志賀高原の池めぐり
2016年10月16日(日)、志賀高原の池めぐりハイキング。
15日(土)、JR長野駅善光寺口前の長野第一ホテルに前泊。すぐ近くの駐車場に車を駐める。
16日(日)、5:30起床。7:00~ホテルでは信州そばといなり寿司2個というユニークな朝食。
7:10、自家用車で志賀高原に向け出発。
上信越道(須坂長野東IC~信州中野IC、330円)、県道29号、志賀中野有料道路(100円)を経て、国道292号へ。
うっかり目的地を通り過ぎて時間をロスしてしまい、予定より20分遅れの8:35「志賀高原総合会館98」に到着。
総合会館98は、1998年長野冬季オリンピックの年に開館した複合公共施設。世界的な音楽指揮者・小澤征爾氏の監修のもとで完成した音楽ホールがあり、またスポーツ合宿、学習合宿やシンポジウムなどにも利用されている。総合会館98の駐車場に車を駐める。
道を挟んで、旧ロープウェイ駅だった観光施設「志賀高原ゲートウェイステーション」( 山の駅)の前にバス停がある。すぐそばには、睡蓮が浮かぶ「蓮池」。向うの山々は、「鉢山」か「志賀山」か、確認できない。
この湖畔は、紅葉の美しいスポットだが、まだ時期が早いようだ。
湯田中温泉の駅前からやって来た渋峠行きの長野電鉄バスは、3分遅れで到着。8:40、何とか予定のバスにギリギリ間に合った。 硯川(ほたる温泉)バス停で、9:00下車(運賃400円)。ここは、標高1695m。
ここからは、前山サマーリフト(所要時間5分、片道400円)に乗る。
眼下には熊の湯・硯川のホテル群、正面には特徴のある尖った形の「笠ヶ岳」 (標高2075m)。
9:10、リフトを降りると、「前山」の山頂。標1810mの山頂は、風もあってか肌寒い。
遊歩道の両側に「前山湿原」が広がる。やがて浮島のある「渋池」へ。池周辺や浮島にはモウセンゴケが多く生育している。この標高でのハイマツは珍しく、氷河時代の名残とされえいる。池の向うは、志賀高原で二番目に高い「横手山」(標高2,305m)。
針葉樹林の森を進み、9:35分岐に着く。左は「志賀山」(標高2036m)と「裏志賀山」(2040m)の登山コース。分岐を右へ、直接「四十八池湿原」へ向かう。
森が突然開け、尾瀬ヶ原のような高層湿原の「四十八池湿原」が現れる。
9:55、湿原の前のベンチ付きの東屋に到着、10分ほど休憩。
湿原は、志賀山と火口 湖のある鉢山(標高2041m)に囲まれた標高1890mの所にあり、面積3.8ヘクタール。この中に60余りの池沼がある。向うに見える山が、志賀山と裏志賀山。春・夏には、ミズバショウ、ヒメシャクナゲ、ミズギク、ワタスゲなどの花が咲くが、この時期は草もみじ。
5分ほど歩くと、「志賀山神社」の額のある鳥居。志賀山の登山コースの出口。
眼下に「大沼池」が見えて来た。エメラルドグリーンの色の青さに息を飲む。この先は、きつい下り坂は長い。
山道が平坦になって、大沼池のレストハウスが見えて来た。
10:55、レストハウス「エメラルド大沼」着、ここは標高1730m。
大沼池は火山のせき止め湖で、 周囲5.5km。志賀高原で最も大きな湖。
火山性の強酸性池で、魚や水草は生息していない。畔で見ると、意外と透明度が高い。正面の山は志賀山。
20分後に出発、池の周囲に沿って歩く。大沼池はの色は、見る場所、角度や天候で微妙に変わる。
11:30、大沼池の出口「池尻」に到着。この池を農業用水の溜め池として使用しているのか、堤が築いてある。
「吉田桜山翁碑 大正十三年修築 八ヶ郷耕地整理組合」と読める大きな石碑が建つ。大沼池を下流の村々のために、1924年(大正13年)堤の修築に尽力されたのだろうか、詳細は不明。強酸性の水は、農業用水に使えるのだろうか、気になる。
この先は、林道となって緩やかに下る。大沼池入口バス停から、大沼池へに登って来る人達とすれ違う。
12:00、分岐あり。林道に沿って直進すると清水口バス停へ(約1.2Km、約20分)。右の小道は、「逆池」を経由して清水口バス停へ(約1.7Km、約30分)とある。
どちらにしても同じ場所に至るが、右手の山道の方が近道のようだ。「清水口バス停」がどこのことか分からなかったが、後で「大沼池入口バス停」と同じだと知る。全く紛らわしい道標だ。「逆池」を経由する山道を選ぶ。
狭くて急坂の山道をひたすら下る。道の左手に見えるはずの「逆池」がなかなか出て来ない。分岐から15分後、やっと道の谷側の樹間に大きな水たまりのような池が見えたが、これが「逆池」だったのだろうか。
