韓国岳
2014年10月21日(火)、鹿児島・宮崎の県境にある「韓国岳(からくにだけ)」1,700mに登る。
「韓国岳」は、南九州・霧島連山の最高峰。山頂には直径900m、深さ300mの巨大な爆裂火口があり、大雨になると池となる。春はミヤマキリシマ、秋は紅葉、冬には冠雪、霧氷。北西山麓に「えびの高原」が広がり、南西山腹に「大浪池」がある。「韓の国」まで見渡せるというのが名前の由来だが、実際には見えない。
山頂からの眺めは素晴らしく、「大浪池」、噴煙の「新燃岳(しんもえだけ)」を眼下に見下ろし、桜島も遠望できるという。韓国岳~新燃岳~中岳~高千穂河原への縦走ルートは、新燃岳の火山活動により入山規制中。
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7:15、宮崎市内を車で出発。国道10号線沿いの市内高岡町花見のコンピニ、国道268号を経て県道1号線沿いの「えびの・生駒高原道の駅」で、他の参加者の車と合流。
9:25、えびの高原の韓国岳登山口に到着。ここは標高1,250m、バス停と小さい駐車場がある。天気は秋晴れで、気持ちが良い。高原のススキが揺れる。
車1台を大浪登山口(トイレあり)に置きに行く(片道6分)。10:05、パーティ8人は登山開始。
徒歩7分で硫黄山の噴気地帯に着く。
ここまでは、スカートの観光客でも来れる。この硫黄山付近では、今年6月ごろから火山性地震が増えており、噴気や火山ガスに注意するよう報道されている。急いで通過する。
背後には、県道1号(えびのスカイライン)と、ビジターセンター、えびの高原温泉や高原荘など。
大小の石が転がる樹林のトンネルを進む。
高度を上げると、眼下に白い「硫黄山」(1,317m)とその後ろに「不動池」、左手に「白鳥山」(しらとりやま、1,363m)とその前方の「白紫池」(びゃくしいけ)。
11:05、5合目の展望台に到着。ここから標高1,200mの「えびの高原」を一望。10分余り休憩。
8合目付近で、右手に「大浪池」、左手に「韓国岳」の火口が見えてくる。
11:55、「韓国岳」の山頂に到着。
山頂は岩だらけで、足元が不安定、腰も落着けない。風が強い。直下の火口を恐る恐るのぞき込む。
新燃岳の噴煙とわずかに「高千穂峰」の裾野が見えていたが、やがて霧で見えなくなる。遠い桜島は全く見えず。
12:30、昼食後下山開始。大浪池に向かって、しばらく木の急階段の後、ガレ場を下る。
霧が晴れると、周囲は赤や黄色の紅葉で美しい。正面は「大浪池」。
13:25、避難小屋に到着。ここが「韓国岳」と「大浪池」の鞍部。
14:25、大浪池休憩所に下りる。ここから池越しに「韓国岳」山頂を望む。
10分余り休憩、未舗装登山道を下ると、やがてよく整備されたゆるやかな石畳となる。
15:10、大浪登山口に到着。ここは標高1,070m。バス停と近くに小さい駐車場とトイレがある。
大浪登山口に置いておいた車で、韓国岳登山口に駐車した車1台を取りに行く。
15:35出発、国道223号線、霧島温泉街を経由して、16:05宿泊先の「霧の里本館」(鹿児島県姶良郡牧園町)に到着。さっそく温泉の大浴場やろ露天風呂に入り汗を流す。
18:00、25人の仲間が大広間に会して、懇親会が始まり旧交を温める。20:30~2次会、23時頃就寝。
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「韓国岳」に登った3日後の10月24日、福岡管区気象台は、霧島連山の「硫黄山」周辺に火口周辺警報を発表。小規模な噴火が起きる可能性があるとして、「硫黄山」から半径1Km以内に立ち入らないよう呼び掛けた。
これを受けて、宮崎県やえびの市は「硫黄山」から半径1Kmの入山規制を決定。規制区域をまたぐ県道1号線を全面通行止めにし、「えびの高原」からの登山道3ルートを封鎖した。
「硫黄山」付近では今年6月ごろから火山性地震が増え、8月20日には火山性微動を観測。山の北西が隆起するような地殻変動も確認されていた。10月21日の現地調査では、噴気や地熱などは確認されていないが、23日の火山噴火予知連絡会で、「火山活動が高まっており、推移に注意が必要」と指摘。こうした点から気象台は、噴火予報(平常)から火口周辺警報に引き上げた。
「硫黄岳」は「韓国岳」の北西側の山腹にあり、近くを県道1号線や登山道が通る。14世紀以降に2度、マグマ噴火を起こしたことがあるそうだ。2011年約300年ぶりにマグマ噴火した「新燃岳」は、「硫黄山」から約5Kmの範囲にある。
今回、何事もなく無事下山できたが、登山規制にはギリギリセーフだった。9月末の「御嶽山」噴火のことがあって、敏感になっている。火山噴火予知連や気象庁は「御嶽山」でしくじったので、今回は早めに決定したのだろうが、空振りになることを祈る。紅葉時期のかき入れ時で、観光業者には大打撃だろう。
最近では、過去2010年11月に霧島連山「高千穂峰」(1,574m)に登ったことがあった。当時は「新燃岳」も立ち入り規制されていたが、その2か月後の2011年1月、「新燃岳」が大噴火。「韓国岳」や「中岳」も入山規制、「高千穂峰」も周辺道路の交通規制により登山できなくなった。もちろん、火口に近い高原町、都城市および霧島市を中心として多くの火山灰被害が発生、宮崎県南部一帯にまで降灰が及んだのは記憶に新しい。
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