映画「戦火の馬」
2012年3月30日の映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」に続いて、夕方から「戦火の馬」を観た。
1982年に発表されたマイケル・モーパーゴによる小説が2007年に舞台化され、それをロンドンで観た巨匠スピルバーグ監督が、映画化した。スピルバーグ監督は、「ジョーズ」、「E.T.」、「インディ・ジョーンズ」、「ジュラシック・パーク」など数々の作品で有名だが、最新作ということで、この作品に興味を持った。原題は"War Hourse"。ディズニーの配給で、今年3月2日から公開されていた。
貧しいイギリスの農家の少年アルバートは、農耕馬として飼われた一頭のサラブレッド馬ジョーイを深い愛情で育てる。犬と同じように、人間と感情を交わすことができるという馬と少年の、美しい絆の物語。
やがて第一次大戦が始まる。ジョーイは、アルバートと引き裂かれて軍に徴用され、騎兵隊の軍馬としてフランスの前線に送られる。前線の中でドイツ兵、フランスの少女、イギリス兵などいろいろな人間たちとめぐり合いながら、銃弾の飛び交う戦場の中をくぐり抜けて、奇跡の馬として生還する。
しかし破傷風に罹っていて、安楽死されかけたところで、軍に志願し戦場で負傷したアルバートと偶然再会。心温かい人々の多くの支援を受け、少年は馬と一緒に両親の待つイギリスの故郷に帰る。
第一次大戦は、騎兵隊のみならず、大砲や兵器、軍需物資や兵士を運ぶ馬車を引くために、100万頭もの馬が徴用され、消耗品のようにほとんどの馬が死んだそうだ。生き残った馬も、終戦後輸送費がかかるため、ほとんどが食肉にされたという。
この物語は馬が主人公と言っていいほど、馬を中心に描かれている。それにしても馬と思えないほどドラマに合わせた演技が、にくいほど素晴らしい。スピルバーグのことだから、サメや宇宙人や恐竜のようにCGによるものかと思ったが、パンフを見るとすべて調教によるものだというのに驚かされる。
前線で一時停戦状態の中を、イギリス兵とドイツ兵がそれぞれ対峙した塹壕から出てきて話を交わし、傷ついたジョーイを協力して助ける場面は、半分信じられない光景だが心が安らぐ。
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