論文やデータが少ないためか、これまで「集団免疫」による終息について論じている専門家やマスコミが少ないような気がする。非常事態宣言の期限5月6日が終息の日の目標ではなく、たぶん延長されるだろう。

 

 そんなことを4月中旬頃に考えていたら、最近になってアメリカから興味あるニュースが飛び込んできた。

 4月24日5時35分  TBS NEWS 新型コロナウイルス特設サイト「米NY州抗体検査で陽性14%、感染者数 公式発表の10倍か」

 アメリカ・ニューヨーク州で、新型コロナウイルスに感染したことがあるかを調べる抗体検査を実施した結果、陽性がおよそ14%だったことがわかりました。感染者の数が公式発表の10倍にのぼる可能性があるということです。
 ニューヨーク州のクオモ知事は23日、感染の実態を把握するため、アメリカで初めて実施した大規模な抗体検査の結果を発表しました。それによりますと、州内各地でおよそ3,000人を無作為で抽出し、抗体検査をしたところ、全体の13.9%が陽性でした。大都市のニューヨーク市では21.2%が陽性で、5人に1人以上が感染していたことになります。
 州全体ではこれまで26万3千人の感染者が確認されていますが、抗体検査の感染率から、その10倍のおよそ270万人が感染した可能性があるということです。その場合、致死率は低くなり、感染者のおよそ0.5%になるとしています。

 また日本では、

 4月23日0時08分 TBS NEWS 新型コロナウイルス特設サイト「抗体検査キット、献血使い評価へ」

 新型コロナウイルスに感染していたかを調べる「抗体検査」について、厚生労働省が日本赤十字社による献血血液を利用して検査キットの性能の評価を始めることが分かりました。「抗体検査」は、新型コロナウイルスに感染すると体内で作られる「抗体の有無」を、血液を採取して調べるもので、既にアメリカなどでは実施されています。
 日本赤十字社は厚生労働省からの依頼を受け、「抗体検査」に使う検査キットについて、献血で得た血液を利用して性能の評価を行うと発表しました。関係者によりますと、東京などの地域を中心に献血をとった際に余った血液を研究用として使うということです。

 
 一方、WHO(世界保健機関)で危機対応を統括するライアン氏は17日の記者会見で、新型コロナウイルスの抗体検査を巡り、「検査の技術は十分に検証されておらず、効果の面からも不確実な点が多い」と述べて、検査の技術は十分に検証されていないという見方を示した。さらに「集団免疫」に関して、「多くの人がすでに免疫を獲得し、集団免疫が獲得されているのではないかという期待があるが、全般的な証拠からはそのような状態になく、解決策にはならないかもしれない」と述べている。

 またWHOのテドロス事務局長は20日の記者会見で、「抗体検査は感染したことがある人を確認するためには重要だが、感染が疑われる人を発見するPCR検査のほうが中心的な手法だ」と述べ、現時点では感染者の発見や治療、隔離などを優先させるべきだという考えを示している。


 抗体検査についてはいろいろ批判もあるようだが、個人的には日本でも本人が気がつかないほど軽い感染者が、かなりの割合でいるのではないかと思う。最近新たな感染者の感染経路が、特定出来なくなったのもそのせいではないだろうか。かといって重症化する例もあるので、今の段階で自粛疲れで、密に接触しても良いとはいえないが、今後次第に「集団免疫」が働いて終息することを祈る。

2020年4月15日 (水)

人類とウイルスの共生と感染症

  2020年4月3日付の朝日新聞朝刊に「福岡伸一の動的平衡」という連載コラムで、「ウイルスという存在」と題した記事が気になった。

 見出しには「生命の進化に不可避的な一部」とある。

 

 2018年9月1日、北アルプスの「乗鞍岳」登山のため前日、乗鞍畳平の「銀嶺荘」に宿泊した。午後2時頃に到着したが、雨だったため畳平の散策をあきらめ、宿でNHKテレビ(BS1)「最後の講義 生物学者 福岡伸一」を見た。講師は、分子生物学の福岡伸一教授。たぶん深夜に放送された番組の再放送だったと思う。 

