白山(はくさん)-その3
2014年7月22日(火)~25日(金)、石川・岐阜県境にある霊峰「白山」に行く。
本ブロク記事「白山(はくさん)-その1」、「白山(はくさん)-その2」の続き。
7月23日(水)、24日(木)の白山登山時に観察した高山植物について記す。
花の多くは、甚ノ助避難小屋~きつい登りの七曲りの辺り、帰りの雨の中のエコーラインで見られた。
ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花、キンポウゲ科) 花びらには艶があり、ロウを塗ったような光沢。よく似ているシナノキンバイ(信濃金梅、キンポウゲ科)は、花が3cm~5cmと大きい。葉っぱはどちらも菊の葉のようにギザギザだが、ミヤマキンポウゲの方が裂けるのが大きめで、鳥足状。
キヌガサソウ(衣笠草、ユリ科) 林の下に群生していた。大きな葉を7~8枚つける。花弁のように見えるのは、がく片。
ウラジロナナカマド(裏白七竈、バラ科) 高さ1~3mの落葉低木。葉の裏面は粉白色。多数の花を上向きに咲かせる。タカネナナカマドの場合は、花を垂れ下がるように5~10個つける。
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪、スミレ科) スミレの一種。葉の形が馬の蹄(駒の爪)に似ている。
サンカヨウ(山荷葉、メギ科) 一つの茎にフキのような形の大小2枚の葉がつき、その間から数個の花が咲く。
カラマツソウ(深山唐松草、キンポウゲ科) 葉の形がカラマツの葉に似る。葉は先端が広がり三裂。他に、ミヤマカラマツは葉が卵形で徐々に細くなり、モミジカラマツは葉がモミジの形。
ミヤマダイモンジソウ(深山大文字草、ユキノシタ科) 漢字の「大」の文字に似ている。
ハクサンフウロ(白山風露、フウロソウ科) 花は白やピンク色だが、花によって濃淡に差がある。花弁は5枚。
コイワカガミ(小岩鏡、イワウメ科) イワカガミ(岩鏡)に比べ、花の数が少なく小ぶり。イワカガミは、岩場に生え、光沢のある葉を鏡に見立ていることに由来。
アオノツガザクラ(青の栂桜、ツツジ科) 針葉樹のツガに似て、常緑の低小木。花が淡い黄緑色のためアオノ(青の)という。ただのツガザクラは、花が淡い紅色で先がつぼまらない。
オタカラコウ(雄宝香、キク科) 草丈は1mほど。長い茎に花を穂状につける。葉はフキに似て縁は鋸歯状。
ヨツバシオガマ(四葉塩釜、ゴマノハグサ科) 花の上唇部が鳥のくちばしのように内側に曲がっている。
ミヤマダイコンソウ(深山大根草、バラ科) 大きな丸い葉、端が鋸歯で光沢があるのが特徴。
ミソガワソウ(味噌川草、シソ科) 木曽川源流の味噌川(未だ木曽川になっていない川)にちなむ。ハクサンシャジン(白山沙参、)やツリガネニンジン(釣鐘人参)に似ている。
ハクサンコザクラ(白山小桜、サクラソウ科) 一面をピンク色に染める群落は、白山のあちこちで見られるという。
コバイケイソウ(小梅蕙草、ユリ科) 白山のあちこちで見たが、ほとんどがまだ咲いていなかった。
クロユリ(黒百合、ユリ科) 下向きに咲く暗紫色の花。白山でよく見られるそうだが、弥陀ヶ原に1本だけ咲いているのを見た。
ゴゼンタチバナ(御前橘、ミズキ科) 花弁のように見えるのは苞(ほう、花のつぼみを包んでいた葉)。花は中心に集まっている。
ハイマツ(這松、マツ科) 室堂の手前の「五葉坂」にたくさんあった。ハイマツは、ゴヨウマツ(五葉松)の仲間。
チングルマ(稚児車、バラ科) エコーラインに大群生していた。実の形が、子供の風車に似る。
イブキトラノオ(伊吹虎の尾、タデ科) エコーラインに咲いていた。白色か淡紅色の花穂(かすい)をつける。
エコーラインで下山中に、スズメより大きい小鳥を見た。茶色の体で、クマザサかハイマツの中から出てきて、飛ばないで雪渓の方に移動した。一瞬、ライチョウのヒナかと思ったが、鳴き声からイワヒバリではなかっただろうか。霧の中で距離もあったので、鮮明な写真が撮れなかった。
他に、ニッコウキスゲ、タカネナデシコ、クルマユリ、ハクサンチドリ、・・・などが咲いていたが、シャッターチャンスを逸した。
いつものことだが、登山の合間に撮る写真は、その山の代表的な花を撮り忘れた時が、実に残念。ピンボケしたり、花に気を取られて、特徴のある葉や茎などが写ってなかったりで、帰ってから花の名前を特定するのに苦労する。
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