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古墳群と足袋蔵のまち行田

 2023年1年22日(日)、古墳群と足袋蔵のまち行田市の名所をめぐる。

 

 行田市は、埼玉県の北部に位置する人口約8万人の都市。足袋産地(行田足袋)として知られ、「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」が「日本遺産」に認定されている。全国有数の大型古墳群である「埼玉(さきたま)古墳群」は国の特別史跡に指定されている。

 

 集合場所を出発する頃は零下1℃。この日の天気は晴れ、最高気温は9℃と10℃に満たないが、風がないので比較的温かい。8:55、埼玉県行田市大字埼玉(さきたま)の「さきたま古墳公園」駐車場に到着。

 

■さきたま史跡の博物館

 9:05、国宝「金錯鉄剣」のある県立「さきたま史跡の博物館」に入館。観覧料200円。

 国宝展示室と企画展示室「ほるたま展『埴輪男子』」を見学。

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  展示室中央に展示されている国宝「金錯銘(きんさくめい)鉄剣」を鑑賞。近づいての撮影は禁止。右の写真は「行田市郷土博物館」観覧券を転載。

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 鉄剣が発見された「稲荷山古墳」の埋葬施設(木棺)の想定図。

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 発掘によって「稲荷山古墳」の埋葬施設から出土したヒスイの勾玉や鏡などの副葬品も、すべて一括で国宝に指定されている。

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 10:05 博物館を出て、幸手市から移築したという江戸時代末期の稲作農家の建物「遠藤家住宅」を見学(写真省略)。

■埼玉(さきたま)古墳群

 古墳群のエリアに歩いて向かう途中にある「埼玉県名発祥の碑」。この地、行田市大字埼玉(さきたま)が、埼玉県名発祥の地とされている。

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 「埼玉」が県の名称とされたのは、当初の県の管理区域の中で、最も広いのが、埼玉郡であったことによると、説明板に記されている。「埼玉古墳群」に接する「浅間塚」と呼ばれる古墳上に「前玉神社」が、建てられているそうだ。「前玉(さきたま)」が転じて「埼玉(さきたま)」へと漢字が変化し、現在の「埼玉県」になったと云われている。

 「将軍山古墳」へ向かう。墳丘へは、立ち入り禁止。

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 10:25、「将軍山古墳展示館」に入館。実物の横穴式石室を建物の中から見学できる我が国初の施設。埋葬された人物、副葬品等が展示されている。

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 「将軍山古墳」は、1894年(明治27)地元の人々により発掘され。横穴式の石室を発見した。官庁の許可を得て発掘を進めた結果、縦1.5m、横0.8m、厚さ30cmの秩父青石(緑泥片岩)の天井板、側壁は房総半島の富津市付近で産出される房州石が用いられていた。また多数の馬具や武器、武具、須恵器などが出土したという。古墳の全長は90m、高さ8m(推定)。

 騎馬武者を再現。

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 横穴式石室の実物大のレプリカ。

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 10:45、鉄剣が発見された「稲荷山古墳」に登る。写真は、ウィキメディア・コモンズ

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 「稲荷山古墳」は、埼玉県第2位の規模の大型前方後円墳。全長120m、高さ10m。国の特別史跡に指定され、帯金具、まが玉、鏡等多数の出土品は「国宝」に指定されている。金錯銘を有する鉄剣(稲荷山古墳出土鉄剣)が発見されたことで知られる。造営年代は、古墳時代後期の5世紀後半と考えられ、さきたま古墳群中では最初に築造された。

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 鉄剣は1968年(昭和43)の発掘調査の際に出土し、10年後(昭和53年)の保存処理作業の折、X線撮影をしたところ、115文字の銘文を発見。1983年(昭和58)に国宝に指定された。

 「稲荷山古墳」からは、墳丘表面を覆っていた葺石や、円筒埴輪、人物埴輪などの埴輪類が出土しており、これらの出土遺物の型式から築造年代は6世紀の前半と考えられている。1985年(昭和60)~1987年にかけ墳頂部と墳丘東側を中心に整備が行われた。また、周濠の一部が復元されている。

 「稲荷山古墳」の墳頂から東の方角に見える「古代蓮の里」の展望塔。

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 「稲荷山古墳」から見る北の方角。左につならる「白根山」方面、右は「男体山」。

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 「稲荷山古墳」から見る日本最大級の「丸墓山古墳」。

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 11:10「丸墓山古墳」に登る。6世紀前半の国内最大級の円墳。全長105m、高さ17m。出土した埴輪から6世紀前半に造られたと考えられる。

 「丸墓山古墳」から見る北北西の方角に「赤城山」。

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 「丸墓山古墳」から見る北西の方角に「浅間山」、右手前に「忍城趾」が見える。

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 丸墓山古墳から西の方角に「両神山」。

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 1590年(天正18年)小田原征伐に際して、秀吉から忍(おし)城攻略の命を受けた石田三成がこの「丸墓山古墳」の頂上に陣を張った。三成は忍城を水攻めにするため、「丸墓山」を含む半円形の「石田堤」を28 kmほど築いたという。「丸墓山古墳」から南にまっすぐ伸びている道路は、この堤の名残だそうだ。

 なお、埼玉古墳群の中には、武蔵国で最も大きな前方後円墳の「二子山古墳」(全長132m、高さ14m)がある。造られた時期は6世紀前半とされる。

 11:35「さきたま古墳公園」駐車場を出て、「行田市バスターミナル観光案内所」に立ち寄り、12:00「忍城趾・行田市郷土博物館」駐車場に車を駐める。

 

■ゼリーフライ

 駐車場から歩いて県道128号線を横断、「忍東照宮」の西側にある行田名物「ゼリーフライ」の旗が立つ食事処「かねつき堂」に入る。

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 行田のB級グルメ「ゼリーフライ」は、”おからコロッケ”。おからに小麦粉を加え、つぶしたジャガイモのほかタマネギやニンジンなどの刻み野菜を混ぜあわたタネを小判の形に整えて揚げ、ウースターソースにくぐらせる。通常のコロッケと異なり小麦粉・卵・パン粉をつけない。

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 ゼリーフライは、2個セットで220円だが、1個だけ注文。ボリュームのある焼きそば(小) 400円と合わせて合計510円の昼食。

 形が小判(銭)の形をしていて、揚げものという意味で「銭フライ」が訛ったという。また別に、「フライ」という食べものもあるそうだ。溶いた小麦粉にネギや肉などを加え、卵をのせて焼いた薄焼きの”お好み焼き”。これらは、足袋屋の女工さん、家内工業の主婦、子どものおやつや軽食として食べられたという。

 12:30、「かねつき堂」を出て、「忍(おし)東照宮」(忍諏訪神社)で参拝。

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 「忍諏訪神社」は、後鳥羽天皇の建久(1190年頃)年間、忍一族が当郷へ居住した頃に創建されたとも、戦国時代の1491年(延徳3)成田親泰が忍城を構築した際に持田村鎮守諏訪社(持田諏訪神社)を遷座したとも伝えられる。その後、成田氏代々の崇敬があり、江戸時代の1639年(寛永16)城主となった阿部忠秋は城郭を修築、併せて1645年(正保2)本殿を造営、1672年(寛文12)拝殿を新たに建立した。

 1823年(文政6)、松平忠義は伊勢桑名から移封するに当たり、城内字下荒井の地へ「東照宮」を勧請したが、1873年(明治6)城郭取り壊しの際に城内各所にあった他の社もあわせて当社境内に遷座したという。

 

■忍(おし)城趾

 12:50、忍城趾駐車場に戻り、観光ガイドと合流。13:00 駐車場を出発。

 当時の「大手御門」は、忍城内の枡形城門から大手橋を渡った先に南面して立っていた。

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 忍城趾のシンボル「御三階櫓」(御三重櫓)。

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 当時の「御三階櫓」は、現在の「水城公園」(当時は忍城の外堀の沼)付近に建っていたが、明治時代の忍城解体にともない破却されたという。現在の「御三階櫓」は、「行田市郷土博物館」の開館に合わせて昭和63年(1988年)、当時を模して鉄筋コンクリート構造により造られたというが、規模も位置も史実とは異なるという。一見して天守閣に見えるが、「行田市郷土博物館」とつながっていて、展示物および展望台となっている内部を見学できる。

 「忍城」は室町時代にあたる15世紀後半に成田氏により築城された城郭。戦国時代の終わりに豊臣秀吉の関東平定に際し、石田三成らによる近くを流れる利根川を利用した水攻めを受ける中、小田原城の降伏後に開城した。のことが、「忍の浮き城」という別名の由来となった。忍城の水攻めを描いた歴史小説『のぼうの城』(和田竜の作)は、2012年に映画化(野村萬斎主演)された。

 家康の関東入部後は、四男の松平忠吉が忍城に配置され、以後、忍藩10万石の政庁となった。1639年(寛永16年)に老中・阿部忠秋が入ると城の拡張整備が行われた。阿部氏の時代には「御三階櫓」が新たに建設されるなど、往事の縄張りは1702年(元禄15年)ごろに完成したと考えられている。

 1823年(文政6年)に阿部氏が白河に移り、桑名から松平忠堯(ただたか、奥平松平氏)が入った。忍城の城下町は、中山道の裏街道宿場町としての機能や、付近を流れる利根川の水運を利用した物流路としての機能を兼ね備えて繁栄。また江戸時代後期からは、足袋の産地として名をはせるようになる。

 

■足袋蔵(たびくら)のまち

 忍城趾駐車場に戻り、12:05観光ガイドと合流。ガイドの案内で「足袋蔵のまち」をめぐる。

 「足袋蔵」は、足袋産業にかかわる蔵造りの建物。古くはおもに足袋の保管庫であった。江戸時代から1957年昭和32年)にかけて建築され、土蔵だけでなく、石蔵、煉瓦蔵、木蔵、コンクリート蔵、モルタル蔵など、年代により様々な建築技術による多種多様な蔵が、行田の町に点在している。

 13:15、「足袋とくらしの博物館」着。ここは「力弥たび」の商標を用いた「牧野本店」の元工場。大正11年に建設された洋風の工場建物。現在は、かつての職人たちが裁断機やミシンを動かし、足袋づくりを実演している様子の見学できる博物館。入館料200円。

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 2005年10月オープン。足袋を作っている現場を見学。

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 13:35「足袋とくらしの博物館」を出て、さらに「足袋蔵のまち」を散策。

 「牧野本店」の店蔵と主屋は1924年(大正13年)棟上、土蔵は1899年(明治32年)棟上の蔵と建築年代不明のものの2棟が現存し、足袋工場は1922年(大正11年)の棟上。 写真は、「牧野本店」の店蔵で工場につながっている。

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 「時田蔵」は、1903年(明治36年)建築と大正初期建築の2棟の土蔵。奥にも土蔵が並んでいる。時田家が明治時代に建設。行田では珍しい袖蔵式で板張りの足袋蔵。

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 「忠次郎蔵」(国登録有形文化財)は、旧小川忠治郎商店の店舗及び主屋。足袋原料問屋の昭和初期の店蔵。1925年(大正14年)棟上の土蔵。現在、蔵を再活用した本格手打ち蕎麦の店。 

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 「牧禎舎」は、昭和初期の旧足袋・被服工場と事務所兼住宅を改装した施設。一日から借りられるレンタルスペースや、中長期的に利用出来るアーティストシェア工房があり、藍染体験工房が併設されているそうだ。

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 13:51「足袋蔵まちづくりミュージアム(栗代蔵)」に入館。「栗代(くりだい)蔵」は、1906年(明治39年)建築。

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 1階は案内所、2階は「栗代蔵」の歴史を展示(写真)。2009年2月オープン。

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 「保泉蔵」は、1916年(大正5年)建築の土蔵、1932年(昭和7年)棟上の石蔵、昭和戦前期建築のモルタル蔵。

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 「十万石ふくさや行田本店」(国登録有形文化財)は、銘菓「十万石饅頭」で知られる本店。1883年(明治16年)建設の行田を代表する店蔵。

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 「イサミコーポレーションスクール工場」は、1907年3月(明治40)にメーカー「イサミ足袋」として創業。

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 行田最大のノコギリ屋根の足袋工場。現在は、学校企業制服体操着足袋の製造を手がける。2017年のTVドラマ『陸王』(役所広司主演)でこの工場が、劇中で老舗足袋を扱う「こはぜ屋」の外観としてロケに使われた。

 煉瓦作りの「大澤蔵」(登録有形文化財)は、1926年(大正15年)建築。煉瓦造の足袋蔵は行田市唯一。

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 「行田八幡神社」は、「封じの宮」と称され、子供の夜泣きやかんの虫を封じる「虫封じ」をはじめ、癌の病、諸病、難病や悪癖の封じ、お年寄りのぼけ封じ等の封じ祈願が秘法として継承されているそうだ。参拝客でにぎわっていた。

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 「足袋蔵ギャラリー門」と「クチキ建築設計事務所」は、1916年(大正5年)建築。ギャラリーは足袋蔵を利用し、絵画展などを不定期で開催。敷地内にあるカフェは、初代行田市長の元住居を「カフェ閑居」として運営。「パン工房KURA」は1910年(明治43年)建築。2017年(平成29)4月にこれらの敷地内建物すべてが、日本遺産構成建物に認定されている。 

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 「孝子蔵」は、1951年(昭和26年)棟上の石蔵(大谷石)。

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 升形城門跡、大手門跡などを見て、忍城趾に戻る。

 

■行田市郷土博物館

 観光ガイドと別れ、15:00~「行田市郷土博物館」に入館。観覧料200円。

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 「行田市郷土博物館」は、多くの実物資料が4つのテーマで展示されており、古代から現代にいたる行田の歴史と文化を学ぶことができる。残念ながら、ここの館内は撮影禁止だった。

  1. 古代の行田 ー行田で花開いた古墳文化
  2. 中世の行田 ー北武蔵の武将成田氏の居城
  3. 近世の行田 ー徳川家ゆかりの城郭と城主
  4. 足袋と行田 ー近代の行田を支えた足袋産業

 以下4枚の写真は、「行田市郷土博物館」パンフより転載。

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Musashi_oshijo

Tokugawa_ieyasu

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 15:50、忍城駐車場にもどり、解散。

 

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 ★ ★ ★

 前から見たいと思っていた足袋工場の作業風景を見られたのは収穫だった。県立の「さきたま史跡の博物館」では、国宝の金錯銘鉄剣も実物を初めて見た。後で調べると、ケースの中は腐食が進まないように窒素ガスが封入されているという。「金錯」とは、初めて聞く言葉だが金象嵌(きんぞうがん)のこと。昔、新聞などでは「金象嵌」という用語を使っていたと思う。

 各地に郷土博物館があるが、この博物館も立派だった。だが撮影禁止とは残念だ。市内をけっこう歩いた。帰ってから久し振りの歩き疲れで、ぐったり。歩数計では1300歩以上だったので、89Kmほど歩いたことになる。

2023年1月16日 (月)

新型コロナ2023.01 死亡急増

 2023年1月15日で、新型コロナウイルス感染症の初確認から3年になる。「第8波」の新規感染者数は、年末年始に一時的に減ったあと、再び増加傾向が続いていて、特に中国・四国、九州などでは増加幅が大きく、季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行が始まっている。死亡者数は、第7波のピークを越え、過去最多を超える急増状況が続いている。一方、中国では「ゼロコロナ」政策の極端な変更によって感染が爆発的に拡大し、各国は水際対策を強化している。

 2023年1月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.12 中国急増」の続き。なお、感染者数・重症者数・死者数のデータは、厚労省の発表と都道府県などの発表とで異なる場合があり、特に死者数は厚労省のデータを採用しています。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【1月1日】

●全国で8万6447人感染 空港検疫32人中28人が中国滞在歴

 国内感染者は1月1日、新たに8万6447人が確認された。前週の同じ曜日(12月25日)より6万2365人少なかった。新たに発表された死者は180人だった。都道府県別の新規感染者は東京都が9186人で最も多く、次いで大阪府6214人、神奈川県5514人で続いた。一方、空港検疫などで確認された感染者は32人。このうち28人が中国に滞在歴がある人だった。中国での感染拡大を受けて、日本政府は12月30日から水際対策の強化を始めている。

 1月1日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【1月2日】

●7万5885人感染 空港検疫で84人確認

 国内感染者は2日、新たに75885人が確認された。都道府県別では、東京都が7537人で最も多く、次いで神奈川県4987人、大阪府4980人、愛知県4252人。死者は全国で244人。死者が最も多かったのは東京都で24人、大阪府20人、神奈川県17人と続いた。空港検疫などで確認された感染者は84人で、うち82人が中国に滞在歴がある人だった。

【1月3日】

●中国 年末年始の国内旅行客、感染拡大前の4割余にとどまる

 中国政府は、31日から12日までの3連休に国内を旅行した人がのべ5271万人余りと、「ゼロコロナ」政策前の年の同じ時期に比べて0.4%増加したと発表した。しかし、新型コロナ以前の4年前の同じ時期と比べると4割余りにとどまり、依然として低い水準。今月21日からは旧正月の「春節」にあわせた7日間の大型連休が始まり、感染拡大で医療体制の逼迫が深刻になっている地方都市や農村部では、医療機関が薬の調達を急ぐなど対応に追われている。

●9万448人感染 コロナ209人死亡

 国内感染者は3日、新たに9448人が確認された。死亡が確認されたのは209人だった。都道府県別の最多は東京都の9628人。次いで大阪府6355人、愛知県4850人、神奈川県4828人と続いた。空港検疫などで確認されたのは26人で、全員が中国滞在歴あり。中国での感染拡大を受けて政府は昨年1230日から中国からの入国者に感染検査を実施しており、水際対策の強化が影響したとみられる。

【1月4日】

●政府 中国本土からの入国者の水際措置、8日からさらに強化へ

 中国の感染状況などを踏まえ、政府は臨時的な水際措置を今月8日からさらに強化することになった。具体的には中国本土からの入国者について、精度が高い「抗原定量検査」やPCR検査に切り替えるとともに、直行便での入国者に対し、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明を求めるとしている。また、中国本土からの国際線を成田、羽田、関空、中部空港の4つに限定し、増便を行わないよう航空会社に要請する措置を継続する。

 中国外務省の毛報道官は、4日の記者会見で「政治化したり、差別的なやり方をしたりすべきではなく、正常な人的往来や交流と協力に影響を及ぼすこともすべきでない」と反発した。毛報道官は3日の会見でも、われわれは断固として反対を表明すると反発し、過度な水際措置をとった場合には対抗措置をとる考えを示していた。

【1月5日】

●香港政府 中国本土との往来制限、今月8日から緩和

 香港政府は、新型コロナ対策としておよそ3年にわたって続けてきた中国本土との往来の制限について、今月8日から隔離措置なしでの往来を7か所の境界で再開すると発表した。混乱を避けるため、一日の往来の人数を香港から本土へは6万人、本土から香港へは5万人に制限し、状況を見ながら再開する境界や往来の人数を増やしていくとしている。香港日本人商工会議所の伊藤事務局長は、物流の面でも制限の緩和が進むことに期待を示しました。

●インフルエンザ、全国的な流行期に コロナと同時流行懸念

 インフルの患者数は、先月25日までの1週間で全国で流行期入りの目安を超えた。全国的な流行期に入るのは、新型コロナ感染拡大が始まって以降、今シーズンが始めて。東京都内の小児科クリニックでは、発熱してもどちらに感染しているかわからないという保護者の声が聞かれた。コロナ禍以降インフルの流行がなく、免疫力が落ちているため徐々に感染者数が増えているうえ、このところ乾燥状況が続き、寒さも厳しい影響で、さらに感染しやすい状態になっているという。

 インフル流行期入り(先月25日までの1週間) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●感染12県で最多 正月明け 受診集中か

 新規感染者数は、5日で新たに23万1053人が確認され、西日本を中心に大分県、宮崎県、岐阜県、鹿児島県、群馬県、島根県、岡山県、山口県、佐賀県、熊本県、香川県、愛媛県の12県で過去最多を更新した。死者数は国内過去最多の498人、9県で過去最多だった。ただ、年末年始に多くの医療機関が休業していたため、報告や検査が休み明けに集中した影響が考えられる。都道府県別で感染者数の最多は東京都で2万735人。大阪府1万5772人、愛知県1万3174人と続いた。

 1月5日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 1月5日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【1月6日】

● 中国から日本に入国、陽性408人 年末年始水際対策、明日から強化

 新型コロナの感染が拡大する中国からの入国者について、厚労省は6日、昨年12月30日~今年1月5日の検査結果を公表した。4895人に検査し、408人が陽性だった(陽性率は8.3%)。中国では大規模な感染が続いているとされるが、政府は実態が分からなくなっているとみており、8日から水際対策を強化する。

●新型コロナ感染者の葬儀で新指針 最後の別れができるように

 新型コロナに感染して亡くなった人の葬儀などに関する国のガイドラインについて、厚労省と経産省はこれまでの制限を緩和する見直しを行い、6日に公表した。この見直しで、「納体袋」は必要ないとしているほか、触れたあとに適切に手洗いをすれば遺体に触れることができるとしている。厚労省は新たなガイドラインをホームページに掲載することにしている。加藤厚労相は6日の記者会見で「基本的にはコロナ以外で亡くなった人と同様の対応になる」と述べた。

●死者、最速ペースで6万人目前 正月明け、医療切迫

 新型コロナの感染拡大が止まらない。感染者数は6日、累計で3千万人を超えた。死者数も1カ月余りで1万人近く増え、過去最速のペースで6万人に迫る。専門家は「対策の緩和や気の緩みが影響している」と指摘する。地方での感染拡大も顕著で、医療現場も切迫してきている。死者の大半は高齢者。80代以上が約68%、70代が約20%、60代が約7%だった。

【1月7日】

●米でオミクロン株の1つ「XBB.1.5」、急速に拡大 感染力強いか

 米国CDC(疾病対策センター)はこのほど、今月7日までの1週間に新型コロナに新たに感染した人のうち推計で27.6%が「XBB.1.5」に感染したと発表した。ほかの変異ウイルスが先月下旬から減少する中、「XBB.1.5」は先月3日の時点の推計2.3%からこの1カ月で急速に広がり、中でも東部地域では全体の7割を超えている。ほかの変異ウイルスと比べ感染を広げる力はより強いとみられ、ワクチン接種など対策を続けるよう呼びかけている。

●オミクロン株「XBB」、免疫をすり抜ける力強い 東大など分析

 「XBB」というウイルスは、免疫をすり抜ける力が強い一方、症状を引き起こす力は高まっていないと見られるとする分析結果を東京大学などのグループが発表した。「XBB」は、「BA.2」系統の2種類が組み合わさった「組み換え体」と呼ばれるタイプのウイルス。米国では先月下旬からこの系統のウイルスが検出される割合が増加している。

【1月8日】

●中国 「ゼロコロナ」政策終了 入国後の隔離などの措置を撤廃

 中国政府は、8日から新型コロナの感染対策を大幅に見直し、入国後の隔離や患者の強制的な隔離などの措置を撤廃した。これにより、「ゼロコロナ」政策は終了する。ワクチン接種の推進や医療体制の充実などを通じてこれまでの「予防」から今後は「治療」に重点を置くとしている。一方、中国人の海外旅行については段階的に再開させていく方針だが、中国政府は国内の旅行会社に対して団体旅行の受け付けや旅行商品の販売を禁止したまま。今のところ解禁時期を示していない。

●中国の情報公開に不信感 各国、渡航者の検査厳格化

 中国が8日、入国時の隔離撤廃に踏み切り、中国からの出国が増えると予想される。日本政府は8日、中国本土から直行便で来日する渡航者に対し、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明の提出を求める措置を始めた。昨年12月30日から入国時に検査をしていたが、より精度の高いPCR検査などに切り替えた。米国や欧州主要国などの主要7カ国(G7)はいずれも、こうした対策をとっている。背景にあるのは、情報公開に消極的な中国への不信感。

●ウルムチの数字重視 新華社 転換の背景説明

 中国国営新華社通信は8日、約3年にわたって続いた「ゼロコロナ」政策を急転換した背景記事を配信した。当時、中国ではロックダウンでも抑えられない地域が出ていた。拡大が深刻だった新疆ウイグル自治区ウルムチ市などで無症状や軽症が9割以上、重症は1%前後にとどまるとのデータも重視され、オミクロン株の抑え込みが限界に来て社会的コストが膨らんでいるとの認識に加え、経済への影響や社会不満の拡大を踏まえ、12月6日の党政治局会議で習近平国家主席ら判断したと強調した。

●専門家「実際にはすでに過去最大の感染状況か」

 新型コロナに感染して亡くなった人の数が連日過去最多となり、急増している。専門家は「全数把握は完全には行われておらず、実際にはすでに第7波のピークを超える過去最大の感染となっていて、高齢者の感染が多いことも死者数も過去最多となっている」と指摘。「増加傾向は今後も続くとみるべき」と述べた。また、米国ではオミクロン株の1つ「XBB.1.5」がこの1か月で急速に拡大や、中国「ゼロコロナ」政策終了など、日本などへの影響が懸念される。

●コロナ死者6万人超す

 新型コロナに感染し、国内で亡くなった人の累計(クルーズ船を含む)が8日、6万人を超えた。8日、新たに301人の死亡が確認され、6万206人となった。国内の死者数は2021年4月に1万人に達し、その後は1万人ごとに3~10カ月のペースで増えてきたが、5万人を超えた先月1日から1カ月余りで6万人に達した。8日の死者の都道府県別の最多は大阪府の29人で、東京都が28人、埼玉県が23人と続いた。宮崎県は11人で、過去最多を更新した。

【1月9日】

●中国 抗原検査キット工場 人員削減で大規模抗議 警察と衝突

 中国で「ゼロコロナ」政策が終了し新型コロナ検査が大幅に減るなか、中国内陸部の重慶にある検査キットを製造する工場で労働者が7日、人員削減などをめぐって大規模な抗議活動を行い警察と衝突する事態となった。中国では8日から感染者を把握するためのPCR検査や抗原検査は行われなくなった。検査は発熱の症状を訴える患者や医療関係者などに限定している。工場の業績の悪化が人員削減などにつながり、今回の抗議活動を招いたとみられる。

●全国で9万2724人が感染、死者は258人

 国内感染者は9日、新たに9万2724人が確認された。前週の同じ曜日(2日)より1万6810人多かった。死者は258人だった。都道府県別で新たな感染者が最も多かったのは東京都で8199人。9日までの週平均の感染者は、1万4941・4人で前週(1万4730・7人)の101・4%だった。神奈川県6755人、大阪府5661人、静岡県5404人と続いた。

 1月9日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【1月10日】

●中国 日本人向けビザ停止、水際対策強化に対抗か

 在日中国大使館は10日夜、日本人に対するビザの発給を同日から一時的に停止すると発表。再開の時期については、改めて通知するという。中国からの渡航者に対して、日本政府が水際対策を強めていることへの対抗措置とみられる。中国外務省の汪副報道局長は10日午後の定例会見で、「一部の国が中国に対し差別的な入国制限措置を取っている。中国は断固として反対し、対等な措置を取る」と述べた。日本と明言しなかったが、入国制限への対抗措置だとにじませた。

●新型コロナ・インフル同時感染 専門家「重症化しやすい」

 専門家はまれなケースとしながらも、仮にコロナとインフル同時感染した場合には重症化しやすいと指摘している。厚労省によると今月1日までの1週間に全国およそ5千か所の医療機関から報告されたインフル患者数は、前の週より3665人多い9768人。インフルは、1医療機関当たりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされ、今回は2.05人で前週の1.24人より高くなり、引き続きこの目安を超えている。

 地域別では、沖縄県が9.89人と最も高く、次いで富山県5.96人、福岡県4.19人、大阪府3.73人、神奈川県3.70人、宮崎県3.29人などと30の都道府県で「1人」を上回っている。

●都医師会長「医療など厳しい状況、今からでもワクチン接種を」

 東京都医師会の尾崎会長は、10日の定例会見で、現在の感染状況について「年末年始の休みの影響があす以降に出てくると思うが、まだ油断できない。行動制限のない社会の一方で、医療や救急、介護の現場は非常に厳しい状況が続いている」と説明。感染者数を減らすための対策として、「予防の柱はワクチン接種。若い人をはじめ、打っていない人は今からでも遅くないので、少なくとも3回は接種してほしい」と訴えた。

●「全国旅行支援」再開 旅行代金割引率、20%に引き下げ

 去年10月にスタートし年末年始は外れていた「全国旅行支援」は、10日から再開された。旅行代金の割引率は、これまでの40%から20%に引き下げられる。割引を受けられる金額の上限も引き下げられ、宿泊と交通機関での移動がセットになった旅行商品は、1人1泊当たり5000円、日帰り旅行や宿泊施設のみの利用は3000円が上限。土産物店などで使えるクーポン券は、1人当たり平日は2000円分、休日は1000円分を受け取ることができる。3月までは実施できる見通し。

【1月11日】

●日本、撤回求める 中国、対抗と明言 ビザ発給停止、企業を懸念

 中国政府が日本人へのビザ発給を一時停止した措置を受け、松野官房長官は11日、外交ルートを通じて抗議し撤回を求めたことを明らかにした。だが、中国の国家移民管理局は11日、「中国人に対する差別的な入国制限」と指摘。中国国内でのトランジットの際に日本人に認めてきた72~144時間のビザ免除措置も停止すると追加措置を発表した。

 ビザ停止が長引けば、中国で事業展開する企業などに影響が出かねない。中国の措置に、国際社会や企業から懸念の声があがる。国連の報道官は10日、「旅客審査に関わる決定は科学的根拠に基づくことが重要」と述べ、中国の対応を疑問視した。

●専門家組織「死者数の過去最多続き今後も増加懸念」

 11日の専門家会合は、現在の感染状況について、全国では年末年始に一時的に減ったあと、再び増加傾向が続いていて、特に西日本では、増加の幅が大きくなっているとしている。死亡者数は、過去最多を超える状況が続き、高齢者施設や医療機関での集団感染も増加傾向にある。また病床使用率は、多くの地域で5割を超え、7割を超える地域もみられるほか、救急搬送が困難なケースも去年夏の第7波のピークを超えて、増加傾向が続いており、救急医療体制の確保に注意が必要だとした。

 今後も多くの地域で感染者数の増加傾向が続くと予測され、ワクチンの接種や感染から時間がたって免疫のレベルが下がることや、より免疫を逃れやすいとされるオミクロン株の「BQ.1」系統の割合が国内でも増加していること、それに、中国での感染拡大や、国内に流入した場合に、感染状況に与える影響にも注意が必要だと指摘した。さらに、季節性インフルも全国で流行期に入っていて、学校の再開後に新型コロナとインフル同時流行に注意が必要としている。

●1か月余りで死者1万人超 その背景は

 新型コロナに感染して亡くなった人の数は感染拡大の第8波で急増し、先月以降の1か月余りで全国で1万人を超えている。感染して亡くなった人は10日までで累計6万411人だが、およそ6分の1の人が1か月余りの間に亡くなったことになる。また、先月7日から今月3日までのおよそ1か月間に亡くなった人のうち、高齢者が圧倒的に多い。60代以上の占める割合はこれまでの累計では95.29%だったが、このおよそ1か月の間では97.24%となっている。

 また重症化した人の平均年齢は68.0歳、半数は73歳以上だが、亡くなった人の平均年齢は83.1歳、半数は86歳以上とさらに高齢となっていた。専門家会合では高齢者施設で感染が拡大することで、亡くなる高齢者が今後もより増加するのではないかと懸念が指摘されている。厚労省のまとめでは、先月27日までの8日間に全国で確認されたクラスターの数は1430件、このうち高齢者福祉施設でのクラスターは954件と全体の66%を占めて施設別で最も多くなっている。

●専門家「第7波を超えるような感染 見えなくなっている」

 先月以降、死亡者数が急増していることについて東京医科大学の濱田特任教授は、重症化する割合は以前より低くなっていても感染者数自体が多くなっている。「去年に比べて全数把握が行われなくなり、実際には第7波を超えるような感染が起きている状況が見えなくなっている。死亡者についてはある程度正確に把握できていて、死亡者数が過去最多の状況になっている」と指摘した。

 また高齢者で、コロナに感染することで血管障害が起き、心筋梗塞や脳梗塞が原因で亡くなる事が分っており、持病などが悪化して亡くなるケースが増えていること、高齢者のオミクロン株対応のワクチンの接種率が十分高くなっていないことがあるとしている。

●高齢者施設クラスター、第7波のピーク前後の水準 

 厚労省によると、9日までの6日間に全国で確認された「高齢者福祉施設」でのクラスターなどは合わせて722件。過去最多となった去年12月25日までの週の954件より200件余り減ったが、年末年始を挟んだ今月3日までの週は861件と第7波のピークだった8月の850件を上回っていて、面会制限など厳しい対策が行われている介護の現場で、依然として逼迫した感染状況が続いている。

●BCP研修に介護施設の応募殺到

 クラスターが起きた場合でも、介護サービスを止めないために施設内での感染症の流行を想定したBCP(業務継続計画)の策定が、来年の春からすべての介護施設で義務づけられた。現在は「努力義務」となっていて、すでに計画を作る施設がある一方、「どうすればいいかわからない」という施設も多く、国の調査では全体の4分の3の施設で策定できていないという。そこで、厚労省は12月からコロナ感染症のBCP策定について介護施設向けのオンライン研修を開いている。

●新規感染者数、すべての都道府県で前週より増加

 厚労省の専門家組織の会合で示された資料による、10日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.28倍と増加し、すべての都道府県で前の週より感染者数が増えている。首都圏の1都3県では東京都が1.13倍、神奈川県1.16倍、埼玉県1.23倍、千葉県1.26倍と増加している。西日本を中心に増加の幅が大きくなっていて、すべての都道府県で前の週と比べて増加している。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、宮崎県が1897.76人と全国で最も多く、次いで、佐賀県1701.29人、山口県1541.06人、鳥取県1505.40人などと22の県で1000人を超えていて、そして全国では934.24人となっている。

●コロナ死者 初の500人超え

 国内感染者は11日、新たに20万3393人が確認された。死者は520人で、初めて500人を超え、過去最多となった。これまでの死者の最多は1月5日の498人。11日、死者数が最も多く確認されたのは福岡の45人。死者数が過去最多となったのは、山梨、静岡、三重、滋賀、愛媛、高知、福岡、大分、宮崎の9県。

 死者数の7日間平均は、昨年12月25日に293.1人を記録し、「第7波」ピークだった9月3日の293人を超えた。年末年始に一時減ったが、今年1月7日に333.1人、10日に376.9と過去最多を更新し続けている。

【1月12日】

●「XBB.1.5」米で急増 免疫から逃れる能力高く

 WHOは11日、米国で急速に増えている新型コロナの変異株「XBB.1.5」についてのリスク評価を発表した。比較的感染力が強く、感染力や既存の免疫から逃れる能力が高いとみられ、「世界の症例数増加の要因になるかもしれない」としている。XBB.1.5は、別々の系統のウイルスが組み合わさった「組み換え体」ウイルス。もとになった二つの系統は、オミクロン株「BA.2」から別々に派生したもの。WHOは、XBB.1.5そのものも、オミクロン株のひとつに含めている。

 米国では昨年末から、この変異株への感染者が急増した。米CDCによると、昨年12月10日までの1週間で、米国内での検出割合は4.3%ほどだったが、1月7日までの1週間では27.6%にまで増えた。WHOのリスク評価によると、ワクチン接種などでできた中和抗体が、XBB.1.5に対しては効きにくくなっている、という実験結果も報告されている。

 XBB.1.5初期調査の結果(WHO) 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●都内 オミクロン株「BA.5」、割合減少 新たな変異ウイルスに警戒

 12日、東京都のモニタリング会議が都庁で開かれ、専門家は4段階のうち感染状況は上から2番目、医療提供体制は最も深刻なレベルを維持した。また、会議では去年1年間のゲノム解析の最新結果が報告された。それによると、9月には全体の98.4%を占めたオミクロン株「BA.5」の割合が、先月には60.6%にまで減少した一方、新たな変異ウイルスの割合が増えている。

 このうち、米国で急速に感染が広がっているオミクロン株の1つ「XBB.1.5」は、先月1日に初めて都内で確認されて以降、これまでに15例確認されている。専門家は「置き換わりが進む過程で、新規感染者数が急激に増えることに警戒が必要だ」と話している。

【1月13日】

●mRNAコロナワクチン 第一三共が承認を申請 国内の製薬会社で初

 第一三共は、開発を進めてきた新型コロナのmRNAワクチンについて13日、厚労省に承認申請を行ったと発表した。従来型コロナに対応した成分が含まれていて、18歳以上を対象に3回目の接種を想定している。国内の製薬会社が開発したワクチンの承認申請は、塩野義製薬の「組み換えたんぱく質ワクチン」に続いて2例目、ファイザーなどと同様のmRNAタイプの承認申請は初めて。第一三共は「オミクロン株に対応したワクチンの開発も引き続き進める」とコメントしている。

●都内大学病院コロナ病棟 看護師不足、第8波の感染で欠勤相次ぐ

 東京・板橋区にある日大医学部附属板橋病院は、中等症や重症の患者に対応していて、これまでの感染拡大の際には、ほかの病棟を一時的に閉鎖してコロナ対応に当たる看護師を確保し、コロナ病床を最大で60床確保してきた。今回の第8波では、スタッフの感染が相次ぎ、新型コロナの専門病棟で働く看護師が不足し、確保している病床の7割ほどしか入院患者を受け入れられない状況になっている。

【1月13日】

●感染者・死者数、更新止める 中国

 中国疾病予防コントロールセンターが、毎日公表していた新型コロナの新規感染者数と死者数について、今月9日を最後に情報更新を止めた。WHOは「死者数が過少に報告されている」と指摘し、中国で感染拡大が続きデータ共有を求めているが、実態の不透明さがさらに増している。中国当局は昨年12月下旬、コロナの感染状況に応じて発表の頻度を調整し、「最終的には月1回にする」と表明していた。今後、どういったタイミングと頻度で情報を公開するのかは不明。

●コロナ補助金、病院黒字化 検査院調査 病床使用、5割以下で交付も

 新型コロナ関連の補助金を受けた医療機関の収支を会計検査院が調べたところ、2021年度は平均約7億円の黒字だった。病床確保のための補助金が収支改善につながった形。一方、補助金によって確保病床数は増えたものの、看護師不足などで実際に患者を受け入れた病床は多い時でも5~6割にとどまる。病床の稼働率が低い病院にも補助金が交付されていた実態があり、検査院は厚労省に対し、補助金の設定の検証などを求めている。

【1月14日】

●中国コロナ死者、1カ月で6万人と発表 これまでと違う基準で集計

 中国の衛生当局は14日、昨年12月8日~今月12日に医療機関で亡くなった新型コロナに関連する死者数が5万9938人だったと明らかにした。これまでは独自の基準をもとに、この期間の1日あたりの死者数をゼロ~数人と発表していた。WHOから「死者数が過少に報告されている」と指摘されるなど、国際社会から情報公開のあり方に疑義が出ていた。

 中国当局はこれまで、主な死因がコロナ感染後の基礎疾患の悪化だった患者など、コロナ感染によって引き起こされた肺炎や呼吸不全以外が死因だった場合は、死者として集計していなかった。だが14日の会見では、コロナに起因する呼吸不全による死者が5503人、基礎疾患との合併症による死者が5万4435人だとした。

【1月15日】

●新型コロナ国内初確認から3年 「不安だ」、依然84% NHK世論調査

  新型コロナ感染が国内で初めて確認されてから15日で3年となる。NHKは去年11月1日から12月6日にかけて全国の18歳以上3600人を対象に郵送法で世論調査を行った。感染拡大が「不安だ」という人は依然84%と多いものの、3年前に行った調査からは1割ほど減っていて、とくに若い世代では不安を感じる度合いが大きく減少、高齢者は減少の割合が少ないことが分かった。

 NHK世論調査「感染拡大 不安だ」年代別 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●政府への今後の対策 法律上の扱いの賛否 NHK世論調査

 コロナ対策として今後、政府に最も力を入れてほしいことは、「治療薬やワクチンの開発」が49%で最も多く、次いで「経済的な支援」20%、「治療体制の拡充」15%、「検査体制の拡充」5%などとなった。「感染対策」と「経済活動の回復」のどちらに力を入れるべきか聞いた設問では、「感染対策」が39%、「経済活動」が60%だった。特に若い世代ほど経済活動の回復を重視する傾向が見られた。

 新型コロナの法律上の扱いを、季節性インフルと同じ位置づけに引き下げることの賛否について聞いたところ、「賛成」と「どちらかといえば賛成」が合わせて59%、「どちらかといえば反対」と「反対」が合わせて40%。性別や年齢別では、男性は18歳から50代、女性は30代で『賛成』の人が70%以上を占めた。

●国内415人死亡 10万8281人感染

 厚生労働省によると、15日発表した国内の新たな感染者は空港の検疫などを含め10万8281人。また国内で亡くなった人は、大阪府で36人、愛知県で35人、東京都で34人、神奈川県で31人、埼玉県で23人など、あわせて415人、累計で6万2679人。また、人工呼吸器やECMOをつけたり、集中治療室などで、治療を受けたりしている重症者は、672人。14日と比べて21人減った。

 以下6枚の図は1月15日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●東京都、34人死亡 8269人感染確認 4日連続前週比

 厚生労働省は15日、都内で新たに8269人が新型コロナに感染していることを確認したと発表した。1週間前の日曜日より6855人減った。前の週の同じ曜日を下回るのは4日連続。また、人工呼吸器かECMOを使っている重症の患者は14日より3人減って43人。一方、感染が確認された34人が死亡した。

 1月15日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2023年1月14日 (土)

新型コロナ2022.12 中国激増

 新型コロナウイルス感染症の拡大「第8波」が、11月から緩やかに始まった。11月下旬には北海道がピークを迎え減少に転じ始めるが、地域差はあるものの全国的には増加が続く。年末年始を迎え、この冬は季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されている。全国の新規感染者は1日に20万人超、死者数の発表は29日に過去最多の420人、「第7波」を上回るペースで増えている。 

 中国の厳しい行動制限「ゼロコロナ」政策が終了し、大幅緩和による極端な政策変更によって感染が爆発的に拡大している。来月の「春節」の大移動に警戒が広がっている。

 2022年12月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.12 中国緩和」の続き。なお、感染者数・重症者数・死者数のデータは、厚労省の発表と都道府県などの発表とで異なる場合があり、特に死者数は厚労省のデータを採用しています。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【12月16日】

●コロナ対策緩和の中国で感染拡大 日本人多い上海で警戒広がる

 中国では先週、政府が新型コロナの感染対策の緩和に踏み切ったあと、各地で感染者が増加しており、中国で最も多くの日本人が暮らす上海でも感染が広がり始めている。今のところ現地の日系企業では、感染対策として在宅勤務に切り替える動きが広がっている。上海の日本人学校は、14日からオンライン授業に切り替えた。中国では来月、人々の移動が活発になる旧正月の「春節」の時期を迎えることから、各地で感染拡大への警戒が広がっている。

●「BA.1」対応ワクチン副反応、従来型と割合「大差なし」 厚労省

 新型コロナのオミクロン株「BA.1」に対応するワクチンの副反応について厚労省の研究班は、「BA.1」対応ワクチンの調査対象者は従来型と比べてまだ少ないものの、現時点では副反応が起きる割合に大きな差はないとし、「感染や重症化を防ぐ効果が期待されるのでオミクロン株対応ワクチンの接種を検討してほしい」としている。

 また厚労省は、オミクロン株対応ワクチンを接種した17人の男女が死亡したと、16日明らかにした。いずれも接種との関連は評価中だとしている。オミクロン株対応ワクチンを接種後の死亡事例について、これまでに国が発表したのは合わせて19人。また、5歳から11歳の子どもを対象にした3回目のワクチン接種で今月13日、11歳の男子児童が死亡したと発表。子どもの3回目ワクチン接種で死亡事例を国が発表したのは合わせて3人。

●全国で新たに15万3477人確認 前週比11日連続増

 国内感染者は16日、新たに15万3477人が確認された。前週の同じ曜日(9日)より2万6196人多く、11日連続で前週を上回った。死者は259人。都道府県別で最多の東京都は新たに1万6273人が確認された。16日までの週平均の感染者数は1日あたり1万5191.0人で前週の121.8%。次いで神奈川県が1万61人、愛知県が9422人、大阪府が8725人と続いた。

 12月16日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【12月17日】

●中国政府、年末年始の帰省で農村部の感染拡大に警戒

 中国政府は今月7日、新型コロナの感染対策の緩和に踏み切り、省をまたいだ移動の制限がなくなった。17日から年末年始の3連休の鉄道の切符の販売が始まったが、中国メディアによると、大手旅行サイトでは、来月の旧正月の「春節」にかけての鉄道や飛行機のチケットを予約しようと、アクセス件数が急増しているという。帰省する人が大幅に増えるとみられ、国内で感染者の急増が続く中、中国政府は、医療体制がぜい弱な農村部への感染拡大に警戒を強めている。

●オミクロン株対応ワクチン 発症防ぐ効果71%

 国立感染研などはオミクロン株「BA.5」が主流となった9月から11月にかけて、関東地方の医療機関で新型コロナ検査を受けたおよそ4千人を対象に、陽性だった人と陰性だった人のワクチン接種歴を比較、分析した。その結果、従来型ワクチンを2回以上接種しオミクロン株対応ワクチンを追加接種した人は、発症を防ぐ効果は71%だった。「BA.1」と「BA.4」「BA.5」対応ワクチンとでは有効性に大差なく、今後はどのくらいの期間、効果が持続するのか調べる。

●感染15万人8809人 東京1万7020人

 国内感染者は17日、新たに15万8809人が確認された。前週の同じ曜日(10日)より2万2559人多く、12日連続で前週を上回った。都道府県別で最多の東京都は、新たに1万7020人が確認され、17日までの週平均の感染者数は、1日あたり1万5542.7人で前週の122.9%だった。次いで神奈川県が1万414人、愛知県が9908人、埼玉県が9219人。

【12月18日】

●中国、「働かされた」医学生が死亡 北京の火葬場、「パンク状態」

 四川省・成都の病院では13日、臨床実習を受けていた23歳の男子学生が突然倒れ、翌日死亡した。病院側は心疾患が原因としているが、地元メディアは人手不足の中、学生は発熱が続き陽性の疑いがあったにもかかわらず働かされていたと伝えている。江蘇省・南京でおよそ100人の学生が医師と同じ水準の待遇を求めるなど、抗議活動が各地で起きている。中国政府は、死者の人数を「ゼロ」と発表し続けているが、医療現場では混乱が広がっている。

 中国で、コロナ関連死とみられる死者が増えている模様。火葬場からは「パンク状態だ」と悲鳴が上がる。中国政府の18日の発表によると、前日の全土の新規感染者数は2097人。11月下旬の約4万人をピークに減少傾向だが、これは義務的なPCR検査をやめた影響が大きく、実態を反映していない。政府の感染症専門家は、国内のコロナ関連死が最大で67万人に達するとの見通しを示した。

●解熱鎮痛薬やせき止め、感染拡大で入手難しく 厚労省が供給支援

 医薬品の供給をめぐっては去年、ジェネリックへの業務停止命令などの行政処分が相次ぎ、薬局や医療機関で大規模な医薬品の供給不足が続いている。さらに新型コロナの感染拡大で医療用の解熱鎮痛薬やせき止めなどの需要が高まり、一部の医療機関や薬局では入手が難しくなっている。こうした中、厚労省は薬の安定供給に向けた支援として医療機関や薬局を対象にした相談窓口を新たに設けた。在庫があるほかの業者に販売を依頼するなど支援にあたる。

●コロナとインフルの同時検査、市販キットに課題

 新型コロナと季節性インフルの感染の有無を同時に検査できるキットについて、インターネットや薬局を通じた販売が解禁された。政府は重症化リスクが低い若い人に対し、まずコロナの抗原検査キットで自主検査し、陽性なら自宅療養、陰性で受診を希望する場合もオンライン診療などを活用するよう呼びかける。発熱外来の受診者が減ることを期待するが、使用方法や検査精度、流通量にそれぞれ課題があり、どこまで効果があるかは見通せない。

●感染13万5524人

 国内感染者は18日、新たに13万5524人が確認された。前週の同じ曜日(11日)より1万7011人多く、13日連続で前週を上回った。死者は232人だった。

【12月19日】

● 岸田内閣支持、急落31% 防衛増税「反対」、66%

 朝日新聞社は17、18の両日、全国世論調査(電話)を実施した。岸田内閣の支持率は31%(前回11月調査は37%)で、昨年10月の内閣発足以降最低となった。不支持率は57%(同51%)で、菅内閣、第2次~第4次安倍晋三内閣までさかのぼっても最高。防衛費の拡大については「賛成」46%、「反対」48%と割れた。1兆円増税に「反対」は66%で、このうち70%が岸田内閣を「支持しない」と答えた。

●雇用保険料0.2ポイント、来春に引き上げ 厚労省 コロナで財源枯渇

 厚労省の有識者検討会は19日、雇用保険料率を現在の1.35%から4月に1.55%へ引き上げる案を了承した。かつては雇用保険財政に余裕があったため暫定的に引き下げていたが、コロナ禍を受け、企業に休業手当を助成する雇用調整助成金の支出が急増し財源が枯渇したため、原則の料率に戻す。保険料率の引き上げは、月内にも労働政策審議会を開き、正式に決める。

【12月20日】

●重症化リスク低い患者はオンラインに

 厚労省は、重症化リスクが低い人は抗原検査キットで自分で検査し、陽性だった場合は各自治体の「健康フォローアップセンター」に登録して自宅療養することになるが、体調に変化を感じた場合は電話やオンラインでの受診を検討し、症状が重いと感じる場合などは発熱外来やかかりつけ医を受診するよう呼びかけている。オンラインでの診療を行っている医療機関は、都道府県や各自治体のウェブサイトに掲載されている。

●インフル同時流行に備え一日90万人診療できる体制に

 新型コロナとインフルの同時流行が起きた場合に備え、厚労省は一日に最大90万人の患者を診療できる体制が整ったとしていて、このうちの2万3000人の患者について電話やオンライン診療で対応するとしている。厚労省によると、同時流行のピーク時には都道府県の推計で81万人の患者が想定され、先月の時点で、一日最大で90万人の患者を診療できる体制が整ったという。

【12月21日】

●コロナ致死率、低下続く 今夏の60、70代 専門家会議で報告

 厚労省は21日、オミクロン株が流行した7、8月の60、70代の致死率が0.18%だったと公表した。デルタ株が流行した第5波(2021年7~10月)が1.34%、オミクロン株に変異した初期の第6波(2022年1、2月)は0.70%だったが、致死率は大きく下がってきている。コロナの致死率が下がった要因としては、ウイルスの変異やワクチン接種率の上昇があげられる。

 この日の資料では、季節性インフルの同年代の致死率も参考値として示され、0.19%だった。これに対し、専門家組織の脇田座長(国立感染研所長)は、「インフルと直接比較するのはデータのとりかたが違うため適切ではない」と話した。

●全国感染者、約4か月ぶりに20万人超

 厚労省によると、21日に発表した国内の新たな感染者は、空港の検疫などを含め20万6943人で、前の週の同じ曜日より1万6100人多くなった。国内の感染者が20万人を超えるのは、およそ4か月前の8月25日以来。また、国内で亡くなった人は、北海道で36人、東京都で20人、埼玉県で18人、大阪府で17人、福岡県で16人などの合わせて296人、累計で5万4026人となっている。また、重症者は、21日時点で530人、前日と比べて37人増えた。

 12月21日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 感染拡大の要因として、免疫をすり抜ける変異株への置き換わりや夜間の滞留人口の増加など。インフルの広がりも心配される。直近の1週間(5~11日)に全国約5千の医療機関から報告された患者数の平均は0.25人で流行期入りの目安となる1.00人を下回るが、前年同期の0.01人を大きく上回る。

●鳥取県、1582人感染確認 過去最多

 鳥取県は21日、過去最多となる1582人が新型コロナに感染していることが確認されたと発表。今月14日に発表された1365人を大きく上回った。これで県内の感染確認は10万人を超え、10万144人となった。また80代と90代の合わせて3人が死亡したと発表。県内で感染後に死亡した人は141人。入院している人は20日時点で163人で、重症はいない。病床使用率は46.4%。

 都道府県別の新規感染者の最多は、東京都で2万1186人。14日の感染者を2374人上回った。21日までの1週間の1日当たりの平均感染者数は1万6324.9人で前週の114.2%だった。2番目に多かったのは愛知県の1万2894人で、その次は大阪府の1万2225人だった。

 12月21日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【12月22日】

●東京都の医療提供体制、「最も深刻」 警戒レベル引き上げ

 東京都は22日、専門家によるモニタリング項目の分析結果を公表した。病床使用率は、21日時点で51.9%となり、今月14日以降50%を上回る日が続いている。専門家は「入院患者数は高い水準で推移し、重症患者数も大きく増加した」と分析。そのうえで、医療従事者の感染者や、一般の救急患者が増えていることも踏まえ、およそ3か月前の9月中旬以来の「医療提供体制が逼迫し始めている」として、4段階ある警戒レベルを1段引き上げ最も深刻なレベルとした。

 一方、感染状況については上から2番目を維持したものの、新規感染者の7日間平均は、21日時点で1万6324人と、先週に比べ2千人余り増。8週間連続して増えている。小池知事は都庁で記者団に対し、「コロナとインフルのツインデミックが懸念されており、まさに今、その入り口に入ったということだ」と述べ、ワクチンの接種や換気などの対策を呼びかけた。

【12月23日】

●中国、感染20日間で2.5億人? 内部会議で指摘「あくまで推計」

 中国政府が21日に開いた内部会議の議事録がSNSで出回り、12月1~20日の国内の感染者数が2億4800万人に達するとの推計が示された。会議で演説した国家衛生健康委トップの馬主任は「重症者の治療状況は非常に厳しい。特に来年1月下旬の「春節」の帰省者が増えることで、感染は医療基盤が弱い農村部へと広がる」と危機感を表明。各地の医療機関で発熱外来や入院患者を最大限受け入れるための準備を進めるよう指示した。

 さらに、政府が連日発表しているコロナ死者数が実態より少ないとの指摘についても言及。「死者が出ることは避けられないが、死因は医学の原則に基づき判定されなければならない。陽性を理由に、他の病気で亡くなった人すべてをコロナ死として申告することはできない」などと述べた。中国政府はコロナ政策を大幅に緩和した後、無症状感染者の公表をとりやめており、感染者数の全体像が示されなくなっている。

●中国の風邪薬不足、日本にも波及 都内で買いだめ 購入制限の店も

 中国で起きている新型コロナの感染爆発の余波が、日本にも及び始めた。症状の緩和に役立つとされる風邪薬が中国国内で品切れが深刻。親戚や友人のために海外で買いだめする動きが起きている。日本国内でも風邪薬などの買い占めが増えている。あるドラッグストアによると、12月以降、都内の店舗を中心に中国人とみられる外国人客が複数購入する動きが目に付くという。風邪薬の中でも、品薄感が強い「パブロンゴールドA」は訪日中国人に人気が高い。

●全国知事会 年末年始 コロナで医療逼迫懸念 国に緊急提言へ

 感染者数の増加傾向が続いている。こうした中、全国知事会は対策本部の会合を開き、年末年始に医療逼迫が懸念されることからワクチン接種の促進や、自宅療養者への支援体制の強化などを国に求める緊急提言をまとめた。

●「救急車の適正利用や自己検査を」 厚労省 年末年始、コロナとインフルに備え

 厚労省によると、年末年始は休診などで診療できる医療機関が平時の2割程度に減る見込み。冬場は救急搬送も多くなるため、加藤厚労相は23日、「年末年始に同時流行や感染拡大が生じた場合、一時的に発熱外来にかかりにくい状況も懸念される」と述べた。緊急性がなければ救急車ではなく、かかりつけ医や電話窓口「#7119」に相談。重症化リスクが低ければ、自己検査で療養、解熱鎮痛剤やキットの事前購入、帰省前の検査などを呼びかけた。

 コロナの病床使用率は全国的に上昇傾向で、北日本や関東を中心に5割を上回る。インフルは青森県、岩手県、東京都、神奈川県、富山県、熊本県の1都5県でで1週間の定点医療機関あたりの感染者数が1人を超えて流行期入りし、医療逼迫の懸念が高まっている。

●死者371人、1日あたり最多 岐阜県、「対策強化宣言」

 国内感染者は23日、新たに17万4082人確認された。死者は315人。感染者は1週間前(16日)より2万657人多かった。岐阜県は23日、感染レベルを「レベル3」に引き上げ、知事が独自に出せる「対策強化宣言」を全国で初めて発出した。期間は1月22日までで、強制力はない。

【12月24日】

●中国・青島、1日50万人感染 当局が異例の数字発表

 中国東部の山東省青島市の衛生当局幹部は23日、同市の1日あたりの新型コロナの新規感染者が50万人前後にのぼるとの推計を明らかにした。当局が数字を公に示すのは異例。今後、数日でさらに増加するとみている。青島市の人口は約1千万人(2020年時点)で、その5%前後が毎日感染していることになる。広東省東莞市の衛生当局も23日、SNSで市内の感染者が1日あたり25万~30万人の規模で増えているとの推計を明かした。

●コロナ、感染症法上の分類見直し 病原性など総合的に判断

 新型コロナは感染症法で「2類相当」に位置づけられるが、国は社会経済活動への影響を考慮し、季節性インフルなどと同じ「5類」への引き下げも含め議論を進めていている。これについて、自治体や医療関係者などが参加する厚労省の感染症部会が持ち回りで開かれ、事務局側が見直しに向けて考慮すべき要素を提示した。厚労省は年末年始の感染状況などを見極めたうえで、年明け以降見直しの方向性を判断する見通し。

【12月25日】

●中国政府 感染者数や死者数の情報、発表取りやめ

 中国の保健当局、国家衛生健康委員会は、毎日発表してきた新型コロナ感染者数や死者数の情報について、25日から発表を取りやめる。理由は明らかにしていない。中国政府は「多くの無症状の感染者がPCR検査を受けておらず、正確に実際の数を把握できない」として、今月14日から無症状の感染者数の発表を取りやめていた。

● 中国、コロナ「ゼロ」の反動 人口の50%感染予測

 ネットに出回った中国政府の内部資料によると、12月1~20日の感染者数の推計値は、14億人口の約18%に当たる2億4800万人。現在は、3億人を大きく超える計算。香港大学のコーリング教授(感染症学)は、「近いうちに全人口の50%が感染するだろう」、理由は「ゼロコロナ政策によってほとんどの人が感染したことがなく、免疫を持っていない」と解説。感染症専門家は、1人の感染者が平均何人にうつすかの「基本再生産数」は16~18と分析する。

 中国政府は、人口の9割以上がワクチンを2回接種したと強調する。しかし北里大の中山教授は、「武漢由来の株から作った中国製の不活化ワクチンは、いまのオミクロン株には効果がない」と見る。欧米などの「mRNA」に比べ、重症化や死亡を防ぐ有効性が劣るとされる。北京の主流は「BF.7」、全国的には「BA.5.2」の地域が多い。農工大の水谷教授は、「日本ではオミクロン対応の接種率も上がっており、日本に流入しても大勢に影響はない」と話す。

●春節に地方拡大を懸念

 上海のデータバンクは、中国の大手検索サイト「百度」のデータを用いて、都市ごとの感染の進行状況を予測している。北京市では12月17日に感染の第1波のピークが来て、25日までに人口の約55%が感染したと見込む。ただ、これから感染が広がる都市もある。浙江省の衛生当局は25日の会見で、省内の1日あたりの感染者はすでに100万人を超え、元日前後には200万人に達するとの見方を示した。

 懸念されるのが、医療体制がさらに脆弱な農村部に感染が拡大すること。中国疾病予防コントロールセンターの疫学専門家の呉氏は、今冬に計3回の流行の波があるとの見方を示す。現在の第1波は都市部が中心で、来年1月中旬まで続く。春節に合わせて人びとが地方に帰省する1月下旬~2月中旬に第2波が、人びとが帰省から戻る2月下旬~3月中旬に第3波が襲うと予測した。

●コロナ感染、全国で新たに14万8810人 20日連続で前週上回る

 国内感染者は25日、新たに14万8810人が確認された。前週の同じ曜日(18日)より1万3286人多く、20日連続で前週を上回った。新たに発表された死者は全国で306人。福島県では1日あたりの死者数が過去最多の8人となった。新規感染者が都道府県別で最も多かったのは、東京都で1万5403人。次いで、神奈川県が9784人、大阪府が8912人だった。

 12月25日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●院内感染相次ぎ、「超過入院」の医療機関も 熊本県

 熊本県では1日に4000人を超える感染者が確認されるなど急激に感染拡大している。コロナ以外の理由で入院している人に「院内感染」が広がるなどして「超過入院」の状態となっている医療機関は、22日の時点で21。コロナ患者のために確保していた病床の数をおよそ850から1000以上に増やすなど体制を強化してきたが、年末年始を含めた今後の医療提供体制を協議するため、25日、熊本市と合同で専門家で作る会議を開いた。

【12月26日】

●習氏、感染爆発後初の発言 毛沢東の「愛国衛生運動」呼びかけ

 習国家主席は26日、「愛国衛生運動を的を絞って展開しなければならない。人民が主体的に健康を学び、良好な衛生習慣を身につけるよう導く」と指示を出した。この中で、「現在、わが国の新型コロナ対策は新たな情勢と任務に直面している」との認識を示した。中国全土で感染が広がる中、毛沢東時代のスローガンを掲げて国民に一体になるよう呼びかけた。「愛国衛生運動」のスローガンは1952年に毛が呼びかけた歴史がある。

●年末逼迫に備え、オンライン診療 拡大急ぐ 同時流行も懸念

 厚労省は2日、同時流行に備えて「全国で1日最大90万人を診療できる態勢が整った」とした。その一つがオンライン診療の拡充。薬の処方も可能としている。東京都は、12日「臨時オンライン発熱診療センター」を開設した。千葉県は5日に「オンライン診療センター」を開設。福岡県も21日に自宅療養者向けに設けた。神奈川県は、オンライン診療拡充のため医療機関向けに最大30万円の補助を決めた。自治体のセンター開設とは別に、各医療機関でもオンラインが広がる。

●オンライン「一辺倒」、危惧も

 「オンライン一辺倒」を危惧する声もある。都医師会は、発熱する疾患は新型コロナやインフル以外にもあるため、まずは対面の受診を試み、予約できない場合にオンライン診療を受ける補完的活用を呼びかけている。心音確認などができず、医師が正確に症状をつかめない場合もあるから。同時流行が現実味を帯びる中、各地で自治体が協力金を支払い、年末年始に診療する医療機関を増やそうともしている。

●看護師などの感染増、医療逼迫の懸念も

 感染が再び拡大する中、埼玉県川越市の「埼玉医科大学総合医療センター」 など、医療機関の中には看護師などスタッフの感染が増え、入院患者の受け入れが困難になっているほか、新型コロナ以外の一般の診療にも影響が出て、医療の逼迫が懸念される事態になっている。さらに、回復傾向にある新型コロナの患者を転院させようとしても、ほかの医療機関でもスタッフや病床が足りないなどから、受け入れてもらえない状況が続いているという。

【12月27日】

●中国を襲う、医療逼迫 置き場ないベッド あふれる遺体安置室

 中国では感染が爆発的に広がる中で、医療逼迫に見舞われている。北京の病院には重症化した高齢者らが駆け込む例が増えているが、人手や病床が追いついていない。当初は1~2割ほどだった患者に占める高齢者の割合が、4~5割に増加。感染から1週間程度経って重症化するケースが多く、感染よりも重症患者のピークが遅れて訪れている様だが、備えは脆弱なまま。

 医療従事者や病床など医療資源の不足は、医療体制が十分ではない農村部でさらに深刻になるとみられている。感染は全国の都市部に蔓延しており、多くの人びとが帰省する1月末の春節の時期に、地方にも拡大する懸念が強い。中国政府は12月初旬の通知で、医療機関にICU病床を拡充するよう求めた。ただ、手遅れとの感は否めない。

●中国人の海外旅行、順次再開 経済回復狙い 来月8日から

 中国政府は26日夜、水際対策として入国者に義務づけてきた隔離を来年1月8日から撤廃すると発表した。政府はこれまで、入国者に対してホテルなど指定施設で5日間、さらに自宅などで3日間の計8日間の隔離を義務づけていた。一方で、搭乗前の48時間以内に受けたPCR検査の陰性証明の提示や、搭乗する際のマスク着用も求める。国内の規制緩和に加えて出入国時の制約もほぼなくなり、国民に移動制限を強いてきた「ゼロコロナ」政策は、終了となる。

 発表では、中国訪問を希望する外国人に対して仕事の再開、商用、留学などのビザの提供を進める。中国人の海外旅行も国際的な感染状況などに基づき、順次再開する。今回の水際対策の変更は、新型コロナの感染症分類の引き下げに伴うものだという。中国政府は2020年1月下旬以降、新型コロナは、ペストやコレラと同レベルの最も厳しい措置を求めてきた。だが、「オミクロン株が主流になったことで病原力が弱まった」として、レベルを引き下げた。

●水際対策緩和の日本 「ゼロコロナ」終了の中国 「お得意様」訪日に期待感

 今年10月11日以降、日本政府は水際対策を大幅緩和した。訪日外国人に対し、3回のワクチン接種証明書、もしくは出国前72時間以内の陰性証明書があれば、入国時のPCR検査や入国後の待機期間を課さない。11月以降、訪日外国人は回復傾向にある。2019年の訪日外国人は過去最多の3188.2万人。このうち、中国人は959.4万人(全体の3割)と最も多かった。一方、今年1~11月に訪日中国人は、2019年の同じ期間と比べ98%減で極端に低迷している。

 最大の「お得意さま」だった中国人旅行客は日本に戻るのか。しかし急激な政策転換は、感染爆発を招いている。中国社会は今、なし崩し的に進む「ウィズコロナ」がもたらす混乱に直面している。

●岸田首相、中国コロナ感染拡大で緊急水際措置 30日から実施へ

 岸田首相は、27日午後、首相官邸で記者団に対し、中国での新型コロナの感染状況を踏まえ、できるかぎり速やかに体制を構築し、12月30日の午前0時から緊急の水際措置をとると明らかにした。具体的には、中国本土からの渡航者と中国本土に7日以内の渡航歴のある人すべてに対し入国時の検査を行い、陽性となった人についてはすべてゲノム解析の対象とし、待機施設で原則7日間の隔離措置を講じるとしている。

 また今後は、日本と中国を結ぶ便について増便などの制限を行うとしている。そして、首相は「中国本土では感染が急拡大しているとの情報がある一方、中央と地方、政府と民間の間の情報が大きく食い違い、国内でも不安が高まっている。こうした状況を踏まえ、臨時的な特別措置を講じる」と説明した。また「国際的な人の往来を止めないよう可能なかぎり配慮し、中国の感染状況などを見つつ柔軟に対応していく」と述べた。

●オミクロン、感染で心臓や血管の病気のリスク高まる 名古屋工大

 名工大の平田教授らは、125万人分のレセプト(診療報酬明細書)をもとに、新型コロナに感染した人と感染していない人で、心臓や血管の病気などで医療機関を受診する人の割合がどの程度異なるか調べた。その結果、心筋梗塞・心不全・静脈血栓症・糖尿病の受診歴が過去1年間なく、重い持病がないとみられる人でリスクを比較すると、第1波から去年夏の第5波までは、感染後2か月の間にこれらの病気で受診していた人は、感染していない人の数倍~数10倍だった。

 一方、オミクロン株が拡大したことし初め以降の第6波では、リスクの差はほとんどみられなかった。平田教授は「海外でもコロナにかかった人で心臓や血管の病気のリスクの上昇が報告されていたが、日本でも同様の結果となった。第6波ではワクチン接種の普及などで重症化の割合が低下したことで、リスクが大幅に下がった可能性がある」と分析している。

●死者438人、1日過去最多 371人から大幅増

 国内感染者は27日、新たに20万8235人が確認された。死者は271人。感染者は1週間前より1万8249人多かった。都道府県別の1日あたりの死者数がこの日最も多かったのは北海道の38人。神奈川県33人、埼玉県26人、愛知県22人、東京都21人と続いた。新規の感染者数では東京都が2万2063人で最も多く、次いで愛知県が1万5443人、大阪府が1万3962人だった。

【12月28日】

●「軽症なら働いて」 中国一変、地方政府人手不足で 「経済」優先

 新型コロナの爆発的な感染が続く中国で、重慶市は18日、「無症状と軽症の人は通常通り出勤できる」との通知を出した。浙江省など、同様な通知を出す地方政府が相次いでいる。人手不足が深刻になり、「経済を回す」ことが優先され始めた。感染封じ込めのため1人の陽性者も見逃すまいとしていた社会から、職場での感染を防ぐことすら「二の次」となる状況へと様変わりしている。こうしたやり方は医療現場も例外ではない。

●中国、コロナ水際対策を見直し 旅券申請再開も旅行解禁は示さず

 中国政府は26日、新型コロナの水際対策を見直し、国際的な感染状況などに応じて、中国人の海外旅行を秩序ある形で再開させていく方針を示した。これを受け、中国の出入国管理当局は、中国人が海外旅行に行くためのパスポート申請の手続きを、1月8日から再開すると発表。中国メディアによると、水際対策の見直しが発表された直後、大手旅行予約サイトでは、日本やタイといった人気の旅行先に関するアクセス件数が10倍に増えたという。

●台湾、中国からの直行便の乗客にPCR検査義務づけ 1月1日から

 中国で感染が急拡大していることを受け、台湾当局は来月1日から31日までの間、香港とマカオを除く、中国からの直行便で台湾に到着した乗客に対し、PCR検査を義務づけることを明らかにした。その理由は、「中国で感染が拡大しているが情報が不透明。感染者数が多いためウイルスが変異する可能性も高い。変異株の探知を強化する」と説明。台湾域内の新規感染者の数も、28日まで8日連続で前の週の同じ曜日を上回っていて、当局は感染再拡大に警戒を強めている。

●香港からの訪日客帰国便制限で影響 日本の水際強化受け

 中国政府は26日、感染が爆発的に広がるなか、1月8日から中国に入国する際の隔離撤廃などを発表。中国人の海外渡航が急増する可能性が高まる中、日本政府は中国からの直行便を成田、羽田、関西、中部の4空港に限定、増便しないよう航空会社に要請した。10月から往来が正常化していた香港は、4空港のほか札幌、福岡、那覇にも直行便が運航。そこに突然、香港便も制限されることになり、多くの旅行客が欠航の影響を受けたという。

●全国、新規感染者の増加続く 前週比1.1倍

 厚労省の専門家組織の会合は28日、現在の感染状況について全国では感染者数の増加速度は低下しているものの、高い感染レベルとなっていて中国・四国、九州などでは増加幅が大きくなっているとしている。会合で示された資料によると、27日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて1.10倍と増加が続いていて、北海道や東北などを除く35の都府県で前の週より感染者数が増えている。28日発表の新たな感染者は、21万6219人。

 12月27日迄の新規感染者数の前週比 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●死者415人、過去最多  未把握の感染者増加

 専門家組織は28日の会合で、全国で重症者や死者の増加傾向が続き、一日の死者数は過去最多だった今夏「第7波」のピークを超え、今後も増加が続くことに懸念を示した。オミクロン株が流行した第6波以降、肺炎で亡くなる人の割合が減る一方、心臓や腎臓の持病が悪化し、衰弱して亡くなる高齢者が増えている。死者が第7波のピーク時よりも多くなっている理由は、はっきりしていない。自治体が未把握の感染者の増加の可能性や医療逼迫の影響の可能性などが指摘されている。

 28日発表の全国死者数は415人、9月2日の347人を上回った。医療体制については全国的に病床使用率が上昇傾向で、救急搬送が困難なケースがコロナとコロナ以外でも第7波のピークを超えていて、年末年始の救急医療体制の確保に注意が必要だとした。また、専門家組織有志はこの日、第8波の被害を最小限にするための提言を出した。集団感染がおきやすい高齢者・障害者施設や慢性期の患者が入院する病院での被害をいかに減らすかが重要と訴えている。

●「5類」見直しの見解案まとめる

 新型コロナの感染症法上の位置づけを「5類」に引き下げた場合、どのような影響が出るか。専門家組織メンバーらが見解案をまとめ、28日の会合に示された。見解案では、現在のオミクロン株になって感染が広がりやすく、死亡者数が多いなど「季節性インフルと同様の対応が可能になるには、もうしばらく時間がかかる」と評価。患者が増加したときに入院調整が行われなくなる、治療費が公費負担されなくなり感染者が検査や治療を受けなくなるなどの懸念がある。

 一方で、濃厚接触者に法律に基づいた行動制限の呼びかけができなくなる影響は、少ないとしている。そして今後も、医療が逼迫したときに調整を行う機能を維持することや、新たな変異ウイルスによって感染者や死亡者が激増する場合は接触機会を減らす対策を考慮することが求められるとしていて、位置づけの変更は必要な準備を進めながら行うべきだとしている。

  感染法上の分類と「5類」変更の見解案 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●感染者の葬儀制限、納体袋不要 遺体と接触可能に コロナ対応指針改定へ

 新型コロナに感染して亡くなった人の葬儀や火葬をめぐり、政府は感染対策をまとめたガイドラインを改定、制限を大幅に緩和する方針。これまでは遺体を「納体袋」で包むことを推奨し、遺体に触れることを控えるよう求めていたが、コロナ禍前に近い形での最後のお別れが可能になる。遺体の鼻などに詰め物をして体液が漏れ出ないようにすれば、接触による感染リスクは極めて低くなり、通常の遺体と同様に取り扱うことができるとする。年明けの早い時期に改定される見通し。

●コロナ休業支援、今年度末で終了 手当支給や補助

 厚労省は、休業しても勤め先から休業手当が支払われなかった人に支給する「休業支援金・給付金」と、企業が雇用保険の被保険者以外に支払った休業手当を補助する「緊急雇用安定助成金」を、今年度末で終了する。いずれも、コロナ禍で解雇や雇い止めが広がる恐れが生じた2020年4月以降の休業分を対象に新設された。雇用保険の被保険者への休業手当を補助する雇用調整助成金の特例も来月末で終わり、コロナ下で続けてきた雇用を守る施策に区切りをつける。

●「コロナとインフル同時流行が現実味、警戒強めて」 都の専門家

 東京都は28日、モニタリング会議を開いた。新規感染者の7日間平均は27日時点で1万7423人で、前週比でおよそ109%となり、9週連続で増加傾向が続き、減少の兆しが見られないと報告された。また、27日時点の入院患者数は4184人と、4か月前のことし8月下旬以来となる4千人台になるなど、通常の医療との両立に支障が生じつつあり、医療提供体制が逼迫してきていると報告された。

 専門家は、4段階ある警戒レベルについて、感染状況は上から2番目を、医療提供体制は最も深刻なレベルをそれぞれ維持した。「コロナとインフルの同時流行が現実味を帯びている」と指摘したうえで、年末年始は警戒感が薄れるおそれがあるとして、暖房使用中の定期的な換気や場面に応じたマスクの着用など、対策や警戒を強めるよう呼びかけた。

●21.5万人感染 1日あたりの死者数、4県で過去最多

 国内感染者は28日、新たに21万5966人が確認された。前週の同じ曜日(21日)より9522人多かった。新たに発表された死者は415人で、過去最多。28日に発表された死者数を都道府県別にみると、最多は北海道の31人。神奈川28人、東京23人、愛知、大阪、福岡が各20人と続いた。16人の宮城、5人の山形、6人の山梨、10人の宮崎は1日あたりの死者数としては過去最多だった。

 新規感染者数は、東京が2万243人、次いで愛知が1万4310人、大阪が1万3415人。5075人の茨城、4956人の三重、2389人の和歌山、3041人の大分は過去最多を更新した。

●インフルは流行期入り

 厚労省は28日、全国的に季節性インフルエンザの流行期に入ったと発表した。新型コロナが発生してからは季節性インフルの流行はなかったため、3年ぶりの流行。新型コロナも拡大しており、今後の同時流行の影響が懸念される。全国約5千カ所の定点医療機関から報告された最新の1週間(12月19~25日)の患者数が、1医療機関あたり「1.24人(速報値)」となり、流行開始の目安となる「1人」を超えた。

【12月29日】

● 国産コロナ薬、低調 塩野義1ヵ月で処方7700人のみ 重症化予防効果、未確認

 緊急承認された塩野義製薬の新型コロナ感染症の飲み薬「ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル)」が、医療現場で広がっていない。処方されたのは11月末~12月27日で約7700人。重症化を予防する効果は確認されていないことなどから使用対象は限られ、医師らの間では慎重な受け止めが多い。

 重症化リスクのない軽症者の多くは、自然に回復したり市販の解熱鎮痛剤で症状が改善したりする。一方、高齢者や持病のある人に重症化予防の目的で飲み薬を使う際は、効果が確認されている米ファイザー社の「パキロビッドパック(同・ニルマトレルビル/リトナビル)」や米メルク社の「ラゲブリオ(同・モルヌピラビル)」になる。緊急承認はあくまで「仮免許」で、有効性は「推定」された段階。塩野義は1年以内に追加データを提出する必要がある。

●コロナ死者420人で過去最多 感染19万2063人 29日厚労省まとめ

 29日に発表された新型コロナによる全国の死者数は、神奈川県で33人、北海道で31人、東京都で23人など合わせて420人で、28日の415人を上回って1日の発表としてはこれまでで最多となった。栃木県16人、島根県6人、熊本県15人は、1日あたりの死者が過去最多となった。累計で5万6648人。重症者は、29日時点で565人。28日と比べて12人減った。

 国内の新規感染者は29日、新たに19万1948人が確認された。前週の同じ曜日(22日)より8200人多かった。新規感染者の最多は東京都の1万8372人で、2番目が愛知県の1万2281人、その次は大阪府の1万1725人だった。

【12月30日】

●中国からの入国、30日から臨時的な水際措置 成田空港で検査

 中国で感染が急拡大していることを受けて、政府は30日から、中国本土から直行便で日本に入国した人や、中国本土に7日以内に渡航歴があり日本に入国した人に対し、入国時に抗原検査キットなどで新型コロナの検査を実施する臨時的な水際措置をとっている。

 成田空港では、上海からの直行便が到着すると乗客は待機スペースに移動、入国時の検査を受けていた。検査の結果は1時間ほどで出て、陰性だった人たちは順次、到着ロビーへ。陽性となった人は、症状がある場合は7日間、無症状の場合は5日間、待機施設で隔離する。政府はこうした臨時的な水際措置をいつまで続けるかは、中国の感染状況を見ながら判断したいとしている。

●発熱外来、患者相次ぐ 薬が不足も 「感染対策徹底を」

 東京品川区のクリニックの発熱外来では、年内最後の診察日の28日は、発熱などを訴える患者が次々と訪れている。このクリニックでは2週間ほど前から患者が増え始め、ほとんどが軽症のため、せきや鼻の薬、解熱剤が必要な患者が多いが、処方しても薬局に在庫がないケースもあり、薬が不足するところも出てきているという。医師は医療体制が手薄になる年末年始は、特に基本的な感染対策を徹底してほしいと呼びかけている。