 福岡伸一氏は、分子生物学の青山学院大学教授。「生命は、絶え間ない分解と合成の上に成り立つ」とする「動的平衡論」を説く。有名な著書に『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、2007年発行)というのがあって、10年ほど前に読んだことがある。
 
  
 氏の専門分野「分子生物学」については、学生時代に少し興味があった。その頃、分子という化学や物理学の世界で、生物学を論じる新しい学問である「分子生物学」や「化学生物学」とか、新しい学問分野が生まれていた。最近では「生命科学」という分野もある。

 今から10年以上前ころに、テレビや雑誌などで「分子生物学」が脚光を浴びていたようだった。そのころ福岡伸一著の『生物と無生物のあいだ』と、その後『できそこないの男たち』という新書版を読んだ。『生物と無生物のあいだ』は、当時話題になった書籍で65万部を超えるベストセラー、「生命とは何か?」という科学上の定義について論じたものだった。

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 氏は、生命の定義を「動的平衡」という概念を提案して、「生命とは動的平衡にある流れである」としている。この本の前半部分には、京大農学部を出て博士号を取ったあと、アメリカで研究生活、下積みの苦労や研究競争などの話などが書いてあった。この部分には非常に興味深かったが、この本の主題である「動的平衡」については難解で、よくは理解できなかった。結局、この本の生物と無生物の差が、あまりよく分からなかったことを憶えている。

 一方、『できそこないの男たち』(光文社新書 2008年発行)は、けっこう分かり易くて面白かった。生命の基本は、「女」であって、生命は子供を産む女の基本仕様でできていて、その仕様が出来そこなったのが「男」だそうだ。分子生物学的な染色体や遺伝子について論じてあるが、男女の性器の違いも詳しく説明してあった。

 

 乗鞍畳平の山荘「銀嶺荘」で福岡教授の講義をテレビで視聴し、生命の「動的平衡」の意味がやっとわかって納得した。

 教授の文章には、定評がある。理系の学者にしては、文章がうまい。文学者よりも文学的で、詩的な感性と表現は、すばらしい。書かれている難解な内容よりも、その表現に引き込まれ読み進めてしまう。

  
  ★ ★ ★

 話を戻して、朝日新聞「福岡伸一の動的平衡」というコラムの「ウイルスという存在」には、次のように書かれている。

 ウイルスとは電子顕微鏡でしか見ることのできない極小の粒子であり、生物と無生物のあいだに漂う奇妙な存在だ。生命を「自己複製を唯一無二の目的とするシステムである」と利己的遺伝子論的に定義すれば、自らのコピーを増やし続けるウイルスは、とりもなおさず生命体と呼べるだろう。 しかし生命をもうひとつ別の視点から定義すれば、そう簡単な話にはならない。代謝も呼吸も自己破壊もないウイルスは生物とは呼べないことになる。
 (中略)
 ウイルスは宿主の細胞内に感染するわけだが、それは宿主側が極めて積極的に、ウイルスを招き入れているとさえいえる挙動をした結果である。
 (中略)
 ウイルスは構造の単純さゆえ、生命発生の初源から存在したかといえばそうではなく、進化の結果、高等生物が登場したあとに初めてウイルスは現れた。高等生物の遺伝子の一部が、外部に飛び出したものとして。つまり、ウイルスはもともと私たちのものだった。
 (中略)
 宿主に病気をもたらし、死をもたらすこともありうる。しかし、それにもまして遺伝情報の水平移動は生命系全体の利他的なツールとして、情報の交換と包摂に役立っていった。
 (中略)
 かくしてウイルスは私たち生命の不可避的な一部であるがゆえに、それを根絶したり撲滅したりすることはできない。私たちはこれまでも、これからもウイルスを受け入れ、共に動的平衡を生きていくしかない。
 
