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2018年3月26日 (月)

映画「北の桜守」

 2018年3月24日(土)、吉永小百合主演の映画『北の桜守』を観る。
 

 『北の桜守』は、2018年3月10日から全国東映系で公開された。戦前、樺太で幸せな生活を送っていた家族が、ソ連軍の侵攻で追われて、北海道へ逃げて来た。戦後、北の大地で過酷な自然と時代の荒波を懸命に生きた母と子が、長年にわたる別離を経て、失われた家族の記憶を巡る旅に出る。

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 映画『北の桜守』は、2005年の『北の零年』、2012年『北のカナリアたち』に続く吉永小百合主演の雄大な北海道を舞台にした人間ドラマ「北の三部作」の三作目・最終章。吉永小百合は、本作が120本目の映画出演作となるそうだ。今年2018年は、北海道命名150年を迎える。

 監督は、日本アカデミー賞と米国アカデミー賞を受賞した『おくりびと』(2008年、本木雅弘主演)の滝田洋二郎。この映画で納棺師という職業を初めて知ったが、本木雅弘が好演。

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 脚本は、多くの映画やテレビで脚本を手掛けている那須真知子。『北の零年』、『北のカナリアたち』も彼女の脚本。原作があるのは『北のカナリアたち』だけで、二つの作品には原作は見当たらない。
 

 ★ ★ ★

 太平洋戦争末期を迎えた1945年。日本領土だった南樺太で大きな製材所を営み、幸せに暮らしていた江連徳次郎(阿部寛)の家族。庭に一輪の桜が咲いた。徳次郎が本土から持ってきた種を妻・てつ(吉永小百合)が育て上げ、やっと咲いたその花は家族にとって希望の花だった。「満月の日、満開となる桜を、家族4人そろって見よう」と。

 しかし終戦直前、ソ連軍が突然南樺太に侵攻、出征する徳次郎と別れ、追われるようにてつと息子2人は、北海道の網走へと命からがら逃げる。そんな親子は戦後、厳しい自然環境や飢えに苦しむ貧困と戦いながら、食うためにヤミ米屋の菅原(佐藤浩市)の仕事を手伝い、夫の友人・山岡(岸部一徳)の助けを借りながら、懸命に生き抜く。

 そして、時は過ぎて札幌オリンピックを翌年に控えた1971年。母と離れてアメリカで暮らし、ビジネスに成功した次男の修二郎(堺雅人)が、日本初出店のホットドック店の日本社長として帰国。そして、15年ぶりに網走を訪れた。そこには兄の姿はなく、老いた母だけが、いまだ帰らぬ夫を待ち続けながら、あばら家でつつましく独り暮らしをしていた。

 てつを札幌に引取った修二郎夫婦は、面倒をみる。しかし都会の生活に馴染めず、徐々に不可解な行動が目立つようになる。年老いたてつは、あの戦争の傷を心に抱えたままだった。

 そんなある日、てつが突然姿を消す。日本初の出店に精を出す修二郎やその妻・真理(篠原涼子)に迷惑をかけたくないと思い、一人網走に戻ろうとしたのだ。だが、網走の家はすでに取り壊されていた。帰る場所を失ったてつのために、一緒に寄り添いたいと思う修二郎。二人は、北海道の大地で思い出を辿る旅に出る。北へ北へ、失われた記憶に向かって 二人は歩き続けた。やがてその旅路の果て、サハリン(樺太)を望む日本最北端の海辺で、親子が決して忘れられない衝撃の記憶が呼び戻されたのだった。
 

 
 吉永小百合は、さすが大女優。現在73歳とは思えないほど若々しく、昔の面影が残っていたのが印象的。終戦直前の30歳後半くらいの役柄には、全く違和感がない。しかし阿部寛と夫婦役というのは、実年齢の差がどことなく無理がある。阿部寛も名優だが、他に適当なはまり役はいなかったのだろうか。

 しかも映画の中に唐突に、たびたび舞台演劇のシーンを挟んでいるのはいただけない。心情や背景、ストーリーを分かり易くしているつもりだろうが、映画を観ているという雰囲気が壊された。、また細かい点は省略するが、修二郎がアメリカに行く理由、ホットドッグ店のビジネスのやり方、ヤミ米の運び屋になるストーリーなど、いくつかの点で不自然で稚拙な所があって気になる。

 笑福亭鶴瓶が居酒屋の親父として出てくるのは許せるが、堺雅人が母を探して回るシーンで、なぜ水商売風の高島礼子がチョイ役で出てくるのか。アメリカ育ちで日本の習慣に馴染めないという真理役の篠原涼子の所作も大げさで、どことなく無理がある。しかし、母子の隙間に入り込めない嫁の気持ちは、よく伝わってくる。

 沖縄のように民間人が戦闘に巻き込まれたり、地上戦が行われたり、過酷な引き揚げが行われた南樺太の歴史を、この映画で改めて知る。冬の厳しい積雪、吹雪、流氷、雄大な北海道の大地や大自然は、見どころ。冬のロケでは、キャストやスタッフは大変だったろう。

 ラストシーンで、小椋佳の作詞・作曲による主題歌「花、闌(たけなわ)の時」を、吉永小百合が舞台で豪華キャストたちと一緒に歌うのは良かった。

 

 ★ ★ ★

 1作目の『北の零年』、2作目『北のカナリアたち』は観ていない。ポスターと簡単なあらすじを掲載する。

 2005年公開の『北の零年』。

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 明治3年に実際に起こった「庚午事変」に絡む明治政府の処分を元にした物語。徳島藩の淡路島で暮らしていた稲田家と家臣たちは、政府より北海道移住を命じられる。北海道で厳しい大自然と闘う家臣たち、家臣の妻・志乃(吉永小百合)と娘・多恵の苦難の開拓と過酷な運命が展開される。

 2012年公開の『北のカナリアたち』。

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 北海道の離島の分校に赴任した教師・川島はる(吉永小百合)は、合唱を通じて6人の生徒を明るくし、島の人たちとの交流を深める。しかしある事故をきっかけに、はるは追われるように島を離れた。20年後、成人した教え子の1人が事件を起こしたことから、はるは北海道へ戻り、教え子1人1人と再会、そして意外な真実を知るサスペンス。

 湊かなえの短編集『往復書簡』(幻冬舎)の中の「二十年後の宿題」を原案として映画化されたそうだが、原作とはかなり違う作品になっているそうだ。

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コメント

この映画見たいです。この週末は暖かい春になり最高の日和でした。一挙に桜満開でお花見を楽しんだ方が多いでしょうね~!!かくいう小生も「キタ~の桜盛り」・・笑

吉永小百合の過去「北の××」は比較的やらせっぽいイメージがありましたが今回は見てみたい気がします。今年の桜は驚くほど早咲でしたが、その後安定した好天に恵まれ長く桜を楽しめました。普通は満開後に雨や花冷えがあるものですが非常に珍しい年でしたね。もう桜も終わり、これからは輝く新緑・目に鮮やかな青空・華やかな花が大いに楽しめる季節ですね!

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