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2014年4月14日 (月)

甲州桜の名木と桃源郷

 4月11日(金)、甲州(山梨県)の桜の名木と桃源郷をめぐる。

 この日は高気圧に覆われて、全国的に晴れ。山梨県の最高気温は、20℃前後。東京の桜は散っているが、甲州は満開を迎えている。

 

■わに塚の桜

 車は、中央道の韮崎ICを下りて、「わに塚の桜」に向かう。昇仙峡ライン、国道20号(甲州街道)を経て、釜無川に架かる武田橋を渡る。願成寺の前を通り、武田八幡神社に向かう途中の駐車場(駐車料無料)に9:50到着。ここは、山梨県韮崎市神山町。

 そこから数分歩くと、畑の中の小山に樹齢320年、幹周り3.6m、樹高17mの一本桜が立っている。

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 やや満開を過ぎているらしいが、残雪を抱く「八ヶ岳連峰」が青い空にくっきり見える。いつもよく見る八ヶ岳よりも少し寸詰まりに見えるのは、山並みと直角方向でなくて、斜めの方角から見ているせい。

 中央のピークが主峰の赤岳(あかだけ)、標高2,899m。

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 韮崎市観光協会によると、満開は3日前の4月8日だったようで、少し散り始めている。夕方6時半から2時間、ライトアップをしているそうだ。

 古代、日本武尊の王子の武田王がこの地域を治めた後、埋葬された古墳のあった場所なので、「王仁(わに)塚」と呼ぶようになったと古くから言い伝えられているそうだ。甲斐武田氏が清和源氏に流れを汲むとも言われているが、時代も違うが武田王と武田信玄の武田氏の関係が良くわからない。

 また塚の形が鰐(わに)口に似ているので「鰐塚」とする説もあるそうだ。

 桜の根元には、黄色い水仙とアヤメだろうか、彩を添えている。

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■神代桜

 次に、釜無川に沿って上流の日蓮宗の「実相寺」に向かう。途中で雪をかぶった鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳が見え隠れする。

 実相寺は、日本で一番古いと言われる「神代(じんだい)桜」のある寺。1922年(大正11)に国指定天然記念物に、1990年(平成2)に「 新日本名木百選」に指定されている。ここは、 山梨県北杜(ほくと)市の武川(むかわ)町、旧武川村だった。この地が山高(やまたか)地区であることから、「山高神代桜」とも呼ばれる。村は、2004年6町村と合併して、北杜市になった。

 10:55、駐車場(料金1,000円)に到着。広い境内には多種の桜が植えられており、ちょうど満開で、大勢の観光客で混雑している。出店も多い。

 正面の山は名峰「甲斐駒ヶ岳」、標高2,967m。

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 険しい山容の甲斐駒ヶ岳のズームアップ。

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 甲斐駒ヶ岳の左手に目を移すと、「鳳凰三山」がそびえる。中央が「地蔵岳」(標高2,764m)。その左に雪をかぶったピークが「観音岳」(2,840m)、その山並みの左端に「薬師岳」(2,780m)。

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 地蔵岳の山頂に左に、オベリスクとよばれる岩峰が、望遠カメラではっきりわかる。

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 参道のしだれ桜をくぐって本堂へ。

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 本堂近くに神代桜が柵で囲われ、つっかい棒で支えられた痛々しい姿ながら、満開の花を咲かせている。

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 神代桜は、日本三大桜の一つで、樹齢2000年(本当かなあ?)といわれる日本最古のエドヒガン桜。日本武尊(この人物は弘法大師のように各地に登場する)が、東征の折りにこの地に留まり、記念にこの桜を植えたのだという。その後、日蓮聖人がこの木の衰えを見て、回復を祈ったところ再生したため、「妙法桜」ともいわれている。

 

 ★ ★ ★

 国道20号線(甲州街道)で、韮崎ICに戻って、甲府昭和ICまで中央高速。再び国道20号線(勝沼バイパス)から、石和(いさわ)温泉郷付近を過ぎて、「長寿村権六(ごんろく)」というほうとう・十割そばの店(山梨県笛吹市石和町)に12時半ころ入る。昼食に手打ちほうとう鍋1,131円。野菜や肉もたっぷり、ボリュウムがあって腹いっぱいになる。

