すばる望遠鏡
『週刊朝日』の最新号(2012年5月4日-11日合併号)を読んでいたら、「すばるが迫る暗黒エネルギーと暗黒物質の正体」という大見出しで、「SFを越える現代宇宙論の世界-前編」というレポートがあった。
「今夏から観測開始」、「ノーベル賞も夢じゃない」の小見出しが躍る。
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国立天文台ハワイ観測所に、「すばる望遠鏡」というのがある。ハワイ島のマウナ・ケア山の山頂(標高4,205m)にある日本の国立天文台の大型光学赤外線望遠鏡である。
1999年1月に試験観測を、その後共同利用観測を開始している。有効直径8.2mという、当時世界最大の一枚鏡をもつ反射望遠鏡だ。システム設計・建設のほとんどは三菱電機が請け負った。建設総額は、400億円といわれている。
すばる望遠鏡の解像力の高さは、世界の大型望遠鏡の中でも特に高く評価されているそうだ。富士山よりも高いマウナ・ケア山は、空に近くて、車で登れて、都会の明かりに邪魔されない天体観測の聖地だ。各国13の観測所が林立している。
10年以上前のこの望遠鏡に、新型カメラが設置されることになり、この夏からの本格的な観測が始まる。この最先端の技術によって、暗黒エネルギーと暗黒物質の正体に更に迫れるのではと、日本の研究に期待されている。
暗黒エネルギーと暗黒物質については、今月に読んだ『ベテルギウスの超新星爆発 加速膨張する宇宙の発見』(幻冬舎新書、野本 陽代)に出てきたダークエネルギーとダークマターというやつだ。
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宇宙の構成要素のなかで、銀河や星をつくる水素やヘリウム・・・など普通の物質は、4%に過ぎないという。大きな重力で普通の物質を引き寄せているダークマター(暗黒物質)は、宇宙の23%を占める。残りの73%は、ダークマター以上に訳の分からないダーク(暗黒)エネルギーが、宇宙を加速膨張させている。
そんな訳の分からないものが宇宙にあるとは、つい最近『ベテルギウスの・・・・ 』を読むまで知らなかった。このような宇宙論は、この週刊誌のほうが素人には理解しやすい。要は宇宙はあまりにも広すぎて、銀河系の太陽系の地球にいる我々人類が分かっているのは、そのほんのわずかな塵みたいな範囲だ。大部分は、まだ謎だらけということだ。
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