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2013年7月 3日 (水)

湯ノ丸山

 2013年06月29日(土) 浅間山周辺の山、レンゲツツジの「湯ノ丸山」に登る。

 

 
 「湯ノ丸山」は、「信州・湯の丸高原」にある丸く緩やかな山。群馬県嬬恋(つまこい)村、長野県上田市、東御(とうみ)市との県境・市境にあり、浅間連峰の西側に位置する。高原では、6月下旬ごろ国の天然記念物のレンゲツツジの大群落が一斉に咲き乱れる。冬は湯の丸スキー場として賑わう。

 レンゲツツジの開花時期に合わせて、一昨年からこの山の登山計画は、2年続けて雨のため中止。3年目の今回も、梅雨空が気になっていたが、曇り一時晴れの天気予報。

 ★ ★ ★

 

 自宅を朝6時過ぎ出発。関越自動車道を経て、上信越自動車道小諸ICから小諸上田線(県道79号)を西へ進み、右折して東御嬬恋線(県道94号)を北上する。

 8:50、東御市の地蔵峠の大駐車場に到着(駐車料は無料)。駐車場は、すでに登山客、観光客の車でいっぱい。湯ノ丸山へは、スキー場のゲレンデの斜面中央から登るのだが、2人乗りのリフトが営業している。つつじ平(リフト終点)へ、歩けば約30分、リフトでは数分(片道¥500)。

 斜面を歩いて登る登山客も多いが、9:10リフトに乗る。冬はスキーのゲレンデになるが、牛が放牧されている。

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 リフトを降り。右手の牧柵ゲートを抜けると、つつじ平。一面オレンジ色に埋め尽くされたレンゲツツジの大群落が広がる。やや盛りを過ぎていたが、広さはなんと100ヘクタール、株数はおよそ60万株だそうだ。

 あまり知られていないが長野県須坂市の五味池破風高原(ごみいけはふこうげん)自然園が、100万株以上の規模で、県内最大のレンゲツツジ群生地だそうだ。北海道南部から九州まで、日当たりのよい草原に多く自生し、全国に群生地があるようだ。

 レンゲツツジは、つぼみが蓮華(レンゲ、蓮の花)に似ているとか、花が蓮華のように輪になって並ぶことから名付けられたというが、あまりそうは見えない。レンゲソウの方が蓮華のイメージに近いのだが。葉、花、根皮に痙攣(けいれん)毒があり、呼吸停止を引き起こすことがある。牛や馬も食べないので、レンゲツツジの群生地になっている牧場も多い。花の蜜も危険。養蜂家は、レンゲツツジが咲く頃には、蜂を放さないそうだ。群馬県の県花である。

 

 レンゲツツジの中を散策しながら正面の湯ノ丸山に向かう。

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 右手の山は、湯ノ丸山の北峰、左の南峰は雲で隠れている。

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 牧柵ゲートから登山道に戻ると、濃霧時に鳴らす遭難防止用の鐘があった。ここから先の狭い登山道は、多くの登山客で混み合っていて、コースタイム通りには登れない。

 人気のある山で、気軽に登れるので、若くない「山ガール」の方たち(自分たちのことを「ババガール」と言っていた)も多い。なだらかな山だが、登山道はジグザクでなく直登に近く、結構きつい。

 
 湯ノ丸山は双耳峰になっている。標高2101m南峰に、10:50到着。山頂には樹木はなく、広くて大小の石ころが一面敷き詰められている。南峰の方に三角点があり、数百m離れた北峰(写真下)より3mほど高い。

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 晴れていれば富士山、八ヶ岳、白馬三山~穂高連峰までの北アルプスの360度の眺望ができるそうだが、曇っていて全く展望なし。

 
 10:55、「烏帽子岳(えぼしだけ)」(標高2066m、写真下)の方向に向かう急坂を下りる。

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 この急坂のため、登ってくる人は少なく、スムーズに下れた。往路を下ると、混んでいて大変だったろう。

 11:35、鞍部の分岐で休憩。烏帽子岳へは、この分岐から再び急登し尾根に出て約50分の歩程だが、時間の都合で省略。出発点の地蔵峠方向へ下り、「池ノ平湿原」に移動することにする。

 
 12:10~12:40、中分岐で昼食。

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 湯ノ丸キャンプ場を通って、13:05地蔵峠駐車場に到着。