●全国で14万8076人が感染 死者は258人

 新型コロナの国内感染者は30日現在、新たに14万8076人が確認された。都道府県別では、東京都が1万4525人で最も多く、次いで大阪府が9527人、福岡県が8869人だった。新たに発表された死者は全国で326人。死者数が最も多かったのは大阪府の23人。東京都21人、神奈川県11人と続いた。

【12月31日】

英仏などヨーロッパ各国 中国からの入国者対象 水際措置強化へ

 英国政府は30日、1月5日以降中国から英国へ直行便で入国する乗客は、出発前の2日以内に受けた新型コロナ検査の陰性証明の提示を義務づけると発表した。対策強化の理由は、中国から包括的な衛生情報が共有されていないなど情報不足を指摘。このほか1月8日からは、新たな変異株に感染している人がいないか確認するため、到着時にも検査を行う。

 フランス政府も30日、中国から航空便で入国する乗客は、出発前の2日以内に受けた検査の陰性証明の提示を1月以降、義務づけると発表。ほかの国を経由して到着した場合も対象。機内ではマスクの着用も義務づける。旧正月を迎える1月、中国からの入国者の増加が見込まれることや、新たな変異株が出現する懸念が高まっていることなどの理由をあげている。このほかスペインやイタリアなど欧州各国が水際措置を強化している。

●新型コロナ 感染により抗体持つ人は3割弱 高齢者ほど低い結果

 新型コロナ感染によってできる抗体を持つ人は、ことし11月時点で全国で28.6%だったことが、国立感染研などが献血の血液を分析した結果、分かった。ことし3月時点で東京都や大阪府など5都府県の住民で感染した人の割合は4.3%と推定されたのに比べて高く、第7波以降、感染した人が大きく増えた可能性を示すとしている。年代別では、16歳から19歳が38.9%、20代が40.4%、・・・60代が17.0%と年代が上がるほど低い傾向がみられた。

 また、沖縄県が45.1%、大阪府43.0%、東京都34.5%などと高かった一方、長野県9.2%、徳島県13.2%、新潟県14.2%などと差が見られた。国立感染研の鈴木感染症疫学センター長は「免疫は時間とともに弱まり、感染で得られる免疫に期待することはリスクが高い。高齢者など重症化リスクの高い人たちはワクチン接種を続けていくことが必要」としている。

●全国で新たに10万6413人 水際対策強化の影響も

 国内感染者は31日、新たに10万6413人が確認された。都道府県別では、東京都が1万1189人で最も多く、次いで大阪府6929人、神奈川県6855人だった。新たに発表された死者は全国で292人だった。死者数が最も多かったのは東京都の21人、大阪府20人、北海道17人と続いた。一方、空港検疫などで確認された感染者は92人で、前日の4人から大幅増。92人のうち90人が中国に滞在歴がある人だった。

 12月31日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 以下の図は12月31日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●2022年、新型コロナ対策は大きく転換

 この1年で政府の新型コロナ対策は大きく転換した。オミクロン株が広がった2022年初めからの「第6波」では亡くなる人も増えたが、それ以上に感染者数の増加が大きく、致死率や重症化率は以前と比べて低下した。これを受けこの夏の「第7波」では、夏休み中で人の移動が活発になり感染者数も連日、過去最多を更新したが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の行動制限は行わず、濃厚接触者に求める待機期間が短縮された。

 9月からオミクロン株対応のワクチン接種が開始。海外で社会経済活動の動きが進んでいることなどを踏まえ、感染者の全数把握を簡略化、患者の療養期間の短縮、水際対策の緩和など、感染防止と社会経済活動の両立を図る対策が出された。さらにインフルとの同時流行が懸念された「第8波」では、重症化リスクの低い人は自宅で抗原検査キットで検査を行い、陽性だった場合はオンラインや電話で受診するなど、医療の逼迫を避けるための対策が本格化した。

・感染者数、去年の約18倍 死者数、去年の約2.5倍

 2022年、国内の新型コロナの感染者数はオミクロン株の影響などで爆発的に増加し、年明けと夏、秋以降の3回にわたって感染が拡大し、1年間の感染者数は28日の時点でおよそ2704万人と、およそ150万人だった去年のおよそ18倍となった。ワクチン接種が進んだこともあり、オミクロン株の感染拡大以降、重症化する割合や致死率は下がったが、感染者数が爆発的に増加したことで、亡くなった人は多くなった。

 国内感染者数と死者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 2022年、新型コロナで亡くなった人数は28日時点で3万7843人。アルファ株やデルタ株が広がった2021年の1万4926人のおよそ2.5倍。感染の第7波のピークだった2022年8月には1か月間に7295人が亡くなり、第8波の今月も、28日までに6584人が亡くなった。政府分科会メンバーで東邦大学の舘田教授は「致死率は低くなってきているが、感染者数がさらに増えれば亡くなる人もさらに増える」と指摘した。

・オミクロン株系統の変異ウイルス

 2022年の初め以降、感染力が強いオミクロン株系統の感染が主流となっていて、現在はオミクロン株のうち、さらに免疫から逃れる性質が加わった新たな変異ウイルスの割合が増加してきている。2022年前半には、オミクロン株の「BA.1」や「BA.2」が主流となり、感染の第6波を引き起こした。その後、感染が爆発的に広がった夏の第7波ではオミクロン株の「BA.5」が主流となり、7月から10月ごろまでは検出される新型コロナのほぼすべてを占めていた。

 「BA.5」は、国立感染研の推定では今週の時点で全国で50%ほどに割合が下がっているとしている。現在は、これまでの感染やワクチン接種で得た免疫からより逃れやすいオミクロン株の「BQ.1」が35%ほどにまで増加していると推定、今後も増えるとみられている。

・今後の懸念と年末年始の感染対策

 WHOによると、12月4日までの1週間で世界中でゲノム解析された新型コロナの中で、最も多くなっているのは「BQ.1」で42.5%、続いて「BA.5」系統13.4%、「BA.2.75」9.8%、オミクロン株の複数のタイプのウイルスが組み合わさった「XBB」が6.1%など。感染急拡大の中国で極めて多くの人の感染で変異を繰り返して、性質の異なる新たな変異ウイルスが生まれる恐れがあると専門家は指摘している。

 年末年始に向けて政府分科会は、オミクロン株対応のワクチンを接種、定期的に窓を開けるなど十分な換気、帰省する人は高齢の親族と接する機会が多くなるため事前に検査を受けること、などを呼びかけている。さらに医療の逼迫を避けるため、重症化リスクが低い人は発熱などの症状が出た際、自分で抗原検査キットを使った検査することや、自分の住む地域の医療機関をあらかじめ確認して検査キットや解熱薬を事前の購入を求めている。

2023年1月 2日 (月)

新型コロナ2022.12 中国緩和

 新型コロナウイルス感染症の「第7波」は減少傾向が続いていたが、下げ止り。10月中旬にはおよそ2か月ぶりに増加に転じた。この冬は季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されている。11月から「第8波」が緩やかに始まった。11月下旬には北海道がピークを迎え減少に転じ始めるが、地域差はあるものの全国的には増加が続き、重症者数や死亡者数も再び増加傾向にある。

 中国の厳しい行動制限に対して広がった抗議活動は、「ゼロコロナ」政策の大幅緩和に向かわせたが、混乱が続いて感染が急拡大を始めた。

 2022年12月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.11 増加続く」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】


【12月1日】

●中国、「ゼロコロナ」見直しか 副首相、政策継続に言及せず

 国営の新華社通信によると、中国政府で新型コロナ政策を担当する孫春蘭副首相は11月30日に、公衆衛生の専門家会合に出席した。この中で副首相は「ワクチン接種が普及し、経験が蓄積されるに従って感染対策が新たな局面と任務に直面している」と述べ、感染対策と経済活動を両立する必要性を強調した。一方、これまで繰り返し強調してきた「ゼロコロナ」政策の継続については言及しなかった。

 「ゼロコロナ」政策への抗議活動が共産党や習近平国家主席への批判にも発展。住民と警察の衝突が断続的に起きていた南部の広東省広州では、厳しい感染対策が大幅に緩和された。このことから政府が今後、国民の不満を和らげるため、「ゼロコロナ」政策を見直すという見方も出ている。11月30日に確認された新型コロナの感染者はおよそ3万5000人、このうち首都・北京では、はじめて5000人を超えるなど3日連続で過去最多を更新している。

●新型コロナ 感染症法上の扱い 見直し議論本格化へ

 新型コロナイウルスの感染症法上の扱いについて、厚労省は30日夜の専門家会合で見直しに向けた議論を本格化していく方針を示し、専門家に対し病原性や感染力、ウイルスの変異の可能性などの検証を行うよう求めた。感染症法では、感染症を「1類」から「5類」に分け、国や自治体が行うことができる措置の内容を定めていて、新型コロナは「2類相当」と位置づけられ、感染拡大を防ぐための厳格な対応が取られている。

 こうした中、国会で審議されている感染症法改正案の付則に新型コロナの感染症法上の位置づけについて速やかに検討する規定が追加された。これを受け、厚労省は30日夜開かれた専門家会合で季節性インフルエンザなどと同じ「5類」への引き下げも含め見直しに向けた議論を本格化していく方針を示し、専門家に病原性や感染力、ウイルスの変異の可能性について検証するよう求めた。

●東京都、コロナ医療提供体制警戒レベル引き上げ 上から2番目に

 東京都は12月1日、モニタリング会議を開いた。この中で、11月30日時点で、新型コロナの専用病床の使用率が40.3%と前の週より4.7ポイント上昇したことや、救急搬送が困難なケースが増えていることが報告された。こうした状況を受けて専門家は、4段階ある医療提供体制の警戒レベルを1段引き上げて上から2番目とし、「今後の患者数の増加を見据え、外来を含めた医療提供体制をさらに強化する必要がある」と指摘した。

 一方、新規感染者数の7日間平均は1万1047人となって、8月31日以来、1万人を上回った。また、5週連続で前週比が100%を超え、このままのペースで増えれば1日の感染者数が、2週間後には1万5000人、4週間後には2万1000人を上回るとの予測が示された。専門家は「年末年始に向けて、イベントや会食など、人と人との接触機会が増えると感染が急拡大する可能性もあるため、今後の動向に十分な警戒が必要だ」と呼びかけた。

●コロナ、インフル同時検査キット 薬剤師の販売・説明を義務づけ

 新型コロナとインフルエンザの同時検査キットの使用は、これまで医療機関でしか認められていなかったが、同時流行が懸念されることから、厚労省は11月に薬局やインターネットでの一般向けの販売を解禁することを決めた。これを受けて1日、厚労省で販売方法について専門家による審議が行われた。その結果、検査キットの販売は必ず薬剤師が行い、使い方などについて購入者に書面などでの説明を義務づけることを決めた。

 抗原検査は、ウイルス量が少ない場合は感染していても陰性と判定される「偽陰性」のリスクがある。このため、検体を採取する際に綿棒を適切に使用することや、陽性だった場合は検査結果を写真で残しておくことなどを説明するよう求めている。厚労省によると、同時検査キットの販売は早ければ今月中にも始まる見込みだという。

●改正感染症法が可決・成立 大病院に発生時の対応義務化

 新型コロナ対応の教訓を生かして次のパンデミックに備えるため、地域の中核を担う病院に病床確保、発熱外来の設置などを義務付ける改正感染症法などが2日、参院本会議で可決、成立した。2024年4月に施行される。新たな感染症が発生すれば、自治体などが運営する「公立・公的医療機関」(約6500施設)、400床以上で大学病院中心の「特定機能病院」(87施設)、200床以上で救急医療が可能な「地域医療支援病院」(685施設)は、医療提供する義務が課される。

 一方、都道府県はすべての医療機関と、医療提供を事前に約束する協定を結べるようになる。都道府県は平時から計画をつくり、病床、発熱外来、人材派遣などの数値目標を盛り込み各医療機関への割り当てを決める。医療機関は協議に応じる義務はあるが、実際に協定を結ぶかは任意。あわせて検疫法も改正。入国後の個人に自宅待機などを指示できるようにしたうえ、待機中の体調報告に応じない場合の罰則をつくった。

●コロナ死者5万人強 国内の第6波と7波で急増 北海道 先月の死者最多に

 新型コロナに感染し、国内で亡くなった人の累計が1日、5万人を超えた。午後7時時点で新たに194人の死亡が確認され、5万70人となった。今年初めの「第6波」、夏の「第7波」で感染者が大きく増えたことから、今年だけで3万人を超える死者が出ている。厚労省によると、男性が約57%で、女性よりやや多い。約95%が60代以上。80代以上が約68%、70代が約20%、60代が約7%となっている。

 「第8波」の兆しがあるとされる現在も、死者数は高い水準で推移。11月29日には北海道、群馬県、鳥取県、12月1日には宮城県で過去最多を更新。北海道では11月、月間で過去最多の585人が亡くなっており、第7波のピークだった8月のほぼ倍。感染者が1日に1万人を超える日もあるなど、過去最悪の水準になっていることに加え、医療機関や福祉施設でクラスターも多発。道は、感染対策の徹底やワクチン接種を呼びかけている。

●全国で新たに11万7778人感染 累計死者数は5万70人

 国内感染者は1日、新たに11万7778人が確認された。前週の木曜日(24日)より5万9883人増え、7日連続で前週を上回った。この日の死者は194人。新規感染者数が最多は、東京都の1万2332人。次に新規感染者数が多かったのは神奈川県の7879人で、北海道7612人、愛知県7358人と続いた。

 12月1日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【12月2日】

●マスクなし、観客席 中国で一時映らず ゼロコロナ緩和後、再登場

 サッカーのワールドカップ(W杯)は中国でも関心の的。SNSでは、中継のピッチ外の場面が話題になっている。「ゼロコロナ」への抗議活動が各地に広がった後、マスクなしで熱狂する観客のアップが映らなくなった。規制緩和の動きが出ると、観客の姿は再登場。スポーツ観戦に政治の影が見え隠れしている。

●同時流行に備え 一日最大90万人の患者診療体制整う 厚労省

 新型コロナとインフルエンザの同時流行に備え厚労省は、国のピーク時の想定を上回る一日最大90万人の患者を診療できる体制が整ったと公表した。この冬に懸念される同時流行について厚労省は、ピーク時には新型コロナが一日45万人、インフルが一日30万人と、一日75万人規模の患者を想定し、都道府県などに診療できる体制を強化した計画を作るよう求めていた。

 このほか、重症化リスクの低い人が自主検査で新型コロナの陽性だった場合に登録する健康フォローアップセンターの対応の強化も求めたところ、一日最大で20万人が登録できる体制が整ったという。

【12月3日】

●ゼロコロナ、課題は高齢者 ワクチン接種に抵抗感 緩和足かせに

 中国でゼロコロナ政策を緩和する動きがある中、高齢者を中心にワクチンによる免疫が十分に高まっていないことが、政策転換の足かせになっている。政府は2023年1月末までに、60~79歳の3回目接種率を95%とする目標を設定したが、ワクチンの有効性には疑問符が付く。中国で主に使われているのは、従来型の「不活化ワクチン」。欧米などで主流の「mRNAワクチン」に比べ、重症化や死亡を防ぐ有効性が劣るとする研究が複数報告されている。

 中国はアジアやアフリカ諸国に対し、「ワクチン外交」を積極的に展開。国産ワクチンの有効性を誇り、外国産ワクチンの輸入を拒んでいたことも、政府の手足を縛っている。外国産ワクチンの輸入にも頼りづらく、課題は多い。11月末の時点で、60歳以上の高齢者のうち2回接種を終えた人は86.4%、3回接種だと68.7%。接種が始まったころに、副作用を巡るうわさやデマが流れ、特に高齢者の間では抵抗感が強い。

●「学生にいらだち」習氏が不満認識 抗議にめぐり、EU首脳に

 中国で広がった「ゼロコロナ」政策への抗議活動について、1日に欧州連合(EU)のミシェル首脳会議常任議長と会談した習近平国家主席が「3年間のコロナ禍で、主に学生にいらだちが募っている」と説明していた。習氏が市民の不満を認識したことが、ゼロコロナ政策の緩和する動きに影響した可能性がある。習氏は会談で現在主流のオミクロン株は「致死率が低い」という認識も示し、EU高官は中国がコロナ規制の緩和に向かうという感触を得たという。

●新型コロナとインフル、同時流行懸念 小児発熱外来の受診増える

 同時流行が懸念されるインフルの感染に対する不安も強まり、千葉県内の病院では小児科の発熱外来を受診する子どもの数が増加している。病院では、いつもと違う症状がみられたときには迷わず受診してほしいとする一方で、病院では第7波の時のように予約の殺到を懸念している。厚労省によると、今シーズンはインフル流行も懸念されることからワクチンの供給量は、大人の接種分で過去最も多いおよそ7042万回分が出荷される見込み。

【12月4日】

●コロナ致死率、第7波は40歳以上で減少 高齢者の追加接種効果か

 全国保健所長会の研究グループは、ことし1月から8月までに大阪府や茨城県など10府県でコロナ感染の40歳以上の55万人余りについて、致死率の変化を調べた。その結果、致死率は「第6波」の1月初めからの4週間では0.62%、2月下旬まででは0.85%。その後、感染者数の減少とともに徐々に下がり、6月中旬までの4週間では0.23%。一方、「第7波」では、感染者数が最も多かった時期の8月中旬までの4週間でも0.39%と「第6波」のピークの時期の半分以下。

 致死率は重症化リスクが高い高齢の人でも下がり、オミクロン株の「BA.5」が主流となった8月下旬までの1か月余りでは、60代で0.05%、70代で0.39%、80代以上で1.81%と、「BA.1」の時期の半分以下になっている。高齢者で進んだワクチンの追加接種の効果が大きい。

●出口模索の中国、現場混乱 ゼロコロナ抗議1週間 検査場「再配置」、長蛇の列

 中国で1週間前に広がった抗議デモは、「ゼロコロナ」政策の緩和に向かわせたが、現場では混乱が続いている。明確な出口戦略を欠いた場当たり的な対応に、市民は振り回されている。混乱を象徴するのが、PCR検査。北京では2日以降、市内に1万カ所前後あった無料PCR検査場が軒並み閉鎖、残った検査場に市民が集中。酷寒の中、長蛇の列。同様の現象は各地で起きている。

 中国ではPCR検査による1~3日以内の陰性証明をスマホのアプリなどで示さなければ、オフィスビルやレストラン、自宅のアパートにも入れない。何の説明もなく閉鎖され、陰性証明の提示の免除は発表されなかったため、混乱が深まった。PCR検査の態勢維持は地方政府の財政負担にもなっているが、高齢者のワクチン接種率が低いまま「脱PCR」を進められるのか。都市ごとにも対応の違いが生じており、迷走が表面化している。

●コロナ自己検査 キットに課題 費用は患者負担 結局外来

 コロナ下で発熱外来の逼迫を避けるため、政府は抗原定性検査キットでの自己検査を促すが、利用が広がっていない。価格の高さ(1セット1700~2200円ほど)に加え、医薬品として未承認の「研究用」キットが広く流通。抗原定性検査キットは、鼻腔のぬぐい液や唾液を使い、感染の有無を判定できるが、キットによる自己検査の精度に課題がある。

 都内では、検査キットでコロナ陰性だった人が、クリニックでの再検査で陽性になるケースが度々あった。発熱当日にキットを使っても、検出されない「偽陰性」などがある。市販キットで陽性でも「医療機関で正確な診断結果がほしい」「薬を処方してもらいたい」という理由で来る人も一定数いるという。東京都や大阪府では発熱などの症状がある人が、ホームページから申請すれば無料で1~2日後にキットを届ける。

●検査キット、未承認の「研究用」が流通

 自己検査を広げる上で混乱を招く一因となっているのが、未承認の「研究用」のキットが薬局やインターネット上で売られていること。研究用は市販が認められているが、性能を担保されてない。コロナ感染の判定精度にも違いがあり、一般用でも感染者が正しく陽性と判定されるのは低くとも6割程度とされるが、研究用には著しく低いものもあるという。このため、自己検査で感染者を登録する場合にも使えない。

 厚労省は承認した一般用キットの一覧をホームページに掲載。研究用と混同しないよう呼びかけている。現在9種類の製品がネットで売られているが、ネット上では研究用が広く出回っている。検索しても一般用を見つけにくい。キットが混在していることで、実際の医療現場にも影響が出ている。キットが研究用か医薬品か確認するのに時間が取られるという。

●インフルと同時流行、警戒

 政府が今冬の対策として意識するのは、多数の感染者によって発熱外来が逼迫すること。厚労省は2日、自治体への調査結果から、コロナとインフルを合わせて1日最大81万人の患者が出ることを見込んだ対策をとる。感染者に発熱などの症状が出た場合、重症化するリスクが低ければ、まずはキットで自分で検査。解熱鎮痛薬を飲んで自宅療養するよう促す。

 インフルとコロナの感染の有無を同時に判定できるキットの市販も解禁。供給は医療機関が優先され、出回る数は限られるものの12月にも購入できるようになる。だが、コロナのキットと同様、自己検査がうまく機能するかは見通せない。新潟大の斎藤教授(公衆衛生学)は「自己検査という言葉やキットの種類をそもそも知らない人の方が多い。基本的なところから知ってもらう工夫が必要だ」と話す。

●新型コロナ、新たに8万8752人感染 前週より減 死者103人

 国内感染者は4日、新たに8万8752人が確認された。前週の同じ曜日(11月27日)より8870人減り、3日連続で前週を下回った。死者は103人。都道府県別で最も感染者が多かったのは東京都で、1万454人。神奈川県6498人、埼玉県5389人が続いた。

 東京都は、前週の同じ曜日より108人多かった。4日までの週平均感染者数は、1日あたり1万1742.4人(前週1万388.4人)だった。4日に発表された新規感染者の年代別は、40代が1771人と最多、次いで20代1742人、30代1630人と続いた。65歳以上は1036人。病床使用率は42.8%。

 12月4日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【12月5日】

●「ゼロコロナ」抗議活動の中国、各地で感染対策見直す動き

 中国政府は先週、感染対策の適正化をさらに進める考えを示した。こうした中、上海では、地下鉄などの公共交通機関や公園などの屋外の公共施設を利用する際に求められていたPCR検査の陰性証明の提示が5日から不要になった。上海の地下鉄駅では5日朝、乗客が陰性証明が表示されるスマホを職員に見せないままホームに向かう姿が見られた。

 北京でも、5日からバスや地下鉄を利用する際に陰性証明を提示する必要がなくなったが、いずれの都市でも商業施設やオフィスビルなどに入るには陰性証明が引き続き求められ、数日おきにPCR検査を受ける必要がある。広東省・広州でも対策が大幅に緩和されるなど各地で見直しは広がっている。感染者増への備えを政府が示さないまま、急な政策修正の動きに市民は戸惑っている。

●同時検査キット、一般販売を承認 富士レビオの製品

 新型コロナと季節性インフルの感染の有無を同時に検査できる検査キットは、厚労省は5日、富士レビオの製品を一般用医薬品(OTC)として承認した。薬局やインターネットで販売が可能となる。国内で同時検査キットがOTCとして承認されたのは初めて。

 同社の製品は綿棒を使って自分で鼻腔粘膜を採取するタイプ。20分程度でコロナとインフル両方の感染がわかる。医療機関へも供給している。対面やメールなどで薬剤師による説明を理解した人に販売する。ネット販売ができるのは、実店舗をもつ薬局などに限られる。

【12月6日】

●中国・北京などで感染対策さらに緩和、感染者数は高止まり

 北京と上海では6日から感染対策がさらに緩和され、商業施設やオフィスビルなど多くの公共の場所に入る時のPCR検査の陰性証明の提示が不要になった。ただ、学校や医療機関、それに飲食店などでは陰性証明の提示が引き続き必要としているほか、商業施設などを訪れた際はスマホで、その場所に掲示されているQRコードを読み込んで、訪問記録を残すよう求めている。

 緩和策が各地で広がれば、これまで以上に感染が拡大する可能性がある。5日確認された国内の感染者数は、全国でおよそ2万7000人と高止まりしていて、中国政府が今後も感染対策の緩和を進めるのか注目される。

●中国「ゼロコロナ」見直し、「影響注視し邦人支援」 林外相

 中国各地で感染対策を見直す動きが広がっているが、林外務相は記者会見で「引き続き、中国における防疫措置が中国経済や市民活動などに与える影響について、強い関心を持って注視していく」と述べた。そのうえで、中国の日本大使館などから、あらかじめ登録した人などにメールを出して、防疫措置の周知や、食料などの備蓄の呼びかけを行っているほか、現地に滞在する日本人からの相談に応じるなどの支援を行っていると説明した。

【12月7日】

●中国政府 「ゼロコロナ」政策の規制 、「さらに緩和」 と発表

 中国政府は7日、感染対策のさらなる適正化として、すべての感染者を病院や隔離施設に移す措置をやめ、無症状や症状の軽い人は自宅での隔離を認めると発表。自宅での隔離期間は原則7日間。また、高齢者施設や医療機関、学校などを除き、PCR検査から抗原検査に切り替えを進め、省や自治区などを越えて移動する際には陰性証明を求めない。このほか60歳以上のワクチン接種を進めるとし、臨時の接種会場を設けたり車で巡回したりする。

 感染者が出た場所はこれまで通り「高リスク地区」として行動規制がかかるが、地方当局にその範囲を建物や世帯単位に縮小するよう求め、5日連続で新たな感染者が出なければ規制は解除される。また、高リスク地区以外で移動制限をしたり、店の営業や工場の操業を停止する措置をとったりしてはならない。国家衛生健康委員会は7日に会見を開き、緩和理由としてワクチン接種が進んだことや、変異株の病原性が低いことを挙げた。

●「感染状況に地域差 置き換わりに注意」 厚労省専門家組織

 厚労省の専門家組織の会合が7日に開かれ、全国的に増加が続いているが増加速度は低下し、北海道や東北など感染拡大が先行した地域では減少傾向にある。一方、遅れて感染拡大となった首都圏や近畿、四国、九州、沖縄では増加幅が大きく、地域差が見られる。また、全国の重症者数と死亡者の数は直近で横ばいだが、ほとんどの地域で高齢者の感染者数は増加が続き、これからの推移には注意が必要だという。

 今後の予測は、地域差があるものの全国的には横ばいから増加傾向が続き、免疫を逃れやすい「BQ.1」系統が国内でも増加しつつあることなどを指摘。年内にオミクロン株対応ワクチン接種を終えることや、自己検査可能な抗原検査キットの活用を求めている。忘年会シーズンを迎え、飲食はできるだけ少人数、飲食時以外はマスク着用、換気の徹底、症状があるときは外出を控えるなど基本的な感染対策の再点検や徹底を改めて呼びかけた。

●1週間の新規感染者数 全国では増加続くも幅は小さく

 厚労省の専門家会合で示された資料によると、6日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて1.06倍と増加が続いているが、増加幅は小さくなっている。首都圏では、東京都と神奈川県が1.09倍、埼玉県1.15倍、千葉県1.13倍と増加が続き、34の都府県で増加している。一方、北海道や東北を中心に、11道県では前の週から感染者が減っている。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、宮城県が1007.00人と全国で唯一1000人を超えて最も多く、秋田県が940.07人、福島県が925.95人、北海道が900.35人などと、北海道や東北を中心とした地域で多くなっている。全国では595.24人。

感染症法上の扱い 判断の際に考慮する要素 国が示す

 新型コロナの感染症法上の扱いについて、厚労省は7日の専門家会合で判断する際に考慮する要素についてまとめた資料を示した。この中では、判断にあたって考慮する要素は、「病原性」と「感染力」、「今後の変異の可能性」を挙げている。

 このうち「病原性」は、オミクロン株でも季節性インフルより致死率が高いとされ、今の時点での「病原性」をどう考えるか判断が必要。「感染力」については、オミクロン株は感染力が強いとされ、国民の生命や健康に対する影響をどのように考えるか。「今後の変異の可能性」は、病原性が大きく上がるような変異が起きる可能性をどうに考えるか。このうえで、患者をどのように医療で受け止めていくかも考える必要があるとしている。

●脇田座長「大都市圏では緩やかな増加も」

 厚労省の専門家会合のあと開かれた記者会見で脇田座長は、「夏の第7波に引き続きBA.5が感染の主流になっているが、BQ.1系統の割合も徐々に増えている。また、年末年始に向けて、ふだん合わない人との接触が増えることで、感染が拡大していく可能性も高い」と指摘した。

 「高齢者の感染者は緩やかに増加し、重症者数や死亡者の増加に影響する可能性がある。年末年始に高齢者に会う機会がある人は事前検査をするなどの注意が重要」。また感染症法上の扱いの見直しは、「ウイルスの伝播力や重症度、医療へのインパクトをどう評価するか。入院勧告や濃厚接触者の隔離がどこまで必要か、通常の医療と同じレベルに移行していく際に行政からどんな支援が必要なのか評価し、考えていく必要がある」とした。

●「BQ.1」に置き換わり進む オミクロン株BA.5が主流だったが

 オミクロン株BA.5系統から派生した「BQ.1」が国内で広がりつつある。夏の第7波からBA.5系統が国内の主流だった。専門家組織の脇田座長は11月30日の会見で、11月に国内の感染増が一度鈍化した後、再び勢いを増しているのは、BQ.1への置き換わりが影響している可能性があると指摘。「7波のようにすんなりと感染者数が下がらないことも予想される」。免疫が効きにくくなり、感染が広がり易くなっているとみられる。重症化しやすさはBA.5と同程度とされる。

 国立感染研の推計では、国内では8月上旬以降、BA.5が感染者の9割以上と主流だった。しかし10月上旬から減り始め、12月7日公表の推計では5日からの週には54%。代わりにBQ.1が36%を占めると推計。英国の健康安全保障庁によると、英国では11月19日までの週でBQ.1が50%。米CDCによると、米国でも12月3日の週で63%。ただし、いずれも広がった時期に入院者数が増えるなどの傾向は報告されていない。

●BA.5型ワクチン、BQ.1に「一定の効果期待」

 米ファイザー社によると、日本では10月から接種が始まったBA.5型のワクチンを追加接種すると、接種前と比べて、BQ.1に対する中和抗体の量は約9倍増えたという。しかし、感染や発症を防ぐのに十分な量かどうかはわからない。一方、治療薬については、国内で使える中和抗体薬のロナプリーブ(一般名=カシリビマブとイムデビマブ)やゼビュディ(ソトロビマブ)は、もともとオミクロン株全般に効果が低いとされ、同じオミクロン株のBQ.1でも同様とみられる。

 東京医大の濱田特任教授(渡航医学)は、欧米では検査が厳密ではなくなっているものの、感染者数の急増はみられず、「BA.5に置き換わったときほどの急激な感染者の伸びはないのではないか」とみる。ただ今後は寒さが増し、クリスマスや年末年始には人々の接触が増える。BA.1に対するワクチンの発症予防効果は現状では明確ではないというが、「重症化しにくくなるなど一定の効果は期待でき、接種を受ける意味はあるだろう」と話す。

【12月8日】

●モデルナのコロナワクチン、追加接種可能 12歳以上に引き下げへ

 モデルナ製ワクチンは、3回目以降の追加接種の対象年齢が18歳以上。モデルナは、年齢引き下げを申請していた。8日、厚労省の専門家による部会が開かれ、製薬会社の臨床試験の結果、有効性や安全性が確認されたとして対象年齢を12歳以上に引き下げることが了承された。現在、接種が進められているオミクロン株「BA.5」などに対応するワクチンや「BA.1」対応ワクチンのほか、従来型ワクチンも対象となりる。今月中にも運用が始まる見通し。

●新たな変異ウイルスに対する飲み薬効果確認 東大研究グループ

 オミクロン「BQ.1.1」などの新たな変異株に対して、飲み薬の効果が確認できたとする実験結果を東京大学の研究グループが発表した。患者からとった「BQ.1.1」と「XBB」の増殖を抑えられるか、さまざまな治療薬を使って実験した。その結果、飲み薬の「ラゲブリオ」と「パキロビッド」、それに点滴で投与する「レムデシビル」では増殖を抑える効果は、従来型のウイルスや「BA.5」に対してと同じ程度だった。

 現在も感染の主流は「BA.5」だが、「BQ.1.1」が検出される割合は東京都で先月中旬までの1週間で7%となるなど、新たな変異ウイルスが増えてきている。

●新たにがんと診断、コロナ前の水準に 昨年 国立がんセンター調査

 2021年にがんと診断された人は、新型コロナ流行前の2018、2019年の平均と比べ1%増えた、と国立がん研究センターが発表した。2020年は新型コロナによる受診控えなどで4%減だったが、コロナ前の水準に戻った。部位別にみると、胃がんと喉頭がんの2021年の患者数はコロナ前から5%以上減ったまま。受診控えなどの影響は依然残っているとみられる。一方、乳がんや膵臓がん、子宮体がんなどの患者数は5%以上増えた。

●新たにな13.2万人 前週を1.5万人上回る

 国内感染者は8日、新たに13万2989人が確認された。前週の同じ曜日(1日)より1万5211人増え、3日連続で前週を上回った。新たに発表された死者は236人だった。新規感染者を都道府県別にみると、最多の東京都は前週より1772人多い1万4104人。8日までの週平均の感染者数は1日あたり1万2136.9人で前週の101.1%だった。次いで神奈川県8413人、愛知県8034人。

【12月9日】

● 中国、感染急増か ゼロコロナ緩和 先行した広州 病院「発熱者の80%陽性」

 「ゼロコロナ」政策の規制が大幅に緩和された中国で、新型コロナ感染が急速に広がっている。緩和が先行した広東省広州市では、病院の発熱外来を訪れる人の大半が陽性で、町工場で従業員の9割が感染した例もある。羊の絵文字を添えた「私も羊になった」というメッセージが、中国のSNS「微博(ウェイボー)」で飛び交っている。中国語の発音で「羊」は「陽」と同じ。新型コロナの陽性を意味する。

 広州市政府によると、市内で12月8日に確認された感染者は1859人。全住民を対象とするPCR検査をやめた11月30日の約6300人から「確認された」感染者数は減少傾向。当局側は大半が無症状か軽症で「心配は無用」と強調。だが、SNS上では「数字とは逆に、日に日に周りの感染者が増えている」との声が多数。9日、発熱者が頻繁に訪れていた市内の第12人民病院の関係者は「発熱して来る人の約80%は陽性」と話した。

●成田空港、国際便数はコロナ前の半分以下 水際対策緩和から半年

 水際対策の緩和による外国人観光客の受け入れ再開から10日で半年。成田空港の国際線の旅客便数はコロナ前の半分以下の47%。路線別で見ると、米国やカナダなどの太平洋線は67%、ベトナムやシンガポールなどのアジア線は66%、韓国線は55%などと回復傾向にある。一方、発着回数が最も多かった中国線は24%に留まり、「ゼロコロナ」政策が続いていた影響とみられる。

 便数の回復の遅れは、飲食店やおみやげ店、日用品店など空港内のテナントにも大きな影響を及ぼしている。コロナ前は、店舗が460余りあったが、今月3日時点で2割近くに当たる87店舗が撤退。残りの店舗も一部が休業のままで、現在、営業している店舗はコロナ前のおよそ6割。関係者は、早く中国の利用客が戻ることを期待している。

【12月11日】

●全国11万8514人、前週比2万9763人増 東京都1万2163人、前週比1709人増

 国内感染者は11日、新たに11万8514人が確認された。前週の同じ曜日(4日)より2万9763人多く、前週を上回るのは6日連続。新たに発表された死者は132人だった。都道府県別で最も多かったのは東京都で、1万2163人。前週の同じ曜日より1709人多い。次いで神奈川県が7691人で、愛知県6879人、大阪府6664人、埼玉県6505人と続いた。

 東京都の11日までの週平均の感染者数は、前週比で109.8%。年代別にみると、最多は30代の1967人で、次いで40代1949人、20代1947人など。65歳以上は1143人。病床使用率は47.3%。都基準の重症者は前日と同じ15人。新たに発表された死者は18人。

 12月11日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【12月12日】

●中国研究者、主張一転 「ウイルスより変異早い」 広がる国民の不信

 「ゼロコロナ」の大幅な緩和が進む中国で、感染症や公衆衛生の研究者たちへの批判や失望が強まっている。ウイルスの脅威を説くことで政府の厳しい規制を正当化。政策が変化すると一転「手のひら返し」、安全さを強調する。7日、会見に臨んだ国家衛生健康委員会の公衆衛生第一人者として知られる梁氏は「変異株の病原性は明らかに弱まった。現在のウイルスはこれまで以上に温和になった」と強調。これまで、コロナ危険性を指摘、ゼロコロナ維持を訴えていた。

 10月の会見では、中国疾病予防コントロールセンターの専門家の呉氏は、後遺症について「数カ月からさらに長く続く」と発言し、人びとの不安を呼んだ。この呉氏も7日にSNSで、感染しても「多くは特別な医療サービスを必要としない」と発信。中国メディアも「後遺症には根拠がない」と他の研究者のコメントを紹介。本来、科学的に提言するべき研究者の姿勢の変化に、SNS上では「中国の専門家はウイルスよりも早く変異する」と不信感が膨らんでいる。

●発熱の受診、1週間で16倍 北京

 北京市衛生当局は12日の定例会見で、11日に市内の医療機関の発熱外来で診察を受けた延べ人数が1週間前の16倍の2.2万人に達したことを明らかにした。政府が「ゼロコロナ」政策を大幅緩和したことを受け、新型コロナの感染が急拡大している。日本の119番にあたる救急通報も9日に3万1千件、通常の6倍。新型コロナと診断された人の数は明らかにしていないが、会見した当局者は「北京で新型コロナが急拡大する流れがなお存在している」と述べた。

 政府は7日、ゼロコロナ政策を大幅に緩和。日常生活に欠かせなかった1~3日おきのPCR検査も極端にゆるんでしまった。PCR検査による新規の感染者(無症状を含む)の数は11日、1100人余りでピーク時の5分の1近くに減ったが、実際の感染者はこれまでにない規模で増えている。政府はこれまでの姿勢を一転、「オミクロン株の病原性は低い」と宣伝し、重症者以外は自宅療養を促しているが、高齢者や子どもを抱える市民は不安を募らせている。

●オミクロン株BQ.1.1、「病原性 同程度か低い可能性」 東大

 免疫から逃れやすいとされ今後の拡大が懸念されるオミクロン株「BQ.1.1」について、感染したときに症状を引き起こす力は、従来の変異ウイルスと同じ程度か低い可能性があるとする動物実験の結果を、東京大学などの研究グループが発表した。それによると、実験で感染した人から取った「BQ.1.1」を細胞に感染させると、周囲の細胞を壊す力は、ことし夏の第7波以降の主流「BA.5」の2.4倍になっていたという。

 一方で、「BQ.1.1」をハムスターに感染させると、体調を示す体重の変化は「BA.5」に感染した場合とほぼ同じで、肺の機能を示す数値は悪化の程度が低かったとしている。これまでの変異ウイルスでは、細胞を壊す力が強いと病原性も高い傾向があったが、「BQ.1.1」は病原性が「BA.5」と同じ程度か下がっている可能性もあるとしている。

【12月13日】

●コロナワクチン、「全額公費」議論 3月期限 自治体から延長求める声

 新型コロナのワクチン接種について、全額を公費の「臨時接種」を来年4月以降も続けるか、厚労省の専門家分科会が13日、議論を始めた。議論の行方によっては、通常のワクチンと同様に自己負担が生じる可能性もある。ただ反対論が根強く、厚労省は延長を視野に検討している。臨時接種は、予防接種法上で「まん延予防上緊急の必要がある」場合のみに認められている。コロナワクチンはこれまで期限を2回延長していて、来年3月にまた期限を迎える。

 「来年度の予算や人員配置を検討している。臨時接種をやめるのは難しい」「4歳以下の接種は10月に始まったばかり。来年3月末までに3回接種が終わらないケースも…」。自治体関係者らからはこの日、臨時接種の延長を求める声。この議論は、コロナの感染症法上の見直しの議論とも関係する。入院勧告などの厳しい措置がとれる「2類相当」のコロナを今後、季節性インフルなどと同じ「5類」に引き下げれば、臨時接種の条件を満たさない可能性がある。

●新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」処方できる医療機関拡大へ

 塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」は重症化リスクが低い患者でも軽症の段階から服用できるのが特徴。先月22日に国が使用を緊急承認した。安全対策として当初の2週間程度は、薬が働く仕組みが同様のファイザーの飲み薬を処方した実績がある医療機関などから供給を始め、12日の時点でおよそ4800の医療機関などが登録された。

 その後、大きな問題は報告されなかったことから、厚労省は15日から特に条件を設けず都道府県が選定した医療機関での処方や薬局での調剤ができるようにすると発表。そのうえで、安定的に供給できるよう厚労省は塩野義製薬と追加で100万人分を購入する契約を結んだ。処方可能な医療機関について今後、都道府県などのWEBサイトで公開するとしている。

●総務相の記者会見 感染対策のアクリル板、2年ぶり撤去

 閣議のあとに行われている総務大臣の記者会見では、一昨年9月から感染対策のため大臣と記者席の間にアクリル板が設置されていた。13日、2年3か月ぶりにそのアクリル板が外され、記者会見が行われた。総務相は原則、マスクを外して会見に臨んでいるが、総務省は「記者席との間に十分な距離を確保しており、換気も十分で、感染のリスクは低いと判断した」としている。閣僚の記者会見では、加藤厚労相も先週からアクリル板を外している。

●旅行支援 来月10日から、割引率20%に引き下げ

 斉藤国交相は13日、旅行代金を補助する「全国旅行支援」について、現行の旅行支援は12月27日宿泊分まででいったん終了。来年1月10日から再び実施すると発表した。割引率は現行の40%から20%に引き下げる。割引の上限額も公共交通機関とセットの旅行商品は1人1泊8千円を5千円に、それ以外は5千円を3千円に引き下げる。地域で使えるクーポン券は平日2千円、休日千円が支給される。原則、電子クーポンとする。

 各都道府県の準備が整い次第、販売が始まる。販売が始まる前に予約した分には割引は適用されない。各都道府県ごとに予算を使い切ったところから支援策は順次、終了する。

●忘年会・新年会「開催せず」7割 開催派の4割「二次会自粛」

 年末年始の忘年会・新年会を「開催しない」とする企業が7割にのぼることが、東京商工リサーチのアンケートで13日明らかになった。企業の中にはコロナ禍を機に「仕事上のつきあい」を見直す動きが広がっているとみられる。アンケートは1~8日に実施し、国内4766社が回答。「開催しない」は71.1%。1年前より8.3ポイント減少。10月の調査では「開催しない」が61.4%だったが、感染者数が増加したこともあり、開催をとりやめる企業が増えた。

 「開催」とした3割近くの企業のうち、2割超は「緊急事態宣言」などの制限がないことが開催条件。すでに開催したか、開催意向のある企業に尋ねると、42.7%が「二次会を自粛」と答えた。「開催時間を制限(短縮)」(27.8%)、「人数を制限」(27.5%)がほぼ同数。東京商工リサーチ担当者は、会社行事の忘年会・新年会は今後もコロナ前のような活況を取り戻さないとみる。「企業は飲みニケーションにかわるものを見つけないといけない」と話す。

【12月14日】

●専門家会合、「年末に向け接触機会増加など注意必要」

 厚労省の専門家組織の会合が14日に開かれ、直近1週間の新規感染者数は全国平均で、前週比1.2倍の増加傾向。感染拡大が先行した北海道でなど3道県は、前週を割り込んで減少傾向。遅れて拡大した西日本で軒並み増加のペースが大きくなり、特に九州を中心に8県では1.5倍超。東北・北陸・甲信越も減少傾向から増加傾向に転じている。全国で高齢者で感染者数が増加し、重症者数や死亡者数は再び増加傾向にある。

 医療体制は、病床使用率も上昇傾向で、22道府県で50%以上。救急搬送が困難なケースも増え、特にコロナ以外での救急搬送が困難なケースはことし夏の「第7波」のピークと同じレベルに達し、年末年始の救急医療体制の確保に注意が必要。今後の感染状況予測では、多くの地域で増加傾向が見込まれ、より免疫を逃れやすいとされる「BQ.1」の割合が国内でも増加しつつあり、年末年始で接触機会が増えることなどに注意が必要だと指摘した。

●13日まで1週間の新規感染者数、44都府県で前週から増

 厚労省の専門家会合で示された資料によると、13日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.20倍と増加のペースが上がっていて、北海道と山形県、長野県を除き、九州など西日本を中心に44の都府県で、前の週から感染者数が増えている。首都圏では、東京都が1.16倍、神奈川県が1.15倍、千葉県が1.22倍、埼玉県が1.18倍と増加が続いている。

 人口10万人当たりの直近1週間の感染者数は、鳥取県が1112.20人と最も多く、宮城県1067.07人、福島県1034.07人、佐賀県979.49人、新潟県950.72人、秋田県950.70人などと多くなっている。全国では716.43人。

●脇田座長「感染の増加傾向続く可能性高い」

 専門家会合のあとの記者会見で、脇田座長は「自然感染による免疫もワクチンによる免疫も、時間とともに減っているほか、年末年始でふだん会わない人と会う機会も増えるため、全国的に見れば、感染の増加傾向は続いていく可能性が高い」と指摘。その上で、「インフルも年明けから流行が広がる可能性があり、基本的な感染対策の継続や体調の管理は必要。帰省で高齢者に会う機会が増えるので、事前の検査や体調管理の配慮をしてほしい」と呼びかけた。

●「インフル同等と判断できる条件満たしてない」 専門家有志

 新型コロナの感染症法上の扱いについて、季節性インフルと同じ「5類」への引き下げも含めた見直しが議論されているが、専門家有志は、新型コロナはインフルと同等と判断できる条件を現時点で満たしていないとするリスクの評価をまとめた。リスク評価は、東北大学の押谷教授や、京都大学の西浦教授など、専門家4人がまとめ、14日に開かれた厚労省の専門家組織の会合で示した。

 文書では、新型コロナのリスクを、感染の広がりやすさ「伝播性」や、感染した場合の「重症度」、それに「医療や社会への影響」の3項目について評価している。こうしたことから、現時点では、新型コロナは「季節性インフルと同等のものと判断できる条件を満たしていない」と結論づけている。会合のあとの記者会見で、押谷教授は「インフルと全く違う特徴を持っているウイルスと、われわれは対峙していると理解する必要がある」と話していた。

●新型コロナ「後遺症」での受診リスク 感染した人最大6倍ほどに

 名古屋工業大学の平田教授らの研究グループは、およそ125万人分のレセプト(診療報酬明細書)の記録を、感染した人と感染していない人で、「後遺症」の倦怠感や頭痛、呼吸困難など10の症状で医療機関を受診する人の割合を調べた。その結果、重い持病がない人でこれらの症状で受診した人の割合は、第1波から第3波に当たる去年春までの1年間では、感染していない人では3%、感染した人ではその後6か月間で16%と5倍程度高くなっていることが分かった。

 受診した人の割合は「第4波」や「第5波」の時期でも最大で6倍程度高くなっていたが、オミクロン株が拡大した「第6波」のことし1月から3月には3倍にまで低下していたという。平田教授は「ワクチンの効果や変異ウイルスの病原性もあって(後遺症)リスクが低下した可能性がある」と話している。

●中国、「無症状」の発表停止

 中国の国家衛生健康委員会は7日に対策の緩和を発表し、これまでは医療機関や施設での隔離が義務だった軽症と無症状者について、自宅での隔離を認めた。日常生活に組み込まれていたPCR検査の機会が減っており、抗原検査キットで自ら陽性を確認した市民が自宅療養するケースが増えている。同委員会は14日、無症状感染者について、正確に把握できないため今後は人数の発表をとりやめる方針。

 公的なデータが発表されなくなる一方で、中国各地ではコロナの陽性者が激増しているとみられる。病院の発熱外来には連日、大勢の患者が詰めかけ、薬局では薬や抗原検査キットが品薄になっている。13日には、市民の行動を追跡するスマホのアプリも廃止。プライバシーなどを考慮せずに滞在した都市が自動的に表示される仕組みで、直近の訪問先が感染リスクの高い地域だとみなされると、行動が制限されていた。

●5類移行、「インフルとの比較は困難」 専門家ら 難しい時期判断 政府

 新型コロナを季節性インフルと同じ感染症法上の「5類」に変更するかどうか、政府と専門家らの議論が本格化している。医療体制や公費負担のあり方、変更時期が焦点となる。一方、専門家組織の有志は14日、コロナはインフルとの比較が困難だとする見解を公表した。医療現場の逼迫を受け、自治体が5類への早期変更を求める中、政府は難しい判断を迫られる。

 政府は「国民は3年も不自由な生活を送り、もう待ってくれない」と受け止める一方、今冬の感染拡大中に5類変更を打ち出せば、国民に「もう感染対策は不要」と受け取られかねない。また、5類になれば感染者の隔離などさまざまな措置が無くなり、店での飲食やイベント参加が増える。自治体や医療機関も準備が必要なため、5類変更前に一定の周知期間を置かねばならない。5類の変更時期について、来年度の自治体予算成立(来年3月)には間に合わない。

●製造業4期連続悪化 非製造業は改善続く 日銀短観

 日本銀行が14日に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が4四半期連続で悪化した。前回9月調査から1ポイント悪化してプラス7。業種別では石油・石炭製品が40ポイント悪化、化学が8ポイント悪化など、産業の「川上」にあたる産業での悪化が目立った。世界経済の減速を見込み、原油や鉄など素材の価格が下落傾向にあり、景況感を落ち込ませている。

 一方、大企業・非製造業はは3四半期連続の改善。5ポイント改善してプラス19。特に宿泊・飲食サービスは28ポイントの大幅改善。「全国旅行支援」や、10月から新型コロナの水際対策が緩和されたことが追い風になったとみられる。3カ月後の景況感を聞いたDIは、大企業・製造業がプラス6と今回から1ポイントの悪化、非製造業もプラス11と8ポイント悪化を見込んでいる。

●コロナ発症1カ月、20人に1人後遺症 豊中市など調査 日常に支障1.6%

 大阪府豊中市などは14日、新型コロナの後遺症調査の結果を発表した。市役所で会見した大阪大学大学院の忽那教授(感染制御学)によると、療養後に何らかの症状があったと回答したのは47.7%。「日常生活の支障」が30日以上続いた人は1.61%に上った。1カ月後も感染者の20人に1人、2カ月後も27人に1人は、何らかの後遺症があった。後遺症が30日以上続いた人では、髪の脱毛が1.41%と最も多く、せき、熱、嗅覚障害、味覚障害と続いた。

 発症時期から推定して、77.3%がオミクロン株に感染。また重症だった人は、軽症の人より後遺症が約5.4倍起きやすかった。ワクチン接種をするほど後遺症が起こりにくい傾向も分かり、忽那教授は「特に重症度リスクの高い人のワクチン接種や感染予防策は引き続き重要」と語った。長内市長は「(症状は)徐々に改善するが、日常生活に支障が出るとわかった。感染予防を徹底し、ワクチンを接種してもらえる環境を提供し、こうした情報を市民に知らせたい」と語った。

【12月15日】

● 中国ゼロコロナ緩和、感染増 「社員ほぼ全滅」 発熱外来受診16倍

 「ゼロコロナ」政策が緩和された中国で、感染が急拡大している。日系を含め多くの企業で部署のほぼ全員が感染するようなケースが相次ぐ。政府が感染者の全数を把握することをやめたために正確な数字は不明だが、取材からは感染の「爆発」に近い実態が見えてきている。中国政府のコロナ対策に影響力のある医師チームなどは、中国メディアに対し、今後の感染のピークは1月中下旬から2月にかけてと予想している。

 中国当局が発表した14日の新規感染者数は、広東省が857人、次に多い北京市が494人。だが、政策の緩和でPCR検査を受ける人が激減しているほか、13日分からは無症状感染者の統計も発表されなくなった。当局発表の感染者数は、実態とはかけ離れている。北京市内の医療機関で発熱外来を受診した延べ人数は11日、1週間前の16倍に上った。

●米国CDC、コロナ後遺症関連の死亡「3500人余」 報告書公表

 新型コロナの「後遺症」は、息苦しさやけん怠感などの症状が長く続き、人によって数か月以上続くケースも報告されている。この後遺症を巡って米国CDC(疾病対策センター)は14日、後遺症に関連して死亡した人がどのくらいいるか、分析した報告書を公表した。分析は、一昨年1月から今年6月までに、米国で新型コロナで死亡したおよそ102万人を対象に行われ、死亡診断書に後遺症を示す「ロング・コビッド」などの単語が含まれるものを調べた。

 その結果、全体のおよそ0.3%にあたる3544人が新型コロナの後遺症に関連して死亡したと特定したという。年代では65歳以上がおよそ8割で、男性のほうが女性よりもわずかに多い傾向のほか、時期でみると今年2月が最も多くなっていた。

●新型コロナ感染者の葬儀、最後の別れができるように 見直しへ

 新型コロナに感染して亡くなった人の遺体の搬送や葬儀などについて、厚労省と経産省はおととし7月にガイドライン案をまとめた。遺体は「納体袋」で包み、遺体に触れることは控えるほか、濃厚接触者の参列については無症状の場合でもオンラインを活用するなど対面を避けるよう推奨していた。遺族からはこれまで、「最後の別れができるようにしてほしい」との声が上がっていた。

 厚労省などがまとめた見直し案は、遺体から一定の対策をとれば「納体袋」は必要ない。「遺体に触れることは控える」という表現を削除し、触れた場合は適切に手を洗うよう求めている。濃厚接触者は基本的な感染対策をとれば葬儀や火葬に参列できる。厚労省などは業界団体などの意見を踏まえて年内にもガイドラインを改定する方針。見直されれば基本的な感染対策をとったうえで、亡くなった家族の体に触れるなど最後の別れができるようになる。

●東京の感染者、4週間後に1日3万人か 専門家らの会議で報告

 東京都は15日、感染者を新たに1万7687人確認したと発表。前週の同じ曜日より3583人多い。同日の都モニタリング会議では、このままのペースで感染者が増え続けると、1月11日には約3万人の新規感染者が予測されると報告された。15日までの週平均の感染者数は1万4802.9人で、前週(1万2136.9人)の122.0%。新規感染者を年代別でみると、最多は20代の3232人、次いで30代3128人、40代3021人など。病床使用率は52.2%。

 モニタリング会議では7週連続で週平均の感染者数が前週を上回ったと報告された。出席者からは「(感染者増加は)寒さで換気が悪くなった影響が大きい。いろんな種類の変異株が同時にはやっていることもある」「医療機関は負荷が増大している」などの指摘があった。年末年始の診療の報告もあり、都立病院12カ所は20日以降、1日あたり計1千人のコロナ患者を診察できる体制を整えたとした。

 12月31日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●全国で16万8491人の感染確認 10日連続で前週上回る

 国内感染者は15日、新たに16万8491人が確認された。前週の同じ曜日(8日)より3万4992人多く、10日連続で前週を上回った。死者は277人。都道府県別の感染者数は、東京都の1万7687人が最多。神奈川県1万1040人、愛知県9810人、大阪府9586人、埼玉県9142人と続いた。

 以下5枚の図は12月31日時点の国内感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年12月22日 (木)

新型コロナ2022.11 増加続く

 新型コロナウイルス感染症の「第7波」は、8月下旬からは減少傾向が続いていたが、10月中旬にはおよそ2か月ぶりに増加に転じた。この冬は季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されている。11月から「第8波」が始まり増加が続いているものの、その速度は比較的緩やか。北海道ではピークを迎え、減少に転じ始めた。今後の短期的な予測では、地域差や不確実性はあるものの全国的に増加が続くと見込まれる。

 2022年11月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.11 第8波入口」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【11月16日】

●ゼロコロナ、怒る広州 飲食店従業員「商売にならない」

 中国が続ける厳しいゼロコロナ政策をめぐり、広東省広州市で混乱が広がっている。14日夜、地区封鎖(ロックダウン)や突然の立ち退き通告などに対して住民の怒りが爆発。バリケードをなぎ倒すなどの暴動になり、治安部隊が鎮圧に乗り出す事態になった。暴動が起きたのは、広州市中心部から南へ約7キロの海珠区の下町。政府側は、この地区は人口が密集して衛生状態が悪く、ウイルスが拡散しやすいことを理由にしている。

 広州市当局は16日、前日に新たに確認された感染者が過去最高の6296人になったと公表。国家衛生健康委員会によると、中国全体でも新たな感染者が2万199人となり、上海がロックダウンしていた4月中旬以来の2万人台となった。

●訪日観光客、前月比15倍 10月

 日本政府観光局は16日、10月の訪日外国人客(インバウンド)が49万8600人だったと発表した。9月の20万6500人から約2.4倍。このうち観光目的は約29万人で、9月の約1万9千人から15倍以上に伸びた。新型コロナの水際対策が大幅に緩和されたことを受けて、日本への入国がしやすくなった効果が表れた。

 10月11日から1日あたりの入国者数の上限がなくなり、水際対策がほぼ撤廃された。ビジネス、観光ともに来日しやすくなり、緩和前の10月1~10日の訪日客数は1日平均約2千人だったが、緩和した11日以降は平均約1万3千人と約7倍、11月からは約2万人に増えた。国・地域別では、韓国(12万2900人)、米国(5万3200人)、香港(3万6200人)の順に多かった。2020年3月以来、最多となる。

●新型コロナ「新たな波が始まった」 日本医師会常任理事

 日本医師会の釜萢(かまやち)常任理事は記者会見で「波の定義は明確に決まっていないが、新たな波が始まったと捉えざるをえないのではないか。医療提供体制をできるだけ急いで整えなければならないという危機感を持っている」と述べ、「第8波」が始まったという認識を示した。

 そのうえで「新規感染者は10代から40代の若年層が多いので、こうした世代にオミクロン株に対応したワクチンの接種をお願いしたい。感染リスクの高い行動を、それぞれの方の判断で抑制しないといけない時期に入っている。社会経済活動を回すことは極めて重要だが、行動をどう選択するのかを考えてほしい」と呼びかけた。

●コロナ感染数週間後の子ども、心臓など働き悪くなる「MIS-C」

 新型コロナに感染した子どものうち全国で少なくとも64人が、感染から数週間後に心臓の働きなどが悪くなる「MIS-C=小児多系統炎症性症候群」と診断されていたことが、自治医科大学附属病院などの調査で分かった。「MIS-C」は心臓や肺、消化器系統など複数の臓器に炎症が起きることが知られている。重症化すると、心臓の働きが低下し死亡するケースもある。米国では、一昨年から先月末までに9073人がMIS-Cと診断、このうち74人が死亡している。

 日本小児科学会などによると、これまでに国内での死亡例はないが、ことしに入り、子どもの感染が増えてからは、各地の医療機関でMIS-Cと診断される症例が目立つようになったという。このため、新型コロナに感染した子どもの体調に異変が起きた際は、MIS-Cかどうか早期に診断したうえで、専門的な治療を始められるかが重要になる。

●感染者、2日連続10万人超

 国内で16日、10万6689人の新型コロナ感染者が確認された。2日連続で1日当たりの新規感染者数が10万人を超えた。北海道と長野で過去最多を更新するなど、東日本での増加が目立っている。都道府県別の内訳は、北海道1万1112人、東京1万114人、愛知6841人など。死者は北海道23人、広島10人など計135人が報告された。厚労省によると、重症者は前日から6人増えて263人だった。

 11月16日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●北海道、新型コロナで23人死亡 1万1112人確認 2日連続で最多更新

 16日、北海道内では新たに1万1112人が新型コロナに感染していることが確認され、1日の発表としては15日に続いて、第7波のピークを超えて過去最多を更新した。15日に続いて1万人を超え、過去最多を更新した。また道内の感染者数は先週水曜日に比べても1567人増え、感染が急速に拡大している。また合わせて23人の死亡が発表された。

●長野県、新型コロナで2人死亡 過去最多の3821人の感染確認

 長野県内で16日の新型コロナ感染は、一日の発表者数としてはこれまでで最多の3821人。先週の水曜日より480人増えた。これまでの最多の3649人(8月19日)を172人上回っている。新たな集団感染は高齢者施設10か所と医療機関4か所で確認された。長野県は、医療提供体制の逼迫に伴って出される医療アラートのうち、最も深刻な「医療非常事態宣言」を全県に出し、「屋内の換気を行うなど基本的な感染対策を徹底してほしい」と呼びかけている。

【11月17日】

●対中国、二つの不安 コロナ政策、弊害 半導体、経済安保の影

 17日に3年ぶりとなる首脳会談を実現した日中。岸田首相は会談で「日本企業の正当なビジネス活動が保障されることが重要」と主張した。念頭には、ゼロコロナ政策と経済安全保障の観点から高まるチャイナリスクがあるとみられる。長らく「政冷経熱」と称されてきた経済の蜜月関係を見直す動きが日系企業の間で出始めている。

 突然のロックダウンによるサプライチェーン(供給網)の停止、厳格な移動制限、感染を疑われただけで強制隔離。ここ数年、中国に進出する企業はゼロコロナ政策がビジネスにいかに障害になったかを体験した。経済安全保障上の懸念も強まっている。特に影響を受けるのが、工業製品に欠かせない「特定重要物資」として政府が指定する半導体。経済界に対中警戒感が広がっても、中国市場を無視できないのも現実。

●北海道・東北などで拡大 東京、1月中旬ピークか 専門家組織

 厚労省の専門家組織は17日、全国の直近1週間の新規感染者数は前週比1.24倍となり、前週より伸びは鈍化したものの、感染拡大の増加傾向は続いていると分析。「BA.5」に代わる新たな変異ウイルスへの置き換わりや接触機会の増加の影響に注意が必要だという。名古屋工業大の平田教授らの試算では、東京は1月中旬にピークを迎えるという。ただ、1日最大約3万1千人と第7波ピーク時と同水準にとどまるとした。

 人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数では、最多は北海道1094人で、山形県861人、長野県853人。一方、西日本では沖縄県139人、鹿児島県176人など。内閣官房によると、病床使用率は16日時点で最も高いのは茨城県の57%で、群馬県53%。長野県47%、北海道と山形県45%。専門家組織は、今夏の「第7波」で人口あたりの感染者が多かった西日本では自然感染による免疫獲得者が多く、感染が広がりにくくなっている可能性があると分析した。

●1週間の新規感染者数、前週比1.24倍に 増加傾向続く

 厚労省の専門家会合で示された資料によると、16日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて1.24倍に増加している。増加幅は先週よりも狭まったが、増加傾向が続いている。首都圏の1都3県では、東京都が1.24倍、神奈川県が1.29倍、埼玉県が1.27倍、千葉県が1.31倍と増加が続いている。山口県を除く46の都道府県で増加している。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、北海道が1093.61人と1000人を超えて全国で最も多く、次いで山形県が860.65人、長野県852.58人、宮城県745.96人、福島県722.09人、秋田県700.99人などと、北海道や東北を中心とした地域で多くなっている。全国では435.17人。

●脇田座長 「ワクチンの年内接種の検討を」

 厚労省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は現在の感染状況について「北海道や東北、北陸などが感染者数が多い東高西低のような状況で、大都市は比較的少なく、人口規模が小さい場所で増えている傾向がある。また、第7波のときに感染者数が多かったところが現在は少なく、少なかったところがいま増えてきている。北海道や東北など寒い地域では換気しにくい状況も影響していると思う」と述べた。

 そして「年末に向けて接触が増え、ワクチンや感染したことによる免疫が下がっていくことから、今後、ピークを迎えても感染者数がすんなりと減っていかないのではないか、医療への負荷が増大していくことも危惧されるといった議論があった」と述べた。そのうえで一人一人が自主的に基本的な対策を行うことが重要。ワクチン接種がやはり重要で、インフルやオミクロン対応のワクチンを年内に接種することをぜひ検討してほしい」と呼びかけた。

●「会場の体制に問題」 ワクチン接種直後に死亡 医師会検証

 愛知県愛西市の集団接種会場で、新型コロナワクチンを接種した女性(42)が体調を悪化させて死亡した問題で、県医師会は17日、検証結果を公表した。重いアレルギー反応の「アナフィラキシー」が疑われた状況だったとし、「その場でアドレナリンの筋肉注射をすべきで、体制に問題があった」と指摘した。医師や学識経験者らでつくる県医師会の「医療安全対策委員会」で検証を進め、柵木(ませき)会長や担当者らがこの日、会見した。

 「もし(アドレナリンの筋肉注射を)打っていたら僕はここまで怒りません。打っていないんですよ」「結局、責任の所在をあやふやにしているだけ」。女性の夫(45)は17日、愛西市内で記者会見に応じ、県医師会の検証結果について憤りをあらわにした。

●東京都、「第8波の入り口に」 警戒レベル1段引き上げ

 東京都は17日、都内の感染状況と医療提供体制を専門家が分析・評価するモニタリング会議を開いた。都内の新規感染者数が増えていることなどから、専門家は「第8波の入口にさしかかっている」として、4段階ある感染状況の警戒レベルを1段引き上から2番目「感染が拡大している」に上げた。この中で、新規感染者の7日間平均は、16日時点で8019.7人で、前週比は124%、3週連続で100%を上回っていることが報告された。

 医療提供体制は、「体制強化の準備が必要な状況である」として警戒レベルは下から2番目を維持。ただ、入院患者数は1週間前より435人多い2471人、4週連続で増。また、新型コロナとインフルの同時流行で患者数は最多で9万3000人を想定、発熱外来の逼迫を防ぐため、陽性者登録センターの1日の受付を8千人から4万人に増やす、年末年始の診療や小児科の発熱診療を対象に協力金を支給、臨時のオンライン発熱診療センターを設置する方針などを明らかにした。

【11月18日】

●同時流行「兆し」 インフル、1部地域で増加傾向 厚労省、感染状況1段階引上げ 

 新型コロナと季節性インフルの同時流行の兆しが見えているとして、政府は18日、国民への呼びかけ内容をこれまでより強め、重症化リスクに応じた外来受診や自宅療養を促すことを決めた。厚労省がこの日、同時流行対策の会議を開催した。加藤厚労相は、現在のコロナの感染拡大は「第8波」となる可能性があり、インフルも一部地域で増加傾向にあると説明。「国民への呼びかけの段階を先手先手で引上げる」と述べた。

 同省はコロナとインフルの感染状況について、①落ち着いている、②同時流行の兆しが見える、③同時流行により医療逼迫が懸念されるの3段階に整理している。これまでは①、国民にはワクチンの接種、抗原検査キットや解熱鎮痛剤の事前購入を呼びかけてきた。今回は②に引き上げ、都道府県を通じ、高齢者など重症化リスクが高い人は症状があれば速やかな発熱外来の受診を呼びかけ、若い人などには自主検査した上で自宅療養を促す。今後、テレビCMやネット広告も予定している。

●第8波対応「補償想定せず」 コロナ担当相

 後藤新型コロナ担当相は18日、政府の新型コロナ対策本部の開催後の会見で記者団の質問に対し、「第8波」への対応として都道府県が「医療非常事態宣言」を出してイベントの中止や延期などを要請した場合の政府補償について「想定していない」と答えた。「(開催する)事業者が対応可能な範囲において(延期の)協力要請や呼びかけを行う」とも説明し、要請には強制力がなく主催者の判断に委ねる考えも強調。これらについては21日に都道府県に説明する。

 第8波の対応で、感染力や重症化率が今夏のオミクロン株程度なら、飲食店の営業時短やイベント人数制限などを伴う「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」は出さない。都道府県が病床使用率など医療逼迫度合いに応じて「医療逼迫対策強化宣言」を出し、外出や大人数の会食を控えるよう呼びかける。医療が機能不全に近づくと「医療非常事態宣言」を出し、旅行や帰省の自粛、イベント延期などを都道府県が要請。学校の休校や飲食店の営業自粛は求めない。

【11月19日】

●ファイザー の「BA.5」対応ワクチン  ほかの変異株にも効果確認

 製薬会社のファイザーなどは、新型コロナのオミクロン株「BA.5」に対応するワクチンを追加接種することで、欧米で感染が広がっているほかの変異株に対しても、従来のワクチンと比べウイルスの働きを抑える中和抗体の効果が高くなるとする試験結果を18日、発表した。

 欧米で感染が広がっている変異株「BQ.1.1」に対しては、「BA.5」に対応するワクチンでは8.7倍、従来のワクチンでは1.8倍となり、「BA.5」対応ワクチンのほうが効果が高くなっている。また、変異株の「BA.4.6」でも「BA.5」対応ワクチンのほうが効果が高まることを確認したという。ファイザーは「このワクチンは感染者が増加している新しい変異株に対しても、より感染を防ぐ効果がある可能性がある」としている。

●オミクロン株対応ワクチン「情報の十分な周知を」 教委に通知

 オミクロン株対応のワクチンは、従来の2回目までの接種を終えた12歳以上のすべての人が対象になっており、国は希望する人が年内に接種を終えられるように体制の整備を進めている。一方で、18日に公表された最新の状況では、全人口に対する接種率は12%。こうした中、文科省と厚労省は、ワクチンの効果や副反応、それに相談先など、接種の判断に役立つ情報を十分に周知するよう、全国の教育委員会や自治体の保健部局などに18日付で通知した。

●感染者が増加 面会制限を再び厳しくする医療機関も

 厚労省によると、19日発表した国内の新たな感染者は、先週の土曜日に比べておよそ13%増えている。40の都道府県で1週間前を上回った。感染が拡大傾向となっていることから、医療機関の中にはいったん緩和した入院患者と家族との面会の制限を再び厳しくする動きも出ている。

【11月20日】

●中国、コロナ感染急拡大 約半年ぶりに死者 景気回復進まず

 中国政府の発表によると、中国国内では19日、31ある省や自治区などすべてで新型コロナの感染者が合わせておよそ2万3000人確認された。1か月前は1000人を下回っていたが、感染が急拡大している。このうち北京では、新型コロナに感染した87歳の男性が基礎疾患の症状が悪化して死亡したという。中国で感染した人が死亡するのは、上海で感染拡大して厳しい外出制限がとられていた今年5月下旬以来、およそ半年ぶり。

 北京中心部にある人口340万余りの朝陽区では多くの飲食店が店内での飲食の提供をやめているほか、当局がこの週末はなるべく自宅で過ごすよう求めるなど、各地で感染対策が強化されている。こうした行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策は、消費の停滞につながって景気回復が進まない要因にもなっている。政府は、今月、濃厚接触者の隔離期間を短縮するなど見直しを発表したが、経済と感染対策をどう両立するか難しい舵取りを迫られている。

●全国で7万6938人感染 16日連続で前週上回る 新型コロナ

 国内感染者は20日、新たに7万6938人が確認された。前週の同じ曜日(13日)より8521人多く、16日連続で前週を上回った。死者は57人だった。都道府県別で最も感染者が多かったのは東京都で、7777人。これに、北海道5747人、神奈川県5058人と続いた。

 11月20日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【11月21日】

●磯崎官房副長官、「ワクチン同時接種も可能」 早期接種呼びかけ

 新型コロナとインフルの同時流行が懸念されるなか、磯崎官房副長官は記者会見で、両方のワクチン同時接種も可能だと説明し、早期接種を重ねて呼びかけた。官房副長官は新型コロナの感染状況について「新規感染者数が増加傾向にある。インフルは引き続き低い感染レベルだが増加の兆しが見られ、同時流行が懸念されている」と述べた。また、「同時接種を推奨しているということはないが、厚労省の審議会で安全性と有効性を議論いただき、実施可能」と説明した。

 そのうえで「すでに一日100万回を超えるペースの接種体制を整備しているほか、関係団体に早期接種に向けた協力を働きかけてきた。接種促進に向けて情報発信に努めるなど、希望するすべての対象者が年内にオミクロン株対応ワクチン接種を受けられるように取り組んでいきたい」と述べた。

●コロナ陽性報告も高速バス運転させる バス会社処分 近畿運輸局

 兵庫県丹波篠山市のバス会社が、運転手から新型コロナの陽性反応が出たと報告を受けていたにもかかわらずそのまま乗務させていたことが分かり、近畿運輸局はこの会社に対して、道路運送法に違反する行為があったとして、11月28日からバス3台を30日間の使用停止処分とした。ことし8月、東京発大阪行きの夜行バスの運行前に、運転手から「新型コロナの陽性反応が出た」という報告を受けたにもかかわらず、そのまま乗務させていた。

● 東京4619人感染

 国内感染者は21日、新たに4万1454人が確認された。前週の同じ曜日(14日)より4873人多く、17日連続で前週を上回った。死者は144人だった。都道府県別で最も感染者が多かったのは東京都で、4619人だった。北海道の3812人、神奈川県の3485人が続いた。

【11月22日】

●北京、コロナ感染者1000人超える 日本人学校はオンライン授業に

 中国政府によると、国内では21日、31ある省や自治区などで、新型コロナ感染者が合わせておよそ2万7000人確認された。このうち、北京では21日、1日の感染者がおよそ1400人と初めて1000人を超え、衛生部門の担当者は「感染が発生してから最も緊迫した状況に置かれている」として、感染対策を徹底するよう呼びかけた。およそ250人の児童と生徒が通う北京の日本人学校では、授業が22日からオンラインに切り替えられ、周囲はひっそりとしていた。

●塩野義製薬の新型コロナ飲み薬の使用を承認 厚労省

 塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」について、厚労省の専門家会議が使用を認めることを了承し、厚労省が承認した。重症化リスクの低い患者も軽症の段階から服用できるのが特長。国内製薬会社が開発した初めての飲み薬。この薬は、軽症の段階から服用できる飲み薬で、重症化リスクが高い患者を対象にしていた薬と違い、リスクの低い患者でも服用できるのが特長。コロナの医療費は公費のため、当面、患者の自己負担はない。

 ことし2月に承認申請のあと、「緊急承認の制度」で6月と7月に審議されたが、有効性についての判断が見送られて継続審議となり、塩野義製薬はその後、最終段階の治験の結果を新たに、厚労省などに提出していた。22日開かれた厚労省の専門家会議では、発熱などの症状を改善する効果が認められたことなどから、「有効性が推定される」と評価して使用を認めることを了承した。

●「変異ウイルス拡大や年末の接触機会増加に注意」 専門家組織

 専門家組織は22日、感染状況について、全国的に増加が続いているものの、その速度は鈍化し北海道などでも鈍化の傾向が見られる。人口当たりの新規感染者数は、10代など若い世代ほど多いほか、ほとんどの地域で高齢者の増加が続き、重症者や亡くなる人も増える傾向と指摘。今後ピークを迎える可能性があるが、「BQ.1」や「XBB」などのへの置き換わりの状況や、年末に向けて直ちに減少に向かうことなく、横ばいや再増加する可能性もあると分析している。

 そのうえで専門家会合は、必要な対策として、年内にオミクロン株対応のワクチン接種を終えるよう呼びかけることや、自分で検査を行える抗原検査キットの活用を進めることなどを挙げている。さらに忘年会シーズンを迎えることを踏まえ、改めて、飲食はできるだけ少人数で、飲食時以外はマスクを着用すること、換気の徹底、症状があるときは外出を控えることといった、基本的な感染対策を再点検するよう求めた。

●加藤厚労相「直ちに減少に向かうことにならない」

 専門家組織の会合で、加藤厚労相は「新規感染者数の増加速度は鈍化しているが、変異株の置き換わりや接触機会の増加などによって、直ちに減少に向かうことにはならない。季節性インフルも一部の地域で増加傾向が継続しており、引き続き感染動向に注意が必要」と述べた。そのうえで「同時流行に備えて、ワクチンをまだ接種していない人は接種の検討をお願いしたい。さらに、国が承認した検査キットや解熱鎮痛剤を早めに購入するなどの準備をしてほしい」と呼びかけた。

●1週間の新規感染者数  全国、前週比1.18倍に増加

 厚労省の専門家組織の会合で示された資料によると、11月21日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.18倍に増加している。増加幅は先週よりも狭まったが、増加傾向が続いている。首都圏の1都3県では、東京都が1.17倍、神奈川県1.21倍、埼玉県1.22倍、千葉県1.28倍と増加が続いている。山口県と徳島県を除く45の都道府県で増加している。

 人口10万人当たりの直近1週間の感染者数は、北海道が1120.66人と1000人を超えて全国で最も多く、次いで長野県が907.27人、山形県が895.39人、宮城県が847.74人、福島県が795.41人などと、北海道や東北を中心とした地域で多くなっている。全国では473.60人となっている。

 11月21日までの新規感染者数の前週比 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●脇田座長「変異ウイルスに置き換わるときインフル重なる可能性」

 脇田座長は専門家組織の会合のあとの記者会見で、全国の感染状況について「増加速度はやや鈍化している。感染者は10代以下が中心だったが、少し頭打ちの傾向で、増加していた地域はピークを迎える可能性があるという議論があった。一方、ピークを迎えても今後、別の変異ウイルスのBQ.1やXBBに置き換わり新たな感染拡大の可能性が指摘。また高齢者では感染者数の緩やかな増加が続いていて、重症者や死亡者の増加に注意が必要」と述べた。

 また、インフルと新型コロナの同時流行について「インフルは現在、緩やかな増加傾向で、非常に低い水準にある。年内に大きな流行が来るというよりは、来年、新学期になって、学校活動が始まる時期に流行が大きくなる可能性がある。新型コロナがオミクロン株の別の変異ウイルスに置き換わっていくときの流行拡大に、インフルの流行が重なる可能性もあるといった議論があった」と述べた。

●コロナ・インフル同時検査キット 年内にも一般販売 厚労省

 厚労省は22日、新型コロナと季節性インフルの同時検査ができるキットについて、専門家組織の会合で、インターネットや薬局で一般向けに販売できるよう解禁する方針を明らかにした。同時流行の兆しが見える中、検査目的の受診者を減らし、発熱外来の逼迫を避ける狙いがある。今後、別の専門家部会に正式に諮り、承認を得られれば、早ければ年内にも一般販売が始まる。

 同時検査キットは、自分で鼻腔の粘膜を採取し、15分前後で結果が判明する種類が多い。一方、偽陰性になれば治療が遅れて重症化する懸念が残る。季節性インフルは関西で広がりつつある。7~13日の定点医療機関あたりの患者数は大阪府が0.48(前週0.36)人、京都府0.34(前週0.22)人で、流行開始目安の1以上ではないが増加傾向が続いている。

●接種後死亡、調査委設置へ 愛知・愛西市長「現場対応は適切」

 愛知県愛西市の集団接種会場でワクチン接種後に女性(42)が死亡した問題で、日永市長は22日の定例会見で、外部の有識者による医療事故調査委員会を年内にも設置すると明らかにした。国のマニュアルに沿って集団接種を進め、「現場での対応は適切に行われたと考えている」と説明した。5日に女性が死亡した後、市長が公の場で問題について言及したのは初めて。

●全国で新たに12万4008人が感染 3道県で過去最多を更新

 国内感染者は22日、新たに12万4008人が確認された。前週の同じ曜日(15日)より1万8817人多く、18日連続で前週を上回った。全国で発表された死者は、最も多かった北海道の34人を含め計178人だった。北海道の新規感染者は1万1394人で過去最多に。2115人だった岩手県と、2207人だった山形県でも約3カ月ぶりに過去最多を更新した。都道府県別で最も新規感染者が多かったのは、東京都の1万2758人だった。

