吉見さくら堤公園
2017年4月3日(月)と8日(土)、埼玉県比企郡吉見町の「吉見さくら堤公園」へ行く。
4月2日(日)、全国トップで東京の桜(ソメイヨシノ)が満開になったそうだ。平年より1日早く、昨年より2日遅い満開だという。しかし東京でも偏りがあって、場所によってはつぼみの所もあるという。
3日(月)、近郊の「さくら堤公園」へ行くが、やはり東京に比べて桜はさっぱりだった。まだ、2~3分咲きというところか。遠目には、枯れ木の並木でしかない。
わずかに開いた花を探して、撮ってみる。
わずかに開いた花を求めてミツバチがやって来た。
当然、花見客はほとんどいない静かな公園だった。
★ ★ ★
その後数日間暖かさが続いたせいか、あちこちで満開の便りを聞くようになった。
4月8日(土)の午後、雨が降りそうな曇り空だったが、再び「さくら堤公園」にいくと、前回と打って変わって満開の桜のトンネル。
この1..8kmほどの桜堤は遊歩道となっていて、桜のトンネルの中は、花見客で賑わっている。遊歩道は、サイクリングコースにもなっていて、時々サイクリストが通り抜けて行く。
菜の花を背景に、桜の花のクローズアップ。
★ ★ ★
桜の開花は、秋冬の寒さと春先の暖かさの寒暖差が大きいほど早まるそうだ。今年は、全国的に暖冬だった。開花前の時期に東京では、平年並みの暖かさが続いた。一方3月の気温が低かった九州・四国では、開花が1週間から特に大分・宮崎・鹿児島などは10日以上も遅れたらしい。
ここ「吉見さくら堤」公園は、昭和52~53年に当時の青年団が、ふるさと歩道の設置とともに約200本の桜の苗木を植栽した比較的新しい桜の名所。露店の出店やぼんぼり、夜桜鑑賞も無くて、すっきりした桜並木も珍しい。
この公園は、一般的な公園のように広場や遊具があるわけではなく、長さ約1.8kmの桜堤の公園。土手には菜の花、秋には一面彼岸花が咲く。堤の上には舗装された遊歩道が整備され、さいたま市の秋ヶ瀬公園と滑川町の武蔵丘陵森林公園とをつなぐ総延長46kmのサイクリングコースの一部となっている。
堤に沿って西側には「市野川」に注ぐ「文覚川」という小川があるが、堤の両側は水田地帯が広がっている。この堤は、何の為にあるのだろうか。
昔から荒川は、大雨に見舞われれば幾度となく氾濫を起こし、幾度もその流路を変え、その名前のとおり「荒ぶる川」であった。一方、それによって流域には肥沃な土地が広がり、その土地や集落を守るために様々な治水工事が重ねられてきた。
吉見町は東に「荒川」、北は荒川支流の「和田吉野川」、南には荒川支流の「市野川」と、三方を川に囲まれているため、たびたび洪水が起きた。
元和年間(1615~1625)、江戸幕府の関東郡代(かんとうぐんだい)・伊奈忠次(いなただつぐ、忠治という資料もある)によって、西の丘陵地を除く三方、吉見領を囲むように「吉見領囲堤(よしみりょうかこみてい)」と呼ばれる堤が築かれたのだ。
「さくら堤公園」の堤は、この「吉見領囲堤」の名残りだそうだ。
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