浅草・三社祭り
2016年5月15日(日)、「新宿御苑」の後、午後から台東区浅草の「三社祭り」を見に行く。
14:00過ぎ、新宿御苑を後にして東京メトロ丸の内線の新宿御苑前駅へ。赤坂見付駅で銀座線に乗り換え、終点の浅草駅で下車。
「三社祭り」は、毎年5月に行われる「浅草神社」の例大祭。かつては観音祭、船祭、示現会に分かれていたが、1872年から5月17・18日に行われるようになった。現在は、5月第3週の金・土・日曜日に行われる。正式名称は「浅草神社例大祭」。
現在の三社祭りの日程は、
1日目(金):名物大行列。浅草芸者、田楽、手古舞、白鷺の舞などが登場。
2日目(土):氏子各町内の神輿連合渡御。約100基の町内の神輿が順次、町内を練り歩く。
3日日(日):宮出し、本社神輿の各町渡御、宮入り。一之宮、二之宮、三之宮の3基の神輿が神社の境内から出て、各町内を練り歩く。
今日は、お祭りの3日目の日曜日とあって、駅から地下鉄出口までは大混雑。浅草は特に外国人観光客も多い。14:50~16:30、三社祭の現場に滞在。
雷門通りは歩行者天国になっているが、ちょうど本社神輿が練り歩いていて、身動きが取れないほど混み合っている。大勢の人の頭だけと神輿だけで、担ぎ手は見えないし、近寄れない。
ちょうど神輿は、雷門に入って行く。人込みに揉まれながら、両手を挙げて写真を撮る。
浅草のシンボル雷門の大提灯は、神輿が門を抜けられるように、半分に縮められている。
神輿は仲見世通りを練り歩く。東京スカイツリーが見える。
2007年7月の朝日新聞には、「三社祭りでみこしを担ぐ同好会30数団体のうち、約7割で暴力団員が代表になっている」と報じられたそうだ。祭りが、暴力団の資金源になっているとみられている。
これまでの三社祭りでは、下帯(ふんどし)だけの裸で全身の刺青を露出した男性が多かった。神輿の上に登って騒ぐ、祭りの進行を妨害・混乱や脅しや喧嘩などの行為、迷惑防止条例違反で逮捕など、ヤクザのお祭りのようだと問題になっていた。
江戸時代の火消しや大工、鳶(とび)などの職人は、男気の職業で、堅気であったが背中などに刺青を彫って粋がっていたようだ。こういった人たちが、祭りで刺青を見せたのと、現代のヤクザの刺青は区別すべきであろう。
2012年に都暴力団排除条例が施行、その後主催者側は暴力組織名の入った半纏を着用させない、担ぎ手は刺青禁止などをルール化したという。今回の三社祭りでは、刺青を見かけることはなかった。
★ ★ ★
江戸時代から「江戸三大祭り」は、深川八幡祭り(富岡八幡宮)、神田祭り(神田神社)、山王祭り(日枝神社)であって、何故か三社祭りは入っていない。
浅草寺縁起によれば西暦628年(推古天皇36年)、隅田川で投網をしていた檜前浜成(ひのくまのはまなり)と竹成(たけなり)の兄弟が、漁網の中に1寸8分(約5cm)の黄金の観音像を発見し持ち帰った。土地の文化人であった土師真中知(はじのまつち)に一見を請うた。土師は、これぞ聖観音世音菩薩にして自らも 帰依するところの仏像である事を告げ、その功徳を諄々と説いた。
土師はまもなく剃髪して出家、自宅を改造して寺(「浅草寺」の起源)とし、その観音像を安置して供養のかたわら、郷民の教化に生涯を捧げた。
後世、この三人は浅草の開拓者として三社権現と称し、ここに「三社権現社」が創建された。それは平安時代末期に、「権現思想」という仏・ 菩薩が民衆を救うため仮の姿(神)になって現れるという神仏一体説があったころだろうとされる。
やがて1312年(正和元年)3月、ご神託によって三社本祭礼の船渡御(ふなとぎょ、ご神体を乗せた神輿が川を渡る)が始められたことが知られる。明治の神仏分離令により、「三社権現社」は「浅草神社」と改名された。明治に入るまでは「三社権現社」と 「浅草寺」は不可分の関係であって、この時代には浅草寺の祭りとして行なわれていた。
なお、重要文化財に指定されている現社殿は慶安2年、三代将軍家光により建立され、先の主座神三柱(土師、檜前兄弟)と、後に徳川家康公と大国主命(おおくにぬしのみこと)の二柱が合祀されているという。
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