【11月23日】

●米ファウチ博士が退任前に会見 コロナワクチンの接種など訴え

 米国の感染症研究の第一人者ファウチ博士は、歴代7人の大統領のもとで感染症対策に取り組み、首席医療顧問として新型コロナ対策にあたってきたが来月、退任を予定。博士は22日、ホワイトハウスで退任前の最後の記者会見に臨み、ワクチンの有効性をデータで紹介したあと、「社会的な分断やイデオロギーの違いから、ワクチンを打たない人を見るのは医師として心が痛む。私はコロナに感染したり、亡くなったりする人を誰も見たくない」と訴えた。

 そして「最後のメッセージになるが、自分自身や家族、地域を守るためにも、打てる人はすぐにワクチンを打ってほしい」と呼びかけた。また疑わしい情報が出回っている現状に対しては「誤った情報やうその情報に対抗するには、正しい情報をできるかぎり多く発信し続けることだ」と述べ、科学的な根拠に基づいた情報発信の重要性を強調した。博士は退任後は、感染症対策に携わる次世代の育成などにあたる意向を示している。

【11月24日】

●中国、1日の感染最多に 初の3万人超 北京「半ロックダウン」

 中国政府は24日、中国本土で23日に新たに確認された市中感染者が3万1444人となったと発表。1日の感染者数が3万人を超えるのは初めて。最も多かった今春の水準も上回った。政府の「ゼロコロナ」政策は、限界に達しつつある。これまでは、上海市がロックダウンされていた今年4月13日の2万9317人が過去最多。今は広東省や重慶市、北京市、四川省などの各地でも比較的感染者が多く、「出口戦略」が示せない。経済への影響も長引きそう。

 北京市では21日に初めて新規感染者が1千人を超え、急増ぶりが際立つ。飲食店の営業停止や出勤制限などの「半ロックダウン」、学校の在宅授業や公共施設の閉鎖も市全域に広がり、規制は初夏以来の厳しさ。市内は春節の連休のような静けさで、人や車の行き来が減った。広東省広州市では、23日に7620人を確認。市内のほとんどの地域で外食禁止、学校休校も続く。上海市は、24日から市外から訪れた人に5日間は商業施設や飲食店への立ち入りの禁止を始めた。

●塩野義製薬、新型コロナワクチンの承認申請 国内開発で初

 塩野義製薬は、開発を進めてきた新型コロナワクチンについて、24日厚労省に承認を求める申請を行った。国内の製薬会社の新型コロナワクチンの承認申請は初めて。塩野義製薬の発表によると、申請したのは新型コロナに対する「組み換えたんぱく質ワクチン」。このワクチンには、当初広がった従来の新型コロナに対応した成分が含まれていて、20歳以上を対象に、1回目と2回目の接種、それに3回目の接種用として承認を求めている。

 国内では他の製薬会社も新型コロナのワクチン開発を手がけるが難航している。第一三共は追加接種用として23年1月、明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクスは23年4~6月の承認申請が目標。ファイザーやモデルナはすでにオミクロン対応の新しいワクチンの供給を開始したが、塩野義も変異株向けの開発を進めている。実用化された場合、実績に乏しい塩野義のワクチンが医療現場でどれほど使われるかは未知数。

●コロナとインフル同時検査キット 医療機関向けの出荷増加

 新型コロナとインフルの同時流行が懸念される中、その両方の感染の有無を同時に調べることができる「抗原検査キット」の医療機関向けの出荷が増加している。PCR検査は結果が出るまで1日程度かかるが、抗原検査キットは15分ほど。一般販売が解禁されれば、患者にとっては自宅などで簡単に発熱の原因が推測でき、医療機関受診の参考になるほか、院内感染のリスクが減るほか、オンライン診療の判断材料としても有益だとされる。

 一方で抗原検査はPCR検査と比べて精度が低く、ウイルス量が少ない場合は陰性と判定される「偽陰性」のリスクもある。一般販売にあたっては「偽陰性」による診断や治療の遅れや、重症化や感染蔓延の恐れもあると指摘されている。さらにインフルは発熱から12時間経過しないと結果が陽性にならず、検体を採取したタイミングや採取する技術が結果に影響する点も懸念されている。厚労省は、自宅で検査できる体制の整備を急ぐ。

●全国で新たに5万7895人感染、死者は99人

 国内感染者は24日、新たに5万7895人が確認された。前週の同じ曜日(17日)よりも3万4898人少なかった。前週を下回るのは20日ぶり。前日の23日が検査数の少ない祝日だったことが影響した可能性がある。発表された死者数は99人だった。新規感染者数を都道府県別でみると、最多の東京都は5639人で、前週から4116人減。24日までの1週間は、1日あたりの感染者数が8770.3人で前週の106.0%だった。次に多かったのは北海道で4895人だった。

●東京都内の新規コロナ感染5639人 重症20人、前日より5人増

 東京都は24日、感染者を新たに5639人確認した。前週の同じ曜日(17日)より4116人減った。前日が祝日だったため医療機関からの感染者の報告が少なかったとみている。11人の死亡も発表。24日までの1週間は、1日あたり感染者数が8770.3人で前週(8276.0人)の106%。24日の感染者では、40代の1089人が最も多く、次いで20代1049人、30代1025人、10代727人。65歳以上は360人。病床使用率は37.3%。都基準の重症者は、前日から5人増えて20人。

 11月24時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【11月25日】

●都道府県任せの「医療非常事態宣言」、強制力・財政措置なし

 「第8波」の備えとして政府が、新たな「宣言」を11日に決めた。「医療非常事態宣言」は病床使用率80%超など医療が機能不全に陥る水準に近づいた場合、都道府県が大幅な出勤の抑制や旅行の自粛などを要請できるという内容。その前段階として、大人数の会食への参加見合わせなどを要請できる「対策強化宣言」も設けた。ただし強制力も財政措置もなく、判断は都道府県に委ねられる。社会経済活動の維持を強く打ち出す政府の方針に、知事側の評価はバラバラ。

 感染拡大の状況にあると意識していただくという点で非常に意義があると、神奈川県の黒岩知事は22日の記者会見で高く評価。千葉県の熊谷知事は17日の会見で、財政的な支援がない状態で安易に要請するのは慎重であるべき。東京都の小池知事は18日、「全国旅行支援」も続ける分かりづらさを指摘。愛知県の大村知事も21日、地方に判断を委ねる姿勢に苦言。埼玉県の大野知事は21日、医療機能が不全になる時期は「緊急事態宣言」並みの強制力を伴う措置の必要性にふれた。

●コロナ飲み薬「ゾコーバ」 28日から医療機関に本格供給開始へ

 国内の製薬会社として初めて塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」は、今月22日に国が使用を承認し、重症化リスクの低い患者も軽症段階から服用できるのが特長。加藤厚労相は、閣議のあと記者団に対し「契約を締結していた100万人分がすでに納入され、流通システムの準備作業も円滑に進んだ。12月初頭からとお伝えしていたが、週明け28日から本格的な供給を開始することになった」と述べた。

 供給されるのは全国のおよそ2900の医療機関などで、都道府県などのホームページで公開される予定。すでに発注があった一部の医療機関には、早ければ25日にも発送される。また、加藤氏は「ゾコーバ」が新たな「緊急承認制度」で承認されたことをめぐり、専門家から「迅速な承認」と「有効性や安全性の確認」の両立が課題だという指摘が出ていることを踏まえ、「課題を整理し、今後の緊急承認をどう捉えていけばいいのか議論したい」と述べた。

●「全国旅行支援」年明け以降も継続へ 割り引き率は20%に

 斉藤国交相は25日の閣議のあとの会見で、観光需要の喚起策「全国旅行支援」は先月から実施され、期間は当面12月下旬までとされていた。新型コロナの感染状況を見極めたうえで、年明け以降も継続することを明らかにした。観光需要の高い年末年始は対象にはならないということで、年内は12月27日の宿泊分まで。年明けの開始時期は今後決めるとしている。

 旅行代金の割り引き率は現在40%となっているが、年明け以降は20%に引き下げる。割り引きを受けられる金額の上限も年明け以降は引き下げられ、宿泊と交通機関での移動がセットになった商品は、1人1泊当たり5000円に、日帰り旅行などは、1人当たり3000円になる。また、土産物店などに使えるクーポン券は原則電子クーポンとし、1人当たり、平日は2000円分、休日は1000円分を受け取ることができる。

 来年からの全国旅行支援 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【11月26日】

●ゼロコロナに抗議デモ、異例の大規模 中国・新疆ウイグル自治区

 中国の新疆ウイグル自治区ウルムチ市で25日夜、新型コロナ対策に抗議する大規模なデモが起きた。ウルムチ市では8月から断続的に3カ月以上も外出規制が続き、不満がたまっていた。デモの直接の発端は、24日夜に市内の高層住宅で起きた火災。逃げ遅れた10人が煙を吸って死亡する惨事となった。コロナ対策のため火災現場に消防車が近づけず、救助が遅れたとの指摘がインターネット上で相次いでいた。

 「封鎖を解除しろ」「人民に奉仕せよ」。中国のSNSやツイッターに出回った映像では、市役所前など複数の場所に多数の市民が集まり、大声でスローガンを叫んでいた。武装した警察官と市民がにらみ合い、一部では、当局との衝突も起きた模様。市政府は25日深夜に急きょ記者会見を開き、対応の遅れを謝罪。26日午前には、リスクの低い地区から徐々に行動制限を緩める方針を示した。市民の抗議で政策転換に追い込まれた形。

●中国SNS、「万歳」 政府へ皮肉、SNS静かな抵抗

 厳しい移動制限などの「ゼロコロナ」政策を貫く中国。当局は批判を抑え込んでいるが、出口を示せない政府へのいらだちが強まり、市民の静かな抵抗も広がっている。政府は、感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を堅持する。だが、中国本土の市中感染者は25日まで3日間連続で3万人を超え、過去最多を更新中。経済への影響も長期化が避けられず、コロナ対策は正念場を迎えている。

 中国のSNS微信で25日以降、奇妙な書き込みが相次いだ。「good」にあたる「好」のほか、「支持」、「幸福」、「万歳」、「偉大」、「感恩(ありがたい)」といった肯定的な言葉をひたすら羅列。政府への皮肉が込められているのは明らか。書き込みはすぐに当局に削除された。カタールで始まったサッカーのワールドカップで観客がマスクをせず熱狂する姿は、中国市民に、自国の特殊な立ち位置を強く印象づけている。

●発熱外来の受診者が急増 自己検査の啓発などが急務

 新型コロナの感染者が増加傾向にある中、東京・北区のクリニックでは、発熱外来の受診を希望する患者からの問い合わせが急増していて、医師は「医療の崩壊を防ぐためにも自己検査のさらなる啓発や発熱患者の受け皿の整備が急務だ」と危機感を募らせている。院長は、「自己検査をさらに普及させることが医療の崩壊を防ぐための鍵になる。正しい使い方や検査キットの入手方法など情報を発信していくことが重要だ」と話していた。

●自己検査 陽性だった場合の注意点

 9月に行われた感染者の全数把握の簡略化で詳しい報告の対象外となり、症状がない人や軽い人は、自分で検査を行って陽性だった場合は自治体の「健康フォローアップセンター」に登録し、医療機関を受診せずに療養を開始できる仕組みになった。登録の対象は65歳未満で重症化リスクの低い人など。厚労省は検査キットは薬局で購入できる「医療用」か、薬局のほかインターネットでも購入できる「一般用検査キット」として国が承認したものを使うよう求めている。

 登録を行うことで、希望する場合は宿泊療養のほか自治体によっては配食などの支援を受けることができるほか、健康フォローアップセンターが健康状態についての相談を受け付け、自宅で療養中に症状が悪化した場合などには医療機関につなげる。センターは都道府県ごとにそれぞれの名称で設置されていて、厚労省のホームページでも一覧で連絡先が掲載されているほか、都道府県のホームページなどでも情報を確認できるようになっている。

【11月27日】

●中国ゼロコロナ抗議拡大、習氏母校で数百人集会

 中国各地で、政府が掲げる「ゼロコロナ政策」に対する抗議活動が拡大している。一部では習近平国家主席の辞任を求める声が出るなど、政権批判を厳しく抑え込んでいる習指導部では異例の事態。日常生活の制約が続く現状に市民の不満は高まっており、かじ取りを誤れば混乱が深まりかねない。発端の一つは新疆ウイグル自治区ウルムチ市で24日に起き、10人の犠牲を出したアパート火災。コロナ対策で封鎖され、消防車が入れず被害を広げたとネット上で広がった。

 中国のSNSには27日未明、上海市内にある「ウルムチ」の名を冠した通りに多くの人が集まり、習氏の辞任を求める動画が出回った。一帯を封鎖して参加者を排除しようとする警察と散発的な小競り合いが起きた。27日午後には、習氏の母校でもある北京の清華大学で数百人以上の学生が抗議集会を開催。27日夜には各国大使館や国連機関に近い北京市亮馬橋に100人以上が集まり、白い紙を掲げた。同様の抗議活動は中国各地に広がっている模様。

●コロナ接種、伸び悩む、オミクロン対応型済んだ人16%

 新型コロナのワクチン接種が伸び悩んでいる。オミクロン株に対応したワクチンの接種率は全人口の約16%にとどまる。政府はテレビCMやSNSなども通じ、ワクチンのPRに力を入れるが、呼びかけは、浸透していないのが現状。東京都が10月に20~70代の1千人に実施したアンケートでは、「副反応がつらかった」が最も多く35%、次いで「効果に疑問がある」が31%だった。

 オミクロン型の接種は9月20日に始まり、10月21日には接種間隔を5カ月から3カ月に短縮。10~11月に1日100万回を超える接種が可能な体制を整えるとして、10月末に1日最大168万回の接種体制を確保した。だが、1日平均の接種回数は11月16日の週で約60万回。感染者数の増加に伴って増えつつあり、24日時点で1日の最大接種実績は84万回になったが、接種率は全人口の15.5%で、政府のねらいどおりとは言いがたい。

●接種後、間隔空くと効果低下

 オミクロン型ワクチンには、「BA.1」という系統対応と、「BA.4」と「BA.5」の系統対応の2種類ある。米ファイザー社は4回目接種にBA.5型をうった56歳以上の人で、BA.5系統などへの感染を防ぐ「中和抗体」の増え方が、従来型ワクチンの約4倍にのぼったと発表。米モデルナ社も19~89歳の人で「約5~約6倍に高まった」とした。いずれも新たな「BQ.1.1」の感染を防ぐ反応も示されたという。

 ただ、オミクロン株による感染や発症を防ぐ従来型ワクチンの効果は、接種から3カ月ほどたつと大きく下がってしまうことがわかっている。重症化を防ぐ効果はより長く続くものの、接種から半年ほど過ぎるとやはり効果は下がるとされる。

●みとりケアの高齢者は面会可能に コロナ禍の制限、模索する動き

 新型コロナの感染者の増加傾向が続く中、多くの医療機関や高齢者施設では感染防止を徹底するため面会の制限が続いている。一方、コロナ禍も3年近くに及ぶ中で、人生最後のみとりが近づいた高齢者に限っては対面での面会ができるようにするなど、施設ごとに面会制限の在り方を模索する動きも出ている。

【11月28日】

●新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」 医療機関への供給、本格的に開始

 新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」の医療機関への供給が、28日から本格的にはじまった。塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」は、重症化リスクの低い患者も軽症段階から服用できるのが特徴で、今月22日に使用が緊急承認された。「ゾコーバ」について、厚労省は100万人分を購入する契約を塩野義製薬と締結していて、ファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」の処方実績があるおよそ2900の医療機関などへ、28日から本格的に供給を始め、順次、拡大していく予定。

●新型コロナとインフルの同時検査キット、一般販売解禁へ 厚労省

 新型コロナとインフエンザの感染の有無を同時に検査できる抗原検査キットは、医療機関でしか使用が認められていなかったが、医療機関の逼迫を防ぐため、自宅で検査できる体制を整備すべきだという意見があがっていた。28日開かれた厚労省の専門家による部会では、一般向けの販売解禁について審議され、「セルフチェックという意味では有効」とか、「正しい検体採取の方法や陽性だった場合の対応について周知が必要」といった意見が出された。

 これを踏まえ、厚労省は、医療機関への供給を最優先にすることを前提に、薬局やインターネットでの販売を解禁することを決めた。抗原検査はPCR検査と比べて精度が低く、ウイルス量が少ない場合は感染していても陰性と判定される「偽陰性」のリスクもあるため、厚労省は今後、製造メーカーや販売業者、それに購入した人に向けたガイドラインを通知することにしている。

【11月29日】

●中国、デモ呼びかけ急拡散 「マラソン大会 白い紙持参 リツイート希望」

 「ゼロコロナ」政策への抗議活動が全国的に広がった中国で、各地の市民を動かしたのがSNS。「マラソン大会 11月27日北京時間18時 上海市太倉路のスターバックス 白い紙1枚持参 リツイート希望」。27日、こんなメッセージが上海のネットユーザーを駆け巡った。この夜、少なくとも数百人が市内の通りに集まり、大規模な抗議活動につながった。白い紙は、言論統制への抗議を示している。政権はさらなる連帯の拡大を警戒し、神経をとがらせている。

● ゼロコロナ抗議、市場が懸念 ダウ1時500ドル超下落

 中国でゼロコロナ政策に反対する抗議デモが各地で相次いだことを受け、中国の先行きへの不安が高まっている。ゼロコロナ政策が撤回される見通しはなく、経済の下押し圧力はまだ続くとみて経済成長率の予想を下げる動きも出始めた。抗議デモが一気に広がった翌28日の米ニューヨーク株式市場では、主要企業でつくるダウ工業株平均が一時、前週末より500ドル超下落。抗議デモの広がりで企業の生産など景気減速への懸念が高まり、株式が売られた。

 抗議デモに加え、中国ではコロナ感染者が再び急増。中国の景気が低迷し、供給網の混乱が起きて世界経済に悪影響が出るとの見方が強まっている。香港株式市場のハンセン指数は28日、前週末比で1.6%下落。上海株式市場では代表的な上海総合指数が同0.7%安だった。ただ、同日に中国政府が停滞する不動産業界に対して事業再編や資金調達をしやすくする支援策を発表したこともあり、29日は大きく反発した。

●コロナ「5類」引き下げ視野 インフルと同類 厚労省が議論本格化

 新型コロナの感染症法上の位置づけの見直しについて、加藤厚労相は29日の閣議後会見で「早期に議論を進める」と表明した。ウイルスの重篤性や公費負担のあり方を整理しながら、季節性インフルと同じ「5類」への引き下げも視野に議論を本格化させる。新型コロナは現在、感染症法上の類型のうち、「新型インフル等感染症」に属し、結核などと同じ「2類」以上の強い感染防止策がとられている。入院や外来診療に対応できる医療機関は一部に限られ、医療逼迫が課題となっていた。

 厚労省幹部らは、類型見直しに向けた環境が整ってきたとみている。その理由としては、まず致死率の低下がある。60歳以上の致死率は第5波(デルタ株)の2.50%から、第7波(オミクロン株)は東京都が0.64%、大阪府が0.48%となり、インフルの0.55%と差はなくなった。ウイルスの変異に加え、ワクチン接種が進み、治療方法が確立されてきたことも要因。さらに、海外では脱マスクなど対策緩和が先行し、国内でも機運が少しずつ高まった。

●医療逼迫抑制/ワクチンは有償

 新型コロナが今後インフルと同じ5類になれば、どんなメリットがあるのか。医療機関でコロナとそれ以外の患者を必ずしも分ける必要がなくなる。幅広い医療機関に入院や外来診療の協力を要請できるようになり、医療逼迫を抑えられる。感染者への強制的な入院や自宅療養、就業制限などの厳しい措置もなくなる。

 一方でデメリットは、今後もし病原性の高いウイルスに変異した場合、5類なら「緊急事態宣言」などは発令できない。類型を元に戻すには法改正が必要なため、時間がかかり、対応が遅れる可能性がある。また、5類になれば保険適用以外の費用は原則自己負担。加藤氏は24日に出演したテレビ番組で、「どういう段取りで(5類に)もっていくか色んな考え方がある。激変緩和(措置)、その時の情勢など総合的に判断する」と述べている。

●学校給食 会話OK 感染対策すれば… 文科省が通知

 文科省は29日、小中学校などでの給食中の過ごし方について、座席配置を工夫したり適切に換気したりすれば、児童生徒同士の会話は可能だと各地の教育委員会に通知した。政府の新型コロナの基本的対処方針が変更され、飲食時の「黙食」を求める記述が削除されたことを踏まえた。

 文科省が定めた新型コロナ対応の衛生管理マニュアルでは、「会食にあたって飛沫を飛ばさないよう、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応が必要」と記している。文科省によると、学校に給食時の黙食を呼びかける教委がある一方、大声でなければ会話ができるなどと指導する教委も出てきている。今回の通知では、「従前から黙食を求めていない」としつつ、感染防止策を施せば会話は可能と示した。

●大学入学共通テスト 新型コロナの救済策、今年度行わず 文科相

 昨年度の「大学入学共通テスト」をめぐっては、文科省が、新型コロナの感染拡大の影響で本試験も追試験も受けられなかった受験生を救済するため、個別入試で合否判定するよう、全国の大学などに異例の要請を行った。永岡文科相は閣議のあとの会見で、今年度の共通テストへの対応について、「昨年度かぎりの措置として大学に要請したもので、文科省からは同様の措置を再度要請する予定はない」と述べた。

【11月30日】

●中国、大規模抗議活動 大学はオンライン授業に 政府は学生警戒

 「ゼロコロナ」政策に対する大規模な抗議活動が起きた中国の大学では、授業をオンラインに切り替えたり、冬休みを早めたりする動きが広がり、政府や大学当局が学生の抗議活動に神経をとがらせているとみられる。北京や上海などで起きた「ゼロコロナ」政策に対する大規模な抗議活動には、学生を中心に多くの若者も参加し中国共産党を批判するなどしたことから、政府は大勢の警察官を動員し新たな抗議活動を抑え込んでいる。

 中国では新型コロナの感染拡大が続き、29日はおよそ3万6000人の感染者が新たに確認、うち北京ではおよそ4500人と過去最多を更新した。また、国営の新華社通信は29日、共産党で警察や司法部門を統括する「中央政法委員会」が、「敵対勢力の破壊活動や社会秩序を乱す違法な犯罪行為を法に基づき断固取り締まる」とする方針を確認したと伝えた。習指導部は、共産党の一党支配体制や習主席の批判につながる動きを徹底的に抑え込む方針を改めて示した形。

●デモ封じ、中国政府強硬 姿消す市民 一方で緩和策も PCR検査の拒否、相次ぐ

 ゼロコロナ政策への反発が噴出した中国では、抗議デモの広がりを食い止めようと、習近平指導部が警察力などを動員しての本格的な対応に乗り出した模様。一方で、過剰な隔離や生活面の規制を改めることで、市民の不満解消を図る動きも出ている。ゼロコロナへの不満が政権批判につながらないよう、硬軟織り交ぜた対応で臨む。

 PCR検査を拒否する住民の動きも相次いでいる。検査員を介して感染することに懸念があるほか、地元政府とPCR検査会社に対する不信感がある。オミクロン株が拡大した今年春以降、検査を担う民間企業が乱立、この3年で設立された検査会社は2万社近くにのぼる。ところが、不正やずさんなミスが相次いで発覚。「PCR検査でもうけ続けるために、検査会社と役人が結託して偽の陽性結果を出している」と訴える人も。

●コロナの偽情報 取り締まり撤回 米ツイッター懸念広がる

 起業家のイーロン・マスク氏が買収した米ツイッターが、新型コロナに関する偽情報を取り締まる規約を11月23日をもって、撤回した。ツイッターはコロナ感染が広がった2020年、偽情報対策を打ち出し、これまで10万件近い投稿を削除してきた。コロナに関連した陰謀論や虚偽の情報を投稿した場合、投稿の削除やアカウントの凍結などにつながると説明していた。

 一方、「表現の自由」を掲げるマスク氏は、規約違反で凍結されていたアカウントを復活させている。大規模な人員削減で、投稿の安全対策に関わる担当者らも多く退社している。マスク氏による買収後、マスク氏は投稿への介入を極力減らす方針を示しており、有害投稿が増えることへの懸念から、ツイッターの上位100社の広告主のうち半分が広告を止めたとしており、今回の対応で影響がさらに広がる可能性がある。

●10月の外国人宿泊者数、去年の7倍近くに 水際対策大幅緩和で

 観光庁の発表によると、10月、国内のホテルや旅館などに宿泊した人の数は速報値で延べ4426万人となり、去年の同じ月よりも38%の増加となった。このうち、日本人の宿泊者は延べ4210万人と去年の同じ月より32.5%増えたほか、感染拡大前の2019年の同じ月と比べても5.8%の増加となった。また、外国人の宿泊者は延べ216万人で、去年の同じ時期の7倍近くと大幅に増えた。

 10月は、全国旅行支援が開始されたほか、外国人の個人旅行の解禁や短期滞在のビザ取得が免除されるなど、水際対策も大幅に緩和されたことが増加につながったとみられる。

●宮内庁職員ら10人以上がコロナ感染 宮中祭祀の「新嘗祭」に携わる

 宮内庁によると、11月23日から24日にかけて皇居で行われた宮中祭祀の「新嘗祭」(にいなめさい)に携わった宮内庁の職員5人と、皇室が私的に雇用している職員8人の合わせて13人が新型コロナに感染したことが確認された。いずれも軽症か無症状だという。新嘗祭は、天皇陛下と秋篠宮さまが臨まれたが、感染した職員らとの接触はなかった。宮内庁は、12月1日に行う宮中祭祀「旬祭」について、天皇陛下の拝礼を取りやめ、代理職員が拝礼する形式に変更する。

 宮内庁庁舎 出典:ウキメディア・コモンズ

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●新型コロナの扱い見直し、合意形成し判断を 日本医師会常任理事

 加藤厚労相は29日、新型コロナの感染症法上の扱いについて、季節性インフルと同じ分類への引き下げも含め、見直しに向けた議論を早期に進めていく考えを示した。これについて日本医師会の釜萢常任理事は、記者会見で「今後、大きな感染拡大があった場合に、医療の提供が適切に行われるようにするためには、感染が静かになったところではなく、今の段階からしっかりと議論して、方向性を探っておく必要がある」と、理解を示した。

 一方で「感染防止対策は簡単には緩められない。社会経済活動を回すという視点から、見直しを早めたほうがいいという意見があることは承知しているが、医療を提供する立場からすると慎重に合意形成を行ったうえで、国の政策判断が適切に行われることを願う」と述べた。また、ワクチン接種などの公費負担については「感染者が増えていて、今後の状況が分からない中では大幅にやめるというのは反対」と述べた。

●専門家組織の会合、「感染者、今後も増加続く見込み」

 厚労省の専門家組織の会合が30日に開かれ、現在の感染状況について全国的に増加が続いているものの、その速度は比較的緩やかになっていて、この夏の「第7波」のピークを上回った北海道では、直近で減少に転じているとしている。ただ、首都圏や近畿、九州、沖縄では増加の幅が大きくなっているほか、北海道や長野県など、これまでに感染者数が大きく増加した地域では、亡くなる人の数の増加が見られるとしている。

 今後の感染状況の短期的な予測では、地域差や不確実性はあるものの全国的に増加が続くと見込まれるとしていて、ワクチンや感染によって得られた免疫の減少や、より免疫を逃れやすいとされる「BQ.1」などへの置き換わり、それに年末に向け接触機会が増加することなどによる影響に注意が必要だと指摘した。実際に夜間の繁華街の人出は多くの地域で増加傾向で、去年の同じ時期を上回ったり、コロナが拡大する前の水準まで戻ったりしている地域がある。

●加藤厚労相 「新型コロナの扱い 見直しに向けた議論を」

 加藤厚労相は、専門家会合に出席し、新型コロナの感染症法上の扱いについて、季節性インフルと同じ分類への引き下げも含め、見直しに向けた議論を進めるよう要請した。この中で加藤厚労相は「感染症法改正案の衆議院での審議で、新型コロナの感染症法上の位置づけを速やかに検討する規定が追加された。この修正を踏まえ、専門家の意見も聞きながら、最新のエビデンスに基づき、総合的に早期に議論を進めたいと考えている」と述べた。

 そのうえで「新型コロナの病原性や感染力、変異の可能性についてどう評価するのか、どう考えていくのか、国民と理解を共有することが必要で、その基盤づくりが求められている。深掘りしたうえで、わかりやすい考え方を示してほしい」と述べ、見直しに向けた議論を進めるよう要請した。

●新規感染者数、全国で前週比1.15倍

 専門家組織の会合で示された資料によると、29日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて1.15倍と増加が続いている。一方、人口当たりの感染者数が全国で最も多い状態が続いている北海道では、わずかに減少に転じている。首都圏の1都3県では、東京都が1.21倍、神奈川県と埼玉県が1.16倍、千葉県が1.28倍と増加が続いているなど、46の都府県で増加している一方、北海道では0.92倍とわずかに減少している。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、北海道が1042.62人と全国で最も多く、宮城県が1026.85人、長野県が967.23人、福島県が925.56人などと北海道や東北を中心とした地域で多くなっている。全国では563.62人となっている。

●脇田座長「病気の姿自体の評価をしっかり行うべき」

 専門家組織の会合のあとの記者会見で脇田座長は、新たなBQ.1が検出される割合が増加していると推定にについて「BQ.1の広がりやすさと、免疫をかいくぐる力の両方を合わせた増殖していく力はBA.5を少し上回り、感染者数の押し上げ要因になっていく。複数の変異ウイルスが共存する状況が予想され、少し、状況は複雑かもしれない。感染の波がどのくらい高くなるのか考えるのは難しいが第7波のようにすんなり下がらないことは予想される」と述べた。

 また、加藤厚労相が、感染症法上の見直しに向けた議論を進める要請について「リスク評価の考え方をまとめ、ウイルスの伝播性、症状の重症度、医療へのインパクトを検討すべき」、「流行がオミクロン株中心になり、かなり病態が変わってきている。新型コロナは、呼吸器感染症よりも心血管疾患の合併症の影響が大きい循環器の病気になっているという意見もある」と述べた。

●病床使用率50%以上、18道県、コロナ対策宣言の目安超え

 感染拡大で、東日本を中心に18道県が、大人数の会食自粛などを呼びかける目安の一つ「病床使用率50%以上」となっていることがわかった。感染者数は前週から1.15倍となり、微増傾向が続いている。30日、厚労省の専門家組織や内閣官房が分析した。29日時点の病床使用率は北海道57%、宮城県61%、茨城県61%、埼玉県65%、神奈川県61%、長野県69%など北日本や東日本を中心に上がっている。21日時点の50%以上は9県だった。

 病床使用率50%は、都道府県が医療負荷増大期の「レベル3」と判断する目安の一つ。レベル3は、知事が感染拡大につながる行動の自粛を呼びかける「対策強化宣言」を出す。ただ、感染レベルはほかの医療負荷の状況もみて判断する。重症病床使用率はほとんどの都道府県が20%未満で、レベル3と判断するもう一つの目安の50%を超える地域はない。

●東京都、1万4399人のコロナ感染確認 病床使用率は40.3%

 東京都は11月30日、新型コロナ感染者を新たに1万4399人確認したと発表した。前週の水曜日(23日)より1549人多い。30~90代の14人の死亡も発表した。30日までの週平均の感染者数は1日あたり1万1048.3人で、前週(9358.3人)の118.1%だった。新規感染者を年代別でみると最多は20代の2561人で、40代2467人、30代2421人など。65歳以上は1364人だった。病床使用率は40.3%。都基準の重症者は前日から1人増えて19人となった。

 11月30日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 以下の図は11月30日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 (下図のみが、11月29日までの情報)

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2022年12月 4日 (日)

新型コロナ2022.11 第8波入口

 新型コロナウイルス感染症は、7月には「第7波」となって全国的に急増、8月下旬からは減少傾向が続いていたが、10月中旬にはおよそ2か月ぶりに増加に転じた。この冬は季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行「第8波」が懸念されている。11月も新規感染者数が全都道府県で増加が続き、「第8波」の兆しとなっている。

 2022年11月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.10 増加に転ず」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【11月1日】

◆東京・港区、新型コロナとインフルのワクチン同時接種開始

 厚労省の専門家組織は、インフルエンザが例年より早く流行し、新型コロナとの同時流行が懸念されると指摘している。こうした中で東京・港区は、冬に向けて区内に4つある新型コロナの集団接種会場の1つで、インフルのワクチンも同時に接種する取り組みを、11月1日から始めた。対象は、これまでに2回以上新型コロナのワクチンを接種した65歳以上の区民などで、事前に予約がなしで2つのワクチンを接種できる。

◆「BA.5」対応ワクチン、モデルナも使用承認 11月にも接種開始へ

 モデルナは10月5日に「BA.5」や「BA.4」などに対応するワクチンの承認申請を行っていて、10月31日夜開かれた厚労省の専門家による部会で、18歳以上を対象に国内での使用を承認することが了承された。ワクチンの有効性については「BA.5」を含む変異株に対する予防効果が期待され、安全性については、海外での使用実績で特段の懸念はみられていないという。

 オミクロン株に対応ワクチンは、9月からファイザーとモデルナの「BA.1」対応のワクチン、10月からファイザーの「BA.5」対応ワクチンの接種が始まっている。モデルナの「BA.5」対応ワクチンについて、厚労省は今後必要な手続きを進め、早ければ11月にも接種が始まる見通し。

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◆オミクロン株対応ワクチン、接種進まず 政府は対応策検討へ

 オミクロン株に対応したワクチン接種は、ことし9月下旬から始まり、政府はすべての希望者が年内に接種を終えられるよう、1日100万回を超えるペースの接種体制を整えるとしている。しかし、接種開始から1か月余りが経過した31日に政府が公表した最新の状況では、オミクロン株に対応したワクチンの接種を受けた人の数は国内で595万人余り、割合は4.7%。1日当たりの接種のペースも、最近は30万回前後。

 政府内では「若い世代を中心に当初の想定より接種が進んでいない」という受け止めとともに、感染の第8波の到来やインフルとの同時流行なども懸念される中で、備えが遅れることへの危機感も出ている。接種率の向上に向けて、テレビCMなどによる広報の充実や職域接種の拡充など対応策を検討している。

●同時流行の対策 沖縄県…入院患者数、双方の報告要請 政府…検査キット備蓄

 第8波では、コロナとインフルをあわせて全国で1日最大75万人の感染者数が想定され、政府や自治体は医療逼迫を避けようと対策を講じている。沖縄県は1日、コロナの重点医療機関27カ所にコロナに加えてインフルの入院患者数の報告も求める運用を始めた。これまではインフルは定点に指定された医療機関での診断数を週に1度、保健所に報告してもらってきた。沖縄県の独自の取り組みが注目される。

 厚労省は同時流行による医療機関の逼迫に備え、抗原検査キットや解熱鎮痛剤の備蓄を呼びかけている。政府が念頭に置くのが、今夏の第7波での反省点。行動制限を課さない中、爆発的に増えた感染者が発熱外来に殺到するのに対処しきれなかった。第7波の7月から9月の3カ月間で、新規感染者数は約1196万人、死者は約1万3500人。死者数が8月に入り1日100人超が続き、8月23日に343人と過去最多を更新。オミクロン株が流行した第6波の教訓を生かせなかった。

●航空大手とJR、回復鮮明 コロナ対策緩和で 円安懸念も

 航空大手2社とJR主要3社の2022年9月中間決算が1日、出そろった。日本航空(JAL)は純損益の赤字幅を大きく圧縮し、ほか4社は中間決算としては3年ぶりに黒字に転換した。コロナ禍に伴う行動制限がなくなった影響が大きい。一方、感染再拡大や急激に進む円安を懸念する声もある。

 JALの純損益の赤字は、前年同期の約1千億円から21億円へと大きく改善。ANAホールディングスは純損益が195億円の黒字。水際対策の緩和や国内でのレジャー客の回復で、旅客数は国際線が前年同期の約5.1倍、国内線が約2.1倍に増えた。JR東日本、東海、西日本の3社の純損益は271億~969億円の黒字。各社が運営する駅周辺の商業施設やホテルなどの業績も持ち直してきている。国の観光支援策「全国旅行支援」などが追い風。

【11月2日】

◆コロナとインフル同時流行懸念、ワクチン接種促進 官房長官

 松野官房長官は記者会見で、横ばいだった新規感染者数が増加に転じ、特に北海道や東北などでは増加傾向が顕著だと説明。今後、インフルとの同時流行も懸念されると指摘した。9月から始まったオミクロン株対応のワクチン接種の割合が、1日時点でおよそ5%となっていることに触れ、「オミクロン株対応ワクチンは、従来型を上回る重症化予防の効果などが期待されている。高齢者だけでなく若い世代にも年内の接種を検討してほしい」と呼びかけた。

 そして官房長官は、接種のさらなる促進を図るため、テレビCMやSNSなどを活用した情報発信や、経済界や大学など、関係機関への協力の呼びかけを強化していく考えを示した。

◆コロナワクチン 日本小児科学会 生後6か月~4歳「接種推奨」

 生後6か月から4歳の子どもへの新型コロナワクチンについて、日本小児科学会は「接種を推奨する」とする考え方を2日に示した。それによると、オミクロン株の拡大以降子どもでも感染者数が増え、重症化や死亡するケースが増加しているとしたうえで、ワクチンはオミクロン株が広がった時期でも臨床試験での発症予防効果が、生後6か月から1歳で75.8%、2歳から4歳で71.8%で、重症化予防の効果も期待されるとしている。

 その一方で、接種後にさまざまな症状が出た頻度は、ワクチンではない偽の薬を接種したときと同じ程度で、先行して接種が行われている米国でも重篤な症状はまれだと報告されている。学会はメリットがデメリットを上回るとして、この年代のすべての子どもに対して「接種を推奨する」とした。この年代のワクチン接種は先月から始まり、厚労省は接種を受けるよう保護者が努めなければならない「努力義務」とする。

◆東京都、6346人感染確認 11日連続で前週上回る

 厚労省は2日、都内で新たに6346人が新型コロナに感染していることを確認したと発表した。1週間前の水曜日より1999人増え、11日連続で前の週の同じ曜日を上回った。また、人工呼吸器かECMO(人工心肺装置)を使っている重症の患者は1日から2人減り、16人。一方、感染が確認された3人が死亡した。

 11月2日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【11月4日】

◆世界各国の専門家、「脅威終えるための対応」提言

 新型コロナの脅威を終えるためにどのような対応が必要か、世界の112の国・地域の専門家386人が連名で提言をまとめ、科学雑誌の「ネイチャー」に発表した。日本から分科会の東北大学押谷教授が参加。提言では誤った情報やワクチン忌避、世界的な協力不足、装備やワクチンの不平等な分配などの政治的・社会的要因によって世界のコロナ対策は妨害されてきたとし、コミュニケーション、保健医療、ワクチン、予防、治療、不平等の6分野で、41の声明と57の提案が示された。

◆コロナとインフル混合ワクチン、臨床試験開始 ファイザーなど

 製薬会社のファイザーとビオンテックは3日、新型コロナとインフルの両方に効果がある、混合ワクチンについて、米国で臨床試験を開始したと発表した。混合ワクチンは、4つの異なるタイプのインフルに対応するワクチンと、オミクロン株「BA.5」などに対応するワクチンを組み合わせたもの。より多くの人を感染症から守ることがねらい。混合ワクチンは、製薬会社のモデルナやノババックスも開発を進めている。

◆国際線「冬ダイヤ」便数、去年比3倍余に回復 水際対策緩和で

 水際対策の大幅な緩和を受け、先月30日から始まった国際線の「冬ダイヤ」では、日本を発着する旅客便は、5日までの1週間で1920往復と、去年の同じ時期と比べ3.2倍に増えている。日本の航空会社の便はおよそ2倍となったほか、日本と同じように水際対策の緩和が進んだ韓国や台湾の航空会社の便が20倍前後と大幅に回復。ただ、今も厳しい中国との便が回復していないことから、国際線全体の便数はコロナ禍の前と比べると37%にとどまる。

◆新規感染7日間平均、「前週比130%に」 都モニタリング会議

 東京都は4日、モニタリング会議を開き、4段階ある警戒レベルについて、いずれも上から3番目を維持した。会議では、新規感染者数の7日間平均が2日時点で4305.9人と、前の週に比べ130%となっていることが報告された。専門家は「前回の97%から今回は130%と、感染拡大の指標となる100%を上回っていて、今後の急激な増加に注意を払う必要がある」とした。また、入院患者数は1週間前の先月26日より344人多い1654人で、2週連続で増えた。

 感染者が増えていることについて、専門家は「第6波、7波で獲得した免疫が落ちてきていることや、寒くなって部屋の換気がされないこと、また、水際対策の緩和などが要因として考えられる」と分析、換気やワクチンの接種など、感染対策の徹底を呼びかけた。小池知事は記者会見で「1度コロナに感染しても免疫は徐々に下がり、再感染のリスクが高まるということなので、多くの人の命を守るためにも、速やかな接種をお願いしたい」と述べた。

【11月5日】

◆「BA.5」の症状は、「BA.2」と同等 動物実験で

 オミクロン株のうち、今夏の「第7波」以降主流となった「BA.5」は、感染した場合の症状の程度が、ことし初め以降の「BA.2」と同等で、比較的低かったとする動物での実験結果を、東京大学医科学研究所の河岡特任教授らのグループが、科学雑誌の「ネイチャー」に発表した。

● コロナ研究、日本低調 論文数G7最下位 資金力に差

 日本の新型コロナの研究が低調だ。日本の関連研究論文は数でも質でも、G7(主要7カ国)で3年連続で最下位。科学技術振興機構(JST)の調査では、新型コロナ関連の日本からの研究論文数は、2020年は16位、2021年14位、2022年(5月時点)12位。1位は3年連続で米国、2位と3位は中国と英国が入れ替わりながら続く。質の面でも「ネイチャー」や「ランセット」など医学に関する著名5誌に掲載された論文だけに絞ると、日本は2020年18位、2021年30位。

 研究者の数や環境など差は多岐にわたるが、特に資金力が顕著。感染症研究に米国立保健研究所(NIH)が年間約6千億円に対し、日本医療研究開発機構(AMED)は年間約90億円と67分の1。国内の他の医療分野の癌やiPS細胞などを使った再生医療の研究費と比べても、感染症研究は見劣りする。政府の有識者会議(座長・永井自治医科大学長)が6月にまとめた報告書でも、こうした現状が、国産ワクチンや治療薬の開発が進まなかった背景にもあると指摘している。

●感染7万5646人

 国内感染者は5日、全国で新たに7万5646人確認された。前週の土曜日(10月29日)より3万1013人増えた。発表された死者は全国で52人だった。都道府県別で新規感染者が最も多かったのは、東京都で7967人。都内で7千人を超えたのは9月23日以来。

【11月7日】

◆新規感染者数 1週間平均 全都道府県で増加

 新規感染者数を7日までの1週間平均で比較すると、全国では1.42倍と47都道府県すべてで増加し、特に東日本を中心に増加のペースが上がっている。全国の1日当たりの平均の新規感染者数は5万8000人余り、先週の同じ曜日から1万7000人余り増。人口当たりの感染者数が最も多いのは北海道で、7日までの1週間は前の週の1.37倍で、6日までの人口10万当たりの感染者数は803.75人。首都圏1都3県は、東京都は前の週の1.53倍、埼玉県は1.48倍、千葉県1.35倍、神奈川県1.54倍。

 11月7日までの新規感染者数平均の前週比 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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■舘田教授、「第8波近づいている兆候が強まっている」

 政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田教授は現在の感染状況について「新規感染者数が前の週の1.5倍を超える地域が東日本を中心に見られ、全国で前の週を上回る状況も3週間以上続いていて、第8波が近づいている兆候が強まっている。秋の行楽シーズンを迎え、旅行や移動の機会や会食も増え感染対策が緩みがちになっている中で、感染者が増加する傾向はより強まると考えられる」と指摘した。

◆新型コロナワクチン接種後死亡6人に一時金 因果関係否定できず

 厚労省は7日、新型コロナワクチンを接種後にくも膜下出血や心筋梗塞などで亡くなった、44歳の女性1人と80歳から87歳の男女5人の合わせて6人について、新たに救済の対象とすることを決めた。このうち1人は44歳の女性で、60代以下では初めて。ワクチンを接種したあとに死亡した人について、因果関係が否定できないと国が認定した場合には、予防接種法に基づいて死亡一時金が支給され、これまでに70代と90代の男女4人が認められている。

◆「BA.5」対応のモデルナワクチン 今月28日の週から接種開始へ

 オミクロン株のうち「BA.5」に対応するモデルナのワクチンについて、厚労省は国内での使用を承認し、7日に専門家の意見を取りまとめたうえで、無料で受けられる公的接種に位置づける方針を決めた。11月28日の週から自治体に配送し、順次、接種を開始する方針。

●コロナ対策、無駄・不適切102億円 病床確保交付金など

 2019~21年度の新型コロナ対策の事業について、予算の執行状況を会計検査院が調べたところ、2021年度までの支出は総額約76兆5千億円に上り、執行率は80.9%。検査院が国費の無駄遣いや不適切と指摘したのは、病床確保に関する交付金や地方創生臨時交付金などで66件、約102億3千万円。2021年度までのコロナ対策(1367事業)の予算総額は計94兆4920億円。計76兆4921億円が支出され、13兆3254億円が2022年度に繰り越された。

 使う見込みがなくなった「不用額」は全体の約5%の4兆6744億円。不用額が最も多かったのは「GoToトラベル事業」で予算総額約2兆円の約4割(7743億円)。執行率が低かったのは、売り上げが減った中小企業などに支払う「事業復活支援金」(予算総額約2兆8千億円)で18.9%。委託先が審査業務を担う人員を想定の6割強しか確保できず、審査が遅れたことが原因だという。

●コロナ病床交付金55億円過大 病院側「頂けるうちに…」

 新型コロナ患者の受け入れのため、病床を確保した病院に交付金を支払う事業について、会計検査院が調べたところ、32病院に対して約55億円が過大に支払われていた。対象外の病床や区分が不適切な病床が計上されて申請され、自治体の審査もすり抜けていた。検査院は過大額について返還を求めた。都道府県を通じ、病床ごとに日額7万1千~43万6千円が支払われる。

【11月8日】

◆感染症法など改正案、衆院本会議で可決 今国会で成立の見通し

 地域の医療提供体制の強化策を盛り込んだ感染症法などの改正案は、衆議院本会議で新型コロナの感染症法上の位置づけを速やかに検討するなど、付則に修正を加えて採決され、自民党や立憲民主党などの賛成多数で可決された。改正案は今の国会で成立する見通し。感染症法などの改正案は、都道府県が感染症の予防計画を策定したうえで、地域の中核となる医療機関と事前に協定を結び、病床や外来医療の確保などを義務づけるもの。

◆「コロナ第8波、入りかけか」 今月中の接種訴え 東京都医師会長

 東京都医師会の尾崎会長は8日の定例会見で、今の新型コロナの感染状況について、「第8波に入りかかっている」という見解を示した。今できる対策として、「ワクチンを打つことが大切で感染抑止になる。仮に感染してもワクチンを接種していると症状は軽く、体内でのウイルスの増殖は抑えられ、周りの人に感染させる力が弱くなる」として、第8波の感染者数を増やさないためにも今月中にワクチンを接種してほしいと訴えた。

●第8波「念頭に対策」 加藤厚労相 感染の増加傾向受け

 新型コロナの感染者が全国的に増えていることを受け、加藤厚労相は8日の閣議後会見で、「第8波につながる可能性」も念頭に置きながら対策を進めているとの認識を示した。季節性インフルとの同時流行も踏まえ、抗原検査キットや解熱鎮痛剤の事前購入なども呼びかけた。厚労省によると、7日までの1週間の新規感染者数は前週と比べて1.42倍に増えている。特に北海道や東北地方で増加傾向がみられるという。

●北海道、最多更新の9136人 東京8千人超、一カ月半ぶり

 新型コロナ感染者の増加傾向が各地で強くなっている。北海道では8日の新規感染者が9136人となり、過去最多となった。東京都内の感染者は8665人で、約1カ月半ぶりに8千人超え。大阪府は同日、独自基準「大阪モデル」について、現在の緑信号から、約1カ月ぶりに警戒を呼びかける「黄信号」に引き上げることを決めた。

【11月9日】

●「第8波」入り口か、全国で感染増 救急に影響 「BQ.1」、免疫効きにくい可能性

 厚労省の専門家組織は9日、直近1週間の新規感染者数が全都道府県で増加して前週比1.4倍となり、「第8波」の兆しがあるとした。同時流行が懸念されている季節性インフルは、まだ大規模な流行はみられないと分析。全国の新規感染者数は、直近1週間で1日平均6万3343人。今夏の「第7波」は約2万5千人に減っていたが、9月下旬並みの水準に戻った。ただ増加ペースは「第7波」ほど急激ではないが、感染状況は地域差が大きい。

 特に北海道では第7波のピーク時に迫るほか、東北や北陸、甲信越、中国地方では大きく増加している。感染者数が多い地域で10代以下の子どもの増加幅が大きいく、高齢者の感染者も増えて、重症者数、病床使用率も増加傾向。総務省によると、「救急搬送困難事案」のうち、コロナ感染が疑われる事案は6日までの1週間に全国で823件あり、前週から48%増えた。

 また国立感染研は不確実性が高いとしつつ、現在BA.5が主流だが、12月第1週にはBQ.1が79%を占めると推定している。BQ.1は免疫が効きにくいとみられ、欧州や米国を中心に広がっている。

■加藤厚労相「2週間後に前回のピーク超える可能性」

 加藤厚労相は「新規感染者数は全国で増加傾向となっている。この傾向は今後も継続しいわゆる『第8波』につながる可能性もある。仮に、前回の感染拡大と同様のスピードで継続した場合、2週間後には前回のピークを超える可能性も想定されている」と指摘した。そのうえで「過去の経験も踏まえた対策を取ることが重要。都道府県には地域の実情を踏まえて外来医療体制を強化するよう依頼しており、厚労省としても必要な支援を行っていく」と述べた。

 そして、国民に対し「基本的な感染予防対策の徹底とともに、若い方も含め、ワクチンを接種してもらいたい。発熱などの体調不良時に備えて、検査キットや解熱鎮痛薬を早めに購入しておくなどの準備を改めてお願いしたい」と呼びかけた。

■脇田座長「感染拡大が続く可能性はある」

 専門家組織の会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は今後の感染拡大の見通しについて「オミクロン株対応のワクチンの接種がそれほど進まず、免疫が減弱してきているほか、東京では夜間滞留人口が増えて去年の忘年会シーズンとほぼ同じくらいの人出になるなど、社会活動が活発化している。また、免疫から逃れるとされる新たな系統の変異ウイルスが今後増えるとも予測され、感染拡大が続く可能性はあるといった議論があった」と述べた。

 「第7波の感染者数や死亡者数が十分に下がりきっていない中で、感染者数が増加している。今後、高齢者に広がると、重症者数や死亡者数の増加もありうる。オミクロン株対応ワクチンの接種をしてほしい。また、自宅で抗原定性検査キットや解熱鎮痛剤をぜひ準備し、発熱のときの受診の流れを確認してほしい」と呼びかけた。また「この夏の第7波は西日本中心で東日本は高い波がなかったことが影響して、現在、東日本でかなり大流行になっている可能性がある」と述べた。

■1週間の新規感染者数、前週比1.40倍

 厚労省の専門家組織の会合で示された資料によると、8日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.40倍に増加している。首都圏の1都3県では、東京都が1.51倍、神奈川県と埼玉県が1.48倍、千葉県が1.35倍と増加が続いているほか、すべての都道府県で増加している。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、北海道が850.07人と全国で最も多く、次いで山形県710.00人、長野県688.91人、宮城県557.47人、秋田県552.47人、福島県540.93人などと北海道や東北を中心とした地域で多くなっている。また、東京都は302.93人、大阪府254.69人、全国では338.12人となっている。

◆「感染拡大 オミクロン株と同程度なら行動制限せず」 官房長官

 松野官房長官は記者会見で、「全国の新規感染者数は足元では増加傾向にあり、とりわけ北海道では過去最多となっているほか、病床使用率も増加傾向にある。緊張感を持って動向を注視していく」と述べた。一方、「感染拡大がオミクロン株と同程度の感染力や病原性の変異株によるものであれば、新たな行動制限は行わず、社会経済活動を維持しながら感染拡大防止策を講じることを基本的な考え方」と述べ、基本的には行動制限を行わない考えを重ねて示した。

 また、「全国旅行支援」などの観光需要の喚起策を中断する可能性について、「都道府県が実施の継続の可否を判断するものとなっているが、政府としても感染状況の動向を注意深く見守ったうえで適切に判断していく」と述べた。そして、さらに感染者数が増え、医療の負荷が高まる場合などの具体的な対応策は、近く政府の分科会を開き、専門家の意見を聞きながら検討していく考えを示した。

◆北海道、22人死亡 9545人感染確認 ともに過去最多

 北海道内では9日、新たに9545人が新型コロナに感染していることが確認され、8日に続いて過去最多を更新した。また、一日としてはこれまでで最も多い22人の死亡が発表された。一日の新規感染者数が9000人を超えるのは2日連続で、8日に続いて過去最多を更新した。一日の新規感染者数は、先週の水曜日に比べて1650人増え、感染が急速に拡大している。

【11月10日】

●戻れぬ限界 北京に悲鳴 続く「ゼロコロナ政策」提訴の動きも

 厳格な移動制限を伴う「ゼロコロナ政策」が続く中国で、首都・北京に戻れない人が相次いでいる。当局のシステムが市外に出た人を感染したリスクがあると判定し、市内に戻るのを制限するためで、あまりの厳しさに当局を訴える動きまで出ている。北京市内でいま、感染リスクの判定が他の都市に比べて極端に厳しいことが背景にある。

 スマホの位置情報などの記録から、一人でも感染者が出た市や区を訪れた形跡があれば、健康コードを使えなくして北京に戻れないようにしている。感染者が出ていない場合でもアプリが使えなくなるケースも多い。「法律の根拠なく、北京に入ることを制限し、原告の合法的な権利を侵害している」。中国メディアによると、複数の市民が最近、防疫政策への不満から北京市当局を提訴した。ただ、こうした事態を紹介する記事やネット上の投稿はすぐに削除された。

●米IT大手、人減らしの波 メタ1.1万人 ツイッター3700人…

 SNS世界最大手の米メタ(旧フェイスブック)が9日、全従業員の約13%にあたる1万1千人超を削減すると発表。2004年の創業以来、最大規模の人員削減となる。米IT大手はコロナ下の巣ごもり需要などを背景に急速に人員を増やしてきたが、景気悪化の懸念から人員削減や採用抑制の動きが広がっており、転機を迎えている。メタの9月末の従業員数は約8万7千人で、1年前から約2万人、2019年9月から倍以上に増えた。だが、経済再開で巣ごもり需要は長く続かなかった。

 米IT大手では、人員の数を抑える動きが加速している。米電気自動車大手テスラのマスクCEOが先月買収したツイッターは今月、全従業員の約半分にあたる約3700人の削減を開始。米アマゾンも今月、今後数カ月にかけて採用の抑制を拡大する方針を示した。米調査会社によると、米国のIT業界では今年、10月下旬までに5万2千人以上が削減されたという。

◆政府 新型コロナ「第8波」に備え新方針 外出自粛など要請も

 岸田首相は、加藤厚労相、後藤新型コロナ対策担当相と今後の対応を協議し、新たな方針を決めた。新方針は、現在5段階にわかれている感染状況のレベルのうち、感染者がいない「レベル0」をなくし、4段階に見直す。そして、ことし夏の「第7波」と同じ程度か、それを上回る状況になった場合などを、レベル3の「感染拡大期」と位置づけるとしている。

 「感染拡大期」になれば、都道府県が「対策強化宣言」を出し、住民に対し、症状がある場合の外出や出勤などの自粛や大人数の会食への参加の見合わせなど、慎重な行動を要請できるようにする。また、医療全体が機能不全の状態になるなどした場合は、最も深刻なレベル4の「医療逼迫期」とし、出勤の大幅抑制や帰省・旅行の自粛、それにイベントの延期など、より強力な要請を可能にする。政府は、こうした方針を、11日の政府の分科会に示すことにしている。

 新しい感染状況レベル 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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◆「新しい波に入りつつある」 尾身会長、首相と会談後

 政府分科会の尾身会長は10日午後、厚労省の専門家組織の脇田座長などとともに首相官邸を訪れ、岸田首相と会談した。尾身会長によると、会談では今後も感染者数の増加傾向が全国的に続き、医療体制の逼迫が起こりえると説明した。そして、医療体制の強化やオミクロン株に対応したワクチン接種を進めること、抗原検査キットを自宅で使えるようにするといった対策を進めてきたとしたうえで、換気を含めた基本的な感染対策の徹底を改めて呼びかけるよう訴えたとしている。

 また、対策を取っても医療の逼迫が起きた場合の対応について、11日開かれる政府の分科会で議論するとしたうえで、国民に対して分かりやすく納得感のある情報発信をすることが大事だと岸田首相に伝えたという。会談のあと取材に応じた尾身会長は「北海道など感染拡大が明らかな地域があり、全国的にみてスピードの差はありつつも感染は拡大傾向にある。新しい波に入りつつある」と述べ、感染拡大の第8波の入口にあるという認識を示した。

◆東京都、感染拡大の兆候で警戒 「2週間後に2倍超も」

 東京都は10日、都内での新型コロナの感染状況と医療提供体制について専門家によるモニタリング項目の分析結果を公表した。それによると、新規感染者数の7日間平均は、9日時点でおよそ6452人で、前の週に比べて2100人余り増え、およそ1.5倍になった。また、入院患者数も先週から382人増えて2036人と、3週連続で増えた。

 専門家は、4段階ある感染状況と医療提供体制の警戒レベルについて、いずれも上から3番目を維持したうえで、「感染拡大の兆候があり、今の割合で増加すると、2週間後には現在の2倍を超える新規感染者の発生が予測され、感染の再拡大が危惧される」と指摘した。そして、「重症患者や重症化リスクの高い人などのため、医療提供体制を強化する準備が必要な状況だ」として警戒を呼びかけた。

◆北海道・釧路、市立病院で大規模クラスター 外来診療など制限

 北海道釧路市の市立釧路総合病院によると、今月3日ごろから患者や職員の感染者が急増してクラスターが発生し、10日午後4時までに患者73人、職員36人の合わせて109人の感染が確認されたという。これを受けて、病院では緊急性の低い一部の外来や入院を制限しているほか、市内のほかの病院と交代で24時間患者を受け入れる「2次救急」を今月23日まで原則停止している。

 高度な医療を担当する3次救急については、釧路管内では市立釧路総合病院が唯一の医療機関のため、通常どおり対応するという。病院には、厚労省のDMAT(災害派遣医療チーム)の医師2人が派遣されていて、院内でクラスターの拡大防止にあたっている。釧路保健所では定期的な換気など基本的な感染対策を改めて徹底するよう呼びかけている。高垣所長は「秋になって増えてきたことを考えると、換気がひとつの鍵だと言える」と指摘した。

●迫る「第8波」 そなえる自治体発熱外来拡充 検査キット配布

 兆しがあるとされる新型コロナの「第8波」への備えを、各地の自治体が独自に進めている。この冬は季節性インフルとの同時流行が懸念され、医療の逼迫を回避する手立てが必要だ。これまでの感染の波では、想定を上回る感染者の数で医療の逼迫が繰り返されてきた。自治体が準備を進める軸となるのは、発熱外来の拡充。厚労省によると、コロナを診る全国の医療機関は4月時点の約3万8千カ所から約4万1千カ所に増えた。

 さらに大阪府ではこの冬、臨時の発熱外来を設ける方針。埼玉県では12月以降、休日でも対応する医療機関を増やそうと働きかけ。福島県では内科・小児科の約7割が新型コロナに対応できるようになったが、さらなる上積みには苦戦。滋賀県など、検査キットを配る動きも目立つ。高知県ではクラスターの発生に備え、医療機関や高齢者施設などにあらかじめ配布。山形県では感染者や濃厚接触者が出た中小企業に、大阪府では9歳以下の子どもを対象に配る。

■ワクチン接種促進に躍起 自治体

 第8波への備えでも、感染や重症化を防ぐワクチン接種が重要だと考えられている。ただ、オミクロン株対応のコロナワクチンを打った人は、9日時点で全人口の7.8%と低調。平井知事がワクチン接種を「カギ」と位置づける鳥取県では、県営会場で接種した人に県産米のパックをプレゼント。インフルとの同時接種ができる会場も設けた。東京都も千代田区と立川市の2カ所で高齢者らに同時接種を進める。

 秋田市は秋田大学医学部の体育館に大規模な接種会場を開設。1日600人に接種できる態勢を整えた。担当者は「再流行までに少しでも免疫をもつ人を増やしたい」と話す。一方、広島県三原市では、インフルの予防接種を自己負担なしで受けられる対象を拡大。約8万9千人の住民のうち、半数ほどの4万2300人になるという。

■オンライン診療の活用、懐疑の声

 第8波の対応で、政府が打ち出しているのがオンライン診療の活用。同時流行が起きれば、発熱外来の受診者を1日あたり3万5千人と試算する神奈川県では現状の態勢では約5千人を診きれない。オンライン診療が必要とみて6千人から9千人程度の枠を確保しようと動いている。ただ、電話やオンラインでインフルの診断を出すことには慎重な意見が根強い。

 10月28日に開かれた埼玉県の専門家会議では、参加した医師から「コロナなのかインフルなのか、患者を直接診ずに判断するのは難しい」との意見が出た。奈良県医師会の安東会長は同20日の会見で「検査をせず、(有効な薬の)タミフルを届けるから自宅で待っていなさいというのは、命に関わる問題が次々出てきます」と話した。千葉県や兵庫県の医師会からも懐疑的な見方が出ている。

●「アナフィラキシーか」、愛知県医師会が調査へ ワクチン接種後に死亡

 愛知県愛西市で今月5日に実施された新型コロナワクチンの集団接種で、40代女性が接種後に体調を悪化させて死亡したと市が10日までに明らかにした。市は、「血が混じったものを吐いていたため、現場の医師は肺の異常を疑っていた」と説明。県医師会の柵木会長は同日、「(強いアレルギー反応の)アナフィラキシーの可能性が考えられる」と述べた。県医師会の医療安全対策委員会でアナフィラキシーかどうかや、対応状況について調査するという。

 遺族は市の対応について、「息苦しいと言った時点でアナフィラキシーに対応する処置があれば、助かったかもしれない」と話している。

●戻る訪日客、悩みは人手 水際緩和・旅行支援から1カ月 外国人予約倍増も

 水際対策が大幅に緩和され、同時に政府の観光支援策「全国旅行支援」が始まってから11日で1カ月を迎えた。訪日外国人客(インバウンド)や国内旅行客による予約数は急増している。旅行需要の回復に水を差しかねないのが、人手不足だ。足元ではコロナの第8波の懸念も広がるが、今後も順調に需要が回復するかは、「第8波」の行方と人手不足への対応にかかっている。

●感染者7万8268人 前週から1万人超増

 全国の感染者は、10日現在で新たに7万8268人が確認され、前週の同じ曜日(3日)より1万人以上多かった。9日に過去最多となる9545人の感染が確認された北海道は、全国で最も多い8457人。東京都の7969人、神奈川県の5190人、愛知県の4235人と続いた。

 11月10日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【11月11日】

●中国人入国、隔離期間を短縮 「ゼロコロナ」堅持、不満に配慮

 中国政府は11日、入国者に義務づけるホテルでの隔離期間の短縮などを盛り込んだ新型コロナ対策の新たな方針を発表した。コロナ封じ込めに成功したと宣伝する政権は「ゼロコロナ」政策を堅持する構えだが、厳しすぎる対策への不満の高まりにも配慮せざるを得ない状況。コロナ対策をめぐっては、10日に習総書記(国家主席)が主宰した共産党最高指導部の会議で政策を堅持する考えが示されたばかりだった。

 入国者や感染者の濃厚接触者には従来、ホテルなど指定施設での7日間の隔離の後、体温測定や不必要な外出禁止を課す3日間の「健康観察」を求めていた。今後は指定施設での隔離は5日間とし、その後に自宅などでの3日間の隔離を義務づける。中国行きの航空便の乗客には、搭乗前の48時間以内に2回のPCR検査を求めていたが、1回に減らす。また、住民に1日に2、3回のPCR検査を求める「非科学的なやり方」は改めるべきだとしている。

◆接触確認アプリ「COCOA」、17日から停止 「利用者は機能削除を」

 国が運用する「COCOA」は、新型コロナに感染した人と濃厚接触をした可能性がある場合に通知されるアプリで、ことし9月から感染者の全数把握が簡略化されたことから機能停止が決まっている。デジタル庁は今月17日から順次、機能を停止することになり、利用者に対して、アプリとサーバーがデータのやり取りをする機能の削除を求めることになった。利用者は最新版のアプリにアップデートし、機能の削除の操作を行う必要があるという。

◆オミクロン株「BA.1」対応ワクチン、副反応の分析結果を初公表

 厚労省の研究班は9月から接種が始まったファイザーとモデルナの「BA.1」対応ワクチンについて、接種してから1週間までの副反応を分析、11日に開かれた専門家部会で公表した。それによると、ファイザーを接種した55人の副反応が起きた割合は、接種翌日では全身のけん怠感が61.8%、頭痛43.6%、37.5℃以上の発熱34.5%。また、モデルナを接種した23人では、全身のけん怠感73.9%、頭痛52.2%、37.5℃以上の発熱43.5%だった。

 副反応が出たのは接種の翌日がピークで、2、3日後にはほぼおさまったという。従来のワクチンの3回目接種の副反応と大きな違いは無いとみられるという。

■「BA.5」対応のファイザーのワクチン、接種した2人が死亡

 厚労省は、11日に開かれた専門家部会で「BA.5」対応のファイザーのワクチンを接種した2人の女性が死亡したと、医療機関から報告を受けたことを明らかにした。このうち87歳の女性は、脳梗塞の後遺症などの基礎疾患があり、今月1日に接種し、3日後に亡くなったという。死因は不明、接種と死亡との因果関係は現時点で評価できないとしている。また、42歳の女性は今月5日に集団接種会場で接種した直後に容体が急変し、搬送先の病院で亡くなった。

 厚労省によると、オミクロン株の「BA.5」に対応したワクチンの接種は先月から始まり、今月8日までで全国で286万人余りと推計され、接種後に死亡した事例について国が公表したのは初めて。

●アナフィラキシー、「適切な対応を」 厚労省が通知

 新型コロナワクチン接種後に生じる「アナフィラキシー」について、厚労省は10日、全国の自治体に通知を出した。「疑われる事例が引き続き報告されている」として、接種会場での経過観察や発症した際の対応が適切にできるよう、改めて体制の確認を求めた。アナフィラキシーは血圧低下や意識障害を伴うもので、ワクチン接種後30分以内に起きうる「重大な副反応」と位置づけられている。厚労省によると、12歳以上向けのファイザー製ワクチンで100万回あたり2.6件(10月9日まで)の報告がある。

 愛知県愛西市では5日、40代女性が集団接種会場で接種した約5分後に急変、その後死亡した。この件について、ワクチンの副反応を議論する厚労省の専門家部会で11日、対応した医師による所見などが示された。女性の死因は急性心不全とみられ、高血圧症や糖尿病の病歴もあった。現状ではアナフィラキシーが起きたか不明だが、委員からは「(アナフィラキシー対応で使う注射剤の)エピペンの有効期限の確認など、自治体への啓発をお願いしたい」などの意見が出た。

●全国で新たに7万3887人感染、死者は100人

 国内感染者は11日、全国で新たに7万3887人が確認された。死者は100人だった。

【11月12日】

●全国で新たに7万9993人感染、死者は63人

 国内感染者は12日現在、全国で新たに7万9993人が確認された。前週の同じ曜日(5日)より4334人多かった。発表された死者は63人だった。都道府県別で新たな感染者が最も多かったのは北海道の8932人。続いて東京都が8021人、神奈川県が5127人、愛知県が4488人だった。

【11月14日】

●岸内閣支持率、最低37% 世論調査 初めて4割切る

 朝日新聞社は12、13の両日、全国世論調査を実施。岸田内閣の支持率は37%(前回10月調査は40%)で、昨年10月の内閣発足以降最低となり、初めて4割を切った。不支持率は51%(同50%)で、不支持率が支持率を上回るのは、3カ月連続。年代別で「支持する」をみると、18~29歳が29%、30代が33%で、若年層が他の年代より低かった。

 毎日新聞と社会調査研究センターは先月17、18の両日、全国世論調査を実施。岸田内閣の支持率は29%、前回調査(8月20、21日)の36%から7ポイント下落。30%を切るのは、2021年10月の政権発足以降初めて。不支持率は64%、前回(54%)より10ポイント増加。また、自民党の支持率も前回から6ポイント低下し23%。内閣や自民党の支持率の低下は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題や安倍元首相の国葬が影響しているようだ。

 今月4~6日の読売新聞社の世論調査では、岸田内閣の支持率は内閣発足以降最低の36%(先月5%)で初めて30%台に落ち込んだ。不支持率は50%(先月46%)。NHKの11日から3日間の世論調査では、岸田内閣を「支持する」は、先月調査より5ポイント下がって33%で、4か月連続で最低を更新。「支持しない」は3ポイント上がって46%。新型コロナの政府対応は、「大いに評価」が7%、「ある程度評価」55%、「あまり評価しない」26%、「まったく評価しない」7%。

●年末年始の帰省や旅行 「計画」20%、第8波懸念か

 朝日新聞社が12、13の両日に実施した全国世論調査で、今度の年末年始に帰省や旅行を計画しているか尋ねると、20%が「計画している」、「計画していない」は79%。政府の「全国旅行支援」が始まって1カ月、第8波も懸念されており、状況を見て判断する人が大半を占めているようだ。「計画している」を年代別に見ると、18~29歳が32%、30代38%、40代は27%で、全体結果より前向きな人の割合が高いが、60代は13%、70歳以上は6%にとどまる。

 今回と同じ質問は、感染の第3波に入ったとみられる2020年11月、第5波と第6波の間の2021年11月にも実施している。「計画している」は2020年11月が11%、2021年11月は18%だった。年代別で年ごとの変化を見ると、30代は13%(20年)→26%(21年)と推移し、今回も含めて割合が増えているのが目立つ。40代も17%(20年)→23%(21年)と、少しずつ増えている。

●高齢者施設 第8波への備えは 希望者の入院 第7波は3割 都内調査

 第7波のピークだった7~8月、東京都内の入所型高齢者施設で希望通り入院できた感染者は3割にとどまったという。東京都高齢者福祉施設協議会が9月に調査した結果が明らかになった。調査結果によると、感染を確認した入所者は159施設の計1795人。中等症500人、重症86人。入院希望者869人のうち入院できたのは299人で、残りは受け入れ調整がつかなかった。また、期間中の感染者のうち死者は66人、うち17人は入院調整中に施設で亡くなった。

 感染者がいた施設で困ったことを尋ねた質問への回答(複数可)は、「職員確保」84.9%が最多。次いで「入院ができない」64.8%、「救急要請で受け入れ先が見つからない」56.6%など。都によると、7~8月の都内の病床使用率は最高59.9%。救急搬送先を見つけるのに20分以上かかったりする事例が週平均で1日309.7件(7月24日)まで増えていた。都は12月にかけて受け入れ施設を拡充する計画だが、医療逼迫の再来を避けられるのだろうか。

【11月15日】

●GDP、4期ぶりマイナス 7〜9月 年1.2%減 第7波・値上げ響く

 2022年7~9月期の国内総生産(GDP)は、実質で前期(4~6月期)比0.3%減、年率換算で1.2%減。マイナス成長は4四半期ぶり。輸入の一時的な増加が主因だが、コロナ禍からの個人消費の回復が道半ばであることも響いた。マイナス成長の主な要因は、円安や資源高の影響を受ける石炭や石油製品など輸入が前期比5.2%増と大きく伸びたこと。輸出は1.9%増、自動車や半導体製造装置などが増えた。

 ただ、内需に力強さを欠くのもマイナス成長の背景と言えそう。GDPの半分以上を占める個人消費は0.3%増にとどまり、1.2%増だった前期から伸びは鈍化した。3年ぶりに行動制限のない夏休みとなったが、新型コロナの「第7波」が広がり、宿泊などのサービス消費は0.3%増と伸び悩んだ。さらに家電などの耐久財は3.5%減と2四半期ぶりのマイナスとなった。値上がりしたスマートフォンなどが不振だった。10月以降はさらなる物価上昇が消費に影を落とす恐れがある。

◆「第8波」、AI試算 「第7波」ピーク超えも 名工大

 名古屋工業大学の平田教授グループが、今月10日までの感染者数推移、ワクチン効果、人の移動といったデータをもとに「BQ.1」などの新たな変異ウイルスが増える前提で、AIを使って感染状況を予測した。その結果、東京都では「BQ.1」などの感染力が「BA.5」の1.2倍、感染したことによる免疫効果がないという想定で、1週間平均で1日当たりの感染者数が来月半ばにおよそ3万人、来年1月中旬には「第7波」のピーク超えの3万6000人の予測となった。

◆国際クルーズ船受け入れ再開へ ガイドライン順守条件に 国交省

 海外と日本を行き来するクルーズ船は、横浜港に寄港した船で新型コロナの集団感染が発生した一昨年2月以降、国内の港に寄港していない。こうした中、国際クルーズ船の業界団体が、運航再開に向けて船内での感染対策や感染者が出た場合の対応方法をまとめたガイドラインを作成、国交省はガイドラインの順守を条件に国際クルーズ船の受け入れを再開すると発表しました。

◆東京都、1万1196人感染確認 1万人超は9月14日以来

 厚労省は15日、都内で新たに1万1196人が新型コロナに感染していることを確認したと発表した。1万人を超えるのはおよそ2か月前のことし9月14日以来で、1週間前の火曜日より2531人増えた。また、人工呼吸器かECMO(人工心肺装置)を使っている重症の患者は14日から5人増えて26人だった。一方、感染が確認された5人が死亡した。

 都内の新型コロナの新規感染者数が1万人を超えたことについて、東京都の小池知事は都庁で記者団に対し、「第7波ではピークが4万人という時期もあった。先手先手で、これまでの知見を生かしながら準備を重ねてきていて、フォローアップや発熱相談などの体制は整えている」と述べた。そのうえで、「皆さん自身を守るという観点から、インフルエンザも含めてワクチンの接種をできるだけ早く行ってほしい」と呼びかけた。

 11月15日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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◆北海道、1万906人感染確認 初めて1万人超 過去最多

 15日、北海道内では過去最多となる1万906人が新型コロナ感染を確認、初めて1万人を超えた。また、死者も34人と、1日の発表としてはもっとも多くなった。1日の発表としては、これまでで最も多かった11月9日の9545人を上回って過去最多。また、先週の火曜日に比べても1770人増え、感染が急速に拡大している。一方、道内で発表された1日の死者数は最も多い合わせて34人。

 北海道の鈴木知事は15日の記者会見で、「新規感染者数は全国で最も多い状況が続いており、病床使用率もほかの県に比べて高い水準となっている」と指摘。政府分科会が了承した新たな対応方針を踏まえ、政府の正式な結論を待たず、道民に対しふだんと異なる症状がある場合は出勤や登校を控え、混雑した場所への外出は控えるなど道民に対し、感染対策を強化するよう協力を求めた。

●感染10万人超す 東京1万人超、北海道過去最多

 国内感染者は15日、新たに10万5188人が確認された。前週の同じ曜日(8日)より2万1916人増え、9月14日以来約2カ月ぶりに10万人を超えた。発表された死者は全国で126人だった。感染者の数を都道府県別に見ると、最多は東京都の1万1196人で、約2カ月ぶりに1万人を超え。2番目は北海道。過去最多の1万906人が確認され、初めて1万人を超えた。これに愛知県7455人、神奈川県6298人、埼玉県5476人、大阪府5188人と続いた。

 以下6枚の図は11月15日時点の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年11月29日 (火)

嵐山渓谷の秋2022

 2022年11月25日(金)、埼玉県を代表する景勝地のひとつ、嵐山町(らんざんまち)の「武蔵嵐山渓谷」へ紅葉狩りに行く。

 

 8:40嵐山渓谷駐車場に車を駐め、8:50嵐山渓谷の展望台着。

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 荒川水系、都幾川の支流の槻川(つきがわ)。

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 大平山(標高179m)

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 12:00、終了。

 

 本ブログの「武蔵嵐山渓谷」関連記事

  「武蔵嵐山渓谷の秋」 2020年12月 6日投稿

    http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-360050.html

2022年11月28日 (月)

三渓園と三浦半島

 2022年11月21日(月)、神奈川県の三渓園(横浜市)、三崎漁港(三浦市)、荒崎海岸(横須賀市)を巡るバス旅行。

 前日の関東は雨で、最高気温は14℃の肌寒い日。当日は、朝から昼頃まで弱雨、午後くもり、夕方になって晴れとの天気予報。12人を乗せたマイクロバスは、9:50出発。

 

●三渓園(横浜市中区本牧)

 11:25、「三渓園」に到着する頃は、雨はすっかりやんで曇り空。昼近くなって、青空。この日の神奈川県の最高気温は18℃、秋らしい良い天気。

 「三溪園」は生糸貿易などにより財を成した茶人で実業家・原三溪(本名・原富太郎) によって、1906年(明治39)に外苑が一般公開された。17万5千平米に及ぶ園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的価値の高い建造物が配置されている。一般公開の「外苑」と、原家が私庭して使用していた「内苑」のエリアに分かれる。現在は公益財団法人三溪園保勝会が運営している。 

 「三渓園」の正門を入り、「大池」と丘の上の「旧燈明寺三重塔」を望む。

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 「旧燈明寺三重塔」は、室町時代の1457年に建てられた、園内の建造物の中でも 最も古い建物。「三溪園」へは1914年(大正3)に、現在の京都・木津川市の「燈明寺」から移築されて小高い丘に建てられ、「三溪園」のシンボルとなっている。

 三渓が住居として建てた「鶴翔閣」(写真なし)の前にある「睡蓮池」。

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 内苑エリアの「臨春閣」と左手に黄葉した大銀杏。

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 「臨春閣」は、江戸時代初期1649年(慶安2)に、現在の和歌山県岩出市の紀ノ川沿いに建てられた紀州徳川家の別荘「巌出御殿」と考えられている。大阪市此花区に移されていたものを1906年(明治39)に譲り受け、11年をかけて1917年(大正6)に移築が完了した。移築の際には、屋根の形と3棟からなる建物の配置が変更されたが、狩野派を中心とする障壁画と優美な数寄屋風書院造りの意匠が残されているそうだ。重要文化財。

 大銀杏とその後は「旧天瑞寺寿塔覆堂」 (てんずいじじゅとうおおいどう)。

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 「寿塔覆堂」は、1591年(天正19)豊臣秀吉が、病気から快復した母・大政所の長寿を祈って建てた生前墓の寿塔を覆っていた建物。桃山時代らしい豪壮な彫刻や、柱とその上の組物などにはかつて鮮やかな彩色が施されていたが、現在は風化して一部に痕跡を残すのみ。この覆堂があった「天瑞寺」は「大徳寺」内の寺院の一つだったが、明治時代のはじめに廃寺となり現在は存在しない。「三溪園」への移築は1915年(明治38)。重要文化財。