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 13:20、すぐ近くの株式会社「桔梗(ききょう)屋」に入る。ここは信玄餅などで有名な銘菓子の製造・販売の本社工場(山梨県笛吹市一宮町)。

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 社員の案内でお菓子の製造工程を工場見学。工場はかなり自動化されていたが、一つ一つ「人の手」で包装されていたのは、信玄餅のこだわりだろう。その後、付設のお菓子の美術館を見学、売店で買い物。

 信玄餅のアウトレットというのがあって、お買得の5個入り410円だった。

 

 

 ★ ★ ★

 甲府盆地にある「笛吹市」は、石和町、御坂町、一宮町、八代町、境川村、春日居町の6町村が合併して発足。市名は市内を流れる「笛吹川か」ら採用された。2005年、「桃・ぶどう日本一の郷」を宣言している通り、いたるところに桃畑、ぶどう畑がある。2006年、芦川村を編入。ちょうど今は桃の花の季節、ピンクの花が町を染める。

 笛吹市では毎年春のイベントとして桃まつりが開催されているが、今年はメイン会場を「八代ふるさと公園」にし、名称も「笛吹市桃源郷春まつり」に変更したという。期間は、3月21日(金・祝)~4月27日(日)。

 

■桃源郷春まつり

 国道20号線(勝沼バイパス)から、笛吹市八代(やつしろ)町へ。山の中腹に桜の木々が広がり、リニア新幹線の実験線が見えと、やがて「八代ふるさと公園」駐車場に14:20到着する(駐車料無料)。

 

 この公園は、見晴らし抜群の高台にあって、古墳があったところ。斜面の桃畑や、甲府盆地と南アルプスの山々の展望がすばらしい。公園中央には出店や案内所のテントが輪になって並んでいるが、平日のせいか思ったより混んではいない。今週末は、大変な賑わいになるだろう。

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 ここ古墳広場のほか、公園には約300本の桜の森、展望ふるさと館、野外劇場、わんぱく広場、多目的広場、親水広場などのエリアや施設が点在する。

 ピンクの桃の花のほかに、ところどころに白い花もあるが、スモモの花か。

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 西の方角の展望。南アルプスの「白峰三山(しらねさんざん)」と呼ばれる「農鳥岳(のうとりだけ)」(標高3026m)、「間ノ岳(あいのだけ)」(3189m)、「北岳」(3193m)の白い峰々。その右手に「鳳凰三山」が連なり、三角山の尖った「甲斐駒ヶ岳」。

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 北西の方角。甲府盆地のビル群は甲府市街。中景には、山の斜面から平地にかけてピンク色の絨毯をひろげたように桃の花が咲く。眼下には、桃畑で写生をする人々。

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 北西から北の方角。左奥に「八ヶ岳連峰」が霞む。その右手前の山は「茅ヶ岳」1704m。中央の山塊は甲府盆地の北辺の山々。右の冠雪の山は、「金峰(きんぷ)山」2230mなどの長野県との県境にある山々。

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 少し散りかけているが、「甲州蚕影(こかげ)桜」と呼ばれる2本のソメイヨシノは、公園のシンボル。直径23m、高さ4.5mの円墳「盃塚古墳」の丘にかぶさる様に咲いている。

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 円墳のすぐそばに、全長92m、高さ7.5mの前方後円墳「岡・銚子塚古墳」がある。円墳と共に、副葬品などが発掘されているが、墳丘は原形が失われていたので復元されている。頂上に登ることも出来る。

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 15:30頃まで、のんびりとのどかな春の時間を過ごす。

 
 15:50、一宮御坂ICから中央道に入り、帰路へ。17:55、自宅着。

 

 
 午後からは、上着を脱ぎたくなる暖かさだった。天候に恵まれた甲州の満開の桜と桃は、最高だった。

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コメント

初めて見て 初めて書いています。山梨県の桃畑はいーですよ。(*´∀`*)ノ(*⌒▽⌒*) 

私は4/10にわに塚の桜、神代桜に行きましたので、桃にはちょっと早かったです。その前日に甲州の慈雲寺と秩父の清雲寺に行きましたがここも良かったです。

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