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2016年9月 8日 (木)

立山-その3

 2016年8月27日(土)~29(月)の2泊3日の立山山行。本ブログ記事「立山―その2」のつづき。

 

 2日目の8月28日(日)8:35、雄山(おやま)に登頂。立山神社峰本社でお祓いを受けた後、9:20下山開始。

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 10:25、「一ノ越山荘」に到着。

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 登山中に見つけた高山植物。白い小さな花のイワツメクサ(岩爪草)は、登山道の所々で石の間に群生。紫色のイワギキョウ(岩桔梗)は、山頂の日当たりの良いところに花を横向きにして咲いていた。

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 「一ノ越山荘」からの室堂平へ。振り返ると、昨日は雨と霧で全く見えなかった山頂の雄山神社の社務所が良く見える。
 
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 11:30~11:55、立山室堂山荘前のベンチで、雄大な立山と「山崎カール」を眺めながら、山小屋弁当(700円)の昼食。おにぎりと思いきや、包装紙を開けると海老のてんぷら、唐揚げ、昆布の佃煮、ふりかけと御飯の弁当だった。質素な弁当だが、山の上では美味しい。

 室堂平の遊歩道を散策しながら、「みくりが池」に向かう。

 室堂平から東の方角の立山を見上げる、左端のピーク「富士ノ折立」(ふじのおりたて、標高2999m)、中央は「大汝山」(おおなんじやま、3015m)、右が「雄山」(3003m)。立山の前面は、氷河がえぐった跡の「山崎カール」。建物は、「立山室堂山荘」。

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 12:10、立山火山の火口湖「みくりが池」に到着。池の水は、修験者の神水とされていた。日本最高所の温泉宿である「みくりが池温泉」が、左手の畔にある。周辺には、「みどりが池」や「りんどう池」、「血の池」などの火口湖群が点在。

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 室堂平から北東の方角の立山連峰。左からやや雲がかかった「劔御前」(つるぎごぜん、標高2776.8m)、そのすぐ右が「別山乗越」(2792m)、次が「別山」(2880m)、中央の凹みにあるコブが「真砂乗越」(2750m)、その右手の斜面のピークが「真砂岳」(2861m)。更にその右には、写ってないが立山の主峰が連なる。

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 室堂平の高山植物。バラ科のワレモコウ(吾亦紅)とキク科のゴマナ(胡麻菜) 。

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 室堂ターミナルで、13:00発の立山高原バスに乗車。予定より1時間遅れで美女平へ。帰りも霧で、車窓からの「称名滝」(しょうみょうたき)は見えず。13:50、美女平からケーブルカーに乗るころは、山々の頂に霧が降りて来る。

 14:08発の富山地方鉄道・電鉄富山行き。晴れ渡った午前中と比べ、午後からは雲が多くなってきた。行きと同じく、千垣鉄橋を渡るとき列車は速度を落とすが、川の向こうの立山連峰は雲で見えなかった。

 15:12、電鉄富山駅に到着。コインロッカーから荷物取り出し、登山靴を履き替え。   

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 宿泊先の「呉羽ハイツ」の無料バスの発車時刻まで、JR富山駅周辺を散策。駅正面CiCビル5階にある観光と物産の施設「いきいきKAN」で時間をつぶす。

 16:30富山駅前発の無料バスに乗車、「呉羽ハイツ」に16:45に着く。

 「呉羽ハイツ」は、呉羽丘陵の城山の山頂近くの眺望の良い場所にある。宴会・研修・法要などにも利用され、大浴場や展望露天風呂のある多目的の宿。財団法人「富山勤労総合福祉センター」が運営。ガラス張りの展望風呂からは、富山市街、富山平野、富山湾、遥か能登半島を望める抜群の展望。写真を撮れなかったのが残念。

 18:30~夕食。下山を祝って乾杯、富山の郷土料理を味わう。23:45頃就寝。

 

 ★ ★ ★

 3日目の8月29日(月)、5:30起床。朝風呂、7:00~朝食バイキング。

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 8:40発の送迎バスで、9:00富山駅前着。不要な荷物を、富山駅南口のコインロッカーに預ける。今日も天気は良い。

 富山駅北口から「環水公園」までの両側の歩道は、とても広くよく整備されて綺麗。散策しながら「富岩(ふがん)水上ライン」の乗船場に向かう。

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 広々とした「環水公園」の運河に架かる公園のシンボル施設「天門橋」。

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 「富岩水上ライン」は、環水公園から岩瀬を結ぶ運河クルーズ。定期運航する県のソーラー船「sora」と「fugan」(ともに定員55名)、市の電気ボート「もみじ」(定員11名)がある。 ソーラー船は、太陽発電のエネルギーを充電し、電気モーターだけで推力を得るエコな船。船長の話では、電力を消費しないようにうまく操船するのだそうだ。