 文章は読んでいて心地良いが、内容は難解で頭にすっと入って来ない。しかし、ウイルスがどんなものかという概要は分かった。要は、ウイルスは病原体としてだけでなく、生命の進化に不可避な存在であるということらしい。記事では、人間の立場に立った感染症の恐怖とか、感染防止のための生活の苦しさは伝わって来ないが、自然科学としてのウイルスを客観的な観点から冷静に解説してある。
 
 この機会に他の資料も調べて、「人類とウイルスの共生と感染症」についてまとめてみたい。 
 
 ★ ★ ★
 
 一般的な生物の細胞の大きさは、数〜数10μm(マイクロメートル)。ウイルスは数10nm(ナノメートル)~数100nmの大きさの微粒子で、細胞の1/100〜1/1000程度、電子顕微鏡でしか見えない。基本的にエネルギーを作れず、細胞分裂や生殖で自己複製する能力はなく、代謝もないウイルスは生物とは言えない。生物の定義に「自己複製可能」という定義を当てはめると、ウイルスはもはや生物でなく無生物だ。
 
 しかし自己複製できないウイルスは、他の生物の細胞に寄生して増える。つまり自身では設計図(遺伝子)を持っているだけで、それを宿主の細胞に渡して製品(遺伝子産物や子孫)を作ってもらい増殖する。自分のコピーをより多く作ってくれるところへ潜んでいき、そこで設計図を渡す。ウイルスは、宿主の細胞に働きかけて、そのシステムをうまく利用している他力的な存在なのだ。よってウイルスは、”まるで生きているかのよう”に、自らのコピーを増やし続けるので、生物と呼べないこともない。つまり「生物と無生物のあいだ」という中途半端な存在である。
 
 真菌(カビの仲間)などは、人間と同じ多細胞生物。細菌(バクテリア)は、その体の一つの細胞が飛び出して独立した単細胞。ウイルスは、その細胞内の遺伝子が細胞から飛び出して独立したもの。もちろん遺伝子だけだと何ともできないので、細胞の中に入ることで初めて活動できるのだ。
 
 ウイルス粒子は、たんぱく質でできた殻とその中に収まっている核酸(遺伝子)で構成される。遺伝情報を担う物質の種類により、DNA(デオキシリボ核酸)かRNA(リボ核酸)のいずれかの核酸を有する。一般の生物の細胞内には、DNAとRNAの両方を有するが、ウイルスはDNAを持つウイルスとRNAを持つウイルスに分かれる。
 
 カビの仲間など多細胞の「真菌」 出典:MS Office 2019 オンライン画像
Shinkin
 単細胞の「細菌」(大腸菌) 出典:同上
Daichokin
 「ウイルス」の一例、エボラ出血熱の病原体エボラウイルス 出典:同上
Ebola_virus
 
 ウイルスの登場に関しては諸説あるようだ。福岡氏は高等生物が出現した後に登場したとしているが、地球に生命が誕生した(40億年前)ごく初期から進化に深くかかわってきたとか、少なくとも30億年前には登場していたとも考えられている。我々人類とは比べものにならないくらい昔から、地球上に存在しているのだ。生物がいる環境ならウイルスも存在する。原始生物の誕生以来、生物とウイルスは共存しながら、互いの進化に影響を及ぼしつつ、長い時間を過ごしてきた。
 

 ウイルスの中には、自分の遺伝子を宿主細胞のDNAに組み込むものもいる。多くの場合、宿主には何も起こらないが、まれに宿主の進化に重要な影響をもたらすことがあるという。卵子や精子の元になる細胞に入り込むと、子孫に伝わりウイルスのDNAがヒトの遺伝情報の一部となる。長い時間をかけて突然変異を重ね、ウイルスの遺伝子として働くことはなくなり、ヒトの遺伝子として使われるようになるものもあるそうだ。DNAにウイルスが入って来ることで、それが長い歴史で見ると我々の「進化」につながったのだ。

  
 新型コロナウイルスのように、ウイルスは病原体として麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)や天然痘、インフルエンザ、ノロウイルス感染症・・・など、病気を起こすウイルスがよく知られている。地球上には、多様で膨大な種類、大量のウイルスが存在する。おそらく、病気(感染症)を起こすウイルスは、わずか1%程度。その他99%のウイルスは、人類に無害であるという。
 