分岐から20分後、更に清水口バス停へ(約0.2Km、約5分)と清水名水公園(約0.1Km、約2分)の分岐に出る。
とりあえず舗装された道路を歩いて、「清水口バス停」へ行って見る。このバス停は駐車場やトイレもあり、屋根付の「大沼池入口バス停」のことだった。次の蓮池行きへのバスは、この時間帯は本数が少なくて、次の出発まで1時間以上もある。
少しここでブラブラして時間つぶしをしていたが、清水公園へ行ってみることに。12:50、公園らしきところに「志賀高原清水公園、志賀の源水、標高一、五五〇メートル」の木柱が建っている。
公園といっても、道路沿いの斜面から清水が流れ、ベンチがあるだけの小さな公園。大きなポリタンクを持った地元の人だろうか、「水道水より美味しいので・・・」と言って、清水を汲んでいた。ここで休憩、昼食。
大沼池入口バス停に戻り、13:15発の蓮池行きの長野電鉄バスに乗車。総合会館98バス停には停車しないので、手前の蓮池バス停で下車(220円)。
ここからは総合会館98バス停までの300mほど歩き、13:25に着く。「志賀高原ゲートウェイステーション」( 山の駅)の前から見る蓮池は、朝見た景色とは違った顔をしていた。
総合会館98の駐車場から、13:45に車で出発。次の目的地・長野県白馬村のホテル五龍館へ向かう。
往路と逆順に、国道292号、志賀中野有料道路(100円)、県道29号、上信越道に信州中野IC入り長野ICで降りる(510円)。
長野市街を通り、西の方角へ国道19号、白馬長野有料道路(210円)、県道31号を経て、道の駅「おがわ」で休憩。更に県道33号を通って、15:55ホテル五龍館に到着。所要時間は休憩を入れて、約2時間10分だった。
★ ★ ★
志賀高原では、大沼池の古くからの「大蛇伝説」にちなんで、毎年8月下旬の3日間に渡り「大蛇祭り」が行われている。祭りのメイン会場は、蓮池と総合会館98周辺。大沼池の水神前で「入魂祭」、大蛇を小舟に乗せて湖上渡り、花火大会、お練り行列、大蛇のお嫁さんを選ぶ「ミス志賀高原コンテスト」など、各種イベントが行われるそうだ。
大蛇伝説とは、信濃中野(現在の中野市)を拠点とした戦国武将・高梨政盛の美しい娘・黒姫に恋した大沼池の大蛇が、小姓に化けて近づくが正体を知れてしまう。怒った大蛇は暴風雨で村に大洪水を起こす。悲しんだ黒姫は大沼池に身を投じ、大蛇を鎮めたという悲話。
そういえばNHK大河ドラマ『真田丸』に、後世の高梨家が登場する。真田家の重臣・高梨内記(配役:中原丈雄)は、昌幸(草刈正雄)の側近として真田家を支えて、高野山幽閉や大坂の陣にも従う。内記の娘・きり(長澤まさみ)は、信繁(堺雅人)の生涯のパートナー(史実では側室か?)。幼馴染時から大坂の陣まで、波乱の信繁の人生に寄り添う。
「志賀高原」は、「ユネスコエコパーク」(生物圏保存地域)に指定されている。ユネスコエコパークは、1976(昭和51)年から実施されている。地域の豊かな生態系や生物多様性を保全し、自然に学ぶと共に、文化的にも経済・社会的にも持続可能な発展を目指す取り組みである。
「世界自然遺産」が、自然地域を保護・保全するのが目的であるのに対し、「ユネスコエコパーク」は、生態系の保全と持続的な利活用の調和を目的としており、自然と人間社会の共生に重点が置かれているという。
現在、ユネスコエコパークの登録件数は世界120か国で669件(2016年3月現在)、日本の登録件数は、次の7件である。
志賀高原、白山、大台ケ原・大峯山、屋久島、綾、只見、南アルプス。
志賀高原エコパークは、1980年(昭和55年)に登録された。志賀山を中心とした大沼池や四十八池湿原を含む約1,000haは、長期的に保護を図っていくため「核心地域」と定め、それを囲むエリアを環境教育や学習、エコツーリズムなど自然環境の保全を優先しながら利用する「緩衝地域」としている。
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志賀高原池巡りは8年前に岩菅山・白砂山の登山に合わせて行きましたが本当に素晴しかったです!ここはまさに隠れた自然の楽園だと大感動でした。またこちらにも遊びに来られて下さいね~
投稿: ローリングウエスト | 2016年10月27日 (木) 05時40分
>ローリングウエストさま
志賀高原は、記憶に残らないほど昔に行ったことがあって、以前からもう一度行きたいと思っていました。今回実現できて、とても良かったです。ただ、秋の紅葉をもっと期待していたのですが、少し時期が早かったようです。
投稿: ものみ・ゆさん | 2016年10月31日 (月) 13時11分