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2014年2月20日 (木)

映画「小さいおうち」

 2014年2月19日(水)、映画『小さいおうち』を観る。

 

 2月8日(土)は、近くの里山に登山の予定だったが、東京・関東は数10年ぶり(報道機関によって異なり、13年ぶり~45年ぶり?)という大雪になってしまい、中止。その日の都心の積雪は27cm、埼玉県熊谷市で43cmだった。

 翌週の土曜日15日は、これも前日からの大雪で、東京都心で26cm、熊谷市は、先週を上回る62cmの積雪となった。先週の雪が残る甲府市では114cmに達し、1894年の観測開始以来最多の積雪を記録したそうだ。

 15日は、「十日町雪まつり」(新潟県十日町市)に行くつもりだったが、大雪で中止。北陸や東北地方は大荒れで、十日町の雪まつりは一部のイベントが中止されたそうだ。関越自動車道も交通止めだった。東京・関東では、電車、飛行機などの交通機関が乱れが相次ぎ、道路も物通が滞り、スーパーやコンピのパン、おにぎりや弁当が品切れになった。秩父の山間部集落では陸の孤島になってしまったところもある。

 土曜日は、自宅の周りや前の道路の雪かき作業で、大変な1日だった。雪はまだ解けずに庭や屋根の上にまだ残る。道路の両側は除雪した雪がうずたかく積まれている。これほどの大雪の経験は、過去ほとんどない。

 

 ★ ★ ★

 ということで、2月には旅行を2回も中止したため、予定したブログ・ネタがなくなった。

 17日の朝日新聞朝刊を見ると、「黒木華(はな)さん女優賞」の見出しで、「第64回ベルリン国際映画祭の授賞式が15日(日本時間16日未明)に開かれ、コンペティション部門で山田洋次監督の『小さいおうち』に出演した黒木華さん(23)が最優秀女優賞(銀熊賞)に輝いた。」とある。日本人俳優の受賞は、1964年左幸子、1975年田中絹代、2010年の寺島しのぶに続き、黒木華は4人目となるそうだ。

写真・図版
  (2014年 ロイター/Thomas Peter)

 

 そうだ。何かと忙しくて、しばらく映画を見ていなかった。この受賞作品は見ておかねばと、あわてて映画館に行く。

 『小さいおうち』は、第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、『母べえ』や『東京家族』など家族の絆を描き続けてきた山田洋次監督が映画化。昭和初期から第2次世界大戦にかけての東京を舞台にしたラブストーリー、といっても不倫の物語。

Poster

  ひとりの青年が、女中だった亡くなった親類の女性が遺した大学ノートを通じて、昭和初期の東京山の手に建つ赤い屋根の小さいおうちで、繰り広げられた様々な出来事と恋愛模様に触れ、その裏に秘められた意外な真実を知る。

 

 

 ★ ★ ★

 学生の健史(妻夫木聡)は、晩年のタキ(倍賞千恵子)の面倒を見ながら、大学ノートに彼女の自叙伝を書くのを勧める。

 昭和11年、尋常小学校を出て山形の田舎から奉公に来た若き日のタキ(黒木華)は、東京の郊外に建つ赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家の女中として働く。
 そこには、主人で玩具会社役員・雅樹(片岡孝太郎)、美しい妻の時子(松たか子)と、男の子が暮らす。気さくで優しい時子は、タキにいろいろなことを教え、タキは時子を慕い、彼女と男の子のために献身的に尽くす。
 タキは、穏やかな平和な彼らの生活とともに、幸せな時を過ごしていた。やがて旦那様の部下で新入社員の板倉(吉岡秀隆)という青年が現われ、時子の心が引かれていくのに気付く。

 
 しだいに戦況が悪化し、旦那様の会社の経営も厳しくなる。そんな戦時体制の中で、板倉と時子の密会が噂になり始める。丙種として兵役を免除されていた板倉にも、やがて召集令状が届き、平井家に別れを告げにやって来る。
 クライマックスは、タキは時子のことを思って、二人きりで最後の別れをさせたい気持ちと、これ以上不倫を続け噂を広げたくないという気持ちで、女心が揺れ動く。

 そして昭和20年5月の東京大空襲で、赤い三角屋根の屋敷は焼失、旦那様と時子は庭の防空壕で亡くなっていた。

 
 
 社会人になった健史は、恋人のユキ(木村文乃)とともに亡くなったタキの大学ノートを読み返し、板倉と平井家のその後と、タキが明かさなかった秘密を知ることになる。

 

 ★ ★ ★

 136分もあって作品としては長いほうだが、あっという間に終わった。昨年公開の山田監督映画『東京家族』にも出ていたキャストには、妻夫木のほか、吉行和子、橋爪功、小林稔侍、中嶋朋子、夏川結衣、林家正蔵がいる。

 http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-1fb5.html

 戦前の東京のほとんどの中流家庭には、田舎から出てきたお手伝いさん(女中)がいたという。たしかに昔は、そんな家もあったようだが、今の大多数の家庭が中流というのとは訳が違う。戦前は、東京と地方の格差は大きかったし、当時(戦後20年間くらいまで)は中流と言っても、全世帯の数パーセント以下ではなかったのではないかと思う。

 戦前の歴史が頭の中でしかない大学生の健司が、タキの自叙伝を見て、「昭和11年の2.26事件、昭和12年の南京陥落の時代は暗かったはずだ。そんなに明るくて楽しいはずはない。もっと正直に事実を書いてくれ。」と言う。しかし、まだ東京オリンピック開催計画、南京陥落の提灯行列や百貨店大売り出しがあったりで、中流家庭やタキにとっては、まだ内地は平和で楽しい思い出があったというのは、うなずける。また「昭和16年には食料が配給制となり、学徒出陣があった昭和18年に、肉が食えたはずがない。」という健司に対して、タキはヤミで肉も流通していたと反論する。

 主役は、倍賞千恵子や松たか子ではなく、女優賞の黒木華だ。山田監督が言うように、黒木華は、確かに地方から出てきた戦前の昭和の女性の雰囲気がある。地味で控えめ、スッピンでかっぽう着を着た女中を演じる黒木華は、まだ経験の浅い女優にしては、演技が光っていた。

 

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