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2018年6月10日 (日)

映画「家族はつらいよⅢ」

  2018年6月1日(金)、映画『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』を観る。

 山田洋次監督の『男はつらいよ』シリーズから20年の時を経て、『家族はつらいよ』シリーズの三作目。一作目は「熟年離婚」、二作目は「無縁社会」に続き、今回のテーマは「主婦への讃歌」。

 両親と同居する長男の妻は、家事に疲れた上に、亭主関白の夫になじられて溜まっていた不満が爆発、家出したことから平田一家に思わぬ騒動が起こる。平田家の人びとが直面する大騒動をユーモアにたっぷりに描いた喜劇映画。2018年5月25日公開。

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 橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優といった、『東京家族』(2013年)と『家族はつらいよ』前2作とおなじみのキャストが顔を揃える。

 平田家の長男の妻・史枝(夏川結衣)は、育ち盛りの2人の子供や舅姑の面倒、忙しい家事の毎日。家計をやりくりしコツコツ貯めていたへそくりが、ある日の昼下がり、盗まれてしまった。史枝が家事の合間につい居眠りをしてしまい、泥棒に入られたのだ。

 史枝が落胆する一方で、妻の身を案じるわけでもなく「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と心ない言葉をあびせた商社マンの夫・幸之助(西村まさ彦)。史枝は我慢の限界に達し、ついに家を飛び出す。

 掃除、洗濯、朝昼晩の食事の準備など、これまで主婦として史枝がこなしてきた家事をやる人がいなくなり、平田家は大混乱におちいる。運悪く腰痛で寝込んだ母親・富子(吉行和子)に代わって、父親・周造(橋爪功)が慣れない家事をやる羽目になるが、四苦八苦するばかりでうまくいかない。

 家族は、実家に帰ってしまった史枝のありがたみを実感するが、平田家に戻ってくる気配はない。家族崩壊の危機に面して、家族会議を召集する。父親似の頑固な幸之助は、史江を迎えに行くのか、迎えに行っても史江は戻って来るのか・・・。

 映画の1シーン。『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』のパンフから転載。

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 平田家には他に、長女で税理士・金井成子(中嶋朋子)、成子の夫で妻の事務所の雑務担当の泰蔵(林家正蔵)。次男で ピアノ調律師・平田庄太(妻夫木聡)、その妻で看護師の憲子(蒼井優)。 

 ★ ★ ★

 どこにもある家族の問題、亭主関白の夫は働き盛りで忙しくて、家庭のことは妻に任せきり。妻は家事を一手に引き受け、子供や義父母の世話もある。それに給料の管理は夫がやって、その中から必要なお金だけ妻に渡している(こういう例は少ないと思うが・・・)から、妻はお金を自由に使えない。

 憲子が、「お義姉さんを見てるとはいつも感心するの。片時もじっといていたことがないでしょ」と言って尊敬する。史枝のように甲斐甲斐しく働く姿は、性格にもよるかもしれないが、主婦によく見られる自然な風景なのだ。

 史枝には、やりたいことがあった。自分も働いてみたい。習い事をしたい。しかし自由に使えるお金や時間がない。若い時にやっていたフラメンコ教室に行ってみたい。激しい踊りは、主婦のストレスを晴らすには、ちょうど良さそうだ。夢の中で史枝が踊るシーンを夏川結衣が演じる。強烈な色彩の光と切れの良いギターの音色の中で、真っ赤な衣装をまとって激しく踊る。相当練習したのだろう、セクシーでとても素晴らしかった。

 夫の幸之助は仕事中心で、妻の史枝の家庭での仕事や気持ちに思いやり、理解を示さない。「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」という罵声は、寅さん的には「それを言っちゃー、お終えよ(おしめえよ)!」ということだ。夫婦の間で、言ってはならぬ限度がある。

 子供が父親のせいで母親が家出したことを察し、もし両親が離婚したらと心配する。「離婚したらお母さんの方に行く。」という孫の言葉に、祖母の富子は心が痛む。富子は、嫁の史枝の家出に女として同情しながらも、息子の幸之助が「可愛そう」と涙ぐむのだ。これが実の母親の本音なのだろう。

 映画の1シーン。『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』のパンフから転載。

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 山田監督が尊敬する小津安次郎監督の映画『東京物語』(1953年)では、笠智衆と東山千栄子が夫婦役だった。黒柳徹子が今回の映画に寄せて、「笠さんは40代後半、東山さんが60代前半で、それで着物姿でお座りになっているだけで、”おじいさん”と”おばあさん”という雰囲気がありました。今の映画の橋爪さんや吉行さんよりも、ずーっと歳下だったのですよ。」と語っている。実際に、橋爪は1941年生まれの70代後半、吉行は1935年生まれの80代前半。65年前にくらべて今の時代の”おじいさん”と”おばあさん”というのは、20歳以上若くなっているということか。現在の高齢者は、ひと昔よりも元気なのだ。

 山田監督の作品は、真面目な社会問題を取上げている。今回も、夫婦の問題、認知症や介護、有料老人ホーム、子供の教育費、非正規社員やフリーター、空き家問題、夫婦別墓、相続の争い・・・・。こういう問題をコメディにしているが、考えさせられる。そして、映画を観終わっていつも温かい気持ちにさせてくれる。

 映画の終盤で、次男の庄太(妻夫木聡)は、妻・憲子(蒼井優)から嬉しい知らせを聞く。この話はきっと次回へにつながるのだろうか。どんなテーマになるのだろうか、四作目も楽しみになって来る。
 

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昨年、葛飾柴又歩きをして寅さん記念館や山田洋次ミュージアムを楽しんできました。

>>ローリングウエスト様
柴又には行ったことがありません。ぜひいつかは、「寅さん記念館」や「山田洋次ミュージアム」を見たいと思っています。

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