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2017年10月 9日 (月)

地底探検ミュージアム「龍Q館」

 2017年10月3日(火)、埼玉県春日部市と越谷市をめぐる埼玉再発見ウォーク。

 埼玉県春日部市(旧庄和町)にある国土交通省「首都圏外郭放水路」の「庄和排水機場」には、地底探検ミュージアム「龍Q館(りゅうきゅうかん)」が併設されている。

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 「龍Q館」では、放水路の役割などをわかりやすく説明、また調圧水槽(地下神殿)の見学ができる。(下図は、国土交通省江戸川河川事務所のパンフから転載)

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 大宮駅から8:10発の柏行きの東武アーバンパークライン線(旧東武野田線)に乗車、8:39春日部市の南桜井駅に到着。

 ここは、春日部市と合併する前は庄和町であった。駅のホームには庄和商工会が、帽子、羽子板、五月人形、桐たんす、菓子類などの物産を展示している。

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 南桜井駅北口からウォーキング開始。約2.4Km、徒歩35分ほどの「龍Q館」に向かう。

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 南桜井団地みどり公園から狭い住宅街の道路を北東へ。西金野井団地を抜け国道16号線の西金野井交差点を横断する。

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 国道16号から200mばかり進むと、「香取神社」参道入口に平成14年(2002年)に建立された大鳥居。そばには、「神明社(大神宮)」の石碑と石祠、「招魂碑」の石碑も建つ。

 そのまま参道を進むと、神社境内入口の鳥居前には、富士山を模した「富士塚」らしき岩山、その上に古い石碑があるが字が薄れて読めない。あとで地図を調べるとこれはてっぺんに富士山の浅間神社を祀った「浅間塚」だそうだ。(写真は、Google Mapから転載。)

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 更にそのすぐ先には大ケヤキの切り株があって、その隣に「西金野井村 江戸みち」の壊れた道標があった。

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 西金野井の「香取神社」は、室町時代末期の建立とされ、埼玉県東部地区の有数の古社。この地は、かつては下総国葛飾郡の金野井村であって、その総鎮守であったという。

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 本殿は「檜皮葺(ひわだぶき)一間社(いっけんしゃ)流造(ながれづくり)」というヒノキ板の屋根がゆるやかな反りをもつのが特徴だそうだ。県指定有形文化財。経津主命(ふつぬしのみこと)と木花咲那姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀る。

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 上の写真は、本殿を保護するために覆う建物らしい。この中の本殿は、確認出来なかった。春日部市教育委員会サイトの写真を見ると、金箔や極彩色の装飾が施されている豪華な本殿。

 当神社に伝わる「西金野井の獅子舞」は、7月下旬の夏祭りに、悪魔払い、五穀豊穣や雨乞い祈願として演じられ、埼玉県無形文化財に指定されているそうだ。

 かつて広大な境内には鎮守の森の大杉があったが、第二次大戦で供出。参道の杉並木も江戸川改修で伐採。唯一残った樹齢600年の大ケヤキも、昭和61年(1986年)に枯死して、当時の面影はないという。

 右手に堤防がある。堤防に上がると、そこは江戸川が見え、その川向うは千葉県(野田市)。

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 「庄和排水機場」が見えて来た。

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 「首都圏外郭放水路」は、首都圏の河川(中川・綾瀬川流域)の洪水を防止するため、あふれた水を地下に取り込み、6.3Kmもある巨大なトンネルを通して、江戸川に流す地下放水路。世界一の規模を誇る。

 その放水路の「庄和排水機場」には、地底探検ミュージアム「龍Q館」が併設されていて、地下の「水路」の見学は予約が必要だが、「龍Q館」は自由に見学ができる。

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 「龍Q館」の「龍」は旧庄和町に伝わる「火伏の龍」の伝説から、「Q」はAQUA(水)からちなんだもので、2003年(平成15年)のオープン時に公募した。

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 入館すると、1Fロビーに市民ギャラリー。上部には、名物の大凧や画家・寺門孝之氏と子ども達の手によって描かれた「スーパードラゴン」の作品が展示。