 10:10発の観光船「Sora」に乗船。運賃1,500円(10%割引券あり)は、帰りの路面電車ライトレールを含む。北前船で栄えた下流の岩瀬まで、女性ガイドさんの分かり易い説明を聞きながら運河クルーズを楽しむ。
   
 古くから商業が盛んであった岩瀬港は、富山城のある富山市中心部までは遠くて不便であった。「富岩運河」は、1930年(昭和5)に運河のほか区画整理、街路や公園の整備を同時に行う都市計画事業として着工。5年後完成。

 クルーズの最大の見どころは「中島閘門(こうもん)」。船が近づくと観音扉のゲートが開く。

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 上流のゲートが閉まり、閘室(こうしつ、前後を扉で仕切って船を収容するプール)の水がゆっくりと抜かれる。下流と水位が同じになると、下流のゲートが開き、船は閘室を出て行く。写真は、上流側のゲート。

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 「中島閘門」は、富岩運河の建設にあわせて、昭和9年(1934年)に造られた。 水位差を二対の扉で調節するパナマ運河方式。昭和の土木技術の粋を集めた構造物として全国で初めて、国指定重要文化財に指定された。

 閘室の水の排出、流入をポンプのような動力で行っていると思いきや、上流・下流の高低差を利用して給排水すると聞き、納得する。

 中島閘門を出てしばらくすると、やがて観光船は運河から富山港の海に出る。

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 11:10、岩瀬カナル会館前での乗船場で下船。カナル会館に立ち寄る。

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 11:25、岩瀬橋の上から立山連峰を望む。下船したソーラー船「sora」が、次の客を乗せて上流の環水公園に向かう。 

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 岩瀬橋を渡り、旧北国街道の大町通りを歩く。通りに面して馬場家や森家のほか北前船(きたまえぶね)の廻船問屋や海商の旧家が建ち並ぶ岩瀬の歴史的町並み。

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 北前船は、江戸時代から明治の頃まで、北海道から日本海を経て瀬戸内海の大阪までの航路で、米や昆布・ニシン、酒や塩を載せて往復した。地元では「バイ船」と呼ぶ。

 11:35~12:15、北前船の廻船問屋「森家」(国指定の重要文化財)に入館。

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 名調子のガイドの説明に耳を傾けながら、繁栄を極めた北前船廻船問屋「森家」を見学。森家の財力を示すように、全国から取り寄せた贅を尽くした建築材料と京から呼んだ宮大工の技巧を凝らした重厚な町屋(商家)で、1878(明治11)に建てられた。

 囲炉裏や吹き抜けのある風格のある部屋。畳に敷き方も面白い。右手に北前船の模型が展示されている。

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 奥の座敷で中庭の説明を聞く。

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 中庭の向うに鏝絵(こてえ)が描かれた土蔵がある。

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 こんな貴重な物を見て、解説を聞いて入場料100円とは安い。岩瀬の町屋の特徴に、竹を使ったスダレ「簾虫篭(スムシコ)」がある。中から外が見えて、外からは中が見えないのだそうだ。また、黒塀と見越しの松の家が目立った。

 森家を出て通りを150mほど南に歩き、銘酒「満寿泉」の桝田酒造を覘いてみる。(写真なし)

 1893年(明治26)、舛田酒造の初代の亀次郎は、妻と共に北前船に乗って北海道旭川で酒造業を創業、12年後に岩瀬に戻る。 「満寿泉」は昭和初期に桝田の苗字にちなむ銘柄で地元で親しまれ、昭和40年代後半に育てた「吟醸満寿泉」は全国にその名を馳せたという。

 

 まち歩きをしながら、路面電車のライトレール東岩瀬駅まで行く。

 東岩瀬駅から、12:33発のライトレールに乗車、12:55富山駅北に到着。

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 「富山ライトレール」は、車いすやベビーカー等のバリアフリーに配慮した低床式の路面電車。安全で安心、環境にもやさしいという公共交通機関だそうだ。富山駅北口の富山駅北と岩瀬浜の約7Kmの区間を、約24分で運行。運賃は均一で200円。車両は「ポートラム」という愛称がある。 

 13:05~13:35、駅南口前にある富山湾食堂「撰鮮」で昼食。サケとイクラの親子海鮮丼、1,280円。

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 富山駅構内の売店でみやげを購入、朝預けた荷物をロッカーから取り出す。

 14:19発の北陸新幹線「はくたか566号」・東京行に乗車。これで2泊3日の立山・富山の旅を終わる。

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 ★ ★ ★ 

 昨日登頂した「雄山」から見た峻険な岩峰「剱岳」(つるぎだけ)は、日本百名山で国内で最も危険な山とされる。新田次郎の小説とこれを原作とした同名の映画『劒岳 点の記』で有名。

