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2012年5月の4件の投稿

2012年5月24日 (木)

長崎から江戸へ旅した象-その3

 石坂 昌三『象の旅―長崎から江戸へ』、薄井ゆうじ『享保のロンリー・エレファント』に続いて、将軍吉宗に献上される象が長崎から江戸へ旅した本を読んだ。

   杉本苑子(著)『ああ三百七十里』 東京文芸社 (1986/09) 単行本 定価1,000円

 この本は、すでに古本になっていて、244円(税込)で購入。

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 この本には、8つの短編の時代小説がおさめられている。最初の30頁ほどの短篇は本題と同じで「ああ三百七十里」で、カニシカという名前の雄の象は、一人称で書かれている。異国から将軍吉宗への献上象が、長崎に入港してから江戸城で吉宗に対面するまでの珍道中記で、かなり脚色され、小説として楽しめる。
 残りの7つの短編は、享保の象と関係ない物語だった。

 ★ ★ ★

 短編「ああ三百七十里」の中に、面白いエピソードがいくつかある。

 ①岡山城下での夜、宿舎で火事があり象は驚いて逃げ出す。追手を振り切り、八重桜の咲く後楽園に駆け込むが、夜明け頃発見される。

 こんな話は、石坂昌三の本にはない。将軍に献上する象の周囲は、かなり厳しく管理されていたので、火事があったというのはたぶん創作だろう。もし、事実であってもこのような不祥事は、藩がもみ消したに違いない。

 ②天皇と対面する京都御所では、脱糞して護送役の役人たちをあわてさせた。役人はその上に羽織をかけ、事なきを得た。

 この話も、石坂昌三の本には出てこない。御所で脱糞する話は、何かの資料で見たような気がするが、思い出せない。しかし、このような御所での出来事は、事実だとしても記録には残りにくいと思うが。

 ③増水した大井川では、象の重みで船が傾き、激流に投げ出された。護送役三人は、象の長い鼻で、救い上げられ、背中に乗せられて、対岸に渡った。

 この時代、象がいくつもの川を渡って旅するのは、大変だった。石坂昌三の本では、大井川はあっけなく歩いて渡って、同行の者たちは拍子抜けしたとある。
 遭難しかけたのは、関門海峡を石船で渡った時、潮の流れで波が甲板を洗ったのに象が驚き、興奮した。船はシーソーのように揺れ、回転しながら潮に流され、岩礁にぶつかる危機一髪で対岸に着いたという。杉本苑子の大井川の話は、この関門海峡の出来事に似ている。
 揖斐川では、歩いて渡って深みにはまり、水没した。背中の象使いは、川に流されたが助けられ、象は鼻を高く上げて、深みを脱出したとある。
 また、長良川では、船に乗せるのに手こずるが、なんとか渡りきった。しかし、対岸にいた大勢の見物人の歓声に興奮して、群衆の中を暴走して怪我人が出たそうだ。

 ★ ★ ★

 象と護送役たちは将軍と対面し、ねぎらいの言葉を賜り、ハッピーエンドとなる。この後の、象の悲しい運命については、触れられていない。

2012年5月23日 (水)

長崎から江戸へ旅した象-その2

 将軍吉宗に献上される象が長崎に着き、陸路を歩いて江戸へ旅した。
 石坂 昌三(著)『象の旅―長崎から江戸へ』に続いて、次の書籍を読んだ。

   薄井ゆうじ(著)『享保のロンリー・エレファント』 岩波書店(2008/5/9) 単行本 1,900円(税抜き)

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 象にかかわる様々な人たちの人間模様を、7つの短篇小説にして、この本におさめられている。
   ・「わらしべの唄」・・・象の糞を売って、利を得ようと奔走する中野村の百姓の話。
   ・「獺祭(だっさい)の湊」・・・長崎で象を診る医師とその弟子の話。弟子は、江戸まで象に同行する。
 
   ・「千日手の解法」・・・将軍吉宗と暗愚で将棋好きなその子家重の物語。
   ・「象を引く」・・・本物の象を舞台に上げ、歌舞伎「象引き」を演じる若き日の三代目市川団十郎が登場する。
   ・その他3篇・・・・・・・・
 

 これらは、享保の象を題材にした時代小説で、史実ではない。この中の「千日手の解法」が、一番興味深い。 

 象が江戸城に着くと、吉宗は家重と、居並ぶ諸大名とともに、対面する。象の大きさ、鳴き声や、一挙一動に皆が驚くが、しかし家重は全く関心を示さず、途中で退席してしまう。
 この態度に、吉宗と家重の間は冷え切ってしまう。しかし、浜御殿での象とのかかわりで、吉宗と家重の父子の関係は修復し、やがて家重は9代将軍を立派に勤めあげる。

 確かに家重は、象と最初に対面した時、興味を示さなかったようだ。後の浜御殿の父子関係の話は、フィクションだろう。

 ★ ★ ★

 家重は、生来虚弱の上、脳性麻痺による言語障害があったそうだ。成人になっても失禁するので、侍女たちは下の世話のために、ついて回った。発する言葉は父親の吉宗でさえ理解できない。側近が傍に付いて通訳する。吉宗は、世継ぎである家重を溺愛、文武に励むように仕向けるが、大奥にこもりがちで、酒色にふけったといわれている。

