仙台・石巻の旅-その3
2015年5月16日(土)~18日(月)、2泊3日の仙台・石巻の旅。
伊達正宗と支倉常長(はせくら・つねなが)ゆかりの地を行く、宮城復興支援の旅。
本ブログ「仙台・石巻の旅-その2」の続き。
3日目の18日は、松島町へ行き、伊達氏の菩提寺「瑞巌寺」を拝観。旅の一行は、総勢9人。
宿泊の「旅館追分温泉」、6:30起床、朝風呂、8:00~朝食。
8:45、旅館出発。三陸自動車道(河北IC⇒松島海岸IC、料金460円)を通って、日本三景・松島で有名な「瑞巌寺」(宮城県宮城郡松島町松島町内)に向かう。
●瑞巌寺
瑞巌寺の正式名は、「松島青龍山(しょうとうせいりゅうざん)瑞巌円福禅寺(ずいがんえんぷくぜんじ)。平安時代の創建で、宗派と寺号の変遷を経て、現在は臨済宗妙心寺派瑞巌寺。古くは松島寺とも呼ばれた。
江戸時代になってから伊達政宗は、禅僧・虎哉宗乙(こさいそういつ)の勧めで当時の円福寺の復興を思い立ち、1604年(慶長9年)から5年の工事で完成した。瑞巌円福禅寺と改称した。桃山様式の本堂などの国宝建築はこの時のもの。
総門をくぐり、杉林の長い参道を歩く。「3.11津浪到達点」の看板が左手に見える。
参道のシンボルだった杉林は、津波の塩害によって立ち枯れが目立ち、約300本が伐採されたそうだ。
9:55、受付。拝観料は、700円。
現在、国宝の本堂、御成門が改修中(平成22年9月~平成28年春頃)で、非公開となっており、国宝の庫裡(くり)と陽徳院の御霊屋「寶華殿(ほうげでん)」が公開されている。
国宝の庫裡に入る。庫裡は、僧侶の居住する場所で、台所も兼ねる。
入口に、1927年(昭和2年)高村光雲作の「光雲観音」。
本来、本堂に安置している本尊や政宗公の大位牌などが、大書院(仮本堂)に展示・特別公開されている。間近で拝観できるのは滅多にあることではなく、ラッキーだった。しかもストロボなしなら撮影可。
大書院に行く途中に見える臥(ふ)せた龍の形をしている「臥龍梅(がりゅうばい)」。政宗が朝鮮から持ち帰り、瑞巌寺の上棟の祝いに自らお手植えした。白梅と紅梅の2本ある。樹齢約400年。
大書院に入り、ご本尊の「聖観世音(しょうかんのん)菩薩」を、正面から拝する。ブロンズ製で製作年代は不明だという。身長100cm。
左は、藩祖伊達政宗、右は第2代忠宗の大位牌。
伊達家歴代の位牌、3代綱宗から12代斉邦(なりくに)までと各々の正室のもの。
庫裡を出て、御霊屋(おたまや)に向かう。
陽徳院の御霊屋「寶華殿(ほうげでん)」。陽徳院は、政宗の正室・愛姫(めごひめ)。堂は、孫の伊達綱宗公が造営した。
下は、瑞巌寺のパンフの一部。
宝物館は、撮影禁止。
下の写真は、瑞巌寺のパンフの一部。ダブルクリックで拡大します。
展示された宝物の中で、等身大の「伊達政宗甲冑倚像(かっちゅういぞう)」(上のパンフ)は、興味深い。政宗17回忌に正室・陽徳院が京の仏師に造らせた。「自身の肖像、木像はすべて両目を入れよ」との政宗の遺言があったが、陽徳院は殿のありのままのご雄姿を遺したいと、右目を小さくして両目が入れられている。文禄の役で朝鮮に渡った政宗27歳の時の姿だという。
映画やテレビで、刀の鍔(つば)の眼帯をしているのは演出。実際はそんなものはしてなかったそうだ。
帰りの参道から、左手の杉林の先で良く見えなかったが、洞窟群がある。江戸時代以降に掘られ、五輪塔、供養塔や法名などが無数に安置されたり、壁面に彫られている。
下の写真の「鰻(うなぎ)塚」は、松島湾で捕れた鰻の供養として、1923年(大正12年)地元民の寄付金で建立されたそうだ。
瑞巌寺を後にして仙台駅東口前に戻る。レンタカー返却。
●力(ちから)寿司
仙台のグルメ牛たんの次は、寿司でランチ。12:00~13:10、仙台駅東口から 徒歩10分の「力寿司」(仙台市宮城野区東八番丁)で。
にぎりは、1,200円でボリューム(19貫)満点。ここでは、寿司以外の定食メニューも豊富。
14:24発の東京行き新幹線「やまびこ48号」に乗車、帰路へ。17:45自宅着。
★ ★ ★
支倉常長の出帆から400年が経つ。常長の苦難の足跡は報われることなく、帰国2年後この世を去った。2011年の長崎旅行で見聞した天正遣欧少年使節やキリシタン弾圧の歴史と、今回の旅はつながっている。彼らが復活したのは、200年以上経った明治になってからであった。
東日本大震災から4年が経った。まだ残る生々しい津波の爪跡を見て、復興にはまだまだ多くの資金と労力、時間がかかること、まだ仮設住宅に住む人が多くいること、心が癒えない人もたくさんいることが、身に染みて感じた貴重な体験であった。
3日間の東北・仙台・石巻の旅が無事終わり、大変有意義であった。この旅行を企画・計画から準備し、手配、そして当日の案内をしてくれた仙台出身のHさんに、大変お世話になりました。この場を借りて、御礼申し上げたい。
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