 内苑エリアの沢と紅葉。

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 内苑エリアの「月華殿」 (げっかでん)、「金毛窟」 (きんもくつ)、「天授院」 (てんじゅいん)に向かう小径。

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 南から「大池」を望む。気がつくと青空。

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 「旧矢箆原家(やのはらけ) 住宅」 は、立派な茅葺きやね。大きすぎてカメラに入らない。

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 飛騨白川郷にあった江戸時代後期の入母屋合掌造りの民家。ダム建設の水没地域にあったため、1960年(昭和35)に「三溪園」に移築された。農家ながら、式台玄関や書院造の座敷など立派な接客の空間を備え、寺社で見られる火灯(かとう)窓が付けられるなど、飛騨の三長者の一人といわれた矢箆原家の格式の高さを伝える。現存する合掌造りでは、最大級の建物だそうだ。この建物だけが、内部公開されている。重要文化財。

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 「大池」の東側から望む。近景は「涵花亭」(かんかてい)、遠くは「三渓記念館」。

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 園の中央付近にある「三溪記念館」では、「三溪園」の創設者・原三溪に関する資料、三溪自筆の書画、 ゆかりの作家作品や美術工芸品、臨春閣の障壁画などを展示しているそうだが、入館せず。「三渓園」には、他にも移築された重要文化財が多い。移築によって本来の価値を失うとの意見もあるが、現地で荒廃していた建築物を修復して移築し、保存した意義は大きいと思う。

 13:05、退園。移動中のバスの中で、崎陽軒のシュウマイ弁当の昼食。

 

●三崎漁港(神奈川県三浦市)
  
 14:00、三崎港着。周辺を散策。

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 花暮岸壁に停泊中の遠洋マグロ漁船「第31岬洋丸」(439トン、全長51.2m、住吉漁業株式会社)。遠くの赤い橋は、「城ヶ崎大橋」。

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 港にある産直センター「うらりマルシェ」で買い物。旅行会社から、神奈川県内の観光施設や土産物店で利用できる全国旅行支援のいざ、神奈川! 」の地域クーポン3,000ポイントを入手。金目鯛、アジやカレイの干物、3,000円分を購入。

 15:00、三崎漁港を出発。

●荒崎海岸(神奈川県横須賀市)

 15:30、「荒崎公園」に到着。

 駐車場の北の方から回って西側の岩場に向かい、日が沈むのを待つ。

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 日が沈みかかると、富士山のシルエット。日没は、14:25。

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 このあたりの海岸の岩石は、数千万年前、まだ三浦半島が海底であったころに堆積した黒くて硬い凝灰岩と、白くて軟らかい砂岩・泥岩の2種類の岩石の層で形成され、洗濯岩のような凸凹をした特殊な地形となっている。

 荒崎海岸を17:00出発。19:45出発地に到着。20:10自宅着。

 

 本ブログの関連記事

  「早春の三浦半島めぐり」 2017年3月14日投稿

   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-744e.html

 

 ★ ★ ★

 東京湾を望む横浜の東南部・本牧に広がる広大な土地は、原富太郎の義祖父である原善三郎が1868年(明治元年)頃に購入した。富太郎は岐阜県出身で、横浜の原商店に養子として入り、生糸貿易で財を成した。事業のかたわら仏画、茶道具などの古美術に関心を持って収集、国宝級の美術品を多数所蔵し、日本有数の美術コレクターでもあった。彼は古美術品のみならず、室町時代の「燈明寺三重塔」をはじめ各地の古建築を購入して移築していった。

 1906年(明治39)に市民へ公開し、1914年(大正3)に外苑、1922年(大正11)に内苑が完成するに至った。単に各地の建物を寄せ集めただけではなく、広大な敷地の起伏を生かし、庭園との調和を考慮した配置になっている。戦災により大きな被害をうけ、1953年(昭和28)、原家から横浜市に譲渡・寄贈され、財団法人「三溪園保勝会」が設立され、復旧工事を実施し現在に至っている。国の重要文化財建造物10件12棟、横浜市指定有形文化財が3棟。

 

 戦後、三崎漁港は日本最大のマグロ漁港だった。1960年代の日本の主要マグロ漁港は焼津漁港、清水漁港、三崎漁港で、内地のマグロ総水揚量の78%がこの3港に集中していた。しかしその後、三崎漁港は水揚げ量で他の漁港を下回ることになる。所属漁船が著しく大型化、遠洋化、外国市場が拡大化したことで、三崎漁港に水揚げすることなく大西洋沿岸諸国に水揚げするようになったためだという。

 現在、都道府県別のマグロの漁獲量(水揚げ量)の第1位は、静岡県。焼津、沼津、清水など、水揚げ量トップクラスの漁港がある。2位以下は年によって変るようだが、高知県、宮崎県、鹿児島県、宮城県などが並ぶ。今では、三崎漁港周辺にはマグロ料理、土産屋などの店が並び、東京から気軽に訪れられる日帰り観光地として人気があるようだ。

2022年11月27日 (日)

秋の赤城自然園

 2022年11月9日(水)、「赤城自然園」(群馬県渋川市赤城町)の紅葉狩り。

 

 この日、渋川市の最高気温は19.6℃、天気は晴れ。

 関越道赤城ICから10分。写真は、出入口の総合案内所。

 10:00入園。入園料は1,00円(セゾン、UCカード提示で500円)

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 「セゾンガーデン」から「四季の森」のカエデ。

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 「ナナフシ橋」を通って「自然生態園」を歩くと、まだツツジがあちこちで咲いている。

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 「自然生態園」のカエデ。

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 「ミズスマシの池」は水量も少なく、落ち葉で半分埋まっている。

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 「昆虫館」「トンボ池」付近のベンチで昼食。

 「カタクリの林」「野草のはらっぱ」を経て「四季の森」に戻る。

 「四季の森」の奥の方「アカマツ広場」に進む。

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 「アカマツ広場」を過ぎ、「お花畑」には枯れた紫陽花が物悲しい。

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 再び「セゾンガーデン」に入り、「ツツジの小径」の先に赤い鳥居。

 「十二様」と呼ばれる山の神。狩猟、山仕事や百姓の神様。

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 「シャクナゲの谷」できれいに黄葉する樹木。

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 「シャクナゲ園」の池の鯉。人が来ると鯉たちが集まる。

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 立ち枯れのヤマユリは、あちこちで見かける。

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 「シャクナゲ園」の沢に掛かる小さな橋で、落ち葉の「福笑い」。

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 出入口(総合案内所)前の紅葉。

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 14:10退園。

 帰りの関越道「上里サービスエリア」で、久し振りに懐かしい「峠の釜めし」を購入。

 1,200円に値上がりしていた。(「荻野屋」のホームページから転載)。

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 「赤城自然園」とは (ホームページから転載)

 赤城自然園は、赤城山西麓の標高600~700mに位置し、花々が咲き誇る春、生命力にあふれる夏、木々が実り色づく秋、野鳥の声が響き渡る冬と、日本の豊かな四季を織りなす美しい自然を感じることができる森です。「人間と自然との共生」の実現を目指し、元はマツやスギの雑木林を、長い年月をかけて植生を入れ替え、植物がいきいきと育ち昆虫や小動物が棲みやすい環境づくりを続けています。

 もとは1980年代に、西武セゾングループの堤清二氏が主導となって、21世紀の課題「人間活動と自然の平和的共存」に挑戦し、自然の存在形態を発見、創出して広く市民活動の発展に寄与することを目的として開発された森で、株式会社クレディセゾンは、「次世代を担うこども達に豊かな自然を引き継ぐ」ため、社会貢献活動のひとつとして赤城自然園を2010年より運営しております。 

 

 本ブログの赤城自然園関連の記事

  「初夏の赤城自然園」 2019年6月21日投稿

   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-7a81a6.html

日本スリーデーマーチ2022

 2022年11月6日(日)、「第45回日本スリーデーマーチ」に参加。


 国内最大のウォーキングイベント「日本スリーデーマーチ」の第45回記念大会は、11月4日、開幕した。

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 2019年は台風の影響で中止、2020年はコロナ禍で中止、2021年は人数制限を余儀なくされ、通常開催は4年ぶり。

 

 11月5日(土)の2日目、吉見百穴・森林公園の20Kmコースに参加予定だった。しかし朝から、1週間前からの腰痛の違和感。

 出発後に不安があって、すぐにリタイア。大事を取ってその日は休養。

 

 11月6日(日)の3日目、唐子中央公園を回る10Kmコースを歩く。

 9:10頃、集合場所の東松山市立松山中学校前を出発。

 市内石橋の住宅街を歩く。

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 関越道の架橋を越え、畑や林が広がる石橋から唐子中央公園へ向かう。

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 第休憩所の唐子中央公園に11時過ぎに到着、昼食後出発。

 下唐子から折り返し、石橋へ。

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 石橋の田園風景。

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 第2休憩所の東松山市立南中学校(東松山石橋)で休憩。ノーベル物理学賞を受賞した東大の宇宙線研究所長・梶田教授は、この中学校の出身者。

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 13:00ころ、市内パレード出発地に到着。10Kmを完歩。

 休憩後、14:00頃~パレードに参加。ぼたん通り。

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 大会会場の松山第一小学校に14:20到着。

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 腰痛の支障はなく、1日大丈夫だった。

 秋晴れの良い天気、最高気温は19℃だった。

 

 「ものみ・ゆさん」の日本スリーデーマーチ関連のブログ記事

  「台風19号と日本スリーデーマーチ」 2019年11月2日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-42b73b.html

  「日本スリーデーマーチ2018」 2018/11/8日投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/2018-0edb.html

  「日本スリーデーマーチ2017」 2017/11/12投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/2017-24a0.html

  「日本スリーデーマーチ2016」 2016/11/11投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-89c3.html

  「日本スリーデーマーチ2015」 2015/11/12投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/2015-3fcc.html

  「日本スリーデーマーチ2014」 2014/11/10 投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-ba9a.html

  「日本スリーデーマーチ」 2012/11/17 投稿
   http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-ba9a.html

2022年11月13日 (日)

皆既月食と天王星食

 2022年11月8日(火)の夜、皆既月食と天王星食を観察・撮影する。

 

●皆既月食

 11月8日の夜、皆既月食があった。8日は冬型の気圧配置で、太平洋側の地域を中心に晴れて、全国的に観察できたという。月は18時9分から欠け始め、19時16分に皆既食となる。皆既月食になると、月が地球の影に隠れてで真っ黒になるのではなくて、大気がまるでレンズのような役割をして、太陽光が屈折して赤い色だけが届いて「赤銅色(しゃくどういろ)」のブラッドムーン(血の月)になる。

 国立天文台の情報によれば、皆既食は86分間続いて20時42分に終わり、その後は徐々に月は地球の影から抜けて、21時49分に部分食が終わるという。

 皆既月食(2022年11月8日) 出典:国立天文台 ホームページ 

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 夕方6時半頃から皆既月食の最大になる20時頃まで、自宅2階のベランダから観察と撮影した。

 部分月食 18:36 と 18:39

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 部分月食 19:04 と 19:10

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 皆既月食 19:18 と 19:54

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 皆既月食 月の左下に2つある星の上の方が天王星らしい。(写真をクリックすると拡大表示します)

 だんだん同じ姿勢で、眼も疲れてきたし寒いので、残念ながら撮影を止めてしまった。集中力や根気が続きません。

 

●天王星食

 月食の最中に、赤銅食の月が天王星を隠す「天王星食」が起こる。天王星は約6等級で、薄い青色に見える。普段の満月のすぐ近くであれば、明るさに負けてしまうが、天王星の潜入時に月が皆既食中で暗いため、見つけやすい。条件が良いと肉眼でも見えるという。

 天王星食(11月8日東京の予報) 出典:国立天文台 ホームページ

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 撮影できなかったので、国立天文台のライブ映像(YouTube)から引用する。

 20:11:09 皆既月食と左下に天王星 出典:国立天文台 ライブ配信(YouTube) 

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 20:26:38 皆生月食 左下の天王星が月に接近 出典:国立天文台 ライブ配信(YouTube) 

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 20:40:06 天王星の潜入 出典:国立天文台 ライブ配信(YouTube) 

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 21:22:57 天王星の出現 出典:国立天文台 ライブ配信(YouTube) 

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 ★ ★ ★ 

 皆既月食の撮影は、これまで何回か挑戦したが、今回はうまく撮れた方だ。ただ残念なのは月の高度が高くなって、カメラで追いにくくなったり集中力が切れて、天王星食まで待てずに撮影を止めてしまった。あとで他の天王星食の写真を見て、続けていれば撮れたはずだったのだが。

 日本全国で皆既月食が見られたのは、2021年5月26日以来、1年5か月ぶり。このときは、あいにく曇っていてうまく撮影できなかった。次回の皆既月食は、2025年9月8日だそうだ。

 国立天文台によると、日本で皆既月食と「天王星食」が重なるのは過去5千年で一度もなく、極めてまれな現象だという。皆既月食と「惑星食」が同時に観測できるのは、1580年7月以来442年ぶり。「天王星食」は、「惑星食」の一種。日本で皆既食中に「惑星食」が起こったのは、1580年7月26日の「土星食」以来442年ぶり。次回は322年後、2344年7月26日の「土星食」だそうだ。

 

 本ブログの「皆既月食」関連の記事

  「スーパーブラッドムーン2021」 2021/5/28 投稿

    http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-304988.html

  「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」 2018/2/1 投稿
    http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/post-c65d.html

  「ブラッドムーン」 2014/10/09 投稿
    http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-9a83.html

  「スーパームーン」 2014/09/11 投稿
    http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-6715.html  

  「赤い月」 2014/04/17 投稿
    http://otsukare-sama.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-66f6.html

2022年11月11日 (金)

渋沢栄一ゆかりの地ウォーク

 2022年10月30日(日)、埼玉県深谷市の渋沢栄一ゆかりの地を巡るウォーキング。

 10:20、JR深谷駅の市営南駐車場に乗用車2台で到着。

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 深谷駅舎は、「関東の駅舎百選」にも選ばれている東京駅の赤レンガ駅舎をモチーフにしたデザイン。大正時代に竣工した東京駅・丸の内口駅舎の建築時、深谷にあった「日本煉瓦製造」で製造された煉瓦が70km以上離れた東京駅まで鉄道輸送されて使われたことに因み、1996年(平成8)に改装された。ただしこの深谷駅は、コンクリート壁面の一面にレンガ風のタイルを貼ることによって東京駅に似せているという。

 深谷駅北口から、渋沢栄一記念館行のコミニティバス「くるりん」に乗車、10:55出発。料金は200円。

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 11:20 、終点の「渋沢栄一記念館」着。バスを降り、「青淵(せいえん)公園」を通って旧渋沢邸「中の家」(なかんち)に向かう。

●青淵公園・青淵由来之跡の碑 11:30~11:35

 深谷の血洗島にあった渋沢栄一の生家の近くの「青淵公園」は、清水川の調整池も兼ねた清水川沿いに広がる9.8haの細長い公園。芝生やこども広場などがあり、市民の憩いの場になっている。11月3日からイルミネーションが点灯するという。

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 旧渋沢家「中の家」のすぐ裏手に、清水川の伏流水が湧く大きな淵があり、1937(昭和12)年、栄一の雅号「青淵」の由来を記念する記念碑が建つ。この碑は皇太子明仁親王の生誕奉祝記念事業として、埼玉県大里郡八基村(やつもとむら)青年団により発起・建設された。

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●旧渋沢邸 「中の家」(なかんち)11:35~12:00

 旧渋沢邸の立派な正門。門をくぐると正面に主屋がある。

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 旧渋沢邸「中の家」主屋は、渋沢栄一生誕地に建ち、栄一の妹の夫・市郎によって1895年(明治28)上棟された。梁間5間、桁行9間の切妻造の2階建、西側に3間×3間の平屋部分等を持つ。また、主屋を囲むように副屋、土蔵、正門、東門が建ち、屋根に「煙出し」と呼ばれる天窓のある典型的な養蚕農家の形を残している。

 栄一は、多忙の合間も時間をつくりたびたびこの家に帰郷した。東京飛鳥山の栄一の私邸は、空襲によって焼失したため、この家は現在残る栄一が親しく立ち寄った数少ない場所という。渋沢家の住宅として使われていたが、1985年(昭和60)より「学校法人青淵塾渋沢国際学園」の学校施設として、多くの外国人留学生が学んだ。2000年(平成12)の同法人解散に伴い深谷市に帰属。県指定旧跡、市指定史跡。

  主屋は、今年1月から~2023年(令和5)4月末予定で改修工事中、外観がネットで覆われて見られない。

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 主屋の写真の出典は、ウィキメディア・コモンズ。

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 藍玉(あいだま)取引の店として使われた副屋。また八基村農業協同組合が設立された折には、事務所として使われた。副屋の左手には東門と土蔵が並ぶ。

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 12:00~12:25、「青淵公園」に戻り、東屋で昼食。清水川の堤防を「渋沢栄一記念館」に向かって歩く。

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 赤城山と榛名山 浅間山、日光連山、秩父連山などの展望が広がる。

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●渋沢栄一記念館 12:40~13:20

 渋沢栄一の生家(血洗島)から東に500mほどの清水川のほとりにあり、渋沢栄一に関する展示を行っている。

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 1995年(平成7)11月11日、栄一の命日に開館した記念館。ガイドの案内で館内の渋沢栄一資料室(撮影禁止)に入る。

 資料室の入口にある栄一の等身大パネルと記念館の北側に建つ銅像。身長は150cmちょっとだったとか。

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最初に、栄一の年譜が掲示。青春時代~尊攘派志士、一橋慶喜の家臣へ。幕臣となり欧州訪問。大蔵省、実業家の時代。引退後の教育・医療・福祉活動などと分かれている。また栄一の遺墨や写真などが展示されていた。体育室では渋沢栄一に関する映像を見ることができ、2階の講義室ではアンドロイド渋沢栄一の講義を聞くことができるが時間の関係でパス。

●尾高惇忠生家 13:40~14:00

 尾高惇忠(じゅんちゅう)は渋沢栄一の従兄であり、栄一はこの尾高家に通い惇忠に論語をはじめ多くの学問を師事した。惇忠は、明治維新後は富岡製糸場の初代場長や第一国立銀行の森岡支店庁舎先代支店長などを務め、幅広く活躍した。

 尾高惇忠と渋沢栄一 出典:ウキメディア・コモンズ

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 この生家は、江戸時代後期に惇忠の曽祖父が建てたといわれ、当時は「油屋」の屋号で呼ばれ、この地方の商家建物の趣を残している。尾高家は 、農業のほかに菜種油、藍玉製造 、販売、 塩、雑貨等を販売しており、使用人も雇っていた。

 尾高惇忠生家 出典:ウキメディア・コモンズ

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 惇忠や栄一らが、高崎城乗っ取り計画を謀議したと伝わる部屋が二階にあるという。市の指定史跡。主屋敷の裏には、煉瓦倉庫も残る。

 惇忠の弟で、渋沢栄一の養子・渋沢平九郎や、惇忠の長女で富岡製糸場伝習工女第一号となるゆう(勇)もここで生まれた。平九郎は、幕臣のとして彰義隊・振武軍に参加して飯能戦争を戦ったが、敗北し自害した。旧渋沢邸「中の家」の裏には、栄一が作らせた平九郎の石碑があった。

 尾高淳忠生家を出て、深谷ネギ畑の農道を歩く。

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 利根川支流の小山川の堤防を右手橋の向こうに見える大寄(おおより)公民館に向かって歩く。

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●誠之堂・清風亭 14:25~14:40

 大寄(おおより)公民館の敷地内にある「誠乃堂」(せいしどう)と「清風亭」に入る。

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 「誠之堂」は1916年(大正5)、「清風亭」は1926年(大正15)の建設。東京都世田谷区にあった「第一銀行」の保養・スポーツ施設「清和園」に建てられていたもので、平成に入り深谷市に移築・復元された。いずれも建築史上、大正時代を代表する重要な建物。

 「誠之堂」は、渋沢栄一の喜寿(77歳)を祝って「第一銀行」(現在みずほ銀行)の行員たちの出資により建築された。外観は英国農家風、室内装飾に東洋的な意匠。栄一は、日本の近代経済社会の基礎を築いた。その拠点が「第一国立銀行」で、1896年(明治29)「第一銀行」となり、栄一は、その初代頭取を務め、喜寿を機に辞任した。2003年(平成15)、国の重要文化財に指定された。

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 「清風亭」は、当時「第一銀行」2代目頭取であった佐々木勇之助の古希(70歳)を記念して、「清和園」内に「誠之堂」と並べて建てられたスペイン風様式鉄筋コンクリート造り。建築資金は、「誠之堂」と同じく行員たちの出資によるもの。 佐々木も栄一と同じく、行員たちから強く慕われていたそうだ。2004年(平成16)、埼玉県指定有形文化財に指定された。

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 小山川の堤防を旧煉瓦製造施設に向かって進む。

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●旧煉瓦製造施設 15:15~15:45

 日本煉瓦製造株式会社の旧事務所(煉瓦資料館)に入る。旧事務所は、ドイツ人煉瓦製造技師チーゼの居宅兼事務所として建築され、当時の西洋建築の様式を残し、現在は資料館として利用されている。当初は別の敷地にあったが、3回の曳家移転がなされた。

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 日本煉瓦製造は、渋沢栄一らによって設立。煉瓦技師チーゼを雇い入れて、1888年(明治21)に操業を開始、当地で製造された煉瓦は、東京駅丸ノ内本屋や旧東宮御所(現迎賓館赤坂離宮)などに使用されており、日本の近代化に大きく寄与した。しかし時代とともに煉瓦需要が減少、安価な外国産の市場拡大で2006年(平成18)、約120年の歴史に幕を閉じた。

 煉瓦資料館 工場の全体模型

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 明治40年に建設された「ホフマン輪窯」の建物が6棟ある。右上の隅、川のほとりに旧事務所が見える。

 工場の一部として「ホフマン輪窯6号窯」「旧事務所」「旧変電室」が残り、専用線であった「備前渠鉄橋」とともに1997年(平成9)年5月、国の重要文化財に指定され、2007年(平成19)度に深谷市に寄贈された。ホフマン輪窯は、この旧煉瓦製造施設の他には、栃木県、京都府、滋賀県にそれぞれ1基が現存するのみで、全国では4基しか残されていないという。

 煉瓦資料館 明治40年建設のホフマン輪窯(6号窯)の模型。

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 「ホフマン輪窯6号窯」は、保存修理工事のため、2019年(平成31)2月から見学休止中。再開は2024年(令和6)頃の予定。 

 旧日本煉瓦製造のホフマン窯とその内部 出典:ウキメディア・コモンズ

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あかね通り(遊歩道) 15:50~16:30

 日本煉瓦製造が製造した煉瓦の当初の輸送手段は、利根川舟運であった。しかし安定性に欠けるため輸送力向上を目的として、1895年(明治28)に深谷駅から工場までの約4.2kmにわたって、日本初の専用鉄道が敷かれた。やがて煉瓦の出荷量の減少により、1972年(昭和47)から運用休止となり、1975年(昭和50)3月に全線の廃止届が提出され、翌年の3月に線路用地が深谷市に譲渡された。

 廃線跡は、線路が撤去され、歩行者と自転車が通れる遊歩道「あかね通り」となっている。

 15:50、国の重要文化財「備前渠鉄橋」を通過。ここから遊歩道「あかね通リ」を歩き始める。

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 下を流れる「備前渠」(びぜんきょ)は、1604年(慶長9年)に関東郡代の伊奈備前守が江戸幕府の命で開削した埼玉県最古の農業用水路。鉄橋は、「プレートガーター橋」(鋼板の橋桁の意)が採用されている。

 専用鉄道には3ヶ所の鉄道橋(備前渠鉄橋、唐沢川鉄橋、福川鉄橋) が架けられていた、そのひとつが県内最古の農業用水路でもある備前渠用水に設置された「備前渠鉄橋」。1スパンで、全長15.7mと3つの鉄橋でも最長の橋桁。イギリス人の鉄道技師ポーナルが設計。またすぐ脇には、備前渠用水から分水する新井用水の上に架けられた長さ2mの「煉瓦アーチ橋」も遊歩道となっている。 

 何故か廃線跡の遊歩道中央に大きな樹木がある。

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 福川を渡った先にある公園「ブリッジパーク」には、この路線で使用されていた「福川橋梁」やその脇に架けられていた「福川避溢(ひいつ)橋」が移築、保存されている。また「唐沢川鉄橋」は深谷駅の北口から東へ300mの地点に位置し、深谷市へ譲渡されたさいに橋の名は、「つばき橋」に変えられている。

深谷城址公園 16:40~16:45

 深谷城は、1456年(康正2 )に深谷上杉氏の上杉憲房(のりふさ) が古河公方(関東足利氏)の侵攻に備えて築城。1590年(天正18)、秀吉の小田原征伐まで、深谷上杉氏の居城だった。家康の関東入部に伴い、松平康直が1万石で入城し深谷藩となった。その後、藩主が何代か代って酒井忠勝(後の老中・大老)が1万石で入封したが、1627年(寛永4)に川越へ移封となり、深谷藩は廃藩、1634年(寛永11)に廃城となった。

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 ちなみに、武蔵国岡部(旧大里郡岡部町、現深谷市)を本拠としていた安部家の岡部藩領から、豪農から幕末に渋沢栄一、渋沢成一郎(喜作)、尾高惇忠などが輩出した。渋沢栄一と成一郎は一橋家慶喜の下で士分に取り立てられ、慶喜の将軍就任後は直参旗本となった。

 深谷城の城跡一帯が、深谷城址公園として整備されている。 外堀に沿って桜が植えられており、市民の憩いの公園。城跡は埼玉県指定旧跡、また外堀(外濠)の一部が深谷市指定史跡。周辺には深谷市文化会館、県立深谷高校、深谷第一高校、深谷商業高校や深谷市役所などが集まる市の中心街となっている。

 16:40、「深谷城址公園」の中を通過し、深谷駅に17:05着。

 この日の歩数は、22,500歩、距離13.5Km。渋沢ゆかりの地を学び、秋晴れの気持ちの良い、久し振りのウォーキング日和だった。

 

 ★ ★ ★

●韮崎直次郎の富岡製糸工場建設

 「尾高惇忠生家」のガイドの話では、富岡製糸工場ゆかりの深谷出身の偉人として、渋沢栄一、尾高惇忠とともに、あまり知られてない韮崎直次郎がいる。直次郎は、尾高家の住み込みの使用人・久保田熊次郎と同じく使用人であった母・銀の長男で、尾高家の離れで生れた。やがて韮塚家の養子となり、苦労して農業、養蚕、藍玉作り、菜種油の製造・販売に力を注いだ。尾高家の物心両面の力添があったと思われるが、 幕末には豪農としての地位を築いた。

 この直次郎のひたむきに努力する姿を尾高惇忠が見ていて、直次郎に対して深い信頼を寄せたようだ。富岡製糸工場の建設において西洋式建物の資材調達のまとめ役を任された。主な建築資材であった西洋の煉瓦は、製造方法もわかっていない中、地元の瓦職人を束ね、試行錯誤のうえ煉瓦を焼き上げることに成功したという。

●諸井恒平の秩父セメント設立

 諸井恒平は、武蔵国児玉郡本庄宿(埼玉県本庄市)出身の実業家。1878年(明治11)わずか16歳で本庄生糸改所頭取に推され、1886年(明治19)には児玉郡外二郡蚕糸組合の副頭取、同年24歳で本庄郵便局長になった。若い頃から事業家としての才覚があった。遠戚である渋沢栄一の勧めで、1887年(明治20)に日本煉瓦製造(株)に入社。支配人、取締役を経て、1907年(明治40)には専務取締役に昇進。その間、日本工業協会理事、東京毛織(株)専務取締役にも就任する。

 恒平の名を不動にしたのは、秩父鉄道の取締役となった1910年(明治43年)に武甲山の石灰岩に注目し、セメント製造事業の開拓を手掛けたこと。セメントの需要拡大を見込み、栄一の資金援助のゴーサインが出て、日本煉瓦社内に秩父セメント発起準備室が設けられた。1923年(大正12)に秩父セメント会社を設立、1925年(大正14)には秩父鉄道の社長も兼ねた。密接な関係にあったため両会社の発展に寄与した。この他にも大正、昭和を通して次々と要職に就いた。

 近代の諸井家は3家あり、北諸井、南諸井、東諸井と呼ばれた。恒平を世に出した東諸井家は、その他にも多くの逸材を育て、日本の近代化に深く貢献した。恒平の長男である諸井貫一は「経済団体連合会」「経済同友会」の創始者である。また、恒平の弟に当たる諸井六郎は、外交官として条約改正に尽力。他の弟たちも実業家として日本の近代化に貢献している。三男の諸井三郎とその次男諸井誠は、作曲家・音楽評論家として業績を挙げている。

●渋沢栄一の強運

 「近代日本経済の父」、新1万円札の顔ともなる渋沢栄一は、幼少の頃からとても頭が良かったという。また父親の藍玉売りに同行したりして、商才に長けていた。岩崎弥太郎と違い、財閥を作らず戦争に協力しなかった。「渋沢栄一記念館」のガイドは、彼は「強運」の持ち主だったと言う。

 江戸末期から明治へと、日本が近代化をめざして変革しようとする激動の時代においては、井伊直弼、吉田松陰、坂本龍馬、中岡慎太郎、近藤勇土方歳三、西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文・・・といったすぐれた人物が、悲運にも次々と倒れた。確かに、栄一もひとつ間違えれば、そういう生涯を送ったかもしれない。確かに彼は、歴史の流れに乗った4つの「強運」を持っていた。しかも長寿で1931年(昭和6)11月11日、老衰のため91歳で逝去した。

➊尊皇攘夷の青年期

 藍の商いをおこなう農家の子として生まれた渋沢栄一は、日本の将来を憂いて過激な尊王攘夷派となった。討幕をめざして武具を買い整え、従兄弟の渋沢喜作ら69人の同志を募り、攘夷蜂起を目的とする同志を組織。1863年(文久3 )年11月に、高崎城を乗っ取って武器・弾薬を奪い、鎌倉街道を南下して横浜を焼き討ち、外国人を切り捨てる、長州藩と連携して幕府を倒すという計画を立た。

 同志との会合の席上で、栄一の従兄弟であり妻の兄である尾高長七郎が、天誅組の失敗を例に挙げて計画の実行を反対した。栄一は決行を主張し議論は平行線。しかし幕府がこの計画を察知し動き出していたため、計画は実行されず栄一と喜作は連れだって京都へ逃れた。血気に走る一歩手前で、反逆者として処刑される危機を切り抜けた。これが1番目の「幸運」だった。

➋幕府側への転身

 一橋家の重臣、開国派の平岡円四郎に出会い、「世界を知らずに、攘夷を論じている自分」を知らされ、眼を開かされる。渋沢栄一と喜作はまさに180度の転身をして、平岡の推挙により喜作と共にかつて敵であった幕府側、一橋家の家臣となった。これが2番目の「幸運」となった。

➌西洋で学ぶ

 幕府の最後の将軍・徳川慶喜の家臣となった栄一は、慶喜の弟、民部公子(徳川昭武)の随行して、中国、シンガポール、エジプトを経由して、パリ万国博覧会が開催されるフランスへ渡る。そこで、渋沢は西洋の文化、社会にじかに触れ、日本より遥かに進んだ鉄道や兵器、科学技術などに驚く。とりわけ、彼の心を揺り動かしたのは、銀行を中心とした経済構造であり、株式会社による近代資本主義だった。3番目の「幸運」は、異国で学ぶ機会を得たこと。

 そして、日本に帰ってきた時には幕府が倒され、明治維新によって江戸幕府は消滅していた。時代の大きな激変の時に、渋沢栄一が外国にいたため、それに巻き込まれなかったことも「強運」であった。、栄一の見立養子(相続人)の渋沢平九郎は、彰義隊に参加して敗北し自害している。

 「近代国家は強力な軍隊だけではなく、自由な取引による商工業によって支えられている。日本も遅れてはならない」。栄一はそのことを痛感し、日本に戻ってきたあと、慶喜が身を寄せていた静岡藩で、商法会所(株式会社)を始め、順調に発展する。栄一は慶喜に「私はこれからもあなたをお支えしたい」と伝えるが、慶喜からは「私に仕えなくていい。自分の人生を生きなさい」と諭される。明治政府に呼ばれ、大隈重信に説き伏せられて、大蔵省の役人となった。

➍自分を生かす道は実業家

 大蔵省の役人となった栄一は、日本の近代化をめざして、財政、地方行政、殖産興業等を精力的に進めた。しかし障害が多く、「自分の生きる道は、ここではない」と悟り、自力で切り開く決意を固めたことも第四の「幸運」となった。自分をもっとも生かす道、実業家となった栄一は、少年期に学んだ孔子の『論語』の精神を生かして、「私利私欲を追求し、ひたすら営利をむさぼる実業家ではなく、たくさんの人に利益をもたらす、仁愛の精神を持った実業家」になろうとした。

 国家や社会のための「公益」を大切にするという考えのもと、栄一は第一国立銀行や東京商法会議所を設立、王子製紙、日本郵船、帝国ホテル、札幌ビール、東京電力、東京ガスなど500社におよぶ株式会社を立ち上げ、会社の経営に携わった。さらに「経済活動だけでなく、社会公共事業が大切」と医療や教育を支援し、東京慈恵会、日本赤十字社、聖路加病院、理化学研究所等の設立に関わり、一橋大学や同志社大学、二松学舎、早稲田大学、日本女子大学等の設立を助けた。

 特に力を注いだのは、養育院。明治維新により社会体制が大きく変わり、職を失う人、孤児や老人、障害者など多くの生活困窮者がいた。養育院は1892年(明治5)、明治政府が生活困窮者の保護施設として設立。渋沢は1874年(明治7)から事業に関わり、1879年(明治12)初代養育院長となって運営に携わり、死ぬまでの50年余り院長を務めた。「怠け者など税金で養うべきではない」との議論に、栄一は「政治は仁愛に基いて行なうのは当然」と、公的支援を訴えた。

●論語と算盤

 渋沢栄一は、「なによりも良心と思いやりを大切にしなければ」と、労働組合を助け、貧しい人のための「生活保護法」をつくり、社会福祉にも尽力した。その信念を、『論語と算盤』という著書にまとめている。栄一は経済人・実業家であるだけでなく、確固とした哲学をもった思想家でもあった。

 道徳と経済とは、孔子の教えである論語から、「道徳なくして経済なし 経済なくして道徳なし 」という考え方。「徳で収める儒教の考え方を経済に取り入よう」と考えた。そして、ただお金儲けをするのではなく、世のため、人のため、または日本の繁栄のために『徳』を積むようなビジネスを、相反する働き方と融合しようと「道徳経済合一主義」を試みた。この考え方は、道徳に欠け、金儲け主義や自己中心的な働き方が多い現代社会にも必要だ。

 岩崎弥太郎は三菱財閥の創始者で同時代に活躍したが、事業を独占しすることで、富も独占しようと考えた。栄一は自ら財閥を立ち上げるという、出世欲や名誉欲というものは全くなかった。 事業を大きくして得た利益は社会に還元し、「公益」を追求することで日本を豊かにしようと考えた。道徳的に正しいことを続けることが公益になり、やがて自分にも返ってきて豊かになると考えた。このような論語思想から、教育・福祉事業への投資・寄付を惜しまなかったという。

 ところで、後にキリスト教の洗礼を受けた大原孫三郎は、倉敷紡績、倉敷絹織、倉敷毛織、銀行、電力会社などの社長を務め、大原財閥を築き上げた。孫三郎は、石井十次の社会福祉事業の影響もあり、工員の教育や環境改善、農業改善のほか、社会・文化事業にも熱心に取り組んだ。倉紡中央病院、大原美術館、大原奨農会農業研究所、倉敷労働科学研究所、大原社会問題研究所、私立倉敷商業補習学校を設立した。孫三郎と渋沢栄一が、社会へ還元する経済の考え方が共通することを知って、改めて当時の実業家の偉大さを思う。

2022年11月 6日 (日)

新型コロナ2022.10 増加に転ず

 新型コロナウイルス感染症は、7月には「第7波」となって全国的に急増、8月10日の全国の新規感染者は過去最多の25万人超、自宅療養の感染者も10日時点で過去最多の154万人、重症者や死者も増加した。8月下旬からは減少傾向が続いているが、この冬は季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行「第8波」が懸念されている。今月19日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.35倍と8月下旬以来およそ2か月ぶりに増加に転じた。

 2022年10月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.10 第8波懸念」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【10月16日】

●「宿泊料金が軒並み高く‥」 全国旅行支援で 「便乗値上げ」?

 新型コロナの水際対策が大幅に緩和され、街中には海外からの旅行客の姿が多くみられるようになった。一方、水際対策の緩和とともに始まった「全国旅行支援」の影響で、SNS上にはホテルや旅館の宿泊料金について「どこのホテルも軒並み金額が高くなっている」、「予約を取り直そうとしたら金額が2倍以上になっている」などと、割引きを前提とした値上げ、いわゆる「便乗値上げ」をしているのではないかという声が上がっている。

 宿泊予約サイトの担当者によると、「全国旅行支援」が始まってから全体的に予約が増加し、宿泊料金が高くなる傾向がみられるという。観光庁の担当者は、「料金設定の方法や考え方は事業者によって異なるため、どこからが不当な値上げなのかを一律に定めることはできない。ただ、割引きを前提にした不当な値上げがされないよう都道府県を通じて事業者に周知していく」と話している。

●雇調金、企業の不正135億円 手続き簡素化背景に コロナ下 920件

 企業が従業員に支払った休業手当を国が補助する「雇用調整助成金」(雇調金)をめぐり、コロナ下での不正受給が9月末までに920件、総額135億円にのぼることが分かった。迅速に支給するため、手続きを簡素化したことなどが背景にある。雇調金の支給対象は、売上高が一定程度減るなどした企業。従業員の休業手当を補助することで、解雇を防ぐ狙いがある。

 厚労省はコロナ禍を受けて雇調金を拡充した2020年以降、雇用保険に非加入の非正規労働者らの休業手当を補助する「緊急雇用安定助成金」も含めた不正受給額を集計。135億円のうち、102億円は回収済みで、残りも回収を続けている。

●全国で新たに2万9416人が感染 5日連続で前週を上回る

 国内感染者は16日、新たに2万9416人が確認された。前週の同じ曜日(9日)より6802人多く、5日連続で1週前の感染者数を上回った。死者は15人。16日の新規感染者が都道府県別で最も多かったのは東京都の2714人で、大阪府2318人、北海道2089人、神奈川県1690人と続いた。

 10月16日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月17日】

●ゼロコロナ、経済停滞続く 中国GDP発表延期 習体制に忖度

 17日午前、中国の経済政策を担う国家発展改革委員会の幹部は記者会見で、「目前で把握している状況を見ると、7~9月期の経済は明らかに回復している」と強調した。その数時間後、 国家統計局は18日に予定されていた7~9月期の国内総生産(GDP)の発表延期を公表。延期理由の説明はなく、主要国営メディアは延期の事実すら報じない。 開会中の共産党大会への影響を懸念したとみられる。

 3期目入りを果たす習総書記の政策によって中国経済は停滞が続いている。9月中旬にはゼロコロナ政策で移動を制限された人は約3億人に上った。文化旅行省の発表によると、中国の長期連休である10月の国慶節では、コロナ禍前の2019年に比べ旅行者は6割減った。消費動向を示す小売総額も2021年ごろから低調が続く。低迷する経済指標を前に、発表延期は「習1強体制」が完成する党大会に水を差さないよう忖度が働いた可能性もある。

●コロナとインフル同時流行に備え、「わかりやすい周知重要」

 この冬に懸念される感染拡大について、政府は、新型コロナが一日45万人、インフルエンザが一日30万人の規模で同時に流行し、ピーク時には一日75万人の患者が発生する可能性を想定して対策を進める。こうした中、東京都は17日、都内の医療提供体制の整備など対策を検討する会議を開き、出席した専門家からは「同時流行が起きると発熱外来の混乱が懸念される。相談窓口や検査・受診体制を準備し、都民への分かりやすい周知が重要」とする指摘が相次いだ。

 また会議では「検査キットや解熱剤などを備蓄する重要性を都民により理解してもらう方法が必要」とか「オンライン診療の拡充とともに、コロナの患者を診療できる医療機関の数をさらに増やすべき」などといった意見も出された。都は、同時流行に備え、陽性者登録センターの受け付け枠の引き上げや、インフルの治療薬を迅速に受け取れる仕組みなどを検討しており、17日の専門家の意見も踏まえ具体的な対策を取りまとめることにしている。

●オミクロン対応 職域接種始まる

 オミクロン株に対応したワクチンの職域接種が17日、始まった。社会経済活動を回す方向へかじを切るなか、政府は現役世代への接種加速をめざす。だが、実際には職域接種は進んでいない。自治体での接種も進んでいることもあり、コロナワクチンとしては4回目となる今回の職域接種を申し込んだのは12日時点で731会場。1~2回目は約4千会場を設置して約970万人が接種を受けたが、3回目は約3千会場で約430万人に減っていた。

●自治体向け交付金、7.3億円が「不適切」 20年度コロナ対応 検査院調べ

 新型コロナ対応で国が地方自治体に交付する「地方創生臨時交付金」(コロナ交付金)について、会計検査院が検査したところ、約7億3千万円の不適切な支出が確認された。効果が把握できないケースも多数あるとして、検査院は17日、内閣府などに改善を求めた。コロナ交付金は、2020年4月に閣議決定されたコロナ対応の「緊急経済対策」に位置づけられた。感染拡大の防止、雇用の維持と事業の継続、経済活動の回復、などを目的とした事業が対象となる。

 自治体の「実施計画」に基づいて交付され、2020~21年度に予算計上された総額は約15兆2千億円。生活支援などを目的に、8県と596市区町村が行った商品券の無償配布事業では、30市区町村で未使用の商品券(交付金額約6695万円)が精算されず、活用されないまま。また、中小企業などが融資を受ける際の保証料の補助事業では、3県と82市区町村で約5億4750万円が自治体に滞留。水道料の減免事業で、対象にならない公共施設が含まれているところもあった。

【10月18日】

●米、新型コロナとインフル、両方のワクチン接種を呼びかけ

 新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念される中、米国では来月下旬の感謝祭の時期を前に両方のワクチンを接種するよう呼びかけが行われている。日本とは季節が逆で、インフルの流行の時期が半年ずれる南半球のオーストラリアでことし、コロナが拡大する前と同じ程度のインフルの流行が起きた。

 バイデン政権で新型コロナ対策調整官をつとめるアシシュ・ジャー氏は、今月、同時流行への危機感を示したうえで「インフルと新型コロナの両方のワクチンを打ちに行ってほしい。皆さんがそうすれば、この冬、一日に何百人もの命が救われることになるだろう」と述べ、両方のワクチンの接種を呼びかけた。米国CDC(疾病対策センター)は今月14日「インフルの増加が多くの地域で報告されている」として、ワクチンの接種を早めに済ませるよう呼びかけている。

●同時流行、3段階で呼びかけ 政府 感染状況別後リスク者を意識

 今冬懸念される新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行について政府は18日、感染状況を3段階に分けて対策を呼びかける方針を決めた。段階が進むにつれ、重症化リスクが高い人への速やかな発熱外来の受診や、リスクが低い人への自宅療養を促すメッセージを強めていく。厚労省がこの日、同時流行対策の会議を開催した。想定では感染状況を、①落ち着いている、②同時流行の兆しが見える、③同時流行により医療逼迫が懸念される、の3段階に分けた。

 ①では、双方のワクチン接種を促し、コロナの抗原検査キットと解熱薬の事前購入を呼びかける。②では、症状が出た高齢者や小学生以下の子どもなど高リスク者に発熱外来の受診を、自主検査で陽性となった高リスク者以外には「健康フォローアップセンター」の活用を呼びかける。③では「医療機関が速やかに受診できない状況」「高リスク者を守るため一層のご協力を」と呼びかけ、自宅療養中の体調悪化に対応する相談窓口も周知する。

 10月18日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月19日】

●WHO、新型コロナ「緊急事態」宣言、当面続ける方針

 WHOは19日、本部のジュネーブで記者会見を行い、2020年1月から新型コロナの感染拡大に出している「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言について、解除できるか今月13日に専門家による委員会を開き、初めて本格的に検討したことを明らかにした。委員会では、世界での死者数が依然として多いことや、変異ウイルスのリスクがまだよくわからないといった意見が出たことで、「緊急事態の宣言を解除するには早すぎる」という判断で一致した。

 WHOのテドロス事務局長は「いまのパンデミックは私たちを驚かせたが、今後再び驚かせる可能性がある」と述べ委員会の判断に従って宣言を当面、続ける方針を明らかにした。世界の新規の感染者数や死者数は減少傾向にあるが、ドイツやフランスなどでは感染者数や入院者数が再び増えるなど、新たな感染拡大への警戒も出ている。

●9月の外国人旅行者、コロナ感染拡大以降初めて20万人上回る

 先月、日本を訪れた外国人旅行者は新型コロナ感染拡大以降、初めて20万人を上回った。観光局によると先月、観光客を含めて日本を訪れた外国人旅行者は推計で20万6500人。20万人を上回るのは2020年2月以来で、前の月に比べて3万6700人、率にして21.6%増。国別では、韓国が3万2700人、次いでベトナムが3万900人、米国が1万8000人、中国が1万7600人となっている。

 先月7日に、3回目のワクチン接種を条件にすべての入国者に求めていた陰性証明書の提出の免除や、添乗員を伴わないツアーも認めるなど、水際対策が緩和されたことで、ビジネスや観光目的での入国が増えた。水際対策は、今月11日にさらに緩和されて、観光目的の個人旅行も解禁されたほか、さらに円安で外国人にとっては日本への旅行が割安になっていることから、今後も外国人観光客の増加が期待されている。

●「感染症危険情報」、全世界をレベル1に 渡航自粛要請国なくなる

 外務省は、新型コロナの感染状況が世界で総じて改善してきていることや、G7(主要7か国)の各国もすでに国や地域別のレベルの指定を取りやめていることなどを踏まえ、「感染症危険情報」のレベルを見直し、19日付けで、全世界を渡航に際して十分注意するよう呼びかける「レベル1」とした。これまで76の国と地域を「不要不急の渡航」をやめるよう渡航自粛を要請する「レベル2」としていたが、今回の見直しで、渡航自粛を要請する国などがなくなった。

●ワクチン3回目以降の接種、5か月の間隔を3か月に短縮へ

 オミクロン株に対応したワクチンで行われている3回目以降の接種について、少なくとも5か月としている前回の接種からの間隔を少なくとも3か月に短縮することが、19日に開かれた厚労省の専門家による部会で了承された。3か月に短縮してもウイルスの働きを抑える「中和抗体」の値の上昇が確認されたほか、安全性についても特段の懸念はないという。早ければ10月下旬にも運用が始まる見通し。

 米国や欧州の多くの国では2か月もしくは3か月と定めていて、日本でも短縮するべきだという意見が上がっていた。対象となるのは10月に接種が始まったオミクロン株「BA.5」などの対応ワクチンや、9月に接種が始まった「BA.1」対応ワクチン、さらに従来型のワクチンと、日本で打つことができるファイザーとモデルナのワクチンが対象。冬場の感染拡大や季節性インフルとの同時流行が懸念される中、年内により多くの人が接種できるようにする。

【10月20日】

●オミクロン株対応ワクチン、接種間隔を3か月に

 オミクロン株対応ワクチンは、12歳以上を対象にした3回目以降の追加接種として、先月20日から「BA.1」対応ワクチン、今月13日から「BA.5」対応ワクチンの接種が始まっている。

 19日に厚労省の専門家による部会で少なくとも3か月に短縮することが了承され、20日に開かれた分科会で、21日から運用を開始する方針を決めた。厚労省は、年末年始に懸念される感染拡大に備え、希望する人全員が年内に接種を行えるようにする方針。ファイザーの「BA.1」対応ワクチンと「BA.5」対応ワクチン、モデルナの「BA.1」対応ワクチン、合わせておよそ9908万回分を来月下旬にかけて自治体に配送する計画。

●専門家会合、新規感染者数増加続く可能性 「第8波」も

 厚労省の専門家組織は20日、全国の1週間の感染者数が8週間ぶりに増加に転じたと報告した。ほぼすべての地域で増加に転じ、特に北海道や東北で大きく増加している。高齢者の新規感染者数も増加に転じていて、減少が続いていた重症者や亡くなる人の数は下げ止まり。また、ワクチン接種や感染によって獲得した免疫は時間とともに低下すると考えられ、60代以上では感染による免疫の獲得は少ないことから、今後、高齢者での感染拡大が懸念されると指摘した。

 そして、大都市などでの短期的な予測では増加傾向が続く可能性があるほか、インフルエンザとの同時流行も懸念される。会合では、専門家が今後の感染拡大の「第8波」のリスクについての評価を示し、国内の多くの地域で感染者数が増加に転じていることや、ヨーロッパやアジアの一部の国々で感染拡大が起きている状況などから「第8波の流行が起こる可能性は非常に高いと考えられる」と分析した。

●新規感染者数、前週比1.35倍 およそ2か月ぶりに増加

 20日の専門家組織の会合で示された資料によると、19日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.35倍と8月下旬以来およそ2か月ぶりに増加に転じている。1週間前時点では前週比で感染者数が増えた都道府県はゼロだったが、状況が一変した。首都圏では、東京都が1.25倍、神奈川県が1.16倍、埼玉県が1.23倍、千葉県が1.20倍と増加。前週比が最も高いのは和歌山県で1.75倍。北海道と香川県が1.60倍など、沖縄県を除く46の都道府県で増加している。

人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、山形県が426.49人と全国で最も多く、次いで北海道が396.93人、秋田県が336.63人、長野県が325.63人、全国では196.71人となっています。

●東海道新幹線 この先1か月指定席予約、コロナ拡大前の約90%に

 JR東海によると、10月1日から19日までの東海道新幹線の指定席と自由席を合わせた利用者数は、新型コロナの感染拡大前の2018年の同じ時期と比べて75%となった。一方、10月20日から11月19日までの1か月間の指定席の予約数は、2018年の同じ時期と比べて90%程度まで回復しているという。10月11日には政府の新たな観光需要の喚起策「全国旅行支援」が始まるなど、旅行により新幹線を利用する動きが広がったためとみられる。

【10月21日】

●変異株、世界で続出 免疫効きにくなる方向か

 世界各地でオミクロン株の派生系統が確認されている。国立感染研が21日に評価をまとめた。9月にナイジェリアで見つかった「BQ.1」は、英・仏など欧州を中心に増えている。ワクチンや感染で得た免疫の一部が効きにくいとみられる。9月にシンガポールで、二つの変異株の遺伝子が混ざった組み換え体と呼ばれる「XBB」が確認された。同国では感染者の半数を占め、バングラデシュでも増加傾向。ほかの系統よりも広がりやすい可能性が指摘されている。いずれも日本でも確認され、今月17日時点でBQ.1とその派生系統が検疫と国内で計17人、XBBは計7人。今後増えるおそれがあるという。

 5月に米国で見つかった「BA.4.6」は北米を中心に増加傾向で、米国では現在11%を占める。6月にインドで見つかった「BA.2.75」はBA.5からの置き換わりが一時的に進んだ。いずれも国内で100人以上の感染者が見つかっているが、BA.5が主流の状況は変わっていない。これらのオミクロン株の派生系統は重症度が上がったという明確な報告はない。ただ、細胞への感染しやすさよりも、既存の免疫が効きにくくなる方向への変異が進んだとみられる。

●新型コロナワクチン、大規模接種会場で5回目開始 東京

 オミクロン株対応ワクチンの3回目以降の追加接種について、厚労省は少なくとも5か月としていた前回の接種からの間隔を3か月に短縮する方針を決めた。これを受け、ことし7月に接種を受けた人も21日から追加の接種を受けられるようになり、都の大規模接種会場の1つの都庁の北展望室では訪れた人が何回目の接種になるかなどをスタッフに伝えていた。最多となる5回目の接種も可能となり、来週の25日からは専用のウェブサイトで予約もできるという。

●ワクチンどっち接種? BA.1とBA.5 戸惑う自治体
 
 新型コロナワクチンの接種間隔が21日、「5カ月以上」から「3カ月以上」に短縮された。ただ、オミクロン株に対応したワクチンは2種類あり、政府が「どちらを接種してもよい」などと説明していることで、住民や自治体に混乱が広がっている。オミクロン対応ワクチンは先行して接種が始まったBA.1型と、BA.5型がある。いま流行中のものに対応しているBA.5型の接種希望が増えていて、今回の短縮により、今後さらに希望が増えると各自治体はみている。

【10月23日】

●接種後の症状、「ワクチン」によるものか検証できるシステム開発

 ワクチンの効果や副反応を、接種した人としていない人で比較して検証できるシステムを九州大学のグループが開発した。欧米やアジアの国々で、こういったシステムはすでに導入されている。国内には、接種後に出た症状がワクチンによるものかどうか正確に調べられるシステムがなかったが、予想外の副反応が起きた場合にも対応可能になるとしていて、ワクチンに対する信頼を高めるのに役立てたいとしている。

 開発した福田准教授らは、各地の自治体の協力を得て、およそ130万人分の予防接種台帳などの情報と国民健康保険のレセプト情報からデータベースを作り、接種した人としていない人でワクチン対象の病気になったり、副反応の疑いがある症状が起きたりした割合を比較できるシステムを作った。実際に調べると、従来型ワクチンは「BA.1」が多かった時期に感染を防ぐ効果が56.5%、肺炎球菌ワクチンでは皮膚の炎症が起きる確率が2.5倍だったことが確認できたという。

●全国で新たに3万824人の感染確認 死者37人

 国内感染者は23日、新たに3万824人が確認された。前週の同じ曜日(16日)よりも1408人多かった。全国で発表された死者は37人だった。都道府県別で新規感染者が最も多かったのは東京の2805人。北海道2487人、大阪府2146人、神奈川県1807人、埼玉県1363人、兵庫県1348人と続いた。

 10月23日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月24日】

●中国GDP3.9%増 7〜9月期 年間目標5.5%は困難

 中国国家統計局は24日、18日の発表予定をいったん延期していた7~9月期の国内総生産(GDP、速報値)を発表した。物価変動の影響を除く実質成長率は前年同期比3.9%だった。1~9月期でみると同3.0%で、習近平(シーチンピン)指導部が今年の目標に設定した「5.5%前後」の達成は困難となった。中国政府関係者は「延期を指示したのが誰かはわからない。ただ、党大会期間中に前向きではない数字を発表することなどできるわけがない」という。

 4~6月期は厳しい移動制限を伴うゼロコロナ政策によって上海が2カ月以上もロックダウンされ、北京などでも移動が制限された。そのため、前期に比べ7~9月期は改善したものの、足元で回復が広がっているとは言いがたい。人々の消費の状況を示す小売総額は、同2.5%増と8月から減速した。いまだに各地でロックダウンが断続的に実施され、先行き不安で人々が財布のひもを緩められないためだ。不動産も低調な数字が続く。

●NY メトロポリタン歌劇場など、マスク着用義務撤廃

 新型コロナの感染状況が落ち着いたとして、米ニューヨーク市はことし3月、レストランや劇場などでのワクチンの接種証明の提示や、公共施設の屋内でのマスク着用について義務化を撤廃し、多くの施設が対応を緩和したが、一部の劇場では、その後も独自に接種証明の提示やマスクの着用義務を続けてきた。

 24日、ワクチンの接種が進んだことなどを受けて、世界有数のオペラハウス、メトロポリタン歌劇場や、「音楽の殿堂」とされるカーネギーホールなどでマスクの着用義務が撤廃された。

●山際経済再生相が辞任 教団と接点、追及受け引責 首相、任命責任認める

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりが相次いで表面化していた山際経済再生相(54)は24日夜、首相官邸で岸田首相に辞表を提出した。首相は受理し、事実上更迭した。山際氏は首相と会談後、記者団に教団の問題について「後追いの説明となり、結果として政権に迷惑をかけることになった」と述べた。岸田政権が昨年10月に発足してから、不祥事などで閣僚が辞任するのは初めて。教団の問題をめぐって、政府や党の役職を辞任するケースも初めて。

 首相は8月、教団と自民党の関係が問われる中、内閣改造で山際氏を留任させた任命責任が問われる。首相は記者団に「任命責任は当然感じている。職責をしっかり果たすことによって責任を果たしていきたい」と述べた。後任は25日に発表する。

 

●生後6か月~4歳対象のワクチン 、「努力義務」 他の接種と調整 重要に

 生後6カ月~4歳を対象にした新型コロナワクチンが、24日から接種できるようになる。5歳以上と同じ予防接種法上の「努力義務」がついた。基礎疾患のない子どもでも重症化する例が報告される中、小児科医は接種する意義を指摘している。努力義務は義務とは異なり、本人や保護者が納得したうえで接種を判断することになる。24日から来月下旬にかけておよそ700万回分のワクチンが自治体に配送、準備が整った自治体から順次、接種が開始される。

 ワクチンは、有効成分の量が大人の10分の1で、3回の接種が必要。3週間開けて2回目を接種したあと、少なくとも8週間開けて3回目を接種する。接種を希望する場合、悩ましいのがほかの予防接種とのスケジュール調整。とくに生後6カ月~1歳ごろは、4種混合や麻疹・風疹など、定期接種のワクチンが多い。コロナワクチンは、インフルワクチンと同時接種ができるが、それ以外は原則、前後2週間の接種間隔をあけるとされている。

【10月25日】

●更迭、異例の首相説明 衆院本会議 山際氏後任に後藤前厚労相

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりが相次いで表面化した山際経済再生相(54)は24日夜、首相官邸で岸田首相に辞表を提出した。首相は受理し、事実上更迭した。首相は25日、山際氏の後任に後藤茂之・前厚労相(66)を起用した。同日午後に開かれた衆院本会議では経緯を説明し、「国会開会中に、大臣が辞任する事態となり深くおわびを申し上げます」と謝罪した。与党内でも更迭は遅いという批判も出ている。

 山際氏は、当選6回。昨年10月の岸田政権発足時に経済再生相に就任、看板政策「新しい資本主義」のほか新型コロナ対策も担当。後任の後藤氏は大蔵官僚を経て、当選7回。自民党政調会長時代の首相を政調会長代理として支えた。経済や社会保障分野、特に年金政策に詳しく、昨年10月の岸田政権発足時に厚労相として入閣。新型コロナ担当相だった山際氏とともに、感染者が急増した「第7波」への対応など、新型コロナ対策の司令塔を担った。

 山際大志郎氏と後藤茂之氏 出典:ウィキメディア・コモンズ
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【10月26日】

●「感染者横ばいも、接触増の影響注意」 厚労省専門家組織

 厚労省の専門家組織の会合が26日に開かれ、全国の新規感染者数は増加に転じた先週から変わって、直近では横ばいになっている。一方、北海道や東北、中国地方などでは増加がみられ、感染状況には地域差があると指摘。また、重症者や亡くなる人の数は下げ止まり。多くの地域で夜間の繁華街などでの人出が増加していて、年末に向けて社会経済活動が活発化することで、人と人との接触機会が増えることによる影響に注意が必要だとしている。

 60代以上では感染による免疫獲得は少なく、今後は高齢者での感染拡大が懸念される。年内にオミクロン株対応ワクチン接種を完了するよう呼びかけることが重要。さらにインフルとの同時流行も懸念され、発熱外来やオンライン診療の強化、自己検査キットの確保などの対策を進めるよう求めている。そのうえで、場面に応じた不織布マスク着用、換気、飲食は少人数、飲食時以外はマスク着用。症状があるとき外出を控えるといった基本的感染対策を続けるよう呼びかけた。

●1週間の新規感染者数 全国では前週比0.96倍

 厚労省の専門家会合で示された資料によると、25日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて0.96倍と増加傾向だった先週から変わってほぼ横ばい。首都圏では、東京都と埼玉県が0.94倍、神奈川県が0.97倍、千葉県が0.95倍、また香川県と愛媛県が1.20倍、岩手県が1.16倍、北海道が1.13倍など合わせて10の道県で増加。一方、徳島県は0.68倍、鹿児島県0.74倍、沖縄県0.78倍などと、地域によって感染状況に差が見られる。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、山形県が455.04人と全国で最も多く、次いで北海道が450.73人、秋田県が329.65人、長野県が301.51人などとなっているほか、大阪府が186.35人、東京都が163.77人、全国では190.93人。

●脇田座長「感染落ち着くも注意を」

 専門家組織の会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は、現在の感染状況について「連休の影響で北海道や東北など感染者が増加している地域があったが、全国的にみれば感染状況は少し落ち着いてきた。第7波での感染者が少なかった地域では、自然感染などによる免疫が落ちているため、増加しやすく、逆に、沖縄県のように感染者の多かった地域では、拡大しにくいというデータも示された」と指摘した。

 また、新型コロナとインフルエンザとの同時流行について「インフルの流行の兆しはまだ見えず、いつ流行が始まるかは分からない。ただ、コロナと同時流行する可能性は十分にあり、備えとしてはオミクロン株対応のワクチン、インフルワクチンの両方の接種を進めること、自宅でできることとしてコロナの抗原検査キットや解熱剤などの準備を進めておくことが大事だ」と述べた。

●「第8波」、800万人感染の試算 ワクチン接種で3割減も 西浦教授

 新型コロナの「第8波」について数理疫学が専門の京都大学の西浦教授は26日に開かれた厚労省の専門家組織の会合で、来年2月までに800万人程度が感染する一方、ワクチンの接種が順調に進めば感染者数を30%近く減らすことができるとするシミュレーションの結果を示した。

 西浦教授は「ワクチンの接種を確実に進めることで、入院者数を2割程度減らすことができるなど、インパクトは大きい。実効再生産数が低く流行がゆっくりと進むときにはワクチンの接種が間に合いやすい傾向があり、感染予防対策と組み合わせられると、より効果が期待できる」としている。

●発熱外来設置の医療機関への診療報酬加算 来年3月末まで延長へ

 この冬は、新型コロナとインフルエンザの同時流行の可能性が指摘されていて、厚労省は日本医師会などに発熱外来の設置に協力を求めている。こうした中、厚労省は、今月末が期限となっている発熱外来を設置している医療機関への診療報酬の加算を延長することを決め、26日関係者に通知した。

 具体的には、新たに発熱外来を設置したり、今の診療体制を拡充したりすることを要件に、加算を来年3月末まで延長する。また、自宅や宿泊施設で療養している重症化リスクの高い患者に対し、電話などで診察を行う医療機関への加算についても、土曜・日曜の診察や、インフルにも対応できる体制があることなどを新たな要件にして、来年3月末まで延長する。

【10月27日】

●葬儀などのガイドライン、早急に見直しへ 厚労相

 加藤厚労相は、新型コロナで亡くなった人の葬儀などに関する国のガイドラインについて、遺族の思いに沿った形になるのが望ましいとして、専門家らの意見を聞きながら、早急に見直す考えを示した。国はおととし7月に、新型コロナで亡くなった人の搬送や葬儀に関するガイドラインをまとめ、遺体が適切に管理されれば感染リスクは極めて低くなるとした一方で、遺体に触れることは控えるよう呼びかけている。

 これについて参議院厚労委員会の審議で「病室で対面できない、火葬場にも入れてもらえないということが全国で起きている。見直すべきだ」という指摘が出された。これに対し加藤厚労相は「亡くなった方を送ることは大変大事な儀式で、できるだけ遺族の思いに沿った形で行われることが望ましい。ガイドライン作成から2年以上が経過し、有識者からも見直すべきだという指摘が出ていて、私もそのように実感している」と述べた。

● 特例貸付け、3割返済不能 コロナ困窮世帯向け 79万件免除申請

 新型コロナの影響で困窮した世帯に政府が無利子・保証人なしでお金を貸した「特例貸し付け」。返済できずに免除を求める申請が、判定の締め切りを今年度中に迎える貸付総数の3割超の79万1千件余りにのぼることがわかった。このうち少なくとも約31万5千件(総額約1047億円)で免除が決定。自己破産も7500件以上確認されており、返済が本格化すれば、生活に行き詰まる人が増える恐れが出てきた。

 特例貸し付けは2020年3月に始まり、一時は最大200万円まで借りることができた。受け付けは今年9月末で終わり、貸付総数は約335万件、総額は約1兆4268億円。この返済が来年1月から始まる。政府はこれまで返済の開始時期を延ばしてきたが同月以降、借り入れた人に対し、貸付時期に応じて順次、返済を求めていく。ただ、生活が苦しい人は返済免除の申請が必要で、多くの社会福祉協議会は今夏までに案内を送付。免除申請の締め切りを8月末などとした。

●小中の不登校、最多24万人 文部省調査 コロナ禍のストレス指摘

 2021年度に30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生は、前年度から24.9%(4万8813人)増え、過去最多の24万4940人だったことが文科省の全国調査で分かった。初めて20万人を超え、増え幅も過去最大。小中高校などのいじめの認知件数も過去最多を更新。文科省は、長引くコロナ禍に起因する心身の不調やストレスが影響していると分析している。調査は全国の国公私立の小中高校と特別支援学校、各教育委員会に実施。27日に結果を公表した。

 不登校やいじめの増加について、文科省はコロナ禍の影響を指摘。2021年度は一斉休校はなかったが、夏の感染「第5波」や冬の「第6波」で休校や学年・学級閉鎖、分散登校が相次いだ。このため生活リズムが崩れたり欠席することに抵抗が薄くなったりして不登校になった事例が見られた。また、感染対策で運動会や遠足といった行事が中止され、グループ活動も制限されたことが登校意欲の低下につながったり、ストレスに起因するいじめにつながったとみている。

【10月28日】

●オミクロン株の新たな変異ウイルス、「リスク変化なし」 WHO

 新型コロナの変異やそのリスクについて調査しているWHOの専門家グループは28日、オミクロン株の新たな変異ウイルス「BQ.1」と「XBB」について、最新の知見を公表した。欧米を中心に感染が拡大している「BQ.1」については、これまでのオミクロン株に比べて感染者に占める割合が増える傾向にあり、免疫から逃れる能力が高い可能性があるものの、まだ明確なデータはない。現時点では、さらなる調査が必要だとしている。

 また、シンガポールなどで感染が広がっている「XBB」についても、一部の国で感染力の高さが指摘されているものの、これまでのオミクロン株に比べ、今の段階では免疫から逃れる能力や重症化率が高いとはいえないという。こうしたことからWHOは、これら2つの新たな変異ウイルスについて、現時点ではこれまでのオミクロン株と比べ、大きなリスクの変化は見られないと指摘、今後も評価を続けるとともに、各国に対して監視の継続を呼びかけている。

●規模ありきのバラマキ 経済対策39兆円

 岸田政権が支持率浮揚の目玉にすえた総合経済対策は、28日に閣議決定、財政支出が39兆円にのぼる巨額の対策となった。編成が「規模ありき」で進んだ結果、中身は物価高への対応のみならず、公共事業など、あれもこれものバラマキ色の濃いものがめだつ。チェック機能が甘くなる予備費も4.7兆円積み上げ、財政規律の緩みも避けられない。

 目玉となるのは、電気料金や都市ガス料金の高騰分を抑える激変緩和策で、ガソリンへの補助金なども合わせて総額6兆円をつぎ込む。岸田首相は標準的な世帯で4万5千円の家計支援になることを強調したが、対象や支援の上限を設けずに富裕層でも恩恵を受ける。経済対策をめぐっては、コロナ禍の2020年度以降、膨張が続いている。今回の対策でも編成当初から大規模な財政支出を求める声が与党から相次ぎ、最終局面で4兆円規模で国費が上積みされた。

●巨額予備費、「国会軽視」の声

 補正予算案の一般会計は29兆円で、土壇場で4兆円超が積み増され、大半が予備費だった。経済対策の文書には「コロナ禍や物価高に万全を期す」「経済危機に機動的・弾力的に対応」など、予備費計上を正当化する文言が急きょ加わった。財務省関係者は「兆円単位の事業を突然積み上げられない中、財務省は使わなければ戻ってくる予備費を計上することで、自民党や官邸が求める30兆円に近づけ、体裁をつくろった」と読み解く。

 ただ、予備費は緊急的な支出を想定したもの。憲法は国の予算について国会の事前の審議と決議を得る必要があるとした上で、災害など「予見しがたい予算の不足に充てるため」に計上を認めている。コロナ禍で巨額化した予備費は「国会軽視」との批判は根強い。5月に成立した第1次補正予算で1.5兆円の予備費を積み増した時も、野党からは「財政民主主義を踏みにじる」「政権が自由に使える財布じゃない」との声が相次いだ。

●オミクロン株の新たな変異ウイルス「XBB」、東京都内で初確認

 東京都は27日、モニタリング会議で新型コロナのオミクロン株のうちの複数のタイプのウイルスが組み合わさった「XBB」と呼ばれる新たな変異ウイルスが6件確認されたと発表した。都によると「XBB」は10月17日時点で検疫で7件検出されていたが、都内での確認は初めてだという。シンガポールで「XBB」は先月中旬には感染者全体の17.3%だったのが、10月中旬には60.7%を占めているという。重症度については現時点で分かっていない。

◆コロナ影響企業 雇用調整助成金の特例措置、12月から原則通常に

 雇用調整助成金は、企業が従業員を休業させた時に休業手当の一部を助成する制度で、新型コロナの影響を受けた企業には助成金の上限や助成率を引き上げる特例措置が設けられている。経済の回復や雇用情勢などを踏まえて縮小されてきていて、厚労省は28日に開いた審議会で12月から原則、通常に戻すことを決めた。特例措置が設けられて以降、支給決定額は6兆円を超え、雇用保険財政が圧迫され、労働移動の妨げになっているという指摘も出ていた。

 一日当たりの上限額は8355円で現時点と変わらないが、助成率は大企業が75%から50%に、中小企業が90%から67%に戻る。一方で、特に影響が続く企業は来年1月末までにかぎって経過措置を設け、一日当たりの上限額は現在の1万2000円から9000円とし、通常時の8355円は上回る水準とする。特例措置は最も手厚い時には企業の規模にかかわらず、一日の上限が1万5000円、助成率は中小企業で100%だった。

【10月30日】

●水際対策緩和、外国人旅行客増加 人手不足が課題に

 水際対策が大幅に緩和されてからまもなく3週間。都内のホテルの中には、外国人旅行客の増加などによって予約が大幅に増えている。先月7日に1日当たりの入国者数の上限が5万人に引き上げられたほか、今月11日には入国者数の上限が撤廃、個人の外国人旅行客の入国も解禁されるなど、大幅に緩和された。観光局によると先月、日本を訪れた外国人旅行者は推計で20万6500人、新型コロナ以降初めて20万人を上回る。

 ホテルの中には外国人の宿泊客が増える一方、従業員が足りずにレストランが営業できないなど、人手不足の影響を受けている。信用調査会社「帝国データバンク」の先月時点での調査結果によると、「旅館・ホテル」業界で「正社員が不足している」と答えた企業の割合が62.5%。また、非正規の社員についても業界では62.3%が「不足している」と答えている。

●全国で4万408人の感染確認 8日連続で前週上回る

 国内感染者は30日、全国で新たに4万408人が確認。前週の同じ曜日(23日)より9583人多く、8日連続で前週より増えた。発表された死者は全国で26人だった。都道府県別で新規感染者が最も多かったのは東京都の3687人。北海道3658人、大阪2415人と続いた。

 10月30日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月31日】

●上海ディズニーランド、31日から閉鎖を発表 コロナ感染対策で

 上海ディズニーリゾートは、中国版ツイッター「ウェイボー」の公式アカウントで、新型コロナ感染拡大を防ぐ対策に沿って10月31日から上海のディズニーランドを一時、閉鎖すると発表した。上海市によると、31日に感染が確認された女性がディズニーランドに行っていたという。また、上海市はSNSで、「現在、園内にいる人はPCR検査が陰性でないと出られない」と説明するなど、警戒を強めている。

 施設では10月28日から、ハロウィーンにあわせたイベントが行われていたが、感染対策でスタッフの数などを減らすため、29日からは一部のアトラクションを取りやめていた。上海ディズニーランドでは、去年も感染者1人が確認されたことを受けて休園したほか、上海市内で感染が相次いだことし3月中旬以降も、3か月余りにわたって休園していた。中国では、「ゼロコロナ」政策のもと、引き続き厳しい感染防止対策が続いている。

●BA.5ワクチン、モデルナ製承認へ 厚労省部会了承

 米モデルナ社が開発したオミクロン株の一つ「BA.5」対応ワクチンについて、厚労省の専門家部会は31日、特例承認を了承した。現在、モデルナ製ではオミクロン株の「BA.1」対応のワクチンが自治体に配送されているが、今後切り替える。了承されたワクチンは、従来ワクチンと同じ武漢株のmRNA、オミクロン株のBA.4とBA.5の両方に共通するmRNAを含む「2価ワクチン」。対象は18歳以上で3回目以降の接種に使う。3カ月以上の間隔を空けて接種する。

 部会では、すでに承認されているモデルナ製のBA.1対応ワクチンのデータや、マウスに試したBA.5対応ワクチンのデータをもとに議論した。感染を防ぐ中和抗体の量が増えることから、有効性を確認。安全性もBA.1対応ワクチンと成分に大差がなく、海外での使用実績からも問題はないと判断。BA.5対応ワクチンは、米ファイザー社製が5日に特例承認され、13日から使われ始めている。モデルナ製は、早ければ11月に自治体に配送を始める。

●塩野義「年内には承認申請」 開発中の新型コロナワクチン

 塩野義製薬は31日、開発中の新型コロナワクチンについて、11月末から12月に厚労省に承認申請する考えを示した。2020年に臨床試験(治験)を開始し、昨年後半の時点では今年3月末までの申請を目指していた。しかし、治験の遅れや量産体制の確保などに問題があり、今春以降、数度にわたり申請目標の時期を遅らせていた。開発しているワクチンは「組み換えたんぱく」という手法で、4月に承認された米ノババックスと同じタイプ。

 この日、2022年9月中間決算の説明会で手代木社長が「ワクチンは本当に遅れていて、国民のみなさまからお叱りをいただいている。どんなに遅くても年内には承認申請したい」と述べた。製造準備や、治験での情報開示調整に時間がかかっているという。すでに治験のデータなどは厚労省に提出を始めているという。想定通りに承認されれば、国内メーカーが開発した初の「国産ワクチン」となる。

●プロ野球とJリーグ コロナ対策連絡会議、今シーズンで終了へ

 プロ野球とJリーグの連絡対策会議は、新型コロナの感染拡大に連携して対応するため、一昨年3月に設置された。31日に開かれた対策連絡会議後の記者会見で、Jリーグの野々村チェアマンは「この3年間でさまざまな知見が蓄積され、コロナを知ることがだいぶできた。いろんな勉強をしながら前に進め、1つのチームとしてやってきたものがあり、各球団やクラブでいろんなことができるようになってきた」と話し、11月の2回の会議を最後に、今シーズンで終了する方針。

●国内2万2341人感染 23人死亡

 厚労省によると、31日に発表した国内の新たな感染者は空港の検疫などを含め2万2341人(累計2229万5592人)。前週の同じ曜日(24日)に比べ5489人多い。都道府県別での最多は、北海道の2485人。次いで東京都2019人、神奈川県1659人、大阪府1171人、広島県1221人と続く。また人工呼吸器やECMOをつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、31日時点で129人(前日に比べ1人増)。発表された死者は、23人(累計4万6659人)。

 以下6枚は10月31日時点の国内感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年10月20日 (木)

新型コロナ2022.10 第8波懸念

 新型コロナウイルス感染症は、7月には「第7波」となって全国的に急増、8月10日の全国の新規感染者は過去最多の25万人超、自宅療養の感染者も10日時点で過去最多の154万人、重症者や死者も増加した。8月末頃からは減少傾向が続いており、病床使用率も低下傾向にあるが、この冬は季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行の「第8波」が懸念されている。

 2022年10月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.09 減少続く」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【10月1日】

●アストラ製接種、使用期限で終了 約1350万回分を廃棄

 英アストラゼネカ社から購入した新型コロナワクチンについて、厚労省は30日に6カ月の使用期限を迎えたため、同日で接種を終えると発表した。契約した1億2千万回分のうち廃棄数は約1350万回分にのぼる。政府は2020年8月、翌年初頭から供給を受けることで同社と基本合意し、12月に契約した。ただ、副反応として血栓症が海外で報告され、国内の接種対象は原則40歳以上に限定。自治体への配送は約20万回分にとどまった。

【10月2日】

●「自宅」で亡くなる人、割合増加 長引くコロナ禍影響か

 厚労省が9月、公表した「人口動態統計」によると、去年1年間に死亡した人の数は143万9856人。亡くなった場所の割合で最も多いのは、病院で65.9%、続いて自宅17.2%、老人ホームが10%となっている。このうち自宅で亡くなった人の割合は、2000年代以降、一貫して13%前後で推移し2019年は13.6%、2021年は17.2%と2年間で3.6ポイント増加した。一方、病院は、2019年の71.3%から2021年は65.9%と減少した。

 厚労省は、長引くコロナ禍で病院や高齢者施設での面会制限が続く中で人生の最終段階を自宅で過ごす人が増えていることに加えて、入院したくてもできない人がいたことなども影響しているのではないかという。

●岸田内閣、不支持50% 支持横ばい40% 国葬実施「評価せず」59%

 朝日新聞社は1、2の両日、全国世論調査(電話)を実施した。岸田内閣の不支持率は50%(前回9月調査は47%)で、初めて半数に達した。支持率は40%(同41%)でほぼ横ばい。不支持率が支持率を上回るのは、2カ月連続。支持政党別にみると、自民支持層で内閣を「支持する」は70%、「支持しない」は23%。無党派層で「支持する」は24%、「支持しない」は62%だった。

 9月27日にあった安倍元首相の国葬を、岸田内閣が国の儀式として行ったことについて、「評価しない」は59%、「評価する」は35%だった。年代別では、18~29歳の「評価する」が47%で他の年代より高い割合を示したが、70代は25%だった。政治家と旧統一教会を巡る問題への岸田首相の対応は、「評価しない」が67%。

●全国で2万9千人感染 3カ月ぶり3万人下回る

 国内感染者は2日、新たに2万9492人が確認された。前週の同じ曜日(9月25日)より1万7291人少なかった。新規感染者が3万人を下回るのは、7月4日以来約3カ月ぶり。死者は全国で71人だった。都道府県別で感染者が最も多かったのは東京都の2922人。次いで大阪府の2168人、神奈川県の1906人だった。

 10月2日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月3日】

●接種偽装 知人「打たないと不利益被る」、詐欺容疑の院長に要望

 警視庁は3日、東京都北区のクリニック院長の船木威徳容疑者(51)を詐欺容疑などで再逮捕した。捜査2課によると、院長は昨年10~12月、愛知県稲沢市に住む母子3人(40代女性と10代の娘2人)について、ワクチン接種をしたとする虚偽の接種記録を作成、同市から接種委託料計約1万4千円を詐取した疑い。院長は札幌市の母子3人についても同様にワクチンを接種したとして、委託料の搾取で起訴されていた。