 私たちの祖先は、ウイルスに感染してきた。人間の体内にいるウイルスは、元はすべて動物から来ているという。遺伝子の変異によって人に感染する能力を獲得した動物由来のウイルスの出現が、歴史上繰り返されてきた。人類は、感染症との闘いの歴史でもある。人類は、病気の原因の細菌やウイルスをつきとめ、ワクチンや治療薬の開発に精力を注いできた。ウイルスの撲滅に成功した事もあるが、今でもたびたび未知のウイルスによって、多くの犠牲者を出す感染症の流行が繰り返されている。
 
 今回の病原体である新型のコロナウイルスは、2002年から2003年にかけて香港を中心に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)や、その後に中東地域や韓国で感染が拡大したMERS(中東呼吸器症候群)の原因となったウイルスと共通したコロナウイルスである。どれも動物由来の感染症と考えられている。

 SARSコロナウイルス (SARS coronavirus; SARS-CoV) 出典:ウィキメディア・コモンズ
Infectious_bronchitis_virus
 
 ウイルスではないが、人類史上で複数回、大流行した感染症として知られる「ペスト」の病原体は、ペスト菌だ。致死率が非常に高く、東ローマ帝国などでの流行の記録が残っている。14世紀の流行では、世界で1億人が死亡したとされる。感染者の皮膚が内出血によって紫黒色になることから、「黒死病」と呼ばれて恐れられた。
 
 ペスト菌(Yersinia pestis)出典:ウィキメディア・コモンズ
Yersinia_pestis

 また、1918年から1919年にかけて2千万~5千万人の死者を出したとされるインフルエンザ・ウイルスによる「スペイン風邪」は世界的に大流行した感染症として知られている。第一次世界大戦の最中で、最初に米軍兵士の間で流行し、欧州に派遣された兵士を介して、戦場で各国の軍隊へ広がったと考えられている。日本でも38万人の死者が出た。
 
 伝染力が強く、全身に膿疱が広がり、 致死率が高い「天然痘(痘瘡)」は、天然痘ウイルスを病原体とする感染症。古くから世界各地で流行の記録が残る。天然痘で死亡した最古の例は、紀元前1100年代のエジプト王朝のラムセス5世。彼のミイラには、天然痘の痘痕が認められた。種痘による天然痘予防が徐々に世界中に広まっていき、20世紀中盤には先進国においては天然痘を根絶した国も現れた。更にWHOによる天然痘ウイルスの制圧計画が進み、1980年に人類で初めてウイルス撲滅が宣言された。
 
     
(参考資料)
●2020年4月3日 朝日新聞朝刊「福岡伸一の動的平衡」ーウイルスという存在ー (青山学院大学 福岡伸一)

●2020年3月12日 朝日新聞別刷「知る新型コロナ-未知のウイルスと向き合う」 人類 vs. 感染症 -ウイルス・細菌 続く闘い(大阪科学医療部 嘉幡久敬)

●2020年4月6日 朝日新聞朝刊 科学の扉「ウイルス共生の歴史」-宿主に遺伝子残し病防ぐ/進化、初期から関与?(大阪科学医療部 瀬川茂子)

●第115回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム「ウイルス感染症の発症機序―ウイルスが病気を起こすメカニズム―」 日本耳鼻咽喉科学会会報  2014年 117巻10号 p1245-1248 (金沢大学 医薬保健学総合研究域 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 吉崎智一)

●第25回 血液学を学ぼう! 今さら聞けない 「ウイルスと細菌と真菌の違い」2017.3.27 (近畿大学医学部附属病院 輸血・細胞治療センター)
 
 