 吉宗がどうして象を見たいと思ったのか、この短編でも触れられているが、石坂昌三の本に詳しい。質実剛健の吉宗は、馬より大きい象が戦(いくさ)に使えないかということを考えた。象を輸入し、浜御殿に象舎を建設した。これは、吉宗が浜御殿を、総合的な実験・研究施設に改造したことと無縁でない。
 

 浜御殿は、現在都立庭園の「浜離宮」である。甲府藩下屋敷時代に原型が築かれ、徳川家宣が6代将軍になると、将軍家の別邸として「浜御殿」と改称して大幅な改修が行われた。武芸や学問を重んじた第8代将軍吉宗は、浜御殿内に馬術訓練の為の馬場を築き、また大砲場や鍛冶小屋、製糖所、製塩所、薬草園などを設け、実学の実験場として利用したという。

 象を観察した結果、吉宗は象を利用価値なしと判断したようだ。繁殖させようと思った牝象は、長崎で死んでしまっている。享保の倹約令は、大食いの象を飼うこととは矛盾した。吉宗は、象を飼うことに、興味が薄れてしまうのだ。

 異国から連れて来られた孤独な、寂しい享保の象が、やがて栄養失調と冬の寒さで死んでしまう。このことは、この本に触れていないが、題名のロンリー・エレファントは、あわれなこの象の行く末をこの表わしているのだろうか。

 長崎から江戸へ旅した享保の象の全体像が、だいぶ明らかになって来た。

2012年5月16日 (水)

三ツ峠山

 2012/5/13(日) 富士山周辺の山、「三ツ峠山」に日帰り山行。天気は快晴。 
    
 開運山(1,785m)、御巣鷹山(1,775m)、木無山(1,732m)の三山を合わせて、「三ツ峠山」という。古くから富士山展望の山として親しまれ、山頂近くの岩場はロッククライミングのゲレンデとして有名。日本200名山。   

 自宅を6:15出発。中央高速の談合坂SAで休憩10分、8:05河口湖ICで高速を降り、国道137号へ。「御坂(みさか)みち」を北上する。御坂みちは、河口湖から御坂峠を越えて、御坂町に至る旧道。御坂町は、山梨県中部の東八代郡に属した町で、現在は合併して笛吹市となっている。 

 御坂トンネル手前のバス停「三ツ峠入口」で、三叉路を右折し「三ツ峠登口」へ。登山口の標高は、1,230m。更に徒歩だと15分先に、樹林の中にトイレと駐車場を備えた「登り口」があり、8:40に到着。

 好天の日曜日で、登山客は多い。駐車スペースも満車に近く、かろうじて止められた。樹林は新緑で、清々しい。

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 9:05登山開始。樹林の中の幅広の道を辿り、左に砂防ダムが見えると、右折して沢と分かれる。ジグザグの急登を過ぎると、やがて緩やかな登りとなる。

 「三ツ峠山荘」と「四季楽園」への分岐で戸惑う。結局、分岐はこの先で合流するが、 「三ツ峠山荘」への右の道を選ぶ。

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 尾根に「三ツ峠山荘」が見えてきた。

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 「三ツ峠山荘」の手前を、右へ進むと展望地がある。10:35着。

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 展望地から、雄大な富士山が眼前に。左の茶色の裾野は自衛隊演習場、さらにその左に山中湖が見える。

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 ここが「三ツ峠山荘」。

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 山荘の前から、ロッククライミングの屏風岩を望む。

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 「三ツ峠山荘」の裏に広い展望地があり、南アルプス、北アルプス、八ヶ岳連峰、奥秩父方面の山々が眺望できる。

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 展望地を11:10出発。徒歩5分で「四季楽園」。後ろに御巣鷹山の通信塔群が見える。

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 「四季楽園」の休憩所は有料で、一人100円。トイレは200円。

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 倒れかけた道標。ここから、山頂に向かう登りになる。

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 滑り易いザレ場の急斜面を登りきると、三ツ峠山頂の「開運山」1,785mだ。11:25に到着。

 山頂の石碑の写真を撮ったら、裏側だった。表には「三ツ峠」の文字と海抜が刻んである。

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 山頂は狭いが、360度の大展望は最高。南西方向​に、雄大な富士山を仰ぐ。 眼下中央に富士急ハイランド、その右手が富士河口湖町、左手が富士吉​田市の市街地。

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 山頂から西方向は、冠雪した​南アルプスが遠景に。中景は、黒岳などの御坂山塊。近景は山頂に​向かう尾根で、左から三ツ峠山荘、展望地、四季楽園。

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 雲もなく、南アルプスがはっきり眺望できる。左から白い峰は、聖岳、悪沢岳、赤石岳。

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 南アルプス北部(右手)には、更に左から農鳥岳、間ノ岳、北岳が続く。

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 北の方向に目を移すと、甲府盆地と遠くに北アルプスが霞んで見える。