 船木院長と女性は数年前に知り合い、互いにワクチンに否定的な考え方を持っていた。女性は同課に対し「人体に悪影響を及ぼすと思っていた」と説明、「ワクチンを打たなければ色々な不利益を被ると考え、船木院長にお願いした」と話した。ワクチンは住民票を置く市区町村で接種を受けるのが原則。同クリニックでは、昨年7~12月末に接種なしで接種済証が欲しい13都道府県の計約230人の要望に応える形で、接種偽装を繰り返したようだ。

【10月5日】

●「インフルと同時流行懸念、備えを」 コロナ専門家会合

 厚労省の専門家組織の会合が5日に開かれ、現在の感染状況について、すべての地域で減少傾向が続くと見られると分析した。療養者や重症者、亡くなる人の数の減少も続いており、医療体制については状況の改善が見られるとしている。また、ワクチン接種や自然感染で獲得した免疫は時間とともに低下すると考えられるので、今後、高齢者での感染拡大が懸念されると指摘した。

 また今年、南半球のオーストラリアなどで流行したこと、各国で行動制限が大きく緩和されている現状から、これからの半年間で新たな新型コロナ感染拡大と季節性インフルエンザ流行が起きる可能性は「極めて高い」と分析。冬に向けて、インフルとオミクロン対応ワクチンの高い接種率の実現、全国の医療機関でコロナとインフルを診断・治療できる体制整備、重症病床の確保、定点把握を含めた感染状況の把握体制といった対応が必要だと指摘した。

 インフルエンザH1N1型ウイルス  出典:ウキメディア・コモンズ

インフルエンザウイルス H1N1 influenza virus

●新規感染者数、全国では前週比0.65倍 減少傾向続く

 専門家組織の会合で示された資料によると、4日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて0.65倍と減少傾向が続いている。首都圏の1都3県では、東京都が0.61倍、神奈川県0.73倍、埼玉県0.57倍、千葉県0.54倍。そのほかすべての都道府県で前の週より減少している。人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、山形県が300.3人と全国で最も多く、次いで北海道279.0人、富山県263.2人など、全国では197.1人。

●「自主検査陽性者センター登録を」 専門家組織

 自主検査の陽性者にはセンターの存在を知らなかったり、手続きが面倒だったりするなどの理由で登録しない人もいる。未登録の人数は把握できない。脇田座長(国立感染研所長)は「今のところ感染動向の把握にそれほど影響していない」との見方を示しつつ、「なるべく登録してもらうため、利点を伝えていくのが重要だ」と述べた。

 先月26日から感染者の「全数把握」が全国一律に簡略化、感染者数は医療機関の診療人数の報告と、自主検査陽性者によるセンター登録とをあわせて把握するようになった。発生届の対象外となった若い世代や軽症の人たちは、登録すれば医療機関を受診せずに自宅療養を始められる。都道府県の多くは、登録しなければ健康観察や食料配送の支援を受けられないため、センターの周知を進めている。

● 脇田座長「少し早く冬の流行が始まる可能性」

 専門家組織の会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は新型コロナの感染状況について「日本では今のところ減少傾向が続いているが、すでにヨーロッパのいくつかの国で入院患者が増加していて、少し早く冬の流行が始まる可能性がある。日本でも今後、年末に向けて人との接触機会が増える時期になり、感染者数が増加に転じる恐れがあるので注意する必要がある」と指摘した。

 さらに、この冬インフルとコロナの同時流行が懸念されていることについて「同時流行が起きるなかで発熱をした場合に医療機関の受診など一人ひとりがどう行動すればよいか、分かりやすく示すことが重要だ。また、抗インフル薬のタミフルなどをどのように使うべきかなども今後議論していく必要がある」と述べた。

●ファイザー BA.5対応ワクチン、使用承認 厚労省

 ファイザーは9月13日、現在感染の主流になっているオミクロン株BA.5やBA.4と従来の新型コロナに対応するワクチンの承認申請を提出した。今月5日夜に開かれた厚労省の専門家による部会では、これら変異株に対する予防効果が期待されると評価し国内使用を了承、その後、厚労省が正式に承認した。厚労省はおよそ4300万回分のワクチンを来週以降、自治体に配送する計画。無料の公的接種に位置づけ、早ければ10月中旬以降に接種が始まる。

 厚労省は、年末年始に懸念される感染拡大に備え、希望する人が年内に接種を終えられるよう、体制整備を進めている。また、BA.1対応とBA.5やBA.4対応の2種類のオミクロン株対応ワクチンをあわせ、11月上旬にかけての配送量はおよそ8000万回分で、厚労省はどちらのワクチンもオミクロン株に対して従来ワクチンを上回る効果が期待されるほか、今後の変異株にも効果がある可能性が高いとしている。

●モデルナ BA.5対応ワクチン、厚労省に承認申請

 オミクロン株「BA.5」対応ワクチンについて、モデルナは厚労省に承認を求める申請を行った。申請したのは、BA.」やBA.5、それに従来のコロナに対応する成分を含む遺伝物質の「メッセンジャーRNA」が2種類含まれている「2価ワクチン」。米国では、このワクチンの18歳以上の追加接種について、今年8月31日にFDA(食品医薬品局)が緊急使用の許可を出し、実際に接種が行われている。

●専門家、「接種できる機会を逃さずに接種を」

 オミクロン株「BA.5」に対応する成分を含むワクチンについて、臨床ウイルス学が専門でワクチンに詳しい北里大学の中山特任教授は「現在、主流となっているBA.5に対しては感染や発症を防ぐ効果は、今回のワクチンのほうが高いと思われる」と話している。

 すでに接種が始まっている「BA.1」対応のワクチンと「BA.5」対応のワクチンのどちらを接種するかについて中山教授は、「BA.1とBA.5の違いは、従来のウイルスと比べると大きなものではない。「BA.1」対応ワクチンでも重症化を防ぐ効果は十分期待できる。今、「BA.1」対応のワクチンを予約しているならそれを接種すればいい。接種できる機会を逃さずに接種するというのが基本だと思う」と述べた。

●4歳以下ワクチン承認 ファイザー製 3回接種

 生後6カ月~4歳を対象としたファイザー製の新型コロナのワクチンについて、厚労省は5日、国内での製造販売を特例承認した。同省は7日に専門家分科会を開き、いずれも予防接種法にもとづく公費接種とする見通し。5~11歳への対象拡大は、厚労省が今年1月に特例承認し、3月から接種が始まっている。 4歳以下の子どもが使えるワクチンは初めて。接種1回あたりの有効成分の量は、5~11歳用の3分の1以下で、計3回うつ。

●従来型ワクチン大量廃棄 1〜2回目接種の予約減 20指定市 在庫220万回分

 オミクロン株に対応した新しいワクチンの接種が各地で始まる中、従来型のワクチンの多くが廃棄される見通しになっている。20の政令指定市で、9月下旬の在庫は約220万回分。都道府県では、市町村に発送後、在庫量を把握していないところが多い。従来型は主にこれから1~2回目の接種を受ける人に使われることになっているが予約は少なく、在庫の多くは使われないとみられている。

【10月6日】

● 「インフルと新型コロナの同時流行懸念」 都モニタリング

 東京都内の新型コロナの感染状況について、専門家は「いまだ感染者数は高い水準で今後、インフルエンザとの同時流行が懸念される」として警戒を呼びかけている。都は、6日に新型コロナの都内の感染状況と医療提供体制について、専門家によるモニタリング項目の分析結果を公表した。それによると新規感染者数の7日間平均は、5日時点で3769.1人と、9週間連続して減少している。また、都内の入院患者数は1360人で、先週より294人減。

 こうしたことを踏まえ、専門家は、4段階ある警戒レベルについて、感染状況は上から2番目を、医療提供体制は上から3番目をそれぞれ維持した。専門家は「感染者数は連続して減少しているものの、いまだ高い水準にあり、ことしの冬はインフルと新型コロナの同時流行が懸念され、注意が必要だ」として、警戒を呼びかけている。

【10月7日】

●4歳以下のワクチン接種、「努力義務」に

 生後6カ月~4歳を対象にした新型コロナワクチンについて、厚労省は7日、5歳以上と同様に予防接種法上の「努力義務」を課すことを決めた。同日の専門家分科会で了承された。24日から接種が始まり、無料の公費接種となる。子どもは感染しても軽症が多いとされるが、基礎疾患がなくても重症化する場合もあり、低年齢に多くなる傾向も報告されている。一方、ワクチンは従来ウイルス対応だが、オミクロンに対しても7割程度の発症予防効果が確認されている。

 また、12歳以上を対象とした米ファイザー社製のオミクロン株「BA.5」対応ワクチンも原則無料の公費接種となり、13日から接種が始まることが決まった。オミクロン株のワクチンは、「BA.1」対応のものが9月から接種が始まっていて、厚労省は来週から「BA.5」対応ワクチンの配送を始める。今後、ワクチンが切り替わっていくが、開始時期は自治体ごとに異なる。

●感染症法・旅館業法 改正案を閣議決定 医療体制確保など対策強化

 政府は7日、次の感染症危機に備え、医療体制の確保や水際対策のための感染症法などの改正案と、旅館やホテルなどの旅館業法の改正案について、それぞれ閣議決定した。今国会に提出して成立をめざす。感染症法などの改正では、都道府県が地域の中核を担う公的病院や大学病院と病床や発熱外来の確保について協定を結べるようになる。協定を守らないと指示や公表の対象となり、「特定機能病院」「地域医療支援病院」なら承認取り消しがありうる。

 水際対策では、政府は感染した恐れがある人に、入国後の自宅待機を指示できるようになる。虚偽報告したり状況報告に応じなかったりすれば、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金。旅館業法の改正では、旅館やホテルは特定の感染症の流行期に限り、発熱などの症状がある客が正当な理由なく受診、マスク着用などの感染対策を拒む、それ以外の客でも正当な理由なく検温や渡航歴の確認を拒むという場合、客に対し宿泊を拒否できる。

【10月8日】

●感染者、全国で新たに2万7千人、前週より約9千人減

 国内感染者は8日、新たに2万6785人が確認された。前週の同じ曜日(1日)より8633人少なかった。死者は73人だった。都道府県別で新規感染者が最多だったのは東京都で2605人。前週の同じ曜日より1229人少なく、8日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日あたり3090.7人で、前週(5133.6人)の60.2%。次いで大阪府が1850人、北海道が1808人だった。

 10月8日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月9日】

●「ゼロゼロ融資」、焦げ付き懸念 計42兆円、公費負担も

 新型コロナ対策として政府が始めた実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の受け付けが9月末で終了した。巨額の公費を投じて企業の資金繰りを支えてきた。利払いが順次始まる来春に向けて企業の返済が本格化する見通しだが、コロナの影響が長引くなどして倒産は増加傾向にある。融資が焦げ付くと、公的機関の信用保証協会が返済を肩代わりする。協会がお金を回収できない場合、損失の一部は公費で穴埋めされ、国民負担になる。

 ゼロゼロ融資は、コロナで売り上げが減った中小企業を対象に、金融機関が担保なしでお金を貸し出す制度。利子を3年間、国や都道府県が負担し、返済できない場合の保証もつく。2020年3月に始まった。民間金融機関の新規受け付けは昨年3月、政府系も今年9月末で終えた。中小企業庁によれば、融資実績は6月末時点で約234万件、42兆円。政府は金融機関に利子として支払う予算として約1.8兆円を計上、3月末までに約4千億円を支出した。

【10月10日】

●高齢者施設の感染者、多くが入院できず 施設で療養

 第7波の高齢者施設への影響について9月、東京都高齢者福祉施設協議会が都内の高齢者施設を対象にインターネット上でアンケート調査を行ったところ、特別養護老人ホームなど入所型の施設では、対象全体の47%にあたる273の施設が回答した。それによると、いずれも累計で今年7月1日からの2か月間で新型コロナに感染した施設の利用者は、159施設で1795人、職員の感染者も155施設で1489人にのぼり職員の間でも感染が広がったことがわかった。

 また、感染した利用者のうち、医療機関に入院できたのは299人に対し、入院できなかった利用者はその2倍近い570人。困ったことについて複数回答で尋ねた項目では、最も多い135施設が「職員の確保」、次いで103施設が「入院ができない」をあげている。このほかクラスターについては、回答したうち3割にあたる95施設が発生したと答え、クラスターが発生しやすい理由として、利用者が自分で感染対策を行うのが困難などをあげている。

【10月11日】

●世界経済想定以上の減速 23年の成長率2.7% 4期連続下方修正 IMF見通し

 国際通貨基金(IMF)は11日、最新の「世界経済見通し」を公表し、2023年の世界経済の実質成長率が前年比2.7%になると明らかにした。前回7月の予測から0.2ポイント減速し、金融危機やコロナ禍でマイナス成長に転じた2009年と2020年を除けば、2001年以来の低成長。世界経済を牽引してきた米欧中の主要国が景気後退局面に入る可能性が高まっている。

 IMFは、成長率見通しを下方修正するのは4期連続。IMFの想定を超えるスピードで、世界経済の先行きは悪化している。2022年の世界成長率は7月予測の3.2%を維持した。だが、コロナ禍からの経済回復で6.0%の高成長を記録した2021年からは、大幅に減速する。原因の一つが、2月に始まったロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー・食料の価格高騰による経済危機。物価高は2023年も各地で尾を引く見通し。

●水際対策、きょうから大幅緩和 入国上限撤廃 個人旅行も解禁

 水際対策が11日から大幅に緩和された。入国者数の上限が撤廃され、個人の外国人旅行客の入国も解禁されるなど、制限は、ほぼコロナ禍前の状態に戻る。具体的には1日当たり5万人としていた入国者数の上限が撤廃され、ツアー以外の個人の外国人旅行客もおよそ2年半ぶりに入国が解禁された。

 米国、韓国、英国など、68の国や地域から観光などで訪れる短期滞在者のビザを免除する措置が再開されるほか、地方の空港や港でも、順次、国際線の受け入れが再開される見通し。また、すべての入国者に対し発熱など感染が疑われる症状がなければ入国時の検査は行わず、入国後の自宅などでの待機も求めないことになった。ただし、3回のワクチン接種証明書か、滞在先の出発前72時間以内に受けた検査の陰性証明の提示を求める措置は今後も継続される。

●「全国旅行支援」開始

 国内の観光需要の喚起策として、政府が新たに全国を対象に導入する「全国旅行支援」や、スポーツ観戦や映画などのチケット価格を割り引く「イベント割」も始まった。このうち「全国旅行支援」は11日から、東京都では準備などで9日遅れて今月20日からの開始となる。期間は12月下旬まで。すでに予約した分にも適用される。

 公共交通機関とセットの旅行商品は1人1泊8千円、それ以外は5千円を上限とし、旅行商品の料金の40%を補助するほか、土産物店などで使えるクーポン券を、1人当たり平日は3000円分、休日は1000円分受け取ることができる。3回のワクチン接種か陰性証明が条件。全国一斉に実施を決める「GoToトラベル」とは違い、各都道府県が感染状況をみながら実施と中止を決める。各都道府県に割り当てられた予算に達したところは、予定より早く終了することもある。

●自宅などで死亡 感染者288人 9月警視庁調べ 過去最多の前月より減

 自宅や外出先などで亡くなり、全国の警察が事件性の確認などをした死者のうち、新型コロナの感染が確認された人が、9月には288人いたことが警察庁への取材でわかった。月別で最多だった前月の869人と比べて581人少なかったが、オミクロン株の流行による「第6波」のさなかだった今年2月(564人)に次ぎ、過去3番目の多さだった。

 9月に判明したコロナ関連の死者の年代別は、80代が最多の95人。70代が55人、90代が54人と続いた。10歳未満も7人確認されたという。都道府県別では東京の39人が最多。大阪が22人、北海道と神奈川がそれぞれ18人などと続き、45都道府県で確認された。288人のうち、死因が新型コロナだと判断されたのは103人。事故によるけがなどの「外因死」が41人だった。

【10月12日】

●水際対策緩和や全国旅行支援開始 航空業界は人手不足対策

 水際対策の緩和や全国旅行支援が始まった。航空業界では期待の一方で、コロナ禍の影響による人手不足も懸念されていて、別の部署からの応援や中途採用などで需要の増加に対応しようとしている。国内の航空会社では、去年の利用者数が感染拡大前に比べて国内線で60%、国際線で95%減少するなど、コロナ禍で厳しい状況となり、採用の取りやめや離職者の増加によって、さまざまな職種で人手不足が懸念されている。

●専門家会合 観光で接触増に注意 インフル同時流行懸念

 12日に開かれた厚労省専門家組織の会合では、気温の低下や雨が続いたことで、夜間の繁華街などの人出が各地で減ったことが、感染者数の減少に影響した可能性があると分析。また、療養者や重症者、死者の数の減少も続いており、病床の使用率が低下するなど、医療体制は状況の改善が見られる。ただ連休や観光によって接触機会が増加することに注意が必要。今後はすべての地域で減少傾向が続くが、緩やかな減少か横ばいとなる可能性がある。

 過去2年の傾向から今冬に新型コロナの流行が拡大、季節性インフルが例年よりも早くまたは同時流行が懸念され、この事態を想定した対応が必要。ワクチンは、5歳~11歳の子どもには初回と追加接種、生後6か月~4歳は初回接種、2回の接種を終えた12歳以上の人にオミクロン株対応ワクチンの接種を進めるとしている。さらに、不織布マスクの着用や換気、飲食は少人数で飲食時以外はマスク着用、症状があるときは外出を控えるという基本的感染対策を求めた。 

 「マスクの着用について」のポスター 出典:厚労省ホームページ

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●新規感染者数 全国で減少傾向続く

 厚労省の専門家会合で示された資料によると、11日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて0.73倍と減少傾向が続いている。首都圏では、東京都が0.67倍、神奈川県と埼玉県が0.69倍、千葉県が0.71倍と減少傾向が続いていて、すべての都道府県で前の週より減少している。人口10万あたりの直近1週間の感染者数は、広島県が233.5人と全国で最も多く、次いで長野県228.9人、北海道222.5人、山形県220.3人など、全国では142.8人。

●脇田座長、「同時流行は医療へのインパクトが大きい」

 専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は、今後インフルエンザと新型コロナが同時に流行する懸念について「海外の状況を見ると、ヨーロッパなどで新型コロナの流行が始まり、インフルも一部の地域で流行が見えてきている。仮に日本で同時流行が起きれば、医療へのインパクトが大きい。必要な医療体制としては、重症化リスクのある高齢者や脳炎のリスクがある子どもが、優先的に医療にアクセスできることが求められるのではないか」と指摘した。

 そのほか必要な対策については「オミクロン株対応のワクチンや、インフルのワクチンの接種を進めることは、流行の規模をなるべく小さくし重症化を予防するためにも非常に重要」と述べた。また一般の人に呼びかける対応について、「第7波では、検査キットが不足したり、解熱薬が買いにくくなったりした。今のうちに検査キットや解熱薬を買っておくということも重要ではないか。検査キットが購入しやすい環境を整えることも重要」と指摘した。

●コロナとインフル流行想定 政府方針 発熱外来、高齢者らに限定

 今冬の季節性インフルと新型コロナウイルスの同時流行を想定し、政府は12日、発熱外来が逼迫しないよう、高齢者や小学生以下の子どもなどに限定して受診を呼びかける方針を固めた。中学生から64歳については基礎疾患がなければ検査キットで自主検査してもらう。陽性なら第7波で全都道府県に設置した「健康フォローアップセンター」に登録したうえで自宅療養を促す。重症化リスクの高い人の医療体制を確保するねらいがある。

 政府は同日、厚労省の非公開の専門家組織の会合で対策案を示した。13日に正式に公表する見通し。コロナが陰性でも、インフルやほかの病気を疑って医師の診療を希望する場合は、発熱外来ではない一般医療機関をオンラインや電話で受診。抗インフル薬「タミフル」の処方を受けて自宅に配送する現状の仕組みを活用してもらうこともできる。政府は一般医療機関に、対面診療も含めてコロナ陰性の患者をできるだけ診るよう協力を求める方針。

●同時流行、高まる懸念 豪州でインフル急増、抗体保有率は低下

 政府が今冬、季節性インフルと新型コロナ「第8波」との同時流行の可能性の根拠の一つに、南半球の豪州での流行。豪州で6~8月に流行すれば、半年後に日本でも流行する可能性が高い。豪州ではコロナ下ではインフルの流行がほとんどみられず、昨年の感染者は約600人だったが、今年は22万人に急増。さらに、ここ数年インフルが流行しなかったことで、今冬の流行が懸念される「A香港型」への抗体保有率は全年齢層で低下傾向にある。

 専門家組織は、年初から各国が移動制限を緩和したことで、世界的にインフルが循環して活性化したとも指摘。日本でも11日から水際対策が大幅に緩和されたため、国内流行が起こりやすい状況だという。厚労省はインフル患者数を抑えるため、ワクチン接種を積極的に進めている。メーカーにワクチン増産を要請し、記録があるなかで過去最多の約7千万回分(成人)が供給される。コロナワクチンと同時接種も容認した。

●抗原キットの供給足りる? オンライン診療拡大は?

 同時流行すれば発熱外来の逼迫が懸念される。政府は発熱外来の受診を促す対象を重症化リスクの高い人に限定する方針。小学生以下はコロナの重症化リスクは低いが、インフル感染では例年100~200人ほどが急性脳症になって、15人前後が死亡しているとみられるため、受診を促す対象に含める。健康な中学生から64歳には発熱時にまず自主検査を促す。インフル用キットは、ネット購入も可能とする。コロナ陰性ならインフルやほかの病気を疑うことになる。

 また政府は、重症化リスクの低い人による抗インフル薬「タミフル」の処方だけを目的とした発熱外来の受診を減らしたい考えで、一般の医療機関でのオンライン処方、薬局からの自宅配送を促進する。政府は13日に岸田首相も参加するタスクフォースを発足させる。日本医師会や全国知事会なども参加し、この場で同時流行の対策案を示し、正式に方向性を決める。

●「GoToトラベル」事業停止の補償費用、2億円余が対象外か

 一昨年7月から始まった「GoToトラベル」は、一昨年11月以降、複数回にわたって事業を一時停止していて、国は旅行キャンセルに伴う費用の一部を補償した。これまでに、国が事務委託したツーリズム産業共同提案体(事務局)を通じて1300億円余りが旅行会社や旅館などに支払われている。会計検査院が検査したところ、約1万件、計2億円以上の不適切な支払いが確認された。

 観光庁は、以前、事務局が行った抽出調査で、対象外の補償が500件余り見つかったという報告を受けていたのに、それ以上の調査を指示していなかった。会計検査院は12日、所管する観光庁に対して改めて事務局に調査するよう指示し、対象外と確認されたものについて返還させるよう求めた。

●「GoToトラベル」 委託費 上限1000億円増、公表せず

 今回の検査院の検査では、GoToトラベル事務局に支払われる事務委託費の上限が、当初の契約より1千億円以上引き上げられていたことも明らかになった。こうした契約変更は公表されていなかった。観光庁は「GoToトラベル」の運営について、ツーリズム産業共同提案体(事務局)に委託。当初、予算額1兆3500億円のうち委託費は最大2294億円と見積もっていた。だが高額だと批判され、約400億円圧縮した1866億円を上限として契約した。

 ところが検査院によると、昨年3月に上限が約2211億円に引き上げられ、以降も3回の契約変更を経て今年3月には2888億7590万円に。4月末までに約2342億円が支払われたが、半分以上がキャンセル対応費用として使われた。観光庁の担当者は「キャンセルの対応費用は当初の制度設計になかったため、契約変更して上限を引き上げた。内部手続きのため、契約変更の公表はしなかった」と話している。

●農家支援の交付金、5800万円余が過大支給か 会計検査院が指摘

 新型コロナの影響を受けた農家を支援する国の「高収益作物次期作支援交付金」は、コロナの影響で損失を被った農家を支えるため、野菜や果物など園芸作物の農家を対象に、肥料や資材を買う費用を補助する。検査院は、2020年度に交付された農家らの組織962事業者のうち、交付額の多い152事業者について検査した。

 この結果、実際は減収していない品目を含めて計算したり、事業が始まる前に購入した機械の費用などを含めたりしているケースがあった。検査院によると、過大額は37事業者で計5835万円に上るという。この交付金を巡っては当初、農水省の交付条件が甘く、後から条件を厳しくしたため混乱を招く事態になっていた。

【10月13日】

●米国 「BA.5」対応ワクチン、追加接種対象 5歳以上に

 米国CDC(疾病対策センター)は12日、オミクロン株のうち、現在、感染の主流になっている「BA.5」に対応するワクチンについて、追加接種の対象年齢を5歳以上に引き下げると発表した。新型コロナのワクチンをめぐっては、米国ではオミクロン株「BA.4」と「BA.5」に対応する成分と、従来のウイルスに対応する成分を含んだ「2価ワクチン」と呼ばれるワクチンについて、先月から、12歳以上を対象にした追加接種が始まっている。

 米CDC銘板 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 ファイザーなどが開発したワクチンは5歳以上、モデルナが開発したワクチンは6歳以上が対象になる。米国では現在、BA.5が感染の主流になっていて、今月8日までの1週間に報告された感染者のうちおよそ8割がBA.5に感染したと推定されている。CDCとしてはより幅広い年齢層で追加接種を進めることで、この冬の感染拡大を防ぎたい考え。

●コロナとインフル同時流行 「オンラインや電話で診察を」 政府

 政府の分科会は、13日午後、会合を開き、この冬に懸念される新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えた対策を決めた。決定された対策では、新型コロナが一日45万人、インフルが一日30万人の規模で同時に流行し、ピーク時には一日75万人の患者が発生する可能性を想定して準備を進める。具体的には、65歳以上の高齢者や小学生以下の子ども、基礎疾患があるなど重症化リスクが高い人は、直接、発熱外来やかかりつけ医を受診してもらう方針。

 発熱などの症状が出ても、重症化リスクが低い人はすぐに発熱外来を受診せず、まず自宅などで新型コロナの抗原検査を受けてもらい、陰性の場合にはオンラインや電話での診察やかかりつけ医など、発熱外来ではない医療機関の受診を呼びかける。そして、インフルと診断された場合には、治療薬のタミフルを薬局から自宅に配送する。

●山際大臣「オミクロン株と同程度なら新たな行動制限行わず」

 山際担当大臣は、分科会の会合で「秋以降の感染拡大の可能性が指摘されており、季節性インフルとの同時流行も懸念されている」と指摘した。一方で「その場合でも、この夏と同様、オミクロン株と同程度の感染力や病原性の変異株による感染拡大であれば、新たな行動制限を行わず、社会経済活動を維持しながら重症化リスクのある高齢者などを守ることに重点を置いて感染拡大防止策を講じていく」と述べた。

●尾身会長「感染さらに拡大想定する必要」

 分科会の尾身会長は、13日の会合のあとの記者会見で、第8波の見通しについて「欧州ではワクチン接種率が高く自然感染した人の割合も日本よりもはるかに多いが、感染が拡大している。社会経済活動が活発化していることなどを考えると、多くの専門家は日本でもこの冬、かなり大きなコロナの感染拡大が起きる恐れがある認識を共有している。これにインフルの流行が重なれば、医療体制にさらに深刻な負荷がかかる恐れがある」と述べた。

 そのうえで「きょう了承された医療体制の強化や受診の流れの周知といった対策をとっても、医療が逼迫するような感染拡大が起きた場合などに具体的にどのような対応を取るべきか、現時点でまだ明らかではない。社会経済活動が活発化していて緊急事態宣言などという選択肢がとりにくい中、実効性のある対策はどうするか早急に検討していく必要があるという認識で一致した」と述べ、分科会などで具体的な対策について検討する考えを示した。

●ファイザー 5~11歳用「BA.5」対応ワクチン、厚労省に承認申請

 米製薬大手ファイザーの発表によると、13日、オミクロン株「BA.4」や「BA.5」に対応する成分と従来コロナに対応する成分が含まれる5歳から11歳の子ども向けワクチンを厚労省に承認を求める申請を行った。このワクチンは、遺伝物質の「メッセンジャーRNA」が2種類含まれる「2価ワクチン」というタイプ。「BA.5」対応のワクチンは、12歳以上を対象に接種が始まっているが、国内では5歳から11歳を対象にした承認申請は初めて。

●オミクロン対応2種、どう使う? BA.5ワクチン接種開始 判断は自治体ごと

 オミクロン株「BA.5」に対応ワクチンの接種が、13日から始まった。先行して接種が始まっている「BA.1」対応のワクチンから今後、在庫状況を踏まえて切り替わっていくが、その時期や二つのワクチンの使い方などは、自治体の判断に委ねられている。「BA.1」対応のワクチン接種は、まず高齢者らを対象に9月20日にスタート。一方、「BA.5」対応ワクチンは、現在、国内で流行しているウイルスに対応。マウス実験では、BA.5に高い有効性が確認された。

 自治体に配送するファイザーのワクチンは、今週から「BA.5」対応に切り替わったが、自治体は「BA.1」対応のものとあわせ、2種類のオミクロン株対応ワクチンを在庫として抱える。厚労省は、ワクチンの有効性に大きな違いはないとして、住民が予約する際に2種類のうちどちらを接種できるかを明示する必要はないと自治体に説明。「BA.1」対応については廃棄せず、今後の「第8波」に備え、すみやかに接種可能なワクチンの接種を進めることを求めている。

●「検査キットと解熱剤、事前購入を」政府 インフルと同時流行対策

 政府は13日、今冬の新型コロナと季節性インフルの同時流行に備えた対策を発表した。発熱した場合、重症化リスクの低い人にはまず自主検査し、できるだけ発熱外来は受診せず解熱鎮痛薬を飲んで自宅療養することを促す。国民にコロナの抗原検査キットと薬を事前購入しておくことを呼びかけた。政府は同時流行すれば1日の患者数が最大でコロナ45万人、インフル30万人の計75万人にのぼると想定。

 発熱外来の逼迫を避けるため、「重症化リスクに応じた外来受診・療養への協力」を呼びかける。重症化リスクが高い高齢者、基礎疾患のある人、妊婦、小学生以下の子どもには、発熱時に発熱外来やかかりつけ医の受診を呼びかける。それ以外の人にはコロナの検査キットで自主検査してもらう。陰性で受診を希望する場合は、オンライン・電話診療の活用やかかりつけ医の受診を検討してもらう。こうした対応の開始時期は、都道府県がコロナとインフル両方の発生動向をみながら判断する。

●東京都、4338人の新規感染を発表 病床使用率は18.8%

 厚労省は13日、東京都の新型コロナ感染者を新たに4338人確認したと発表した。前週の同じ木曜日(6日)より1296人増え、2日連続で前の週の同じ曜日を上回った。80代の男女5人の死亡も発表。13日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日あたり2838.1人で、前週(3485.6人)の81.4%。新規感染者数を年代別でみると、最多は20代の789人で、30代773人、40代748人、50代571人と続いた。65歳以上は315人。病床使用率は18.8%。都基準の重症者数は、前日より1人増えて13人だった。

 10月13日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【10月14日】

●「アビガン」開発中止 コロナ薬、治験で結果得られず

 富士フイルム富山化学は14日、2014年に承認された抗インフルエンザ薬「アビガン」の新型コロナ感染症治療薬としての開発を中止すると発表した。コロナ治療薬としての製造販売の承認申請を取り下げる。 異例続きだったアビガンの一連の動きに、終止符が打たれる。政府は新型コロナ用に159億円かけ約134万人分を購入。新型インフル向けの備蓄と合わせ、計約200万人分を購入済み。治験への支援として企業に15億円を出している。

 同社のアビガンは2020年3月、新型コロナ向けの治験を始めた。有効性を示す治験データが出てない2020年5月、当時の安倍首相が月内承認をめざすと前のめりの表明。同年10月承認申請をしたが、12月の審議会では有効性を判断することは困難とされ、継続審議。2021年4月、軽症者向けの治験を始めたが、有意な結果が得られなかった。医薬品行政の専門家は「政治家や厚労省、医薬品医療機器総合機構などの当時の判断は検証されるべき」と指摘する。

●東京都、大規模接種会場で「BA.5」対応ワクチン接種開始

 オミクロン株の「BA.5」対応ワクチンの接種は、準備が整った自治体で13日から始まっていて、都も14日から都庁の北展望室の会場などの大規模接種会場で接種を始めた。接種対象となるのは従来のワクチンで2回目か3回目までを終えた12歳以上の人で、都民でなくても都内に通勤・通学をしている人も受けられる。また、前回の接種から少なくとも5か月以上経過していることが条件。事前の予約がなくても受けられる。

●ライブハウス 観客の声出し時間など条件に収容率100%容認へ

 ライブハウスは、おととし大阪市内で新型コロナのクラスターが発生するなどして、いわゆる「3密」の条件がそろいやすい場所として指摘された。3つの業界団体は国や専門家の協力を得て、おととし6月以降、感染対策のガイドラインの改訂を重ね、収容人数を制限したり、マスク着用で声を出さないよう観客に求めたりしてライブを継続してきた。

 14日、ワクチンの接種が進み感染者が一時期に比べて減っていることなどを踏まえ、観客が声を出すことができる条件を定めて、会場の収容率を100%とすることを認めるガイドラインを新たにまとめた。具体的な条件としてマスクの着用や換気など基本的な感染対策を徹底したうえで観客の声が通常の会話の音量を上回らず、観客が声を出せる時間が1曲当たりの25%程度を限度とすることを挙げている。

【10月15日】

●拒食症、若い世代中心に増加 10代は1.7倍に コロナが影響か

 日本摂食障害学会の調査グループは、摂食障害の専門治療を行っている全国の医療機関を対象にことし5月から7月にアンケートを行い、28か所から回答を得た。それによると、初診の外来患者で「神経性やせ症」、いわゆる拒食症だった人は2019年には400人だったのが、新型コロナの感染拡大が始まったおととしは1.2倍の480人、去年はおよそ1.5倍の610人となっていた。

 特に10代は2019年に199人だったのが、おととしは296人でおよそ1.5倍、去年は347人でおよそ1.7倍になっていて、去年とおととしの患者の30%余りはコロナが影響しているとみられる。調査グループでは、学校の休校など日常生活の変化や、家庭の経済環境の悪化などがストレスになり、発症につながっているのではないかとしている。

●国内3万5千人感染、4日連続で前週より増加

 国内の新規感染者は15日、空港の検疫などを含め3万5138人(累計で2172万7933人)が発表された。前週の同じ曜日(8日)より8353人多く、前週から増えたのは4日連続。また死者は67人、累計で4万5823人。都道府県別で最も多かったのは東京都の3239人、前週の同じ曜日より634人多かった。北海道3100人、大阪府2674人、神奈川県2045と続いた。また、重症者は、15日時点で118人。重症者の数は14日と比べて13人減った。

 以下、10月15日時点の国内感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年10月 8日 (土)

新型コロナ2022.09 減少続く

 新型コロナウイルス感染症は、7月には感染拡大「第7波」となって全国的に急増、8月10日の全国の新規感染者は過去最多の25万人超、自宅療養の感染者も10日時点で過去最多の154万人、重症者や死者の増加も始まった。全国の新規感染者数がお盆や夏休みの影響で高止まりしていた状態は、8月末からは減少傾向が続いており、病床使用率も低下傾向にあるが、この冬は季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されている。

 感染者の「全数把握」の簡略化が26日、全国一律で導入された。高齢者らは保健所が引き続き健康状態を把握するが、若者や軽症者は自己管理が基本となる。療養期間の短縮、療養中の外出容認とあわせ、感染対策と社会経済活動の両立をはかる「ウィズコロナ」政策が本格始動した。

 2022年9月16日から30日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.09 終りが視野」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【9月16日】

●「全数報告」見直し前に、患者総数把握できるようシステム改修

 新型コロナの感染者について、医療機関に詳しい報告を求める対象を重症化リスクの高い人に限定する措置が今月26日から全国一律で始まるのを前に、報告の対象から外れる人も含む患者の総数を把握できるよう、厚労省は医療機関などが入力するシステム「HER-SYS」を改修した。今回の改修で、詳しい報告の対象から外れる人も含めた患者の年代別の数と合計の人数が入力できるようになったという。

Hersys

●コロナ、「普通の病気扱い」へ 政府分科会、議論方針を確認

 政府は16日、新型コロナ対策分科会を開き、新型コロナをインフルエンザのような「普通の病気」扱いに変えることを念頭に議論を進める方針を確認した。尾身会長は分科会後に会見し、「普通の病気にするということになれば、ロードマップ(工程表)をステップごとに議論した方がいい」という意見が多数を占めたと説明。国が工程表をつくって中長期的な方向性を示す必要があると指摘した。

 季節性インフルエンザとの同時流行も懸念される「第8波」への対策を次回の会合で議論する考えも示した。WHOのテドロス事務局長が「(世界的大流行の)終わりが見えている」と新型コロナの収束の見通しを示唆したことについて、「テドロスさんが言ったからといって、第8波は何も考えなくてもいいというオプション(選択肢)はない」と強調した。

●オミクロン対応 職域接種を準備

 20日から接種が始まるオミクロン株に対応した新型コロナワクチンについて、加藤厚労相は16日の閣議後会見で、自治体会場だけでなく、主に現役世代を対象に、企業や大学での「職域接種」を実施するために準備していることを明らかにした。政府は今冬に流行が懸念される「第8波」に備え、10~11月中に1日100万回以上のペースで接種できる体制を整える。

 加藤厚労相は、今冬の見通しについて「年末年始は、これまで2回とも感染が増えてきた」と指摘。「職域接種も実施する方向で自治体、希望する企業と調整している」と述べた。企業や大学から、近く会場設置の申請を募る予定という。ただ、職域接種については、1~2回目の際は約4千会場を設置し約970万人が接種を受けたのに対し、3回目は約3千会場、約430万人に減った。3回目は若い世代を中心に接種率が上がらず、全体でも65%にとどまる。

●新型コロナ入院給付金、26日から対象者見直しへ 生保協会

 医療保険の加入者が新型コロナに感染した場合に支払われる入院給付金について、生命保険協会は取り扱いのある39社すべてで、今月26日から支払い対象を実際に入院した人、高齢者や妊婦、新型コロナ治療薬や酸素の投与が必要な患者など重症化リスクが高い人などに限定するよう見直すことを明らかにした。生命保険協会の稲垣会長が、16日の記者会見で明らかにした。

 入院給付金について保険各社は現在、自宅などで療養する「みなし入院」も含めて、原則、全員に支払っているが、感染者の全数把握が見直されることを踏まえ、支払い対象をどうするか検討していた。生命保険協会によると、16日までに協会に加盟する生命保険会社のうち、取り扱いのある39社すべてで、今月26日から支払い対象を見直すことを決めたという。

【9月18日】

●妊婦へのワクチン接種で赤ちゃんに抗体

 国立病院機構三重病院の菅副院長らのグループは、ファイザーの新型コロナワクチンを2回接種した妊婦146人の出産後の血液とへその緒から採ったさい帯血を分析し、ウイルスの働きを抑える中和抗体がどれくらいあるか調べた。その結果、中和抗体の値は、さい帯血では母親の血液の1.68倍あり、妊婦にワクチンを接種すると胎盤を通じて抗体が赤ちゃんに移行することが確認できたという。

【9月19日】

●東京感染4069人

 国内感染者は19日、新たに3万8057人が確認された。前週の同じ曜日(12日)より1万4853人少なかった。前週の同じ曜日を下回るのは26日連続。死者は72人。都道府県別で新規感染者数が最も多かったのは、東京都の4069人。前週の月曜より1585人少なかった。18日は8月21日以来28日ぶりに前週よりも感染者が増えたが、19日は再び減少に転じた。

 9月19日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【9月20日】

●北朝鮮、マスク着用義務づけへ コロナとインフルの同時流行警戒

 20日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、新型コロナやインフルエンザについて、「秋に入り、日中と夜の気温差が大きく、ウイルス性の呼吸器疾患が発生しやすくなる」として、感染防止策の徹底を呼びかけた。そのうえで、「WHOなどは、ことしの秋から冬にかけて新型コロナとインフルエンザが同時に流行することを懸念している」と指摘し、すべての国民に来月からマスクの着用を義務づけるとする方針を伝えた。

 北朝鮮は9月、新型コロナを抑え込んだとして「勝利宣言」を行い、マスク着用義務をなくすとしていたが、感染拡大に再び警戒している。キム・ジョンウン(金正恩)総書記は今月、新型コロナワクチンの接種を始める方針も明らかにしていて、国民の不満の高まりを抑えるねらいがあるものとみられる。

●オミクロン株対応のワクチン、接種始まる

 年末年始に懸念される感染拡大に備え、新型コロナのオミクロン株に対応したワクチンの接種が、20日から始まった。接種の対象となるのは従来のワクチンで2回目までを終えた12歳以上のすべての人で、前回の接種から少なくとも5か月以上経過していることが条件。ファイザー製は12歳以上、モデルナ製は18歳以上に使う。4回目を受けていない高齢者や医療従事者などから、自治体ごとの判断で10月半ばまでに順次、対象が拡大される。

 厚労省は自治体に対し、3回目などで配布した未使用の接種券で受け付けるようにするほか、接種券がない人に対し10月末までに配布するよう求めている。厚労省は、このワクチンがオミクロン株に対して従来ワクチンを上回る効果が期待されるほか、今後の変異株に対しても有効である可能性が高いという。厚労省は年末年始に懸念される感染拡大に備え、希望者が年内に接種を終えることを目指す。今後は5か月としている接種間隔を短縮する方針。

●全数把握見直し 知事会「報告対象外にも自粛要請を」

 新型コロナ感染者の全数把握をめぐり、来週26日からは全国一律の措置として運用を始めることにしている。これを前に全国知事会の会長の平井・鳥取県知事は20日、山際担当相とオンラインで意見を交わした。

 この中で平井知事は詳しい報告の対象から外れる重症化リスクが低い患者にも、引き続き外出自粛を要請することや、勤め先の企業や保険会社に対し、療養証明書の提出を求めないよう改めて周知することなどを求めた。また新型コロナに加え、物価高にも対応するため、大型の経済対策を策定することも求めた。

【9月21日】

●感染者数減もインフルとの同時流行懸念 専門家会合

 厚労省の専門家組織の会合が21日に開かれ、全国の新規感染者数はことし2月の「第6波」のピークを下回る感染レベルになっていて、すべての地域で減少傾向が続き、大都市の短期的な予測などからは多くの地域で減少傾向が続くと分析した。療養者や重症者、亡くなる人の数の減少も続いており、医療体制については一部で負荷が続いているものの状況の改善がみられるとしている。

 ただ、東京など首都圏では感染者数の減少傾向に鈍化がみられていて、連休が続くことによる影響に注意する必要があるほか、秋以降に季節性インフルが例年より早く流行し、コロナと同時流行が懸念されるとして、こうした事態を想定した対応が必要だと指摘した。引き続き、基本的な感染対策の再点検と徹底が必要だとし、不織布マスクの正しい着用、消毒や換気の徹底、のどの痛みや咳などの症状があるときは外出を控えることなどを呼びかけた。

●1週間の新規感染者数、減少傾向続く 前週比0.71倍

 厚労省の専門家組織会合で示された資料によると、20日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて0.71倍と減少傾向が続いている。首都圏の1都3県では、東京都が0.79倍、神奈川県0.82倍、埼玉県が0.87倍、千葉県が0.80倍と減少傾向が続いているほか、すべての都道府県で前の週より減少する状況が続いている。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、福井県が522.65人と全国で最も多く、次いで広島県が516.91人、三重県が515.01人となっているほか、大阪府が389.60人、東京都は370.26人、全国では370.05人となっている。

●脇田座長 「年末に向け状況が変わる可能性」

 厚労省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は感染者数などの減少傾向が続いている理由について「一番大きいのは免疫の状況だという議論があった。また、重症者数や死亡者の減少は、新たに感染する高齢者の減少が影響している」との見方を示した。そのうえで「今後、免疫の状況は減衰していくとみられるほか、年末に向けて人と人との接触も増えていく可能性があるので、そこで状況が変わってくる可能性がある」と述べた。

 また、WHOのテドロス事務局長が14日の記者会見で「まだ到達していないが、終わりが視野に入ってきた」と述べたことに触れ、「『流行のレベルが下がってきているので対策継続すべき』という趣旨の発言だった」との認識を示したうえで「きょうの会合では海外と日本でこれまでの感染状況に違いがあるので、海外と同じような感染対策の緩和はすべきではないという意見があった」と述べた。

●発熱外来数3.8倍の格差 人口10万人あたり 最少は千葉

 今夏「第7波」では「発熱外来」(診療・検査医療機関)に患者が集中。今冬はインフルとコロナの同時流行が懸念され、厚労省はさらなる拡充を求めている。全国の「発熱外来」総数は、9月14日時点で約4万施設。人口10万人あたりの数でみると、最多は鳥取県で57.5、鹿児島県55.2、徳島県52.1と続く。東京都は33.6、大阪府31.4。逆に千葉県は15.2と全国で最も少なく、2番目に沖縄県、3番目北海道が少ない。都道府県別で最大3.8倍の格差がある。

 各自治体の全医療機関に「発熱外来」が占める割合は、鳥取県が59.9%と最も高く、最低は23.1%の千葉県。東京都は31.4、大阪府30.1で、北海道、青森県、沖縄県などは3割に満たない。人口比、医療機関比のいずれも全国で最も低い千葉県の担当者は、「都市部の人口密度が高いことが関係しているのでは」とみる。都市部では医療機関が人口比でも少なく、「発熱外来」に指定されると患者が殺到しかねないと警戒する医師が多いという。

●発熱外来、拡充は難題 コロナ・インフル同時流行懸念

 「第6波」以降、症状の軽重にかかわらず、感染の疑いがある患者が発熱外来に殺到。検査も治療も受けられない人たちもいた。こうした問題解消のため、全数把握が26日には全国一律で簡略化される。「発熱外来」は主に重症化リスクのある人たちを診ることが想定、負担軽減が期待される。だが、厚労省や識者らが懸念するのが、今冬に想定されるインフルとコロナの同時流行。インフルを含めた発熱患者は結局、「発熱外来」に集中し逼迫しかねない。

 14日の専門家組織の会合でも、こうした課題が議論された。この点については政府と専門家が近く開く分科会で本格的に議論するが、「同時流行に打つ手などない」という意見があるなど妙案はみえていない。発熱外来の開始をちゅうちょする医療機関側には、「免疫機能が落ちている患者を診ているため、コロナがうつるとまずい」「雑居ビルの中に診療所があり、発熱患者とほかの利用者の動線をわけにくい」という理由があった。

●発熱外来、自治体も試行錯誤

 厚労省は、「発熱外来」の開設を自治体ホームページで公表することを条件に、特例として①診療報酬を上げる、②厳密に動線を分けることを医療機関に求めないなどで「発熱外来」の拡充を求めてきた。だが、全国の総数は今年4月末時点の約3万8千から、9月中旬までに2千ほどの増加にとどまる。直近では、オンラインや電話での診療の活用を厚労省は強調する。自治体側も独自の補助事業を始めるなど試行錯誤しながら、体制整備を進めている。

 「発熱外来を増やすことも大事だが、全ての医療機関でコロナを診ることがゴール」との声もある。コロナ対応のクリニック(東京都)の院長は「コロナ前に発熱患者を診てきた医療機関ならば、同様の感染対策をすれば対応できるはず。コロナを含めた発熱患者を受け入れるべきだ」と訴える。少なくとも内科を掲げる診療所については、発熱患者を受け入れる法的強制力も必要ではないか。医師会と保健所、自治体が協力しあえば、もっと受け皿を広げられるはずだと言う。

●COCOA年内停止を公表 厚労省

 厚労省は21日、コロナ対策の接触確認アプリ「COCOA」について、年内をめどにアプリの機能を停止することも公表した。政府は、26日から感染者の全数把握を全国一律で簡略化するため、COCOAの必要性が薄れたとしている。COCOAをめぐっては、通知が届かない不具合が放置されるなどずさんな対応も明らかになった。活用状況や評価、課題などについてデジタル庁が報告書をとりまとめ、年度内に公表する予定という。

【9月22日】

●岸田首相 水際対策、10月11日からさらに緩和の意向 旅行の支援策も

 ニューヨークを訪れている岸田首相は、日本酒や和牛など日本の食文化を発信するため、日本時間の22日午前、現地で開かれたレセプションに出席した。この中で岸田首相は「世界中の方々から『いつから日本に旅行できるのか』という声をいただいている。10月以降、水際対策をさらに緩和する。訪日して日本食を味わっていただく計画を立ててもらいたい」と呼びかけた。

 岸田首相は日本時間の22日夜、ニューヨークで記者会見し、新型コロナの水際対策をめぐり、10月11日から入国者数の上限を撤廃するとともに、自由な個人旅行を認め、短期滞在のビザを免除する方針を明らかにした。また同じく10月11日から全国を対象にした旅行の支援策やイベント事業などを対象にした消費喚起策を開始する方針を明らかにした。

●オミクロン株対応ワクチンの職域接種、10月24日の週から開始へ

 オミクロン株に対応したワクチンの職域接種が来月24日の週から始まる見通しとなった。今月20日から始まったオミクロン株対応のワクチンの接種は、従来ワクチンで2回目までを終えた12歳以上のすべての人が対象。4回目を受けていない高齢者や医療従事者などから、自治体ごとの判断で10月半ばまでに順次対象が拡大される予定で、厚労省は自治体の負担軽減のため、職域接種の申請の受け付けを始めた。職域接種は18歳以上が使用できるモデルナワクチン。

●徳島の阿波おどり、参加の踊り手などの4人に1人が感染

 徳島市の阿波おどりは、先月12日から15日までの4日間、3年ぶりに街なかに桟敷を設け、技量の高い有名連が総おどりなどを披露したほか、県外からも大勢の観光客が訪れ路上で踊るなど、本格的に開催された。徳島市では22日に実行委員会の会合が開かれ、参加した123の踊り手団体を対象に行ったアンケートの結果が報告された。

 それによると、回答した86団体のメンバーで、阿波おどりの期間をはさむ先月11日から25日までに感染が確認されたのは、合わせて819人だった。回答した団体の参加者は、推計で3425人で、感染が確認された人の割合は、ほぼ4人に1人の24%。これについて委員からは、来年以降の開催に向けてさらに詳しい調査を求める声も上がった。実行委員会は今回の議論を踏まえて、来年の感染対策や運営方法を検討することにしている。

【9月23日】

●観光促進、一気にアクセル 来月11日から全国旅行割・水際緩和

 新たな観光支援策「全国旅行割(全国旅行支援)」がようやく始まることになった。全国旅行割は1人1泊8千円を上限に旅行代金の40%を補助し、平日は3千円、休日は千円のクーポン券がつく。対象期間は年内とみられる。現在の「県民割」は近隣への旅行に限られていたが、全国旅行割は全国に広がる。「遠方への旅行が増え、宿泊日数が延びる」(観光庁担当者)といった狙いがある。

 政府が6月に表明後、7月前半の開始をめざしていたが、感染者が急増したため見送った経緯がある。2年前の「GoToトラベル」は、感染を広げたのではないかと批判されたこともあり、現政権内には全国旅行割に慎重な意見があった。しかし、感染者数が減少傾向にあることや、秋から冬にかけての観光シーズンを迎えることから、このタイミングでの開始となった。観光庁内には8300億円の予算を年度内に使いたいという事情も。

●政府、同時に水際対策も大きく緩和

 欧米諸国では入国制限が撤廃されるなか、ようやく「G7(主要7カ国)並み」に近づく。円安のメリットを生かそうと、政府は訪日観光客の増加に期待する。岸田首相は14日の経済財政諮問会議で、インバウンドの回復を挙げたうえで「足元の円安メリットを生かした、我が国の稼ぐ力を強化する取り組みが重要」と語っていた。

 今回の緩和のポイントは、1日当たりの入国者数の上限を撤廃、短期滞在のビザを免除、個人旅行を解禁の3点。特にビザの取得は手続きに時間がかかることなどから、訪日のハードルになっていると指摘されていた。米国など68カ国・地域の短期滞在ビザが免除されていたコロナ前に戻す。一方、感染拡大防止も課題。政府は入国前の陰性証明書かワクチン3回接種証明書の提示は引き続き求める方針。G7で3回接種を求めるのは日本だけ。

【9月24日】

●認知症の独居高齢者がコロナ感染 介護サービス受けられない?

 認知症の当事者や家族などでつくる4つの団体は今年2月から4月にかけて、長引くコロナ禍での影響について、家族や支援者などを対象にインターネットでアンケート調査を行い、8月に結果をまとめた。288件の回答のうち58%が、認知症の症状が悪化や心身機能低下があったと答えた。背景には、感染拡大に伴う介護サービスの休止や利用制限が相次いだ影響とみられ、介護サービスを「減らした」、または「変更した」という回答は全体の36.5%に上った。

 4つの団体では、本人の生活への影響や家族の介護の負担が大きい状況が続けば「本人や家族が共倒れになる危険をはらんでいる」として介護にあたる家族が体調を崩した際のサポート体制や認知症の当事者への介護サービスが制限されることをできるだけ少なくするための支援策などを求めて、近く厚労省に要望書を提出する予定。認知症の専門医は、「現場の努力」「個人の努力」だけに頼らない仕組みを構築する必要があると指摘した。

●人工透析患者、ワクチン3回接種で抗体が大幅増 横浜市立大など

 横浜市立大学と神奈川県内の4か所のクリニックは、新型コロナに感染すると重症化のリスクが高いとされる人工透析を受けている患者がワクチン接種によって得られる効果を研究した。その結果、2回目接種から1か月後に透析患者のグループの抗体価は健康な人のグループの3分の1だったが、3回目接種の1か月後には、透析患者のほとんどで抗体価が大幅に上がり、健康な人との差がなくなったという。

●国内感染3万9千人

 国内感染者は24日、新たに3万9218人が確認された。前週の土曜日(17日)より3万1745人少なく、前週の同じ曜日を下回るのは31日連続となった。死者は68人だった。都道府県別の最多は東京都の4855人。

 9月19日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【9月25日】

●コロナワクチン、北朝鮮も接種へ 中国との往来再開に備えか

 新型コロナ禍を収束させ「勝利」を宣言した金正恩(キムジョンウン)総書記が、国民のワクチン接種を進める考えを示した。接種を一度も実施していない北朝鮮は、中断している鉄道による貿易の再開を中国側に要望している。中国などとの人の往来の再開への備えとの見方がある。すでに首都の平壌や中国との国境地域ではワクチンの接種が始まっている模様。韓国政府関係者は「封鎖一辺倒から、一部開放という現実的な政策へと変わっていく表れではないか」とみる。

 金総書記が接種の方針を打ち出したのは9月8日。朝鮮中央通信によると、最高人民会議の施政演説で「悪性伝染病が引き続き発生しうる様々な可能性が存在する」とし、「接種を責任を持って実施する」と語った。「我々の防疫専門家は、5~6月に人々に形成された抗体の値が10月ごろには低下するとみている」とも述べた。北朝鮮は4月末から「発熱者が急増」し、8月の勝利宣言までに累計約477万人に上ったが、「抗体」は感染した人が持つ抗体を指すとみられる。

【9月26日】

●コロナで停止 中国と北朝鮮間の貨物列車、約5か月ぶり運行再開

 新型コロナの影響で、ことし4月から運行を停止していた中国と北朝鮮の間を結ぶ貨物列車が、およそ5か月ぶりに運行を再開した。北朝鮮では、来月に朝鮮労働党の創立記念日を控える中、経済の立て直しを急いでいるものとみられる。複数の中朝関係筋によると、中国東北部の遼寧省の丹東と北朝鮮北西部のシニジュ(新義州)を結ぶ貨物列車が26日午前、運行を再開した。関係筋によると、毎日運行はせず、1か月に数回の頻度で当面、運行する予定だという。

●「感染者の全数把握簡略化」、きょうから全国一律開始

 政府は、新型コロナ対応にあたる医療機関などの負担を減らすため、9月2日から都道府県の判断で、感染者の全数把握を簡略化できる運用を始めた。詳しい報告の対象を、65歳以上、入院が必要な人、妊娠中の女性など重症化のリスクが高い人に限定、これ以外の人は年代と総数の報告のみとしている。

 この運用は、すでに9つの県で導入され、現場の負担が軽くなったという声が出ている一方で、医師会などからは軽症者が重症化した場合に、速やかに受診できる体制を整える必要があるという指摘がある。政府は都道府県に対し、軽症者の症状が急変した時に健康フォローアップセンターなどを通じて適切に対応できる体制を作ることや、これまでどおり軽症者にも一定期間の外出の自粛を求めることを要請していて、その実効性が課題となる。

●イベルメクチン「有意差はない」 コロナ治療薬、申請せず

 新型コロナの治療薬への転用をめざしていた抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、効果や安全性を確かめる臨床試験(治験)を行っていた興和(本社・名古屋市)は26日、「主要な評価項目で統計的な有意差が認められなかった」とする結果を発表した。イベルメクチンは、2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授の研究をもとにした薬。国内では消化管の寄生虫が引き起こす感染症や疥癬の治療薬として承認されている。

【9月27日】

●カナダ、入国規制10月1日に全廃を発表 接種証明提示は不要に

 カナダでは、これまで新型コロナの感染拡大を防ぐため海外から入国する人に対してアプリやウェブサイトを通じてワクチンの接種証明を提示することや交通手段や渡航目的などの情報を提示すること、さらに場合によっては検査や隔離を求めてきた。26日、カナダ政府は国内でワクチン接種が進んだことや、感染が抑えられていることなどを理由に、入国の際の規制を10月1日にすべて撤廃する。政府としては水際対策を撤廃して観光産業の活性化を図る考え。

【9月28日】

●新型コロナのクラスターなど397件 5週連続で減 25日までの6日間

 厚労省は毎週、報道などをもとに、自治体がクラスターと認定した事例や2人以上が感染した事例をまとめている。それによると、9月25日までの6日間に全国で確認されたクラスターなどは合わせて397件で、5週続けて減少。施設別で最も多かったのが高齢者福祉施設で199件、次いで医療機関83件、学校・教育施設などが60件だった。このほか保育所などの児童福祉施設と障害者福祉施設がそれぞれ23件、企業など6件などとなっている。

●塩野義製薬 新型コロナ飲み薬「治験で症状改善の効果を確認」

 塩野義製薬は28日、開発を進めている新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」について、最終段階の治験の結果を速報として発表した。それによると、治験は重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの、軽症から中等症のコロナ患者1800人余りを対象に、ことし2月~7月中旬に行われた。会社は治験の結果、良好な結果が得られたとして、改めて厚労省などにデータを提出するとしている。

 この薬は緊急承認の制度を使って厚労省に承認申請したが、ことし7月の審議会では「有効性を推定できるデータが不十分だ」として、継続審議となっていた。

【9月29日】

●国と自治体、感染者数にズレ 把握の簡略化後、次々

 新規感染者数について、27日以降、厚労省と各県が発表する数字が食い違う事態が起きた。自治体側で感染者の二重計上のミスや集計時間などの違いがあり、28日には12県で最大270人の差異があった。26日に全国一律で全数把握の簡略化に移行したことで起きた混乱で、厚労省は違いを解消するように自治体に働きかけている。

 28日発表分で食い違いがあったのは、青森、新潟、長野、静岡、兵庫、鳥取、広島、香川、高知、福岡、宮崎、沖縄の12県。27日は広島県で、県内の発表が1125人、厚労省発表が41人と大きな違いが出た。

●東京都、5032人感染確認 前週より3818人減

 厚労省は29日、都内で新たに5032人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。1週間前の木曜日より3818人減った。また、人工呼吸器かECMO(人工心肺装置)を使っている重症の患者は28日より3人減って14人だった。一方、感染が確認された10人が死亡した。

 9月19日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【9月30日】

●オミクロン株対応ワクチン職域接種 10月17日の週から実施も

 今月から始まったオミクロン株に対応したワクチン接種をめぐり、政府は、10月から11月にかけて一日100万回を超えるペースで接種できる体制を整備したいとしていて、10月24日からは職域接種も始める方針。これについて松野官房長官は閣議のあとの記者会見で、29日午後3時までに全国の443の会場から職域接種の申し込みがあったことを明らかにした。すでに準備が整っている一部の接種会場については、10月17日の週から実施する予定。

●医療提供体制の警戒レベル引き下げも警戒を 東京都
 
 東京都は30日、モニタリング会議を開き、感染状況や医療提供体制について分析・評価した。この中で、新規感染者数の7日間平均は28日時点で6135.3人と、8週連続で減少していると報告された。一方、今月26日までの1週間の新規感染者のうち、40代が全年代で最も高い17.4%、次いで30代が17.3%となっていて、4週連続でこの世代の割合が高いとして警戒を呼びかけている。また、28日時点の都内の病床使用率は21.9%で、1週間で6.6ポイント下がった。

 会議は、4段階ある警戒レベルについて、感染状況は上から2番目を維持したが、医療提供体制は「通常の医療との両立が可能な状況である」としてレベルを1つ下げ、下から2番目に変更した。

●全国旅行支援、10月11日から各都道府県判断で 東京都は20日から

 斉藤国交相は30日の閣議後の会見で「全国的な旅行需要を早期に喚起する観点から、各都道府県で現場の実情を踏まえながら、なるべく早期に事業を開始していただきたい」と述べた。そのうえで、「そもそも『全国旅行支援』の基本的な考え方として、各都道府県ごとに判断をいただく仕組みになっている」と述べ、実施時期の判断は、それぞれの事情にあわせて各都道府県に委ねられるという考えを示した。

 政府の観光需要の新たな喚起策「全国旅行支援」は、10月11日から12月下旬までの期間、都道府県の判断で実施できる。東京都は、新型コロナの感染状況の判断や、ホテルの募集などの準備が必要だとして、初日の11日からは実施できないとしていた。30日、小池知事は都のモニタリング会議のあと、「全国旅行支援については専門家の意見を踏まえ、来月20日から開始する」と述べた。

●8月の国内ホテルや旅館の客室稼働率、感染拡大以降初の50%超

 観光庁が発表した速報値によると、8月に国内のホテルや旅館などに宿泊した人の数は、延べ4672万人で、去年の同じ時期よりも49.3%増加した。また、客室の利用割合を示す「稼働率」は、全国平均で50.1%となった。稼働率が速報値で50%を上回るのは、コロナ禍で宿泊者が大幅に減った、2020年3月以降初めて。これは、3年ぶりに夏休みの期間に行動制限がなかったことや、観光需要の喚起策「県民割」が下支えしたことが主な要因。

●国内111人死亡 3万6646人感染

 厚労省によると、30日に発表した国内の新たな感染者は空港の検疫などを含め3万6646人。また、国内で亡くなった人は111人、累計で4万4789人となっている。また、新型コロナ感染が確認された人で、人工呼吸器やECMOをつけたり集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、30日時点で178人。重症者の数は29日と比べて10人減った。

 以下6枚の図は9月30日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年10月 4日 (火)

新型コロナ2022.09 終りが視野

 新型コロナウイルス感染症は、7月には感染拡大「第7波」となって全国的に急増、8月10日の全国の新規感染者は過去最多の25万人超、自宅療養の感染者も10日時点で過去最多の154万人、重症者や死者の増加も始まった。8月末には全国の新規感染者数は、お盆や夏休みの影響で高止まりしていた状態から、9月13日までの1週間でみた全国の新規感染者は前週の0.76倍で、全都道府県で減少が続いている。

 WHOテドロス事務局長は14日、新型コロナの世界全体の死者数が先週、2020年3月以来の低い水準になったと指摘、「まだ到達していないが、終わりが視野に入ってきた」と述べた。

 2022年9月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.08 全数把握」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【9月1日】

●雇用調整助成金、特例措置の上限引き下げへ 10月以降

 新型コロナの影響を受けた企業に対する雇用調整助成金の特例措置について、厚労省は10月以降、助成金の上限を引き下げることを決めた。具体的には、直近3か月の平均の売り上げが感染拡大前と比べて30%以上減少した企業への助成金は、現在は上限を1万5000円に増額が1万2000円に、売り上げの減少が30%に満たない企業は上限を1日9000円から8355円にそれぞれ引き下げる。11月まで運用し12月以降については、状況を見て改めて判断する。

●知事会「全数把握一律見直し、対象外患者の相談体制を」 緊急提言

 新型コロナ感染者の全数把握が2日、一部で簡略化される。全国知事会の要請に応える形で政府が8月24日に方針を示したが、2日開始は宮城、茨城、鳥取、佐賀の4県のみ。異例の事態の背景には政府と知事会、そして各地の知事の間の思惑の違いがのぞく。政府の方針は、発生届による把握を高齢者らに限り、それ以外は人数と年代だけの報告とする内容。

 1日開かれた全国知事会のオンライン会議で、全数把握の見直しに関する意見が相次いだ。そして全国知事会として、全数把握の見直しを全国一律で行う場合には、詳細な届け出の対象外となる人に対する検査や治療、相談体制の整備を進めるほか、自宅療養者への物資支給などの支援に万全を期すよう求める緊急提言をまとめた。

●コロナ新注射薬、予防目的に限定

 厚労省は1日、新型コロナ感染症への英アストラゼネカ製の注射薬について、予防目的の使用に限るとする通知を出した。確保量が15万人分と限られており、代替品がある治療薬としてでなく、予防薬として使うことにした。この薬は「エバシェルド」。厚労省が8月30日に承認した。対象は12歳以上。濃厚接触後の使用は認められていない。長期の発症抑制の効果が期待できるため、免疫不全などでワクチンの効果が出にくい人に使うことを想定している。

●コロナ対象、縮小通知 生保協会 今月半ばにも適用

 保険各社はコロナに感染すれば、自宅療養や軽症でも「みなし入院」として、入院給付金を支払ってきた。生命保険協会は1日、新型コロナに感染した際の医療保険の入院給付金について支払いの対象を絞り、65歳未満で軽症の感染者は支払い対象外にすることを検討するよう、加盟各社に通知した。厚労省が今月中にも感染者の「全数把握」を見直すことに合わせ、支払いの基準を改めた。

 支払い基準を実際に変えるかは各社の判断だが、日本生命、第一生命、住友生命、明治安田生命の大手4社は変更の準備を始めており、政府が全数把握を全国一律で見直すとする9月半ばにも適用する見通し。他社も追随する可能性が高い。ただ、契約途中の変更に契約者から反発が強まる可能性もある。

【9月2日】

●全数把握見直し、きょうから4県で運用開始

 新型コロナ感染者の全数把握を見直し、詳しい報告の対象を限定する運用が、2日から4つの県で始まる。政府はいずれは原則全国一律の運用に移行する方針。今後の感染状況を見極めながら移行の時期を判断することにしている。新型コロナ対応にあたる医療機関や保健所の負担を減らすため、政府は詳しい報告を求める感染者の対象を都道府県の判断で見直し高齢者など重症化リスクが高い人に限定できるようにする措置を導入した。

 先月29日締め切りまでに見直しを申請した宮城、茨城、鳥取、佐賀の4県では、2日から重症化リスクが高い人以外は、患者の年代と総数のみに報告を簡略化した運用が始まる。見直しの申請は、2日が2回目の締め切りとなるが、政府は、いずれ全国一律の運用に移行するため、必要となるシステムの改修を今月中にも終えられるよう作業を急いでいる。一方、一律の運用に移行後も、全数把握を続けたいという自治体は、例外的に認めることも検討している。

●次の感染症 国が強化策 医療機関と協定 個人にも罰則も

 政府の新型コロナ感染症対策本部は2日、コロナ禍の反省と教訓を踏まえ、次の感染症危機に向けた具体策をまとめた。行政の権限を強めることで、感染拡大期の医療体制の確保や水際対策をより確実にすることをめざす。新たに司令塔役を担う「内閣感染症危機管理統括庁(仮称)」も2023年度に新設する。国立感染研と国立国際医療研究センターを統合する「日本版CDC(疾病対策センター)」は、2025年度以降の発足をめざす。

 都道府県と医療機関はあらかじめ、病床の確保や発熱外来の設置などに関する協定を結び、協定に沿った対応をしない医療機関については勧告や公表する。特に大学病院などの「特定機能病院」や、地域医療の中核「地域医療支援病院」が指示に従わない場合には、承認を取り消すなどの内容を盛り込んだ感染症法の改正案を秋の臨時国会に提出する。また水際対策では、感染した恐れがある人に入国後の自宅待機を指示、さらに待機状況の報告に応じない場合の罰則も設ける。

●オミクロン株対応ワクチン接種、早ければ今月半ば開始へ 厚労省

 厚労省は2日、専門家で作る分科会を開き、オミクロン株に対応したワクチンの接種について具体的な対象者や進め方の方針を決めた。それによる、対象は2回目までの接種を終えた12歳以上のすべての人。そのうえで、速やかに進めるため、現在行われている4回目接種の対象となっている高齢者や医療従事者などのうち、まだ接種を受けていない人から、オミクロン株に対応したワクチンに切り替えて、早ければ今月半ばにも始める。

 新しいワクチンは、従来株に由来する成分とオミクロン株の一つ「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるもので、現在流行している「BA.5」に対しても、効果が見込まれている。ファイザーとモデルナが厚労省に薬事承認を申請していて、承認されれば、今月半ばにも各自治体へ配送される見通しです。厚労省は、準備が整った自治体から10月半ばをめどに、対象をすべての年代に拡大していくとしています。

●5歳から11歳への3回目接種、来週にも開始へ

 2日に開かれた厚労省の専門家の会議では、5~11歳の3回目のワクチン接種を公費負担とし、予防接種法上の「努力義務」とすることも決まった。5歳から11歳の子どものワクチン接種は、ことし2月からファイザーワクチンを使って1回目と2回目が行われている。3回目も同じワクチンを使って行われ、2回目から少なくとも5か月以上間隔を開けていることが条件。12歳以上も「努力義務」がある。法律上は接種を受けるよう努める必要があるが、強制ではない。

●新規感染12.8万人 前週比減が続く

 国内感染者は2日、新たに12万8727人が確認された。1週間前(8月26日)より6万4126人少なく、9日連続で前週の同じ曜日を下回った。都道府県別の新規感染者は、東京都の1万2413人が全国最多で、1週間前より6010人少なかった。次いで大阪府9540人、愛知県8489人、神奈川県6764人だった。

【9月3日】

●外国人観光客、ツアー限定も自由にスケジュール組むこと可能に

 政府は今月7日から水際対策を緩和し、すべての国を対象に添乗員を伴わないツアーも認めることにしている。これを受けて、観光庁は外国人観光客を受け入れる際のガイドラインを見直した。それによると、個人旅行は引き続き認められず、旅行会社が航空チケットや宿泊先を手配したツアーに限定される。ただ、これまでは、訪問先もあらかじめ決まっていたが、今後は、日中の観光や食事などについて、ツアー客が自由にスケジュールを組むことが認められる。

 また、旅行会社がツアーの責任者となり、ツアー客が入国した時点で、電話やメールなど日本に滞在する間の連絡手段を確保し、マスクの着用など基本的な感染対策を徹底するよう説明する必要があるとしている。観光庁による、ことし6月の外国人観光客の受け入れ再開以降、ツアー客の感染は報告されていないが、今後も感染対策を徹底しながら、徐々に訪日客の受け入れを増やしていきたいとしている。

●10日連続で前週下回る

 国内感染者は3日、新たに12万3100人が確認された。前週の土曜日(8月27日)より5万6994人少なく10日連続で前週の同じ曜日を下回った。死者は計288人だった。都道府県別の新規感染者が最多だったのは、東京都で1万2561人。前週の土曜日より4565人少なかった。3日までの1週間で都内の感染状況をみると、1日あたりの感染者数は1万3540.9人で、前週(2万822.4人)の65%だった。

 感染者が2番目に多かったのは大阪府で9385人、次いで愛知県の8790人だった。死者は青森、富山、石川、鳥取、徳島、沖縄の6県で過去最多となった。

 9月3日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【9月4日】

●英国、ファイザーなどが開発したオミクロン株対応ワクチンを承認

 英国の規制当局は、3日、ファイザーとドイツのビオンテックが開発したオミクロン株「BA.1」と従来の新型コロナの2種類に対応する「2価ワクチン」というタイプのワクチンを12歳以上の追加接種として承認したと発表。英国では先月、モデルナが開発した2価ワクチンも承認されている。ワクチンの安全性などを管理する英国の医薬品・医療製品規制庁は「秋の追加接種に向けて2つ目のワクチンが承認されたことをうれしく思う」などとコメントしている。

 オミクロン株に対応したワクチンをめぐっては、米国CDC(疾病対策センター)が1日、オミクロン株の「BA.4」と「BA.5」に対応する2価ワクチンを追加接種として使用することを正式に推奨すると発表したほか、日本でも「BA.1」に対応する2価ワクチンの承認申請が出されていて、各国で秋以降の追加接種に向けた準備が進んでいる。

●区別せず見送りたいのに 火葬場なお「コロナ枠」 国「リスク低い」

 新型コロナの「第7波」で、死者数が増え続けている。8月は7千人を超え、月別で過去最多だった。葬儀業者の安置所には、保冷庫に収まりきらない遺体が次々に運び込まれている。「遺体からの感染リスクは低い」とされるが、火葬場の多くが感染リスクを理由に新型コロナの死者の受け入れを限定している。首都圏などでは1週間以上、火葬を待つ例も続出している。

 厚労省のまとめでは、コロナに感染した国内での8月の死者数は、7月の5.6倍の7295人。これまで月別で最多だった今年2月の4897人を大きく上回った。急増した死者数は「コロナ枠」を上回り、火葬の順番待ちに。このため、遺体を1週間以上預かるケースが各地で続出している。

【9月5日】

●インフルワクチン、高齢者らへ開始時期など周知 コロナ同時流行懸念

 今冬の季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されることから、厚労省は5日、65歳以上の高齢者らのインフルワクチン定期接種が10月に始まることなどを積極的に周知すると決めた。インフルワクチンは予防接種法上、行政から対象者に接種を勧奨するものではない。だが、同時流行で医療機関の負担が大きくなる懸念があり、接種機会を逃さないよう周知することにしたという。

 5日の専門家部会で了承された。冬を迎えたオーストラリアでは、例年よりも数カ月早くインフルが流行している。昨冬は同様の周知はしていなかったが、今冬は国内でもインフル予防の啓発が重要と判断した。今冬のワクチン供給量は、これまでで最多の約7040万人分(成人)になる見込み。接種が本格化する10月1日時点で、65歳以上の約9割が接種できる量があるという。

●Jリーグ 声出し応援、観客制限見直すよう働きかけ

 Jリーグでは産業技術総合研究所とともに、ことし6月から先月14日にかけて声出し応援が許可された12試合で現場の状況などを調べた。その結果、声を出して応援することを許可したエリアでのマスクの着用率は94.8%~99.8%だったほか、感染のリスクを判断する目安とされている二酸化炭素の濃度も最も高いところで777ppm、いずれの場所でも国が示す換気の基準、1000ppmを下回っていた。

 こうしたデータを踏まえて、野々村チェアマンは声出しの応援を認める特別なエリアの収容率は50%を維持しながらも、それ以外のエリアでは100%にできないか、政府などの関係機関に働きかけていることを明らかにした。野々村氏は「クラブにとっては半分しか観客を入れることができない経済的なダメージが大きい。エビデンスをもとに関係各所と共有し、今シーズン中にできるように働きかけている」と話していた。

●プロ野球 10月のドラフト会議、ファン招待せず 3年連続無観客に

 10月20日に予定されていることしのドラフト会議について、NPB(日本野球機構)の井原事務局長は、ことし5月の段階では「もう少し時期が近くなったときに判断したいが、現時点ではお客さんを入れるような形を考えたいと検討している」としていた。しかし、新型コロナ感染が依然として落ち着いていないことから、NPBは5日開いた実行委員会で、今年もドラフト会議にファン招待しないことを決めた。ドラフト会議は3年連続で無観客となる。

【9月6日】

●岸田首相、コロナ療養期間短縮表明 症状あり7日間 無症状5日間

 岸田首相は6日夕方、首相官邸で記者団の取材に応じた。この中で首相は、感染者の自宅などでの療養期間について症状がある人は、今の原則10日間から7日間に、無症状の人は検査で陰性が確認されることを条件に、7日間から5日間に短縮する方針を明らかにした。

 自宅などでの療養期間の見直し 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 このほか自宅療養者の行動制限を緩和し、症状が軽快してから24時間以上経過した人や無症状の人は、マスクの着用などの感染対策を講じていれば、食料品の買い出しなど、必要最小限の外出を認める方向で最終調整を進めていると説明した。

●全数把握、26日から一律簡略化 岸田首相

 岸田首相は6日、感染者の全数把握の簡略化について、26日から全国一律に導入すると表明した。次の感染拡大に備え、オミクロン株対応ワクチンを10~11月に1日100万回接種できる体制を整える。発生届の提出を高齢者や入院が必要な人、妊婦らに限定。対象外の人は、検査キットで陽性なら都道府県の健康フォローアップセンターに登録して自宅療養を始め、希望すれば宿泊療養や配食を可能とする。感染者の総数の把握は続ける。

●専門家「療養期間が終わっても10日目までは注意」

 政府が、新型コロナに感染した人の自宅などでの療養期間を短縮する方針を固めたことについて、厚労省の専門家組織のメンバーで、東北大学の小坂教授は「国内のオミクロン株でのデータでは、症状が出た場合、7日目以降でも1割から2割くらいの患者はウイルスを排出することが分かっている。時間がたつと、ウイルスの排出量は減るかもしれないが、2次感染を起こすリスクはゼロではない」と指摘した。

 専門家からは療養期間を短縮することに慎重な意見もあったとしたうえで、「ゼロリスクを目指すことは難しく、感染が相次いで医療機関や介護施設が逼迫する中、療養期間の短縮は非常に重要なポイントで、個人としては短縮はやむをえないと考える」と述べた。そのうえで、短縮された療養期間が終わっても発症から少なくとも10日目までは、マスクを着用し混雑した場所や会食を避けるなど、ほかの人に感染させるリスクを下げる行動を取ることが重要だと指摘した。

●療養期間が終わる8日目時点で9%からウイルス検出

 オミクロン株の「BA.1」に感染した患者でウイルスが何日間検出されるか。8月に開かれた厚労省の専門家会合に出された国立感染研などが分析した資料によると、症状がある人でウイルスが検出されたのは、発症した日を「0日」として、7日目には17%、療養期間が終わる8日目には9%、9日目には4%となっていて、10日目には2%でほとんど検出されなかった。

 一方、無症状の人でウイルスが検出されたのは検査で確認された日を「0日」として5日目には18%、6日目には10%、7日目には6%、8日目には3%となっていて、9日目と10日目には1%でほとんど検出されなかった。

●オミクロン株対応ワクチン、約3千万回分配送へ 5~11歳子ども、「努力義務」

 オミクロン株に対応したワクチン接種について、6日、国による自治体向けの説明会がオンラインで開かれ、10月上旬にかけて、各都道府県におよそ3000万回分を配送することなどが説明された。オミクロン株に対応したワクチンの接種について、厚労省は、2回目の接種を終えた12歳以上のすべての人を対象とし、早ければ9月半ばにも、接種を始める方針。