 ★ ★ ★

 4月13日、新型コロナによる世界の死者は11万人超え、米国が感染者数(55万6千人)と死者数(2万2千人)とも世界最多となった。米国の感染拡大の中心になっているのはニューヨーク市で、感染者数は10万人を超え、医療崩壊の危機が叫ばれている。トランプ米大統領の初動対応の遅れは否めない。トランプは、最初「ウイルスは暖かくなる4月までに消える」や「数日で感染者ゼロになる」などと、コロナの脅威を過小評価していたのだ。
  
 国内でも、感染拡大の勢いに歯止めがかからず、感性者数はは増加の一途。感染経路不明の感染者が増加する一方、クラスター(集団感染)の発生も拡大している。東京・大阪などの大都市では、オーバーシュート(感染爆発)の寸前だとの危機が広がる。医療設備・物資や病床の逼迫や、院内感染によって、医療崩壊の危機が迫っている。「緊急事態宣言」は遅きに失した。

 経済面では、企業活動や消費活動が長期にわたって停滞するとの観測。商業施設などへの休業要請に対する休業補償、所得減少世帯への現金円支給(30万円)は、詳細が不透明で給付に時間もかかりそうで緊急経済対策の不安を拭えない。

2020年4月12日 (日)

新型コロナ2020.02 感染拡大

 2020年4月、昨年末に中国武漢市に端を発した新型コロナウイルス感染症は、世界中に拡大。その勢いはとどまることを知らない。

 

 4月11日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナウイルスの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2020.01 感染確認」の続き。


 国内で新型コロナウイルス感染者が初めて見つかったのは、2020年1月16日。3月4日には感染者数は累計1,000人を越え、3月25日には2,000人を越えた。それからわずか1週間後の4月1日、感染者数は1日で244人、累計3,000を人越え3,193人となった。。

 

 ●2月25日

 政府の「新型コロナウイルス感染症対策本部」が開催され、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が決定された。

 ●3月1日

 厚労省が「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」を公表。

  感染症対策は、咳エチケットや手洗いなどが重要だ。

 「感染症対策」のチラシ 出典:首相官邸ホームページ (クリックすると拡大表示)

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  集団感染の共通点は、特に「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」だ。政府や自治体は、これら密閉・密集・密接の三つの「密」を避けてほしい、と繰り返し呼び掛けている。

 「3つの”密”をさけましょう!」のチラシ 出典:首相官邸ホームページ (クリックすると拡大表示)

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 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、対人距離の確保のために「できるだけ2m程度の距離を保持することが望ましい」としている。諸外国では、人と会話したり近づいたりする距離を「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)という。

 
 ●3月7日

 世界では、感染者数が10万人を超え、世界保健機構(WHO)は遅まきながら世界的流行を意味する「パンデミック」と認定。中国、アジアから、欧米へ感染が広がってきた。

 ●3月24日

 今夏に開催する予定の「東京2020オリンピック・パラリンピック大会」は、海外からも中止や延期を求める声が上がり、24日国際オリンピック委員会(IOC)と東京2020組織委員会は、大会の1年延期を発表した。大会の中止はこれまで5回ほどあったそうだが、大会の延期は史上初めて。

 ●3月27日

 東京や神奈川、埼玉、千葉の1都3県で、週末の「外出自粛」要請が出た。デパートや娯楽施設などでは3月28日(土)、29日(日)を臨時休業や時間短縮する所が出てきた。

 ●3月29日

 お笑いタレントの志村けん(70歳)が亡くなった。19日に発熱と呼吸困難になるなど容体が悪くなった。20日重度の肺炎と診断され、都内の病院に入院。21日には更に呼吸状態が悪化して、人工呼吸器を装着。23日には、新型コロナウイルスの検査で「陽性」であることが判明。24日には転院して人工心肺を使用し治療が続いていた。入院から10日も経たずに死亡するという、この感染症の怖さを日本中に伝えた。

 ●4月3日

 3日午後6時(日本時間)の時点での世界の感染者数は、100万人を突破、死者は約5万人。感染者数は中国の8万2千人を抜き、1位米国24万5千人、2位イタリア11万5千人、3位スペイン11万2千人、4位ドイツ8万4千人。中国は5位となり、以下フランス、イラン、英国・・・と続く。欧米各国では、”医療崩壊”の危機に直面している。更に中南米やアフリカなど医療体制が貧弱な国で、感染者が増加し始めた。