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 2Fは、放水路の資料や模型の展示室、施設見学の受付・集合場所となっている。

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 幹事があらかじめ数人のグループで予約してあって、10時から見学開始。

 首都圏の河川を大型地図で説明の後、首都圏外郭放水路にどのように水がたまっていき、その水をどのように排出するのかを模型で説明。

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 国道16号線の地下50mには、調圧水槽につながる全長6.3Km、直径11m弱の巨大なトンネルと、いくつかの河川の水を取り入れる5つの立坑がある。

 ポンプ設備模型。 ここ庄和排水機場は地下トンネルから流入してきた洪水を調圧水槽から巨大ポンプをで江戸川へ排出する。巨大ポンプは航空機用に開発されたガスタービンで、ポンプ4台の排水能力は1秒間で200㎡(25mプール1杯分)。

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 中央操作室、ガラス越に見学。放水路のさまざまな施設をモニターテレビで写し出してコントロールする。ちなみに平時には、スタッフ1名が待機している。

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 いったん屋外に出て、約200mほど離れた第1立坑近くにある調圧水槽の地下入口へ向かう。

 向うに見えるのが龍Q館がある庄和排水機場、芝生はサッカー場の広さの多目的広場で、この地下にほぼ同じ広さの調圧水槽がある。

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 地下入口から166段の階段を下り、地下50mにある放水路の一部である巨大な調圧水槽に入る。

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 巨大な柱が59本もそびえ、「地下神殿」とも呼ばれる巨大な調圧水槽。

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 巨大な柱は、高さ18m、重量500トン。この調圧水槽が地下水の浮力で浮き上がるのを抑えているという。

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 調圧水槽に入って来た土砂を除去するブルドーザーを、地上から上げ下ろしするため調圧水槽の天井に穴がある。

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 調圧水槽につながる第1立坑。直径30m、深さ70mの円筒形。
 
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 第2~第5立坑は、国道16号線の地下にあるトンネルと繋がっている。

 朝からどんよりした曇り空だったが、「地下神殿」から地上に出ると秋晴れの良い天気。

 11:00「龍Q館」の見学を終了、11:15退館する。

 帰路は往路を戻り、南桜井駅に11:55着。

 11:57分発の東武アーバンパークライン(旧野田線)急行・大宮行きに乗車。12:04、春日部駅で下車。

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 春日部駅西口付近のレストランで昼食。午後から越谷へ。

 本ブログ記事「越谷散策」に続く。

 
 
 ★ ★ ★

 春日部市は、埼玉県東部に位置し、さいたま市、越谷市、千葉県野田市などと接する。人口は23万人で、草加市に次ぐ県内7位。2005年(平成17年)10月、庄和町と合併した。

 旧庄和町は、江戸川と中川に挟まれた埼玉県北葛飾郡の町。「大凧揚げ」が有名で、それにちなんだ博物館「大凧会館」(現在閉館)や菓子などの名物がある。

 江戸川河川敷では、毎年1月中旬の日曜に開催される「春日部新春凧あげ大会」と、毎年5月3日と5日に開催される「大凧あげ祭り」の会場になっている。縦15m・横11m(畳100畳)、重さ800Kg、百数十人の引手による大凧揚げは、江戸川の舟運で栄えた同地域の初節句を祝う祭りが由来。

 なお「大凧会館」は、2011年3月の東日本大震災による施設損壊により長期休館となったが、2014年4月に正式に閉館が決定、その後解体されて跡地は大凧公園となっている。また旧庄和町役場(現在は春日部市の庄和総合支所)は、地域住民に親しまれている庄和総合公園の中にある。

 この地域は、江戸時代までは下総国葛飾郡に属していた。1871年(明治4年)千葉県に属し、1875年(明治8年)埼玉県に転属したという経緯がある。
 

 本ブログの関連記事、東京都の「神田川・環状七号線地下調節池」について「都内をめぐる日帰り研修旅行」 2017年6月3日投稿 
 http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-bf6d.html
 

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