【9月7日】

●水際対策、きょうから緩和 空港利用客からは歓迎の声

 政府は7日から日本人を含むすべての入国者に求めてきた陰性証明書の提出について、3回目のワクチン接種を済ませていることを条件に免除するなど、水際対策を緩和した。緩和の一環として、政府は7日から、一日当たりの入国者数の上限を2万人から5万人に引き上げるとともに、観光目的の外国人の入国についてもすべての国を対象に添乗員を伴わないツアーを認める。

●療養の短縮、大筋了承 専門家組織 無症状者外出緩和も

 新型コロナ感染者の療養期間を短縮し、無症状者の最低限の外出を許容する政府案について、厚労省の専門家組織は7日、大筋で了承した。周囲の人を感染させるリスクは残るが、感染対策に気をつけることで許容できると判断した。7日から適用する。有症状なら発症後10日間から7日間に、無症状なら陽性確定後7日間から検査による陰性確認を条件に5日間に、それぞれ短縮する。ただ、有症状は10日目、無症状は7日目までは高齢者らとの接触、会食への参加は控えてもらう。

 短縮の科学的根拠として国立感染研は、有症状なら発症後8日目は16%、無症状なら診断後6~7日目は12.5%の人しかウイルスを排出しないとするデータを示した。また、無症状者ならマスクを着用し、生活必需品の購入などの最低限の外出を認める。

【9月8日】

●エリザベス英女王死去 96歳 在位70年

 英国の女王エリザベス2世が8日夕(日本時間9日未明)、滞在先の英北部スコットランドのバルモラル城で死去した。96歳だった。死因は明らかにされていないが、英王室は「安らかに息を引き取った」と発表した。1952年から70年と約7カ月に及んだ在任期間は、英国の歴代君主として最長。世界の君主としてはフランスのルイ14世(在位1643~1715年)の72年と110日に次ぎ、史上2番目の長さだった。

 女王死去を受け、王位継承権1位の長男チャールズ皇太子(73)が新国王「チャールズ3世」として即位した。新国王は「慈しまれた君主であり、多くの人々に愛された母の死を深く悼む。英国民、そして世界の人々が喪失を感じるだろう」との声明を発表した。

●政府、療養期間の短縮、報告簡略化の全国一律など決定

 政府は8日夜、対策本部を持ち回りの形式で行った。そして、感染者の自宅などでの療養期間について、症状がある人は10日間から7日間に、無症状の人は、検査で陰性が確認されることを条件に7日間から5日間に短縮を決めた。自宅療養者の行動制限を緩和し、症状が軽くなって24時間たった人や、無症状の人は、感染対策をすれば必要最小限の外出を認める。また、感染者の全数把握を見直し、報告を簡略化した運用に今月26日から全国一律で移行することも決めた。

●10歳未満の新規感染増加、「感染対策の徹底を」 東京都

 8日、東京都はモニタリング会議を開き、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルをいずれも最も深刻なレベルで維持した。新規感染者数の7日間平均は7日時点で1万913人で、前の週より3500人余り減り、5週連続で減少している。感染状況について前の週の会議で「大規模な感染拡大が継続している」と分析されていたが、今回「拡大」ということばが除かれ「大規模な感染が継続している」という表現に変更された。

 新規感染者を年代別にみると今月5日までの1週間で、10歳未満の割合が先週の11.1%から13.4%に増え、2週連続で増加していることが報告された。また今月5日までの1週間で亡くなった人は、203人で過去最多となった。

【9月9日】

●コロナの5類への引き下げ「現時点で現実的でない」 加藤厚労相

 感染症法では、重症化リスクなどに応じて、感染症を「1類」から「5類」に分類しているが、新型コロナは「2類相当」と位置づけられ、感染拡大を防ぐための厳格な対応が取られている。加藤厚労相は閣議のあとの記者会見で「オミクロン株は特に高齢者で致死率、重症化率がインフルエンザよりも高く、現時点で、新型コロナの感染症法上の位置づけを変更することは現実的でない」と述べ、改めて引き下げに慎重な考えを示した。

 そのうえで「ウィズコロナの新たな段階への移行を着実に進めているが、重症化リスクのある高齢者などを守ることに重点を置き、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る中で、必要に応じて見直していく」と述べた。また、加藤氏は専門家から新型コロナとインフルエンザの同時流行のおそれが指摘されていることについて、高齢者を中心にインフルの予防接種を進めていく考えを示した。

●ワクチン接種後死亡の2人、一時金支給決定 厚労省

 新型コロナのワクチン接種をめぐっては、副反応が原因で障害が残ったり、死亡したりした場合、予防接種法上の救済対象となり、接種との因果関係が否定できないと国が認定した人には医療費などが支給される。厚労省は、9日に専門家でつくる分科会を開き、接種後に亡くなった91歳と72歳の男性について救済対象とすることを決めた。遺族には死亡一時金として最大で4420万円が支給される。死亡一時金の支給が認められたのはこれで3人となる。

●国内感染2千万人超 第7波拡大 2カ月で倍増

 国内感染者は9日、新たに9万9491人が確認された。累計で2千万611人(ダイヤモンド・プリンセス乗船者を含む)となり、2千万人を超えた。7月に「第7波」に突入し、1週間の新規感染者は7月中旬に約65万人、その翌週は約123万人と倍増、8月も120万~150万人超の感染者が毎週確認された。高齢の感染者の割合が大きくなるにつれ、重症者数も増え、8月上旬には500人を超えた。一方で死者は増え、8月23日には343人と過去最多を更新した。

 感染者が爆発的に増えた要因に、強い感染力をもつオミクロン株の変異系統BA.5が主流になったことがある。ワクチン接種の感染予防効果が従来の変異株と比べて低く、接種後も感染するケースが目立った。さらに夏場の時期にあたり、エアコンをつけるため換気が不十分になりがちだった、3年ぶりに行動制限がない夏休みとなり、親族や知人との会食機会などが増えたなど感染が広がりやすい理由が重なったとみられる。

●全数把握の簡略化 負担は減る

 新型コロナ感染者の全数把握を簡略化する取り組みに9日、三重、長崎の両県が加わった。宮城、茨城、鳥取、佐賀の4県では簡略化から1週間が経ち、現場からは事務負担の軽減に歓迎の声が上がる。26日には全国一律での移行が予定されており、重症化リスクが低いと判断された患者をどのようにフォローしていくかが課題。

 大部分の自治体で発生届は、感染者全体の2割ほどになり、感染者が減ってきたこともあって医療機関や保健所の負担は大幅に減ったという評価が目立つ。

●新型コロナ感染の軽症者フォロー、課題

 簡略化で浮いたマンパワーを重症化リスクが高い人に振り向けるのが、全数把握の見直しの狙い。一方で、いったんは「低リスク」と判断された人でも容体が急変することがある。こうした人を医療機関につなぐのが「健康フォローアップセンター」で、各都道府県に設置が求められている。厚労省によると、9日時点で41自治体で設置が進んだという。

 簡略化に移行後、感染者をフォローする方法は自治体によって異なる。容体が悪化した場合に感染者がセンターに連絡する自治体と、あらかじめ登録すれば健康観察が受けられる自治体に大別される。療養証明書の発行や食料の配布でも対応は分かれている。26日に全国一律で簡略化した後、インフルエンザとの同時流行が懸念される「第8波」でも、この態勢で乗り切ることが想定されている。

●新型コロナ入院給付金、支払い対象見直し 26日から 生保大手4社

 生命保険大手4社は、医療保険の加入者が新型コロナに感染した場合に支払っている入院給付金について、現在は自宅やホテルなどで療養するいわゆる「みなし入院」の場合でも、療養を証明する書類などがあれば、原則として入院給付金の支払いに応じてきた。しかし、日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命の4社は今月26日から入院給付金の支払い対象を見直すと発表。

 具体的には、実際に入院した人のほか、今月26日以降に感染の診断を受けた65歳以上の高齢者や本来入院が必要な患者、妊婦それに新型コロナの治療薬や酸素の投与が必要な患者など、重症化リスクが高い人などに支払いを限定する。

●東京都、9240人のコロナ感染確認 前週より3173人減

 東京都は9日、感染者を新たに9240人確認したと発表した。前週の金曜日(9月2日)より3173人減った。29人の死亡も発表された。9日までの週平均の感染者は1日あたり1万346.6人で、前週(1万4193.0人)の72.9%だった。9日の新規感染者を年代別にみると、最多は30代の1688人で、40代の1557人、20代の1485人と続いた。10歳未満は1272人、65歳以上は871人だった。

 9月9日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 病床使用率は40.8%。また、都が「緊急事態宣言」の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は23.3%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用とする都基準の重症者数は前日より1人増えて32人だった。

【9月10日】

●オミクロン株「BA.2.75」に国内承認治療薬の効果確認 東大など

 東京大学医科学研究所の河岡特任教授らのグループはオミクロン株の一種「BA.2.75」に対する治療薬の効果を分析した研究結果を発表した。グループは培養した細胞をオミクロン株のBA.2.75に感染させ、さまざまな治療薬の成分がウイルスの働きを抑えられるか調べた。その結果、「レムデシビル」「ラゲブリオ」(一般名:モルヌピラビル)「パキロビッド」の3種類の抗ウイルス薬の成分については、いずれも従来のウイルスと同じ程度の効果が確認できた。

 また、抗体医薬では、従来のウイルスに対して効果が確認されていた「ロナプリーブ」や「ゼビュディ」はBA.2.75に対しての効果が大幅に下がったものの先月承認された「エバシェルド」は、従来型のウイルスと同じ程度の効果が確認できたという。河岡特任教授は「日本でもBA.2.75の感染が広がる可能性は否定できないが、日本で流行したとしても、今の治療薬で十分対応できるだろう」と話している。

【9月11日】

●第6波以降 中等症からの死亡が増加 90%近くに

 ことし初めからの新型コロナの第6波以降、コロナの症状が中等症で亡くなる人の割合が増えたことが、国立国際医療研究センターが全国の患者のデータを分析した結果、分かった。ワクチン接種が進むなどして重症化する患者の割合が減った一方、持病のある人がコロナ感染をきっかけに全身状態が悪化して亡くなるケースが多くなっているという。

【9月12日】

●オミクロン対応 ワクチンを承認 来週にも接種開始

 オミクロン株に対応したワクチンについて、厚労省は12日、国内での製造販売を特例承認した。承認されたのは、「メッセンジャーRNA」を使う米ファイザー社製と米モデルナ社製。従来のワクチンに使われる武漢由来の株と、オミクロン株「BA.1」に対応した「2価ワクチン」で、両社が8月に厚労省に承認申請していた。従来のワクチンだと変異株に対して感染や発症を防ぐ効果が弱まるおそれがあるため、開発された。

 同省は専門家分科会を14日に開き、予防接種法上にもとづく公費接種ができるようにする。19日の週にも、4回目接種の対象となっている60歳以上の高齢者、持病のある18歳以上、医療従事者から接種を始める。3回目以降の追加接種用で、ファイザー製は12歳以上、モデルナ製は18歳以上に使う。接種間隔は5カ月としたが、海外ではさらに短く、データをもとに今後短縮を検討する。

●岸田内閣支持、最低41% 不支持47% 初めて逆転

 朝日新聞社は10、11の両日、全国世論調査(電話)をした。岸田内閣の支持率は41%で、前回8月調査(27、28日実施)の47%から続落。不支持率は39%から47%に増え、初めて不支持が支持を上回った。参院選直後の7月調査で57%あった内閣支持率は2カ月で大きく下落。今回は昨年10月の衆院選公示に合わせた調査と並び、過去最低となった。

 国葬の賛否は8月の「賛成41%、反対50%」から、「賛成38%、反対56%」へと賛成が減り、反対が増えた。国葬に関する首相の説明には「納得できない」が64%で、「納得できる」23%と大差がついた。政治家と旧統一教会の問題への首相対応を「評価する」は8月の21%からほとんど変わらず、23%と低いまま。「評価しない」も66%と高止まりしている。

●自宅などで死亡、感染869人 8月過去最多 警察庁調べ

 自宅などで亡くなり警察が事件性の確認などをした死者のうち、新型コロナの感染が確認されたのは8月中に869人いたことが12日、警察庁への取材でわかった。月別で最も多かった今年2月(564人)を上回り、過去最多。感染が急拡大した「第7波」の影響を受けたとみられる。年代別では80代が275人で最多。70代が197人、90代が155人、60代で83人と続いた。10歳未満も9人、10代も4人確認されたという。都道府県別では東京の171人が最多で、大阪96人、神奈川90人、埼玉52人、千葉44人と続いた。

 新型コロナの国内感染者は12日、新たに5万2917人が確認された。前週の月曜日(5日)より1万5108人少なく、4日連続で10万人を下回った。死者は145人だった。都道府県別で新規感染者数が最も多かったのは東京都の5654人で、前週の月曜より1642人少なかった。

【9月13日】

●米ファイザー 「BA.5」対応成分含むワクチン、厚労省に承認申請

 オミクロン株のうち、感染の主流となっている「BA.5」に対応する成分が含まれるワクチンについて米ファイザーは、厚労省に承認を求める申請を行った。厚労省に13日承認申請したのは、オミクロン株の「BA.4」や「BA.5」、それに従来の新型コロナに対応する成分が含まれるワクチン。米国では、このワクチンの12歳以上の追加接種について先月31日にFDA(食品医薬品局)が緊急使用許可を出し、今月1日にはCDC(疾病対策センター)が正式に推奨する。

●接触確認COCOA停止 感染者全数把握の簡略化受け

 河野デジタル相は13日、新型コロナ対策の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」について、機能を停止させる方針を明らかにした。COCOAは医師が提出する陽性者の発生届をもとに、過去14日間に1m以内で15分以上接触した人に通知が届く仕組み。今月26日から政府が感染者の全数把握を簡略化するため、アプリの必要性が薄れたとしている。停止時期は未定。

 COCOAは2020年6月に開始したサービス。開発や運用の費用としてこれまでに約13億円をかけた。厚労省によると、累計ダウンロード数は今年8月末時点で約4千万件、効果を上げるために当初必要と見込まれていた「国民の6割近く」には届いていない。COCOAは当初から、陽性者との接触の通知を過剰に送ったり、接触があっても通知が届かなかったりのトラブルが続いた。コロナ禍で露呈した日本の「デジタル敗戦」の象徴の一つとも言われていた。

【9月14日】

●オミクロン株対応ワクチン、無料の公的接種に 来週から開始へ

 厚労省は14日、専門家でつくる分科会を開き、ファイザー社とモデルナ社のオミクロン株対応ワクチンを使用して、無料の公的接種を開始する方針を決めた。対象となるのは、従来のワクチンで2回目までを終えている12歳以上のすべての人で、前回の接種から少なくとも5か月以上経過していることが条件。9月20日に4回目をまだ接種していない高齢者や医療従事者などから開始され、10月半ばまでに順次、対象が拡大される。

 3回目までを終えた多くの人にとって、4回目としてオミクロン株対応のワクチンが接種できるようになるほか、すでに4回目を接種した人の5回目や、2回目まで接種した人の3回目として使用される。効果について厚労省は、オミクロン株に対し従来ワクチンを上回る重症予防効果や、持続期間が短い可能性はあるものの、感染予防効果や発症予防効果が期待されるという。厚労省は、希望する人が年内に接種を終えることを目指すとし、今後5か月としている前回の接種からの間隔を短縮する方針。

 オミクロン対応ワクチン 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●新型コロナ死亡の20歳未満、半数が基礎疾患無し 国立感染研

 国立感染研はオミクロン株が広がったことし1月から8月までに発症して亡くなった子どもなど、20歳未満の41人のうち、詳しい状況を調査できた29人について分析し、その結果を14日に開かれた厚労省の専門家組織の会合に報告した。29人のうちのほぼ半数には基礎疾患がなかったことが分かった。意識障害や嘔吐などが多くみられ、呼吸器以外の症状にも注意する必要があるとしている。

 ワクチンの接種対象年齢だった15人のうち、2回接種していたのは2人だったという。また発症した日が分かった26人のうち、亡くなるまでの期間が1週間未満だった人は73%を占め、発症後1週間は特に症状の経過観察が重要だとしている。脇田座長は「子どもでもなるべく感染しないようにしてもらうことが重要で、その方法の一つとしてワクチン接種が重要だと考えている」と話した。

●新規感染者、全都道府県で減少続く

 専門家組織の会合では、感染状況についても分析。13日までの1週間でみた全国の新規感染者は前週の0.76倍で、全都道府県で減少が続いており、感染レベルは2月の「第6波」のピーク時並みにまで下がった。今冬に懸念される新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行時の課題についても議論した。発熱すればインフルとコロナを自分で判別するのは難しく、発熱外来を受診する患者が増えると想定。「第7波」以上に医療機関が逼迫する恐れがあると指摘された。

●「ワクチン偽り食塩水」 東京 逮捕の医師 無断で注射

 知人の依頼で新型コロナワクチンの虚偽の接種記録を登録したなどとして警視庁に逮捕された東京都北区のクリニック院長が、調べに対し「ワクチン接種を希望する患者に生理食塩水を打ったこともある」と供述していることがわかった。北区保健所によると、同クリニックで接種記録があった区民約60人のうち十数人を調べたところ、数人の抗体値が低かったため、接種券を再発行したという。

 院長の船木威徳容疑者(51)は接種に否定的な考えがあったといい、接種を希望して来院した人たちについて「危険性を説明し、それでも受けたい人には生理食塩水を打った」と供述した。患者には無断だったとみられる。北区の60代女性は、同クリニックが不正な接種をしているとのうわさを知り抗体の量を調べたところ、基準値をはるかに下回ったため、接種を受け直した。「医師には信頼があったので、だまされていたのだとしたら許せない」と憤る。

【9月15日】

●WHOテドロス事務局長、「終わりが視野に入ってきた」

 WHOのテドロス事務局長は14日の記者会見で、新型コロナの世界全体の死者数が、先週、2020年3月以来の低い水準になったと指摘したうえで、「世界的な感染拡大を終わらせるのにこれほど有利な状況になったことはない。まだ到達していないが、終わりが視野に入ってきた」と述べた。WHOの集計による、今月5日から11日までの世界全体の死者数は前の週より22%減少して1万935人で、新規感染者数は28%減少して313万人余りとなっている。

 テドロス氏は、「マラソン選手はゴールが見えてきたからといって立ち止まることはなく、残った力を使って、より速く走ろうとするものだ。この機会を逃してはならない」と述べ、収束に向けて感染拡大防止の取り組みの継続を訴えた。WHOは、現在の新型コロナの感染状況が、一昨年宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たるかどうか協議する定例の専門家会議を10月3日に開くことにしていて、宣言を続けるかどうか判断する。

●東京、コロナ警戒レベル引き下げ 上から2番目は約2か月ぶり

 東京都は15日、都内の感染状況と医療提供体制について専門家による分析結果を公表した。それによる、新規陽性者の7日間平均は、14日時点で8770.1人と6週間連続して減少している。また、入院患者も減少傾向にあり、1週間前におよそ42%だった病床使用率は14日時点で35%に下がった。こうしたことを受け、都の専門家は4段階ある感染状況と医療提供体制の警戒レベルについて、最も深刻だったレベルからいずれも1段引き下げた。

 警戒レベルが上から2番目のレベルになるのはことし7月以来、およそ2か月ぶり。専門家は「新規感染者数は減少しているが高い水準にある。連休の影響で人と人との接触機会が増えることなどで新規感染者数が十分に下がりきらないまま増加に転じることに引き続き警戒が必要だ」と指摘している。

●1週間の感染者数25%余減 3週続けて全年代で減少

 厚労省が、15日公表したまとめによる、今月7日から13日までの1週間に感染が確認されたのは、56万人と前の週と比べて25.1%減った。年代別では、10歳未満の子どもが9万1071人と最も多く、全体の16.1%を占める。感染者の数は3週続けてすべての年代で減少した。

●コロナ感染者、全数推計「可能」 インフルの仕組み利用

 新型コロナの感染者数の把握方法をめぐり、厚労省の研究班は15日、季節性インフルエンザの患者数を特定の医療機関が報告する「定点把握」の仕組みを利用することで、コロナ患者についても全数の推計が可能だとする分析を明らかにした。研究班の国立病院機構三重病院の谷口院長が同日、厚労省の専門家部会で発表した。

 研究班は第5波(2021年6~9月)と第6波(2022年1~6月)について、感染者情報把握システム「HER-SYS」のデータを解析。どのように抽出すれば、現行の全数把握による患者数に近づけられるかを検討した。前提として、コロナはインフルに比べて患者が特定の医療機関に偏っており、より多くの医療機関からの報告が必要となる。今回、全国約5千カ所のインフルの定点に、約900カ所の内科からの報告も加えることで、推計は実用可能なレベルになったという。

●全国で新たに8万5867人が感染 22日連続で前週を下回る

 国内感染者は、15日で新たに8万5867人が確認された。前週の木曜日(8日)より2万6513人少なく、22日連続で前週の同じ曜日を下回った。死者は171人。都道府県別で新規感染者数が最も多かったのは東京都で8825人。大阪府が6501人、愛知県が5911人と続いた。

 東京都は前週の同じ曜日(8日)より1815人少なかった。14人の死亡も発表された。15日までの週平均の感染者は1日あたり8700.7人で、前週(1万799.9人)の80.6%。15日の新規陽性者を年代別にみると、最多は30代の1584人、40代の1539人、20代の1278人、10歳未満1220人と続いた。65歳以上は826人。病床使用率は34.1%。また重症者用病床使用率は23.3%。都基準の重症者数は前日と同じ26人だった。

 9月15日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 以下6枚の図は9月15日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年9月29日 (木)

新型コロナ2022.08 全数把握

 新型コロナウイルス感染症は、7月には感染拡大「第7波」となって全国的に急増、8月10日の全国の新規感染者は過去最多の25万人超、自宅療養の感染者も10日時点で過去最多の154万人、重症者や死者の増加も始まった。医療機関や保健所の負担を減らすため、感染者の全数把握を見直す動きが活発になってきた。政府は24日、自治体の判断で医療機関から保健所への発生届を高齢者らに限定可能にする方針を明らかにした。

 8月末には全国の新規感染者数は、お盆や夏休みの影響で高止まりしていた状態から、減少傾向に変わりつつある。

 2022年8月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.08 死者増加」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【8月16日】

●英、オミクロン株に対応のコロナワクチンを承認 モデルナが開発

 英国当局は15日、米製薬会社モデルナが開発したオミクロン株の「BA.1」と従来の新型コロナウイルスの2種類に対応する「2価ワクチン」というタイプのワクチンを18歳以上の追加接種として承認したと発表した。オミクロン株のうち「BA.4」と「BA.5」に対しても良好な免疫反応を示すことが確認されたとしている。オミクロン株対応のワクチンが承認されたのは、世界で初めて。モデルナは今月10日、厚労省にこのワクチンの承認を求める申請を行っている。

●新型コロナ全数把握 厚労相 見直し検討開始へ 知事会に伝える

 新型コロナの全数把握をめぐっては、「HER-SYS」と呼ばれる国のシステムに患者の情報を登録する作業などが現場の負担になっているといった指摘から、政府が重症化リスクの低い患者については入力を最小限にする方針を示している。こうした中で、加藤厚労相は16日、全国知事会の会長を務める鳥取県の平井知事らとオンラインで意見交換した。

 平井知事は全数把握について「必要性は理解しているが、現場は夜遅くまで入力作業をしなければならない。緩和してもらったが、さらに踏み込んでほしい。第7波が終わってからではなく、すぐに取り組んでほしい」と述べ、直ちに見直すよう重ねて要望した。これに対し加藤氏は「対象の見直しも含めた検討はありうる。何を見直すことができるのか考えたい」と述べ、全国知事会などと協議しながら、見直しの検討を始める考えを伝えた。

●第7波と猛暑、足りない救急車 眠なく20時間働きっぱなし

 7月中に東京都内(稲城市と島嶼部を除く)で救急車が出動してから現場に到着するまでにかかった時間の平均は12分超となり、8分半を切っていた前月の6月の約1.4倍だったことが東京消防庁のまとめでわかった。第7波と猛暑による熱中症の増加が重なったことが、背景にあるとみられる。最寄りの消防署では足りず、遠方の署からの応援車両を待たざるを得ないような事態が多発。職員の感染も相次ぎ、人繰りも厳しくなっていて、仮眠なく20時間働きっぱなしも 。

●救急搬送困難事案、3週連続で過去最多に コロナ感染疑い患者は微減

 総務省消防庁が16日、救急患者の搬送先がすぐ決まらない「救急搬送困難事案」は、14日までの1週間に全国で6747件あったと発表した。前週から158件(2%)増え、3週連続で過去最多を更新。このうち、コロナ感染が疑われる患者の搬送困難事案は2836件と、前週から37件(1%)減。前週まで3週連続で過去最多を更新していたが、減少に転じた。

 消防庁では全国主要52消防本部で、救急隊が医療機関に患者の受け入れが可能か4回以上問い合わせ、現場に30分以上とどまったケースの数を、2020年4月から1週間ごとに調べている。

●半年ぶり死者300人超

 国内感染者は16日、全国で新たに16万6205人が確認された。5日連続で20万人を下回り、前週の火曜日(9日)より4万6275人少なかった。死者は過去2番目に多い311人で約6カ月ぶりに300人を上回った。感染者が最多だったのは東京都で、2万3511人。先週火曜日から5604人の減少。

【8月17日】

●新型コロナ全数把握 加藤厚労相と分科会の尾身会長ら意見交換

 新型コロナの全数把握をめぐっては「HER-SYS」と呼ばれる国のシステムに、患者の情報を登録する作業などが医療現場の負担になっているという指摘が出ていることから、厚労省は専門家や自治体などの意見も聞きながら見直しの検討を始めることにしている。加藤厚労相は17日、政府分科会の尾身会長らと意見を交わした。

 この中で加藤相は「岸田首相から、新型コロナ対策を段階的に見直し、社会経済活動の正常化を目指すよう指示を受けている」と述べた。これに対し尾身会長は、定点調査の活用を検討することや重症化が懸念される患者の情報把握を続けることなどが必要だとしたうえで、全数把握を見直すのであれば、都道府県別の感染状況などをしっかり把握できる新しい仕組みの構築が重要で、集中的な議論が必要だという考えを伝えた。

●コロナ検査キット、ネット販売を解禁 厚労省専門家会議が了承

 新型コロナに感染したかどうかを調べる抗原定性検査キットについて、厚労省の専門家会議は17日、インターネットを通じた販売の解禁を了承した。メーカーから製品の承認申請があれば、厚労省は速やかに手続きを進める方針。感染の拡大でキットの需要が急増するなかで、購入ルートを増やして入手しやすくする。

●コロナワクチン承認申請 12月以降に延期へ KMバイオロジクス

 熊本市のワクチンメーカー、KMバイオロジクスは開発中の新型コロナのワクチンについて来月、国に承認申請するとしていたが、臨床試験の最終的なデータがそろうのを待つため、申請が12月以降に延期されることになった。会社が開発を進めているワクチンは、ウイルスの毒性をなくした「不活化ワクチン」というタイプ。先月、臨床試験の結果の速報値から十分な有効性が期待できるとして9月に国への承認申請を行うと発表していた。

●訪日観光客が戻らない 受け入れ再開でも…7月7900人

 政府は6月に海外からの観光客の受け入れを一部再開したが、思うように伸びていない。再開の影響が反映された7月の訪日外国人客数について、日本政府観光局(JNTO)は17日、14万4500人だったと発表した。コロナ禍前の2019年7月(299万人)と比べると95.2%減と低い水準のままだ。7月に観光目的で入国した人は7913人にとどまっている。

●千葉の感染者東京分に計上 先月以降 少なくとも2万人分

 東京都が7月21日~8月17日に発表した新型コロナの新規感染者数に、千葉県と同県野田市の感染者が少なくとも約2万人分計上されていたことがわかった。県と市が「陽性者登録センター」の業務を都内医療機関に委託したため、感染症法の規定で患者の発生届が都内保健所に出されていたことが理由という。

 都によると、都発表分の新規感染者数にはもともと、都内医療機関で検査を受けた都外の人も一部含まれていたが、7月以降、千葉県民の数が不自然に多くなったため調べたところ判明した。千葉県は「法に基づく対応で、都に連絡や相談はしていなかった」という。

●感染15県で最多更新

 国内感染者は17日、全国で新たに23万1497人が確認された。前週の水曜日(10日)より1万8850人少ないが、6日ぶりに20万人を上回った。各地で確認された死者は過去3番目に多い286人。3日連続で200人を超えている。1日あたりの新規感染者で最多を更新したのは、15県。

【8月18日】

●死者数、第6波並み 専門家組織「急増を懸念」

 厚労省の専門家組織は18日の会合で、直近1週間の全国の新規感染者数は前週比0.87倍で、6月末以来の減少に転じたとの分析を明らかにした。直近1週間の感染者数は、沖縄県が前週比0.8倍など29都道府県で1倍を下回り、減少傾向が顕著となっている。ただ、四国の4県はいずれも1.1倍を超えるなど地域差もある。加藤厚労相は会合で、「今年のお盆は多くの人が帰省などをしたので、今後、感染者数増加の懸念もある」と述べた。

 一方、全国の死者数の1週間平均は7月下旬から増え続けている。今月3日に118人、10日に194人を記録し、17日に「第7波」で最多となる232人に増加。第6波の最多240人(2月28日)に迫っている。脇田座長(国立感染研所長)は、「感染者に遅れて死者が急増し、これまでの最高値を超えることが懸念される」。病床使用率は、50%を超えたのは17日時点で41都府県。重症病床使用率は19道県で1桁台だが、東京都64%、大阪府50%と高い。

●感染者の全数把握見直し、「定点把握」も検討 厚労省

 感染者の全数把握をめぐっては、第7波で深刻な医療逼迫が続く中、現場の負担が大きすぎるとして全国知事会などは直ちに見直すよう求めていて、厚労省は専門家などの意見も聞きながら具体的な検討を進めている。こうした中、厚労省は18日夜に開かれた専門家会合で、全数把握にかわる方法として、一定の基準に基づいて選んだ医療機関を定点として指定して定期的に報告を求める「定点把握」にすることも検討していると明らかにした。

 会合の中では「医療機関や保健所の負担を軽減していくことが重要だ」といった意見があった一方、「今後の感染の見通しも踏まえると、全数把握を続けて対策を検討することが重要だ」といった意見も出たという。厚労省は今後、現場の負担を減らしながら全国の流行状況をできるだけ正確に把握できる方法についてさらに検討を進める方針。

●脇田座長「全数把握の2つの役割、どのように継続するかが重要」

 厚労省の専門家組織会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は地域によって感染状況に差が出ていることについて「要因としていちばん大きなものは感染や、ワクチンの接種による免疫の獲得の状況。それに加えて、感染レベルが高い大都市に近いかどうかや、観光地があるかといった地理的な状況も影響してくる。また、全国から多くの人が集まるイベントやお祭りがあると、接触が増えることもあり、そうしたことで地域で差が出ていると考えている」と述べた。

 また、感染者の全数把握について「サーベイランスによって流行状況を把握すること、保健所や医療機関が感染した患者をどのように管理していくか情報共有するという2つの役割がある。その2つの役割をどのように継続していくかが重要なポイントになる」として厚労省と国立感染研が定点サーベイランスなど、新たな仕組みを導入する検討を進めていると述べた。

●オミクロン株広がって以降 感染の子ども、けいれん増加

 国立成育医療研究センターなどのグループは、新型コロナに感染して全国の医療機関に入院した18歳未満の合わせておよそ850人について、オミクロン株の感染が広がったことし1月~3月と、去年8月~12月のデルタ株が主流だった時期で症状の違いを分析した。その結果、オミクロン株が広がって以降、感染した子どもがけいれんを起こすケースが増えていることが分かった。脳症になって重症化することもあるため、速やかに受診してほしいとしている。

●お盆休み中の交通機関、前年比利用増もコロナ禍前には届かず

 3年ぶりに行動制限を伴わないことしのお盆休みの期間、新幹線やJRの特急の利用は、過去2番目に少なかった去年の2倍余りに増加したものの、新型コロナの感染拡大前と比べるとおよそ6割となっている。

 高速道路各社によると、今月10日から16日までの7日間、全国の主な区間の一日当たりの平均交通量は、利用が低調だった去年のお盆の期間と比べて43%増加した。一方、新型コロナの感染拡大前の3年前のお盆期間と比べると11%少ない。高速道路各社は「行動制限を伴わないお盆休みとなったことで、帰省などの動きが広がって交通量が増加した一方、自主的な自粛や大雨も影響して、コロナ禍の前の水準までは戻らなかったのではないか」としている。

●都モニタリング会議、入院患者数過去最多 専門家が強い危機感

 東京都のモニタリング会議が開かれ、専門家は医療提供体制について「入院患者数が17日時点で、過去最多となり医療機関への負担が増大し続けている」として強い危機感を示した。新規感染者数の7日間平均は17日時点で2万2602人と、2週連続で前週比を下回っている。専門家は「お盆休みで休診する医療機関が多く、検査数が減少したり、結果報告が遅れたりしており評価には注意が必要だ」と述べた。

 1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す実効再生産数は0.91、およそ2か月ぶりに1を下回った。医療提供体制は、入院患者数がきのう時点で、過去最多の4424人となったほか、透析や介護を必要する人や妊婦などで、翌日以降の入院調整を余儀なくされている事例が多数起きるなど、医療機関への負担が増大し続けているという。

●感染25.5万人、最多を更新

 国内感染者は18日で、全国で新たに25万5532人が確認された。10日の25万347人を上回り、過去最多を更新した。21道県で過去最多を更新。都道府県別では、東京の2万7453人が最多で、大阪の2万4323人が続いた。

 8月18日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【8月19日】

●日本、1週間の死者数世界2位 新規感染は最多 WHO

 WHOは18日、新型コロナの世界全体の感染状況について新たな報告書を発表した。それによると今月8日から14日までの1週間の新規感染者数は、世界全体で546万641人と、前の週より24%減少した。このうち、日本は139万5301人と、前の週と比べて7%減ったが、世界全体の新規感染者数のおよそ4分の1を占め、4週連続で世界で最も多くなった。

 また、同じ期間の日本の死者数は1647人と、前の週と比べて64%増、米国に次いで世界で2番目。WHOは、一部の国では検査方針の変更に伴って検査数自体が減少していることから、実際の感染者数や死者数はさらに多い可能性もあるとしている。

●松野官房長官、オミクロン株対応のワクチン接種へ自治体と連携

 新型コロナのワクチン接種を担当する松野官房長官は、全国知事会会長の鳥取県の平井知事らと会談し、オミクロン株に対応したワクチン接種の早期開始に向けて自治体側と連携していきたいという考えを伝えた。この中で松野官房長官は、10月中旬以降に開始する方針のオミクロン株に対応したワクチン接種について「政府としてはできるだけ早い段階で開始できるよう取り組んでおり、検討状況などを迅速・丁寧に自治体に伝えていきたい」と述べ、早期開始に向けて自治体側と連携していきたいという考えを伝えた。

 そのうえで「現在の感染状況を踏まえると、まだ接種していない人はオミクロン株対応のワクチンを待つことなく、従来ワクチン接種を検討してもらいたいので、自治体にも促進に協力をお願いしたい」と述べた。これに対し平井知事は「オミクロン株対応のワクチンを早期に確保し、医療従事者を優先するかどうかなど、早めに優先度を示してもらいたい。一方で、3回目ワクチンの接種控えが若者などに広がらないよう、丁寧な広報をお願いしたい」と要望した。

●コロナ全数把握見直し 厚労省「定点把握」など検討

 新型コロナの感染者について、すべての報告を求める「全数把握」が医療機関や保健所の負担になっている問題で、加藤厚労相は19日、衆院厚労委員会の閉会中審査で「速やかに対応したい」と述べ、現行の方法を見直す意向を明らかにした。指定する一部の医療機関だけに報告を限る「定点把握」の導入などを検討しており、月内にも方向性を決める方針。

 代替策として、季節性インフルエンザのように定点把握を導入する案がある。ただ、指定医療機関の選定など準備には時間がかかる見通しで、運用を始められるのは第7波の収束後になるという見方も厚労省内にはある。また、高齢者や基礎疾患がある人など重症化リスクが高い人に、発生届の対象を絞る方法も浮上している。

●欧米リベンジ旅行活況 ホテル・航空券値上がり でも…人手不足で空の便混乱

 新型コロナ下で旅行しづらい期間が続いた反動で、欧米で「リベンジ旅行」が活況だ。国際航空運送協会(IATA)によると、今年6月の旅客需要は北米はコロナ前の2019年の89%、欧州は86%にまで回復した。航空券やホテルの価格は奪い合いの状況で高騰し、インフレの一因にもなっている。一方、航空会社や空港の人手不足は深刻で、航空便の遅延やキャンセル、預け入れ荷物が滞留する事態など混乱も相次いでいる。

●感染最多26万人

 国内感染者は19日、全国で新たに26万1029人が確認され、1日あたりの過去最多を更新した。最多更新は18日に続き2日連続となった。また、全国19の道と県で最多となっている。死者は294人に上り、過去3番目に多かった。東京都の感染者は2万7676人で、1週間前の同じ曜日(12日)より7275人多かった。

【8月20日】

●人工透析患者用の病床逼迫 東京では約170人が入院できず

 新型コロナの感染の急拡大で、重い腎臓病などで人工透析を受けている患者用の病床が逼迫し、東京では入院できない患者がおよそ170人に上っていることが専門の学会などへの取材で分かった。感染したために通院して透析を受けられず、体調を崩す人も出てきているということで、学会の医師は「地域の透析クリニックは、感染した患者の透析の継続に協力してほしい」と訴えている。

●全国で25.3万人

 国内感染者は20日、全国で新たに25万3265人が確認された。前週の同じ曜日(13日)に比べ6万9712人多く、254人の死者が確認された。感染者数は宮城、山形、鳥取、岡山、徳島の各県で過去最多を更新。死者数も青森、山形、富山、静岡、高知、大分の各県でこれまでで最も多かった。

 東京都の感染者は2万5277人で、前週の同じ曜日より1504人多かった。20日までの週平均の感染者数は1日あたり2万5601.1人で、前週(2万6139.4人)の97.9%。大阪府は、4日連続の2万人超となる2万3098人の感染を発表した。

【8月21日】

●岸田首相が感染 北アフリカ外遊中止

 政府は21日、岸田首相が新型コロナに感染したと発表した。20日夜から微熱やせきなどの症状があったため、21日に首相公邸でPCR検査を受けたところ陽性が判明。今後は10日間の自宅療養。30日までの療養中は代理は立てずに、体調を観察しながら公邸で公務をこなす。濃厚接触者は同居する裕子夫人と長男で秘書の翔太郎氏、最短3日間の自宅待機。官邸内では7月以降、松野官房長官のほか複数の首相秘書官の陽性が判明している。

 このため、今月下旬に予定していた北アフリカ・チュニジアでのTICAD(アフリカ開発会議)への出席を取りやめ、オンラインでの参加を検討しているほか、そのあとに予定していた中東のカタールとUAE(アラブ首長国連邦)への訪問を延期することになった。

●感染、日曜で最多

 国内感染者は21日、22万6171人が確認された。前週の日曜日(14日)より4万7884人多く、日曜としては最多。5日連続で20万人を超えた。全国で226人の死者が確認された。新規感染者数は岩手県と徳島県で過去最多を更新。最多の東京都は2万4780人で前週より2040人多かった。前週の同じ曜日を上回るのは3日連続、病床使用率は59.7%。2番目の大阪府は1万7671人で前週日曜より3135人多く、病床使用率は68.1%。愛知県の1万4501人、福岡県の1万2749人と続いた。

【8月22日】

●オミクロン株後遺症 けん怠感が最多 岡山大学病院専門外来調査

 岡山大学病院は、新型コロナの後遺症の専門外来を去年2月に設置し、先月下旬までに受診した369人について感染している株ごとに詳しく分析した。その結果、オミクロン株に感染したあとで後遺症の症状が出たのは124人で、詳しい症状を複数回答で調べた結果、「けん怠感」が最も多い80人、次いで「頭痛」が36人、「睡眠障害」が30人などとなった。デルタ株の患者では半数近くが症状を訴えた「嗅覚障害」や「味覚障害」は、オミクロン株の患者では1割余りにとどまった。 

●黒岩知事「コロナ感染者 人数だけ把握に変更したい」

 神奈川県の黒岩知事は22日午前、加藤厚労相とオンラインで会談したあと、記者団の取材に応じた。それによると知事は、神奈川県としては全数把握の見直しに先駆けて、感染者全員に対する症状などの確認をやめて人数だけを把握する方法に変更したいと伝えたという。

 一方、県は今月から、軽症や無症状の人は健康観察の対象外としている。高齢者や基礎疾患がある人など、重症化リスクが高い人についても、具合が悪くなった場合は自分から医療機関や相談窓口に連絡してもらう体制に切り替え、一般の医療に近づける出口戦略を進めたいとしている。

●コロナ医療保険支払い、急増 4〜6月 昨年度1年間の1.7倍

 新型コロナの感染拡大で、生命保険会社が払う医療保険の給付金が急増している。大手生保6社では4~6月だけで昨年度1年間の約1.7倍に膨らんだ。自宅療養でも「みなし入院」として支払っていることが背景にある。なかには感染の可能性に気付いてから加入し、直後に給付金を請求したとみられるケースも増えている。7月以降も高水準の請求が続いていて、コロナ保険の販売制限に乗り出している。

●全国の感染者14万1058人 前週の月曜よりも2484人増加

 国内感染者は22日、14万1058人が確認された。前週の同じ月曜日(15日)より2484人多かった。死者は全国で245人が確認された。1万人を超えたのは東京都のみで、1万5085人。前週の月曜日より8050人少なかった。1万人台は同じ月曜日の8月8日以来となる。2番目の福岡県は9336人で前週の月曜日より、1264人多かった。奈良県では過去4番目、徳島県では過去5番目に多かった。

 8月22日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【8月23日】

●新型コロナ 児童や生徒などの感染 7月は約27万人 前月の5倍に

 7月に新型コロナに感染した全国の児童や生徒などの数が、前の月の5倍に増えて、およそ27万人に上り、過去最多となったことが分かった。厚労省は、幼稚園と小中学校、高校、特別支援学校などに通う子どもたちの感染状況を毎月まとめて公表している。それによると、第7波の感染が広がった7月に感染が確認された子どもは、前の月の5倍に増えて、26万9468人となり、ことし2月の25万1469人を抜いて過去最多となった。

 一方、厚労省は、先週の19日、新型コロナ対策のガイドラインを改定し、「学級内で複数の感染者が出た場合」としている学級閉鎖の基準について、それぞれの家庭内で感染したケースなど、感染経路に関連がない場合は、学級閉鎖の必要がないと追記し、教育委員会などに通知した。

●ミクロン株対応ワクチン ファイザーなど米で緊急使用を申請

 米製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックは、新型コロナワクチンについてオミクロン株「BA.4」と「BA.5」に対応する成分と、従来の新型コロナに対応する成分の2種類を含む「2価ワクチン」と呼ばれるタイプで、12歳以上の追加接種についてFDA(米国食品医薬品局)に緊急使用の許可を求める申請を行ったと発表した。

 米国CDC(疾病対策センター)によると、米国国内で一日に報告される感染者数は今月中旬以降、平均およそ10万人で、今月20日までの1週間ではおよそ9割が「BA.5」に感染したと推定されている。

●外国人観光客の入国制限緩和 添乗員なしツアーも認める方針

 政府は新型コロナの水際対策をめぐり6月、観光目的の外国人の入国受け入れを再開したが、すべての入国者にビザの取得を義務づけているほか、添乗員付きのツアーに限定し、政府が定めた感染対策のガイドラインを守るよう求めている。再開から2か月余りが経ったが、観光目的の入国者数は先月およそ7900人にとどまるなど、感染拡大前の水準を大幅に下回っている。

 こうした中、政府は観光目的の外国人の入国制限を緩和し、添乗員がいない場合も認める方針を固めた。添乗員付きツアーは、個人旅行を好む欧米の観光客などが日本への旅行を敬遠する要因になっていた。ただし引き続き個人旅行は認めず、ツアーを手配する旅行会社などがスケジュールを管理、感染者が出た場合の対応などについても、ガイドラインを守るよう求める。政府は、こうして入国者数の上限を現在の2万人から5万人に引き上げる方向。

●死者最多343人 第6波超える

 新型コロナに感染し、亡くなった人は23日、全国で343人に上り、これまで最多だった第6波の2月22日(327人)を超えて、過去最多を更新した。死者数が300人を超えたのは今月16日に続き3回目。23日に発表された死者の都道府県別では大阪府42人、東京都、神奈川県が各25人、埼玉県、福岡県が各19人などの順に多かった。厚労省の16日時点の速報値によると、死亡したコロナ感染者3万5394人のうち、80代以上が6割、70代が2割を占める。

●他府県の感染者、4.8万人分を計上 東京都

 千葉県内感染者の一部が東京都分として計上されていた問題で、千葉県に新潟、埼玉、大阪、高知の4府県も合わせた計4万8441人分が7月下旬以降、都の感染者として計上されていたと、都が23日発表した。府県別でみると、千葉が3万1123人、埼玉1万3851人、大阪2308人、新潟823人、高知336人。オンラインで感染者の陽性を確認する業務を各府県の自治体から任された都内の医療機関が、法に従って近くの保健所に届け出たため、都内分として計上されていた。

 このうち新潟、高知分は両県でも計上・公表されていた。都は判明分について9月末に修正する。また千葉県は23日、同日分から県内保健所に届け出る運用に変えると発表。2月以降、4万8068人分が都内分として計上されていたことも明らかにした。札幌市内の医療機関に委託していた青森県の8220人分も計上されていなかった。

【8月24日】

●感染把握、転換 保健所逼迫地域、発生届は高齢者らに限定 首相

 岸田首相は24日オンラインで記者団に、発熱外来や保健所が逼迫した地域では自治体の判断で、医療機関から保健所への発生届を高齢者らに限定可能にする方針を明らかにした。今回は「緊急避難措置」とし、全国一律の見直しは「感染状況を見ながら進めていきたい」と述べた。25日以降、希望する自治体からの受け付けを始める。今後は都道府県の判断で、発生届を65歳以上の高齢者や重症化リスクがある人らに限定できる。ただしそれ以外の感染者も原則、人数は把握する。

 厚労省によると、対象外の人にも従来通り、外出自粛などを求め、医療費の公費負担も続ける。一方、保険金請求などに使う療養証明書は発行されなくなる。厚労省は金融庁と対応を検討する。加藤厚労相は、今後新たな変異株が出現するなどすれば、再び全感染者の届け出を求める必要があるとの認識を示した。

●発生届の高齢者限定、「全国一律に」 知事ら注文

 知事らからは発生届の見直しを歓迎の一方、自治体に判断を委ねた点への不満が相次いだ。千葉県の熊谷知事は24日、「第7波が収束した後と言わず、すぐに見直しなどを行っていくべきだと主張してきた」と、この時期の見直しを歓迎。神奈川県の黒岩知事も「高く評価する。ぜひ乗りたい」と、できるだけ早く見直したい考え。全数把握見直しを求めてきた全国知事会の平井会長(鳥取県知事)は24日夕、「地方に配慮した方向性は評価できる」と記者団に話した。

 一方、大阪府の吉村知事は「国で一斉にやらないというのはどういう意味なのか」。大阪市の松井市長も「全国一律の制度にすべきだ」。愛知県の大村知事は「あんまりよろしくない。県によってまちまちだと全体がつかめなくなる。(政府の)説明を受けて判断したい」。東京都の小池知事は「どういう状況で進めていくのかをよく見ていきたい」と慎重姿勢。奈良県の荒井知事は「保健所の負担軽減だけを誇るのでは不満」と、重症化を抑える方策の強化を政府に求めた。

●3回接種証明で日本入国可能に 来月7日から緩和

 岸田首相は24日午後、「入国者総数、出国前検査、入国時の検疫対応などの各種措置について今後さらに緩和する」と述べた。まずは現在、入国・帰国者全員に提示を義務づけている滞在国からの出国前72時間以内の陰性証明書について「日本から海外に渡航する方々が不便を感じている」と述べ、ワクチン3回目の接種証明書の活用を条件とし、9月7日から帰国者には不要とする方針を表明した。首相公邸からオンラインで記者団の取材に明らかにした。

 一日当たりの入国者数の上限2万人は5万人とし、G7(主要7か国)並みの円滑な入国が可能となるよう、段階的に緩和を進めていく方針。さらに、自宅などでの療養期間について「短縮を含めた全体像をできるだけ速やかに公表したい」と述べた。

●コロナ感染者数が早期に減少する可能性は低い」 専門家会合

 厚労省の専門家組織の会合が24日に開かれ、お盆や夏休みなど社会経済活動が活発化している影響もあって、いったん感染者数の減少や高止まりがみられた地域でも急激な増加が継続しているところがあり、全国的に過去最多の感染レベルが続いているとしている。年代別では、10歳未満を除くすべての年代で増加していて特に20代の増加幅が大きい。病床使用率はほとんどの地域で5割を超え、一般の医療を含めた医療体制への負荷が長期間に及んでいる。

 多くの地域で増加傾向や高止まりが続く可能性があり、夏休みが終わって学校再開の影響が懸念。早期に感染者数が減少する可能性は低いと予想した。さらに死亡者急増が続き、過去最多を超えてさらに増加することも懸念。症状のある人がみずから検査を行い、陽性の場合は健康観察を受けられる体制や臨時の医療施設の整備、医療逼迫を避ける対策や、高齢者施設の中で療養患者増加を踏まえ、酸素濃縮装置を確保する対策が必要だと指摘している。

●加藤厚労相「死亡者数はさらに増加が懸念」

 専門家会合で加藤厚労相は「新規感染者数は、ほとんどの地域で再び増加に転じ、全国的にもこれまでで最も高い感染レベルが続いている。特に死亡者数は、全国の死者数の1週間平均は、23日には276人まで増加。過去最多を更新しており、さらに増加することが懸念されている。学校が再開される地域もあり、この影響も注視していかなければならない」と指摘した。

 医療機関や保健所の負担を軽減するため、感染者の全数把握を見直し、自治体の判断で報告対象を、高齢者や重症化リスクがある人に限定できるようにする政府方針を報告した。また自宅や施設で療養する人が使う「酸素濃縮装置」について「都道府県に点検をお願いしたところ、合わせておよそ5200台が確保されていることが確認された。台数が少ない都道府県もあり、国の無償貸し付けの枠組みを利用するよう働きかけを行っている」と述べた。

●脇田座長「死亡者数の増加はしばらく続く可能性」

 厚労省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田座長は、感染者数が再び増加傾向に転じたことについて「お盆や夏休みで社会経済活動が活発化した影響が非常に大きい。首都圏と沖縄県では減少傾向が見られるものの、そのほかの地域はしばらく増加傾向が続くと考えている。年代ごとに見ると高齢者層の感染増加が緩やかに続いていて、死亡者数の増加はしばらく続く可能性がある。高齢者を含めてワクチンの3回目、4回目の接種を進める必要がある」と述べた。

 また、新規感染者の「全数把握」の見直しについて「重症化リスクのある人の情報に重点化することで、全体の感染レベルの把握が難しくなるため、新たな方法で感染レベルの動向を把握する必要がある。全数把握を可能なかぎり続けながら、並行して定点把握も速やかに開始するべきだという議論があった」と述べた。

●1週間の新規感染者数、過去最多レベルの状態が続く

 専門家会合で示された資料によると、23日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.19倍と先週、お盆の時期に減少傾向となったところから一転して再び増加し、感染者数が過去最多レベルの状態。首都圏では、東京が0.96倍、神奈川が0.94倍、埼玉が1.04倍、千葉が1.06倍と横ばいから増加となっている。関西では大阪が1.22倍など、東海でも愛知などと先週から一転して増加。東京、神奈川、沖縄を除く44の道府県で前週より多くなった。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、佐賀県が1955人と全国で最多、次いで鹿児島県1946人、宮崎県1908人、長崎県1889人、徳島県1877人、そして沖縄県1757人のほか、大阪府、東京都など西日本を中心に38の都府県で1000人を超え、全国でも1250人となっている。

●自宅療養者、全国で142万人超 1人暮らしの患者にリスクも

 新型コロナに感染し、自宅で療養する患者が今月17日時点で全国で142万人以上に上る中、容体が急変した時の対応が課題になるのが1人暮らしの患者。自分で救急車を呼べずに対応が遅れるリスクもあり、訪問看護師やヘルパーなどが症状の悪化を確認して、ようやく搬送されるケースも相次いでいる。新型コロナに感染し自宅で療養する患者は第7波に入って急増し、今月17日時点で全国で142万3431人に上っている。

●一般用医薬品 キット初承認 ネット販売可能に

 新型コロナに感染したかどうかを調べる抗原定性検査キットについて厚労省は24日、スイス製薬大手ロシュの製品を、インターネット販売も可能な一般用医薬品(OTC)として承認した。国内でOTCとしてコロナ検査キットが承認されたのは初めて。厚労省によると、ネット販売できるのは、実店舗をもつ薬局などに限られる。ロシュは9月中旬の発売をめざしているという。

【8月25日】

●日本の新規感染者数、5週連続世界最多 死者数は2番目 WHO

 WHOがまとめた今月21日までの1週間の新型コロナの感染状況によると、日本は新規感染者数が5週連続で世界で最も多くなったほか、死者数も、2週連続で世界で2番目に多くなった。

 日本の新規感染者数は147万6374人と前の週に比べて6%増え、世界全体の新規感染者数のおよそ4分の1を占めた。また同じ期間の日本の死者数は1624人と、2週連続で米国に次いで世界で2番目に多くなった。 WHOは、一部の国では検査方針の変更に伴って検査数自体が減少していることから、実際の感染者数や死者数は、さらに多い可能性もあるとしている。

●「県民割」、9月末まで延長 「全国旅行支援」は先送り 政府決定

 政府は、観光需要の喚起策として8月末までを期限に実施している「県民割」について、期限を延長することを決めた。一方で、対象を全国に拡大する新たな喚起策「全国旅行支援」は、実施の時期をさらに先送りすることになった。今回の決定は、新型コロナの感染者数が高止まりしている状況を踏まえたもので、「全国旅行支援」の実施の時期について国土交通省は「感染状況の改善が確認できれば速やかに実施する」としている。

●雇調金上限引き下げ 政府方針 コロナ特例見直し

 政府は、企業が従業員に支払う休業手当の一部を補助する雇用調整助成金(雇調金)について、コロナ禍で特例的に増額していた助成額の上限を10月から引き下げる方針を固めた。雇用維持のために特例を長く続けてきたが、支給額が巨額にのぼって雇用保険財政の負担が膨らんでいたことから、見直しに踏み切る。

●都、全数把握見直さず 知事「医療につなぐ機能ある」

 東京都の小池知事は25日、新型コロナ感染者の全数把握を当面、従来通りの方法で続ける方針を明らかにした。感染者の急増で増した保健所や医療機関の負担を軽減する策として、政府が全数把握の簡略化を認める方針を24日に発表し、採否を自治体の判断に委ねるとしていた。

 政府は、高齢者ら重症化の危険性が比較的高い人を除き、保健所への届け出情報を人数や年代に絞ることを認めた。しかし小池氏は、従来の方法は、都全体の感染動向や患者の状態を把握して医療につなげる機能があるとした。一方、茨城県の大井川知事は25日、「大幅に現場の負担を抑えることができる」と述べ、準備ができ次第、方法を見直して簡略化する方針を示した。

【8月26日】

●中国・バレーボール女子代表、マスクつけて試合に「危険」と批判

 フィリピンで行われているバレーボール国際大会で、中国女子代表チームは25日、イランと対戦し気密性の高いマスクをつけたまま、試合を始めた。中国のネット上では「危険な行為だ」などと批判の声が上がった。中国バレーボール協会は26日、「大会の参加チームにコロナ感染の選手がいたほか、中国チームにも症状を訴える選手がいたため、マスクの着用を求めた。我々の経験不足だった」と謝罪した。中国内の厳しいコロナ対策がスポーツの国際試合にも波及した形。

●コロナ影響企業への雇用調整助成金、10月以降に上限引き下げへ

 雇用調整助成金は、企業が従業員を休業させた時に休業手当の一部を助成する制度で、新型コロナの影響を受けた企業には、助成金の上限や助成率を引き上げる特例措置が設けられている。厚労省は、経済回復が進んでいることや、最近の雇用情勢などを踏まえ、10月以降、縮小する方向で調整を進めている。来週、開かれる厚労省の審議会で正式に決定される見通しで、ことし11月末まで運用し、12月以降については、状況を見て改めて判断する。

●小池知事、全数把握は当面継続 「見直しは混乱ないよう」

 東京都の小池知事は26日の記者会見で、新型コロナの感染者の全数把握を当面、続ける考えを重ねて示したうえで、政府には制度を見直す場合は、現場に混乱がないようにすべきだと求めた。

●埼玉県、コロナ全数把握を継続 BA.5対策強化宣言は延長

 埼玉県は26日、専門家会議を開き、全数把握は適切な医療の提供や的確な対策を行うためには感染傾向の継続的な分析が必要なほか、拙速な制度の移行にともなう医療現場や県民の混乱回避も必要とし、継続する方針を決めた。そのうえで「判断を都道府県知事に委任するやり方は適切ではなく、国に対して全国一律の適切な基準と効率的な手法とするよう要望する」と指摘した。

 県は「BA.5対策強化宣言」を8月4日から適用しており、感染防止対策を踏襲しつつ、家族など少人数での行動を県民に呼びかけている。ただお盆明けから再び1万人を超えるなど感染者は増加している。専門家会議ではこうした状況を踏まえ、8月末で適用を終了する予定だった「BA.5対策強化宣言」は9月30日まで延長する。25日時点で確保済み病床使用率は67%。同日の新規感染者数も1万人を超え、高い水準が続いている。。

●感染19万人 全国死者324人

 国内感染者は26日、全国で新たに19万2410人が確認された。過去最多の26万人超だった前週の同じ曜日(19日)より6万8523人少なかった。死者は324人だった。

【8月27日】

●感染者6億人、4カ月1億人増

 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、新型コロナの世界の感染者数の累計が27日までに6億人を突破した。4月中旬に5億人に達してから、約4カ月で1億人増えた。約2カ月で約1億人増えた今年2~4月の時点よりも増加のペースは落ちているが、世界的な感染拡大は続いている。

●新型コロナ後遺症、最大400万人働けず 米・シンクタンクが分析 

 米国・ワシントンにあるシンクタンク「ブルッキングス研究所」は24日、新型コロナの感染拡大が社会に与える影響について分析した結果を発表した。米国内では現在、18歳から65歳までのおよそ1600万人が、新型コロナに感染したあと、息が続かない、頭に霧がかかったような症状が出るなどの後遺症に苦しんでいるという。

 このうち米国の労働力全体の1.8%にあたる200万人から400万人が仕事をすることができない状態に陥っていて、経済的な損失は最大で年間2300億ドル(日本円でおよそ31兆円)にのぼると指摘。そのうえで研究所は、患者が毎年10%ずつ増え続けると10年後の経済的な損失は5千億ドル、70兆円近くになると分析、新型コロナの治療や予防の選択肢を増やしたり、企業で取得できる有給休暇を充実させたりするなど、対策の強化を訴えている。

●岸田首相 感染者の全数把握見直し、今後全国一律で

 岸田首相はオンラインで記者団の取材に応じ、「全数把握の見直しは、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行策の1つとして進めるもので、全国一律で導入することを基本としている」と述べ、いずれは全国一律に移行する方針を示した。そのうえで、システムの改修に加え、報告の対象外となる自宅療養者の健康観察などの支援体制や、全数把握にかわって「定点把握」の仕組みを整える必要があるとして、その準備状況を見極めて移行時期を判断すると説明した。

 一方、岸田首相は報告の対象から外れた自宅療養者に、自治体などが生活必需品を自宅に届ける支援が滞ると懸念されていることも踏まえ、マスクの着用などの感染対策を講じていれば外出を認めることを含め、対応を検討していく考えを示した。

●感染症対策の司令塔、来年度中の創設目指す

 政府はこれまでの新型コロナ対応も踏まえ、感染症対策を強化するため、内閣官房に司令塔となる新しい組織を設ける方針をことし6月に決めた。これまでの検討の結果、政府は新しい組織の名称を「内閣感染症危機管理統括庁」とし、来年度中の創設を目指して年明けの通常国会に必要な法案を提出する方向で調整に入った。

 そして、トップには官房副長官クラスを充て、平時は訓練や各府省の準備状況のチェックなどを行うとともに緊急時は初動対応を一元的に担うなどとしている。また「国立感染研」と「国立国際医療研究センター」を統合してつくる米国CDC(疾病対策センター)の日本版については、令和7年度以降の設置を目指す考え。政府は、こうした方針を来月上旬にも開く新型コロナ対策本部で決定し、法案の策定作業を本格化させることにしている。

●全国で新たに18万316人感染

 国内感染者は27日、全国で新たに18万136人が確認された。2日連続で20万人を下回り、前週の同じ土曜日(20日)より7万3048人少なかった。発表された死者は259人だった。重症者数(26日現在)は前日より2人減って624人。

 新規感染者を都道府県別にみると、最多の東京都は1万7126人。前週より8151人少なく、6日連続で前週と同じ曜日を下回った。27日までの1週間の感染状況をみると、1日あたりの感染者数は2万822.4人で、前週(2万5601.1人)の81.3%だった。東京都に次いで多かったのは大阪府の1万4998人で、これに愛知県の1万2310人、兵庫県の9384人が続いた。病床使用率は東京都が53.5%、大阪府が60.6%だった。

 8月27日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【8月28日】

●内閣支持急落47% 首相の旧統一教会対応、「評価しない」65%

 朝日新聞社は27、28の両日、全国世論調査(電話)を実施した。岸田内閣の支持率は47%(前回7月調査は57%)と大幅に下落。不支持率は39%(同25%)に跳ね上がり、昨年10月の内閣発足以来最高だった2月の30%を大きく上回った。政治家と宗教団体の「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」を巡る問題への岸田首相の対応について聞いたところ、「評価する」は21%で、「評価しない」は65%にのぼった。

 安倍晋三元首相の国葬については、「賛成」は41%で、「反対」の50%の方が多かった。新型コロナを巡る政府の対応を「評価する」は45%(同57%)で、「評価しない」は49%(同34%)。物価高に対する岸田首相の対応については、「評価する」は21%で、「評価しない」は67%。5月の調査でも23%対66%で、3人に2人が「評価しない」と答える状況が続いている。

●新たに15万7千人感染

 国内感染者は28日、新たに15万7817人が確認された。前週の同じ曜日(21日)より6万8303人少なく、前週の同じ曜日を下回ったのは4日連続。発表された死者数は221人だった。

【8月29日】

●新型コロナワクチン3回接種終了、全人口の64.3%

 政府が29日に公表した最新の状況によると、国内で新型コロナワクチンの3回目の接種を受けた人は8137万1059人で、全人口の64.3%となった。また、60歳以上で4回目の接種を受けた人は、対象者の67.5%となっている。

●全数把握見直し、4県申請 10都県は見直さない方針

 政府は新型コロナの患者の全数把握を見直し、詳しい報告の対象を高齢者などに限定できる方針を示した。そして、31日の運用開始から見直しを希望する場合は、29日夕方までに申請を行うよう都道府県に求めていた。見直し申請を行ったのは宮城県、茨城県、鳥取県、佐賀県の4県。見直しの理由は、「発熱外来の業務逼迫を回避することを優先した」や「重症化リスクの高い患者への対応に集中するため」など。

 全数把握見直し 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 また、33道府県が現時点で検討中で、その理由について「今後、政府が示す全国一律の指針を見て判断したい」といった声が多いほか「医師を配置した健康フォローアップセンターの準備ができていない」といった声も。一方、東京都や神奈川県など10都県が現時点で見直しは行わないと答え、その理由は「重症化リスクの低い人でも症状が悪化することがある」や「患者を正確にフォローできないので、自宅療養が徹底されなくなる」など。

●東京感染1万人割る 全国は9.5万人

 国内感染者は29日、新たに9万5916人が確認された。10万人を下回るのは7月19日以来。前週の同じ曜日(8月22日)より4万5113人少なく、5日連続で前週の同じ曜日を下回った。発表された死者数は233人だった。都道府県別の最多は東京都の9880人で、1万人を下回るのは7月11日以来となった。

【8月30日】

●アストラゼネカ注射薬、厚労省承認 事前投与で発症防ぐ効果期待

 新型コロナに感染した人の重症化予防に加え、事前に投与することで発症を防ぐ効果が期待される、英製薬大手アストラゼネカの注射薬について、厚労省は30日使用すること正式に承認した。がんの治療などで免疫の働きが低下し、ワクチンの効果が十分に得られない人などに使用される予定。承認されたのは、新型コロナの働きを抑える抗体を注射で投与する抗体医薬「エバシェルド筋注セット」。欧米各国では感染前に使用できる薬として、すでに承認されている。

●ファイザーワクチン、5~11歳の3回目接種で使用することを承認

 ファイザー製の新型コロナワクチンについて、厚労省は5歳から11歳までの子どもの3回目接種で使用することを正式に承認。5歳から11歳までの3回目接種のワクチンが承認されるのは国内では初。

●オミクロン株に対応したワクチン接種、9月中に開始で調整 政府

 オミクロン株に対応したワクチンの接種について、政府は、感染拡大が続く中、速やかに行う必要があるとして当初の予定を前倒しし、早ければ9月中に開始する方向で調整を進めている。オミクロン株に対応したワクチン接種をめぐっては、厚労省が、2回以上の接種を終えたすべての人を対象に10月中旬以降に開始する方針を示していて、現在、ファイザーとモデルナが承認を求める申請を行っている。

 厚労省は、来月中旬に予定されている専門家による審議会で、オミクロン株に対応したワクチンの承認に向けた手続きをとることにしている。

●新型コロナ感染の子ども、中等症・重症の3分の2が基礎疾患なし

 日本集中治療医学会は、子どもの入院病床がある全国の医療機関を対象に、オミクロン株が感染の主流となっていたことし3月10日から今月15日までの間に新型コロナに感染した20歳未満の、主に高校生以下の患者の症状や基礎疾患の有無を調べた。その結果、酸素の投与を受けたり人工呼吸器を装着したりして、中等症や重症として登録された患者は合わせて220人だった。

 このうち、重症化のリスクが高いとされる基礎疾患があったのは70人で全体の3分の1以下にとどまり、およそ3分の2は基礎疾患のない人だったという。

【8月31日】

●コロナ感染、再び減少傾向 専門家会合 学校再開後に懸念も

 厚労省の専門家組織は31日の会合で、30日までの1週間の全国の新規感染者数は、前週比0.79倍となり、再び減少に転じたとの分析を明らかにした。地域差はあるものの、高止まりの状態から減少傾向に変わった可能性がある。東京都や大阪府で前週比0.72倍。青森県(1.07倍)と徳島県(1.01倍)を除く、45都道府県で減少した。ただ、多くの地域で学校が再開する時期を迎え、子ども世代で感染が再び拡大することが懸念されている。

 脇田座長(国立感染研所長)は、「お盆休み明けで感染者数が一過性に上昇したことや、ワクチンと自然感染による一過性の免疫が影響しているだろう」と分析した。一方で、全国の死者数は30日までの1週間の平均で1日279人。1週間前の276人とほぼ変わらず、過去最多の水準が続いている。感染者は全体として減少傾向だが、高齢者施設と医療機関での集団感染が続いていることが影響しているとみられる。

●新ワクチン、来月にも オミクロン対応 18歳以上対応

 オミクロン株に対応した新しいワクチンについて、政府は2回目を打った18歳以上のすべての人を対象に、9月にも接種を始める方向で調整に入った。当初は10月半ばからを想定していたが、ワクチンの確保や自治体の準備にめどがつき前倒しする。ワクチンは9月中旬に厚労省の専門家部会で審議し、薬事承認されればすぐに輸入する。承認後に専門家分科会で接種対象について議論し、予防接種法上の臨時接種に位置づけ、公費で打てるようにする。

 新しいワクチンは、昨冬に流行したオミクロン株の系統の一つ「BA.1」と、初期に流行した株に対応した「2価ワクチン」。米ファイザー社と米モデルナ社が承認を申請しており、これまでのワクチンより、オミクロン株への感染を防ぐ「中和抗体価」が高くなるとされる。いま主流のBA.5にも効果が期待できる。接種間隔は最後の接種から5カ月程度を見込んでいる。

●抗原検査キット、ネット販売開始 国承認 調剤大手で

 新型コロナに感染したかどうかを自分で調べられる抗原検査キットのインターネット販売が31日から始まった。国が承認したもので、調剤薬局大手の日本調剤のウェブサイトなどで順次購入できる。厚労省は「PCR検査よりは精度が劣るため、陰性でも感染対策をしてほしい」と呼びかけ、陽性の場合は自治体の案内に沿って受診をするよう促している。

 抗原検査キットを販売する際には薬剤師が購入者に使用方法などを説明することが義務づけられていて、調剤薬局を全国で展開する薬局チェーンのサイトでは、検査キットの適切な使用方法のほか、陽性と出た場合には自治体が設置する陽性者登録センターに登録することや医療機関を受診することなどを注意喚起するチェック項目を設けている。

●インフルワクチン、過去最多へ 同時流行に備え供給

 厚労省は31日、今冬の季節性インフルエンザワクチンの供給量がこれまでで最も多い約7040万人分(成人)になるとの見込みを専門家部会で示した。すでに冬を迎えた南半球のオーストラリアでインフルが流行しており、日本でも新型コロナ感染症と同時に流行すれば、医療機関の負担が大きくなる懸念がある。

 厚労省によると、10月1日時点の供給量は約3340万人分が見込まれ、65歳以上の高齢者約3640万人の大半が接種するのに十分な量があるという。2年前にも新型コロナとインフルの同時流行が懸念された。手指消毒やマスクなどの対策もあって大きな流行にはならなかったが、今冬は行動制限や海外渡航は緩和される方向にある。

●個人や病院に罰則 感染症法など改正案

 政府は31日、新たな感染症による危機に備え、平時から確実に医療提供体制を確保できるよう、国や自治体の権限を強化するための感染症法や検疫法の改正案を自民党に示した。地域の中核を担う病院に医療提供を義務づけ、水際対策の指示に従わない個人には罰則を設ける方針。近く開かれる政府対策本部で決定し、秋の臨時国会に提出する。

 改正案は、都道府県は平時から公立・公的医療機関に加え、大学病院などの「特定機能病院」、地域で中核を担う「地域医療支援病院」と協定を結び、病床確保や発熱外来の設置を義務づけ、違反した場合は特定機能病院などの承認を取り消す。また、治療薬やマスクの確保のため、緊急時は政府が事業者に生産指示や支援ができる。水際対策のため、入国後の個人に自宅待機などを指示できるようにし、体調報告に応じない場合の罰則も作る。

●医療保険、コロナ対象縮小 生保協会 支払い7割減

 生命保険業界が、新型コロナに感染した際に支払っている医療保険の入院給付金の対象者を大幅に絞る方針であることがわかった。対象を絞るのは「みなし入院」の扱いを変えるため。厚労省が、「全数把握」を見直すタイミングにあわせ、9月下旬にも実施される見通し。生保各社のコロナ関連の入院給付金の支払額は6月までの累計で約2900億円に上る。対象見直しで、コロナ関連の医療保険の支払いは7割ほど減る見込み。

 入院給付金は通常、入院が条件だが、コロナ感染の場合は自宅療養や軽症でも生保各社は入院給付金を支払っている。しかし今後は、65歳以上の高齢者や入院患者、コロナ治療薬の投与を受けた患者、妊婦に支払いを限定する。今年に入り、第6波や第7波で軽症の患者が急増。生保協会加盟各社のコロナ関連の入院給付金の支払いは4~6月だけで1747億円、昨年度1年間の1.7倍。このうち「みなし入院」扱いでの支払いが9割以上を占めていた。

●待機児童2944人過去最少 子ども減少 コロナで利用控え

 今年4月に認可保育園などに入れなかった「待機児童」は、過去最少の2944人。3千人を下回るのは1994年に調査を始めてから初めて。厚労省が30日、公表した。保育園の整備が進んだことに加え、子どもの減少やコロナ感染を心配した利用控えが影響したという。減少は5年連続。直近のピーク2017年(2万6081人)と比べ、約9分の1。全国1741の市区町村のうち、「待機児童ゼロ」は85.5%。待機児童が多い市区町村は、首都圏や近畿圏といった都市部に集中した。

 今年4月時点で保育所を利用する子どもは約273万人。前年比1.2万人減と、初めて減少に転じた。都市部を中心に待機児童が残る一方、定員を大きく下回る地域も広がり、二極化が進む。定員に対する利用者の割合(充足率)は、今年4月時点の全国平均が89.7%。年々低下する傾向となっている。

●東京都で新たに1万7126人の感染確認 30~90代の25人死亡

 東京都は31日、感染者を新たに1万5428人確認したと発表した。前週の同じ曜日(24日)より1万16人少なく、10日連続で1週間前を下回った。28人の死亡も発表された。31日までの1週間の感染状況をみると、1日あたりの感染者数は1万6291.3人で、前週(2万3926.4人)の68.1%だった。

 病床使用率は48.8%。また、都が緊急事態宣言の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は28.1%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より3人減って33人だった。

 8月15日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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▲国内16万9800人感染 338人死亡

 31日は、これまでに全国で16万9800人の感染が確認。大阪府で29人、東京都で28人、神奈川県で23人、愛知県で22人など、合わせて338人の死亡の発表があった。厚労省によると、感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、31日時点で591人(-27)となっている。

 以下6枚の図は8月15日時点の国内の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年8月21日 (日)

新型コロナ2022.08 死者増加

 新型コロナ感染拡大「第6波」は、6月下旬には下げ止まりから増加に転じ、7月には「第7波」となって全国的に急増が続く。8月10日の全国の新規感染者は過去最多の25万人超、自宅療養の感染者も10日時点で過去最多の154万人、重症者や死者の増加も始まっている。

 2022年8月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.07 全国20万」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【8月1日】

●全数把握、見直し検討 木原副長官 コロナ「5類」は否定

 木原官房副長官は1日午前の記者会見で、新型コロナ感染者の全数把握といった現状の措置の見直しについて、「時期を見極め、変異の可能性なども判断した上で、専門家の意見も伺いながら丁寧に検討を進める」と述べた。一方、感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザと同じ「5類」に変えることは「現時点で現実的ではない」と否定した。

 新型コロナは感染症法上、「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられ、結核などの「2類」以上の強い感染防止策がとれる。全数把握もこの措置の一つ。第7波では感染者数が爆発的に増え、保健所などの業務を圧迫。保健所を持つ政令指定市でつくる市長会は7月29日、感染者の全数を直ちに届け出る扱いを見直すよう国に求める緊急コメントを出していた。

●かかりつけ医とは? 医師ら議論開始 コロナ禍患者と共通認識ないまま

 発熱したら、まず「かかりつけ医」に相談を。新型コロナの流行時に自治体は繰り返し、こう呼びかける。厚労省はコロナ前から「一般的な外来はかかりつけ医へ。紹介を受け大病院を受診」と、外来の役割分担を進めてきたが、十分に定着していない。しかし、かかりつけ医がいない人も多い。かかりつけ医とはどんな存在で、何をすべきなのか。

 こうした事態を受け、厚労省の医療計画を議論する検討会で7月、かかりつけ医機能とはどうあるべきか、議論が始まった。2023年度末をめどに議論をまとめる予定。日本医師会も7月下旬、かかりつけ医について議論するワーキンググループを設けた。かかりつけ医の捉え方がそれぞれ違う。登録制と言っても、医療費を削減したい財務省側と、機能拡充のためさらなる財政支出を求める医療界の思いは隔たる。議論をまとめるのは容易ではない。

●感染拡大の中、旅行や帰省の予約は前年比大幅増 旅行会社

 新型コロナの感染拡大が続く中、都内の旅行会社では一部の予約にキャンセルが入っているものの、行動制限があった去年の夏休みと比べると限定的で、予約の数は大幅に増加している。具体的には近場で短期間の旅行が人気だということで、宿だけを予約し移動手段はマイカーを使うという人が目立つという。また、感染状況を見極めながら旅行するかどうか決める人も多く、直前の予約が多い。

 国際医療福祉大学の松本主任教授は、旅行前にPCR検査を受けるなど、万全な体調で出かけることが何よりも大切だという。また荷物には、感染防止に必要なマスクやアルコール消毒液など基本的な感染対策グッズを十分用意すること。さらに、旅行先で体調不良になっても地域によっては発熱外来の予約が取りにくくなっていることなどを踏まえ、簡易検査できる抗原検査キットや、症状を緩和するための市販の薬も用意しておくと安心だという。

●中等症患者で満床近く、重症対応不可能に 埼玉の病院

 新型コロナで最も重症の患者の人工心肺装置(ECMO)を使った治療に対応してきた埼玉県内の病院では、今回の「第7波」では重症化する患者が少ないため、ECMOは使われず、夜間や休日に救急搬送されてきた中等症の患者を受け入れるケースが多くなっていて、満床に近くなってきている。この病院の院長は「コロナで持病が悪化し、ECMOなどが必要な患者は出てくると考えられるので、今の状況が続くと私たちが診るべき重症患者に対応できなくなる」と話す。

●特定のたんぱく質濃度が重症度と関係 千葉大学病院

 千葉大学病院と千葉大学大学院で作る研究グループが、新型コロナで死亡した患者の肺の血管にできた血栓を調べたところ、「Myl9(ミルナイン)」というたんぱく質が多く付着していることが分かった。そして、新型コロナ入院患者の血液を調べたところ、このたんぱく質の濃度が通常よりも最大で40倍近く上昇していて、濃度と重症度、入院日数の間に相関関係があることが分かった。1日記者会見で発表した。

 このため、研究グループは「Myl9」の濃度を測定することで、新型コロナの重症化を予測できるとして、今後血液中のこのたんぱく質を簡単に測定するキットの開発や、新しい治療法につなげたいとしている。千葉大学病院の横手院長は「今後のコロナ、あるいは次の新しい感染症の制圧につながる知見を得られたのではないかと思っている。今後も研究を積み重ねていきたい」と話している。

●感染13万9千人

 国内感染者は1日、全国で13万9687人が確認された。前週の同じ曜日(7月25日)の約1.1倍。死者は全国で93人が発表された。都道府県別の新規感染者が最多だったのは東京都の2万1958人。1日までの週平均の感染者数は1日あたり3万2116.3人で、前週(2万5927.0人)の123.9%だった。大阪府は7282人。府内の病床使用率は60.0%で、60%以上になるのは3月14日(62.2%)以来だった。

 8月1日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【8月2日】

●感染全数把握、中止を提言 尾身氏ら政府に早急な検討を求める

 政府の分科会の尾身会長、厚労省の専門家組織、感染症や経済、法律の専門家ら有志18人は2日、「第7波」が拡大する中、政府がとるべき対策について提言をまとめた。提言では、医療と社会経済活動の両立をめざすならば、①感染拡大を招かない一人一人の主体的行動、②オミクロン株の特徴に合わせた柔軟かつ効率的な保健医療体制への移行の二つについて検討が必要。ただし、この二つを実行しても医療逼迫する場合は、行動制限の判断が求められるとしている。