 この日の1日で、国内感染者数は300人を越え333人。国内累計で3,828人。

 ●4月4日

 政府は緊急経済対策を発表。野党などは全世帯一律現金10万円支給という声も多かったが、新型コロナウイルスにより所得減少が生じている世帯に、30万円を支給する。現金を受け取るためには自ら新型コロナの影響で収入が減ったことを「自己申告」しなければならない。この日、東京都の1日の感染者が100人を超え、118人。

 ●4月5日

 東京都のこの日の感染者が143人となり累計1,033人。都道府県で初めて1,000人を超す。同日の死者累計は104人。2月13日に国内初の死亡から約2カ月で、死者が100人を超えた。 国内感染者数累計は、4,568人。 
   
 ●4月7日

 7日夕方、安倍首相は新型コロナウイルス対応の「特別措置法」により「緊急事態宣言」を発令。テレビ各局は予定していた番組を中止して、生放送の特番で首相の記者会見を中継した。宣言の対象地域は、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。期間は、大型連休が終わる5月6日迄。

 外国のような都市封鎖(ロックダウン)はせず、病院、公共交通機関、スーパーなどの生活インフラを除き、休業や時間短縮、テレワークや外出自粛を要請。学校も臨時休校、人と人との接触を7~8割削減するという。また、108兆円規模の緊急経済対策を行うという。この日、国内感染者数累計は5,000人を超え、5,152人。

 ●4月8日

 中国武漢市では1月23日から続いていた厳しい都市封鎖を77日ぶりに解除。武漢市に閉じ込められた人々の移動が始まった。 

 ●4月9日

 9日、国内感染者562人が新たに確認、累計は6,000人を超えて6,255人。「緊急事態宣言」が出た7都府県のうち、東京の181人をはじめ、大阪92人、兵庫38人、埼玉35人と、1日当たりの最多感染者数を更新した。

 この日、東京ディズニーリゾートは政府・自治体からの要請を踏まえ、臨時休園期間を更に再延長することを決定、再開については5月中旬に判断する発表した。当初、2月29日~3月15日に臨時休園したが、再延長を繰り返し直近の再開日は4月20日以降としていた。

 ●4月11日

 世界の死者は10万人を超えたという。最も多いのがイタリアと米国でそれぞれ約1万9千人、スペイン約1万6千人、フランス約1万3千人が続く。WHOは、致死率はインフルエンザの10倍ほどと推定、危険性を訴えた。

 WHO本部 出典:クリエイティブ・コモンズ WHO HQ main building, Geneva, from North.JPG(by Thorkild Tylleskar)

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 東京都内は休業要請などで人通りは少なくなっているが、11日の感染者数は197人と4日連続で最多を更新、累計では1,902人で2,000人を超す勢い。感染源が不明な人が8割と増加しているのも問題。国内感染者数累計は7,591人。

 (備考)以上、国内感染者累計には、クルーズ船、チャーター便、空港など検疫で判明した人を含む。

 

 ★ ★ ★
 
 経済活動への打撃は深刻で、世界の景気は落ち込み、株価は急落。3月20日のNYダウ平均株価は19,173ドル。週間下落率は17%超、リーマン・ショック直後の2008年10月以来の大きな下げを記録した。3月19日の東京市場の日経平均株価も、2016年11月以来3年4ヶ月ぶりの安値となる16,552円まで下落。現在少しずつ株価は回復しつつあるが、これが大底なのか、今後更に2番底や3番底があるのか、見通しは立たない。中小企業では、派遣の雇い止め、従業員の解雇、倒産寸前の所も出ている。

 2008年のリーマン・ショック級の金融危機を越えそうだ、世界大恐慌になりはしないかという話も出ている。いや、この新型コロナウイルス感染拡大は、第三次世界大戦にも匹敵すという人もいる。

