初夏の赤城自然園
2019年6月13日(金)、群馬県渋川市の「赤城自然園」に行く。
「赤城自然園」は赤城山の西麓、標高600~700mにある。「人間と自然との共生」の実現を目指し、四季を織りなす美しい自然を感じることができる森。約120ヘクタール(約36万坪)、一般開園エリア約60ヘクタール(約18万坪)。運営は、株式会社クレディセゾン。
国道17号線のバイパスである熊谷バイパス、深谷バイパス、上武道路を北上、前橋市を経て渋川市へ。
森の中に木造の建物が、公園の出入口の「総合案内所」。
10:20、「赤城自然園」に入園。
「総合案内所」の向かいにある「展示棟」。
園内案内図(図をクリックすると拡大表示します)。
入口からゆるい坂の遊歩道の途中にある「シャクナゲ園」、わずかに咲いていたシャクナゲ(石楠花、ツツジ科)の花。
「シャクナゲ園」にある池の周りのシャクナゲの花は、終わっている。
サクラマンテン(桜マンテン、ナデシコ科)は、桜マンテマ、桜マンテなどいろいろ呼び名があるようだ。
咲いているツツジ(躑躅、ツツジ科)も少ない。シャクナゲとツツジの花の季節は終わっている。
ミヤコワスレ(都忘れ、キク科)。
ミヤマヨメナ(深山嫁菜)はキク科、春に開花する野菊の一つで、ミヤコワスレは本種の園芸品種だそうだ。
リュウノウギク(キク科)。
日差しは強いが、新緑の木陰は涼しくて気持良い。遊歩道には、樹皮を粉砕したパークチップを敷いてあって、足元が心地よく歩き易い。
「ナナフシ橋」を渡ると、左手に東屋(あずまや)がある。12:00頃、東屋のベンチに腰掛け、持参した弁当でランチ。
東屋付近の マムシグサ(サトイモ科)。茎に紫褐色のまだら模様があり、この模様がマムシに似ているという。
東屋付近の エビネ(海老根、ラン科)。根が海老に似ているそうだ。
測量の基点となる標高675mの三等「三角点」。「丸塚」と呼ばれる場所。
「昆虫広場」(休憩広場)には、昆虫のトラップや蜂の巣の標本がある。
カブトムシが好きなコナラ(小楢、ブナ科)やクヌギ(椚、ブナ科)の「カブトムシの森」。
森の中の湧水の泉、神秘的な「ミズスマシの池」。アメンボが時々水面に輪を作る。
ミズスマシは甲虫目ミズスマシ科の昆虫、池の水面をくるくる回って泳ぎ、長卵形でゲンゴロウの形をしていて黒褐色。一方、アメンボは、半翅(はんし)目アメンボ科の昆虫、池の水面を6本の足だけで浮いて滑走する。関西ではアメンボをミズスマシと呼ぶことがあり、古語のミズスマシはアメンボのことを指すこともある。ミズスマシとアメンボは、混同し易い。
木の枝にモリアオガエル(森青蛙、アオガエル科)が産み付けた卵塊。あちこちの池の上にせり出した木の枝で見かける。
夏から秋にかけてトンボがたくさん飛ぶという「トンボの池」。
「昆虫館」では、昆虫の標本を展示。建物の前には休憩所がある。
4月の最盛期には、カタクリ(片栗、ユリ科)が一面に咲くという「カタクリの林」。
季節は初夏、この日も夏日。予想通り咲いている花は少なかったが、山麓の森は涼しく、森の癒しを体感した。
14:40、公園を退出。
★ ★ ★
「赤城自然園」には、初めて行った。入園料は、大人(高校生以上)1,000円、但しセゾン・UCカードの提示すると500円でお得。こども(中学生以下)は無料。駐車場(400台)は無料。
開園時間は、9:00~16:30(入園は15:30迄)。4月~11月は、火曜定休。火曜が祝・休日の場合は、開園し翌日休み。5月は無休。12月~3月は、毎週土・日曜のみ開園(年末年始除く)。
園内をざっと1周すると、2時間程度だそうだ。今回は花をじっくり観察していたので、全部は回れなかった。レストランなどの飲食設備はないので、弁当を持参すること。無料のガイドツアーが、毎日10時と13時の2回開催されているという。
「赤城自然園」は、公共の公園ではなさそうだと思っていたが、調べてみると運営は、「株式会社クレディセゾン」。「次世代を担うこども達に、豊かな自然を引き継ぐ」ため、企業の社会貢献活動のひとつとして「赤城自然園」を2010年から運営している。
1980年代に西武セゾングループの堤清二氏が主導となって、「人間と自然との共生」を目的として開発された森。子ども達が、デパートの屋上でカブトムシやオタマジャクシを初めて目にする姿に、氏がショックを受けたことが開発のきっかけのひとつとも言われている。
「花を育てるのではなく、環境を整えることで植物が育つ手助けをする」。総合自然観察園を目指し、およそ30年の歳月をかけてマツやスギの雑木林の植生を入れ替え、環境を整備し続けて植物が生き生きと育ち昆虫や小動物が 棲みやすい環境づくりを続け、豊富な樹木や花々が生きる豊かで自然に近い森に再生したそうだ。
「多くの子どもたちが自然に触れ、感性を育むことで豊かな社会にしていきたい」という思いに賛同する様々な個人、企業、団体からのサポートを受けて、運営しているという。オフィシャルスポンサーとして、30社ほどの企業がリストアップされている。
ほとんどのカエルは水中に産卵するが、モリアオガエルは水面上の枝や草の上などに卵塊を産みつける。繁殖期になると、まずオスが産卵場所に集まり、鳴きながらメスを待つ。メスが産卵場所にやってくると、オスが背中にしがみつき産卵行動が始まる。受精と同時に粘液が分泌され、オス・メスが足でかき回し、300~800個の受精卵を含んだ直径10~15 cmほどの白い泡の塊を作る。卵塊の形成が進むに連れ、1匹のメスに数匹のオスが群がる場合が多いという。
1週間ほど経って、卵が孵化する。孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れるとともに下の水面へ次々と落下する。イモリは、その真下で待ちかまえていて、落ちてくる幼生をパクパク食べるのだそうだ。
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