 ①は大人数での会食を避けるなど基本的な対策の徹底をあげ、②は国や自治体が早急に検討すべきステップ1と法改正なども伴いながら将来的にめざすステップ2の2段階を提示。ステップ1では、感染者の全数把握でなく重症化リスクのある人や死亡者に絞って把握する仕組み、医療機関に必要とされる感染対策をゆるめて患者に対応できる施設を増やすなどをあげた。ステップ2では「5類」への移行も含め、感染症法の扱いの変更も提案した。

●専門家の有志の提言、「今すぐどんな対応が必要なのかまとめた」

 尾身会長らの専門家の有志は、午後6時から日本記者クラブで開いた記者会見で提言を公表し、尾身会長は「いま医療機関や保健所の現場が限界にきている緊迫した状況で、一人ひとりが感染リスクを下げる行動を取るとともに、いまのコロナへの対応を見直していくことについて、早急に社会に発信することが専門家の責任だと考えて提言をまとめた」と述べた。提言内容を政策にどう反映するのかは「政府が判断することだと思う」と述べた。

 一方、全国知事会の平井会長と日本医師会の松本会長も同日、共同で後藤厚労相に対し、感染者の全数把握が地域の保健医療体制の逼迫を招いているとして、即時の見直しを求める緊急申し入れをした。

●「軽症者は受診控えて」 治療必要な人優先に 4つの医学会が声明

 日本救急医学会など救急医療や地域医療に関連する4つの学会は2日、厚労省で記者会見を開き、救急や発熱外来の逼迫によって通常の医療にも影響が出始め「救える命が失われる可能性が高まりつつある」と危機感を示した。そのうえで、オミクロン株では多くの場合数日で症状が軽くなり、重症化する人も数千人に1人程度であることから、「症状の軽い人は受診を控えてほしい」と呼びかけた。

  症状の目安として、飲食ができる、呼吸が苦しくないといった場合は、特別な治療は行われないため急いで受診する必要はないとしている。一方で、水が飲めない、呼吸が苦しい、37.5度以上の発熱が4日以上続くといった場合、それに重症化のリスクが高い65歳以上の人や基礎疾患がある人、妊娠中の人は受診が必要だとしている。また、胸の痛みがある、意識に異常があるといった場合は救急車を呼ぶ必要がある。

● 「発熱外来での検査証明求めないで」 総務省が地方自治体に要請

 新型コロナ感染の拡大地域では、感染の証明書を求めて多くの患者が発熱外来を訪れ、ほかの患者が診察や検査を受けづらい状態が続いている。総務省はすべての地方自治体に対し、職員が感染して仕事を休む場合、発熱外来での検査証明書などの提出を求めないよう要請。仮に証明書が必要な場合には、職員が自ら検査を行い、その結果を撮影した画像などで確認するよう求める。療養期間が終了し職場に復帰する際は、陰性証明書は必要ない。

 金子総務相は記者会見で「感染者数が最多更新を続けており、医療逼迫に最大限の警戒感を持っている。医療機関が重症化リスクの高いほうへの対応に専念できるよう対応していきたい」と述べた。文科省は、学校やスポーツ、文化関係の団体などに対し、教員や児童、生徒、職員らが新型コロナに感染して休む場合に、発熱外来での検査証明書などの提出を求めないよう要請した。

●救急搬送困難、過去最多に 第7波、医療現場が切迫

 新型コロナの感染拡大の影響で、救急患者の搬送先がすぐ決まらない「救急搬送困難事案」が、7月31日までの1週間に全国で6307件あり、過去最多となった。総務省消防庁が2日発表した。前週と比べて、272件(5%)増えた。これまでの最多は、第6波のさなかの今年2月14~20日(6064件)。オミクロン株の変異系統「BA.5」の流行による第7波を受け、医療機関の救急患者の受け入れがかつてなく難しくなっていることが浮き彫りとなった。

 このうち、コロナ感染が疑われる患者の「搬送困難事案」も2789件と、2週連続で過去最多を更新した。消防庁では全国主要都市の52の消防本部で、救急隊が医療機関に患者を受け入れ可能か4回以上問い合わせ、現場に30分以上とどまった事例の件数を、2020年4月から1週間ごとに調べている。

●救急利用や受診 関連学会が目安

 救急や発熱外来の逼迫を受け、日本感染症学会など関連学会は2日、救急利用や発熱外来受診の目安を示した声明を出した。「新型コロナにかかったかも?と思った時にどうすればよいのか」と題し、ポイントをあげた。

 オミクロン株について、感染した時の症状の多くは4日程度で軽くなる、重症化する人は数千人に一人程度と記載。だが、水分が飲めないなど症状が重い場合や、発熱(37.5度以上)が4日以上続く場合は、受診が必要とした。救急車を呼ぶ必要がある症状として、顔色が明らかに悪い、息が荒くなった、座らないと息ができないなどを挙げた。

●21万1058人が感染

 国内感染者は2日、全国で新たに21万1058人が確認された。過去4番目の多さとなり、13県で1日あたりの感染者が最多を更新した。死者は143人だった。全国の新規感染者が20万人を超えるのは先月30日以来。感染者が最多だったのは東京都の3万842人。ただ、前週の同じ曜日より751人少なく、2日連続で前週を下回った。

【8月3日】

●「すでに重症者や死者の増加始まっている」 専門家組織 感染ペースは鈍化

 厚労省の専門家組織は3日、会合を開き、「第7波」による新規感染者数は2日までの1週間の合計で前週比1.16倍となり、1週間前の1.89倍からは増加のペースが鈍化したと分析した。一部地域でピークを越えつつあるとの予測もあり、減少に転じた地域も出てきているが、ほとんどの地域で増加している。夏休みに入り、10代の感染は減少に転じた一方、重症化リスクの高い高齢者などでは増加が継続、重症者や亡くなる人の増加がすでに始まっている。

 重症者は3日時点で計478人、1週間前から167人増えた。死亡者数は2日までの1週間でみると1日平均110人、前週の平均58人から約2倍。病症使用率が5割以上に達したのは29都府県で、先週の18府県からさらに増えた。6県は7割を超えた。医療従事者の感染が増えて医療体制への負荷が起きていて、救急搬送が困難なケースも全国的に急増が続く。リスクの高い接触機会を可能な限り減らし、自己検査できる抗原検査キットを安定的に供給することが重要だと指摘した。 

●クラスターなど1324件、第6波ピーク時超え過去最多

 先月31日までの1週間に全国で確認されたクラスターなどの数は1324件で、第6波のピーク時を超えて過去最多となったことが厚労省のまとめでわかった。厚労省は毎週、報道などをもとに自治体がクラスターと認定した事例や2人以上が感染した事例をまとめている。それによると先月31日までの1週間に全国で確認されたクラスターなどは合わせて1324件。今年3月上旬に記録した第6波のピーク時の1263件を超え、過去最多となった。

 施設別で最も多かったのが高齢者福祉施設で515件、次いで医療機関が270件といずれも過去最多。このほか学校・教育施設などが225件、保育所などの児童福祉施設が132件、企業などが97件、障害者福祉施設が62件、運動施設などが10件、飲食店が2件など。

●休園の保育所やこども園101か所 ぎりぎりの対応迫られる園も

 新型コロナに子どもや職員が感染し、全面休園となった保育所やこども園は先月28日の時点で全国で101か所に上っている。できるだけ全面休園せずに一部のクラスの閉鎖にとどめるなどの対応が広がっていることを背景に、最大で700か所以上が休園した「第6波」のことし2月よりは少なくなっているが、職員にも感染が広がる中で現場は対応に追われている。

 埼玉県内で9か所の保育園を運営している会社では、先月半ばごろから感染が増え始め、およそ140人の職員のうち最大で16人が感染したり、濃厚接触者になったりしたという。子どもの感染も広がり、川口市内の保育園では先月30日には0歳から1歳のクラスで感染者が出て、25人中20人の子どもが濃厚接触者となって登園できなくなった。職員の子どもが感染して看護のため出勤できないケースも相次いで、系列の園から応援職員を派遣してもらい対応しているという。

●東京都、「陽性者登録センター」開設 自主検査しオンライン登録

 東京都の「陽性者登録センター」は、新型コロナの感染拡大で検査や受診が集中している医療機関の負担軽減や、感染した人が陽性と診断されるまでの期間を短くして速やかに支援を受けてもらうことなどを目的に都が開設したもので、3日から申請の受け付けが始まった。利用者は自主検査で陽性だった場合、オンラインで申請し、登録した情報をもとに医師によって陽性と診断される。

 そしてメールで結果が通知されたあと、都の「自宅療養サポートセンター」=「うちさぽ東京」から健康観察などのサポートが受けられる。また、センターは医療機関を経ずに保健所に陽性者として発生届を提出する。受け付けは一日当たり3000人を上限、3日は受け付けを終了した午後5時までにおよそ1000人から申請があった。都はまずは、感染者数の割合が大きく重症化のリスクが低い20代からの申し込みを受け付け、順次ほかの年代にも対象を広げる。

●埼玉県が「BA.5対策強化宣言」 全県で4日から31日まで

 埼玉県は3日専門家会議を開き、感染拡大に歯止めをかけ医療機関の負担軽減のため、政府が新たに導入した「BA.5対策強化宣言」を出すことを決めた。対象地域は全県、期間は4日から今月31日まで。この宣言を出すのは、首都圏の1都3県では神奈川県に続き2番目。入院患者の増加で県内の病床使用率が75%を超えているため、専用の病床を新たに158床増やして1760床とすることも決まった。

 新型コロナ感染のためオンラインで記者会見した大野知事は、帰省や旅行など県境をまたぐ移動の際は密を避けて、感染防止対策を徹底することや、重症化リスクの低い人は医療機関を受診せず、検査キットを使って県がオンラインで確定診断をするサイトを利用するよう求めた。そのうえで、「県民や事業者の皆さんに今までよりも高い緊張感を持って感染対策を行ってほしい」と話した。

●感染最多24万9830人

 国内の感染者は3日午後8時現在、全国で新たに24万9830人が確認された。先月28日を1万6800人あまり上回り、過去最多を更新した。24道府県で、1日あたりの感染者数が過去最多になった。死者数は169人だった。

【8月4日】

● 新規感染者数、日本が2週連続「世界最多」 WHO発表

 WHOは新型コロナの世界全体の状況を取りまとめていて、3日、新たな報告書を発表した。それによると、7月25日から31日までの1週間の新規感染者数は世界全体で656万5679人と、前の週より9%減少した。日本は137万9099人と、前の週と比べて42%増え、2週連続世界で最も多くなり、世界全体の新規感染者数のおよそ2割を占めた。

 日本に次いで多いのが、米国で92万3366人、韓国が56万4437人などとなっている。WHOは、世界各地で調査方針が変更され、検査数も減少していることから、実際の感染者数はさらに多い可能性もあるとしている。

●患者の全数把握、当面は見直さず 入力項目最小限に 政府決定

 医療機関と保健所の負担が大きいとして、発生届による患者の全数把握について、全国知事会と日本医師会が2日、政府に即時見直しを申し入れ、専門家有志も同日、段階的な中止を提言している。後藤厚労相は4日、「見直しの議論もあったが、課題も多い。今後丁寧に検討したい」と述べ、当面は見直さない考えをしました。こうした中で、政府は4日、医療機関が保健所に感染の発生を届け出る際の入力項目を、最小限にすることを決めた。

 具体的には、65歳未満で基礎疾患がないなど重症化リスクの低い患者については、ワクチン接種回数や、番地などの詳しい住所といった項目の入力は求めない。これにより患者の情報は7項目となり、8つ少なくなった。ただし、自主検査で陽性となった人が連絡して症状を判断してもらう「健康フォローアップセンター」を都道府県が設置していることが条件。いまセンターは北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、沖縄の9都道府県しかない。

●厚労省、「軽症なら受診避けて」 65歳未満で基礎疾患のない人

 新型コロナの感染爆発によって救急医療や発熱外来の逼迫を受けて、後藤厚労相は4日、症状が軽く65歳未満で基礎疾患がなければ、慌てて医療機関を受診することは避けることを検討するように呼びかけた。受診抑制をめぐっては、厚労省は7月22日、無症状で検査だけを目的とした救急外来の受診は控えるように要請していたが、さらに踏み込んだ形。

 厚労省は、日本感染症学会など関連学会が2日に公表した救急利用や発熱外来受診に関する声明を引用。目安として、症状が軽く65歳未満で、基礎疾患がなかったり、妊娠していなかったりすれば、検査や薬のために慌てて受診しない。救急車を呼ぶ必要があるのは、顔色が明らかに悪い、意識がない、少し動いただけで息苦しい場合などと示した。都道府県に対し、この目安を参考にして住民に周知するように通知した。

●対策強化宣言、分かれる対応 効果に疑問 都は見送り

 政府が7月29日に新設を決めた「BA.5対策強化宣言」は、全国知事会からの要望を受けて設けられた。病床使用率が50%を超えるなどの都道府県が、無症状・軽症者に発熱外来の受診を控えるよう求めたり、事業者にテレワーク徹底を呼びかけたりできる。内閣官房によると、「BA.5対策強化地域」は12府県(4日時点)。行動制限など強い措置は打ち出せない。都道府県ごとに対応が分かれており、宣言済みの自治体からも大きな効果への期待は感じられない。

 東京都は、宣言を出す予定はないとの立場。宣言した千葉県は高齢者や基礎疾患がある人、その同居家族には混雑した場所への外出を控えるよう求めた。神奈川県は宣言を出したが、重症化リスクの高い人の外出自粛要請は見送った。東海3県で足並みを揃える愛知県の大村知事は、「状況は厳しいんだとアナウンスをして、行動の変容を促す効果はある」。大阪、福岡、宮崎、沖縄の各府県は「対策強化地域」に指定されたが、吉村知事は「具体的に効果は見えにくい」と述べた。

●コロナ休業へ支給、「重複・不正改善を」 検査院調べ

 新型コロナの影響を受けるなどした事業者や従業員に支払われる「雇用調整助成金」(雇調金)と「休業支援金」について、会計検査院が調べたところ、重複支給や不正受給などで計3億1719万円が不適切に支払われていたことが分かった。検査院は4日、厚労省に対し、支給後の確認方法など対応策を定めるよう改善を求めた。

 雇調金は、雇用を維持して休業手当を支払った事業者に支給され、休業支援金は休業手当が出ない従業員に直接支給される。いずれもコロナ禍の影響を受けた事業者や従業員のため、原則2週間以内の支給をめざし、申請などが簡素化された。このため、厚労省は不正受給の有無などの確認に取り組んでいる。

●専門家「誰もがいつどこで感染してもおかしくない」 都の会議

 東京都は4日、モニタリング会議を開き、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルをいずれも最も深刻なレベルで維持した。新規陽性者の7日間平均は初めて3万人を超え過去最多の3万2921人、前週のおよそ1.1倍。いまの増加のペースが続けば、8月10日時点では3万6213人となる予測が示された。専門家は「これまでに経験したことのない爆発的な感染状況が続いて、誰もがいつどこで感染してもおかしくない状況」として強い危機感を示した。

 そのうえで、エアコンの使用中での換気や3密の回避、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策で、自らが身を守る行動を徹底するよう訴えた。知事は会議のあと、政府が新たに導入した「BA.5対策強化宣言」を出す考えがあるかどうか報道陣からの質問に「すでに8月21日までを特別期間として設け、帰省や旅行、職場などでの留意点を示して感染対策を徹底してもらうようにしていて、そちらで対策していきたい」と述べるにとどまった。

●「BA.2.75」を即日で検出できる検査手法、運用開始 東京都

 オミクロン株の1種「BA.2.75」は、オミクロン株の「BA.2」系統の変異ウイルス。インドでは今年5月の時点で感染者数や死亡者数が低い水準で推移していたが、その後増加傾向に転じ「BA.2.75」の拡大が影響している可能性も指摘されている。これまでに東京都内では9例の感染が確認されているが、都は発生状況をいち早く把握して感染拡大を防ごうと新たな検査手法を開発、今月から運用を始めたと、4日のモニタリング会議で公表した。

●感染増、保険また見直し 日生、制限 損保ジャパン、停止

 保険販売の見直しを迫られる会社が相次いでいる。日本生命保険は、コロナ感染時も補償が受けられる医療保険などの販売制限に踏み切った。営業社員から勧誘を受けてない客はこの保険に入れなくなる。コロナ感染に特化した「コロナ保険」では、想定を上回る感染拡大を受け、販売停止や値上げの動きが続いており、商品設計の妥当性も問われている。一方、損保ジャパンは、昨年12月から販売していた「コロナお見舞い金」を4日から販売停止にする。

●23万8千人感染

 国内感染者は4日、全国で新たに23万8732人が確認された。前日に次いで過去2番目の多さとなり、11道県で1日あたりの感染者が最多を更新。死者は161人だった。都道府県別の新規感染者が最多だったのは東京都の3万5339人。前週の木曜日(7月28日)より5067人少ないが、3日連続で3万人を上回った。2番目に多かったのは大阪府の2万2371人で、、3日連続で2万人を越えた。このほか愛知県1万6005人、神奈川県1万4007人と続いた。

 8月4日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【8月5日】

●ノババックスのコロナワクチン、「副反応低い」 厚労省研究班

 厚労省の研究班は、ことし5月から接種が始まったノババックスのワクチンを3回目に接種した人、合わせて58人の変異する前の従来株に対する抗体の値や、副反応を分析した結果を公表した。このうち、抗体の値では、3回目を接種してから1か月が経過した7人を対象に、接種する前と比較したところ、平均で31.9倍だったとしています。

 一方、副反応が起きた割合は、37.5℃以上の発熱があった人は10.3%、全身のけん怠感は39.7%、頭痛は27.6%。ファイザーやモデルナより、副反応の頻度が低いといえる結果になったという。順天堂大学医学部の伊藤特任教授は、「季節性インフルエンザのワクチンと比べても、副反応の頻度は統計学的に、ほぼ同じ程度か、あるいは少し高い程度で、今後さらに数を集めて詳しく分析していきたい」と話している。

●自宅療養、最多145万人 検査は自分で…キットは不足

 新型コロナの感染拡大で、全国の自宅療養者は前週比約1.3倍の約145万人となり、3週連続で過去最多を更新した。厚労省が3日時点の状況をまとめ、5日に公表した。入院や宿泊療養などを含む全体の療養者数は約183万人。現時点では軽症者が多く、療養者の約8割を自宅療養者が占める。

 厚労省によると、入院している人は約3万人、療養先を調整中の人が約32万人となっている。都道府県別で自宅療養者数をみると、東京都が約19万人、大阪府が約15万人、神奈川県と愛知県が約10万人などとなっている。感染者が増え続ける状況では、入院が必要なのにできなかったり、自宅療養中に症状が悪化しても対応が遅れたりする恐れがある。

●検査キット、ネット販売解禁の議論も

 自治体独自の取り組みが広がるが、いずれも前提となるのは医療用の抗原定性検査キット。だが需要が急激に高まり、入手しづらくなっている。厚労省によると現在、国内に約1億6500万回分の在庫がある。しかし、薬局などから発注数が増え、一時的に納品が遅れているという。厚労省はキットを買い上げ、計約1200万回分を都道府県に送る対応をとっている。

 キット不足は昨冬の「第6波」でも起きた。再びキット不足に直面し、7月末からは精度が確認できておらず、国が承認していないキットによる検査、登録も、緊急対応として認めることにした。薬局販売だけでは需要の急増に答えられない。薬剤師がいないドラッグストアやオンラインでも購入できるように、さらなる規制緩和が必要との声も。政府は昨秋、薬剤師がいる薬局でキットを購入できるようにした。ネット販売も議論しているが、まだ実現出来てない。

●行動制限緩和、非製造業が好調 製造業は一転ブレーキ 4~6月期

 新型コロナに苦しめられてきたサービス業や交通などの2022年4~6月期決算は業績回復の動きが顕著。コロナ禍がいったん落ち着いた今春以降、客足が戻ったためで、非製造業全体の好業績につながっている。ただ、足元では感染が急拡大し、原材料高や部品不足などが続いている。値上がりを招いている一因のウクライナ情勢は先行きが見通せない。円安の影響も重なり、好業績が今後も続くかは見通しにくい。

 売上高は合計で79.6兆円で、前年同期と比べて13.8%増えた。営業利益は5.9兆円で3.6%減、純利益は6.9兆円で22.3%増だった。業績を伸ばした企業が目立ったのが非製造業。純利益を増やした368社の約半数を非製造業が占めた。非製造業全体の純利益は前年同期から77.3%増。一方、2022年3月期決算がコロナ禍前を上回る業績だった製造業は、回復にブレーキがかかった。売上高は10.9%増えたが、営業利益が11.7%減、純利益が1.7%減だった。    

●発熱外来の負担軽減狙う

 東京都は、3日から自分で検査し自宅で療養する取り組みを始めた。対象は20代で持病がない人。感染疑いのある人は、検査キットを都の専用サイトに配送を申し込み、自分で検査する。陽性なら検査結果や持病などの情報などを「陽性者登録センター」にオンラインで送る。医師が確認、保健所に発生届を出す。重症化リスクがある患者には、医療機関での受診を促す。患者は自宅で体調が悪化した時には、「自宅療養サポートセンター」に連絡する。

 また千葉県では7月から、2月に開設した「検査キット配布・陽性者登録センター」を再開した。患者が自宅にとどまったまま医師の診断が受けられる。発熱外来にかからず、自宅療養ができる仕組みを整えた自治体が広がっている。厚労省によると4日時点で、東京、千葉のほか北海道、埼玉、神奈川、京都、大阪、兵庫、沖縄の計9都道府県。他に27自治体が検討中。ただ、この仕組みで使う検査キツトは不足がちだ。

●「帰省前に検査を」 臨時のコロナ無料検査会場、都内6か所に

 臨時の無料検査会場は、安心して帰省や旅行をしてもらおうと、人の移動が増えるお盆期間を前に、東京都が5日から、東京駅、品川駅、上野駅、池袋駅、新宿駅、バスタ新宿の6か所に設けた。このうち、品川駅構内の通路に設置された会場では、検査が始まった午前8時ごろから、次々と利用者が訪れていた。

 検査を希望する人は事前に専用のウェブサイトで予約し、会場が設置される今月18日までの間、午前8時から午後8時まで抗原検査を受けることができる。その場で検査キットが渡されたあと、みずから15分から30分ほどで判明する結果を確認する。

●夏の全国高校野球、開会式の入場行進はキャプテンのみ

 夏の全国高校野球の開会式は当初、各代表校の選手全員が3年ぶりに入場行進する計画だったが、5日午前中に行われたリハーサルは、大会前のPCR検査などで集団感染と判断された4校に加え、新たに複数の選手が体調不良となった2校、合わせて6校が欠席。日本高校野球連盟などは緊急対策本部を開き、多くの選手が同じ場所にとどまるのは避けるべきとして、開会式はプラカードに続いてキャプテンのみが入場行進する形に変更すると発表した。

【8月6日】

●「ロッキン」野外音楽フェスティバル、感染対策とり3年ぶり開催

 「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」、通称「ロッキン」は、2000年から毎年夏に茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」で開催されてきたが、新型コロナの影響で一昨年と昨年は中止となり、運営側は、感染対策と両立させるため、密になりにくい千葉市中央区の「蘇我スポーツ公園」に場所を変えて、3年ぶりに開催することになった。イベントは、8月13日までの間で5日間、開かれる。

【8月7日】

●「BA.2.75」 感染の広がりやすさ、「BA.5」の1.14倍

 京都大学の西浦教授と北海道大学の伊藤教授らのグループは、5月から先月上旬にかけてインドで報告された「BA.2.75」やほかの変異ウイルスのデータをもとに、感染の広がりやすさの違いを分析した。その結果、「BA.2.75」の、1人が何人に感染を広げるかを示す「実効再生産数」は現在、感染のほとんどを占めると推定される「BA.5」の1.14倍、感染の第6波で主流だった「BA.2」の1.36倍と推定されたという。

 グループは、日本で「BA.2.75」が急拡大する可能性は低いものの、少しずつ置き換わっていくと分析している。西浦教授はこれまでのウイルスと比べた場合の広がりやすさについて「軽微な程度にとどまっている」としながらも「現状では日本にBA.2.75の感染者がどの程度いるのか把握できない状態なので、警戒感を持って情報収集をしないといけない」と話す。

【8月8日】

●香港 海外からの渡航者のコロナ対策隔離期間、3日間に短縮へ

 香港政府トップの李行政長官は8日、記者会見を開き、海外からの渡航者に義務づけている指定ホテルでの隔離期間をこれまでの7日間から3日間に短縮すると発表した。新たな措置は今月12日から適用される。李長官は会見で「リスクと経済のバランスを取り、社会活動を活性化させ、経済に活力を与える」と述べ、感染の拡大をおさえながら、経済的な競争力を維持したい考えを示した。

 香港は、中国のいわゆる「ゼロコロナ」政策に合わせて、渡航者の隔離や5人以上の集会の禁止など厳しい措置を続けているが、ビジネス界や市民の間で不満が高まっていて、今回の措置はこうした不満を和らげるねらいがあるとみられる。

●全数把握見直し 厚労省、隔離措置へ影響危惧

 全数把握の見直しを求める声は高まっている。後藤厚労相は5日の閣議後会見で、「(医療機関や保健所の)手間がどうか、ということだけで検討できるものとは言えない」と述べた。感染症法の改正も視野に、時間をかけて検討すべきだという考え。厚労省は、全数把握だけなら省令の改正で中止できるとみる。ただ、後藤氏は「全数報告は感染症対応、患者に対するアプローチの起点」とし、隔離措置などほかの感染症対策への影響を危惧している。

 さらに、把握できた感染者にしか入院勧告や行動制限ができなくなれば、公平性を欠く。感染者数をもとにした流行状況の分析もやりづらくなる。一方、提言を出した専門家有志らは、第7波が収束する前でも全数把握の見直しは進められる、との考え。発生届が求められる症例を肺炎を起こした疑いがある患者に絞ることや、重症化リスクが低い人らには診断を確定させなくてもよい運用も想定する。

●医師「軽症者にも必要か」 全数把握、見直し進まず 事実上やめた県も

 感染症法上の規定で、医師は診断したすべての新型コロナ感染者の情報(発生届)を保健所に提出、保健所は発生届をもとに感染者数を把握、入院措置や健康観察をする必要がある。医療機関や保健所が逼迫するとして、全数把握を見直すように全国知事会、日本医師会、専門家有志が求めている。現場の医師も「いま軽症者が多い中、本当に全員分が必要なのか」と自問している。政府はコロナ対策全般への影響が大きいとして、「第7波」の中では見直さない姿勢。

 しかし少なくとも神奈川県と兵庫県では、一部の陽性者について発生届を提出しない仕組みを導入済み。事実上、全数把握はやめている。重症化リスクが低い人は、抗原検査キットなどを使った自己検査で陽性になっても、医療機関を受診せず、自治体にウェブで届けることで「自主療養」を始められる仕組み。診断を確定させないことで発生届の提出は必要なく、結果的に医療機関や保健所の負担が軽くなっている。政府もこの仕組みを黙認している。

●オミクロン接種10月にも 5歳〜11歳努力義務 厚労省方針
 
 新型コロナのワクチンについて、厚労省は8日、オミクロン株に対応した新しいワクチンを10月半ばにも使い始める方針を決めた。2回接種後を前提に、高齢者や基礎疾患がある人に用いるほか、すべての人に使うことも想定して自治体と準備する。ほかに5~11歳の接種に、12歳以上と同じ予防接種法上の「努力義務」を9月上旬にも課すことも決めた。8日の専門家分科会で了承された。

 新たなワクチンは、昨冬に流行した「BA.1」と、初期の流行株の二つのウイルス株に対応した「2価ワクチン」と呼ばれるもの。米ファイザー社や米モデルナ社が開発中で、これまでのワクチンより、オミクロン株への感染を防ぐ「中和抗体価」が高くなるとされる。接種間隔は、5カ月程度を見込む。ファイザー社は8日、厚労省に2価ワクチンの承認を申請した。薬事承認がされれば、ワクチンは9月に輸入が可能。

●高校野球 集団感染の県立岐阜商、登録選手10人入れ替え1回戦に

 夏の第104回全国高校野球で、代表校で最も多い30回目出場となる県立岐阜商業をはじめ5校が集団感染と判断される中、高野連(日本高校野球連盟)などは選手たちが甲子園球場で試合を行う機会を失わないように、感染対策のガイドラインを改め、集団感染が起きた場合でも登録する選手全員が、試合前の72時間以内にPCR検査で陰性を確認できれば、選手を入れ替えて出場できるという基準を設けた。

 県立岐阜商は、大会前にチーム内で感染が広がり、集団感染と判断されたため6日の開会式を欠席、大会4日目の9日に組まれた1回戦に出場できるかどうか危ぶまれていた。ガイドライン改定を受けて、県立岐阜商は当初登録していたメンバー18人のうち10人を入れ替えた。エースや攻守の要の選手などが外れることになったが、高野連なども全員の陰性を確認できたとして、9日の第4試合で兵庫の社(やしろ)高校との1回戦に予定どおり臨む。

●感染13.7万人、20万人下回る

 国内感染者は8日、全国で新たに13万7856人が確認された。20万人を下回るのは1週間前の今月1日(13万9572人)以来。死者は全国で150人が発表された。感染者が最も多かったのは東京都の1万7884人で、2万人以下は7月19日(1万1018人)以来。前週の月曜(今月1日)より4074人少なかった。和歌山県は1日当たりの感染者数が過去最多の1686人。

【8月9日】

●コロナ抗原検査キット、ネット販売解禁へ

 新型コロナに感染したかどうかを調べる抗原定性検査キットについて、厚労省はインターネットを通じた販売を解禁する方針を固めた。月内にも専門家の会議を開いて決める。感染拡大で需要が急増する一方で、流通に目詰まりが起きてキットが不足しており、購入ルートを増やして入手しやすくする。キットは自宅などで説明書を見ながら使え、15分ほどで結果が分かる。ただ精度はPCR検査より劣り、陰性でも感染対策をする必要がある。

●7日まで1週間の「搬送困難事例」6589件、2週連続で過去最多

 総務省消防庁は、搬送が困難な事例が7日までの1週間は6589件あったと9日発表した。前の週を上回り、2週連続で過去最多。これは、第6波で最多だったことし2月の6064件より500件余り多く、新型コロナの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期のおよそ5倍。このうち、新型コロナの感染が疑われるケースも全体の43%の2873件で、過去最も多くなった。

 「搬送が困難な事例」を地域別にみると、東京が2900件、大阪市が552件、横浜市が456件、千葉市が270件、さいたま市が238件などとなっている。コロナの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期と比べると、それぞれ5.5倍、3.52倍、9.91倍、4.35倍、7.21倍など。このほか、大都市と比べると件数は多くないものの、全国各地で搬送困難な事例が増えている。

●抗原検査キット、ドライブスルーなどで直接配布 兵庫14自治体

 兵庫県は、感染の急拡大で逼迫する医療機関の負担を軽減しようと、発熱などの症状がある人を対象に抗原検査キットを無料で郵送しているが、申し込みが殺到していて連日、受け付けの開始から30分以内に予約枠が埋まる状況が続いている。このため、できるだけ多くの人に検査を受けてもらおうと、一部の自治体では県を通じて確保した検査キットを直接市民に配布する取り組みが始まった。

 このうち芦屋市では9日、専用サイトから予約した市民が車で市役所を訪れ、ドライブスルー方式で職員から検査キットを受け取っていた。兵庫県によると、9日までに県内14の自治体が取り組みを始めていて、今後、神戸市を除くすべての自治体で直接の配布を予定しているという。予約枠や配布の方法は自治体によって異なるということで、詳しい情報は各自治体のホームページで確認してほしいとしています。

●新型コロナ 重症化に関わるたんぱく質を研究グループが確認

 新型コロナで重症になった人では、免疫の制御に関わる遺伝子が作るたんぱく質の量が少なくなっていたとする分析結果を、慶応大学などの研究グループが発表した。このたんぱく質を活性化する薬剤が見つかれば、新たな治療法になる可能性があるという。グループは、ゲノムワイド関連解析という手法で新型コロナ感染者の遺伝子データを分析した結果、免疫制御に関わる「DOCK2」と呼ばれる遺伝子の領域に変異があると重症化のリスクが高いことを確認した。

 実際に重症の患者では、重症化しなかった患者に比べてこの遺伝子の発現が低下していた。また、重症化して亡くなった人の肺の組織を調べたところ、この遺伝子が作るたんぱく質の量が少なかった。そのうえで、新型コロナ感染のハムスターでこのたんぱく質の働きを抑える実験を行った結果、体重が減少したり、重い肺炎にかかったりして重症化したという。研究グループは、このたんぱく質の働きの低下が重症化に関わっていることが確認できたという。

●感染21.2万人、2日ぶり20万人超

 国内感染者は9日、全国で新たに21万2550人が確認され、2日ぶりに20万人を超えた。死者の発表人数は278人で、第7波で最多だった今月5日の214人を大きく上回った。感染者が最も多かったのは東京都の2万9115人。3日連続で3万人を下回り、1週前の同じ曜日(2日)より1727人少なかった。2番目に多かった2万5296人で、過去2番目の多さ。

【8月10日】

●外国人観光客受け入れ再開2か月、観光客は8000人余にとどまる

 政府は、受け入れを停止していた外国人観光客の受け入れをことし6月に再開し、10日で2か月となる。受け入れは、一日当たりの入国者数の上限2万人の範囲で行われ、入国の対象は米国や韓国、中国など102の国と地域。感染拡大を防ぐために、添乗員付きのツアー客に限定されている。出入国在留管理庁によると、先月末までに入国した外国人観光客は8000人余りにとどまった。6月は252人で、7月はおよそ7900人。

 また観光庁によると、今月5日から今月31日までに入国すると申請した外国人観光客は8500人余りで、一日平均でおよそ310人。その理由は、中国では海外への渡航が厳しく制限され、またすべての国や地域でビザの取得やコロナ陰性証明の提出が必要で手続きに時間がかかる、ツアー客に限定し個人旅行を好む欧米からの観光客の入国が低調なことなど。円安を背景に観光客の増加に期待する声が出ていて、感染対策と経済活性化をどう進めていくのかが課題。

●専門家会合「最も高い感染レベル続く お盆帰省前に検査を」

 厚労省の専門家組織の会合が開かれ、新規感染者数の増加幅は小さくなってきているが最も高い感染レベルが続き、いったん減少しても急増する地域もあり、夏休みやイベントによる接触機会の増加が影響していると分析した。感染者数の増加は重症化リスクの高い高齢者で継続していて、亡くなる人は第6波のピークに近いレベル、今後さらに増加が懸念される。救急搬送が困難なケースが増加するなど、医療提供体制に大きな負荷が生じている。

 また、オミクロン株対応のワクチン接種を10月中旬以降に開始する準備を進めることや、3回目接種や高齢者の4回目の接種を促進していくことが必要。特にお盆や夏休みの帰省で高齢者との接触や大人数での会食がある場合は、事前に抗原検査キットなどで陰性を確認するよう推奨。さらに、自分で抗原検査キットを使って医療機関に行かなくても迅速に健康観察につながる体制を進めること、検査キットを安定的に供給することが重要だと指摘した。

●新規感染者、前週比1.05倍 増加続く

 厚労省の専門家組織の会合で示された資料による、9日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.05倍で、過去最多レベルの感染が続く中で増加が続いている。首都圏の1都3県では東京都が0.97倍、神奈川県0.94倍、埼玉県1.01倍、千葉県1.00倍とほぼ横ばい。関西では大阪府が1.01倍、兵庫県が1.09倍、京都府が1.03倍、東海でも愛知県が1.07倍、岐阜県が1.20倍、三重県が1.17倍と、横ばいから増加となっている。

 また人口当たりの感染者数が最も多い沖縄県は0.96倍。広島県1.41倍、高知県1.36倍、和歌山県1.30倍などと、39の道府県では前の週より多い状態が続いているが、2倍を超えた地域はない。人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、沖縄県が2261.7人と2000人を超え全国で最も多く、次いで大阪府が1596.1人、福岡県1577.2人、宮崎県1553.0人、東京都1540.0人、熊本県1504.1人など、29の都府県で1000人を超え、全国で1194.3人。

 8月9日まで新規感染者数の前週比 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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● 5~17歳ワクチン「推奨」 日本小児学会 基礎疾患のない子も

 日本小児科学会は10日、オンラインで記者会見を開き、5~17歳の新型コロナワクチンについて、基礎疾患の有無にかかわらず「推奨する」との見解を示した。重症化や発症を防ぐ新たなデータが集まったことや、「第7波」で入院する子どもが増えていることから、健康な子どもにも推奨の対象を広げた。10代以下の子どもへの感染が広がり、7月は新規感染者のうち約3割を占める。一方、5~11歳の2回目接種率は8日時点で18.5%にとどまる。

 子どもは新型コロナに感染しても95%以上は軽症だが、感染者が増えたことで、急性脳症やけいれんなどで入院する例が増えている。20歳未満の死亡は、オミクロン株の流行から7カ月で14例報告されている。8日の厚労省の専門分科会では、9月以降、5~11歳にも予防接種法上の「努力義務」を課すことが決まっている。学会は2回目の接種から5カ月が経過した12~17歳に対しては、3回目を早期に打つことを推奨している。

●看護職員の賃金月8千円増、10月からコロナ対応医療機関など 患者負担は増加

 地域で新型コロナ対応などを担う医療機関に勤める看護職員の賃金引き上げについて、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は10日、原資を入院料への上乗せで確保することを了承した。対象の看護職員は10月から賃金が2%(月8千円)程度上昇する一方、入院患者の窓口負担は増えることになる。

●コロナ患者搬送、最長で35時間超 東京消防庁 病床逼迫で

 東京消防庁は10日、新型コロナ感染者の救急搬送で、救急要請を受けてから病院に搬送するまでの時間が過去最長となる約35時間47分かかった例を明らかにした。過去最長になったのは今年夏に要請があった70代男性の搬送。足を負傷して入院する際に陽性が判明、転院するために搬送の要請があったが、コロナの診察と整形外科の両方を担当できる医療機関が見つからなかった。これまでの最長は「第5波」中だった昨夏の搬送で約23時間35分。

●感染、最多25万人超

 国内感染者は10日、全国で新たに25万403人が確認された。前週の同じ曜日(3日)を631人上回り、過去最多を更新した。死者は251人だった。北海道や宮城、愛知、兵庫、長崎など20道県で過去最多を更新。

 都道府県別では、東京の3万4243人が最多で、大阪の2万3730人が続いた。一方3日と比べて東京は4697人、大阪は308人、それぞれ減少した。大阪府の吉村知事は記者会見で「経験上、収束に向かっていると推測している。しばらく横ばいが続くかも知れないが、その後は減少する可能性が高い」と話した。

 8月10日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【8月11日】

●新規感染者数、日本が3週連続世界最多 WHO発表

 WHOは8月10日、新型コロナの世界全体の状況について新たな報告書を発表した。それによると8月1日から8月7日までの1週間の新規感染者数は、世界全体で698万516人と前の週より3%増加した。このうち、日本は、149万6968人と、前の週と比べて9%増え、世界全体の新規感染者数のおよそ2割を占め、3週連続で世界で最も多くなった。

 また、同じ期間の日本の1週間の死者の数は1002人と、前の週と比べて53%増え、米国やブラジル、イタリアに次いで世界で4番目に多くなっている。WHOは、一部の国では検査の方針の変更に伴って検査数自体が減少していることから、実際の感染者数や死者数はさらに多い可能性もあるとしている。

●北朝鮮 金正恩総書記、「防疫大戦に勝利」と宣言

 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、「全国非常防疫総括会議」が首都ピョンヤンで8月10日に開かれ、金正恩総書記が演説したと伝え、会議の映像を放送した。この中で総書記は「全国の感染者は12日間連続でゼロを記録している。われわれの領土を悪性ウイルスがない、清潔な地域にするという目標が達成された」と述べ、「防疫大戦に勝利した」と宣言した。

 北朝鮮は、2022年5月、新型コロナの感染者が初めて確認されたと発表し、一日当たりの発熱者はピーク時には39万人を上回ったが、7月29日からはゼロだと主張していた。また、総書記は都市の封鎖などの措置を緩和するとしていて、9月の建国記念日を前にみずからの成果としてアピールする思惑もあるとみられる。

●感染累計1500万人

 新型コロナの国内感染者は11日、新たに24万205人が確認され、累計で1500万人を超えた。20万人を超えたのは3日連続。前週の木曜日(4日)より1534人増え、過去3番目の多さだった。死者は、全国で206人が確認された。

【8月12日】

●米CDC、コロナ感染者の接触者は隔離不要 高性能マスク着用に

 米国では7月中旬以降、一日に報告される新型コロナ感染者は平均で10万人余り、死者は400人ほどで推移している。CDC(疾病対策センター)は11日、新型コロナへの対応を示したガイドラインを更新した。この中で感染者と接触した人には、これまでワクチン接種状況によっては一定期間、隔離を求めていたが、隔離を不要とし、代わりに最後に接触してから5日間空けて検査を受け、10日間は高性能のマスクを着用するよう推奨する内容に変更した。

 一方、検査で陽性が確認された人は少なくとも5日間の隔離を推奨し、症状があるものの検査結果が出ていない人は結果が出るまでは隔離を求める。今回の変更について、CDCは「ワクチンや治療法など、重症化を防ぐ手段はいくつもあり、リスクは大幅に減少している。パンデミックはまだ終わっていないが、新型コロナによって日常生活が大きく混乱することがないよう、今回の変更を行った」としている。

●コロナ対策司令塔、難局続く中の交代

 8月10日の内閣改造で、コロナ対策を担う厚労相が交代した。12日に就任会見を開いた加藤厚労相は「(対策の)段階的な見直しを行い、一日も早い経済社会活動の正常化を目指していくことが重要」と強調した。新型コロナの「5類」緩和を求める声が上がっているが、こうした見直しについては、首相が「時期をしっかり見極めながら、引き続き丁寧に検討を進めるよう示された」と具体的な日程は明言せず、専門家や地方自治体、医療関係者からの意見を踏まえて検討するとした。

 加藤勝信・厚生労働大臣と後藤茂之・前大臣 出典:ウキメディア・コモンズ

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 加藤氏は2020年9月まで厚労相を務めたが、「当時と比べると感染者数、ウイルスも変化してきているが、検査のキャパシティー、ワクチン接種、医療提供体制もそれぞれ強化がされてきたと思う」との見方を示した。一方、交代した後藤前厚労相は同日の会見で、抗原検査キットが不足したことを反省点としてあげた。感染症対応の司令塔となる「内閣感染症危機管理庁」や国立感染研と国立国際医療研究センターを統合した「日本版CDC」創設など課題が山積している。

●検査証明不要、戸惑う企業 外食・宿泊業界「変更難しい」

 厚労省は経団連や日本商工会議所などに、療養開始時や復帰時に検査結果の証明書を求めないよう要請した。10日には都道府県などにもこの要請を周知するよう求める通知を出した。背景には検査のための受診者が増え、本当に治療が必要な人への対応が遅れかねないとの危惧がある。厚労省によると、1日あたりの発熱外来の相談件数は7月25日に21万件超となった。症状が重くても希望通りに診てもらえない状況が各地で起きている。

 一方で、顧客と接する機会が多い宿泊や外食関連などでは従来通り提出を求める企業もある。上司らの指示に従わざるを得ず、検査のために診察を受ける人は少なくない。某大手ホテルは、発熱などがある従業員にPCR検査を受けるよう指示している。このホテルは陽性者や濃厚接触者が増えており人手不足が深刻。担当者「運用を変えることは難しい」と話す。洋食店の運営会社も医療機関などでのPCR検査を求める。「お客様に不安を抱かせないためにも必要」との立場。

●台風に備え 都内自治体、コロナ自宅療養者の避難所受け入れ準備

 台風8号が東海や関東甲信にかなり接近し、上陸するおそれがある中、東京都内の自治体では、新型コロナに感染して自宅で療養している患者も、避難所などで受け入れられるよう備えている。このうち江戸川区では、11日の時点で、新型コロナに感染して自宅で療養している患者はおよそ1万8600人いて、第6波のピーク時に比べ30%ほど多くなっている。

 こうした中災害時は、自宅で療養している患者も含め、すべての住民に対し、まずは安全な地域に暮らす親戚や知人などのもとへ広域に避難することを呼びかけている。そして避難所に来ざるをえない状況も想定し、検温や消毒など感染対策を徹底したうえで、患者やその家族、濃厚接触者の疑いがある人の専用のスペースも設け、受け入れる体制を整えている。

【8月13日】

●埼玉、妊婦のコロナ感染急増でNICUほぼ満床 県外に搬送も

 埼玉県産婦人科医会によると、県内で新型コロナに感染した妊婦は、7月に入って急増、7月31日から8月6日までの1週間で399人にのぼっている。感染した妊婦から生まれた赤ちゃんは、陰性が確認されるまで一時的に新生児集中治療室(NICU)などで隔離しているが、県内の医療機関のNICUは、ほぼ満床の状態が続いているという。

 8月7日には、県内のクリニックに入院した切迫早産の妊婦の新型コロナへの感染がわかったが、赤ちゃんを受け入れる県内のNICUが見つからず、産婦人科医会の担当医師などが調整を行い、翌日になって東京都内の医療機関に受け入れ先を確保できたという。受け入れ先の確保にあたった埼玉県産婦人科医会の服部医師は「今までは、なんとか無理をしてでも県内の医療機関で対応できたが、それもきかなくなったと感じた」と話していた。

【8月14日】

●高齢者、やむなく施設内療養 第7波 中等症も入院困難

 厚労省によると、高齢者施設のクラスターの発生件数は、8月1~7日に587件。1週間あたりでは前週の502件から85件増えた。「第6波」のピークだった2月14~20日の479件を上回り、最多を更新した。高齢者施設では利用者が中等症でも入院できないケースがある。多くの施設が高齢者は重症化リスクがあるとして「軽症でも原則入院」を求めてきたが病床逼迫に直面。施設内療養の対応に追われている。 

 全国老人福祉施設協議会の田中副会長は「原則入院は変わらずに求める。ただ、医療が逼迫して入院先が見つからない現状のなかで、全員入院とは言えない。症状が重い人や、基礎疾患のある人は入院させてほしい。軽症者は施設でみていくしかない」と話す。

●新型コロナ病床使用率、沖縄本島で100%超 入院できない状況も

 沖縄県によると、県内の人口10万人当たりの新規感染者は、13日までの1週間で1821.13人と全国で最も多くなっている。14日現在入院しているのは、13日より17人多い728人で、国の基準での重症は22人、中等症は395人。

 新型コロナ患者用の病床使用率は県全体で95.5%、このうち沖縄本島では101.3%と100%を超え、県によると特に沖縄本島の中南部では、13日からコロナ専用の病床に空きがなくなり、感染者が入院できない状況がたびたび発生しているという。入院を受け入れている病院では病床を空けるため、本来は入院に向けて調整中の感染者に一時的に待機してもらう那覇市内の「入院待機ステーション」に、入院中の感染者を移動させる状況になっている。

●「BA.5」感染の免疫 、「BA.2.75」には効きにくい 東大発表

 オミクロン株の1つで、国内でも検出されている「BA.2.75」は、現在、ほぼすべてを占める「BA.5」に感染してできた免疫が効きにくいとする動物実験の結果を、東京大学などのグループが公表した。グループで、「BA.5」に感染したハムスターの血液を使ってウイルスを抑える中和抗体の働きを調べたところ、「BA.2.75」に対しては「BA.5」と比べて12分の1に下がった。一方で、ワクチンの効果については、「BA.2」と同じ程度だった。

 グループの佐藤教授は「BA.5に感染してできた中和抗体が、BA.2.75には効果を示さない可能性がある。置き換わりが進むことで、今の感染が十分減らない可能性がある」と話す。

●感染、前週下回る

 国内感染者は14日、新たに17万8352人が確認された。1週間前の日曜日(7日)より2万8070人少なかった。新規感染者数が前週の同じ曜日を下回るのは3日連続。新たに確認された死者は153人だった。新規感染者数が最多だったのは東京都の2万2740人。ただ、前週の同じ曜日よりも3573人少なく、14日までの週平均の感染者数は、1日当たり2万5629.0人で前週(3万1732.7人)の80.8%だった。山口県は、2585人で過去最多を更新した。

【8月15日】

●中国、消費・生産停滞続く 7月統計 ゼロコロナ足かせに

 中国の今年1~6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年同期比2.5%にとどまった。今月6日には観光客でにぎわう海南省三亜で事実上のロックダウンが始まり、約8万人が足止めされるなど、移動制限が各地で断続的に続いており、今後も中国経済の足かせとなりそう。中国国家統計局が15日に発表した7月の各種統計は、消費や生産など景気の停滞が依然として続いていることを示した。習近平指導部はゼロコロナ政策を堅持すると強調。

 統計によると、消費の状況を示す小売総額は前年同月比で2.7%増にとどまり、6月の3.1%増から減速した。企業の生産状況を示す7月の鉱工業生産は前年同月比3.8%増で、6月の3.9%増から減速した。冷え込みが続く不動産市場では1~7月の住宅販売額が前年同期比で31.4%減り、回復の兆しが見られない。若年層の就職難も深刻で、16~24歳の7月の失業率は19.9%となり、過去最高水準が続く。

●GDP、やっとコロナ前水準 第7波前の4〜6月 年2.2%増

 内閣府が15日、1次速報を発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を除いた実質で前期(1~3月期)比0.5%増、年率換算で2.2%増となった。年換算でのGDPの規模は542兆円と、新型コロナ前(2019年10~12月期)の540兆円を上回った。ただ、海外と比べると日本のコロナ禍からの回復のペースは遅い。2022年1~3月期の実質成長率も今回、年率でプラス0.1%に上方修正されたため、4~6月期は3四半期連続のプラス成長となった。

 GDPを項目別にみると、半分以上を占める個人消費が前期比で1.1%増えた。3月で「重点措置」が全面解除され、5月の大型連休は3年ぶりに行動制限がない状態で迎え、宿泊や外食といったサービス消費が伸び、衣料品などの売り上げも好調だった。設備投資は、企業のデジタル化に伴うソフトウェア投資が増えるなど1.4%増。輸出も鉄鋼や船舶などが伸びて0.9%増だった。

●自宅療養者、過去最多の154万4096人(8月10日時点)

 厚労省によると、新型コロナに感染して自宅で療養している感染者は、5日前の8月10日の時点で全国で合わせて154万4096人だった。前の週から10万5991人増え、4週連続で過去最多。都道府県別では、東京都が最も多く17万8700人、次いで大阪府が14万7373人、愛知県が10万9746人などとなっている。

 現在流行しているオミクロン株は感染力が強いものの、重症度はこれまでの株より低く、自宅療養になる人が多い傾向がある。「第7波」では、新型コロナに感染したあとに搬送先が見つからず自宅で死亡した高齢者もいて、厚労省は全国の自治体に医療提供の体制などを強化するよう求めています。

●東京2.3万人感染

 国内感染者は15日、全国で新たに13万8613人が確認された。4日連続で20万人を下回ったが、前週の月曜日(8日)より796人多かった。死者は204人だった。感染者が最も多かったのは東京都の2万3135人。前週の月曜日より5251人多く、10日ぶりに前週を上回った。病床使用率は59.8%。都が30~40%で「緊急事態宣言」の要請を判断するとしている「重傷者用病床使用率」は37.4%だった。

 8月15日時点の国内と東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年8月15日 (月)

新型コロナ2022.07 全国20万

 新型コロナ感染拡大「第6波」は、6月下旬には下げ止まりから増加に転じ、7月には「第7波」となって全国的に急増が続く。7月27日の全国の新規感染者は第6波のピークを越え、過去最多の20万人超。感染力の強いオミクロン株の異系統「BA.5」が全国で広がっている。

 2022年7月16日から31日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.07 第7波」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

 

【7月16日】

●新型コロナ、子どもの感染増加 ワクチン接種の希望も増加

 新型コロナの感染の急拡大に伴い、子どもの感染も増え始めている。新規感染者を年代別にみると、今月12日までの1週間では10代が最も多く、全体の16.2%、10歳未満が15.6%と子どもの感染が目立っている。保育所などでも感染が広がっていて、今月11日までの1週間に確認されたクラスターの数は全国で前の週の2倍近い109件にのぼり、休園となる保育所も相次いでいる。東京都内の病院では、子どもへのワクチン接種を希望する人が増えている。

●新規感染、最多11万人 14県で更新 第6波越す

 新型コロナの国内感染者は16日、新たに11万675人が確認された。1日あたりの全国の新規感染者数は、これまで今年2月5日の10万4163人が最多だったが、これを約6500人上回り、初の11万人台となった。第7波の急拡大はさらに続く可能性がある。16日は東北から九州・沖縄までの14県で、新規感染者が過去最多を更新した。

 全国的な最多は東京都の1万8919人。16日までの1週間平均でみると、1万4106人で前週の2.09倍。2番目は大阪府の1万2351人で、2月以来、約5カ月ぶりに1万2千人超。青森県、熊本県は5日連続、福岡県は3日連続で最多更新。一方、現時点での重症者数は114人。最多だった昨年9月の第5波での重症者数(2223人)の5%ほど。この日発表された死者も20人で、第6波で最多となった327人(2月22日)より大きく抑えられている。

 7月16日時点の全国と東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●行動制限せず、医療逼迫の懸念

 今年に入ってからの「第6波」は2月5日がピークで、初めて1日の感染者が10万人を超えた。そこから減少傾向に転じ、6月には1万人を切ることもあったが、7月に入って急上昇。累計の感染者数は今月14日に1千万人を超えた。急増の原因は、オミクロン株の変異系統「BA.5」の感染力の強さや、3回目のワクチン接種の効果の低下などとみられる。

 政府の対策本部は15日、「新たな行動制限を行うのではなく、社会経済活動をできる限り維持する」とする基本的対処方針を決定した。だが、16日からの3連休も重なって感染者数はさらなる増加も予想され、重症者数が増える可能性がある。政府は高齢者らへのワクチンの4回目接種を急ぐ考えだが、診察体制の拡充、自宅療養支援の充実、高齢者施設への医療支援なども求められる。

【7月17日】

●「医療逼迫なら行動制限検討」 厚労相

 後藤厚労相は17日のNHK「日曜討論」で、感染の再拡大を踏まえ、高齢者などには4回目のワクチン接種、若い世代には3回目の接種を速やかに受けるよう呼びかけた。後藤氏は現在の感染状況について、「重症化がある程度抑えられ、入院率もまだまだ低い状況にある」と説明し、「社会経済活動を維持しながら、医療保健体制をしっかりと確保し、重症化リスクのある高齢者を守ることを重点化していく」との考え方を示した。

 一方、さらなる感染拡大や医療逼迫が起きれば、「行動規制も含めた対策の強化も考えていかなければならない」と述べた。岸田首相は15日、「新たな行動制限は現時点では考えていない」と述べていたが、可能性を示唆した。

●3日連続10万人超す 新規感染、1週間前の倍

 新型コロナの国内感染者は17日、新たに10万5584人が確認された。10万人を超えるのは3日連続。和歌山、山口、沖縄の3県で新規感染者が過去最多を更新。1週間前(10日)より5万1526人多く、ほぼ倍増した。死者は17人だった。全国で最多は東京都の1万7790人。1週間平均でみると1日あたりの感染者数は1万5292.9人で、前週(7559.9人)の2.02倍。2番目は大阪府で1万804人。神奈川県8147人、埼玉県6547人と続いた。

【7月18日】

●プロ野球・日本ハム、新庄監督ら11人が新型コロナ感染

 日本ハムは、新庄監督やコーチ4人、選手4人など、合わせて11人が新たに新型コロナ感染が確認されたと発表。11人全員は、無症状だという。19日にオリックス戦を控えているが、今のところ監督代行をたてて、試合は行われる予定。これで日本ハムでの感染確認は15人になった。

 一方、楽天は西川外野手が18日、PCR検査で陽性と判定された。現在はチームと離れて療養している。広島では、2軍の選手とスタッフ合わせて12人が新たに感染。これで広島の2軍選手・スタッフの感染者は合わせて34人。

●全国、7.6万人感染 東京、7日連続1万人超

 国内感染者は18日、新たに7万6199人が確認された。前週の同じ曜日(11日)と比べると4万人近く増えている。神奈川県では18日の新規感染者数が9445人となり、過去最多を更新した。2月5日の9096人と比べ、349人多かった。

 全国最多は、東京都の1万2696人。前週月曜の11日よりも6465人多く、7日連続で1万人超え、感染の急激な拡大が続く。18日までの7日間平均は1万6216.4人で、前週の201.3%。東京都を年代別に見ると20代が最も多く、全体の18.7%。65歳以上の高齢者は全体の8%。また人工呼吸器か人工心肺装置(ECMO)を使っている重症の患者は17日より2人増え15人。

 7月18日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【7月19日】

●コロナワクチン、5歳から11歳対象に臨床試験を開始 塩野義製薬

 塩野義製薬では開発中の「組み換えたんぱく質ワクチン」という種類の新型コロナのワクチンについて、すでに12歳以上や18歳以上などを対象にした臨床試験を進めている。今回の臨床試験は5歳から11歳が対象で、参加者48人に開発中のワクチンを2回接種し、子どもに接種した際の安全性などを確認するという。会社では、今後、臨床試験の結果を検討しながら、国への承認申請を目指す。

●全国で6.6万人 福井過去最多

 国内感染者は19日、新たに6万6745人が確認された。前週の同じ火曜日(12日)と比べ9254人少ないが、福井県では1日あたり過去最多の591人の感染を確認。山口県では過去4番目の625人、鳥取県では過去5番目の387人にのぼった。全国で28人が亡くなった。都道府県別の新規感染者数の最多は東京都の1万1018人。前週の同じ曜日より493人少ないが、1万人超は8日連続。

【7月20日】

●国内初のコロナ飲み薬、承認判断行わず継続審議に 厚労省審議会

 塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」について、20日夜、厚労省の審議会が開かれ、有効性や安全性について審査した。委員からは「ウイルス量を減少させ、重症化予防の効果は推定できる」という意見が出た一方で、「妊娠の可能性のある女性や慢性疾患のある高齢者は服用できない」といった意見や「オミクロン株の症状に本当に効果があるのか」などと疑問視する指摘が相次いだ。

 この結果、「有効性が推定されるという判断はできない」などとして、現時点で承認するかどうか判断せず、継続審議とすることが決まった。新型コロナの飲み薬は海外の2つの薬がすでに使用されているが、この薬が承認されれば国内製薬会社が開発した薬としては初めてとなる。

●感染最多15万人超 30府県で更新 進む医療逼迫

 新型コロナの国内感染者は20日、新たに15万2536人が確認された。1日あたりの全国の新規感染者数は今月16日の11万660人が最多だったが、感染力が強いオミクロン株の変異系統「BA.5」への置き換わりが進み、「第7波」の感染拡大が全国で鮮明になっている。大阪府21976人、愛知県12628人、神奈川県11443人など30府県で最多更新。大阪府で7人、兵庫県6人、東京都4人ほか、合わせて53人の死亡の発表があった。

 7月20日時点の全国と東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【7月21日】

●政府、若い世代へワクチン接種働きかけ 大規模接種の延長検討も

 20日の新規感染者数は、大阪で初めて2万人を超えるなど、30の府県で過去最多を更新し、全国でも15万人を超えてこれまでで最も多くなった。政府は、自治体から「まん延防止等重点措置」の適用要請がないことなどを踏まえ、現時点では行動制限は行わない方針。3回目のワクチンの接種率が3割から5割台にとどまっている若い世代に対し、SNSなども活用しながら接種の働きかけを続けることにしている。

 また、ワクチンの接種率向上につなげるため、今月末が期限となる東京と大阪の自衛隊による大規模接種の期間を延長することを検討。さらに、夏休みの帰省などで人と人との接触機会が増えるのに合わせて、主要な駅や空港などで臨時の無料検査拠点の整備を急ぐなどして、重症化リスクの高い高齢者の感染予防に重点的に取り組む方針。

●国内18万人確認、 感染最多今後も更新 専門家組織 厚労相、行動制限は否定

 国内感染者は21日、18万6246人が確認され、前日に続いて1日あたりの最多を更新。厚労省の専門家組織は、「全国的に過去最高を更新していくことも予測される」と分析。会合で、後藤厚労相は「現時点で新たな行動制限は考えていない」と述べ、病床の稼働や臨時医療施設の開設を進め、医療関係者や高齢者施設職員へのワクチンの4回目接種を急ぐ考え。ただ複数の専門家から、「強い行動制限を検討する時期にあるのではないか」との意見が出た。

 この日、東京都では1日あたりで初めて3万人を超えた。35都府県で新規感染者が過去最多を更新。専門家組織によると、20日までの1週間で、全国の新規感染者は前週の1.72倍。すべての都道府県で前週に比べて増加した。秋田県で2.34倍、栃木県で2.23倍、茨城県と山口県で2.10倍となるなど、8県で2倍以上となった。ほか30都道府県でも1.5倍以上、「第7波」の感染の広がりは急激。専門家組織は「今後も多くの地域で感染者の増加が続く」との見方を示した。

●重症者・死亡者の増加も懸念

 病床使用率も総じて上昇傾向で、20都府県が40%以上に達した。専門家組織は「これまでも新規感染者の急増から遅れて、重症者・死亡者が増加する傾向にある」と危機感を示した。高齢者の感染が増えることが懸念されるという。救急搬送困難事案も増えており、重症化しやすい人の搬送を優先するため、軽症者が救急車を呼ぶ目安を示すべきと訴えた。

 感染爆発の要因の一つは、感染力が強いオミクロン株「BA.5」の広がり。会合で国立感染研は、BA.5の検出割合が今週時点で96%に達したとの推計を示した。大阪府では、医療機関と高齢者施設に関連するクラスターも急増。13日までの1週間の発生施設は計51カ所で、前週の3倍を超えたことが報告された。

●病床ミスマッチ 重症者用ベッドに軽症者 国通知に基準なく

 「第7波」で増えた軽症の患者が、医療機関の重症者用ベッドを埋めつつある。厚労省が出した通知が入院の基準を示していないことが一因。専門家は重症者が適切に治療を受けられるように、明確な基準を設けるべきだと指摘する。東京都の20日時点の重症病床使用率は、都の基準だと15%、国の基準だと48%。都は入院患者のうち人工呼吸器やECMO(エクモ)を使う人を数え、国は軽症でも集中治療室(ICU)や高度治療室(HCU)に入れば、重症として数えられる。

 第6波の患者について入院患者の47%が軽症者で、うち基礎疾患がない64歳以下は32%だった。こうした患者は、自宅やホテルでの療養で対応できた可能性がある。一方、重症者の2割が、医療スタッフや機材が十分ではない軽症用の病床で治療を受けていた。政府の分科会のメンバーも、「入院は必要な人に絞らないと、医療は逼迫する」「ICUやHCUを軽症者が使う状況を減らすべきだ」との政策提言を7月14日に公表している。

●東京3万人 自宅療養者も初の10万人超え 医療体制「逼迫」

 東京都は21日、新規感染者を3万1878人確認したと発表。第6波の2月2日に確認された2万1562人を超え、過去最多を更新。感染者の急増で重症化リスクがある人でも入院がしにくくなっている。自宅療養者も10万1548人に上り、10万人を初めて超え、過去最多。都民の100人に1人が療養していることになる。21日のモニタリング会議で、専門家は「医療提供体制が逼迫している」と指摘。都独自の警戒レベルを、3月中旬以来4カ月ぶりに4段階で最も深刻な水準に引き上げた。

 5〜11日の新規感染者のうち、オミクロン株「BA.5」疑いの割合は74.5%に上り、さらにBA.2からの置き換わりが進んだ。また感染拡大で、救急搬送に時間がかかったり、検査が受けにくくなったりしていることが報告された。小池知事は「医療提供体制の充実強化を進めている」として、休診が多い土日に検査や受診を行う医療機関に協力金を支給する方針を示した

●沖縄、医療非常事態宣言 不要不急の外出自粛を要請

 沖縄県は21日、新型コロナの感染急拡大を受けて、県独自の「医療非常事態宣言」を発表した。玉城知事が記者会見して、軽症や検査目的での救急外来の受診を控えるよう呼びかけた。知事はまた、22日から8月14日までを対象にした県の緊急対策も発表。「不要不急の外出の自粛」「会食は4人以下で2時間以内」「アルコールを提供するイベントは、開催時期の変更を検討する」といった対応を県民に求めた。

 今後の感染状況によっては、行動制限を含む強化策を検討することも表明した。沖縄県の直近1週間の人口10万人あたり新規陽性者数は20日時点で1636人と全国最悪、21日時点のコロナ病床占有率は71.5%。コロナ以外の一般病床もほぼ埋まっている状況。医療従事者の欠勤者数は新型コロナ対応の主な重点医療機関だけで1097人(21日時点)にのぼる。県はまた、21日の新規感染者数は5250人と発表した。2日連続で5千人を超え、過去最多を更新した。

●濃厚接触者、特定せず 千葉県通知 保育所や幼稚園

 熊谷知事が21日の定例会見で公表。「オミクロン株は感染性・伝播性が高く、発症までの間隔が短い。濃厚接触者の特定と待機の有効性が低下している」と説明。感染者との接触を理由に園児が登園できないと、医療従事者を含む保護者の就労が制約される。「社会経済活動への影響を小さくできる」とも述べた。クラスターが発生した場合は、今後も接触者を調べる。

 県は3月以降、一般の事業所では濃厚接触者の特定をしていない。県内では柏市が5月下旬以降、保育所などでの濃厚接触者特定をやめている。

【7月22日】

●岸田首相「新たな行動制限行わず、社会経済活動の回復目指す」

 岸田首相は、軽井沢町で開かれた経団連会合で講演。新型コロナについて、「現時点で新たな行動制限を考えてはいないが、医療体制を維持・強化し、メリハリのきいた感染対策を行いながら、社会経済活動の回復に向けた取り組みを段階的に進めていく」「療養者や自宅待機の濃厚接触者が増え経済活動などを維持できるのかと、経済界や医療・介護の現場から提示されており、科学的知見に基づいて待機期間を短縮することとした」と説明した。

●首相、日本医師会長と面会 休日診療の発熱外来増など協力求める

 土・日曜日は休診となる医療機関も多いことから、診療を行う都内のクリニックには感染症状を訴える人などが次々に訪れ、対応に追われている。岸田首相は22日、首相官邸で日本医師会の松本会長と面会し、発熱外来が受診しづらくなっている現状に、休日も診療を受け付ける発熱外来を増やすこと、症状のある人などが受診前にみずから検査できるよう、発熱外来で抗原検査キットを無料で配布することに協力を求めた。

●濃厚接触者の待機期間、5日間に短縮 社会経済活動の維持のため

 岸田首相は22日午後、首相官邸で後藤厚労相や山際コロナ対策担当相らと対応を協議した。その結果、社会経済活動を維持していくため、22日から濃厚接触者に求める自宅などでの待機期間をこれまでの原則7日間から5日間に短縮し、さらに2日目と3日目の抗原検査が陰性であれば、3日目に待機を解除できることを決めた。

 また、発熱外来が受診しづらくなっている現状を踏まえ、症状のある人が受診前に自分で検査できるよう、発熱外来で抗原検査キットを配るとともに、その検査結果を医師が配置されている自治体の窓口などに連絡すれば、健康観察を受けられる体制を整備するとしている。さらに、医療提供体制の構築のため、医療機関などに対する財政支援策のうち、今月末が期限となっているものを、9月末まで延長するとしている。

●ワクチン4回目接種、きょうから医療従事者などに対象拡大

 新型コロナワクチンの4回目の接種について厚労省は、22日から医療従事者や介護職員などにも拡大することを決めた。4回目接種は重症化を防ぐ効果が期待されている一方で、対象者は60歳以上の人と、18歳以上の基礎疾患のある人か医師が「重症化リスクが高い」と判断した人に限定されている。新たな対象者は医療従事者と介護職員だけで合わせておよそ800万人に上る見込み。

 また、オミクロン株に対して高い効果が出るよう改良されたワクチンが、ことしの秋にも実用化される可能性があるとして、厚労省は重症化リスクのある高齢者などで、従来のワクチンを2回以上接種した人は、接種できるよう準備を始める方針も示した。すでに4回接種した人には5回目として接種してもらうことを想定している。国内でワクチンを3回接種した人は、21日の公表時点で全人口の62.4%となっている。

●自宅療養、最多61万人

 新型コロナ感染拡大で、自宅で療養する人が61万人超と過去最多となった。厚労省が22日夜公表、20日時点の状況をまとめた。「第6波」の今年2月の自宅療養者の約58万人を上回った。入院や宿泊療養などを含む全体の療養者数は約78万人。厚労省の専門家組織は21日、「全国的に今後新規感染者は、過去最高を更新していくことも予測される」と分析。基本的な感染対策の徹底を呼びかけた。

 社会福祉施設での療養者を含めた自宅療養者数は、4週間前の9万8861人から約6倍の61万5616人。軽症者が多く、全国の療養者の約8割を自宅療養者が占める。入院者は約1万8千人、療養先を調整中の人が約12万人。都道府県別で自宅療養者数をみると、東京都が約9万2千人と最多。ただ、重症者は少し遅れて増えてくる。感染者が増え続ければ、入院が必要なのにできなかったり、自宅療養中に悪化しても対応が遅れたりする事例が出てくる恐れがある。

●Jリーグ選手など感染相次ぐ J2は23日の試合中止も

 プロ野球で新型コロナの感染が相次ぐ中、Jリーグでも選手などの感染が続いていて、J1の浦和レッズでは監督がPCR検査で陽性となったほか、京都サンガでは選手とスタッフ合わせて18人が陽性と判定された。またJ2のヴァンフォーレ甲府はトップチームの複数の選手の感染が確認され、試合にエントリーできる人数を満たせないとして7月23日に予定していたリーグ戦のジェフ千葉との試合が中止になった。

●感染最多19.5万人 3日連続更新

 国内感染者は22日で、新たに19万5160人が確認され、1日あたりの最多を3日連続で更新した。前週の同じ曜日(15日、10万3281人)の約1.9倍。22都道府県で過去最多を更新し、感染拡大傾向が顕著になっている。都道府県別で最多の東京都は3万4995人。前日に続いて3万人を超え、2日連続の最多更新だった。次いで多かった大阪府は1万9952人で3日ぶりに2万人を割ったが、前週の同じ曜日の約2倍だった。

 最多を更新したのは、東京のほかに21道府県。全国で3番目に多かった福岡は1万2155人と2日連続で1万人を超え、同県内では初めて10歳未満の男児1人の死亡も確認された。

【7月23日】

●感染者、初の20万人超 4日連続更新 17道府県で最多
 
 国内感染者は23日、新たに20万975人が確認された。20万人を超えたのは初めて。また、4日連続で1日あたりの感染者数の最多を更新した。都道府県別でも17道府県で過去最多となり、「第7波」の急拡大は続いている。72人の死亡も確認された。この日の新規感染者数は、前週の同じ曜日(16日、11万655人)の約1.8倍となった。多くの学校が夏休みに入っており、人の移動による感染拡大にも警戒が広がっている。

 都道府県別では、最多の東京都が3日連続の3万人超となる3万2698人。22日(3万4995人)を下回ったものの、過去2番目に多かった。次いで大阪府が2万2501人、愛知県が1万4348人でいずれも過去最多だった。このほか最多を更新したのは、15道府県。

 7月22日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【7月24日】

● 感染最大限の警戒も 行動制限は行わず」 山際コロナ対策相

 NHKの日曜討論で、山際コロナ対策担当相は、「ウィズコロナで社会経済活動をどう動かしていくかというステージに入っているので、今のところ行動制限はしない。ワクチンや検査などさまざまな武器も手に入れたので、みんなで有効に活用しながら社会経済活動を維持し続けることを目指していきたい」と述べた。

 またワクチンについて「若い人では、対象者の7割近い方が3回目のワクチンを打っていない。若い人でも重症化する可能性もあるし、後遺症が残るという報告もあるので、自分を守るためにも社会全体を守るという観点からも打てる方はぜひ打ってもらいたい」と呼びかけた。分科会の尾身会長は「強い行動制限をとらないと決めるのであれば、一人ひとりが、感染対策を今まで以上に徹底することが今の段階では求められる」と述べた。

【7月25日】

●ワクチン接種後死亡、初の死亡一時金支給へ 厚労省

 新型コロナのワクチン接種で副反応が原因で障害が残ったり死亡したりした場合、予防接種法上の救済対象となり、接種との因果関係が否定できないと国が認定した人には医療費などが支給される。厚労省は25日、専門家でつくる分科会を開き、接種後に急性の心筋梗塞などを起こして亡くなった91歳の女性について救済の対象とすることを決めた。

 遺族には死亡一時金として最大で4420万円、葬祭料として21万2000円が支給される。厚労省によると、これまでに850人が接種後にアナフィラキシーなどを起こして救済の認定を受けているが、死亡一時金が支払われるのは初めて。

●医療従事者など感染拡大 救急患者受け入れ制限や手術延期も

 東京都府中市の心臓・血管治療などの専門病院で、今月7日以降およそ800人の職員のうち、感染者と濃厚接触者が合わせて70人を超え、感染が広がっている。都内の病院で作るネットワークに参加して、心疾患の救急患者を受け入れてきたが、先週末まで10日間にわたって受け入れを止めざるをえない状況。また予定されていた手術のうち、8件の延期を余儀なくされたという。

 沖縄県豊見城市にある新型コロナの重点医療機関は25日、現在およそ1400人いる医療従事者のうち、100人以上がコロナに感染したり濃厚接触者になったりして、勤務できない状態。その数は日々、増加しており、緊急手術が必要となる患者の受け入れを一部制限。またコロナ軽症と中等症の患者向けに確保している20床が、24日から満床になっているほか、重症患者用の3床も残り1床となって、受け入れを制限せざるをえないという。

●JR九州、特急列車120本運休へ コロナ感染拡大 乗務員確保難しく

 JR九州は、感染拡大の影響で列車の運行に必要な乗務員の確保が難しい状況となったため、7月27日から8月5日にかけて、特急列車合わせて120本を運休すると発表。感染したり濃厚接触者となったりして、7月25日の時点で、運転士と車掌合わせて38人が、自宅待機などで業務ができない状態になっている。

●発熱外来パンク 患者殺到「診断遅れ入院後手にも」

 「第7波」で患者が発熱外来に殺到し、一部で受けきれなくなっている。政府は受診する人の数を抑えようと、外来に来た人に検査キットを配り、自主検査を促す対策を打ち出したが、効果は未知数。現場からは、さらに手立てを講じるべきだとの声が上がっている。21日の記者会見で都医師会の猪口副会長は「少しでも症状が出ると『重症なのでは』と焦り、検査希望者が医療機関に集中している」と分析した。

 もともと都は診療・検査医療機関で1日約10万件の検査をめざしたが、22~24日は土日を含むものの、主に同機関での行政検査数は平均約2万2千件にとどまった。都によると、一般患者と動線を分けづらいなどの理由で検査を尻込みする医療機関も多いという。都の担当者は「公表した医療機関が増えたので予約が取りづらくなるのは想定外」という。

●12万6千人感染 死者48人

 国内感染は25日、新たに12万6575人が確認された。月曜日で1日当たりの感染者数が10万人を超えるのは初めてで、前週の月曜日(18日)の1.6倍に上った。死者は48人が確認された。都道府県別にみると、奈良県で過去最多となる2134人が確認。東京都は前週より9691人多い2万2387人で、月曜日としては過去最多。25日までの1週間の平均感染者は25927.0人で前週(16216.4人)の159.9%だった。

【7月26日】

●世界の成長率見通し3.2% に減速 IMF

 国際通貨基金(IMF)は26日、2022年の「世界経済見通し」を公表し、世界経済の成長率が前年比3.2%まで減速すると明らかにした。ウクライナ危機勃発で減速した前回4月の予測からさらに0.4ポイント低く、下方修正は1月の予測以来3期連続となった。IMFは世界で加速する物価高(インフレ)などを踏まえ、「景気後退の懸念は高まっている」と警告している。

 世界経済は2021年、コロナ禍からの回復で6.1%の成長率を記録した。今回の見通しで、2022年の成長率は前年の半分程度にとどまり、2023年は2.9%とさらなる減速を見込む。背景にあるのが、ウクライナ危機によるエネルギーや食料価格の高騰などで加速するインフレ。米欧では物価高を抑えるため、中央銀行が利上げを加速するなど金融引き締めが進んでおり、景気を冷やしかねないとの懸念が高まっている。

● コロナ抗原検査キット 、「薬局でも無料配布を」 磯崎官房副長官

 発熱外来が受診しづらくなっている現状を踏まえ、政府は症状のある人が受診前に自分で検査できるよう、発熱外来で抗原検査キットを無料で配る方針を示している。これについて、磯崎官房副長官は閣議後の記者会見で「発熱外来の混雑を緩和をしながら有症状者が健康観察を受けられるようにするため、受診にかえて検査キットによる検査を受けられる体制を整備するよう自治体に要請することにしている」と説明した。

 そのうえで「国が検査キットを一定数買い上げ、都道府県に配布することを調整中。発熱外来以外でも薬局や地域外来・検査センターなどで配れるようにしている。地域の実情に応じて総合的に取り組むことで必要な人が検査を受けられるようにしたい」と述べた。

●後藤厚労相、自治体に病床確保や検査体制整備など協力求める

 後藤厚労相は全国知事会とのオンライン会合で、社会経済活動をできるかぎり維持するとともに、保健医療提供体制の確保や重症化リスクがある高齢者に重点を置いた対策に取り組んでいることを説明した。そして患者向けの病床を速やかに5万床にまで増やすことや、発熱外来などで抗原検査キットを無料で配り、その検査結果を医師が配置された自治体の窓口に連絡すれば、健康観察が受けられる体制を整備することなどに協力を求めた。

 全国知事会長の平井鳥取県知事は「ぜひBA.5の病原性や対処法などについて、専門家の知見や厚労省の考え方を示すとともに、感染症法上の位置づけを変更する議論も進めてほしい」と述べた。また「まん延防止等重点措置」について、「医療提供体制や子ども・高齢者向けの施設への対策などに踏み込めるよう柔軟にしてほしい」と述べ、自治体が柔軟に対策を講じられる仕組みを検討するよう改めて求めた。

●待機短縮、説明あいまい 濃厚接触者7日→最短3日 対応割れる病院
 
 政府は22日、濃厚接触者の待機期間を7日間から最短3日間に短くした。社会経済活動を維持することが目的だが、医療や保育の現場ではクラスターにつながるのではないかとの懸念も根強い。政府は「科学的根拠に基づく対応」とするが、その説明はあいまいで、詳しいデータ示さず。専門家らも「議論なかった」「これは政治判断だと説明すべきだ」と反発している。

