八ヶ岳・赤岳-その3
2014年8月2日(土)~4日(月)、八ヶ岳連峰の最高峰「赤岳」に登る。2泊3日の宿泊山行。
本ブログ記事 「八ヶ岳・赤岳-その1」、「八ヶ岳・赤岳-その2」の続き。
8月3日(日)の赤岳登山時に観察した高山植物について記す。
花は、地蔵ノ頭から赤岳山頂の間の主稜線上の砂礫地や岩場で、多く見られた。
コマクサ(駒草、ケマンソウ科) 高山帯の砂礫地に自生、「高山植物の女王」と呼ばれ、あちこちに咲いていた。花の形が、馬(駒)の顔に似ている。.
ハクサンシャクナゲ(白山石楠花、ツツジ科) 樹高は亜高山帯では3mほどあるが、標高が高いほど低木となり、見つけた赤岳稜線ではせいぜい50cm前後。花は白から淡い紅色で、内側に薄い緑色の斑点。
ミヤマキンバイ(深山金梅、バラ科) 高さはせいぜい10cm、地面から直接花が咲いているようにも見える。特徴は葉の形で、イチゴの葉に似ている。
ミヤマミミナグサ(深山耳菜草、ナデシコ科) 高山帯、亜高山帯の礫地や岩場に生える。南アルプス、八ヶ岳の地域を代表する高山植物の一つ。花は白く、5枚の花びらがさらに先端で4つに裂けて、細かく切れ込んで見える。
タカネシオガマ(高嶺塩釜、ゴマノハグサ科) 高山帯の砂礫地や草地に生える。高さは5~15cm。葉は、羽根状で切れ込みが深い。茎の上部に紅紫色の花を密につける。花冠は上下に分かれ、下唇は3つに裂ける。
チシマギキョウ(千島桔梗、キキョウ科) 高山帯の岩場や砂礫地に分布。花は青紫色、大きさは4cmほどで縁に白い毛が生える。似た種にイワギキョウがあるが、花弁に毛が生えてなく、がく片は細くふちに鋸歯がある。
チョウノスケソウ(長之助草、バラ科) 高山帯の礫地や岩場に生える落葉小低木。発見者は須川長之助。葉は楕円形で、先の丸い大きな鋸歯。白い8弁の花が終わると、雌しべの花柱は羽毛状に伸びた果実になって残り、風で飛ばされる。
一見、「チングルマ」かと思ったが、後で調べてみると葉の形から「チョウノスケソウ」のようだ。花期が6月中旬~7月下旬なので、ちょうど花が終わったところのようだ。
ゴゼンタチバナ(御前橘、ミズキ科) 花弁のように見えるのは苞(ほう、花のつぼみを包んでいた葉)。花は中心に集まっている。
タカネツメクサ(高嶺爪草、ナデシコ科) 直径1cmほどの白い5弁の花。高山帯に生える鳥の爪に似た葉をもつ草という意。葉は密な、長さ1cm前後幅1mm以下の針状。茎を分岐して株状になる。
ギンリョウソウ(銀竜草、シャクジョウソウ科) 山地のやや湿り気のある腐植土の上に生える腐生植物として有名。全体がやや透明感のある白色。別名ユウレイタケ。下山時の南沢の林の中で見つけた。
「ギンリョウソウ」なる変な植物は、初めて見た。種子植物だが、光合成をせず、ベニタケ属菌類と共生し、間接的に有機物を吸収している。きのこ類かと思ったが、れっきとした「花」だそうだ。
地下に短い地下茎と根から成る塊があり、春~夏ごろに地下から花茎を伸ばし葉をつけ、花が咲く。光合成しないので色素がなく、全体が透けた白色系。写真は、まだ背を伸ばしてないので、地下から出て間もないように思う。めったに遭遇しない植物らしいが、同行者のFさんに、偶然見つけてもらって撮影した。
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