 物語は明治末期、日本地図の完成のために陸軍参謀本部の陸地測量部(現在の国土地理院)によって、立山連峰の危険で困難な山岳測量に命をかけて挑んだ男たちの実話に基づく。映画は、2009年(平成21年)6月公開。監督・撮影は木村大作。山案内人の香川照之、測量手・浅野忠信、その妻・宮崎あおい、測量助手の松田龍平らが出演した。

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 日本アルプスの山々が登り尽くされる最後まで、この山は人を寄せ付けない霊峰として残った。古来から山岳信仰の対象であり、雄山神社の祭神の一柱のご神体として信仰を集め、また立山連峰の他の頂きから参拝する山であって、登拝することは許されなかった。弘法大師が草鞋(わらじ)千足を費やしても登頂できなかった、という伝説もある。
 
 1906年(明治39年)、陸軍陸地測量部の測量手・柴崎芳太郎に剱岳への登頂と測量の命令が下る。それは日本地図最後の空白地帯を埋めるため、三等三角点をを設置するという重要だが困難な任務であった。山麓の山案内人・宇治長次郎とともに測量に挑んだ男たちは、信仰から剱岳を畏れる地元民の反感、ガレ場とそそり立つ岩稜、悪天候や雪崩などの大自然の過酷さ、初登頂を試みる民間の日本山岳会との先陣争い、今日に比べて未熟な登山装備と測量技術など、さまざまな苦難と闘った。

 1907年(明治40年)7月13日、測量部隊はついに頂に到達した。ところが前人未踏と思われた山頂で、槍の穂と錫杖(しゃくじょう、僧が用いる杖)の頭を発見する。以前から、数例の修験者の登山伝説が存在はしていた。これらの遺物は、奈良時代後半から平安時代初期にかけての修験者のものと考えられた。山頂近くの岩屋には、古い焚き火跡も見つかったという。

 測量隊は登頂の困難さから、重い三角点標石(石柱)とやぐらを組む丸太を運び上げることができず、三等三角点の設置を断念、山頂には標石のない四等三角点を置いた。三等以上の三角点設置の記録、つまり「点の記」は作成されなかった。当時の陸軍上層部からは、彼らの業績は何も賞賛されずに終わったのだった。

 山頂にあった遺物は、立山修験者の貴重な証しとして重要文化財に指定、現在は立山町にある富山県「立山博物館」に展示されているそうだ。

 

 
 『日本百名山』の著者である深田久弥は、「剱岳」について以下の様に評価している。

 「北アルプスの南の重鎮を穂高とすれば、北の俊英は剱岳であろう。層々たる岩に鎧(よろ)われて、その豪宕(ごうとう)、峻烈(しゅんれつ)、高邁(こうまい)の風格は、この両巨峰に相通じるものである。」(『日本百名山』48剱岳より)

 また『万葉集』に見る「立山(たちやま)」について、これは今の「立山」ではなく「剱岳」のことであろうという自説を述べている。

 「昔は、立山も劔も一様に立山と総称されていたのに違いない。越中の平野から望むと立山は特にピラミッドにそびえた峰でもなければ左右に際立った稜線をおろした姿でもなく、つまり一個の独立した山というより波濤(はとう)のように連なった山という感じである。ことに富山あたりからではその前方に大日岳が大きく立ちはだかっていて、立山はその裏に頭を出しているだけなので、山に詳しい人でなければ立山を的確に指摘することはできまい。」(『日本百名山』49立山より)

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初めまして、ローリングウエストと申します。新潟県柏崎生れ川崎市在住の58歳(山好き・旅好き・歴史好き・昭和レトロ好き・洋楽好き)の中年オヤジです。小生、登山・史蹟探訪・街めぐり・寺社仏閣巡りが大好きで全国都道府県を巡っております。登山は日本200名山を挑戦中です。今後ともときたまお邪魔させて頂き、情報交換させて頂ければ幸いです。
(PS)最近は群馬県・栃木県の探訪に嵌っており、ちょうど今、足尾銅山&田中正造の足跡をレポートしておりますのでよろしければお立ち寄りください。

ローリングウエスト様
 貴殿のブログを拝見させていただきました。私の趣味とも共通点が多く、また精力的に活動されているご様子で、親しみを感じます。またブログデザインから写真や記事内容も素晴らしくて、私のブログつくりの上でも大変参考になりました。
 私も今後時々発見させていただきたく、よろしくお願いします。

ありがとうございます!今後とも交流させて頂きたくこちらへも是非ご来訪デビューお待ち申し上げております!

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