 陽性者を受け入れる医療現場は、厚労省の方針をうまく取り入れたり、政府の指針よりも慎重な運用を続けるなど対応が割れている。保育現場は、濃厚接触者となった保育士が職場復帰する日が早まり、施設運営者からは「ありがたい」との本音が漏れる。しかし、保護者の受け止めは「良かった」という半面、親の立場としては「本当に心配です」と様々。

●搬送困難、過去2番目 消防庁 コロナ疑いは最多

 総務省消防庁は26日、新型コロナの感染拡大の影響で救急患者の搬送先がすぐ決まらない「救急搬送困難事案」について、24日までの1週間に6035件あったと発表した。前週と比べ、1896件(46%)増。第6波のただ中だった2月20日までの1週間(6064件)に次ぎ、2番目に多い。このうち、コロナ感染が疑われる患者の搬送困難事案の件数は2676件。2月13日までの1週間の件数(2067件)を上回り、過去最多となった。

●沖縄の「入院待機ステーション」、病床数上回る感染者が療養

 沖縄県は、ことし4月から入院できる病院がすぐに見つからない人を一時的に受け入れる那覇市内の「入院待機ステーション」に25床を用意。しかし、県内では入院が必要な感染者が増加する一方、感染するなどして勤務できなくなっている医療従事者が急増し、入院先の調整が難しい状況になっていることから「入院待機ステーション」は数日前から満床となり、25日現在で病床数を上回る34人が療養している。

●小田急バス188便を運休へ 感染影響で業務できず

 小田急バスでは26日現在、運転手や整備士など16人が感染したほか、23人が濃厚接触者となっていて、合わせて39人が業務できなくなっている。また関東バスの営業所では26日現在、運転手5人が出勤できなくなっていて、少なくとも7月いっぱいは平日ダイヤより122便少ない、土日ダイヤに切り替えて運行する。

●感染過去2番目 14府県で最多

 国内の感染者は26日、新たに19万6494人が確認された。23日の20万人超に続き、過去2番目に多かった。都道府県別でも14府県で過去最多となり、「第7波」の急拡大が続いている。死者は115人が確認され、約4カ月ぶりに100人を超えた。最も多かったのは東京都の3万1593人で、3日ぶりに3万人を超えた。次いで大阪府が2万5762人で、過去最多。ほかに13県で最多を更新した。

【7月27日】

●政府、医療逼迫防ぎ行動制限回避へ

 26日の新規感染者数は19万6000人余りで、14府県で過去最多となるなど全国で感染の急拡大が続いている。政府は発熱外来が受診しづらくなっている現状を踏まえ、医療提供体制を維持・強化していくための対策に重点を置く方針。岸田首相は「感染者数は増えているが、今のところ重症者数や死亡者数は低水準だ。4回目のワクチン接種の拡大など、メリハリの効いた対策を行いながら社会経済活動を維持するよう努めていく」と強調した。

 また、後藤厚労相は全国知事会とのオンライン会合で患者向けの病床を速やかに5万床にまで増やすほか、国が抗原検査キットを買い上げて自治体を通じて発熱外来や薬局などで無料で配る方針を説明し協力を求めた。政府は、引き続き自治体と緊密に連携しながら医療の逼迫を防ぐことで、行動制限を行う事態は回避したい考え。

●感染者や濃厚接触者の急増、社会活動全体に影響 専門家組織

 厚労省の専門家組織の会合が27日開かれ、現在の感染状況について「第6波」を大きく超え、これまでで最も高い感染レベルを更新、感染者や濃厚接触者の急増で社会活動全体への影響も生じていると指摘した。病床使用率はほとんどの地域で3割を超え、26日時点で沖縄県で85%、静岡県74%、神奈川県71%など、18府県で5割以上に達した。医療従事者の感染が増えて医療体制への負荷が起き、救急搬送が困難なケースも全国的に急増している。

 新規感染者数は高齢者を含めすべての年代で増えていて、重症者や死亡者の増加が懸念される。感染力の強い「BA.5」に置き換わったと推定、今後も全国的に過去最多の感染者数更新が予測され、医療体制への影響を注視する必要がある。大人数での会食、お盆や夏休み帰省などで高齢者と接する場合に事前検査を推奨、医療機関を受診する前に抗原検査キットで自分で検査できるようキットの安定的な供給が重要だと指摘した。

●前週比1.89倍、これまでにない感染拡大 専門家組織「感染を防ぐ行動を」

 厚労省の専門家組織の27日会合で示された資料によると、26日までの1週間の新規感染者数はすべての都道府県で増加が続き、全国では前の週と比べて1.89倍、各地で過去最多の感染者数が連日更新され、これまでにない感染拡大となっている。首都圏では、東京都が1.79倍、神奈川県が1.50倍、埼玉県が1.78倍、千葉県が1.85倍と急速な増加が続く。大阪府、愛知県、宮城県など21の道府県で2倍を超えている。また、人口当たりの感染者数が最も多い沖縄県は1.46倍。

 人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、沖縄県が2260.34人と初めて2000人を超えて全国最多、次いで大阪府が1555.48人、福岡県が1480.78人、熊本県が1461.02人、東京都が1438.42人など、12都府県で1000人を超え、全国では978.45人となっている。政府は行動制限には慎重な姿勢で、専門家組織は医療や社会経済活動を維持するために、国民一人一人が感染を防ぐ行動をとるように呼びかけた。

●コロナ検査キット 、「自治体の窓口配布など検討を」 日本医師会

 政府は、発熱外来が受診しづらくなっている現状を踏まえ、症状のある人が自分で検査できるよう、発熱外来や薬局などで抗原検査キットを無料で配る方針を示し、日本医師会にも協力を求めている。これについて、日本医師会の松本会長は記者会見で「診療業務に影響が出ることも考えられる。現場に混乱を生じさせず効率よく行う必要がある」と指摘、自治体の窓口などで配ることも含め、検討すべきだという認識を示した。

 また「今回の新規感染者数の増加はあまりにも急激で、医療現場は非常に困難な状況に置かれている」と述べたうえで、政府に対して不足しているPCR検査の試薬などを医療現場に早急に供給することや、感染者情報を一元的に管理するシステム「HER-SYS」の入力項目を簡素化することを求めた。

●専門家、「発熱外来は正しく利用を」

 東京医科大学の濱田特任教授は、各地で発熱外来が混雑していることについて「発熱外来は、一般的には発熱している人で原因がはっきりせず、新型コロナ感染が疑われる人が受診することになっている。抗原検査で陽性になった人は、発熱外来を受診するのでなく、重症化リスクが低い場合は自宅で療養といった対応で差し支えない。ただ高齢者や基礎疾患のある人は、各地の自治体が設けている相談センターや、かかりつけ医に問い合わせて治療を受けるべき」と述べた。

 また「今の状況で、感染したことや治ったことを会社に報告するために証明書をもらおうと、発熱外来を受診することはやめてもらいたい。発熱外来の業務が逼迫して、本来、受診すべき人が受診できなくなる可能性があることを理解して、正しく利用してほしい」と述べた。

●都内の救急搬送、第6波ピーク超え 救急病院、新規患者の受け入れ難しく

 東京消防庁によると、都内で自宅などで療養している患者の救急搬送は、今月24日までの1週間で725件。前週より30%余り増、第6波のピーク時の706件を超えた。725件のうち89%が、空き病床が見つからないなど搬送までに1時間以上かかっている。また5時間以上かかったケースも84件、前週の4倍余りに上る。救急搬送の依頼があったものの、保健所の判断などで搬送されなかったケースも852件に上る。最近は熱中症の疑いで搬送されるケースも多い。

 「第7波」で緊急性が高い救急患者に対応する都内の大学病院では、コロナ病床を確保するため、ほかの救急患者用の病床を減らしていることもあって、新たな患者の受け入れが難しくなっている。現場の医師は、「今は重い病気の人がコロナにかかっても行き場がなくなってきている。救急医療にすぐにアクセスできない状況になっているので、交通事故やけがなどには気をつけてほしい」と話す。

●大阪モデル、「赤色」に引き上げ 医療非常事態宣言 高齢者の外出自粛

 大阪府では、26日に発表された新規感染者が過去最多になるなど、病床の使用率も高くなっている。府は対策本部会議を開き、吉村知事は「感染はさらに拡大する可能性があり、発熱外来や救急外来を含めて医療全体が逼迫している。また、入院患者の多くが70代以上の高齢者で、こうした点を踏まえた要請や対策を決めたい」と述べた。会議では「大阪モデル」を非常事態を示す「赤色」に引き上げるとともに、「医療非常事態宣言」を出した。

 府民に対し、こまめな換気など基本的な感染対策の徹底や早期のワクチン接種を呼びかけるほか、重症化のリスクが高い高齢者や基礎疾患のある人には不要不急の外出を控える、同居など日常的に高齢者と接する人は感染リスクの高い行動を控えるよう呼びかける。高齢者施設での面会の自粛要請も継続する。いずれも協力要請で、強制力はない。飲食店などに対しては、営業時間短縮は要請しないが、マスク会食の徹底などを求める。要請は28日から来月27日まで。

●高齢者施設、クラスター急増 毎週100件台 職員も感染次々

 新型コロナの「第7波」で、高齢者施設などでのクラスターが急増している。現場は感染防止対策に追われるが、人手不足が起きつつあって逼迫状態。施設への医師派遣といった国や自治体の支援態勢も十分機能するかは見通せない。厚労省によると、高齢者施設の1週間あたりのクラスター発生件数は6月初旬以降の2桁台が、7月初旬以降は100件台に。4~10日は140件、11~17日は121件だった。

 特に大阪府内では7月18~24日の1週間に120施設でクラスターが発生し、1250人が感染。6月20~26日の13施設166人に比べ、7.5倍。ただ、第7波で7月20日までに高齢者施設でのクラスターによる施設内で死亡は確認されていない。府は「第6波」のクラスター多発を受け、「協力医療機関」で初期治療ができる態勢の確保を施設に要請。府内の約3600施設の協力医療機関のうち、コロナ治療に対応できるのは4月1日時点の3割程度から7割程度まで増えた。

●神戸市、自宅療養者急増で連絡遅れるケースも

 ことし2月神戸市は、保健所などの負担を軽減しようと市役所のワンフロアを使って「自宅療養フォローアップセンター」を設置。軽症や無症状で自宅で療養する人への連絡のほか、本人や家族からの相談に電話で応じている。連絡にあたる担当をこれまでは民間企業に委託し70人態勢で行っていたが、感染急拡大を受け、先週から市のほぼすべての部局から約100人の職員を派遣し170人態勢で対応にあたっている。

 市は感染者を把握してから24時間以内には本人と連絡を取る方針が、感染者の急増で1日程度連絡が遅れるケースが出てきているという。27日も、担当者は「いつ自宅待機を終えて仕事に復帰できるのか」といった問い合わせを受けたり、療養期間の終了の連絡に追われていた。神戸市保健所の保健課長は「今月後半からの感染急拡大を受け、電話対応など職員の負担が増している。市民には基本的な感染対策の徹底をお願いしたい」と話している。

●保育続けるには、登園自粛求めるケースも 濃厚接触特定どこまで…ジレンマ

 社会経済活動などに配慮し、自治体によって保育園での濃厚接触者を特定しない方針を打ち出している。保育園は、園児の人数に応じ保育士の人数を配置しなければならない。保育士が感染しても、園児は濃厚接触者として特定されなければ登園できるため、保育士不足で休園せざるを得なくなる。ある保育園長は「保育園では、感染が広がりやすい。感染が拡大しているときに、濃厚接触者の特定をやめるべきではない」と訴える。

 社会福祉法人の理事長は「保育園としてもお子さんを預かってあげたい気持ちと、園の運営を守らなければいけない気持ちのはざまに立たされている」と語る。小児科でのPCR検査も受けにくく、園児が陽性か陰性かを特定できないことも悩みのタネ。園の関係者は運営の継続と感染防止対策とのはざまで頭を悩ませている。

●郵便局、全国154か所で窓口業務休止 従業員のコロナ感染などで

 日本郵便によると27日時点で、従業員がコロナに感染したり、濃厚接触者になったりして、窓口業務を休止している郵便局は全国で154か所に上る。小規模な郵便局が中心で、窓口のほかATMも休止しているところが多い。近隣の郵便局から応援の要員を派遣するなどの対応をとっているが、場所によっては人繰りがつかず窓口業務ができなくなっている。一方、郵便物やゆうパックなどの配達業務に影響は出ていないという。

●感染最多20万9694人

 国内感染者は27日、新たに20万9694人が確認され、1日あたりの過去最多を更新した。新規感染者が20万人を超えたのは2回目。これまでの最多は初めて20万人を超えた今月23日だった。また、27日は129人の死者が新たに確認された。今月初めには1日あたりの死者は5人だった日もあったが、「第7波」の感染拡大に伴い、死者の数も増えている。

【7月28日】

●日本の感染者世界最多、1週間97万人 WHO発表 検査に違いも 比較難しい

 世界保健機関(WHO)は27日、直近1週間の新型コロナの感染者数が、国別で日本が世界最多となったと発表した。18~24日の1週間の感染者数は、日本が約97万人で最多。2番目以降は、米国約86万人、ドイツ約57万人、イタリア約53万人、フランス約51万人と続く。同期間の世界計は約661万人と前の週より3%減少した。

 人口100万人あたりの新型コロナの新規感染者数でみても、日本の増加ぶりが目立つ。新規感染者数は、世界全体でわずかに減少しているが、東アジアでは増加傾向が見られ、前の週に比べてモンゴルはおよそ7倍、韓国は80%増えている。ただ、検査の実態はよく分からず、各国との単純比較は難しいところもある。英国など欧米では、積極的にPCR検査をしない国も増えている。

●医療逼迫は深刻化

 何故ここまで、感染者が増えているのか。感染症の専門家は、感染を経験した人が海外に比べて少なかった日本で、5月末に感染力が強いオミクロン株の「BA.5」が流入。その後、参院選などで人の活動が活発になったことも影響したとみる。医療従事者の感染が相次いで医療が維持できなくなる事態も出ていて、医療関係者からは「行動制限が必要」との声も出始めている。

 厚労省の専門家組織の27日の会合では、感染拡大で免疫を持つ人が一時的に増え、8月には感染者は減り始めるとの試算も示されている。一方、オミクロン株「BA.2.75」への置き換わりの懸念もある。治療薬やワクチン、感染しやすさに影響するスパイクたんぱく質に「BA.2」から更に8カ所の変異が入り、感染が広がりやすくなっている可能性がある。また、インフルエンザなどほかの感染症が同時に拡大する「ハイブリッド型流行」の懸念もある。

●20代が最多、幅広い世代に広がる

 28日の厚労省の発表によると、今月20日から26日までの1週間に新型コロナ感染の確認は、120万4000人余りと、前の週の2倍に上った。20代が全体の15.9%と最も多く、30代15.1%、40代15.7%で先週と比べて0.5ポイント前後増加し、徐々に若年層から幅広い世代に広がる傾向。10歳未満の子どもは12.8%、10代15.8%で、先週比1ポイントほど減少。50代10.7%で先週と比べて0.5ポイントほど増加、60代以上は合わせて13.1%で0.4ポイントほど増加。

●検査キット、薬局でも配布 政府方針 郵送も可能に

 「第7波」による発熱外来の逼迫解消のため、抗原定性検査キットを無料で配ることをめぐり、政府は28日、配布場所として発熱外来だけでなく、自治体の窓口、薬局なども加える方針を明らかにした。郵送も可能。磯崎官房副長官は記者会見で、症状のある人が医療機関を受診する代わりに、自主検査する体制を整えるため、政府が検査キットを買い上げたうえで都道府県に配る方針を改めて説明。厚労省が、都道府県ごとに配布する量と時期を調整する。

 配布場所は、これまで示した発熱外来に加え、地域外来・検査センター、薬局、公共施設などが考えられるとし、自治体からの郵送も可能だとした。磯崎氏は「地域の実情に応じ、必要な人が検査を受けられるようにしたい」と述べた。発熱外来での配布をめぐっては、医療関係者から「希望者が殺到すれば、対応に手が回らない」などの声があがっていた。

●ウェブで陽性登録 都内 まず20代 来月から

 東京都は28日、新型コロナの重症化リスクが低い若年層が発症した場合、検査キットを配送して自主検査してもらい、陽性者登録もウェブ上のやり取りのみで済ませる仕組みを導入すると発表した。従来、発熱外来の医師が陽性と判断してきたが、感染急増による医療機関の負担軽減を図る。まず20代を対象に8月1日から始め、他の年代にも広げる。キットは1日あたり最大7万個の配布を目指す。

 28日にあった都モニタリング会議での報告によると、27日時点の都内の新規感染者(週平均)は1日あたり2万9868人に上り、前週の1.8倍。このペースが続くと「8月3日には5万3千人に上る」との試算も示され、基本的な感染防止対策の再点検と徹底が強く呼び掛けられた。

●夏休み、沖縄で観光滞在中の感染増加 解熱剤など持参を呼びかけ

 沖縄県によると、観光客を含む県外在住者の新規感染者数は、6月はほとんどの日で1桁台が、7月に入り増加傾向になっていて、12日以降は連日10人以上となり、26日には64人の感染が確認されている。このため沖縄県が10か所に設置した療養ホテルに入所する人が増えていて、すぐに療養ホテルに入ることができずに滞在先のホテルなどの宿泊を延長し、そこで療養するケースも出ているという。

 県内の多くの救急病院ではコロナ患者への対応に加え、感染するなどして勤務できない医療従事者が相次いでいる。このため診療制限が行われていて、体調を崩したりけがをしたりしても、すぐには治療を受けられない可能性がある。県は感染に備えて解熱剤などとともに、服用中の薬を多めに持参するよう呼びかけている。県の担当者は「ワクチンを接種し、旅行前に検査を受けるなど、医療非常事態宣言が出されている地域だと理解して沖縄に来てほしい」としている。

●感染拡大で主流の「BA.5」、潜伏期間は「BA.1」より短い2.4日か

 新型コロナの感染拡大の主流になっているオミクロン株の1つ、「BA.5」に感染してから症状が出るまでの潜伏期間について調べたところ、平均は2.4日で、ことし初めに拡大したオミクロン株の「BA.1」の平均2.9日より半日短く、デルタ株の平均3.7日より1.3日短かったとする結果を茨城県の潮来保健所がまとめた。

●感染最多更新23.3万人 東京4万人

 国内感染者は28日、全国で23万3094人が確認され、2日連続で20万人を超え、過去最多を更新。新たに発表された死者は114人だった。最も多かったのは東京都で4万406人。初めて4万人を超えた。前週の同じ曜日(21日)と比べると8528人多く、約1.3倍。2番目に多かった大阪府は2万4296人で、2万人を超えるのは3日連続で、死者は21人。死者が20人を超えるのは4月7日(21人)以来。このほか、愛知県1万5675人、神奈川県1万5255人と続いた。

 7月28日時点の東京の新規感染者数 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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●全国知事会議、国に緊急建議

 全国知事会議が28日、奈良市内で開かれ、新型コロナの感染急拡大について国に早急な対応を求める緊急建議をまとめた。感染力の強いオミクロン株の変異系統「BA.5」には「現在の基本的対処方針では的確な対応が困難」と指摘し、現場で取るべき対策を国が新たに示すよう求めた。

 全国知事会長の平井鳥取県知事は「国の背中を押さなければならないという意見で一致した。飲食店への時短協力金という今までと同じような対処でいいのか」と述べた。建議では、「まん延防止等重点措置」が適用されなくても自治体の感染対策に財政支援する、教育・保育施設や高齢者施設の感染防止策を知事が実情に応じて効果的に選べるようにする、保健・医療提供体制の維持・確保への抜本的な支援、などを求めた。

【7月29日】

●知事の「BA.5対策強化宣言」、新設 政府コロナ対策

 政府は29日、新型コロナ対策本部で、「BA.5」の感染拡大に都道府県が対応しやすくするための支援策を決めた。病床使用率が50%を超えるなど医療機関への負荷の増大が認められる場合、知事が「BA.5対策強化宣言」を出せば、国が強化地域と位置づけ政府職員の派遣や対策の助言・調整などを行う。「まん延防止等重点措置」のように飲食店の時短営業などの罰則を伴う私権制限はない。あくまで住民や事業者への「協力要請」にとどまる。

 コロナ対応を担当する山際担当相は29日の会見で全国知事会議から前日に要望を受けての対応だと説明。政府のねらいは、重点措置を出さない場合でも国が認定することで、各知事が地域の実情に合わせて対策を強化しやすくする。ただ、対策内容そのものは代わり映えしない。政権内には「行動制限は必要ない」と強調してきたことが対策の緩みにつながったとの見方があり、「感染対策の徹底は必要だと改めて伝える必要があった」と話す。

●行動制限なし、乏しい対策 味気ない強化宣言 検査キット配布後手

 医療の逼迫が現実となっている「第7波」で、政府に厳しい目が向けられる。新たに飛び出したのが「BA.5対策強化宣言」。行動制限をかけず、社会経済活動を維持する狙い。しかし、内容は繰り返し呼びかけてきた基本的対策の羅列にとどまり、手詰まり感が否めない。医療現場からは「第6波以降、政府は必要な準備をしてこなかった」との声が上がる。ただ、感染者を減らすための具体策は「打つ手なし」。

 従来、国が行動制限に踏み切らないと都道府県は対策を強化しづらい面があった。国が「お墨付き」を与えることで、新たな対策を呼びかける際に地元の市町村を説得しやすくなったり、他県の取り組みを採り入れやすくなったりするという。ただ、宣言後に住民に要請できる内容として国が示したのは、すでに何度も国民にお願いしたものばかり。政権内にも「宣言はただの呼びかけで、意義はあまりない」と冷めた見方もある。

●感染全数把握、見直し要求 保健所や医療逼迫で 指定都市市長会

 新型コロナの感染者の全数を保健所が把握している感染症法上の取り扱いについて、政令指定市でつくる指定都市市長会は29日、感染者の全数を直ちに届け出る扱いを見直すよう国に求める緊急コメントを出した。全国知事会も同日まとめた国への緊急提言で、全数把握の要否などの再検討を求めた。

 保健所や初期診療を担う医療機関の体制は逼迫している。指定市長会は「保健所業務と医療提供体制への負荷は日増しに大きくなっており、このペースで感染拡大が継続した場合、国民の生命と健康を守れなくなる事態が生じることも危惧される」と指摘。感染者の新たな届け出基準を作るなど、国が実効性ある対策を早急に講じるよう強く求めた。

●日本人の平均寿命、10年ぶりに前年下回る コロナ要因の一つか

 厚労省のまとめでは、去年の日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳で、前年より女性は0.14歳、男性は0.09歳下回った。2011年の東日本大震災の翌年から男女ともに毎年上回り続けていたが、今回いずれも10年ぶりに前の年を下回った。平均寿命が公表されている国では、女性が1位、男性はスイスとノルウェーに次いで3位となる。厚労省は、新型コロナの流行に伴って感染して亡くなる高齢者などが増えたことが要因の一つとみている。

●解熱鎮痛薬「カロナール」出荷調整へ 新型コロナで需要急増

 「カロナール」(一般名アセトアミノフェン)は、あゆみ製薬が製造し医療機関で広く使用されている解熱鎮痛薬で、新型コロナの患者にも処方されている。製薬会社は、患者の急増で想定を大幅に超える需要が発生したため生産が追いつかず、安定的な供給に支障が出るとして当面、カロナールの錠剤や座薬など9種類について出荷量を調整する「限定出荷」の対応をとると発表。このほか、「カロナール」のシロップなど2種類を出荷停止とした。

 厚労省は29日、「カロナール」などアセトアミノフェンという成分を含む解熱鎮痛薬の需要が急増しているとして、今後も子どもなど必要性がより高い人に安定期に供給できるよう、大量に仕入れる買い込みを控え、当面の必要量に見合う量を購入してほしい。そのうえで、代替薬として解熱効果があるイブプロフェンやロキソプロフェンなどの成分を含む解熱鎮痛薬の使用を検討してほしいという。

●自宅療養、最多110万人

 全国の自宅療養者は約110万人となり、過去最多を更新した。厚労省が27日時点の状況をまとめ、29日に公表した。入院や宿泊療養などを含む全体の療養者数は約140万人。現時点では軽症者が多く、療養者の約8割を自宅療養者が占める。入院者は約2万5千人、療養先を調整中の人が約24万人となっている。都道府県別では、東京都が15万8千人、大阪府11万6千人、神奈川県と愛知県が7万5千人。

 厚労省の専門家組織は今後、重症者と死者が増えるとみている。感染者が増え続ければ、入院が必要なのにできなかったり、自宅療養中に症状が悪化しても対応が遅れたりする事例が出る恐れがある。自宅療養者は20日時点で約61万人に達し、「第6波」ピーク時の約58万人を上回っていた。1週間で約1.8倍に増えたことになる。

●感染3日連続20万人を超す
 
 国内感染者は29日、全国で22万1442人が確認され、3日連続で20万人を超えた。過去最多を更新したのは11道県。新たな死者は122人だった。新規感染者が最多だったのは東京都の3万6814人。前週の同じ曜日(22日)と比べ1819人多かった。29日までの週平均では3万1578.0人で前週(2万1099.6人)の149.7%となった。2番目は大阪府の2万1387人で、4日連続で2万人を上回った。続いて愛知県が1万4397人、福岡県が1万4060人だった。

【7月30日】

●北朝鮮、新型コロナで「新規の発熱者ゼロ」と発表

 30日付の北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」は保健当局の発表として、1日当たりの新規の発熱者が29日はゼロだったと伝えた。1日当たりの発熱者がゼロになるのは、ことし5月12日に、国内への新型コロナの流入を公表してからこれが初めて。北朝鮮の統計では、1日当たりの発熱者は5月中旬に39万人余りとピークに達したものの、6月以降は減少傾向にあるとしていた。

 労働新聞は「非常防疫戦の勝利に向けて、われわれ特有の団結力が力強く示されている」と強調。専門家の間では、北朝鮮指導部が早期の封じ込めに成功したとして新型コロナに対する「勝利」を宣言し、金正恩総書記の権威づけするのではないかという見方がある。ただ北朝鮮の統計は、無症状患者が感染者に含まれてない、死亡率が低いなど、疑問視されている。依然としてワクチン接種が進んでおらず、感染が再拡大する可能性も指摘されている。

●政府、新型コロナの感染症法上の扱い 「引き下げ現実的でない」

 新型コロナの感染症法上の扱いをめぐっては、自治体側から、保健所や医療現場の負担を軽減するため、季節性インフルエンザと同じ位置づけに引き下げるよう求める声が上がっている。この場合、感染が確認された際に医療機関から保健所にすべて報告する必要がなくなるほか、感染が疑われる人を発熱外来以外の医療機関でも診察することができるようになる。

 ただ、政府は引き下げによって、不要不急の外出自粛の要請や入院の勧告などができなくなることから、感染が急拡大する中では現実的ではないとして、今後の感染状況も見極めながら慎重に対応する方針。そして、逼迫する現場の負担に対しては、濃厚接触者の待機期間の短縮や、抗原検査キットの自治体への無料配布など、運用面の見直しを行うことで、軽減を図っていくとしている。

●「発熱外来での検査証明求めないで」 厚労省が事業所などに要請

 都市部を中心に感染拡大地域では感染証明書を求めて多くの患者が発熱外来を訪れ、ほかの患者が診察や検査を受けづらい状態が続いている。このため厚労省は重症化リスクの高齢者などへの対応が十分にできなくなるとして、事業所などに対して従業員が感染して仕事を休む際、発熱外来で示される検査結果の証明書を求めないよう要請した。厚労省は市販の検査キットを撮影した画像などを代わりの手段とすることができるとしている。

 また、神奈川県や沖縄県では検査キットで陽性となった場合、専用のウェブサイトで届け出れば証明書などが発行できる取り組みを行っていて、東京都などほかの自治体でも発熱外来を通さない仕組みの導入が進んでいる。さらに厚労省は重症化リスクが低い若者などに検査キットを活用してもらおうと都道府県に2400万回分のキットを順次、配送していて、今後、薬局などで無料で配布する計画。

●宮城、対策強化宣言へ 来週第1週にも 岐阜・愛知も検討

 宮城県は30日、政府が新設した「BA.5対策強化宣言」を出すことを決めた。週明けにも要請内容を政府と協議する方針で、高齢者の混雑した場所への外出自粛や、飲食店の長時間利用の回避などを求める可能性がある。医療提供体制の逼迫を避ける狙いがあり、政府との協議を踏まえて、8月第1週にも強化宣言を出す考え。

 強化宣言には、①病床使用率が冬の「第6波」のピーク時を超え、②入院の大半が中等症以上などの要件がある。県によると、病床使用率は46.3%(29日午前時点)で2月の44.2%を上回り、入院は原則、中等症以上のため、いずれの要件も満たしている。岐阜県も宣言を出す方向で調整。愛知県の大村知事も29日の会見で「医療の現場が逼迫するということであれば、対策強化宣言の活用も視野に入れていかなければならない」と述べた。

●感染20万人超 4日連続 6県最多

 国内で30日、22万2307人の新型コロナ感染者が報告された。20万人超は4日連続。都道府県別では東京都3万3466人、大阪府2万2833人、愛知県1万4692人など。福島、栃木、福井、岡山、広島、沖縄の6県で過去最多となった。死者は東京と大阪でそれぞれ12人、愛知9人など計101人が報告。死者が100人を超えるのは5日連続。厚労省によると、全国の重症者は403人で前日から27人増えた。

【7月31日】

●「2類相当」引き下げ検討 首相

 岸田首相は31日、新型コロナの感染症法上の扱いについて、感染拡大が続く現時点では季節性インフルエンザと同じ位置づけに引き下げないとする一方、「第7波」の収束後に、現行の「2類相当」から引き下げる検討を進める考えを示した。現在、感染者の全数を把握するなど厳格な措置が取られており、保健所などの業務の圧迫が指摘されていた。

 首相は、「今後、時期もしっかり見極めながら変異の可能性なども判断した上で、「2類」として規定される項目について、丁寧に検討していく」と述べた。新型コロナは感染症法上の扱いが結核などと同様、入院勧告や就業制限などの措置がとれる「2類相当」の対応となっている。しかし、重症化しにくいオミクロン株の特性を踏まえ、自治体や専門家らから季節性インフルエンザと同じ「5類」への引き下げを求める声が上がっていた。

●妊婦のコロナ感染増加 「発熱相談センターに相談を」 助産師会

 妊婦の感染も増えている。厚労省によると、妊娠中に新型コロナに感染しても基礎疾患が無ければ同年代の妊娠していない女性と経過は変わらないとされているが、妊娠後期に感染すると一部の人は重症化することが報告されている。妊婦は比較的軽いかぜの症状がある場合でも、早めにかかりつけ医などに電話で相談するよう呼びかけている。東京都助産師会は、受診できる医療機関が見つからない場合、24時間対応の都の発熱相談センターに電話相談するよう呼びかけている。

●第7波、子供直撃 小児科逼迫 高熱や急変の例も

 新型コロナの「第7波」が子どもにも急拡大している。入院を必要とする子どもも増え、小児の診療現場には危機感が募る。厚労省によると、7月26日時点で、10代以下の感染は330万人を超える。昨夏は新規感染者の2割程度だったのが、今年2月以降は3割を超える。第6波までは無症状や37℃台の発熱で済む子どもが多かったが、第7波は40度の高熱、発熱を伴うけいれんなどが散見されるという。

 子どもの感染が目立つのは、5~11歳のコロナワクチンは様子を見る保護者が多いとみられ、接種が進んでいない。子ども同士でうつし合っているという見方もある。大半が軽症だが、まれに重症例の報告もある。10代以下の死者は17人。専門家は「急変する場合があり、注意して観察してほしい」と訴えている。

●埼玉など4県、感染最多更新

 国内感染者は31日、全国で19万7792人が確認された。1日あたりの感染者が5日ぶりに20万人を下回った。茨城、埼玉、滋賀、香川の4県で過去最多を更新。全国で発表された死者は83人。6日ぶりに100人を下回った。

 都道府県別で新規感染者が最多は東京都の3万1541人で、前週の同じ曜日(24日)と比べると3429人多かった。週平均の1日あたり感染者数は3万2177.6人で、前週(2万4542.6人)の131.1%だった。新規感染者が2番目に多かったのは大阪府の1万6473人。3番目は神奈川県の1万5088人。

 以下は、7月31日時点の国内と東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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2022年7月27日 (水)

新型コロナ2022.07 第7波

 新型コロナ第6波の新規感染者数は2月中旬にピークアウト、「まん延防止等重点措置」は3月21日で全面解除された。一部地域を除いて減少するもその傾向は鈍化。6月下旬には下げ止まりから増加に転じ、7月には「第7波」となって全国的に急増が続く

 2022年7月1日から15日までの新聞、テレビ、ネット情報から、新型コロナの主なニュースを辿る。本ブログ記事「新型コロナ2022.06 増加懸念」の続き。【写真や図をクリックすると、拡大表示します】

【7月1日】

◆「BA.4」「BA.5」 オミクロン株対応ワクチン開発を推奨 米FDA

 米国FDA(食品医薬品局)は、先月30日、この秋以降の追加接種に使われる新型コロナワクチンについて、「変異ウイルスによる重い症状を防ぐことができる、安全で効果的なワクチンを準備することが非常に重要だ」とし、製薬会社に感染者に占める割合が増えている「BA.4」と「BA.5」をもとに開発すべきだとしている。米国では先月28日の時点で、感染者に占める「BA.4」と「BA.5」の割合は50%以上と推定されている。

◆中国・上海 外出制限解除から1か月 経済活動の再開加速の考え

 中国の上海では、新型コロナの感染対策で2か月余り続いた厳しい外出制限が先月1日に解除され、一日の感染者数も海外からの入国者を除いて、先月30日まで4日連続でゼロだったと発表された。外出制限の解除から1日で1か月となり、上海市当局は感染を抑え込んでいるとして、先月29日に飲食店の店内での飲食を各地で解禁したのに続き、1日からは観光スポットとなっているテレビ塔のほか、博物館などの公共施設を開放した。

●景況感、2期連続悪化 日銀短観 製造業、原材料高響く

 日本銀行が1日に公表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、資源価格の高騰などで、大企業・製造業の景況感を示す指数が2四半期続けて悪化した。一方、国内のコロナ感染の影響が和らいだことを受けて飲食や観光サービスに客足が戻るなど、大企業・非製造業は2四半期ぶりに改善した。ただ、物価高の影響は業種を問わず及んでいて、コロナからの回復に動き始めた日本経済に影を落としている。

◆新規感染者、全国で増加 32都府県で前週より多く

 全国の新規感染者数は 6月2日までの1週間では、前の週に比べて0.68倍、6月9日は0.75倍、6月16日は0.87倍と、5週連続で減少したが、 6月23日は1.00倍、6月30日まででは1.23倍と、増加に転じた。一日当たりの平均の新規感染者数はおよそ1万7464人で、新規感染者数は人口の多い首都圏や関西、東海、九州などの32の都府県で前の週より多くなった。

【7月2日】

●感染増加、じわり コロナ広がるBA.5 医療逼迫、危ぶむ現場 熱中症、同時警戒

 新規感染者数は5月中旬から減少傾向が続いていたが、1週間平均を見ると、32都府県で前週より増加(6月30日時点)。医療機関では猛暑による熱中症患者とあわせて対応に追われている。感染がより広がりやすいとされるオミクロン株のひとつ「BA.5」への置き換わりが進んでおり、専門家は「自粛ムードがゆるむ中、いっきに感染者が増える恐れがある」と警告。危機感を強めるのが、医療現場。このまま感染が急拡大すると、医療逼迫を招きかねない。

 国内の直近1週間あたりの新規感染者数は、6月21日に約1カ月ぶりに上昇に転じた。同月末時点で、山陰、九州、四国、近畿の8県が前週の1.5倍以上、東京都と大阪府も1.4倍台と上昇傾向が続く。要因のひとつが「BA.5」の広がり。東京都のPCR検査では、6月20日までの1週間にBA.5の疑い例は25.1%を占め、前週から倍増。主流だったBA.2に代わり勢力を伸ばしつつある。専門家は「全国的な検出割合が7月後半には半分を超える」と予想。

■4回目接種、2割 インフルも注意

 ワクチン接種者の感染や、感染歴がある人の再感染も相次ぐ。3回目接種や感染から時間が経ったことによる免疫の低下、行動の活発化、冷房を利かせるための換気不徹底が理由とされる。5月下旬に始まった4回目のワクチン接種は、6月30日時点で、3回目接種から5カ月過ぎた60歳以上の接種率が21.2%。7月以降に接種は本格化する。国立国際医療研究センターの大曲氏は「感染リスクが高い、大勢での飲み会などは避けてほしい。3回目接種がまだの人は受け、高齢者は4回目を早く接種するのが望ましい」と語る。

 冬を迎える豪州では、直近2年で流行がなかったインフルエンザの患者報告が増えている。日本ワクチン学会は6月、秋以降のインフル流行期に備えて「今冬の国内の感染症対策と医療体制の維持のため、今シーズンのインフル・ワクチン接種について、強く推奨する」との見解を公表。特に高齢者や医療従事者、合併症リスクが高い妊婦や生後6カ月~5歳未満の子どもなどに勧めたいとしている。

●4日連続2万人超

 新型コロナの国内の感染者は2日、新たに2万4903人が確認された。前週の同じ曜日(25日)より8千人余り多かった。1日あたりの感染者が2万人を超えるのは4日連続となり、死者は11人が確認された。東京都の新規感染者は3616人。前週より1456人多く、前週を上回るのは15日連続となった。80代の男性一人の死亡も確認された。

【7月3日】

◆米国のBA.5とBA.4、合わせて70%超

 米国CDC(疾病対策センター)によると、7月2日現在、米国で新たに報告された新型コロナの感染者のうち、オミクロン株の「BA.5」の割合は53.6%、「BA.4」は16.5%で、合わせて70%を超えた。6月4日の時点では合わせて15.7%と推定されていたので、1か月足らずの間に大幅に増えた。

 新規感染者数は5月半ば以降、10万人前後で推移しているが、自宅で検査をして保健当局に報告しなかった人などを含めると感染者はさらに多い。また、新たに入院した人の1週間平均も7月3日の時点で、先月の同じ時期に比べて14%ほど増えた。米国政府は秋以降、感染の波が再び起きる可能性があるとして、追加ワクチンに「BA.4」や「BA.5」に対応する成分を加えるよう製薬会社に推奨、50歳以上の人に4回目の接種を呼びかけるなど、警戒を強める。

【7月4日】

◆新型コロナワクチンの3回接種終了、全人口の62% (4日公表)

 政府が4日に公表した最新の状況によると、国内で新型コロナワクチンの3回目接種を受けた人は7847万4745人で全人口の62%となった。3回目の接種率を年代別でみると、12歳~19歳は31%、20代は46%、30代は50%、40代は59%、50代は76%、60代は83%、70代は91%、80代と90代は94%、100歳以上は91%。1回目の接種を受けた人は全人口の81.9%、2回目の接種を終えた人は全人口の80.8%。

●全国の新規感染者、1万6808人 前週の1.8倍に膨らむ

 新型コロナの国内感染者は4日午後7時半現在、新たに1万6808人が確認された。前週の同じ月曜日(6月27日)の約1.8倍にあたり、7239人多かった。前週を上回るのは14日連続。新たな死者は14人だった。新規感染者数の都道府県別の最多は東京都の2772人。前週の月曜日より1255人多く、17日連続で前週を上回った。4日までの1週間平均の感染状況をみると、1日あたりの感染者数は3380.0人で、前週(2081.0人)の162.4%だった。新規感染者数が2番目に多かったのは神奈川県の1814人、3番目は大阪府1150人。

【7月5日】

●「全国旅行支援」に慎重論 政府、感染拡大受け 7月前半→9月以降延期も

 政府が7月前半の開始をめざしている観光支援策「全国旅行支援」に延期の可能性が浮上してきた。先月30日に急きょ開かれた厚労省の専門家組織の会合で、感染者が全国で増加傾向に転じ、夏場に向けてさらに増加ペースが加速する可能性があると報告。政府内では報告を受け、実施は9月以降になるとの見方も出ている。全国旅行支援は、「県民割」や「ブロック割」の旅行先を全国に広げるもの。岸田首相は、7月前半の実施を打ち出していた。

●国内感染3万6189人 東京5302人 大阪4523人

 国内感染者は5日、新たに3万6189人が確認された。3万人を超えるのは5月26日以来、約1カ月ぶり。前週の同じ火曜日(6月28日)の約1.9倍にあたり、1万6808人多かった。感染力が強いとされる「BA.5」が広がっているとみられる。新規感染者数が前週を上回るのは15日連続。島根、愛媛、熊本の3県は過去最多だった。死者は新たに20人が確認された。

 新規感染者の都道府県別では、東京都の5302人が最多。大阪府でも前週火曜日からほぼ倍増の4523人の感染を確認。愛知県も、15日連続で前週比で増加となる2481人を確認した。大村知事は「明らかに第7波に入ったと言っていい」との認識を示した。島根県は755人、愛媛県では582人、熊本県は1589人の感染を確認。それぞれの県で過去最多だった。

●「第7波」高まる危機感 保健所逼迫、島根県

 7月に入って以降、新規感染者数が過去最多を更新する自治体が西日本で相次ぐなど、「第7波」への危機感は高まる。島根県でも6月下旬以降、感染拡大が顕著。6月中旬に出雲市の事業所で発生したクラスターなどが発端となり、感染が急拡大。5月下旬から2桁が続いていた新規感染者数は6月23日に128人となり、約1カ月ぶりに3桁。7月5日には3日前に更新したばかりの過去最多(424人)を大幅に上回る755人が確認、6日も前日に次ぐ690人となった。

 5日の島根県内の感染者755人のうち、54%に当たる410人が出雲保健所管内。出雲市の飯塚市長は、緊急の会見を開き急拡大の理由について、市内にある事業所、保育園・幼稚園や家庭での感染拡大など、さまざまな要因で感染が広がっているとの認識を示したうえで「出雲市にとって緊急事態だ」と述べ、対策の徹底を市民に強く求めた。今回の急拡大で保健所業務が一気に逼迫。特に出雲保健所では検査が追いつかず、県庁職員約50人が業務の一部を代行。

■大規模クラスター、愛媛県 医療の逼迫なし、熊本県

 愛媛県の中村知事は過去最多となる582人の感染が新たに確認された5日、記者会見で「感染拡大局面に入った」と述べた。6日も前日に次ぐ552人。県内で確認されたクラスターは、4日までの2週間で50件。最多が「学校」の11件で、「会食・飲食店」の10件が続く。知事は感染事例として「パーティーで羽目を外して長時間飲酒し、大規模なクラスターが発生」「屋外のイベントでマスクをせずに近距離で飲食しながら会話」などを挙げ、注意を呼びかけた。

 熊本県は、5日に過去最多の1589人。4日までの1週間は600~800人台で推移していたが、倍近くに増加。ただ県内では病床使用率は20%台で推移、重症者もほぼいない。蒲島知事は6日の定例会見で医療提供体制が逼迫するような状況にはないとして、会食などの「行動を大きく制限することは考えていない」。観光支援策などを念頭にした行動制限についても「いま一番痛んでいるのが観光業者。大きく制限することは考えていない」と語った。

◆東京都、5302人感染 5000人超は4月28日以来

 東京都は5日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の5302人が新型コロナに感染していることを確認したと発表。都内で一日に5000人を上回るのは、ことし4月28日以来で約2カ月ぶり。前週の火曜日の約2.1倍で、2788人増えた。前の週の同じ曜日を上回るのは18日連続。5日までの7日間平均は3778.3人で、前の週の174.9%。

 5302人を年代別に見ると20代が最も多く、全体の21.9%に当たる1162人。65歳以上の高齢者は376人で、全体の7.1%。一方、人工呼吸器かECMO(人工心肺装置)を使っている重症の患者は、4日より1人増えて7人。また、都は、感染が確認された80代と90代の男女合わせて3人が死亡したことを発表した。

 7月5日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【7月6日】

◆世界のコロナ新規感染 約30%増加 「BA.4」「BA.5」主流に WHO
 
 WHOのテドロス事務局長は6日の定例会見で、新型コロナについて、オミクロン株の「BA.4」と「BA.5」がヨーロッパや米国大陸で主流となる中、世界で確認された1週間あたりの新規感染者数が2週間前に比べて30%近く増えたと述べた。ただ、多くの国で検査態勢が縮小していることから、実際の感染者数はさらに多い可能性があるとした。

 また、ワクチンの接種は依然として、重症化や死亡のリスクを下げるのに有効だとしながらも、変異を続けるウイルスに対して効果が弱まっていることが、感染者数が増えている背景にあると指摘した。テドロス氏は「課題に立ち向かうには、世界レベル、国レベル、それに地域レベルでの行動が必要だ」と述べ、高齢者や医療従事者などへのワクチンの追加接種や、人の多い場所や換気の悪い室内でのマスク着用といった感染対策を引き続き徹底するよう呼びかけた。

◆韓国、新型コロナ感染者が1週間前の約2倍に増加 警戒強める

 韓国の保健当局の発表にると、6日の新規感染者は1万8511人と、1週間前と比べておよそ2倍に増加した。背景には、規制緩和が進む中で市民の活動量が増えていることや、より感染が広がりやすいとされる「BA.5」の変異ウイルスが広がりをみせていることなどが指摘されている。さらに、観光ビザの発給も再開するなど、海外との往来も活発になり、外国から感染者が流入する事例も増加傾向にあるという。

 これを受けて韓国政府は、国民に対して改めてマスクの着用や換気などの基本的な対策を徹底するよう求めたり、60歳以上には4回目のワクチン接種を呼びかけたりするなど、警戒を強めている。

◆感染者増で各自治体に病床確保など求める 厚労省

 全国の新規感染者の数は、今週すべての日で前の週の同じ曜日を上回り、5日は前の週より9割近く増えておよそ3万6000人となった。厚労省は新規感染者が全国的に増加傾向に転じているとして5日夜、自治体に対し医療提供体制の整備などを進めるよう通知した。また、「BA.5」に置き換わりが進み、3回目ワクチン接種の効果も徐々に減少、夏休みなどで接触の機会が増えることも予想され、感染拡大に対応できるよう自治体は体制を強化してほしいとしている。

◆熊本「KMバイオロジクス」の新型コロナワクチン、9月承認申請へ

 熊本市のワクチンメーカー、KMバイオロジクスは開発中の新型コロナのワクチンは国内で実用化されているものとは異なり、ウイルスの毒性をなくした「不活化ワクチン」というタイプ。去年10月からおよそ2000人を対象に行ってきた臨床試験の結果の速報値が6日公表した。それによると十分な有効性が期待でき、またインフルエンザワクチンと同程度の安全性が確認できたなどとして、ことし9月に国に承認申請を行うと発表した。

●感染最多、今週4県 全国4万人超、5月以来

 新型コロナ感染者の増加傾向が、西日本を中心に鮮明になってきた。全国の感染者数は6日、4万5821人が確認され、5月18日以来、約1カ月半ぶりに4万人を超えた。前週の同じ曜日(6月29日)の約2倍で、新規感染者数が前週を上回るのは16日連続。5日までの1週間平均の新規感染者数は全国で約2万4400人。前週の約1万5600人から1.56倍に急増した。

 鳥取県では215人が確認され、過去最多を更新。島根、愛媛、熊本の3県はいずれも、過去最多となった5日に続き過去2番目。佐賀県も過去2番目、大分県は過去3番目に多かった。また、大阪府では4621人が確認され、前週よりほぼ倍増。東京都では8341人が確認された。8千人を上回るのは4月14日以来で約3カ月ぶり。厚労省は同日、全国の自治体に医療提供体制や検査体制の点検、強化を進めるよう通知した。

■厚労省専門家組織 拡大の理由、「BA.5」指摘

 厚労省の専門家組織は感染拡大の理由として、オミクロン株の「BA.5」への置き換わりを指摘。ワクチン接種から時間が経ったことによる免疫低下や、人の接触機会が増えていること、冷房のために窓を閉めきることで換気が徹底されていないことなどを挙げている。専門家組織は、BA.5が「今後国内の主流系統となり、感染者数の増加要因となる可能性がある」と位置づけた。国立感染研は、7月1週で24%、7月後半には5割超えと推計している。

 感染の中心となっているのは若年層で、全国の新規感染者の3割以上を20歳未満が占める。重症者数も2月下旬には1500人を超えた日もあったのに対し、7月は50~60人台と少ない水準が続く。ただ、感染が一気に拡大すれば一定の割合で重症者が増えていき、医療現場の負荷が増す恐れがある。

【7月7日】

●「行動制限考えず」 木原官房副長官「要請ない」

 新型コロナの感染が再拡大していることについて、木原官房副長官は7日午前の記者会見で、「現時点では、都道府県からまん延防止等重点措置の要請はない」として「行動制限を行うことは考えていない」と述べた。感染状況について「全国的に上昇傾向に転じている」との認識を示した上で、「重症化防止を念頭に保健医療体制の維持・強化やワクチン接種などを着実に進めていく」と述べた。

 また政府が検討している観光支援策「全国旅行支援」の実施について「新規感染者数などの動向を含め、総合的に見極めた上で7月前半中に適切に判断をしたい」と述べた。

●東京、「第7波入り可能性」

 東京都は7日、新たに8529人の感染を確認した。8千人超は2日連続、1週間前の2.4倍。病床使用率は28.7%。専門家による同日の都モニタリング会議で、専門家は「第7波に入ったとも考えられる」と分析。都内の感染者数は、6月末ごろから増加傾向が顕著になった。同会議では一因として、より感染力が強いBA.5系統への置き換わりを指摘。都健康安全研究センターの検査では、BA.5の疑い例が6月21~27日はオミクロン株の33.4%。前週は25.1%だった。

 国立国際医療研究センターの大曲氏は、同じペースで増加が続けば新規感染者数(週平均)が2週間後に約1万6千人に、4週間後に約5万5千人になると推計。同会議では、新規感染者数が第6波のピークの2倍に達した場合、都の確保病床数を上回る入院患者が出るという分析結果も示された。ただ重症患者については確保病床数が多く、病床が足りる可能性があるとされた。

●全国で4万7977人感染 東京は2日連続8千人超

 新型コロナの国内の感染者は7日、新たに4万7977人が確認された。前週の同じ木曜日(6月30日)より2万4535人多く、2倍以上に増え、感染再拡大が続いている。4万人を超えたのは2日連続で、死者も15人が確認された。新規感染者数の都道府県別では、東京都が8529人で最も多く、2日連続で8千人を上回った。

 7月7日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 九州など西日本での増加が目立ち、佐賀県は694人で過去最多、熊本県(1578人)と大分県(557人)はいずれも過去2番目だった。また大阪府は4615人で、3日連続の4千人超え。鳥取県(219人)は前日の215人を上回り、2日連続で過去最多を更新した。

【7月8日】

◆都知事、ウイルスの特性踏まえ「まん延防止」適用基準明確に

 小池知事は8日の記者会見で「オミクロンで命を失うようなことにならないために、緊張感、危機感を持って取り組んでいかなければならない。これは国も自治体も同じだ」と述べた。さらに小池知事は「これは一自治体の問題ではなく、法律に基づく体制の整備に関わるものだ」と述べ、都内でも置き換わりが進んでいる「BA.5」の知見や特性を踏まえて、政府が「まん延防止等重点措置」の適用基準について明確に示すべきだという考えを示した。

◆AI予測 オミクロン「BA.5」 7月下旬 都内感染、一日約1万8000人

 名古屋工業大学の平田教授らのグループは過去の感染者数の推移やワクチンの効果、それに人流などのデータをもとにAI(人工知能)を使って今後の感染状況を予測した。予測では、置き換わりが進む「BA.5」の感染力がこれまでの1.3倍だと想定したところ、東京都内の感染者数は今月25日がピークで一日およそ1万8000人という試算結果になったという。

 その後、人流が大幅に減るなど感染者数が大きく減少する要因がなければ、1か月後の来月25日でも一日およそ1万5000人と高い水準が続くという計算結果となった。また、同じ想定で東京都内の死者の数を予測したところ、来月中旬には65歳以上を中心に1日26人が亡くなるという計算結果になった。平田教授は「最大の感染者数は第6波のピーク並みになるのではないか。ワクチンの4回目の接種で高齢者を重症化や死亡から守ることが、これからできる現実的な対策」と話している。

●安倍晋三元首相銃撃され死亡 奈良市で演説中 殺人未遂疑いで逮捕の41歳男

 安倍元首相(67)が8日、奈良市で参院選の街頭演説中に銃撃され、死亡した。奈良県警は殺人未遂容疑で現行犯逮捕した元海上自衛隊員の職業不詳山上徹也容疑者(41、奈良市)を殺人容疑に切り替えて捜査。容疑者は「特定の宗教団体に恨みがあり、その宗教団体と関係がある安倍元首相を狙った」と供述している。県警は容疑者の自宅などを家宅捜索、動機の解明を進める。岸田首相は「民主主義の根幹である選挙が行われている中で起きた卑劣な蛮行」と厳しく非難。戦後日本史に影を落とす重大事件となった。

●3ヵ月ぶりに5万人超感染

 新型コロナの国内の感染者は8日、新たに5万107人が確認された。4月14日以来、約3カ月ぶりに5万人を超えた。前週の同じ金曜(1日)より2万6958人多く、2倍以上増えて感染再拡大が続いている。死者は29人が確認された。新規感染者数を都道府県別にみると、東京都が8777人で最も多く、3日連続で8千人を上回った。1週間前の1日より5231人多く、約2.5倍となった。東京都に次いで多い大阪府は4805人。

【7月10日】

●自公、改選過半数 一人区、野党4勝28敗 立憲、野党第1党は維持

 第26回参議院選挙が10日、投開票された。自民党は全国で32ある1人区で28勝4敗で、今回争う125議席の過半数(63議席)を単独で確保した。公明党の議席と合わせ、非改選の70議席を含めて定数の過半数(125議席)を超えた。さらに与党に加え、国会での改憲論議に積極的な日本維新の会、国民民主党の4党で改憲発議に必要な3分の2(166議席)以上も維持した。投票率(選挙区)は52.05%で、戦後2番目の低さとなった前回2019年の48.80%を約3ポイント上回った。

【7月11日】

◆マカオ、カジノ含むほとんどの経済活動を停止 コロナ急拡大で

 マカオでは先月以降、新型コロナの感染が急拡大し、地元政府は11日から市民に厳しい外出制限を求め、主要産業のカジノを含むほとんどの経済活動を停止する措置をとった。マカオでは、おととし1月に最初に新型コロナの感染者が確認されたあと、これまで感染の拡大はほぼ抑え込まれてきた。しかし衛生当局によると、先月中旬以降オミクロン株の感染が急速に拡大し、この3週間余りで、合わせて1500人以上が新たに感染した。

 マカオ政府は市民に対し、11日から17日まで食料品の調達など生活に必要な場合を除いて、外出しないよう求める。違反すると刑事罰。マカオでは、先月下旬から映画館やカラオケ店などの営業が停止、11日からは主要産業のカジノも営業停止。マカオは高度な自治が認められた「一国二制度」のもと、中国本土とは異なるコロナ対策を行ってきたが、中国政府方針に合わせ徹底した封じ込め措置がとられ、市民生活や経済への影響が広がっている。

 マカオのスカイライン 出典:ウキメディア・コモンズ

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◆北京から成田空港への旅客便再開 約2年3か月ぶり 当面片道のみ

 運航を停止していた中国の首都・北京から成田空港への旅客便が11日、およそ2年3か月ぶりに再開された。全日空は、北京発成田行きの旅客便の運航を11日から週に1便、再開。日本と中国各地の空港を結ぶ旅客便は、新型コロナの感染拡大後も一時期を除いて運航されているが、北京を発着する便はおととし3月以降中断されていた。13日からは中国の航空会社も運航を始める予定だが、成田空港から北京に向かう便は、中国当局から運航が認められず当面は片道のみ。

◆尾身会長ら岸田首相と会談 「新たな感染の波が来た」

 11日夕方、政府分科会の尾身会長は、厚労省の専門家組織の脇田座長などとともに首相官邸を訪れ、岸田首相と30分余り会談した。会談後、尾身会長は「新たな感染の波が来たことは間違いない」と述べ、第7波に入ったという認識を示し、「強い行動制限措置をとらずとも、検査やワクチンの接種、基本的な対策で乗り越えることは可能で、国や自治体含めて対応を徹底するべきだ」と述べ、現時点では、「まん延防止等重点措置」は必要ないという認識を示した。

 会談では専門家から、現在の感染者急増の背景に、感染力がより強いとされる「BA.5」の広がりや、ワクチン接種から時間がたって免疫の効果が下がってきていることがあることなどを説明、医療の逼迫を防ぐために、政府や自治体が医療や検査、ワクチン接種の体制を整え、国として基本的な感染対策の徹底を呼びかけるよう求めたという。

◆第7波入った「大阪モデル」、警戒示す黄色に 往診依頼が急増

 大阪府内では、新たな感染者が前の週の同じ曜日と比べて2倍以上に増える日が続いている。大阪府は11日、対策本部会議を開き、吉村知事が「新型コロナの感染状況は、第7波の入り口に入っていると考えるべきだ。一人ひとりの基本的な感染対策をお願いすると同時に、重症化するリスクが高い人をいかに守るかに注力すべきだ」と述べた。会議では、感染状況などを伝える独自の基準「大阪モデル」を「警戒」を示す「黄色」に引き上げることを決めた。

 7月11日時点の関西の感染確認 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 大阪では自宅療養者や入院調整中の人の数が3万5000人を超え、往診の依頼が急増していて、医師が対応に追われている。会議のあと、知事は記者団に対し「飲食店への時短要請や人数制限は現時点では考えていない。少しでも症状がある場合は早めに検査を受けるとともに、3回目のワクチン接種がまだの人は早期の接種をお願いしたい」と呼びかけた。

●感染3.7万人 前週の2.2倍

 国内感染者は11日、3万7143人が新たに確認された。前週の同じ月曜日(4日)より2万335人増え、約2.2倍にあたる。5日連続で、前週の同じ曜日と比べて2倍以上増えている。重症者は75人、死者は15人だった。

 この日の新規感染者数は、東京都が最も多く6231人。前週の月曜日(4日)より3459人多く約2.25倍となり、前週を上回るのは24日連続となった。11日までの1週間平均の感染状況をみると、1日あたりの感染者数は8054.0人で、前週(3380.0人)の238%だった。2番目に多かったのは神奈川県の4230人で、大阪府2515人、埼玉県2429人、福岡県2354人。

【7月12日】

●全国旅行支援、延期へ 政府方針 感染状況、改善するまで

 岸田首相は6月中の感染状況の改善を条件に7月前半からの実施を予定していたが、感染者数は増加傾向に転じ、12日には新規に確認された感染者数が7万人を超えた。感染が広がっている間は実施は難しいと判断したとみられる。斉藤国土交通相は12日の会見で「(13日に開かれる)厚労省の専門家会議の結果をふまえて、感染状況を総合的に見極めたうえで、7月前半中に適切に判断したい」と述べた。7月中の実施は厳しく、9月以降にずれ込む可能性もある。

 全国旅行支援は、都道府県ごとの県民割を全国に広げるものだ。新幹線や航空機などの交通機関をセットにした旅行商品なら、1人1泊8千円を上限に、旅行代金の40%が補助される。旅行先で使える3千円分(平日)のクーポン券が付き、合計で実質1万1千円が補助される。14日に終了予定の「県民割」は、期間を8月末まで延長する。

◆新たな変異ウイルス「BA.2.75」 神戸市で確認 検疫除き全国初

 神戸市は先月24日、市内の40代女性の新型コロナ感染を確認。その後、女性の検体を回収しゲノム解析を行ったところ、「BA.2」の系統の「BA.2.75」と呼ばれる新たな変異ウイルスだったことが判明した。女性は発症する前の14日以内に渡航歴がないほか、海外渡航者との接触も確認されておらず、神戸市は、「市中感染の可能性を否定できない」としている。

 この変異ウイルスは先月インドで初めて確認されたばかりで、感染力や重症化リスクについて現時点ではっきりとしたデータがなく、WHOが監視を強めているという。市は、この変異ウイルスが確認されたのは、検疫を除いて全国で初めてだという。

◆島根県知事「医療提供体制に大きな負荷のおそれ」 対策呼びかけ

 感染確認が過去最多となって発熱外来が逼迫している島根県の対策本部会議で、丸山知事は「このままの感染状況が続いた場合、医療提供体制に大きな負荷が生じるおそれがある」と述べた。こうした状況を踏まえて、業務が停滞している松江と出雲の保健所では、発熱などの症状が出た濃厚接触者について、検査を行わなくても医師の診断で陽性と判断。すべての保健所で、同居家族などの濃厚接触者が無症状だった場合には、検査を行わないことを決めた。

 一方、政府が「現時点で行動制限は必要ない」との方針を示していることについて、丸山知事は「政治的に翻訳すると、都道府県が、まん延防止等重点措置を求めてきても認めないと国が言っていると理解した。政府は、島根県の急増に対して、特段の危機感を持っていないという前提で、むだな交渉はせず県内でできることをやっていく方針だ」と述べた。飲食店の利用人数は、県東部と西部では今月15日から、4人以下とするよう要請する。

●東京都で4カ月ぶり1万人超のコロナ新規感染 確保病床を再び拡充

 東京都は12日、新型コロナ感染者を新たに1万1511人確認したと発表した。1週間前の同じ曜日(5日)より6209人多く、約2.17倍となった。感染者が1万人を超えたのは3月16日以来、約4カ月ぶりで、前週を上回るのは25日連続。病床使用率は41.1%。都が30~40%で「緊急事態宣言」の要請を判断する指標としている重症者用病床使用率は8.8%。都基準の重症者数は、前日から3人増えて12人となった。

 小池知事は12日、病床使用率が4割を超えたことを受け、コロナ患者向けの都内の確保病床を約5千床から最大規模の約7千床に増やすよう、医療機関に要請したことを明らかにした。都内の感染状況を12日までの1週間平均でみると、1日あたりの感染者数は8941.0人で、前週(3778.3人)の236.6%だった。年代別では20代の2310人が最多で、30代が1954人、40代が1828人、10代が1479人、50代が1337人、10歳未満が1309人だった。65歳以上は912人だった。

 7月12日時点の東京の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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【7月13日】

●全都道府県、コロナ感染増 専門家会合 来月すべて「BA.5」試算も

 厚労省の専門家組織は13日、会合を開き、前週と比べてすべての都道府県で感染者が増え、感染状況が急激に悪化しているとの分析を示した。冷房を使っていると換気が不十分になることから、改めて基本的な感染対策をとるように訴えた。12日までの1週間で、全国の新規感染者は前週の2.14倍。すべての都道府県で増えており、32都府県で2倍以上となった。秋田県で3.57倍、奈良県で3.01倍、福岡県で2.27倍、愛知県で2.26倍など。

 感染が急増の要因として、BA.5への置き換わりが進んでいると分析。主流のBA.2に比べて、感染力は1.27倍、8月第1週にはほぼすべてが置き換わるとの試算も示した。脇田座長は「今後も多くの地域で感染者数の増加が続く見込み」と強い警戒感を示した。国内の重症者数は12日時点で計90人。徐々に増えているが、1500人超の第6波のピークに比べると、低い水準にとどまっている。病床使用率は沖縄県で57%に達したものの、総じて低い水準にある。

◆コロナ急拡大、すべての年代で増加 専門家組織

 厚労省の専門家組織の会合が開かれ、感染が急速に拡大し、新規感染者数はすべての都道府県で、すべての年代で増加していると指摘した。オミクロン株のうち、より感染力が強いと指摘される、「BA.5」への置き換わりが進み、今週末からの3連休や夏休みの影響もあり、今後も急速な増加が続くことが懸念されるとして、ワクチン接種を進めることや基本的な感染対策の徹底を求めました。

 会合の冒頭、後藤厚労相は「新規感染者数は先週比2.14となり、すべての都道府県や年代で増加し、病床使用率は総じて低水準だが上昇傾向にある。今後多くの地域で新規感染者数の増加が続くことが見込まれる」と述べた。その上で「重症化リスクの高い高齢者が多く入所する高齢者施設でワクチンの4回目接種の着実な実施を図るとともに、対象者にできる限り早く接種してもらえるよう取り組みを推進していく。特に20代、30代の3回目接種を促進していく」と述べた。

■発熱外来や保健所、危機感 第6波の課題積み残したまま

 感染者の急増で医療機関や保健所が逼迫、濃厚接触の欠勤者急増など、「第6波」の課題が積み残されたまま、感染が再び拡大している。名古屋工大の平田教授らの試算では、BA.5の感染力がBA.2の1.3倍、ワクチン予防効果は50%低下と仮定すると、新規感染者数は東京都で7月下旬にピークの約1万8千人、9月末まで1万人台。都内で1日数人の死者は、8月中旬に25人以上と予測する。平田教授は「季節外れの暑さで換気が悪くなっていたことも影響」と話す。

 感染者が爆発的に増える状況は第6波と同じで、救急や一般の医療への影響が懸念される。保健所への負荷が高まり、健康観察が行き届かなくなって自宅で亡くなるといった事態も繰り返される恐れがある。だが、教訓を踏まえた対策は十分に進んだとは言えない。厚労省によると、発熱外来の数は6日時点で約3万9千カ所。3月から約3千カ所増えたが、全医療機関の35%で、さらに感染が拡大すれば患者を診きれなくなる事態も予想される。

●4回目接種、対象者拡大検討 医療従事者や高齢者施設職員

 政府は、新型コロナワクチンの4回目接種の対象者を、60歳未満の医療従事者や高齢者施設の職員に拡大する検討に入った。岸田首相が14日の記者会見で表明する方向で、月内にも厚労省の審議会で議論する。

 4回目接種の現在の対象者は、60歳以上と、18歳以上60歳未満で基礎疾患がある人。政府は、3回目接種までは、新型コロナの発症を防ぐ効果が確認されているとして、若年者も含めて幅広い年代を接種対象としてきた。4回目では発症予防効果について十分な科学的知見が集まっていないとして、重症化予防を目的に対象を限定している。

●感染、全国9.4万人 13県で最多

 新型コロナの国内感染者は13日、新たに9万4493人が確認された。前週の同じ曜日(6日)と比べて4万8674人多く、前週の2倍以上となったのは7日連続。13県で、1日あたりの感染者数が過去最多を更新した。死者は31人だった。過去最多を更新したのは、青森、岩手、石川、静岡、三重、和歌山、高知、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の13県。鳥取、島根、山口、愛媛、佐賀の5県でも過去2番目の多さとなった。

 都道府県別での最多は東京都の1万6878人で、前週の同じ曜日より8537人多く、前週を上回るのは26日連続。次に多かったのは大阪府の1万452人で、1万人を超えるのはおよそ4カ月半ぶりとなった。愛知県は6364人、神奈川県は6193人、福岡県は5180人だった。

【7月14日】

●行動制限 現時点では否定 4回目のワクチン接種の対象拡大 首相会見

 岸田首相は14日、記者会見を行い、感染者が全国的に拡大しBA.5への置き換わりが進んでいることを指摘、「更なる感染拡大に最大限の警戒が必要だ」と述べた。その上で「私たちはこれまで6回の感染の波を乗り越えてきた。日本全体として対応力が強化されている」と強調、「新たな行動制限は、現時点では考えていない」と述べた。若い世代を中心にすべての年代で感染者が増えているものの、重症者数や死亡者数、病床使用率も低い水準にあると説明した。

 「社会経済活動と感染拡大防止の両立を維持するために、世代ごとにメリハリの効いた感染対策をさらに徹底していくことが必要」と強調。ワクチンの4回目接種の対象を全ての医療従事者や高齢者施設職員に広げる対策を明らかにした。接種対象は約800万人。人の移動が増える夏休みに合わせ、人と人との接触機会が増えることが予想されるとして、全国のおよそ1万3千か所で無料検査を行うほか、主要駅や空港100カ所以上の臨時の無料検査拠点を整備する。

◆新型コロナ「第7波」対策で政府分科会が緊急提言案

 14日、政府の対策分科会が開かれ、専門家は「第7波」の対策として、検査のさらなる活用や効率的な換気などを求める緊急提言の案を示した。「BA.5」の拡大などで感染が急拡大し、今後、高齢者を中心に入院患者や亡くなる人の数が増加する可能性があり、救急や一般の医療、介護への負担が極めて大きくなるおそれがあるとし、対策を直ちにとる必要があると指摘。ただ、医療の逼迫が深刻になった場合は、行動制限を含めた強い対策が必要になる可能性もあるとしている。

 具体的な対策は、抗原検査キットを薬局で簡単に買えるようにする、帰省する人が事前に検査を受けられる体制を確保する。マイクロ飛沫やエアロゾルによる感染を防ぐことが重要で、空気の入口と出口を確保して空気の流れを妨げないようにする。さらに3回目ワクチン接種と高齢者などへの4回目接種を加速。地域の医療機関で連携して医療体制を確保するよう求めている。一人ひとりが基本的な感染対策を徹底し、症状がある場合の外出を控えるよう呼びかける。

◆尾身会長「対策徹底が強い行動制限無しの重要な前提条件」

 政府対策分科会の尾身会長は14日夜の記者会見で、政府から「現時点では強い行動制限を行わない」方針が示されていることについて「これまで行動制限を行うことで社会が強いダメージを受けてきた。感染症の実態も少しずつわかってきた中で、今後は感染を抑えながら社会経済を回したいという社会の要請がある。ただ、感染の波を乗り越えるためには14日に分科会で提言した5つの対策を徹底して行うということが重要な前提条件」と話した。

 そのうえで、「これまでの経験で多くの人がどんな場面で感染しやすいか工夫したり、判断したりできるようになっている。国や自治体だけでなく、市民一人ひとりが徹底した対策をしてもらうことが重要」。また提言の中で、今後、新型コロナを「日常的な医療提供体制の中に位置づけるための検討を始める必要がある」と指摘したことについて、分科会でも活発に議論され、新型コロナを医療の中でどう位置づけていくかというのが委員の一致した意見」と説明した。

●ファイザー、4歳以下を申請

 新型コロナのワクチンを製造販売している米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックは14日、接種対象を生後6カ月~4歳に広げることを承認するよう、厚労省に申請したと発表した。5~11歳への対象拡大は厚労省が今年1月に特例承認している。ファイザーは生後6カ月~4歳の子どもへの3回の接種で、ほかの年代と同等の効果が得られるとしている。

●業者から要望 年内に法改正案 「感染疑い、宿泊拒否可に」

 厚労省の専門家による検討会は14日、旅館業法の見直しを求める報告書をまとめた。宿泊業者が、新型コロナなどに感染した疑いのある客の宿泊を拒否できるようにする。現行法では、感染が確認されないかぎり拒否できない。厚労省は早ければ年内に同法の改正案を国会に提出する。現在は、疑いの段階では宿泊業者は客に対して宿泊を拒否することはできない。宿泊業者から感染対策として拒否できるよう要望する声があがっていた。

 発熱やせきなど感染症の疑いがある客が宿泊を希望した場合、宿泊業者は保健所に連絡、必要なら医療機関への受診を促す。マスク着用や消毒などの感染対策に応じず、正当な理由がないかぎり、宿泊を拒否できる。エボラ出血熱や結核など感染症法の1、2類のほか新型コロナを想定。感染症とは別に「迷惑客」も対象。ただし、2003年ハンセン病元患者が、宿泊拒否される問題も起きた。厚労省は、運用のガイドラインを作成する。

●全国旅行支援、見送りを発表 県民割は来月末まで

 7月前半の開始をめざしていた観光支援策「全国旅行支援」について、斉藤国交相は14日、実施を見送ると発表した。都道府県ごとに実施している「県民割」は8月31日の宿泊分まで延長する。13日に開かれた厚労省の専門家組織の会議で、新規感染者数が全都道府県で増え、感染拡大が続くおそれがあるとの分析結果が示された。実施時期は、全国の感染状況や病床使用率などをもとに判断するとして明示しなかった。

●都、警戒レベル最高に 再来週「感染1日5万人」も

 新型コロナに関する東京都のモニタリング会議が14日にあり、都内の感染状況について都独自の警戒レベルを4段階のうち最高に引き上げた。医療提供体制の警戒レベルも4段階の上から2番目に引き上げ、早急な対応の必要性を指摘した。会議での報告によると、都内の新規感染者数(週平均)は13日時点で前週の2.3倍。前週は前々週の1.9倍。

 会議に参加した国立国際医療研究センターの大曲氏は「今回の増加比が継続すると1週間後には第6波のピークを超える」と指摘した。感染状況の警戒レベルが最高となるのは約2カ月半ぶり。このままの増加率が続いた場合の推計も示し、13日から1週間後の20日には週平均で2万3253人、2週間後の27日には5万3482人に上るとした。4日までの1週間で、BA.5の疑い例はオミクロン株感染が疑われる例の56.4%となった。前週は33.4%だった。

●青森や静岡など、9県で過去最高

 国内感染者数は14日、新たに9万7788人が確認され、国内感染者数は累計で1千万人を超えた。14日は前週の同じ曜日(7日)と比べ4万9823人多く、8日連続で前週の2倍以上となった。過去最多を更新したのは青森、静岡、三重、山口、香川、福岡、長崎、熊本、沖縄の9県。都道府県別で最多は、東京都の1万6662人で、前週より8133人多く、約2倍となった。前週を上回るのは27日連続。

【7月15日】

●中国成長率0.4%、幅減速 4〜6期 都市封鎖などで

  中国・国家統計局が15日に発表した4~6月期のGDP(速報値)は、物価変動の影響を除く実質成長率が前年同期比0.4%だった。前期(1~3月期)と比べるとマイナス2.6%、ロックダウンなど厳格なゼロコロナ政策により、減速が鮮明になった。また1~6月期では前年同期比2.5%となり、秋の共産党大会に向けて習近平指導部が掲げる今年の経済成長率目標「5.5%前後」の達成は厳しい。国内ではゼロコロナ政策への批判が封殺されるなか、世界からは「中国離れ」も出始めている。

●4回目接種、対象の21% 6月末時点 高齢者施設を初調査

 新型コロナワクチンの4回目接種について、厚労省は15日、6月末までに実施対象となった高齢者施設のうち、接種を終えたのは21%だったと発表した。7月に対象となる施設のうち、月内に終える予定の施設も56%にとどまり、追加接種の出足は低調。「第7波」で感染が急増しており、厚労省は早期の接種を呼びかけている。

◆コロナ流行下の熱中症対応 学会が手引き公表

 15日に公表された「新型コロナ流行下における熱中症対応の手引き」は、日本救急医学会や日本感染症学会など4つの学会が、医療従事者向けに作成していたものを最新の研究成果を踏まえて改訂した。手引きでは、マスクの着用については、健康な大人ではマスク着用で熱中症のリスクは上がらなかったという実験結果を紹介する一方で、高齢者や子どもなどは大人よりも熱中症になりやすいことから、マスクの着用に注意する必要があるとした。

 そのうえで、マスクを外すだけではなくエアコンや水分補給などの熱中症対策は続けるよう呼びかけている。また、エアコンについては適切に換気を行いながら、室温が上がりすぎないようこまめに室温を調節をすべきだとした。このほか、熱中症と新型コロナでは、発熱や筋肉痛、頭痛やけん怠感など共通する症状も多いことから、症状が出た場合は医療機関に相談してほしいという。

●コロナ感染、10万人超す 2月5日以来、5カ月ぶり 診察受けられず、病床逼迫も

 新規感染者は15日、全国で計10万3311人が確認された。10万人を超えたのは2月5日(10万4163人)以来、2回目。第6波のピークにほぼ並んだ形だが、感染は収まる気配がない。過去最多を更新したのは和歌山、福岡、鹿児島、熊本、青森の5県。また最多は東京都の1万9059人で、1週間前の2.17倍だった。感染が急速に広がる中、新型コロナの感染が疑われても、すぐに診察を受けられなかったり、救急の受け入れ要請が急増し、病床が逼迫する状態になっている。

◆新たな行動制限はせず、社会経済回復を 岸田首相

 政府は首相官邸で対策本部を開き、全国的な感染の再拡大を受けて、夏休みの帰省で高齢者に会う場合などの事前の検査や、密閉された空間の効果的な換気の実施を求めることなどを盛り込んだ基本的対処方針の変更を決定した。首相は「医療体制を維持・強化しながら引き続き最大限の警戒を保ちつつ、社会経済活動の回復に向けた取り組みを段階的に進めていく。まずは強化された対応力を全面的に展開し、新たな行動制限は現時点では考えていない」と述べた。

 そのうえで、現在60歳以上の人などに行っている4回目のワクチン接種の対象範囲を、医療従事者と高齢者施設スタッフなどにも拡大、来週以降接種を始めるほか、夏休みの帰省前に検査を受けられるよう、主要駅や空港などに100か所以上の臨時の無料検査拠点を整備する方針を重ねて示した。そして「国民の皆様に基本的感染対策への協力をお願いするとともに、冷房でこもりがちになる室内の効果的な換気方法を周知していく」と述べた。

●10万人あたりの感染者数が多い沖縄県と島根県

 10万人あたりの感染者数が全国最多の沖縄県では、コロナ向け確保病床の使用率が58.1%、入院調整が難しくなる水準。一般病床の使用率も97.5%。沖縄県の池田副知事は14日の記者会見で「このまま(感染者が)3千人を超える状況だと行動制限を行わざるを得ない」と述べた。15日には県内の救急病院長の会議が急きょ開催、診察までに熱中症患者が亡くなったケースも報告され、会議後の記者会見では「救急医療は破綻寸前」という発言もあった。

 沖縄県に次いで10万人あたりの感染者数が多い島根県では、すでに一部地域を除き飲食店利用時の人数を4人以下と県民に要請するなど独自の対策を進めている。新規感染者は12日に過去最多の1271人、14日まで1千人を超えた。政府分科会の尾身会長が11日、「まん延防止等重点措置」のような行動制限は現時点で必要なく、基本的対策で「乗り越えるのは可能」と述べると、丸山知事は翌日の会見で「なんでこんなに悠長なのか」と厳しく批判した。

■大阪・愛知・東京など、行動制限に否定的

 大阪府の吉村知事は15日、記者団に「一人一人に感染対策をお願いすることで、できるだけ抑えたい」と話した。従来、行動制限に否定的な立場で、今週も11日に「飲食店など一部に犠牲を強いても大きな感染拡大防止にはならない」と述べていた。ただ府は15日、感染のさらなる拡大を想定して入院対象を絞ることを決めた。中等症以上を原則とし、軽症者は基礎疾患がある場合など医師の個別判断に委ねる。

 愛知県の大村知事は15日の記者会見で、飲食店などへの時短の要請は「県だけでは判断できない」、イベントなどの定員規制は「経済に対するダメージが非常に大きい」と否定的。東京都の小池知事は15日、ワクチン接種会場や高齢者向け診療施設の増加など追加対策を発表。行動制限は必要なく、感染防止と社会経済活動の両立を図る。「亡くなる人をいかに出さないかが最も優先される対策。医療提供態勢と高齢者の感染対策を万全にしている」と述べた。

 以下5枚の図は、7月15日時点の感染状況 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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 7月15日時点発表のワクチン接種割合 出典:NHK新型コロナウイルス特設サイト

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