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2012年12月 8日 (土)

映画「のぼうの城」

 2012年12月7日(金)、映画「のぼうの城」を観る。

 和田竜(りょう)のオリジナル脚本「忍ぶの城」が、2003年に新人脚本家のための賞「城戸賞」を受賞。

 その小説化作品「のぼうの城」(小学館)は、2008年上半期の「直木賞」候補作となった。同年、花咲アキラ作画により同名作品が漫画化、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載されている。

 
 2011年11月、映画「のぼうの城」の製作完成。2012年11月2日から全国の映画館で公開された。

Photo

 

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 天下統一を目指す豊臣秀吉(市村正親)は、唯一残った敵である北条を攻めようとしていた。人柄から農民たちに「のぼう様」(でくのぼうの意)と親しまれている城代・成田長親(ながちか、野村萬斎)は、北条方の支城として周囲を沼で囲まれた忍城(おしじょう)を守る。
 2万人の大軍を指揮する石田三成(上地雄輔)は、降伏・開城を迫る。しかし三成の軍使の傲慢な態度に、長親は戦うことを宣言、誰の目にも絶対不利なたった500人の軍勢は、2万の大軍を相手に戦うことになる。

 三成は、忍城を一望する近くの丸墓山古墳(埼玉古墳群)に本陣を置く。近くを流れる利根川を利用した水攻めを行うことを決定、総延長28Kmに及ぶ石田堤を建設した。しかし領民の助けもあり忍城は落城せず、結局は小田原城が先に落城したことにより開城となる。

 豪華キャストは他にも、西村雅彦、平泉成、佐藤浩市、成宮寛貴、山口智充、榮倉奈々、鈴木保奈美、山田孝之、平岳大、尾野真千子、芦田愛菜、前田吟、中尾明慶、夏八木勲など、多彩。犬童一心と樋口真嗣が、ダブル監督。上映時間2時間半という大作だった。

 

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 忍城は、関東七名城の一つで、埼玉県の旧跡に指定されている。映画を通じて舞台となった行田市と埼玉県は、地域のPRに様々なイベントを開催している。

 埼玉県北部にある行田市は、人口8万数千人。足袋の街として知られている。行田市の古墳公園付近は、万葉集に「さきたま」と記されており、「さいたま」の発祥の地とされる。

 戦国時代1478年頃、地元豪族であった成田一族が、この地を支配し扇谷(おうぎがや)上杉家に属していた忍一族を滅ぼし、忍城を築城したといわれている。扇谷上杉家、北条氏、そして1574年には上杉謙信も忍城を攻略するが、持ちこたえている。

 江戸時代の忍城の忍藩は、松平家や阿部家など、藩主や石高が目まぐるしく変わる。城下町は、中山道裏街道の宿場町として、利根川水運の物流路として繁栄した。また江戸時代後期からは、足袋の産地としても有名になった。

 明治以降、廃城となった城跡は、忍公園として整備された。1988年、行田市郷土博物館が開館、櫓(やぐら)の外観が博物館の一部として復興。ただしその位置や規模は、史実とは異なるそうだ。

 

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 野村萬斎ならではの田楽踊り、狂言を思わせるような仕草など、全体を通じてコミカル。特に成宮寛貴や榮倉奈々の台詞は、現代風にしてある。三国志の「レッドクリフ」のような戦闘シーンもあったり、どこかドタバタ劇のような、これは娯楽映画だ。むしろ上地雄輔が、彼の持つイメージよりもシリアスな演技をしている。
 

 CGを使っているとはいえ、北海道の広大な土地に作った沼に囲まれた忍城のオープンセットと、18トンも貯めた水を一挙に流すという水攻めのシーンは、迫力がある。

 
 この映画は、昨年秋に公開予定だったという。テレビで何度も見た忌まわしいあの3.11の津波と、映画の水攻めで村や田畑を飲み込むシーンが、確かに重なってしまった。一部を削除や変更されたが、公開を自粛して延期したといういきさつがあったようだ。

 
 しかし実際の水攻めは、津波のように一挙に大量の水が押し寄せるのではないと思う。川から引いた水で、徐々に水かさが増してくるのだろうと、思うのだが。

 映画のラストでは、現代の行田市の田園風景、忍城の遺跡や水攻めの石田堤が、写し出される。現在と対比させて、フィクションとはいえ、あらためてあの時代の史実が想起される。

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