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2019年12月14日 (土)

比企・奥武蔵の紅葉スポット

 2019年12月6日(金)、埼玉県の比企、奥武蔵地域の紅葉スポットを巡る。
 

●岩殿観音正法寺(東松山市)10:00~10:40
  
 正法寺は、真言宗智山派の寺院。山号は巌殿山(いわどのさん)。坂東三十三箇所の十番札所で、「岩殿観音」の通称で知られる。
 
 寺伝によれば718年(養老2年)、 沙門逸海が岩殿山の岩窟に千手観音を安置して開山。鎌倉時代に源頼朝の命で比企能員が復興。頼朝の妻・北条政子の守り本尊と伝わる。能員が北条時政のために自害をせまられて死去すると、その嫡子時員は追手を逃れて出家し、この寺を守ったという。1591年(天正19年)に、徳川家康から寺領25石の朱印地を与えられる。

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 境内の大銀杏の黄葉まだこれから。

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 樹齢700年を超える大銀杏は、市指定文化財天然記念物。

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 大銀杏は周囲は11mあり、埼玉県内でも最大級の大きさ。江戸時代には「養老木」と呼ばれ、安産・子育守護の対象として信仰された。

 境内の周りの石崖には、四国八十八ヶ所の写本石仏が安置。四国八十八ヶ所を参拝したのと同じ御利益が得られるのだそうだ。

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 観音堂は、寛永・天明・明治と3度の火災に見まわれ、現在の観音堂は明治12年に高麗村(現在の飯能市)の長念寺から移築されたもの。

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 観音堂の本尊である千手観音菩薩座像(室町時代の作とされる)は秘仏のため、厨子の扉は閉ざされ、普段は脇に控えた写本尊を拝む。午年に御開帳があるという。 

 参道からの石段の途中にある「巌殿山」の額を掲げた仁王門。右手に本堂があり、長い石段の先に観音堂がある。ガラスの中の仁王像は、運慶作とされたが江戸時代に焼失し、文化年間に再建されたもの。

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 物見山(標高135m)の山腹の急傾斜地を切り崩したような場所にあり、山寺の雰囲気が漂う。仁王門から延びる表参道の両脇には家が建ち並んでおり、かつての門前町の面影を残す。現在、寺の裏手には県道212号線が通っているため、正法寺への参拝者も表参道よりも、この県道から観音堂へ来る人がほとんど。

 

●東郷公園秩父御嶽神社(飯能市)11:50~12:45
 
 公園や境内の美しいモミジやカエデは、埼玉県でも有数の紅葉の名所。 

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 11月15日~30日が「もみじまつり」。期間中の入山料100円、駐車場500円。前夜祭11月23日(祝)、本祭は24日(日)に行われたようだ。

 「もみじまつり」が終わり、カエデやモミジの紅葉は盛りを過ぎている。

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 秩父郡坂石(現:飯能市坂石)の百姓庄吉の長男の鴨下清八は、久保新衛門、井上頼圀に師事して国学を修め、17歳のとき母の危篤で木曽御嶽の信徒となって修行。母が平癒したため、その神徳を深く信じた。

 清八は、1894年(明治27年)に「秩父御嶽(おんたけ)神社」を創建。信州木曾御嶽山を本山と仰ぎ、その分霊を祀る御嶽信仰の神社。生涯を賭して、東郷公園として整備した。

 公園の名前となった東郷元帥の銅像が建つ。

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 清八は日露戦争後、東郷平八郎元帥の精神を普及させようと銅像の建立を発案し募金を行い、何度も元帥の自宅を訪れ銅像建立の許可を求めた。当時は、元帥の徳を慕い銅像建立の許しを願う者が後を絶たなかったが、元帥は断じてこれを許すことはなかった。清八は、元帥と親交のある陸軍予備役・堀内文次郎中将を通して説得。ついに元帥の銅像が完成、1925年(大正14年)4月17日の除幕式には東郷元帥のご臨席を仰ぎ、堀内中将、衆議院議長、海軍幹部らが参列した。 

 秩父御嶽神社の境内は1万5千坪、 東郷元帥像が建てられてからは「東郷公園」と呼ばれている。公園内にはほかに、乃木希典陸軍大将銅像、日露戦争の遺物(ロシア製大砲、戦艦三笠被弾甲板)、海軍省から下賜された記念品、乃木神社、東郷神社が点在する。 

 東郷元帥が乗っていた戦艦「三笠」のロシア戦艦から攻撃を受けた被弾甲板。

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 公園内は迷路のような坂道、やっと秩父御嶽神社への長い石段をみつける。

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 この石段を登るには、相当な覚悟は必要。 紅葉も終わっているし、右手の坂道を上り、急階段を登ると秩父御嶽神社の「祈祷殿」。

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 この辺りには、洋風の別荘のような「至誠館」、小さな祠の「乃木神社」、日本海海戦の古びた絵が掲げてある殺風景な「東郷神社」がある。

 ともかく、山自体が公園(境内)、参道は急な坂道、石段が続き、体力勝負。公園内に植えられたモミジやカエデは、春の新緑時期(4月上旬)、秋の紅葉時期(11月中旬)には、多くの参拝客が訪れるという。

 飯能の市街地へ下りて、「ガスト飯能店」にて昼食。 




●天覧山能仁寺(飯能市)14:25~15:20

 仁王像が建つ山門から境内に続く参道のモミジ・カエデの紅葉は、ここでも盛りが過ぎている。
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 天覧山(標高197m)の南麓に建つ「能仁寺」の創建は、室町時代中期。飯能地方の領主・中山家と黒田家の菩提寺となり、江戸時代には将軍家の庇護のもと栄華をきわめたという。1868年(慶応4年)の「飯能戦争」の本陣となり建物と多くの宝物や古文書が焼失している。
 
 1936年(昭和11年)に本堂が再建、1976年(昭和51)年から復興を続け、現在では山門、位牌堂、大書院、鐘楼、大庫院が完成している。

 山門からの石灯籠が並ぶ砂利道の参道は風情があり、秋の紅葉の頃は撮影スポットで有名だそうだが、すでに葉は枯れていて残念。広大な境内は、手入れが良くゆきとどいている。本堂の北庭には桃山時代(1573~1615)の造園とされ、市の指定文化財の日本名園百選の「池泉鑑賞式逢庭園」(本堂拝観料300円)があるそうだ。

 能仁寺の本堂。
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●武蔵丘陵森林公園(滑川町)16:45~18:00

 12月1日(日)で「紅葉見ナイト」は終わり、6日(金)から「スターライト・イルミネーション」が始まる。

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●追記

 1週間前(11月29日)の武蔵丘陵森林公園の「紅葉見ナイト」

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