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2016年4月 7日 (木)

映画「家族はつらいよ」

 2016年4月6日(水)、映画『家族はつらいよ』を観る。

 

 山田洋次監督の国民的映画『男はつらいよ』シリーズが終了してから約20年。山田監督が、久しぶりに取り組んだ本格的コメディの家族物語。

 

 橋爪功と吉行和子が熟年離婚の危機を迎えた夫婦を演じる。3年前の『東京家族』で演じた西村雅彦と夏川結衣、中嶋朋子と林家正蔵、妻夫木聡と蒼井優 が、今回もそれぞれ夫婦や恋人同士の配役。 

 突然の両親の離婚問題に子供たちが巻き込まれ、家族それぞれの不満が爆発、大騒動が繰り広げられる。

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 かつてはモーレツサラリーマンだった平田周造(橋爪功)は、今ではすっかり隠居して、長男の幸之助(西村雅彦)夫婦とその子供たち、そして次男で未婚の庄太(妻夫木聡)と東京郊外の戸建て住宅に3世代で同居する。

 仲間とゴルフを楽しんだ後、いつもの美人女将・かよ(風吹ジュン)の居酒屋で、女房の悪口を言っては盛り上がり、上機嫌で帰宅する。長男の嫁・史枝(夏川結衣)は、酔っぱらった周造の文句を聞きながら笑顔で相手する。

 カルチャーセンター創作教室に通う従順な妻・富子(吉行和子)もそんな夫を嫌な顔一つせずに迎え、周造が脱ぎ散らかした衣類を拾い集めながら、かいがいしく着替えを手伝うのだ。

 今日は、富子の誕生日。妻の誕生日を忘れていたことに気付いた周造は、めずらしく彼女に「何か欲しいもんあるかい」と聞く。思わぬことに、妻は引き出しから持ち出した来た「離婚届」に判子をくださいと優しい顔で要求、周造は凍り付いた。

 嫁いでいる長女・成子(中嶋朋子)は、夫・泰蔵(林家正蔵)に愛想がつき、別れたいと泣きついて来た。周造は、「あんな男とは別れてしまえ」と冷たく言い放つが、やがてやってきた泰蔵の言い訳を聞いて苛立ち、思わず自分も妻から離婚されそうになっていることを曝露する。

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 秋晴れの日曜日、長男・幸之助夫婦、長女・成子夫婦が集まって、周造夫婦の離婚問題の家族会議が開かれる。その日が家族会議だと知らない次男の庄太(妻夫木聡)は、恋人の憲子(蒼井優)を家族に紹介するため家に連れて来た。家族会議のドタバタ劇が始まる。

 憲子には関係ないという周造に、富子はいずれ家族になるのだからと言って彼女を参加させる。ようやく憲子を交えた8人の家族会議が始まった。だが長男、長女の夫婦同士、兄妹同士で口論が始まり、なかなか本題に入れない。

 やがて富子が、「お父さんと一緒にいるのが私のストレスなの」と、長年我慢しながら抱え続けた本音を告白する。周造は、「今まで家庭のために、身を粉にして頑張ってきたのに・・・。」と憤慨。周造は、はずみで「嫁に食わせてもらってるくせに。」と泰蔵に言ってしまう。怒った泰蔵は、お父さんは浮気していると、居酒屋の女将との仲の良い証拠写真を周造に突きつける。怒り狂った周造は、大声で怒鳴り散らした挙句、皆の前で倒れてしまい、救急車で運ばれた・・・。

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 ★ ★ ★

 この映画は、家族をテーマにした喜劇。映画館で久しぶりに大声で笑った。

 小津安次郎監督の『東京物語』(1953年公開)、そして山田洋次監督の『東京家族』(2013年公開)と家族構成も役名も似せて描かれている。『東京物語』、『東京家族』、『家族はつらいよ』の順に、役名と配役は次の通り。

 ・平山周吉(笠智衆)    平山周吉(橋爪功)    平田周造(同左)

 ・平山とみ(東山千栄子) 平山とみこ(吉行和子)  平田富子(同左)

 ・平山幸一(山村聰)     平山幸一(西村雅彦)   平田幸之助(同左)

 ・平山文子(三宅邦子)  平山文子(夏川結衣)   平田史枝(同左)

 ・金子志げ(杉村春子)  金井滋子(中嶋朋子)   金井成子(同左)

 ・金子庫造(中村伸郎)  金井庫造(林家正蔵)   金井泰蔵(同左)

 ・戦死した次男       平山昌次(妻夫木聡)   平田庄太(同左)

 ・その妻・紀子(原節子) 間宮紀子(蒼井優)     間宮憲子(同左)

 

 富子は、「昔は格好良かったお父さんは、朝起きると『がらがら』と大きな音でうがいするし、おならも平気でする。帰ってくるとズボンや上着、パンツや靴下も脱ぎっぱなし、トイレの蓋やドアも閉めない・・・、もう限界。」と夫へ不満を述べ、「お父さんは家庭を支えるため頑張っているので、我慢して尽くしてきたけど、子供たちも一人前になったし、これからは好きなことをして過ごしたいの・・・」と言う。熟年夫婦の妻が良く言う話だ。
 

 このドラマのキーパーソンは、またもや憲子役の蒼井優。看護師の憲子は、家族会議の最中に倒れた周吉を、適切な素早い対応で救う。

 「この俺は被害者なんだからな」と、態度を一向に改めようとはせず、「俺の気持ちは分かっているはず」と言う頑固親父の周造に憲子は、「お父さんに生意気なことを言うけど。」と前置きして訴える。「お母さんには、お父さんの気持ちを言葉にしなきゃいけないんです・・・」と。

 その前に伏線があった。「一緒に住む部屋を見に行こう」と言う庄太に、「なんで私が行くの?」と憲子。庄太は、「君と結婚するからに決まってるだろう。そんなこと言わなくても分かってるはず。」と言う。でも憲子は「言葉にしてくれなければ分からない。」と言って、改めて庄太のプロポーズを受ける。

 この映画は、「口には出さないが、気持ちは分かっているはず・・・」ではなく、家族における「言葉の大切さ」を主題になっているように思える。

 

 橋爪功と吉行和子の実年齢を調べてみると、橋爪が74歳、吉行はなんと80歳。吉行は上品で若々しくて70歳前後くらいに見えて、とても傘寿とは思えない。夫の橋爪が実年齢の74歳、妻が70歳くらいか、まだ昔風の残る夫婦のようなドラマの設定に合う。

 周造が名作『東京物語』のビデオをテレビで見ている。やがて笠智衆が語りかけ、原節子が泣き出すラストシーン。そして尾道の風景が出て来て、スクリーンに「終」の文字が出て来たところで、本映画も終わる。

 

 関連ブログ 映画「東京家族」 2013年2月9日投稿
  http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-1fb5.html

 

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