映画「舞妓はレディ」
2014年9月22日(月)午後、映画『舞妓はレディ』を観る。
日本アカデミー賞を受賞した『シコふんじゃった』(1992年)や『Shall we ダンス?』(1996年)の周防正行監督の最新作映画。9月13日から全国劇場で上映が始まった。
『舞妓はレディ』は、オードリー・ヘプバーン主演映画の『マイ・フェア・レディ』(1964年)をもじっている。京都を舞台に舞妓を目指す少女の成長物語を、ミュージカル映画というか、コメディタッチの映画に仕立ててある。
舞妓になろうとたった一人で京都のお茶屋に飛び込んで来た春子(上白石萌音)は、慣れない京言葉、花街のしきたり、厳しい唄や踊りの稽古に叱られてばかり。お茶屋の女将・千春(富司純子)、言語学者の大学教授・京野(長谷川博己)、芸妓・里春(草刈民代)、舞妓・百春(田畑智子)らの周囲の助けを借りて、困難を乗り越えながら成長していく。ほかに出演は、渡辺えり、竹中直人、岸部一徳、髙嶋政宏、小日向文世。
写真下は、映画『舞妓はレディ』公式サイトから引用。
ヒロイン春子を演じるのは16歳の高校生で、新人女優の上白石萌音(もね)。2011年の東宝「シンデレラオーディション」審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。記憶が定かにないが、NHK大河ドラマ大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」の最終回で登場したそうだ。徳川秀忠と江の娘・和(まさ)役で、後水尾天皇の妃となるため上洛する。また彼女は、カルピスのテレビCMでも有名。
女将・千春の富司純子や芸妓・里春の草刈民代らのベテラン女優の中で、舞妓を目指して奮闘する田舎娘の上白石萌音の姿が、けなげで初々しい。映画『三丁目の夕日』第一作目で、地方から上京した堀北真希と重なる。
映画が始まって10分くらいして、主人公がセリフからいきなり歌いだすので何かと思ったが、この映画はミュージカル映画。草刈民代は元バレリーナであるが、日舞を舞ったり、富司純子も歌ったり踊ったりと、意外性があって面白い。もちろん萌音の歌と踊りも、先輩たちに劣らず頑張っているし、鹿児島弁と津軽弁をチャンポンでしゃべり、それに京言葉を上手にあやつっている。
映画『マイ・フェア・レディ』は見てないが、全体を通していろいろな部分でパロディっているらしい。花街のオープンセットを舞台に、舞妓姿の主人公と出演者たちがくりひろげるエンディングの華やかな歌と踊りは、圧巻。
写真下は、映画『舞妓はレディ』公式サイトから引用。
★ ★ ★
「かがい」という言葉が何回か出てきて、最初何のことか分からなかった。しばらくして「花街」のことだと気が付く。「はなまち」という読み方は、三善英二「円山・花街・母の街」、金田たつえ「花街の母」などの歌謡曲で歌われるようになってからだそうだ。今まで「はなまち」と思っていたが、本来は「かがい」が正しい。
大学教授の京野が、最初春子に「舞妓になるための必須三単語」を教育する。「おおきに」「すんまへん」「おたのもうします」の三つは、イントネーションが難しいばかりではなく、その時と場合によって、微妙なニュアンスの違いがあるそうだ。芸妓・里春がThank youだったり、No thank youの時の「おおきに」の使い分け、女将・千春が「一見さんお断り」と「おもてなし」の心を説明するくだりもある。
こういった花街や京独特の言葉と言い回し、しきたりが、京都の文化・風土を作っている。
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