 田原総一朗は、4月17日の「週刊朝日」に、

 「第三次世界大戦」が起こるとすれば、おそらく核戦争だろうと考えてきたのだが、新型コロナウイルス感染者の世界的拡大は、これこそ人類の文明の脆弱さが露呈した、「第三次世界大戦」ではないのか。

 と書いている。

 100年前の「スペイン風邪」と、「第一次世界大戦」、「第二次世界大戦」の死者数を調べてみた。

 世界各国で極めて多くの死者を出した「スペイン風邪」は、インフルエンザによるパンデミックであった。1918年1月から1920年12月までに、日本を含む世界中で5億人、当時の世界人口の4分の1程度が感染したという。死者数は1,700万人~5,000万人と推計、1億人に達したという説もあるなど、人類史上最悪の感染症の一つであった。

 病棟で治療を受けるスペイン風邪に罹患した陸軍基地(カンザス州)の兵士 出典:ウィキメディア・コモンズ Emergency hospital during influenza epidemic (NCP 1603), National Museum of Health and Medicine.

Emergency_hospital_during_influenza_epid

 当時、欧州では「第一次世界大戦」の真っ最中だったが、戦死者数は確認できるだけで軍属約1,000万人、民間人約700万人、あわせ1,700万人。しかし戦争を起因とする疾病や飢餓や未確認の行方不明者をあわせ総計約2,500万人、また約3,700万人という推計もある。

 1939年から6年間続いた「第二次世界大戦」は、軍属の死者約3,800~5,500万人、民間人約2,200~2,500万人、総計の死者数は5,000万〜8,000万人。これらには、戦争の影響による飢饉や病気の犠牲者も含まれる。当時の世界の人口の2.5%以上が、犠牲者となったという。

 近代兵器を投入した数年間にわたるこの2つの近代戦争の死者数よりも、2年間ほど続いた「スペイン風邪」の死者数がいかに多かったかが分かる。

 

 京都大学名誉教授の佐伯啓思(けいし)氏(ケインズ経済学、文明論の研究など)の3月31日朝日新聞朝刊の「異論のススメ スペシャル」の蘭で、次のように述べている。

 このコロナウイルス騒動は、見事に現代文明の脆弱さをあらわにしてしまったように見える。現代文明は、次の三つの柱をもっている。第一にグローバル資本主義、第二にデモクラシーの政治制度、第三に情報技術の展開である。このパンデミックを引き起こしたものは、冷戦以降のグローバリズムである。世界的な市場競争が企業の海外進出を促し、また、EUのように、自由と民主主義の理念によって移民を受け入れ、広範な人口移動をもたらした。そこへ世界的な観光ブームである。

 そして、グローバル経済のひとつの中心が中国であった。中国が世界の工場になり、各国は中国の市場をあてにして自国経済を成長させようとした。世界中が中国頼みになったのであり、この各国の戦略が、中国発のウイルスによって逆襲されたわけである。

 高度な文明が進んでいる21世紀になっても、目に見えないほどの小さいウイルスの恐怖におののく人類は、かくも脆(もろ)いのだと改めて思い直す。昔であれば、中国の一部地域の風土病で終わったであろう。中国の情報公開の遅れ、情報隠しの不透明さ、渡航制限の遅れなど、習政権と中国を忖度するWHOテドロス・アダムス事務局長に、トランプ米大統領をはじめ世界が怒っている。我々は、あまりにも中国という一国に頼りすぎた世界経済を、これからのグローバリズムはどうあるべきかを、考え直すべきではないだろうか。

 

 
 3月に続いて筆者が参加する4月、5月の行事やイベント、会合、展示会などの全てが中止され、1ヶ月近く外出を自粛している。予定していたブログ記事が、中止で書けなくなくなったのは、以下の通り。

 ●4月6日 秩父・羊山公園の芝桜と美の山の桜

 ●4月20日 渡良瀬渓谷の桜、足尾銅山と桐生の町並み

 ●5月9日~11日 加賀百万石の城下町・金沢探訪

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