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 更に右手に、八ヶ岳連峰。中央の一番高い峰が赤岳。

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 11:40下山開始、往路を引き返す。11:50~12:30、再び「三ツ峠山荘」裏の広場(展望地)で絶景を見ながら、昼食。13:40三ツ峠登り口に到着。

 13:55登り口を出発、帰路へ。途中、河口湖温泉の「野天風呂天水」に寄る。天水は、河口湖北東岸の久保田一竹美術館のすぐ上にある。14:30から約1時間ほど、入浴と休憩。入湯料1,000円。

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 帰りの中央高速道は、予想通りの渋滞。19:00ごろ自宅に帰着。

 三ツ峠登山口からの往復だったので、楽な登山だった。歩行時間は、2時間40分(登り1時間30分、下り1時間10分)。三ツ峠山は、過去2、3回登っている。最後は雪のない1990/12/22で、20年以上前だ。記録がはっきりしないが、清八林道というのがあるので今回と同じ「裏三ツ峠コース」と呼ばれるコースだったようだ。その前は、屏風岩を通った記憶があるので、三ツ峠駅からのきつい「表三ツ峠コース」だったようだ。

 好天の登山で、帰りは温泉で疲れを癒し、中央高速の渋滞も何とかクリアし、満足のいく山行だった。幹事のHさんに感謝。

2012年5月15日 (火)

再び潮風公園

 2012/5/12(土)13:30、ゆりかもめ「船の科学館」駅で下車。

 駅舎の左手から、船の形をした「船の科学館」が見える。リニューアルのため昨秋から本館の展示は休止中。現在は、船の科学館前に係留され、永久保存されている南極観測船「宗谷」を中心とした展示になっている。

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 駅舎の右手からは、樹木の上に実物大のガンダムの上半身がのぞく。茶色の建物「ダイバーシティ」南側のフェスティバル広場に、高さ18mのガンダム立像が設置されていた。
 4月19日、お台場に「ダイバーシティ東京プラザ」がオープンした。フジテレビ本社ビルに隣接し、154店舗が出店するお台場エリアでは最大級の商業施設だそうだ。

 ガンダムの立っている広場まで行って、近くで見たかったが、移動に時間がかかりそうでやめた。

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★ ★ ★

 「船の科学館」駅から歩いてすぐに、「潮風公園」がある。先々月の3/24(土)にもこの公園に来たが、雨が降っていてゆっくり見る間がなかった。

 「13号地公園」という名称で、1974年6月に開園。東京都立の公園である。1992年~1996年に全面改修され、「潮風公園」となった。臨海副都心内では最大の公園で、「お台場海浜公園」と「東八潮緑道公園」に隣接している。都心方面から羽田空港方面までの東京港全体を見渡すことができ、見晴らしは「お台場海浜公園」よりも良いという。

 南中央口と「噴水広場」を結ぶメインストリート「水と緑のプロムナード」は、ワシントンヤシが立ち並び、南国のような雰囲気。プロムナード(遊歩道)に沿ってサクラ並木もあり、春には大島桜と 染井吉野が咲き誇る。

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 プロムナードの真ん中には噴水があり、カスケード(人工の連滝)が海岸方向に流れる。

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 プロムナードを通りぬけた海岸近くにある「噴水広場」は、夏場は特に子供達の水遊びでにぎわう。写真左手は、フジテレビ本社ビル。ここからは、東京港を180°眺めることができる。

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 南駐車場西側にある「日だまり広場」の近くには、船の形をした遊具施設「しおかぜ丸」があり、子どもたちに人気だ。

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 公園中央には首都高速湾岸線が通り、公園内を南エリアと北のエリアに分けている。この道路は途中で海底へ潜って東京港トンネルへ抜ける。海底へ潜ったところに、台形の形をした巨大な換気塔(写真中央)がそびえ立つ。その換気塔の海側にアーチ型の「潮風橋」があり、ここで南エリアと北エリアをつないでいる。対岸のビル群は、天王洲アイル。

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 噴水広場から対岸の「大井コンテナふ頭」を望む。その先の遠景(写真左手)に、羽田空港がある。

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 羽田空港から離陸した飛行機(下のパノラマ写真)が見える。海上に浮かぶ建造物は、東京湾アクアラインのトンネル換気施設である「風の塔」。

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 潮風公園の北エリアは、「街と海のプロムナード」や日時計の「夕陽の塔」、園内最大の円形広場である「太陽の広場」、「バーベキュー広場」、「レストハウス」、「ソーラー発電施設」、「島の日曜の午後」と名づけられた彫刻などがある。
 潮風公園はあまりにも広すぎて、限られたこの日の時間で、北エリアまで巡るのは出来なかった。

 「潮風公園」は緑や海と対岸のビル群が見え、またフジテレビから近いこともあって、テレビ番組のロケや写真の撮影場所として使用されることが多いそうだ。

★ ★ ★

 今日は、晴れたり曇ったりで風もあり、気温も春にしてはやや低い。14:00から16:00まで、モデルの「新庄さくら」ちゃんを噴水広場で撮影。

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 このあと新橋駅に向かい、17:00~19:00教室の懇親会に参加した。

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