 写真は、キャンプ場付近で。湯ノ丸山の対面にある「西篭ノ登山(にしかごのとやま)」(標高2212m)、その後ろに「篭ノ登山(かごのとやま)」(標高2227m)が見える。この山の斜面もスキー場になっている。

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 写真下は、湯ノ丸山の登山道で見つけた小さな花。

 
 左は、高山植物としてよく見かけるハクサンフウロ(白山風露)。
 中央は、釣鐘型の花のサラサドウダン(ツツジ科ドウダンツツジ属)。少しピンボケ。
 右は、ウマノアシガタ(馬の足形、キンポウゲ科)。葉が馬蹄形をしていることから名付けられたが、実際は似ていないそうだ。
 

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 湯ノ丸山キャンプ場付近のアヤメ。池ノ平湿原でも多く見かけた。

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 13:20地蔵峠駐車場を出発。湯ノ丸高峰林道を池ノ平駐車場まで4.3Km、車で10分。池ノ平の駐車料は、乗用車500円。

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 1時間近く、池ノ平湿原を散策する。アヤメ、イワカガミ、ハクサンチドリ、アヤメ、それにレンゲツツジが咲いていた。

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 池ノ平湿原のハクサンチドリ。

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 ツツジ平のレンゲツツジは盛りを過ぎていて、アップに耐えられなかったが、池ノ平湿原のは、満開前でアップにするときれい。

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 池の平湿原については、ブログ「浅間山周辺の高原」を参照。

 http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-39a6.html

 

 今回、案内板を見て初めて知ったが、「池ノ平湿原」は、数万年も前に噴火した「三方ヶ峰」(標高2090m)の旧火口にできた高層湿原だそうだ。標高2000mもの地形と、内陸性の気象条件で多様な自然を作り上げ、高山植物の宝庫となっているという。 

 写真左は、池の平湿原のイワカガミ。湯ノ丸山登山道にもあった。小さい花なので、不自然な姿勢で近寄らないと、なかなかうまく撮れない。
 写真中央は、池の平湿原のレンゲツツジ。
 写真右は、この後に行く展望露天風呂『雲の助』のテラスで見つけた黄色いアヤメ。キショウブ(黄菖蒲)というらしい。

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 駐車場の車に戻った直後、帰ろうとするとちょうど激しい雨が降り出す。14:45駐車場を出発。高峰高原、車坂峠を経由して、高峰チェリーパークライン(昔、有料道路だった)へ。

 15:20、菱野温泉に到着。

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 温泉旅館「常盤館」の本館ロビー奥から登山電車に乗る。

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 どんな電車かと思ったら、4~5人乗りの手作り感のある小さなケーブルカー。ちょうどエレベータのように、乗客がスタートのボタンを押し、到着するとドアが自動で開く。本館にも温泉の大浴場はあるが、登山電車に乗るのは上のほうに温泉の展望風呂があるから。

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 1分30秒で、標高1,050mの展望露天風呂『雲の助』に到着。いつの間にか雨は止んでいた。入浴料は1,000円だが、ケーブルカーに乗る面白さと、絶景の展望を考えると、高くはない。しかし、浴槽からの八ヶ岳、蓼科山、佐久平の大パノラマは、曇っているため、残念ながら展望なし。

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 展望露天風呂を出るころには、また激しい雨。帰りのケーブルカーの濡れた窓から、「常盤館」本館を見下ろす。線路の中央で、下から登ってきたもう一台とすれ違う。

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 16:50大雨の中、常盤館を出る。帰る途中で、雨は止む。

 県道130号線、小諸IC、上信越自動車道を通って、19:00自宅着。

 

 レンゲツツジの大群落、湯ノ丸山登山、池ノ平湿原の散策、菱野温泉のケーブルカーで行く露天展望風呂と、盛りだくさんだった。池ノ平湿原で雨が降り出したが、ちょうど車に戻ったところで、運が良かった。そのあと雨は降ったり止んだりで不安定だったが、湯ノ丸山頂と展望露天風呂からの眺めを除けば、梅雨の時期の満足な一日だった。

 今月末(7/27~)には、尾瀬の山小屋泊で、久しぶりにちょっとハードな「燧ケ岳」(標高2360m)に挑戦する。

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